IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体記憶装置 図1
  • 特開-半導体記憶装置 図2
  • 特開-半導体記憶装置 図3
  • 特開-半導体記憶装置 図4
  • 特開-半導体記憶装置 図5
  • 特開-半導体記憶装置 図6
  • 特開-半導体記憶装置 図7
  • 特開-半導体記憶装置 図8
  • 特開-半導体記憶装置 図9
  • 特開-半導体記憶装置 図10
  • 特開-半導体記憶装置 図11
  • 特開-半導体記憶装置 図12
  • 特開-半導体記憶装置 図13
  • 特開-半導体記憶装置 図14
  • 特開-半導体記憶装置 図15
  • 特開-半導体記憶装置 図16
  • 特開-半導体記憶装置 図17
  • 特開-半導体記憶装置 図18
  • 特開-半導体記憶装置 図19
  • 特開-半導体記憶装置 図20
  • 特開-半導体記憶装置 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128463
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/08 20060101AFI20240913BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240913BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20240913BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240913BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240913BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20240913BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20240913BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G11C16/08 130
G11C16/04 170
H10B12/00 681A
H10B41/27
H10B43/27
H10B43/40
H10B41/40
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037449
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】滋賀 秀裕
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA02
5B225BA08
5B225CA04
5B225DB02
5B225DB08
5B225EA05
5B225FA02
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA05
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA32
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA03
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH04
(57)【要約】
【課題】メモリセルの電力消費性と信頼性を向上すること。
【解決手段】半導体記憶装置は、直列に接続された複数の第1メモリセルを含む第1ストリング、第1メモリセルの第1チャネルと一部を共有する第2チャネルが直列に接続された複数の第2メモリセルを含む第2ストリング、直列に接続された複数の第3メモリセルを含む第3ストリング、第3メモリセルの第3チャネルと一部を共有する第4チャネルが直列に接続された複数の第4メモリセルを含む第4ストリング、複数の第1ワード線、および複数の第2ワード線、第2メモリセルおよび第4メモリセルへデータを書き込む場合、書き込み動作の第1動作において、第1メモリセルおよび第3メモリセルに接続された第1ワード線に基準電圧より大きい第1電圧を供給し、第2メモリセルおよび第4メモリセルに接続された第2ワード線に基準電圧より大きい第2電圧を供給するドライバと、を有する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体ピラーと、
断面視において、前記第1半導体ピラーに隣接する第2半導体ピラーと、
前記第1半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第1メモリセルを含む第1ストリングと、
前記第1半導体ピラーに対して前記第1半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、前記第1メモリセルで形成される第1チャネルと前記第1半導体ピラーの一部を共有する第2チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第2メモリセルを含む第2ストリングと、
前記第2半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第3メモリセルを含む第3ストリングと、
前記第2半導体ピラーに対して前記第2半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、かつ、前記第2ストリングに対向して設けられ、前記第3メモリセルで形成される第3チャネルと前記第2半導体ピラーの一部を共有する第4チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第4メモリセルを含む第4ストリングと、
複数の前記第1メモリセルの各々および複数の前記第3メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第1ワード線と、
複数の前記第2メモリセルの各々および複数の前記第4メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第2ワード線と、
複数の前記第2メモリセルのうちk番目の第2メモリセルおよび複数の前記第4メモリセルのうちk番目の第4メモリセルへデータを書き込む場合、書き込み動作の第1動作において、前記k番目の第1メモリセルおよび前記k番目の第3メモリセルに電気的に接続されたk番目の前記第1ワード線に基準電圧より大きい第1電圧を供給し、前記k番目の第2メモリセルおよび前記k番目の第4メモリセルに電気的に接続されたk番目の前記第2ワード線に基準電圧より大きい第2電圧を供給するドライバと、
を有する、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーは、同一のソース線に電気的に接続され、
前記第1動作において、前記ドライバは、前記ソース線に前記第1電圧と同一または略同一の第3電圧を供給する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1動作において、前記ドライバは、前記複数の第1ワード線に前記第1電圧を供給し、前記複数の第2ワード線に前記第2電圧を供給する、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
断面視において、前記第2半導体ピラーに隣接する第3半導体ピラーと、
断面視において、前記第3半導体ピラーに隣接する第4半導体ピラーと、
前記第3半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第5メモリセルを含む第5ストリングと、
前記第3半導体ピラーに対して前記第3半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、前記第5メモリセルで形成される第5チャネルと前記第3半導体ピラーの一部を共有する第6チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第6メモリセルを含む第6ストリングと、
前記第4半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第7メモリセルを含む第7ストリングと、
前記第4半導体ピラーに対して前記第4半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、かつ、前記第6ストリングに対向して設けられ、前記第7メモリセルで形成される第7チャネルと前記第4半導体ピラーの一部を共有する第8チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第8メモリセルを含む第8ストリングと、
複数の前記第5メモリセルの各々および複数の前記第7メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第3ワード線と、
複数の前記第6メモリセルの各々および複数の前記第8メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第4ワード線と、
をさらに有し、
前記第1動作において、前記ドライバは、前記k番目の第6メモリセルおよび前記k番目の第8メモリセルに電気的に接続されたk番目の前記第4ワード線に前記第1電圧を供給する、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1動作において、前記ドライバは、前記複数の第4ワード線に前記第1電圧を供給する、
請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1動作において、前記複数の第3ワード線の電圧は前記第1電圧に上昇する、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1動作に続く第2動作において、
前記ドライバはk番目以上の前記第1ワード線およびk番目以上の前記第2ワード線に前記第2電圧より大きい第4電圧を供給する、
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2動作において、
前記ドライバはk番目の前記第2ワード線に前記第4電圧より大きい第5電圧を供給し、
前記k番目の第2メモリセルおよび前記k番目の第3メモリセルに所望の電圧を書き込む、
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
第1半導体ピラーと、
断面視において、前記第1半導体ピラーに隣接する第2半導体ピラーと、
前記第1半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第1メモリセルを含む第1ストリングと、
前記第1半導体ピラーに対して前記第1半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、前記第1メモリセルで形成される第1チャネルと前記第1半導体ピラーの一部を共有する第2チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第2メモリセルを含む第2ストリングと、
前記第2半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第3メモリセルを含む第3ストリングと、
前記第2半導体ピラーに対して前記第2半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、かつ、前記第2ストリングに対向して設けられ、前記第3メモリセルで形成される第3チャネルと前記第2半導体ピラーの一部を共有する第4チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第4メモリセルを含む第4ストリングと、
複数の前記第1メモリセルの各々および複数の前記第3メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第1ワード線と、
複数の前記第2メモリセルの各々および複数の前記第4メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第2ワード線と、
複数の前記第2メモリセルおよび複数の前記第4メモリセルのデータを消去する場合、消去動作において、複数の前記第1メモリセルおよび複数の前記第3メモリセルに電気的に接続された複数の前記第1ワード線に基準電圧より大きい第1電圧を供給し、複数の前記第2メモリセルおよび複数の前記第4メモリセルに電気的に接続された複数の前記第2ワード線に基準電圧を供給するドライバと、
を有する、半導体記憶装置。
【請求項10】
断面視において、前記第2半導体ピラーに隣接する第3半導体ピラーと、
断面視において、前記第3半導体ピラーに隣接する第4半導体ピラーと、
前記第3半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第5メモリセルを含む第5ストリングと、
前記第3半導体ピラーに対して前記第3半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、前記第5メモリセルで形成される第5チャネルと前記第3半導体ピラーの一部を共有する第6チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第6メモリセルを含む第6ストリングと、
前記第4半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第7メモリセルを含む第7ストリングと、
前記第4半導体ピラーに対して前記第4半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、かつ、前記第6ストリングに対向して設けられ、前記第7メモリセルで形成される第7チャネルと前記第4半導体ピラーの一部を共有する第8チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第8メモリセルを含む第8ストリングと、
複数の前記第5メモリセルの各々および複数の前記第7メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第3ワード線と、
複数の前記第6メモリセルの各々および複数の前記第8メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第4ワード線と、
をさらに有し、
前記消去動作において、前記ドライバは、複数の前記第6メモリセルおよび複数の前記第8メモリセルに電気的に接続された複数の前記第4ワード線に前記第1電圧を供給する、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記消去動作において、前記複数の第3ワード線の電圧は前記第1電圧に上昇する、
請求項10に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-164070号公報
【特許文献2】特開2017-168163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリセルの電力消費性と信頼性が向上した半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る半導体記憶装置は、第1半導体ピラーと、断面視において、第1半導体ピラーに隣接する第2半導体ピラーと、第1半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第1メモリセルを含む第1ストリングと、第1半導体ピラーに対して第1半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、第1メモリセルで形成される第1チャネルと第1半導体ピラーの一部を共有する第2チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第2メモリセルを含む第2ストリングと、第2半導体ピラーの第1側に設けられ、直列に電気的に接続された複数の第3メモリセルを含む第3ストリングと、第2半導体ピラーに対して第2半導体ピラーの第1側とは反対側の第2側に設けられ、かつ、第2ストリングに対向して設けられ、第3メモリセルで形成される第3チャネルと第2半導体ピラーの一部を共有する第4チャネルを形成し、直列に電気的に接続された複数の第4メモリセルを含む第4ストリングと、複数の第1メモリセルの各々および複数の第3メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第1ワード線と、複数の第2メモリセルの各々および複数の第4メモリセルの各々に共通に設けられる複数の第2ワード線と、ドライバと、を有する。ドライバは、複数の第2メモリセルのうちk番目の第2メモリセルおよび複数の第4メモリセルのうちk番目の第4メモリセルへデータを書き込む場合、書き込み動作の第1動作において、k番目の第1メモリセルおよびk番目の第3メモリセルに電気的に接続されたk番目の第1ワード線に基準電圧より大きい第1電圧(VCELSRC)を供給し、k番目の第2メモリセルおよびk番目の第4メモリセルに電気的に接続されたk番目の第2ワード線に基準電圧より大きい第2電圧(VCHPCH)を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置中のメモリセルアレイの回路構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係るドレイン側セレクトゲート線、ビット線、およびメモリピラーの平面レイアウトを示す図である。
図4】第1実施形態に係るワード線およびメモリピラーの平面レイアウトを示す図である。
図5図4に示される半導体記憶装置のA1-A2に沿った断面図である。
図6図4に示される半導体記憶装置のB1-B2に沿った断面図である。
図7】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線またはワード線の電気的接続を説明するための図である。
図8】第1の例において、図5に示されるメモリセルトランジスタのC1-C2線に沿った断面図である。
図9図8に示されるメモリセルトランジスタのD1-D2線に沿った断面図である。
図10】第2の例において、図5に示されるメモリセルトランジスタのC1-C2線に沿った断面図である。
図11図10に示されるメモリセルトランジスタのE1-E2線に沿った断面図である。
図12】第1実施形態に係る半導体記憶装置において、隣接するメモリストリングの等価回路を示す図である。
図13】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるデータ書き込み動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。
図14】第1実施形態に係る半導体記憶装置における書き込み動作を説明する半導体記憶装置の切断部端面図である。
図15図13に示すタイミングチャートの時刻T1および時刻T2における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。
図16】第1実施形態に係る半導体記憶装置のベリファイ動作時における各種信号のタイミングチャートを示す図である。
図17】第1実施形態に係る半導体記憶装置の消去動作時における各種信号のタイミングチャートを示す図である。
図18図17に示すタイミングチャートの時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。
図19】変形例1の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。
図20】変形例2の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。
図21】変形例3の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一、または類似する機能および構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字(例えば、アルファベットの大文字、アルファベットの小文字、ハイフンとアルファベットの小文字と数字など)を付して区別する。
【0008】
<第1実施形態>
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1について説明する。
【0009】
<1.構成例>
<1-1.メモリシステム>
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成は図1に示す構成に限定されない。
【0010】
図1に示すように、メモリシステム3は、半導体記憶装置1およびメモリコントローラ2を含む。メモリシステム3は、例えば、SSD(solid state drive)、SDTMカードのようなメモリカード等である。メモリシステム3は、ホストデバイス(図示は省略)を含んでもよい。
【0011】
半導体記憶装置1は、例えば、メモリコントローラ2に接続し、メモリコントローラ2を用いて制御される。メモリコントローラ2は、例えば、ホストデバイスから半導体記憶装置1の動作に必要な命令を受信し、当該命令を半導体記憶装置1に送信する。メモリコントローラ2は、当該命令を半導体記憶装置1に送信し、半導体記憶装置1からのデータの読み出し動作、半導体記憶装置1へのデータの書込み動作、および半導体記憶装置1のデータの消去動作を制御する。第1実施形態において、半導体記憶装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。詳細は後述されるが、書き込み動作は、例えば、プログラムループを含み、プログラムループは、プログラム動作およびベリファイ動作を含む。
【0012】
<1-2.半導体記憶装置の構成>
図1に示すように、半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ(memory cell array)21、入出力回路(input/output)22、ロジック制御回路(logic control)23、シーケンサ(sequencer)24、レジスタ(register)25、レディ/ビジー制御回路(ready/busy circuit)26、電圧生成回路(voltage generation)27、ドライバセット(driver set)28、ロウデコーダ(row decoder)29、センスアンプモジュール(sense amplifier)70、入出力用パッド群71、およびロジック制御用パッド群72を含む。半導体記憶装置1では、書き込みデータDATをメモリセルアレイ21に記憶させる書き込み動作、読み出しデータDATをメモリセルアレイ21から読み出す読み出し動作等の、各種動作が実行される。第1実施形態に係る半導体記憶装置1の構成は図1に示す構成に限定されない。
【0013】
メモリセルアレイ21は、例えば、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、およびドライバセット28と接続される。メモリセルアレイ21は、ブロックBLKO、BLK1、・・・、BLKn(nは1以上の整数)を含む。詳細は後述するが、ブロックBLKの各々は、複数のメモリグループMG(MG0、MG1、MG2、・・・)を含む。メモリグループMGの各々は、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを含む。なお、半導体記憶装置1では、メモリセルトランジスタMTは、単にメモリセルといわれる場合がある
【0014】
半導体記憶装置1では、例えば、TLC(Triple-Level Cell)方式またはQLC(Quadruple Level Cell)方式を適用可能である。TLC方式では、各メモリセルに3ビットのデータが保持され、QLC方式では、各メモリセルに4ビットのデータが保持される。なお、各メモリセルに2ビット以下のデータが保持されてもよく、5ビット以上のデータが保持されてもよい。
【0015】
入出力回路22は、例えば、レジスタ25、ロジック制御回路23、およびセンスアンプモジュール70に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ2と半導体記憶装置1との間で、データ信号DQ<7:0>の送受信を制御する。
【0016】
データ信号DQ<7:0>は、8ビットの信号である。データ信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信されるデータの実体であり、コマンドCMD、データDAT、アドレス情報ADD、およびステータス情報STS等を含む。コマンドCMDは、例えば、ホストデバイスから、メモリコントローラ2を介して、半導体記憶装置1に送信される命令を実行するための命令を含む。データDATは、半導体記憶装置1への書き込みデータDATまたは半導体記憶装置1からの読み出しデータDATを含む。アドレス情報ADDは、例えば、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを選択するためのカラムアドレスおよびロウアドレスを含む。ステータス情報STSは、例えば、書き込み動作および読み出し動作に関する半導体記憶装置1のステータスに関する情報を含む。
【0017】
より具体的には、入出力回路22は、入力回路および出力回路を備え、入力回路および出力回路が次に述べる処理を行う。入力回路は、メモリコントローラ2から、書き込みデータDAT、アドレス情報ADD、およびコマンドCMDを受信する。入力回路は、受信した書き込みデータDATをセンスアンプモジュール70に送信し、受信したアドレス情報ADDおよびコマンドCMDをレジスタ25に送信する。一方、出力回路は、レジスタ25からステータス情報STSを受け取り、センスアンプモジュール70から読み出しデータDATを受け取る。出力回路は、受け取ったステータス情報STSおよび読み出しデータDATを、メモリコントローラ2に送信する。
【0018】
ロジック制御回路23は、例えば、メモリコントローラ2およびシーケンサ24に接続される。ロジック制御回路23は、メモリコントローラ2から、例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、およびライトプロテクト信号WPnを受信する。ロジック制御回路23は、受信される信号に基づいて、入出力回路22およびシーケンサ24を制御する。
【0019】
チップイネーブル信号CEnは、半導体記憶装置1をイネーブル(有効)にするための信号である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがコマンドCMDであることを入出力回路22に通知するための信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがアドレス情報ADDであることを入出力回路22に通知するための信号である。ライトイネーブル信号WEnおよびリードイネーブル信号REnはそれぞれ、例えばデータ信号DQの入力および出力を入出力回路22に対して命令するための信号である。ライトプロテクト信号WPnは、データの書き込みおよび消去の禁止を半導体記憶装置1に指示するための信号である。
【0020】
シーケンサ24は、例えば、レディ/ビジー制御回路26、センスアンプモジュール70、およびドライバセット28に接続される。シーケンサ24は、コマンドレジスタに保持されるコマンドCMDに基づいて、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ24は、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、電圧生成回路27、およびドライバセット28等を制御して、書き込み動作および読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0021】
レジスタ25は、例えば、ステータスレジスタ(図示は省略)、アドレスレジスタ(図示は省略)、コマンドレジスタ(図示は省略)などを含む。ステータスレジスタは、シーケンサ24からステータス情報STSを受信し、保持し、当該ステータス情報STSを、シーケンサ24の指示に基づいて入出力回路22に送信する。アドレスレジスタは、入出力回路22からアドレス情報ADDを受信し、保持する。アドレスレジスタは、アドレス情報ADD中のカラムアドレスをセンスアンプモジュール70に送信し、アドレス情報ADD中のロウアドレスをロウデコーダ29に送信する。コマンドレジスタは、入出力回路22からコマンドCMDを受信し、保持し、コマンドCMDをシーケンサ24に送信する。
【0022】
レディ/ビジー制御回路26は、シーケンサ24による制御に従ってレディ/ビジー信号R/Bnを生成し、生成したレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に送信する。レディ/ビジー信号R/Bnは、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態にあるか、または命令を受け付けないビジー状態にあるかを通知するための信号である。
【0023】
電圧生成回路27は、例えば、ドライバセット28等に接続される。電圧生成回路27は、シーケンサ24による制御に基づいて、書き込み動作および読み出し動作等に使用される電圧を生成し、生成した電圧をドライバセット28に供給する。
【0024】
ドライバセット28は、例えば、偶数ワード線ドライバ(Even word line driver)28A(図7)、および奇数ワード線ドライバ(Odd word line driver)28B(図7)を含む。ドライバセット28は、メモリセルアレイ21、センスアンプモジュール70、およびロウデコーダ29に接続される。ドライバセット28は、電圧生成回路27から供給される電圧、またはシーケンサ24から供給される制御信号に基づいて、例えば、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作でセレクトゲート線SGD(図2)、ワード線WL(図2)、ソース線SL(図2)およびビット線BL(図2)等に供給する各種電圧または各種制御信号を生成する。ドライバセット28は、生成した電圧または制御信号を、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、ソース線SLなどに供給する。
【0025】
ロウデコーダ29は、アドレスレジスタからロウアドレスを受け取り、受け取ったロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ29は、当該デコードの結果に基づいて、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作を実行する対象のブロックBLKを選択する。ロウデコーダ29は、当該選択したブロックBLKに、ドライバセット28から供給される電圧を供給可能である。ロウデコーダ29は、例えばロウデコーダ29A(図7)、およびロウデコーダ29B(図7)を含む。
【0026】
センスアンプモジュール70は、例えば、アドレスレジスタからカラムアドレスを受信し、受信したカラムアドレスをデコードする。また、センスアンプモジュール70は、当該デコードの結果に基づいて、メモリコントローラ2とメモリセルアレイ21との間でのデータDATの送受信動作を実行する。センスアンプモジュール70は、例えば、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)毎に設けられたセンスアンプモジュールユニット(図示は省略)を含む。センスアンプユニットはビット線BLに電圧を供給可能に電気的に接続される。例えば、センスアンプモジュール70は、センスアンプモジュールユニットを用いて、ビット線BLに電圧を供給することができる。また、センスアンプモジュール70は、読み出し動作に係る命令に基づき、メモリセルアレイ21から読み出されたデータをセンスし、読み出しデータDATを生成し、生成した読み出しデータDATを、入出力回路22を介してメモリコントローラ2に送信する。また、センスアンプモジュール70は、書き込み動作に係る命令に基づき、メモリコントローラ2から入出力回路22を介して書き込みデータDATを受信し、受信した書き込みデータDATを、メモリセルアレイ21に送信する。
【0027】
入出力用パッド群71は、メモリコントローラ2から受信するデータ信号DQ<7:0>を入出力回路22に送信する。入出力用パッド群71は、入出力回路22から受信するデータ信号DQ<7:0>をメモリコントローラ2に送信する。
【0028】
ロジック制御用パッド群72は、メモリコントローラ2から受信するチップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、およびリードイネーブル信号REnをロジック制御回路23に転送する。ロジック制御用パッド群72は、レディ/ビジー制御回路26から受信するレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に転送する。
【0029】
<1-3.メモリセルアレイ>
図2は、図1に示したメモリセルアレイ21の回路構成の一例である。図2は、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKの回路構成を示す図である。例えば、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKの各々は、図2に示す回路構成を有する。第1実施形態に係るメモリセルアレイ21の構成は図2に示す構成に限定されない。図2の説明において、図1と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0030】
図2に示すように、ブロックBLKは、複数のメモリグループMG(MG0、MG1、MG2、MG3)を含む。本実施形態において、メモリグループMGの各々は、複数のメモリストリング50を含む。例えば、メモリグループMG0およびMG2は、複数のメモリストリング50eを含み、メモリグループMG1およびMG3は、複数のメモリストリング50oを含む。
【0031】
メモリストリング50の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)および選択トランジスタST1、ST2を含む。メモリセルトランジスタMTは、ゲート(制御ゲート)と電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。
【0032】
メモリグループMGの各々における選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD(SGD0、SGD1、…)に接続される。セレクトゲート線SGDは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。また、偶数番目のメモリグループMGe(MG0、MG2、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば、偶数セレクトゲート線SGSeに接続され、奇数番目のメモリグループMGo(MG1、MG3、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。偶数セレクトゲート線SGSeおよび奇数セレクトゲート線SGSoは、例えば、互いに接続され、同様に制御されて良く、それぞれ独立に設けられ、独立に制御可能であっても良い。
【0033】
同一のブロックBLK内のメモリグループMGeに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLe(WLe0~WLe7)に共通に接続される。同一のブロックBLK内のメモリグループMGoに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLo(WLo0~WLo7)に共通に接続される。ワード線WLeおよびワード線WLoは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。ブロックBLKは、例えば、データの消去単位となる。ブロックBLK内のワード線WLe(WLe0~WLe7)またはワード線WLo(WLo0~WLo7)に共通に接続されるメモリセルトランジスタMT(図2)の保持するデータは、一括して消去される。
【0034】
各メモリグループMGは、複数のワード線WLにそれぞれ対応する複数のページを含む。例えば、メモリグループMG0またはメモリグループMG2においては、ワード線WLe0~WLe7のいずれかに制御ゲートが共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTがページに対応する。また、メモリグループMG1またはメモリグループMG3においては、ワード線WLo0~WLo7のいずれかに制御ゲートが共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTがページに対応する。書き込み動作および読み出し動作は、ページを単位として実行される。
【0035】
メモリセルアレイ21内において同一列にあるメモリストリング50の選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)に共通に接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のメモリグループMG間でメモリストリング50を共通に接続される。複数の選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。ソース線SLは、例えば、ドライバセット28に電気的に接続され、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27およびドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から電圧を供給される。また、半導体記憶装置1は、複数のソース線SLを備えてもよい。例えば、複数のソース線SLのそれぞれは、ドライバセット28に電気的に接続され、複数のソース線SLのそれぞれは、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27およびドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から互いに異なる電圧を供給されてもよい。
【0036】
メモリグループMGは、異なるビット線BLに接続され、かつ、同一のセレクトゲート線SGDに接続されたメモリストリング50を複数含む。ブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のメモリグループMGを複数含む。メモリセルアレイ21は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKを含む。メモリセルアレイ21内において、上述したセレクトゲート線SGS、ワード線WL、およびセレクトゲート線SGDがソース線層の上方に積層され、メモリセルトランジスタMTが三次元に積層される。
【0037】
<1-4.メモリセルアレイの平面レイアウト>
図3は、ブロックBLK0~BLK2のソース線層に平行な面内(XY平面)における、セレクトゲート線SGDの平面レイアウトを示す図である。図3に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、例えば、1つのブロックBLK1内にセレクトゲート線SGDが4つ含まれる。第1実施形態に係るセレクトゲート線SGDの平面レイアウトは図3に示すレイアウトに限定されない。図3の説明において、図1および図2と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。また、ブロックBLK0およびBLK2のセレクトゲート線SGDの平面レイアウトは、ブロックBLK1のセレクトゲート線SGDの平面レイアウトを左右(偶数奇数)反転させたものであるため、ここでの説明は省略する。ここでブロックBLK0およびBLK2のセレクトゲート線SGDの符号は10足したものとする。
【0038】
図3に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、例えば、X方向に延びる3つの配線層10-0a、10-0b、10-0cは、Y方向に延びる第1接続部(1st connecting section)10-0dを用いて接続される。配線層10-0a、10-0cはY方向の両端に位置する。配線層10-0aと配線層10-0bとは、他の1つの配線層(配線層10-1a)を挟んでY方向に隣接している。第1接続部10-0dはX方向の一端に位置する。3つの配線層10-0a、10-0b、10-0cがセレクトゲート線SGD0として機能する。第1実施形態では、例えば、Y方向はX方向に直交、または略直交する方向である。
【0039】
X方向に延びる配線層10-1a、10-1bは、Y方向に延びる第2接続部(2nd connecting section)10-1dを用いて接続される。配線層10-1aは、配線層10-0a、10-0bの間に位置する。配線層10-1bは、配線層10-0bと他の1つの配線層(配線層10-2a)との間に位置する。第2接続部10-1dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-1a、10-1bがセレクトゲート線SGD1として機能する。
【0040】
X方向に延びる配線層10-2a、10-2bは、Y方向に延びる第1接続部10-2dによって接続される。同様に、X方向に延びる配線層10-3a、10-3bは、Y方向に延びる第2接続部10-3dによって接続される。配線層10-2aは、配線層10-1bと配線層10-3aとの間に位置する。配線層10-3aは、配線層10-2aと配線層10-2bとの間に位置する。配線層10-2bは、配線層10-3aと配線層10-3bとの間に位置する。配線層10-3bは、配線層10-2bと配線層10-0cとの間に位置する。第1接続部10-2dは、X方向において第1接続部10-0dと同じ側の一端に位置する。第2接続部10-3dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-2a、10-2bがセレクトゲート線SGD2として機能する。2つの配線層10-3a、10-3bがセレクトゲート線SGD3として機能する。
【0041】
第1実施形態は、各々の配線層が第1接続部10-0d、10-2d、または第2接続部10-1d、10-3dを用いて接続された構成を例示するが、この構成に限定されない。例えば、各々の配線層が独立しており、配線層10-0a、10-0b、10-0cに同じ電圧が供給され、配線層10-1a、10-1bに同じ電圧が供給され、配線層10-2a、10-2bに同じ電圧が供給され、配線層10-3a、10-3bに同じ電圧が供給されるように制御される。
【0042】
配線層10-0a、10-0b、10-0cに対応するメモリグループMGをMG0と呼ぶ。配線層10-1a、10-1bに対応するメモリグループMGをMG1と呼ぶ。配線層10-2a、10-2bに対応するメモリグループMGをMG2と呼ぶ。配線層10-3a、10-3bに対応するメモリグループMGをMG3と呼ぶ。
【0043】
ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10は絶縁される。隣り合う配線層10を絶縁する領域を、スリットSLT2と呼ぶ。スリットSLT2では、例えばソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域が絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれている。
【0044】
メモリセルアレイ21内には、例えば、図3に示すようにブロックBLK0、BLK1、BLK2がY方向に複数配置される。ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10と同様に、Y方向で隣り合うブロックBLKの間は、絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれており、Y方向で隣り合うブロックBLK間も絶縁される。隣り合うブロックBLKを絶縁する領域を、スリットSLT1と呼ぶ。スリットSLT2と同様に、スリットSLT1では、絶縁膜が、ソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域を、埋め込んでいる。
【0045】
Y方向で隣り合う配線層10間には、複数のメモリピラーMP(MP0~MP15)が設けられる。複数のメモリピラーMPはメモリセル部(memory cell)に設けられる。複数のメモリピラーMPの各々はZ方向に沿って設けられる。第1実施形態では、例えば、Z方向は、XY方向に直交、または略直交する方向であり、ソース線層に平行な面に対して垂直、または略垂直な方向である。なお、一実施形態において、X方向は「第1方向」と呼ばれる場合があり、Y方向は「第2方向」と呼ばれる場合があり、Z方向は「第3方向」と呼ばれる場合がある。
【0046】
具体的には、配線層10-0a、10-1aの間にはメモリピラーMP4、MP12が設けられる。配線層10-1a、10-0bの間にはメモリピラーMP0、MP8が設けられる。配線層10-0b、10-1bの間にはメモリピラーMP5、MP13が設けられる。配線層10-1b、10-2aの間にはメモリピラーMP1、MP9が設けられる。配線層10-2a、10-3aの間にはメモリピラーMP6、MP14が設けられる。配線層10-3a、10-2bの間にはメモリピラーMP2、MP10が設けられる。配線層10-2b、10-3bの間にはメモリピラーMP7、MP15が設けられる。配線層10-3b、10-0cの間にはメモリピラーMP3、MP11が設けられる。
【0047】
メモリピラーMPは、選択トランジスタST1、ST2およびメモリセルトランジスタMTを形成する構造体である。メモリピラーMPの詳細な構造は後述する。
【0048】
メモリピラーMP0~MP3は、Y方向に沿って配置される。メモリピラーMP8~MP11は、メモリピラーMP0~MP3にX方向で隣り合う位置において、Y方向に沿って配置される。すなわち、メモリピラーMP0~MP3と、メモリピラーMP8~MP11とが並行に配置される。
【0049】
メモリピラーMP4~MP7およびメモリピラーMP12~MP15は、それぞれY方向に沿って配置される。メモリピラーMP4~MP7は、X方向において、メモリピラーMP0~MP3とメモリピラーMP8~MP11との間に位置する。メモリピラーMP12~MP15は、X方向において、メモリピラーMP4~MP7と共にメモリピラーMP8~MP11を挟むように位置する。すなわち、メモリピラーMP4~MP7と、メモリピラーMP12~MP15とが並行に配置される。
【0050】
メモリピラーMP0~MP3の上方には、2つのビット線BL0およびBL1が設けられる。ビット線BL0はメモリピラーMP1およびMP3に共通に接続される。ビット線BL1はメモリピラーMP0およびMP2に共通に接続される。メモリピラーMP4~MP7の上方には、2つのビット線BL2およびBL3が設けられる。ビット線BL2はメモリピラーMP5およびMP7に共通に接続される。ビット線BL3はメモリピラーMP4およびMP6に共通に接続される。メモリピラーMP8~MP11の上方には、2つのビット線BL4およびBL5が設けられる。ビット線BL4はメモリピラーMP9およびMP11に共通に接続される。ビット線BL5はメモリピラーMP8およびMP10に共通に接続される。メモリピラーMP12~MP15の上方には、2つのビット線BL6およびBL7が設けられる。ビット線BL6はメモリピラーMP13およびMP15に共通に接続される。ビット線BL7はメモリピラーMP12およびMP14に共通に接続される。図3に示す平面レイアウトの例では、8本のビット線(ビット線BL0~BL7)のみを示しているが、例えば、4kByte、8kByte、または16kByteのデータ長に相当する本数のビット線が設けられてもよく、ビット線の本数は特に限定されない。
【0051】
上述のように、メモリピラーMPは、Y方向において2つの配線層10を跨ぐ位置に設けられ、複数のスリットSL2のうち、いずれかのスリットSLT2の一部に埋め込まれるように設けられる。また、Y方向で隣り合うメモリピラーMP間には1つのスリットSLT2が設けられる。
【0052】
なお、スリットSLT1を挟んで隣り合うブロックBLK1の配線層10-0aとブロックBLK0の配線層10-10cとの間には、ダミーピラーDPが設けられる。スリットSLT1を挟んで隣り合うブロックBLK1の配線層10-0cとブロックBLK2の配線層10-10aとの間には、ダミーピラーDPが設けられる。ダミーピラーDPは、メモリピラーMPと同じ構造であるがビット線BLに接続されない。しかしながら、ダミーピラーDPの構造は特に限定されない。
【0053】
図4は、XY平面におけるワード線WLの平面レイアウトを示す図である。図4に示すレイアウトは、図3のレイアウトに対応し、図3に示す配線層10よりも下層に設けられる配線層11のレイアウトである。図4の説明において、図1図3と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。また、ブロックBLK0およびBLK2のワード線WLの平面レイアウトは、ブロックBLK1のワード線WLの平面レイアウトを左右(偶数奇数)反転させたものであるため、ここでの説明は省略する。ここでブロックBLK0およびBLK2のワード線WLの符号は10足したものとする。
【0054】
図4に示すように、X方向に延びる9個の配線層11(配線層11-0~11-7、但し配線層11-0は配線層11-0aと配線層11-0bとを含む)が、Y方向に沿って配置される。各配線層11-0~11-7は、Z方向に対して各配線層10-0~10-3の下層に配置される。配線層11-0~11-7と配線層10-0~10-3との間には、絶縁膜が設けられ、配線層11-0~11-7と配線層10-0~10-3とは互いに絶縁される。
【0055】
各配線層11は、ワード線WL7として機能する。その他のワード線WL0~WL6もワード線WL7と同様の構成および機能を有する。図4に示す例では、配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、および11-0bがワード線WLe7として機能する。配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、および11-0bは、Y方向に延びる第1接続部11-8を用いて接続される。第1接続部(1st connecting section)11-8はX方向の一端に設けられる。第1接続部11-8において、配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、および11-0bは、ロウデコーダ29に接続される。第1実施形態では、第1接続部11-8および配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-0bをまとめて配線層11eと呼ぶ場合がある。
【0056】
また、配線層11-1、11-3、11-5、および11-7が、ワード線WLo7として機能する。配線層11-1、11-3、11-5、および配線層11-7は、Y方向に延びる第2接続部(2nd connecting section)11-9を用いて接続される。第2接続部11-9は、X方向において第1接続部11-8の反対側の他端に設けられる。第2接続部11-9において、配線層11-1、11-3、11-5、11-7は、ロウデコーダ29に接続される。第1実施形態では、第2接続部11-9および配線層11-1、11-3、11-5、11-7をまとめて配線層11oと呼ぶ場合がある。
【0057】
メモリセル部が第1接続部11-8と第2接続部11-9との間に設けられる。メモリセル部(memory cell)では、Y方向で隣り合う配線層11は、図3に示すスリットSLT2によって離隔される。メモリセル部は、図3と同様に、メモリピラーMP0~MP15を含む。ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層11は、配線層11oと配線層11eが交互に配置される。
【0058】
また、Y方向で隣り合うブロックBLK間の配線層11は、スリットSLT2と同様に、スリットSLT1によって離隔される。ブロックBLK間においてY方向で隣り合う配線層11も、配線層11oと配線層11eが交互に配置される。
【0059】
セレクトゲート線SGSおよびワード線WL0~WL6は、図4に示すワード線WL7と同様の構成を有する。
【0060】
<1-5.メモリセルアレイの切断部端面構造>
図5は、図4に示すA1-A2切断部端面を示す図である。第1実施形態に係るブロックBLKの切断部端面は図5に示す切断部端面に限定されない。図5の説明において、図1図4と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0061】
図5に示すように、配線層12が、Z方向に沿って半導体基板13のp型ウェル領域(p-well)の上方に設けられる。半導体基板13は、例えば、ソース線SLとして機能する。配線層12は、例えば、セレクトゲート線SGSとして機能する。8層の配線層11が、Z方向に沿って配線層12の上方に積層される。8層の配線層11は、例えば、ワード線WLとして機能し、ワード線WL0~WL7に1対1で対応する。配線層10が、8層の配線層11のうち最上層の配線層11の上方に設けられる。配線層10は、例えば、セレクトゲート線SGDとして機能する。図4がワード線WLとして機能する配線層11の平面レイアウトを示す図であり、図3がセレクトゲート線SGDとして機能する配線層10の平面レイアウトを示す図である。セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12の平面レイアウトは、例えば、図4に示すワード線WLとして機能する配線層11を、セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12に置き換えたレイアウトである。
【0062】
半導体記憶装置1では、ソース線SLは、半導体基板13の主面上に設けられる。ソース線SLは、パターニングされていない導電層がメモリセルアレイ21の領域に広がった構成であってよく、線状にパターニングされた導電層が当該領域に広がった構成であってもよい。換言すると、ソース線SLは、X方向およびY方向に広がっている。
【0063】
配線層12は、偶数セレクトゲート線SGSeおよび奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する。偶数セレクトゲート線SGSeおよび奇数セレクトゲート線SGSoは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接する偶数セレクトゲート線SGSeと奇数セレクトゲート線SGSoとの間にはメモリピラーMPが設けられる。なお、偶数セレクトゲート線SGSeおよび奇数セレクトゲート線SGSoは、電気的に独立に駆動される必要はない。偶数セレクトゲート線SGSeおよび奇数セレクトゲート線SGSoは、電気的に接続されてもよい。
【0064】
配線層11は、偶数ワード線WLeおよび奇数ワード線WLoとして機能する。偶数ワード線WLeおよび奇数ワード線WLoは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接する偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとの間にはメモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPと偶数ワード線WLeとの間、およびメモリピラーMPと奇数ワード線WLoとの間には後述するメモリセルが設けられる。
【0065】
配線層10は、セレクトゲート線SGD(SGD0~SGD3)として機能する。それぞれのセレクトゲート線SGは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。スリットSLT1とメモリピラーMP1の間では、セレクトゲート線SGD0およびSGD1がY方向に交互に配置される。メモリピラーMP1とメモリピラーMP3の間では、セレクトゲート線SGD2およびSGD3が、Y方向に交互に配置される。また、メモリピラーMP3とスリットSLT1の間では、セレクトゲート線SGD0が配置される。Y方向に隣接するそれぞれのセレクトゲート線SGDの間には、メモリピラーMPが設けられる。なお、セレクトゲート線SGD0~SGD3は、電気的に独立に駆動される。
【0066】
Y方向で隣り合うブロックBLK間にはスリットSLT1が設けられる。上述の通り、スリットSLT1には絶縁層およびダミーピラーDPが設けられる。スリットSLT1のY方向に沿った幅は、スリットSLT2のY方向に沿った幅と略同じ大きさであってもよい。
【0067】
図3および図5に示すように、メモリピラーMP上には、ビット線BLが設けられる。メモリピラーMPは、コンタクトプラグ16を介してビット線BLと電気的に接続される。例えば、メモリピラーMP0とビット線BL1は、コンタクトプラグ16を介して接続される。また、メモリピラーMP1とビット線BL0が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP2とビット線BL1が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP3とビット線BL0が、コンタクトプラグ16を介して接続される。また、メモリピラーMP4とビット線BL3が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP5とビット線BL2が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP6とビット線BL3が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP7とビット線BL2が、コンタクトプラグ16を介して接続される。同様に、図5に示される断面以外の領域で、メモリピラーMP8~MP11はビット線BL4またはBL5と接続され、メモリピラーMP12~MP15はビット線BL6またはBL7と接続される。
【0068】
図6は、図4に示す半導体記憶装置1のB1-B2切断部端面を示す図である。第1実施形態に係るブロックBLKの切断部端面は図6に示す切断部端面に限定されない。図6の説明において、図1図5と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。半導体基板13、配線層12、配線層11、および配線層10の積層構造、メモリセル部の構成は図5を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。なお、図6では、B1-B2切断部端面の奥行き方向に存在する構成が点線で描かれている。
【0069】
図6に示すように、第1接続部(1st connecting section)17dでは、配線層10、配線層11、および配線層12が、例えば、階段状に形成されている。すなわち、XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11および配線層12のそれぞれの端部の上面が第1接続部17dにおいて露出される。第1接続部17dにおいて露出された配線層10、8層の配線層11および配線層12のそれぞれの端部の上面に、コンタクトプラグ17が設けられる。コンタクトプラグ17は金属配線層18に接続される。例えば、金属配線層18を用いて、セレクトゲート線SGD0、SGD2、SGD4およびSGD6として機能する配線層10、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11、および偶数セレクトゲート線SGSeとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(図1)を介して、偶数ワード線ドライバ(even word line driver)28Aに電気的に接続される。
【0070】
第1接続部17dと同様に、第2接続部(2nd connecting section)19dでは、配線層10、配線層11、および配線層12が、例えば、階段状に形成されている。XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11および配線層12のそれぞれの端部の上面が第2接続部19dにおいて露出される。第2接続部19dにおいて露出された配線層10の端部の上面、8層の配線層11および配線層12のそれぞれの端部上面上に、コンタクトプラグ19が設けられ、コンタクトプラグ19は金属配線層20に接続される。例えば、金属配線層20を用いて、セレクトゲート線SGD1、SGD3、SGD5およびSGD7、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11、および奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(図1)を介して、奇数ワード線ドライバ(odd word line driver)28Bに電気的に接続される。
【0071】
配線層10は、第1接続部17dの代わりに第2接続部19dを介してロウデコーダ29、または、偶数ワード線ドライバ28Aおよび奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良く、第1接続部17dおよび第2接続部19dの両方を介してロウデコーダ29、または、偶数ワード線ドライバ28Aおよび奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良い。
【0072】
図7は、第1実施形態に係る電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、ワード線WLの電気的接続を説明するための図である。第1実施形態に係る電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29ワード線WLの電気的接続は図7に示す面に限定されない。図7の説明において、図1図6と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0073】
図7に示すように、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11はロウデコーダ29Aを介して偶数ワード線ドライバ28Aに接続され、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11はロウデコーダ29Bを介して奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されてもよい。上述の通り、偶数ワード線ドライバ28A、および奇数ワード線ドライバ28Bは、ドライバセット28に含まれる。ドライバセット28は、電圧生成回路27に電気的に接続される。偶数ワード線ドライバ28A、および奇数ワード線ドライバ28Bは、電圧生成回路27から供給される電圧を用いて各種電圧を生成し、偶数ワード線ドライバ28Aは生成した電圧を偶数ワード線WLeに供給し、奇数ワード線ドライバ28Bは、生成した電圧を奇数ワード線WLoに供給してもよい。
【0074】
偶数ワード線ドライバ28Aは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Aのワード線スイッチWLSWを介して、それぞれのブロックBLKの偶数ワード線WLeに供給してもよい。また、奇数ワード線ドライバ28Bは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Bのワード線スイッチWLSWを介して、それぞれのブロックBLKの奇数ワード線WLoに供給してもよい。ロウデコーダ29Aおよびロウデコーダ29Bは、ロウデコーダ29に含まれる。ワード線スイッチWLSWは、ロウデコーダ29Aおよびロウデコーダ29Bに含まれる。ワード線スイッチWLSWは、ブロックデコーダから供給されるブロック選択信号BLKSELにより、ドライバセット28から各ワード線WLへの電圧転送をオンまたはオフするためのスイッチとして機能する。各ブロックBLK(BLK0~BLK2)の偶数ワード線WLeおよび奇数ワード線WLoは、ロウデコーダ29のワード線スイッチWLSWによってそれぞれ独立に制御される。
【0075】
<1-6.メモリピラーMPおよびメモリセルトランジスタMTの切断部端面構造>
<1-6-1.第1の例>
第1実施形態に係るメモリセルトランジスタMTの構造では、図8および図9に示される第1の例の構造が用いられる。図8図5のC1-C2線に沿った切断部端面を示す図であり、図9図8に示すメモリセルトランジスタMTのD1-D2線に沿った切断部端面を示す図である。図8および図9は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、導電膜である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTがフローティングゲート型のメモリセルトランジスタMTである。第1の例に示されるメモリセルトランジスタMTの構造は、図8および図9に示す構造に限定されない。図8および図9の説明において、図1図7と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0076】
図8および図9に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層48および絶縁層43、半導体層40、絶縁層41、導電層42、および絶縁層46a~46cを含む。絶縁層48は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層40は、絶縁層48の周囲を取り囲むようにして設けられる。半導体層40はメモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層40は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層40は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で連続して設けられ、メモリセルトランジスタMT間で分離されない。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0077】
半導体層40は、対向する2つのメモリセルトランジスタMT間で連続している。したがって、対向する2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。具体的には、図8および図9において、互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)および右側のメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)において、第1メモリセルで形成されるチャネル(第1チャネル)および第2メモリセルで形成されるチャネル(第2チャネル)は、メモリピラーMPの一部を共有する。ここで、2つのチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するとは、2つのチャネルが同一のメモリピラーMPに形成され、且つ、2つのチャネルが一部重なっていることを意味する。第1実施形態では、上記の構成を、2つのメモリセルトランジスタMTがチャネル共有する、または2つのメモリセルトランジスタMTが対向する、という場合がある。
【0078】
絶縁層41は、半導体層40の周囲に設けられ、各メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、図8に示すXY平面内において、2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層41のそれぞれが、同一メモリピラーMP内の2つのメモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。
【0079】
導電層42は、絶縁層41の周囲に設けられ、かつ、絶縁層43によって、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された導電層42のそれぞれは、上記2つのメモリセルトランジスタMTの各々の電荷蓄積層として機能する。導電層42は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。
【0080】
絶縁層43は例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。導電層42の周囲には、絶縁層46a、絶縁層46b、および絶縁層46cが導電層42に近い側から順次設けられる。絶縁層46aおよび絶縁層46cは例えばシリコン酸化膜を用いて形成され、絶縁層46bは例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層46a、絶縁層46b、および絶縁層46cはメモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層46a、絶縁層46b、および絶縁層46cは、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層46cの間には絶縁層43が設けられる。また、メモリピラーMP部を除くスリットSLT2内およびダミーピラーDP部を除くスリットSLT1内には絶縁層43が埋め込まれる。絶縁層43は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0081】
第1実施形態に係るメモリピラーMPの第1の例の周囲には、例えばAlO層45が設けられる。AlO層45の周囲には、例えばバリアメタル層47が設けられる。バリアメタル層47は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層47の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。第1実施形態に係るメモリピラーMPの配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0082】
図8および図9に示すメモリセルトランジスタMTの構成では、1つのメモリピラーMP内に、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMTが設けられている。選択トランジスタST1およびST2はメモリセルトランジスタMTと同様の構成を有している。Z方向に隣接するメモリセルトランジスタMT間には図示されていない絶縁層が設けられ、この絶縁層と絶縁層43、絶縁層46によって、導電層42は個々のメモリセルトランジスタMT毎に絶縁されている。
【0083】
<1-6-2.第2の例>
第1実施形態に係るメモリセルトランジスタMTでは、図10および図11に示される第2の例の構造が用いられてもよい。図10図5のC1-C2線に沿った切断部端面を示す図であり、図11図10に示すメモリセルトランジスタMTのE1-E2切断部端面を示す図である。図10および図11は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、絶縁膜である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTがMONOS型のメモリセルトランジスタMTである。第2の例に示されるメモリセルトランジスタMTの構造は、図10および図11に示す構造に限定されない。図10および図11の説明において、図1図7と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0084】
図10および図11に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層30、半導体層31、絶縁層32、絶縁層33、および絶縁層34を含む。絶縁層30は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層31は、絶縁層30の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層31は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層31は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0085】
絶縁層32は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層32は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。絶縁層33は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。絶縁層33は、例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層34は、絶縁層33の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層34は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。メモリピラーMP部を除くスリットSLT2内およびダミーピラーDP部を除くスリットSLT1内には、絶縁層37が埋め込まれる。絶縁層37は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0086】
第2の例に係るメモリピラーMPの周囲には、例えばAlO層35が設けられる。AlO層35の周囲には、例えばバリアメタル層36が設けられる。バリアメタル層36は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層36の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0087】
第1の例と同様に、第2の例に係る1つのメモリピラーMPは、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMTを含む。1つのメモリピラーMPと同様に、選択トランジスタST1およびST2はY方向に沿って2つのトランジスタを含む。
【0088】
<1-7.ストリングの等価回路>
図12は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1において隣接するストリングの等価回路図である。第1実施形態に係るストリングの等価回路図は図12に示す等価回路図に限定されない。図12の説明において、図1図11と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0089】
図12に示すように、1つのメモリピラーMPに、2つのメモリストリング50e、50oが形成されている。メモリストリング50e、50oの各々は、直列に電気的に接続された選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、および選択トランジスタST2を有する。メモリストリング50eとメモリストリング50oとは互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。よって、メモリストリング50eに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、および選択トランジスタST2と、メモリストリング50oに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、および選択トランジスタST2とは、1対1で互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。具体的には、メモリストリング50eに含まれる選択トランジスタST1と、メモリストリング50oに含まれる選択トランジスタST1とは対向するように設けられ、メモリストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7と、メモリストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7とは、それぞれ1対1で対向するように設けられ、メモリストリング50eに含まれる選択トランジスタST2と、メモリストリング50oに含まれる選択トランジスタST2とは対向するように設けられる。
【0090】
以下の説明では、主に、第1メモリピラーMP(例えば、図4のMP4)および第1メモリピラーMPに隣接する第2メモリピラーMP(例えば、図4のMP0)の2つのメモリピラーMPを含む例を説明する。第1メモリピラーMPは「第1半導体ピラー」と呼ばれる場合があり、第1メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50eは「第1ストリング」と呼ばれる場合があり、第1ストリングに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7は「第1メモリセル」と呼ばれる場合があり、第1ストリングが設けられた側は「第1側」と呼ばれる場合があり、第1メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50oは「第2ストリング」と呼ばれる場合があり、第2ストリングに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7は「第2メモリセル」と呼ばれる場合があり、第2ストリングが設けられた側は「第2側」と呼ばれる場合がある。第1メモリピラーMPと同様に、第2メモリピラーMPは「第2半導体ピラー」と呼ばれる場合があり、第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50eは「第3ストリング」と呼ばれる場合があり、第3ストリングに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7は「第3メモリセル」と呼ばれる場合があり、第3ストリングが設けられた側は「第1側」と呼ばれる場合があり、第3メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50oは「第4ストリング」と呼ばれる場合があり、第4ストリングに含まれるメモリセルトランジスタMT0は「第4メモリセル」と呼ばれる場合があり、第4ストリングが設けられた側は「第2側」と呼ばれる場合がある。なお、第2側はメモリピラーMPに対して第1側の反対側である。
【0091】
第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50eの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD0に接続される。第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50oの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD1に接続される。第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50eのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLe0~WLe7に接続される。第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50oのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLo0~WLo7に接続される。第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50eの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の偶数セレクトゲート線SGSeに接続される。第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50oの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。
【0092】
第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50e(第1ストリングおよび第3ストリング)に含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7(第1メモリセルおよび第3メモリセル)に接続された共通のワード線WLe0~WLe7は「第1ワード線」と呼ばれる場合があり、第1メモリピラーMPおよび第2メモリピラーMPに設けられるメモリストリング50o(第2ストリングおよび第4ストリング)に含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7(第2メモリセルおよび第4メモリセル)に接続されたワード線WLo0~WLo7は「第2ワード線」と呼ばれる場合がある。
【0093】
メモリストリング50e、50oにおいて、対向する選択トランジスタST1のソース同士およびドレイン同士は電気的に接続され、それぞれ対向するメモリセルトランジスタMT0~7のソース同士およびドレイン同士は電気的に接続され、対向する選択トランジスタST2のソース同士およびドレイン同士は電気的に接続される。上述した電気的な接続は、対向するトランジスタにおいて形成されるチャネルがメモリピラーMPの一部を共有することに起因する。
【0094】
同一のメモリピラーMP内の2つのメモリストリング50e、50oeは、同一のビット線BLおよび同一のソース線SLに接続される。
【0095】
<2.動作例>
<2-1.書き込み動作および読み出し動作の概要>
セレクトゲート線SGDが選択される様子について、図3および図4を用いて説明する。セレクトゲート線SGD0~SGD3のいずれかが選択される場合、各セレクトゲート線に対応する1つの配線層10-0~10-3に、選択トランジスタST1をオン状態にする電圧が供給される。例えば、配線層10-1が選択されると、メモリピラーMP0、MP1、MP4、MP5、MP8、MP9、MP12、およびMP13に設けられた8つの選択トランジスタST1がオン状態になる。これにより、ブロックBLKにおいてセレクトゲート線SGD1に対応するメモリピラーに属するメモリセルトランジスタMTが選択される。各セレクトゲート線によって選択されるメモリセルトランジスタMTによって、メモリグループMGが形成される。また、メモリグループMGのうち選択されたワード線WLに対応するメモリセルトランジスタMTによって、1ページが形成される。上記の配線層10-1以外の配線層が選択された場合の動作は上記と同様であり、ここでは説明を省略する。従って、ブロックBLKは、セレクトゲート線SGDの数に相当するメモリグループMGを含み、各メモリグループMGはワード線WLの数に相当するページを含む。
【0096】
メモリセルトランジスタMTの書き込み方式として、例えば、TLC方式を適用することができる。TLC方式が適用された複数のメモリセルトランジスタMTは、8個の閾値分布(書き込みレベル)を形成する。8個の閾値分布は、例えば、閾値電圧の低い方から順に”eR”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、”G”レベルと称される。”ER”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、および”G”レベルには、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。
【0097】
半導体記憶装置1は、書き込み動作においてプログラムループを繰り返し実行する。プログラムループは、例えば、プログラム動作およびベリファイ動作を含む。プログラム動作は、選択されたメモリセルトランジスタMTにおいて電子を電荷蓄積層に注入することにより、当該選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作のことである。または、プログラム動作は、電荷蓄積層への電子の注入を禁止することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持させる動作のことである。ベリファイ動作は、プログラム動作に続いて、ベリファイ電圧を用いて読み出しを行う動作により、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを確認する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達した選択されたメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。
【0098】
半導体記憶装置1において、上述のようなプログラム動作とベリファイ動作とを含むプログラムループを繰り返し実行することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。
【0099】
電荷蓄積層に蓄積された電子は、不安定な状態で蓄積されていることがある。このため、上述されたプログラム動作が終了した時点から、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層に蓄積された電子は時間の経過とともに電荷蓄積層から抜けることがある。電子が電荷蓄積層から抜けると、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は下がる。このため、書き込み動作の完了後に実行される読み出し動作では、時間の経過とともに起こり得るこのようなメモリセルトランジスタの閾値電圧の低下に対処するために、ベリファイ電圧より低い読み出し電圧を用いて読み出し動作を行う。読み出し動作はベリファイ動作を含んでもよい。
【0100】
<2-2.書き込み動作の一例>
図13は第1実施形態に係る半導体記憶装置1のデータ書き込み動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図であり、図14は第1実施形態に係る半導体記憶装置1のデータ書き込み動作を説明するための半導体記憶装置1の切断部端面図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1のタイミングチャートおよびタイミングチャートに係る構成は、図13および図14に示すタイミングチャートおよびタイミングチャートに係る構成に限定されない。図13および図14の説明において、図1図12と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0101】
なお、図14に示す切断部端面図は、図4に示す半導体記憶装置1のF1-F2切断部端面の構造の概略を示す図である。また、図14に示すメモリセルトランジスタMT、および選択トランジスタSTの切断部端面の構造は、図11に示すメモリセルトランジスタの切断部端面の概略を示す構造であり、図14に示すメモリセルトランジスタMT、および選択トランジスタSTの切断部端面の構造では、ワード線WL、半導体層31、絶縁層30以外の図示は省略される。
【0102】
以下の説明では、動作の対象となるメモリグループMG(ページ)に属するメモリセルトランジスタMTが偶数ワード線WLeと対向する場合を例に挙げて説明する。この場合、偶数ワード線WLeは選択ワード線と呼ばれ、奇数ワード線WLoが非選択ワード線と呼ばれる。例えば、動作の対象となるメモリグループMGに対応するワード線は選択偶数ワード線SEL-WLe_nと呼ばれ、同じブロックBLKにおけるそれ以外のワード線は、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の偶数ワード線USEL-WLeまたは奇数ワード線WLoと呼ばれる。例えば、動作の対象となるメモリグループMG(ページ)における選択メモリセルトランジスタMT(データを書き込まれるメモリセルトランジスタMT)を含むメモリストリングに電気的に接続されるビット線BLは、ビット線ProgramBLと呼ばれ、動作の対象となるメモリグループMG(ページ)にける選択メモリセルトランジスタMT以外のメモリセルトランジスタMT(データを書き込まれないメモリセルトランジスタMT)を含むメモリストリングに電気的に接続されるビット線BLは、ビット線InhibitBLと呼ばれる。
【0103】
また、以下の説明では、例えば、図14に示す半導体記憶装置1の切断部端面図を有する構成を例に説明する。
【0104】
例えば、図14に示すように、切断部端面視(断面視)において、半導体記憶装置1は、ブロックBLK0とブロックBLK1の間のスリットSLT1に配置されるダミーピラーDP、ブロックBLK1のメモリピラーMP4およびメモリピラーMP0の2つのメモリピラーMPを有する。メモリピラーMP4は、メモリストリング50eb2およびメモリストリング50ob2を有し、メモリピラーMP0はメモリストリング50eb1およびメモリストリング50ob1を有する。ダミーピラーDPは、ダミーストリング50eb3およびダミーストリング50ob3を有する。
【0105】
メモリストリング50eb2およびメモリストリング50ob2は、コンタクトプラグ16を用いて同一のビット線BL3に電気的に接続され、メモリストリング50eb1およびメモリストリング50ob1は、コンタクトプラグ16を用いて同一のビット線BL1に電気的に接続される。ダミーストリング50eb3およびダミーストリング50ob3は、ビット線BLに接続されない。メモリストリング50eb2、メモリストリング50ob2、メモリストリング50eb1およびメモリストリング50ob1は同一のソース線SLに電気的に接続される。ダミーストリング50eb3およびダミーストリング50ob3は、メモリストリング50eb2、メモリストリング50ob2、メモリストリング50eb1およびメモリストリング50ob1と同一のソース線SLに接続される。
【0106】
メモリストリング50eb2は選択トランジスタST2eb2、メモリセルトランジスタMT0eb2~MT7eb2、および選択トランジスタST1eb2を含む。メモリストリング50ob2は選択トランジスタST2ob2、メモリセルトランジスタMT0ob2~MT7ob2、および選択トランジスタST1ob2を含む。メモリストリング50eb1は選択トランジスタST2eb1、メモリセルトランジスタMT0eb1~MT7eb1、および選択トランジスタST1eb1を含む。メモリストリング50ob1は選択トランジスタST2ob1、メモリセルトランジスタMTo0b1~MT7ob1、および選択トランジスタST1ob1を含む。
【0107】
メモリストリング50eb2の選択トランジスタST1eb2、およびメモリストリング50eb1の選択トランジスタST1eb1は、例えば、共通のセレクトゲート線SGD0(選択偶数セレクトゲート線SEL-SGDe)に電気的に接続される。メモリストリング50ob2の選択トランジスタST1ob2、およびメモリストリング50ob1の選択トランジスタST1ob1は、例えば、共通のセレクトゲート線SGD1(選択偶数セレクトゲート線SEL-SGDeに対向する奇数セレクトゲート線SGDo)に電気的に接続される。
【0108】
メモリセルトランジスタMT0eb2~MT7eb2のそれぞれと、メモリセルトランジスタMT0eb1~MT7eb1のそれぞれとは、それぞれ共通のワード線WLe0~WLe7に電気的に接続される。メモリセルトランジスタMT0ob2~MT7ob2のそれぞれと、メモリセルトランジスタMT0ob1~MT7ob1のそれぞれとは、それぞれ共通のワード線WLo0~WLo7に電気的に接続される。例えば、メモリセルトランジスタMT2eb2とメモリセルトランジスタMT2eb1とは共通のワード線WLe2に電気的に接続され、メモリセルトランジスタMT5eb2とメモリセルトランジスタMT5eb1とは共通のワード線WLe5に電気的に接続され、メモリセルトランジスタMT3ob2とメモリセルトランジスタMT3ob1とは共通のワード線WLo3に電気的に接続され、メモリセルトランジスタMT6ob2とメモリセルトランジスタMT6ob1とは共通のワード線WLo6に電気的に接続される。
【0109】
メモリストリング50eb2の選択トランジスタST2eb2、およびメモリストリング50eb1の選択トランジスタST2eb1は、例えば、共通のセレクトゲート線SGS(偶数セレクトゲート線SGSeまたは選択セレクトゲート線SEL-SGS)に電気的に接続される。メモリストリング50ob2の選択トランジスタST2ob2、およびメモリストリング50ob1の選択トランジスタST2ob1は、例えば、共通のセレクトゲート線SGS(奇数セレクトゲート線SGSoまたは選択セレクトゲート線USEL-SGS)に電気的に接続される。
【0110】
ダミーストリング50eb3は、例えば、メモリストリング50eb2およびメモリストリング50eb1と共通のセレクトゲート線SGD0(選択偶数セレクトゲート線SEL-SGDe)、共通のワード線WLe0~WLe7、共通のセレクトゲート線SGS(偶数セレクトゲート線SGSeまたは選択セレクトゲート線SEL-SGS)に接続される。ダミーストリング50ob3は、例えば、ブロックBLK0で共通のセレクトゲート線SGD10(奇数セレクトゲート線SGDo)、共通のワード線WLo0~WLo7、共通のセレクトゲート線SGS(奇数セレクトゲート線SGSo)に接続される。
【0111】
また、図14では、選択ブロックSEL-BLKはBLK1であり、選択偶数セレクトゲート線SEL-SGDeはセレクトゲート線SGD0であり、選択偶数セレクトゲート線SEL-SGDeに対向する奇数セレクトゲートSGDoはセレクトゲート線SGD1であり、選択偶数ワード線SEL-WLe_nは選択ワード線WLe3(n=3)であり、非選択偶数ワード線USEL-WLeはワード線WLe0~WLe2およびWLe4~WLe7であり、奇数ワード線WLo0~WLo7、ビット線InhibitBLはビット線BL1であり、ビット線ProgramBLはビット線BL3であり、選択セレクトゲート線SEL-SGSはセレクトゲート線SGSeであり、非選択セレクトゲートUSEL-SGSはセレクトゲート線SGSoである。
【0112】
本実施形態に係る書き込み動作の説明では、選択偶数ワード線SEL-WLe_n(選択ワード線WLe3(n=3))に電気的に接続されたメモリセルトランジスタMT3eb2に、所望のデータを書き込むための書き込み動作が説明される。
【0113】
第1実施形態では、上述した通り、例えば、メモリコントローラ2はライトプロテクト信号WPnを用いて、データの書き込み動作を指示する信号を、半導体記憶装置1に送信する。半導体記憶装置1がライトプロテクト信号WPnを受信すると、半導体記憶装置1に含まれるシーケンサ24がライトプロテクト信号WPnに含まれるデータの書き込み動作を指示するコマンドに基づいて、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、電圧生成回路27、およびドライバセット28等を制御して、書き込み動作を実行させる。例えば、ワード線WL、セレクトゲート線SGD、セレクトゲート線SGS、およびソース線SLなどに対する電圧の供給は、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27とドライバセット28とロウデコーダ29との制御により実行される。また、ビット線BLに対する電圧の供給は、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27とドライバセット28とセンスアンプモジュール70との制御により実行される。
【0114】
<2-2-1.時刻T0までの書き込み動作の例>
図13を用いて、時刻T0までの書き込み動作を説明する。時刻T0までの書き込み動作は、例えば、半導体記憶装置1の状態をスタンバイ状態にする動作である。スタンバイ状態は例えばデータ書き込みを待っている状態である。図13に示すように、時刻T0までは、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe、選択偶数ワード線SEL-WLe_nと対向する非選択奇数ワード線USEL-WLo_n、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLo、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo、ソース線SLは、電圧VSSを供給される。第1実施形態では、電圧VSSは、例えば、電圧VSSを基準として他の電圧を定義可能な電圧であり、電圧VSSは基準電圧と呼ばれてもよく、0Vであってもよく、グラウンドであってもよい。
【0115】
選択ブロックBLK1の選択偶数ワード線WLe3、非選択偶数ワード線WLe0~WLe2およびWLe4~WLe7、非選択奇数ワード線WLo0~WLo7、選択ブロックBLK1以外の非選択ブロック(例えば、非選択ブロックBLK0および非選択ブロックBLK2)の非選択偶数ワード線WLe0~WLe7、非選択奇数ワード線WLo0~WLo7、およびソース線SLは、電圧VSSを供給される。各メモリセルトランジスタMTはオフ状態である。
【0116】
<2-2-2.時刻T1の書き込み動作の例>
図13を用いて、時刻T0~T1の書き込み動作を説明する。時刻T0~T1の書き込み動作は、例えば、非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VCELSRC(第1電圧)を供給する動作である。換言すると、時刻T0~T1の書き込み動作は、選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo_nおよび非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLo(非選択奇数ワード線WLo0~WLo7)、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo(非選択奇数ワード線WLo0~WLo7)に電圧VCELSRCを供給する動作である。選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_nおよび選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeには電圧VSSが供給される。図13に示すように、第1実施形態に係る書き込み動作の時刻T0~T1では、電圧VCELSRCを供給した非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VCELSRCに昇圧することができる。
【0117】
<2-2-3.時刻T2の書き込み動作の例>
図13に示すように、時刻T1~T2では、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、および選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeは、電圧VSSから電圧VCHPCH(第2電圧)を供給される。非選択奇数ワード線USEL-WLoは、引き続き電圧VCELSRCを供給される。非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、フローティング(fleating)状態で電圧VCELSRCを保持する。数値nは正の整数であり、例えば、3である。例えば、数値nが3の場合、選択偶数ワード線SEL-WLe_nは偶数ワード線SEL-WLe3である。偶数ワード線SEL-WLe3は、複数の偶数ワード線SEL-WLeのうち3番目の偶数ワード線SEL-WLe3である。なお、奇数ワード線WLo_n(WLo_n)の構成は、上述した偶数ワード線WLe_n(WLe_n)と同様の構成である。
【0118】
第1実施形態では、電圧VCHPCH(第2電圧)は電圧VSS(例えば0V、基準電圧)より大きく、電圧VCELSRC(第1電圧)は電圧VSS(例えば0V、基準電圧)より大きい。また、電圧VCHPCH(第2電圧)は“A”レベル以上の閾値電圧を読み出す電圧レベルよりも小さい。
【0119】
なお時刻T1の書き込み動作と、時刻T2の書き込み動作は同時に行ってもよい。図15は、図13に示すタイミングチャートの時刻T1および時刻T2における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VCELSRC(第1電圧)を供給(時刻T1の書き込み動作)し、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、および選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VCHPCH(第2電圧)を供給(時刻T2の書き込み動作)する。非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VCELSRCに昇圧することができる。すなわち、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとで異なる電圧を同時に供給することで、さらに効率的な動作をすることができ、プログラム時間を短縮することができる。
【0120】
<2-2-3.時刻T3の書き込み動作の例>
図13を用いて、時刻T2~T3の書き込み動作を説明する。時刻T2~T3の書き込み動作は、ソース線SLに電圧VCELSRCを供給して、メモリセルトランジスタMTのチャネルをプリチャージする動作である。ソース線SLに電圧VCELSRCが供給されるタイミングは、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、および選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VCHPCHが供給されるタイミングより遅い。時刻T2~T3では、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_nおよび選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeは電圧VCHPCHを供給され、奇数ワード線WLo0~WLo7は電圧VCELSRCを供給され、ソース線SLは電圧VSSから電圧VCELSRC(第3電圧)を供給される。これにより、各メモリセルトランジスタMTのチャネル(チャネルとして機能する半導体層31又は40)には、例えば、電圧VCELSRCが供給される。
【0121】
なお、時刻T3~T4までは、図13に示すように、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeは電圧VCHPCHから電圧VSSを供給され、非選択奇数ワード線USEL-WLo_nおよび非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VSELSRCから電圧VSSを供給され、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを供給され、ソース線SLはVCELSRCを供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeはフローティング(fleating)状態で電圧VCELSRCを保持している。
【0122】
<2-2-4.時刻T4の書き込み動作の例>
図13を用いて、時刻T4~T5の書き込み動作を説明する。時刻T4~T5の書き込み動作は、例えば、選択ブロックSEL-BLKのワード線WLに電圧VPASSを供給して、非書き込み対象のメモリセルトランジスタMTのチャネルChannelをブースト(boost)する動作である。図13に示すように、時刻T4~T5では、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n、および非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VSSから電圧VPASS(第4電圧)を供給され、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを供給され、ソース線SLはVCELSRCを供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeはフローティング(fleating)状態で電圧VCELSRCを保持している。
【0123】
第1実施形態では、電圧VPASS(第4電圧)は電圧VCELSRC(第1電圧)より大きく、電圧VPASS(第4電圧)は電圧VCHPCH(第2電圧)より大きい。
【0124】
時刻T4~T5では、ビット線ProgramBLと接続されているメモリストリング50に含まれる選択トランジスタST1はオン状態となり、ビット線InhibitBLと接続されているメモリストリング50に含まれる選択トランジスタST1はオフ状態となる。この結果、ビット線InhibitBLとチャネルChannelとが電気的に切断される。そして、チャネルChannelは、非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび奇数ワード線WLo0~WLo7との容量性結合により、昇圧する。すなわち、およびメモリセルトランジスタMT0eb1~MT7eb1(第3メモリセル)のそれぞれのチャネル(第3チャネル)、およびメモリセルトランジスタMT0ob1~MT7ob1(第4メモリセル)のそれぞれのチャネル(第4チャネル)はブースト(boost)される。
【0125】
<2-2-5.時刻T5の書き込み動作の例>
図13を用いて、時刻T5~T6の書き込み動作を説明する。時刻T5~T6の書き込み動作は、選択されたメモリセルトランジスタMTに所望の電圧を書き込む動作である。図13に示すように、時刻T5~T6では、選択偶数ワード線SEL-WLe_n(選択ワード線WLe3(第1ワード線))は電圧VPASS(第4電圧)から電圧VPRG(第5電圧)を供給され、メモリセルトランジスタMT3eb2およびメモリセルトランジスタMT3eb1はオン状態となる。選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe(ワード線WLe4~WLe7、およびワード線WLe0~WLe2)、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n、および非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLo(奇数ワード線WLo0~WLo7)は電圧VPASS(第4電圧)を供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを供給され、ソース線SLはVCELSRCを供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeはフローティング(fleating)状態で電圧VCELSRCを保持している。
【0126】
第1実施形態では、電圧VPRG(第5電圧)は電圧VPASS(第4電圧)より大きく、電圧VCHPCH(第2電圧)より大きい。
【0127】
上述のように、選択偶数ワード線SEL-WLe_n(選択ワード線WLe3(第1ワード線))は電圧VPRG(第5電圧)を供給され、メモリセルトランジスタMT3eb2およびメモリセルトランジスタMT3eb1はオン状態となった状態で、例えば、ビット線ProgramBL(ビット線BL2)は電圧VSSから所望の電圧を供給される。所望の電圧は、例えば、”eR”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、”G”レベルである。電圧VPRG(第5電圧)は、所望の電圧よりも十分に高い電圧である。よって、メモリセルトランジスタMT3eb2は所望の電圧を書き込まれる。一実施形態では、電圧VPRG(第5電圧)は、書き込み電圧と呼ばれる場合もある。
【0128】
一方で、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoおよび非選択偶数ワード線USEL-WLeが電圧VCELSRCであることで、非選択ブロックUSEL-BLKのワード線スイッチWLSWには、ドレイン側に電圧VPGM、ソース側に電圧VCELSRCが印加される。すなわち、ワード線スイッチWLSWのソース・ドレイン間電圧VDSは、電圧VPGMと電圧VCELSRCの電位差(VDS=VPGM-VCELSRC)に緩和することができる。
【0129】
スリットSLT1内にソース線SLに接続する導電体を用いた溝状導電体構造が設けられる場合、ソース線SLに電圧VCELSRCを印加することで、容量結合により非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoの電圧を昇圧することができる。本開示の半導体記憶装置1は、スリットSLT1内に絶縁層およびダミーピラーDPが設けられる。溝状導電体構造がないことで、容量結合の関係が変わり、非選択ブロックのUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoの電圧が変化してしまう。
【0130】
本開示の半導体記憶装置1の書き込み動作においては、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VCELSRCを供給することで、非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択偶数ワード線USEL-WLeを電圧VCELSRCに昇圧することができる。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoおよび非選択偶数ワード線USEL-WLeが電圧VCELSRCであることで、ワード線スイッチWLSWのソース・ドレイン間電圧VDSを小さくすることができ、ワード線スイッチWLSWのリーク電流を抑制することができる。ワード線スイッチWLSWのリーク電流を抑制することで、電圧VPGMの電圧降下および昇圧遅延を抑制することができ、結果的に消費電力を抑制することができる。
【0131】
第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作において、時刻T3までの動作は「第1の動作」と呼ばれる場合があり、時刻T4~時刻T5までの動作は「第2の動作」と呼ばれる場合がある。
【0132】
<2-3.ベリファイ動作の一例>
図16を参照し、半導体記憶装置1のベリファイ動作の一例を説明する。図16は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のベリファイ動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。半導体記憶装置1のベリファイ動作の説明において、図1図15と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0133】
<2-3-1.時刻T0までのベリファイ動作の例>
図16を用いて、時刻T0までのベリファイ動作を説明する。図16に示すように、時刻T0までは、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe、選択偶数ワード線SEL-WLe_nと対向する非選択奇数ワード線USEL-WLo_n、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLo、ソース線SLは、電圧VSSを供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを保持している。
【0134】
<2-3-2.時刻T1までのベリファイ動作の例>
図16を用いて、時刻T0~T1のベリファイ動作を説明する。時刻T0~T1のベリファイ動作は、例えば、選択ブロックSEL-BLKのワード線WLに電圧VREAD(第6電圧)を供給する動作である。換言すると、時刻T0~T1のベリファイ動作は、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VREADを供給する動作である。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを保持している。ソース線SLには電圧VSSが供給される。
【0135】
<2-3-3.時刻T2までのベリファイ動作の例>
図16を用いて、時刻T1~T2のベリファイ動作を説明する。時刻T1~T2のベリファイ動作は、例えば、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_nに電圧VVFY(第6電圧)を供給する動作である。選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VREADを供給される。選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo_nは電圧VNEGを供給される。非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoは電圧VCELSRCを保持している。ソース線SLには電圧VSSが供給される。
【0136】
時刻T1~T2のベリファイ動作において、ベリファイ対象となる選択されたメモリセルトランジスタMT3eb2は、電圧VVFYに基づき、メモリセルトランジスタMT3eb2の閾値電圧に応じて、オン状態又はオフ状態となる。
【0137】
なお、時刻T1~T2では、ベリファイ対象となる選択されたメモリセルトランジスタMT3eb2は、実際には、複数の異なる電圧が段階的に供給される。図16に示される時刻T1~T2では、ベリファイ対象となる選択されたメモリセルトランジスタMT3eb2に供給される電圧は、ベリファイ動作を実行する1つのレベル(例えば、”2”レベル)に応じた電圧VVFY(例えば、”2”レベルの場合は電圧V2)である例が示される。
【0138】
また、時刻T1~T2では、選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo_nに、電圧VNEGが供給される例が示される。電圧VNEGは電圧VSSより低い負の電圧である。電圧VNEGを印加することによって、選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo_nを強制的にオフ状態にすることができる。
【0139】
以上、説明した通り、半導体記憶装置1はベリファイ動作を実行する。
【0140】
<2-4.消去動作の一例>
図17を参照し、半導体記憶装置1の消去動作の一例を説明する。図17は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。半導体記憶装置1の消去動作の説明において、図1図16と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0141】
<2-4-1.時刻T0までの消去動作の例>
図17を用いて、時刻T0までの消去動作を説明する。図17に示すように、時刻T0までは、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLe、非選択奇数ワード線USEL-WLo、およびソース線SLは、電圧VSSを供給される。
【0142】
<2-4-2.時刻T1までの消去動作の例>
図17を用いて、時刻T0~T1の消去動作を説明する。時刻T0~T1の消去動作は、例えば、非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERA(第7電圧)を供給する動作である。換言すると、時刻T0~T1の消去動作は、選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLo、およびソース線SLに電圧VERAを供給する。選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeには電圧VSSが供給される。図17に示すように、第1実施形態に係る消去動作の時刻T0~T1では、電圧VERAを供給した非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VERAに昇圧することができる。
【0143】
図18は、図17に示すタイミングチャートの時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERA(第7電圧)を供給し、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeに電圧VSSを供給する。非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VERAに昇圧することができる。すなわち、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとで異なる電圧を同時に供給することで、効率的な動作をすることができ、プログラム時間を短縮することができる。
【0144】
もしも、スリットSLT1内にソース線SLに接続する導電体を用いた溝状導電体構造を設けることによって各ブロックを溝状導電体構造によって隔てる構造である場合、消去動作において、ソース線SLに電圧VERAを印加するとともに、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoは、フローティング状態とされる。この場合、ソース線SLに電圧VERAを印加することで、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択奇数ワード線USEL-WLoの電圧を、例えば、溝状導電体構造との容量結合によって昇圧することができる。一方で、本開示の半導体記憶装置1は、スリットSLT1内に絶縁層およびダミーピラーDPが設けられるのみで、各ブロックを隔てる溝状導電体構造がない。本開示の半導体記憶装置1における消去動作においては、もしも選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoを単純にフローティング状態とすると、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoが選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeと容量結合を起こし、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoの電圧が、電圧VERAよりも低くなってしまう。この場合、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに接続されたメモリセルにおいて、誤消去を引き起こす可能性がある。
【0145】
本開示の半導体記憶装置1の消去動作においては、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERAを供給することで、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。また、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択偶数ワード線USEL-WLeを容量結合によって電圧VERAに昇圧することで、第1接続部(1st connecting section)付近の選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。すなわち、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoおよび非選択偶数ワード線USEL-WLeを電圧VERAに保持することで、ソース線の電圧VERAとの電位差がなくなり、非選択ブロックUSEL-BLKの誤消去を抑制することができ、結果的に信頼性を向上することができる。
【0146】
<2-5.消去動作の第1の変形例(変形例1)>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1における消去動作の変形例1を説明する。第1実施形態に係る消去動作では、選択ブロックSEL-BLKの偶数ワード線WLeの消去動作の例を説明した。変形例1に係る消去動作では、選択ブロックSEL-BLKの奇数ワード線WLoの消去動作の例を説明する。消去動作の変形例1の説明では、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作の例に対して異なる点を説明し、重複する説明は必要に応じて追加される。
【0147】
図19は、変形例1に係る消去動作の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。変形例1においては、非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VERA(第7電圧)を供給し、選択ブロックSEL-BLKの選択奇数ワード線SEL-WLo_n、および選択奇数ワード線SEL-WLo_n以外の非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VSSを供給する。非選択偶数ワード線USEL-WLeと対向する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoは、非選択偶数ワード線USEL-WLeとの容量結合により、電圧VERAに昇圧することができる。すなわち、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとで異なる電圧を同時に供給することで、効率的な動作をすることができ、プログラム時間を短縮することができる。
【0148】
変形例1の半導体記憶装置1の消去動作においては、選択ブロックSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VERAを供給することで、選択ブロックSEL-BLKの選択奇数ワード線SEL-WLoの電圧VSSの影響を抑制することができる。また、非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeと対向する非選択奇数ワード線USEL-WLoを容量結合によって電圧VERAに昇圧することで、第2接続部(2nd connecting section)付近の選択ブロックSEL-BLKの選択奇数ワード線SEL-WLoの電圧VSSの影響を抑制することができる。すなわち、選択ブロックSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeおよび非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoを電圧VERAに保持することで、ソース線の電圧VERAとの電位差がなくなり、非選択ブロックUSEL-BLKの誤消去を抑制することができ、結果的に信頼性を向上することができる。
【0149】
<2-6.消去動作の第2の変形例(変形例2)>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1における消去動作の変形例2を説明する。第1実施形態に係る消去動作では、すべての奇数ワード線WLoに電圧VERAを供給する消去動作の例を説明した。変形例2に係る消去動作では、選択ブロックSEL-BLKと選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの奇数ワード線WLoに電圧VERAを供給する消去動作の例を説明する。消去動作の変形例2の説明では、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作の例に対して異なる点を説明し、重複する説明は必要に応じて追加される。
【0150】
図20は、変形例2に係る消去動作の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。変形例2においては、選択ブロックSEL-BLKと選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERA(第7電圧)を供給し、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、および選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VSSを供給する。電圧VERAを供給した非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VERAに昇圧することができる。すなわち、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとで異なる電圧を同時に供給することで、効率的な動作をすることができ、プログラム時間を短縮することができる。
【0151】
変形例2の半導体記憶装置1の消去動作においては、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERAを供給することで、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。また、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択偶数ワード線USEL-WLeを容量結合によって電圧VERAに昇圧することで、第1接続部(1st connecting section)付近の選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。すなわち、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoおよび非選択偶数ワード線USEL-WLeを電圧VERAに保持することで、ソース線の電圧VERAとの電位差がなくなり、非選択ブロックUSEL-BLKの誤消去を抑制することができ、結果的に信頼性を向上することができる。
【0152】
<2-7.消去動作の第3の変形例(変形例3)>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1における消去動作の変形例3を説明する。第1実施形態に係る消去動作では、すべての奇数ワード線WLoに電圧VERAを供給する消去動作の例を説明した。変形例3に係る消去動作では、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKに電圧VERAを供給する消去動作の例を説明する。消去動作の変形例3の説明では、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の消去動作の例に対して異なる点を説明し、重複する説明は必要に応じて追加される。
【0153】
図21は、変形例3に係る消去動作の時刻T0における各種信号線に供給される電圧を説明するための図である。変形例3においては、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERA(第7電圧)を供給し、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLe_n、および選択偶数ワード線SEL-WLe_n以外の非選択偶数ワード線USEL-WLeに電圧VSSを供給する。電圧VERAを供給した非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択偶数ワード線USEL-WLeは、非選択奇数ワード線USEL-WLoとの容量結合により、電圧VERAに昇圧することができる。すなわち、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoとで異なる電圧を同時に供給することで、効率的な動作をすることができ、プログラム時間を短縮することができる。
【0154】
変形例3の半導体記憶装置1の消去動作においては、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoに電圧VERAを供給することで、選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。また、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoと対向する非選択偶数ワード線USEL-WLeを容量結合によって電圧VERAに昇圧することで、第1接続部(1st connecting section)付近の選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を抑制することができる。すなわち、選択ブロックSEL-BLKに隣接する非選択ブロックUSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoおよび非選択偶数ワード線USEL-WLeを電圧VERAに保持することで、ソース線の電圧VERAとの電位差がなくなり、非選択ブロックUSEL-BLKの誤消去を抑制することができ、結果的に信頼性を向上することができる。なお、選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoは選択ブロックSEL-BLKの選択偶数ワード線SEL-WLeの電圧VSSの影響を受けたとしても、引き続く選択ブロックSEL-BLKの非選択奇数ワード線USEL-WLoの消去動作があればとくに問題にはならない。
【0155】
<他の実施形態>
上記第1実施形態および変形例において半導体記憶装置に含まれる構成として説明した各部は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれで実現してもよく、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現してもよい。
【0156】
上記第1実施形態および変形例において、同一、略同一または一致という表記を用いている場合、同一、略同一または一致には、設計の範囲での誤差が含まれている場合を含んでいてもよい。
【0157】
以上、本開示のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜組み合わせて実施してもよく、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1:半導体記憶装置、2:メモリコントローラ、3:メモリシステム、8:配線層、10:配線層、10-0:配線層、10-0a:配線層、10-0b:配線層、10-0c:配線層、10-0d:第1接続部、10-1:配線層、10-1a:配線層、10-1b:配線層、10-1d:第2接続部、10-2:配線層、10-2a:配線層、10-2b:配線層、10-2d:第1接続部、10-3:配線層、10-3a:配線層、10-3b:配線層、10-3d:第2接続部、11:配線層、11-0:配線層、11-0a:配線層、11-0b:配線層、11-1:配線層、11-2:配線層、11-3:配線層、11-4:配線層、11-5:配線層、11-6:配線層、11-7:配線層、11-8:第1接続部、11-9:第2接続部、11e:配線層、11o:配線層、12:配線層、13:ソース線層、16:コンタクトプラグ、17:コンタクトプラグ、17d:第1接続部、18:金属配線層、19:コンタクトプラグ、19d:第2接続部、20:金属配線層、21:メモリセルアレイ、22:入出力回路、23:ロジック制御回路、24:シーケンサ、25:レジスタ、26:ビジー制御回路、27:電圧生成回路、28:ドライバセット、28A:偶数ワード線ドライバ、28B:奇数ワード線ドライバ、29:ロウデコーダ、30:絶縁層、31:半導体層、32:絶縁層、33:絶縁層、34:絶縁層、35:AlO層、36:バリアメタル層、37:絶縁層、40:半導体層、41:絶縁層、42:導電層、43:絶縁層、45:AlO層、46:絶縁層、46a:絶縁層、46b:絶縁層、46c:絶縁層、47:バリアメタル層、48:絶縁層、50:メモリストリング、50e:メモリストリング、50eb1:メモリストリング、50eb2:メモリストリング、50o:メモリストリング、50ob1:メモリストリング、50ob2:メモリストリング、70:センスアンプモジュール(sense:amplifier)、71:入出力用パッド群、72:ロジック制御用パッド群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21