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特開2024-140714搬送ベルト溶着方法及び搬送ベルト溶着用治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140714
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】搬送ベルト溶着方法及び搬送ベルト溶着用治具
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/64 20060101AFI20241003BHJP
   B65H 5/02 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
H05B6/64
B65H5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052015
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】八代 博崇
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】相澤 直
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 恒之
【テーマコード(参考)】
3F049
3K090
【Fターム(参考)】
3F049AA03
3F049BA01
3F049BA11
3F049BA14
3F049LA07
3F049LB03
3K090AA15
3K090AB07
(57)【要約】
【課題】搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる搬送ベルト溶着方法及び搬送ベルト溶着用治具を提供する。
【解決手段】搬送ベルト溶着方法は、搬送ベルト溶着用治具に設けられたベルト支持面に前記搬送ベルトを支持させることと、搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔を、搬送ベルト溶着用治具に設けられた第1位置決め部に挿通することと、搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔を、搬送ベルト溶着用治具に設けられた第2位置決め部に挿通することと、第1貫通孔を第1位置決め部に挿通し、かつ、第2貫通孔を第2位置決め部に挿通した状態で、ベルト支持面に支持された搬送ベルトを搬送ベルト溶着装置により溶着することと、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置と、前記搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具とを用いる搬送ベルト溶着方法において、
前記搬送ベルト溶着用治具に設けられたベルト支持面に前記搬送ベルトを支持させることと、
前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第1位置決め部に挿通することと、
前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第2位置決め部に挿通することと、
前記第1貫通孔を前記第1位置決め部に挿通し、かつ、前記第2貫通孔を前記第2位置決め部に挿通した状態で、前記ベルト支持面に支持された前記搬送ベルトを前記搬送ベルト溶着装置により溶着することと、を含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項2】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、
前記搬送ベルト溶着装置は、
前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、
第1電極と、
前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、
コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、
前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、
を備え、
前記搬送ベルトを溶着する一端部と他端部との間に、所定の電気伝導率を有する材料、又は、前記搬送ベルトよりも誘電正接が高い材料を挟むことと、
前記第1電極及び前記第2電極が高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、
を含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送ベルト溶着方法において、
前記材料は、カーボンブラックを含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項4】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、
前記搬送ベルト溶着装置は、
前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、
第1電極と、
前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、
コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、
前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、
を備え、
前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することと、
前記第1電極及び前記第2電極が電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、
を含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送ベルト溶着方法において、
前記搬送ベルトを支持する金属製の支持面と前記搬送ベルトとの間にガラス板を配置することにより、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することを含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項6】
請求項4に記載の搬送ベルト溶着方法において、
前記搬送ベルトを支持する金属製の支持面と前記搬送ベルトとの距離を調整することにより、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することを含む、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着方法。
【請求項7】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、
前記搬送ベルトを支持するベルト支持面を有するベルト支持部と、
前記ベルト支持面に支持される前記搬送ベルトの位置決めを行う位置決め部と、を備え、
前記位置決め部は、前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔に挿通可能である第1位置決め部と、前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔に挿通可能である第2位置決め部と、を有する、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項8】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、
前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整する加熱範囲調整部を備える、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項9】
媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、
前記搬送ベルトを支持するベルト支持部を備え、
前記ベルト支持部は、前記搬送ベルトを支持する支持方向に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記搬送ベルトの溶着形状に対応する形状である、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項10】
請求項9に記載の搬送ベルト溶着用治具において、
前記突出部は、前記支持方向からの平面視においてV字形状である、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項11】
請求項9に記載の搬送ベルト溶着用治具において、
前記突出部は、前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置において前記搬送ベルトと当接可能である当接面に応じた形状である、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項12】
請求項9に記載の搬送ベルト溶着用治具において、
前記ベルト支持部は、絶縁部を有し、
前記絶縁部は、前記突出部の周囲に位置する、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【請求項13】
請求項9~請求項12のうち何れか一項に記載の搬送ベルト溶着用治具において、
前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置において前記搬送ベルトと当接する当接部の移動方向に沿うガイド部を備える、
ことを特徴とする搬送ベルト溶着用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ベルト溶着方法及び搬送ベルト溶着用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、例えば記録装置等に用いられる搬送ベルトを交換する作業効率を向上させるべく、搬送ベルト自体にファスナーを設けた搬送機構が開示されている。このような搬送機構においては、記録装置を分解しなくても、ファスナーの開閉によって搬送ベルトを取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-299826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような搬送ベルトの取付方法では、ファスナーにより搬送ベルトに凹凸が設けられてしまう。これにより、媒体を搬送する搬送精度が低下してしまうおそれがあった。このため、搬送ベルトの取付品質を担保しつつ、搬送ベルトの取り付けに関する作業効率を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置と、前記搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具とを用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられたベルト支持面に前記搬送ベルトを支持させることと、前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第1位置決め部に挿通することと、前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第2位置決め部に挿通することと、前記第1貫通孔を前記第1位置決め部に挿通し、かつ、前記第2貫通孔を前記第2位置決め部に挿通した状態で、前記ベルト支持面に支持された前記搬送ベルトを前記搬送ベルト溶着装置により溶着することと、を含む。
【0006】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着装置は、前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、第1電極と、前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、を備え、前記搬送ベルトを溶着する一端部と他端部との間に、所定の電気伝導率を有する材料、又は、前記搬送ベルトよりも誘電正接が高い材料を挟むことと、前記第1電極及び前記第2電極が高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、を含む。
【0007】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着装置は、前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、第1電極と、前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することと、前記第1電極及び前記第2電極が電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、を含む。
【0008】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを支持するベルト支持面を有するベルト支持部と、前記ベルト支持面に支持される前記搬送ベルトの位置決めを行う位置決め部と、を備え、前記位置決め部は、前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔に挿通可能である第1位置決め部と、前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔に挿通可能である第2位置決め部と、を有する。
【0009】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整する加熱範囲調整部を備える。
【0010】
上記課題を解決する搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを支持するベルト支持部を備え、前記ベルト支持部は、前記搬送ベルトを支持する支持方向に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記搬送ベルトの溶着形状に対応する形状である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】搬送ベルト溶着装置、記録装置及び搬送装置を示す模式図である。
図2】搬送ベルト溶着装置を示すブロック図である。
図3】電磁波発生部を示す斜視図である。
図4】電磁波発生部を示す斜視図である。
図5】第1治具を示す斜視図である。
図6】第1治具を示す上面図である。
図7】搬送ベルトを示す模式図である。
図8】第1溶着処理を示すフローチャートである。
図9】電磁波発生部、第2治具及び搬送ベルトと、搬送ベルトに伝達する熱エネルギーとを示す模式図である。
図10】第2溶着処理を示すフローチャートである。
図11】第3治具を示す斜視図である。
図12】電磁波発生部、第3治具及び搬送ベルトを示す模式図である。
図13】第3治具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、加熱装置の一例としての搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法及び搬送ベルト溶着用治具の一実施形態について説明する。以下の説明では、鉛直方向Zと交差する方向を第1水平方向Xとし、鉛直方向Z及び第1水平方向Xと交差する方向を第2水平方向Yとする。第1水平方向Xに沿う一方の方向を方向X1とし、第1水平方向Xに沿う他方の方向を方向X2とする。第2水平方向Yに沿う一方の方向を方向Y1とし、第2水平方向Yに沿う他方の方向を方向Y2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。下方Z2が第1方向の一例に相当する。鉛直方向Zからの平面視は、上方Z1からの平面視であっても下方Z2からの平面視であってもよい。鉛直方向Zからの平面視を単に平面視として説明する。
【0013】
<記録装置90及び搬送装置91の構成>
図1に示すように、搬送ベルト溶着装置10は、搬送ベルト97の溶着を行うことができる。搬送ベルト97は、加熱対象物の一例である。搬送ベルト97は、記録装置90及び搬送装置91に用いられてもよい。
【0014】
記録装置90は、媒体99に記録を行うように構成される。記録装置90は、液体の一例であるインクを媒体99に吐出することにより記録を行うインクジェット式のプリンターであってもよい。媒体99は、布帛であるが、例えば紙などであってもよい。
【0015】
記録装置90は、装置筐体92と、記録部93とを備える。装置筐体92は、少なくとも記録部93を収容するように構成される。装置筐体92は、第1ローラー95を収容しないように構成されてもよい。つまり、第1ローラー95は、装置筐体92から露出されてもよい。装置筐体92は、第2ローラー96を収容しないように構成されてもよい。つまり、第2ローラー96は、装置筐体92から露出されてもよい。
【0016】
装置筐体92は、開閉扉92Aを備えてもよい。開閉扉92Aは、装置筐体92における媒体99の搬送方向D側に設けられてもよい。搬送方向Dは、媒体99の長さ方向に沿う方向であってもよい。開閉扉92Aは、装置筐体92の内部を開閉可能な扉である。このように、開閉扉92Aを開放することにより、装置筐体92の内部にアクセス可能となる。特に、開閉扉92Aを開放することにより、支持面94Aにアクセス可能となる。開閉扉92Aを開放することにより、搬送ベルト溶着装置10が装置筐体92の内部で操作可能となる。
【0017】
記録部93は、媒体99に液体を吐出することにより媒体99に記録を行うように構成される。記録部93は、搬送ベルト97によって搬送される媒体99に記録を行う。記録部93は、搬送ベルト97及び支持台94によって支持される媒体99に記録を行う。
【0018】
記録部93は、ヘッドであってもよい。記録部93は、シリアルヘッドであってもよいが、ラインヘッドであってもよい。シリアルヘッドは、媒体99の幅方向Wに走査するヘッドである。ラインヘッドは、媒体99の幅方向Wに亘って一斉に記録するヘッドである。幅方向Wに沿う一方の方向を第1幅方向W1とし、幅方向Wに沿う他方の方向を第2幅方向W2とする。
【0019】
記録部93は、シリアルヘッドである場合、記録を行っていないときに、初期位置に配置される。初期位置は、記録領域よりも第1幅方向W1側であってもよい。初期位置は、搬送ベルト97よりも第1幅方向W1側であってもよい。つまり、記録部93は、シリアルヘッドである場合、搬送ベルト97の溶着を干渉しない位置に配置される。
【0020】
記録部93は、複数のノズル93Aを備える。複数のノズル93Aのそれぞれは、下方Z2に開口するように構成される。複数のノズル93Aのそれぞれは、液体を吐出するように構成される。
【0021】
記録装置90は、支持台94を備える。支持台94は、搬送ベルト97によって搬送される媒体99を、搬送ベルト97とともに支持するように構成される。支持台94は、記録部93の下方Z2に位置する。支持台94は、平板形状であってもよい。支持台94は、金属製であってもよい。
【0022】
支持台94は、支持面94Aを備える。支持面94Aは、上方Z1に向かう面である。支持面94Aは、記録部93の下方Z2に位置する。支持面94Aは、複数のノズル93Aと対向するように設けられる。
【0023】
このように、支持台94は、搬送ベルト97により搬送される媒体99を搬送ベルト97とともに支持するように構成される。また、支持台94は、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97を支持するように構成されてもよい。搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97を支持する部材は、支持台94に限定されるものではない。
【0024】
記録装置90は、搬送装置91を備える。搬送装置91は、搬送方向Dに媒体99を搬送するように構成される。搬送装置91は、複数のローラーを備えてもよい。搬送装置91は、第1ローラー95と、第2ローラー96とを備えてもよい。第1ローラー95は、搬送方向Dにおいて、第2ローラー96よりも上流に位置する。第1ローラー95は、搬送方向Dにおいて、記録部93よりも上流に位置する。第2ローラー96は、搬送方向Dにおいて、記録部93よりも下流に位置する。
【0025】
搬送装置91は、搬送ベルト97を備える。つまり、記録装置90は、搬送ベルト97を備える。搬送ベルト97は、媒体99を搬送可能である。搬送ベルト97は、媒体99を支持した状態で媒体99を搬送するように構成される。搬送ベルト97は、複数のローラーに巻き掛けられる。搬送ベルト97は、第1ローラー95及び第2ローラー96に巻き掛けられる。搬送ベルト97は、第1ローラー95が回転すると、第1ローラー95及び第2ローラー96に沿って移動する。
【0026】
搬送ベルト97は、外周面98を備える。外周面98は、媒体99を支持する搬送ベルト97は、例えば粘着剤が外周面98に塗布されたベルトである。媒体99は、粘着剤によって外周面98に接着される。これにより、媒体99の姿勢が安定する。粘着剤に限らず、例えば、吸引力、静電気力、分子間力、などによって、媒体99が外周面98に接着されてもよい。
【0027】
このように、搬送ベルト97は、第1ローラー95及び第2ローラー96に沿って移動することにより、外周面98に支持された媒体99を搬送する。搬送装置91は、第1ローラー95と第2ローラー96との少なくとも何れかを回転させることにより、搬送ベルト97により支持された媒体99を搬送する。
【0028】
搬送ベルト97は、ポリウレタン材とアラミド材との層構造であってもよい。搬送ベルト97は、所定圧力で加圧された状態において所定時間に亘って所定温度で加熱されることにより溶着可能である。特に、搬送ベルト97は、ポリウレタン材の加熱により溶着可能である。搬送ベルト97は、所定圧力での加圧により、溶着に伴う変形が抑制される。
【0029】
搬送ベルト97の溶着は、接続溶着を含む。接続溶着は、無端状の搬送ベルト97を交換する際に行われる。接続溶着は、搬送ベルト97の長手の両端部を接続させることにより無端状の搬送ベルト97を形成するための溶着である。接続溶着は、搬送ベルト97の長手の両端部を溶着する。
【0030】
搬送ベルト97の長手の両端部は、平面視において幅方向Wに沿って斜めに切断されてもよい。つまり、搬送ベルト97の長手の両端部は、平面視において幅方向Wに沿って連続的にV字形状となるように加工されてもよい。この場合、接続溶着は、搬送ベルト97の長手の両端部を搬送方向Dに沿う方向に重ね合わせた状態で、搬送ベルト97の長手の両端部を溶着する。これにより、溶着面積を増大させることができるため、搬送ベルト97の溶着品質を向上させることができる。これにより、搬送ベルト97による搬送精度を向上させることができる。
【0031】
搬送ベルト97の溶着は、補修溶着を含む。補修溶着は、搬送ベルト97の補修領域を補修する際に行われる。搬送ベルト97の補修領域は、搬送ベルト97の一部の領域であり、経時的な劣化に伴って補修が必要となる領域である。
【0032】
<搬送ベルト溶着装置10の構成>
図2に示すように、搬送ベルト溶着装置10は、電磁波発生部11を備える。搬送ベルト溶着装置10は、高周波電圧発生部12を備えてもよい。搬送ベルト溶着装置10は、伝送線路13を備えてもよい。
【0033】
電磁波発生部11は、電磁波を発生させるように構成される。電磁波発生部11は、電磁波の発生により交流電界を発生させる。電磁波発生部11は、電磁波の発生により搬送ベルト97を加熱する。電磁波発生部11は、加熱により搬送ベルト97を溶着することができる。電磁波発生部11が発生する電磁波は、電界が主成分である。電磁波発生部11は、通常の電磁波を発生する電磁波発生部と比較して、発生した電界による磁界の誘発を極めて少なくすることができる。
【0034】
具体的な一例をあげると、電磁波発生部11は、2.4GHzの電磁波を発生させるが、これに限らない。電磁波発生部11は、例えば、3MHz~300MHzの電磁波を発生させてもよい。電磁波発生部11は、例えば、300M~30GHzの電磁波を発生させてもよく、そのなかでも10MHz~20GHzの電磁波を発生させてもよい。
【0035】
搬送ベルト溶着装置10は、制御部を備える。制御部は、搬送ベルト溶着装置10を制御する。特に、電磁波発生部11は、制御部として第1制御部14を備えてもよい。第1制御部14は、電磁波発生部11を制御する。第1制御部14は、電磁波発生部11で実行される各種動作を制御する。
【0036】
制御部は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0037】
電磁波発生部11は、操作部15を備えてもよい。操作部15は、作業者により操作可能である。操作部15は、搬送ベルト溶着装置10に関する操作が可能であってもよい。操作部15は、電磁波発生部11に関する操作が可能であってもよい。操作部15は、高周波電圧発生部12に関する操作が可能であってもよい。操作部15は、電磁波発生部11から電磁波を発生させるか否かの切替操作が可能であってもよい。
【0038】
電磁波発生部11は、表示部16を備えてもよい。表示部16は、搬送ベルト溶着装置10に関する情報を表示可能であってもよい。操作部15は、電磁波発生部11に関する情報を表示可能であってもよい。操作部15は、高周波電圧発生部12に関する情報を表示可能であってもよい。表示部16は、電磁波発生部11から電磁波を発生させているか否かを示す情報を表示可能であってもよい。表示部16は、液晶表示部であってもよく、LEDランプであってもよい。
【0039】
高周波電圧発生部12は、高周波電圧を発生させるように構成される。高周波電圧発生部12は、伝送線路13を介して高周波電圧を電磁波発生部11に供給することができる。つまり、高周波電圧発生部12は、電磁波発生部11に印加される電圧を発生させる。
【0040】
高周波電圧発生部12は、制御部として第2制御部17を備えてもよい。第2制御部17は、高周波電圧発生部12を制御する。第2制御部17は、高周波電圧発生部12で実行される各種動作を制御する。第1制御部14と第2制御部17とは、情報の送受信を行ってもよい。搬送ベルト溶着装置10は、制御部として第1制御部14と第2制御部17との両方を備えるが、何れか一方を備えてもよい。
【0041】
なお、搬送ベルト溶着装置10は、電磁波発生部11の操作部15とは別に、高周波電圧発生部12において操作可能な操作部を備えてもよい。搬送ベルト溶着装置10は、電磁波発生部11の表示部16とは別に、高周波電圧発生部12で情報を表示する表示部を備えてもよい。
【0042】
伝送線路13は、電磁波発生部11と高周波電圧発生部12とを接続する線路である。伝送線路13は、高周波電圧発生部12によって発生された高周波電圧を電磁波発生部11に伝送するための線路である。つまり、伝送線路13は、高周波電圧を伝送可能である。
【0043】
伝送線路13は、同軸ケーブルであってもよいが、同軸ケーブルに限定されるものではない。伝送線路13は、図3に示すように、内部導体13Aと、外部導体13Bと、を備えてもよい。内部導体13Aは、伝送線路13の芯線であってもよい。外部導体13Bは、内部導体13Aを覆う電磁シールドであってもよい。内部導体13Aが第1伝送線路の一例に相当し、外部導体13Bが第2伝送線路の一例に相当する。
【0044】
<電磁波発生部11の構成>
図3に示すように、電磁波発生部11は、筐体20を備える。筐体20は、電磁波発生部11の内部空間を構成する。筐体20は、電磁波発生部11を構成する各種部材を収容可能である。つまり、筐体20は、電磁波発生部11を構成する各種部材の少なくとも一部を覆うように構成される。詳しくは、筐体20は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を覆うように構成されてもよい。これにより、筐体20の外部からは、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34と直接的に接触しない。内部空間は、少なくとも第1電極31及び第2電極32を収容可能な空間である。
【0045】
筐体20は、収容ケース21を備えてもよい。つまり、搬送ベルト溶着装置10は、収容ケース21を備えてもよい。筐体20は、当接部22を備える。つまり、搬送ベルト溶着装置10は、当接部22を備える。収容ケース21は、透過性を有する材質で構成されるため、図3においては端部のみを示す。
【0046】
収容ケース21は、当接部22とともに電磁波発生部11の内部空間を構成する。収容ケース21は、電磁波発生部11を構成する各種部材を収容可能である。収容ケース21は、平面視において角丸長方形状であるが、形状を問わず、例えば矩形状であってもよい。角丸長方形状は、2つの直線と、2つの曲線とから構成される。2つの直線は、第2水平方向Yに並ぶように第1水平方向Xに延びる。2つの曲線は、第1水平方向Xの両側に位置する。角丸長方形状は、陸上競技のトラックのような形状であってもよい。
【0047】
収容ケース21は、絶縁性を有する部材から構成される。収容ケース21は、樹脂製であってもよい。収容ケース21は、当接部22に接続されている。収容ケース21は、当接部22から上方Z1に延びる。このように、収容ケース21は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を上方Z1側から覆うように設けられる。つまり、収容ケース21は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を収容可能である。
【0048】
収容ケース21は、少なくとも一部が透過性を有してもよい。収容ケース21は、透明プラスチックケースであってもよい。これにより、搬送ベルト溶着装置10の外部から内部が視認可能となる。
【0049】
当接部22は、収容ケース21の下方Z2に位置する。当接部22は、平板形状であってもよい。当接部22は、平面視において矩形状であるが、形状を問わず、例えば角丸長方形状であってもよい。当接部22は、平面視において、第1水平方向Xに沿う辺が、第2水平方向Yに沿う辺よりも長い長方形状であってもよい。当接部22は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を下方Z2側から覆うように設けられる。
【0050】
当接部22は、第1電極31及び第2電極32によって発生された電磁波を透過する材質で構成される。当接部22は、搬送ベルト97の溶着を行う際に、搬送ベルト97に向かって当接面23を当接させた状態で加圧される。このため、当接部22は、ある程度の硬度を有する材質であることが好ましい。また、当接部22は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を保護する。特に、当接部22は、搬送ベルト97の加圧に伴う応力からも、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を保護する。
【0051】
当接部22は、絶縁性を有する部材から構成される。当接部22は、ガラス板であってもよい。つまり、当接部22は、少なくとも一部が透過性を有してもよい。これにより、搬送ベルト溶着装置10の外部から、当接部22と当接する搬送ベルト97の一部又は全部の領域が視認可能となる。当接部22は、透過度の高いセラミックであってもよい。当接部22は、誘電正接の低い樹脂製であってもよい。
【0052】
当接部22は、当接面23を備える。当接面23は、下方Z2に向かう面である。当接面23は、搬送ベルト97の溶着を行う際に、搬送ベルト97と当接可能である。支持台94に搬送ベルト97を支持した状態で搬送ベルト溶着装置10を用いる場合、当接面23は、支持台94との間に搬送ベル97トを挟んだ状態で搬送ベルト97と当接可能である。
【0053】
電磁波発生部11は、接続部24と、把持部25とを備えてもよい。接続部24は、絶縁性を有する部材から構成されてもよい。接続部24は、樹脂製であってもよい。接続部24は、鉛直方向Zに沿って延びる。接続部24は、上端部24Aと、下端部24Bとを備える。上端部24Aは、把持部25と接続されている。下端部24Bは、筐体20の上面20Aに接続されている。下端部24Bは、筐体20の上面20Aにおいて、第1水平方向Xのうち他方の方向X2に位置してもよい。
【0054】
把持部25は、作業者によって把持可能な部位である。把持部25は、例えば樹脂製など絶縁性を有する部材から構成されるが、金属製であってもよい。把持部25は、第1水平方向Xに沿って延びてもよい。把持部25は、第1水平方向Xのうち一方の方向X1に延びてもよい。把持部25は、基端部25Aと、先端部25Bとを備える。基端部25Aは、接続部24の上端部24Aに接続されている。つまり、把持部25は、収容ケース21と接続されており、収容ケース21との絶縁性を有する。
【0055】
把持部25は、筐体20の上面20Aから上方Z1に離れた位置に設けられる。把持部25は、当接部22から上方Z1に離れた位置に設けられる。また、把持部25は、第1電極31及び第2電極32から上方Z1に離れた位置に設けられる。把持部25には、操作部15が設けられてもよい。把持部25には、表示部16が設けられてもよい。
【0056】
図3及び図4に示すように、電磁波発生部11は、第1電極31と、第2電極32と、第1導体33と、第2導体34とを備える。第1電極31は、平板形状である。第1電極31は、平面視において第1水平方向Xが長手となる角丸長方形状であってもよい。
【0057】
第1電極31は、第1電極面31Aを備える。第1電極面31Aは、下方Z2に向かう面である。第1電極面31Aは、当接面23と平行な面である。つまり、第1電極面31Aは、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97に向かう面である。言い換えると、第1電極面31Aは、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97側に向かう面である。
【0058】
第2電極32は、平板形状である。第2電極32は、第2電極面32Aを備える。第2電極面32Aは、下方Z2に向かう面である。第2電極面32Aは、当接面23と平行な面である。つまり、第2電極面32Aは、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97に向かう面である。言い換えると、第2電極面32Aは、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97側に向かう面である。
【0059】
第2電極32は、平面視において外周32Bが角丸長方形状である。外周32Bは、収容ケース21の内壁よりも内側に位置する。つまり、第2電極32は、平面視において収容ケース21の内側に収容される。このように、第1電極31及び第2電極32は、収容ケース21により覆われている。
【0060】
第2電極32は、開口32Cを備える。開口32Cは、平面視において角丸長方形状である。つまり、第2電極32は、平面視において内周32Dが角丸長方形状である。第2電極32は、平面視において第1電極31を取り囲むように配置される。下方Z2は、搬送ベルト97を溶着する際に搬送ベルト97に向かう方向となる。
【0061】
第1電極31は、第1電極面31Aが当接部22と対向するように設けられる。第2電極32は、第2電極面32Aが当接部22と対向するように設けられる。これにより、当接部22は、搬送ベルト97を溶着する際に、第1電極面31A及び第2電極面32Aと搬送ベルト97との間において、第1電極面31A及び第2電極面32Aに対向するように設けられる。
【0062】
第1電極31及び第2電極32は、第1電極面31A及び第2電極面32Aが当接部22と当接するように設けられる。第1電極31及び第2電極32は、第1電極面31A及び第2電極面32Aと当接部22との間に隙間が生じるように設けられてもよい。
【0063】
第1電極31及び第2電極32は、平面視において第1電極面31A及び第2電極面32Aが当接面23に含まれるように設けられる。つまり、第1電極31及び第2電極32は、下方Z2から見て当接部22により覆われている。このため、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97と当接面23とが当接することにより、第1電極31及び第2電極32は、搬送ベルト97との接触から保護される。
【0064】
第1電極31及び第2電極32は、筐体20により覆われており、筐体20から露出しない。このため、第1電極31及び第2電極32は、周辺機器及び作業者と接触しないように設けられる。
【0065】
第1導体33は、伝送線路13と第1電極31とを電気的に接続するように構成される。詳しくは、第1導体33は、内部導体13Aと第1電極31とを電気的に接続するように構成される。第1導体33は、コイル35を備える。コイル35は、鉛直方向Zに延びる。
【0066】
第2導体34は、伝送線路13と第2電極32とを電気的に接続するように構成される。詳しくは、第2導体34は、外部導体13Bと第2電極32とを電気的に接続するように構成される。
【0067】
第2導体34は、第1支持部34Aを備えてもよい。第2導体34は、複数の第1支持部34Aを備えてもよい。第2導体34は、第2支持部34Bを備えてもよい。
第1支持部34Aは、第2電極32と電気的に接続されている。第1支持部34Aは、第2電極32から上方Z1に延びる。第1支持部34Aは、平板形状であってもよい。第1支持部34Aは、第2水平方向Yにおいて第2電極32と同じ幅であってもよい。第1支持部34Aは、第1水平方向Xに対する厚みが薄い平板形状であってもよい。第1支持部34Aは、第1水平方向Xに対して短くする一方で、剛性を確保しつつ、鉛直方向Zにおける第1電極31及び第2電極32との距離を保つために鉛直方向Zに長くなるように構成されている。第1支持部34Aは、金属製であってもよい。第1支持部34Aは、第2支持部34Bを支持するように構成される。
【0068】
第2支持部34Bは、第1支持部34Aと電気的に接続されている。第2支持部34Bは、第1支持部34Aの上端部に設けられる。第2支持部34Bは、第1支持部34Aと一体であってもよい。第2支持部34Bは、平板形状であってもよい。第2支持部34Bは、鉛直方向Zに対して厚みが薄い平板形状であってもよい。第2支持部34Bは、平面視においてH字形状であってもよい。第2支持部34Bは、金属製であってもよい。
【0069】
第2導体34は、シールド部36を備えてもよい。シールド部36は、第1電極31及び第2電極32を上方Z1側から切れ目なく覆うように構成される。シールド部36は、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の伝搬を抑制する機能を有する。シールド部36は、網形状であるため、図3においては、シールド部36の一部を網形状である模様で示す。
【0070】
シールド部36は、第2電極32と電気的に接続されている。シールド部36は、第2電極32と線状に接触しているが、第2電極32と点状に接触していてもよい。シールド部36は、平面視において第2電極32の外周32Bの全領域を囲むように設けられる。シールド部36は、第2電極32から上方Z1に向かって延びる。
【0071】
シールド部36は、第1支持部34Aと電気的に接続されている。シールド部36は、第1支持部34Aの外側に位置してもよい。シールド部36は、第2支持部34Bと電気的に接続されている。シールド部36は、第2支持部34Bの上方Z1側に位置してもよい。シールド部36は、第1支持部34A及び第2支持部34Bにより支持される。
【0072】
シールド部36は、収容ケース21の内壁から所定距離だけ離れた位置に設けられてもよい。言い換えると、収容ケース21は、シールド部36の外壁から所定距離だけ離れた位置に設けられてもよい。このように、収容ケース21は、第1電極31、第2電極32、第1導体33及び第2導体34を覆う。所定距離は、収容ケース21とシールド部36との間に発生する寄生容量が予め定めた容量以下となる距離が好ましい。
【0073】
シールド部36は、金属製であってもよい。シールド部36は、網形状であってもよい。このように、第2導体34は、一部又は全部が網形状であってもよい。つまり、第2導体34は、少なくとも一部が透過性を有してもよい。また、第1支持部34A及び第2支持部34Bは、シールド部36と相反して、シールド部36の剛性を担保しつつ、視認性を高めるように最小限のサイズで構成されている。
【0074】
このように電磁波発生部11が構成されることによって、第1電極31及び第2電極32は、伝送線路13を介して高周波電圧が印加されると、高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより、搬送ベルト97を加熱する。第1電極31及び第2電極32は、搬送ベルト97を所定時間に亘って所定温度で加熱することにより搬送ベルト97を溶着することができる。当接面23を搬送ベルト97に当接させた状態で、搬送ベルト97を支持台94に押し当てることにより、当接面23と支持台94との間において搬送ベルト97が所定圧力で加圧される。
【0075】
このような電磁波発生部11は、電磁波の発生により大きい熱エネルギーを搬送ベルト97に伝達することができる。具体的な一例をあげると、電磁波発生部11は、搬送ベルト97を約160度まで加熱するために、電磁波を発生させることにより、100W~500Wの大きな熱エネルギーを搬送ベルト97に伝達することができる。
【0076】
電磁波発生部11は、熱伝導方式ではなく、電磁波方式であり、加熱用の電熱線などの部材を備えなくてもよい。これにより、電磁波発生部11の小型化を図ることができる。このため、記録装置90の装置筐体92を分解させなくても、記録装置90の余剰スペースを用いて、電磁波発生部11によって搬送ベルト97を溶着することができる。
【0077】
また、電磁波発生部11は、作業者によって片手で把持可能な大きさである。電磁波発生部11は、搬送ベルト97のサイズにもよるが、搬送ベルト97の幅よりも小さい。また、搬送ベルト97の溶着に伴って作業者に把持された状態で移動可能であり、かつ、搬送ベルト97を加圧することができる程度の重量である。
【0078】
また、第1電極31と第2電極32との間の最小離間距離は、電磁波発生部11から出力される電磁波の波長の1/10以下である。これにより、高周波電圧が印加された際に発生する電磁波のほとんどを第1電極31及び第2電極32の近傍で減衰させることができる。これにより、第1電極31及び第2電極32から遠方に到達する電磁波の強度を小さくできる。すなわち、電磁波発生部11から発生される電磁波は、第1電極31及び第2電極32の近傍で非常に強く、遠方では非常に弱くなる。
【0079】
このような電磁波発生部11は、発生させる電磁波の周波数帯域が適切に制御されることにより、第1電極31及び第2電極32の近傍に交流電界を集中的に発生させることができる。言い換えると、第1電極31及び第2電極32の近傍を超えて電磁波の発生に伴う周囲への影響を抑制することができる。第1電極31及び第2電極32の近傍としては、例えば3mm~3cmの範囲が相当してもよい。
【0080】
<搬送ベルト溶着用治具>
ここで、搬送ベルト溶着用治具について説明する。搬送ベルト溶着用治具は、搬送ベルト溶着装置10とともに、搬送ベルト97を溶着するための治具である。
【0081】
<第1治具70>
図5及び図6に示すように、搬送ベルト溶着用治具は、第1治具70を備えてもよい。第1治具70は、搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97を支持するように構成される。詳しくは、第1治具70は、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとを位置決めするとともに、搬送ベルト97を支持するように構成される。
【0082】
第1治具70は、記録部93よりも搬送方向Dの下流に設置されてもよく、記録部93よりも搬送方向Dの上流に設置されてもよい。第1治具70は、支持台94に設置されてもよい。特に、第1治具70は、装置筐体92の外部に設置可能であり、装置筐体92の外部からアクセス可能な位置に設置される。また、記録装置90の装置筐体92を分解する工程を行わなくても、第1治具70を設置することができる。
【0083】
第1治具70は、ベルト支持部71を備える。ベルト支持部71は、平板形状であってもよい。ベルト支持部71は、搬送ベルト97を支持する。ベルト支持部71は、幅方向Wにおいて搬送ベルト97よりも幅が長い。ベルト支持部71は、幅方向Wにおいて搬送ベルト溶着装置10よりも長い。ベルト支持部71は、金属製であってもよい。
【0084】
ベルト支持部71は、ベルト支持面72を備える。ベルト支持面72は、上方Z1に向かう平面である。ベルト支持面72は、搬送ベルト97を支持する。ベルト支持面72は、搬送ベルト97の裏面97Cを支持する。
【0085】
第1治具70は、位置決め部73を備えてもよい。第1治具70は、複数の位置決め部73を備えてもよい。第1治具70は、位置決め部73として、第1位置決め部73Aと、第2位置決め部73Bと、を備えてもよい。第1治具70は、位置決め部73として、複数の第1位置決め部73Aと、複数の第2位置決め部73Bと、を備えてもよい。
【0086】
位置決め部73は、ベルト支持面72から上方Z1に向かって突出するように構成されてもよい。位置決め部73は、搬送ベルト97に設けられた第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eを挿通可能であってもよい。このように、位置決め部73は、搬送ベルト97に設けられた第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eが挿通されることにより、ベルト支持面72に支持される搬送ベルト97の位置決めを行う。
【0087】
複数の第1位置決め部73Aは、幅方向Wに沿って設けられる。複数の第1位置決め部73Aは、幅方向Wにおける両端部に設けられてもよい。第1位置決め部73Aは、搬送ベルト97を溶着する一端部97Aに設けられた第1貫通孔97Dに挿通可能である。このように、第1位置決め部73Aは、第1貫通孔97Dの挿通により、ベルト支持面72に支持される搬送ベルト97の一端部97Aの位置決めを行う。
【0088】
複数の第2位置決め部73Bは、幅方向Wに沿って設けられる。複数の第2位置決め部73Bは、幅方向Wにおける両端部に設けられてもよい。第2位置決め部73Bは、搬送ベルト97を溶着する他端部97Bに設けられた第2貫通孔97Eに挿通可能である。このように、第2位置決め部73Bは、第2貫通孔97Eの挿通により、ベルト支持面72に支持される搬送ベルト97の他端部97Bの位置決めを行う。
【0089】
第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eは、それぞれ搬送ベルト97の幅方向Wにおける両端部に設けられる。第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eは、搬送ベルト97の溶着後に切り落とされる領域に設けられる。このため、第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eが設けられていても、溶着後の搬送ベルト97の仕上がりに影響を与えない。
【0090】
<溶着補助材74>
図7に示すように、搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97の溶着箇所に溶着補助材74が塗布される。溶着補助材74は、所定の電気伝導率を有する材料であってもよい。溶着補助材74は、搬送ベルト97よりも誘電正接が高い材料であってもよい。溶着補助材74は、カーボンブラックを含んでもよい。
【0091】
特に、搬送ベルト97の接続溶着を行う場合、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとの間に溶着補助材74が挟まれてもよい。また、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとは、搬送ベルト97の厚み方向に対して傾斜するように切断されてもよい。これにより、溶着面積を増大させることができるとともに、溶着補助材74を塗布する面積を増大させることができるため、溶着品質を向上させることができる。搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとは、搬送ベルト97の厚み方向に沿って切断されてもよい。
【0092】
<第1溶着処理>
次に、図8を参照して第1溶着処理について説明する。第1溶着処理は、搬送ベルト溶着装置10と第1治具70とを用いて、搬送ベルト97の接続溶着を行うための搬送ベルト溶着方法である。
【0093】
図8に示すように、ステップS10において、第1治具設置工程が行われる。第1治具設置工程において、搬送ベルト97が複数のローラーに巻き掛けられる経路上において、第1治具70が設置される。
【0094】
次に、ステップS11において、第1位置決め工程が行われる。第1位置決め工程において、搬送ベルト97の第1貫通孔97Dが第1位置決め部73Aに挿通される。これにより、搬送ベルト97の一端部97Aが第1治具70に位置決めされる。つまり、第1位置決め工程は、搬送ベルト97の一端部97Aに設けられた第1貫通孔97Dを、第1治具70に設けられた第1位置決め部73Aに挿通する工程である。
【0095】
次に、ステップS12において、第2位置決め工程が行われる。第2位置決め工程において、搬送ベルト97を取り回すことにより、複数のローラーに巻きかける。そして、搬送ベルト97が複数のローラーに巻きかけられた状態で、搬送ベルト97の第2貫通孔97Eが第2位置決め部73Bに挿通させる。これにより、搬送ベルト97の他端部97Bが第1治具70に位置決めされる。つまり、第2位置決め工程は、搬送ベルト97の他端部97Bに設けられた第2貫通孔97Eを、第1治具70に設けられた第2位置決め部73Bに挿通する工程である。
【0096】
これにより、ステップS13において、搬送ベルト支持工程が行われる。搬送ベルト支持工程においては、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとが第1治具70に位置決めされた状態で、ベルト支持面72に搬送ベルト97が支持される。このように、搬送ベルト支持工程は、ベルト支持面72に搬送ベルト97を支持させる工程である。便宜上、ステップS13は、ステップS11,S12よりも後の工程として示したが、ステップS11,S12との前後関係を問わず、ステップS11,S12と同時に行われる工程であってもよい。
【0097】
次に、ステップS14において、溶着補助材塗布工程が行われる。溶着補助材塗布工程において、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとの間に溶着補助材74が塗布される。このように、溶着補助材塗布工程は、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとの間に溶着補助材74を挟む工程である。
【0098】
ステップS15において、溶着工程が行われる。溶着工程において、第1治具70により支持された状態で、搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97が溶着される。詳しくは、搬送ベルト溶着装置10において、高周波電圧発生部12によって発生された高周波電圧は、伝送線路13を介して、電磁波発生部11に印加される。電磁波発生部11において、第1電極31及び第2電極32に高周波電圧が印加されることにより、電磁波が発生する。特に、第1電極面31A及び第2電極面32Aの近傍において電磁波が発生する。そして、当接面23が搬送ベルト97に当接されることにより、当接面23とベルト支持面72との間で搬送ベルト97が所定圧力で押圧された状態で、電磁波に含まれる熱エネルギーが搬送ベルト97に伝達する。これにより、搬送ベルト97及び溶着補助材74が加熱されることにより、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとが溶着される。
【0099】
このように、溶着工程は、第1電極31及び第2電極32が高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより搬送ベルト97を溶着する工程である。特に、溶着工程は、第1貫通孔97Dを第1位置決め部73Aに挿通し、かつ、第2貫通孔97Eを第2位置決め部73Bに挿通した状態で電磁波を発生させる工程である。そして、これにより、溶着工程は、ベルト支持面72に支持された搬送ベルト97を搬送ベルト溶着装置10により溶着する工程である。
【0100】
<第1実施形態の作用及び効果>
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)経年劣化により搬送ベルト97の交換が必要となる場合があった。このような場合、従来においては、搬送ベルト97の交換に伴って、搬送ベルト97を挟み込んで加圧した状態で加熱することにより搬送ベルト97を溶着していた。しかしながら、このような機能を備える搬送ベルト溶着装置の大型化を招いていた。特に、電磁波を発生させない熱伝導方式で搬送ベルト97を加熱していたため、加熱用の電熱線及び熱伝導用の金属部材を用いなければならず、搬送ベルト溶着装置の大型化を招いていた。このため、記録装置の設置場所まで搬送ベルト溶着装置を搬送する場合であっても、搬送ベルト溶着装置の設置場所まで記録装置を搬送する場合であっても、作業効率が低下してしまっていた。また、これに加えて、記録装置には、搬送ベルト溶着装置を使用するための空間がない。このため、従来の搬送ベルト溶着装置を使用する際に記録装置を分解する必要があった。これによっても、作業効率が更に低下してしまっていた。
【0101】
そこで、第1電極31及び第2電極32は、高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより搬送ベルト97を溶着する。この構成によれば、高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより、高い熱エネルギーを搬送ベルト97に伝達することができる。したがって、搬送ベルト97による搬送精度を担保しつつ、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0102】
(1-2)また、これに加えて、電磁波を発生させる電磁波方式が採用されると、電磁波を発生させない熱伝導方式と比較して、電磁波発生部11の小型化を図ることができる。このように、電磁波発生部11の小型化により、記録装置90の装置筐体92を分解する必要がなく、作業者の把持により移動可能となる。したがって、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0103】
(1-3)収容ケース21は、当接部22とともに内部空間を構成し、絶縁性を有する。これにより、当接部22と収容ケース21とを用いて第1電極31及び第2電極32を内部空間に収容することができ、第1電極31及び第2電極32が直接的に周囲に接触することを抑制することができる。また、これに加えて、第1電極31及び第2電極32との絶縁性を担保することができる。したがって、電磁波の発生に伴う周囲への影響を抑制することができる。
【0104】
特に、電磁波発生部11の小型化を図り、作業者によって把持可能としたため、より一層、顕著な効果を奏する。また、第1電極31及び第2電極32は、電磁波の波長に対して非常に小さい。このため、電磁波の波長に近いサイズの周辺機器が第1電極31及び第2電極32に接触しないように、収容ケース21を構成することにより、電磁波の発生に伴う周囲への影響を抑制することができる。
【0105】
(1-4)作業者により把持可能である把持部25も、収容ケース21との絶縁性を有する。このため、把持部25と第1電極31及び第2電極32との絶縁性を更に担保することができる。したがって、電磁波の発生に伴う周囲への影響を抑制することができる。
【0106】
(1-5)把持部25は、収容ケース21よりも第1電極31及び第2電極32から離れた位置に設けられる。これにより、把持部25と第1電極31及び第2電極32との距離を確保することができる。したがって、電磁波の発生に伴う周囲への影響を抑制することができる。特に、作業者によって素手で把持部25を把持しても問題なく、電磁波の発生に伴う影響を抑制することができる。
【0107】
(1-6)従来においては、熱伝導方式が用いられており、搬送ベルト97を金属板で挟み込んだ状態で搬送ベルト97を加圧した状態で、搬送ベルト97を加熱していた。このため、搬送ベルト97を加熱する領域は、金属板により覆われており、搬送ベルト97の溶着状態を視認することができなかった。
【0108】
そこで、収容ケース21は、少なくとも一部が透過性を有し、当接部22は、少なくとも一部が透過性を有する。この構成によれば、収容ケース21及び当接部22を介して、当接面23と当接している搬送ベルト97の領域の視認性を向上させることができる。これにより、当接面23と当接している搬送ベルト97の領域の溶着状態が視認し易くなる。したがって、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0109】
また、搬送ベルト97の溶着状態は、繊細な作業であるため、搬送ベルト97の溶着領域の視認性を向上させることによって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させることができる。
【0110】
特に、搬送ベルト97の補修溶着が行われる場合に、搬送ベルト97の溶着状態を視認することができると、搬送ベルト97の溶着品質を向上させることができるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0111】
(1-7)第2導体34は、一部又は全部が網形状である。この構成によれば、収容ケース21に収容される第2導体34を介して、当接面23と当接している搬送ベルト97の領域の視認性を向上させることができる。これにより、当接面23と当接している搬送ベルト97の領域の溶着状態が視認し易くなる。したがって、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0112】
(1-8)従来から、媒体99を搬送する搬送精度を担保するために、搬送ベルト97の溶着品質を向上させる必要があった。このため、従来の工程においては、記録装置とは別の作業場所で、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとが合わされ、かつ、搬送ベルト97の幅方向Wにおける位置が合わされる。そして、その後、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとが例えば半田ごてなどで仮固定されていた。そして、作業台に搬送ベルト97を設置し、搬送ベルト97を溶着した後に記録装置に設置するという工程を取っていた。このように、溶着品質を向上させることにより媒体99を搬送する搬送精度を担保している反面、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率が低下していた。
【0113】
そこで、第1治具70は、搬送ベルト97の位置決めを行う位置決め部73として、第1貫通孔97Dに挿通可能である第1位置決め部73Aと、第2貫通孔97Eに挿通可能である第2位置決め部73Bと、を備える。この構成によれば、第1貫通孔97Dを第1位置決め部73Aに挿通し、かつ、第2貫通孔97Eを第2位置決め部73Bに挿通した状態で、搬送ベルト溶着装置10は、ベルト支持面72に支持された搬送ベルト97を溶着することができる。このため、例えば仮固定工程などの工程を行わなくても、搬送ベルト97の溶着品質を向上させることができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0114】
(1-9)特に、搬送ベルト溶着装置10を用いることで、記録装置90に取り付けた状態のまま搬送ベルト97の溶着が可能となる。これにより、例えば搬送ベルト97の幅方向Wにおける位置合わせを行う工程などの工程を行わなくても、溶着品質を向上させることができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0115】
(1-10)また、搬送ベルト97を記録装置90に取り付ける前に、例えば平らで広い場所などにおいて、搬送ベルト97に対して精度よく第1貫通孔97D及び第2貫通孔97Eを設けることができる。このように、搬送ベルト97の位置決め精度を向上させるとともに、記録装置90に取り付けた状態のまま搬送ベルト97の溶着も可能となる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0116】
(1-11)従来において、搬送ベルト97の接続溶着を行う際に、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとにおいて、不要な領域に熱が伝達してしまい、搬送ベルト97の溶着品質が低下してしまっていた。
【0117】
また、搬送ベルト97の種別によって同じポリウレタン材を主材としたものであっても、電磁波の発生による発熱量が異なる。これにより、同じように電磁波を発生させても、搬送ベルト97の種別によっては溶着品質にばらつきが生じるおそれがあった。
【0118】
そこで、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとの間に溶着補助材74を挟むことにより、電磁波の発生により熱エネルギーを電圧する領域を集中させることができる。これにより、搬送ベルト97の不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。特に、必要な領域に対して集中的に熱エネルギーを伝達することができ、省エネルギーを図ることもできる。
【0119】
(1-12)また、搬送ベルト97の種別に応じて溶着補助材74を用いることによって、搬送ベルト97への発熱量を調整することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させることができる。
【0120】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成については、重複する説明を省略又は簡略し、既に説明した実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0121】
<第2治具75>
図9に示すように、第2実施形態では、搬送ベルト溶着用治具は、第2治具75を備えてもよい。第2治具75は、搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97を溶着する際に用いられる治具である。第2治具75は、搬送ベルト97の接続溶着を行う際に用いられてもよく、搬送ベルト97の補修溶着を行う際に用いられてもよい。搬送ベルト97の補修領域97Fには、補修材97Gが配置されてもよい。補修材97Gは、搬送ベルト97と同じ材質であってもよい。補修材97Gは、補修領域97Fよりもやや小さいサイズであることが好ましい。このように、補修材97Gは、搬送ベルト97の補修溶着を行う際に、補修領域97Fに補充される補充材ともいえる。
【0122】
第2治具75は、搬送ベルト97と支持台94との間に設置可能である。このように、第2治具75は、搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97と支持台94との間に設けられる。第2治具75は、平板形状であってもよい。第2治具75は、絶縁性を有する部材から構成される。第2治具75は、ガラス板であってもよい。
【0123】
第2治具75は、複数種類の治具を備えてもよい。第2治具75は、接続用治具75Aと、補修用治具75Bと、を備えてもよい。接続用治具75Aは、搬送ベルト97の接続溶着を行う際に用いられる。補修用治具75Bは、搬送ベルト97の補修溶着を行う際に用いられる。接続用治具75Aと補修用治具75Bとは、厚みが異なる。接続用治具75Aは、厚みが距離D1である。補修用治具75Bは、厚みが距離D2である。距離D2は、距離D1よりも短い。
【0124】
搬送ベルト溶着装置10及び搬送ベルト97が同じ位置関係であり、かつ、同じ高周波電圧が第1電極31及び第2電極32に印加される場合を一例として説明する。このような場合、接続用治具75Aは、補修用治具75Bと比較して広範囲に亘って熱エネルギーを搬送ベルト97に伝達可能である。
【0125】
補修用治具75Bは、接続用治具75Aと比較して、広範囲ではないが高い熱エネルギーを搬送ベルト97に伝達可能である。特に、補修用治具75Bは、接続用治具75Aと比較して、搬送ベルト97のうち、第1電極面31Aに対向する領域に集中的に熱エネルギーを伝達可能である。
【0126】
このように、第2治具75は、搬送ベルト97を溶着する際に、支持台94と搬送ベルト97との距離を変更することにより、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。第2治具75が加熱範囲調整部の一例に相当する。
【0127】
<第2溶着処理>
次に、図10を参照して第2溶着処理について説明する。第2溶着処理は、搬送ベルト溶着装置10と補修用治具75Bとを用いて、搬送ベルト97の補修溶着を行うための搬送ベルト溶着方法である。
【0128】
図10に示すように、ステップS20において、第2治具装着工程が行われる。第2治具装着工程において、第2治具75が支持台94に配置される。特に、搬送ベルト97の補修溶着を行う際には補修用治具75Bが支持台94に配置される。このように、第2治具装着工程は、搬送ベルト97と支持台94との間に第2治具75を配置し、第1電極31及び第2電極32と支持台94との距離を調整する工程でもある。
【0129】
次に、ステップS21において、搬送ベルト支持工程が行われる。搬送ベルト支持工程において、補修領域97Fが補修用治具75Bの上方Z1に位置するように搬送ベルト97を取り回す。これにより、補修領域97Fは、支持台94との間に補修用治具75Bを挟持した状態で支持台94に支持される。
【0130】
次に、ステップS22において、補修材設置工程が行われる。補修材設置工程において、補修領域97Fに補修材97Gを設置する。そして、ステップS23において、ステップS14と同じように、溶着補助材塗布工程が行われる。溶着補助材塗布工程において、補修領域97Fにおいて、搬送ベルト97及び補修材97Gに溶着補助材74が塗布される。続いて、ステップS24において、ステップS15と同じように、溶着工程が行われる。溶着工程においては、補修用治具75Bを設置した状態で搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97が溶着される。
【0131】
このように、ステップS21において補修用治具75Bが用いられることにより、第1電極面31A及び第2電極面32Aと支持台94との距離が調整される。これにより、搬送ベルト97、補修材97G及び溶着補助材74を加熱する熱エネルギーが調整される。つまり、第2治具75が用いられることにより、搬送ベルト97に対して発生させる電磁波の強度が調整される。このように、第2治具装着工程は、第1電極31及び第2電極32が搬送ベルト97に対して発生させる電磁波の強度を調整する工程である。
【0132】
<第2実施形態の作用及び効果>
第2実施形態の作用及び効果について説明する。
(2-1)第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0133】
(2-2)特に、従来においては、搬送ベルト97の接続溶着と搬送ベルト97の補修溶着とのうち一方のみを行う搬送ベルト溶着装置はあったが、両方を行うことができる搬送ベルト溶着装置はなかった。
【0134】
そこで、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することによって、搬送ベルト97の接続溶着と搬送ベルト97の補修溶着との両方を行うことができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0135】
(2-3)また、従来から、例えば搬送ベルト97の材質、層構造、厚みなど、溶着対象となる搬送ベルト97の種別に応じた溶着条件下において、搬送ベルト97を溶着する必要があった。しかしながら、搬送ベルト97は、製造会社、製造工程によって好適な溶着条件が異なり、同じ製造会社で同じような製造工程で製造されても、製造ロットによっても好適な溶着条件が異なる。
【0136】
そこで、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することによって、搬送ベルト97の溶着条件に応じた搬送ベルト97の溶着が可能となる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0137】
(2-4)支持台94と搬送ベルト97との間に第2治具75を配置することにより、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。この構成によれば、簡素な構成により、電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0138】
(2-5)支持台94と前記搬送ベルト97との距離を調整することにより、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。この構成によれば、簡素な構成により、電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0139】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図11に示すように、第3実施形態では、搬送ベルト溶着用治具は、第3治具76を備えてもよい。第3治具76は、搬送ベルト溶着装置10を用いて搬送ベルト97を溶着する際に、搬送ベルト97を支持するように構成される。詳しくは、第3治具76は、搬送ベルト97の接続溶着を行う際に、搬送ベルト97を支持するように構成される。
【0140】
第3治具76は、ベルト支持部77を備える。ベルト支持部77は、搬送ベルト97を支持するように構成される。ベルト支持部77は、金属製であってもよい。ベルト支持部77は、上面78を備える。上面78は、上方Z1に向かう面である。つまり、上面78は、搬送ベルト97を支持する方向に向かう面である。
【0141】
ベルト支持部77は、突出部79を備える。突出部79は、上面78から上方Z1に向かって突出するように構成される。つまり、突出部79は、搬送ベルト97を支持する方向に向かって突出するように構成される。
【0142】
突出部79は、搬送ベルト97の溶着形状に対応する形状である。詳しくは、突出部79は、幅方向Wに沿って複数のV字領域が連続する形状あってもよい。つまり、突出部79は、平面視においてV字形状である。
【0143】
第3治具76は、ガイド部80を備える。ガイド部80は、上面78から上方Z1に向かって突出するように構成される。ガイド部80は、幅方向Wに延びるレールであってもよい。ガイド部80は、幅方向Wに延びる一対のレールであってもよい。
【0144】
ガイド部80は、当接部22の移動をガイドするように構成される。このように、当接部22を幅方向Wに移動させることにより搬送ベルト97が溶着される場合、ガイド部80は、搬送ベルト溶着装置10の当接部22の移動方向に沿って延びるといえる。
【0145】
ガイド部80は、鉛直方向Zにおいて突出部79よりも突出するように設けられる。特に、ガイド部80は、鉛直方向Zにおいて突出部79と搬送ベルト97の厚さとの合計の高さよりも突出するように設けられる。これにより、突出部79が搬送ベルト97と当接した状態であっても、ガイド部80は、当接部22の移動をガイドすることができる。
【0146】
<第3実施形態の作用及び効果>
第3実施形態の作用及び効果について説明する。
(3-1)従来において、搬送ベルト97の接続溶着を行う際に、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとが平板により挟まれた状態で加熱されていた。このため、搬送ベルト97の一端部97Aと搬送ベルト97の他端部97Bとにおいて、不要な領域に熱が伝達してしまうことにより、搬送ベルト97の溶着品質が低下することがあった。
【0147】
そこで、突出部79は、搬送ベルト97を支持する支持方向に突出し、搬送ベルト97の溶着形状に対応する形状である。この構成によれば、突出部79は、搬送ベルト97の溶着形状に対応する形状で搬送ベルト97を支持することができる。これにより、搬送ベルト97の溶着形状に対応する領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルト97の不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。特に、必要な領域に対して集中的に熱エネルギーを伝達することができ、省エネルギーを図ることもできる。
【0148】
(3-2)ガイド部80は、当接部22の移動方向に沿うように当接部22をガイドする。この構成によれば、ガイド部80に沿って電磁波発生部11を移動させることにより、当接部22の移動方向をガイドすることができる。これにより、搬送ベルト97の不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0149】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図12に示すように、第4実施形態では、ベルト支持部77は、絶縁部81を備えてもよい。絶縁部81は、金属製の突出部79と比較して、熱エネルギーを伝達し難い。絶縁部81は、上面78から上方Z1に向かって突出するように構成される。絶縁部81は、鉛直方向Zにおいて突出部79と同じ高さであってもよい。絶縁部81は、平面視において突出部79の周囲に設けられる。絶縁部81は、平面視において突出部79の周囲に所定の幅で設けられてもよい。
【0150】
突出部79及び絶縁部81は、搬送ベルト溶着装置10の当接面23の形状と同じ形状であってもよい。突出部79は、平面視において当接面23に含まれるが、当接面23よりも狭くなる。つまり、突出部79は、平面視において、当接面23の中央部と重なるが、当接面23の端部と重ならず、絶縁部81は、平面視において、当接面23の端部と重なる。このように、突出部79は、搬送ベルト溶着装置10の当接面23に応じた形状であってもよい。
【0151】
また、当接部22は、突出当接部22Aを備えてもよい。突出当接部22Aは、当接部22において下方Z2に向かって突出する部位である。突出当接部22Aは、当接面23を備える。当接面23は、搬送ベルト97の溶着領域に対応する形状であってもよい。
【0152】
<第4実施形態の作用及び効果>
第4実施形態の作用及び効果について説明する。
(4-1)絶縁部81は、突出部79の周囲に位置する。この構成によれば、突出部79の周囲に絶縁部81を設けることにより、搬送ベルト97において突出部79に対応する領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルト97の不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0153】
(4-2)また、突出部79と絶縁部81との両方で搬送ベルト97を支持することができる。これにより、搬送ベルト97への加圧を集中させつつも、搬送ベルト97を安定して支持することができる。
【0154】
(4-3)突出部79は、当接面23に応じた形状である。この構成によれば、突出部79は、当接面23に応じた形状で搬送ベルト97を支持することができる。これにより、当接面23に応じた領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルト97の不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルト97の溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルト97の溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0155】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0156】
・第3実施形態において、図13に示すように、ベルト支持部77として、平面視において1つのV字形状の突出部79を備えてもよい。このように、複数の第3治具76を幅方向Wに連結させることにより、複数の突出部79として、幅方向Wに沿って複数のV字領域が連続する形状が設けられてもよい。これにより、搬送ベルト97の幅方向Wにおける長さに応じた個数の第3治具76を構成することができる。
【0157】
・第3実施形態において、ガイド部80は、作業者の操作に応じて、第1変位位置と第2変位位置との間で変位可能であってもよい。第1変位位置は、鉛直方向Zにおいて突出部79と搬送ベルト97の厚さとの合計の高さよりもガイド部80が突出する位置である。第2変位位置は、鉛直方向Zにおいて突出部79と搬送ベルト97の厚さとの合計の高さよりもガイド部80が突出しない位置であってもよい。第2変位位置は、ガイド部80が上面78と同じ面となる位置であってもよい。ガイド部80は、ベルト支持部77と別体で構成されてもよい。
【0158】
・ベルト支持部77は、平面視においてW字形状の突出部79を備えてもよい。ベルト支持部77は、平面視において幅方向Wに延びる直線状の突出部79を備えてもよい。
・ガイド部80は、幅方向Wよりも所定角度だけ傾斜するように延びてもよい。所定角度は、平面視において搬送方向Dに対して突出部79のV字形状が傾斜する角度であってもよい。つまり、ガイド部80は、平面視において、突出部79のV字形状が傾斜する傾斜方向と交差する方向に延びてもよい。電磁波発生部11は、往路においては、正方向に対して所定角度だけ傾斜するガイド部80によりガイドされ、復路においては、負方向に対して所定角度だけ傾斜するガイド部80によりガイドされてもよい。
【0159】
・電磁波発生部11は、移動距離を示す目盛りが施されていてもよい。移動距離としては、搬送ベルト97を溶着する際に電磁波発生部11の次の停止位置を示す距離であってもよい。
【0160】
・第3治具76は、突出部79の替わりに、搬送ベルト97の溶着形状に対応する形状の貫通孔を備えてもよい。貫通孔は、平面視においてV字形状であってもよい。この場合、第3治具76は、当接面23と搬送ベルト97との間に設けられてもよい。これにより、第3治具76は、当接面23と搬送ベルト97との間において、電磁波発生部11からの電磁波の発生により、搬送ベルト97に伝達される熱エネルギーを貫通孔に対応する領域に集中させてもよい。
【0161】
・第2実施形態において、搬送ベルト溶着装置10は、高周波電圧の振幅、高周波電圧のデューティ及び高周波電圧のパルス幅のうち何れかを調整する加熱範囲調整部を備えてもよい。電磁波発生部11は、加熱範囲調整部を備えてもよく、高周波電圧発生部12は、加熱範囲調整部を備えてもよい。これにより、加熱範囲調整部は、電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することができる。具体的な一例として、加熱範囲調整部は、4つのトランジスターをスイッチングすることにより、高周波電圧のデューティとして矩形状に調整することができる。搬送ベルト溶着装置10は、操作部15の操作に応じて、高周波電圧の振幅、高周波電圧のデューティ及び高周波電圧のパルス幅のうち何れかを調整する加熱範囲調整部を備えてもよい。
【0162】
・第2実施形態において、搬送ベルト97の接続溶着が行われる場合と搬送ベルト97の補修溶着が行われる場合とで加熱範囲が調整できれば、支持台94と搬送ベルト97との間に第2治具75が配置されなくてもよい。詳しくは、搬送ベルト97の補修溶着が行われる場合に、支持台94と搬送ベルト97との間に第2治具75が配置されなくてもよい。
【0163】
・第2実施形態において、搬送ベルト97の接続溶着が行われる場合と搬送ベルト97の補修溶着が行われる場合とで加熱範囲が調整できれば、搬送ベルト97に伝達する熱エネルギーの高低を問わない。
【0164】
・第2実施形態において、電磁波発生部11による加熱範囲の調整として、搬送ベルト97を支持する金属製の支持面94Aと搬送ベルト97との距離を調整することに限定されない。例えば、電磁波発生部11による加熱範囲の調整として、第1電極31及び第2電極32と搬送ベルト97との距離を調節してもよい。このような構成であっても、第1電極31及び第2電極32からの電磁波の発生による搬送ベルト97に対する加熱範囲を調整することが可能である。
【0165】
・第1実施形態において、第1治具70は、3つ以上の第1位置決め部73Aを備えてもよい。第1治具70は、3つ以上の第2位置決め部73Bを備えてもよい。
・第1治具70は、搬送ベルト97の幅方向Wにおける両端部ではなく、搬送ベルト97の幅方向Wにおける中央部に対応する位置に位置決め部73が設けられてもよい。つまり、位置決め部73は、搬送ベルト97の溶着後に切り落とされない領域に設けられてもよい。この場合、搬送ベルト97の接続溶着の後に、貫通孔を補修するように搬送ベルト97を補修溶着するために、位置決め部73は、平面視における直径を短くすることが好ましい。位置決め部73は、搬送ベルト97の幅方向Wにおける中央部に対応する位置に設けられる場合に、搬送ベルト97の幅方向Wにおける両端部に対応する位置に設けられる場合よりも平面視における直径を短くしてもよい。
【0166】
・搬送ベルト97として熱膨張率及び発熱量が異なる複数種類の材質が層構造となっている場合、高い発熱量を得る溶着補助材74の塗布により、複数種類の材質に対する発熱量を変化させて、複数種類の材質における熱膨張率を均衡させてもよい。
【0167】
従来においては、電磁波の発生により搬送ベルト97を加熱する場合に、層構造を構成する材質によって熱膨張率が異なることから、搬送ベルト97の溶着により反り返りが発生していた。そこで、上記のように溶着補助材74を用いることにより、搬送ベルト97の溶着による反り返りの発生を抑制することができる。具体的な一例をあげると、ポリウレタン材とアラミド材との層構造においてポリウレタン材側から加熱を行う場合に、溶着補助材74の塗布により、ポリウレタン材とアラミド材とに対する発熱量を変化させる。これにより、ポリウレタン材とアラミド材との熱膨張率が均衡させてもよい。
【0168】
・特に、搬送ベルト97の種別によって、電磁波の周波数に対する発熱抵抗が異なるため、電磁波の周波数に対する発熱量が異なる。このため、電磁波の周波数に対する発熱量が搬送ベルト97の種別毎に測定される。そして、溶着補助材74を用いない場合には、電磁波発生部11は、産業科学医療用バンドのうち、搬送ベルト97の種別に対応する発熱量として好適な発熱量となる周波数の電磁波を発生させることが好ましい。一方、溶着補助材74を用いる場合には、電磁波発生部11は、産業科学医療用バンドのうち搬送ベルト97の種別に対応する発熱量が好適な発熱量となり、かつ、溶着補助材74が十分に発熱する周波数の電磁波を発生させることが好ましい。また、産業科学医療用バンドのうち何れかの周波数で発熱量が好適な発熱量となるように、搬送ベルト97の種別が選択されてもよい。好適な発熱量は、搬送ベルト97の種別に対応する発熱量が最大量となることを含んでもよい。好適な発熱量は、搬送ベルト97の種別に対応する発熱量が最小量となることを含んでもよい。
【0169】
・溶着補助材74は、搬送ベルト97に塗布するものに限らず、例えば、搬送ベルト97を構成する材質自体に混在させてもよい。また、産業科学医療用バンドのうち何れかの周波数で発熱量が好適な発熱量となるように、搬送ベルト97を構成する材質自体に溶着補助材74が混在されてもよい。
【0170】
・搬送ベルト97の接続溶着が行われる場合に、第1実施形態における第1溶着処理が行われ、搬送ベルト97の補修溶着が行われる場合に、第2実施形態における第2溶着処理が行われてもよい。つまり、第1溶着処理は、搬送ベルトに対する加熱範囲を調整する工程を含んでもよい。この場合、第1溶着処理において、搬送ベルトに対する加熱範囲を調整する工程は、ステップS10の前に行われてもよく、ステップS10とステップS11との間に行われてもよい。
【0171】
・搬送ベルト溶着用治具としては、第1治具70の位置決め機能と、第3治具76の熱エネルギー集中機能とを備えてもよい。つまり、第1治具70のベルト支持面72に、第3治具76の突出部79が設けられてもよい。また、第3治具76の幅方向Wにおける両端部に、第1治具70の位置決め部73が設けられてもよい。
【0172】
・収容ケース21は、平面視において、第2電極32の内周32Dよりも外側に位置すれば、第2電極32の外周32Bよりも内側であってもよい。シールド部36は、平面視において、収容ケース21よりも内側であるが、第2電極32の内周32Dよりも外側に位置すれば、第2電極32の外周32Bよりも内側であってもよい。シールド部36は、網形状ではなく、板状であってもよい。
【0173】
・当接部22は、第1電極31及び第2電極32と搬送ベルト97との距離が所定の範囲内であれば、搬送ベルト97と面で当接しなくても、搬送ベルト97と点で当接してもよい。
【0174】
・当接部22は、第1電極31及び第2電極32と搬送ベルト97との距離が所定の範囲内であれば、第1電極31及び第2電極32と面で当接しなくてもよく、第1電極31及び第2電極32と点で当接してもよい。また、当接部22は、第1電極31及び第2電極32と当接しなくてもよい。
【0175】
・第1電極31及び第2電極32のうち少なくとも何れかは、平板形状に限定されず、例えば、概平板形状であってもよい。概平板形状は、例えば、鉛直方向Zに沿う方向である厚さ方向に湾曲する形状や長方形形状の縦横比が極めて大きく、線状形状を含んでもよい。
【0176】
・記録装置90は、レーザー光を利用してトナーを付着させることによって、画像を記録するレーザー方式のプリンターであってもよい。つまり、記録装置90は、記録方式を問わず、記録方式がインクジェット方式であるかレーザー方式であるかを問わない。
【0177】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0178】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。本技術的思想及びその作用効果は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせることができる。
【0179】
(A)搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置と、前記搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具とを用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられたベルト支持面に前記搬送ベルトを支持させることと、前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第1位置決め部に挿通することと、前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔を、前記搬送ベルト溶着用治具に設けられた第2位置決め部に挿通することと、前記第1貫通孔を前記第1位置決め部に挿通し、かつ、前記第2貫通孔を前記第2位置決め部に挿通した状態で、前記ベルト支持面に支持された前記搬送ベルトを前記搬送ベルト溶着装置により溶着することと、を含む。
【0180】
この構成によれば、第1貫通孔を第1位置決め部に挿通し、かつ、第2貫通孔を第2位置決め部に挿通した状態で、搬送ベルト溶着装置は、ベルト支持面に支持された搬送ベルトを溶着することができる。このため、例えば仮固定工程などの不要な工程を行わなくても、溶着品質を向上させることができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0181】
(B)搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着装置は、前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、第1電極と、前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、を備え、前記搬送ベルトを溶着する一端部と他端部との間に、所定の電気伝導率を有する材料、又は、前記搬送ベルトよりも誘電正接が高い材料を挟むことと、前記第1電極及び前記第2電極が高周波電圧の印加に応じて電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、を含む。
【0182】
この構成によれば、搬送ベルトを溶着する一端部と他端部との間に、所定の電気伝導率を有する材料、又は、前記搬送ベルトよりも誘電正接が高い材料を挟むことにより、電磁波の発生により熱エネルギーを電圧する領域を集中させることができる。これにより、搬送ベルトの不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0183】
(C)上記搬送ベルト溶着方法において、前記材料は、カーボンブラックを含んでもよい。この構成によれば、(B)と同じような効果を奏することができる。
(D)搬送ベルト溶着方法は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置を用いる搬送ベルト溶着方法において、前記搬送ベルト溶着装置は、前記搬送ベルトと当接可能である当接面を有する当接部と、第1電極と、前記搬送ベルトに向かう第1方向からの平面視において前記第1電極を取り囲むように配置される第2電極と、コイルを有し、高周波電圧を伝送可能である伝送線路と前記第1電極とを電気的に接続する第1導体と、前記伝送線路と前記第2電極とを電気的に接続する第2導体と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することと、前記第1電極及び前記第2電極が電磁波を発生させることにより前記搬送ベルトを溶着することと、を含む。
【0184】
この構成によれば、電磁波の発生による搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0185】
(E)上記搬送ベルト溶着方法は、前記搬送ベルトを支持する金属製の支持面と前記搬送ベルトとの間にガラス板を配置することにより、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することを含んでもよい。
【0186】
この構成によれば、簡素な構成により、電磁波の発生による搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0187】
(F)上記搬送ベルト溶着方法は、前記搬送ベルトを支持する金属製の支持面と前記搬送ベルトとの距離を調整することにより、前記第1電極及び前記第2電極からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することを含んでもよい。
【0188】
この構成によれば、簡素な構成により、電磁波の発生による搬送ベルトに対する加熱範囲を調整することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0189】
(G)搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを支持するベルト支持面を有するベルト支持部と、前記ベルト支持面に支持される前記搬送ベルトの位置決めを行う位置決め部と、を備え、前記位置決め部は、前記搬送ベルトを溶着する一端部に設けられた第1貫通孔に挿通可能である第1位置決め部と、前記搬送ベルトを溶着する他端部に設けられた第2貫通孔に挿通可能である第2位置決め部と、を有する。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏することができる。
【0190】
(H)搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置からの電磁波の発生による前記搬送ベルトに対する加熱範囲を調整する加熱範囲調整部を備える。この構成によれば、(E)と同じような効果を奏することができる。
【0191】
(I)搬送ベルト溶着用治具は、媒体を搬送可能である搬送ベルトを溶着するための搬送ベルト溶着用治具において、前記搬送ベルトを支持するベルト支持部を備え、前記ベルト支持部は、前記搬送ベルトを支持する支持方向に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記搬送ベルトの溶着形状に対応する形状である。
【0192】
この構成によれば、突出部は、搬送ベルトの溶着形状に対応する形状で搬送ベルトを支持することができる。これにより、搬送ベルトの溶着形状に対応する領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルトの不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0193】
(J)上記搬送ベルト溶着用治具において、前記突出部は、前記支持方向からの平面視においてV字形状であってもよい。この構成によれば、(I)と同じような効果を奏することができる。
【0194】
(K)上記搬送ベルト溶着用治具において、前記突出部は、前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置において前記搬送ベルトと当接可能である当接面に応じた形状であってもよい。
【0195】
この構成によれば、突出部は、搬送ベルトと当接する当接面に応じた形状で搬送ベルトを支持することができる。これにより、当接面に応じた領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルトの不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0196】
(L)上記搬送ベルト溶着用治具は、前記ベルト支持部は、絶縁部を有し、前記絶縁部は、前記突出部の周囲に位置してもよい。
この構成によれば、突出部の周囲に絶縁部を設けることにより、搬送ベルトにおいて突出部に対応する領域に集中的に加熱することができ、搬送ベルトの不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【0197】
(M)上記搬送ベルト溶着用治具は、前記搬送ベルトを溶着する搬送ベルト溶着装置において前記搬送ベルトと当接する当接部の移動方向に沿うガイド部を備えてもよい。
この構成によれば、ガイド部に沿って搬送ベルト溶着装置を移動させることにより、当接部の移動方向をガイドすることができる。これにより、搬送ベルトの不要な領域への加熱を抑制することができる。したがって、搬送ベルトの溶着品質を向上させるとともに、搬送ベルトの溶着に関する作業効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0198】
10…搬送ベルト溶着装置、11…電磁波発生部、12…高周波電圧発生部、13…伝送線路、13A…内部導体、13B…外部導体、14…第1制御部、15…操作部、16…表示部、17…第2制御部、20…筐体、20A…上面、21…収容ケース、22…当接部、22A…突出当接部、23…当接面、24…接続部、24A…上端部、24B…下端部、25…把持部、25A…基端部、25B…先端部、31…第1電極、31A…第1電極面、32…第2電極、32A…第2電極面、32B…外周、32C…開口、32D…内周、33…第1導体、34…第2導体、34A…第1支持部、34B…第2支持部、35…コイル、36…シールド部、70…第1治具、71…ベルト支持部、72…ベルト支持面、73…位置決め部、73A…第1位置決め部、73B…第2位置決め部、74…溶着補助材、75…第2治具、75A…接続用治具、75B…補修用治具、76…第3治具、77…ベルト支持部、78…上面、79…突出部、80…ガイド部、81…絶縁部、90…記録装置、91…搬送装置、92…装置筐体、92A…開閉扉、93…記録部、93A…ノズル、94…支持台、94A…支持面、95…第1ローラー、96…第2ローラー、97…搬送ベルト、97A…一端部、97B…他端部、97C…裏面、97D…第1貫通孔、97E…第2貫通孔、97F…補修領域、97G…補修材、98…外周面、99…媒体。
図1
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図3
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図10
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