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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128866
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】運用支援方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240913BHJP
【FI】
G05D1/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038130
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 周平
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301KK04
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】電池で駆動する複数の移動体に効率的にジョブを実行させる。
【解決手段】電池で駆動する複数の移動体50と、複数のジョブを実行させるように複数の移動体50へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置10とを含む運用支援システム1であって、運用支援装置10は、移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する取得部32と、取得されたジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された電池情報に基づいて、複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部36と、複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部38と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、
実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得することと、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、
を含む運用支援方法。
【請求項2】
前記ジョブ情報は、前記ジョブの実行に要する電力を算出するための情報を含み、
前記電池情報は、前記複数の移動体の各々の電池残量を含み、
前記ジョブ情報に基づいて算出される前記ジョブの実行に要する電力と、前記電池情報が示す前記複数の移動体の各々の電池残量とを比較して、前記ジョブの実行を、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる
請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記複数の移動体のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない前記移動体に優先的に割り当てる請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の前記移動体を前記ジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電を実行するように制御することを含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記ジョブ情報は、前記ジョブを実行可能な前記移動体に関する情報を含み、
前記ジョブ情報と、前記複数の移動体の各々の移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記ジョブを実行可能な前記移動体の候補を選定し、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記ジョブを実行可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項6】
前記ジョブ情報は、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するジョブについての前記発生地点及び前記目的地点の位置情報と、前記搬送物の重量とを含み、
前記移動体の搬送可能な搬送物の重量及び搬送可能な領域を含む前記移動体情報を取得することと、
前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な前記移動体の候補を選定することと、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項7】
前記候補の中から、前記ジョブの実行後の電池残量が、前記目的地点から充電箇所までの移動に要する電力以上の移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項6に記載の運用支援方法。
【請求項8】
前記候補が複数存在する場合、前記ジョブの実行に要する電力が最小の前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項9】
前記候補が複数存在する場合、前記移動体情報に基づいて、前記ジョブの完了が最も早い前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項10】
電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように、前記複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置とを含む運用支援システムであって、
前記運用支援装置は、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する取得部と、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部と、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部と、
を含む運用支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用支援方法、及び運用支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AMR(Autonomous Mobile Robot)、AGV(Automatic Guided Vehicle)等の移動体を制御することが行われている。
【0003】
例えば、複数の移動ロボットの充電作業を最適に制御するシステムが提案されている。このシステムは、複数の移動ロボットと、複数のロボットのバッテリの充電を行う充電器と、移動ロボットよりバッテリの充電残量を示す情報を取得し、充電残量に応じて予め設定された複数の優先度のうち適切な優先度を移動ロボット毎に設定し、充電状態に応じて充電が必要な移動ロボットを充電器まで自動走行させて充電作業を行わせる充電制御装置を備える。充電制御装置は、充電器によって充電できる最大数の移動ロボットが充電中であって、新たに充電が必要になった移動ロボットに設定された優先度が、充電中の移動ロボットの優先度よりも高い場合には、充電中の移動ロボットのうち最も低い優先度が設定された充電中の移動ロボットの充電を停止させ、新たに充電が必要となった移動ロボットに充電作業を行わせる(特許文献1)。
【0004】
また、例えば、複数の作業ロボットを同時に運用して作業を行わせる場合において、作業ロボットへの充電を効率的に行う作業ロボットシステムが提案されている。このシステムは、複数の作業ロボットと、充電ロボットとを備え、充電ロボットと作業ロボットの位置情報を取得し、作業ロボットの電池残量と可動時間と残作業時間を取得し、可動時間と残作業時間とに基づいて作業ロボットの充電の要否を判定して判定結果に基づいて今回の充電の対象である対象作業ロボットを決定し、該対象作業ロボットの位置まで移動して該対象作業ロボットに充電する充電指令を生成する。充電ロボットは、充電指令に基づいて対象作業ロボットへの充電を行う(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5168210号公報
【特許文献2】特許第6651159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電池残量だけで充電制御を行うと、ジョブの実行を指示したい移動体が充電中の場合等、生産計画に対して効率的なジョブの実行ができない場合が生じる。また、ジョブを効率的に実行しようとすると、移動体の台数を増やして、生産計画に対して余剰させておくことが必要となってしまう。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、電池で駆動する複数の移動体に効率的にジョブを実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る運用支援方法は、運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得することと、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、を含む。
【0009】
また、本発明に係る運用支援システムは、電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように、前記複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置とを含み、前記運用支援装置は、前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する取得部と、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部と、前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る運用支援方法及びシステムによれば、電池で駆動する複数の移動体に効率的にジョブを実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】運用支援システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】運用支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】運用支援装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】ジョブDBの一例を示す図である。
図5】移動体DBの一例を示す図である。
図6】機種DBの一例を示す図である。
図7】移動体の機能構成の例を示すブロック図である。
図8】運用支援処理の流れを示すフローチャートである。
図9】想定外事象の発生に対する対策を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法及び比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る運用支援システム1は、運用支援装置10と、電池で駆動する複数の移動体50とを含む。運用支援装置10と移動体50の各々とは、無線通信で接続される。運用支援装置10は、MES(Manufacturing Execution System)等の上位システム90とネットワークを介して接続される。運用支援装置10は、複数のジョブを実行させるように、複数の移動体50へのジョブの割り当てを制御する。
【0014】
図2は、運用支援装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、運用支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ14、記憶装置16、入力装置18、出力装置20、記憶媒体読取装置22、及び通信I/F(Interface)24を有する。各構成は、バス26を介して相互に通信可能に接続されている。
【0015】
記憶装置16には、運用支援処理を実行するための運用支援プログラムが格納されている。CPU12は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU12は、記憶装置16からプログラムを読み出し、メモリ14を作業領域としてプログラムを実行する。CPU12は、記憶装置16に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0016】
メモリ14は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置16は、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0017】
入力装置18は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置20は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置20として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置18として機能させてもよい。
【0018】
記憶媒体読取装置22は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。通信I/F24は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0019】
移動体50は、例えば、AMR、AGV等であり、移動体50自体を自走させるための移動機構、電池、作業機構、各種センサ、及び制御部を含む。移動機構は、例えば、車輪、モータ等を含む。作業機構は、例えば、マニピュレータ、リフト、台座等、実行する作業に応じた機構を含む。各種センサは、カメラ、加速度センサ等を含む。制御部のハードウェア構成は、図2に示す運用支援装置10のハードウェア構成と概ね同様であり、CPU、メモリ、記憶装置、通信I/F等を含む。
【0020】
次に、運用支援装置10の機能構成について説明する。図3は、運用支援装置10の機能構成の例を示すブロック図である。図3に示すように、運用支援装置10は、機能構成として、取得部32と、選定部34と、割当部36と、指示部38とを含む。また、運用支援装置10の所定の記憶領域には、ジョブDB(database)40と、移動体DB42と、機種DB44と、マップ情報46とが記憶される。各機能構成は、CPU12が記憶装置16に記憶された運用支援プログラムを読み出し、メモリ14に展開して実行することにより実現される。
【0021】
取得部32は、上位システム90が実行を指示するジョブに関するジョブ情報を上位システム90から取得する。ジョブ情報は、ジョブの実行に要する電力を算出するための情報を含む。また、ジョブ情報は、ジョブを実行可能な移動体に関する情報を含んでもよい。
【0022】
本実施形態では、上位システム90から指示されるジョブが、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するジョブである場合を例に説明する。この場合、ジョブ情報には、例えば、ジョブの実行に要する電力を算出するための情報の一例として、発生地点及び目的地点の位置情報と、ジョブを実行可能な移動体に関する情報の一例として、搬送物の重量とが含まれる。
【0023】
取得部32は、取得したジョブ情報をジョブDB40に記憶する。図4に、ジョブDB40の一例を示す。図4の例では、各行が1つのジョブ情報に相当する。各ジョブ情報には、ジョブの識別情報である「ジョブID」、「発生地点」、「目的地点」、「搬送物重量」等の情報が含まれる。発生地点及び目的地点は、ジョブが実行される領域に対して予め定められた2次元座標位置としてよい。また、搬送物を棚に配置するようなジョブの場合、発生地点及び目的地点として、高さ情報も含む3次元座標位置としてもよい。
【0024】
また、取得部32は、移動体50の各々の電池の状態を示す電池情報を、移動体50の各々から取得する。電池情報は、移動体50に搭載された電池の電池残量を含む。また、取得部32は、移動体50の各々の状態を示すステータス情報を、移動体50の各々から取得する。取得部32は、ステータス情報を取得する都度、後述する移動体DB42の「ステータス」欄を更新する。また、取得部32は、移動体50の各々の位置情報を、移動体50の各々から取得する。
【0025】
選定部34は、ジョブDB40からジョブ情報を1つずつ取り出し、取り出したジョブ情報と、移動体DB42に記憶された複数の移動体50の各々に関する移動体情報とに基づいて、ジョブを実行可能な移動体50の候補を選定する。
【0026】
図5に、移動体DB42の一例を示す。図5の例では、各行が1つの移動体50についての移動体情報に相当する。各移動体情報には、移動体50の識別情報である「移動体ID」、移動体50の機種の機種名、型番等を示す「機種」、移動体50が移動可能な領域を示す「搬送領域」、移動体50の状態を示す「ステータス」等の情報が含まれる。「ステータス」には、移動体50がジョブを割り当てられている状態を示す「ジョブ保有」、ジョブを割り当てられていない状態を示す「ジョブ未保有」、及び移動体50が充電箇所で充電中又は充電箇所へ移動中であることを示す「充電中」がある。なお、充電箇所は、充電ステーションであってもよいし、移動体50が移動する経路に設けられた非接触充電が可能な充電設備の箇所であってもよい。
【0027】
また、「機種」に関連し、機種DB44には、機種毎の消費電力を含む機種情報が記憶されている。図6に、機種DB44の一例を示す。図6の例では、各行が1つの機種についていの機種情報に相当する。機種情報には、その機種の機種名、型番等を示す「機種」、その機種の移動体50が搬送可能な搬送物の重量を示す「可搬重量」、「消費電力」等の情報が含まれる。「消費電力」は、単位移動距離に対する消費電力としてよい。なお、「消費電力」を、単位移動時間に対する消費電力としてもよいし、さらに、搬送する搬送物の重量毎に定めておいてもよい。
【0028】
選定部34は、具体的には、搬送領域が、ジョブ情報に含まれる発生地点から目的地点までの領域を含む移動体情報を移動体DB42から抽出する。また、選定部34は、抽出した移動体情報の機種について、機種DB44を参照して、可搬重量が、ジョブ情報に含まれる搬送物重量以上の機種を特定する。選定部34は、搬送領域に基づいて抽出した移動体情報のうち、可搬重量に基づいて特定した機種の移動体情報が示す移動体50を候補として選定する。
【0029】
なお、ジョブ情報に、ジョブを実行可能な移動体に関する情報として、機種を特定する情報が含まれている場合には、選定部34は、上記の可搬重量に基づく機種の特定に替えて、移動体DB42の「機種」から直接候補を選定すればよい。
【0030】
割当部36は、取得部32により取得されたジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された電池情報に基づいて、複数の移動体50のいずれかに割り当てる。具体的には、割当部36は、ジョブ情報に基づいて算出されるジョブの実行に要する電力と、電池情報が示す移動体50の電池残量とを比較して、選定部34により選定された移動体50のいずれかにジョブの実行を割り当てる。また、割当部36は、移動体の候補のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない移動体50、すなわち、移動体DB42の「ステータス」が「ジョブ未保有」の移動体50に優先的にジョブの実行を割り当てる。
【0031】
より具体的には、割当部36は、候補のうち、ジョブ情報に含まれる搬送物重量の搬送物を発生地点から目的地点まで搬送可能な電池残量を有する移動体50に、ジョブの実行を割り当てる。例えば、割当部36は、候補の移動体50の機種に対応する「消費電力」を機種DB44から取得する。そして、割当部36は、移動体50の現在位置と発生地点との間の距離と、取得した「消費電力」とに基づいて、移動体50の現在位置から発生地点までの移動に要する電力を算出する。距離は直線距離でもよいし、マップ情報46から特定される、移動体50の現在位置から発生地点までの経路に沿った距離でもよい。なお、マップ情報46は、複数の移動体50の搬送領域を包含する領域内の生産設備の配置、充電箇所の位置等の情報を含む地図情報である。
【0032】
同様に、割当部36は、発生地点から目的地点までの距離と、機種DB44の「消費電力」とに基づいて、搬送に要する電力を算出し、上記の発生地点までの移動に要する電力と合算して、ジョブ実行消費電力を算出する。割当部36は、取得部32が取得した電池情報に含まれる電池残量が、ジョブ実行消費電力以上である移動体50にジョブの実行を割り当てる。
【0033】
また、割当部36は、ジョブを実行可能な電池残量を有する移動体50のうち、ジョブの実行後の電池残量が、目的地点から充電箇所までの移動に要する充電消費電力以上の移動体50に、ジョブの実行を割り当ててもよい。
【0034】
また、割当部36は、ジョブを実行可能な電池残量を有する移動体50の候補が複数存在する場合、ジョブ実行消費電力と、充電消費電力との合計が最小の移動体50に、ジョブの実行を割り当てるようにしてもよい。また、割当部36は、ジョブを実行可能な電池残量を有する移動体50の候補が複数存在する場合、移動体情報、機種情報、及びジョブ情報に基づいて、ジョブの完了が最も早い移動体50に、ジョブの実行を割り当てるようにしてもよい。例えば、割当部36は、移動体50の現在地から発生地点までの距離が最短の移動体50を、ジョブの完了が最も早い移動体50として特定してよい。
【0035】
また、割当部36は、ジョブの実行を割り当て可能な移動体50が存在しない場合、ジョブの実行を保留する。具体的には、割当部36は、保留するジョブのジョブ情報をジョブDB40に戻す。なお、割当部36は、ジョブを保留する場合、ジョブを保留することをユーザに通知するようにしてもよい。また、割当部36は、電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の移動体50をジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電対象に指定する。
【0036】
指示部38は、割当部36によりジョブの実行を割り当てられた移動体50へ、割り当てられたジョブのジョブ情報を送信し、割り当てられたジョブを実行するように指示する。また、指示部38は、割当部36により充電対象に指定された移動体50へ、充電を行うように指示する。
【0037】
次に、移動体50の機能構成について説明する。図7は、移動体50の機能構成の例を示すブロック図である。図7に示すように、移動体50は、機能構成として、ステータス送信部52と、位置情報送信部54と、電池情報送信部56と、実行部58とを含む。各機能構成は、CPUが記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより実現される。
【0038】
ステータス送信部52は、運用支援装置10から送信されたジョブ情報を所定の記憶領域に記憶する。ステータス送信部52は、所定の記憶領域にジョブ情報が記憶されている場合には、ステータスを「ジョブ保有」と特定し、ジョブ情報が記憶されていない場合には、ステータスを「ジョブ未保有」と特定する。また、ステータス送信部52は、運用支援装置10から充電を指示されてから、充電が完了するまでの期間のステータスを「充電中」と特定する。ステータス送信部52は、定期的にステータスを特定し、特定したステータスを運用支援装置10へ送信する。なお、ステータスを運用支援装置10へ送信するタイミングは定期的なタイミングに限定されず、運用支援装置10からの問い合わせに応じて送信するようにしてもよい。
【0039】
位置情報送信部54は、運用支援装置10からの問い合わせに応じて、自装置の位置情報を特定する。例えば、位置情報送信部54は、カメラ、加速度センサ等の各種センサにより取得された情報を用いた自己位置推定で得られた位置情報を特定する。なお、位置情報は、GPS(Global Positioning System)、近距離無線通信等で得られたものを特定してもよい。位置情報送信部54は、特定した位置情報を運用支援装置10へ送信する。
【0040】
電池情報送信部56は、電池残量を計測し、運用支援装置10からの問い合わせに応じて、電池残量を示す計測値を運用支援装置10へ送信する。なお、位置情報及び電池情報の送信タイミングは、運用支援装置10からの問い合わせに応じたタイミングに限定されず、定期的なタイミングで送信するようにしてもよい。この場合、運用支援装置10の移動体DB42に、「ステータス」と同様に、「位置情報」及び「電池情報」も記憶する。
【0041】
実行部58は、所定の記憶領域に記憶されたジョブ情報に基づいて、ジョブを実行する。具体的には、実行部58は、ジョブ情報に含まれる発生地点に移動し、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するように自装置を制御する。また、実行部58は、運用支援装置10から充電を指示されている場合には、充電箇所まで移動し、充電を開始するように自装置を制御する。
【0042】
次に、本実施形態に係る運用支援システム1の作用について説明する。図8は、運用支援装置10のCPU12により実行される運用支援処理の流れを示すフローチャートである。CPU12が記憶装置16から運用支援プログラムを読み出して、メモリ14に展開して実行することにより、CPU12が運用支援装置10の各機能構成として機能し、図8に示す運用支援処理が実行される。
【0043】
ステップS10で、取得部32が、上位システム90から取得したジョブ情報、又は、後述するステップS16、S20、若しくはS24で保留されたジョブのジョブ情報を、ジョブDB40に記憶する。
【0044】
次に、ステップS12で、選定部34が、ジョブDB40からジョブ情報を1つ取り出す。ジョブDB40に複数のジョブ情報が記憶されている場合には、選定部34は、最先に記憶されたジョブ情報、優先度が高いジョブ情報等、予め定めたルールに従って選択したジョブ情報を取り出す。
【0045】
次に、ステップS14で、選定部34が、取り出したジョブ情報と、移動体DB42に記憶された複数の移動体50の各々に関する移動体情報とに基づいて、ジョブを実行可能な移動体50の候補を選定する。例えば、図4に示すジョブDB40から、ジョブID=J001のジョブ情報が取り出されたとする。また、ジョブ情報に含まれる発生地点(xs,ys)から目的地点(xg,yg)までを含む範囲が、エリア1に含まれるとする。この場合、選定部34は、図5に示す移動体DB42の搬送領域がエリア1である、移動体ID=M001及びM002の移動体情報を抽出する。選定部34は、抽出した移動体情報の機種に対応する可搬重量を、図6に示す機種DB44から特定し、可搬重量が、ジョブ情報に含まれる搬送物重量以上である機種の移動体情報が示す移動体50を候補として選定する。ここでは、移動体ID=M001及びM002の移動体50が候補として選定される。
【0046】
次に、ステップS16で、割当部36が、移動体DB42を参照して、選定された移動体50の候補のうち、ステータスが「ジョブ未保有」の移動体50の候補が存在するか否かを判定する。ジョブ未保有の候補が存在する場合には、ステップS18へ移行する。一方、ジョブ未保有の候補が存在しない場合には、割当部36は、上記ステップS12で取り出されたジョブ情報が示すジョブを保留し、ステップS10に戻る。ここでは、移動体ID=M002の移動体50の候補がジョブ未保有であるため、ステップS18へ移行する。
【0047】
ステップS18では、割当部36が、ジョブ未保有の候補の機種に対応する「消費電力」を機種DB44から取得する。また、割当部36が、候補の移動体50から位置情報を取得するように取得部32に指示し、取得部32が該当の移動体50から位置情報を取得する。そして、割当部36は、候補の現在位置と発生地点との間の距離と、発生地点から目的地点までの距離と、取得した「消費電力」とに基づいて、ジョブ実行消費電力を算出する。
【0048】
次に、ステップS20で、割当部36が、候補の移動体50から電池情報を取得するように取得部32に指示し、取得部32が該当の移動体50から電池情報を取得する。そして、割当部36が、取得された電池情報に含まれる電池残量が、上記ステップS18で算出したジョブ実行消費電力以上であるか否かを判定することにより、ジョブ情報が示すジョブを実行可能な電池残量を有する候補が存在するか否かを判定する。ジョブを実行可能な電池残量を有する候補が存在する場合には、ステップS22へ移行し、存在しない場合には、割当部36は、上記ステップS12で取り出されたジョブ情報が示すジョブを保留し、ステップS10に戻る。
【0049】
ステップS22では、割当部36が、目的地点から充電箇所までの距離と、上記ステップS18で機種DB44から取得された「消費電力」とに基づいて、充電消費電力を算出する。次に、ステップS24で、割当部36が、ジョブを実行可能な電池残量を有する候補について、電池残量からジョブ実行消費電力を減算して、ジョブの実行後の電池残量を算出する。そして、割当部36が、ジョブの実行後の電池残量が、上記ステップS22で算出した充電消費電力以上であるか否かを判定することにより、ジョブの実行後に充電箇所まで移動可能な電池残量を有する候補が存在するか否かを判定する。充電箇所まで移動可能な電池残量を有する候補が存在する場合には、ステップS26へ移行し、存在しない場合には、割当部36は、上記ステップS12で取り出されたジョブ情報が示すジョブを保留し、ステップS10に戻る。
【0050】
ステップS26では、割当部36が、ジョブの実行後に充電箇所まで移動可能な電池残量を有する候補に、上記ステップS12で取り出したジョブ情報が示すジョブの実行を割り当てる。該当の候補が複数存在する場合には、割当部36は、例えば、上記ステップS18で算出したジョブ実行消費電力と、上記ステップS22で算出した充電消費電力との合計が最小の候補にジョブの実行を割り当てる。
【0051】
次に、ステップS28で、指示部38が、上記ステップS26でジョブの実行を割り当てられた移動体50へ、割り当てられたジョブのジョブ情報を送信し、割り当てられたジョブを実行するように指示し、ステップS10に戻る。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る運用支援システムは、電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように複数の移動体の各々を制御する運用支援装置とを含む。運用支援装置は、移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する。そして、運用支援装置は、取得されたジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された電池情報に基づいて、複数の移動体のいずれかに割り当て、割り当てたジョブを実行させるように指示する。これにより、ジョブの実行中に移動体の電池残量がなくなることを回避して、電池で駆動する複数の移動体の各々に効率的にジョブを実行させることができる。
【0053】
<変形例1>
上記実施形態では、ジョブの実行中に移動体の電池残量がなくなること、すなわち電池切れを回避することを優先させる制御について説明した。変形例1では、電池の長寿命化を優先させるように、ジョブ情報及び電池情報に基づいて、ジョブの実行を複数の移動体のいずれかに割り当てる。具体的には、変形例1に係る運用支援装置は、電池情報として、電池残量の他に、電池の生産日、ロット番号、充放電回数等の電池の寿命に影響を及ぼす情報を取得する。そして、運用支援装置は、取得した電池情報に基づいて、例えば、複数の移動体の各々の電池の充放電回数が均等になるようにジョブの実行を移動体に割り当てることにより、電池の長寿命化を図る。また、変形例1では、充電対象の移動体を判定するための電池残量の閾値を、上記実施形態の場合よりも低くし、充放電回数をなるべく少なくするようにすることで、電池の長寿命化を図るようにしてもよい。
【0054】
<変形例2>
変形例2では、より多くのジョブを実行できるように、ジョブ情報及び電池情報に基づいて、ジョブの実行を複数の移動体のいずれかに割り当てる。具体的には、変形例2に係る運用支援装置は、複数のジョブの実行を複数の移動体に割り当てる場合の複数のパターンを設定する。なお、電池残量が条件を満たす場合には、1つの移動体に複数のジョブの実行を割り当てるようなパターンを設定してもよい。そして、図8に示す運用支援処理のステップS14~S26の処理を、その複数のパターンの各々について実行し、より多くのジョブを実行可能なパターンに基づいて、複数のジョブの各々を複数の移動体に割り当てる。
【0055】
<変形例3>
上記実施形態では、移動体の電池切れを回避するようにジョブの実行を移動体に割り当てることで、移動体によるジョブの実行が中断されることを回避している。これに加え、ジョブの実行が中断される可能性がある想定外の事象を起こさせない対策、及び想定外の事象が起きた際に中断させない対策をとり、移動体によるジョブの実行の中断回避をより強固なものとしてもよい。
【0056】
上記対策について具体的に説明する。図9に示すように、ジョブの計画から実行までの各段階で想定外事象が発生する場合と発生しない場合とを分岐させ、各段階(A~F)で発生し得る想定外事象を特定する。
【0057】
まず、想定外の事象を起こさせない対策について説明する。段階A(計画に基づくジョブ情報の作成)で発生し得る想定外事象は、ジョブの実行中に想定外事象が発生するような計画が作成されることである。この想定外事象に対する予防策としては、計画の更新スパンを短くすること、具体的には、ジョブの最長時間を基準に更新するように計画を修正することが考えられる。
【0058】
また、段階B(ジョブの指示なし)で発生し得る想定外事象は、システム自体の稼働停止、エラー、運用支援装置と移動体間の無線通信の接続エラー等である。この想定外事象に対する予防策としては、無線通信の強度を計測し、有効なアクセスポイントを受け渡すこと等が考えられる。
【0059】
また、段階C(指示内容が誤っている)で発生し得る想定外事象は、存在しないジョブ情報の伝達、発生地点及び目的地点の誤伝達、ジョブと発生地点及び目的地点との誤った紐付け等である。この想定外事象に対する予防策としては、上位システムから取得したジョブ情報をセカンドオピニオン的に別処理で確認する、移動体へ指示を出力する前に別プログラムで再度確認する等が考えられる。
【0060】
また、段階D(指示先(移動体の選定)が誤っている)で発生し得る想定外事象は、移動体の可搬重量を超えた搬送物重量のジョブの割り当て、電池残量不足の移動体へのジョブの割り当て、ジョブに対応した作業機構を有さない移動体へのジョブの割り当て等である。この想定外事象に対する予防策としては、上位システムから取得したジョブ情報をセカンドオピニオン的に別処理で確認する、ジョブ情報を受信した移動体側で、ジョブを実行可能か否かを予測判定して運用支援装置へレスポンスする、処理可能なジョブのデータを移動体側で保有し、処理不可のジョブ情報を受信した際に運用支援装置側へエラーを通知する等が考えられる。
【0061】
また、段階E(内部要因の実行エラー)で発生し得る想定外事象は、センサ、基盤接続、充電等の移動体自体の故障である。この想定外事象に対する予防策としては、移動体の走行履歴、稼働時間、ロット番号等のデータを上位システムに通知しておき、耐久試験等で評価したデータと比較して、故障を予測することが考えられる。また、移動体の周辺環境を検知可能なセンサを移動体又は移動体の移動範囲に設置しておき、これらのセンサに基づいて、外部環境要因による故障を予測することが考えられる。
【0062】
また、段階F(外部要因の実行エラー)で発生し得る想定外事象は、移動体の走行経路に障害物が発生、装置停止や生産性ダウン等の関連工程に起因する事象、天変地異や戦争等の不可抗力である。この想定外事象に対する予防は困難であるため、このような想定外事象が発生した際の対策に役立てるため、通常運用中に走行経路を監視(例えば、カメラで撮影)すること等が考えられる。
【0063】
次に、想定外の事象が起きた際に中断させない対策について説明する。段階Bで発生した想定外事象に対する対応策としては、無線通信が切断しても移動体がジョブの実行を継続するための仕組みを構築しておき、その仕組みへ切り替えることが考えられる。また、段階C及びDで発生した想定外事象に対する対応策としては、ジョブの実行のエラーを移動体から運用支援装置へ通知することが考えられる。また、段階Eで発生した想定外事象に対する対応策としては、移動体が一定時間停止すると他の移動体に支援要求を通知することが考えられる。また、段階Fで発生した想定外事象に対する対応策としては、現場にいる人に支援要求を通知することが考えられる。
【0064】
<その他の変形例>
上記実施形態では、ジョブが、発生地点から目的地点までの搬送物の搬送である場合について説明したが、これに限定されない。移動体が備えるマニピュレータ等の作業機構により実行されるジョブであってもよい。この場合、作業機構による作業の消費電力に基づいて、ジョブの割り当てを行うようにすればよい。
【0065】
また、上記実施形態では、運用支援装置が1つのコンピュータで実現される場合について説明したが、エッジコンピューティングやクラウドコンピューティングのような複数主体で実現されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した運用支援処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、運用支援処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0067】
また、上記実施形態では、運用支援プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USBメモリ等の記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0068】
以下に、本開示に関する付記項を記載する。
【0069】
(付記項1)
運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、
実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得することと、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、
を含む運用支援方法。
【0070】
(付記項2)
前記ジョブ情報は、前記ジョブの実行に要する電力を算出するための情報を含み、
前記電池情報は、前記複数の移動体の各々の電池残量を含み、
前記ジョブ情報に基づいて算出される前記ジョブの実行に要する電力と、前記電池情報が示す前記複数の移動体の各々の電池残量とを比較して、前記ジョブの実行を、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる
付記項1に記載の運用支援方法。
【0071】
(付記項3)
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記複数の移動体のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない前記移動体に優先的に割り当てる付記項1又は付記項2に記載の運用支援方法。
【0072】
(付記項4)
前記電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の前記移動体を前記ジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電を実行するように制御することを含む付記項1~付記項3のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【0073】
(付記項5)
前記ジョブ情報は、前記ジョブを実行可能な前記移動体に関する情報を含み、
前記ジョブ情報と、前記複数の移動体の各々の移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記ジョブを実行可能な前記移動体の候補を選定し、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記ジョブを実行可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む付記項1~付記項4のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【0074】
(付記項6)
前記ジョブ情報は、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するジョブについての前記発生地点及び前記目的地点の位置情報と、前記搬送物の重量とを含み、
前記移動体の搬送可能な搬送物の重量及び搬送可能な領域を含む前記移動体情報を取得することと、
前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な前記移動体の候補を選定することと、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む付記項5に記載の運用支援方法。
【0075】
(付記項7)
前記候補の中から、前記ジョブの実行後の電池残量が、前記目的地点から充電箇所までの移動に要する電力以上の移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる付記項6に記載の運用支援方法。
【0076】
(付記項8)
前記候補が複数存在する場合、前記ジョブの実行に要する電力が最小の前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる付記項5に記載の運用支援方法。
【0077】
(付記項9)
前記候補が複数存在する場合、前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記ジョブの完了が最も早い前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる付記項5に記載の運用支援方法。
【符号の説明】
【0078】
1 運用支援システム
10 運用支援装置
12 CPU
14 メモリ
16 記憶装置
18 入力装置
20 出力装置
22 記憶媒体読取装置
24 通信I/F
26 バス
32 取得部
34 選定部
36 割当部
38 指示部
40 ジョブDB
42 移動体DB
44 機種DB
46 マップ情報
50 移動体
52 ステータス送信部
54 位置情報送信部
56 電池情報送信部
58 実行部
90 上位システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、
実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得することと、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブ情報に基づいて算出されるジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、
を含む運用支援方法。
【請求項2】
前記ジョブ情報は、前記ジョブの実行に要する電力を算出するための情報を含み、
前記電池情報は、前記複数の移動体の各々の電池残量を含み、
前記ジョブ情報に基づいて算出される前記ジョブの実行に要する電力と、前記電池情報が示す前記複数の移動体の各々の電池残量とを比較して、前記ジョブの実行を、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる
請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記複数の移動体のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない前記移動体に優先的に割り当てる請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の前記移動体を前記ジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電を実行するように制御することを含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記ジョブ情報は、前記ジョブを実行可能な前記移動体に関する情報を含み、
前記ジョブ情報と、前記複数の移動体の各々の移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記ジョブを実行可能な前記移動体の候補を選定し、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記ジョブを実行可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項6】
前記ジョブ情報は、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するジョブについての前記発生地点及び前記目的地点の位置情報と、前記搬送物の重量とを含み、
前記移動体の搬送可能な搬送物の重量及び搬送可能な領域を含む前記移動体情報を取得することと、
前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な前記移動体の候補を選定することと、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項7】
前記候補の中から、前記ジョブの実行後の電池残量が、前記目的地点から充電箇所までの移動に要する電力以上の移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項6に記載の運用支援方法。
【請求項8】
前記候補が複数存在する場合、前記ジョブの実行に要する電力が最小の前記移動体に、
前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項9】
前記候補が複数存在する場合、前記移動体情報に基づいて、前記ジョブの完了が最も早い前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項10】
電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように、前記複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置とを含む運用支援システムであって、
前記運用支援装置は、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する取得部と、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブ情報に基づいて算出されるジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部と、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部と、
を含む運用支援システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、
実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得することと、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブ情報に基づいて算出されるジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、を含み、
前記ジョブの実行に要する電力は、少なくとも前記移動体の移動に要する電力を含む、
用支援方法。
【請求項2】
前記ジョブ情報は、前記ジョブの実行に要する電力を算出するための情報を含み、
前記電池情報は、前記複数の移動体の各々の電池残量を含み、
前記ジョブ情報に基づいて算出される前記ジョブの実行に要する電力と、前記電池情報が示す前記複数の移動体の各々の電池残量とを比較して、前記ジョブの実行を、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる
請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記複数の移動体のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない前記移動体に優先的に割り当てる請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の前記移動体を前記ジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電を実行するように制御することを含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記ジョブ情報は、前記ジョブを実行可能な前記移動体に関する情報を含み、
前記ジョブ情報と、前記複数の移動体の各々の移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記ジョブを実行可能な前記移動体の候補を選定し、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記ジョブを実行可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項6】
前記ジョブ情報は、発生地点から目的地点まで搬送物を搬送するジョブについての前記発生地点及び前記目的地点の位置情報と、前記搬送物の重量とを含み、
前記移動体の搬送可能な搬送物の重量及び搬送可能な領域を含む前記移動体情報を取得することと、
前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な前記移動体の候補を選定することと、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項7】
前記候補の中から、前記ジョブの実行後の電池残量が、前記目的地点から充電箇所までの移動に要する電力以上の移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項6に記載の運用支援方法。
【請求項8】
前記候補が複数存在する場合、前記ジョブの実行に要する電力が最小の前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項9】
前記候補が複数存在する場合、前記移動体情報に基づいて、前記ジョブの完了が最も早い前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項10】
電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように、前記複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置とを含む運用支援システムであって、
前記運用支援装置は、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すると共に、実行を指示されたジョブに関するジョブ情報を取得する取得部と、
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブ情報に基づいて算出されるジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部と、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部と、を含み、
前記ジョブの実行に要する電力は、少なくとも前記移動体の移動に要する電力を含む、
用支援システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用支援装置が、複数のジョブを実行させるように、電池で駆動する複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援方法であって、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報を取得すること、
実行を指示されたジョブに関する、ジョブの発生地点及び目的地点の位置情報を含むジョブ情報を取得することと、
前記移動体の位置情報、及び前記移動体の機種に応じた単位移動距離又は単位移動時間に対する消費電力を含む移動体情報を取得することと、
前記移動体の位置情報が示す位置と前記発生地点との間の距離、前記発生地点と前記目的地点との距離、及び前記単位移動距離又は単位移動時間に対する消費電力に基づいて、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行に要する電力を算出し、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報とに基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てることと、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示することと、
を含む運用支援方法。
【請求項2】
記電池情報は、前記複数の移動体の各々の電池残量を含み、
記ジョブの実行に要する電力と、前記電池情報が示す前記複数の移動体の各々の電池残量とを比較して、前記ジョブの実行を、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる
請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記複数の移動体のうち、他のジョブの実行に割り当てられていない前記移動体に優先的に割り当てる請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記電池情報に基づいて、電池残量が予め定めた閾値以下の前記移動体を前記ジョブの実行の割り当てから除外すると共に、充電を実行するように制御することを含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記ジョブ情報は、前記ジョブを実行可能な前記移動体に関する情報を含み、
前記ジョブ情報と、前記移動体情報とに基づいて、前記ジョブを実行可能な前記移動体の候補を選定し、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記ジョブを実行可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項1又は請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項6】
前記ジョブ情報は、前記発生地点から前記目的地点まで搬送物を搬送するジョブについての前記搬送物の重量を含み、
前記移動体情報は、前記移動体の搬送可能な搬送物の重量及び搬送可能な領域を含
前記移動体情報及び前記ジョブ情報に基づいて、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な前記移動体の候補を選定することと、
前記ジョブ情報及び前記電池情報に基づいて、前記候補の中から、前記搬送物を前記発生地点から前記目的地点まで搬送可能な電池残量を有する前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てることと、
を含む請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項7】
前記候補の中から、前記ジョブの実行後の電池残量が、前記目的地点から充電箇所までの移動に要する電力以上の移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項6に記載の運用支援方法。
【請求項8】
前記候補が複数存在する場合、前記ジョブの実行に要する電力が最小の前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項9】
前記候補が複数存在する場合、前記移動体情報に基づいて、前記ジョブの完了が最も早い前記移動体に、前記ジョブの実行を割り当てる請求項5に記載の運用支援方法。
【請求項10】
電池で駆動する複数の移動体と、複数のジョブを実行させるように、前記複数の移動体へのジョブの割り当てを制御する運用支援装置とを含む運用支援システムであって、
前記運用支援装置は、
前記移動体の各々の電池の状態を示す電池情報、実行を指示されたジョブに関する、ジョブの発生地点及び目的地点の位置情報を含むジョブ情報、及び前記移動体の位置情報、及び前記移動体の機種に応じた単位移動距離又は単位移動時間に対する消費電力を含む移動体情報を取得する取得部と、
前記移動体の位置情報が示す位置と前記発生地点との間の距離、前記発生地点と前記目的地点との距離、及び前記単位移動距離又は単位移動時間に対する消費電力に基づいて、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行に要する電力を算出し、取得された前記ジョブ情報が示すジョブの実行を、前記ジョブの実行に要する電力と、取得された前記電池情報に基づいて、前記複数の移動体のいずれかに割り当てる割当部と、
前記複数の移動体のいずれかに、割り当てたジョブを実行させるように指示する指示部と、
を含む運用支援システム。