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特開2024-128668情報処理装置、基板処理装置、情報処理方法、及び、情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128668
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、基板処理装置、情報処理方法、及び、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240913BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240913BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/304 643Z
H01L21/304 644C
H01L21/304 651B
H01L21/304 622Q
H01L21/304 622R
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037778
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】大滝 裕史
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 翔
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴正
【テーマコード(参考)】
5F057
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA12
5F057AA19
5F057AA31
5F057BA11
5F057CA11
5F057CA25
5F057DA02
5F057DA38
5F057DA39
5F057EB27
5F057FA32
5F057FA34
5F057FA36
5F057FA37
5F057FA39
5F057GA06
5F057GA15
5F057GA27
5F131AA02
5F131BA37
5F131BA43
5F131BB03
5F131CA36
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA35
5F131DB02
5F131DD33
5F131DD53
5F131DD56
5F131DD62
5F131DD82
5F131DD83
5F131DD85
5F131EA24
5F131EB32
5F131GA13
5F157AA03
5F157AA17
5F157AA73
5F157AA96
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157BA41
5F157BB37
5F157BB45
5F157CB03
5F157CB13
5F157CB14
5F157CB15
5F157CC03
(57)【要約】
【課題】基板処理スケジュールを適切に作成することを可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置3は、基板処理装置において所定の枚数の基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する。情報処理装置3は、レシピ情報に基づいて研磨時間TP及び仕上げ時間TC1~TC3を取得する基板処理時間取得部300と、搬送時間TT1~TT10を取得する搬送処理時間取得部301と、処理順序条件と、同時処理条件と、研磨処理後移送処理TT6に対して研磨処理前移送処理TT3を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、最終枚目の基板の最終処理終了時間を最短にすることを数理最適化の目的関数として、各処理の開始タイミングを決定する数理最適化を行うことで、基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成部302とを備える。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の研磨処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の研磨ユニットと、
前記研磨処理後の基板の仕上げ処理を行う1又は複数の仕上げユニットと、
前記研磨処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する研磨処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記研磨処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記研磨ユニット受け渡し位置に搬送する研磨処理前搬入処理と、前記研磨処理後の基板を前記研磨ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する研磨処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記研磨処理後の基板を第3の搬送開始位置から前記仕上げユニットに搬送する研磨処理後搬送処理を行う第3の搬送ユニットと、
基板カセットから前記研磨処理前の基板を取り出し、前記第1の搬送ユニットに供給する基板供給処理と、前記仕上げ処理後の基板を前記仕上げユニットから受け取り、前記基板カセットに収納する基板排出処理とを行う供給排出ロボットと、
前記研磨処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す研磨処理前移送処理と、前記研磨処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す研磨処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理装置であって、
前記研磨処理及び前記仕上げ処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記研磨処理に要する研磨時間及び前記仕上げ処理に要する仕上げ時間を取得する基板処理時間取得部と、
前記基板供給処理、前記研磨処理前搬送処理、前記研磨処理前移送処理、前記研磨処理前搬入処理、前記研磨処理後搬出処理、前記研磨処理後移送処理、前記研磨処理後搬送処理、及び、前記基板排出処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得部と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記研磨処理後移送処理に対して前記研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記研磨時間及び前記仕上げ時間並びに前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記スケジュール作成部は、
前記研磨処理の終了タイミングから前記仕上げ処理の開始タイミングまでの研磨後仕上げ開始時間の範囲を定める研磨後仕上げ開始範囲条件をさらに前記制約条件として、前記数理最適化を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スケジュール作成部は、
前記研磨後仕上げ開始時間の合計値又は平均値を最短にすることをさらに前記目的関数として、前記数理最適化を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
所定の評価基準に基づいて前記基板処理スケジュールを評価するスケジュール評価部を
さらに備え、
前記スケジュール評価部は、
前記評価基準に基づいて前記基板処理スケジュールを評価したときの評価指標として、
単位時間当たりの前記基板の処理枚数、及び、
前記各処理のうち最も処理時間を要する律速処理の少なくとも1つを出力する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
基板に対する基板処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための基板処理ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の基板処理ユニットと、
前記基板処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記基板処理ユニット受け渡し位置に搬送する処理前搬入処理と、前記基板処理後の基板を前記基板処理ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記基板処理後の基板を第3の搬送開始位置から第3の搬送終了位置に搬送する処理後搬送処理とを行う第3の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す処理前移送処理と、前記基板処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理装置であって、
前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記基板処理に要する処理時間を取得する基板処理時間取得部と、
前記処理前搬送処理、前記処理前移送処理、前記処理前搬入処理、前記処理後搬出処理、前記処理後移送処理、及び、処理後搬送処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得部と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記処理後移送処理に対して前記処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記処理時間及び前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項6】
基板に対する基板処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための基板処理ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の基板処理ユニットと、
前記基板処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記基板処理ユニット受け渡し位置に搬送する処理前搬入処理と、前記基板処理後の基板を前記基板処理ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記基板処理後の基板を第3の搬送開始位置から第3の搬送終了位置に搬送する処理後搬送処理とを行う第3の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け
取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す処理前移送処理と、前記基板処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す処理後移送処理とを行う移送ロボットと、
所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行う際、前記処理後移送処理に対して前記処理前移送処理を優先させて行うように、前記基板処理ユニット、前記第1乃至第3の搬送ユニット、及び、前記移送ロボットの動作を制御する制御ユニットと、を備える、
基板処理装置。
【請求項7】
基板の研磨処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の研磨ユニットと、
前記研磨処理後の基板の仕上げ処理を行う1又は複数の仕上げユニットと、
前記研磨処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する研磨処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記研磨処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記研磨ユニット受け渡し位置に搬送する研磨処理前搬入処理と、前記研磨処理後の基板を前記研磨ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する研磨処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記研磨処理後の基板を第3の搬送開始位置から前記仕上げユニットに搬送する研磨処理後搬送処理を行う第3の搬送ユニットと、
基板カセットから前記研磨処理前の基板を取り出し、前記第1の搬送ユニットに供給する基板供給処理と、前記仕上げ処理後の基板を前記仕上げユニットから受け取り、前記基板カセットに収納する基板排出処理とを行う供給排出ロボットと、
前記研磨処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す研磨処理前移送処理と、前記研磨処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す研磨処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理方法であって、
前記研磨処理及び前記仕上げ処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記研磨処理に要する研磨時間及び前記仕上げ処理に要する仕上げ時間を取得する基板処理時間取得工程と、
前記基板供給処理、前記研磨処理前搬送処理、前記研磨処理前移送処理、前記研磨処理前搬入処理、前記研磨処理後搬出処理、前記研磨処理後移送処理、前記研磨処理後搬送処理、及び、前記基板排出処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得工程と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記研磨処理後移送処理に対して前記研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記研磨時間及び前記仕上げ時間並びに前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成工程と、を備える、
情報処理方法。
【請求項8】
基板に対する基板処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための基板処理ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の基板処理ユニットと、
前記基板処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記基板処理ユニット受け渡し位置に搬送する処理前搬入処理と、前記基板処理後の基板を前記基板処理ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記基板処理後の基板を第3の搬送開始位置から第3の搬送終了位置に搬送する処理後搬送処理とを行う第3の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す処理前移送処理と、前記基板処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理方法であって、
前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記基板処理に要する処理時間を取得する基板処理時間取得工程と、
前記処理前搬送処理、前記処理前移送処理、前記処理前搬入処理、前記処理後搬出処理、前記処理後移送処理、及び、処理後搬送処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得工程と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記処理後移送処理に対して前記処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記処理時間及び前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成工程と、を備える、
情報処理方法。
【請求項9】
基板の研磨処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の研磨ユニットと、
前記研磨処理後の基板の仕上げ処理を行う1又は複数の仕上げユニットと、
前記研磨処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する研磨処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記研磨処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記研磨ユニット受け渡し位置に搬送する研磨処理前搬入処理と、前記研磨処理後の基板を前記研磨ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する研磨処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記研磨処理後の基板を第3の搬送開始位置から前記仕上げユニットに搬送する研磨処理後搬送処理を行う第3の搬送ユニットと、
基板カセットから前記研磨処理前の基板を取り出し、前記第1の搬送ユニットに供給する基板供給処理と、前記仕上げ処理後の基板を前記仕上げユニットから受け取り、前記基板カセットに収納する基板排出処理とを行う供給排出ロボットと、
前記研磨処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す研磨処理前移送処理と、前記研磨処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す研磨処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理プログラムであって、
前記研磨処理及び前記仕上げ処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記研磨処理に要する研磨時間及び前記仕上げ処理に要する仕上げ時間を取得する基板処理時間取得
工程と、
前記基板供給処理、前記研磨処理前搬送処理、前記研磨処理前移送処理、前記研磨処理前搬入処理、前記研磨処理後搬出処理、前記研磨処理後移送処理、前記研磨処理後搬送処理、及び、前記基板排出処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得工程と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記研磨処理後移送処理に対して前記研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記研磨時間及び前記仕上げ時間並びに前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成工程と、をコンピュータに実行させるための、
情報処理プログラム。
【請求項10】
基板に対する基板処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための基板処理ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の基板処理ユニットと、
前記基板処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記基板処理ユニット受け渡し位置に搬送する処理前搬入処理と、前記基板処理後の基板を前記基板処理ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記基板処理後の基板を第3の搬送開始位置から第3の搬送終了位置に搬送する処理後搬送処理とを行う第3の搬送ユニットと、
前記基板処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す処理前移送処理と、前記基板処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理プログラムであって、
前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記基板処理に要する処理時間を取得する基板処理時間取得工程と、
前記処理前搬送処理、前記処理前移送処理、前記処理前搬入処理、前記処理後搬出処理、前記処理後移送処理、及び、処理後搬送処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得工程と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記処理後移送処理に対して前記処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記処理時間及び前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成工程と、をコンピュータに実行させるための、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、基板処理装置、情報処理方法、及び、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の基板に対して各種の処理を行う基板処理装置の1つとして、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理を行う基板処理装置が知られている。このような基板処理装置は、例えば、基板の研磨処理を行う研磨ユニットと、研磨処理後の基板の仕上げ処理(例えば、洗浄処理や乾燥処理)を行う仕上げユニットと、各ユニット間で基板を搬送する搬送処理を行う搬送ユニットとを備え、各ユニットを順次動作させることで、一連の処理を実行するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-265906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
処理効率の向上のため、基板処理装置は、例えば、複数の研磨ユニットと、複数の仕上げユニットと、複数の搬送ユニットとを備えて構成される。そのため、基板処理装置において、所定の枚数の基板を処理対象として各ユニットを順次動作させる場合、全ての基板に対する各処理が終了する時間が最短になるように、各ユニットの動作順序や動作タイミングを適切に決定することで、各処理の基板処理スケジュールを作成することが求められる。その際、搬送ユニットの装置構成において、同時に実行が不可能な搬送処理が含まれる場合(例えば、後述する研磨処理後移送処理、及び、研磨処理前移送処理が該当)、これらの搬送処理のいずれを優先させて実行するかによって基板の待ち時間が変わるため、優先させる搬送処理の選択によっては基板処理スケジュールの評価指標が悪化する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、搬送ユニットの装置構成において同時に実行が不可能な搬送処理が含まれる場合において、基板処理スケジュールを適切に作成することを可能とする情報処理装置、基板処理装置、情報処理方法、及び、情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
基板の研磨処理を行うとともに、前記基板の受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の研磨ユニットと、
前記研磨処理後の基板の仕上げ処理を行う1又は複数の仕上げユニットと、
前記研磨処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する研磨処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、
前記研磨処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から前記研磨ユニット受け渡し位置に搬送する研磨処理前搬入処理と、前記研磨処理後の基板を前記研磨ユニット受け渡し位置から前記移送ロボット受け渡し位置に搬送する研磨処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、
前記研磨処理後の基板を第3の搬送開始位置から前記仕上げユニットに搬送する研磨処
理後搬送処理を行う第3の搬送ユニットと、
基板カセットから前記研磨処理前の基板を取り出し、前記第1の搬送ユニットに供給する基板供給処理と、前記仕上げ処理後の基板を前記仕上げユニットから受け取り、前記基板カセットに収納する基板排出処理とを行う供給排出ロボットと、
前記研磨処理前の基板を前記第1の搬送ユニットから前記第1の搬送終了位置にて受け取り、前記移送ロボット受け渡し位置にて前記第2の搬送ユニットに受け渡す研磨処理前移送処理と、前記研磨処理後の基板を前記第2の搬送ユニットから前記移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、前記第3の搬送開始位置にて前記第3の搬送ユニットに受け渡す研磨処理後移送処理とを行う移送ロボットと、を備える基板処理装置において、所定の枚数の前記基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する情報処理装置であって、
前記研磨処理及び前記仕上げ処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、前記研磨処理に要する研磨時間及び前記仕上げ処理に要する仕上げ時間を取得する基板処理時間取得部と、
前記基板供給処理、前記研磨処理前搬送処理、前記研磨処理前移送処理、前記研磨処理前搬入処理、前記研磨処理後搬出処理、前記研磨処理後移送処理、前記研磨処理後搬送処理、及び、前記基板排出処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得部と、
前記各処理を行う順序を定める処理順序条件と、前記各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、前記研磨処理後移送処理に対して前記研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、前記研磨時間及び前記仕上げ時間並びに前記搬送時間を変数に含む、最終枚目の前記基板の最終処理終了時間を最短にすることを前記数理最適化の目的関数として、前記各処理の開始タイミングを決定する前記数理最適化を行うことで、前記基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置によれば、スケジュール作成部が、各処理を行う順序を定める処理順序条件と、各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、研磨処理後移送処理に対して研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、研磨時間及び仕上げ時間並びに搬送時間を変数に含む、最終枚目の基板の最終処理終了時間を最短にすることを数理最適化の目的関数として、各処理の開始タイミングを決定する数理最適化を行うことで、基板処理スケジュールを作成する。したがって、搬送ユニットの装置構成において同時に実行が不可能な搬送処理として、移送ロボットによる研磨処理前移送処理及び研磨処理後移送処理が含まれる場合であっても、基板処理スケジュールには、研磨処理後移送処理に対して研磨処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件が反映されるので、基板処理スケジュールを適切に作成することができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。
図2】基板処理装置2の一例を示す概略平面図である。
図3】基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルート(前半)の一例を示す概略図である。
図4】基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルート(後半)の一例を示す概略図である。
図5】第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの一例を示す斜視図である。
図6】ロールスポンジ洗浄処理を行う第1の仕上げユニット230A、230Bの一例を示す斜視図である。
図7】ペンスポンジ洗浄処理を行う第2の仕上げユニット231A、231Bの一例を示す斜視図である。
図8】乾燥処理を行う第3の仕上げユニット232A、232Bの一例を示す斜視図である。
図9】搬送部24(第2の搬送ユニット241A、241B及び移送ロボット243)の一例を示す概略側面図である。
図10】搬送部24(第3の搬送ユニット242A、242B及び移送ロボット243)の一例を示す概略側面図である。
図11】基板処理装置2の一例を示すブロック図である。
図12】コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
図13】情報処理装置3の一例を示すブロック図である。
図14】情報処理装置3の一例を示す機能説明図である。
図15】数理最適化前の基板処理スケジュール13Aの一例を示す図である。
図16】スケジュール作成部302により作成された数理最適化後の基板処理スケジュール13Bの一例を示す図である。
図17】研磨後仕上げ開始時間TWと、その範囲TWRの一例を示す図である。
図18】情報処理装置3による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。本実施形態に係る基板処理システム1は、その主要な構成として、基板処理装置2と、情報処理装置3とを備え、有線又は無線のネットワーク4に接続されて、各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、基板処理装置2及び情報処理装置3の数やネットワーク4の接続構成は、図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
【0012】
基板処理装置2は、半導体ウェハ等の基板(以下、「ウェハ」という)Wに対して各種の基板処理を行う基板処理ユニット(詳細は後述)と、ウェハWを搬送する搬送処理ユニット(詳細は後述)とを備える。本実施形態では、基板処理装置2は、基板処理ユニットとして、研磨ユニット及び仕上げユニットを備え、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットを動作させることで、ウェハWに対して化学機械研磨処理(以下、「研磨処理」という)、仕上げ処理、搬送処理等を行う。その際、基板処理装置2は、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットにそれぞれ設定された複数の装置パラメータからなる装置設定情報10と、研磨処理や仕上げ処理の処理内容を定めるレシピ情報11とを参照しつつ、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットの動作を制御する。
【0013】
情報処理装置3は、ユーザが使用する端末装置であり、据置型や携帯型の装置で構成される。情報処理装置3は、例えば、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等の表示画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、表示画面を介して各種の情報を表示する。
【0014】
情報処理装置3は、装置設定情報10、レシピ情報11、及び、搬送処理に要する搬送時間を示す搬送時間情報12等に基づいて、基板処理装置2において所定の枚数のウェハ
Wに対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュール13を作成したり、その基板処理スケジュール13の評価指標14を算出したりすることで、基板処理装置2の自動運転時のシミュレーションや生産計画の策定を支援する装置である。なお、情報処理装置3は、サーバ型又はクラウド型の装置で構成されていてもよく、その場合には、クライアント側のユーザ端末装置(不図示)と連携して動作するようにすればよい。
【0015】
(基板処理装置)
図2は、基板処理装置2の一例を示す概略平面図である。図3及び図4は、基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルートの一例を示す概略図である。基板処理装置2は、平面視で略矩形状のハウジング20の内部に、ロード/アンロード部21と、研磨部22と、仕上げ部23と、基板搬送部24と、制御ユニット25とを備えて構成される。
【0016】
(ロード/アンロード部)
ロード/アンロード部21は、多数のウェハWを上下方向に収納可能なウェハカセット(FOUP等の基板カセット)がウェハカセット位置LL1、LL2に載置される第1及び第2のフロントロード部210A、210Bと、ウェハWの供給及び排出を行う供給排出ロボット211とを備える。
【0017】
供給排出ロボット211は、ハウジング20の短手方向に沿って水平方向に移動可能に構成されるとともに、上下方向及び旋回方向に移動可能に構成される。供給排出ロボット211は、ウェハWを受け渡すための上下2段のハンド(不図示)を備える。一方のハンドは、研磨処理前のウェハWを受け渡すときに使用され、他方のハンドは、仕上げ処理後のウェハWを受け渡すときに使用される。ハンドは、例えば、伸縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0018】
供給排出ロボット211は、ウェハWの搬送処理PTとして、ウェハカセットから研磨処理前のウェハWを取り出し、第1の搬送ユニット240に供給する基板供給処理PT1と、仕上げ処理後のウェハWを仕上げ部23(本実施形態では、第3の仕上げユニット232A、232B)から受け取り、ウェハカセットに収納する基板排出処理PT10とを行う。
【0019】
(研磨部)
研磨部22は、ウェハWの研磨処理PPをそれぞれ行う複数(本実施形態では、4つ)の研磨ユニット22A~22Dを備える。本実施形態では、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dは、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて配置され、研磨位置LP1~LP4にてウェハWの研磨処理PPを並行して行う。第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dは、ウェハWの受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4にアクセス可能に構成される。研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4は、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dに対して個別に設定される。
【0020】
図5は、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの一例を示す斜視図である。本実施形態では、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの基本的な構成や機能は共通するものとして説明する。
【0021】
第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの各々は、研磨面を有する研磨パッド2200を回転可能に支持する研磨テーブル220と、ウェハWを回転可能に保持し、かつウェハWを研磨テーブル220上の研磨パッド2200に押圧しながら研磨するためのトップリング(基板保持部)221と、研磨パッド2200に研磨流体を供給する研磨流体供給部222と、ドレッサディスク2230を回転可能に支持するとともにドレッサディスク2230を研磨パッド2200の研磨面に接触させて研磨パッド2200をドレッシン
グするドレッサ223と、研磨パッド2200に洗浄流体を噴射するアトマイザ224とを備える。
【0022】
研磨テーブル220は、研磨テーブルシャフト220aにより支持されて、その軸心周りに研磨テーブル220を回転駆動させる回転移動機構部220bと、研磨パッド2200の表面温度を調節する温調機構部220cとを備える。
【0023】
トップリング221は、上下方向に移動可能なトップリングシャフト221aに支持されて、その軸心周りにトップリング221を回転駆動させる回転移動機構部221cと、トップリング221を上下方向に移動させる上下移動機構部221dと、支持シャフト221bを旋回中心にしてトップリング221を旋回(揺動)移動させる揺動移動機構部221eとを備える。回転移動機構部221c、上下移動機構部221d及び揺動移動機構部221eは、研磨パッド2200とウェハWの被研磨面との相対位置を移動させる基板移動機構部として機能する。
【0024】
研磨流体供給部222は、研磨パッド2200の研磨面に研磨流体を供給する研磨流体供給ノズル222aと、支持シャフト222bに支持されて、支持シャフト222bを旋回中心にして研磨流体供給ノズル222aを旋回移動させる揺動移動機構部222cと、研磨流体の流量を調節する流量調節部222dと、研磨流体の温度を調節する温調機構部222eとを備える。研磨流体は、研磨液(スラリー)又は純水であり、さらに、薬液を含むものでもよいし、研磨液に分散剤を添加したものでもよい。
【0025】
ドレッサ223は、上下方向に移動可能なドレッサシャフト223aに支持されて、その軸心周りにドレッサ223を回転駆動させる回転移動機構部223cと、ドレッサ223を上下方向に移動させる上下移動機構部223dと、支持シャフト223bを旋回中心にしてドレッサ223を旋回移動させる揺動移動機構部223eとを備える。
【0026】
アトマイザ224は、支持シャフト224aに支持されて、支持シャフト224aを旋回中心にしてアトマイザ224を旋回移動させる揺動移動機構部224bと、洗浄流体の流量を調節する流量調節部224cとを備える。洗浄流体は、液体(例えば、純水)と気体(例えば、窒素ガス)の混合流体又は液体(例えば、純水)である。
【0027】
研磨処理PPでは、トップリング221が、研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に移動し、トップリング221の下面に研磨処理前のウェハWを吸着保持することで、研磨処理前のウェハWを第2の搬送ユニット241A、241Bから受け取る。次に、トップリング221が、研磨テーブル220上の研磨位置LP1~LP4に移動し、研磨流体供給ノズル222aから研磨流体が供給された研磨パッド2200の研磨面に対してウェハWを押圧することで、ウェハWが研磨される。そして、研磨処理PPが終了すると、トップリング221は、研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に移動し、研磨処理後のウェハWを第2の搬送ユニット241A、241Bに受け渡す。
【0028】
(仕上げ部)
仕上げ部23は、ウェハWの仕上げ処理PCをそれぞれ行う複数(本実施形態では、上下2段に3種類ずつ配置された計6つ)の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bを備える。本実施形態では、第1乃至第3の仕上げユニット230A~232Aが、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて上段に配置されるともに、同一の構成を有する第1乃至第3の仕上げユニット230B~232Bが、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて下段に配置される。第1乃至第3の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bは、仕上げ位置LC1~LC3にて、その並び順(仕上げ工程順)に仕上げ処理PCをそれぞれ行う。
【0029】
第1の仕上げユニット230A、230Bは、最上流工程の仕上げ処理PCとして、ロールスポンジ2300を用いて研磨処理後のウェハWを洗浄するロールスポンジ洗浄処理(第1の仕上げ処理PC1)を行う。第2の仕上げユニット231A、231Bは、ペンスポンジ2310を用いてロールスポンジ洗浄処理後のウェハWを洗浄するペンスポンジ洗浄処理(第2の仕上げ処理PC2)を行う。第3の仕上げユニット232A、232Bは、最下流工程の仕上げ処理PCとして、ペンスポンジ洗浄処理後のウェハWを乾燥させる乾燥処理(第3の仕上げ処理PC3)を行う。なお、仕上げ処理PCは、例えば、ロールスポンジ洗浄処理を省略して、ペンスポンジ洗浄処理から開始してもよい。
【0030】
なお、仕上げ部23は、第1及び第2の仕上げユニット230A、230B、230A、231A、231Bのいずれかに代えて又は加えて、バフを用いてウェハWを洗浄するバフ洗浄処理を行う仕上げユニット(不図示)を備えるようにしてもよいし、第1及び第2の仕上げユニット230A、230B、230A、231A、231Bのいずれかを省略してもよい。また、本実施形態では、第1乃至第3の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bは、ウェハWを水平置きで保持(水平保持)するものとして説明するが、ウェハWを垂直保持又は斜め保持するものでもよい。
【0031】
図6は、ロールスポンジ洗浄処理を行う第1の仕上げユニット230A、230Bの一例を示す斜視図である。第1の仕上げユニット230A、230Bは、ウェハWを保持する基板保持部2301と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部2302と、ロールスポンジ2300を回転可能に支持するとともにロールスポンジ2300をウェハWに接触させてウェハWを洗浄する基板洗浄部2303と、ロールスポンジ2300を洗浄具洗浄流体にて洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部2304とを備える。基板洗浄流体は、純水(リンス液)及び薬液のいずれでもよく、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライアイスのような固体を含むものでもよい。洗浄具洗浄流体は、純水(リンス液)及び薬液のいずれでもよい。
【0032】
第1の仕上げユニット230A、230Bによるロールスポンジ洗浄処理では、ウェハWは、基板保持部2301により第1の仕上げ位置LC1に保持された状態で回転される。そして、洗浄流体供給部2302からウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体が供給された状態で、基板洗浄部2303により軸心周りに回転されたロールスポンジ2300がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。
【0033】
図7は、ペンスポンジ洗浄処理を行う第2の仕上げユニット231A、231Bの一例を示す斜視図である。第2の仕上げユニット231A、231Bは、ウェハWを保持する基板保持部2311と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部2312と、ペンスポンジ2310を回転可能に支持するとともにペンスポンジ2310をウェハWに接触させてウェハWを洗浄する基板洗浄部2313と、ペンスポンジ2310を洗浄具洗浄流体にて洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部2314とを備える。
【0034】
第2の仕上げユニット231A、231Bによるペンスポンジ洗浄処理では、ウェハWは、基板保持部2311により第2の仕上げ位置LC2に保持された状態で回転される。そして、洗浄流体供給部2312からウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体が供給された状態で、基板洗浄部2313により軸心周りに回転されたペンスポンジ2310がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。
【0035】
図8は、乾燥処理を行う第3の仕上げユニット232A、232Bの一例を示す斜視図である。第3の仕上げユニット232A、232Bは、ウェハWを保持する基板保持部2321と、ウェハWに基板乾燥流体を供給する乾燥流体供給部2322とを備える。基板
乾燥流体は、例えば、IPA蒸気及び純水(リンス液)であり、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライアイスのような固体を含むものでもよい。
【0036】
第3の仕上げユニット232A、232Bによる乾燥処理では、ウェハWは、基板保持部2321により第3の仕上げ位置LC3に保持された状態で回転される。そして、乾燥流体供給部2322からウェハWの被洗浄面に基板乾燥流体が供給された状態で、乾燥流体供給部2322がウェハWの側縁部側(径方向外側)に移動される。その後、ウェハWは、高速回転されることでウェハWが乾燥される。
【0037】
(基板搬送部)
図9は、第2の搬送ユニット241A、241B及び移送ロボット243の一例を示す概略側面図である。図10は、搬送部24(第3の搬送ユニット242A、242B及び移送ロボット243)の一例を示す概略側面図である。
【0038】
基板搬送部24は、図2に示すように、第1の搬送ユニット240と、第2の搬送ユニット241A、241Bと、第3の搬送ユニット242A、242Bと、移送ロボット243とを備える。本実施形態では、第2の搬送ユニットとして、第1及び第2の研磨ユニット22A、22B側(以下「右側」という)に配置された第2の搬送ユニット241Aと、第3及び第4の研磨ユニット22C、22D側(以下「左側」という)に配置された第2の搬送ユニット241Bとを備える。また、第3の搬送ユニットとして、上段に配置された第3の搬送ユニット242Aと、下段に配置された第3の搬送ユニット242Bとを備える。
【0039】
第1の搬送ユニット240は、研磨部22及び仕上げ部23の間に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って、第1の搬送開始位置LS1と第1の搬送終了位置LE1との間を水平方向に移動可能に構成される。
【0040】
第1の搬送ユニット240は、ウェハWの搬送処理PTとして、供給排出ロボット211により供給された研磨処理前のウェハWを第1の搬送開始位置LS1から第1の搬送終了位置LE1に搬送する研磨処理前搬送処理PT2を行う。
【0041】
第2の搬送ユニット241A、241Bは、研磨部22側に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って水平方向に移動可能、かつ、上下方向に移動可能に構成される。
【0042】
右側の第2の搬送ユニット241Aは、移送ロボット受け渡し位置LR1と研磨ユニット受け渡し位置LT1、LT2との間を互いに独立に水平方向に移動する複数(本実施形態では、上下3段に配置された計3つ)の搬送機構2410A~2412Aと、研磨ユニット受け渡し位置LT1に配置され、上下方向に移動する第1のプッシャ機構2413Aと、研磨ユニット受け渡し位置LT2に配置され、上下方向に移動する第2のプッシャ機構2414Bとを備える。
【0043】
左側の第2の搬送ユニット241Bは、移送ロボット受け渡し位置LR2と研磨ユニット受け渡し位置LT3、LT4との間を互いに独立に水平方向に移動する複数(本実施形態では、上下3段に配置された計3つ)の搬送機構2410B~2412Bと、研磨ユニット受け渡し位置LT3に配置され、上下方向に移動する第1のプッシャ機構2413Bと、研磨ユニット受け渡し位置LT4に配置され、上下方向に移動する第2のプッシャ機構2414Bとを備える。
【0044】
第2の搬送ユニット241A、241Bにおける複数の搬送機構2410A~2412A、2410B~2412Bの各々は、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理前のウ
ェハWを移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2から研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に搬送する研磨処理前搬入処理PT4と、研磨処理後のウェハWを研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4から移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2に搬送する研磨処理後搬出処理PT5とを行う。
【0045】
第3の搬送ユニット242A、242Bは、仕上げ部23側に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って、第3の搬送開始位置LS3、第1の仕上げ位置LC1、第2の仕上げ位置LC2、及び、第3の仕上げ位置LC3の間を水平方向に移動可能に構成される。
【0046】
上段の第3の搬送ユニット242Aは、研磨処理後のウェハWを保持し、ウェハWが待機可能なウェハステーション2420Aと、ウェハステーション2420Aと第1乃至第3の仕上げユニット230A~232Aとの間を水平方向に移動する搬送機構2421Aとを備える。下段の第3の搬送ユニット242Bは、研磨処理後のウェハWを保持し、ウェハWが待機可能なウェハステーション2420Bと、ウェハステーション2420Bと第1乃至第3の仕上げユニット230B~232Bとの間を水平方向に移動する搬送機構2421Bとを備える。搬送機構2421A、2421Bは、ウェハWを受け渡すための左右一対のハンド2422、2423を備える。一方のハンド2422は、研磨処理後で仕上げ処理前のウェハWを受け渡すときに使用され、他方のハンド2433は、仕上げ処理後のウェハWを受け渡すときに使用される。ハンド2422、2433は、例えば、伸縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0047】
第3の搬送ユニット242A、242Bにおける搬送機構2421A、2421Bは、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理後のウェハWを第3の搬送開始位置LS3から仕上げ部23(本実施形態では、第1の仕上げユニット230A、230Bの第1の仕上げ位置LC1)に搬送する研磨処理後搬送処理PT7と、仕上げ処理中のウェハWを各仕上げユニット間で搬送する仕上げ中搬送処理PT8、PT9とを行う。本実施形態では、第3の搬送ユニット242A、242Bは、仕上げ中搬送処理として、第1の仕上げユニット230A、230B(第1の仕上げ位置LC1)から第2の仕上げユニット231A、231B(第2の仕上げ位置LC2)に仕上げ処理中のウェハWを搬送する第1の仕上げ中搬送処理PT8と、第2の仕上げユニット231A、231B(第2の仕上げ位置LC2)から第3の仕上げユニット232A、232B(第3の仕上げ位置LC3)に仕上げ処理中のウェハWを搬送する第2の仕上げ中搬送処理PT9とを行う。
【0048】
移送ロボット243は、上下方向に移動可能、かつ、及び旋回方向に移動可能に構成される。移送ロボット243は、ウェハWを受け渡すためのハンド2430を備える。ハンド2430は、例えば、伸縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0049】
移送ロボット243は、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理前のウェハWを第1の搬送終了位置LE1にて第1の搬送ユニット240から受け取り、移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2にて第2の搬送ユニット241A、241Bに受け渡す研磨処理前移送処理PT3と、研磨処理後のウェハWを移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2にて第2の搬送ユニット241A、241Bから受け取り、第3の搬送開始位置LS3にて第3の搬送ユニット242A、242Bに受け渡す研磨処理後移送処理PT6とを行う。
【0050】
(制御ユニット)
図11は、基板処理装置2の一例を示すブロック図である。制御ユニット25は、各部21~24と電気的に接続されて、各部21~24を統括的に制御する制御部として機能する。以下では、基板搬送部24の制御系(モジュール、センサ、シーケンサ)を例にし
て説明するが、ロード/アンロード部21、研磨部22及び仕上げ部23も基本的な構成や機能は共通するため、説明を省略する。
【0051】
基板搬送部24は、基板搬送部24が備える各部にそれぞれ配置されて、制御対象となる複数のモジュール247と、複数のモジュール247にそれぞれ配置されて、各モジュール247の制御に必要なデータ(検出値)を検出する複数のセンサ248と、各センサ248の検出値に基づいて各モジュール247の動作を制御するシーケンサ249とを備える。基板搬送部24のモジュール247には、各部に設けられた回転モータ、リニアモータ、エアアクチュエータ、油圧アクチュエータ等が含まれる。また、基板搬送部24のセンサ248には、例えば、エンコーダセンサ、リニアセンサ、リミットセンサ、ウェハWの有無を検出する非接触センサ等が含まれる。
【0052】
制御ユニット25は、制御部250、通信部251、入力部252、出力部253、及び、記憶部254を備える。制御ユニット25は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図12参照)で構成される。
【0053】
通信部251は、ネットワーク4に接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。入力部252は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部253は、表示画面、シグナルタワー点灯、ブザー音を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0054】
記憶部254は、基板処理装置2の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等)やデータ(装置設定情報10、レシピ情報11等)を記憶する。装置設定情報10及びレシピ情報11は、表示画面を介してユーザにより編集可能なデータである。
【0055】
制御部250は、複数のシーケンサ219、229、239、249(以下、「シーケンサ群」という)を介して複数のセンサ218、228、238、248(以下、「センサ群」という)の検出値を取得するとともに、複数のモジュール217、227、237、247(以下、「モジュール群」という)を連携して動作させる。そして、基板処理装置2は、制御部250により各部21~24を制御し、ウェハカセット内の複数のウェハWに対して研磨処理PP、仕上げ処理PC、搬送処理PT等を順次行うことで、自動運転を実行する。
【0056】
(各装置のハードウエア構成)
図12は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。基板処理装置2の制御ユニット25、及び、情報処理装置3の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0057】
コンピュータ900は、図12に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0058】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を
統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0059】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0060】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1のネットワーク4と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0061】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0062】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。コンピュータ900は、基板処理装置2及び情報処理装置3以外の装置にも適用されてもよい。
【0063】
(情報処理装置)
図13は、実施形態に係る情報処理装置3の一例を示すブロック図である。図14は、実施形態に係る情報処理装置3の一例を示す機能説明図である。
【0064】
情報処理装置3は、制御部30、通信部31、記憶部32、入力部33、及び、出力部34を備える。図13に示す各部30~34の具体的なハードウエア構成は、図12に示
す汎用又は専用のコンピュータ900で構成されるため、詳細な説明を省略する。
【0065】
制御部30は、基板処理時間取得部300、搬送処理時間取得部301、スケジュール作成部302、スケジュール評価部303、及び、出力処理部304として機能する。通信部31は、ネットワーク4を介して外部装置(例えば、基板処理装置2)と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。記憶部32は、情報処理装置3の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステムや情報処理プログラム等)やデータ(装置設定情報10、レシピ情報11、搬送時間情報12、基板処理スケジュール13、評価指標14)等を記憶する。入力部33は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部34は、表示画面や音声を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0066】
装置設定情報10は、基板処理装置2の動作内容を定める情報である。装置設定情報10は、複数の装置設定項目を有し、複数の装置設定項目毎に設定値がそれぞれ設定されることで基板処理装置2の動作内容を定める。
【0067】
装置設定項目としては、例えば、各搬送ユニット(本実施形態では、供給排出ロボット211、第1の搬送ユニット240、第2の搬送ユニット241A、241B、第3の搬送ユニット242A、242B、移送ロボット243)の座標値、移動速度、移動加速度、タイマー時間等が含まれる。なお、装置設定項目には、研磨ユニット22A~22Dや仕上げユニット230A~232A、230B~232Bの座標値、移動速度、移動加速度、タイマー時間等が含まれていてもよい。
【0068】
レシピ情報11は、研磨処理PP及び仕上げ処理PCの処理内容を示す情報である。レシピ情報11は、複数のレシピ設定項目を有し、複数のレシピ設定項目毎に設定値がそれぞれ設定されることで、研磨処理PP及び仕上げ処理PCの処理内容を定める。なお、レシピ情報11は、ウェハWの1枚毎に設定されていてもよいし、ロットを構成する複数枚毎に設定されていてもよい。
【0069】
研磨処理PPのレシピ設定項目としては、例えば、研磨テーブル220によるテーブル回転速度、トップリング221によるトップリング押付時間、ウェハ押付荷重、ウェハ回転速度、研磨流体供給部222による研磨流体の供給量、供給タイミング、ドレッサ223によるドレッサ動作時間、アトマイザ224によるアトマイザ動作時間等が含まれる。
【0070】
仕上げ処理PCのレシピ設定項目としては、例えば、ロールスポンジ洗浄処理(第1の仕上げ処理PC1)でのロールスポンジ動作時間、ロールスポンジ回転速度、ウェハ回転速度、基板洗浄流体の供給量、供給タイミング、ペンスポンジ洗浄処理(第2の仕上げ処理PC2)でのペンスポンジ動作時間、ペンスポンジ回転速度、ウェハ回転速度、基板洗浄流体の供給量、供給タイミング、ウェハ回転速度、乾燥処理(第3の仕上げ処理PC3)での乾燥動作時間、ウェハ回転速度、基板乾燥流体の供給量、供給タイミング等が含まれる。
【0071】
基板処理時間取得部300は、レシピ情報11に基づいて、研磨処理PPに要する研磨時間TP、及び、仕上げ処理PCに要する仕上げ時間TCを取得する。例えば、基板処理時間取得部300は、通信部31を介して基板処理装置2との間でデータを送受信したり、記憶部32を参照したりすることで、レシピ情報11を取得する。なお、レシピ情報11は、ユーザの入力操作に基づくものでもよいし、外部の生産管理装置(不図示)から取得してもよい。
【0072】
そして、基板処理時間取得部300は、レシピ情報11にてレシピ設定項目毎に設定さ
れた設定値に基づいて、研磨処理PP及び仕上げ処理PCに要する時間をそれぞれ積算することで、研磨時間TP及び仕上げ時間TCを取得する。例えば、基板処理時間取得部300は、研磨処理PPのレシピ設定項目に対して設定された設定値に基づいて、研磨処理PPに要する研磨時間TPを取得する。また、基板処理時間取得部300は、仕上げ処理PCのレシピ設定項目に対して設定された設定値に基づいて、仕上げ処理に要する仕上げ時間TCを取得する。本実施形態では、仕上げ時間TCとして、第1の仕上げ処理PC1に要する第1の仕上げ時間TC1、第2の仕上げ処理PC2に要する第2の仕上げ時間TC2、第3の仕上げ処理PC3に要する第3の仕上げ時間TC3が取得される。
【0073】
なお、研磨時間TPや仕上げ時間TC1~TC3は、例えば、研磨ユニット22A~22Dや仕上げユニット230A~232A、230B~232Bが実際に動作したときの時間を計測した実測値を考慮したものでもよい。その際、例えば、実測値が基板処理装置2や外部の生産管理装置に記憶されている場合には、基板処理時間取得部300は、基板処理装置2や外部の生産管理装置からその実測値を研磨時間TPや仕上げ時間TC1~TC3として取得してもよいし、その実測値に基づいて、レシピ情報11から算出した研磨時間TPや仕上げ時間TC1~TC3を補正してもよい。また、研磨時間TPや仕上げ時間TC1~TC3は、ウェハWの1枚毎に取得されていてもよいし、ロットを構成する複数枚毎に取得されていてもよい。
【0074】
搬送処理時間取得部301は、ウェハWの搬送処理PTに要する搬送時間TTを搬送時間情報12として取得する。本実施形態では、搬送処理PT1~PT10の各々に要する搬送時間TT1~TT10として、基板供給時間TT1、研磨処理前搬送時間TT2、研磨処理前移送時間TT3、研磨処理前搬入時間TT4、研磨処理後搬出時間TT5、研磨処理後移送時間TT6、研磨処理後搬送時間TT7、第1の仕上げ中搬送時間TT8、第2の仕上げ中搬送時間TT9、及び、基板排出時間TT10が取得される。なお、搬送時間TT1~TT10は、ウェハWの1枚毎に取得されていてもよいし、ロットを構成する複数枚毎に取得されていてもよい。
【0075】
例えば、搬送時間TT1~TT10は、搬送ユニット(本実施形態では、供給排出ロボット211、第1の搬送ユニット240、第2の搬送ユニット241A、241B、第3の搬送ユニット242A、242B、移送ロボット243)が実際に動作したときの時間を計測した実測値でもよい。例えば、搬送時間の実測値が基板処理装置2や外部の生産管理装置に記憶されている場合には、搬送処理時間取得部301は、基板処理装置2や外部の生産管理装置から搬送時間TT1~TT10を取得する。
【0076】
また、搬送時間TT1~TT10は、搬送ユニットの仕様から算出された理論値でもよい。例えば、装置設定情報10に搬送ユニットの移動速度や移動加速度等が含まれる場合には、搬送処理時間取得部301は、基板処理装置2又は記憶部32から装置設定情報10を取得し、装置設定情報10に基づいて、搬送時間TT1~TT10を取得する。
【0077】
さらに、搬送時間TT1~TT10は、上記の理論値に対して、搬送ユニットが実際に動作したときの実測値との誤差(実動誤差)を考慮した推論値でもよい。搬送処理時間取得部301は、例えば、機械学習等の推定モデルを用いて実動誤差を算出し、実測値と実動誤差とに基づいて、搬送時間TT1~TT10を取得する。
【0078】
スケジュール作成部302は、基板処理装置2において所定の枚数のウェハWに対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュール13を作成する。具体的には、スケジュール作成部302は、基板処理時間取得部300により取得された研磨時間TP及び仕上げ時間TC1~TC3と、搬送処理時間取得部301により取得された搬送時間TT1~TT10とに基づいて、最終枚目の仕上げ処理後のウェハWがウェハカセットに搬出される
最終処理終了時間が最短になるように、各処理の開始タイミングを決定することで、基板処理スケジュール13を作成する。なお、スケジュール作成部302は、最終処理終了時間が最短になることに代えて又は加えて、研磨処理の終了タイミングから最上流工程の仕上げ処理の開始タイミングまでの研磨後仕上げ開始時間が均一で最小になるように、各処理の開始タイミングを決定することで、基板処理スケジュール13を作成するようにしてもよい。
【0079】
本実施形態では、スケジュール作成部302は、数理最適化により基板処理スケジュール13を最適化問題に定式化し、その最適解を探索することで基板処理スケジュール13を作成する。数理最適化の手法は、例えば、混合整数線形計画法(MIP)を用いればよく、他の手法を用いてもよい。また、最適解の探索手法は、厳密解法、近似解法、発見的解法等の任意の探索アルゴリズムを用いることができる。
【0080】
図15は、数理最適化前の基板処理スケジュール13Aの一例を示す図である。図15に示す基板処理スケジュール13Aは、例えば、スケジュール作成部302による最適化前(又は最適化途中)のデフォルトとして作成されたものである。図15では、簡略化のため、2枚のウェハWに対する基板処理スケジュール13Aを示しているが、基板処理スケジュール13AにおけるウェハWの枚数は適宜変更してもよい。また、基板処理スケジュール13Aは、スケジュール作成部302による最適化前に、基板処理装置2により自動運転が実行されたときの各処理を時系列で記録した実績値でもよい。
【0081】
基板処理装置2の自動運転では、各処理を行う順序を守りつつ、各処理のうち同時に可能な処理を並列的に行い、各処理のうち同時に不可能な処理を直列的に行うようにして、各処理が行われる。その際、研磨処理前移送処理PT3及び研磨処理後移送処理PT6は、移送ロボット243により行われるため、同時に実行が不可能な処理である。したがって、第1の搬送ユニット240の研磨処理前搬送処理PT2により、研磨処理前のウェハWが第1の搬送終了位置LE1に搬送された状況と、第2の搬送ユニット241A、241Bの研磨処理後搬出処理PT5により、研磨処理後のウェハWが移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2に搬送された状況とが同時に発生した場合、移送ロボット243は、研磨処理前移送処理PT3と、研磨処理後移送処理PT6のいずれかを優先させて実行する必要である。
【0082】
図15に示す基板処理スケジュール13Aでは、上記の状況において、研磨処理前移送処理PT3に対して研磨処理後移送処理PT6を優先させたものである。そのため、研磨処理後移送処理PT6が終了するまで研磨処理前移送処理PT3の開始は待機することになり、研磨ユニット22A~22DへのウェハWの搬送が遅延し、基板処理スケジュール13Aの評価指標14が悪化する可能性があった。
【0083】
そこで、スケジュール作成部302は、各処理を行う順序を定める処理順序条件と、各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、研磨処理後移送処理PT6に対して研磨処理前移送処理PT3を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、基板処理時間取得部300にて算出した研磨時間TP及び仕上げ時間TC1~TC3と、搬送時間情報12が示す搬送時間TT1~TT10とを変数に含む最終処理終了時間TFを最短にすることを数理最適化の目的関数として、各処理の開始タイミングを数理最適化の決定変数として決定する数理最適化を行うことで、基板処理スケジュール13を作成する。
【0084】
本実施形態に係る基板処理装置2では、処理順序条件としては、基板供給処理PT1、研磨処理前搬送処理PT2、研磨処理前移送処理PT3、研磨処理前搬入処理PT4、研磨処理PP、研磨処理後搬出処理PT5、研磨処理後移送処理PT6、研磨処理後搬送処
理PT7、第1の仕上げ処理PC1、第1の仕上げ中搬送処理PT8、第2の仕上げ処理PC2、第2の仕上げ中搬送処理PT9、第3の仕上げ処理PC3、基板排出処理PT10の順序で定められる。
【0085】
また、同時処理条件としては、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dによる研磨処理PPは、同時に可能な処理として定められる。供給排出ロボット211による基板供給処理PT1及び基板排出処理PT10は、同時に不可能な処理として定められる。移送ロボット243による研磨処理前移送処理PT3及び研磨処理後移送処理PT6は、同時に不可能な処理として定められる。
【0086】
さらに、移送処理優先条件としては、研磨処理後移送処理PT6に対して研磨処理前移送処理PT3を優先させることが定められる。その際、研磨処理前移送処理PT3及び研磨処理後移送処理PT6の開始タイミングだけでなく、終了タイミングについても考慮してもよい。
【0087】
図16は、スケジュール作成部302により作成された数理最適化後の基板処理スケジュール13Bの一例を示す図である。図16に示す基板処理スケジュール13Bは、スケジュール作成部302による数理最適化により作成されたものである。数理最適化後の基板処理スケジュール13Bは、図15に示す数理最適化前の基板処理スケジュール13Aと比較すると、移送処理優先条件により、2枚目のウェハW2に対する研磨処理前移送処理PT3が、1枚目のウェハW1研磨処理後移送処理PT6に対して優先されて実行されるように、各処理の開始順序と開始タイミングとが変更されている。これにより、研磨処理後移送処理PT6が終了するまで研磨処理前移送処理PT3の開始を待機することが抑制されて、研磨ユニット22A~22DへのウェハWの搬送が適時に行われるので、基板処理スケジュール13Aの評価指標14が改善される。
【0088】
なお、スケジュール作成部302は、研磨処理PPの終了タイミングから最上流工程の仕上げ処理PC1の開始タイミングまでの研磨後仕上げ開始時間TWを考慮して、数理最適化を行うようにしてもよい。
【0089】
図17は、研磨後仕上げ開始時間TWと、その範囲TWRの一例を示す図である。基板処理スケジュール13Bでは、図17に示すように、2枚のウェハWに対する研磨後仕上げ開始時間TW1、TW2がそれぞれ定められる。研磨後仕上げ開始時間TW1、TW2の範囲TWRは、例えば、研磨後仕上げ開始時間TW1、TW2の差分値として定められる。
【0090】
例えば、スケジュール作成部302は、研磨後仕上げ開始時間TWの範囲TWRを定める研磨後仕上げ開始範囲条件をさらに制約条件として、数理最適化を行うようにしてもよい。研磨後仕上げ開始時間TWの範囲TWRを、例えば、1秒以内のように定めた場合、最小値と最大値との差が1秒以内になるように、基板処理スケジュール13が作成される。これにより、複数のウェハWに対して自動運転を行ったときに、複数のウェハWの間で研磨後仕上げ開始時間TWのばらつきを抑制し、研磨後仕上げ開始時間TWの均一化を図ることができる。
【0091】
また、スケジュール作成部302は、研磨後仕上げ開始時間TWの合計値、平均値又は最大値を最短にすることをさらに目的関数として、数理最適化を行うようにしてもよい。その場合、例えば、最終処理終了時間TFの最短化と、研磨後仕上げ開始時間TWの最短化とを重み係数等を用いて組み合わせることで、目的関数を定義するようにすればよい。これにより、複数のウェハWに対して自動運転を行ったときに、研磨処理PPが行われてから仕上げ処理PCが行われるまでの待ち時間を低減することができる。さらに、スケジ
ュール作成部302は、研磨後仕上げ開始時間TWのばらつき度合い(例えば、標準偏差、分散、最大値と最小値の差分値等)を最小にすることをさらに目的関数として、数理最適化を行うようにしてもよい。
【0092】
スケジュール評価部303は、所定の評価基準に基づいて、スケジュール作成部302により作成された基板処理スケジュール13を評価し、その評価結果として基板処理スケジュール13の評価指標14を算出する。基板処理スケジュール13の評価指標14は、単位時間当たりのウェハWの処理枚数(WPH)、各処理のタクトタイム、各処理のうち最も処理時間を要する律速処理、及び、研磨後仕上げ開始時間TWのばらつき度合いの少なくとも1つを含む。
【0093】
単位時間当たりのウェハWの処理枚数(WPH)は、最終処理終了時間TFを処理枚数で除算することで算出される。各処理のタクトタイムとしては、研磨処理PP及び仕上げ処理PC1~PC3のタクトタイムが算出される。研磨後仕上げ開始時間TWのばらつき度合いとしては、例えば、標準偏差、分散、最大値と最小値の差分値が算出される。
【0094】
出力処理部304は、スケジュール作成部302により作成された基板処理スケジュール13と、スケジュール評価部303により算出された評価指標14とを出力するための出力処理を行う。例えば、出力処理部304は、基板処理スケジュール13及び評価指標14を出力部34により表示出力するようにしてもよいし、記憶部32に記憶するようにしてもよい。また、出力処理部304は、基板処理スケジュール13を通信部31により基板処理装置2に送信し、基板処理装置2がその基板処理スケジュール13に従って自動運転を行うようにしてもよい。さらに、出力処理部304は、基板処理スケジュール13に基づいて、各処理の開始タイミングを基板処理スケジュール13に送信し、基板処理装置2がその開始タイミングに従って自動運転を行うようにしてもよい。
【0095】
(情報処理方法)
図18は、実施形態に係る情報処理装置3による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップS100において、ユーザが、例えば、情報処理装置3に表示された基板処理最適化画面に対して基板処理スケジュール13の作成条件(例えば、自動運転の対象とするウェハWのロット番号、自動運転を行う基板処理装置2の型式番号、処理枚数等)を指示するとともに、基板処理スケジュール13の作成開始を指示することにより、情報処理装置3は、その入力操作を受け付ける。
【0097】
次に、ステップS110において、基板処理時間取得部300は、ステップS100にて受け付けた入力操作に応じてレシピ情報11を取得し、そのレシピ情報11に基づいて、研磨処理PPに要する研磨時間TP及び仕上げ処理PCに要する仕上げ時間TCを取得する。例えば、ロット番号が指示された場合には、そのロット番号に対応付けられたレシピ情報11に基づいて、研磨時間TP及び仕上げ時間TCを取得する。
【0098】
次に、ステップS120において、搬送処理時間取得部301は、ステップS100にて受け付けた入力操作に応じて、搬送時間情報12を取得する。例えば、ロット番号が指示された場合には、そのロット番号に対応付けられた搬送時間情報12を取得する。
【0099】
次に、ステップS130において、スケジュール作成部302は、処理順序条件、同時処理条件、移送処理優先条件、及び、研磨後仕上げ開始範囲条件を数理最適化の制約条件とし、ステップS110にて取得した研磨時間TP及び仕上げ時間TCと、ステップS110にて取得した搬送時間情報12が示す搬送時間TTとを変数に含む最終処理終了時間
TFの最短化及び研磨後仕上げ開始時間TWの最短化を数理最適化の目的関数として設定し、数理最適化を行うことで、基板処理スケジュール13を作成する。
【0100】
次に、ステップS140において、スケジュール評価部303は、ステップS130にて作成された基板処理スケジュール13に基づいて、基板処理スケジュール13の評価指標14を算出する。
【0101】
そして、ステップS150において、出力処理部304は、ステップS130にて作成された基板処理スケジュール13と、ステップS140にて算出された評価指標14とを出力するための出力処理を行い、図18に示す一連の情報処理学習方法を終了する。上記の情報処理方法において、ステップS110が基板処理時間取得工程、ステップS120が搬送処理時間取得工程、S130がスケジュール作成工程、ステップS140がスケジュール評価工程、ステップS150が出力処理工程に相当する。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置3及び情報処理方法によれば、スケジュール作成部302が、レシピ情報11及び搬送時間情報12に基づいて、処理順序条件と、同時処理条件と、研磨処理後移送処理PT6に対して研磨処理前移送処理PT3を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、最終処理終了時間TFを最短にすることを数理最適化の目的関数として、各処理の開始タイミングを決定する数理最適化を行うことで、基板処理スケジュール13を作成する。したがって、搬送ユニットの装置構成において同時に実行が不可能な搬送処理として、移送ロボット243による研磨処理前移送処理PT3及び研磨処理後移送処理PT6が含まれる場合であっても、基板処理スケジュール13には、研磨処理後移送処理PT6に対して研磨処理前移送処理PT3を優先させることを定める移送処理優先条件が反映されるので、基板処理スケジュール13を適切に作成することができる。
【0103】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0104】
上記実施形態では、基板処理装置2及び情報処理装置3は、別々の装置で構成されたものとして説明したが、単一の装置で構成されていてもよく、例えば、情報処理装置3が、基板処理装置2の制御ユニット25に組み込まれていてもよい。
【0105】
上記実施形態では、基板処理装置2が、研磨処理として化学機械研磨処理を行うものとして説明したが、基板処理装置2は、化学機械研磨処理に代えて、物理機械研磨処理を行うものでもよい。また、基板処理装置2は、基板処理として、ウェハWの研磨処理及び仕上げ処理を行うものとして説明したが、基板処理装置2は、研磨処理及び仕上げ処理のいずれかを行うものでもよいし、研磨処理及び仕上げ処理に代えて又は加えて、他の基板処理を行うものでよい。
【0106】
上記実施形態では、基板処理装置2が、図2に示すように、各基板処理ユニット(研磨ユニット、仕上げユニット)、及び、各搬送処理ユニットを備える場合について説明した。これに対し、基板処理装置2の構成として、各基板処理ユニット、及び、各搬送処理ユニットの数、配置、上流・下流の関係、並列関係、直列関係は、図2の例に限れられず、適宜変更してもよい。例えば、研磨ユニットの数を1又は複数にしてもよいし、仕上げユニットの数を1又は複数にしてもよい。また、搬送処理ユニットの数として、供給排出ロボットの数を1又は複数にしてもよいし、第1乃至第3の搬送ロボットの数を1又は複数にしてもよいし、移送ロボットの数を1又は複数にしてもよい。また、各基板処理ユニッ
ト、及び、各搬送処理ユニットの間でウェハWを受け渡す位置や、ウェハWを一時的に待機させる位置等を適宜変更してもよいし、それらの数を適宜追加してもよい。上記のような場合には、各基板処理ユニット、及び、各搬送処理ユニットの構成に合わせて、スケジュール作成部302における数理最適化の制約条件、目的関数及び決定変数を変更すればよい。
【0107】
上記実施形態では、基板処理装置2が、図2に示すように、各基板処理ユニット(研磨ユニット、仕上げユニット)、及び、各搬送処理ユニットを備える場合を前提として、情報処理装置3の構成や機能について説明した。これに対し、基板処理装置2が、以下の構成を少なくとも備える場合における情報処理装置3の構成や機能について説明する。
【0108】
基板処理装置は、基板に対する基板処理を行うとともに、基板の受け渡しのための基板処理ユニット受け渡し位置にアクセス可能な1又は複数の基板処理ユニットと、基板処理前の基板を第1の搬送開始位置から第1の搬送終了位置に搬送する処理前搬送処理を行う第1の搬送ユニットと、基板処理前の基板を移送ロボット受け渡し位置から基板処理ユニット受け渡し位置に搬送する処理前搬入処理と、基板処理後の基板を基板処理ユニット受け渡し位置から移送ロボット受け渡し位置に搬送する処理後搬出処理とを行う搬送機構を複数備える第2の搬送ユニットと、基板処理後の基板を第3の搬送開始位置から第3の搬送終了位置に搬送する処理後搬送処理とを行う第3の搬送ユニットと、基板処理前の基板を第1の搬送ユニットから第1の搬送終了位置にて受け取り、移送ロボット受け渡し位置にて第2の搬送ユニットに受け渡す処理前移送処理と、基板処理後の基板を第2の搬送ユニットから移送ロボット受け渡し位置にて受け取り、第3の搬送開始位置にて第3の搬送ユニットに受け渡す処理後移送処理とを行う移送ロボットとを備える。
【0109】
情報処理装置(情報処理方法)は、上記の構成を備える基板処理装置において所定の枚数の基板に対して各処理を順次行うときの基板処理スケジュールを作成する装置(方法)として機能する。具体的には、情報処理装置(情報処理方法)は、基板処理の処理内容を示すレシピ情報に基づいて、基板処理に要する処理時間を取得する基板処理時間取得部(基板処理時間取得工程)と、処理前搬送処理、処理前移送処理、処理前搬入処理、処理後搬出処理、処理後移送処理、及び、処理後搬送処理の各々に要する搬送時間を取得する搬送処理時間取得部(搬送処理時間取得工程)と、各処理を行う順序を定める処理順序条件と、各処理のうち同時に可能又は不可能な処理を定める同時処理条件と、処理後移送処理に対して処理前移送処理を優先させることを定める移送処理優先条件とを数理最適化の制約条件とし、処理時間及び搬送時間を変数に含む、最終枚目の基板の最終処理終了時間を最短にすることを数理最適化の目的関数として、各処理の開始タイミングを決定する数理最適化を行うことで、基板処理スケジュールを作成するスケジュール作成部(スケジュール作成工程)とを備える。
【0110】
なお、基板処理装置は、上記の構成を備える基板処理装置であって、所定の枚数の基板に対して各処理を順次行う際、処理後移送処理に対して処理前移送処理を優先させて行うように、基板処理ユニット、第1乃至第3の搬送ユニット、及び、移送ロボットの動作を制御する制御ユニットを備えるものでもよい。
【0111】
(情報処理プログラム)
本発明の一態様として、上記実施形態に係る情報処理方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(情報処理プログラム)930の態様で提供してもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…基板処理システム、2…基板処理装置、3…情報処理装置、4…ネットワーク、
10…装置設定情報、11…レシピ情報、12…搬送時間情報、
13、13A、13B…基板処理スケジュール、14…評価指標、
21…ロード/アンロード部、22…研磨部、22A~22D…研磨ユニット、
23…仕上げ部、24…基板搬送部、25…制御ユニット
30…制御部、31…通信部、32…記憶部、33…入力部、34…出力部、
211…供給排出ロボット220…研磨テーブル、221…トップリング、
222…研磨流体供給部、223…ドレッサ、224…アトマイザ、
230A~232A、230B~232B…仕上げユニット、
240…第1の搬送ユニット、241A、241B…第2の搬送ユニット、
242A、242B…第3の搬送ユニット、243…移送ロボット、
300…基板処理時間取得部、301…搬送処理時間取得部、
302…スケジュール作成部、303…スケジュール評価部、304…出力処理部、
LS1…第1の搬送開始位置、LE1…第1の搬送終了位置
LR1、LR2…移送ロボット受け渡し位置、LP1~LP4…研磨位置、
LT1~LT4…研磨ユニット受け渡し位置、LS3…第3の搬送開始位置、
LC1…第1の仕上げ位置、LC2…第2の仕上げ位置、LC3…第3の仕上げ位置、
PC…仕上げ処理、PC1…第1の仕上げ処理、PC2…第2の仕上げ処理、
PC3…第3の仕上げ処理、PP…研磨処理、PT…搬送処理、
PT1…基板供給処理、PT2…研磨処理前搬送処理、PT3…研磨処理前移送処理、
PT4…研磨処理前搬入処理、PT5…研磨処理後搬出処理、
PT6…ウェハW1研磨処理後移送処理、PT6…研磨処理後移送処理、
PT7…研磨処理後搬送処理、PT8…第1の仕上げ中搬送処理、
PT9…第2の仕上げ中搬送処理、PT10…基板排出処理
TC…仕上げ時間、TC1…第1の仕上げ時間、TC2…第2の仕上げ時間、
TC3…第3の仕上げ時間、TP…研磨時間、TT…搬送時間、
TT1…基板供給時間、TT2…研磨処理前搬送時間、
TT3…研磨処理前移送時間、TT4…研磨処理前搬入時間、
TT5…研磨処理後搬出時間、TT6…研磨処理後移送時間、
TT7…研磨処理後搬送時間、TT8…第1の仕上げ中搬送時間、
TT9…第2の仕上げ中搬送時間、TT10…基板排出時間
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