(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140268
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ウインドファーム運用支援システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20241003BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20241003BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20241003BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241003BHJP
F03D 17/00 20160101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J3/38 160
G06Q50/06
G05B23/02 301Z
G05B23/02 301U
G05B23/02 Z
H02J13/00 301K
H02J13/00 301A
F03D17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051328
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福田 光芳
(72)【発明者】
【氏名】柴田 昌明
(72)【発明者】
【氏名】土井 秀人
(72)【発明者】
【氏名】熊本 圭
(72)【発明者】
【氏名】島田 浩義
【テーマコード(参考)】
3C223
3H178
5G064
5G066
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C223AA04
3C223BA03
3C223BB12
3C223BB15
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB03
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF03
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF24
3C223FF42
3C223FF43
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH04
3C223HH05
3C223HH17
3C223HH29
3H178AA20
3H178AA22
3H178AA43
3H178AA51
3H178BB56
3H178CC21
3H178DD67Z
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC09
5G064BA02
5G064CB03
5G064CB04
5G064CB08
5G064DA02
5G066AA09
5G066AE07
5G066AE09
5G066HA13
5G066HB01
5G066HB03
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】付加価値の高い運用支援情報を提供することが可能なウインドファーム運用支援システムを提供する。
【解決手段】ウインドファーム運用支援装置であって、複数のウインドファームは、第1ウインドファームと、第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファームとを含み、ウインドファーム運用支援システムは、第1ウインドファームに関するデータと、複数の他ウインドファームに関するデータとを取得するデータ取得部と、データ取得部によって取得した複数の他ウインドファームに関するデータに基づいて、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する、運用支援情報出力部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウインドファームの運用を支援するためのウインドファーム運用支援システムであって、
前記複数のウインドファームは、第1ウインドファームと、前記第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファームとを含み、
前記ウインドファーム運用支援システムは、
前記第1ウインドファームに関するデータと、前記複数の他ウインドファームに関するデータとを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得した前記複数の他ウインドファームに関する前記データに基づいて、前記第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する、運用支援情報出力部と、
を備える、ウインドファーム運用支援システム。
【請求項2】
前記複数の他ウインドファームに関する前記データは、前記複数の他ウインドファームの各々の運転状態に関する運転データ、及び、前記複数の他ウインドファームの各々のメンテナンスの記録に関するメンテナンス記録データ、のうち少なくとも一方を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項3】
前記運用支援情報出力部は、前記データ取得部によって取得した前記複数の他ウインドファームに関する前記データの統計値を算出する統計値算出部を含み、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、前記複数の他ウインドファームに関する前記データの前記統計値を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項4】
前記統計値算出部は、前記データ取得部によって取得した前記第1ウインドファームに関する前記データの統計値を算出し、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、
前記統計値算出部によって算出した前記第1ウインドファームに関する前記データの前記統計値と、
前記統計値算出部によって算出した前記複数の他ウインドファームに関する前記データの前記統計値と、
を含む、請求項3に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項5】
前記統計値算出部は、前記複数の他ウインドファームに関する前記データについて風車の機種毎の統計値を算出する、請求項3に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項6】
前記統計値算出部は、前記データ取得部によって取得した前記第1ウインドファームに関する前記データについて風車の機種毎の統計値を算出し、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、
前記統計値算出部によって算出した前記第1ウインドファームに関する前記データについての風車の機種毎の前記統計値と、
前記統計値算出部によって算出した前記複数の他ウインドファームに関する前記データについての風車の機種毎の前記統計値のうち、前記第1ウインドファームに含まれる風車と同一の機種についての前記機種毎の統計値と、
を含む、請求項5に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項7】
前記統計値は、平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度である、請求項3乃至6の何れか1項に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項8】
前記運用支援情報は、前記第1ウインドファームを構成する風車の号機毎の警報の発生履歴に関する情報を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項9】
前記運用支援情報は、前記第1ウインドファームを構成する風車の号機毎に風車の部位別の警報の発生履歴に関する情報を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項10】
前記第1ウインドファームに関する前記データは、前記第1ウインドファームを構成する風車の号機毎に、前記風車の運転状態を示すパラメータを含み、
前記運用支援情報出力部は、前記第1ウインドファームを構成する風車の号機毎に前記パラメータと閾値とを比較することで、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常を検知する異常検知部を備え、
前記運用支援情報は、前記異常検知部によって検知した、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常の検知結果を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項11】
前記異常検知部は、前記第1ウインドファームの一部を構成する第1風車の異常の検知に用いる前記閾値を、前記複数の他ウインドファームに含まれる複数の風車のうち前記第1風車と同一の機種の風車の異常検知の履歴に基づいて更新する、請求項10に記載のウインドファーム運用支援システム。
【請求項12】
前記運用支援情報出力部は、逸失発電電力量算出部を備え、
前記逸失発電電力量算出部は、前記第1ウインドファームの一部を構成する第1風車が故障した場合に、前記第1風車の機種を示す情報と、前記複数のウインドファームの故障履歴に関する情報とに基づいて、前記第1風車の修理に要する修理期間を評価し、前記修理期間と前記第1風車の発電電力量に関するデータとに基づいて、前記第1風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量を予測し、
前記第1風車が故障した場合に、前記運用支援情報は、前記逸失発電電力量算出部によって予測された前記逸失発電電力量を含む、請求項1に記載のウインドファーム運用支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウインドファーム運用支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の風力タービンシステムの運用データを信頼できるサービスシステムに送信して、サービスシステムでそれらの運用データを管理することが記載されている。このサービスシステムでは、上記運用データを風力タービンシステムの運転に関する解析に使用するためにユーザシステムが上記運用データへのアクセスを通信ネットワーク経由でサービスシステムに要求し、サービスシステムがアクセスポリシーに従ってユーザシステムの要求を許可するかどうかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来は、ウインドファームから取得したデータに基づいて、当該ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を提供することはなされていたが、運用支援情報を出力するために用いられるデータが限定的であったため、提供できる運用支援情報の付加価値を高めることには限界があった。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、付加価値の高い運用支援情報を提供することが可能なウインドファーム運用支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係るウインドファーム運用支援システムは、
複数のウインドファームの運用を支援するためのウインドファーム運用支援システムであって、
前記複数のウインドファームは、第1ウインドファームと、前記第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファームとを含み、
前記ウインドファーム運用支援システムは、
前記第1ウインドファームに関するデータと、前記複数の他ウインドファームに関するデータとを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得した前記複数の他ウインドファームに関する前記データに基づいて、前記第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する、運用支援情報出力部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、付加価値の高い運用支援情報を提供することが可能なウインドファーム運用支援システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るウインドファーム運用支援システム2の概略構成図である。
【
図2】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T1の一部を示している。
【
図3】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の他の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T2の一部を示している。
【
図6】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T3の一部を示している。
【
図7】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T4の一部を示している。
【
図8】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図である。
【
図9】ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図である。
【
図10】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図11】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図12】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図13】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図14】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図15】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図16】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図17】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図18】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図19】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図20】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図21】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生中時間」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【
図22】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生回数(号機毎)」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【
図23】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生中時間(号機毎)」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【
図24】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報マトリックス(回数)」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【
図25】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図24に示した画面において表示形式切替部E13を操作した場合に表示される画面の一例を示している。
【
図26】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報マトリックス(時間)」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【
図27】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図26に示した画面において表示形式切替部E13を操作した場合に表示される画面の一例を示している
【
図28】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図29】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報履歴」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【
図30】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図31】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図32】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図33】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図34】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図35】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図36】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図37】風車5のメンテナンス作業の作業実績の記録を示すメンテナンス記録データをユーザがユーザ端末15に入力する際に表示部16に表示されるメンテナンス実績入力メニューの一例を示す図である。
【
図38】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図39】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図40】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図41】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図42】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図43】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図44】ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
【
図45】逸失発電電力量の概略的な算出フローの一例を示す図である。
【
図46】異常の深刻度に応じた修理時期の決定方法及び逸失発電電力量等を説明するための図である。
【
図47】
図1に示したウインドファーム運用支援システム2における運用支援装置12の構成の一例を説明するための図である。
【
図48】
図47に示した運用支援装置12による複数のウインドファーム3の出力制御の一例を示す制御フロー図である。
【
図49】風車制御装置4、遠隔監視PC6、エッジPC8、共通クラウド10、運用支援装置12、複数の専用クラウド14、複数のユーザ端末15、及びオーナー端末18の各々のハードウェアの概略構成の一例を示す図である。
【
図50】運用支援情報へアクセスするためのリンクを含むメールの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0010】
(ウインドファーム運用支援システムの概略構成)
図1は、一実施形態に係るウインドファーム運用支援システム2の概略構成図である。ウインドファーム運用支援システム2は、複数のウインドファーム3の運用を支援するためのシステムである。
図1では、図示を部分的に省略しているが、ウインドファーム運用支援システム2による運用支援の対象となる複数のウインドファーム3の各々は、1又は複数の風車5を備える風力発電設備である。なお、
図1では、ウインドファーム運用支援システム2による運用支援の対象となる複数のウインドファーム3がウインドファーム3A、ウインドファーム3B及びウインドファーム3Cからなる場合を例示しているが、ウインドファーム運用支援システム2による運用支援の対象となるウインドファーム3の数は2以上の任意の数であってもよい。以下において、複数のウインドファーム3とは、ウインドファーム運用支援システム2による運用支援の対象となるウインドファーム3A、ウインドファーム3B及びウインドファーム3Cをいうこととする。
【0011】
図1に示すように、ウインドファーム運用支援システム2は、風車制御装置4、遠隔監視PC6(遠隔監視用端末)、エッジPC8(エッジ端末)、共通クラウド10、ウインドファーム運用支援装置12、複数の専用クラウド14、複数のユーザ端末15、及びオーナー端末18を備える。
【0012】
風車制御装置4は、複数のウインドファーム3の各々における風車5毎に設けられており、風車5の運転を制御するように構成されている。
【0013】
遠隔監視PC6は、複数のウインドファーム3におけるウインドファーム3毎に設けられており、各風車5の運転データを各風車5の風車制御装置4から収集して監視するように構成されている。遠隔監視PC6は、例えばデータベースサーバであってもよく、監視対象のウインドファーム3内の全ての風車5の関連情報(該風車と同一又は類似機種毎の関連情報を含む。)を保存及び蓄積し、風車の警報、故障又は異常の発生時に適宜必要な情報を提供し、操作画面上に表示するように構成される。なお、ここでの「関連情報」とは、風車の警報、故障及び異常の発生履歴並びにこれらの発生時における応急対策等の情報を含む。また、遠隔監視PC6は、風車の警報、故障、異常の発生時に、該風車の供給者に、警報、故障及び異常の発生状況並びに応急対策の情報等を報告するレポートを自動的に作成し、遠隔監視PC6の通信機能を用いて風車の管理者に通報する機能を有する。
【0014】
エッジPC8は、複数のウインドファーム3におけるウインドファーム3毎に設けられる。エッジPC8は、ウインドファーム3毎に1台設けられていてもよいし、各ウインドファーム3に複数台設けられていてもよい。エッジPC8は、当該エッジPC8が設けられたウインドファーム3について、ウインドファーム3に関する予め定められたデータ(例えばウインドファーム3の運転状態に関する運転データ等)を常時リアルタイムで収集して予め定められた所定期間毎(例えば1日毎)に予め定められた所定期間分(例えば1日分)のデータのデータセットを生成し、生成した所定期間分のデータセットを共通クラウド10における当該ウインドファーム3に対応するフォルダに予め定められた所定期間毎(例えば1日毎)にアップロードするように構成される。ここで、エッジPC8が生成するデータセットに含まれるデータは、各風車における、例えば発電電力量、平均風速、最大風速、平均風向、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、発電中時間、待機中時間、停止時間及び警報停止時間等の情報を含む。エッジPC8が生成するデータセットに含まれるデータは、例えば1分毎、10分毎、1時間毎又は24時間毎等で区切られたタイミングのデータであってもよく、エッジPC8は、各データに絶対時間を示すタイムスタンプを付してデータのデータセットを生成する。
【0015】
エッジPC8は、例えば、1日分のデータのデータセットを1日に1回生成し、生成したデータセットを共通クラウド10における対応するウインドファーム3のフォルダに1日に1回アップロードしてもよい。
図1に示す例では、ウインドファーム3Aに対応するエッジPC8は、ウインドファーム3Aのデータを常時収集してウインドファーム3Aの1日分のデータのデータセットを1日に1回生成し、生成したデータセットを共通クラウド10におけるウインドファーム3Aの専用フォルダ11Aに1日に1回アップロードする。また、ウインドファーム3Bに対応するエッジPC8(不図示)は、ウインドファーム3Bのデータを常時収集してウインドファーム3Bの1日分のデータのデータセットを1日に1回生成し、生成したデータセットを共通クラウド10におけるウインドファーム3Bの専用フォルダ11Bに1日に1回アップロードする。ウインドファーム3Cに対応するエッジPC8は、ウインドファーム3Cのデータを常時収集してウインドファーム3Cの1日分のデータのデータセットを1日に1回生成し、生成したデータセットを共通クラウド10におけるウインドファーム3Cの専用フォルダ11Cに1日に1回アップロードする。
【0016】
ここで、1日分のデータのデータセットは、例えば、予め定められた長さの期間における予め定められた時間間隔で高速サンプリングを行うことで得られた時系列データ(例えば0.5ミリ秒の時間間隔で100秒間に亘って収集した時系列データ)、予め定められた長さの期間(例えば10分間)におけるデータの平均値、並びに、ウインドファーム3で警報が発生した場合における警報の発生日時及び警報が停止して正常状態に復帰した復帰日時を示す情報等を含む。
【0017】
共通クラウド10は、複数のウインドファーム3A~3Cに共通して設けられているクラウドストレージである。図示する例では、ウインドファーム運用支援システム2が運用支援の対象とする全てのウインドファーム3に共通して1つの共通クラウド10が設けられている。共通クラウド10は、複数のウインドファーム3A~3Cの各々の専用フォルダ11A~11Cを含む。専用フォルダ11Aはウインドファーム3A専用のフォルダであり、ウインドファーム3AのみのデータがエッジPC8からアップロードされる。専用フォルダ11Bはウインドファーム3B専用のフォルダであり、ウインドファーム3BのみのデータがエッジPC8からアップロードされる。専用フォルダ11Cはウインドファーム3C専用のフォルダであり、ウインドファーム3CのみのデータがエッジPC8からアップロードされる。このように、複数のウインドファーム3A~3Cの各々に関するデータは、1つの共通クラウド10内に設けられた複数の専用フォルダ11~11Cの各々にそれぞれ保存される。
【0018】
ウインドファーム運用支援装置12は、データ取得部20、データベース部22、運用支援情報出力部24及びデータ出力部26(アップロード部)を含む。運用支援情報出力部24は、統計値算出部30、異常検知部32及び逸失発電電力量算出部34を含む。
【0019】
データ取得部20は、共通クラウド10にアップロードされた複数のウインドファーム3の各々に関するデータ(例えばウインドファーム3の運転状態に関する運転データ等)を、所定期間毎に(例えばエッジPC8から共通クラウド10へデータをアップロードする間隔と等しい間隔であってもよく、上記の例では1日に1回)ダウンロードすることによって、複数のウインドファーム3の各々に関するデータを共通クラウド10から取得する。データ取得部20は、共通クラウド10にアップロードされた複数のウインドファーム3の各々に関するデータを各ウインドファーム3に対応する専用フォルダ11A~11Cの各々からダウンロードすることによって、複数のウインドファーム3の各々に関するデータを共通クラウド10から取得する。
【0020】
データベース部22は、データ取得部20によって取得した複数のウインドファーム3の各々に関するデータを保存及び蓄積する。データ取得部20は、データベース部22への保存が完了したウインドファーム3に関するデータ(上述の例では1日分のデータ)を共通クラウド10から自動的に消去する。
【0021】
運用支援情報出力部24は、データ取得部20によって取得した複数のウインドファーム3の各々に関するデータを予め定められた方法で解析し、複数のウインドファーム3の各々の運用を支援するための運用支援情報をウインドファーム3毎に出力する。ここで、予め定められた方法とは、例えば時系列的解析、横断的解析、統計的解析等を含み、データ相互間の相関解析、風車毎の比較及び相関解析、ウインドファーム3毎の比較及び相関解析、各基準データとの比較及び相関解析等を含む。統計値算出部30は、複数のウインドファーム3の各々に関するデータについて、例えば期間毎の統計値、ウインドファーム3毎の統計値、ウインドファーム3を構成する1以上の風車の号機毎の統計値、及び、風車の機種毎の統計値等を算出可能に構成されている。統計値算出部30は、複数のウインドファーム3のうち任意の1以上のウインドファームに関するデータについて、例えば期間毎及び風車の機種毎の統計値等を算出可能に構成されている。統計値算出部30によって算出される統計値は、例えば平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度であってもよい。運用支援情報出力部24の機能の詳細については後述する。
【0022】
データ出力部26は、運用支援情報出力部24によって出力されたウインドファーム3毎の運用支援情報をそれぞれ暗号化して、暗号化された各運用支援情報を、ウインドファーム3毎の専用クラウド14のうち当該運用支援情報に対応するウインドファーム3の専用の専用クラウド14にアップロードする。図示する例では、複数の専用クラウド14は、ウインドファーム3Aに関連付けられたウインドファーム3A専用の専用クラウド14A、ウインドファーム3Bに関連付けられたウインドファーム3B専用の専用クラウド14B及びウインドファーム3Cに関連付けられたウインドファーム3C専用の専用クラウド14Cからなる。データ出力部26は、ウインドファーム3Aの運用を支援するための運用支援情報を、ウインドファーム3Aに関連付けられた専用クラウド14Aのみにアップロードし、ウインドファーム3Aに関連付けられていない専用クラウド14B及び専用クラウド14Cの各々にはアップロードしないように構成されている。データ出力部26は、ウインドファーム3Bの運用を支援するための運用支援情報を、ウインドファーム3Bに関連付けられた専用クラウド14Bのみにアップロードし、ウインドファーム3Bに関連付けられていない専用クラウド14A及び専用クラウド14Cの各々にはアップロードしないように構成されている。データ出力部26は、ウインドファーム3Cの運用を支援するための運用支援情報を、ウインドファーム3Cに関連付けられた専用クラウド14Cのみにアップロードし、ウインドファーム3Cに関連付けられていない専用クラウド14A及び専用クラウド14Bの各々にはアップロードしないように構成されている。
【0023】
複数の専用クラウド14には、それぞれ、複数のユーザ端末15が不図示の通信ネットワークを介して接続される。図示する例では、複数のユーザ端末15は、ユーザ端末15A、ユーザ端末15B及びユーザ端末15Cを含み、ユーザ端末15Aは通信ネットワークを介して専用クラウド14Aに接続され、ユーザ端末15Bは通信ネットワークを介して専用クラウド14Bに接続され、ユーザ端末15Cは通信ネットワークを介して専用クラウド14Cに接続される。ユーザ端末15Aは、専用クラウド14Aにアップロードされたウインドファーム3Aの運用支援情報をアクセスキーを用いて取得し、該運用支援情報をユーザ端末15Aの表示部16(ディスプレイ等)に表示させてウインドファーム3Aのユーザ(ウインドファーム3Aを所有及び管理するユーザ)に閲覧させることが可能となっている。ユーザ端末15Bは、専用クラウド14Bにアップロードされたウインドファーム3Bの運用支援情報をアクセスキーを用いて取得し、該運用支援情報をユーザ端末15Bの表示部16に表示させてウインドファーム3Bのユーザ(ウインドファーム3Bを所有及び管理するユーザ)に閲覧させることが可能となっている。ユーザ端末15Cは、専用クラウド14Cにアップロードされたウインドファーム3Cの運用支援情報をアクセスキーを用いて取得し、該運用支援情報をユーザ端末15Cの表示部16に表示させてウインドファーム3Cのユーザ(ウインドファーム3Cを所有及び管理するユーザ)に閲覧させることが可能となっている。なお、複数のユーザ端末15A,15B,15Cは、それぞれ、複数のウインドファーム3A,3B,3Cに設けられていてもよいし、複数のウインドファーム3A~3Cとは別の場所に設けられていてもよい。複数のユーザ端末15A~15Cの各々は、例えばタブレット端末又はスマートフォン等の携帯端末でもよいし、デスクトップPC等の固定端末でもよい。
【0024】
ウインドファーム運用支援システム2では、共通クラウド10及びウインドファーム運用支援装置12は複数のウインドファーム3A,3B,3Cに関するデータを横断的に扱い、ウインドファーム運用支援装置12は、必要なデータ及び解析結果を比較するとともに、初期設定され且つ更新される基準データ(閾値)と比較する機能を有する。一方、複数の専用クラウド14の各々は、上述のように対応するウインドファーム3毎に個別に独立して設けられる。ユーザは、複数の専用クラウド14の各々にアップロードされた運用支援情報のうち、ユーザに関連付けられたウインドファーム3の専用の専用クラウド14にアップロードされた運用支援情報のみにアクセスキーを用いてアクセスすることができる。複数の専用クラウド14の各々は、相互に情報が開示されないように管理設定がなされており、ウインドファーム運用支援装置12が保持する情報のうち予め定められた情報のみを対応するユーザ端末15に出力できるように構成されている。
【0025】
図1に示したウインドファーム運用支援システム2によれば、複数のウインドファーム3の各々に関するデータを解析して運用支援情報をウインドファーム3毎に出力し、当該運用支援情報に対応するウインドファーム3に関連付けられた専用クラウド14に当該運用支援情報をアップロードすることができる。このため、各ウインドファーム3に対応する運用支援情報は、各ウインドファーム3に関連付けられた専用クラウド14のみで参照できるようになっており、他の専用クラウド14では参照することができないようになっている。このため、例えば複数のウインドファーム3に関連付けられた複数のユーザに共通のサーバ装置等で運用支援情報を管理するよりも、各ウインドファーム3の運用支援情報が他のウインドファーム3のユーザ等によって参照されるリスクを低減することができ、情報セキュリティ上の高い安全性を容易に実現することができる。また、ウインドファーム3毎の専用クラウド14が設けられているため、例えばウインドファーム運用支援システム2が運用支援の対象とするウインドファーム3の数が増加しても、増加した分のウインドファーム3の運用支援情報がアップロードされる専用クラウド14を必要に応じて追加することが可能であり、高い拡張性を実現することができる。また、専用クラウド14を利用することによって、スマートフォン等のモバイル端末からのアクセスにも対応することができる。
【0026】
また、複数のウインドファーム3の各々のエッジPC8からウインドファーム運用支援装置12へデータを転送するデータ転送経路に共通クラウド10を設けることにより、ウインドファーム3の数が増加しても共通クラウド10とウインドファーム運用支援装置12との間のデータ転送経路は1回線であり、情報セキュリティ上の安全性を保つことができる。
【0027】
また、データベース部22への保存が完了したウインドファーム3のデータ(上述の例では1日分の運転データ)を共通クラウド10から自動的に消去することにより、共通クラウド10にアップロードされたウインドファーム3の各々の運転データがウインドファーム運用支援装置12以外に取得されるリスクを低減することができる。
【0028】
また、共通クラウド10とウインドファーム運用支援装置12との間のデータの流れを、共通クラウド10からウインドファーム運用支援装置12への一方向のみに制限することにより、共通クラウド10にアップロードされた運転データが不用意に上書きされることを抑制するとともに、情報セキュリティ上の安全性を高めることができる。
【0029】
(運用支援情報の例)
図2は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファームの運転データの一覧表T1を示している。
図2に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、ウインドファームを構成する風車の各号機の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、最大風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間を一覧表示した一覧表T1を含む。なお、運転中時間とは、風車の不図示の風車ロータが回転している時間である。待機中時間とは、風速がカットイン風速未満又はカットアウト風速以上で風車ロータが回転を停止している時間である。時間稼働率とは、運転中時間に待機中時間を加算した値を上記指定期間の総時間で除算した割合である。設備利用率とは、上記指定期中に風車5を定格出力で運転し続けたと仮定した場合の発電電力量に対する、風車が上記指定期間中に実際に発電した電力量の百分率である。停止時間等とは、風車が警報、故障又は運転操作員による運転停止指示等により運転を停止している時間である。警報停止時間とは、風車が警報により運転を停止している時間である。
図2に示す運転データの一覧表T1において、平均風速は、例えば10分間等の期間の平均風速のサンプルデータを上記指定期間について平均化した値であってもよく、運転中時間は、例えば10分間等の期間のデータのうちの運転時間を上記指定期間に亘って積算した値であってもよく、待機中時間は、例えば10分間等の期間のデータのうちの待機時間を上記指定期間に亘って積算した値であってもよく、警報停止時間は、例えば10分間等の期間のデータのうちの警報停止時間を上記指定期間に亘って積算した値であってもよい。
【0030】
図2に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1が表示されており、ユーザは、期間指定部E1に期間の開始日及び終了日の数値を直接入力するかスライダの操作を行うことによって表示部16に表示するデータの期間を日単位で調節することが可能となっている。また、図示する例では、期間指定部E1は、表示部16に表示するデータの範囲をチェックボックスを用いて月毎に指定可能となっている。また、
図2に示す一覧表T1の各数値に関して、例えば項目毎の平均値より高い値と項目毎の平均値より低い値とを互いに異なる色で表示してもよい。また、風車の各号機について、過去の発電電力量から計画値を予想し、計画値と実績値との乖離状況から異常検知部32(
図1参照)が各号機の異常兆候を自動的に検知してもよい。
【0031】
図3は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の他の一例を示す図である。
図3に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、ウインドファームを構成する風車の号機毎の発電電力量と平均風速を地図上における風車の各号機の位置とともに示した情報を含む。
図3に示す運用支援情報は、表示部16に表示された地
図M1上においてウインドファームを構成する複数の風車の各号機の位置にアイコン(図示する例では円形のアイコン)を表示することで風車の各号機の位置を示しており、風車の各号機の位置とともに、ウインドファームを構成する風車の号機毎に指定期間における風車の発電電力量と平均風速とを示すグラフG1を含む。
図3に示す例においても、表示部16の表示画面には上述の期間指定部E1が表示されており、ユーザは期間指定部E1の指定期間を日単位で指定することによって表示部16に表示するデータの期間を調節することが可能となっている。また、図示する例では、表示部16に表示される運用支援情報は、期間指定部E1で指定した指定期間におけるウインドファーム3の総発電電力量及び設備利用率を含む。
【0032】
なお、
図3に示す例では、表示部16に表示される地図上のアイコンの大きさは、該アイコンに対応する風車5の号機の発電電力量に対して正の相関を有していてもよい。また、
図3に示す例では、上記指定期間中の風車5の号機毎の発電電力量を棒グラフで示しており、平均風速を折れ線グラフで示しているため、号機毎の発電電力量の比較及び風速の比較が容易である。また、
図3に示す表示画面に関して、風車5の各剛毅の指定期間中の発電電力量の実績値だけでなく、計画値も自動的に計算して同時に表記して比較を可能とすることにより、発電電力量の達成状況との比較が可能である。
【0033】
図4は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図4に示す例では、表示部16の表示画面に表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、各年の月毎の発電電力量を示すグラフG2と、指定期間における各年の月毎の平均風速を示すグラフG3とを含む。また、図示する例では、表示部16の表示画面には、ユーザが指定した指定期間における各年の発電電力量及び平均風速が表示されている。
図4に示す例においても、ユーザ端末15は期間指定部E1を表示部16に表示しており、ユーザは期間指定部E1の指定期間を年単位で指定することによって表示部16に表示するデータの期間を調節することが可能となっている。また、表示部16の表示画面には、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2が表示されており、ユーザが号機選択部E2における風車の号機を選択することにより、選択された号機のデータを表示部16にグラフ表示させることが可能となっている。
【0034】
図4等に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される評価対象の風車を号機選択部E2から自由に選択することが可能であるため、例えばウインドファーム内で隣接する2台の風車を選択して、該2台の風車のデータを比較したり該2台の風車のデータの差分を求めたりすることにより、選択した風車の性能低下、異常の有無及びそれらの程度を容易に把握することができる。また、号機選択部E2で選択した風車のデータを、評価の基準となる標準風車のデータと比較したり、これらのデータの差分を求めたりすることにより、評価対象の風車の経年変化の有無や経年変化の程度を容易に把握することができる。
【0035】
なお、
図4に示す例では、例えば、各月の発電電力量を年毎に色を変えた棒グラフで表示してもよく、これにより、年間を通した発電実績の推移、比較及び推定がしやすくなる。
【0036】
図5は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファームの運転データの一覧表T2の一部を示している。
図5に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、ユーザが選択したウインドファーム毎及びユーザが選択した風車の機種毎に、風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、最大風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間を一覧表示した一覧表T2を含む。
【0037】
図5に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1が表示されており、ユーザは、期間指定部E1に期間の開始日及び終了日の数値を直接入力するかスライダの操作を行うことによって表示部16に表示するデータの期間を日単位で調節することが可能となっている。また、表示部16の表示画面16aには、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファーム(ユーザ端末15を使用するユーザが所有及び管理する複数のウインドファーム)の中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4とが表示されている。図示する例では、機種選択部E3は、風車5のA機種、B機種、C機種の各々に対応するチェックボックスを表示しており、ユーザがチェックボックスの操作によって風車のA機種、B機種、C機種の中から1以上の機種を選択できるようになっている。また、ウインドファーム選択部E4は、複数のウインドファームの各々のサイトに対応するチェックボックスを表示しており、ユーザがチェックボックスの操作によって複数のウインドファームの各々のサイト(Aサイト、Bサイト、Cサイト)の中から1以上のサイトを選択することによってウインドファームを選択できるようになっている。
【0038】
図5に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E4でAサイト、Bサイト及びCサイトが選択されているため、表示画面16aの上記一覧表T2には、Aサイトのウインドファームに含まれるA機種の風車の号機(Aサイト1号機及びAサイト2号機)、Bサイトのウインドファームに含まれるA機種の風車の号機(Bサイト1号機及びBサイト2号機)及びCサイトのウインドファームに含まれるA機種の風車の号機(Cサイト1号機及びCサイト2号機)の各々について、風車の発電電力量の平均値、所内消費電力量の平均値、平均風速の平均値、最大風速の最大値、時間稼働率の平均値、設備利用率の平均値、運転中時間の平均値、待機中時間の平均値、停止時間等の平均値及び警報停止時間の平均値が表示されている。
【0039】
図6は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T3の一部を示している。
図6に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車5の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、自サイト、他サイト及び同機種例の中から1以上の項目を選択可能な項目選択部E5と、一覧表T3とが表示されている。
【0040】
図6に示す例では、機種選択部E3は、風車5のA機種、B機種、C機種の各々に対応するチェックボックスを表示しており、ユーザがチェックボックスの操作によって風車のA機種、B機種、C機種の中から1以上の機種を選択できるようになっている。また、項目選択部E5は、ユーザ端末15を使用するユーザが所有及び管理するウインドファームのサイトを示す「自サイト」と、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームのうち自サイトを除いた複数のウインドファームのサイトを示す「他サイト」と、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種の例を示す「同機種例」との中から1以上の項目を選択できるようになっている。
【0041】
図6に示す例では、一覧表T3は、期間指定部E1で指定された期間における風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)における機種選択部E3で選択された機種の平均値と、他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種選択部E3で選択された機種の平均値と、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種の平均値とを示している。また、一覧表T3は、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)における機種選択部E3で選択された機種の最大値と、他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種選択部E3で選択された機種の最大値と、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種の最大値とを示している。
【0042】
図6に示す例では、機種選択部E3でA機種及びB機種が選択されており、項目選択部E5で自サイト、他サイト及び同機種例が選択されている。このため、例えば自サイトのウインドファームの風車がA機種のみを含む場合には、表示画面16aの上記一覧表T3における自サイトの項目には、期間指定部E1で指定された期間における風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、自サイトのウインドファームに含まれるA機種の平均値が示され、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について自サイトのウインドファームに含まれるA機種の最大値が示される。また、表示画面16aの上記一覧表T3における他サイトの項目には、風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、他サイトのウインドファームに含まれるA機種とB機種の平均値が示され、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について他サイトのウインドファームに含まれるA機種とB機種の最大値が示される。また、表示画面16aの上記一覧表T3における同機種例の項目には、風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、自サイトのウインドファームに含まれる風車と同機種であるA機種について他サイトのウインドファームにおけるA機種の平均値が示され、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について、他サイトのウインドファームにおけるA機種の最大値が示される。
【0043】
一覧表T3に示される上記平均値の各々(自サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種の平均値と、他サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種の平均値と、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファームにおける機種の平均値)は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出されてもよい。この場合、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された各ウインドファームの風車毎のデータ(例えば発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、一覧表T3に示される上記平均値の各々を算出する。また、運用支援情報出力部24は、統計値算出部30によって算出されたこれらの平均値の各々を関連付けて一覧表T3のデータを生成し、一覧表T3を含む運用支援情報を出力する。また、データ出力部26は、
図6に示す一覧表T3を含む運用支援情報(自サイトのウインドファームの運用を支援するための運用支援情報)を自サイトのウインドファームの専用クラウド14(例えば自サイトのウインドファームが
図1に示すウインドファーム3Aである場合には専用クラウド14A)にアップロードする。
【0044】
例えば、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の風車毎のデータ(例えば発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された自サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、一覧表T3に示されるように、自サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種の上記平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(例えば発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された他サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、一覧表T3に示されるように、他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種選択部E3で選択された機種の上記平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(例えば発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、一覧表T3に示されるように、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種の上記平均値を算出してもよい。
【0045】
図6に例示したように、ウインドファーム運用支援システム2によれば、複数の他サイトのウインドファームに関するデータに基づいて、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の運用を支援するための運用支援情報を出力することにより、自サイトのウインドファームのみからは得られない知見(例えば複数の他ウインドファームに関するデータに対して例えば時系列的解析、横断的解析又は統計的解析等を行うことで得られる複数の他ウインドファームに関するデータの傾向等)を含む運用支援情報を出力することができるため、付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0046】
図7は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図であり、ウインドファーム3の運転データの一覧表T4の一部を示している。
図7に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車5の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファーム(ユーザが所有及び管理する複数のウインドファーム)の中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4と、一覧表T4とが表示されている。
【0047】
図7に示す例では、機種選択部E3は、ユーザによるチェックボックスの操作によって風車のA機種及びB機種の中から1以上の機種を選択できるようになっている。また、ウインドファーム選択部E4は、ユーザによるチェックボックスの操作によって、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの各々のサイト(Aサイト~Iサイト)の中から1以上のサイトを選択することによってウインドファームを選択できるようになっている。
【0048】
図7に示す例では、一覧表T4は、期間指定部E1で指定された期間における風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム毎に機種選択部E3で選択された機種毎の平均値を示している。また、一覧表T4は、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム毎に機種選択部E3で選択された機種毎の最大値を示している。
【0049】
図7に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E4でAサイトのウインドファームとGサイトのウインドファームとが選択されている。このため、一覧表T4には、期間指定部E1で指定された期間における風車の発電電力量、所内消費電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間の各々について、AサイトのウインドファームにおけるA機種の平均値と、GサイトのウインドファームにおけるA機種の平均値とが示される。また、一覧表T4には、期間指定部E1で指定された期間における風車の最大風速について、AサイトのウインドファームにおけるA機種の最大値と、GサイトのウインドファームにおけるA機種の最大値とが示される。
【0050】
一覧表T4において、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出されてもよい。この場合、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された各ウインドファームの風車毎のデータ(発電電力量、平均風速、時間稼働率、設備利用率、運転中時間、待機中時間、停止時間等及び警報停止時間等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、一覧表T4に示される上記平均値の各々を算出する。また、データ出力部26は、
図7に示す一覧表T4を含む運用支援情報を自サイトのウインドファームの専用クラウド14(例えば自サイトのウインドファームがウインドファーム3Aである場合には専用クラウド14A)にアップロードする。
【0051】
図8は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図である。
図8に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、ユーザが選択するウインドファーム毎及び風車の機種毎に発電電力量、平均風速及び設備利用率を地図上におけるウインドファームの位置とともに示す情報を含む。
図8に示す運用支援情報は、表示部16に表示された地
図M2上においてウインドファーム3の位置にアイコン(図示する例では円形のアイコン)を表示することでウインドファームの位置を示しており、指定期間における平均風速と設備利用率とをウインドファーム毎及び風車の機種毎に示すグラフG4を更に含む。
図8に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車5の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファーム(ユーザが所有及び管理する複数のウインドファーム)の中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E6とが更に表示されている。
【0052】
図8に示す例では、機種選択部E3は、ユーザによるチェックボックスの操作によって風車のA機種、B機種及びC機種の中から1以上の機種を選択できるようになっている。また、ウインドファーム選択部E6は、ユーザによるチェックボックスの操作によって、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームのサイト(Aサイト、Bサイト)と他サイト(ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームのうち対象地域においてユーザが所有も管理もしていないウインドファームのサイト)の中から1以上のサイトを選択できるようになっている。
【0053】
図8に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E6でAサイト及びBサイトが選択されているため、地
図M2上には、Aサイトのウインドファームの位置とBサイトのウインドファームの位置にアイコンが表示されている。ここで、アイコンの大きさは、該アイコンに対応するウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種の発電電力量の平均値に対して正の相関を有している。また、地
図M2上には、対象地域に存在するウインドファームにおける機種選択部E3で選択されたA機種の発電電力量の平均値を示すアイコンが表示されている。
【0054】
また、グラフG4は、ウインドファーム選択部E6で選択されたAサイトのウインドファームとBサイトのウインドファームの各々における設備利用率と平均風速について、機種選択部E3で選択されたA機種の平均値をそれぞれ示しており、更に、対象地域に存在する全てのウインドファームにおける設備利用率と平均風速について、機種選択部E3で選択されたA機種の平均値を示している。
図8に示される発電電力量、設備利用率及び平均風速の各々について、ウインドファーム選択部E6で選択されたウインドファームにおける選択部E3で選択された機種の平均値は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出されてもよい。この場合、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された各ウインドファームの風車毎のデータ(発電電力量、平均風速及び設備利用率等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、
図8に示される上記平均値の各々を算出する。また、データ出力部26は、
図8に示される運用支援情報を自サイトのウインドファームの専用クラウド14にアップロードする。
【0055】
図9は、ユーザ端末15の表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報の一例を示す図である。
図9に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームについて、風車の号機毎の設備利用率を設備利用率が高い方から順に並べて示す棒グラフG5と、風車の号機毎の平均風速を設備利用率が高い方から順に並べて示す折れ線グラフG6とを併せて示している。また、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの風車の号機毎の設備利用率の平均値を上記グラフG5,G6とともに示している。
【0056】
図10は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図10に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風向の頻度分布(風向に対するそのデータ数の分布)を示すグラフG7、風速の頻度分布(平均風速に対するそのデータ数の分布)を示すグラフG8、風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均の分布を示すグラフG9、及び風速に対する風車の発電機出力の10分平均の分布を示すグラフG10を含む。
【0057】
図10に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されており、ユーザが期間指定部E1で期間を指定して号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、グラフG7~G10の各々について、期間指定部E1で指定された期間における号機選択部E2で選択された号機のデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0058】
図10に示す例では、風向の頻度分布を示すグラフG7に関しては、例えば各風車の所定期間(例えば10分間)の平均風向をレーダーチャートに落とし込み、出現頻度の高い風向を可視化することができる。また、風速の頻度分布を示すグラフG8に関して、例えば各風車の所定期間(例えば10分間)の風速データについて、所定の風速区間毎(例えば1m/s刻みの平均風速の区間毎)の出現頻度を度数分布として集計して可視化することができる。また、風速に対する発電機出力(ビン平均)のグラフG9に関しては、例えば各風車の所定期間(例えば10分間)のデータのうち、該所定期間における電力系統への併入中のデータのみを有効データとして採用し、平均風速毎の発電機出力をBIN処理して、パワーカーブとして表示してもよい。図示する例では、グラフG9には、風速と発電機出力の実測値との関係とを示すパワーカーブと、風速と発電機出力の計画値との関係を示すパワーカーブとが示されている。また、風速に対する発電機出力のグラフG10に関しては、例えば各風車の所定期間(例えば10分間)のデータのうち、該所定期間における電力系統への併入中のデータのみを有効データとして採用し、平均風速毎の発電機出力を散布図のパワーカーブとして表示してもよい。図示する例では、グラフG10には、風速と発電機出力の実測値との関係とを示すパワーカーブと、風速と発電機出力の計画値との関係を示すパワーカーブとが示されている。
【0059】
図11は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図11に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風速に対する乱れ強度(乱流強度)の10分平均のビン平均の分布を風向毎に示すグラフG11、風速に対する乱れ強度の10分平均のビン平均の分布を号機毎に示すグラフG12、風向の頻度分布(データ数)を示すグラフG13及び風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均を示すグラフG14を含む。
【0060】
図11に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2と、複数の風向の中から風向を選択する風向選択部E7とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択し、風向選択部E7で風向を選択することにより、グラフG11~G14の各々について、期間指定部E1で指定された期間、号機選択部E2で選択された号機及び風向選択部E7で選択された風向についてのデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0061】
図11に示す例では、風速に対する乱れ強度のビン平均の分布を示すグラフG11に関しては、風向選択部E7のチェックボックスから予め風向を選択しておき、各風車の所定期間(例えば10分間)の風速データについて、所定の風速区間毎(例えば1m/s刻みの平均風速の区間毎)の風速乱れ度(風速の標準偏差)をBIN処理して、折れ線グラフ化したものが表示されてもよい。図示する例では、グラフG11及びグラフG12の各々には風速に対する乱れ強度の閾値が合わせて表示されている。また、風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均を示すグラフG14に関しては、風向選択部E7のチェックボックスから予め風向を選択しておき、各風車の所定期間(例えば10分間)のデータのうち、該所定期間における電力系統への併入中のデータのみを有効データとして採用し、平均風速毎の発電機出力をBIN処理して、パワーカーブとして表示してもよい。また、グラフG14には、風速と発電機出力の実測値との関係とを示すパワーカーブと、風速と発電機出力の計画値との関係を示すパワーカーブとが示されている。
【0062】
図12は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図12に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風速の頻度分布(平均風速に対するそのデータ数の分布)を示すグラフG15、風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均の分布を示すグラフG16、及び風速に対する風車の発電機出力の10分平均の分布を示すグラフG17を含む。
【0063】
図12に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、自サイト、他サイト及び同機種例の中から1以上の項目を選択可能な項目選択部E5とが表示されている。ここでの自サイトとは、上述のように、ユーザが所有及び管理するウインドファームのサイトであり、他サイトとは、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームのうち自サイトを除いたウインドファームのサイトであり、同機種例とは、他サイトのウインドファームのデータのうち、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種のデータの例である。
【0064】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、項目選択部E5で自サイト、他サイト又は同機種例の項目を選択することにより、グラフG15~G17の各々について、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及び項目選択部E5で選択された項目についてのデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0065】
図12に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、項目選択部E5で自サイト、他サイト及び同機種例が選択されている。このため、表示画面16aには、グラフG15~G17の各々について、自サイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種(自サイトの風車と同機種)の風車の平均値とが示される(
図12に示す例では、同機種例の項目を選択した結果のグラフは、他サイトの項目を選択した結果のグラフに一致している)。
【0066】
項目選択部E5で選択された項目における機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値の各々は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出されてもよい。
図12に示す表示画面16aにおいて、項目選択部E5で選択された項目における機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出されてもよい。この場合、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された各ウインドファームの風車毎のデータ(平均風速、発電機出力及び風速頻度等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、
図12に示される上記平均値の各々を算出する。また、データ出力部26は、
図12示される運用支援情報を自サイトのウインドファームの専用クラウド14(例えば自サイトのウインドファームがウインドファーム3Aである場合には専用クラウド14A)にアップロードする。
【0067】
例えば、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速、発電機出力及び平均風速等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された自サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される自サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎に各平均風速における発電機出力の平均値と風速頻度とを算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速、発電機出力及び平均風速等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された他サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される他サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎に各平均風速における発電機出力の平均値と風速頻度とを算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速、発電機出力及び平均風速等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種毎の上記平均値を算出してもよい。
【0068】
図12に例示したように、ウインドファーム運用支援システム2によれば、複数の他サイトのウインドファームに関するデータに基づいて、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の運用を支援するための運用支援情報を出力することにより、自サイトのウインドファームのみからは得られない知見(例えば複数の他ウインドファームに関するデータに対して例えば時系列的解析、横断的解析又は統計的解析等を行うことで得られる複数の他ウインドファームに関するデータの傾向等)を含む運用支援情報を出力することができるため、付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0069】
図13は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図13に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風速の頻度分布(平均風速に対するそのデータ数の分布)を示すグラフG18、風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均の分布を示すグラフG19、及び風速に対する風車の発電機出力の10分平均の分布を示すグラフG20を含む。
【0070】
図13に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E8が表示されている。
【0071】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、ウインドファーム選択部E8でウインドファームを選択することにより、グラフG15~G17の各々について、ウインドファーム選択部E8で選択されたウインドファーム毎に、期間指定部E1で指定された期間における機種選択部E3で選択された機種のデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0072】
図13に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E8でユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファーム、Bサイトのウインドファーム及びCサイトのウインドファームが選択されている。このため、表示画面16aには、グラフG18~G20の各々について、AサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、BサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、CサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値とが示される。ウインドファーム選択部E8で選択されたウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値の各々は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出される。
【0073】
図14は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図14に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風向の頻度分布(風向に対するそのデータ数の分布)を示すグラフG21、風速に対する風車の発電機出力の10分平均のビン平均の分布を示すグラフG22、及び風速に対する風車の発電機出力の10分平均の分布を示すグラフG23を含む。
【0074】
図14に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4とが表示されている。
【0075】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択することにより、グラフG21~G23の各々について、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム毎に、期間指定部E1で指定された期間における機種選択部E3で選択された機種のデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0076】
図14に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファーム、Bサイトのウインドファーム、Cサイトのウインドファーム及びDサイトのウインドファームがウインドファーム選択部E4で選択されている。このため、表示画面16aには、グラフG21~G23の各々について、AサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、BサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、CサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、DサイトのウインドファームのA機種の風車の平均値とが示される。また、図示する例では、グラフG22及びグラフG23の各々には、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種のデータともに、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する他サイトも含めた複数のウインドファームにおけるA機種の風車の平均値が示される。ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値の各々は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出される。
【0077】
図15は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図15に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風車翼の実際の翼ピッチ角度であるピッチ実角について、風速に対するピッチ実角の10分平均のビン平均の分布を示すグラフG24、及び、風速に対するピッチ実角の10分平均の分布を示すグラフG25を含む。
【0078】
図15に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、自サイト、他サイト及び同機種例の中から1以上の項目を選択可能な項目選択部E5とが表示されている。ここでの自サイトとは、上述のように、ユーザ端末15を使用するユーザが所有及び管理するウインドファームのサイトであり、他サイトとは、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームのうち自サイトを除いたウインドファームのサイトであり、同機種例とは、他サイトのウインドファームのデータのうち、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種のデータの例である。
【0079】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、項目選択部E5で自サイト、他サイト又は同機種例の項目を選択することにより、グラフG24及びグラフG25の各々について、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及び項目選択部E5で選択された項目についてのデータが表示画面16aにグラフ表示される。
【0080】
図15に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、項目選択部E5で自サイト、他サイト及び同機種例が選択されている。このため、表示画面16aには、グラフG24及びグラフG25の各々について、自サイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種の風車の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種(自サイトの風車と同機種)の風車の平均値とが示される(
図15に示す例では、同機種例の項目を選択した結果のグラフは、他サイトの項目を選択した結果のグラフに一致している)。項目選択部E5で選択された項目における機種選択部E3で選択された機種毎の上記平均値の各々は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出される。
【0081】
例えば、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速及びピッチ実角等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された自サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される自サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎に各平均風速におけるピッチ実角の平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速及びピッチ実角等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された他サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される他サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種毎に各平均風速におけるピッチ実角の平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(平均風速及びピッチ実角等を示すデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、グラフG15~G17に示される自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種毎に各平均風速におけるピッチ実角の平均値を算出してもよい。
【0082】
図15に例示したように、ウインドファーム運用支援システム2によれば、複数の他サイトのウインドファームに関するデータに基づいて、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の運用を支援するための運用支援情報を出力することにより、自サイトのウインドファームのみからは得られない知見(例えば複数の他ウインドファームに関するデータに対して例えば時系列的解析、横断的解析又は統計的解析等を行うことで得られる複数の他ウインドファームに関するデータの傾向等)を含む運用支援情報を出力することができるため、付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0083】
図16は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図16に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、所定期間(例えば1か月又は1年等)における平均風速と発電電力量とを風車の号機毎に示すグラフG26、及び、上記所定期間における平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎(すなわちウインドファームのサイト毎)に示すグラフG27とを含む。
【0084】
図16に示す例では、グラフG26は、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種(例えば上述の例におけるA機種)の風車の各々について、上記所定期間における第1機種の風車の平均風速と発電電力量とを第1機種の風車の号機毎に示している。また、表示部16の表示画面16aにおけるグラフG26の表示領域には、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種の風車について、上記所定期間における平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線が示されている。
【0085】
この近似直線又は近似直線は、例えば
図1に示す構成において運用支援情報出力部24によって算出してもよい。この場合、例えば、データ取得部20は、ウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データを共通クラウド10から取得してデータベース部22に保存し、運用支援情報出力部24は、データベース部22から取得したウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データと、データベース部22に保存されたウインドファーム3A~3Cの風車の各号機の機種を示す情報とに基づいて、上記グラフG26と上記近似直線又は近似曲線とを含む運用支援情報を出力してもよい。また、幾つかの実施形態では、
図16に示すように、グラフG26は散布図であり、ユーザに関連付けられたウインドファームの風車(自サイトの風車)のデータを示す点とユーザに関連付けられていないウインドファームの風車(他サイトの風車)のデータを示す点とは、互いに区別できるように、色、形状又は大きさ等が互いに異なっていてもよい。
【0086】
図16に示す例では、グラフG27は、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種(例えば上述の例におけるA機種)の風車について、上記所定期間における第1機種の風車の平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎に示している。また、表示部16の表示画面16aにおけるグラフG27の表示領域には、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種の風車について、上記所定期間における第1機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線が示されている。
【0087】
この近似直線又は近似曲線は、例えば
図1に示す構成において運用支援情報出力部24によって算出してもよい。この場合、例えば、データ取得部20は、ウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データを共通クラウド10から取得してデータベース部22に保存し、運用支援情報出力部24は、データベース部22から取得したウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データと、データベース部22に保存されたウインドファーム3A~3Cの風車の各号機の機種を示す機種情報とに基づいて、上記グラフG27と上記近似直線又は近似曲線とを含む運用支援情報を出力してもよい。また、幾つかの実施形態では、
図16に示すように、グラフG27は散布図であり、ユーザに関連付けられたウインドファーム(自サイトのウインドファーム)のデータを示す点とユーザに関連付けられていないウインドファーム(他サイトのウインドファーム)のデータを示す点とは、互いに区別できるように、色、形状又は大きさ等が互いに異なっていてもよい。また、上記近似直線は、例えば最小二乗法を用いて決定されてもよい。
【0088】
図16に示すグラフG26を含む運用支援情報によれば、同一機種の風車間で発電電力量を比較することが可能となり、また、自サイトのウインドファームの風車の性能(平均風速と発電電力量との関係)を、同一機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線との比較に基づいて判断することができる。
【0089】
また、
図16に示すグラフG27を含む運用支援情報によれば、複数のウインドファーム間で同一機種の風車の性能を比較することが可能となり、また、自サイトのウインドファームの風車の性能を、同一機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線との比較に基づいて判断することができる。
【0090】
また、
図16に示すように、表示部16の表示画面16aにグラフG26とグラフG27とを並べて表示することにより、例えば風車の性能の優劣が風車の個体差に起因するのかウインドファームのサイトに起因するのか等を分析することができる。ただし、グラフG26とグラフG27とは必ずしも同一の表示画面16aに表示する必要はなく、例えば表示画面16aにグラフG26とグラフG27のうち一方のみが表示されてもよい。
【0091】
図17は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図17に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風車の第1機種(例えば上記の例のA機種)について所定期間(例えば1か月又は1年等)における平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎に示すグラフG28、及び、風車の第2機種(例えば上記の例のB機種)について上記所定期間における平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎に示すグラフG29を含む。
【0092】
図17に示す例では、グラフG28は、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種(例えば上述の例におけるA機種)の風車について、上記所定期間における第1機種の風車の平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎に示している。また、表示部16の表示画面16aにおけるグラフG28の表示領域には、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第1機種の風車について、上記所定期間における第1機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線が示されている。
【0093】
この近似直線又は近似直線は、例えば
図1に示す構成において運用支援情報出力部24によって算出してもよい。この場合、例えば、データ取得部20は、ウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データを共通クラウド10から取得してデータベース部22に保存し、運用支援情報出力部24は、データベース部22から取得したウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データと、データベース部22に保存されたウインドファーム3A~3Cの風車の各号機の機種を示す情報とに基づいて、上記グラフG28と上記近似直線又は近似曲線とを含む運用支援情報を出力してもよい。また、幾つかの実施形態では、
図17に示すように、グラフG28は散布図であり、ユーザに関連付けられたウインドファーム(自サイトのウインドファーム)のデータを示す点とユーザに関連付けられていないウインドファーム(他サイトのウインドファーム)のデータを示す点とは、互いに区別できるように、色、形状又は大きさ等が互いに異なっていてもよい。
【0094】
図17に示す例では、グラフG29は、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第2機種(例えば上述の例におけるB機種)の風車について、上記所定期間における第2機種の風車の平均風速と発電電力量とをウインドファーム毎に示している。また、表示部16の表示画面16aにおけるグラフG29の表示領域には、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームに含まれる第2機種の風車について、上記所定期間における第2機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線が示されている。
【0095】
この近似直線又は近似直線は、例えば
図1に示す構成において運用支援情報出力部24によって算出してもよい。この場合、例えば、データ取得部20は、ウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データを共通クラウド10から取得してデータベース部22に保存し、運用支援情報出力部24は、データベース部22から取得したウインドファーム3A~3Cに含まれる各風車の風速と発電電力量の時系列データと、データベース部22に保存されたウインドファーム3A~3Cの風車の各号機の機種を示す情報とに基づいて、上記グラフG29と上記近似直線又は近似曲線とを含む運用支援情報を出力してもよい。また、幾つかの実施形態では、
図16に示すように、グラフG29は散布図であり、ユーザに関連付けられたウインドファーム(自サイトのウインドファーム)のデータを示す点とユーザに関連付けられていないウインドファーム(他サイトのウインドファーム)のデータを示す点とは、互いに区別できるように、色、形状又は大きさ等が互いに異なっていてもよい。
【0096】
図17に示すグラフG28及びグラフG29を含む運用支援情報によれば、について、複数のウインドファーム間で複数の機種(上記の例ではA機種とB機種)の風車の性能を比較することが可能となり、また、風車の上記複数の機種(上記の例ではA機種とB機種)の各々について、自サイトのウインドファームの風車の性能を、同一機種の風車の平均風速と発電電力量との相関関係を近似した近似直線又は近似曲線との比較に基づいて判断することができる
【0097】
図18は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図18に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間における風車5の号機毎の警報の履歴に関する情報を含む。図示する例では、表示部16の表示画面16aには、図選択部E9が表示されている。図選択部E9は、ウインドファームについて、風車の部位別の警報発生回数を示す図、風車の部位別の警報発生中時間を示す図、風車の部位別の警報発生回数(号機毎)を示す図、風車の部位別の警報発生中時間(号機毎)を示す図、風車の警報マトリックス(回数)を示す図、風車の警報マトリックス(時間)を示す図及び風車の警報履歴を示す図の中から表示画面16aに表示する図を選択可能となっている。図選択部E9に示される図の選択肢の中からユーザが選択した図が運用支援情報(警報の履歴に関する情報)として表示画面16aに表示される。
【0098】
図18に示す例では、図選択部E9において、部位別の警報発生回数を示す図が選択されており、表示部16に表示された警報の履歴に関する情報は、風車の部位(例えば翼ピッチ制御機器、増速機、発電機、補機モータ又はヨー駆動装置等)であるA部位、B部位、C部位、D部位、E部位、F部位、G部位、H部位及びI部位の各々についての、警報の名称毎の警報発生回数を含む。また、警報の履歴に関する情報は、例えばその警報の検知情報や発生履歴等の詳細情報へのリンクを含んでいてもよいし、警報の名称に関連付けられたトラブルシューティングのマニュアルへのリンクを含んでいてもよい。また、図示する例では、表示部16は、警報の履歴に関する情報として、号機選択部E2で選択した風車の号機における警報の名称毎の警報発生回数の上位10位までの一覧と、風車の部位別の警報の発生回数の一覧と表示している。また、
図18に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についての警報の履歴に関する情報が表示画面16aに表示される。
【0099】
図19は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図19に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、日付毎ウインドファーム毎の警報発生回数を示す一覧表T5と、ウインドファーム毎の警報発生回数を示すグラフG30と、警報の名称毎の警報発生回数を示すグラフG31とを含む。
【0100】
図19に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4と、警報名称選択部E10とが表示されている。また、表示画面16aには、メンテナンス中又は長期停止中等で分析が不要なケースの警報をフィルタにかけるための復帰ステータス選択部E11と、運転中に警報が発生したデータと、メンテナンス中に警報が発生したデータとを選択可能な発生時状態選択部E12とが表示されている。
【0101】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択することにより、上記表T5、グラフG30及びグラフG31の各々について、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及びウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームについてのデータが表示画面16aに表示される。
【0102】
図19に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E4でユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファーム、Bサイトのウインドファーム、Cサイトのウインドファーム、Dサイトのウインドファーム、Eサイトのウインドファーム及びFサイトのウインドファームが選択されている。このため、表示画面16aには、上記一覧表T5、グラフG30及びグラフG31の各々について、Aサイト~Fサイトの各ウインドファームのA機種の風車のデータが示される。また、警報名称選択部E10で警報名称を選択した場合には、グラフG31には、選択された警報名称の警報発生回数のみが表示される。
【0103】
図20は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図20に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ウインドファーム毎の運転実績を示すグラフG32と、警報名称、警報の発生時刻、復帰時刻及び警報の継続時間を風車の号機毎に示す一覧表T6とを含む。図示する例では、グラフG32が示すウインドファーム毎の運転実績は、運転中時間、待機中時間、停止時間等、警報停止時間及び発電電力量を含む。
【0104】
図20に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4と、警報名称選択部E10とが表示されている。
【0105】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択することにより、上記表T6及びグラフG32の各々について、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及びウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームについてのデータが表示画面16aに表示される。
【0106】
図20に示す例では、機種選択部E3でA機種、B機種及びC機種が選択されており、ウインドファーム選択部E4でユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファーム~Iサイトのウインドファームが選択されている。このため、表示画面16aには、上記一覧表T6、グラフG32及びグラフG33の各々について、Aサイト~Iサイトの各ウインドファームのA機種の風車のデータが示される。また、警報名称選択部E10で警報名称を選択した場合には、一覧表T6には、選択された警報名称について警報の発生時刻及び復帰時刻等が表示される。
【0107】
図21は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生中時間」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【0108】
図21に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、風車の部位(例えば翼ピッチ制御機器、増速機、発電機、補機モータ又はヨー駆動装置等)であるA部位、B部位、C部位、D部位、E部位、F部位、G部位、H部位及びI部の各々について、警報の名称毎の警報発生中時間を含む。また、図示する例では、表示部16は、警報の履歴に関する情報として、号機選択部E2で選択した風車の号機における警報の名称毎の警報発生時間の上位10位までの一覧と、風車の部位別の警報の発生中時間の一覧と表示している。また、
図21に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についての部位別の警報発生中時間が表示画面16aに表示される。
【0109】
図22は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生回数(号機毎)」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【0110】
図22に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、風車の部位である翼ピッチ制御機器、増速機、発電機、補機モータ、ヨー駆動装置、主軸ブレーキ、主開閉器、G.O.ユニット関連(翼ピッチ制御ユニット関連)及び保護システム関連等の各々について、警報の名称毎の警報発生回数を含む。また、図示する例では、表示部16は、警報の履歴に関する情報として、号機選択部E2で選択した風車の号機における警報の名称毎の警報発生回数の上位10位までの一覧と、風車の部位別の警報の発生回数の一覧と表示している。また、
図22に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についての部位別の警報発生回数が表示画面16aに表示される。
【0111】
図23は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「部位別の警報発生中時間(号機毎)」をユーザが選択した場合に表示される表示画面16aの一例を示している。
【0112】
図23に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、風車の部位である翼ピッチ制御機器、増速機、発電機、補機モータ、ヨー駆動装置、主軸ブレーキ、主開閉器、G.O.ユニット関連(翼ピッチ制御ユニット関連)及び保護システム関連等の各々について、警報の名称毎の警報発生中時間を含む。また、図示する例では、表示部16は、警報の履歴に関する情報として、号機選択部E2で選択した風車の号機における警報の名称毎の警報発生中時間の上位10位までの一覧と、風車の部位別の警報の発生中時間の一覧と表示している。また、
図22に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についての部位別の警報発生回中時間が表示画面16aに表示される。
【0113】
図24は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報マトリックス(回数)」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【0114】
図24に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、日付毎警報番号毎の警報発生回数を一覧表示した一覧表T7と、警報名称毎の警報発生回数を一覧表示した一覧表T8と、風車の号機毎警報番号毎の警報発生回数を一覧表示した一覧表T9と、警報番号毎の警報発生回数(号機色分け)を示すグラフG33と、風車の号機毎の警報発生回数(警報色分け)を示すグラフG34とを含む。ここで、警報番号とは、警報を識別するための識別情報であり、各警報ナンバーに警報の名称が割り当てられている。また、
図24に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、メンテナンス中又は長期停止中等で分析が不要なケースの警報をフィルタにかけるための復帰ステータス選択部E11とが表示されている。表示画面16aにおいてユーザが期間指定部E1で期間を指定することにより、一覧表T7、一覧表T8、一覧表T9、グラフG33及びグラフG34の各々について、期間指定部E1で指定された期間のデータが表示画面16aに表示される。
【0115】
また、
図24に示す表示画面16aには、表またはグラフの表示形式を変更するための表示形式切替部E13が表示されており、ユーザが表示形式切替部E13を操作することによって、棒グラフで表示されたグラフG34と一覧表T8とが
図25に示すようにドーナツグラフG35及びドーナツグラフG36に変更される。
図25に示すグラフG35は、風車の号機毎の警報発生回数の割合を示すドーナツグラフであり、グラフG36は、警報名称毎の警報発生回数の割合を示すドーナツグラフである。
【0116】
図26は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報マトリックス(時間)」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【0117】
図26に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、日付毎警報番号毎の警報発生時間を一覧表示した一覧表T10と、警報名称毎の警報発生時間を一覧表示した一覧表T11と、風車の号機毎警報番号毎の警報発生時間を一覧表示した一覧表T12と、警報番号毎の警報発生時間(号機色分け)を示すグラフG37と、風車の号機毎の警報発生時間(警報色分け)を示すグラフG38とを含む。ここで、警報番号とは、警報を識別するための識別情報であり、各警報ナンバーに警報の名称が割り当てられている。また、
図26に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1が表示されている。表示画面16aにおいてユーザが期間指定部E1で期間を指定することにより、一覧表T10、一覧表T11、一覧表T12グラフG37及びグラフG38の各々について、期間指定部E1で指定された期間のデータが表示画面16aに表示される。
【0118】
また、
図26に示す表示画面16aには、表またはグラフの表示形式を変更するための表示形式切替部E13が表示されており、ユーザが表示形式切替部E13を操作することによって、棒グラフで表示されたグラフG38と一覧表T11とが
図27に示すようにドーナツグラフG39及びドーナツグラフG40に変更される。
図27に示すグラフG39は、警報名称毎の警報発生時間の割合を示すドーナツグラフであり、グラフG40は、風車の号機毎の警報発生時間の割合を示すドーナツグラフである。
【0119】
幾つかの実施形態では、例えば
図28に示すように、
図24~
図27に示した一覧表T7~T12の各々及びグラフG35~G37の各々は、警報発生回数又は警報発生時間が大きい順に並んだ棒グラフと、その累積の構成比を表す折れ線グラフとを組み合わせたパレート図として表示されてもよい。
図28に示す例では、警報名称毎の警報発生回数がパレート図(
図28のグラフG41)として表示されている。
【0120】
図29は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図であり、
図18に示した画面において図選択部E9における「警報履歴」をユーザが選択した場合に表示される画面の一例を示している。
【0121】
図29に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報(警報の履歴に関する情報)は、警報の発生時刻、警報名称、警報の復帰時刻、警報の継続時間及び警報が発生した風車の号機を時系列で表示した一覧表T13を含む。
【0122】
また、
図26に示す例では、表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2と、メンテナンス中又は長期停止中等で分析が不要なケースの警報をフィルタにかけるための復帰ステータス選択部E11とが表示されている。表示画面16aにおいてユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、表T13期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機のデータが一覧表T13に表示される。また、警報名称選択部E10で警報名称を選択した場合には、一覧表T13には、選択された警報名称に関するデータのみが表示される。
【0123】
図30は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図30に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間における風車の号機毎の発電機出力の時系列データを示すグラフG42と、発電機出力の偏差レベルの時系列データを示すグラフG43とを含む。
【0124】
図30に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、グラフG42及びグラフG43の各々について、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についてのデータが表示画面16aに表示される。
【0125】
図示する例では、表示部16の表示画面16aの上部には、発電機出力の偏差レベルの最大値及び最小値、並びに、発電機出力の偏差レベルが異常の有無を判定するための上限値(閾値)以上となっているデータの個数及び下限値(閾値)以下となっているデータの個数が表示されている。このように、風車の異常の度合いを例えば発電機出力の偏差レベルとして数値化し、該偏差レベルをグラフ上にプロットして風車の異常の度合いの見える化を図ることができる。また、例えば発電機出力の偏差レベルが時系列変化の過程で異常を示す閾値を超過すると異常検知部32(
図1参照)が異常を検知することができる。
【0126】
図31は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図31に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、ユーザが指定する指定期間について、風車の各号機における風速とピッチ揺動量(10分平均)との関係を示すグラフG44、風車の各号機における風速とピッチ揺動量(10分平均)のビン最大値との関係を示すグラフG45、及び、風車の各号機におけるピッチ揺動量の最大値の時系列変化を示すグラフG46を含む。
【0127】
図31に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2とが表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、グラフG42及びグラフG43の各々について、期間指定部E1で指定された期間及び号機選択部E2で選択された号機についてのデータが表示画面16aに表示される。
【0128】
また、図示する例では、表示部16の画面の上部には、ピッチ揺動量の最大値と、ピッチ揺動量又はピッチ揺動量の最大値が上限値(閾値)を超過したデータの個数とが表示されている。このように、風車の運転データを風車の異常の度合いを示す特徴データ(上記例ではピッチ揺動量等)に変換し、当該特徴データをグラフ上にプロットして風車の異常の度合いを見える化を図ることができる。例えば当該特徴データが時系列変化の過程で異常を示す閾値を超過すると異常検知部32(
図1参照)が異常を検知することができる。
【0129】
図32は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図32に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ウインドファームが設けられる地域の地
図M3と、地
図M3上における風車の各号機の位置に各号機に対応してプロットされた円形のアイコンとを含む。
図32に示す表示画面16aにおいて、正常な状態の号機を示すアイコンは緑色、要注意の状態の号機を示すアイコンは黄色、点検が推奨される状態の号機を示すアイコンはオレンジ色、運転を停止することが推奨される状態の号機を示すアイコンは赤色に色分けされ、色で各号機の状態を識別できるように各アイコンが表示される。また、この場合、アイコンをクリックすると、各異常検知部32とリンクし、異常の詳細(異常判定となったデータ、過去の異常の履歴、異常に対して推奨される処置の内容、及び、他号機との比較等)が表示部16の表示画面16aに表示されてもよい。
【0130】
図33は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図33に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、風車の異常診断の診断項目毎に異常検知の履歴をトレンド表示した時系列のグラフを含む。図示する例では、異常診断の診断項目は、風車を構成する構成機器A~Jの各々の異常判定を含み、例えばピッチ制御異常判定、性能異常判定(性能過剰)、発電機端子電圧低判定、アキュムレータガス圧異常判定、ヨー旋回異常判定、性能異常判定(性能不足)、G.O.関連部品の異常判定、力率異常判定、ヨー滑り回数異常判定及び巻線温度判定を含んでいてもよく、各診断項目について異常検知部32(
図1参照)による異常検知の回数が表示部16の表示画面16aにトレンド表示されている。
【0131】
図34は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図34に示す例では、表示部16に表示される運用支援情報は、
図33に示した異常検知の履歴を集計することで生成されたデータであり、風車の号機毎に各診断項目の異常検知の回数を一覧表示した一覧表T14を含む。
図34に示す表示画面16aにおいえ、一覧表T14における異常検知回数が1以上のマスがマスの背景色及び数字の色の変更によって強調表示されてもよい。
図18~
図34等に示した風車の警報、故障及び異常等に関する運用支援情報は、遠隔監視PC6とは別の独立したウインドファーム運用支援装置12からウインドファームのユーザに提供することができるため、遠隔監視PC6に故障等が発生した場合でもウインドファームのユーザに適切な運用支援情報を提供することができる。
【0132】
図35は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図35に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車5の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、自サイト、他サイト及び同機種例の中から1以上の項目を選択可能な項目選択部E5と、一覧表T15とが表示されている。ここでの自サイトとは、上述のように、ユーザ端末15を使用するユーザが所有及び管理するウインドファームのサイトであり、他サイトとは、ウインドファーム運用支援装置12が運転データを管理する複数のウインドファームのうち自サイトを除いたウインドファームのサイトであり、同機種例とは、他サイトのウインドファームのデータのうち、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種のデータの例である。
【0133】
図35に示す例では、一覧表T15は、異常検知部32(
図1参照)による異常診断の診断項目毎の異常診断の検知回数を一覧表示して。図示する例では、異常診断の診断項目は、風車を構成する構成機器A~Oの各々の異常判定を含み、例えば、ヨー旋回異常判定、ヨー旋回異常判定(初回旋回時)、ヨー滑り回数異常判定、発電機端子電圧低判定、性能異常判定(性能過剰)、性能異常判定(性能不足)、ピッチ制御異常判定、ピッチがたつき検知判定、アキュムレータガス圧異常判定、G.O.関連部品の異常判定、増速機LOシステム不良判定、巻線温度判定、発電機入力側軸受温度以上判定及び力率異常判定を含んでいてもよい。
【0134】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、項目選択部E5で自サイト、他サイト又は同機種例の項目を選択することにより、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及び項目選択部E5で選択された項目についてのデータが一覧表T15に表示される。
【0135】
図35に示す例では、機種選択部E3でA機種、B機種及びC機種が選択されており、項目選択部E5で自サイト、他サイト及び同機種例が選択されている。図示する例では、自サイトの風車がA機種の風車のみを含んでおり、表示画面16aには、一覧表T15の各診断項目について、自サイトのウインドファームのA機種の風車における異常検知回数の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種、B機種及びC機種の風車全体における異常検知回数の平均値と、他サイトのウインドファームのA機種(自サイトの風車と同機種)の風車における異常検知回数の平均値とが示される。項目選択部E5で選択された項目における機種選択部E3で選択された機種の上記平均値の各々は、統計値算出部30(
図1参照)によって算出される。
【0136】
例えば、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の風車毎のデータ(異常診断の診断項目毎の異常診断の検知回数のデータ)と、データベース部22に記憶された自サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、自サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種における異常診断の診断項目毎の診断回数の平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(異常診断の診断項目毎の異常診断の検知回数のデータ)と、データベース部22に記憶された他サイトのウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、他サイトのウインドファームにおける機種選択部E3で選択された機種における異常診断の診断項目毎の診断回数の平均値を算出してもよい。また、統計値算出部30は、データ取得部20によって取得されてデータベース部22に蓄積された他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)の風車毎のデータ(異常診断の診断項目毎の異常診断の検知回数のデータ)と、データベース部22に記憶された各ウインドファームの各風車の機種を示す機種情報とに基づいて、自サイトのウインドファームに含まれる機種と同機種について他サイトのウインドファーム(複数の他サイトにそれぞれ設けられた複数の他ウインドファーム)における機種毎に異常診断の診断項目毎の診断回数の平均値を算出してもよい。
【0137】
図35に例示したように、ウインドファーム運用支援システム2によれば、複数の他サイトのウインドファームに関するデータに基づいて、自サイトのウインドファーム(第1ウインドファーム)の運用を支援するための運用支援情報を出力することにより、自サイトのウインドファームのみからは得られない知見(例えば複数の他ウインドファームに関するデータに対して例えば時系列的解析、横断的解析又は統計的解析等を行うことで得られる複数の他ウインドファームに関するデータの傾向等)を含む運用支援情報を出力することができるため、付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0138】
図36は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図36に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、風車5の複数の機種の中から1以上の機種を選択可能な機種選択部E3と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファーム(ユーザが所有及び管理する複数のウインドファーム)の中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4と、一覧表T16とが表示されている。
【0139】
図36に示す例では、一覧表T16は、異常検知部32(
図1参照)による異常診断の診断項目毎の異常診断の検知回数を風車の号機毎に一覧表示している。図示する例では、異常診断の診断項目は、風車を構成する構成機器A~Oの各々の異常判定を含み、例えば、ヨー旋回異常判定、ヨー旋回異常判定(初回旋回時)、ヨー滑り回数異常判定、発電機端子電圧低判定、性能異常判定(性能過剰)、性能異常判定(性能不足)、ピッチ制御異常判定、ピッチがたつき検知判定、アキュムレータガス圧異常判定、G.O.関連部品の異常判定、増速機LOシステム不良判定、巻線温度判定、発電機入力側軸受温度以上判定及び力率異常判定を含んでいてもよい。
【0140】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、機種選択部E3で風車の機種を選択し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択することにより、期間指定部E1で指定された期間、機種選択部E3で選択された機種及びウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファームについてのデータが一覧表T15に表示される。
【0141】
図36に示す例では、機種選択部E3でA機種が選択されており、ウインドファーム選択部E4でAサイトのウインドファーム、Bサイトのウインドファーム及びCサイトのウインドファームが選択されている。このため、一覧表T16には、Aサイトのウインドファーム、Bサイトのウインドファーム及びCサイトのウインドファームの各々について、A機種の風車の各号機について、期間指定部E1で指定された期間における異常検知回数が異常診断の診断項目毎に一覧表示される。
【0142】
図37は、風車5のメンテナンス作業の作業実績の記録を示すメンテナンス記録データをユーザがユーザ端末15に入力する際に表示部16に表示されるメンテナンス実績入力メニューの一例を示す図である。図示する例では、表示部16には、メンテナンス作業の作業項目として、「巡視・点検」、「トラブルシューティング」、「部品交換」及び「補修工事」が表示されており、ユーザは、入力する作業実績の作業項目をこれらの作業項目から選択可能となっている。
図37に示す表示画面16aにおいて、ユーザがこれらの作業項目の中から何れかの作業項目を選択すると、選択した作業項目について、メンテナンス作業の作業実績の記録を示すメンテナンス記録データ(例えばメンテナンス作業の内容や風車の状態を示す図や写真等)を入力するための画面が表示される。例えばユーザが「巡視・点検」を選択した場合には、
図38に示すように、「巡視・点検」の作業実績の詳細を入力するための画面が表示部16に表示される。図示する例では、表示部16の表示画面16aには、風車停止時間の入力欄、作業終了時間の入力欄、風車復帰時間の入力欄、作業者の入力欄、作業人数の入力欄及び作業内容の入力欄が表示されており、ユーザは各入力欄に対応するメンテナンス記録データをユーザ端末15に入力することが可能となっている。
【0143】
ユーザがメンテナンス実績入力メニューから風車のメンテナンス記録データを入力すると、入力されたメンテナンス記録データは、不図示の通信ネットワークを介して
図1に示す共通クラウド10における当該風車5を含むウインドファーム3の専用のフォルダにアップロードされる。例えばユーザが所有及び管理するウインドファーム3Aの風車5のメンテナンス記録データをユーザ端末15Aに入力すると、ユーザ端末15Aは、入力されたメンテナンス記録データを不図示の通信ネットワークを介して共通クラウド10におけるウインドファーム3A専用のフォルダに自動的にアップロードする。共通クラウド10にアップロードされたメンテナンス記録データは、ウインドファーム運用支援装置12のデータ取得部20によって取得されてデータベース部22に保存及び蓄積される。ウインドファーム運用支援装置12のデータベース部22には、複数のウインドファーム3A,3B,3Cの各々における風車のメンテナンス記録データが蓄積される。また、運用支援情報出力部24は、データ取得部20によって取得した複数のウインドファーム3A,3B,3Cの各々に関するメンテナンス記録データに基づいて、複数のウインドファーム3A,3B,3Cの各々の運用を支援するための運用支援情報(例えば各風車5の保守・点検等の履歴やカルテ等)をウインドファーム3毎に出力する。
【0144】
また、
図37に示す表示画面16aにおいて、ユーザが例えば「部品交換」を選択して部品交換の実績を示すメンテナンス記録データをユーザ端末15から入力した場合に、入力されたメンテナンス記録データは上述のように
図1に示した共通クラウド10及びデータ取得部20を介してデータベース部22に保存及び蓄積される。この場合、風車の部品の在庫量を記録した在庫データベース部(例えばデータベース部22の一部)に部品交換の結果を自動的に反映させてもよいし、交換を行った部品の在庫の補充を依頼するための補充依頼を例えばサプライチェーンにおける部品補充の担当に自動的にメール等で送信してもよい。
【0145】
図39は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図39に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、巡視点検履歴の一覧表T17、トラブルシューティング履歴の一覧表T18、部品交換履歴の一覧表T19及び修理工事履歴の一覧表T20を含む。
【0146】
巡視点検履歴の一覧表T17は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎に、巡視点検の作業内容、完了区分(完了又は未完了)、懸案、作業区分、気付き事項、ペンディング、次回予定、作業開始時刻、作業終了時刻及び追跡番号等を含む。トラブルシューティング履歴の一覧表T18は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎に、警報番号、完了区分、作業者、推定原因、コメント、処置、懸案、作業開始時刻、作業終了時刻及び追跡番号等を含む。部品交換履歴の一覧表T18は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎に、部品交換の作業内容、完了区分、タグ番号、パーツ番号、部品名称、数量、作業日、作業時間、作業者等を含む。修理工事履歴の一覧表T20は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎に、修理工事の作業内容、完了区分、懸案、作業区分、気付き事項、ペンディング、次回予定、作業開始時刻、作業終了時刻、作業者及び追跡番号を含む。
【0147】
図39に示す運用支援情報における一覧表T17~T20のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0148】
図40は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図40に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎の巡視及び点検の作業回数を示すグラフG47と、風車の号機毎に風車の部位毎の巡視及び点検の作業回数と作業時間とを示す一覧表T21とを含む。
【0149】
図40に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4とが表示されている。表示部16の表示画面16aには、月次点検、巡視、年次点検及び半年点検等からなる作業区分の中から作業区分を選択可能な作業区分選択部E14と、懸案の有無を選択可能な懸案選択部E15とが表示されている。
【0150】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、グラフG47及び一覧表T21の各々について、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム毎に、期間指定部E1で指定された期間における号機選択部E2で選択された号機のデータが表示画面16aに表示される。また、作業区分選択部E14で作業区分を選択した場合及び懸案選択部E15で懸案の有無を選択した場合には、グラフG47及び一覧表T21の各々には、選択された作業区分及び懸案の有無に対応するデータのみが表示される。
【0151】
図40に示す例では、ウインドファーム選択部E4でユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファームが選択されており、号機選択部E2でAサイトのウインドファームの風車の全ての号機が選択されている。このため、表示画面16aには、上記グラフG47及び一覧表T21の各々について、Aサイトの風車の全ての号機のデータが号機毎に示される。
【0152】
図40に示す運用支援情報におけるグラフG47及び一覧表T21のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0153】
図41は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図41に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎の巡視及び点検の作業区分ごとの作業時間を示す一覧表T22と、風車の号機毎に風車の部位毎の巡視及び点検の作業時間を示す一覧表T23と、風車の各号機の巡視及び点検の作業時間を風車の部位毎に積算した累積作業時間を示すグラフG48と、を含む。
【0154】
図41に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1が表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定することにより、一覧表T22、一覧表T23及びグラフG48の各々について、期間指定部E1で指定された期間のデータが表示画面16aに表示される。
【0155】
図41に示す運用支援情報における一覧表T22、一覧表T23及びグラフG48のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0156】
図42は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図42に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎のトラブルシューティングの作業回数を示すグラフG49と、警報番号毎のトラブルシューティングの作業回数を風車の号機毎に示す一覧表T24と、警報番号、気付き事項、推定原因、作業日及び追跡番号を風車の号機毎に示す一覧表T25とを含む。
【0157】
図42に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1が表示されている。表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定することにより、グラフG49、一覧表T24及び一覧表T25の各々について、期間指定部E1で指定された期間のデータが表示画面16aに表示される。
【0158】
図42に示す運用支援情報におけるグラフG49、一覧表T24及び一覧表T25のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0159】
図43は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図43に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の部品名称毎の部品交換の数量を示す一覧表T26と、風車の部品名称毎の部品交換の数量を示すグラフG50と、
風車の号機毎に、部品交換の作業内容、完了区分、タグ番号、パーツ番号、部品名称、数量、作業日及び作業時間等を示す一覧表T27と含む。
【0160】
図43に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択するウインドファーム選択部E4、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2、部品交換が完了しているか未完了であるかを選択する完了区分選択部E16、部品交換の対象部位を選択する部位選択部E17が表示されている。
【0161】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、一覧表T26、一覧表T27及びグラフG50の各々について、期間指定部E1で指定された期間、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム及び号機選択部E2で選択された号機についてのデータが表示画面16aに表示される。また、完了区分選択部E16で完了区分が選択された場合、及び部位選択部E17で部品交換の対象部位が選択された場合には、一覧表T26、一覧表T27及びグラフG50の各々について、選択された完了区分及び対象部位に該当するデータが表示される。
【0162】
図43に示す運用支援情報における一覧表T26、一覧表T27及びグラフG50のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0163】
図44は、ユーザ端末15の表示部16に表示される運用支援情報の更に他の一例を示す図である。
図44に示す例では、表示部16の表示画面16aに表示される運用支援情報は、ユーザに関連付けられたウインドファームについて、風車の号機毎の修理工事の作業回数を示すグラフG51と、風車の号機毎に修理工事の作業区分毎の作業回数と作業時間とを示す一覧表T28と、風車の号機毎に懸案の有無、作業区分及び気付き事項を示す一覧表T29とを含む。
【0164】
図44に示す例では、表示部16の表示画面16aには、表示するデータの期間を指定する期間指定部E1と、ウインドファームを構成する風車の号機を選択する号機選択部E2と、ユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から1以上のウインドファームを選択可能なウインドファーム選択部E4とが表示されている。また、表示部16の表示画面16aには、月次点検、巡視、年次点検及び半年点検等からなる作業区分の中から作業区分を選択可能な作業区分選択部E14と、懸案の有無を選択可能な懸案選択部E15と、部品交換が完了しているか未完了であるかを選択する完了区分選択部E16とが表示されている。
【0165】
表示画面16aにおいて、ユーザが期間指定部E1で期間を指定し、ウインドファーム選択部E4でウインドファームを選択し、号機選択部E2で風車の号機を選択することにより、グラフG51、一覧表T28及び一覧表T29の各々について、ウインドファーム選択部E4で選択されたウインドファーム毎に、期間指定部E1で指定された期間における号機選択部E2で選択された号機のデータが表示画面16aに表示される。また、グラフG51、一覧表T28及び一覧表T29の各々には、作業区分選択部E14で選択された作業区分、懸案選択部E15で選択された懸案の有無又は完了区分選択部E16で選択された完了区分に該当するデータのみが表示される。
【0166】
図44に示す例では、ウインドファーム選択部E4でユーザに関連付けられた複数のウインドファームの中から、Aサイトのウインドファームが選択されており、号機選択部E2でAサイトのウインドファームの風車の全ての号機が選択されている。このため、表示画面16aには、上記グラフG51、一覧表T28及び一覧表T29の各々について、Aサイトの風車の全ての号機のデータが号機毎に示される。
【0167】
図44に示す運用支援情報におけるグラフG51、一覧表T28及び一覧表T29のデータは、データベース部22に蓄積されたメンテナンス作業の作業実績のデータを運用支援情報出力部24がウインドファーム毎に集計することで生成され、データ出力部26からウインドファームに対応する個別フォルダに運用支援情報としてアップロードされる。
【0168】
(逸失発電電力量)
幾つかの実施形態では、運用支援情報出力部24は、運用支援の対象とする対象ウインドファーム3(第1ウインドファーム)における故障が発生した対象風車(第1風車)について、その対象風車の運転を停止することにともなう逸失発電電力量を予測可能に構成されていてもよい。この場合、運用支援情報出力部24は、
図45に示すフローに基づいて逸失発電電力量を予測してもよい。
【0169】
図45に示す例では、S101において、対象ウインドファームにおける故障が発生した対象風車の発電電力量の推移を評価する。S101では、例えば
図4に示したように、対象風車の運転を開始した後に対象風車について計測された1年間の風況の観測データと、当該1年間における対象風車の実際の発電電力量の推移とを示すデータセットがデータベース部22に格納される。具体的には、風況の観測データは、例えば1月1日0時0分から12月31日23時59分まで、10分間の平均風速の10分毎の観測データであってもよい。また、対象風車の運転開始後の観測データがない場合には、対象風車の設置前に予め計測された対象風車の1年間の風況の観測データと、風速と発電機出力との関係を示す予め作成されたパワーカーブとを用いて、1年間の任意の時期における対象号機の風車の発電電力量を示すデータを取得してもよい。また、上記風況及び発電電力量のデータセットについて、複数年のデータセットがある場合には、年較差をばらつきとして評価してもよい。
【0170】
S102において、風車の故障モード毎に部品の手配に要する期間及び修理に要する費用等を評価する。S102では、例えば、対象風車の故障について、(a)故障モード、(b)対象部品、(c)部品の手配に要する期間、(d)暫定運転の可否並びに暫定運転が可である場合に許容負荷レベル(%)及び許容運転期間、(e)故障の修理に要する修理期間及び(f)故障の修理に要する修理費用に関する情報を評価する。S102では、例えば、風車の複数の機種及び複数のウインドファームの風車について、風車の故障モード毎に、対象部品、部品の手配に要する期間、故障モード毎の重要度、修理期間及び修理費用等のデータセット(複数のウインドファームの故障履歴に関する情報)がデータベース部22に格納される。そして、対象風車の機種を示す機種情報と、データベース部22に格納された上記データセットとに基づいて、対象風車との比較で機種の類似性やウインドファームの類似性に応じた重み係数を考慮して、対象風車の故障について上記(a)~(f)に関する情報を評価する。
【0171】
S103において、風車の停止期間を設定するとともに、風車の逸失発電電力量を予測(推定)する。S103では、運用支援情報出力部24は、S102で対象風車について特定した情報(例えば部品の手配に要する期間、暫定運転が許容される及び許容運転期間、許容運転期間における許容負荷レベル、及び故障の修理に要する修理期間等)と、S101でデータベース部に格納された発電電力量の推移を示すデータとに基づいて、異常検知部32(
図1参照)による異常の認知から修理完了までの逸失発電電力量を推定する。
【0172】
S103において、運用支援情報出力部24は、異常検知部32によって検知した対象風車の異常の深刻度を示すレベルに基づいて風車の修理時期を決定してもよい。例えば
図46に示すように、運用支援情報出力部24は、対象風車の異常の深刻度が比較的軽微な第1レベルである場合に、対象風車の修理の時期を1年間における比較的風が弱い時期に決定し、その時期まで対象風車を暫定運転させる指示を対象風車に行ってもよい。これにより、対象風車の重大な損傷等の発生を抑制しつつ逸失発電電力量の増加を抑制することができる。
【0173】
また、
図46に示すように、運用支援情報出力部24は、対象風車の異常の深刻度が第1レベルより深刻な第2レベルである場合に、対象風車の修理の時期を修理に要する部品が納品された直後の時期の時期に決定し、その時期まで対象風車を暫定運転させる指示を対象風車に行ってもよい。これにより、対象風車の重大な損傷等の発生を抑制しつつ、逸失発電電力量の増加を抑制することができる。
【0174】
また、
図46に示すように、運用支援情報出力部24は、対象風車の異常の深刻度が第2レベルよりも深刻な第3レベルである場合に、対象風車の修理の時期を修理に要する部品が納品された直後の時期に決定し、その時期まで風車の運転を停止させる指示を対象風車に行ってもよい。これにより、対象風車の故障に起因する安全上のリスクの増大を抑制することができる。
【0175】
上記ウインドファーム運用支援システム2によれば、対象風車の機種を示す機種情報と、複数のウインドファームの故障履歴に関する情報(上記の例では風車の故障モード毎の、対象部品、部品の手配に要する期間、故障モード毎の重要度、修理期間及び修理費用等のデータセット)とを考慮して、対象風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量を精度良く予測することができる。このため、対象ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、対象風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量について、精度の良い予測値を把握することができる。また、対象風車の異常の深刻度を示すレベルに基づいて風車の修理時期を決定することにより、対象風車の重大な損傷等の発生を抑制しつつ、逸失発電電力量の増加を抑制することができる。
【0176】
(最適運用計画)
図47は、
図1に示したウインドファーム運用支援システム2における運用支援装置12の構成の一例を説明するための図である。
図48は、
図47に示した運用支援装置12による複数のウインドファーム3の出力制御の一例を示す制御フロー図である。
図47に示すウインドファーム運用支援装置12は、対象地域に設けられた所有者が互いに異なる複数のウインドファーム3A~3Cの運用を、電力会社等からの出力制限指令や対象地域の風況等を考慮して、対象地域全体で最適化するように構成されている。このため、所有者が互いに異なる複数のウインドファーム3A~3Cの発電計画の提案及びウインドファーム3A~3Cの各風車の最適な制御をウインドファーム運用支援装置12が行う旨の許可を含む契約(最適運用契約)を複数のウインドファーム3A~3Cの各々の所有者と結んだ上で、以下で説明する制御が実行される。なお、以下において、ウインドファームの出力とはウインドファームの発電の出力を意味し、風車の出力とは風車の発電の出力を意味することとする。
【0177】
図47に示す例では、データ取得部20は、制限値指令取得部60、風況予想情報取得部61及び運用履歴情報取得部62を含む。また、運用支援情報出力部24は、制限値指令出力部63を含み、制限値指令出力部63は、地域デマンド算出部64及び発電計画出力部65を含む。
【0178】
図48に示すように、S201において、制限値指令取得部60は、対象地域を管轄する電力会社又は送配電会社等から、対象地域に位置する複数のウインドファーム3A~3Cの各々の出力の制限値の時系列データを含む第1出力制限値指令を取得する。第1出力制限値指令は、電力会社又は送配電会社等が電力系統の安定運用(周波数安定性、同期安定性及び電圧安定性等)のためにウインドファーム3毎に設定したウインドファーム3の出力の制限値(上限値)の時系列データを含む第1スケジューリング指令を少なくとも含み、ウインドファーム3の出力を第1スケジューリング指令に規定される出力の制限値よりも小さい出力に緊急的に制限するための緊急指令を更に含んでいてもよい。以下では、特記しない限り、第1出力制限値指令は第1スケジューリング指令を意味することとする。なお、本明細書において「時系列データ」に含まれるデータ(値)の時間間隔は特に限定されず、例えば1日であってもよいし、1時間であってもよいし、10分であってもよい。
【0179】
S202において、地域デマンド算出部64は、制限値指令取得部60によって取得した複数のウインドファーム3A~3Cの各々についての第1出力制限値指令に基づいて、対象地域における複数のウインドファーム3A~3Cの全体に対する発電デマンド(対象地域における複数のウインドファーム3A~3Cの出力の制限値の合計によって規定される発電デマンド)の時系列データである地域デマンドデータを算出する。
【0180】
例えば、第1出力制限値指令が示す時系列データ(ウインドファーム3A~3Cの各々における出力の制限値の時系列データ)について、任意の時点tにおけるウインドファーム3Aの出力の制限値、ウインドファーム3Bの出力の制限値、ウインドファーム3Cの出力の制限値をそれぞれP
At、P
Bt及びP
Ctと定義し、任意の時点tにおける複数のウインドファーム3A~3Cの全体に対する発電デマンドをD
tと定義すると、地域デマンド算出部64は、第1出力制限値指令が示す時系列データの各時点tについて、P
At、P
Bt及びP
Ctを合計することにより、各時点tにおける複数のウインドファーム3A~3Cの全体に対する発電デマンドDtを算出してもよい。すなわち、地域デマンド算出部64は、D
t=P
At+P
Bt+P
Ctを満たす発電デマンドD
tの時系列データを算出してもよい。また、幾つかの実施形態では、
図1に示す共通クラウド10における各ウインドファーム3の専用フォルダ11A~11Cにユーザが第1出力制限値指令をアップロードした場合に、制限値指令取得部60は、各ウインドファーム3の第1出力制限値指令を各ウインドファーム3の専用フォルダ11A~11Cからそれぞれ取得してもよい。
【0181】
S203において、風況予想情報取得部61は、気象予想情報データソースから、複数のウインドファーム3A~3Cの各々における将来の風況の予想を示す風況予想情報を取得する。ここでの風況予想情報は、例えば、複数のウインドファーム3A~3Cの各々における平均風速、風速頻度分布、風向出現率(卓越風向)及び風の乱れ強度等の時系列データを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、風況予想情報取得部61は、気象予想情報データソースから複数のウインドファーム3A~3Cの各々における将来の風況に関する情報を取得して、その情報に基づいて複数のウインドファーム3A~3Cの各々における将来の風況の予想を示す風況予想情報を演算して求めてもよい。
【0182】
S204において、運用履歴情報取得部62は、データベース部22から、複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の運用履歴を示す運用履歴情報を取得する。この運用履歴情報は、例えば、複数のウインドファーム3A~3Cの各々についての、過去の風況と各風車の出力との関係を示す風況出力相関情報、運転履歴、メンテナンス履歴及び各風車の寿命の消費量に関する寿命情報等(例えば風車の寿命消費量のランキング等)を含んでいてもよい。
【0183】
S205において、発電計画出力部65は、風況予想情報取得部61によって取得した複数のウインドファーム3A~3Cの各々についての風況予想情報と、運用履歴情報取得部62によって取得した複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の運用履歴情報とに基づいて、複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の出力の予想値(例えば風況予想情報が示す風況と風況出力相関情報とから推定される風車毎の出力)の時系列データである発電計画データを出力する。
【0184】
S206において、制限値指令出力部63は、地域デマンド算出部64によって算出した地域デマンドデータと、発電計画出力部65から出力された発電計画データとに基づいて、複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の出力の制限値の時系列データを含む第2出力制限値指令、すなわち、対象地域における複数のウインドファーム3A~3Cの最適運用計画を出力する。第2出力制限値指令は、複数のウインドファーム3の各々における風車5毎に設定した風車5の出力の制限値(上限値)の時系列データを含む第2スケジューリング指令を少なくとも含み、ウインドファーム3の各々の風車毎の出力を第2スケジューリング指令に規定される出力の制限値よりも小さい出力に緊急的に制限するための緊急指令を更に含んでいてもよい。以下では、特記しない限り、第2出力制限値指令は第2スケジューリング指令を意味することとする。
【0185】
制限値指令出力部63は、地域デマンド算出部64によって算出した地域デマンドデータと、発電計画出力部65から出力された発電計画データとに基づいて、例えば、以下の第1制約条件及び第2制約条件を満たしつつ、時系列データの各時点において、第2出力制限値指令における複数のウインドファーム3A~3Cの全ての風車の出力の制限値の合計が最大化されるように、第2出力制限値指令を出力してもよい。
【0186】
第1制約条件:第2出力制限値指令が示す時系列データの各時点において、第2出力制限値指令における複数のウインドファーム3A~3Cの全ての風車の出力の制限値の合計が、第1出力制限値指令における複数のウインドファーム3A~3Cの出力の制限値の合計によって規定される発電デマンドDtを超えない。
第2制約条件:第2出力制限値指令が示す時系列データの各時点において、第2出力制限値指令が示す複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の出力の制限値が、発電計画データが示す複数のウインドファーム3A~3Cの各々における風車毎の出力の予想値を超えない。
【0187】
S207において、データ出力部26は、S206で制限値指令出力部63から出力された第2出力制限値指令に含まれる風車毎の出力の制限値の時系列データを対応するウインドファーム3に送信する。すなわち、データ出力部26は、制限値指令出力部63から出力されたウインドファーム3Aについての第2出力制限値指令(ウインドファーム3Aの風車毎の出力の制限値の時系列データを含む第2出力制限値指令)をウインドファーム3Aの不図示のウインドファームコントローラに送信し、制限値指令出力部63から出力されたウインドファーム3Bに対する第2出力制限値指令(ウインドファーム3Bの風車毎の出力の制限値の時系列データを含む第2出力制限値指令)をウインドファーム3Bの不図示のウインドファームコントローラに送信し、制限値指令出力部63から出力されたウインドファーム3Cに対する第2出力制限値指令(ウインドファーム3Cの風車毎の出力の制限値の時系列データを含む第2出力制限値指令)をウインドファーム3Cの不図示のウインドファームコントローラに送信する。
【0188】
ウインドファーム3Aのウインドファームコントローラは、データ出力部26から受信したウインドファーム3Aに対する第2出力制限値指令に基づいてウインドファーム3Aの各風車の出力を制御し、ウインドファーム3Bのウインドファームコントローラは、データ出力部26から受信したウインドファーム3Bに対する第2出力制限値指令に基づいてウインドファーム3Bの各風車の出力を制御し、ウインドファーム3Cのウインドファームコントローラは、データ出力部26から受信したウインドファーム3Cに対する第2出力制限値指令に基づいてウインドファーム3Cの各風車の出力を制御する。
【0189】
図47及び
図48を用いて説明した上記ウインドファーム運用支援システム2によれば、地域デマンド算出部64によって算出した地域デマンドデータと発電計画出力部65から出力された発電計画データとに基づいて、予め定められた制約条件(上記の例では第1制約条件及び第2制約条件)を満たしつつ、時系列データの各時点において、第2出力制限値指令における複数のウインドファーム3A~3Cの全ての風車の出力の制限値の合計が最大化されるように、第2出力制限値指令を出力することが可能となる。このため、複数のウインドファーム3の各々における風車毎の出力を第2出力制限値指令に従って制御することにより、対象地域の風力エネルギーを有効活用しつつ電力系統の安定運用に与える影響を抑制することができる。
【0190】
幾つかの実施形態では、制限値指令出力部63は、地域デマンド算出部64によって算出した地域デマンドデータと、発電計画出力部65から出力された発電計画データと、運用履歴情報取得部62によって取得した複数のウインドファーム3A~3Cの風車毎の寿命の消費量に関する寿命情報とに基づいて、第2出力制限値指令を出力してもよい。この場合、制限値指令出力部63は、上記第1制約条件及び第2制約条件を満たしつつ、寿命情報に基づいて定まる風車の運転の優先順位を考慮して、第2出力制限値指令を出力してもよい。この場合、制限値指令出力部63は、例えばウインドファーム3毎にウインドファーム3内の複数の風車の寿命消費量のばらつきを最小化するように第2出力制限値指令を出力してもよい。これにより、ウインドファーム3内の複数の風車のメンテナンス作業等を効率的に行うことが可能となる。
【0191】
図49は、風車制御装置4、遠隔監視PC6、エッジPC8、共通クラウド10、運用支援装置12、複数の専用クラウド14、複数のユーザ端末15、及びオーナー端末18の各々のハードウェアの概略構成の一例を示す図である。
図49に示すように、風車制御装置4、遠隔監視PC6、エッジPC8、共通クラウド10、運用支援装置12、複数の専用クラウド14、複数のユーザ端末15、及びオーナー端末18の各々は、例えばプロセッサ72、RAM(Random Access Memory)74、ROM(Read Only Memory)76、HDD (Hard Disk Drive)78、入力I/F80、及び出力I/F82を含み、これらがバス84を介して互いに接続されたコンピュータを用いて構成される。風車制御装置4、遠隔監視PC6、エッジPC8、共通クラウド10、運用支援装置12、複数の専用クラウド14、複数のユーザ端末15、及びオーナー端末18の各々の機能は、例えばROM76に保持されるプログラムをRAM74にロードしてプロセッサ72で実行するとともに、RAM74やROM76におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0192】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0193】
例えば、
図1に示す運用支援情報出力部24は、データ取得部20によって取得した複数のウインドファーム3の各々に関するデータに基づいて、ウインドファーム3の各々の運用を支援するための運用支援情報を各ウインドファーム3に関連付けられたユーザ毎(各ウインドファーム3を所有及び管理するユーザ毎)に出力するように構成されていてもよい。この場合、データ出力部26は、運用支援情報出力部24によって出力されたユーザ毎の運用支援情報を、ユーザの各々の専用のクラウド(ユーザ毎に設けられた、各ユーザの専用のクラウド)にアップロードするように構成される。
【0194】
例えば、
図2~
図4等では、ユーザが期間指定部E1から期間を指定すると、指定期間における発電機出力の計測値(実績値)がユーザ端末15の表示部16に表示されたが、表示部16に表示される運用支援情報の他の例では、ユーザが期間指定部E1から期間を指定すると、指定期間における風況実績に基づいて計画発電量(風況実績から推定される発電電力量)を計算し、発電電力量の計測値と計画発電量との比較を表示部16に表示させてもよい。また、例えばウインドファーム3を設置する時点で推定されていた年平均風速に基づいて計画発電量(該年平均風速から推定される発電電力量)を計算し、発電電力量の計測値と計画発電量との比較を表示部16に表示してもよい。
【0195】
また、例えば、上記ウインドファーム運用支援装置12は、専用クラウド14に運用支援情報がアップロードされた場合に、専用クラウド14にアップロードされた運用支援情報へアクセスするためのリンクを含むメール(
図50参照)を専用クラウド14に対応するユーザ宛てに送信するように構成されていてもよい。この場合、ユーザがメールを受信すると、ユーザに関連付けられたウインドファーム3の現地の映像がユーザ端末15に表示されるようになっていてもよい。
【0196】
また、当該メールには、ユーザに関連付けられたウインドファーム3の現地の気象情報(例えば天気、風速、台風、雷、津波、地震等の情報)を保持する気象情報データサーバへのリンクが含まれていてもよい。この場合、ユーザはこのリンクを介して気象情報データサーバから、過去、現在及び未来の気象情報のうち希望する気象情報を取得することが可能である。また、ユーザは、当該メールを用いて例えばウインドファーム3の現地の風況データ等を取得して風車の発電量を予想することができる。
【0197】
また、ウインドファーム運用支援システム2は、風車に警報、異常又は故障が発生したときに、風車の現地のリアルタイムの画像情報や、過去、現在及び未来の気象情報にアクセスするためのリンクを対応するユーザ端末15に表示させて風車5の運用を支援する機能を有していてもよい。
【0198】
また、専用クラウド14A,14B,14Cには、予め風車のメンテナンスに用いるメンテナンス図書(例えば取扱説明書、図面及び技術連絡書等)及びトラブルシューティングのマニュアル等がアップロードされていてもよく、この場合、ユーザはユーザ端末を介して専用クラウドにアクセスしてこれらのメンテナンス図書及びトラブルシューティングのマニュアル等を参照することができる。また、ユーザがユーザ端末を介して専用クラウドから取得した運用支援情報に異常検知部32(
図1参照)によって検知した風車の異常等を示す警報情報が含まれている場合に、警報情報が示す警報の名称に関連付けられたトラブルシューティングのマニュアルがユーザ端末の表示部16に自動的にポップアップ表示されてもよい。これにより、風車のメンテナンス要員の業務を効果的にサポートすることができる。
【0199】
また、
図47のS201において、制限値指令取得部60は、対象地域に位置する複数のウインドファーム3A~3Cの各々における出力の制限値の時系列データを含む第1出力制限値指令を、対象地域を管轄する電力会社又は送配電会社等から取得した。しかしながら、例えばウインドファーム3の各々の管理者(ユーザ)が電力会社又は送配電会社等からユーザ端末15等(
図1参照)を介して第1出力制限値指令を受けて該第1出力制限値指令をユーザ端末15等から共通クラウド10の対応する専用フォルダ11に格納した場合には、制限値指令取得部60は、共通クラウド10の専用フォルダ11の各々から複数のウインドファーム3A~3Cの各々に対する第1出力制限値指令を取得してもよい。
【0200】
幾つかの実施形態では、複数のウインドファーム3は洋上のウインドファームを含んでいてもよい。この場合、運用支援情報出力部24によって出力される運用支援情報のうち洋上のウインドファームに対応する運用支援情報は、洋上のウインドファームに関する波浪情報、及び、洋上のウインドファームの風車の浮体又は基礎の揺動情報、のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0201】
幾つかの実施形態では、データ取得部20は、複数のウインドファーム3の各々について、各ウインドファーム3を構成する1以上の風車の号機毎に、風車の運転状態を示すパラメータを共通クラウド10から取得してもよい。この場合、上述の異常検知部32は、複数のウインドファーム3のうちの任意のウインドファームである第1ウインドファーム(例えば上述の自サイトのウインドファーム)について、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の号機毎に上記パラメータと閾値8(例えば
図30及び
図31に示されるグラフG42~G46の各々における各パラメータと閾値)とを比較することで、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常を検知してもよい。また、運用支援情報出力部24によって出力される第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報は、異常検知部32によって検知した、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常の検知結果を含んでいてもよい。また、異常検知部32は、第1ウインドファームの一部を構成する第1風車の異常の検知に用いる閾値を、複数のウインドファーム3のうち第1ウインドファームを除く複数の他のウインドファームの異常検知の履歴に基づいて更新してもよい。
【0202】
幾つかの実施形態では、ウインドファーム運用支援装置12の管理者が操作するオーナー端末18の表示部19には、ユーザ端末15の表示画面16aの表示内容と同一の表示内容が表示されてもよい。これにより、ユーザ端末15の表示画面16aの表示内容をユーザ端末15を使用するユーザとオーナー(ウインドファーム運用支援装置12の管理者)とで共有することが可能となり、ユーザとオーナーとのコミュニケーションが容易となる。
【0203】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0204】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るウインドファーム運用支援システム(例えば上述のウインドファーム運用支援システム2)は、
複数のウインドファーム(例えば上述の複数のウインドファーム3)の運用を支援するためのウインドファーム運用支援システムであって、
前記複数のウインドファームは、第1ウインドファーム(例えば上述の自サイトのウインドファーム)と、前記第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファーム(例えば上述の他サイトのウインドファーム)とを含み、
前記ウインドファーム運用支援システムは、
前記第1ウインドファームに関するデータと、前記複数の他ウインドファームに関するデータとを取得するデータ取得部(例えば上述のデータ取得部20)と、
前記データ取得部によって取得した前記複数の他ウインドファームに関する前記データに基づいて、前記第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する、運用支援情報出力部(例えば上述の運用支援情報出力部24)と、
を備える。
【0205】
上記(1)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファームに関するデータに基づいて、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する。これにより、第1ウインドファームのみからは得られない知見(例えば複数の他ウインドファームに関するデータに対して例えば時系列的解析、横断的解析又は統計的解析等を行うことで得られる複数の他ウインドファームに関するデータの傾向等)を含む運用支援情報を第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報として出力することができるため、第1ウインドファームに付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0206】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記複数の他ウインドファームに関する前記データは、前記複数の他ウインドファームの各々の運転状態に関する運転データ、及び、前記複数の他ウインドファームの各々のメンテナンスの記録に関するメンテナンス記録データ、のうち少なくとも一方を含む。
【0207】
上記(2)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、複数の他ウインドファームの各々の運転状態に関する運転データ、及び、複数の他ウインドファームの各々のメンテナンスの記録に関するメンテナンス記録データ、のうち少なくとも一方に基づいて、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を出力する。これにより、例えば、第1ウインドファームとは所有者が異なる複数の他ウインドファームの各々に関する運転データ又はメンテナンス記録データの傾向等、第1ウインドファームのみからは得られない知見を用いて第1ウインドファームの運用支援情報を出力することができるため、第1ウインドファームに付加価値の高い運用支援情報を提供することができる。
【0208】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記運用支援情報出力部は、前記データ取得部によって取得した前記複数の他ウインドファームに関する前記データの統計値を算出する統計値算出部(例えば上述の統計値算出部30)を含み、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、前記複数の他ウインドファームに関する前記データの前記統計値を含む。
【0209】
上記(3)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、複数の他ウインドファームに関するデータの統計値(例えば平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度等)を考慮して第1ウインドファームの運用方法を検討することが可能となる。
【0210】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記統計値算出部は、前記データ取得部によって取得した前記第1ウインドファームに関する前記データの統計値を算出し、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、
前記統計値算出部によって算出した前記第1ウインドファームに関する前記データの前記統計値と、
前記統計値算出部によって算出した前記複数の他ウインドファームに関する前記データの前記統計値と、
を含む。
【0211】
上記(4)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、複数の他ウインドファームに関するデータの統計値(例えば平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度等)と第1ウインドファームに関するデータとを比較して、第1ウインドファームの運用方法を検討することが可能となる。
【0212】
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記統計値算出部は、前記複数の他ウインドファームに関する前記データについて風車の機種毎の統計値を算出する。
【0213】
上記(5)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、複数の他ウインドファームに関するデータについての風車の機種毎の統計値を考慮して、第1ウインドファームの運用方法を検討することが可能となる。
【0214】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記統計値算出部は、前記データ取得部によって取得した前記第1ウインドファームに関する前記データについて風車の機種毎の統計値を算出し、
前記第1ウインドファームの運用を支援するための前記運用支援情報は、 前記統計値算出部によって算出した前記第1ウインドファームに関する前記データについての風車の機種毎の前記統計値と、
前記統計値算出部によって算出した前記複数の他ウインドファームに関する前記データについての風車の機種毎の前記統計値のうち、前記第1ウインドファームに含まれる風車と同一の機種についての前記機種毎の統計値と、
を含む。
【0215】
上記(6)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、複数の他ウインドファームに関するデータについての風車の機種毎の統計値(例えば複数の他ウインドファームに関するデータについての風車の機種毎の平均値等)と第1ウインドファームに関するデータとを比較して、第1ウインドファームの運用方法を検討することが可能となる。
【0216】
(7)幾つかの実施形態では、上記(3)乃至(6)の何れかに記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記統計値は、平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度である。
【0217】
上記(7)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、複数の他ウインドファームに関するデータの平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、歪度又は尖度を考慮して第1ウインドファームの運用方法を検討することが可能となる。
【0218】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかに記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記運用支援情報は、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の号機毎の警報の発生履歴に関する情報を含む。
【0219】
上記(8)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機について、警報の発生履歴に関する情報を把握することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記運用支援情報は、前記第1ウインドファームを構成する風車の号機毎に風車の部位別の警報の発生履歴に関する情報を含む。
【0220】
上記(9)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機について、風車の部位別の警報の発生履歴に関する情報を把握することができる。
【0221】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかに記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記第1ウインドファームに関する前記データは、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の号機毎に、前記風車の運転状態を示すパラメータを含み、
前記運用支援情報出力部は、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の号機毎に前記パラメータと閾値とを比較することで、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常を検知する異常検知部(例えば上述の異常検知部)を備え、
前記運用支援情報は、前記異常検知部によって検知した、前記第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機の異常の検知結果を含む。
【0222】
上記(10)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、第1ウインドファームを構成する1以上の風車の各号機について異常の検知結果を把握することができる。
【0223】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)に記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記異常検知部は、前記第1ウインドファームの一部を構成する第1風車の異常の検知に用いる前記閾値を、前記複数の他ウインドファームに含まれる複数の風車のうち前記第1風車と同一の機種の風車の異常検知の履歴に基づいて更新する。
【0224】
上記(11)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの一部を構成する第1風車の異常の検知に用いる閾値を、複数の他ウインドファームに含まれる複数の風車のうち第1風車と同一の機種の風車の異常検知の履歴に基づいて更新することにより、第1ウインドファームの一部を構成する第1風車の異常の検知の精度を向上することができる。
【0225】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかに記載のウインドファーム運用支援システムにおいて、
前記運用支援情報出力部は、逸失発電電力量算出部(例えば上述の逸失発電電力量算出部34)を備え、
前記逸失発電電力量算出部は、前記第1ウインドファームの一部を構成する第1風車が故障した場合に、前記第1風車の機種を示す情報と、前記複数のウインドファームの故障履歴に関する情報とに基づいて、前記第1風車の修理に要する修理期間を評価し、前記修理期間と前記第1風車の発電電力量に関するデータとに基づいて、前記第1風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量を予測し、
前記第1風車が故障した場合に、前記運用支援情報は、前記逸失発電電力量算出部によって予測された前記逸失発電電力量を含む。
【0226】
上記(12)に記載のウインドファーム運用支援システムによれば、第1ウインドファームの一部を構成する第1風車が故障した場合に、第1風車の機種を示す情報と、複数のウインドファームの故障履歴に関する情報とを考慮して、第1風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量を精度良く予測することができる。このため、第1ウインドファームの運用を支援するための運用支援情報を取得したユーザは、第1風車の運転を停止することに伴う逸失発電電力量について、精度の良い予測値を把握することができる。
【符号の説明】
【0227】
2 ウインドファーム運用支援システム
3,3A,3B,3C ウインドファーム
4 風車制御装置
5 風車
10 共通クラウド
11A,11B,11C 専用フォルダ
12 ウインドファーム運用支援装置
14,14A,14B,14C 専用クラウド
15,15A,15B,15C ユーザ端末
16 表示部
16a 表示画面
18 オーナー端末
20 データ取得部
22 データベース部
24 運用支援情報出力部
26 データ出力部
30 統計値算出部
32 異常検知部
34 逸失発電電力量算出部
72 プロセッサ
74 RAM
76 ROM
78 HDD
80 入力I/F
82 出力I/F
84 バス
E1 期間指定部
E2 号機選択部
E3 機種選択部
E4 ウインドファーム選択部
E5 項目選択部
E6 ウインドファーム選択部
E7 風向選択部
E10,E11 警報名称選択部
E11 復帰ステータス選択部
E12 発生時状態選択部
E13 表示形式切替部
E14 作業区分選択部
E15 懸案選択部
E16 完了区分選択部
E17 部位選択部