(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128429
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240913BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240913BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20240913BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240913BHJP
F21V 29/00 20150101ALI20240913BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240913BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V15/01 300
F21V29/83
F21V29/76
F21V29/00
F21V23/00 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037401
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA04
(57)【要約】
【課題】光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材を外部要因から保護しつつ、例えば検査時、施工時又は使用中において接続部材の接続状態を外部から目視にて容易に確認することができる、照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、光を発光する光源ユニットと、光源ユニットに電力を供給する電源ユニットと、光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材と、を備えている。光源ユニットは、基板と、基板に実装された複数の発光素子と、発光素子を覆うカバー部材と、を有している。接続部材は、カバー部材の外部において露出した部分が保護部材で覆われている。保護部材には、接続部材の接続状態を保護部材の外部から目視可能とする孔が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する光源ユニットと、
前記光源ユニットに電力を供給する電源ユニットと、
前記光源ユニットの一部と、前記電源ユニットの一部と、を接続する接続部材と、を備え、
前記光源ユニットは、基板と、前記基板に実装された複数の発光素子と、前記発光素子を覆うカバー部材と、を有し、
前記接続部材は、前記カバー部材の外部において露出した部分が保護部材で覆われており、
前記保護部材には、前記接続部材の接続状態を前記保護部材の外部から目視可能とする孔が形成されている、照明器具。
【請求項2】
前記電源ユニットは、電源ケースと、前記電源ケースの内部に設けられた電源回路部と、を有しており、
前記接続部材は、前記カバー部材で囲まれた空間と、前記電源ケースの内部とを繋ぎ、前記カバー部材で囲まれた空間容積を拡大させるものである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源ユニットは、ベースと、前記ベースの一方の表面から立ち上がるフィンと、を有するヒートシンクを更に備え、
前記保護部材は、前記電源ユニットと共に、前記フィンの上部に設けられている、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記保護部材は、箱形状とされており、前記フィンの上部と対向する縁辺に前記フィンの上端部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されている、請求項3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井などの被取付部に取り付けられる照明器具が知られている。例えば、特許文献1に開示された照明器具は、光を発光する光源ユニットと、光源部材に電力を供給する電源部と、を有している。光源ユニットは、複数の発光素子と、複数の発光素子が実装された発光素子基板と、発光素子の熱を放熱する放熱体と、を有している。電源部は、2つの光源ユニットの間に配置され、電力供給ケーブルにより発光素子に電力を供給する。また、この照明器具は、光源ユニットの放熱体及び電源部の上部を覆う光源ユニット支持部材が設けられている。光源ユニット支持部材には、放熱フィンの放熱性を向上させる通気口が形成されている。通気口には、上面からみた場合に通気孔を覆うように形成され、通気孔から内部に埃が入ることを防止するひさし部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具では、例えば光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材を保護部材で覆って、鳥類等の外部要因よる破損等から接続部材を保護する必要がある。しかし、例えば検査時、施工時又は使用中において接続部材の接続状態を確認する度に保護部材を取り外すとなると、作業者にとって負担が大きい。そのため、保護部材を取り外すことなく接続部材の接続状態を確認できることが望まれている。例えば特許文献1に開示された照明器具では、光源ユニットの放熱体及び電源部の上部を覆う光源ユニット支持部材に通気口が形成されている。しなしながら、通気口からは、放熱体及び電源部の上部が確認できるものの光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材を外部から目視にて確認できる構成ではない。特に、通気口を覆うように形成されたひさし部によって、外部からの目視が阻害される。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材を外部要因から保護しつつ、例えば検査時、施工時又は使用中において接続部材の接続状態を外部から目視にて容易に確認することができる、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、光を発光する光源ユニットと、前記光源ユニットに電力を供給する電源ユニットと、前記光源ユニットの一部と、前記電源ユニットの一部と、を接続する接続部材と、を備え、前記光源ユニットは、基板と、前記基板に実装された複数の発光素子と、前記発光素子を覆うカバー部材と、を有し、前記接続部材は、前記カバー部材の外部において露出した部分が保護部材で覆われており、前記保護部材には、前記接続部材の接続状態を前記保護部材の外部から目視可能とする孔が形成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、カバー部材の外部において露出した接続部材が保護部材で覆われており、保護部材には接続部材の接続状態を外部から目視可能とする孔が形成されているので、光源ユニットの一部と電源ユニットの一部とを接続する接続部材を保護部材で外部要因から保護しつつ、例えば検査時、施工時又は使用中において保護部材を取り外すことなく接続部材の接続状態を孔から目視にて容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る照明器具を示した斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る照明器具であって、光源ユニットの一部を分解して示した斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る照明器具であって、アーム部及び電源ユニットを光源ユニットから取り外した状態を示した斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る照明器具であって、アーム部を取り外した状態の側面図である。
【
図6】実施の形態に係る照明器具であって、アーム部を取り外した状態の平面図である。
【
図7】実施の形態に係る照明器具であって、アーム部を取り外した状態を照射側から見た斜視図である。
【
図8】(A)は実施の形態に係る照明器具のヒートシンクの斜視図、(B)は同ヒートシンクの正面図、(C)は同ヒートシンクの平面図である。
【
図9】実施の形態に係る照明器具の電源ユニットを示した斜視図である。
【
図10】実施の形態に係る照明器具の電源ユニットを分解して示した斜視図である。
【
図11】(A)は実施の形態に係る照明器具の電源ユニットの平面図、(B)は同電源ユニットの底面図である。
【
図12】(A)は実施の形態に係る照明器具の取付金具を一方側から見た斜視図、(B)は同取付金具を他方側から見た斜視図である。
【
図13】実施の形態に係る照明器具の接続部材を示した斜視図である。
【
図14】(A)は実施の形態に係る照明器具の保護部材を上面側から見た斜視図、(B)は同保護部材を下面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。また、明細書の全文において、天井側を「上側」とし、床面側を「下側」としている。また、図面において、上下方向をZ、上方向をZ1、下方をZ2としている。
【0010】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る照明器具100を示した斜視図である。
図2は、実施の形態に係る照明器具100の正面図である。
図3は、実施の形態に係る照明器具100であって、光源ユニット2の一部を分解して示した斜視図である。
図4は、実施の形態に係る照明器具100であって、アーム部1及び電源ユニット5を光源ユニット2から取り外した状態を示した斜視図である。
図5は、実施の形態に係る照明器具100であって、アーム部1を取り外した状態の側面図である。
図6は、実施の形態に係る照明器具100であって、アーム部1を取り外した状態の平面図である。
図7は、実施の形態に係る照明器具100であって、アーム部1を取り外した状態を照射側から見た斜視図である。
図8(A)は実施の形態に係る照明器具100のヒートシンク4の斜視図、
図8(B)は同ヒートシンク4の正面図、
図8(C)は同ヒートシンク4の平面図である。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具100は、
図1~
図4に示すように、天井等の被取付部に取り付けられるアーム部1と、アーム部1に保持される光源ユニット2と、光源ユニット2に電力を供給する電源ユニット5と、を備えている。光源ユニット2は、
図1~
図7に示すように、光を発光する光源部材3と、ヒートシンク4と、光源部材3を覆うカバー部材6と、アーム部1を取り付けるアーム接続部材7と、を有している。
【0012】
アーム部1は、
図1~
図3に示すように、照明器具100を天井等の被取付部に取り付けるための取付部材である。アーム部1は、天井等の被取付部にネジ又は吊りボルト等で取り付けられるアーム水平部10と、アーム水平部10の両端から光源ユニット2に向かって突き出す一対のアーム縦部11と、でU字状に形成された構成である。アーム水平部10には、天井等の被取付部に取り付けるための天井取付用孔10aが間隔をあけて2つ形成されている。2つの天井取付用孔10aの間隔は、一例として150mm程度である。また、アーム縦部11には、ボルト等の接合部材12と通すための軸孔11aが形成されている。アーム部1は、アーム縦部11が軸孔11aに通した接合部材12によってアーム接続部材7に取り付けられることで、アーム接続部材7を介してヒートシンク4に取り付けられる。なお、アーム部1は、表面が塗装されて絶縁性及び耐食性を有している。
【0013】
光源部材3は、
図3に示すように、基板30に複数の発光素子31が実装された構成である。光源部材3は、ヒートシンク4の下面にネジ等の接合部材で取り付けられ、電源ユニット5から電力の供給を受けて発光素子31を発光させるものである。
【0014】
また、光源部材3には、
図3に示すように、複数のレンズを有するレンズユニット32が発光素子31に対向させて設けられている。レンズユニット32は、発光素子31から発せられた光の照射角度を制御するものである。レンズユニット32は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂又はガラスなどの光透過性を有する材料で形成されるが、内部に拡散材料が混ざっている材料で形成してもよい。
【0015】
ヒートシンク4は、
図1~
図4及び
図8に示すように、光源部材3の発熱を放熱させるものである。ヒートシンク4は、光源部材3が取り付けられるベース40と、ベース40の上面から上方に向かって立ち上がる複数のフィン41と、を有している。ヒートシンク4は、例えばアルミ材等の放熱性の良い材料が用いられており、押出成型で形成される。但し、ヒートシンク4は、押出成型によって形成されることに限定されない。また、ヒートシンク4は、耐食性を確保するため、表面にアルマイト処理が施されており、他の部材と絶縁されている。
【0016】
ベース40は、一例として矩形状である。ベース40の下面には、光源部材3の基板30がネジ等の接合部材で取り付けられる。ベース40は、ネジ等の接合部材で基板30を固定されることができる程度の厚さを有している。
【0017】
フィン41は、下端面がベース40に一体的に接続され、ベース40の上面から上方に向かって立ち上がるように一定の間隔をあけて並列させて設けられている。フィン41は、ベース40に対して直交させて設けられているが、当該直交させる構成に限定されず、ベース40と交差する角度であればよい。
【0018】
図7に示すように、並列に配置した複数のフィン41のうち、ヒートシンク4の側面を形成する両端のフィン41aには、アーム接続部材7を取り付けるための貫通孔42と、電源ユニット5を固定させる電源取付金具59を取り付けるための貫通孔43が形成されている。フィン41の上端面には、電源取付金具59が間隔をあけて2つ設けられている。
【0019】
電源取付金具59は、
図1、
図2、
図4及び
図6に示すように、金具を凹状に折り曲げて形成された構成である。電源取付金具59は、ヒートシンク4のフィン41の上端であって、フィン41の表面に沿った方向(Y方向)における両端にそれぞれ設けられている。電源取付金具59の表面は、アルマイト処理又は塗装されており、絶縁性及び耐食性を有している。電源取付金具59は、複数のフィン41の上端に対応して配置される平板状の平板部59aと、平板部59aの両端縁から屈曲させて形成され、ヒートシンク4の側面を形成する両端のフィン41に対向させて配置される一対の屈曲部59bと、を有している。平板部59aの上面には、電源ユニット5が載置される。平板部59aには、電源ユニット5をねじ等の接合部材で固定させるための複数の貫通孔59cが形成されている。また、屈曲部59bには、ヒートシンク4の側面を形成する両端のフィン41に固定させるための複数の貫通孔59dが形成されている。電源取付金具59は、平板部59aをフィン41の上端に対向させた配置し、屈曲部59bをヒートシンク4の側面を形成する両端のフィン41aの内面に対向させて配置し、貫通孔59dに通した接合部材45でフィン41a接合されることで、ヒートシンク4に取り付けられる。
【0020】
カバー部材6は、
図3及ぶ
図7に示すように、光源部材3と対向する側に開口を有する箱形であり、ヒートシンク4のベース40に取り付けられた光源部材3を覆って保護するものである。カバー部材6は、凹形状のカバー枠体60と、カバー枠体60の内部に配置されるガラスカバー61と、を有している。カバー枠体60は、上面及び底面に開口部を有している。カバー枠体60の内底面には、ガラスカバー61を支持する支持部材62が設けられている。支持部材62は、直線状の部材であり、開口縁の縁辺に沿ってそれぞれ配置されている。支持部材62は、例えばネジ等の接合部材62aで、カバー枠体60に固定されている。
【0021】
カバー枠体60には、開口縁に沿って外方に突き出すフランジ部60aが設けられている。フランジ部60aには、ネジ等の接合部材64の軸部を通す貫通孔60bが複数形成されている。カバー枠体60は、内部にガラスカバー61が配置された状態で、止水部材63を介してフランジ部60aをヒートシンク4のベース40に当接させ、貫通孔60bに通した接合部材64でヒートシンク4に取り付けられる。
【0022】
ガラスカバー61は、ガラス板61aの周囲を止水部材61bで囲った構成とされている。ガラスカバー61は、カバー枠体60の内底面に取り付けられた支持部材62に止水部材61bが支持された状態で、カバー枠体60の開口面に配置されている。ガラス板61aは、透過性を有しており、発光素子31から発光される光を照射対象空間に照射する。
【0023】
アーム接続部材7は、
図1~
図3に示すように、並列に配置した複数のフィン41のうち、ヒートシンク4の側面を形成する両端のフィン41aに取り付けられ、アーム部1を回動自在に取り付けるために設けられている。アーム接続部材7の表面は、アルマイト処理又は塗装されており、絶縁性及び耐食性を有している。アーム接続部材7は、フィン41aの表面に対向する矩形状の平板部70と、平板部70の左右の両端縁からフィン41aの表面に向かって突き出す一対のL字状の固定部71と、平板部70の下端部からカバー部材6に向かって突き出すフック部72と、を有している。平板部70には、接合部材12の軸部を通す貫通孔が形成されている。アーム部1は、アーム縦部11の軸孔11aに通した接合部材12を平板部70の貫通孔に通すことで、アーム接続部材7に回動自在に取り付けられる。固定部71は、平板部70の左右の両端縁から、フィン41aの表面に向かって突き出した先端縁を、該フィン41aの表面に沿って外方に屈曲させてL字状とした構成である。固定部71は、フィン41aの外面に沿って屈曲した屈曲面をフィン41aの外面に当接させ、該フィン41aにボルト等の接合部材13で取り付けられる。また、フック部72は、カバー枠体60のフランジ部60aをヒートシンク4のベース40と共に挟み付けて、カバー部材6が落下しないように保持するものである。なお、照明器具100は、接合部材12を緩めた状態で光源ユニット2を傾斜させることで、傾斜した天井に取付可能となる。
【0024】
図9は、実施の形態に係る照明器具100の電源ユニット5を示した斜視図である。
図10は、実施の形態に係る照明器具100の電源ユニット5を分解して示した斜視図である。
図11(A)は実施の形態に係る照明器具100の電源ユニット5の平面図、
図11(B)は同電源ユニット5の底面図である。
図12(A)は実施の形態に係る照明器具100の取付金具58を一方側から見た斜視図、
図12(B)は同取付金具58を他方側から見た斜視図である。
【0025】
電源ユニット5は、光源部材3に電力を供給するものである。電源ユニット5は、
図1~
図7に示すように、フィン41の上端面に設けられた一対の電源取付金具59に取り付けることにより、ヒートシンク4の上部に配置される。電源ユニット5は、
図9~
図11に示すように、筒状で直方体形状の電源ケース50と、電源ケース50の内部に設けられた電源回路部51と、電源ケース50の両端の開口を塞ぐ端板52と、を有している。電源ケース50の表面は、アルマイト処理又は塗装されており、絶縁性及び耐食性を有している。電源回路部51は、ケースボトム51aに支持された状態で、電源ケース50の内部に収容されている。ケースボトム51aは、放熱性のよいアルミ等により構成されており、電源ケース50に固定可能とされている。電源回路部51には、電源ケース50の外部から電源ケース50の内部に延びる一次電源線部53の一端部が接続されている。一次電源線部53の他端部は、電源ケース50の外部において商用電源などの外部電源(図示省略)に接続されている。
【0026】
また、電源回路部51には、二次電源線部54の一端部が接続されている。二次電源線部54の他端部は、基板30に設けられた基板端子(図示省略)に接続されている。電源回路部51には、一次電源線部53により商用電源などの外部電源から電源が供給される。電源回路部51は、供給された電力を発光素子31の点灯に必要な電流に変換する。変換された電流は、電源回路部51に接続された二次電源線部54により基板端子を介して発光素子31に供給される。これにより、発光素子31が発光する。
【0027】
端板52は、例えば板金で形成されており、密閉性を高めるパッキン55を間に挟んで電源ケース50の両端にねじ等の接合部材56で取り付けられている。端板52の表面は、アルマイト処理又は塗装されており、絶縁性及び耐食性を有している。パッキン55は、端板52と共に接合部材56によって共締めされる。また、2つの端板52のうち、一方の端板52には、電源回路部51に接続される一次電源線部53を電源ケース50の内部に通すための開口が形成されている。
【0028】
また、端板52は、電源ケース50の底面よりも下端縁が電源取付金具59に向かって突き出している。そして、端板52の下端縁には、電源ケース50の反対の方向に向かって突き出すフランジ部52aが設けられている。フランジ部52aには、ネジ等の接合部材52bを通すための貫通孔が複数形成されている。電源ユニット5は、フランジ部52aを電源取付金具59に接合部材52bで接合することで、フィン41の上部に取り付けることができる。なお、フランジ部52aには、二次電源線部54を通すための切り欠き52cが形成されている。
【0029】
また、端板52には、端板52から突出した二次電源線部54を覆う電線カバー部57が設けられている。電線カバー部57は、端板52に対向する面と底面との二面が開口した箱形状とされている。電源ユニット5は、二次電源線部54を電線カバー部57で覆うことで、二次電源線部54の外部への露出を防ぐことができる。
【0030】
また、
図10~
図12に示すように、電源ケース50の下面には、電源ケース50の内部に設けられたケースボトム51aを電源ケース50に強固に固定すると共に、ケースボトム51aと端板52とを導通させる取付金具58が設けられている。取付金具58は、電源ケース50の底面に取り付けられる第1平板部58aと、端板52のフランジ部52aに取り付けられる第2平板部58bと、を有している。第1平板部58aには、電源ケース50を貫通してケースボトム51aに接合されるネジ等の接合部材58cを通すための孔が2つ形成されている。この接合部材58cによって取付金具58、電源ケース50及びケースボトム51aが接合され、ケースボトム51aが電源ケース50の内部で固定される。また、第2平板部58bは、フランジ部52aの貫通孔に連通する貫通孔が形成されている。第2平板部58bは、フランジ部52aと共に接合部材52bで電源取付金具59に固定されることにより、フランジ部52aに取り付けられる。ケースボトム51aと端板52は、接合部材58c、取付金具58及び接合部材52bを介して導通される。
【0031】
ところで、照明器具100は、塩素ガス、腐食性ガス等のある過酷な環境下で使用する場合がある。しかし、この環境下で照明器具100を使用すると、発光素子31が外気に触れて、劣化を早めることになる。そこで、発光素子31の劣化を防ぐために、発光素子31を覆うカバー部材6の内部空間を密閉構造とし、発光素子31が外気と接触する事態を防止することとしている。しかしながら、照明器具100は、密閉構造とすることで空気容積が少なくなり、発光素子31に必要な酸素量が不足して黒化を引き起こし、設計寿命よりも早期に不点灯となるおそれがある。
【0032】
そこで、本実施の形態に係る照明器具100では、
図4に示すように、光源ユニット2の一部と電源ユニット5の一部とを接続する接続部材8を備えている。
図13は、実施の形態に係る照明器具100の接続部材8を示した斜視図である。光源ユニット2の一部とは、ヒートシンク4のベース40である。電源ユニット5の一部とは、電源ケース50である。接続部材8は、
図4及び
図13に示すように、密閉されたカバー部材6の内部空間と、密閉された電源ケース50の内部空間とを繋ぎ、空気を循環させるチューブである。チューブから成る接続部材8の一端部は、第1継手部材80を介してヒートシンク4のベース40に接続される。また、チューブから成る接続部材8の他端部は、第2継手部材81を介して電源ユニット5の電源ケース50に接続されている。
【0033】
第1継手部材80は、内部が中空構造とされた構成である。第1継手部材80は、
図13に示すように、接続部材8の内部に挿し込まれる挿入部82と、ベース40に形成された貫通孔44(
図8を参照)に挿入されるネジ部83と、挿入部82とネジ部83との間に設けられた中間部84と、を有している。ネジ部83の外周面には、ネジ山が形成されている。ネジ部83には、Oリングからなる止水部材85が中間部84に突き当たるまで挿し込まれている。ネジ部83は、ベース40の上面から貫通孔44に挿入され、先端部がベース40の下面から突き出す長さを有している。ネジ部83が挿し込まれるベース40の貫通孔44は、
図8に示すように、ヒートシンク4の一方の側面を形成するフィン41aと、該フィン41aと隣り合うフィン41との間Sに形成されている。貫通孔44が形成されたフィン41aとフィン41との間Sは、接続部材8を通すために、他のフィン41同士の間隔よりも広幅に形成されている。中間部84は、挿入部82とネジ部83よりも大径とされており、ネジ部83がベース40の貫通孔44から所定の位置まで挿し込まれると、端面がベース40の上面に突き当たる。
【0034】
第1継手部材80は、挿入部82がチューブの内部に挿し込まれて固定され、ネジ部83がヒートシンク4のベース40の上面から貫通孔44に挿し込まれ、中間部84の端面がベース40の上面に突き当たる。そして、第1継手部材80は、ベース40の下面から突き出したネジ部83の先端部に、ベース40の下面からナット86で締め付けられることで、該ベース40に取り付けられる。
【0035】
第2継手部材81は、第1継手部材80と同じ構成である。つまり、第2継手部材81は、内部が中空構造とされた構成である。第2継手部材81は、接続部材8の内部に挿し込まれる挿入部82と、電源ケース50に形成された貫通孔に挿入されるネジ部83と、挿入部82とネジ部83との間に設けられた中間部84と、を有している。ネジ部83の外周面には、ネジ山が形成されている。ネジ部83には、Oリングからなる止水部材85が中間部84に突き当たるまで挿し込まれている。ネジ部83は、電源ケース50に形成された貫通孔に挿入され、先端部が電源ケース50の内面から突き出す長さを有している。中間部84は、挿入部82とネジ部83よりも大径とされており、ネジ部83が電源ケース50の貫通孔から所定の位置まで挿し込まれると、端面が電源ケース50の外面に突き当たる。
【0036】
第2継手部材81は、挿入部82がチューブの内部に挿し込まれて固定され、ネジ部83が電源ケース50の外面から該電源ケース50の貫通孔に挿し込まれ、中間部84の端面が電源ケース50の外面に突き当たる。そして、第2継手部材81は、電源ケース50の内面から突き出したネジ部83の先端部に、電源ケース50の内面からナット86で締め付けられることで、電源ケース50に取り付けられる。
【0037】
このように、本実施の形態に係る照明器具100では、チューブからなる接続部材8を用いてカバー部材6の内部空間と電源ケース50の内部空間とを繋ぐことで、カバー部材6の内部空間の空気容積を拡張させることができ、発光素子31に必要な酸素量が確保することができる。
【0038】
なお、接続部材8として、密閉されたカバー部材6の内部空間と、密閉された電源ケース50の内部空間とを繋ぎ、空気を循環させるチューブを例に説明したが、光源ユニット2の一部と、電源ユニット5の一部と、を接続するものであれば、他の部材でもよい。例えば、接続部材8は、電源ユニット5に設けられ、配線が接続される端子台でもよい。また、電源回路部51と基板30に設けられた基板端子(図示省略)と接続する電源線でもよい。また、第1継手部材80は、上記した構成に限定されず、ヒートシンク4のベース40に接続部材8を取り付けることができれば、他の構成でもよい。また、第2継手部材81も、上記した構成に限定されず、電源ユニット5の電源ケース50に接続部材8を取り付けることができれば、他の構成でもよい。また、第1継手部材80はと第2継手部材81は、異なる構成でもよい。
【0039】
また、接続部材8であるチューブを外部に露出させたままであると、施工時の不意な引張による抜けが生じたり、鳥類などによって破損したりするなど、外部要因による不具合が生じるおそれがある。そこで、照明器具100では、
図1~
図7に示すように、カバー部材6の外部において露出した接続部材8を覆って保護する保護部材9が設けられている。
図14(A)は実施の形態に係る照明器具100の保護部材9を上面側から見た斜視図、
図14(B)は同保護部材9を下面側から見た斜視図である。
【0040】
保護部材9は、電源ユニット5の電源ケース50に並列させて配置され、電源ユニット5と共に、ヒートシンク4のフィン41の上部に設けられている。保護部材9は、
図14に示すように、直方体から成る箱形状とされ、ヒートシンク4に対向する底面と電源ケース50と隣り合う側面とに開口を有している。保護部材9には、長手方向の両端面90から、電源取付金具59の平板部59aに沿って突き出し、平板部59aの上面に載置されるフランジ部91が設けられている。また、保護部材9には、長手方向の両端面90からヒートシンク4のフィン41の並列方向に沿って突き出す突出部92が設けられている。突出部92には、フィン41の上端部に嵌め込まれる切り欠き部92aが形成されている。切り欠き部92aは、一例として間隔をあけて2つ形成されており、2つのフィン41の上端部がそれぞれ嵌め込まれる。保護部材9は、切り欠き部92aに一部のフィン41の上端部が嵌め込まれることで、ねじ等の接合部材を使用することなく位置が固定される。
【0041】
また、照明器具100では、保護部材9で保護された接続部材8の接続状態を確認する必要がある。例えば検査時、施工時又は使用中において接続部材8の接続状態を確認する度に保護部材9を取り外すことになると、作業者にとって負担が大きい。そこで、本実施の形態における保護部材9では、長手方向(Y方向)に沿った保護部材9の上面93及び側面94に、接続部材8を保護部材9の外部から目視可能とする複数の孔95が形成されている。
【0042】
孔95は、接続部材8の接続状態を確認できる位置、形状、大きさ及び個数で形成されている。孔95は、一例として長手方向(Y方向)に沿った保護部材9の上面93及び側面94に、それぞれ長手方向(Y方向)に間隔をあけて5つずつ形成されている。孔の形状は、一例として短手方向(X方向)に延びるスリット状の縦孔である。但し、孔の形状は、長手方向(Y方向)に延びるスリット状の横孔とし、短手方向(X方向)に間隔をあけて設けてもよい。また、孔95の形状及び大きさは、一例として、人の指が入らない程度の大きさとすることが望ましい。また、孔95の形状、大きさ及び個数は、光源部材3の熱量に応じて設定してもよい。
【0043】
照明器具100は、
図5及び
図6に示すように、保護部材9に孔95を設けることにより、保護部材9を取り外すことなく接続部材8の接続状態を上面及び側面から確認することができる。また、照明器具100は、長手方向(Y方向)に沿った側面94に孔95を形成することで、
図7に示すように、天井に取付けられた照明器具100を見上げて確認する場合でも、接続部材8の接続状態を外部から目視が可能となる。また、照明器具100は、孔95を設けることで、ヒートシンク4からの放熱を促すことができる。なお、
図6に示すように、保護部材9の上面93に孔95を形成する場合、孔95を通じて第2継手部材81に埃が堆積しないように、第2継手部材81から位置をずらして設けることが望ましい。
【0044】
なお、孔95は、図示した位置、形状及び個数に限定されない。孔95は、例えば検査時、施工時又は使用中において接続部材8の接続状態を外部から目視することができれば、他の構成でもよい。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、光を発光する光源ユニット2と、光源ユニット2に電力を供給する電源ユニット5と、光源ユニット2の一部と、電源ユニット5の一部と、を接続する接続部材8と、を備えている。光源ユニット2は、基板30と、基板30に実装された複数の発光素子31と、発光素子31を覆うカバー部材6と、を有している。接続部材8は、カバー部材6の外部において露出した部分が保護部材9で覆われている。保護部材9には、接続部材8の接続状態を保護部材9の外部から目視可能とする孔95が形成されている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、光源ユニット2の一部と電源ユニット5の一部とを接続する接続部材8を保護部材9で外部要因から保護しつつ、例えば検査時、施工時又は使用中には、保護部材9を取り外すことなく接続部材8の接続状態を孔95から目視にて容易に確認することができる。例えば、接続部材8が端子台である場合には、保護部材9で埃を避けることができ、且つ配線の差込具合を孔95から目視にて容易に確認することができる。
【0046】
また、電源ユニット5は、電源ケース50と、電源ケース50の内部に設けられた電源回路部51と、を有している。接続部材8は、カバー部材6で囲まれた空間と、電源ケース50の内部とを繋ぎ、カバー部材6で囲まれた空間容積を拡大させるものである。よって、本実施の形態に係る照明器具100では、発光素子31に必要な酸素量が確保することができるので、酸素量不足による黒化を抑制でき、発光素子31が設計寿命よりも早期に不点灯となる事態を抑制することができる。
【0047】
また、光源ユニット2は、ベース40と、ベース40の一方の表面から立ち上がるフィン41と、を有するヒートシンク4を更に備えている。保護部材9は、電源ユニット5と共に、フィン41の上部に設けられている。また、保護部材9は、箱形状にとされており、フィン41の上部と対向する縁辺に、フィン41の上端部が嵌め込む切り欠き部92aが形成されている。よって、本実施の形態に係る照明器具100では、切り欠き部92aに一部のフィン41の上端部が嵌め込まれることで、ねじ等の接合部材を使用することなく保護部材9の位置を固定することができる。
【0048】
以上、実施の形態に基づいて照明器具100を説明したが、照明器具100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明器具100の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよいし、構成要素を一部省略してもよい。要するに、照明器具100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0049】
上記に説明した照明器具100は、以下の付記1~3に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0050】
(付記1)
光を発光する光源ユニットと、
前記光源ユニットに電力を供給する電源ユニットと、
前記光源ユニットの一部と、前記電源ユニットの一部と、を接続する接続部材と、を備え、
前記光源ユニットは、基板と、前記基板に実装された複数の発光素子と、前記発光素子を覆うカバー部材と、を有し、
前記接続部材は、前記カバー部材の外部において露出した部分が保護部材で覆われており、
前記保護部材には、前記接続部材の接続状態を前記保護部材の外部から目視可能とする孔が形成されている、照明器具。
【0051】
(付記2)
前記電源ユニットは、電源ケースと、前記電源ケースの内部に設けられた電源回路部と、を有しており、
前記接続部材は、前記カバー部材で囲まれた空間と、前記電源ケースの内部とを繋ぎ、前記カバー部材で囲まれた空間容積を拡大させるものである、付記1に記載の照明器具。
【0052】
(付記3)
前記光源ユニットは、ベースと、前記ベースの一方の表面から立ち上がるフィンと、を有するヒートシンクを更に備え、
前記保護部材は、前記電源ユニットと共に、前記フィンの上部に設けられている、付記1又は2に記載の照明器具。
【0053】
(付記4)
前記保護部材は、箱形状とされており、前記フィンの上部と対向する縁辺に前記フィンの上端部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されている、付記3に記載の照明器具。
【符号の説明】
【0054】
1 アーム部、2 光源ユニット、3 光源部材、4 ヒートシンク、5 電源ユニット、6 カバー部材、7 アーム接続部材、8 接続部材、9 保護部材、10 アーム水平部、10a 天井取付用孔、11 アーム縦部、11a 軸孔、12 接合部材、13 接合部材、30 基板、31 発光素子、32 レンズユニット、40 ベース、41、41a フィン、42、43、44 貫通孔、45 接合部材、50 電源ケース、51 電源回路部、51a ケースボトム、52 端板、52a フランジ部、52b 接合部材、52c 切り欠き、53 一次電源線部、54 二次電源線部、55 パッキン、56 接合部材、57 電線カバー部、58 取付金具、58a 第1平板部、58b 第2平板部、58c 接合部材、59 電源取付金具、59a 平板部、59b 屈曲部、59c 貫通孔、59d 貫通孔、60 カバー枠体、60a フランジ部、60b 貫通孔、61 ガラスカバー、61a ガラス板、61b 止水部材、62 支持部材、62a 接合部材、63 止水部材、64 接合部材、70 平板部、71 固定部、72 フック部、80 第1継手部材、81 第2継手部材、82 挿入部、83 ネジ部、84 中間部、85 止水部材、86 ナット、90 端面、91 フランジ部、92 突出部、92a 切り欠き部、93 上面、94 側面、95 孔、100 照明器具。