(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144945
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/74 20220101AFI20241004BHJP
H04L 61/106 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
H04L45/74
H04L61/106
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057137
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】多賀 正樹
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HD03
5K030LB05
5K030LD02
(57)【要約】
【課題】 異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることにある。
【解決手段】 情報処理装置は、情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置の第一のマルチキャストIPアドレスと、を有する第三のパケットを生成し、第三のパケットを、第一のルータに入力し、第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、第一のルータに設定されている第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する情報供給停止設定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集する収集手段と、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する生成手段と、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する設定変更手段と、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する情報供給停止設定手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第一のエリアはPIM-SM(Protocol-Independent Multicast Sparse Mode)を利用したエリアで、
前記第二のエリアはPIM-SSM(Source-Specific Multicast)を利用したエリアで、前記第二のパケットにはIGMPv3を用いる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第一の情報供給装置及び前記第二の情報供給装置は映像を提供する映像提供装置である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集し、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成し、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する、
を実行する情報処理方法。
【請求項5】
前記第一のエリアはPIM-SM(Protocol-Independent Multicast Sparse Mode)を利用したエリアで、
前記第二のエリアはPIM-SSM(Source-Specific Multicast)を利用したエリアで、前記第二のパケットにはIGMPv3を用いる、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第一の情報供給装置及び前記第二の情報供給装置は映像を提供する映像提供装置である、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集させ、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成させ、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更させ、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成させ、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更させ、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去させ、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定させる、
プログラム。
【請求項8】
前記第一のエリアはPIM-SM(Protocol-Independent Multicast Sparse Mode)を利用したエリアで、
前記第二のエリアはPIM-SSM(Source-Specific Multicast)を利用したエリアで、前記第二のパケットにはIGMPv3を用いる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第一の情報供給装置及び前記第二の情報供給装置は映像を提供する映像提供装置である、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
複数の利用者の端末装置及び情報を提供する複数の情報供給装置と、ネットワークを介して接続される情報処理装置と、を有するシステムであって、
前記情報処理装置は、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集する収集手段と、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する生成手段と、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する設定変更手段と、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する情報供給停止設定手段と、を有する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチキャストシステムで用いる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチキャストは、IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、複数の端末装置に対して一つのデータを同時に送信する通信方式である。マルチキャストは、例えば、映像提供サーバから映像を特定の複数の利用者の端末装置へ同時に送信する、ストリーミング配信などで利用されている。
【0003】
ところが、配信側の保守などにより配信停止を行う場合、配信停止中である旨を、複数の利用者に伝える必要がある。関連する技術として、例えば、特許文献1から4の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-503994号公報
【特許文献2】特開2012-199689号公報
【特許文献3】特開2012-143012号公報
【特許文献4】特開2005-039598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1から4には、互換性のない、異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、配信停止中である旨を、複数の利用者に伝える技術については開示がない。
【0006】
本開示の目的の一例は、異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理装置は、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集する収集部と、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する生成部と、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する設定変更部と、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する情報供給停止設定部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理方法は、
情報処理装置が、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集し、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成し、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集させ、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成させ、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更させ、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成させ、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更させ、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去させ、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定させる、
ことを特徴とする。
【0010】
さらに、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるシステムは、
複数の利用者の端末装置及び情報を提供する複数の情報供給装置と、ネットワークを介して接続される情報処理装置と、を有するシステムであって、
前記情報処理装置は、
スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、前記第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集する収集部と、
記憶部に記憶されている、前記第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した前記第一のマルチキャストIPに含まれる前記第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択した前記ユニキャストIPアドレスと、前記第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する生成部と、
生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する設定変更部と、
前記第一の情報供給装置からの情報提供を停止する場合、前記情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した前記第三のパケットを、前記第二のルータを介して前記第一のルータに入力し、前記第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、前記第一のルータに設定されている前記第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、前記第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する情報供給停止設定部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本開示によれば、異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、情報処理装置の一例を説明するための図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置を有するシステムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の動作を説明するための図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置の情報提供停止時の動作を説明するための図である。
【
図5】
図5は、システムの動作の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、システムの情報提供停止時の動作の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
(実施形態)
図1を用いて、実施形態における情報処理装置の構成について説明する。
図1は、情報処理装置の一例を説明するための図である。
【0015】
[装置構成]
図1に示す情報処理装置は、異なる通信方式のマルチキャストシステム間の通信を可能にする装置である。また、
図1に示すように、情報処理装置10は、収集部11と、生成部12と、設定変更部13と、情報供給停止設定部14とを有する。
【0016】
収集部11は、スパースモードのマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリアに属する利用者の端末装置から、第一のエリアのランデブーポイントに設置された第一のルータを介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIP(Internet Protocol)を含む第一のパケットを収集する。
【0017】
生成部12は、記憶部に記憶されている、第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択し、選択したユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する。
【0018】
設定変更部13は、生成した第二のパケットを、第二のエリアに設置された第二のルータを介して第一のルータに入力し、第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する。
【0019】
情報供給停止設定部14は、第一の情報供給装置からの配信を停止する場合、情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した第三のパケットを、第二のルータを介して第一のルータに入力し、第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する。
【0020】
また、情報供給停止設定部14は、第一のルータに設定されている第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する。
【0021】
このように、実施形態においては、第一の情報供給装置からの配信を停止する場合に、第一のルータに設定されている、第一の情報供給装置の第一のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、配信が停止したことを通知するための第二の情報供給装置の第二のユニキャストIPを設定するので、異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることができる。
【0022】
[システム構成]
図2を用いて、実施形態における情報処理装置10の構成をより具体的に説明する。
図2は、情報処理装置を有するシステムの一例を示す図である。システム100は、例えば、ストリーミング配信などに用いられるシステムである。
【0023】
図2に示すように、実施形態におけるシステム100は、例えば、ストリーミング配信などに用いるシステムである。情報処理装置10と、第一のエリア20に設けられた、一つ以上の端末装置21(21a、21b、21c)と、ルータ22(22a、22b、22c)、複数のルータ22により構成されたルータ網23と、第二のエリア30に設けられた、第一の情報供給装置31と、ルータ32(32a、32b、32c、32d、32e、32f)と、複数のルータ32により構成されたルータ網33と、第二の情報供給装置34とを有する。
【0024】
情報処理装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータなどである。
【0025】
第一のエリア20は、例えば、PIM-SM(Protocol-Independent Multicast Sparse Mode)を利用したエリアである。
【0026】
端末装置21は、例えば、CPU、又はFPGA、又はそれら両方を搭載したパーソナルコンピュータ、モバイル端末などの情報処理装置である。
図2の例では、三個の端末装置21a、21b、21cを示したが、三個に限定されるものではない。
【0027】
ルータ22は、例えば、PIM-SMに対応したマルチキャストルータである。
図2の例では、三個のルータ22a、22b、22cを示したが、三個に限定されるものではない。
【0028】
第二のエリア30は、例えば、PIM-SSM(Source-Specific Multicast)を利用したエリアである。
【0029】
第一の情報供給装置31は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータなどである。情報供給装置31は、例えば、映像などの情報を提供する映像提供装置などである。
【0030】
ルータ32は、例えば、PIM-SSMに対応したマルチキャストルータである。
図2の例では、六個のルータ32a、32b、32c、32d、32e、32fを示したが、六個に限定されるものではない。
【0031】
第二の情報供給装置34は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータなどである。情報供給装置34は、例えば、配信停止映像などの情報を提供する映像提供装置などである。
【0032】
●情報処理装置について詳細に説明する。
第一のエリア20がPIM-SMで、第二のエリア30がPIM-SSMである場合について説明する。その場合、情報処理装置10は、端末装置21から送信された要求をもとにした第一のパケットを取得すると、ユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスを有する第二のパケットを生成し、第二のパケットを用いて代理配信要求をする。
【0033】
収集部11は、PIM-SMのエリア(第一のエリア20)に設置されたランデブーポイント(RP)のルータ22c(第一のルータ)に入力された、PIM-SMのエリアに属する端末装置21a、21b、21cから送信された要求をもとにした、第一のマルチキャストIPアドレスを含む第一のパケットを収集する。
【0034】
生成部12は、まず、第一のパケットに含まれている第一のマルチキャストIPアドレスを用いて、ユニキャストIPアドレス選択情報を参照し、第一のマルチキャストIPアドレスに対応する情報供給装置31のユニキャストIPアドレスを選択する。
【0035】
次に、生成部12は、選択したユニキャストIPアドレスと、PIM-SSM(第二のエリア30)で用いる第二のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する。
【0036】
ユニキャストIP選択情報は、情報処理装置10に設けられた記憶部に、あらかじめ記憶された、第一のマルチキャストIPアドレスと、情報供給装置31のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられた情報である。
【0037】
設定変更部13は、生成した第二のパケットを、PIM-SSM(第二のエリア30)に設置されたルータ32d(第二のルータ)を介してルータ22cに入力し、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する。具体的には、情報供給装置31のユニキャストIPアドレスとマルチキャストIPアドレスを紐づけた(S,G)エントリを新たに生成する。
【0038】
情報供給停止設定部14は、情報供給装置31からの情報提供を停止する場合、情報提供が停止したことを通知するための情報供給装置34のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した第三のパケットを、ルータ32d(第二のルータ)を介してルータ22cに入力し、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する。
【0039】
具体的には、情報供給停止設定部14は、まず、情報提供を停止することを表す情報提供停止情報を取得する。なお、情報提供停止情報は、作業者が直接入力してもよいし、又は情報供給装置31から取得してもよい。なお、情報提供停止情報には、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスを含んでいる。
【0040】
次に、情報供給停止設定部14は、情報提供停止情報を取得した場合、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成する。
【0041】
次に、情報供給停止設定部14は、生成した第三のパケットを、第二のエリア30に設置されたルータ32d(第二のルータ)を介してルータ22cに入力し、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する。具体的には、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスとマルチキャストIPアドレスを紐づけた(S,G)エントリを新たに生成する。
【0042】
また、情報供給停止設定部14は、ルータ22cに設定されている情報供給装置31のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、配信が停止したことを通知するための情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する。なお、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報はあらかじめ設定しておいてもよい。
【0043】
その結果、情報供給装置31からの配信が停止し、情報供給装置34から端末装置21a、21b、21cに配信停止通知を配信することができる。配信停止通知は、例えば、「配信停止中。15時ごろ再開予定です」などの映像である。
【0044】
[装置動作]
実施形態における情報処理装置の動作について
図3、
図4を用いて説明する。
図3は、情報処理装置の動作を説明するための図である。
図4は、情報処理装置の情報提供停止時の動作を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。また、実施形態では、情報処理装置を動作させることによって、情報処理方法が実施される。よって、実施形態における情報処理方法の説明は、以下の情報処理装置の動作説明に代える。
【0045】
図3を用いて、異なる通信方式のマルチキャストシステム間の通信を可能にする場合の動作について説明する。
図3のフロー図では、収集部11は、スパースモードの第一のマルチキャストルーティングプロトコルを利用している第一のエリア20(PIM-SMのエリア)に属する利用者の端末装置21から、第一のエリア20のランデブーポイント(RP)に設置されたルータ22c(第一のルータ)を介して送信された、配信要求用の第一のマルチキャストIPアドレスを含む第一のパケットを収集する(ステップA1)。
【0046】
生成部12は、記憶部に記憶されている、第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスと、情報供給装置31のユニキャストIPアドレスと、が関連付けられたユニキャストIPアドレス選択情報に基づいて、収集した第一のマルチキャストIPに含まれる第一のマルチキャストIPアドレスに対応するユニキャストIPアドレスを選択する(ステップA2)。
【0047】
生成部12は、選択したユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第二のパケットを生成する(ステップA3)。
【0048】
設定変更部13は、生成した第二のパケットを、第二のエリア30に設置されたルータ32d(第二のルータ)を介してルータ22cに入力し、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する(ステップA4)。
【0049】
図4を用いて、情報提供停止時の動作について説明する。
図4のフロー図では、情報供給停止設定部14は、情報供給装置31からの情報提供を停止し、情報供給装置34からの情報提供をする場合の動作について説明する。
【0050】
情報供給停止設定部14は、まず、情報提供を停止することを表す情報提供停止情報を取得する(ステップB1)。なお、情報提供停止情報は、作業者が直接入力してもよいし、又は情報供給装置31からを取得してもよい。なお、情報提供停止情報には、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスを含んでいる。
【0051】
次に、情報供給停止設定部14は、情報提供停止情報を取得した場合、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成する(ステップB2)。
【0052】
次に、情報供給停止設定部14は、生成した第三のパケットを、第二のエリア30に設置されたルータ32d(第二のルータ)を介してルータ22c(第一のルータ)に入力し、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更する(ステップB3)。具体的には、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスとマルチキャストIPアドレスで構成された(S,G)エントリを新たに生成する。
【0053】
また、ステップB3において、情報供給停止設定部14は、ルータ22cに設定されている情報供給装置31のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、配信が停止したことを通知するための情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する。なお、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報はあらかじめ設定しておいてもよい。
【0054】
●システムの動作を説明する。
図5は、システムの動作の一例を説明するための図である。
図5に示すシステム100は、複数の利用者(閲覧者)に向けたストリーミング配信を行うシステムである。また、情報供給装置31は、例えば、映像提供サーバである。
【0055】
例えば、第一のエリア20(PIM-SM)に設けられた端末装置21aから配信要求(第一のパケット)を情報供給装置31へ送信する。配信要求では、マルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」を送信する。IGMPv2では、利用者は情報供給装置31のマルチキャストIPアドレスを知っていれば、配信要求が行うことができる。
【0056】
次に、配信要求は、
図5の(1)に示すように、第一のエリア20のルータ22a、22b、ルータ網23、ルータ22cを介して送信される。しかし、PIM-SSMは、利用者がIGMPv3のINCLUDEモードを使用する前提で設計されているので、第一のエリア20から第二のエリア30に設けられた情報供給装置31に直接、配信要求を送信できない。
【0057】
理由は、IGMPv3のINCLUDEモードでは、利用者が、情報供給装置31のユニキャストIPアドレスを情報として知っている前提で設計されているからである。そこでPIM-SMのIGMPv2に不足している、PIM-SSMのIGMPv3で必要な、情報供給装置31のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する、代理配信要求(第二のパケット)を生成する。
【0058】
具体的には、情報処理装置10は、
図5の(2)に示すように、RPのルータ22cから配信要求(第一のパケット)を収集する。次に、情報処理装置10は、第二のパケットを生成する。具体的には、配信要求(第一のパケット)にマルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」を用いて、ユニキャストIPアドレス選択情報を参照し、情報供給装置31のユニキャストIPアドレス「192.168.1.1」を取得する。そして、ユニキャストIPアドレス「192.168.1.1」と、第一のマルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」とを有する第二のパケットとを生成する。
【0059】
次に、代理配信要求(第二のパケット)は、
図5の(3)(4)に示すように、第二のエリア30に設置されたルータ32dを介してルータ22cに送信する。するとルータ22cは、代理配信要求を受信すると、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの送信先の設定を変更する。具体的には、ユニキャストIPアドレスとマルチキャストIPアドレスで構成された(S,G)エントリを新たに生成する。
【0060】
ルータ22cは、ユニキャストIPアドレス「192.168.1.1」とマルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」で構成された(S,G)エントリに基づき、「192.168.1.1」が存在する方向にあるルータ32cへ、映像配信要求を転送する。
【0061】
ルータ32cに到達した映像配信要求は「192.168.1.1」が存在する方向に位置する32b、32aにも転送されていく。このようにすることで、端末装置21aからの配信要求が情報供給装置31からのマルチキャスト通信を受け付けているルータ32aに届くようになる。
【0062】
ルータ32aは、映像配信要求が転送されてきたルータ32bに向けて、マルチキャスト通信を転送する。ルータ32b、32c、22c、22b、22aも同様にマルチキャスト通信を転送する。利用者から映像要求を直接受けとったルータ22aは、端末装置21aへ向けてマルチキャスト通信を転送し、利用者のもとに情報供給装置31からのマルチキャストパケットが届くようになる。
【0063】
●システムの情報供給停止時の動作を説明する。
図6は、システムの情報提供停止時の動作の一例を説明するための図である。
図6には、複数の利用者(閲覧者)に向けたストリーミング配信を行うシステムにおいて、例えば、映像提供サーバ(情報供給装置31)の保守などにより配信停止をする場合、配信停止中である旨を複数の利用者に伝える必要がある。
【0064】
配信を停止する場合、まず、作業者が、情報処理装置10に情報提供停止情報を入力する。ただし、情報提供停止情報は、配信停止をする情報供給装置31から取得してもよい。あるいは、あらかじめ情報処理装置10に設けられた記憶部に記憶しておいてもよい。なお、情報提供停止情報には、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスを含んでいる。
【0065】
次に、情報処理装置10は、情報提供停止情報を取得した場合、情報供給装置34(停止通知)のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する停止通知要求(第三のパケット)を生成する。
【0066】
具体的には、
図6に示すように、情報供給装置34のユニキャストIPアドレス「192.168.1.2」と、第一のマルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」とを有する第三のパケットを生成する。
【0067】
次に、情報処理装置10は、
図6の(6)(7)に示すように、生成した第三のパケットを、ルータ32dを介してルータ22cに送信する。
【0068】
ルータ22cは、配信停止通知要求を受信すると、ルータ22cのマルチキャストルーティングテーブルの送信先の設定を変更する。具体的には、ユニキャストIPアドレス「192.168.1.2」とマルチキャストIPアドレス「224.10.10.10」で構成された(S,G)エントリを新たに生成する。
【0069】
また、情報処理装置10は、ルータ22cに設定されている情報供給装置31のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、配信が停止したことを通知するための情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定する。なお、情報供給装置34のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報はあらかじめ設定しておいてもよい。
【0070】
このようにすることで、情報供給装置31からの配信が停止し、情報供給装置34から端末装置21a、21b、21cに配信停止通知を配信することができる。配信停止通知は、例えば、「配信停止中。15時ごろ再開予定です」などの映像である。
【0071】
[実施形態の効果]
以上のように実施形態によれば、第一の情報供給装置からの配信を停止する場合に、情報提供が停止したことを通知するための第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスと、第一のマルチキャストIPアドレスとを有する第三のパケットを生成し、生成した第三のパケットを、第二のルータを介して第一のルータに入力し、第一のルータのマルチキャストルーティングテーブルの設定を変更し、第一のルータに設定されている第一の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を消去し、第二の情報供給装置のユニキャストIPアドレスのユニキャストルーティング情報を設定することで、端末装置側の状態変更を必要とせずに、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることができる。
【0072】
[プログラム]
実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図3に示すステップA1からA4を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施形態における情報処理装置と情報処理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、収集部11、生成部12、設定変更部13、情報供給停止設定部14として機能し、処理を行なう。
【0073】
また、実施形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、収集部11、生成部12、設定変更部13、情報供給停止設定部14のいずれかとして機能してもよい。
【0074】
[物理構成]
ここで、実施形態におけるプログラムを実行することによって、情報処理装置を実現するコンピュータについて
図7を用いて説明する。
図7は、実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータの一例を説明するための図である。
【0075】
図7に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU、又はFPGAを備えていてもよい。
【0076】
CPU111は、記憶装置113に格納された、コード群で構成された実施の形態におけるプログラムをメインメモリ112に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。
【0077】
また、実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0078】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0079】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0080】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0081】
なお、実施形態における情報処理装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェア、例えば、電子回路を用いることによっても実現可能である。さらに、情報処理装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。実施形態において、コンピュータは、
図5に示すコンピュータに限定されることはない。
【0082】
以上、実施形態を参照して発明を説明したが、発明は上述した実施形態に限定されるものではない。発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
上述した記載によれば、異なる通信方式のマルチキャストシステムを接続したシステムにおいて、複数の利用者に配信停止中である旨を伝えることができる。また、異なる通信方式のマルチキャストシステム間の通信が必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0084】
10 情報処理装置
11 収集部
12 生成部
13 設定変更部
14 情報供給停止設定部
20 第一のエリア
21、21a、21b、21c 端末装置
22、22a、22b、22c ルータ
23 ルータ網
30 第二のエリア
31 情報供給装置
32、32a、32b、32c、32d、32e、32f ルータ
33 ルータ網
34 情報供給装置
100 システム
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス