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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135457
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体検査装置及び半導体検査方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240927BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20240927BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/60 321Y
G01N21/956 B
G01B11/24 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046148
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志賀 誠
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA51
2F065AA53
2F065CC17
2F065DD02
2F065FF04
2F065JJ09
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065LL04
2F065MM25
2F065PP12
2F065QQ25
2F065RR08
2F065TT03
2G051AA61
2G051AB14
2G051AC15
2G051BA08
2G051BB02
2G051CA04
(57)【要約】
【課題】製造コスト及びサイズを抑制した上で、撮影画像に基づく半導体装置の三次元形状の検査精度を向上する。
【解決手段】光源3,4~6は、検査対象の半導体装置10に対して光を照射する。カメラ1は、光源3~6の少なくともいずれかからの光が照射された半導体装置10の陰影画像を上面側から撮影する。回転機構13は、回転軸を中心とするカメラ1の回転角度θを変化させる。コントローラ10は、回転角度θがそれぞれ異なる複数の状態でカメラ1が半導体装置10を撮影する様にカメラ1及び前記回転機構13を制御して、複数の状態のそれぞれで撮影された複数の二次元画像を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の半導体装置に対して光を照射するための光源と、
前記光源からの光が照射された前記半導体装置の陰影画像を上面側から撮影するためのカメラと、
回転軸を中心とする前記カメラの回転角度を変化させるための回転機構と、
前記回転角度がそれぞれ異なる複数の状態で前記カメラが前記半導体装置を撮影する様に前記カメラ及び前記回転機構を制御して、前記複数の状態のそれぞれで撮影された複数の二次元画像を取得するためのコントローラとを備える、半導体検査装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数の二次元画像を合成して三次元画像を生成し、生成した前記三次元画像と予め定められた良品画像との比較処理に基づく良否判定を実行する、請求項1記載の半導体検査装置。
【請求項3】
前記光源は、前記コントローラからの指令に従って、複数の色を選択的に照射可能に構成され、
前記複数の二次元画像は、前記複数の色のうちの同一色の照射下で撮影される、請求項1又は2に記載の半導体検査装置。
【請求項4】
前記カメラのレンズ倍率の切替機構をさらに備え、
前記コントローラは、検査対象となる前記半導体装置に応じて前記レンズ倍率が選択される様に前記切替機構を制御する、請求項1又は2に記載の半導体検査装置。
【請求項5】
検査対象の半導体装置に対して光源から光を照射するステップと、
前記光が照射された前記半導体装置の陰影画像を上面側に配設されたカメラによって、回転軸を中心とする前記カメラの回転角度がそれぞれ異なる複数の状態で前記半導体装置を撮影するステップと、
前記複数の状態のそれぞれで撮影された複数の二次元画像を取得するステップとを備える、半導体検査方法。
【請求項6】
前記複数の二次元画像を合成して三次元画像を生成するステップと、
生成した前記三次元画像と予め定められた良品画像との比較処理に基づく良否判定を実行するステップとをさらに備える、請求項5記載の半導体検査方法。
【請求項7】
前記光源は、複数の色を選択的に照射可能に構成され、
前記複数の二次元画像は、前記複数の色のうちの同一色の照射下で撮影される、請求項5又は6に記載の半導体検査方法。
【請求項8】
前記カメラは、レンズ倍率を複数の倍率間で切替可能に構成され、
前記半導体検査方法は、
検査対象となる前記半導体装置に応じて前記レンズ倍率を選択するステップをさらに備える、請求項5又は6に記載の半導体検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体検査装置及び半導体検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の検査の一環として、撮影画像を用いて、ワイヤボンディング後におけるワイヤのループ形状、はんだ等の外観の三次元形状の良否を判定することが行われている。例えば、特開平7-37955号公報(特許文献1)には、検査対象であるボンディング済IC(Integrated Circuit)に対して、赤、緑、及び、青のリング照明を照射してカラー画像を撮影して、カラー撮影画像から各色の成分を抽出して2値化処理した2値化パターンを取得することが記載されている。特許文献1では、さらに、良品パターンとのマッチングによって、ワイヤのループ形状に代表される、三次元形状の外観自動検査を行うことが記載されている。
【0003】
さらに、特許文献1には、変形例として、レーザスリット光源からの赤、緑、及び、青の各色の照射を用いて、1~3ワイヤずつ照射するとともに、検査対象が載置されるステージを回転可能とすることで、各色による照射を確実化する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-37955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、カラー画像を撮影するカメラ、及び/又は、回転機構を有するステージの配置が必要となるので、製造コストの上昇又は装置の大型化が懸念される。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、製造コスト及びサイズを抑制した上で、画像撮影に基づく半導体装置の三次元形状の検査精度を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面では、半導体検査装置が提供される。半導体検査装置は、光源と、カメラと、回転機構と、コントローラとを備える。光源は、検査対象の半導体装置に対して光を照射する。カメラは、光源からの光が照射された半導体装置の陰影画像を上面側から撮影する。回転機構は、回転軸を中心とするカメラの回転角度を変化させる様に構成される。コントローラは、回転角度がそれぞれ異なる複数の状態でカメラが半導体装置を撮影する様にカメラ及び回転機構を制御して、複数の状態のそれぞれで撮影された複数の二次元画像を取得する。
【0008】
本開示のある局面では、半導体検査方法が提供される。半導体検査方法は、検査対象の半導体装置に対して光源から光を照射するステップと、光が照射された半導体装置の陰影画像を上面側に配設されたカメラによって、回転軸を中心とするカメラの回転角度がそれぞれ異なる複数の状態で半導体装置を撮影するステップと、複数の状態のそれぞれで撮影された複数の二次元画像を取得するステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、カメラ側を回転させて撮影した複数の二次元画像を合成して生成される三次元画像データを用いて半導体装置の外観検査を高精度で行うことができるので、カラーカメラを不要とし、かつ、半導体装置側を回転させることなく半導体検査装置を構成することで、装置の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る半導体検査装置の概略構成図である。
図2図1に示された光源の構成例を説明するための概略的な断面図である。
図3図1に示されたコントローラの構成例を説明するブロック図である。
図4】本実施の形態に係る半導体検査におけるカメラの制御を説明する概念図である。
図5図4におけるカメラに対する半導体装置の位置関係を説明する概念図である。
図6】本実施の形態に係る半導体検査装置による一連の処理を説明するフローチャートである。
図7】実施の形態2に係る半導体検査装置の要部を説明する概略構成図である。
図8図7に示されたカメラユニットの制御処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1係る半導体検査装置の概略構成図である。
【0013】
図1に示される様に、実施の形態1に係る半導体検査装置100aは、搬送ステージ11の上面側に配設されたカメラユニット20と、カメラユニット20の移動機構12及び回転機構13と、光源3~6と、コントローラ30とを備える。カメラユニット20は、2次元(2D)カメラ1と、レンズ2とを有する。2Dカメラ1は、陰影(白黒のコントラスト)を撮影する白黒カメラで構成することが可能であり、必ずしも、高価格のカラーカメラでなくてもよい。
【0014】
半導体検査装置100aは、搬送ステージ11上の半導体装置10を検査対象とし、当該半導体装置10の外観形状を自動的に検査する。図1の例では、半導体装置10は、搬送ステージ11の台座15に載置されており、リードフレーム9上に固定されたチップ8を有する様に構成される。チップ8上には、ボンディングされたワイヤ7が接続されている。例えば、半導体検査装置100aは、半導体装置10を検査対象として、ワイヤ7の形状検査、チップ8の表面検査、樹脂及びはんだ等の外観検査を実行する。
【0015】
カメラユニット20(カメラ1)は、移動機構12によってx-y平面内を移動可能である。さらに、カメラユニット20(カメラ1)は、移動機構12によって位置決めされたx-y平面内の位置において、回転機構13によって、z軸に沿った回転軸の周りを回転可能に構成されており、回転角度θを可変に調整できる。
【0016】
回転機構13は、例えば、ステッピングモータによって構成できる。一方で、半導体装置10が載置される搬送ステージは、回転機構は備えておらず、x-y平面内の移動機構のみを具備するものとする。あるいは、搬送ステージ11によってカメラ位置をx-y平面内で調整できるので、搬送ステージ11については、一次元方向のみの移動機構を有する様に構成することも可能である。一般的に、搬送ステージ11側に回転機構を持たせるよりも、カメラユニット20(カメラ1)に回転機構を設ける方が、製造コストの低減に有利である。
【0017】
図2は、光源3~6の構成を説明するためのz軸に沿った概略的な断面図である。
図2に示される様に、同軸の光源3は、同軸の白色光COWLを、半導体装置10、特に、チップ8の表面に対して照射する。光源3の点灯(オン)及び非点灯(オフ)は、コントローラ30によって制御される。
【0018】
赤色の光源4、青白の光源5、及び、白色の光源6は、搬送ステージ11の上面側において、リング状の照明として配置される。具体的には、リング形状の光源4~6が同心で多層配置される。
【0019】
したがって、搬送ステージ11上に載置された半導体装置10は、リングの全周方向から赤色光RCL、青色光BCL、及び、白色光WCLの少なくとも1つによって、全周方向から照らされる。
【0020】
本実施の形態では、光源3~6の各々の点灯(オン)及び非点灯(オフ)は、コントローラ30によって、例えば、色別に制御される。照射される色によって、検査対象に生じるコントラストは変化するので、半導体装置10の外観検査項目に応じて、照明の色が好適に選択できる。例えば、ワイヤ形状の検査時には、青色の照明を選択する一方で、樹脂の形状検査時には白色の照明を選択することができる。
【0021】
カメラ1は、搬送ステージ11上に載置された半導体装置10が、光源3~6の少なくとも1つからの光を照射された状態で、移動機構12(x-y平面内の位置)及び回転機構13(回転角度θ)によって決められた位置及び角度で、検査対象である当該半導体装置10の2D画像を取得する。当該2D画像は、カメラ視野内の陰影(白黒のコントラスト)を示す画像である。
【0022】
図3には、図1に示されたコントローラの構成例を説明するブロック図が示される。
図3を参照して、カメラ1によって撮影された2D画像を構成する画像データ(例えば、画像を構成する複数の画素毎の入射光量を示すデータ)は、コントローラ30へ入力される。又、カメラ1によって撮影された画像は、液晶ディスプレイに代表される表示部40にて直接表示することも可能である。
【0023】
コントローラ30は、例えば、パーソナルコンピュータの一機能として構成することができる。或いは、図3ではコントローラ30及びカメラ1(カメラユニット20)を別機器として表記しているが、カメラユニット20に内蔵されたマイクロコンピュータ等によってコントローラ30をカメラユニット20と一体的に構成することも可能である。
【0024】
コントローラ30は、外部とのインターフェイス機能としてのA/D(Analog to Digital)変換器31及びD/A(Digital to Analog)変換器34と、メモリ32と、CPU(Central Processing Unit)33と、データ伝送路としてバス35とを有する。
【0025】
A/D変換器31、メモリ32、CPU33、及び、D/A変換器34は、バス35を経由して、相互にデータ及び信号の授受が可能である。メモリ32は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含んで構成される。例えば、メモリ32は、本実施の形態に係る半導体検査を実行するためのプログラム及び当該プログラムが使用するデータを記憶している。或いは、メモリ32は、当該半導体検査の結果として得られた算出データ(各種パラメータ値、判定結果、及び、加工後の画像データ等)を記憶することも可能である。
【0026】
D/A変換器34は、CPU33で算出された算出データを示すデジタル信号をアナログ電圧信号に変換して、コントローラ30の外部に出力する。これにより、上記算出データが、コントローラ30の出力データとして、コントローラ30の外部機器に供給される。例えば、表示部40は、コントローラ30の出力信号に応じて、半導体装置10の外観検査結果を示す、判定結果(良/否)、定量的なパラメータ値、又は、画像(加工後の3D画像を含む)等を表示することができる。
【0027】
次に、図4及び図5を用いて、本実施の形態に係る半導体検査でのカメラ1の制御を説明する。
【0028】
図4は、カメラユニット20を固定された一方向から見た側面図であり、回転角度θが、0度、90度、180度、及び、270度のときの側面図が(a)~(d)にそれぞれ示されている。
【0029】
図5(a)~(d)には、図4(a)~(d)のそれぞれの回転角度θにおける、カメラ1の基準位置に対する半導体装置10の相対位置を示す、カメラ1から見た平面図が示される。
【0030】
図5(a)~(d)に示される様に、固定された半導体装置10に対して、カメラ1の回転角度θを変化することで、カメラ1に対する半導体装置10の位置関係が変化する。半導体装置10の単一の方向からの撮影画像によって判定を行うと、台座15又はチップ8等の傾きによって陰影が生じた場合には、これによって外観形状を誤って認識する虞がある。
【0031】
これに対して、カメラ1の回転角度θを変えて撮影した複数の画像(2D)を合成して3D画像を生成することで、照明に依存した陰影(コントラスト)を外観形状による陰影(コントラスト)と誤認した、検査対象の3D画像が得られることを防止できる。尚、複数の2D画像データから3D画像データを合成する手法については、公知のアルゴリズムによる演算処理、又は、公知のソフトウェアを任意に選択して適用することが可能である。
【0032】
図6には、本実施の形態に係る半導体検査装置による一連の処理を説明するフローチャートが示される。図6に示された処理は、例えば、図3に示されたコントローラ30において、CPU33が、メモリ32に予め格納されたプログラムを実行することによって実現される。これにより、本実施の形態に係る半導体検査方法を実行することができる。
【0033】
図6を参照して、コントローラ30は、ステップ(以下、単に「S」と表記する)100では、検査対象である半導体装置10の撮影が開始可能か否かを判定する。例えば、搬送ステージ11による半導体装置10の位置決め、及び、移動機構12によるカメラユニット20(カメラ1)の位置決めが完了して、カメラ1による半導体装置10の撮影開始が可能な状況となると、S100がYES判定とされて、S110以降の処理が開始される。一方で、S100がNO判定の間は、S110以降の処理は実行されない。
【0034】
コントローラ30では、S110では、照明の色を決定する。S110では、半導体装置10の外観形状の検査項目(ワイヤ/表面/はんだ等)に応じて、光源3~6の少なくとも一部を選択的に点灯(オン)することで、照明の色が決定される。
【0035】
コントローラ30は、S120では、S110で点灯された光源からの光が照射された状態で、カメラ1によって半導体装置10を撮影して、2D画像の画像データを取得する。例えば、S120での撮影では、回転角度θ=0度である。
【0036】
コントローラ30は、S120による撮影後、コントローラ30は、S130により、回転機構13によってカメラ1を回転させて回転角度θを変化させる。さらに、コントローラ30は、S140により、S130で設定された回転角度θの状態下で、カメラ1によって半導体装置10を撮影して、2D画像の画像データを取得する。
【0037】
コントローラ30は、S150では、回転角度θを変えた全周での撮影が完了したか否かを判定し、全周での撮影が完了するまでは(S150のNO判定時)、S130及びS140の処理を繰り返す。例えば、図5の(a)~(d)の状態の全ての撮影が完了すると、S150はYES判定とされる。尚、S150がYES判定とされるまでの回転角度θの設定パターンは任意であり、任意の複数回にわたった任意の異なる回転角度での2D画像を撮影することができる。
【0038】
コントローラ30は、全周での撮影が完了すると(S150のYES判定時)、S160により、異なる回転角度θの下で撮影された複数の2D画像を合成することによって、3D画像を生成する。
【0039】
さらに、コントローラ30は、S170により、予め準備された良品画像(モデル画像)と、S160で取得された3D画像データとの比較処理によって、半導体装置10の検査結果を算出する。例えば、画像間で形状の一致判定を行うパターンマッチングによる一致率を判定値と比較することで、検査結果(良/否)を求めることができる。あるいは、S180では、上記一致率が、外観検査結果を定量的に示すパラメータ値として算出されてもよい。
【0040】
コントローラ30は、S180では、S170で算出された検査結果を出力する。出力された検査結果は、例えば、図3の表示部40に表示される。あるいは、コントローラ30と通信接続された図示しないサーバ等に、検査結果が順次格納されてもよい。
【0041】
コントローラ30は、その後、検査対象(半導体装置10)を切換える場合には、再び、S100の判定を実行する。あるいは、同一の検査対象に対して、照明の色を切換えてS120~S180の処理を実行することも可能である。例えば、チップ8の表面検査のために、白色を照射してS120~S180の処理を実行した後に、処理をS110に戻して、照明を青色に変更した後に、ワイヤ7の形状を検査するためにS120~S180の処理を実行してもよい。
【0042】
以上説明した様に、実施の形態1に係る半導体検査装置及び半導体検査方法によれば、カメラ1側を回転させて撮影した複数の2D画像(白黒画像)を合成して取得された3Dデータを用いて検査精度を向上することができる。特に、特許文献1と比較すると、異なる位置関係下で撮影した複数の2D白黒画像を合成することで検査精度を確保できるので、カラーカメラを用いることなく半導体検査装置を構成することによって、製造コストの低減を図ることができる。また、そのための回転機構13についても、カメラ1側を回転する構成とすることで、搬送ステージ11側を回転させる構成と比較して、装置の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る半導体検査装置100bの要部を説明する概略構成図である。
【0044】
図7を参照して、実施の形態2に係る半導体検査装置100bは、実施の形態1に係る半導体検査装置100a(図1)と比較して、カメラユニット20に代えて、カメラユニット20Xを備える点で異なる。
【0045】
カメラユニット20Xは、図1と同様のカメラ1と、倍率が異なる複数のレンズ2a,2bと、レンズ切替機構14とを有する。レンズ切替機構14は、コントローラ30からの制御信号に応じて、複数のレンズ2a,2bのうちの1つのレンズを選択してカメラ1に装着する様に構成される。半導体検査装置100bのその他の構成は、図1に示した半導体検査装置100aと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0046】
図8は、カメラユニット20Xの制御処理を説明するフローチャートである。図8に示された制御処理は、図5の制御処理と同様に、コントローラ30によって実行することができる。
【0047】
図8を参照して、コントローラ30は、カメラユニット20Xを制御するためのS200の処理を、図6のS110の前に実行することができる。S200は、S210~S240を含む。
【0048】
コントローラ30は、S210により、検査対象と対応付けて予め設定されるレンズ選択コードを確認すると、S220により、当該レンズ選択コードがレンズ2aを選択するものであるか否かを判定する。例えば、レンズ選択コードは、検査対象(半導体装置10)の位置決めが完了した時点で、コントローラ30へ入力される。
【0049】
コントローラ30は、S220がYES判定のときには、S230により、レンズ2aを使用する様にレンズ切替機構14の制御信号を生成する。一方で、S220がNO判定のときには、S240により、レンズ2bを使用する様にレンズ切替機構14の制御信号が生成される。
【0050】
これにより、S120~S180(図6)の処理では、検査対象(半導体装置10)に対応させて予め設定された好適な倍率のレンズを用いて、カメラ1による撮影を実行できる。
【0051】
この結果、実施の形態2に係る半導体検査装置及び半導体検査方法によれば、実施の形態1による効果に加えて、検査対象の拡大が可能となる。あるいは、検査項目の切替時に、照明の色(S110)の切替とともに、レンズ倍率の切替(S200)を実行することも可能である。この場合には、レンズ選択コードは、検査対象(半導体装置10)毎、又は、検査対象及び検査項目(ワイヤ/表面/はんだ等)の組み合わせ毎に予め設定することができる。
【0052】
なお、図7及び図8では、倍率の異なる2個のレンズが切換えられてカメラ1に装着される例を説明したが、倍率が異なる3個以上のレンズを切換える構成とすることも可能である。
【0053】
なお、本実施の形態に係る半導体検査装置及び半導体検査方法は、図6の処理の一部を外部で実行する態様で実現することも可能である。例えば、半導体検査装置100a,100bでは、図6中のS150がYES判定されるまでの処理、即ち、カメラ1を回転させて全周方向からの複数の2D画像の取得までを実行する様に構成することも可能である。この場合にも、複数の2D画像を合成した3D画像の生成、及び、当該3D画像に基づく判定については、外部の機器(例えば、専用の画像処理モジュール等)によって実行することで、同様の外観検査を実現することができる。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 カメラ、2,2a,2b レンズ、3~6 光源、7 ワイヤ、8 チップ、9 リードフレーム、10,100a,100b 半導体装置、11 搬送ステージ、12 移動機構、13 回転機構、14 レンズ切替機構、15 台座、20,20X カメラユニット、30 コントローラ、35 バス、40 表示部、100a,100b 半導体検査装置、BCL 青色光、COWL,WCL 白色光、RCL 赤色光。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8