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特開2024-126947ホイールユニットおよびこれを備えたマウス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126947
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ホイールユニットおよびこれを備えたマウス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F3/0354 442
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035731
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴広
(72)【発明者】
【氏名】石川 義人
(72)【発明者】
【氏名】伊夫伎 啓之
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 充典
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA04
5B087BB11
(57)【要約】
【課題】磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することが可能なホイールユニットおよびこれを備えたマウスを提供する。
【解決手段】ホイールユニット11は、マウス10に装填され、本体部12a、アウターホイール11aおよびインナーホイール11b、ブレーキ機構を備える。ブレーキ機構は、本体部12aの内部に設けられ環状に巻回されており電流が流れると磁場を発生させるコイル12dと、コイル12dから付与される磁場によって粘性が変化するMR流体12eと、本体部12aの内部に設けられコイル12dの内周側に配置されMR流体12eを保持するMR流体保持部12cと、MR流体保持部12cの内部の圧力に応じてMR流体保持部12cの容積を変化させる容積可変部12mと、を有している。ブレーキ機構は、MR流体12eの粘性の変化に応じて、アウターホイール11aへの回転操作に対する回転抵抗の大きさを変化させる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスに装填され、回転操作されるホイールユニットであって、
本体部と、
前記本体部に対して相対回転可能な状態で取り付けられるホイール部と、
前記本体部の内部に設けられ環状に巻回されており電流が流れると磁場を発生させるコイルと、前記コイルから付与される磁場によって粘性が変化する磁気粘性流体と、前記本体部の内部に設けられ前記磁気粘性流体を保持する磁気粘性流体保持部と、前記磁気粘性流体の内部の圧力に応じて前記磁気粘性流体の容積を変化させる容積可変部と、を有し、前記磁気粘性流体の粘性の変化に応じて、前記ホイール部への回転操作に対する回転抵抗の大きさを変化させるブレーキ機構と、
を備えているホイールユニット。
【請求項2】
前記容積可変部は、前記磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して前記磁気粘性流体保持部の容積を変化させる樹脂製の弾性部材を含む、
請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項3】
前記容積可変部は、前記磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して前記磁気粘性流体保持部の容積を変化させる負圧可変型のシリンダを含む、
請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項4】
前記容積可変部は、前記磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して前記磁気粘性流体保持部の容積を変化させる弾性膜を含む、
請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項5】
前記磁気粘性流体保持部は、前記コイルの内周側に配置されている、
請求項1または2に記載のホイールユニット。
【請求項6】
前記容積可変部は、前記ホイール部の回転操作の回転中心となる回転軸の方向において、前記磁気粘性流体保持部に隣接する位置に設けられている、
請求項1または2に記載のホイールユニット。
【請求項7】
前記ホイール部は、回転軸と、前記回転軸を中心とする径方向に沿って突出し前記磁気粘性流体保持部の内部において前記磁気粘性流体と接触しながら回転する円盤部と、を有している、
請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項8】
前記円盤部は、前記コイルの内周側に設けられている、
請求項7に記載のホイールユニット。
【請求項9】
前記本体部に設けられており、前記磁気粘性流体を前記磁気粘性流体保持部内に封止する第1封止部材を、さらに備えている、
請求項1または2に記載のホイールユニット。
【請求項10】
前記第1封止部材は、前記ホイール部に含まれる回転軸の軸方向において前記コイルを挟み込むように2つ設けられている、
請求項9に記載のホイールユニット。
【請求項11】
前記本体部に設けられており、前記回転軸との摺動部分において前記磁気粘性流体を前記磁気粘性流体保持部内に封止する第2封止部材を、さらに備えている、
請求項7に記載のホイールユニット。
【請求項12】
前記第2封止部材は、断面視において、前記回転軸に対して2点で当接している、
請求項11に記載のホイールユニット。
【請求項13】
前記第2封止部材は、断面視において、略X字状の形状を有している、
請求項12に記載のホイールユニット。
【請求項14】
前記本体部に設けられており、前記回転軸を軸支する軸受部を、さらに備えている、
請求項7に記載のホイールユニット。
【請求項15】
請求項1または2に記載のホイールユニットと、
前記ホイールユニットが回転操作される状態で装填される操作本体部と、
を備えているマウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスに装填されるホイールユニットおよびこれを備えたマウスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回転操作によって入力を行うホイールユニットが装填されたマウス等の各種操作装置が採用されている。
また、近年、ホイールユニットが装填されたマウス等の操作装置は、職場や家庭に設置されたPC等を操作する操作装置としての用途だけでなく、クリエータによって操作される操作装置、あるいは、e-Sports等のゲームを操作する操作装置としても使用されており、より繊細な操作感が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、磁場を生成するように構成された永久磁石と、永久磁石によって生成された磁場の強度を設定するように構成された磁化アセンブリとを含む電気永久磁石(EPM)アセンブリと、入力要素に結合され磁場に応じて粘度が変化する磁気粘性(MR)材料と、を備えたコンピュータ周辺機器について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第11048344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のコンピュータ周辺機器では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたコンピュータ周辺機器では、温度変化等によって磁気粘性流体が膨張したり収縮したりすると、磁気粘性流体保持部から磁気粘性流体が漏れ出してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することが可能なホイールユニットおよびこれを備えたマウスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係るホイールユニットは、マウスに装填され、回転操作されるホイールユニットであって、本体部と、ホイール部と、ブレーキ機構と、を備えている。ホイール部は、本体部に対して相対回転可能な状態で取り付けられる。ブレーキ機構は、本体部の内部に設けられ環状に巻回されており電流が流れると磁場を発生させるコイルと、コイルから付与される磁場によって粘性が変化する磁気粘性流体と、本体部の内部に設けられ磁気粘性流体を保持する磁気粘性流体保持部と、磁気粘性流体の内部の圧力に応じて磁気粘性流体保持部の容積を変化させる容積可変部と、を有し、磁気粘性流体の粘性の変化に応じてホイール部への回転操作に対する回転抵抗の大きさを変化させる。
【0008】
ここでは、磁気粘性流体(MR(Magneto-Rheological)流体)およびコイルを含むブレーキ機構によってホイール部の回転操作に対する回転抵抗を制御するホイールユニットにおいて、容積可変部によって、磁気粘性流体の膨張・収縮に起因する磁気粘性流体保持部の内部の圧力変化に合わせて、磁気粘性流体保持部の容積を変化させる。
ここで、ホイールユニットは、マウスに装填され使用者による回転操作によって操作入力を行う装置であって、例えば、回転操作に加えて、押圧によって操作入力が行われる構成であってもよい。
【0009】
ブレーキ機構は、外部から磁場が付与されると粘性が変化する磁気粘性流体(MR流体)の性質を利用して、ホイール部の回転操作に対する回転抵抗を調整する。
容積可変部は、例えば、弾性を有するゴムや樹脂等の部材、シリンダ、バネ等の部材であって、磁気粘性流体保持部の内部の圧力に応じて変形することで、磁気粘性流体保持部の容積を変化させる。
【0010】
これにより、磁気粘性流体を保持する磁気粘性流体保持部の内部の圧力が、例えば、温度変化等に起因して磁気粘性流体の膨張・収縮によって変化した場合でも、容積可変部によって磁気粘性流体保持部の容積を変化させることで、磁気粘性流体保持部の内部圧力が高くなりすぎることを防止することができる。
この結果、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0011】
第2の発明に係るホイールユニットは、第1の発明に係るホイールユニットであって、容積可変部は、磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して磁気粘性流体保持部の容積を変化させる樹脂製の弾性部材を含む。
これにより、弾性を有する樹脂製の部材を用いて磁気粘性流体保持部の容積を変化させることで、安価な構成により、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0012】
第3の発明に係るホイールユニットは、第1の発明に係るホイールユニットであって、容積可変部は、磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して磁気粘性流体保持部の容積を変化させる負圧可変型のシリンダを含む。
これにより、負圧可変型のシリンダを用いて磁気粘性流体保持部の容積を変化させることで、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0013】
第4の発明に係るホイールユニットは、第1の発明に係るホイールユニットであって、容積可変部は、磁気粘性流体の膨張・収縮に応じて伸縮して磁気粘性流体保持部の容積を変化させる弾性膜を含む。
これにより、弾性膜の弾性を利用して磁気粘性流体保持部の容積を変化させることで、安価な構成により、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0014】
第5の発明に係るホイールユニットは、第1または第2の発明に係るホイールユニットであって、磁気粘性流体保持部は、コイルの内周側に配置されている。
これにより、磁気粘性流体を保持する磁気粘性流体保持部が、コイルから付与される磁場の影響を強く受けやすい、環状に巻回されたコイルの内周側に近接配置されているため、磁場の大きさの変化に対して磁気粘性流体の粘度を自在に変化させることができる。
この結果、コイルから付与される磁場の大きさに応じた応答性能(磁場効率)を向上させることができる。
【0015】
第6の発明に係るホイールユニットは、第1または第2の発明に係るホイールユニットであって、容積可変部は、ホイール部の回転操作の回転中心となる回転軸の方向において、磁気粘性流体保持部に隣接する位置に設けられている。
これにより、軸方向において磁気粘性流体保持部に隣接する位置に設けられた容積可変部によって、磁気粘性流体保持部の容積を変化させて、磁気粘性流体保持部の内部圧力が過度に上昇しないように抑制することができる。
【0016】
第7の発明に係るホイールユニットは、第1の発明に係るホイールユニットであって、ホイール部は、回転軸と、回転軸を中心とする径方向に沿って突出し磁気粘性流体保持部の内部において磁気粘性流体と接触しながら回転する円盤部と、を有している。
これにより、磁気粘性流体保持部の内部に設けられた円盤部によって、磁気粘性流体に対する回転体側の接触面積が大きくなる。よって、磁気粘性流体の中で円盤部が回転することで、磁気粘性流体の粘度変化に応じて、回転軸と一体的に回転する円盤部に付与される回転抵抗を効率よく変化させることができる。
【0017】
第8の発明に係るホイールユニットは、第7の発明に係るホイールユニットであって、円盤部は、コイルの内周側に設けられている。
これにより、円盤部が、磁気粘性流体の粘度が最も変化しやすいコイルの内周側に近接配置されているため、回転操作に対する回転抵抗を高い応答性を持って変化させることができる。
【0018】
第9の発明に係るホイールユニットは、第1または第2の発明に係るホイールユニットであって、本体部に設けられており、磁気粘性流体を磁気粘性流体保持部内に封止する第1封止部材を、さらに備えている。
これにより、例えば、Oリング等の第1封止部材を用いて、磁気粘性流体保持部の内部に磁気粘性流体を封止することができる。
【0019】
第10の発明に係るホイールユニットは、第9の発明に係るホイールユニットであって、第1封止部材は、ホイール部に含まれる回転軸の軸方向においてコイルを挟み込むように2つ設けられている。
これにより、例えば、回転軸の軸方向においてコイルを挟み込むように一対のコイルが設けられているため、回転軸の軸方向における磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0020】
第11の発明に係るホイールユニットは、第7の発明に係るホイールユニットであって、本体部に設けられており、回転軸との摺動部分において磁気粘性流体を磁気粘性流体保持部内に封止する第2封止部材を、さらに備えている。
これにより、磁気粘性流体保持部の内部において回転する回転軸が摺動する部分において、例えば、第1封止部材とは断面形状が異なる第2封止部材を用いて、磁気粘性流体の漏れ出しを抑制することができる。
【0021】
第12の発明に係るホイールユニットは、第11の発明に係るホイールユニットであって、第2封止部材は、断面視において、回転軸に対して2点で当接している。
これにより、回転軸との摺動部分において、回転軸に対して2点で当接する第2封止部材を用いることで、1点で接触する構成と比較して、より効果的に摺動部分付近における磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0022】
第13の発明に係るホイールユニットは、第12の発明に係るホイールユニットであって、第2封止部材は、断面視において、略X字状の形状を有している。
これにより、断面視において略X字状の第2封止部材を用いることで、回転軸との摺動部分において2点で接触した状態を形成して、磁気粘性流体が磁気粘性流体保持部の外へ漏れ出すことを回避することができる。
【0023】
第14の発明に係るホイールユニットは、第7の発明に係るホイールユニットであって、本体部に設けられており、回転軸を軸支する軸受部を、さらに備えている。
これにより、ホイール部は、軸受部によって回転軸が軸支された状態で、使用者によって入力される回転操作を受け付けることができる。
【0024】
第15の発明に係るマウスは、第1または第2の発明に係るホイールユニットと、ホイールユニットが回転操作される状態で装填される操作本体部と、を備えている。
これにより、コイルから付与される磁場の大きさに応じた応答性能(磁場効率)を向上させることが可能なマウスを提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るホイールユニットによれば、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るホイールユニットが装填されたマウスの構成を示す全体斜視図。
図2】(a),(b),(c)は、図1のマウスの上面図、側面図、底面図。
図3図2(b)のA-A線断面図。
図4図3のマウスに装填されたホイールユニットの構成を示す分解斜視図。
図5】(a)は、図4のホイールユニットの側面図。(b)は、(a)のB-B線断面図。
図6】(a)および(b)は、図5(a)等のホイールユニットに含まれるMR流体ユニットの構成を示す斜視図および正面図。
図7図6(a)等のMR流体ユニットの構成を示す分解斜視図。
図8図1のマウスに用いられたMR流体の磁場の強さと粘度との関係を示すグラフ。
図9】(a),(b),(c)は、図5(b)のホイールユニットの内部に設けられたMR流体保持部の内部圧力が通常時、加圧時、減圧時における容積可変部の状態を示す断面図。
図10】(a),(b),(c)は、本発明の他の実施形態に係るホイールユニットの構成を示す断面図。
図11】(a),(b),(c)は、本発明のさらに他の実施形態に係るホイールユニットの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係るホイールユニット11およびこれを備えたマウス10について、図1図9(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0028】
(1)マウス10の構成
本実施形態に係るマウス10は、図1および図2(a)~図2(c)に示すように、マウス本体10aと、スイッチ10bと、底面10cと、USB差込み口10dと、投光部10eaと、受光部10ebと、スイッチ10fとを有している。
【0029】
マウス本体10aは、マウス10の筐体部分であって、図1図2(a)および図2(b)に示すように、その上面から、ホイールユニット11の一部が突出した状態で、ホイールユニット11を回転可能な状態で支持している。
スイッチ10bは、図1図2(a)および図2(b)に示すように、マウス本体10aの上面におけるホイールユニット11の近傍に配置されている。スイッチ10bは、例えば、通常モードとゲームモードとを切り替える際、あるいは、マウス10の電源のON/OFFを切り替える際に、操作される。
【0030】
底面10cは、図2(b)に示すように、マウス本体10aとともにマウス10の外殻を構成する。
USB差込み口10dは、図1に示すように、マウス10の正面側部に設けられており、主に、マウス10に搭載された二次電池(図示せず)の充電を行うためのUSBケーブルが挿入される。
【0031】
投光部10eaおよび受光部10ebは、図2(c)に示すように、マウス10の底面10cの略中央に設けられており、投光部10eaから照射された赤外光の反射を、受光部10ebにおいて受光することで、マウス10の位置変化を検出する。
スイッチ10fは、図2(c)に示すように、マウス10の底面10cにおける投光部10eaおよび受光部10ebの近傍に設けられており、マウス10の電源をON/OFFする。
ホイールユニット11は、図1および図2(b)に示すように、マウス10のマウス本体10aの上面における前方に設けられており、主に、回転操作および押下操作を受け付ける。なお、ホイールユニット11の詳細な構成については、後段にて詳述する。
【0032】
(2)ホイールユニット11の構造
本実施形態のマウス10は、操作者によって回転操作された際に、MR流体(磁気粘性流体)12eを用いて、回転抵抗が所望の大きさになるように変化させるホイールユニット11を備えている。
【0033】
ホイールユニット11は、マウス10の操作者によって回転操作および押下操作が入力されるユニットであって、図3および図4に示すように、アウターホイール(ホイール部)11a、インナーホイール(ホイール部)11b、中ボタン11c、回転検出用マグネット11d、MR(Magneto-Rheological)流体ユニット12を有している。
アウターホイール(ホイール部)11aは、図3および図4に示すように、略円筒状の部材であって、インナーホイール11bとともにMR流体ユニット12側のシャフト(回転軸)12bと一体化されており、操作者の回転操作によって回転する。
【0034】
インナーホイール(ホイール部)11bは、図3および図4に示すように、有底の略円筒状の部材であって、アウターホイール11aの内径側に設けられており、アウターホイール11aが回転操作されるとシャフト12bとともに一体化して回転する。
すなわち、本実施形態のホイールユニット11では、アウターホイール11aおよびインナーホイール11bが、MR流体ユニット12に含まれるシャフト12bとともに、回転側の部材として、使用者による回転操作の対象となる。
【0035】
中ボタン11cは、図3に示すように、アウターホイール11aへの押し下げ操作を受け付けるマイクロスイッチであって、押下検出レバー12acに当接した状態で、MR流体ユニット12の側方に設けられている。
回転検出用マグネット11dは、図3に示すように、例えば、接着剤等を用いてインナーホイール11bに固定された回転側の部材である。固定側の部材として隣接配置されたホールIC11eが回転検出用マグネット11dの回転を検出することで、シャフト12bの回転が検出される。
【0036】
MR流体ユニット12は、図5(a)および図5(b)に示すように、ホイールユニット11の中心部分を構成する回転体ユニットであって、アウターホイール11aおよびインナーホイール11bの内周側に設けられている。そして、MR流体ユニット12は、図6(a)および図6(b)に示すように、中心部分にシャフト12bが挿入された略円筒状の部材であって、シャフト12bを中心にして、MR流体ユニット12の外周面側に配置されたアウターホイール11aおよびインナーホイール11bがシャフト12bとともに回転する。
【0037】
MR流体ユニット12は、図7に示すように、本体部12a、シャフト(回転軸)12b、MR流体保持部(磁気粘性流体保持部、ブレーキ機構)12c、コイル(ブレーキ機構)12d、MR(Magneto-Rheological)流体(磁気粘性流体、ブレーキ機構)12e(図5(b)参照)、シール部材(第1封止部材)12f、シール部材(第2封止部材)12g、軸受部12h、カバー12i、ネジ12j,12k,12lおよび容積可変部12mを有している。
【0038】
本体部12aは、使用者による回転操作によって回転する回転側の部材(アウターホイール11aおよびインナーホイール11b、シャフト12b)に対して、固定側の部材として設けられている。本体部12aは、図6(a)および図6(b)に示すように、略円筒状のアウターケース12aaと、略円板状のヨーク12abと、押下検出レバー12acとを有している。
【0039】
アウターケース12aaは、磁性材料を用いて成形され、有底状の略円筒形状を有しており、シャフト12bの軸方向における一方の側面から突出する押下検出レバー12acと一体成形されている。また、アウターケース12aaは、ヨーク12abとともに、略円柱状の内部空間を形成する。この略円柱状の内部空間には、コイル12d、シール部材12f、12g、容積可変部12m等が配置される。
【0040】
ヨーク12abは、磁性材料を用いて成形され、略円板形状を有している。ヨーク12abは、図7に示すように、アウターケース12aaの開放側の端面を覆うように、6本のネジ12lを用いてアウターケース12aaの端面に取り付けられる。
押下検出レバー12acは、図6(a)および図6(b)に示すように、MR流体ユニット12の一方の側面から突出するように設けられている。押下検出レバー12acは、使用者によってアウターホイール11aが押し下げられると、中ボタン11cを押し下げる。また、押下検出レバー12acは、アウターホイール11a、インナーホイール11bおよびシャフト12bを含む回転体に対して、固定側の部材として設けられている。
【0041】
シャフト(回転軸)12bは、図6(a)および図6(b)に示すように、MR流体ユニット12の押下検出レバー12acとは反対側の側面から突出するように設けられている。シャフト12bは、使用者によるホイールユニット11の回転操作時の回転中心として、アウターホイール11aおよびインナーホイール11bとともに回転する。
また、シャフト12bは、図5(b)に示すように、軸方向を中心とする径方向外側に向かって突出する略円盤状の円盤部12baを有している。
【0042】
円盤部12baは、図5(b)に示すように、磁場を付与するコイル12dの内周側であって、MR流体12eが保持されているMR流体保持部12cの内部に配置されている。このため、使用者によってアウターホイール11aが回転操作されると、アウターホイール11aおよびインナーホイール11bと一体化して回転するシャフト12bとともに、円盤部12baが、MR流体12eと接触しながら回転する。
【0043】
このとき、円盤部12baが接触しているMR流体12eは、後述するように、外部から付与される磁場の影響を受けて粘度が変化するため、円盤部12baに付与される回転抵抗の大きさを変化させることができる。
また、円盤部12baがシャフト12bと一体的に設けられていることで、円盤部12baが設けられていない構成と比較して、MR流体12eと回転体側の部材との接触面積が増大するため、効率的に回転側の部材へ制動力を付与することができる。
【0044】
MR流体保持部(磁気粘性流体保持部、ブレーキ機構)12cは、図5(b)に示すように、磁場を付与するコイル12dの内周側であって、回転側の部材(アウターホイール11aおよびインナーホイール11b、シャフト12b)と固定側の部材(本体部12a、コイル12d等)とが摺動する空間に設けられている。そして、MR流体保持部12cには、MR流体12eが封入されている。
【0045】
これにより、MR流体12eは、外部(コイル12d)から付与された磁場によって粘度が変化することで、MR流体保持部12cとホイールユニット11の回転側の部材(シャフト12b(円盤部12ba)等)との接触部分(摺動部)において、回転側の部材に対する回転抵抗を変化させることができる。
また、MR流体保持部12cは、シャフト12bの軸方向において隣接する位置に配置された、後述する容積可変部12mによって、MR流体12eを保持する容積が変化する。
【0046】
コイル(ブレーキ機構)12dは、MR流体12eが保持されたMR流体保持部(ブレーキ機構)12c(図5(b)参照)の径方向における外側近傍に配置されており、電流が流れることにより、MR流体12eに対して磁場を付与する。
MR(Magneto-Rheological)流体(磁気粘性流体、ブレーキ機構)12eは、主に、ホイールユニット11の回転体(シャフト12b等(図5(b)参照))の摺動部に設けられたMR流体保持部12c(図5(b)参照)の空間内に充填されている。そして、MR流体12eは、コイル12dから付与される磁場の影響を受けて、その形態を変化させる。これにより、アウターホイール11aへの回転操作に対する回転抵抗を変化させることができる。
【0047】
ここで、MR流体12eに対して付与された磁場の強さとMR流体12eの粘度の変化について説明する。
図8は、磁場を発生させた際に、磁場の大きさと、磁場の大きさに応じて変化するMR流体12eの粘度との関係を示すグラフを示している。
MR流体12eは、水、油等の液体に、直径1~10μmの強磁性体の微粒子を分散させた機能性流体であって、磁場の影響を受けていない状態では、微粒子が液体中に均一に分散している。そして、MR流体12eは、磁場の影響を受けると強磁性体の微粒子が磁化して引きつけ合うことでクラスターを形成し、図8に示すように、磁場が強くなると粘度が高くなる。
【0048】
なお、MR流体12eにおけるクラスターの形成の程度は、コイル12dに流れる電流を制御することにより調整することができる。
これにより、本実施形態のマウス10では、ホイールユニット11のコイル12dに流れる電流を制御してコイル12dから発生する磁場の大きさを制御することで、MR流体12eの粘度を制御することができる。よって、MR流体12eの粘度変化に応じて、ホイールユニット11の回転抵抗の大きさを制御することができる。
【0049】
シール部材(第1封止部材)12fは、例えば、略円形の断面を有するゴム製の円環状の部材(Oリング)であって、図5(b)に示すように、MR流体保持部12cに封入されたMR流体12eが外部へ漏れ出さないように封止するために、2つのシール部材12fが一対で設けられている。
また、一対のシール部材12fは、図5(b)に示すように、シャフト12bの軸方向においてコイル12dを挟み込むように配置されている。
【0050】
シール部材(第2封止部材)12gは、本体部12aに設けられた略円筒状の部材であって、シャフト12bが挿入された状態で使用され、シャフト12bとの摺動部分においてMR流体12eをMR流体保持部12c内に封止する。また、シール部材12gは、断面視において、シャフト12bに対して2点で当接している。より詳細には、シール部材12gは、断面視において、略X字状の形状を有している。
【0051】
これにより、断面が円形のOリングと比較して、摺動部分に生じる圧力に耐えることができ、ねじれにも強いシール部材12gを用いて、シャフト12bの外周面に対して2点で接触した状態でMR流体12eを安定的に封止することができる。
軸受部12hは、図5(b)および図7に示すように、略円筒状の部材であって、シール部材12gの近傍において、回転側の部材であるシャフト12bを回転可能な状態で軸支する。
【0052】
カバー12iは、図7に示すように、略円板状の部材であって、円盤部12baのシャフト12bが設けられている側の面に、所定の隙間(例えば、0.2mm)を介して対向配置される。そして、カバー12iは、図5(b)に示すように、円盤部12baのシャフト12bが設けられている側の面との間に、MR流体保持部12cの一部となる隙間を形成する。
【0053】
ネジ12j,12k,12lは、MR流体ユニット12に含まれる各構成を結合させる締結部材である。
ネジ12jは、本体部12aのアウターケース12aaに設けられた2つの穴(MR流体12eの注入穴および空気抜き穴)を塞ぐように、アウターケース12aaに固定される。
【0054】
ネジ12kは、カバー12iをヨーク12abに対して固定する。これにより、カバー12iは、ヨーク12abとともに固定側の部材として配置される。
ネジ12lは、本体部12aの端面に設けられたネジ穴に螺合することで、ヨーク12abを本体部12aの端面に対して固定する。
容積可変部12mは、例えば、弾性を有する樹脂製の部材であって、図9(a)に示すように、シャフト12bの軸方向においてMR流体保持部12cに隣接する位置に設けられている。容積可変部12mは、例えば、シール膜等を介して、MR流体保持部12cと連通している。
【0055】
ここで、MR流体保持部12cは、通常時において、例えば、約8ccの容積を有している。
例えば、温度上昇時等にMR流体12eが膨張して、MR流体保持部12cの内部圧力が増大した場合には、図9(b)に示すように、図9(a)と比較して、容積可変部12mが図中矢印方向へ圧縮されるように弾性変形してMR流体保持部12cの容積を増大させる。
【0056】
このとき、MR流体保持部12cの容積は、例えば、通常時の8ccから9ccへ増加する。
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力が過度に上昇してしまうことを防止することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0057】
一方、例えば、温度低下時等にMR流体12eが収縮して、MR流体保持部12cの内部圧力が低下した場合には、図9(c)に示すように、図9(a)と比較して、容積可変部12mが図中矢印方向へ膨張するように弾性変形してMR流体保持部12cの容積を減少させる。
このとき、MR流体保持部12cの容積は、例えば、通常時の8ccから7ccへ減少する。
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力を略一定に保持することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0058】
<主な特徴>
本実施形態のホイールユニット11は、図9(a)~図9(c)等に示すように、マウス10に装填され、本体部12a、アウターホイール11aおよびインナーホイール11b、ブレーキ機構を備えている。アウターホイール11aおよびインナーホイール11bは、本体部12aに対して回転可能な状態で取り付けられる。ブレーキ機構は、本体部12aの内部に設けられ環状に巻回されており電流が流れると磁場を発生させるコイル12dと、コイル12dから付与される磁場によって粘性が変化するMR流体12eと、本体部12aの内部に設けられコイル12dの内周側に配置されMR流体12eを保持するMR流体保持部12cと、MR流体保持部12cの内部の圧力に応じてMR流体保持部12cの容積を変化させる容積可変部12mと、を有している。そして、ブレーキ機構は、MR流体12eの粘性の変化に応じて、アウターホイール11aへの回転操作に対する回転抵抗の大きさを変化させる。
【0059】
これにより、MR流体12eを保持するMR流体保持部12cの内部の圧力が、例えば、温度変化等に起因してMR流体12eの膨張・収縮によって変化した場合でも、容積可変部12mによってMR流体保持部12cの容積を変化させることで、MR流体保持部12cの内部圧力が高くなりすぎることを防止することができる。
この結果、MR流体12eの漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0060】
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係るMR(Magneto-Rheological)流体ユニット(回転体ユニット)212およびこれを備えたホイールユニット211について、図10(a)~図10(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態のMR流体ユニット212およびこれを備えたホイールユニット211は、容積可変部212mとして、樹脂製の弾性部材の代わりに、負圧可変型のシリンダを用いている点において、上記実施形態1とは異なっている。
【0061】
ただし、これ以外の構成については、上記実施形態1とほぼ同じであることから、本実施形態では、同じ機能、形状を有する部材については、同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
本実施形態のMR流体ユニット212は、図10(a)に示すように、容積可変部212mを有している。
【0062】
容積可変部212mは、図10(a)に示すように、負圧可変型のシリンダであって、シャフト12bの軸方向においてMR流体保持部12cに隣接する位置に設けられている。容積可変部212mは、MR流体保持部12cと連通している。
これにより、上記実施形態1と同様に、例えば、温度上昇時等にMR流体12eが膨張して、MR流体保持部12cの内部圧力が増大した場合には、図10(b)に示すように、容積可変部212mのシリンダが外側へ押し出されるように移動してMR流体保持部12cの容積を増大させる。
【0063】
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力が過度に上昇してしまうことを防止することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
一方、例えば、温度低下時等にMR流体12eが収縮して、MR流体保持部12cの内部圧力が低下した場合には、図10(c)に示すように、容積可変部212mのシリンダが内側へ引き込まれるように移動してMR流体保持部12cの容積を減少させる。
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力を略一定に保持することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0064】
(実施形態3)
本発明の他の実施形態に係るMR(Magneto-Rheological)流体ユニット(回転体ユニット)312およびこれを備えたホイールユニット311について、図11(a)~図11(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0065】
なお、本実施形態のMR流体ユニット312およびこれを備えたホイールユニット311は、容積可変部312mとして、樹脂製の弾性部材の代わりに、弾性膜を用いている点において、上記実施形態1とは異なっている。
ただし、これ以外の構成については、上記実施形態1とほぼ同じであることから、本実施形態では、同じ機能、形状を有する部材については、同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0066】
本実施形態のMR流体ユニット312は、図11(a)に示すように、容積可変部312mを有している。
容積可変部312mは、図11(a)に示すように、弾性膜であって、シャフト12bの軸方向においてMR流体保持部12cに隣接する位置に設けられている。容積可変部312mは、MR流体保持部12cと連通する空間に設けられており、MR流体12eの膨張・収縮に応じて、その空間内において弾性変形することで、MR流体保持部12cの容積を変化させる。
【0067】
これにより、上記実施形態1と同様に、例えば、温度上昇時等にMR流体12eが膨張して、MR流体保持部12cの内部圧力が増大した場合には、図11(b)に示すように、容積可変部312mの弾性膜の部分が外側へ押し出されるように変形してMR流体保持部12cの容積を増大させる。
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力が過度に上昇してしまうことを防止することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0068】
一方、例えば、温度低下時等にMR流体12eが収縮して、MR流体保持部12cの内部圧力が低下した場合には、図11(c)に示すように、容積可変部312mの弾性膜の部分が内側へ引き込まれるように変形してMR流体保持部12cの容積を減少させる。
これにより、MR流体保持部12cの内部圧力を略一定に保持することができるため、例えば、シール部材12f,12g等の部分から、MR流体12eが漏れ出してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0069】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、MR流体保持部12cが、コイル12dの内周側に配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、磁気粘性流体保持部が、コイルの内周側ではなく、外周側等の他の位置に配置された構成であってもよい。
【0070】
(B)
上記実施形態では、MR流体保持部12cに封入されたMR流体12eとの接触面積を増大させるために、回転体側の部材として、シャフト12bと一体化して設けられた円盤部12baが設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、磁気粘性流体に接触する回転体側の部材としては、円盤部以外の構成であってもよいし、シャフトの表面を加工する等して回転抵抗を伝達しやすい構成を採用してもよい。
【0071】
(C)
上記実施形態では、断面形状(円形またはX字)が異なる2種類のシール部材12g,12fを用いて、MR流体保持部12c内に保持されたMR流体12eの外部への漏れ出しを抑制する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、磁気粘性流体の漏れ出しを抑制するシール部材として、断面形状が同じ種類のシーツ部材を用いてもよい。あるいは、断面が円形、X字以外の形状を有するシール部材が用いられていてもよい。
【0072】
(D)
上記実施形態では、本発明のホイールユニット11が、マウス10に適用された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、マウス以外の操作装置に対して、本発明のホイールユニットが適用されていてもよい。
【0073】
<付記>
本発明のホイールユニットは、第1から第4の発明のいずれか1つに係るホイールユニットであって、磁気粘性流体保持部は、コイルの内周側に配置されている。
【0074】
本発明のホイールユニットは、第1から第5の発明のいずれか1つに係るホイールユニットであって、容積可変部は、ホイール部の回転操作の回転中心となる回転軸の方向において、磁気粘性流体保持部に隣接する位置に設けられている。
本発明のホイールユニットは、第1から第6の発明のいずれか1つに係るホイールユニットであって、ホイール部は、回転軸と、回転軸を中心とする径方向に沿って突出し磁気粘性流体保持部の内部において磁気粘性流体と接触しながら回転する円盤部と、を有している。
【0075】
本発明のホイールユニットは、第1から第8の発明のいずれか1つに係るホイールユニットであって、本体部に設けられており、磁気粘性流体を磁気粘性流体保持部内に封止する第1封止部材を、さらに備えている。
本発明のマウスは、第1から第14の発明のいずれか1つに係るホイールユニットと、
ホイールユニットが回転操作される状態で装填される操作本体部と、
を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のホイールユニットは、磁気粘性流体の漏れ出しを効果的に防止することができるという効果を奏することから、マウス等の各種操作装置に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 マウス
10a マウス本体(操作本体部)
10b スイッチ
10c 底面
10d USB差込み口
10ea 投光部
10eb 受光部
10f スイッチ
11 ホイールユニット
11a アウターホイール(ホイール部)
11b インナーホイール(ホイール部)
11c 中ボタン
11d 回転検出用マグネット
11e ホールIC
12 MR流体ユニット
12a 本体部
12aa アウターケース
12ab ヨーク
12ac 押下検出レバー
12b シャフト(回転軸)
12ba 円盤部
12c MR流体保持部(磁気粘性流体保持部、ブレーキ機構)
12d コイル(ブレーキ機構)
12e MR流体(磁気粘性流体、ブレーキ機構)
12f シール部材(第1封止部材)
12g シール部材(第2封止部材)
12h 軸受部
12i カバー
12j,12k,12l ネジ
12m 容積可変部
211 ホイールユニット
212 MR流体ユニット(回転体ユニット)
212m 容積可変部
311 ホイールユニット
312 MR流体ユニット(回転体ユニット)
312m 容積可変部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11