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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137326
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】熱交換器ユニット
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/26 20060101AFI20240927BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20240927BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20240927BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240927BHJP
【FI】
F28F9/26
B60H1/32 613F
B60H1/32 613D
B60K11/04 H
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048806
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 涼
(72)【発明者】
【氏名】松山 大地
【テーマコード(参考)】
3D038
3L065
3L211
5H770
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC01
3D038AC11
3D038AC13
3D038AC20
3L065AA05
3L065FA19
3L211BA23
3L211BA51
3L211DA05
3L211DA28
5H770AA21
5H770BA05
5H770PA11
5H770QA27
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】コストを低減でき、且つ、第1熱交換器及び第2熱交換器の一方が、他方の熱伸縮によって変形することを抑制できる熱交換器ユニットを提供する。
【解決手段】熱交換器ユニット1は、上下方向に流れる第1冷媒R1と前後方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第1熱交換器10と、上下方向且つ前後方向に延在する第1熱交換器10の左面10e、右面10fにそれぞれ配置された一対の固定メンバ40と、左右方向に流れる第2冷媒R2と前後方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第2熱交換器20と、を備える。一対の固定メンバ40は、それぞれ第1熱交換器10の左面10e、右面10fに沿って、第1熱交換器10の上下方向の一端部から他端部に亘って上下方向に延在する。第1熱交換器10及び第2熱交換器20は、前後方向に並んで配置され、いずれも固定メンバ40に締結されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1冷媒が通流し、第1方向に流れる前記第1冷媒と、前記第1方向と垂直な第2方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第1熱交換器と、
前記第1方向且つ前記第2方向に延在する前記第1熱交換器の両側面にそれぞれ配置された一対の固定メンバと、
第2冷媒が通流し、第3方向に流れる前記第2冷媒と、前記第2方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第2熱交換器と、を備える熱交換器ユニットであって、
一対の前記固定メンバは、それぞれ前記第1熱交換器の前記両側面に沿って、前記第1熱交換器の前記第1方向の一端部から他端部に亘って前記第1方向に延在し、
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、前記第2方向に並んで配置され、いずれも前記固定メンバに締結されている、熱交換器ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器ユニットであって、
前記第1熱交換器と前記固定メンバとの締結方向と、前記第2熱交換器と前記固定メンバとの締結方向とが、直交している、
熱交換器ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の熱交換器ユニットであって、
前記第1方向と前記第3方向とが、直交している、
熱交換器ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の熱交換器ユニットであって、
少なくとも一方の前記固定メンバは、前記第1熱交換器が締結する2以上の第1熱交換器締結部と、前記第2熱交換器が締結する第2熱交換器締結部と、を有し、
少なくとも1つの前記第2熱交換器締結部は、前記第1方向において、2つの前記第1熱交換器締結部の間に設けられている、
熱交換器ユニット。
【請求項5】
請求項1に記載の熱交換器ユニットであって、
前記第2熱交換器は、一対の前記固定メンバの間で、前記第1熱交換器に締結されている、
熱交換器ユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換器ユニットであって、
前記熱交換器ユニットは、車両のフロントルームに搭載され、前記第1熱交換器と前記第2方向に並んで配置されて第3冷媒が通流する第3熱交換器をさらに備え、
前記第3熱交換器は、前記固定メンバに締結されており、
前記第1冷媒は、内燃機関を冷却する冷媒であり、
前記第2冷媒は、車両空調装置の冷媒であり、
前記第3冷媒は、駆動用モータの制御装置を冷却する冷媒である、
熱交換器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の熱交換器を備える熱交換器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の居住性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。車両の居住性を向上させる手段の1つとして、車室の拡大が挙げられる。車室を拡大するためには、車両に搭載される各種部品の小型化が求められる。
【0003】
そのため、熱交換器ユニットも車両に搭載される他の部品と同様に小型化が求められる。例えば、特許文献1には、第1熱交換器と第2熱交換器とを前後方向に並べて配置し、且つ、前後方向寸法を小さくすることができる熱交換器ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-081509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の熱交換器ユニットは、第1熱交換器と第2熱交換器とのうち、要求される放熱量が大きい方の熱交換器の前方投影面積に合わせて、要求される放熱量が小さい方の熱交換器の形状を専用設計する必要があるため、コストが増加するという課題があった。また、特許文献1の熱交換器ユニットは、要求される放熱量が大きい方の熱交換器に要求される放熱量が小さい方の熱交換器が締結されているため、第1熱交換器及び第2熱交換器の一方が熱伸縮すると、その際に生じる応力によって、他方の熱交換器が変形してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、コストを低減でき、且つ、第1熱交換器及び第2熱交換器の一方が、他方の熱伸縮によって変形することを抑制できる熱交換器ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
第1冷媒が通流し、第1方向に流れる前記第1冷媒と、前記第1方向と垂直な第2方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第1熱交換器と、
前記第1方向且つ前記第2方向に延在する前記第1熱交換器の両側面にそれぞれ配置された一対の固定メンバと、
第2冷媒が通流し、第3方向に流れる前記第2冷媒と、前記第2方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第2熱交換器と、を備える熱交換器ユニットであって、
一対の前記固定メンバは、それぞれ前記第1熱交換器の前記両側面に沿って、前記第1熱交換器の前記第1方向の一端部から他端部に亘って前記第1方向に延在し、
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、前記第2方向に並んで配置され、いずれも前記固定メンバに締結されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コストを低減でき、且つ、第1熱交換器及び第2熱交換器の一方が、他方の熱伸縮によって変形することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の熱交換器ユニットが搭載された車両を側面から見た模式図である。
図2】本発明の一実施形態の熱交換器ユニットの斜視図である。
図3図2の熱交換器ユニットを、第2熱交換器及び第3熱交換器を除いた状態で見た斜視図ある。
図4図2の熱交換器ユニットを前面から見た前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の熱交換器ユニットの一実施形態として、車両に搭載された熱交換器ユニットを、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の熱交換器ユニット1は、車両Vに搭載されている。車両Vは、乗員を収容する車室CBと、車室CBの前方に形成されるフロントルームFRMと、を備える。熱交換器ユニット1は、フロントルームFRMに収容されている。熱交換器ユニット1は、フロントルームFRM内において、フロントルームFRMの前端近傍に収容されている。
【0012】
車両Vには、第1の駆動源としての内燃機関ICEと、第2の駆動源としての駆動用モータMOTと、駆動用モータMOTを制御するパワーコントロールユニットPCUと、が搭載されている。また、車両Vは、車室CB内を空調する空調装置ACを備える。本実施形態は、内燃機関ICE、駆動用モータMOT、パワーコントロールユニットPCU、及び、空調装置ACは、いずれもフロントルームFRMに収容されている。なお、内燃機関ICE、駆動用モータMOT、パワーコントロールユニットPCU、及び、空調装置ACは、フロントルームFRM内以外に配置されていてもよい。
【0013】
[熱交換器ユニットの構成]
図2から図4に示すように、熱交換器ユニット1は、第1熱交換器10と、第2熱交換器20と、第3熱交換器30と、左右一対の固定メンバ40と、を備える。
【0014】
第1熱交換器10は、第1冷媒R1が通流するラジエータである。第1熱交換器10は内燃機関ICEと接続しており、第1冷媒R1は、内燃機関ICEと第1熱交換器10とを循環する。第1冷媒R1は、内燃機関ICEの内部を流れて内燃機関ICEの熱を吸熱して内燃機関ICEを冷却する。そして、内燃機関ICEの熱を吸熱した第1冷媒R1は、第1熱交換器10で外部の大気と熱交換して冷却され、再び内燃機関ICEへと流れる。
【0015】
第1熱交換器10は、前後方向に所定の厚みを有する略直方体形状となっている。第1熱交換器10は、前後方向に対して垂直で互いに対向する前面10a及び後面10bと、上下方向に対して垂直で互いに対向する上面10c及び下面10dと、左右方向に対して垂直で互いに対向する左面10e及び右面10fと、を有する。前面10a及び後面10bは、略長方形であり、前面10a及び後面10bの上端及び下端は、左右方向に延びてそれぞれ上面10c及び下面10dに接続し、前面10a及び後面10bの左端及び右端は、上下方向に延びてそれぞれ左面10e及び右面10fに接続する。上面10c及び下面10dは、左右方向が長く前後方向が短い略長方形であり、上面10c及び下面10dの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面10a及び後面10bに接続し、上面10c及び下面10dの左端及び右端は、前後方向に延びてそれぞれ左面10e及び右面10fに接続する。左面10e及び右面10fは、上下方向が長く前後方向が短い略長方形であり、左面10e及び右面10fの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面10a及び後面10bに接続し、左面10e及び右面10fの上端及び下端は、前後方向に延びてそれぞれ上面10c及び下面10dに接続する。
【0016】
第1熱交換器10の上面10cには、第1冷媒R1が一時貯留する一時貯留タンク11が設けられている。一時貯留タンク11は、第1熱交換器10の上面10cに沿って、上面10cの左端部から右端部に亘って上面10cの左右方向略全域に延在している。
【0017】
第1熱交換器10の前面10aには、一時貯留タンク11から第1熱交換器10の下端部まで下方に延在する細管100が左右方向に並んで多数設けられている。
【0018】
内燃機関ICEの熱を吸熱して第1熱交換器10に流入した第1冷媒R1は、一時貯留タンク11に一時的に貯留された後、一時貯留タンク11から細管100を上方から下方に向かって上下方向に流れる。
【0019】
そして、第1熱交換器10は、細管100を上方から下方に向かって上下方向に流れる第1冷媒R1と、車両Vの走行時に前後方向に流れる外部の大気である走行風とで熱交換を行う。
【0020】
第1熱交換器10の下端部には、第1熱交換器10の下面10dに沿って、下面10dの左端部から右端部に亘って下面10dの左右方向略全域に延在する下フレーム12が設けられている。下フレーム12の内部には、各々の細管100を上方から下方に流れた第1冷媒R1が合流する合流部と、合流部から第1冷媒R1を排出する不図示の排出部と、が設けられている。
【0021】
第2熱交換器20は、第2冷媒R2が通流する空調用コンデンサ(凝縮器)である。第2熱交換器20は空調装置ACと接続しており、第2冷媒R2は、空調装置ACと第2熱交換器20とを循環する。第2冷媒R2は、不図示のコンプレッサで圧縮されて昇温した後、第2熱交換器20で外部の大気と熱交換して冷却され、不図示のエキスパンションバルブに供給され、エキスパンションバルブで膨張してさらに温度が低下して、空調装置ACに設けられた不図示のエバポレータに供給される。そして、ファン等によってエバポレータを通過する空気がエバポレータを流れる第2冷媒R2によって冷却されて車室CBに供給される。エバポレータを流れた第2冷媒R2は、再びコンプレッサへと流れる。
【0022】
第2熱交換器20は、前後方向に所定の厚みを有する略直方体形状となっている。第2熱交換器20は、前後方向に対して垂直で互いに対向する前面20a及び後面20bと、上下方向に対して垂直で互いに対向する上面20c及び下面20dと、左右方向に対して垂直で互いに対向する左面20e及び右面20fと、を有する。前面20a及び後面20bは、略長方形であり、前面20a及び後面20bの上端及び下端は、左右方向に延びてそれぞれ上面20c及び下面20dに接続し、前面20a及び後面20bの左端及び右端は、上下方向に延びてそれぞれ左面20e及び右面20fに接続する。上面20c及び下面20dは、左右方向が長く前後方向が短い略長方形であり、上面20c及び下面20dの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面20a及び後面20bに接続し、上面20c及び下面20dの左端及び右端は、前後方向に延びてそれぞれ左面20e及び右面20fに接続する。左面20e及び右面20fは、上下方向が長く前後方向が短い略長方形であり、左面20e及び右面20fの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面20a及び後面20bに接続し、左面20e及び右面20fの上端及び下端は、前後方向に延びてそれぞれ上面20c及び下面20dに接続する。
【0023】
第2熱交換器20は、第1熱交換器10の前側に配置され、前面20a及び後面20bが前後方向から見て第1熱交換器10の前面10a及び後面10bと重なる位置となるように配置されている。
【0024】
第2熱交換器20の左面20eには、第2冷媒R2が一時貯留する一時貯留タンク21が設けられている。一時貯留タンク21は、第2熱交換器20の左面20eに沿って、左面20eの上端部から下端部に亘って左面20eの上下方向略全域に延在している。
【0025】
第2熱交換器20の前面20aには、一時貯留タンク21から第2熱交換器20の右端部まで右方に延在する細管200が上下方向に並んで多数設けられている。
【0026】
不図示のコンプレッサで圧縮されて昇温した後に第2熱交換器20に流入した第2冷媒R2は、一時貯留タンク21に一時的に貯留された後、一時貯留タンク21から細管200を左方から右方に向かって左右方向に流れる。
【0027】
そして、第2熱交換器20は、細管200を左方から右方に向かって左右方向に流れる第2冷媒R2と、車両Vの走行時に前後方向に流れる外部の大気である走行風とで熱交換を行う。
【0028】
第2熱交換器20の右端部の内部には、各々の細管200を左方から右方に流れた第2冷媒R2が合流する合流部と、合流部から第2冷媒R2を排出する不図示の排出部と、が設けられている。
【0029】
第3熱交換器30は、第3冷媒R3が通流する熱交換器である。第3熱交換器30はパワーコントロールユニットPCUと接続しており、第3冷媒R3は、パワーコントロールユニットPCUと第3熱交換器30とを循環する。第3冷媒R3は、パワーコントロールユニットPCUの内部を流れてパワーコントロールユニットPCUの熱を吸熱してパワーコントロールユニットPCUを冷却する。そして、パワーコントロールユニットPCUの熱を吸熱した第3冷媒R3は、第3熱交換器30で外部の大気と熱交換して冷却され、再びパワーコントロールユニットPCUへと流れる。
【0030】
第3熱交換器30は、前後方向に所定の厚みを有する略直方体形状となっている。第3熱交換器30は、前後方向に対して垂直で互いに対向する前面30a及び後面30bと、上下方向に対して垂直で互いに対向する上面30c及び下面30dと、左右方向に対して垂直で互いに対向する左面30e及び右面30fと、を有する。前面30a及び後面30bは、略長方形であり、前面30a及び後面30bの上端及び下端は、左右方向に延びてそれぞれ上面30c及び下面30dに接続し、前面30a及び後面30bの左端及び右端は、上下方向に延びてそれぞれ左面30e及び右面30fに接続する。上面30c及び下面30dは、左右方向が長く前後方向が短い略長方形であり、上面30c及び下面30dの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面30a及び後面30bに接続し、上面30c及び下面30dの左端及び右端は、前後方向に延びてそれぞれ左面30e及び右面30fに接続する。左面30e及び右面30fは、上下方向が長く前後方向が短い略長方形であり、左面30e及び右面30fの前端及び後端は、左右方向に延びてそれぞれ前面30a及び後面30bに接続し、左面30e及び右面30fの上端及び下端は、前後方向に延びてそれぞれ上面30c及び下面30dに接続する。
【0031】
第3熱交換器30は、第1熱交換器10の前側で、第2熱交換器20の上側に隣接して配置され、前面30a及び後面30bが前後方向から見て第1熱交換器10の前面10a及び後面10bと重なる位置となるように配置されている。
【0032】
第3熱交換器の右面30fには、冷媒導入口31及び冷媒排出口32が設けられている。
【0033】
パワーコントロールユニットPCUの熱を吸熱した第3冷媒R3は、冷媒導入口31から第3熱交換器30に流入し、第3熱交換器30の内部を流れ、冷媒排出口32から排出される。
【0034】
そして、第3熱交換器30は、第3熱交換器30の内部の流れる第3冷媒R3と、車両Vの走行時に前後方向に流れる外部の大気である走行風とで熱交換を行う。
【0035】
第1熱交換器10の前面10a及び後面10bの左右寸法と、第2熱交換器20の前面20a及び後面20bの左右寸法と、第3熱交換器30の前面30a及び後面30bの左右寸法と、は略同一となっている。一方、第1熱交換器10の前面10a及び後面10bの上下寸法は、第2熱交換器20の前面20a及び後面20bの上下寸法、並びに、第3熱交換器30の前面30a及び後面30bの上下寸法より大きく、第2熱交換器20の前面20a及び後面20bの上下寸法は、第3熱交換器30の前面30a及び後面30bの上下寸法より大きくなっている。
【0036】
これは、第1熱交換器10の前面10a及び後面10bの最低必要面積、第2熱交換器20の前面20a及び後面20bの最低必要面積、並びに、第3熱交換器30の前面30a及び後面30bの最低必要面積は、それぞれ、第1熱交換器10に要求される第1冷媒R1の放熱量、第2熱交換器20に要求される第2冷媒R2の放熱量、及び、第3熱交換器30に要求される第3冷媒R3の放熱量に依存することによる。本実施形態では、内燃機関ICEを冷却する第1冷媒R1を冷却する第1熱交換器10に要求される第1冷媒R1の放熱量が最も多く、次いで、コンプレッサで圧縮されて昇温した第2冷媒R2を冷却する第2熱交換器20に要求される第2冷媒R2の放熱量が多く、パワーコントロールユニットPCUを冷却する第3冷媒R3を冷却する第3熱交換器30に要求される第3冷媒R3の放熱量が最も少ないためである。
【0037】
また、第1熱交換器10の後面10bには、車両Vの走行時に前後方向に流れる外部の大気である走行風を第1熱交換器10に導風する不図示の導風ファンが設けられている。これにより、外部の大気である走行風をより多く第1熱交換器10、第2熱交換器20、及び、第3熱交換器30に導くことができるので、第1熱交換器10、第2熱交換器20、及び、第3熱交換器30において、第1冷媒R1、第2冷媒R2、及び、第3冷媒R3の冷却効率が向上する。
【0038】
左右一対の固定メンバ40は、第1熱交換器10の左右の両側面にそれぞれ配置される。左右一対の固定メンバ40は、それぞれ、第1熱交換器10の左右の両側面に沿って、左右の両側面の上端部から下端部に亘って上下方向略全域に延在している。左右一対の固定メンバ40は、第1熱交換器10の左面10eと対向して上下方向に延在する左固定メンバ41と、第1熱交換器10の右面10fと対向して上下方向に延在する右固定メンバ42と、を有する。
【0039】
[各熱交換器の固定]
第1熱交換器10、第2熱交換器20、及び、第3熱交換器30は、いずれも左固定メンバ41と右固定メンバ42とに締結されている。
【0040】
(第1熱交換器の固定)
右固定メンバ42は、第1熱交換器10の右面10fの上端部と締結する第1右締結部521と、第1熱交換器10の右面10fの下端部と締結する第2右締結部522と、を有する。第1右締結部521には、ボルト等の締結部材611が挿通する左右方向に貫通した挿通孔が形成されている。そして、締結部材611が右方からこの挿通孔を挿通して第1熱交換器10の右面10fの上端部に締結されることによって、第1熱交換器10の右面10fの上端部は右固定メンバ42に締結されている。第2右締結部522には、ボルト等の締結部材612が挿通する左右方向に貫通した挿通孔が形成されている。そして、締結部材612が右方からこの挿通孔を挿通して第1熱交換器10の右面10fの下端部に締結されることによって、第1熱交換器10の右面10fの下端部は右固定メンバ42に締結されている。したがって、第1熱交換器10と右固定メンバ42との締結方向は左右方向となっている。
【0041】
左固定メンバ41は、第1熱交換器10の左面10eの上端部と締結する第1左締結部511と、第1熱交換器10の左面10eの下端部と締結する第2左締結部512と、を有する。詳細な説明は省略するが、第1左締結部511には、第1右締結部521と同様に、ボルト等の締結部材が挿通する左右方向に貫通した挿通孔が形成されており、締結部材が左方からこの挿通孔を挿通して第1熱交換器10の左面10eの上端部に締結されることによって、第1熱交換器10の左面10eの上端部は左固定メンバ41に締結されている。第2左締結部512には、第2右締結部522と同様に、ボルト等の締結部材が挿通する左右方向に貫通した挿通孔が形成されており、締結部材が左方からこの挿通孔を挿通して第1熱交換器10の左面10eの下端部に締結されることによって、第1熱交換器10の左面10eの下端部は左固定メンバ41に締結されている。したがって、第1熱交換器10と左固定メンバ41との締結方向は左右方向となっている。
【0042】
したがって、第1熱交換器10と左固定メンバ41との締結方向、及び、第1熱交換器10と右固定メンバ42との締結方向は、いずれも左右方向となっている。
【0043】
(第2熱交換器の固定)
第2熱交換器20の右上端部には、右面20fから右方に延出する右上延出部21aが形成されている。右上延出部21aには、ボルト等の締結部材621が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。第2熱交換器20の左上端部には、左面20eから左方に延出する左上延出部21bが形成されている。左上延出部21bには、ボルト等の締結部材622が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。
【0044】
右固定メンバ42には、前後方向から見て第2熱交換器20の右上延出部21aと重なる位置に第3右締結部523が形成されている。第3右締結部523には前方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。第3右締結部523は、上下方向において、右固定メンバ42の第1右締結部521と第2右締結部522との間に設けられている。左固定メンバ41には、前後方向から見て第2熱交換器20の左上延出部21bと重なる位置に第3左締結部513が形成されている。第3左締結部513には前方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。第3左締結部513は、上下方向において、左固定メンバ41の第1左締結部511と第2左締結部512との間に設けられている。
【0045】
そして、締結部材621が前方から第2熱交換器20の右上延出部21aに形成された挿通孔を挿通して右固定メンバ42の第3右締結部523に締結されることによって、第2熱交換器20の右上延出部21aは右固定メンバ42に締結されている。同様に、締結部材622が前方から第2熱交換器20の左上延出部21bに形成された挿通孔を挿通して左固定メンバ41の第3左締結部513に締結されることによって、第2熱交換器20の左上延出部21bは左固定メンバ41に締結されている。したがって、第2熱交換器20と左固定メンバ41との締結方向、及び、第2熱交換器20と右固定メンバ42との締結方向は、いずれも前後方向となっている。
【0046】
第2熱交換器20の下端部には、下面20dから下方に延出する右下延出部21c及び左下延出部21dが形成されている。右下延出部21c及び左下延出部21dには、それぞれボルト等の締結部材623、624が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。
【0047】
第1熱交換器10の下フレーム12には、前後方向から見て第2熱交換器20の右下延出部21c及び左下延出部21dと重なる位置に、それぞれ右下締結部13a及び左下締結部13bが形成されている。右下締結部13a及び左下締結部13bには前方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。
【0048】
そして、締結部材623、624がそれぞれ前方から第2熱交換器20の右下延出部21c、左下延出部21dに形成された挿通孔を挿通して、第1熱交換器10の右下締結部13a、左下締結部13bに締結されることによって、第2熱交換器20は、右下延出部21c及び左下延出部21dで第1熱交換器10の下フレーム12に締結されている。したがって、第2熱交換器20と第1熱交換器10との締結方向は、前後方向となっている。
【0049】
このようにして、第1熱交換器10及び第2熱交換器20は、前後方向に並んで配置され、いずれも左固定メンバ41及び右固定メンバ42に締結されている。
【0050】
これにより、左右一対の固定メンバ40によって、サイズの異なる第1熱交換器10と第2熱交換器20とを締結することができるので、熱交換器ユニット1は、要求される冷媒の放熱量に応じてサイズの異なる第1熱交換器10と第2熱交換器20とを専用設計することなく用いることができ、コストを低減できる。
【0051】
第1熱交換器10及び第2熱交換器20は、それぞれ、第1冷媒R1及び第2冷媒R2の温度や、第1熱交換器10及び第2熱交換器20に第1冷媒R1及び第2冷媒R2が流れているか否かの状態に応じて熱伸縮する場合がある。特に、第1熱交換器10及び第2熱交換器20は、それぞれ外部の大気と熱交換するときの第1冷媒R1及び第2冷媒R2の流れ方向に熱伸縮しやすい。本実施形態では、第1熱交換器10及び第2熱交換器20それぞれの熱伸縮を左右一対の固定メンバ40で吸収することができるので、第1熱交換器10及び第2熱交換器20の一方が、他方の熱伸縮によって変形することを抑制できる。
【0052】
さらに、左右の固定メンバ40の延在方向は上下方向であるのに対し、第2熱交換器20における、外部の大気と熱交換するときの第2冷媒R2の流れ方向は左右方向となっている。このように、左右の固定メンバ40の延在方向と、第2熱交換器20における、外部の大気と熱交換するときの第2冷媒R2の流れ方向とは、直交している。
【0053】
したがって、第2熱交換器20が熱伸縮しやすい第2冷媒R2の流れ方向と直交する方向に左右の固定メンバ40が延在するので、第2熱交換器20が熱伸縮した場合に、左右の固定メンバ40が撓むことで第2熱交換器20の熱伸縮によって生じる応力を吸収することができる。これにより、第2熱交換器20の熱伸縮によって生じる応力が第1熱交換器10に伝達することを低減でき、熱交換器ユニット1の全体強度が向上する。
【0054】
また、右固定メンバ42において、第2熱交換器20が締結する第3右締結部523は、上下方向において、第1熱交換器10が締結する第1右締結部521と第2右締結部522との間に設けられている。同様に、左固定メンバ41において、第2熱交換器20が締結する第3左締結部513は、上下方向において、第1熱交換器10が締結する第1左締結部511と第2左締結部512との間に設けられている。
【0055】
第2熱交換器20が熱伸縮した場合、左右の固定メンバ40は、それぞれ第2熱交換器20から第3右締結部523及び第3左締結部513に荷重が入力されて変形する。本実施形態では、第1熱交換器10が締結する第1右締結部521と第2右締結部522との間に、第2熱交換器20が締結する第3右締結部523が設けられており、第1熱交換器10が締結する第1左締結部511と第2左締結部512との間に、第2熱交換器20が締結する第3左締結部513が設けられているので、左右の固定メンバ40はより撓みやすい。これにより、第2熱交換器20が熱伸縮した場合に、第2熱交換器20の熱伸縮によって生じる応力を左右の固定メンバ40でより吸収することができる。したがって、第2熱交換器20の熱伸縮によって生じる応力が第1熱交換器10に伝達することを低減でき、熱交換器ユニット1の全体強度が向上する。
【0056】
また、第1熱交換器10と左固定メンバ41との締結方向、及び、第1熱交換器10と右固定メンバ42との締結方向は、いずれも左右方向となっているのに対し、第2熱交換器20と左固定メンバ41との締結方向、及び、第2熱交換器20と右固定メンバ42との締結方向は、いずれも前後方向となっている。
【0057】
このように、第1熱交換器10と左固定メンバ41及び右固定メンバ42との締結方向と、第2熱交換器20と左固定メンバ41及び右固定メンバ42との締結方向とが、直交していることによって、第1熱交換器10及び第2熱交換器20の複数方向に対する振動強度が向上する。
【0058】
また、第2熱交換器20は、右下延出部21c及び左下延出部21dにおいて、左右一対の固定メンバ40の間で、第1熱交換器10に締結されている。
【0059】
これにより、第1熱交換器10と第2熱交換器20との相対振動を低減できるとともに、熱交換器ユニット1の全体強度が向上する。
【0060】
(第3熱交換器の固定)
第3熱交換器30の右上端部には、上方に延出する右上延出部33aが形成されている。右上延出部33aには、後方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。第3熱交換器30の右面30fの上下方向略中央部分には、右面30fから右方に延出する右延出部33bが形成されている。右延出部33bには、後方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。第3熱交換器30の左面30e及の上下方向略中央部分には、左面30eから左方に延出する左延出部33cが形成されている。左延出部33cには、後方から雄ネジが螺合可能な雌ネジ穴が形成されている。
【0061】
右固定メンバ42には、前後方向から見て第3熱交換器30の右上延出部33aと重なる位置に第4右締結部524が形成されている。本実施形態では、第4右締結部524は、第1右締結部521よりも下方に形成されている。第4右締結部524には、ボルト等の締結部材631が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。右固定メンバ42には、前後方向から見て第3熱交換器30の右延出部33bと重なる位置に第5右締結部525が形成されている。第5右締結部525には、ボルト等の締結部材632が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。左固定メンバ41には、前後方向から見て第3熱交換器30の左延出部33cと重なる位置に第4左締結部514が形成されている。本実施形態では、第4左締結部514は、第1左締結部511よりも下方に形成されている。第4左締結部514には、ボルト等の不図示の締結部材が挿通する前後方向に貫通した挿通孔が形成されている。
【0062】
そして、締結部材631が後方から右固定メンバ42の第4右締結部524に形成された挿通孔を挿通して第3熱交換器30の右上延出部33aに締結されることによって、第3熱交換器30の右上延出部33aは左固定メンバ41に締結されている。同様に、締結部材632が後方から右固定メンバ42の第5右締結部525に形成された挿通孔を挿通して第3熱交換器30の右延出部33bに締結されることによって、第3熱交換器30の右延出部33bは右固定メンバ42に締結されている。また、前述した不図示の締結部材が後方から左固定メンバ41の第4左締結部514に形成された挿通孔を挿通して第3熱交換器30の左延出部33cに締結されることによって、第3熱交換器30の左延出部33cは左固定メンバ41に締結されている。
【0063】
このようにして、第3熱交換器30は、第1熱交換器10と前後方向に並んで配置されて、左右一対の固定メンバ40に締結されている。そして、第3熱交換器30は、左右一対の固定メンバ40に3点で締結されるので、第3熱交換器30が左右一対の固定メンバ40に対して回転することを防止できる。
【0064】
また、これにより、熱交換器ユニット1の前方投影面積の拡大を抑制しつつ、3つの熱交換器をユニット化することができるので、車両VのフロントルームFRM内の限られた空間に、3つの熱交換器をユニット化した熱交換器ユニット1を効率よく配置することができる。
【0065】
[熱交換器ユニットの固定]
第1熱交換器10の上面10cには、上方に突出する上側係止部14が左右一対形成されている。左右の上側係止部14はいずれも、上面10cから上方にピン状に突出している。第1熱交換器10の下面10dには、下方に突出する下側係止部15が左右一対形成されている。左右の下側係止部15はいずれも、下面10dから下方にピン状に突出している。
【0066】
そして、第1熱交換器10の形成された左右の上側係止部14、及び、左右の下側係止部15は、車両Vの不図示の車体フレームに係合する。これにより、熱交換器ユニット1は、車両Vの車体フレームに固定される。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0068】
例えば、本実施形態では、熱交換器ユニット1は、第1熱交換器10、第2熱交換器20、及び、第3熱交換器30の3つの熱交換器を備えるものとしたが、第3熱交換器30は必ずしも備えていなくてもよく、第1熱交換器10及び第2熱交換器20の2つの熱交換器を備えるものであってもよい。
【0069】
また、例えば、本実施形態では、第2熱交換器20が下方、第3熱交換器30が上方となるように上下方向に並んで配置されているものとしたが、第2熱交換器20が上方、第3熱交換器30が下方となるように上下方向に並んで配置されていてもよい。
【0070】
また、例えば、本実施形態では、第2熱交換器20及び第3熱交換器30は、第1熱交換器10の前方に配置されているものとしたが、第2熱交換器20及び/又は第3熱交換器30は、第1熱交換器10の後方に配置されていてもよい。
【0071】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0072】
(1) 第1冷媒(第1冷媒R1)が通流し、第1方向(上下方向)に流れる前記第1冷媒と、前記第1方向と垂直な第2方向(前後方向)に流れる外部の大気とで熱交換を行う第1熱交換器(第1熱交換器10)と、
前記第1方向且つ前記第2方向に延在する前記第1熱交換器の両側面(左面10e、右面10f)にそれぞれ配置された一対の固定メンバ(固定メンバ40)と、
第2冷媒(第2冷媒R2)が通流し、第3方向(左右方向)に流れる前記第2冷媒と、前記第2方向に流れる外部の大気とで熱交換を行う第2熱交換器(第2熱交換器20)と、を備える熱交換器ユニット(熱交換器ユニット1)であって、
一対の前記固定メンバは、それぞれ前記第1熱交換器の前記両側面に沿って、前記第1熱交換器の前記第1方向の一端部から他端部に亘って前記第1方向に延在し、
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、前記第2方向に並んで配置され、いずれも前記固定メンバに締結されている、熱交換器ユニット。
【0073】
(1)によれば、一対の固定メンバによって、サイズの異なる第1熱交換器と第2熱交換器とを締結することができるので、熱交換器ユニットは、要求される冷媒の放熱量に応じてサイズの異なる第1熱交換器と第2熱交換器とを用いることができ、コストを低減できる。また、第1熱交換器及び第2熱交換器それぞれの熱伸縮を一対の固定メンバで吸収することができるので、第1熱交換器及び第2熱交換器の一方が、他方の熱伸縮によって変形することを抑制できる。
【0074】
(2) (1)に記載の熱交換器ユニットであって、
前記第1熱交換器と前記固定メンバとの締結方向と、前記第2熱交換器と前記固定メンバとの締結方向とが、直交している、
熱交換器ユニット。
【0075】
(2)によれば、第1熱交換器及び第2熱交換器の複数方向に対する振動強度が向上する。
【0076】
(3) (1)又は(2)に記載の熱交換器ユニットであって、
前記第1方向と前記第3方向とが、直交している、
熱交換器ユニット。
【0077】
(3)によれば、第2熱交換器が熱伸縮した場合に、一対の固定メンバが撓むことで第2熱交換器の熱伸縮によって生じる応力を吸収することができる。これにより、第2熱交換器の熱伸縮によって生じる応力が第1熱交換器に伝達することを低減でき、熱交換器ユニットの全体強度が向上する。
【0078】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の熱交換器ユニットであって、
少なくとも一方の前記固定メンバは、前記第1熱交換器が締結する2以上の第1熱交換器締結部(第1右締結部521、第2右締結部522)と、前記第2熱交換器が締結する第2熱交換器締結部(第3右締結部523)と、を有し、
少なくとも1つの前記第2熱交換器締結部は、前記第1方向において、2つの前記第1熱交換器締結部の間に設けられている、
熱交換器ユニット。
【0079】
(4)によれば、第2熱交換器が熱伸縮した場合に、一対の固定メンバがより撓みやすくなるので、第2熱交換器が熱伸縮した場合に第2熱交換器の熱伸縮によって生じる応力を一対の固定メンバでより吸収することができる。したがって、第2熱交換器の熱伸縮によって生じる応力が第1熱交換器に伝達することを低減でき、熱交換器ユニットの全体強度が向上する。
【0080】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の熱交換器ユニットであって、
前記第2熱交換器は、一対の前記固定メンバの間で、前記第1熱交換器に締結されている、
熱交換器ユニット。
【0081】
(5)によれば、第1熱交換器と第2熱交換器との相対振動を低減できるとともに、熱交換器ユニットの全体強度が向上する。
【0082】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の熱交換器ユニットであって、
前記熱交換器ユニットは、車両(車両V)のフロントルーム(フロントルームFRM)に搭載され、前記第1熱交換器と前記第2方向に並んで配置されて第3冷媒(第3冷媒R3)が通流する第3熱交換器(第3熱交換器30)をさらに備え、
前記第3熱交換器は、前記固定メンバに締結されており、
前記第1冷媒は、内燃機関(内燃機関ICE)を冷却する冷媒であり、
前記第2冷媒は、車両空調装置(空調装置AC)の冷媒であり、
前記第3冷媒は、駆動用モータ(駆動用モータMOT)の制御装置(パワーコントロールユニットPCU)を冷却する冷媒である、
熱交換器ユニット。
【0083】
(6)によれば、熱交換器ユニットの第2方向における投影面積の拡大を抑制しつつ、3つの熱交換器をユニット化することができるので、車両のフロントルーム内の限られた空間に、3つの熱交換器をユニット化した熱交換器ユニットを効率よく配置することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 熱交換器ユニット
10 第1熱交換器
10e 左面(側面)
10f 右面(側面)
20 第2熱交換器
30 第3熱交換器
40 固定メンバ
521 第1右締結部(第1熱交換器締結部)
522 第2右締結部(第1熱交換器締結部)
523 第3右締結部(第2熱交換器締結部)
AC 空調装置(車両空調装置)
FRM フロントルーム
ICE 内燃機関
MOT 駆動用モータ
PCU パワーコントロールユニット(制御装置)
R1 第1冷媒
R2 第2冷媒
R3 第3冷媒
V 車両
図1
図2
図3
図4