(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151964
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】製氷装置
(51)【国際特許分類】
F25C 1/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
F25C1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065817
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 規朗
(72)【発明者】
【氏名】北爪 直人
(57)【要約】
【課題】製氷機構のより効率的な洗浄を可能とする製氷装置を提供する。
【解決手段】貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、オゾン水を生成するオゾン水生成部と、前記貯水タンク内に貯留する液体を前記オゾン水生成部に供給可能とする供給機構と、を備える製氷装置。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、オゾン水を生成するオゾン水生成部と、前記貯水タンク内に貯留する液体を前記オゾン水生成部に供給可能とする供給機構と、を備える製氷装置。
【請求項2】
前記液体は、前記水、前記オゾン水あるいは前記水と前記オゾン水との混合オゾン水のいずれかである、請求項1に記載の製氷装置。
【請求項3】
前記オゾン水生成部と、フィルターとを有するオゾン水生成装置を備え、
前記オゾン水生成装置は、前記貯水タンク、前記フィルター、前記オゾン水生成部に前記オゾン水を循環させる、請求項1または2に記載の製氷装置。
【請求項4】
前記フィルターは、活性炭である、請求項3に記載の製氷装置。
【請求項5】
貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、を備える製氷装置における洗浄方法であって、
供給機構を用いて前記貯水タンク内に貯留する液体をオゾン水生成部に供給させ、前記オゾン水生成部にオゾン水を生成させる洗浄方法。
【請求項6】
前記液体の前記オゾン水生成部への供給を、前記製氷機構による氷の非生成時に実行させる、請求項5に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、製氷機構と、製氷機構で生成した氷を貯蔵する貯氷室と、塩素等を含む液体により上記貯氷室内を殺菌雰囲気に保持する殺菌手段と、を備える、オープンセル型の製氷装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加をできるだけ低減させ、限られた配置スペースを有効に活用して、製氷機構のより効率的な洗浄を可能とする製氷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における製氷装置は、貯水タンクと、貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、前記製氷機構の洗浄時に動作して製氷機構を洗浄するオゾン水を生成するオゾン生成部と、前記貯水タンクと前記オゾン生成部の間でオゾン水を循環させるオゾン水循環機構と、貯氷タンク内に貯留する液体を前記オゾン生成部に供給可能とする供給機構と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における製氷装置によれば、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加が低減され、限られた配置スペースが有効に活用されて、製氷機構のより効率的な洗浄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】実施の形態1に係るオゾン水生成装置の斜視図
【
図8】製氷装置の制御系に関わる要部を示すブロック図
【
図10】排水工程、散水器洗浄工程、及び水皿洗浄工程を示す断面模式図
【
図12】第1水タンク洗浄工程及び放置工程を示す断面模式図
【
図18】水皿洗浄工程における水皿の拡大側面断面図
【
図23】実施の形態2に係るオゾン水生成装置の拡大側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、製氷装置において、製氷機構と、製氷機構で生成した氷を貯蔵する貯氷室と、塩素等を含む液体により上記貯氷室内を殺菌雰囲気に保持する殺菌手段と、を備える技術があった。このような製氷装置では、製氷機構や、氷を生成するために製氷機構に水(一般的には水道水)を供給する水回路(散水器を含む)に菌等が浸入し繁殖する恐れがある。現状、製氷運転時は製氷をする毎に水が供給されて製氷機構に循環される。さらに、満氷による製氷運転休止時は定期的な水の入替えを行い、また、電源停止による機器停止後の電源作動時は初回洗浄工程で水の入替えを行って製氷機構や水回路の衛生性が容易に損なわれないようにするのが一般的である。これにより、一定の衛生性は確保されている。
しかしながら、ドレンパンや水皿などの、従来の水循環では水が循環しない箇所については、製氷装置の稼働を定期的に停止させて、製氷機構や水回路の洗浄を人手により行う必要があり、その頻度をできるだけ低減させたいという要望があった。この要望に応えるべく、製氷機構のより効率的な洗浄を実現するために、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、なおかつその高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加をできるだけ低減させ、限られた配置スペースを有効に活用する必要がある。
本開示は、オゾン水の高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加をできるだけ低減させ、限られた配置スペースを有効に活用して、製氷機構のより効率的な洗浄を可能とする製氷装置を提供する。
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図しない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図21を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.製氷ユニットの構成]
図1に示すように、製氷装置洗浄システム1000は、製氷装置1と、製氷装置1が備える制御装置200とを備える。
【0011】
製氷装置1は、上方から製氷ユニット10、氷貯氷庫12を順に備える。なお、製氷ユニット10は、側面及び前面を覆うパネルを省略して示してある。製氷ユニット10、及び氷貯氷庫12は、いずれも断熱構造を有しており、箱状に形成される。製氷装置1は、これらの製氷ユニット10と、氷貯氷庫12とが組み合わされて、全体として箱状に形成される。
製氷ユニット10は、所定の寸法、及び形状に成形された氷を製氷するものであり、この製氷ユニット10は、冷凍システムを有する。
製氷装置1は、製氷ユニット10で生成された氷を氷貯氷庫12に貯留する。
【0012】
氷貯氷庫12は、上述の通り、内部に氷を貯留する空間が設けられた氷貯留部として機能する箱状体であり、上面が開放されて製氷ユニット10の下面に連通する。
【0013】
氷貯氷庫12の前面には、上下方向に並んで複数の開口2、3が設けられる。
氷貯氷庫12の前面において、上方側に開口した開口2には、一対のスライド扉2aによって閉塞される。これらのスライド扉2aは、氷貯氷庫12の幅方向にスライドさせることで開閉可能な引き戸である。ユーザは、これらのスライド扉2aをスライドさせて開放することで、氷貯氷庫12の内部に貯留された氷を取り出すことが可能である。
また、これらのスライド扉2aは、ガラスや透明樹脂などの透明な部材により形成される。ユーザは、これらのスライド扉2aを介して、氷貯氷庫12の内部を視認可能である。
【0014】
氷貯氷庫12の前面において、下方側に開口した開口3には、断熱扉3aが設けられる。ユーザは、この断熱扉3aを開放することで、氷貯氷庫12から貯留された氷を取り出すことが可能である。
【0015】
製氷ユニット10は、上述の通り、所定の寸法、及び形状に成形された氷を製氷するものである。この製氷ユニット10が有する冷凍システムは、冷媒を圧縮する圧縮機、凝縮器、膨張機構、及び後述の
図3に示す冷却器18(蒸発器)を配管で環状に接続して構成された冷凍サイクルであり、当該冷却システムには、冷媒が封入される。
該冷凍システムが有する構成の一部は、中仕切り板17によって仕切られている。
【0016】
図2は、製氷機構11の正面図である。なお、
図2では、製氷ユニット10の前面を形成するパネル部材を省略して示す。
図3は、製氷機構11の拡大斜視図である。
製氷室19は、製氷ユニット10の内部に設けられ、上述の通り、下面が開放され、同様に上面が開放された氷貯氷庫12に連通する。
この製氷室19には、製氷機構11が収められる。製氷機構11は、冷却器18と、製氷セル21と、水皿22と、第1水タンク23と、循環ポンプ24と、ドレンパン25と、散水器26と、開閉機構50とを備える。
【0017】
冷却器18は、製氷装置1の蛇行する冷却管によって形成される。この冷却器18の冷却管には、圧縮機から吐出された冷媒が流される。
この冷却室19には、製氷機構11が収められる。製氷機構11は、冷却器18と、製氷セル21と、水皿22と、第1水タンク23と、循環ポンプ24と、ドレンパン25と、散水器26と、開閉機構50とを備える。製氷機構11は、氷を生成する。
【0018】
当該冷却器18の下方には、複数の製氷セル21が設けられる。各製氷セル21は、いずれも下方に向かって開口した箱状に形成される。製氷ユニット10では、各製氷セル21に噴射された水が冷却器18によって冷却されることで氷が形成される。すなわち、各製氷セル21は、製氷装置1の製氷室として機能する。また、これらの製氷セル21と上述した冷却器とが製氷装置1の製氷部として機能する。
【0019】
各製氷セル21の下端には、当該製氷セル21の下面全体を下方から覆う水皿22が設けられる。この水皿22の下端には、第1水タンク23が固定され、さらに第1水タンク23の下端には、第1水タンク23の内部に給水された製氷用水を水皿22の表面に形成された噴水口から各製氷セル21に噴射する循環ポンプ24が設けられる。
【0020】
水皿22は、製氷ユニット10の幅方向における一方の端部を回動可能に支持されており、水皿22と、当該水皿22に固定された第1水タンク23と循環ポンプ24とは、水皿22の一端を軸に、一体となって上下方向に回動可能に設けられる。以下、水皿22が各製氷セル21を覆う位置にあるときを閉状態といい、水皿22が回動して各製氷セル21から離間した位置にあるときを開状態という。
【0021】
散水器26は、水皿22の幅方向における一方の端部の上方に設けられる。散水器26は、一端が電磁弁27と接続されている。電磁弁27は、水道管28と接続されている。水道管28から供給される水は、電磁弁27を通り、散水器26に至る。散水器26は、水皿22の上に散水し、第1水タンク23に水を供給する。散水器26は、管状に形成されている。
【0022】
第1水タンク23は、後述の第1水位センサ213を内部に備える。循環ポンプ24は、循環ポンプ用第1配管24Aによって、第1水タンク23と接続される。さらに、循環ポンプ24は、循環ポンプ用第2配管24Bによって、水皿22と接続される。循環ポンプ24は駆動すると、循環ポンプ用第1配管24Aを介して第1水タンク23から水を揚水させ、循環ポンプ用第2配管24Bの上部から水皿22に水を供給する。循環ポンプ24により水皿22に供給された水は、その後第1水タンク23に流れ込む。すなわち、循環ポンプ24は第1水タンク23と水皿22とに水を循環させることができる。
第1水タンク23、及び循環ポンプ24の下方には、ドレンパン25が設けられる。ドレンパン25は、製氷機構11のうち、水皿22及び第1水タンク23からの排水を受ける。
【0023】
開閉機構50は、減速機51と、支持アーム52と、ばね部材53とを備える。
減速機51は、正逆回転可能なモータであり、当該減速機51は、開閉機構50の動力源として機能する。開閉機構50は、後述の水皿開閉センサ211を備える。
【0024】
図4は、オゾン水生成装置39の拡大斜視図である。
オゾン水生成装置39は、給水電磁弁29、第2水タンク30、給水ポンプ31、オゾン水生成部32、出口電磁弁33、及び吐出パイプ34を備える。なお、説明のため、
図4では第2水タンク30は断面を示している。
吐出パイプ34は、「吐出器」の一例である。オゾン水生成部32は、「オゾン水生成部」の一例である。
【0025】
給水電磁弁29、第1配管40、第2水タンク30、第2配管42、給水ポンプ給水ポンプ31、第3配管43、オゾン水生成部32、第4配管44、出口電磁弁33、及び吐出パイプ34はこの順に接続するように形成されている。
【0026】
第2水タンク30は、フロートスイッチ41Aと、排水パイプ41Bとを備える。
洗浄工程の間、給水ポンプ31は駆動され、第2水タンク30内に貯留されている水がオゾン水生成部32に供給される。そして、第2水タンク30の水位が一定以下になると、フロートスイッチ41AがОN状態となり、給水電磁弁29が開いて、第2水タンク30オゾン水生成部32に水が供給される。フロートスイッチ41Aは、後述の第2水位センサ215を備える。
【0027】
排水パイプ41Bは管状に形成されており、排水パイプ41Bの上面に達した水を、ドレンパン25に向けて排出する。
【0028】
オゾン水生成装置39は、通電されることにより、供給された水を電気分解してオゾン水を生成し、オゾン水を導出するものである。給水ポンプ31が駆動されることによって第2水タンク30から供給される水を、オゾン水生成部32が電気分解してオゾン水を導出する。
オゾン水は、「洗浄用液体」の一例である。
【0029】
オゾン水生成装置39によって生成されるオゾン水のオゾンの濃度は、主にオゾン水生成部32に供給される水の流量に影響を受ける。すなわち、流量が大きいほど、オゾンの濃度は低下傾向にあり、流量が小さいほど、オゾンの濃度は増加傾向にある。
【0030】
図5は、散水器26及び吐出パイプ34の正面断面図である。
図6は、オゾン水の流れの模式図である。
図7は、
図5のA-A断面図である。
【0031】
図5に示すように、散水器26の下端には、鉛直下向きに開口し散水器26の軸方向に沿って配列された複数の第1吐出孔26aが形成されている。吐出パイプ34の下端には、鉛直下向きに開口し吐出パイプ34の軸方向に沿って配列された複数の第2吐出孔34aが形成されている。散水器26は、吐出パイプ34と略平行に配置されている。吐出パイプ34は、散水器26よりも上方に配置されている。なお、吐出孔34aの開口方向は、鉛直下向きのほかに、横向きまたは斜め下向きであってもよい。
【0032】
散水器26は、散水器26の軸が、平面視において、吐出パイプ34の軸と重畳しないように配置されている。吐出パイプ34は、吐出パイプ34の軸が、平面視において、散水器26と重畳するように配置されている。すなわち、第2吐出孔34aの鉛直下向きに散水器26があるように配置されている。平面視とは、
図5において上から下に向かう方向に対応する。
なお、散水器26の軸とは、管状の散水器26の管軸26Lである。また、吐出パイプ34の軸とは、管状の吐出パイプ34の管軸34Lである。吐出パイプ34は、管軸34Lが散水器26の管軸26Lから幅M1だけずらすように配置されている。幅M1は、散水器26の管軸26Lから散水器26の外周端までの半径M2よりも小さくなるように、散水器26及び吐出パイプ34は配置されている。
【0033】
図6に示すように、第2吐出孔34aから吐出されたオゾン水は、散水器26の上方に落下し、第1吐出孔26aの周縁を経由して滴下する。第2吐出孔34aから吐出されたオゾン水のうち、第2吐出孔34aから散水器26の外側面に至るまでの流れは、主に2つ第1流れD1aと、第2流れD1bとに分けられる。
【0034】
第1流れD1aは、鉛直方向下向きに向かう流れである。第2流れD1bは、鉛直下向きに向かう第1流れD1aから外れる流れである。
第2流れD1bが発生する要因の一つとしては、第2吐出孔34aの孔径や穿孔角度、バリの有無などの加工ばらつきに起因して、各第2吐出孔34aの流体抵抗が異なっていることが考えられる。したがって、散水器26と吐出パイプ34とを、できるだけ近づけて配置させることが望ましい。第2流れD1bのように、鉛直下向きに向かう第1流れD1aから外れる方向への流れが発生したとしても、後述の第4流れD3のように、散水器26の下端において散水器26の軸方向の流れが発生することにより、第1吐出孔26aが万遍なく洗浄される。
【0035】
散水器26の外側面に至ったオゾン水が、散水器26の下端に至るまでの流れは第3流れD2に分けられる。第3流れD2は、第1流れD1aのオゾン水が、そのまま散水器26の外側面を伝っていき、散水器26の下端に至る流れである。
【0036】
第2流れD1bは、第3流れD2に合流する場合があり、この場合、第2流れD1b及び第3流れD2のオゾン水が合わさり、流れの幅が大きくなる傾向にある。
【0037】
第4流れD3は、第1吐出孔26aが配列されている散水器26の下部において、散水器26の軸方向に、または第1吐出孔26aの配列方向を始めとする散水器26の表面に沿って発生する流れである。第4流れD3は、複数の第1吐出孔26aを通過することが多いため、第1吐出孔26aは万遍なく洗浄される。次いで、オゾン水は第5流れD4として、水皿22に向かって落下する。
【0038】
第4流れD3は、第4流れD3に含まれるオゾン水が多くなると、第5流れD4として落下する。第3流れD2が幅の大きい流れだと、第4流れD3から第5流れD4に移行しやすくなる。
【0039】
以上のようにして、オゾン水は第1吐出孔26aを洗浄する。
【0040】
図7に示すように、第1吐出孔26aは等間隔の幅W1を空けて形成されている。第2吐出孔34aは等間隔の幅W2を空けて形成されている。幅W1よりも幅W2方が小さくなるように形成されている。すなわち、第1吐出孔26aの各孔間のピッチよりも、第2吐出孔34aの各孔間のピッチの方が狭くなるように形成されている。
【0041】
また、第1吐出孔26aの直径よりも、第2吐出孔34aの直径のほうが小さく形成されている。
もし、第1吐出孔26aの鉛直方向と第2吐出孔34aの鉛直方向とが一致していれば、第1吐出孔26aと第2吐出孔34aとは同じ直径とし、各孔間のピッチも同じとすることができる。しかしながら、先ほど述べた加工ばらつきのほか、組立上の公差・ばらつきがあるため、第1吐出孔26aの鉛直方向と第2吐出孔34aの鉛直方向とを一致させるのは困難である。また、仮に第1吐出孔26aの位置と第2吐出孔34aの位置が鉛直方向で合っていたとしても、第2吐出孔34aから吐出されて散水器26の表面を流れるオゾン水が真下に落ちるとは限らない。そのため、第1吐出孔26aの各孔間のピッチよりも、第2吐出孔34aの各孔間のピッチの方が狭く、第1吐出孔26aの直径よりも、第2吐出孔34aの直径のほうが小さく形成されている。これにより、第2吐出孔34aから吐出されて散水器26の表面を流れるオゾン水が真下以外に流れても、隣の第2吐出孔34aから吐出されて散水器26の表面を流れるオゾン水と重なり難くなる。
【0042】
さらに、第2吐出孔34aより吐出されるオゾン水(洗浄水)一本一本の流量が小さくなり、第2吐出孔34aの孔数が多くなるので、散水器26の外側面を下向きに流れるオゾン水が、第1吐出孔26aが配列されている散水器26の最下部まで流れて来ても、すぐには落下せずに、第4流れD3となって、他の流れに合流しやすくなるので、各第1吐出孔26aの周縁にオゾン水を行き渡らせることができる。さらに、第2吐出孔34aから吐出されるオゾン水の流量が小さくなることで、オゾン濃度は上がるので、洗浄(殺菌)効果が向上する。
【0043】
[1-1-2.制御系の構成]
図8は、製氷装置1の制御系に関わる要部を示すブロック図である。
製氷装置1は、製氷装置1を制御する制御装置200を備える。
制御装置200は、制御部201、駆動回路203、及びセンサ回路205を備える。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、後述する洗浄制御を始めとする、製氷装置1各部を制御するための制御プログラムの格納メモリおよび制御プログラムを実行するためのワークメモリ等を備え、プロセッサーによりプログラムを実行して、ソフトウェアとハードウェアとの協働により製氷装置1の各部を制御する。
【0044】
駆動回路203は、水皿開閉機構モータ217、循環ポンプモータ219、給水ポンプモータ221、給水電磁弁29、出口電磁弁33、電磁弁27、及びオゾン水生成部32に接続される。
【0045】
駆動回路203は、制御部201の制御に従って、水皿開閉機構モータ217に駆動電流を供給することにより、
図3及び
図8を参照して、水皿開閉機構モータ217により減速機51を動作させ、開閉機構50により水皿22を開閉させる。
【0046】
駆動回路203は、制御部201の制御に従って、循環ポンプモータ219に駆動電流を供給することにより、
図3及び
図8を参照して、循環ポンプモータ219により循環ポンプ24動作させて、水皿22を経由し製氷セル21に吹き付けて、第1水タンク23の水を循環させる。
【0047】
駆動回路203は、制御部201の制御に従って、給水ポンプモータ221に駆動電流を供給することにより、
図4及び
図8を参照して、給水ポンプモータ221により給水ポンプ31を動作させ、オゾン水生成部32に水を供給させる。
【0048】
また、駆動回路203は、制御部201の制御に従って、給水電磁弁29、出口電磁弁33、及び電磁弁27に駆動電流を供給することにより、各弁を開閉させる。
【0049】
また、駆動回路203は、制御部201の制御に従って、オゾン水生成部32に駆動電流を供給することにより、
図4及び
図8を参照して、オゾン水生成部32に水を電気分解生成させる。
【0050】
センサ回路205は、水皿開閉センサ211、第1水位センサ213、及び第2水位センサ215の各センサに接続される。センサ回路205は、制御部201の制御に従って、各センサの検出状態を取得する。例えば、センサ回路205は、各センサに動作用の電力を供給し、各センサが出力する検出信号を取得する。センサ回路205は、各センサの検出状態を制御装置200に出力する。
【0051】
水皿開閉センサ211は、水皿22は開状態、閉状態のうちいずれの状態であるかを検出する。第1水位センサ213は、第1水タンク23の水位が、第1水位センサ213がある位置まで上がっているか否かを検出する。第2水位センサ215は、第2水タンク30の水位が、第2水位センサ215がある位置まで上がっているか否かを検出する。
【0052】
[1-2.動作]
以上のように構成された製氷装置洗浄システム1000について、その動作を
図9~
図16を用いて説明する。なお、以下で説明する洗浄方法は、氷の非生成時に行うものである。
【0053】
図9は、待機状態を示す断面模式図である。待機状態とは、製氷装置1が製氷を止め、水皿22が閉状態にあるときである。待機状態では、第1水タンク23は、散水器26から供給された水Lを貯留する。待機状態において、水Lは水位h1だけ貯留されている。第1水タンク23は貯水案内板64、排水口60、及び排水案内板62を備える。
【0054】
図10は、排水工程、散水器洗浄工程、及び水皿洗浄工程を示す断面模式図である。
散水器洗浄工程では、制御部201は減速機51(
図3及び
図8参照)を駆動させ、水皿22を開状態にさせる。また、制御部201は、給水ポンプ31及びオゾン水生成部32(
図3及び
図8を参照)を動作させ、吐出パイプ34からオゾン水を吐出させる。この制御部201の制御は、散水器洗浄制御の一例である。また、この制御部201による水皿22の動作の制御は、製氷機構11の動作の一例である。この工程により、散水器26は洗浄される。
【0055】
水皿洗浄工程では、散水器26を伝って、矢印D11で示すようにオゾン水が落下し、水皿22にかかる。水皿22が開状態であるため、オゾン水は水皿22の上面を矢印D12に沿って流れ落ちる。次いで、オゾン水は矢印D13で示すように、散水器26とは反対側の水皿22端部を流れて、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、矢印D15に沿ってドレンパン25へと流れ出る。オゾン水は、矢印D16で示すように、ドレンパン25の上面を流れ排水される。この制御部201の制御は、水皿洗浄制御の一例である。これにより、主に水皿22は洗浄される。
【0056】
排水工程では、水皿22が開く際に第1水タンク23が傾くことで、水Lが貯水案内板64に案内され矢印D14で示すように流れる。次いで、水Lは、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、矢印D15で示すように散水器26からドレンパン25へと流れ出る。水Lは、矢印D16で示すように、ドレンパン25の上面を流れ排水される。
以上の排水工程、散水器洗浄工程、及び水皿洗浄工程は同時に行われる。
【0057】
図11は、貯水工程を示す断面模式図である。
貯水工程では、制御部201は減速機51を駆動させ、水皿22を閉状態にさせる。制御部201は、給水ポンプ31及びオゾン水生成部32を動作させ、吐出パイプ34からオゾン水を吐出させる。オゾン水は、散水器26と、水皿22とを経由して、第1水タンク23に至る。オゾン水は、矢印D21で示すように、散水器26から水皿22へと流下し、矢印D22で示すように、水皿22の孔22Aから第1水タンク23へと流下する。オゾン水は、第1水タンク23に貯められる。この制御部201の制御は、第1水タンク洗浄制御の一例である。
なお、吐出パイプ34から散水器26にオゾン水を吐出して水皿22を経由してオゾン水を投入するため、第1水タンク23用の投入口は設けていないが、該投入口を設けてもよい。
【0058】
図12は、第1水タンク洗浄工程及び放置工程を示す断面模式図である。
第1水タンク23内部には、貯水工程を経て、オゾン水と水Lとが混ざった希釈オゾン水LOが貯められる。希釈オゾン水LOは、低濃度のオゾン水である。希釈オゾン水LOの水位h3は、待機状態の水Lの水位h1よりも高い。また、希釈オゾン水LOは、上層ほどオゾン水の濃度が大きい傾向にある。希釈オゾン水LOにより、第1水タンク23の内部は洗浄される。
【0059】
通常、第1水タンク23は、第1水位センサ213が検出される水位まで水が満たされており、該水位は
図9に示す水Lの水位h1に対応する。第1水タンク洗浄工程では第1水位センサ213による検出位置を超える量の水位h3になるように、オゾン水を投入して水位を上げている。
【0060】
本開示に係る第1水タンク23内をオゾン水で満たすためには、第1水タンク23が空の状態であると、略10リットルの水が必要になる。そのため、第1水タンクをオゾン水生成装置39で生成したオゾン水のみで満たすのには時間がかかる。
洗浄時間が長くなると、また第1水タンク23をオゾン水で満たすまでに時間がかかると、オゾン水のオゾン濃度が下がっていくため、第1水タンク23内に水を残して、オゾン水を投入して希釈する方が好ましい。
【0061】
あらかじめ第1水タンク23に水を残しておくことにより、生成されたオゾン水が第1水タンク23に投入された時の落下による衝撃が、第1水タンク23が空の時よりも緩和され、第1水タンク23に投入されたオゾン水のオゾン濃度の低下が抑制される。
【0062】
また、第1水タンク23内に残った水と、投入されたオゾン水が完全に混合されずに、上層の方がオゾン水の濃度が高くなる傾向があるため、第1水タンク23の通常水位よりも上の部分は、高い濃度のオゾン水で洗浄ができる。さらに、第1水タンク洗浄工程では第1水位センサ213による検出位置を超える量の水位h3として、通常の製氷工程または待機時における水位h1よりも高くすることで、第1水タンク23の当該水位部分の洗浄を可能としている。
【0063】
また、
図12に示す状態で、放置工程では、各部は所定期間(例えば、1分)放置される。
【0064】
図13は、ドレンパン洗浄工程を示す断面模式図である。
ドレンパン洗浄工程では、
図3及び
図8に示すように、制御部201は減速機51を駆動させ、水皿22を開状態にさせる。水皿22が開く際に第1水タンク23が傾くことで、希釈オゾン水LOが貯水案内板64に案内され矢印D31に示す方向に流れる。次いで、希釈オゾン水LOは、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、矢印D32で示すようにドレンパン25へと流れ出る。希釈オゾン水LOは、矢印D33に示す方向に、ドレンパン25の上面を流れ排水される。この制御部201の制御は、ドレンパン洗浄制御の一例である。これにより、ドレンパン25は洗浄される。
なお、矢印D33で示すように流れる希釈オゾン水LOは、
図10で示した矢印D16で示すように流れる水よりも、流量が大きい。このため、ドレンパン25の上面全体が洗浄される。
【0065】
図14は、水皿閉塞工程を示す断面模式図である。
水皿閉塞工程では、
図3及び
図8に示すように、制御部201は減速機51を駆動させ、水皿22を閉状態にさせる。この工程での希釈オゾン水LOの水位h4は、
図11で示す、排水工程後の水Lの水位h2と略同一である。
【0066】
図15は、すすぎ工程を示す断面模式図である。
すすぎ工程では、制御部201は、電磁弁27を開状態にし、散水器26から水を吐出させる。吐出された水は、矢印D41に示すように水皿22に流れ込む。散水器26から水皿22へと流下した水は、矢印D42で示すように、水皿22の孔22A(
図17、
図19参照)から第1水タンク23へと流下する。また、制御部201は、循環ポンプ24を駆動させ、第1水タンク23内部の水を循環させる。循環ポンプ24によって、第1水タンク23内部の水は、矢印D43で示すように循環ポンプ用第2配管24Bを介して水皿22の上部へと揚水されたのち、再び第1水タンク23に流れ、これが繰り返されて循環する。すすぎ工程では、水皿閉塞工程のオゾン水を含む希釈オゾン水LOは、散水器26から供給される水により希釈され、更に循環ポンプ24により攪拌される。
通常、循環ポンプ24は、製氷機構11が氷を生成時に、第1水タンク23内の水を水皿22に供給するときに駆動する。すすぎ工程では、第1水タンク23内の希釈オゾン水LOを汲み上げ、第1水タンク23の上部、及び、水皿22の下側の下面から再び第1水タンク23内に希釈オゾン水LOを落下させることで循環させる。循環ポンプ24による循環と、水皿22から第1水タンク23への落下に伴う衝撃により、第1水タンク23内のオゾン水のオゾン濃度は低下する。
この制御部201の制御は、すすぎ制御の一例である。すすぎ工程では、以上の動作により、第1水タンク23内に貯留されているオゾン水のオゾン濃度を低下させている。さらに、オゾン水のオゾン濃度の低下に伴い、製氷室や貯氷室などにオゾンガスが充満している空間が形成されるため、製氷装置1の内部、特に製氷ユニット10の全体において除菌効果を得ることが可能である。
【0067】
図16は、すすぎ水排水工程を示す断面模式図である。
すすぎ水排水工程では、制御部201は減速機51を駆動させ、水皿22を開状態にさせる。水皿22が開く際に第1水タンク23が傾くことで、前述のすすぎ工程における希釈オゾン水LOが貯水案内板64に案内され流れ、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、ドレンパン25へと流れ出る。すすぎ工程と、すすぎ水排水工程とを所定回数(例えば、二回)繰り返すことで、第1水タンク23内はオゾンを溶存しない水で満たされる。この制御部201の制御は、すすぎ制御の一例である。
【0068】
なお、オゾン水からオゾンガスが出ることで、先にも述べた製氷装置1の内部、特に製氷ユニット10、氷が氷貯氷庫12に落下する時に、氷が接触する中仕切り板17(
図1及び2参照)、及び氷貯氷庫12内の除菌効果も期待できる。散水器26を経由して水皿22や第1水タンク23内を洗浄する際にもオゾンガスが出ることで、第1水タンク23の上面または水皿22の水回路内または冷却器18にもオゾンガスによる洗浄が可能となる。また、ドレンパン25に排水される時に出たオゾンガスで、第1水タンク23の側面やドレンパン25の縁部分にも洗浄効果を与えることができる。
【0069】
図17は、水皿洗浄工程における水皿22の斜視図である。
図10を用いて説明したように、水皿洗浄工程では、オゾン水は水皿22の上面を矢印D12で示すように流れ落ちる。次いで、オゾン水は矢印D13で示すように流れて、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、矢印D15で示すようにドレンパン25へと流れ出る。
【0070】
図18は、水皿洗浄工程における水皿22の拡大側面断面図である。
図10を用いて説明したように、排水工程では、水皿22が開く際に第1水タンク23が傾くことで、水Lが貯水案内板64に案内され矢印D14で示すように流れる。次いで、水Lは、排水口60を通り、排水案内板62に案内され、矢印D15で示すようにドレンパン25へと流れ出る。水Lは、矢印D16で示すように、ドレンパン25の上面を流れ排水される。
【0071】
図19は、貯水工程における水皿22の拡大上面図である。
図20は、貯水工程における水皿22の拡大斜視図である。
水皿22は、製氷セル21との対向面から第1水タンク23との対向面へと貫通する複数の孔22Aを備える。
図11を用いて説明したように、貯水工程では、吐出パイプ34からオゾン水が吐出される。オゾン水は、水皿22が閉じている時は、製氷セル21に覆われている孔22Aからはオゾン水はほとんど抜けて行かず、製氷セル21に覆われていない水皿22のスペースSに溜まっていき、そのスペースSに設けられた孔22Aを通じて第1水タンク23に供給される。
【0072】
図21は、ドレンパン25の上面図である。
ドレンパン25は、ドレンパン25に流れ込む液体をドレンパン排水口25Cへ案内する案内リブ25Aを3つ備える。ドレンパン25は、谷部25Bに向かって傾斜するように形成されている。谷部25Bは、ドレンパン25に流れ込む液体をドレンパン排水口25Cへ案内する。
【0073】
図13を用いて説明したように、ドレンパン洗浄工程では、希釈オゾン水LOは、矢印D33で示すように、ドレンパン25の上面を流れ、排水される。これにより、ドレンパン25は洗浄される。矢印D33で示すように流れる希釈オゾン水LOの流量は、ドレンパン25の隅部まで希釈オゾン水LOが行き渡るように設定されている。
【0074】
また、制御部201は、貯氷工程においても電磁弁27、給水電磁弁29、出口電磁弁33、給水ポンプモータ221、オゾン水生成部32を制御して、通常の貯氷工程における水位よりも高い水位のオゾン水を第1水タンク23に投入してもよい。その制御方法にはいくつかが考えられるが、例えば以下のような制御が考えられる。
1)ポンプモータ221の駆動時間でオゾン水の投入量を制御する。
2)流量計を設けて所定量に達するまでポンプモータ221を駆動する。
3)第1水タンク23に、新たにもしくは置き換えで水位センサを設けて、水位を検出する。
また、すすぎ工程では、制御部201は、第1水位センサ213から出力される第1水タンクの水位に基づいて、所定の水位になるように電磁弁27を制御する。
【0075】
[1-3.効果]
以上説明したように、製氷装置洗浄システム1000は、複数の部材に除菌水を吐出することなく、最小限のデバイスを活用してシステムを構成できることで、各部材の衛生性を確保することができる。
【0076】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2の説明では、実施の形態1の製氷装置1の各部の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0077】
図22は、実施の形態2に係る製氷機構11の拡大斜視図である。
図23は、実施の形態2に係るオゾン水生成装置139の拡大側面図である。
【0078】
オゾン水生成装置139は、供給管110、フィルター112、第5配管114、給水ポンプ31、第3配管43、オゾン水生成部32、第4配管44、出口電磁弁33、及び吐出パイプ34を備え、この順に接続される。これらは、「供給機構」の一例である。すなわち、オゾン水は、第1水タンク23、フィルター112、オゾン水生成部32、第1水タンク23の順に循環することができる。
【0079】
供給管110は、第1水タンク23と、第1水タンク23の下部に設けられた接続部110Aを介して接続される。第1水タンク23から供給される水は、供給管110からフィルター112に流れる。フィルター112は、液体に溶存する気体を採取できるフィルターであればよい。フィルター112として、例えば、活性炭製のフィルターが好適である。
【0080】
フィルター112を通過した水は、第5配管114を経由して給水ポンプ31に至る。その他の構成の説明は、実施の形態1におけるオゾン水生成装置39と同様である。
実施の形態2は、実施の形態1の構成から、第2水タンク30、給水電磁弁29等が省略された構成である。
【0081】
オゾン水生成装置139は、例えば、第1水タンク洗浄工程において、第1水タンク23内の希釈オゾン水LOを利用してオゾン水を生成する。
オゾン水をオゾン水生成部32に供給することは、電極の劣化等の観点から不適である。
オゾン水生成装置139は、接続部110Aと給水ポンプ31との間にフィルター112を備えるため、オゾン水のオゾン濃度を低下させてからオゾン水生成部32に水を供給できる。
【0082】
また、第1水タンク23内の水は製氷運転時に0度に近い水温になっている。オゾン水のオゾン濃度は水温が低いほど大きくなるため、第1水タンク23内の水によってオゾン水を生成することで、製氷装置洗浄システム1000の洗浄効果を上げることができる。
【0083】
[2-2.動作]
実施の形態2における貯水工程では、制御部201は、第1水位センサ213から出力される第1水タンク23の水位に基づいて、水位が所定の水位になるように給水電磁弁27、出口電磁弁33、ポンプモータ221、オゾン水生成部32を制御する。
供給管110、フィルター112、第5配管114、給水ポンプ31、第3配管43、オゾン水生成部32、第4配管44、出口電磁弁33、及び吐出パイプ34で構成される供給機構を用いて、第1水タンク23内に貯留する液体をオゾン水生成部32に供給させ、オゾン水生成部32にオゾン水を生成させる。該液体は、水L、オゾン水あるいは水とオゾン水との混合オゾン水である希釈オゾン水LOのいずれかである。
すなわち、供給機構によって、第1水タンク23内に貯留する液体をオゾン水生成部32に供給させ、オゾン水生成部32にオゾン水を生成させる。また、液体のオゾン水生成部への供給は、製氷機構11による氷の非生成時に実行される。
その他は、実施の形態2においても、実施の形態1と同様な動作をする。
【0084】
[2-3.効果]
【0085】
以上説明したように、実施の形態2における製氷装置1は、第1貯水タンク23と、第1水タンク23から供給される水で氷を生成する製氷機構11と、オゾン水を生成するオゾン水生成部32と、第1水タンク23内に貯留する液体をオゾン水生成部32に供給可能とする供給機構と、を備える。
【0086】
これによれば、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加が低減され、限られた配置スペースが有効に活用されて、製氷機構11のより効率的な洗浄が可能となる。
【0087】
また、該液体は、水L、オゾン水あるいは水とオゾン水との混合オゾン水の一例である希釈オゾン水LOのいずれかであってもよい。
【0088】
これによれば、オゾン水生成部32に供給される液体の種類に限らずにオゾン水を生成できるため、洗浄効率が向上する。
【0089】
また、オゾン水生成部32と、フィルター112とを有するオゾン水生成装置139を備え、オゾン水生成装置139は、第1水タンク23、フィルター112、オゾン水生成部32に前記オゾン水を循環させてもよい。
【0090】
これによれば、オゾンを含む希釈オゾン水LOの溶存するオゾン成分を採取できる。そのため、オゾン水生成部32の劣化を抑制できる。
【0091】
フィルター112は、活性炭であってもよい。
【0092】
これによれば、オゾンを含む希釈オゾン水LOの溶存するオゾン成分を採取できる。そのため、オゾン水生成部32の劣化を抑制できる。
【0093】
第1水タンク23と、第1水タンク23から供給される水で氷を生成する製氷機構11と、を備える製氷装置1における洗浄方法であって、供給機構を用いて第1水タンク23内に貯留する液体をオゾン水生成部32に供給させ、オゾン水生成部32にオゾン水を生成させる洗浄方法。
【0094】
これによれば、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加が低減され、限られた配置スペースが有効に活用されて、製氷機構のより効率的な洗浄が可能となる。
【0095】
また、さらに、洗浄方法は、該液体のオゾン水生成部32への供給を、製氷機構11による氷の非生成時に実行させてもよい。
【0096】
これによれば、製氷機構11や水回路の洗浄を人手により行う頻度をできるだけ低減させることができる。
【0097】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0098】
例えば、除菌水としてオゾン水を例示したが、除菌水は、洗浄剤を混ぜた水や、塩素水であってもよい。
また、セル式の製氷機構11を例示して説明したが、オーガ式、流下式等の各種の製氷機構を採用してもよい。
【0099】
図9から
図16に示した動作の工程は、動作の理解を容易にするために、主な工程の内容に応じて分割したものであり、工程の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。工程の内容に応じて、さらに多くの工程に分割してもよい。また、1つの工程がさらに多くの工程を含むように分割してもよい。また、その工程の順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0100】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0101】
(技術1)貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、オゾン水を生成するオゾン水生成部と、前記貯水タンク内に貯留する液体を前記オゾン水生成部に供給可能とする供給機構と、を備える製氷装置。
これによれば、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加が低減され、限られた配置スペースが有効に活用されて、製氷機構のより効率的な洗浄が可能となる。
【0102】
(技術2)前記液体は、前記水、前記オゾン水あるいは前記水と前記オゾン水との混合オゾン水のいずれかである、技術1に記載の製氷装置。
これによれば、第1水タンクからオゾンを含む水が供給された場合でも、フィルターにより溶存するオゾン成分を採取できる。そのため、オゾンデバイスの劣化を抑制できる。
【0103】
(技術3)前記オゾン水生成部と、フィルターとを有するオゾン水生成装置を備え、前記オゾン水生成装置は、前記貯水タンク、前記フィルター、前記オゾン水デバイスに前記オゾン水を循環させる、技術1または技術2に記載の製氷装置。
これによれば、オゾンを含む混合オゾン水の溶存するオゾン成分の採取できる。そのため、オゾン水生成部の劣化を抑制できる。
【0104】
(技術4)前記フィルターは、活性炭である、技術2に記載の製氷機。
これによれば、オゾンを含む混合オゾン水の溶存するオゾン成分の採取できる。そのため、オゾン水生成部の劣化を抑制できる。
【0105】
(技術5)貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水で氷を生成する製氷機構と、を備える製氷装置における洗浄方法であって、供給機構を用いて前記貯水タンク内に貯留する液体をオゾン水生成部に供給させ、前記オゾン水生成部にオゾン水を生成させる洗浄方法。
これによれば、洗浄用液体としてオゾン水を使用し、その高オゾン濃度化を図りながら、新たな部品の追加が低減され、限られた配置スペースが有効に活用されて、製氷機構のより効率的な洗浄が可能となる。
【0106】
(技術6)前記液体の前記オゾン水生成部への供給を、前記製氷機構による氷の非生成時に実行させる、技術5に記載の洗浄方法。
これによれば、製氷機構や水回路の洗浄を人手により行う頻度をできるだけ低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示は、除菌水を用いて洗浄する製氷装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 製氷装置
10 製氷機
11 製氷機構
12 氷塊貯氷庫
18 冷却器
21 製氷セル
22 水皿
23 第1水タンク(貯水タンク)
24 循環ポンプ
25 ドレンパン
26 散水器
30 第2水タンク
32 オゾンデバイス
34 吐出パイプ(吐出器)
39、139 オゾン水生成装置
42 第2配管
50 開閉機構
110 供給管(配管)
112 フィルター
200 制御装置
1000 製氷装置洗浄システム