(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143206
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】重量物の運搬方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/14 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E04G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055751
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000178011
【氏名又は名称】山九株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】井上 敦文
(72)【発明者】
【氏名】尾畑 夢歩
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174BA03
2E174CA06
2E174CA12
2E174CA14
2E174EA03
2E174EA05
(57)【要約】
【課題】従来よりも、作業効率、計画・検討時間の短縮、計画の汎用性に優れた重量物の運搬方法を提供する。
【解決手段】移動式クレーン12の侵入が不可能な領域Aにある高所壁部から撤去された、又は、高所壁部へ据付けられる重量物の運搬方法であり、仮設足場17を、高所壁部の高さ位置まで構築すると共に、領域Aから移動式クレーン12の侵入が可能な領域Bまで設置し、仮設足場17上に、重量物を載置可能な搬送台車21の台車用レール20を設置して、搬送台車21を台車用レール20に沿って、領域Aと領域Bとの間で往復移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式クレーンの侵入が不可能な領域Aにある高所壁部から撤去された、又は、該高所壁部へ据付けられる重量物の運搬方法において、
仮設足場を、前記高所壁部の高さ位置まで構築すると共に、前記領域Aから前記移動式クレーンの侵入が可能な領域Bまで設置し、該仮設足場上に、前記重量物を載置可能な搬送台車の台車用レールを設置して、
前記搬送台車を前記台車用レールに沿って、前記領域Aと前記領域Bとの間で往復移動させることを特徴とする重量物の運搬方法。
【請求項2】
請求項1記載の重量物の運搬方法において、前記領域Aは建屋内にあり、該建屋内に前記仮設足場を設置することを特徴とする重量物の運搬方法。
【請求項3】
請求項2記載の重量物の運搬方法において、前記重量物は前記建屋内に設置される天井クレーンのクレーン走行用梁であることを特徴とする重量物の運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、既設建屋内の設備や機器等の重量物の撤去工事や据付工事に用いる重量物の運搬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、既設建屋内の設備や機器等の重量物の撤去や据付(以下、撤去・据付とも記載)工事においては、その搬送に天井クレーンや移動式クレーン(走行可能な揚重機)が用いられている。
しかし、天井クレーンは、横行及び走行の際の寄り付き限度や吊荷重の制約があり、使用できない場合がある。
また、移動式クレーン(例えば、ラフタークレーン)は、建屋内の既存設備や配管等により、建屋内への進入が阻害される場合がある。その対策として、1)建屋の屋根を取り払い屋外から移動式クレーンを使う方法、2)建屋内の床面を平坦にするため架台を設置し敷き鉄板等でフラットな作業床を仮設した後、重量物を横引きして取り出す方法、がある。
【0003】
しかし、上記1)の方法を用いた場合、屋外環境、コスト、工期の面で負荷が大きくなり、また、上記2)の方法は一般的に行われているが、作業床の耐荷重、高低差、長さにより、コストや工期の面で負荷が大きくなる。
一例ではあるが、建屋内に設置される天井クレーンのクレーン走行用梁(クレーン走行用桁とも称す:以下、CRGとも記載)の撤去・据付工事では、上記した天井クレーンを使用できない(例えば、特許文献1参照)。このため、移動式クレーンの使用が検討されるが、この場合、建屋内の既存設備や床面の高低差により、撤去・据付を行う位置まで移動式クレーンが寄り付けないことから、CRGの横引きが検討される。
以下、建屋内に設置された天井クレーンのCRGの撤去作業について、
図7、
図8を参照しながら説明する。
【0004】
まず、建屋80内に据付けられたCRG81の撤去前に、天井クレーン歩廊上から梁82に電動チェーンブロック83を設置する(電動チェーンブロック設置)。
撤去作業のために、床面からCRG81の据付高さ位置まで仮設足場を設置する(足場組立)。CRG81下方の床面の開口部や段差部を養生し、横引き用の架台と敷き鉄板を設置して、作業床84を形成する(安全設備設置)。
仮設足場を利用して、CRG81の下部に対し板金やスパッタシートで養生を行う(火気養生設置)。天井クレーンの既設の軌条をCRG81スパンごとに、ガスにより切断する(既設CRG切断)。
切断したCRG81に玉掛用の貫通孔をあけ、電動チェーンブロック83にて4点吊りできるようにセットする(CRG玉掛け)。バックガーダー金物をガスにより切断する(バックガーダー切断)。CRG81下部の連結プレートのボルトを取外す(CRG連結プレート取外し)。
切断されたCRG81を、電動チェーンブロック83にて足場手摺をかわす位置まで上架して横行させ(CRG上架)、作業床84まで降ろして台車85に載せる(CRG下架)。CRG81を載せた台車85を、ラフタークレーン86での吊上げが可能な位置まで人力により横引きし(CRG搬出)、ラフタークレーン86にてCRG81を吊上げトラック87に積み込み、仮置場へ搬出する(完了)。
上記したCRG玉掛けから完了までの作業を、切断したCRG81ごとに繰り返し実施することで、建屋80内からのCRG81の撤去作業を完了する。
また、建屋80内へのCRG88の据付作業は、
図9に示すように、上記した手順とは逆の手順にて行う。なお、
図8、
図9中の符号89は作業者である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の運搬方法には、作業効率、計画・検討時間の短縮、計画の汎用性で、解決すべき問題があった。
1)作業効率について
・CRGを横引きするために、建屋内の床面に架台と敷き鉄板を敷く作業を行う必要があり、時間を要しコストが嵩む。
・撤去するCRGの横行距離や、作業床まで下降させる距離が長くなるため、例えば、電動チェーンブロックの架け替え作業を頻繁に行う必要があり、作業時間が長くなる。
2)計画・検討時間の短縮について
・作業床を形成するため、床面の状況を事前に調査する必要があり、準備作業に時間を要する。
・床面の状況等は作業場所によってそれぞれ異なることから、例えば、作業を依頼する客先に対する説明資料をフォーマット化できない。
3)計画の汎用性
・床面の状況等は作業場所によってそれぞれ異なることから、予め作成した他の作業計画を利用しづらく、作業内容の検討や計画図の作成に時間を要する。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来よりも、作業効率、計画・検討時間の短縮、計画の汎用性に優れた重量物の運搬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係る重量物の運搬方法は、移動式クレーンの侵入が不可能な領域Aにある高所壁部から撤去された、又は、該高所壁部へ据付けられる重量物の運搬方法において、
仮設足場を、前記高所壁部の高さ位置まで構築すると共に、前記領域Aから前記移動式クレーンの侵入が可能な領域Bまで設置し、該仮設足場上に、前記重量物を載置可能な搬送台車の台車用レールを設置して、
前記搬送台車を前記台車用レールに沿って、前記領域Aと前記領域Bとの間で往復移動させる。
【0009】
本発明に係る重量物の運搬方法において、前記領域Aは建屋内にあり、該建屋内に前記仮設足場を設置することもできる。
ここで、前記重量物は前記建屋内に設置される天井クレーンのクレーン走行用梁であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る重量物の運搬方法は、仮設足場を、高所壁部の高さ位置まで構築すると共に、移動式クレーンが侵入不可能な領域Aから侵入可能な領域Bまで設置し、この仮設足場上に、重量物を載置可能な搬送台車の台車用レールを設置して、この搬送台車を台車用レールに沿って領域Aと領域Bとの間で往復移動させるので、例えば、従来のように、作業床の形成、重量物の上架や下架の繰り返し、作業床形成のための事前調査等を行う必要がない。
従って、従来よりも、作業効率、計画・検討時間の短縮、計画の汎用性に優れた重量物の運搬方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る重量物の運搬方法を適用した天井クレーンのCRGの建屋内からの撤去方法を示すフローチャートである。
【
図2】同天井クレーンのCRGの建屋内からの撤去状況を示す説明図である。
【
図4】同建屋内の高所壁部におけるCRGの撤去作業を示す説明図である。
【
図5】(A)、(B)はそれぞれ同CRGの運搬に使用する搬送台車の側面図、平面図である。
【
図6】(A)は同搬送台車の正面図、(B)は同搬送台車に設けられたチルタンク部分の側面図、(C)は同搬送台車の四隅部の平面図である。
【
図7】従来例に係る重量物の運搬方法を適用した天井クレーンのCRGの建屋内からの撤去方法を示すフローチャートである。
【
図8】同天井クレーンのCRGの建屋内からの撤去状況を示す説明図である。
【
図9】同天井クレーンのCRGの建屋内への据付状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1~
図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る重量物の運搬方法は、建屋10内に設置される天井クレーンの軌条を構成するクレーン走行用梁(クレーン走行用桁とも称す。以下、CRGとも記載:重量物の一例)11を、建屋10内から撤去・搬出、又は、建屋10内へ搬入・設置(搬入・据付)するために用いる方法である。
以下、詳しく説明する。
【0013】
CRG11は、天井クレーンの本体部(図示しない)を建屋10の長手方向に走行させるためのものであり、建屋内10の対向する高所壁部に、対となって平行に設置されている(据付けられている)。ここで、高所とは、例えば、床面から10m程度の高さ位置であるが、特に限定されるものではなく、建屋の規模等に応じて変更される。
このCRG11を高所壁部から撤去するには、ラフタークレーン(ラフテレーンクレーンとも称す:移動式クレーンの一例)12を使用できるが、前記したように、建屋10内には既存設備や配管等があり、出入口13から建屋10内に入ったラフタークレーン12が、高所壁部(CRG撤去位置)の下方(領域Aの一例)まで移動(侵入)することは不可能である。
そこで、
図1に示すフローに従って、CRG11の撤去・搬出を行う。
【0014】
(電動チェーンブロック設置)
建屋10内に据付けられたCRG11の撤去前に、
図2に示すように、作業者14は、天井クレーン歩廊上から梁15に電動チェーンブロック16を設置する。
【0015】
(足場組立)
CRG11の撤去作業のため、建屋10内に仮設足場17を設置する。
仮設足場17は、
図2~
図4に示すように、CRG11が設置された建屋10の壁部内面に沿って、その高さ位置(高所壁部の高さ位置(据付け高さ位置))近傍まで構築すると共に、高所壁部の下方からラフタークレーン12が侵入可能な建屋10内の出入口近傍(領域Bの一例)まで設置する。即ち、仮設足場17の床面からの高さ(上面位置)は、CRG11の設置位置から、建屋10内の出入口近傍まで、略同じである。
ここで、仮設足場17の種類は特に限定されるものではないが、次世代足場である先行手摺工法クサビ足場(アルバトロス(登録商標))を使用することが、強度や仮設設計(計画作成)の点で好ましい。具体的には、上記足場は強度があるため、
図2に示すように、部分的に足場を省略でき、例えば、設置する足場の数を少なくでき、足場設置に要する時間を短縮でき、仮設設計も簡易にできる。
【0016】
(搬送台車用レール取付)
仮設足場17を設置した後は、
図4に示すように、仮設足場17を構成する複数の柱18の上端部に、マルチビームジャッキ(大引受ジャッキ)19をそれぞれ設置し、このマルチビームジャッキ19上に対となる台車用レール20を、その長尺方向を建屋10の壁部に沿う方向に合わせて取付け固定する。なお、台車用レール20には、例えば、H形鋼や溝形鋼(C形鋼)を使用できる。
(搬送台車載置)
この対となる台車用レール20上に搬送台車21を載せることで、搬送台車21を、CRG11の撤去位置近傍と建屋10内の出入口近傍との間で、台車用レール20に沿って往復移動させることができる。
【0017】
搬送台車21は、
図5(A)、(B)、
図6(A)~(C)に示すように、CRG11を載置する荷台22を有している。荷台22は、縦フレーム材23と横フレーム材24により、平面視して略四角形状となるように連結されている。なお、縦フレーム材23と横フレーム材24には、例えば、H形鋼を使用できる。
この平行に配置された2本の横フレーム材24は、縦フレーム材23に平行に配置された2本の補強横材25によって連結されている。これにより、荷台22の剛性を向上させている。
更に、各横フレーム材24の長さ方向中間部位置には、牽引用のフック部材26が設けられている。これにより、チルホール(牽引手段)27による牽引が可能になる。
荷台22上には、載置したCRG11の位置ズレを防止するズレ止めアングル(位置ズレ防止部材)28が取付け固定されている。
【0018】
搬送台車21の荷台22の四隅部、即ち、縦フレーム材23と横フレーム材24が接続された隅部には、角プレート状の取付プレート29がそれぞれ設けられている。この各取付プレート29は、縦フレーム材23及び横フレーム材24に取付けられて一体となるように固定されている。
各取付プレート29には、台車用レール20上を走行するチルタンク30(エンドレスコロ)が取付けられている。なお、チルタンクの代わりに車輪やクローラ等を有するものを使用することもできる。
各取付プレート29には、チルタンク30の外方に位置するように、外れ止め部材31が取付け固定されている。この外れ止め部材31は、チルタンク30よりも更に下方まで延設され、チルタンク30が台車用レール20から脱輪しないように搬送台車21のレール幅方向への移動を規制している。
【0019】
(安全設備設置)
CRG11下方の床面の開口部や段差部を養生し、作業床として使用する。
【0020】
(火気養生設置)
仮設足場を利用して、CRG11の下部に対し板金やスパッタシートで養生を行う。
【0021】
(既設CRG切断)
図4右側に示すように、ガス溶断者32は、CRG11を柱のスパンごとにガスにより切断する。なお、
図4右側の符号33は、切断作業を監視する火気監視人である。
【0022】
(CRG玉掛け)
切断したCRG11の長手方向両端部に玉掛用の貫通孔をあけ、電動チェーンブロック16でワイヤーを使用して玉掛けを行う。そして、ワイヤーが張るまで巻き上げる。
【0023】
(バックガーダー切断)
バックガーダー金物をガスにより切断する。
【0024】
(CRG連結プレート取外し)
CRG11下部の連結プレートのボルトを取外す。
【0025】
(CRG下架)
図4左側に示すように、電動チェーンブロック16のチェーンを、図示しない電動チェーンブロックにて矢印方向に引っ張り、切断されたCRG11を吊上げた後、CRG撤去位置近傍に配置された搬送台車21の荷台22上に降ろして固定する。
【0026】
(CRG移動)
図3上側に示すように、建屋10内の右端に取付け固定されたチルホール27と、搬送台車21に設けられた牽引用のフック部材26とを、ワイヤーロープで連結し、ラフタークレーン12によるCRG11の吊上げが可能な位置、即ち、建屋10内の出入口近傍まで、搬送台車21を移動させる。
【0027】
(CRG搬出)
CRG11を、ラフタークレーン12にて搬送台車21の荷台22から吊上げ、トラック34に積み込む。
【0028】
(完了)
トラック34にてCRG11を仮置場へ搬出する。
【0029】
上記したCRG玉掛けから完了までの作業を、切断したCRG11ごとに繰り返し実施することで、建屋10内からのCRG11の撤去作業を完了する。
また、建屋10内へのCRG11の据付作業は、上記した手順とは逆の手順にて行う。簡単に説明すると、CRG11の据付作業は、トラック34で建屋10内に搬入したCRG11を、ラフタークレーン12で建屋10内の出入口近傍に配置された搬送台車21の荷台22上に降ろして固定する。次に、
図3下側に示すように、建屋10内の左端に取付け固定されたチルホール27により、CRG11の据付位置近傍まで搬送台車21を移動させ、CRG11を電動チェーンブロック16を用いて搬送台車21から降ろし、高所壁部(目的の場所)に設置する。
上記した作業を、CRG11ごとに繰り返し実施することで、建屋10内へのCRG11の据付作業を完了する。
【0030】
以上に示した本発明の重量物の運搬方法を用いることにより、従来よりも、作業効率、計画・検討時間の短縮、計画の汎用性に優れる。具体的には、以下の通りである。
1)作業効率について
・仮設足場(作業用足場)を流用するため、建屋内の床面に架台と敷き鉄板を敷く作業を行う必要がなく、また、床面の傾斜、既設設備や配管等の障害物の影響を受けないため、これら作業に要する時間を省略できる。
・撤去したCRGを人力により横引きする必要がなく、また、CRGを下降させる距離が短くなるので、電動チェーンブロックの架け替え作業を少なくでき、作業性が良好になると共に、作業時間を短縮できる。
2)計画・検討時間の短縮について
・規格品の仮設足場にて撤去・据付を計画できるので、事前調査や準備作業の短縮化が図れる。
・規格品の仮設足場にて撤去・据付を計画できるので、作業を依頼する客先に対する説明資料をフォーマット化でき、作業の信頼性が高くなる。
3)計画の汎用性
・規格品の仮設足場にて撤去・据付を計画できるので、予め作成した他の作業計画を利用でき、作業内容(例えば、CAD)の検討や計画図の作成が容易となる。
【0031】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の重量物の運搬方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、建屋内の天井クレーンのCRGの撤去・据付工事におけるCRGの運搬方法について説明したが、移動式クレーンが進入不可能な領域Aにある高所壁部であれば、建屋内に限定されるものではなく屋外でもよく、また、CRGに限定されるものではなく機器や設備、構造物等でもよい。具体的には、山や崖の斜面の高所壁部に設置された構造物等に、本発明の重量物の運搬方法を適用することもできる。
前記実施の形態においては、移動式クレーンとしてラフタークレーンを使用した場合について説明したが、特に限定されるものではなく、他の移動式クレーン、例えば、トラッククレーンやクローラークレーンでもよい。
【符号の説明】
【0032】
10:建屋、11:クレーン走行用梁(重量物)、12:ラフタークレーン(移動式クレーン)、13:出入口、14:作業者、15:梁、16:電動チェーンブロック、17:仮設足場、18:柱、19:マルチビームジャッキ、20:台車用レール、21:搬送台車、22:荷台、23:縦フレーム材、24:横フレーム材、25:補強横材、26:フック部材、27:チルホール、28:ズレ止めアングル、29:取付プレート、30:チルタンク、31:外れ止め部材、32:ガス溶断者、33:火気監視人、34:トラック