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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128756
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20240913BHJP
   G11C 16/10 20060101ALI20240913BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240913BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240913BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G11C7/10 515
G11C16/10 170
G11C16/04 170
H10B43/27
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037935
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳一
(72)【発明者】
【氏名】上原 一人
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 是裕
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225CA01
5B225DE20
5B225EA05
5B225EK07
5B225EK10
5B225FA02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA01
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】高速に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1及び第2制御信号が入力される第1及び第2制御信号パッドと、データ信号が入出力されるデータ信号パッドと、複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルアレイとを備えるメモリチップを備える。半導体記憶装置は、第1制御信号を第1の状態とし、第2制御信号を第1の状態とすると、データ信号としてユーザデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第2の状態とし、第2制御信号を第1の状態とすると、データ信号としてコマンドデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第1の状態とし、第2制御信号を第2の状態とすると、データ信号としてアドレスデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第2の状態とし、第2制御信号を第2の状態とすると、データ信号としてステータスデータを出力するステータスアウト動作を実行する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御信号が入力される第1制御信号パッドと、
第2制御信号が入力される第2制御信号パッドと、
データ信号が入出力されるデータ信号パッドと、
複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルアレイと
を備えるメモリチップを備え、
前記第1制御信号を第1の状態とし、前記第2制御信号を前記第1の状態とすると、前記データ信号としてユーザデータを入力可能な状態となり、
前記第1制御信号を第2の状態とし、前記第2制御信号を前記第1の状態とすると、前記データ信号としてコマンドデータを入力可能な状態となり、
前記第1制御信号を前記第1の状態とし、前記第2制御信号を前記第2の状態とすると、前記データ信号としてアドレスデータを入力可能な状態となり、
前記第1制御信号を前記第2の状態とし、前記第2制御信号を前記第2の状態とすると、前記データ信号としてステータスデータを出力するステータスアウト動作を実行する
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ステータスデータは、
前記メモリチップが、レディ状態又はビジー状態のいずれの状態であるかを示す情報と、
前記メモリチップの内部動作が正常に完了したか否かを示す情報と
を含む請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記内部動作は、前記メモリセルトランジスタに対する書込動作及び消去動作である
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリチップは、前記ステータスアウト動作において、前記データ信号パッドから前記ステータスデータを出力可能である
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
複数の前記メモリチップを備え、
前記第1制御信号を前記第2の状態とし、前記第2制御信号を前記第2の状態とすると、前記複数のメモリチップのうち、前記ステータスアウト動作の実行前に最後に内部動作を実行した1つが、前記ステータスアウト動作を実行する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記内部動作は、前記メモリセルトランジスタに対する書込動作及び消去動作である
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
複数の前記メモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、チップ選択信号が入力される一又は複数のチップ選択信号パッドを備え、
前記チップ選択信号は、前記複数のメモリチップのうちの1つを選択する信号であり、
前記第1制御信号を前記第2の状態とし、前記第2制御信号を前記第2の状態とすると、前記複数のメモリチップのうち、前記チップ選択信号に対応する1つが、前記ステータスアウト動作を実行する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
複数の前記メモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、チップ選択データを保持可能なフィーチャレジスタを有し、
前記チップ選択データは、前記複数のメモリチップが、それぞれ選択状態であるか非選択状態であるかを示すデータであり、
前記第1制御信号を前記第2の状態とし、前記第2制御信号を前記第2の状態とすると、前記複数のメモリチップのうち、前記チップ選択データが選択状態である1つが、前記ステータスアウト動作を実行する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
データ信号が入出力されるデータ信号パッドと、
第1ステータス信号が出力される第1ステータス信号パッドと、
第2ステータス信号が出力される第2ステータス信号パッドと、
複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルアレイと、
を備えるメモリチップを備え、
前記第1ステータス信号は、前記メモリチップが、レディ状態又はビジー状態のいずれの状態であるかを示す信号であり、
前記第2ステータス信号は、前記メモリチップの内部動作が正常に完了したか否かを示す信号である
半導体記憶装置。
【請求項10】
前記内部動作は、前記メモリセルトランジスタに対する書込動作及び消去動作である
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記メモリチップは、前記第1ステータス信号パッドから前記第1ステータス信号を出力し、且つ、前記第2ステータス信号パッドから前記第2ステータス信号を出力した状態で、前記データ信号パッドにおいてユーザデータを入出力可能である
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記メモリチップは、
前記第1ステータス信号パッド及び前記第2ステータス信号パッドの一方に接続され、データを入力する入力回路と、
前記第1ステータス信号パッド及び前記第2ステータス信号パッドの前記一方に接続され、データを出力する出力回路と
を備える請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
複数の前記メモリチップを備え、
前記複数のメモリチップのうち、最後に内部動作を実行した1つから、前記第1ステータス信号及び前記第2ステータス信号が出力される
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記内部動作は、前記メモリセルトランジスタに対する書込動作及び消去動作である
請求項13記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
複数の前記メモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、チップ選択信号が入力される一又は複数のチップ選択信号パッドを備え、
前記チップ選択信号は、前記複数のメモリチップのうちの1つを選択する信号であり、
前記複数のメモリチップのうち、前記チップ選択信号に対応する1つから、前記第1ステータス信号及び前記第2ステータス信号が出力される
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
複数の前記メモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、チップ選択データを保持可能なフィーチャレジスタを有し、
前記チップ選択データは、前記複数のメモリチップが、それぞれ選択状態であるか非選択状態であるかを示すデータであり、
前記複数のメモリチップのうち、前記チップ選択データが選択状態である1つから、前記第1ステータス信号及び前記第2ステータス信号が出力される
請求項9記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1信号が入力される第1信号パッドと、第2信号が入力される第2信号パッドと、データ信号が入出力されるデータ信号パッドと、複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルアレイと、を備えるメモリチップを備えた、半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-176309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1制御信号が入力される第1制御信号パッドと、第2制御信号が入力される第2制御信号パッドと、データ信号が入出力されるデータ信号パッドと、複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルアレイとを備えるメモリチップを備える。半導体記憶装置は、第1制御信号を第1の状態とし、第2制御信号を第1の状態とすると、データ信号としてユーザデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第2の状態とし、第2制御信号を第1の状態とすると、データ信号としてコマンドデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第1の状態とし、第2制御信号を第2の状態とすると、データ信号としてアドレスデータを入力可能な状態となり、第1制御信号を第2の状態とし、第2制御信号を第2の状態とすると、データ信号としてステータスデータを出力するステータスアウト動作を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
図2】第1実施形態に係るメモリパッケージPKGの構成例を示す模式的な斜視図である。
図3】第1実施形態に係るコントローラCDの構成例を示す模式的なブロック図である。
図4】第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図5】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図6】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的なブロック図である。
図8】メモリダイMDの外部制御端子の役割を説明するための真理値表である。
図9】メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
図10】メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
図11】メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
図12】ステータスリードAについて説明するための模式的な波形図である。
図13】メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
図14】ステータスリードBについて説明するための模式的な波形図である。
図15】メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
図16】第1実施形態の変形例1について説明するための模式的なブロック図である。
図17】第1実施形態の変形例1について説明するための模式的な斜視図である。
図18】第1実施形態の変形例1について説明するための模式的な波形図である。
図19】第2実施形態について説明するための模式的なブロック図である。
図20】第2実施形態について説明するための模式的なブロック図である。
図21】第2実施形態について説明するための模式的な波形図である。
図22】第2実施形態の変形例1について説明するための模式的な波形図である。
図23】第2実施形態の他の例について説明するための模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリカード、SSD等の、メモリダイ(メモリチップ)、及び、コントローラを含む構成を意味する事がある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイ(メモリチップ)を意味する事がある。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0012】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0013】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、読出動作、書込動作、消去動作等を実行する。メモリシステム10は、例えば、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリパッケージPKG0,PKG1と、これら複数のメモリパッケージPKG0,PKG1及びホストコンピュータ20に接続されるコントローラCDと、を備える。尚、以下の説明においては、メモリパッケージPKG0,PKG1を、メモリパッケージPKGと呼ぶ場合がある。
【0014】
図2は、本実施形態に係るメモリパッケージPKGの構成例を示す模式的な斜視図である。説明の都合上、図2では一部の構成を省略する。
【0015】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリパッケージPKGは、実装基板MSBと、実装基板MSBに積層された複数のメモリダイMD0~MD7と、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の一部の領域は接着剤等を介してメモリダイMD0の下面に接着されている。メモリダイMD0~MD7の上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の領域は接着剤等を介して他のメモリダイMD1~MD7に接着されている。メモリダイMD7の上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられている。尚、以下の説明においては、メモリダイMD0~MD7を、メモリダイMDと呼ぶ場合がある。
【0016】
メモリダイMDに設けられた複数のパッド電極Pのうちの一つは、外部制御端子/CEとして機能する。また、メモリダイMDに設けられた複数のパッド電極Pのうちのいくつかは、チップアドレス設定端子CADDとして機能する。外部制御端子/CE及びチップアドレス設定端子CADDは、メモリパッケージPKG中の複数のメモリダイMDから、1のメモリダイMDを特定するために使用される。
【0017】
複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、外部制御端子/CEとして機能するものは、ボンディングワイヤBによって共通に接続されている。尚、図1には、メモリパッケージPKG0に対応する外部制御端子/CEを外部制御端子/CE0と、メモリパッケージPKG1に対応する外部制御端子/CEを外部制御端子/CE1として示している。外部制御端子/CE0及び外部制御端子/CE1には、お互いに異なる信号を入力することが可能である。
【0018】
図2に示す様に、複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、チップアドレス設定端子CADDとして機能するものは、お互いに異なるパターンで、ボンディングワイヤBに接続されている。例えば、図2の例では、1つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0~MD3に接続され、メモリダイMD4~MD7には接続されていない。また、2つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0,MD2,MD4,MD5に接続され、メモリダイMD1,MD3,MD6,MD7には接続されていない。また、3つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0,MD3,MD5,MD6に接続され、メモリダイMD1,MD2,MD4,MD7には接続されていない。尚、図1に示す様に、チップアドレス設定端子CADDは、全て、電源電圧が供給される電圧供給線VCCPに接続されている。
【0019】
図2に示す様に、複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、それ以外の端子として機能するものは、それぞれ、対応する端子毎にボンディングワイヤBによって共通に接続されている。尚、図1に示す様に、これら複数のボンディングワイヤBは、メモリパッケージPKG0,PKG1の間で共通に接続されている。これら複数の端子には、お互いに異なる信号を入力したり、電圧を供給したりすることが可能である。
【0020】
図3は、本実施形態に係るコントローラCDの構成例を示す模式的なブロック図である。説明の都合上、図3では一部の構成を省略する。
【0021】
コントローラCDは、ホストコンピュータ20からの指示に従い、メモリパッケージPKG0,PKG1の読出動作、書込動作等を実行する。コントローラCDは、RAM(Random Access Memory)11、プロセッサ12、ホストインターフェイス回路13、ECC(Error Check and Correction)回路14、及び、メモリインターフェイス回路15を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス回路13、ECC回路14、及び、メモリインターフェイス回路15は、互いに内部バス16で接続される。
【0022】
ホストインターフェイス回路13は、ホストコンピュータ20からの指示、ホストコンピュータ20から受信したユーザデータ等を内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス回路13は、メモリパッケージPKG0,PKG1から出力されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答等をホストコンピュータ20へ送信する。
【0023】
メモリインターフェイス回路15は、プロセッサ12の指示に基づいて、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する書込動作及び読出動作の制御を実行する。
【0024】
プロセッサ12は、コントローラCDを統括的に制御する。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等を含む。プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からホストインターフェイス回路13を介して指示を受けた場合に、その指示に従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からの指示に従って、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する書込動作をメモリインターフェイス回路15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からの指示に従って、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する読出動作を、メモリインターフェイス回路15へ指示する。
【0025】
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路14は、メモリパッケージPKG0,PKG1から読み出された符号語を復号する。
【0026】
RAM11は、ホストコンピュータ20から受信したユーザデータをメモリパッケージPKG0,PKG1へ記憶させるまでに一時格納したり、メモリパッケージPKG0,PKG1から出力されたデータをホストコンピュータ20へ送信するまでに一時格納したりする。RAM11は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の汎用メモリを含む。
【0027】
尚、図3には、コントローラCDが、ECC回路14とメモリインターフェイス回路15をそれぞれ備える例を示した。しかしながら、ECC回路14は、メモリインターフェイス回路15に内蔵されていても良い。また、ECC回路14は、メモリパッケージPKG0,PKG1に内蔵されていても良い。
【0028】
[メモリダイMDの構成]
図4は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。図5は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。図6は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。図7は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的なブロック図である。説明の都合上、図4図7では一部の構成を省略する。
【0029】
尚、図4、並びに、後に示す図19及び図23には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合と、がある。図4図19、及び、図23において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含んでいる。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含んでいる。尚、図4図19、及び、図23の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0030】
また、図4図19、及び、図23に示す複数の制御端子の横には、入出力方向を示す矢印を図示している。図4図19、及び、図23において、左から右への矢印が付された制御端子は、コントローラCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力に使用可能である。図4図19、及び、図23において、右から左への矢印が付された制御端子は、メモリダイMDからコントローラCDへの、データ又はその他の信号の出力に使用可能である。図4図19、及び、図23において、左右双方向の矢印が付された制御端子は、コントローラCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力、及び、メモリダイMDからコントローラCDへの、データ又はその他の信号の出力の、双方に使用可能である。
【0031】
図4に示す様に、メモリダイMDは、ユーザデータを記憶するメモリセルアレイMCA0,MCA1と、メモリセルアレイMCA0,MCA1に接続された周辺回路PCと、を備える。尚、以下の説明においては、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、メモリセルアレイMCAと呼ぶ場合がある。また、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、プレーンPLN0,PLN1と呼ぶ場合がある。
【0032】
[メモリセルアレイMCAの構成]
メモリセルアレイMCAは、図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0033】
メモリストリングMSは、例えば、ビット線BL及びソース線SLの間にドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC(メモリセルトランジスタ)、及び、ソース側選択トランジスタSTSを備える。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、及び、ソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ事がある。
【0034】
メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのユーザデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0035】
選択トランジスタ(STD、STS)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS)が接続される。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ストリングユニットSUに対応して設けられ、1のストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0036】
メモリセルアレイMCAは、例えば図6に示す様に、半導体基板100の上方に設けられている。尚、図6の例では、半導体基板100とメモリセルアレイMCAとの間に、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrが設けられている。
【0037】
メモリセルアレイMCAは、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO)等のブロック間絶縁層STが設けられる。
【0038】
メモリブロックBLKは、例えば図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0039】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0040】
また、複数の導電層110のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(図5)、及び、これらに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0041】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、それぞれ、ワード線WL(図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0042】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0043】
導電層110の下方には、半導体層112が設けられている。半導体層112は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、半導体層112及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0044】
半導体層112は、ソース線SL(図5)として機能する。ソース線SLは、例えば、メモリセルアレイMCAに含まれる全てのメモリブロックBLKについて共通に設けられている。
【0045】
半導体柱120は、例えば図6に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体柱120は、例えば図6に示す様に、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。また、半導体柱120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲まれており、導電層110と対向している。
【0046】
半導体柱120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域121が設けられている。不純物領域121は、コンタクトCh及びコンタクトCbを介してビット線BLに接続される。
【0047】
ゲート絶縁膜130は、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜、電荷蓄積膜及びブロック絶縁膜を備える。トンネル絶縁膜及びブロック絶縁膜は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜は、例えば、窒化シリコン(Si)等であり、電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜、電荷蓄積膜、及び、ブロック絶縁膜は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と半導体層112との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0048】
尚、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0049】
複数の導電層110のX方向における端部には、複数のコンタクトCCが設けられている。複数の導電層110は、これら複数のコンタクトCCを介して周辺回路PC(図4)に接続されている。図6に示す様に、これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、下端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0050】
[周辺回路PCの構成]
周辺回路PCは、例えば図4に示す様に、メモリセルアレイMCA0,MCA1にそれぞれ接続されたロウデコーダRD0,RD1と、センスアンプSA0,SA1と、を備える。また、周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。尚、以下の説明においては、ロウデコーダRD0,RD1を、ロウデコーダRDと呼び、センスアンプSA0,SA1を、センスアンプSAと呼ぶ場合がある。
【0051】
[ロウデコーダRDの構成]
ロウデコーダRD(図4)は、アドレスデータAdd(図4)をデコードするアドレスデコーダと、アドレスデコーダの出力信号に応じてメモリセルアレイMCAに動作電圧を転送するブロック選択回路及び電圧選択回路、を備える。
【0052】
アドレスデコーダは、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従ってアドレスレジスタADR(図4)のロウアドレスRAを順次参照し、このロウアドレスRAをデコードして、ロウアドレスRAに対応する所定のブロック選択トランジスタ及び電圧選択トランジスタをON状態とし、それ以外のブロック選択トランジスタ及び電圧選択トランジスタをOFF状態とする。
【0053】
[センスアンプSAの構成]
センスアンプSA0,SA1(図4)は、それぞれセンスアンプモジュールSAM0,SAM1と、キャッシュメモリCM0,CM1(データレジスタ)と、を備える。キャッシュメモリCM0,CM1は、それぞれラッチ回路XDL0,XDL1を備える。
【0054】
尚、以下の説明においては、センスアンプモジュールSAM0,SAM1を、センスアンプモジュールSAMと呼び、キャッシュメモリCM0,CM1を、キャッシュメモリCMと呼び、ラッチ回路XDL0,XDL1を、ラッチ回路XDLと呼ぶ場合がある。
【0055】
センスアンプモジュールSAMは、例えば、複数のビット線BL(図5)にそれぞれ対応するセンス回路と、センス回路に接続された複数のラッチ回路等と、を備える。センス回路は、ビット線BLの電圧又は電流を検出し、検出結果を示すデータを出力する。ラッチ回路は、センス回路から出力されたデータ、キャッシュメモリCMから入力されたユーザデータDat等を保持する。
【0056】
キャッシュメモリCMは、複数のラッチ回路XDLを備える。複数のラッチ回路XDLは、それぞれセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。ラッチ回路XDLには、例えば、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータDat又はメモリセルMCから読み出されたユーザデータDatが保持される。
【0057】
キャッシュメモリCMには、カラムデコーダが接続される。カラムデコーダは、アドレスレジスタADR(図4)に保持されたカラムアドレスCA(図4)をデコードし、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路XDLを選択する。
【0058】
尚、これら複数のラッチ回路XDLに保持されるユーザデータDatは、書込動作の際に、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に順次転送される。また、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に含まれるユーザデータDatは、読出動作の際に、ラッチ回路XDLに順次転送される。また、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、図10等を参照して後述するデータアウトの際に、入出力制御回路I/Oに順次転送される。
【0059】
[電圧生成回路VGの構成]
電圧生成回路VG(図4)は、例えば、レギュレータ等の降圧回路及びチャージポンプ回路等の昇圧回路を含む。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電圧供給線を介して、電源電圧が供給される電源端子VCC及び電源端子VPP、並びに、接地電圧が供給される接地端子VSS図4)に接続されている。尚、電源端子VCC、電源端子VPP、及び、接地端子VSSの各々は、例えば、図1図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0060】
電圧生成回路VGは、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従って、メモリセルアレイMCAに対する読出動作、書込動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線に同時に出力する。電圧供給線から出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0061】
[シーケンサSQCの構成]
シーケンサSQC(図4)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータCmdに従い、ロウデコーダRD0,RD1、センスアンプモジュールSAM0,SAM1、及び、電圧生成回路VGに内部制御号を出力する。また、シーケンサSQCは、メモリダイMDの内部動作の状態を示すステータスデータSttを、適宜ステータスレジスタSTRに出力する。
【0062】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。例えば、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号として、トゥルーレディ/トゥルービジー信号と、リードレディ/リードビジー信号と、キャッシュレディ/キャッシュビジー信号と、を生成する。端子RY//BYに出力されるレディ/ビジー信号は、トゥルーレディ/トゥルービジー信号でも良いし、リードレディ/リードビジー信号でも良いし、キャッシュレディ/キャッシュビジー信号でも良い。端子RY//BYに出力されるレディ/ビジー信号は、フィーチャデータFdによって指定可能であっても良い。尚、端子RY//BYは、例えば、図1図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0063】
以下の説明では、端子RY//BYから出力されるレディ/ビジー信号が“H”である状態と“L”である状態とを、それぞれ、レディ状態及びビジー状態と呼ぶ場合がある。また、端子RY//BYから出力されるレディ/ビジー信号が“H”である期間と“L”である期間とを、それぞれ、レディ期間及びビジー期間と呼ぶ場合がある。
【0064】
トゥルーレディ/トゥルービジー信号は、例えば、読出動作、書込動作、消去動作等、メモリセルアレイMCAに対して電圧を供給する動作、及び、後述するセットフィーチャ等の実行中に“L”状態となり、それ以外の場合には“H”状態となる。尚、図10等を参照して後述するデータアウト、後述するステータスリード等の動作を実行しても、トゥルーレディ/トゥルービジー信号は“L”状態にはならない。トゥルーレディ/トゥルービジー信号が“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、トゥルーレディ/トゥルービジー信号が“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。
【0065】
以下の説明では、トゥルーレディ/トゥルービジー信号が“H”である状態と“L”である状態とを、それぞれ、トゥルーレディ状態及びトゥルービジー状態と呼ぶ場合がある。また、トゥルーレディ/トゥルービジー信号が“H”である期間と“L”である期間とを、それぞれ、トゥルーレディ期間及びトゥルービジー期間と呼ぶ場合がある。
【0066】
リードレディ/リードビジー信号は、例えば、読出動作を指示する旨のコマンドを受付可能な場合に“H”状態となり、受付不可能な場合に“L”状態となる。
【0067】
以下の説明では、リードレディ/リードビジー信号が“H”である状態と“L”である状態とを、それぞれ、リードレディ状態及びリードビジー状態と呼ぶ場合がある。また、リードレディ/リードビジー信号が“H”である期間と“L”である期間とを、それぞれ、リードレディ期間及びリードビジー期間と呼ぶ場合がある。
【0068】
キャッシュレディ/キャッシュビジー信号は、例えば、後述するキャッシュリードを指示する旨のコマンドを受付可能な場合に“H”状態となり、受付不可能な場合に“L”状態となる。
【0069】
以下の説明では、キャッシュレディ/キャッシュビジー信号が“H”である状態と“L”である状態とを、それぞれ、キャッシュレディ状態及びキャッシュビジー状態と呼ぶ場合がある。また、キャッシュレディ/キャッシュビジー信号が“H”である期間と“L”である期間とを、それぞれ、キャッシュレディ期間及びキャッシュビジー期間と呼ぶ場合がある。
【0070】
また、シーケンサSQCは、フィーチャレジスタFR(図4)を備える。フィーチャレジスタFRは、フィーチャデータFdを保持するレジスタである。フィーチャデータFdは、例えば、メモリダイMDの制御パラメータ等を含む。フィーチャデータFdは、例えばセットフィーチャの実行により、書き換え可能である。
【0071】
[アドレスレジスタADRの構成]
アドレスレジスタADRは、図4に示す様に、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたアドレスデータAddを保持する。アドレスレジスタADRは、例えば、8ビットのレジスタ列を複数備える。レジスタ列は、例えば、読出動作、書込動作、又は、消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の動作に対応するアドレスデータAddと、次に実行される動作に対応するアドレスデータAddと、を含む複数のアドレスデータAddを保持する。
【0072】
アドレスデータAddは、例えば、カラムアドレスCA(図4)及びロウアドレスRA(図4)を含む。ロウアドレスRAは、例えば、メモリブロックBLK(図5)を特定するブロックアドレスと、ストリングユニットSU及びワード線WLを特定するページアドレスと、メモリセルアレイMCA(プレーン)を特定するプレーンアドレスと、メモリダイMDを特定するチップアドレスと、を含む。
【0073】
尚、チップアドレスは、例えばチップアドレス設定端子CADD(図1図2)によって規定される。以下、この様なチップアドレスを、「ハードチップアドレス」と呼ぶ場合がある。ハードチップアドレスは、メモリパッケージPKG0,PKG1にそれぞれ含まれる8個のメモリダイMDに対応して、8通り付与される。例えば、図2の例では、メモリダイMD0~MD7に、それぞれ、ハードチップアドレスとして、“0,0,0”、“0,1,1”、“0,0,1”、“0,1,0”、“1,0,1”、“1,0,0”、“1,1,0”、“1,1,1”が割り振られている。
【0074】
例えば、メモリパッケージPKG0,PKG1に含まれる16個のメモリダイMDを一つずつ動作させる場合には、外部制御端子/CE0,/CE1の一方に“L”を入力し、他方に“H”を入力した上で、ハードチップアドレスを指定する。例えば、メモリパッケージPKG0中のメモリダイMD1(図1)を指定する場合には、外部制御端子/CE0に“L”を入力し、ハードチップアドレスとして“0,1,1”を入力する。
【0075】
[コマンドレジスタCMRの構成]
コマンドレジスタCMRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたコマンドデータCmdを保持する。コマンドレジスタCMRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、少なくとも1セット備える。コマンドレジスタCMRにコマンドデータCmdが保持されると、シーケンサSQCに制御信号が入力される。
【0076】
[ステータスレジスタSTRの構成]
ステータスレジスタSTRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oへ出力するステータスデータSttを保持する。ステータスレジスタSTRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。
【0077】
ステータスデータSttは、各メモリダイMDの状態を示す、例えば、レディ/ビジーに関する情報、及び、パス/フェイルに関する情報等を含む。レディ/ビジーに関する情報は、例えば、各メモリダイMDにおいて、読出動作、書込動作、又は、消去動作等の内部動作が実行中であるか否かを示す情報である。パス/フェイルに関する情報は、例えば、各メモリダイMDにおいて、前述した内部動作が正常に完了したか否かを示す情報である。
【0078】
ステータスデータSttは、例えば8ビットで構成される。各ビットは、例えば“1”/“0”によって、レディ状態/ビジー状態、フェイル/パス、をそれぞれ示す。
【0079】
ステータスデータSttを構成する8ビットのうち1ビットは、例えば、1ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する直近の書込動作又は消去動作において最後に実行されたベリファイ動作の結果が、パス/フェイルのいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、例えば、1ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する1つ前の書込動作又は消去動作において最後に実行されたベリファイ動作の結果が、パス/フェイルのいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、例えば、複数ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する直近の書込動作又は消去動作において最後に実行されたベリファイ動作の結果が、パス/フェイルのいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、例えば、複数ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する1つ前の書込動作又は消去動作において最後に実行されたベリファイ動作の結果が、パス/フェイルのいずれかであるかを示す。
【0080】
また、ステータスデータSttを構成する8ビットのうち1ビットは、例えば、トゥルーレディ状態/トゥルービジー状態のいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、例えば、リードレディ状態/リードビジー状態のいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、例えば、キャッシュレディ状態/キャッシュビジー状態のいずれかであるかを示す。8ビットのうち1ビットは、ライトプロテクトが有効/無効のいずれかであるかを示す。尚、ステータスデータSttの各ビットに対するこの様な割り当てはあくまでも例示であり、具体的な割り当ては適宜調整可能である。
【0081】
[入出力制御回路I/Oの構成]
入出力制御回路I/O(図4)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSと、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。入出力制御回路I/O(図4)中の各回路は、それぞれ、電源電圧が供給される電源端子VCCQ及び接地端子VSSに接続される。尚、電源端子VCCQは、例えば、図1図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0082】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7、及び、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々は、例えば、図1図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR、コマンドレジスタCMR又はフィーチャレジスタFRに入力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM、ステータスレジスタSTR又はフィーチャレジスタFRからバッファ回路に入力される。データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの機能等については、後述する。
【0083】
入出力制御回路I/O(図4)は、例えば図7に示す様に、データ信号入出力端子DQ0~DQ7、及び、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々に接続された入力回路201及び出力回路202を備える。入力回路201は、例えば、コンパレータ等のレシーバである。出力回路202は、例えば、OCD(Off Chip Driver)回路等のドライバである。
【0084】
[論理回路CTRの構成]
論理回路CTR(図4及び図7)は、複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPと、これら複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPに接続された論理回路と、を備える。論理回路CTRには、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPを介してコントローラCDから外部制御信号が入力され、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0085】
外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPの機能等については、後述する。外部制御端子/WPを介して入力された信号(例えば、ライトプロテクト信号)は、コントローラCDからメモリダイMDへのユーザデータDatの入力の制限等に用いられる。
【0086】
論理回路CTRは、例えば図7に示す様に、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPの各々に接続された入力回路201を備える。尚、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPの各々は、例えば、図1図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0087】
[動作]
次に、メモリダイMDの動作について説明する。
【0088】
メモリダイMDは、読出動作を実行可能に構成されている。読出動作は、センスアンプモジュールSAM(図4)によってメモリセルアレイMCAからユーザデータDatを読み出し、読み出したユーザデータDatをセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に保持し、このユーザデータDatをラッチ回路XDL(図4)に転送する動作である。読出動作において、メモリセルアレイMCAから読み出されたユーザデータDatは、ビット線BL、センスアンプモジュールSAMを介してラッチ回路XDLに転送される。
【0089】
また、メモリダイMDは、図10等を参照して説明する様に、データアウトを実行可能に構成されている。データアウトは、ラッチ回路XDL(図4)に含まれるユーザデータDatをコントローラCD(図1)に出力する動作である。データアウトにおいて、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatはバス配線DB及び入出力制御回路I/Oを介して、コントローラCDに出力される。
【0090】
また、メモリダイMDは、キャッシュリードを実行可能に構成されている。キャッシュリードは、基本的には、読出動作と同様に実行される。ただし、キャッシュリードでは、メモリセルアレイMCAから読み出したユーザデータDatを、別途指示があるまでセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に保持し、ラッチ回路XDL(図4)に転送しない。従って、キャッシュリードは、読出動作の実行後、データアウトの実行前においても、実行可能である。
【0091】
また、メモリダイMDは、書込動作を実行可能に構成されている。書込動作は、コントローラCDから入力されたユーザデータDatをセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に保持し、このユーザデータDatをメモリセルアレイMCA内のメモリセルMCに書き込む動作である。書込動作においては、メモリセルMCの電荷蓄積膜に電子を蓄積するプログラム動作と、メモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで増大したか否かを判定するベリファイ動作とが、1回又は複数回実行される。
【0092】
書込動作の最後に実行されるベリファイ動作においてメモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで増大したと判定された場合、ステータスデータSttを構成する1ビットとしてパスを示す情報が記録される。一方、書込動作の最後に実行されるベリファイ動作においてメモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで増大していないと判定された場合、ステータスデータSttを構成する1ビットとしてフェイルを示す情報が記録される。この様な場合、コントローラCDは、例えば、書込動作が実行されたメモリセルMCを含むメモリブロックBLKを不良ブロックと判定する。不良ブロックと判定されたメモリブロックBLKには、書込動作、消去動作等が実行されない。
【0093】
また、メモリダイMDは、消去動作を実行可能に構成されている。消去動作は、メモリセルアレイMCA内のメモリセルMCに書き込まれたデータを消去する動作である。消去動作においては、メモリセルMCの電荷蓄積膜から電子を引き抜く消去電圧供給動作と、メモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで低下したか否かを判定するベリファイ動作とが、1回又は複数回実行される。
【0094】
消去動作の最後に実行されるベリファイ動作においてメモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで低下したと判定された場合、ステータスデータSttを構成する1ビットとしてパスを示す情報が記録される。一方、消去動作の最後に実行されるベリファイ動作においてメモリセルMCのしきい値電圧が目標値まで低下していないと判定された場合、ステータスデータSttを構成する1ビットとしてフェイルを示す情報が記録される。この様な場合、コントローラCDは、例えば、消去動作が実行されたメモリセルMCを含むメモリブロックBLKを不良ブロックと判定する。不良ブロックと判定されたメモリブロックBLKには、書込動作、消去動作等が実行されない。
【0095】
また、メモリダイMDは、ステータスリード(ステータス情報出力動作)を実行可能に構成されている。ステータスリードは、ステータスレジスタSTR(図4)に含まれるステータスデータSttを、入出力制御回路I/Oを介して、コントローラCD(図1)に出力する動作である。
【0096】
また、メモリダイMDは、セットフィーチャを実行可能に構成されている。セットフィーチャは、フィーチャレジスタFR(図4)にフィーチャデータFdを入力する動作である。セットフィーチャにおいては、入出力制御回路I/O又は論理回路CTRを介して、コントローラCDからフィーチャレジスタFRに、フィーチャデータFdが入力される。
【0097】
[外部制御端子の役割]
図8は、メモリダイMDの外部制御端子の役割を説明するための真理値表である。尚、図8において、“Z”は、“H”及び“L”いずれが入力されても良い場合を示す。“X”は、入力される信号が“H”又は“L”に固定される場合を示す。“Input”は、データの入力を行う場合を示す。“Output”は、データの出力を行う場合を示す。
【0098】
メモリダイMDに対して信号の入出力を行う場合、外部制御端子/CEに“L”を入力する。
【0099】
コマンドデータCmdを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の電圧を、8ビットのコマンドデータCmdの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0100】
外部制御端子CLE,ALEに“H,L”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、コマンドデータCmdとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、コマンドレジスタCMR(図4)に転送される。
【0101】
また、アドレスデータAddを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の電圧を、アドレスデータAddを構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0102】
外部制御端子CLE,ALEに“L,H”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、アドレスデータAddとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、アドレスレジスタADR(図4)に転送される。
【0103】
また、ユーザデータDatを入力するデータインの場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の電圧を、ユーザデータDatを構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える(トグルする)。
【0104】
外部制御端子CLE,ALEの双方に“L”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、ユーザデータDatとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、バスDBを介してキャッシュメモリCM(図4)に転送される。
【0105】
また、ユーザデータDatを出力するデータアウトの場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これに伴い、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に、出力されるユーザデータDatのうちの8ビットが出力される。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。
【0106】
尚、ここで言うデータアウトは、外部制御端子/RE,REの入力信号を1回切り替えることによって、8ビットのデータを出力することを意味する。一方、上述したデータアウト、及び、図10を参照して後述するデータアウトは、キャッシュメモリCM(ラッチ回路XDL)に保持されたユーザデータDatを入出力制御回路I/Oに転送し、更に、外部制御端子/RE,REの入力信号を複数回切り替えることによって、コントローラCDに出力する動作を意味する。
【0107】
また、後述するステータスリードBの場合は、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力する。これに伴い、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に、ステータスデータSttを構成する8ビットが出力される。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。尚、ステータスリードBにおいてステータスデータSttの8ビットを出力する際、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替えて(トグルして)も良いし、切り替えなくて(トグルしなくて)も良い。
【0108】
また、メモリダイMDをスタンバイ状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/CEに“H”を入力する。
【0109】
また、メモリダイMDをバスアイドル状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/WEに“H”を入力する。
【0110】
[読出動作]
次に、読出動作の実行時における外部制御端子の役割について、より具体的に例示する。図9は、メモリダイMDの読出動作について説明するための模式的な波形図である。
【0111】
タイミングt101~タイミングt107においては、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータC101、アドレスデータAdd(図4)を構成するデータA101~A105、及び、コマンドデータC102を、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して順次入力する。コマンドデータC101は、読出動作を指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータC102は、読出動作を指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。尚、図9の例では、読出動作を指示するコマンドセットが、アドレスデータAddを構成する8ビット×5サイクルのデータA101~A105を含んでいるが、サイクル数は5より少なくても多くても良い。
【0112】
タイミングt107においては、外部制御端子/WEに入力される信号の立ち上がりエッジに対応してコマンドデータC102が受け付けられる。これにより、タイミングt108において、読出動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0113】
タイミングt108~タイミングt109においては、読出動作が実行され、メモリセルアレイMCA(図4)から読み出されたユーザデータDatがラッチ回路XDLに転送される。
【0114】
タイミングt109においては、読出動作が終了したタイミングで、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0115】
[データアウト]
次に、データアウトの実行時における外部制御端子の役割について、より具体的に例示する。図10は、メモリダイMDのデータアウトについて説明するための模式的な波形図である。
【0116】
タイミングt141~タイミングt147においては、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータC103、アドレスデータAdd(図4)を構成するデータA101~A105、及び、コマンドデータC104を、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して順次入力する。コマンドデータC103は、データアウトを指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータC104は、データアウトを指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。尚、図10の例では、データアウトを指示するコマンドセットが、アドレスデータAddを構成する8ビット×5サイクルのデータA101~A105を含んでいるが、サイクル数は5より少なくても多くても良い。
【0117】
タイミングt147においては、外部制御端子/WEに入力される信号の立ち上がりエッジに対応してコマンドデータC104が受け付けられる。これにより、タイミングt148において、データアウトが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0118】
タイミングt148~タイミングt149においては、データアウトが実行され、ラッチ回路XDLに保持されたユーザデータDatが入出力回路I/Oに転送される。
【0119】
タイミングt149においては、ラッチ回路XDLに保持されたユーザデータDatが入出力回路I/Oに転送されたタイミングで、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0120】
タイミングt150(図10)において、コントローラCDが外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、タイミングt151(図10)からデータアウトが開始され、ユーザデータDatがデータ信号入出力端子DQを介して出力される。
【0121】
[書込動作]
次に、書込動作の実行時における外部制御端子の役割について、より具体的に例示する。図11は、メモリダイMDの書込動作について説明するための模式的な波形図である。
【0122】
タイミングt201~タイミングt210においては、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータC201、アドレスデータAdd(図4)を構成するデータA201~A205、ユーザデータDatを構成するデータD201~D2XX、及び、コマンドデータC202を、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して順次入力する。コマンドデータC201は、書込動作を指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータC202は、書込動作を指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。尚、図11の例では、書込動作を指示するコマンドセットが、アドレスデータAddを構成する8ビット×5サイクルのデータA201~A205を含んでいるが、サイクル数は5より少なくても多くても良い。
【0123】
タイミングt210においては、外部制御端子/WEに入力される信号の立ち上がりエッジに対応してコマンドデータC202が受け付けられる。これにより、タイミングt211において、書込動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0124】
タイミングt211~タイミングt212においては、書込動作が実行され、ラッチ回路XDLに保持されたユーザデータDatがメモリセルアレイMCAに書き込まれる。
【0125】
タイミングt212においては、書込動作が終了したタイミングで、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0126】
タイミングt213においては、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータC203を、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力する。コマンドデータC203は、ステータスリードを指示するコマンドセットである。
【0127】
タイミングt214においては、コントローラCDが外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、データD211がデータ信号入出力端子DQを介して出力される。データD211は、ステータスデータSttである。
【0128】
[ステータスリードA]
次に、ステータスリードの実行時における外部制御端子の役割について、より具体的に例示する。図12は、ステータスリードについて説明するための模式的な波形図である。
【0129】
タイミングt301(図12)においては、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータC203を入力する。
【0130】
コントローラCDは、コマンドデータC203が入力されてから所定の待機時間後、タイミングt302(図12)から、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。
【0131】
タイミングt303(図12)において、メモリダイMDは、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に、ステータスデータSttを構成する8ビットを出力させる。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。尚、このステータスデータSttは、直前のコマンドにおいて指定したチップアドレスのメモリダイMDに対応する。
【0132】
図13は、メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
【0133】
書込動作の実行中においては、ステータスリードを繰り返し実行して、ステータスデータSttを監視する場合がある。ここで、図13に示す様に、コマンドデータC203はデータ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力され、データD211はデータ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるため、ステータスリードを頻繁に実行すると、これによってデータ信号入出力端子DQ0~DQ7を占有してしまう場合がある。この様なデータ信号入出力端子DQ0~DQ7の占有を緩和することにより、動作の高速化を実現可能な場合がある。
【0134】
そこで、第1実施形態に係るメモリシステム10は、コマンドデータC203を入力することなく、ステータスデータSttを出力する動作を実行可能に構成されている。尚、本明細書では、区別のために、図12等を参照して説明したステータスリードを、「ステータスリードA」と呼ぶ場合がある。また、コマンドデータC203を入力することなくステータスデータSttを出力する動作を、「ステータスリードB」と呼ぶ場合がある。
【0135】
[ステータスリードB]
次に、ステータスリードBの実行時における外部制御端子の役割について、より具体的に例示する。図14は、ステータスリードBについて説明するための模式的な波形図である。
【0136】
タイミングt501においては、コントローラCDは、外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEに“H”を入力し、これら外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEの立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミングで、ステータスリードBが指示される。
【0137】
外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEに“H”が入力されると、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して、ステータスデータSttを構成する8ビットが出力される。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。尚、このステータスデータSttは、直前のコマンドにおいて指定したチップアドレスのメモリダイMDに対応する。
【0138】
図15は、メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
【0139】
図15に示す様に、ステータスリードBでは、コマンドデータC203を入力する必要はなく、外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEに“H”を入力することによってステータスデータSttを出力できる。よって、頻繁にステータスデータSttを出力する場合においても、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の占有率を緩和して、動作の高速化を実現することが可能となる。
【0140】
[第1実施形態の変形例1]
第1実施形態に係るメモリシステム10(図1)においては、ステータスリードBによってステータスデータSttを出力する際、直前のコマンドにおいて指定したチップアドレスのメモリダイMDについてのステータスデータSttを出力する。
【0141】
しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、ステータスリードBの対象となるメモリダイMDを指定する方法は、適宜調整可能である。以下、第1実施形態の変形例1として、チップアドレス設定端子CADDを用いて、ステータスリードBの対象となるメモリダイMDを指定する方法について説明する。
【0142】
図16は、第1実施形態の変形例1について説明するための模式的なブロック図である。図17は、本変形例について説明するための模式的な斜視図である。
【0143】
本変形例に係るメモリシステム10b(図16)は、基本的には第1実施形態に係るメモリシステム10(図1)と同様に構成されている。しかしながら、メモリシステム10b(図16)においては、複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、チップアドレス設定端子CADDとして機能するものは、以下の様に、ボンディングワイヤB1~B3に接続される。
【0144】
例えば、図17の例では、1つ目のボンディングワイヤB1が、メモリダイMD0~MD7のX方向正側から1番目のチップアドレス設定端子CADD(パッド電極P)に共通に接続される。また、2つ目のボンディングワイヤB2が、メモリダイMD0~MD7のX方向正側から2番目のチップアドレス設定端子CADD(パッド電極P)に共通に接続される。また、3つ目のボンディングワイヤB3が、メモリダイMD0~MD7のX方向正側から3番目のチップアドレス設定端子CADD(パッド電極P)に共通に接続される。
【0145】
図16に示す様に、ボンディングワイヤB1、ボンディングワイヤB2、及び、ボンディングワイヤB3は、電圧供給線VCCa、電圧供給線VCCb、及び、電圧供給線VCCcにそれぞれ接続される。電圧供給線VCCa、電圧供給線VCCb、及び、電圧供給線VCCcは、コントローラCDに接続される。
【0146】
電圧供給線VCCa、電圧供給線VCCb、及び、電圧供給線VCCcには、それぞれチップを指定するための電圧Vまたは電圧Vが供給される。例えば、図17の例では、メモリダイMD0~MD7がそれぞれ備える3つのチップアドレス設定端子CADDに、ボンディングワイヤB1~B3を介して、それぞれ、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”、“V,V,V”という8通りの電圧を供給する。電圧Vは、電圧Vよりも大きい。また、電圧Vは接地電圧であっても良い。上記8通りの電圧により、8つのメモリダイMD0~MD7のうち、対応する1つのメモリダイMDを指定できる。
【0147】
図18は、メモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。尚、以下、図18を用いた説明では、メモリダイMD0を対象にした動作を例示するが、対象となる複数のメモリダイMDは、それぞれメモリダイMD0~MD7のいずれであっても良い。
【0148】
図18の例では、書込動作の実行中及び実行後に、コントローラCDが、チップアドレス設定端子CADDにメモリダイMD0を指定する電圧を供給し、外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEに“H”を入力して、ステータスリードBを指示している。これに伴い、ステータスデータSttであるデータD211が、外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEの立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミングと略同時に、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力される。このステータスデータSttは、チップアドレス設定端子CADDにより指定した、メモリダイMD0のステータス情報を含む。
【0149】
図18に示す例では、このステータスデータSttにより、例えばメモリダイMD0の書込動作が終了しているか否か、及び、書込動作が正常に終了したか否か、等を確認することができる。
【0150】
[第1実施形態の変形例2]
第1実施形態の変形例2では、ステータスリードBの対象となるメモリダイMDを指定する、他の方法について説明する。
【0151】
本変形例では、まず、コントローラCDは、各メモリダイMDのフィーチャレジスタFR(図4)に、各メモリダイMDがステータスリードBの出力対象であるか否かを示す情報を格納する。
【0152】
この様な状態で、コントローラCDが、外部制御端子CLE及び外部制御端子ALEに“H”を入力し、ステータスリードBを指示した場合、フィーチャレジスタFR(図4)内に、ステータスリードBの出力対象であるという情報が格納されている1つ又は複数のメモリダイMDから、ステータスデータSttを出力することができる。
【0153】
[第2実施形態]
第1実施形態では、ステータスリードBを用いることで、ステータスリードAと比較して、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の占有を緩和し、より高速にステータスデータSttを出力できる例を示した。
【0154】
しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、データ信号入出力端子DQ0~DQ7の占有を緩和する方法として別の方法を用いても良い。例えば、各メモリダイMDのステータス情報を取得するために、ステータスリードA,BによってステータスデータSttを出力するのではなく、端子RY//BYによりレディ/ビジーに関する情報を出力し、複数の外部制御端子のいずれか(例えば、外部制御端子/WP)によりパス/フェイルに関する情報を出力しても良い。ステータスリードを実行することなく、各メモリダイMDの内部動作情報を得ることができる。
【0155】
以下、第2実施形態として、この様な例について説明する。
【0156】
図19は、第2実施形態について説明するための模式的なブロック図である。図20は、第2実施形態について説明するための模式的なブロック図である。図21は、第2実施形態について説明するための波形図である。
【0157】
本実施形態に係るメモリダイMDb(図19)は、基本的には第1実施形態に係るメモリダイMD(図4)と同様に構成されている。しかしながら、メモリダイMDb(図19)においては、外部制御端子/WPから、パス/フェイルに関する情報を出力可能である。尚、以下、外部制御端子/WPがパス/フェイルに関する情報を出力可能である場合、外部制御端子/WPを端子/WP(PF)と呼ぶことがある。
【0158】
本実施形態に係る論理回路CTRb(図20)は、基本的には第1実施形態に係る論理回路CTR(図7)と同様に構成されている。しかしながら、論理回路CTRb(図20)は、端子/WP(PF)に接続された入力回路201及び出力回路202を備える。
【0159】
図21には、本実施形態に係るメモリダイMDb0に対して書込動作を行う場合における、端子RY//BYからのレディ/ビジーに関する情報の出力と、端子/WP(PF)からのパス/フェイルに関する情報の出力と、を示している。尚、以下図21を用いた説明では、メモリダイMDb0を対象にした動作を例示するが、対象となるメモリダイMDbは、メモリダイMDb0~MDb7のいずれであっても良い。
【0160】
図21の例では、書込動作が終了するタイミングt212において、端子/WP(PF)から、メモリダイMDb0への書込動作が正常に完了したか否かを示すパス/フェイルに関する情報が出力される。尚、このパス/フェイルに関する情報は、直近のタイミングt201~タイミングt210で書込動作を指示したメモリダイMDb0の内部動作に関する情報である。
【0161】
尚、この様に、端子RY//BYからレディ/ビジーに関する情報、端子/WP(PF)からパス/フェイルに関する情報が出力されている間も、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して、コマンドデータ、アドレスデータ、ユーザデータ等を入出力することが可能である。
【0162】
尚、端子/WP(PF)から出力されるパス/フェイルに関する情報としては、出力信号として、例えば、書込動作が正常に完了した場合は“H”、正常に完了しなかった場合は“L”の電圧が出力されても良いし、書込動作が正常に完了した場合は“L”、正常に完了しなかった場合は“H”の電圧が出力されても良い。
【0163】
また、上記では端子/WP(PF)から出力される情報がパス/フェイルに関する情報である例を示した。ここで、端子/WP(PF)に出力される情報は、1ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する上記情報であっても良いし、複数ビットのデータを記憶するメモリセルMCに対応する上記情報であっても良い。また、端子/WP(PF)に出力される情報は、直近の書込動作又は消去動作に対応する上記情報であっても良いし、1つ前の書込動作又は消去動作に対応する上記情報であっても良い。端子/WP(PF)に出力される情報は、フィーチャデータFdによって指定可能であっても良い。また、端子/WP(PF)から出力される情報は、例えば、ステータスデータSttを構成する他の情報であっても良い。また、端子/WP(PF)から出力される情報は、セットフィーチャによって指定可能であっても良い。
【0164】
[第2実施形態の変形例1]
第2実施形態に係るメモリダイMDb(図19)において、端子RY//BY及び端子/WP(PF)から出力される情報(レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報)が、直前のコマンドセットにおいて指定したチップアドレスのメモリダイMDbに対応する。
【0165】
しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報を出力するメモリダイMDbを指定する方法は、適宜調整可能である。以下、第2実施形態の変形例1として、チップアドレス設定端子CADDを用いて、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報を出力するメモリダイMDbを指定する方法について説明する。
【0166】
第2実施形態の変形例1に係るメモリシステムは、第1実施形態の変形例1に係るメモリシステム10b(図16及び図17)と同様に構成される。従って、チップアドレス設定端子CADDに供給する8通りの電圧により、8つのメモリダイMDb0~MDb7のいずれかを指定することが可能である。
【0167】
図22は、第2実施形態の変形例1について説明するための波形図である。尚、以下、図22を用いた説明では、メモリダイMDb0,MDb1を対象にした動作を例示するが、対象となる複数のメモリダイMDbは、それぞれメモリダイMDb0~MDb7のいずれであっても良い。
【0168】
図22の例では、書込動作実行中のタイミングにおいて、コントローラCDが、チップアドレス設定端子CADDへ入力する信号を、メモリダイMDb1を指定する信号から、メモリダイMDb0を指定する信号へ切り替えている。これにより、端子RY//BYから出力される情報は、メモリダイMDb1のレディ/ビジーに関する情報から、メモリダイMDb0のレディ/ビジーに関する情報へ切り替わっている。また、端子/WP(PF)から出力される情報は、メモリダイMDb1の内部動作に関する情報から、メモリダイMDb0の内部動作に関する情報へ切り替わっている。
【0169】
尚、この様に、端子RY//BYからレディ/ビジーに関する情報、端子/WP(PF)からパス/フェイルに関する情報が出力されている間も、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して、コマンドデータ、アドレスデータ、ユーザデータ等を入出力することが可能である。
【0170】
[第2実施形態の変形例2]
第2実施形態の変形例2では、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報を出力するメモリダイMDを指定する、他の方法について説明する。
【0171】
本変形例では、まず、コントローラCDが、各メモリダイMDbのフィーチャレジスタFR(図19)に、各メモリダイMDbが、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報の出力対象であるか否か示す情報を格納する。
【0172】
この様な状態では、フィーチャレジスタFR(図19)内に、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報の出力対象であるという情報が格納されている1つのメモリダイMDbから、端子RY//BY及び端子/WP(PF)を介して、レディ/ビジー及びパス/フェイルに関する情報が出力される。
【0173】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、以上の説明はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0174】
例えば、第2実施形態に係るメモリダイMDbは、パス/フェイルに関する情報を出力する端子として、端子/WP(PF)(図19)を用いていた。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示であり、具体的な方法は適宜調整可能である。
【0175】
図23は、第2実施形態の他の例について説明するための模式的なブロック図である。例えば、図23に示す様に、パス/フェイルに関する情報を出力する端子としては、電源端子VPPを用いても良い。尚、以下、電源端子VPPが入出力端子として機能する場合、電源端子VPPを端子VPP(PF)と呼ぶことがある。端子VPP(PF)を介しては、例えば第1実施形態と同様に、電源電圧が供給される。一方、端子VPP(PF)を介して出力される信号は、各メモリダイMDbの内部動作が正常に完了したか否かを示す、例えば、パス/フェイルに関する情報等を含む。尚、この様な場合、論理回路CTRb(図23)は、端子VPP(PF)に接続された入力回路201及び出力回路202を備える。
【0176】
また、例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、メモリシステム10(図1)及びメモリシステム10b(図16)は、それぞれ複数のメモリパッケージPKGを備え、メモリパッケージPKGは複数のメモリダイMD0~MD7を備えていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、メモリシステム10(図1)及びメモリシステム10b(図16)は、それぞれ1つのメモリパッケージPKGを備え、メモリパッケージPKGは1つのメモリダイMDを備えていても良い。
【0177】
また、例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、外部制御端子CLE,ALE,/CE等に対する機能の割り当てについて例示した。しかしながら、この様な割り当てはあくまでも例示であり、具体的な割り当ては適宜調整可能である。
【0178】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
P…パッド電極、MC…メモリセル、MCA…メモリセルアレイ、MD…メモリダイ、Dat…ユーザデータ、Cmd…コマンドデータ、Add…アドレスデータ、Stt…ステータスデータ、CADD…チップアドレス設定端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23