(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014846
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】心臓カテーテルのエンドエフェクタのためのループ構成
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118904
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】17/871,362
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】カエラ・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・イー・バン・ニーキルク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK39
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】電気生理学用のカテーテルを提供すること。
【解決手段】電気生理学用のカテーテルは、長手方向軸に沿って遠位端まで延びるシャフトと、シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタとを含む。エンドエフェクタは、長手方向軸の第1の側に配置された第1のループ部材と、長手方向軸の第2の側に配置された第2のループ部材と、第3のループ部材とを含む。第3のループ部材は、長手方向軸の第1の側に配置された第1のスパインを含む。第1のスパインは、第1の複数の電極を含む。第1のスパインは、長手方向軸に対して第1のループ部材の半径方向外側に位置付けられる。第3のループ部材は、長手方向軸の第2の側に配置された第2のスパインを更に含む。第2のスパインは、第2の複数の電極を含み、長手方向軸に対して第2のループ部材の半径方向外側に位置付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、
(a)長手方向軸に沿って遠位端まで延びるシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に連結されたエンドエフェクタであって、
(i)前記長手方向軸の第1の側に配置された第1のループ部材と、
(ii)前記長手方向軸の第2の側に配置された第2のループ部材と、
(iii)第3のループ部材であって、
(A)前記長手方向軸の前記第1の側に配置された第1のスパインであって、前記第1のスパインは第1の複数の電極を含み、前記第1のスパインは前記長手方向軸に対して前記第1のループ部材の半径方向外側に位置付けられている、第1のスパインと、
(B)前記長手方向軸の前記第2の側に配置された第2のスパインであって、前記第2のスパインは第2の複数の電極を含み、前記第2のスパインは前記長手方向軸に対して前記第2のループ部材の半径方向外側に位置付けられている、第2のスパインと、を含む、第3のループ部材と、を含む、エンドエフェクタと、
を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記第3のループ部材は、前記長手方向軸に対して対称であり、前記第3のループは、前記第3のループを通って延在する第1の平面を画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材は各々非対称であり、前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材は、前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材を通って延在する第2の平面を画定し、前記第2の平面は、前記第1の平面から離間されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材は、前記長手方向軸に対して互いの鏡像である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第3のループ部材は、前記第1のスパインと前記第2のスパインとの間に延在する遠位アーチを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第3のループ部材は、前記第1のスパイン、前記第2のスパイン、及び前記遠位アーチの各々を少なくとも部分的に画定する細長い構造部材を含む、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記細長い構造部材はニチノールを含む、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記細長い構造部材は、前記第1のスパインを少なくとも部分的に画定する第1の線形セグメントと、前記第2のスパインを少なくとも部分的に画定する第2の線形セグメントとを含み、前記第1の線形セグメント及び前記第2の線形セグメントは、単一部品として互いに一体的に形成されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記細長い構造部材は、前記遠位アーチを少なくとも部分的に画定する第1の線形セグメント及び第2の線形セグメントを含み、前記第1の線形セグメント及び前記第2の線形セグメントは、互いに対して鈍角に配向されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記鈍角は、約120度である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記細長い構造部材は、前記遠位アーチを少なくとも部分的に画定する湾曲セグメントを含む、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記湾曲セグメントは、約5mmの曲率半径を有する、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記細長い構造部材は、前記遠位アーチを少なくとも部分的に画定する少なくとも1つのセグメントを含み、前記少なくとも1つのセグメントは変化する幅を有する、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記エンドエフェクタは、拡張状態と折り畳み状態との間で移行するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記エンドエフェクタは、前記拡張状態をとるように弾性的に付勢されている、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記第1のループ部材は、
(A)前記長手方向軸の前記第1の側に配置された第3のスパインであって、前記第3のスパインは第1の複数の電極を含む、第3のスパインと、
(B)前記長手方向軸の前記第1の側に配置された第4のスパインであって、前記第4のスパインは第2の複数の電極を含む、第4のスパインと、を含み、
前記第2のループ部材は、
(A)前記第1の側の反対側の前記長手方向軸の前記第2の側に配置された第5のスパインであって、前記第5のスパインは第3の複数の電極を含む、第5のスパインと、
(B)前記長手方向軸の前記第2の側に配置された第6のスパインであって、前記第6のスパインは第4の複数の電極を含む、第6のスパインと、を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第3のスパインは、前記長手方向軸に対して前記第4のスパインの半径方向内側に位置付けられ、前記第5のスパインは、前記長手方向軸に対して前記第6のスパインの半径方向内側に位置付けられている、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記第1のスパイン、前記第2のスパイン、前記第3のスパイン、前記第4のスパイン、前記第5のスパイン、及び前記第6のスパインの各々は、互いに実質的に平行である、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項19】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、
(a)長手方向軸に沿って遠位端まで延びるシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に連結されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、拡張状態と折り畳み状態との間で移行するように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記拡張状態をとるように弾性的に付勢されており、前記エンドエフェクタは、
(i)各々がそれぞれの複数の電極を含む一対の内側ループ部材と、
(ii)それぞれの複数の電極を含む外側ループ部材であって、前記外側ループ部材は前記長手方向軸に対して前記内側ループ部材の各々の半径方向外側に配置されている、外側ループ部材と、を含む、エンドエフェクタと、
を備える、カテーテル。
【請求項20】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、
(a)第1の平面上において長手方向軸に沿って延在する主ループと、
(b)前記第1の平面に概ね平行な第2の平面上において前記長手方向軸の一方の側で前記長手方向軸に沿って延在する第2のループであって、前記第2のループは、前記主ループの遠位部分に近接して前記主ループに連結されている、第2のループと、
(c)前記第2の平面上において前記長手方向軸の別の側で前記長手方向軸に沿って延在する第3のループであって、前記第3のループは、前記主ループの遠位部分に近接して前記主ループに連結されている、第3のループと、
を備える、カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心組織の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、これにより、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを引き起こす。望ましくない信号の重要な発信源は、例えば、心房の片方又は心室の片方などの組織領域内に位置している。発信源に関わらず、望ましくない信号は、心臓組織を通って他の場所に伝わり、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させる場合がある。
【0002】
不整脈を治療するための手順には、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に妨害すること、及びそのような信号の伝導路を妨害することが含まれる。更に最近では、心内膜の電気特性と心容積をマッピングし、エネルギーの印加により心組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を中断又は修正することが可能であることが判明している。アブレーション過程では、非伝導病巣の形成によって望ましからざる電路を壊す。
【0003】
マッピングの後にアブレーションを行うこの2工程の処置において、通常、1つ以上の電気センサを備えるカテーテルを心臓の中に前進させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気活動を検知し、測定している。次いで、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的エリアが選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より大きいマッピング解像度のために、例えば、1平方センチメートルなどの小さい面積内で電気活動を検知する多数の電極を使用することによって、マッピングカテーテルが非常に高密度の信号マップを提供することが所望される。心房又は心室(例えば、心室の心尖部)内でのマッピングについては、カテーテルがより短い時間内により多くのデータ信号を収集することが望ましい。また、このようなカテーテルは、様々な組織表面、例えば、平らな、湾曲した、凹凸のある、又は非平面の表面組織に適合可能であり、かつ患者の脈管系を通って非侵襲的に前進及び後退するために折り畳み可能であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載される様々な実施形態は、電気生理学的用途のためのカテーテルにより、心房又は心室を含む心臓内の組織表面の高密度マッピング及び/又はアブレーションを可能にする。カテーテルは、第1の平面上において長手方向軸に沿って延在する主ループを含む。カテーテルはまた、第1の平面に概ね平行な第2の平面上において長手方向軸の一方の側で長手方向軸に沿って延在する第2のループであって、第2のループは、主ループの遠位部分に近接して主ループに連結されている、第2のループを含む。カテーテルはまた、第2の平面上において長手方向軸の別の側で長手方向軸に沿って延在する第3のループであって、第3のループは、主ループの遠位部分に近接して主ループに連結されている、第3のループを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書は、本明細書に記載の主題を特に指摘し、かつ明確にその権利を主張する特許請求の範囲で終了するが、その主題は、添付の図面と併せてとられた特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられ、図面において、同様の参照番号は同じ要素を特定する。
【
図1】カテーテルの遠位部分におけるエンドエフェクタから近位ハンドルまでのカテーテルの一例の概略図を示し、エンドエフェクタは、一対の内側ループ部材と、互いに一体的に形成された一対の最も外側スパインを有する外側ループ部材とを含む。
【
図2】
図1のエンドエフェクタの分解斜視図を示し、ループ部材の電極及びカバーは、ループ部材の細長い構造部材を示すために省略されている。
【
図4】
図1のエンドエフェクタの外側ループ部材の部分正面図を示す。
【
図5A】一対の内側ループ部材と、互いに一体的に形成された一対の最も外側スパインを有する外側ループ部材とを含む、
図1のカテーテルと共に使用するためのエンドエフェクタの別の例の正面平面図を示す。
【
図5B】
図5Aのループ部材の配置による第1から第3の平面(P1、P2、P3)を示すループの側面図を示し、この配置は
図1にも適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0008】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値範囲に対する「約」又は「略」という用語は、構成要素の一部又は構成要素集合を、本明細書に記載のその意図された目的に沿って機能させるのに適した寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「略」は、挙げた値の±10%の値の範囲を指す場合があり、例えば「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指す場合がある。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験者」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。「近位」及び「遠位」という用語は、ハンドルを操作するユーザに対して最も近位に指定されるハンドルに対する様々な構成要素の位置を参照するために使用される。
【0010】
I.カテーテルエンドエフェクタのための代替ループ構成の例
いくつかの手順では、エンドエフェクタが管状シース内に収容されるとエンドエフェクタの複数(例えば、3つ)の電極ループ部材(ループとも称される)が弾性的に圧縮されて折り畳み状態になり、エンドエフェクタが管状シースから展開されるとループが折り畳み状態から拡張状態に弾性的に拡張するように、エンドエフェクタを管状シース内に選択的に収容し、エンドエフェクタを管状シースから選択的に展開することが望ましいことがある。追加的又は代替的に、挿入ツール(図示せず)を使用してエンドエフェクタを管状シース内に誘導することが望ましいことがある。したがって、ループが、それらの弾性を維持し、ループの最も外側のスパイン及び/又はループの遠位セグメントが管状シースに対してエンドエフェクタの展開及び収容の繰り返しサイクル、及び/又は挿入ツールを介して管状シース内に方向付けられる繰り返しサイクルの間に様々な応力集中を受ける場合に生じ得る塑性変形への降伏を回避することを可能にする所定の方法で、ループにわたって応力を分散させるようにループを構成することが望ましい場合がある。
【0011】
これに関して、ループの各々は、展開及び収容のサイクルが繰り返されると、面内変形(平面変形とも呼ばれる)及び面外変形の2つの変形モードを経験し得る。平面変形のいくつかの場合は、2つの最も外側のスパインが集合的に砂時計形状を画定するように、2つの最も外側のスパインが互いに向かって内向きに曲がることを含んでもよく、これは、2つの最も外側のスパインが管状シースへの進入時にそれらの遠位湾曲の頂点又はその付近で実質的に高い応力集中を受けるときに起こり得る。頂点での応力集中によって引き起こされる当該頂点での変形は、内側に角度をなす側方直線部分をもたらし、前述の「砂時計」形状をもたらし得る。面外変形のいくつかの場合は、2つの最も外側のスパインが、互いに独立して移動し、変形し、回転して折り畳む方向にカールすることができる2つの別個のループの一部であることなどに起因して、2つの外側ループを中央ループの周りで互いに向かって内向きに折り畳むことを含み得る。そのような変形は、「パドル折り畳み」と称され得る。
【0012】
望ましくない応力集中を最小化又は排除する所定の方法でループにわたって応力を分散させることにより、前述の変形モードが発生するのを阻止することができ、その結果、ループは、折り畳み状態から、ループの電極が所定の距離だけ互いに離間され得る所望の拡張状態まで、一貫して確実に拡張することができる。拡張状態にあるときにそのような所定の距離からの意図しない逸脱を回避することにより、電極の一貫した信頼性のある機能が促進され得ることが理解されよう。
【0013】
図1~4は、そのような構成を有するエンドエフェクタ(310)を含むカテーテル(10)の例を示す。
図1に示すように、カテーテル(10)は、別の中間偏向セクション(13)内に配置された細長いカテーテル本体(12)と、遠位電極アセンブリ又はエンドエフェクタ(310)と、カテーテル本体(12)の近位端に取り付けられた偏向制御ハンドル(16)と、を含む。本実施例のエンドエフェクタ(310)は、第1及び第2の内側ループ部材(312a、312b)と、外側ループ部材(314)とを含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)(
図3)に沿って延びるベース部材又はシャフト(316)から遠位方向に延びる。インピーダンス位置感知技術による位置感知を可能にするために、1つ以上のインピーダンス感知電極(図示せず)をベース部材(316)に設けることができ、そのことは、1999年8月31日に発行された「Catheter Positioning System」と題する米国特許第5,944,022号、1999年11月9日に発行された「Catheter Location System and Method」と題する米国特許第5,983,126号、及び2002年9月3日に発行された「Dispersion Compensating Optical Fiber」と題する米国特許第6,445,864号に記載されている。前述の参考文献の各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。カテーテル本体(16)の詳細は、2020年11月5日に公開された、「Mapping Grid with High Density Electrode Array」と題する米国特許出願公開第2020/0345262号を検討することから理解することができ(同出願は、ハンドルの説明、特に本先行出願の
図2D、
図2E及び
図3を含み)、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。ループ部材(312a、312b、314)は、パドル、ループ、及び/又は電極ループアセンブリと呼ばれることもある。
【0014】
図示される例では、第1及び第2の内側ループ部材(312a、312b)は、互いに実質的に同一であり、長手方向軸(L-L)のいずれかの側に、第3又は中央ループ部材(314)の少なくとも部分的に半径方向内側に配置される。中央ループ部材(314又は425)は、スパインの中心を通って延在する第1の平面(P1)を画定するスパインを有し(
図5B)、第1及び第2のループ部材(312a、312b又は412a及び412b)の中心スパインは、第1の平面(P1)から離間された第2の平面(P2)(
図5B)を画定する。すなわち、各平面(P1又はP2)は、それぞれのループ部材の断面積を通って延在する。この構成では、中央ループ部材(425)又は内側ループ部材(412a、412b)は、長手方向軸(L-L)を通って延在する単一の第3の平面(P3)に隣接するループ部材(425、412a、412b)のそれぞれの外面を有し得ることが分かる。
図3に最もよく示されるように、第2の内側ループ部材(312b)は、第2の内側ループ部材(312b)が長手方向軸(L-L)に対して第1の内側ループ部材(312a)と比較して180度に配向されていることを除いて、第1の内側ループ部材(312a)と同一である。すなわち、内側ループ部材(312a、312b)は、互いの鏡像であると考えることができる。一方、外側ループ部材(314)は、内側ループ部材(312a、312b)とは異なる。より具体的には、内側ループ部材(312a、312b)の各々は、対応する最も内側のスパイン部材(320a、320b)及び対応する中間スパイン部材(322a、322b)を含み、外側ループ部材(314)は、最遠位アーチ(325)を介して違いに連結される一対の最も外側のスパイン部材(324a、324b)を含む。スパイン部材(320a、320b、322a、322b、324a、234b)は、スパインと呼ばれることもある。この点に関して、最も内側のスパイン(320a、320b)は、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(322a、322b)の半径方向内側に位置付けられ、最も外側のスパイン(324a、324b)は、少なくとも
図3の座標系内で、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(322a、322b)の半径方向外側に位置付けられる。第1の最も内側のスパイン部材(320a)は、第1の内側ループ(312a)の一部として第1の中間スパイン部材(322a)と一体であり、第2の最も内側のスパイン部材(320b)は、第2の内側ループ(312b)の一部として第2の中間スパイン部材(322b)と一体であることが理解されるであろう。同様に、第1の最も外側のスパイン部材(324a)は、外側ループ(314)の一部として第2の最も外側のスパイン部材(324b)と一体である。
【0015】
図1に最もよく示されるように、本バージョンの内側ループ部材(312a、312b)は各々、それぞれの遠位界面(326a、326b)において外側ループ部材(314)に結び付けられるか、又は別様に連結される。この点に関して、内側ループ部材(312a、312b)は各々、対応するカバー(328a、328b)を含む一方で、外側ループ部材(314)は、それぞれの遠位界面(326a、326b)においてカバー(328a、328b)に接触する対応するカバー(329)を含む。カバー(328a、328b、329)の各々は、電気絶縁性であってもよく、及び/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含んでもよい。この点に関して、本バージョンのカバー(328a、328b)は各々、各カバー(328a、328b、329)を形成するポリマー材料の加熱及びリフローを介して、それぞれの遠位界面(326a、326b)においてカバー(329)と接合される。いくつかの他の変形例では、内側ループ部材(312a、312b)は各々、縫合糸又は任意の他の好適な連結手段を介して、それぞれの遠位界面(326a、326b)において外側ループ部材(312)に結び付けられてもよい。あるいは、内側ループ部材(312a、312b)は、それぞれの遠位界面(326a、326b)において外側ループ部材(312)に連結されなくてもよい。
【0016】
ループ部材(312a、312b、314)は各々、それぞれのカバー(328a、328b、329)の外面上に配置された対応する複数の感知電極(330)も含む。電極(330)は、例えば、アブレーションの標的とされるべき組織領域を識別するために、電気生理学(EP)マッピングを提供するように構成されてもよい。例えば、このような感知電極(330)は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。単に一例として、電極(330)は、2020年11月5日に公開された「Mapping Grid with High Density Electrode Array」と題する米国特許出願公開第2020/0345262号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であってもよい。
【0017】
図2は、カバー(328a、328b、329)及び電極(330)が省略されて、それぞれのカバー(328a、328b、329)の下にあるループ部材(312a、312b、314)の構造部材(340a、340b、342)を示す、各ループ部材(312a、312b、314)を示す。この点に関して、各内側ループ部材(312a、312b)が、それぞれの内側ループ部材(312a、312b)の長さにわたってベース部材(316)まで及びベース部材から連続的に延びる、対応する細長い構造部材(340a、340b)を有する一方、外側ループ部材(314)は、外側ループ部材(314)の長さにわたってベース部材(316)まで及びベース部材から連続的に延びる細長い構造部材(342)を有する。構造部材(340a、340b、342)は、ループ構造部材、スパインフレーム、又はフレームと呼ばれることもある。構造部材(340a、340b、342)の各々は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はニチノールなどの生体適合性金属を含むことができる。本バージョンの構造部材(340a、340b、342)は、各々単一の一体材料から形成されているが、各内側ループ(312a、312b)の構造部材(340a、340b)の各セグメントは、代替的に、互いに固定された別個の構成要素であってもよい。各構造部材(340a、340b、342)の少なくとも1つの近位部分は、ベース部材(316)の遠位端部分内に延在し、そこに固定される。示される実施例では、内側ループ部材(312a、312b)の構造部材(340a、340b)は各々、非対称構成を有するが、外側ループ部材(314)の構造部材(342)は、(例えば、長手方向軸(L-L)に対して)対称構成を有する。
【0018】
引き続き
図2を参照すると、内側ループ(312a,312b)の構造部材(340a,340b)は各々、8つのそれぞれの線形セグメント(351a、351b、352a、352b、353a、353b、354a、354b、355a、355b、356a、356b、357a、357b、358a、358b)及び7つのそれぞれの湾曲セグメント(361a、361b、362a、362b、363a、363b、364a、364b、365a、365b、366a、366b、367a、367b)などのそれぞれの複数のセグメントを画定する単一構造フレームワークとして形成される。より具体的には、内側ループ(312a、312b)の構造部材(340a、340b)の各々は、それぞれ、略直線経路に沿ってベース部材(316)から遠位に延びるそれぞれの第1の線形セグメント(351a、351b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第1の湾曲セグメント(361a、361b)から略直線経路に沿って遠位かつ横方向外向きに延在するそれぞれの第2の線形セグメント(352a、352b)にそれぞれの第1の線形セグメント(351a、351b)を連結する、それぞれの第1の湾曲セグメント(361a、361b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第2の湾曲セグメント(362a、362b)から略直線経路に沿って遠位に延在するそれぞれの第3の線形セグメント(353a、353b)にそれぞれの第2の線形セグメント(352a、352b)を連結するそれぞれの第2の湾曲セグメント(362a、362b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第3の湾曲セグメント(363a、363b)から略直線経路に沿って遠位かつ横方向内側に延在するそれぞれの第4の線形セグメント(354a、354b)にそれぞれの第3の線形セグメント(353a、353b)を連結する、それぞれの第3の湾曲セグメント(363a、363b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの4つの線形セグメント(354a、354b)を、それぞれの第4の湾曲セグメント(364a、364b)から略直線経路に沿って近位にかつ横方向外向きに延在するそれぞれの第5の線形セグメント(355a、355b)に連結するそれぞれの第4の湾曲セグメント(364a、364b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第5の湾曲セグメント(365a、365b)から略直線経路に沿って近位に延在するそれぞれの第6の線形セグメント(356a、356b)にそれぞれの第5の線形セグメント(355a、355b)を連結するそれぞれの第5の湾曲セグメント(365a、365b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第6の湾曲セグメント(366a、366b)から略直線経路に沿って近位にかつ横方向内向きに延在するそれぞれの第7の線形セグメント(357a、357b)に、それぞれの第6の線形セグメント(356a、356b)を連結するそれぞれの第6の湾曲セグメント(366a、366b)と、略弓形経路に沿って延在し、それぞれの第7の湾曲セグメント(367a、367b)から略直線経路に沿ってベース部材(316)に近位に延在するそれぞれの第8の線形セグメント(358a、358b)に、それぞれの第7の線形セグメント(357a、357b)を連結するそれぞれの第7の湾曲セグメント(367a、367b)と、を含む。
【0019】
上述のように、内側ループ部材(312a、312b)の構造部材(340a、340b)は各々、非対称構成を有する。この点に関して、各内側ループ部材(312a、312b)の第2の線形セグメント(352a、352b)は、それぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第7の線形セグメント(357a、357b)の長さとは異なる長さを有してもよく、及び/又はそれぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第1の線形セグメント(351a、351b)に対して、対応する第7の線形セグメント(357a、357b)がそれぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第8の線形セグメント(358a、358b)に対しては異なる角度で配向されてもよい。加えて、又は代替的に、各内側ループ部材(312a、312b)の第3の線形セグメント(353a、353b)は、それぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第6の線形セグメント(356a、356b)の長さとは異なる長さを有してもよい。別の例として、各内側ループ部材(312a、312b)の第4の線形セグメント(354a、354b)は、それぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第5の線形セグメント(355a、355b)の長さとは異なる長さを有してもよく、及び/又はそれぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第3の線形セグメント(353a、353b)に対して、対応する第5の線形セグメント(355a、355b)がそれぞれの内側ループ部材(312a、312b)の対応する第6の線形セグメント(356a、356b)に対して角度をなす角度とは異なる角度で配向されてもよい。最も内側のスパイン部材(320a、320b)は各々、少なくとも部分的に、各々の構造部材(340a、340b)の対応する第3の線形セグメント(353a、353b)によって画定されてもよく、中間スパイン部材(322a、322b)は各々、少なくとも部分的に、各々の構造部材(340a、340b)の対応する第6の線形セグメント(356a、356b)によって画定されてもよいことが理解されよう。
【0020】
引き続き
図2を参照すると、外側ループ(314)の構造部材(342)はまた、8つの線形セグメント(371、372、373、374、375、376、377、378)及び7つの湾曲セグメント(381、382、383、384、385、386、387)などの複数のセグメントを画定する単一構造フレームワークとして形成される。より具体的には、外側ループ(314)の構造部材(342)は、略直線経路に沿ってベース部材(316)から遠位に延在する第1の線形セグメント(371)と、略弓形経路に沿って延在し、第1の線形セグメント(381)を、第1の湾曲セグメント(381)から略直線経路に沿って遠位かつ横方向外向きに延在する第2の線形セグメント(372)に連結する、第1の湾曲セグメント(371)と、略弓形経路に沿って延在し、第2の線形セグメント(372)を、第2の湾曲セグメント(382)から略直線経路に沿って遠位に延在する第3の線形セグメント(373)に連結する、第2の湾曲セグメント(382)と略弓形経路に沿って延在し、略直線経路に沿って第3の湾曲セグメント(383)から遠位かつ横方向内向きに延在する第4の線形セグメント(374)に第3の線形セグメント(373)を連結する第3の湾曲セグメント(383)と、略弓形経路に沿って延在し、4つの線形セグメント(374)を、略直線経路に沿って第4の湾曲セグメント(384)から近位かつ横方向外向きに延在する第5の線形セグメント(375)に連結する、第4の湾曲セグメント(384)と、略弓形経路に沿って延在し、第5の線形セグメント(385)を、第5の湾曲セグメント(385)から略直線経路に沿って近位に延在する第6の線形セグメント(376)に連結する、第5の湾曲セグメント(375)と、略弓形経路に沿って延在し、第6の湾曲セグメント(386)から略直線経路に沿って近位かつ横方向内向きに延在する第7の線形セグメント(377)に第6の線形セグメント(386)を連結する、第6の湾曲セグメント(376)と、略弓形経路に沿って延在し、第7の湾曲セグメント(387)から略直線経路に沿ってベース部材(316)まで近位に延在する第8の線形セグメント(378)に第7の線形セグメント(377)を連結する、第7の湾曲セグメント(387)と、を含む。
【0021】
上述したように、外側ループ部材(314)の構造部材(342)は、(例えば、長手方向軸L-Lに対して)対称構成を有する。この点に関して、第2の線形セグメント(372)は、第7の線形セグメント(377)の長さと同じ長さを有してもよく、かつ/又は第7の線形セグメント(377)が第8の線形セグメント(378)に対して傾斜している角度と同じ角度で、第1の線形セグメント(371)に対して配向されてもよい。加えて、又は代替的に、第3の線形セグメント(373)は、第6の線形セグメント(376)の長さと同じ長さを有し得る。別の例として、以下でより詳細に説明するように、第4の線形セグメント(374)は、第5の線形セグメント(375)の長さと同じ長さを有してもよく、かつ/又は第5の線形セグメント(375)が第6の線形セグメント(376)に対して角度をなす角度と同じ角度で、第3の線形セグメント(373)に対して配向されてもよい。最も外側のスパイン部材(324a、324b)は、構造部材(342)の第3及び第6の線形セグメント(373、376)によってそれぞれ少なくとも部分的に画定されてもよく、最遠位アーチ(325)は、構造部材(342)の第4の湾曲セグメント(384)並びに第4及び第5の線形セグメント(374、375)によって少なくとも部分的に画定されてもよいことが理解されよう。
【0022】
図4に示されるように、第4の線形セグメント(374)は、第3の線形セグメント(373)に対して第1の角度(α1)で配向され、その結果、最遠位アーチ(325)は、同様に、第1の最も外側のスパイン部材(324a)に対して第1の角度(α1)で配向され得る。第1角度(α1)は鈍角であってもよい。いくつかのバージョンでは、第1の角度(α1)は約120度であってもよい。図示されていないが、第5の線形セグメント(375)はまた、第6の線形セグメント(376)に対して第1の角度(α1)で配向されてもよく、その結果、最遠位アーチ(325)は、同様に、第2の最も外側のスパイン部材(324b)に対して第1の角度(α1)で配向されてもよい。示される実施例では、第5の線形セグメント(375)は、第4の湾曲セグメント(374)が第2の角度(α2)の範囲を定めるように、第4の線形セグメント(384)に対して第2の角度(α2)で配向される。第2の角度(α2)は鈍角であってもよい。いくつかのバージョンでは、第2の角度(α2)は約120度であってもよい。加えて、又は代替的に、第1及び第2の角度(α1、α2)は、互いに同じであってもよい。例えば、第1及び第2の角度(α1、α2)は、各々約120度であってもよい。示されるように、第4の湾曲セグメント(384)は曲率半径(RC)を有する。いくつかの変形例では、曲率半径(RC)は、実質的に増加した弧長を有する最遠位アーチ(325)を提供するように選択されてもよい。例えば、第4の湾曲セグメント(384)の曲率半径(RC)は、約5mmであってもよい。
【0023】
最も外側のスパイン部材(324a、324b)が同様に互いに一体的に形成されるように、第3の線形セグメント(373)及び第6の線形セグメント(376)を外側ループ部材(314)の構造部材(342)の単一(例えば、モノリシック)部分として互いに一体的に形成することによって、及び/又は最遠位アーチ(325)が同様に増大した弧長を有するように、増大した弧長を有する第4の湾曲セグメント(384)を提供することによって、外側ループ部材(314)は、管状シース(13)への進入時に外側ループ部材(314)が拡張状態から折り畳み状態に移行する間などに、最も外側のスパイン部材(324a、324b)及び最遠位アーチ(325)を含む実質的に広い領域にわたって実質的に均一に応力を分散させるように構成され得る。このようにして、外側ループ部材(314)は、最も外側のスパイン部材(324a、324b)のそれぞれの中間部分又はその付近などの局所的な領域において高度に集中した応力を受けることを回避することができ、それによって塑性変形するリスクを低減又は排除することができる。例えば、最も外側のスパイン部材(324a、324b)は、そうでなければ互いに独立して変形し得る別個の本体としてではなく、単一の本体として圧潰及び変形させられてもよい。
【0024】
図示されていないが、最遠位アーチ(325)は、管状シース(13)への進入時に外側ループ部材(314)が拡張状態から折り畳み状態に移行する間に、第4及び第5の線形セグメント(374、375)及び/又は第4の湾曲セグメント(384)の折り畳みを所望の様式で更に促進するために、変化する幅を有してもよい。例えば、第4及び第5の線形セグメント(374、375)は各々、第1の幅を有してもよく、第4の湾曲セグメント(384)は、第1の幅よりも小さい第2の幅を有してもよい。いくつかのバージョンでは、そのような第1の幅と第2の幅との間の滑らかな移行は、テーパを介して提供され得る。
【0025】
加えて、又は代替的に、外側ループ部材(314)の構造部材(342)の断面は、外側ループ部材(314)の拡張状態から折り畳み状態への移行中に面内変形と面外変形との間の最適化されたバランスを提供するように構成されてもよい。例えば、構造部材(342)の断面は長方形であってもよく、バランスのとれた折り畳みを達成するために約1:1の幅対厚さの比を有してもよい。いくつかの他の変形例では、構造部材(342)の断面は、長方形であってもよく、約2:1の幅対厚さ比を有してもよく、構造部材(342)は、バランスのとれた予測可能な折り畳みを達成するために、約45度の角度でそれ自体の中心軸の周りにねじられる。
【0026】
図5Aは、エンドエフェクタ(310)の代わりにカテーテルアセンブリ(10)に組み込まれ得る別の例示的なエンドエフェクタ(410)を示す。エンドエフェクタ(410)は、下記に述べる点を除き前述のエンドエフェクタ(310)と同様であってもよい。この点に関して、本実施例のエンドエフェクタ(410)は、第1及び第2の外側ループ部材(412a、412b)と、内側ループ部材(414)とを含み、これらは各々、ベース部材(316)と同様のベース部材(図示せず)から遠位に延び、長手方向軸(L-L)に沿って延びることができる。内側ループ部材(412a、412b)は各々、対応する最も内側スパイン部材(420a、420b)及び対応する中間スパイン部材(422a、422b)を含み、外側ループ部材(414)は、最遠位アーチ(425)を介して互いに連結された一対の最も外側スパイン部材(424a、424b)を含む。
【0027】
示されるように、内側ループ部材(412a、412b)は各々、対応するカバー(428a、428b)を含む一方で、外側ループ部材(414)は、対応するカバー(429)を含む。ループ部材(412a、412b、414)は各々、それぞれのカバー(428a、428b、429)の外面上に配置された対応する複数の感知電極(430)も含む。
【0028】
各外側ループ部材(412a、412b)が、それぞれの外側ループ部材(412a、412b)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延びる、対応する細長い構造部材(440a、440b)を有する一方、内側ループ部材(414)は、内側ループ部材(414)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延びる細長い構造部材(442)を有する。内側ループ(412a、412b)の構造部材(440a、440b)は各々、
図2に関連して上述したものと同様の様式で構成され、動作可能であってもよく、外側ループ(414)の構造部材(442)は、
図2及び4に関連して上述したものと同様の様式で構成され、動作可能であってもよい。示される実施例では、構造部材(440a、440b、442)は各々、構造部材(440a、440b、442)が互いに係止されること、及び/又はベース部材の中にオーバーモールドされることを可能にするように、それらのそれぞれの近位線形セグメントに沿ってセレーション(490)を含む。
【0029】
II.本発明の範囲内にある組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例0030】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、(a)長手方向軸に沿って遠位端まで延びるシャフトと、(b)シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタであって、(i)長手方向軸の第1の側に配置された第1のループ部材と、(ii)長手方向軸の第2の側に配置された第2のループ部材と、(iii)第3のループ部材であって、(A)長手方向軸の第1の側に配置された第1のスパインであって、第1のスパインは第1の複数の電極を含み、第1のスパインは長手方向軸に対して第1のループ部材の半径方向外側に位置付けられている、第1のスパインと、(B)長手方向軸の第2の側に配置された第2のスパインであって、第2のスパインは第2の複数の電極を含み、第2のスパインは長手方向軸に対して第2のループ部材の半径方向外側に位置付けられている、第2のスパインと、を含む、第3のループ部材と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、カテーテル。