(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138140
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構及びアームバンド取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A45C13/30 M
A45C13/30 N
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122299
(22)【出願日】2024-07-29
(62)【分割の表示】P 2023009265の分割
【原出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】米丸 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】原島 克己
(57)【要約】
【課題】本発明は、低コストかつ容易に業務用ハンディ端末を使用者の腕又は手に保持させることができる業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構及びアームバンド取り付け方法を提供する。
【解決手段】業務情報入力手段3を有する業務用ハンディ端末Hの背面側に脱着自在に設けられたバンド取り付け用アダプタ1と、バンド取り付け用アダプタ1に係脱される係合部材4とともに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材5を有するスマートフォン用アームバンド2と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務情報入力手段を有する業務用ハンディ端末の背面側に脱着自在に設けられたバンド取り付け用アダプタと、
前記バンド取り付け用アダプタに係脱される係合部材とともに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材を有するスマートフォン用アームバンドと、を具備し、
前記スマートフォン用アームバンドは、前記係合部材に対して、所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンを保持することが可能な汎用品であり、
前記バンド取り付け用アダプタは、前記所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンと同一の形状をなすように形成されるとともに、
少なくとも2つのアダプタ部材を備え、
これらアダプタ部材は、互いの設置間隔を調整することによって、前記所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンに一致する大きさに形成されることを特徴とする業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構。
【請求項2】
前記バンド取り付け用アダプタは、ねじを備えた締結部材によって前記業務用ハンディ端末に固定されることを特徴とする請求項1に記載の業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構。
【請求項3】
前記バンド取り付け用アダプタは、両面に接着力、粘着力、または機械的な固着力を有するテープ状の接着手段によって前記業務用ハンディ端末に固定されることを特徴とする請求項1に記載の業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構。
【請求項4】
前記スマートフォン用アームバンドは、前記係合部材を、前記バンド部材に対して回転自在に支持することを特徴とする請求項1に記載の業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構。
【請求項5】
業務情報入力手段を有する業務用ハンディ端末の背面側に、バンド取り付け用アダプタを着脱自在に設け、当該バンド取り付け用アダプタに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材を有するスマートフォン用アームバンドの係合部材を係脱させることで、前記業務用ハンディ端末を使用者の腕又は手に保持可能とすることを特徴とし、
前記スマートフォン用アームバンドは、前記係合部材に対して、所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンを保持することが可能な汎用品であり、
前記バンド取り付け用アダプタは、前記所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンと同一の形状をなすように形成されるとともに、
少なくとも2つのアダプタ部材を備え、
これらアダプタ部材の互いの設置間隔を調整することによって、前記所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンに一致する大きさに形成される、
業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用ハンディ端末を簡易な方式でアームバンドに脱着可能なアームバンド取り付け機構及びアームバンド取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を備えた業務用ハンディ端末を片手で保持しつつ操作することができるハンドベルトに関連する技術として、特許文献1~3に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1に示される電子機器用ハンドストラップは、電子機器の裏面に取り付け可能であり、親指以外の指の腹及び指の先端により把持される第1の把持部と、第1の把持部に対し、電子機器の裏面から遠い側に設けられ、該第1の把持部との間で親指以外の指が配置される指収納空間を画定する第2の把持部とを備える。
指により保持される前記第1把持部は、先端部がU字状に折り返された折り返し部を有し、該折り返し部と、その反対側に位置する端部とを、電子機器の裏面に設けられたストラップホールに対して、例えば、紐などを介して取り付けることができる構成とされている。
【0004】
特許文献2に示される携帯情報端末機の携行保持具は、携帯情報端末機を収納する保護ケース体と、該保護ケース体を腕に保持するための固定バンドとで構成される。
前記保護ケース体は、開閉並びに着脱が自在に設けられる透明板で形成される保護カバーと、固定バンドに回転自在に連結される回転連結部と、該回転連結部をスライドさせるスライド連結部とを有している。
さらにこの携行保持具の固定バンドは、前述のスライド連結部を連結するスライド受部を形成し、腕に巻いた状態で両端が互いに締め付け固定される締付け固定部を有しており、携帯情報端末機を保護ケース体に収納した状態で、回転並びにスライドさせて使用することができるよう構成されている。
【0005】
特許文献3に示される携帯無線装置用ホルダーは、着信を振動により報知する機能を有する携帯無線装置を収納するためのポケット部と、該ポケット部を腕に巻装するためのバンド部材とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-144186号公報
【特許文献2】特開2014-023141号公報
【特許文献3】特開2004-134848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1~3に記載に記載されたハンドベルトは、いずれも専用の業務用ハンディ端末を保持するために当該業務用ハンディ端末の形状や構造に対応して設計、製作された特別な仕様の取り付け具であって、仕様のバリエーションの少ない市販のスマートフォンのアームバンドを直接使用することができない。
このため、このような業務用ハンディ端末では、その機器毎にハンドベルトを設計、製作する必要があり、ハンドベルトを採用することに伴って多くの開発費が追加的に必要になるなど、手間とコストとが掛かっていた。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、低コストかつ容易に業務用ハンディ端末を使用者の腕に保持させることができる、業務用ハンディ端末のアームバンド取り付け機構及びアームバンド取り付け方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示す業務用ハンディ端末におけるアームバンド取り付け機構では、業務情報入力手段を有する業務用ハンディ端末の背面側に脱着自在に設けられたバンド取り付け用アダプタと、前記バンド取り付け用アダプタに係脱される係合部材とともに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材を有するスマートフォン用アームバンドと、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2態様に示す業務用ハンディ端末におけるアームバンド取り付け方法では、業務情報入力手段が設置された業務用ハンディ端末の背面側に、バンド取り付け用アダプタを着脱自在に設け、当該バンド取り付け用アダプタに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材を有するスマートフォン用アームバンドの係合部材を係脱させることで、前記業務用ハンディ端末を使用者の身体に保持可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の規格に基づいて製作されたスマートフォンに使用される汎用品/市販のスマートフォン用アームバンドを用いて、低コストかつ容易に業務用ハンディ端末を使用者の腕又は手に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る業務用ハンディ端末におけるアームバンド取り付け機構の最小構成を示す概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る業務用ハンディ端末を背面側から見た斜視図である。
【
図3】
図2の業務用ハンディ端末にバンド取り付け用アダプタを取り付けた状態を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は図(A)を側方から見た側面図である。
【
図4】本実施形態に係るスマートフォン用アームバンドの斜視図である。
【
図5】
図4のスマートフォン用アームバンドに、バンド取り付け用アダプタを介して業務用ハンディ端末を取り付けた状態を示す図であって、(A)は全体を示す斜視図、(B)は図(A)からバンド部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図6】本実施形態に示すアームバンド取り付け機構により業務用ハンディ端末を使用者の腕に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す業務用ハンディ端末を使用者の腕に対して縦向きに回転させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る業務用ハンディ端末Hのアームバンド取り付け機構100の最小構成について
図1を参照して説明する。
【0014】
このアームバンド取り付け機構100は、バンド取り付け用アダプタ1と、スマートフォン用アームバンド2とを主な構成要素とするものであって、前面側(符号Aで示す側)に業務情報入力手段3を有する業務用ハンディ端末Hに用いられる。
具体的には、バンド取り付け用アダプタ1は、業務用ハンディ端末Hの背面側(符号Bで示す側)において、脱着自在に設けられる。
スマートフォン用アームバンド2は、バンド取り付け用アダプタ1に係脱される係合部材4とともに、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材5を具備するものであって、係合部材4にスマートフォン(図示略)が取り付け可能とされるとともに、該スマートフォンに代えてバンド取り付け用アダプタ1にも取り付け可能とされる。
なお本明細書において、前記スマートフォンとは、通信端末等の携帯用電子機器を総称するものであり、また、前記アームバンドとは、前記携帯用電子機器を利用者の腕等に装着するための帯状の部材を総称するものとする。
前記スマートフォン用アームバンド2は、係合部材4に対して、一般的な(所定の規格に基づいてある程度多量に同一仕様の製品が製造、販売、流通している機器をいう)スマートフォンを保持することが可能な汎用品が使用される。
【0015】
そして、以上のように構成された本発明のアームバンド取り付け機構100によれば、業務用ハンディ端末Hの背面側に着脱自在なバンド取り付け用アダプタ1に、スマートフォン用アームバンド2の係合部材4が係脱されることで、当該スマートフォン用アームバンド2のバンド部材5を業務用ハンディ端末Hの背面側に着脱させることができる。
これにより、本発明では、一般的な(所定の規格に基づいてある程度多量に同一仕様の製品が製造、販売、流通している機器をいう)スマートフォンに使用される汎用品/市販のスマートフォン用アームバンド2を用いて、低コストかつ容易に業務用ハンディ端末Hを使用者の腕又は手に保持させることができる。
この操作により、業務情報入力手段を有する業務用ハンディ端末Hの背面側に、バンド取り付け用アダプタ1を着脱自在に設け、当該バンド取り付け用アダプタ1に、使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材5を有するスマートフォン用アームバンド2の係合部材4を係脱させることで、前記業務用ハンディ端末Hを使用者の腕又は手に保持可能とするアームバンド取り付け方法が行われる。
【0016】
(実施形態)
本発明の実施形態に係るアームバンド取り付け機構101について
図2~
図7を参照して説明する。
このアームバンド取り付け機構101は、
図2、
図3及び
図4、
図5にそれぞれ示すように、バンド取り付け用アダプタ11と、スマートフォン用アームバンド12とを主な構成要素とするものであって、電子端末となる業務用ハンディ端末H1に用いられる。
【0017】
業務用ハンディ端末H1は、前面側(符号A1で示す側)に業務情報入力手段となる情報入力画面13(
図3(B)及び
図5(A)参照)を有する。
業務用ハンディ端末H1の背面側(符号B1で示す側)には、
図2及び
図3に示すようにバンド取り付け用アダプタ11が設けられている。
バンド取り付け用アダプタ11は、少なくとも2つのアダプタ部材14,15からなり、これらアダプタ部材14,15の互いの間隔を調整することで、一般的な(所定の規格に基づいてある程度多量に同一仕様の製品が製造、販売、流通している機器をいう)スマートフォンと同一形状をなすように形成される。
【0018】
なお、これらアダプタ部材14,15は、
図2及び
図3に示すように、L字状の取り付け金具14A,15Aの貫通孔を経由して、ねじなどの締結部材16,17を、業務用ハンディ端末H1の本体部の固定インサート18,19に螺合することで固定される。また、アダプタ部材14,15を固定する締結部材16,17として、本例では4本のねじが使用されている(
図3参照)。
【0019】
次に、スマートフォン用アームバンド12について説明する。
スマートフォン用アームバンド12は、
図4及び
図5に示すようにバンド取り付け用アダプタ11に係脱される係合部材20、及び使用者の腕又は手に装着可能なバンド部材21を具備するものであって、係合部材20にスマートフォン(図示略)が取り付け可能とされるとともに、該スマートフォンに代えてバンド取り付け用アダプタ11にも取り付け可能とされる。
【0020】
前記係合部材20は、板状の本体部20Aと、該本体部20Aの角部に4箇所設けられてスマートフォンの端部を係合する爪部20Bとから構成されるものであって、前記爪部20Bの内側に位置する内部空間に当該スマートフォンを取り付けることが可能なよう構成されている。
また、前記係合部材20の爪部20Bは、スマートフォンに代えて、該スマートフォンと同一の大きさに形成された、バンド取り付け用アダプタ11のアダプタ部材14,15に対しても同様に係合でき、これによってバンド取り付け用アダプタ11に連結可能となる。
すなわち、この係合部材20の爪部20Bは、バンド取り付け用アダプタ11のアダプタ部材14,15を介して業務用ハンディ端末H1にも連結可能とされ、これにより、該業務用ハンディ端末H1に前記スマートフォン用アームバンド12を装着させることができる。
【0021】
バンド部材21は使用者の腕又は手に装着可能なリング状の装着バンド22を有しており、その外側には、係合部材20を、当該装着バンド22に対して回転自在に支持する回転機構23(
図5(B)に示される装着バンド22を取り外した図を参照)が設けられている。
そして、このような回転機構23では、
図6及び
図7に示すように、係合部材20に装着されるスマートフォン、又は業務用ハンディ端末H1をバンド部材21に対して回転させることができ、これらスマートフォン又は業務用ハンディ端末H1の操作性を向上させることができる。
【0022】
そして、以上のように構成された本実施形態のアームバンド取り付け機構101では、業務用ハンディ端末H1の背面側(符号B1で示す側)に位置する着脱自在なバンド取り付け用アダプタ11に、スマートフォン用アームバンド12の係合部材20が係脱されることで、業務用ハンディ端末H1を腕又は手に装着することができる。
これにより、上記アームバンド取り付け機構101では、一般的な(所定の規格に基づいてある程度多量に同一仕様の製品が製造、販売、流通している機器をいう)スマートフォンに使用される、汎用品や市販の(流通量の多い所定規格のスマートフォンへの取り付けが可能な取り付け構造を有するものをいう)スマートフォン用アームバンド12を用いて、低コストかつ容易に業務用ハンディ端末H1を使用者の腕又は手に保持させることができる。
【0023】
また、本実施形態のアームバンド取り付け機構101では、流通量の多い特定の規格の製品に限られることなく、バリエーション豊富な市販品の中から所定の仕様の製品を選択して採用することも可能である。
また、本実施形態のアームバンド取り付け機構101では、業務用ハンディ端末H1をスマートフォン用アームバンド12に直接固定していないため、スマートフォン用アームバンド12から当該業務用ハンディ端末H1を取り外し、車載スマートフォンホルダへの付け替える等の操作も容易である。
【0024】
なお、バンド取り付け用アダプタ11のアダプタ部材14,15は、L字状の取り付け金具14A,15Aを、ねじなどの締結部材16,17により業務用ハンディ端末H1の本体部に固定するようにしたが、ねじに限定されず、ビスの他、嵌め込むなどの手段を用いて固定しても良い。
また、バンド取り付け用アダプタ11のアダプタ部材14,15は、締結部材16,17に限定されず、両面テープなどの接着手段によって業務用ハンディ端末H1の本体部に固定しても良い。
また、上記アームバンド取り付け機構101では、業務用ハンディ端末H1の本体部の固定インサート18,19を、当該アダプタ部材14,15の設置間隔に対応して予め複数箇所に形成しておくことで、各種のスマートフォン用アームバンド12の大きさに適応させることができ、その汎用性を向上させることができる。
【0025】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、業務用ハンディ端末を簡易な方式でアームバンドに脱着可能なアームバンド取り付け機構及びアームバンド取り付け方法に関する。
【符号の説明】
【0027】
1 バンド取り付け用アダプタ
2 スマートフォン用アームバンド
3 業務情報入力手段
4 係合部材
5 バンド部材
11 バンド取り付け用アダプタ
12 スマートフォン用アームバンド
13 情報入力画面
14 アダプタ部材
14A 取り付け金具
15 アダプタ部材
15A 取り付け金具
16 締結部材
17 締結部材
20 係合部材
20A 本体部
20B 爪部
21 バンド部材
22 装着バンド
23 回転機構
100 アームバンド取り付け機構
101 アームバンド取り付け機構
A 前面側
A1 前面側
B 背面側
B1 背面側
H 業務用ハンディ端末
H1 業務用ハンディ端末