(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130826
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/35 20210101AFI20240920BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240920BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240920BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/242
H01M50/271 S
H01M50/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040740
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 俊之
(72)【発明者】
【氏名】木村 真一
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H040AA03
5H040AS07
5H040AY10
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でバッテリパック内の空気を排出させる。
【解決手段】バッテリパックは、バッテリと、バッテリを収容するケース部と、を備える。ケース部は、平面部に対して外側に突出したビードと、ビードに連続して設けられバッテリケースの内外を連通させる連続部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリを収容するケース部と、
を備え、
前記ケース部は、
平面部に対して外側に突出したビードと、
前記ビードに連続して設けられ前記ケース部の内外を連通させる連続部と、
を備えるバッテリパック。
【請求項2】
前記ケース部は、上部が開口したバッテリケースと、前記バッテリケースの上部を覆う蓋部とを備え、
前記ビード及び前記連続部は、前記蓋部に形成され、
前記連続部は、前記ビードとは反対側の端部が前記バッテリケースの外縁よりも外側まで伸びるとともに下方向を向くように形成される
請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記ビードは、車両の前後方向に沿って形成され、
前記連続部は、前記ビードにおける前後方向の中央よりも後方側に接続される
請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記連続部は、前記ビードから離隔するに連れて幅が狭くなるとともに、下方向に傾斜するように形成される
請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記ケース部は、上部が開口したバッテリケースと、前記バッテリケースの上部を覆う蓋部と、前記バッテリケース及び前記蓋部の間に設けられ前記ケース部を車体に固定するためのフレームとを備え、
前記ビードは、前記バッテリケースに形成され、
前記フレームは、前記連続部として機能する
請求項1に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリが収納されるバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリパックには、電池収容ケースの上面の後端部に開口が形成されるとともに、開口を覆う排気口カバーが設けられたものが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したバッテリパックでは、電池収容ケースに対して排気口カバーを設ける構成であるため、部品点数が増してしまうとともに、構造が複雑化するといった問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、簡易な構成でバッテリパック内の空気を排出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態に係るバッテリパックは、バッテリと、前記バッテリを収容するケース部と、を備え、前記ケース部は、平面部に対して外側に突出したビードと、前記ビードに連続して設けられ前記バッテリケースの内外を連通させる連続部と、を備える。
これにより、バッテリパックは、ビード及び連続部を介してケース部の内部の空気を排出することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成でバッテリパック内の空気を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】バッテリパックを上後方から見た斜視図である。
【
図4】バッテリパックを下後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.車両の概要構成>
図1は、車両1の構成概要を示した図である。以下では、車両1の進行方向を前方向、車両1の後退方向を後方向、車両1の進行方向に対して右側を右方向、車両1の進行方向に対して左側を左方向、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向として説明する。
【0010】
図1に示すように、車両1は、エンジン2、モータ3、バッテリパック4、インバータ5、送電ケーブル6を備えるハイブリッド自動車である。バッテリパック4は、バッテリ7及びBCU(Battery Control Unit)8等を備える。
【0011】
エンジン2及びモータ3は、車両1を走行させる動力源である。なお、車両1は、動力源としてモータ3のみを備える電気自動車であってもよい。
車両1は、例えば、動力源であるエンジン2及びモータ3からの動力が駆動輪に伝達されることで走行する。
【0012】
エンジン2は、例えば、一対のシリンダ群がクランクシャフトを挟んで左右方向に水平に対向配置された水平対向エンジンである。エンジン2は、ガソリンと空気の混合気をシリンダ内で燃焼させることにより得られる燃焼圧によってピストンを往復動させる。そして、エンジン2は、ピストンにコネクティングロッドを介して接続されたクランクシャフトを回転させることで動力を得る。なお、エンジン2は、直列エンジン、V型エンジン等であってもよい。また、エンジン2は、ディーゼルエンジンであってもよい。
【0013】
モータ3は、例えば三相交流モータである。モータ3は、バッテリ7から送電ケーブル6及びインバータ5を介して供給される電力によって動力を発生させる。
また、モータ3は、回生運転を行うことによって電気(電力)を生成する。モータ3の回生運転によって生成された電気は、インバータ5及び送電ケーブル6を介してバッテリ7に供給される。
【0014】
インバータ5は、バッテリ7から供給される直流電流を三相の交流電流に変換しモータ3に供給する。また、モータ3が回生運転を行う場合、インバータ5は、モータ3から供給される交流電流を直流電流に変換しバッテリ7に供給する。
【0015】
バッテリ7は、二次電池であり、モータ3に供給するための電気を蓄電可能である。バッテリ7は、モータ3による回生運転によって充電される。また、バッテリ7は、不図示の外部装置からの電気供給によって充電されるようにしてもよい。
【0016】
BCU8は、例えばECU(Electronic Control Unit)によって構成されており、バッテリ7の状態を監視し、また、バッテリ7の動作を制御する。BCU8は、バッテリ7の電流、電圧及び温度をそれぞれ測定するセンサが接続されており、これらセンサから測定結果を取得する。そして、BCU8は、センサから取得した測定結果を他のECUに送信したり、センサから取得した測定結果や他のECUの指示に基づいてバッテリ7の動作を制御したりする。
【0017】
図2は、バッテリパック4の配置を説明する図である。なお、
図2では、一部の構成についてハッチングにより断面で示している。
【0018】
図2に示すように、車両1は、後部座席9の後方に荷室10が設けられている。荷室10の下方には、バッテリパック4が搭載されている。バッテリパック4の上部には荷室ボード11が設けられており、荷室ボード11上に荷物等を置くことが可能となっている。なお、バッテリパック4と荷室ボード11との間には不図示のスペーサが介在されており、荷室ボード11はスペーサを介してバッテリパック4の上に置かれている。
【0019】
バッテリパック4は、荷室ボード11の下方であって、上部が開口し凹状に形成されたリヤフロアパネル12内に搭載され車体に固定されている。
【0020】
図3は、バッテリパック4を上後方から見た斜視図である。
図4は、バッテリパック4を下後方から見た斜視図である。
【0021】
図2から
図4に示すように、バッテリパック4は、上記したバッテリ7及びBCU8に加え、フレーム部21、バッテリケース22、蓋部23及び吸気ダクト24を備えている。
【0022】
フレーム部21は、左右方向に沿って配置される前フレーム21a、後フレーム21bと、前後方向に沿って配置される左フレーム21c、右フレーム21dとを含んで構成されている。
【0023】
前フレーム21a及び後フレーム21bは、前後方向に所定間隔だけ離隔して配置される。左フレーム21c及び右フレーム21dは、左右方向に所定間隔だけ離隔して配置されている。そして、フレーム部21は、前フレーム21a、後フレーム21b、左フレーム21c及び右フレーム21dが連結されることで、全体として中央が開口した額縁状に形成される。
【0024】
前フレーム21a、後フレーム21b、左フレーム21c及び右フレーム21dは、例えばアルミニウム等の金属材でなり、下方向に開口するように断面が凸形状に形成されることで剛性が高められている。バッテリパック4は、フレーム部21が車体に不図示の締結ボルト等で締結されることで固定される。
【0025】
フレーム部21の下部には、バッテリケース22が締結ボルト等によって取り付けられている。バッテリケース22は、上部が開口した凹形状に形成されている。バッテリケース22の中には、バッテリ7及びBCU8等が搭載されている。バッテリ7は、バッテリケース22内においてBCU8よりも後方側に搭載されている。バッテリケース22における前方側及び後方側には、バッテリケース22を補強するための補強部材25がそれぞれスポット溶接によって接着されている。
【0026】
フレーム部21の上部には、蓋部23が設けられている。蓋部23は、例えばアルミニウム等の金属材の平板でなり、バッテリケース22の開口を覆う。蓋部23には、複数のビード31が形成されており、ビード31によって剛性が高められている。
【0027】
このように、バッテリパック4では、フレーム部21、バッテリケース22及び蓋部23によって囲まれた空間にバッテリ7及びBCU8が収容されることになる。従って、フレーム部21、バッテリケース22及び蓋部23は、バッテリ7及びBCU8を収容するケース部として機能する。
【0028】
吸気ダクト24は、キャビン内の空気をバッテリパック4(ケース部)へセル冷却のために流入させるためのダクトの一例である。吸気ダクト24は、蓋部23を貫通するように配置されており、一端がバッテリ7の下部に接続されるとともに、他端がキャビン内に向けて開口されている。
【0029】
バッテリパック4では、不図示のファンにより吸気ダクト24を介して空気がバッテリケース22内に流入される。吸気ダクト24を介して流入された空気はバッテリ7を冷却する。そして、バッテリ7を冷却して温められた空気が主に流通構造30、40(
図5、
図6参照)を介してバッテリケース22外に排出される。
【0030】
流通構造30、40は、バッテリ7を冷却して温められた空気を外部に排出するためにバッテリパック4に設けられる。以下では、流通構造30、40について説明する。
【0031】
<2.流通構造30の概要構成>
図5は、
図3におけるV-V断面図である。
図3及び
図5に示すように、流通構造30は、ビード31及び連続部32を含んで構成される。
【0032】
蓋部23には、水平方向に伸びる平面23aから上方向に向かって凸形状となるビード31が形成されている。ビード31は、左右方向に離隔して例えば4個設けられている。ビード31は、前後方向に沿って形成されている。
【0033】
4個のビード31のうち、左右方向の最も外側(最も右側及び最も左側)に配置される2個のビード31には、連続部32がそれぞれ連続して形成されている。従って、流通構造30は、蓋部23の右端部及び左端部にそれぞれ1個ずつで合計2個設けられている。
なお、以下では右側に設けられた流通構造30について説明するが、左側に設けられた流通構造30も同様に構成されている。
【0034】
連続部32は、ビード31のうち前後方向の中央よりも後方側に接続される。連続部32は、全体としてビード31と同様に平面23aから上方向(ケース部の外側)に向かって凸形状となるように形成されている。
【0035】
連続部32においてビード31と接続される接続端部32aは、ビード31と略同一の高さとなっている。また、連続部32は、ビード31から離隔するに連れて前後方向の幅が狭くなるとともに、下方向に傾斜するように形成される。
【0036】
そして、連続部32においてビード31とは反対側の先端部32bは、右フレーム21dの外縁よりも右側(外側)まで伸びている。また、先端部32bは、バッテリケース22の上面及び右フレーム21dの上面よりも下側に位置している。これにより、連続部32の先端部32bと右フレーム21dとの間には、下方向に開口した開口部32cが形成される。
【0037】
次に、流通構造30における空気の流れを説明する。
図5では、空気の流れを白抜き矢印で示している。
【0038】
吸気ダクト24から吸入されバッテリ7を冷却することにより温められた空気は、バッテリケース22の下方から上方に向かって流れ流通構造30に流入する。
【0039】
流通構造30では、ビード31又は連続部32における接続端部32a側から空気が流入する。そして、流入した空気は、連続部32に沿って先端部32b側(開口部32c側)に向かって流れる。このとき、連続部32がビード31から離隔するに連れて幅が狭くなるとともに下方向に傾斜するように形成されているため、連続部32の断面積は、接続端部32aに向かうに連れて小さくなっている。
【0040】
そのため、連続部32に沿って流れる空気は、先端部32bに向かうに連れて流速が上がっていく。従って、流通構造30では、温められた空気を効率よく排出することが可能となる。
【0041】
また、開口部32cが下方向を向いているため、バッテリケース22内への異物の混入を低減することが可能であるとともに、バッテリ7に対する外部からの直接接触を低減することが可能となる。
【0042】
また、開口部32cがバッテリケース22の上端部付近に形成されているので、例えば車両1が浸水したときにもバッテリケース22内に水が侵入しにくくなっている。従って、流通構造30は、バッテリ7が水没し漏電してしまうことを低減することが可能である。
【0043】
<3.流通構造40の概要構成>
図6は、
図3におけるVI-VI断面図である。
図6に示すように、流通構造40は、ビード41及び後フレーム21bを含んで構成される。
【0044】
図3、
図4及び
図6に示すように、バッテリケース22には、外側に向かって凸形状となるビード41が前後左右の側面にそれぞれ複数個設けられており、ビード41によって剛性が高められている。例えば、バッテリケース22の後方側の側面である後面22aには、後方側に凸形状となるビード41が形成されている。ビード41は、上下方向に沿って形成されている。
【0045】
後フレーム21bは、前方側において上下方向に沿って伸びる前面部43、前面部43の上端に接続され前後方向に沿って伸びる上面部44、上面部44の後端に接続され上下方向に沿って伸びた後に後ろ方向に向かって伸びる後面部45によって形成されている。
【0046】
そして、後フレーム21bは、前面部43、上面部44及び後面部45によって囲まれた空間が排気空間42として形成されている。
【0047】
後フレーム21bにおける前面部43の下部と、バッテリケース22の後面22aとは、例えばスポット溶接によって接着されている。そのため、バッテリケース22の後面22aから後方向に凸形状に形成されたビード41は、後フレーム21bの前面部43とは接触していない。
【0048】
そして、バッテリケース22の後面22aから後方向に凸形状に形成されたビード41と、後フレーム21bにおける前面部43の下部との間には、空隙46が形成される。空隙46は、バッテリケース22の内部空間と連通するとともに、排気空間42と連通している。
【0049】
そして、後フレーム21bは、ビード41に連続して形成されバッテリケース22の内外を連通させる連続部として機能する。
【0050】
次に、流通構造40における空気の流れを説明する。
図3及び
図6では、空気の流れを白抜き矢印で示している。
【0051】
吸気ダクト24から吸入されバッテリ7を冷却することにより温められた空気は、バッテリケース22の下方から上方に向かって流れ流通構造40に流入する。
【0052】
流通構造40では、ビード41と後フレーム21bの前面部43との間の空隙46から空気が流入する。そして、流入した空気は、空隙46に沿って上方向に流れ排気空間42に到達する。排気空間42に到達した空気は、後フレーム21b(排気空間42)に沿って右方向又は左方向に流れ、後フレーム21bの右端又は左端から排出される。
【0053】
流通構造40は、排気空間42がバッテリケース22の上端部付近に形成されているので、例えば車両1が浸水したときにもバッテリケース22内に水が侵入しにくくなっている。従って、流通構造40は、バッテリ7が水没し漏電してしまうことを低減することが可能である。
【0054】
また、空隙46が上下方向に沿って形成され、排気空間42が左右方向に沿って形成されているため、バッテリケース22内への異物の混入を低減することが可能であるとともに、バッテリ7に対する外部からの直接接触を低減することが可能となる。
【0055】
<4.変形例>
なお、以上の実施形態は本発明を実施する一例であり、本発明の実施は以上の例に限定されず、各種の変形例が考えられる。
【0056】
例えば、上記した実施形態では、バッテリパック4は、流通構造30及び流通構造40が設けられるようにした。しかしながら、バッテリパック4は、流通構造30及び流通構造40の一方のみが設けられるようにしてもよい。
【0057】
また、上記した実施形態では、流通構造30は、蓋部23において左端部及び右端部にそれぞれ1個ずつ設けられるようにした。しかしながら、流通構造30は、蓋部23において左端部及び右端部のどちらかにのみに設けられるようにしてもよい。また、流通構造30は、蓋部23において左端部及び右端部にそれぞれ複数設けられるようにしてもよい。
但し、バッテリパック4は後部座席9の近傍に設けられており、流通構造30は温められた空気が排出されるため、後部座席9に搭乗する乗員に不快感を与えないために、後部座席9から遠い所に設けられるとよい。従って、流通構造30は、前後方向の中央より後方側に設けられるとよい。
【0058】
また、上記した実施形態では、流通構造40は、フレーム部21を構成する4個のフレームのうちの後フレーム21bを含む構成とされた。しかしながら、流通構造40は、前フレーム21a、後フレーム21b、左フレーム21cを含む構成とされてもよい。
但し、バッテリパック4は後部座席9の近傍に設けられており、流通構造40は温められた空気が排出されるため、後部座席9に搭乗する乗員に不快感を与えないために、後部座席9から遠い所に設けられるとよい。従って、流通構造40は、後フレーム21bを含む構成とするとよい。
【0059】
<5.まとめ>
上記のように実施形態のバッテリパック4は、バッテリ7と、バッテリ7を収容するケース部(フレーム部21、バッテリケース22及び蓋部23)と、を備え、ケース部は、平面部(平面23a、後面22a)に対して外側に突出したビード31、41と、ビード31、41に連続して設けられケース部の内外を連通させる連続部(連続部32、後フレーム21b)と、を備える。
これにより、バッテリパック4は、ケース部の剛性を高めるためのビード31、41を利用し、ビード31、41から連続する連続部32、後フレーム21bを介してケース部の内部の空気を排出させる。
これにより、バッテリパック4は、ケース部の内部の空気を排出させるための部品を追加する必要がないため、部品点数を減らして構成を簡易化することができる。
【0060】
ケース部は、上部が開口したバッテリケース22と、バッテリケース22の上部を覆う蓋部23とを備え、ビード31及び連続部32は、蓋部23に形成され、連続部32は、ビード31とは反対側の端部がバッテリケース22の外縁よりも外側まで伸びるとともに下方向を向くように形成される。
これにより、バッテリパック4は、開口部32cが下方向を向くことになるため、バッテリケース22内への異物の混入を低減することが可能であるとともに、バッテリ7に対して外部からの直接接触を低減することが可能となる。
また、開口部32cがバッテリケース22の上端部付近に形成されているので、例えば車両1が浸水したときにもバッテリケース22内に水が侵入しにくくなっている。従って、流通構造30は、バッテリ7が水没し漏電してしまうことを低減することができる。
【0061】
ビード31は、車両1の前後方向に沿って形成され、連続部32は、ビード31における前後方向の中央よりも後方側に接続される。
これにより、後部座席9から遠い所で空気を排出することが可能となるため、後部座席9に相乗した乗客に温められた空気があたってしまい不快感を与えるおそれを低減することができる。
【0062】
連続部32は、ビード31から離隔するに連れて幅が狭くなるとともに、下方向に傾斜するように形成される。
これにより、連続部32に沿って流れる空気は、接続端部32aに向かうに連れて流速が上がっていく。従って、バッテリパック4は、温められた空気を効率よく排出することができる。
【0063】
ケース部は、上部が開口したバッテリケース22と、バッテリケース22の上部を覆う蓋部23と、バッテリケース22及び蓋部23の間に設けられケース部を車体に固定するためのフレーム(後フレーム21b)とを備え、ビード41は、バッテリケース22に形成され、フレーム(後フレーム21b)は、連続部として機能する。
これにより、バッテリパック4は、ケース部の剛性を高めるためのビード41を利用し、ビード41から連続する後フレーム21bの排気空間42を介してケース部の内部の空気を排出させる。
これにより、バッテリパック4は、ケース部の内部の空気を排出させるための部品を追加する必要がないため、部品点数を減らして構成を簡易化することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 車両
4 バッテリパック
7 バッテリ
21 フレーム部
21b 後フレーム
21d 右フレーム
22 バッテリケース
23 蓋部
30 流通構造
31 ビード
32 連続部
40 流通構造
41 ビード
42 排気空間