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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128700
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20240913BHJP
   A43B 3/12 20060101ALI20240913BHJP
   A43B 3/16 20220101ALI20240913BHJP
【FI】
A43B13/14 B
A43B3/12 B
A43B3/16
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037839
(22)【出願日】2023-03-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】501346065
【氏名又は名称】伊藤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】弁理士法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108051
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA11
4F050BA03
4F050BD18
(57)【要約】
【課題】O脚を補正する機能を有する履物及び中敷きを提供すること。
【解決手段】履物1は、足が載せられるソール部11と、ソール部11の外周部に固定され、ソール部11に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備え、ソール部11は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された段差11aと、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部20と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする第1の段差を有することを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1に記載した履物であって、
前記ソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする第2の段差を更に有することを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1に記載した履物であって、
前記ソール部は、外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部を有し、
前記第1の段差は、前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成されることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項2に記載した履物であって、
前記ソール部は、外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部と、を有し、
前記第1の段差は、前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成され、
前記第2の段差は、前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成されることを特徴とする履物。
【請求項5】
請求項3又は4に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
【請求項6】
請求項3又は4に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、前記前緒部が挿入される孔部を有し、
前記アウターソール部は、前記孔部に挿入された前記前緒部の先端部に嵌合する凹部を有することを特徴とする履物。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載した履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか1項に記載した履物であって、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部を更に有することを特徴とする履物。
【請求項9】
履物の内部に敷かれる中敷きであって、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部を有することを特徴とする中敷き。
【請求項10】
請求項9に記載した中敷きであって、
使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を更に有することを特徴とする中敷き。
【請求項11】
請求項9又は10に記載した中敷きであって、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部を更に有することを特徴とする中敷き。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物及び履物の中敷きに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、足底に突起を設け、歩行しながら足裏のつぼを刺激したり、足底を横方向に傾斜させてO脚やX脚を補正したりするといった健康によい機能を有する草履やサンダルが普及している。
【0003】
従来、この種の技術としては、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、人差し指を中心にして親指対中指・薬指・小指の3本が1対3になるように鼻緒の前坪を取り付ける位置を人差し指を挟むように2か所に設定し、更に人差し指が乗る天の部分を2~5mmほど高くした健康サンダルについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3232282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、靴においても、健康によい機能を有することが望まれている。例えば、O脚が目立たないようにするため、O脚を補正する機能を有する靴の出現が望まれる。
【0006】
本発明は、このような要望に応え、O脚を補正する機能を有する履物及び履物の中敷きを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
【0008】
(1) 使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする第1の段差と、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部と、を有することを特徴とする履物。
【0009】
(1)によれば、使用者が本発明の履物を履いて歩行した場合、足裏における使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分及び当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分、すなわち、足裏におけるつま先側でかつ外側の部位が、第1の段差によって低くなっているソール部の面から離間する。このため、使用者の体重は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分、すなわち足裏の内側側部に集中する。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0010】
(2) (1)において、前記ソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする第2の段差を更に有することを特徴とする履物。
【0011】
(2)によれば、使用者が本発明の履物を履いて歩行した場合、足裏における踵の部位が、第2の段差によって低くなっているソール部の面から離間するため、使用者の体重は、ソール部に直接触れている足裏の内側側部に更に集中する。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0012】
(3) (1)において、前記ソール部は、外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部を有し、
前記第1の段差は、前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成されることを特徴とする履物。
【0013】
(3)によれば、使用者が本発明の履物を履いて歩行した場合、インナーソール部における第1の欠落部の領域が段差となり、足裏における欠落部分と対向する部位が段差によって低くなっているソール部の面から離間するため、使用者の体重は、使用者の足裏の内側側部に集中する。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0014】
(4) (2)において、前記ソール部は、外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部と、を有し、
前記第1の段差は、前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成され、
前記第2の段差は、前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって形成されることを特徴とする履物。
【0015】
(4)によれば、(1)及び(2)と同様の作用効果を奏する。
【0016】
(5) (3)、(4)において、前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
【0017】
(5)によれば、必要に応じてインナーソール部を取り替えることが可能になる。例えば、第1の欠落部及び第2の欠落部が形成されていない通常のインナーソール部を使用したり、新たなインナーソール部に取り替えたりすることが可能になる。
【0018】
(6) (3)、(4)において、前記インナーソール部は、前記前緒部が挿入される孔部を有し、
前記アウターソール部は、前記孔部に挿入された前記前緒部の先端部に嵌合する凹部を有することを特徴とする履物。
【0019】
(6)によれば、アウターソール部に対してインナーソール部がずれることを防止することが可能になり、使用者の足裏における小指及びその付け根付近を含む外側領域を、段差によって低くなっているソール部の面に安定して対向させることが可能になる。
【0020】
(7) (1)~(4)において、前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
(7)によれば、使用者が履物を使用する際に、バンドを使用者の踵の上部に配置することによって、履物が脱げにくくなる。
【0021】
(8) (1)~(4)において、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部を更に有することを特徴とする履物。
【0022】
(8)によれば、使用者の親指と中指との間に前緒部を挟めることにより、インナーソール部から親指と中指及びその付け根付近が離間しにくくなる。これにより、使用者の足裏における小指及びその付け根付近を含む外側領域を、段差によって低くなっているソール部の面に安定して対向させることが可能になる。
【0023】
(9) 履物の内部に敷かれる中敷きであって、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部と、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部と、を有することを特徴とする中敷き。
【0024】
(9)によれば、使用者が本発明の中敷きを敷いた履物を履いて歩行した場合、足裏におけるつま先側でかつ外側の部位が履物の内面から離間するため、使用者の体重は、使用者の足裏の内側側部に集中する。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0025】
(10) (9)において、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を更に有することを特徴とする中敷き。
【0026】
(10)によれば、使用者が本発明の中敷きを敷いた履物を履いて歩行した場合、足裏における踵の部位が、履物の内面から離間するため、使用者の体重は、足裏の内側側部に更に集中する。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0027】
(11) (9)又は(10)において、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる前緒部を更に有することを特徴とする中敷き。
【0028】
(11)によれば、使用者の親指と中指との間に前緒部を挟めることにより、インナーソール部から親指と中指及びその付け根付近が離間しにくくなる。これにより、使用者の足裏における小指及びその付け根付近を含む外側領域を、段差によって低くなっているソール部の面に安定して対向させることが可能になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、O脚を補正する機能を有する履物及び履物の中敷きを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態における靴1の外観を示す斜視図である。
図2図1の側面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るソール部11の外観を示す説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態における履物2の外観を示す側面図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係るソール部16の外観を示す側面図である。
図6】本発明の第2の実施形態の変形例における履物3の外観を示す側面図である。
図7】本発明における中敷きの外観を示す平面図である。
図8】本発明の第1の実施形態の変形例に係るソール部11の外観を示す説明図である。
図9】本発明の第2の実施形態の他の変形例における履物3の外観を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態における履物1の外観を示す斜視図である。図2は、図1の側面図である。履物1は、所謂、上履きであり、アッパー部10と、ソール部11と、を備えている。なお、図1図2は、使用者の左足に履かせる履物1を示しており、右足に履かせる履物1は左足に履かせる履物1に対して左右対称であるため、右足に履かせる履物1についての詳細な説明は省略する。
【0033】
アッパー部10は、シート状の可撓性部材からなり、使用者の足の甲及び足首周りを被覆する。アッパー部10は、厚手の布、合成皮革、ゴム材やEVAウレタン材等により構成される。ソール部11は、所謂、靴底であり、使用者の足の裏に当接する足形の形状の部材である。履物1は、ソール部11の外周部にアッパー部10を縫合或いは接着剤によって固定することによって構成される。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるソール部11の外観を示す説明図であり、図3(a)は図2からアッパー部10を除いた図であり、図3(b)は図3(a)の平面図である。
【0035】
ソール部11は、外部に配置されるアウターソール部12と、アウターソール部12上でかつアッパー部10の内側に配置されるインナーソール部13と、前緒部20と、を備えている。
【0036】
アウターソール部12は、ゴム材やEVAウレタン材等によって構成され、足の外周をかたどってなる平板状の部材である。
【0037】
インナーソール部13は、ゴム材やEVAウレタン材等によって構成され、アウターソール部12よりも一回り小さい所定の厚みを有する平板状の部材である。インナーソール部13は、アウターソール部12と同じ部材で構成しても異なる部材で構成してもよいが、厚さ方向に大きく変形しにくい部材であることが望ましい。インナーソール部13は、使用者の踵が載せられる踵部13aと、使用者のつま先が載せられるつま先部13bと、を備えている。
【0038】
前緒部20は、布や合成樹脂によって構成され、インナーソール部13のつま先部13bに配置されている。具体的に、前緒部20は、つま先部13bにおける、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びて使用者の足の親指と人差し指とによって挟まれる。
【0039】
なお、前緒部20は、図3においては円柱状に形成されているが、帯状でも紐状でもよく、使用者の足の親指と人差し指とによって挟むことが可能であれば適用可能である。また、図3においては、前緒部20はインナーソール部13から立設しているが、アウターソール部12から立設してもよい。この場合、インナーソール部13のつま先部13bに孔部を形成し、この孔部にアウターソール部12に立設した前緒部20を挿入して、インナーソール部13をアウターソール部12上に載置してもよい。
【0040】
また、インナーソール部13は、アッパー部10の内側においてアウターソール部12に対してずれないことが望ましい。そこで、アウターソール部12に対してインナーソール部13を接着剤等で固定したり、前緒部20の上端部をアッパー部10に接着剤や縫合等で固定したりすることが望ましい。
【0041】
インナーソール部13は、前緒部20に対して小指側に欠落部13cを更に備えている。欠落部13cは、インナーソール部13におけるつま先側の端部からインナーソール部13の長手方向に沿って切れ目を入れ、前緒部20に対して若干小指寄りの部位を通り、足裏の小指側の側部における踵と土踏まずとの境界まで緩やかな弧状に切断することによって形成される。この欠落部13cの部位に、アウターソール部12の厚みとインナーソール部13の上面とによる段差11aが形成される。
【0042】
次に、使用者が履物1を履いた状態について説明する。使用者が履物1を履く際には、例えば、軍足のような足の親指と人差し指との間が分離されている靴下を着用することが望ましい。
【0043】
使用者は、履物1のアッパー部10に足を通し、使用者の足の親指と人差し指との間に前緒部20を挟むことによって履くことができる。このとき、使用者の足首周りがアッパー部10によって覆われるため、履物1が使用者の足から外れ難くなる。
【0044】
使用者が履物1を履いた状態において、使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分と、短小趾屈筋における土踏まずの側方の部分とに欠落部13cが対向する。つまり、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側(内側)と小指側(外側)とに分割した場合に、小指(外側)半分の部位が、欠落部13cに概ね対向する。また、使用者の親指と中指との間に前緒部20を挟めることにより、インナーソール部13の表面から親指と中指及びその付け根付近が離間しにくくなる。これにより、使用者の足裏における小指及びその付け根付近を含む外側領域を、段差11aによって低くなっているソール部11の面に安定して対向させることが可能になる。
【0045】
このため、使用者が履物1を履いて歩行した場合、足裏におけるつま先側の外側半分の部位が段差11aの底面から離間するようになり、使用者の体重は、使用者の足裏の内側側部に集中する。また、使用者は、直立や歩行の際に、欠落部13cが対向している足裏の外側部分が段差11aの底面に付かないように意識を持つようになる。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0046】
このように構成された本実施形態によれば、使用者が履くことにより、使用者の体重が足裏の内側側部に集中するため、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。これにより、使用者はO脚を余り気にせずに歩くことが可能になる。なお、本実施形態によれば、足裏の外側にできた魚の目にスピール膏を貼着した場合、履物1を履くことにより、スピール膏を貼着した部位を段差11aの底面から離間させることができるため、歩行の際にスピール膏がずれたり剥がれたりすることを低減できる効果も期待できる。
【0047】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態における履物2の外観を示す側面図である。なお、図1図2に示す第1の実施形態の履物1における部材と同一の部材もしくは同一機能の部材については同一の符号を伏すことで、詳細な説明は省略する。履物2は、踵ひもが付いたサンダルであり、アッパー部15と、ソール部16と、を備えている。なお、図4は、使用者の左足に履かせる履物2を示しており、右足に履かせる履物2は左足に履かせる履物2に対して左右対称であるため、右足に履かせる履物2についての詳細な説明は省略する。
【0048】
アッパー部15は、ゴム材やEVAウレタン材等によって構成され、使用者の足の甲を被覆する。ソール部16は、所謂、靴底であり、使用者の足の裏に当接する足形の形状である。
【0049】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るソール部16の外観を示す側面図であり、図5(a)は図4からアッパー部15を除いた図であり、図5(b)は図5(a)の平面図である。ソール部16は、外部に配置されるアウターソール部17と、アウターソール部17上でかつアッパー部15の内側に配置されるインナーソール部18と、前緒部20と、を備えている。
【0050】
アウターソール部17は、足の外周をかたどってなる平板状の部材である。アウターソール部17は、アッパー部15と同じゴム材やEVAウレタン材等によって構成されている。アッパー部15とアウターソール部17とは一体成形によって構成されており、アッパー部15はアウターソール部17の踵部を除く外周部に連続している。
【0051】
アッパー部15における使用者の踵側の両側部に、ヒールバンド30の両端部が留め具によって回動自在に取り付けられている。ヒールバンド30は、可撓性を有する帯状部材をU字形に曲げて形成したものである。ヒールバンド30のU字形の中央部は上下方向に揺動可能であり、ヒールバンド30をつま先の入り口となるアーチ形のアッパー部15の縁部上や、アウターソール部17の踵部の縁部上に位置付けることが可能である。使用者が履物2を使用する際には、ヒールバンド30を使用者の踵の上部に配置することによって、履物2が脱げにくくなる。
【0052】
インナーソール部18は、ゴム材やEVAウレタン材等によって構成され、アウターソール部17よりも一回り小さい所定の厚みを有する平板状の部材である。インナーソール部18は、アウターソール部17と同じ部材で構成しても異なる部材で構成してもよいが、厚さ方向に大きく変形しにくい部材であることが望ましい。
【0053】
インナーソール部18は、つま先部18bと、欠落部18cと、欠落部18dと、を備えている。インナーソール部18におけるつま先部18b及び欠落部18cは、図3に示す第1の実施形態に係るインナーソール部13におけるつま先部13b及び欠落部13cに対応し、インナーソール部18における欠落部18dは、図3に示す第1の実施形態に係るインナーソール部13において踵部13aを欠落させた部分である。すなわち、インナーソール部18の形状は、図3に示す第1の実施形態に係るインナーソール部13において、踵部13aを欠落させた形状に一致する。
【0054】
インナーソール部18のつま先部18bに前緒部20が立設される。インナーソール部18における前緒部20の立設位置は、図3に示す第1の実施形態に係るインナーソール部13における前緒部20の立設位置と同じである。
【0055】
アウターソール部17上にインナーソール部18が載置された場合に、欠落部18c、18dの部位に、アウターソール部17の厚みとインナーソール部18の上面とによる段差16a、16bが形成される。
【0056】
使用者が履物2を履いた際に、使用者のつま先側の外側半分の部位が欠落部18cに概ね対向するとともに、踵の部位が欠落部18dに対向する。
【0057】
このため、図3に示す第1の実施形態の履物1と同様に、使用者が履物2を履いて歩行した場合、欠落部18cが対向している足裏におけるつま先側の外側半分の部位が段差11aの底面から離間するため、使用者の体重は、使用者の足裏の内側側部に集中する。このため、使用者は、直立や歩行の際に、欠落部18cが対向している足裏の外側部分が段差11aの底面に付かないように意識を持つようになる。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0058】
しかも、履物2は欠落部18dを有することにより、使用者はつま先立ちで歩くような格好になり、履物2を履いて歩くことよって、自然にふくらはぎ、太腿の裏から尻にかけての筋肉を鍛錬することが可能になる。なお、欠落部18dの領域で使用者の踵が上下しやすくなるが、ヒールバンド30も上下しやすいため靴擦れを起こすことが低減できる。
【0059】
[第2の実施形態の変形例]
図6は、本発明の第2の実施形態の変形例における履物3の外観を示す側面図であり、図6(a)は側面図、図6(b)は正面図である。なお、図4に示す第2の実施形態の履物2における部材と同一の部材もしくは同一機能の部材については同一の符号を伏すことで、詳細な説明は省略する。
【0060】
履物3は、図4に示す第2の実施形態の履物2のアッパー部15に孔部15aを形成し、インナーソール部18に孔部18eを形成し、前緒部20を棒状に形成したものである。
【0061】
孔部15a及び孔部18eは、アッパー部15及びインナーソール部18における使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成されている。
【0062】
インナーソール部18は、アウターソール部17に対して挿脱自在な、所謂中敷きとして機能する。履物3は、アッパー部15の内側にインナーソール部18を挿入してアウターソール部17上に載置し、外部から前緒部20を孔部15aに挿入し、前緒部20の先端部を孔部18eに嵌合させることによって組み立てられる。
【0063】
このように構成された第2の実施形態の変形例によれば、図4に示す第2の実施形態の履物2における作用効果を奏するとともに、必要に応じてインナーソール部18を取り替えることが可能になる。例えば、インナーソール部18における欠落部18c及び欠落部18dが形成されていない、通常のインナーソール部を使用することが可能になる。或いは、使用によってインナーソール部18が薄くなって段差16a、16bの高さが小さくなった場合に、新たなインナーソール部18に交換することが可能になる。
【0064】
なお、第2の実施形態の変形例は、上述したものに限るものではない。例えば、孔部18eを貫通孔とし、アウターソール部17における孔部18eとの対向部位に、前緒部20の先端部が嵌合可能な凹部を形成してもよい。これにより、アウターソール部17に対してインナーソール部18がずれることを防止することが可能になり、使用者の足裏における小指及びその付け根付近を含む外側領域を段差16aに対向させることが可能になる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態は、上履きや踵ひも付きサンダルを例として説明したが、カジュアルシューズ、革靴等に適用することも可能である。
【0066】
また、アウターソール部12におけるインナーソール部13の欠落部13cの領域、或いはアウターソール部17におけるインナーソール部18の欠落部18c、18dの領域に凹部を形成することにより、段差11aあるいは段差16a、16bを深くしてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態においては、アウターソール部12とインナーソール部13、或いはアウターソール部17とインナーソール部18を別体としたが、一体成形によって一体的に構成してもよい。
【0068】
また、図7に示すようにインナーソール部13或いはインナーソール部18に前緒部20を取り付けることによって独立した中敷きとして構成し、既存の上履きや踵ひも付きサンダル、更にはカジュアルシューズ、革靴等に挿入して用いてもよい。これにより、使用者の脚の重心を内側に補正することが可能になり、使用者がO脚であれば、使用者の膝の間隔を狭くすることが可能になる。
【0069】
また、本実施形態においては前緒部20が設けられているが、本実施形態においてはアッパー部10が使用者の足の甲及び足首周りを被覆しているため、使用者の足の甲とインナーソール部13とのずれが少ない。これにより、例えば、図8に示すように、図3に示す第1の実施形態における前緒部20を省略したり、図9に示す第2の実施形態の変形例における前緒部20、孔部15a及び孔部18eを省略したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1、2、3 履物
10、15 アッパー部
11、16 ソール部
11a、16a、16b 段差
12、17 アウターソール部
13、18 インナーソール部
13a 踵部
13b、18b つま先部
13c、18c 欠落部
15a 孔部
18d 欠落部
18e 孔部
20 前緒部
30 ヒールバンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向る部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、履物に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、このような要望に応え、O脚を補正する機能を有する履物を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
(I) 使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
(II) (I)の履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
(III) (I)、(II)の履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
(IV) (I)~(III)の履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
(I) 使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
(II) (I)の履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
(III) (I)、(II)の履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
(IV) (I)~(III)の履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と人差し指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
【請求項2】
請求項1に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載した履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
(I) 使用者の足が載せられるソール部と、当該ソール部の外周部に固定され、前記ソール部に載せられた少なくとも足の甲を包み込むアッパー部と、を備えた履物であって、
前記ソール部は、
外部に配置されるアウターソール部と、当該アウターソール部上でかつ前記アッパー部の内側に配置されるインナーソール部と、を有し、
前記インナーソール部は、少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成された第1の欠落部と、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第1の孔部と、を有し、
前記第1の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第1の段差が形成され、
前記アウターソール部は、前記第1の孔部に対向する部位に形成された凹部を有し、
前記アッパー部は、使用者の親指の付け根部分と中指の付け根部分との間の部位に対向する部位に形成された第2の孔部を有し、
少なくとも使用者の足の中指、薬指、小指及びこれらの付け根部分と、当該付け根部分に対して踵寄りに位置する母趾内転筋横頭の部分とに対向する部位であって、足裏を土踏まず付近でつま先側と踵側とに2分割し、このうちつま先側を更に親指側の内側半分と小指側の外側半分とに分割した場合に、前記外側半分に対向する部位に形成され、当該部位を使用者の親指及び中指及びこれらの付け根部分に対向する部位よりも低くする前記第1の段差を有し、
使用者の親指の付け根部分と人差し指の付け根部分との間の部位に立設され、上下方向に延びる棒状の前緒部を更に有し、
前記前緒部の先端部は、外側から前記第2の孔部に挿入され、前記第1の孔部に挿入されて前記凹部に嵌合することを特徴とする履物。
(II) (I)の履物であって、
前記インナーソール部は、使用者の踵に対向する部位に形成された第2の欠落部を有し、
前記第2の欠落部と前記アウターソール部の上面とによって第2の段差が形成されることを特徴とする履物。
(III) (I)、(II)の履物であって、
前記インナーソール部は、前記アウターソール部に対して着脱自在であることを特徴とする履物。
(IV) (I)~(III)の履物であって、
前記アッパー部における使用者の踵側の両側部に、両端部が留め具によって回動自在に取り付けられ、使用者の踵の上部に配置可能なU字形のバンドを更に備えることを特徴とする履物。