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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128157
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】配線回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240912BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/11 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114216
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2019204942の分割
【原出願日】2019-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 理人
(72)【発明者】
【氏名】高倉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直樹
(57)【要約】
【課題】薄い第1端子と薄い第2端子とを備える配線回路基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】配線回路基板1は、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置される第1配線7と、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に、第1配線7を被覆するように配置される中間絶縁層3と、中間絶縁層3の厚み方向一方面に配置される第2配線12と、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置され、第1配線7と電気的に接続され、1層である第1端子8と、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置され、第2配線12と電気的に接続され、1層である第2端子10とを備える。第1端子8は、第1配線7と連続である。第2端子10は、第2配線12と不連続である。配線回路基板1は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置され、第2端子10に連続する接続部11をさらに備える。接続部11は、第2配線12と厚み方向において電気的に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース絶縁層と、
前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に配置される第1配線と、
前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に、前記第1配線を被覆するように配置される中間絶縁層と、
前記中間絶縁層の厚み方向一方面に配置される第2配線と、
前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第1配線と電気的に接続され、1層である第1端子と、
前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第2配線と電気的に接続され、1層である第2端子とを備え、
前記第1端子は、前記第1配線と連続であり、
前記第2端子は、前記第2配線と不連続であり、
前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第2端子に連続する接続部をさらに備え、
前記接続部は、前記第2配線と厚み方向において電気的に接続されていることを特徴とする、配線回路基板。
【請求項2】
前記第1配線の厚み方向一方面および側面に配置されるめっき層をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
【請求項3】
前記第2端子は、前記第1端子と同じ厚みであることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
【請求項4】
前記第2端子の厚みが、20μm以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の配線回路基板。
【請求項5】
前記第2配線が、前記第1配線より厚いことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の配線回路基板。
【請求項6】
ベース絶縁層を準備する工程と、
第1配線と、前記第1配線に連続する第1端子と、前記第1端子に連続するリードと、接続部と、前記接続部に連続する第2端子とを含む第1導体層を、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に形成する工程と、
前記リードを用いるめっきによって、めっき層を前記第1配線の厚み方向一方面および側面に形成する工程と、
中間絶縁層を、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に、前記めっき層を被覆するように、形成する工程と、
前記第2端子と不連続である第2配線を含む第2導体層を、前記中間絶縁層の厚み方向一方面に、前記第2配線が前記接続部の厚み方向一方面に接触するように、形成する工程と
を備えることを特徴とする、配線回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線端子部を備えるサスペンション用基板が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。配線端子部は、他の電子機器が実装される。
【0003】
また、特許文献1に記載の配線端子部は、ベース絶縁層の上に形成される第1導体端子と、その上に形成される第2導体端子とを備える。第1導体端子は、第1導体層からなる。第2導体端子は、第2導体層からなる。第1導体層および第2導体層のそれぞれの長手方向一端部が、第1導体端子および第2導体端子のそれぞれであり、第1導体層の長手方向中間部および第2導体層の長手方向中間部の間には、中間絶縁層が介在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-198957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、配線端子部の薄型化が求められる。しかし、特許文献1の記載の配線端子部は、第1導体からなる第1導体端子と、第2導体からなる第2導体端子との2層からなるので、薄型化には限界がある。
【0006】
本発明は、薄い第1端子と薄い第2端子とを備える配線回路基板およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、ベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に配置される第1配線と、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に、前記第1配線を被覆するように配置される中間絶縁層と、前記中間絶縁層の厚み方向一方面に配置される第2配線と、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第1配線と電気的に接続され、1層である第1端子と、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第2配線と電気的に接続され、1層である第2端子とを備え、前記第1端子は、前記第1配線と連続であり、前記第2端子は、前記第2配線と不連続であり、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記第2端子に連続する接続部をさらに備え、前記接続部は、前記第2配線と厚み方向において電気的に接続されている、配線回路基板を含む。
【0008】
この配線回路基板は、ベース絶縁層の厚み方向一方面に配置され、1層である第1端子と1層である第2端子とを備える。第1端子と第2端子とは、いずれも、ベース絶縁層の厚み方向一方面に配置されているので、それらの薄型化が図られる。また、第1端子と第2端子とは、いずれも、1層であるので、それらの薄型化が図られる。
【0009】
本発明(2)は、前記第1配線の厚み方向一方面および側面に配置されるめっき層をさらに備える、(1)に記載の配線回路基板を含む。
【0010】
この配線回路基板では、めっき層が第1配線を被覆するので、第1配線を保護できる。
【0011】
本発明(3)は、前記第2端子は、前記第1端子と同じ厚みである、(1)または(2)に記載の配線回路基板を含む。
【0012】
この配線回路基板では、第2端子は、第1端子と同じ厚みであるので、構成が簡単である。
【0013】
本発明(4)は、前記第2端子の厚みが、20μm以下である、(1)~(3)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0014】
この配線回路基板では、第2端子の厚みが、20μm以下であるので、第2端子を確実に薄くできる。
【0015】
本発明(5)は、前記第2配線が、前記第2端子より厚い、(1)~(4)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0016】
この配線回路基板では、第2端子を薄くできながら、厚い第2配線の電気抵抗を低減できる。
【0017】
本発明(6)は、前記第2配線が、前記第1配線より厚い、(1)~(5)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0018】
この配線回路基板では、薄い第1配線で、電流値が低い電気信号を伝送する一方、厚い第2配線で電流値が高い電流を伝送できる。
【0019】
本発明(7)は、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方面に配置され、前記接続部に連続する補助配線をさらに備える、(1)~(6)のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0020】
この配線回路基板では、第2配線および補助配線が、電源配線を構成でき、それらの断面積の合計を大きくできる。そのため、電流値が高い電源配線の電気抵抗を低減できる。その結果、電流値が高い電源電流を効率的に伝送できる。
【0021】
本発明(8)は、ベース絶縁層を準備する工程と、第1配線と、前記第1配線に連続する第1端子と、前記第1端子に連続するリードと、接続部と、前記接続部に連続する第2端子とを含む第1導体層を、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に形成する工程と、前記リードを用いるめっきによって、めっき層を前記第1配線の厚み方向一方面および側面に形成する工程と、中間絶縁層を、前記ベース絶縁層の厚み方向一方面に、前記めっき層を被覆するように、形成する工程と、前記第2端子と不連続である第2配線を含む第2導体層を、前記中間絶縁層の厚み方向一方面に、前記第2配線が前記接続部の厚み方向一方面に接触するように、形成する工程とを備える、配線回路基板の製造方法を含む。
【0022】
この配線回路基板の製造方法によれば、リードを用いるめっきによって、めっき層を第1配線の厚み方向一方面および側面に形成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の配線回路基板では、第1端子と第2端子との薄型化が図られる。
【0024】
本発明の配線回路基板の製造方法によれば、めっき層を第1配線の厚み方向一方面および側面に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態の拡大平面図である。
図2図2A図2Dは、図1に示す配線回路基板の断面図であり、図2Aが、A-A線に沿う断面図、図2Bが、B-B線に沿う断面図、図2Cが、C-C線に沿い、かつ、図2A図2BのX-X線に沿う断面図、図2Dが、D-D線に沿い、かつ、図2A図2BのY-Y線に沿う断面図である。
図3図3A図3Eは、図2Aに示す配線回路基板の製造方法の工程断面図であり、図3Aが、第1工程~第2工程、図3Bが、第3工程、図3Cが、第6工程、図3Dが、第7工程、図3Eが、第8工程を示す。
図4図4A図4Gは、図2Bに示す配線回路基板の製造方法の工程断面図であり、図4Aが、第1工程~第2工程、図4Bが、第3工程、図4Cが、第4工程、図4Dが、第5工程、図4Eが、第6工程、図4Fが、第7工程、図4Gが、第8工程を示す。
図5図5A図5Dは、本発明の配線回路基板の変形例(第2配線が厚い変形例)を示し、また、図1に対応する断面図であり、図5Aが、図1のA-A線に沿う断面図、図5Bが、図1のB-B線に沿う断面図、図5Cが、図1のC-C線に沿い、かつ、図5A図5BのX-X線に沿う断面図、図5Dが、図1のD-D線に沿い、かつ、図5A図5BのY-Y線に沿う断面図である。
図6図6は、図2Bに示す配線回路基板のさらなる変形例(補助配線をさらに備える変形例)の断面図である。
図7図7は、図6に示す配線回路基板のさらなる変形例(第2配線が厚い変形例)の断面図である。
図8図8は、図2Bに示す配線回路基板のさらなる変形例(第2配線が中間ビアを介して接続部と接続される変形例)の断面図である。
図9図9は、図8に示す配線回路基板のさらなる変形例(補助配線をさらに備える変形例)の断面図である。
図10図10は、図1に示す配線回路基板の変形例(第1パターン部および第2パターン部が、平面視において部分的に重なり、第1配線が屈曲する変形例)の平面図である。
図11図11A図11Dは、図10に示す配線回路基板の断面図であり、図11Aが、A-A線に沿う断面図、図11Bが、B-B線に沿う断面図、図11Cが、C-C線に沿い、かつ、図11A図11BのX-X線に沿う断面図、図11Dが、D-D線に沿い、かつ、図11A図11BのY-Y線に沿う断面図である。
図12図12は、図1に示す配線回路基板の変形例(第1パターン部および第2パターン部が、平面視において部分的に重なり、第2配線が屈曲する変形例)の平面図である。
図13図13A図13Cは、図12に示す配線回路基板の断面図であり、図13Aが、A-A線に沿う断面図、図13Bが、B-B線に沿う断面図、図13Cが、C-C線に沿い、かつ、図13A図13BのX-X線に沿う断面図、図13Dが、D-D線に沿い、かつ、図13A図13BのY-Y線に沿う断面図である。
図14図14A図14Eは、比較例1の配線回路基板の製造方法の工程断面図であり、図14Aが、第1配線を形成する工程、図14Bが、中間絶縁層を形成する工程、図14Cが、第1端子および第2接続部を形成する工程、図14Dが、めっき層を形成する工程、図14Eが、カバー絶縁層を形成する工程、図14Fが、第2リードおよび金属支持層を除去する工程である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<一実施形態>
本発明の配線回路基板およびその製造方法の一実施形態を図1図4Gを参照して説明する。なお、図1中、カバー絶縁層4(後述)は、第1パターン部5および第2パターン部6(後述)の相対位置を明確に示すために、省略している。
【0027】
図1図2Dに示すように、配線回路基板1は、所定厚みを有し、先後方向(図1における紙面上下方向、図2Cおよび図2Dにおける紙面奥行き方向)に長く延びる平帯形状を有する。配線回路基板1は、ベース絶縁層2と、中間絶縁層3と、カバー絶縁層4とを厚み方向一方側に向かって順に備える。
【0028】
ベース絶縁層2は、平面視において、配線回路基板1と同一の外形形状を有する。ベース絶縁層2の厚み方向一方面は、平坦である。
【0029】
中間絶縁層3は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。詳しくは、中間絶縁層3は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面における先側部より後側の領域に配置されている。つまり、中間絶縁層3は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面における先側部には配置されていない。また、中間絶縁層3の厚み方向一方面は、平坦面を含む。
【0030】
カバー絶縁層4は、中間絶縁層3の厚み方向一方面と、厚み方向において中間絶縁層3と重複しないベース絶縁層2の厚み方向一方面とに配置されている。
【0031】
ベース絶縁層2、中間絶縁層3およびカバー絶縁層4の材料としては、例えば、ポリイミドなどの絶縁樹脂が挙げられる。ベース絶縁層2、中間絶縁層3およびカバー絶縁層4の厚みは、それぞれ、例えば、5μm以上であり、また、例えば、30μm以下である。
【0032】
また、配線回路基板1は、第1パターン部5と、第2パターン部6とを備える。第1パターン部5は、配線回路基板1における幅方向(厚み方向および先後方向に直交する方向)一方側部であり、第2パターン部6は、配線回路基板1における幅方向他方側部である。
【0033】
図1に示すように、第1パターン部5は、配線回路基板1において先後方向に延びる。図2Aに示すように、第1パターン部5は、ベース絶縁層2と、第1配線7と、第1端子8と、中間絶縁層3と、カバー絶縁層4とを備える。
【0034】
図2Aおよび図2Cに示すように、第1配線7は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、第1配線7の厚み方向他方面の全部は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に接触している。図1に示すように、第1配線7は、平面視において、先後方向に延びる略直線形状を有する。
【0035】
第1端子8は、平面視において、第1配線7の先端縁に連続する。これにより、第1配線7および第1端子8は、先側に向かって順に連続して配置されている。第1端子8は、第1配線7と電気的に接続されている。第1端子8は、平面視において、第1配線7より幅広の略矩形ランド形状を有する。
【0036】
また、第1端子8は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、第1端子8の厚み方向他方面の全部は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に接触している。そうすると、第1端子8は、第1配線7と同一のベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。
【0037】
また、図2Aおよび図2Dに示すように、第1端子8は、1層である。換言すれば、複数の層が厚み方向に積層された積層体(多層体)からなる積層型端子は、本発明の第1端子ではない。なお、上記した複数の層のそれぞれの厚みは、1μm以上である。
【0038】
第1配線7および第1端子8の材料としては、例えば、銅、クロム、それらの合金などの導体が挙げられる。
【0039】
図2Aに示すように、第1配線7の厚みT1および第1端子8の厚みT2は、例えば、同一または相異なり、好ましくは、同一である。具体的には、第1配線7の厚みT1および第1端子8の厚みT2は、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下、より好ましくは、20μm以下である。第1端子8の厚みT2が上記した上限以下であれば、第1端子8を薄くできる。
【0040】
第1配線7の幅は、例えば、5μm以上であり、また、例えば、50μm以下である。第1端子8の幅および先後方向長さは、それぞれ、例えば、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下である。
【0041】
図1図2Aおよび図2Cに示すように、第1パターン部5における中間絶縁層3は、第1配線7の先側部および後側部(図示せず)を被覆せず、先後方向中間部を被覆する。中間絶縁層3は、第1配線7の先後方向中間部の厚み方向一方面および幅方向両側面を被覆する。
【0042】
第1パターン部5におけるカバー絶縁層4は、中間絶縁層3の厚み方向一方面に配置されている。
【0043】
図1に示すように、第2パターン部6は、第1パターン部5の幅方向他方側に隣接する。第2パターン部6は、配線回路基板1において先後方向に延びる。図2Bに示すように、第2パターン部6は、ベース絶縁層2と、第2端子10と、接続部11と、中間絶縁層3と、第2配線12と、カバー絶縁層4とを備える。
【0044】
図1図2Cおよび図2Dに示すように、第2パターン部6におけるベース絶縁層2は、第1パターン部5におけるベース絶縁層2と幅方向に連続しており、同一層である。
【0045】
第2端子10は、第1端子8に対して幅方向他方側に間隔を隔てて対向配置されている。第2端子10は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、第2端子10の厚み方向他方面の全部は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に接触している。第2端子10は、平面視略矩形ランド形状を有する。第2端子10の厚みT4、幅および先後方向長さは、それぞれ、第1端子8の厚みT2、幅および先後方向長さと同一である。具体的には、第2端子10の厚みT4は、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下、より好ましくは、20μm以下である。第2端子10の厚みT4が上記した上限以下であれば、第2端子10を薄くできる。
【0046】
また、第2端子10は、1層である。換言すれば、複数の層が厚み方向に積層された積層体(多層体)からなる積層型端子は、本発明の第2端子ではない。なお、上記した複数の層のそれぞれの厚みは、1μm以上である。
【0047】
接続部11は、平面視において、第2端子10の後端縁に連続しており、先後方向に延びる略直線形状を有する。詳しくは、接続部11は、平面視において、先後方向に長く幅狭の略矩形状を有する。また、接続部11は、第1配線7の先側部に対して幅方向他方側に間隔を隔てて対向配置されている。接続部11の厚みおよび幅は、後述する第2配線12の幅と同一である。接続部11の先後方向長さは、特に限定されず、例えば、100μm以上、好ましくは、1,000μm以上であり、また、例えば、100,000μm以下、好ましくは、10,000μm以下である。
【0048】
また、接続部11は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、接続部11の厚み方向他方面の全部は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に接触している。そうすると、接続部11と、第2端子10とは、同一のベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されている。接続部11は、1層である。
【0049】
図2Bおよび図2Cに示すように、第2パターン部6における中間絶縁層3は、第1パターン部5における中間絶縁層3と幅方向に連続しており、同一層である。中間絶縁層3は、厚み方向に投影したときに、接続部11と重ならないベース絶縁層2の厚み方向一方面と、接続部11の後端部の厚み方向一方面、幅方向両側面および後面(後端面)とに配置されている。これにより、中間絶縁層3は、接続部11の先端部および先後方向中間部を被覆せず、接続部11の後端部を被覆する。
【0050】
図1に示すように、第2配線12は、先後方向に延びる略直線形状を有する。詳しくは、第2配線12は、平面視において、先後方向に長く幅狭の略矩形状を有する。第2配線12の先端部は、厚み方向において、接続部11の後側部と重なる。詳しくは、第2配線12の先端部の厚み方向他方面は、接続部11の後側部において中間絶縁層3と重ならない部分の厚み方向一方面に接触する。これにより、第2配線12は、接続部11と厚み方向において電気的に接続される。また、第2配線12は、接続部11を介して第2端子10と電気的に接続される。
【0051】
一方、第2配線12は、第2端子10とは、不連続である。第2配線12は、平面視において、第2端子10と間隔が隔てられる。
【0052】
また、図2Bおよび図2Cに示すように、第2配線12の先後方向中間部および後側部は、中間絶縁層3の厚み方向一方面に配置されている。詳しくは、第2配線12の先後方向中間部および後側部の厚み方向他方面の全部は、中間絶縁層3の厚み方向一方面に接触している。
【0053】
図2Cに示すように、第2配線12の厚みT3は、第1配線7の厚みT1と、例えば、同一または相異なり、好ましくは、同一である。第2配線12の幅は、第1配線7のそれと、例えば、同一である。また、図2Bに示すように、第2配線12の厚みT3は、例えば、第2端子10の厚みT4と同一でもある。
【0054】
第2端子10、接続部11および第2配線12の材料としては、例えば、第1配線7および第1端子8と同様の材料が挙げられる。
【0055】
図2Cに示すように、第2パターン部6におけるカバー絶縁層4は、第1パターン部5におけるカバー絶縁層4と幅方向に連続しており、同一層である。カバー絶縁層4は、中間絶縁層3の厚み方向一方面に、第2配線12を被覆するように、配置されている。カバー絶縁層4は、第2配線12の厚み方向一方面および幅方向両側面と、厚み方向において第2配線12と重ならない中間絶縁層3の厚み方向一方面とを被覆する。
【0056】
また、図3Eおよび図4Gに示すように、この配線回路基板1は、めっき層9をさらに備える。めっき層9は、第1配線7、第1端子8、第2端子10、接続部11および第2配線12の表面に形成されている。めっき層9は、第1配線7、第1端子8、第2端子10、接続部11および第2配線12の表面を保護する。めっき層9は、第1めっき層13と、第2めっき層14とを含む。
【0057】
第1めっき層13は、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11の表面に形成されている。具体的には、第1めっき層13は、第1配線7の厚み方向一方面および幅方向両側面と、第1端子8の厚み方向一方面および幅方向両側面と、接続部11の厚み方向一方面、幅方向両側面および後側面と、第2端子10の厚み方向一方面および幅方向両側面とに形成されている。第1めっき層13の材料としては、例えば、ニッケル、金、それらの合金などの金属材料が挙げられる。第1めっき層13の厚みは、例えば、0.01μm以上、好ましくは、0.02μm以上であり、また、例えば、1μm未満、好ましくは、0.5μm以下である。なお、図3Eおよび図4Gに示すように、第1めっき層13と、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11との界面は、明確に視認されるが、例えば、図2C図2Dの1点破線で示すように、不明瞭であって、第1めっき層13と、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11とが一体形成され(第1めっき層13が、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11の表層に含まれ)ていてもよい。なお、第1めっき層13は、複数層であってもよい。
【0058】
図4Gに示すように、第2めっき層14は、第2配線12の表面に形成されている。具体的には、第2めっき層14は、第2配線12の厚み方向一方面、先側面(先端面)および幅方向両側面に形成されている。第2めっき層14の材料としては、例えば、第1めっき層13の材料と同様の材料が挙げられる。第2めっき層14の厚みは、第1めっき層13の厚みで例示した範囲から選択される。なお、図4Gに示すように、第2めっき層14と、第2配線12との界面は、明確に視認されるが、例えば、図2Cの1点破線で示すように、不明瞭であって、第2めっき層14と、第2配線12とが一体形成され(第2めっき層14が第2配線12の表層に含まれ)ていてもよい。なお、第2めっき層14は、複数層であってもよい。
【0059】
次に、配線回路基板1の製造方法を説明する。配線回路基板1の製造方法は、図3A図4Gに示すように、ベース絶縁層2を準備する第1工程、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11を含む第1導体層31を形成する第2工程、第1めっき層13を形成する第3工程、中間絶縁層3を形成する第4工程、第2配線12を含む第2導体層32を形成する第5工程、第2めっき層14を形成する第6工程、カバー絶縁層4を形成する第7工程、および、第1リード17、第2リード18および金属支持層15を除去する第8工程を備える。第1工程~第8工程は、この順で実施される。
【0060】
第1工程では、図3Aおよび図4Aが参照されるように、まず、ベース絶縁層2を金属支持層15の厚み方向一方面に形成する。
【0061】
金属支持層15は、ベース絶縁層2を支持する支持部材である。また、金属支持層15は、後述する第3工程および第6工程における無電解めっき(図3Bおよび図4B参照)時の接地部材、および/または、後述する第3工程および第6工程における電解めっき(図3Bおよび図4B参照)時の導電部材でもある。金属支持層15は、面方向に延びるシート形状を有する。金属支持層15の材料としては、例えば、鉄、銅、合金(ステンレス、銅合金など)などの金属が挙げられる。金属支持層15の厚みは、特に限定されない。
【0062】
ベース絶縁層2は、例えば、感光性の絶縁樹脂組成物をフォトリソグラフィして、金属支持層15の厚み方向一方面に形成する。この際、ベース絶縁層2には、その先端部に、貫通孔19を形成する。貫通孔19は、ベース絶縁層2の厚み方向を貫通する。貫通孔19は、金属支持層15の厚み方向一方面の一部を露出する。
【0063】
第2工程では、第1配線7、第1端子8、第2端子10および接続部11を含む第1導体層31を一度に形成する。また、この際、併せて、リードの一例としての第1リード17および第2リード18を形成する。第1リード17は、第1導体層31に含まれる。第1リード17および第2リード18は、別体(図1の1点破線参照)または一体である。第1導体層31は、1層である。第1リード17を、第1端子8の先端縁に連続し、かつ、貫通孔19を充填するように、形成する。第2リード18を、第2端子10の先端縁に連続し、かつ、貫通孔19を充填するように、形成する。
【0064】
例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などのパターン形成法、好ましくは、アディティブ法によって、第1導体層31を一度に形成する。
【0065】
図3Bおよび図4Bに示すように、第3工程では、第1めっき層13を形成する。
【0066】
例えば、無電解めっき、および/または、電解めっきによって、第1めっき層13を、第1導体層31の表面に、一度に形成する。
【0067】
図3Bに示すように、無電解めっきでは、第1リード17により第1端子8および第1配線7が接地されながら、第1端子8および第1配線7の表面に、均一な第1めっき層13が形成される。なお、第1リード17の表面にも、第1めっき層13が形成される。
【0068】
また、図4Bに示すように、無電解めっきでは、第2リード18を介して、第2端子10および接続部11が接地されながら、第2端子10および接続部11の表面に、均一な第1めっき層13が形成される。なお、第2リード18の表面にも、第1めっき層13が形成される。
【0069】
また、図3Bに示すように、電解めっきでは、第1リード17により第1端子8および第1配線7が給電され、第1端子8および第1配線7の表面に第1めっき層13が形成される。なお、第1リード17の表面にも、第1めっき層13が形成される。
【0070】
また、図4Bに示すように、無電解めっきでは、第2リード18により第2端子10および接続部11が給電され、第2端子10および接続部11の表面に第1めっき層13が形成される。なお、第2リード18の表面にも、第1めっき層13が形成される。
【0071】
図3Cおよび図4Cに示すように、第4工程では、中間絶縁層3を形成する。中間絶縁層3は、第1工程におけるベース絶縁層2の形成と同様の方法で、形成する。中間絶縁層3を、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に、第1配線7の先後方向中間部に対応する第1めっき層13、および、接続部11の後端部に対応する第1めっき層13を被覆するように、形成する。
【0072】
図4Dに示すように、第5工程では、第2配線12を含む第2導体層32を形成する。第2導体層32は、1層である。第2工程における第1導体層31の形成と同様の方法で、形成する。第2配線12を含む第2導体層32を、中間絶縁層3の厚み方向一方面と、接続部11に対応する第1めっき層13の厚み方向一方面とに、連続して形成する。
【0073】
図4Eに示すように、第6工程では、第2めっき層14を形成する。第2めっき層14は、第1めっき層13と同様の方法で、形成する。第2めっき層14を、例えば、第3工程と同様の方法で、形成する。
【0074】
無電解めっきでは、第2リード18、第2端子10および接続部11により、第2配線12が接地されながら、第2配線12の表面に、均一な第2めっき層14が形成される。
【0075】
一方、電解めっきでは、第2リード18、第2端子10および接続部11により、第2配線12が給電され、第2配線12の表面に第2めっき層14が形成される。第1リード17の表面にも、第2めっき層14が形成される。
【0076】
図2C図3Dおよび図4Fに示すように、第7工程では、カバー絶縁層4を形成する。カバー絶縁層4は、第1工程におけるベース絶縁層2と同様の方法で、形成する。カバー絶縁層4を、中間絶縁層3の厚み方向一方面に、第2めっき層14を被覆するように、形成する。
【0077】
第8工程では、図3Eの実線および図4Gの実線で示すように、まず、第1リード17および第2リード18を除去する。例えば、第1リード17および第2リード18をエッチングする。
【0078】
第8工程では、その後、図3Eの仮想線および図4Gの仮想線で示すように、金属支持層15を除去する(第8工程)。例えば、金属支持層15を、エッチング、剥離などする。
【0079】
これにより、配線回路基板1を得る。
【0080】
なお、必要により、ベース絶縁層2において貫通孔19を含むエリアを、外形加工によって、除去することができる。
【0081】
(第1実施形態の作用効果)
そして、この配線回路基板1は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置され、1層である第1端子8と、1層である第2端子10とを備える。第1端子8と第2端子10とは、いずれも、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されているので、それらの薄型化が図られる。また、第1端子8と第2端子10とは、いずれも、1層であるので、それらの薄型化が図られる。
【0082】
また、この配線回路基板1では、第1めっき層13が第1配線7を被覆するので、第1配線7を保護できる。
【0083】
図2Dに示すように、この配線回路基板1では、第2端子10の厚みT4が、第1端子8の厚みT2と同じであるので、例えば、2つの電極35を厚み方向他方面に備える外部基板33を配線回路基板1の先端部に実装するときに、同じ高さ(レベル)にある2つの電極35を同一厚みの第1端子8および第2端子10の厚み方向一方面に簡単かつ確実に接触させることができる。
【0084】
また、この配線回路基板1では、第2端子10の厚みT4が、20μm以下であれば、第2端子10を確実に薄くできる。
【0085】
(変形例)
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0086】
この変形例では、図5Bおよび図5Cに示すように、第2配線12の厚みT3は、第2端子10の厚みT4より厚い。具体的には、第2端子10の厚みT4に対する第2配線12の厚みT3の比(T3/T4)は、例えば、1.1以上、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2以上であり、また、例えば、10以下である。
【0087】
この変形例では、第2配線12は、例えば、電源電流(例えば、10mA以上、さらには、100mA以上の大電流)を伝送する。
【0088】
この変形例では、第2端子10を薄くできながら、厚い第2配線12で電流値が高い電源電流を伝送できる。さらに、比(T3/T4)が上記した下限以上であれば、上記の効果を向上できる。なお、この場合には、第2端子10に連続する接続部11を幅広にする。
【0089】
また、第2配線12の厚みT3は、第1配線7の厚みT1より厚い。第1配線7の厚みT1に対する第2配線12の厚みT3の比(T3/T1)は、例えば、1.1以上、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2以上であり、また、例えば、10以下である。
【0090】
第1配線7は、具体的には、電気信号(例えば、10mA未満、さらには、1mA未満の微弱電流)を伝送する。
【0091】
この変形例では、薄い第1配線7で、微弱な電気信号を伝送できる一方、厚い第2配線12で電流値が高い電源電流を伝送できる。さらに、比(T3/T1)が上記した下限以上であれば、上記の効果を向上できる。
【0092】
図6に示すように、配線回路基板1は、補助配線20をさらに備える。
【0093】
この変形例では、第2パターン部6は、補助配線20を含む。
【0094】
補助配線20は、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に配置されており、接続部11に連続する。補助配線20は、第1導体層31に含まれる。補助配線20は、接続部11の後端縁から先側に向かって延びる直線形状を有する。この変形例では、厚み方向に投影したときに、補助配線20は、第2配線12と重なる。補助配線20と第2配線12との間には、中間絶縁層3が介在する。
【0095】
この変形例では、第2端子10を電源端子とするときに、第2端子10に入力された電流値が高い電源電流が、第2配線12および補助配線20に分岐される。第2配線12および補助配線20は、電源配線として機能する。
【0096】
一方、一実施形態においては、第2配線12のみが、電源配線として機能する。そのため、電源配線の断面積(電流の伝送方向に直交する断面の面積)が小さい。
【0097】
他方、この変形例では、第2配線12および補助配線20の断面積の合計は、一実施形態のそれよりも大きい。そのため、電源配線の電気抵抗を低減できる。その結果、電流値が高い電源電流を効率的に伝送できる。
【0098】
また、図6に示す変形例の第2配線12の厚みT3を、図7に示すように、厚くでき、具体的には、第2端子10の厚みT4、および、第1配線7の厚みT1(図5A参照)より厚くできる。
【0099】
これにより、第2配線12および補助配線20からなる電源配線の断面積の合計を、より一層大きくでき、そのため、電源配線の電気抵抗をより一層低減できる。その結果、電流値が高い電源電流をより一層効率的に伝送できる。
【0100】
図8に示すように、第2配線12の先側部が、中間ビア21を介して、接続部11と電気的に接続することができる。
【0101】
中間ビア21は、中間絶縁層3を厚み方向を貫通する貫通孔である。中間ビア21には、第2配線12の先側部の一部が充填される。中間ビア21内において、第2配線12の厚み方向他方面が、接続部11の厚み方向一方面に接触する。
【0102】
図9に示すように、図8に示す接続部11が補助配線20に連続してもよい。
【0103】
図10および図12に示すように、第1パターン部5および第2パターン部6が、平面視において、部分的に重なる。具体的には、第1配線7の一部と、第2配線12の一部とが、厚み方向投影したときに、重なる。
【0104】
図10図11Dに示す変形例では、第1配線7は、第1非重複部22と、第1重複部23とを有する。
【0105】
第1非重複部22は、平面視略L字形状を有する。具体的には、第1非重複部22は、平面視において、第1端子8の後端縁から、第2配線12と平行となるように、後側に向かって延び、その後、第2配線12側(幅方向他方側)に向かって屈曲し、第2配線12の直前に至る。
【0106】
第1重複部23は、平面視において、第1非重複部22の幅方向他端縁から第2配線12に至り、第2配線12と重なりながら、後ろ側に向かって延びる。
【0107】
他方、図12図13Dに示す変形例では、第2配線12は、平面視略L字形状を有しており、第2非重複部24と、第2重複部25とを有する。
【0108】
第2非重複部24は、平面視において、第1配線7と厚み方向において重ならず、第2重複部25は、第1配線7と重なる。
【0109】
第2非重複部24は、平面視において、中間ビア21から、第1配線7側(幅方向一方側)に向かって延び、第1配線7の直前に至る。
【0110】
第2重複部25は、平面視において、第2非重複部24の幅方向一端縁から第1配線7に至り、その後、第1配線7と重なりながら、後ろ側に向かって延びる。
【0111】
図10図13Dに示す変形例では、第1パターン部5および第2パターン部6が、平面視において、重なる。
【0112】
図10図13Dに示す変形例では、第1配線7および第2配線12が部分的に重なるので、第1配線7および第2配線12を狭いスペースに引き回すことができる。
【0113】
次に、本発明の理解を助けるために、比較例1の配線回路基板1を、図14A図14Fを参照して説明する。
【0114】
比較例1では、図14Fに示すように、一実施形態(図2A参照)と異なり、第1端子8が、第1配線7と不連続である。なお、第1端子8は、第1配線7と第2接続部30を介して電気的に接続される。第2接続部30は、第1端子8の後端縁に連続しており、第1端子8の後端縁から後側に向かって延び、第1配線7の先端部によって形成される段差を駆け上がり、第1端子8の先端部の厚み方向一方面に接触する。
【0115】
比較例1の配線回路基板1を製造するには、まず、図14Aに示すように、第1配線7を含む第1導体層31をベース絶縁層2の厚み方向一方面に形成する。なお、この際、第1配線7は、ベース絶縁層2の先側部(貫通孔19近傍領域)に位置しない。
【0116】
次いで、図14Bの実線で示すように、中間絶縁層3を、ベース絶縁層2の厚み方向一方面に、第1配線7を被覆するように、形成し、続いて、図14Cに示すように、第1端子8および第2接続部30を含む第2導体層32を、ベース絶縁層2の厚み方向一方面、および、第1配線7の先端部の厚み方向一方面に形成する。この際、併せて、第2リード18を形成する。
【0117】
次いで、図14Dに示すように、めっき層9を、第1端子8および第2接続部30を含む第2導体層32の表面に形成する。しかし、めっき層9は、第1配線7を含む第1導体層31の表面には形成されない。
【0118】
その後、図14Eに示すように、カバー絶縁層4を形成し、続いて、図14Fに示すように、第2リード18および金属支持層15を順に除去する。
【0119】
そして、比較例1の製造方法では、図14Bに示すように、中間絶縁層3から露出する第1配線7を含む第1導体層31の表面には、貫通孔19および金属支持層15を利用して、安定しためっきを実施できないから、均一なめっき層9(仮想線)を形成できない。つまり、図14Aに示すように、第1配線7の形成するときに、後で形成する第1端子8のスペースを確保するために、第1リード17を形成するスペースが限られ、第1リード17を形成しづらく、そのため、上記しためっき層9を第1導体層31の表面に形成できない。
【0120】
これに対して、一実施形態では、図3Aに示すように、互いに連続する第1端子8および第1配線7を含む第1導体層31を形成する際に、第1リード17を併せて形成する。そのため、第3工程では、図3Bに示すように、第1配線7の表面に、貫通孔19および金属支持層15を利用して、安定しためっきを実施でき、均一なめっき層9を形成できる。
【0121】
なお、図14Bの仮想線で示すように、リードを用いずに、第1配線7の表面にめっきしようとしても、電解めっきでは、リードがないため、第1配線7に給電できず、第1配線7の表面に電解めっき層を形成できない。一方、無電解めっきであれば、リードによって第1配線7が接地されないため、極めて不均質な無電解めっき層となってしまい、これでは、第1端子8を十分に保護できない。
【0122】
また、図3Eおよび図4Gに示すように、金属支持層15を除去せず、配線回路基板1が金属支持層15を備えてもよい。
【0123】
また、めっき層9は、第1めっき層13および第2めっき層14のいずれかのみを有することもできる。さらには、配線回路基板1は、めっき層9を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 配線回路基板
2 ベース絶縁層
3 中間絶縁層
7 第1配線
8 第1端子
9 めっき層
10 第2端子
11 接続部
12 第2配線
17 第1リード
18 第2リード
20 補助配線
31 第1導体層
32 第2導体層
T2 第1端子の厚み
T3 第2配線の厚み
T4 第2端子の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14