(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152461
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】シート排出装置、画像形成装置及び後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/06 20060101AFI20241018BHJP
B65H 31/36 20060101ALI20241018BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241018BHJP
B65H 31/26 20060101ALI20241018BHJP
B65H 37/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B65H31/06
B65H31/36
G03G15/00 460
B65H31/26
B65H37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066672
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】大村 公規
【テーマコード(参考)】
2H072
3F054
3F108
【Fターム(参考)】
2H072GA00
2H072JA02
3F054AB01
3F054AC01
3F054BA04
3F054BA11
3F054BD03
3F054BD10
3F054BG13
3F054BH03
3F108GA01
3F108GB01
3F108GB07
3F108HA02
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】装置の構造を簡素化することができるシート排出装置、画像形成装置及び後処理装置を提供する。
【解決手段】シート排出装置たる排出部は、シートを排出する排出手段たる排出ローラ対13と、排出ローラ対13によって排出されたシートのシート面が載置面に接触する平置き姿勢でスタック可能な排出トレイ10とを備えている。また、排出されたシートを傾斜した姿勢である縦置き姿勢で支持する支持部材11と、支持部材11をシートの排出方向に移動させる移動手段たる移動機構30とを備えている。支持部材11は、排出方向に移動可能に排出トレイ10に支持されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを排出する排出手段と、
前記排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面に接触する姿勢でスタック可能な排出トレイと、を備えたシート排出装置において、
排出された前記シートを傾斜した姿勢で支持する支持部材と、
前記支持部材を前記シートの排出方向に移動させる移動手段とを備え、
前記支持部材を、前記排出方向に移動可能に前記排出トレイに支持したことを特徴とするシート排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート排出装置において、前記支持部材を、前記排出トレイに収納可能に構成したことを特徴とするシート排出装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート排出装置において、前記排出手段よりも前記排出方向の下流側で、シートの排出を補助する補助搬送部材を有し、
前記補助搬送部材は、前記支持部材によりシートを傾斜した姿勢でシートをスタックするときは、シートの排出を補助し、シート面が載置面に接触する姿勢でシートをスタックするときは、前記排出トレイ上の前記シートを前記排出方向とは逆方向に搬送して、前記シートの後端を、前記排出方向に直交する壁部に突き当てることを特徴とするシート排出装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシート排出装置において、前記補助搬送部材は、弾性回転体であることを特徴とするシート排出装置。
【請求項5】
シートを排出する排出手段と、
前記排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面に接触する姿勢でスタック可能な排出トレイと、を備えたシート排出装置において、
排出された前記シートを傾斜した姿勢で支持する支持部材と、
前記支持部材を前記シートの排出方向に移動させる移動手段と、
前記排出トレイ上の前記シートを前記排出方向とは逆方向に搬送して、前記シートの排出方向上流側端部を、前記排出方向に直交する壁部に突き当てる戻し手段とを備え、
前記支持部材により前記傾斜した姿勢でシートを支持するとき、前記戻し手段により前記シートを搬送し、シートの排出を補助することを特徴とするシート排出装置。
【請求項6】
請求項1または5に記載のシート排出装置において、前記支持部材により傾斜した姿勢で支持された前記シートを検知するシート検知手段を備え、
前記移動手段は、前記シート検知手段の検知結果に基づいて、前記支持部材を前記シートの排出方向の下流側へ移動させることを特徴とするシート排出装置。
【請求項7】
請求項6に記載のシート排出装置において、
前記排出トレイに前記シートをシート面が載置面に接触する姿勢でスタックするとき、前記シート検知手段によって、前記排出トレイに鉛直方向に積み重ねられたシート束の高さを検出することを特徴とするシート排出装置。
【請求項8】
請求項1または5に記載のシート排出装置において、
前記支持部材により傾斜した姿勢で支持されたシートの下部とシート排出方向上流側から対向して、前記シートの姿勢支持を補助する補助支持部材を備えることを特徴とするシート排出装置。
【請求項9】
請求項8に記載のシート排出装置において、
前記補助支持部材は、前記排出トレイに収納可能に構成したことを特徴とするシート排出装置。
【請求項10】
請求項1または5に記載のシート排出装置において、
前記支持部材は、前記排出トレイのシート載置面に対する角度を変更可能に構成されていることを特徴とするシート排出装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
画像が形成されたシートを装置本体外へ排出するシート排出装置とを備えた画像形成装置において、
前記シート排出装置として、請求項1または5に記載のシート排出装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置により排出されたシートに対して、所定の処理を行う後処理手段と、
画像が形成されたシートを装置本体外へ排出するシート排出装置とを備えた後処理装置において、
前記シート排出装置として、請求項1または5に記載のシート排出装置を用いたことを特徴とする後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート排出装置、画像形成装置及び後処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを排出する排出手段と、排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面に接触する姿勢(以下、平置き姿勢)でスタック可能な排出トレイと、を備えたシート排出装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記シート排出装置として、処理装置から排出されたシートを傾斜した姿勢(以下、縦置き姿勢という)でスタックするスタック装置を、排出トレイ上に設置するものが記載されている。スタック装置は、排出されたシートを縦置き姿勢でスタックするベースフレームを有している。ベースフレームには、ベースフレームに排出されたシートをベースフレーム上において、縦置き姿勢でシートを支持する支持部材が、シート排出方向に移動可能に支持されている。
また、スタック装置は、支持部材をシート排出方向に押し込んで、支持部材をシート排出方向へ移動させる移動手段としての退避機構を備えている。
【0004】
上記縦置き姿勢でシートをスタックする場合は、排出トレイにスタック装置のベースフレームを載置してスタック装置をセットする。スタック装置がセットされたときは、排出手段によりベースフレーム上にシートが排出される。ベースフレーム上に排出されたシートの先端は、支持部材により規制されて移動方向を排出手段によるシート排出方向から略上方に変更される。そして、シートは、支持部材によって縦置き姿勢で支持され、縦置き姿勢でベースフレームにスタックされる。排出されたシートが縦置き姿勢でベースフレームにスタックされたら、退避機構により、上記縦置きの姿勢でベースフレームの上にスタックされたシートの厚み分、支持部材を退避させ、次のシートの排出を待つ。これにより、縦置き姿勢でシートがシート排出方向に重ねられてベースフレーム上にスタックされ、ハガキや封筒等を多数枚スタックできる旨が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、縦置き姿勢でシートをスタックするときは、支持部材などの支持部材を支持したベースフレームを排出トレイに取り付けて、縦置き姿勢でシートをスタック可能としている。縦置き姿勢でシートをスタックするときと、平置き姿勢でシートをスタックするときとで、装置の構造を大きく変更することになる。そのため、装置の構成が複雑化するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートを排出する排出手段と、前記排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面に接触する姿勢でスタック可能な排出トレイと、を備えたシート排出装置において、排出された前記シートを傾斜した姿勢で支持する支持部材と、前記支持部材を前記シートの排出方向に移動させる移動手段とを備え、前記支持部材を、前記排出方向に移動可能に前記排出トレイに支持したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における画像形成システムのシステム構成を示す図。
【
図2】本実施形態の排出トレイの一例を示す概略斜視図。
【
図4】排出トレイ上に平置き姿勢でシートをスタックする場合のシート排出の様子を示す図。
【
図6】排出補助ローラによるシート整合について説明する図。
【
図7】縦置き姿勢排出モードにおけるシートの排出について説明する図。
【
図8】縦置き姿勢排出モードにおけるシート排出直後の様子を示す図。
【
図9】縦置き姿勢排出モードにおける支持部材の移動制御について説明する図。
【
図10】排出トレイに補助支持部材を設けた例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態における画像形成システム4のシステム構成を示す図である。本実施形態では、画像形成装置3の後段に、後処理装置が設けられている。
【0011】
画像形成装置3は、入力された画像データまたは読み取った画像の画像データに基づいて、シートに画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などがこれに相当する。画像形成装置3は、例えば電子写真方式や液滴射出方式など公知の方式のものであり、画像形成方式は何れでも良い。
【0012】
画像形成装置3の上部には、画像読取部3bと、操作パネル3cとが設けられており、画像読取部3bは、原稿画像を読み取るスキャナ部15aと、原稿を搬送するADF15bとを有している。
【0013】
また、画像形成装置3は、複数のシートが重ね合わせて収容する複数の給紙カセット3aを備えており、複数の給紙カセットのうちのいずれか一つからシートが給送される。画像形成装置の画像形成部で画像読取部3bで読み取った読取画像、あるいは、PCなどの外部装置から受信した画像データに基づきシートに画像が形成される。画像が形成されたシートは、後処理装置2に排出される。
【0014】
後処理装置2としては、例えば、シートにパンチ孔を開けるパンチ穿孔装置、ステープラ等によりシート束を綴じるシート綴じ装置、画像形成済みシートを複数の排出トレイへ仕分けして排出する仕分排出装置などが挙げられる。
【0015】
後処理装置2により所定の処理を施されたシートは、シート排出装置としての排出部1の排出トレイ10に排出されスタックされる。
【0016】
本実施形態においては、シートは、次の2つの姿勢で排出トレイ10にスタック可能となっている。すなわち、シート面を排出トレイ10のシート排出方向で下流側が上方に傾斜する略水平な載置面に接触する姿勢(平置き姿勢)と、シートの先端が上方に位置するように平置き姿勢よりも鉛直方向に傾斜した(載置面に対して傾斜した)姿勢(縦置き姿勢)の2つである。ハガキ、名刺、封筒などのシート搬送方向長さが短い小サイズシートのときは、縦置き姿勢で排出トレイ10上にスタックすることで、排出トレイ上に小サイズシートを大量に安定的にスタックすることが可能となる。
【0017】
本実施形態では、排出トレイ上にシートを縦置き姿勢でスタック可能にするため、排出トレイ10に支持部材11と、補助搬送部材たる排出補助ローラ12とを備えている。この排出補助ローラ12は、平置き姿勢で排出トレイ10に排出する際、後述するように、排出トレイ10に排出されたシートの後端を、処理装置の壁部に突き当てて、排出トレイにスタックされたシートの整合を図る戻し手段としての機能を有している。
【0018】
なお、排出補助ローラ12を後処理装置2に対して着脱可能に構成し、排出トレイ10上に縦置き姿勢でシートをスタックするときに排出補助ローラ12を後処理装置2に取り付ける構成としてもよい。しかし、排出補助ローラ12を平置き姿勢のとき、戻し手段として用いることで、平置き姿勢で排出トレイ10上にシートをスタックするときのシートの整合性を高めることができる。また、排出トレイ10上に縦置き姿勢でシートをスタックするときに排出補助ローラ12を後処理装置2に取り付ける構成に比べて、平置き姿勢でシートをスタックするときと、縦置き姿勢でシートをスタックするときとで、装置の構造の変更を抑えることができる。また、平置き姿勢から縦置き姿勢に変更するときの準備の手間を軽減できるメリットもある。
【0019】
図2は、本実施形態の排出トレイ10の一例を示す概略斜視図であり、
図3は、支持部材11を、シート排出方向に移動させる移動手段たる移動機構30の一例を示す概略構成図である。
図2に示すように、シートの排紙方向に対して垂直の方向すなわち排出トレイ10のシート幅方向中央には、支持部材11を収納する収納溝10bが設けられている。支持部材11は、
図3に示すように、台座部材14に設けられた角度調整機構16に取り付けられている。角度調整機構16は、座椅子の背もたれの角度を調整する角度調整機構など、公知の角度調整機構を用いることがきる。
【0020】
台座部材14は、シート排出方向に移動可能に収納溝10bに設けられており、収納溝10bの側壁が、台座部材14をシート排出方向に移動する際のガイドとして機能している。
【0021】
排出トレイ上に平置き姿勢でシートをスタックする場合は、
図2に示すように支持部材11を収納溝10bに収納する。一方、排出トレイ10上に縦置き姿勢でシートをスタックする場合は、
図3に示すように、支持部材11と排出トレイ10の載置面10aとの角度が45°~60°で、鉛直方向より角度が広がらないよう(水平方向に対する角度が90°を越えないよう)に、支持部材11を立ち上げる。一方で載置面10aは、略水平な状態であり、平置き姿勢のときにシートが載置できるようにシート排出方向で下流側が上方に水平方向に対する角度が0°~30°未満で傾斜する所定の姿勢になっている。なお、
図2に示す例は一であり、平置き姿勢でシートをスタックする場合に、支持部材11が載置面10aから上方に飛び出さないように収納される構成であればよい。
【0022】
上述では、排出トレイ10に支持部材11を収納する収納溝を設けているが、例えば、角度調整機構16に対して、支持部材11を着脱可能に構成し、排出トレイ10に支持部材11を収納する収納部が無い構成としてもよい。この構成においては、排出トレイ上に縦置き姿勢でシートをスタックする場合は、支持部材11を角度調整機構16に取り付け、排出トレイ上に平置き姿勢でシートをスタックする場合は、支持部材11を角度調整機構16から取り外すようにする。
【0023】
支持部材11を排出トレイ10に収納可能とすることで、排出トレイ10に支持部材11を収納する収納部が無い構成に比べて、縦置き姿勢で排出トレイ10に排出する際に収納部にある支持部材11の角度調整機構16側を支点にしてシート排出方向下流側を回転することですぐに支持部材11の準備をできるという利点があり好ましい。
【0024】
図3に示すように、排出トレイ10の内部には、移動機構30が設けられている。
図3に示す例では、移動機構30は、モータ32と、タイミングベルト31とを有している。タイミングベルト31は、モータ32のモータ軸に取り付けられた駆動プーリ31aと、従動プーリ31bとに張架されている。台座部材14は、ベルト固定部14aを有しており、ベルト固定部14aは、
図2に示す収納溝10bの底部のシート幅方向中央に設けられたシート排出方向に延びる貫通孔10cを貫通して、タイミングベルト31に固定されている。
【0025】
モータ32によってタイミングベルト31を回転駆動させることで、支持部材11が、台座部材14とともに、シート排出方向に移動する。なお、
図3に示す移動機構は、一例であり、例えば、台座部材14が固定されたワイヤーを巻き取り装置で巻き取ることで支持部材11をシート排出方向に移動する構成でもよい。また、移動機構を後処理装置側に設け、縦置き姿勢で支持部材11に支持されているシートをシート排出方向に押し込むことで、支持部材11をシート排出方向に移動させるようにしてもよい。
【0026】
図4~
図6は、排出トレイ上に平置き姿勢でシートをスタックする場合について説明する図である。
図4は、シート排出の様子を示す図であり、
図5は、排出トレイ10の下降について説明する図であり、
図6は、排出補助ローラ12によるシート整合について説明する図である。
【0027】
図4に示すように、排出補助ローラ12は、排出手段たる排出ローラ対13の一方ローラの軸に回動自在に支持されたアーム部材12aに回転自在に支持されており、排出トレイ10の載置面10aに対して、接離可能となっている。
【0028】
排出ローラ対13によりシートが排出される際に、シートの先端が排出補助ローラ12に突き当たると、シートのコシ等によりアーム部材12aが
図4の時計回りに回動する。これにより、排出補助ローラ12が、排出トレイ上に平置き姿勢で鉛直方向に積み重ねられたシート束の最上位シートまたは排出トレイ10の載置面10aから離間し、排出されるシートが、排出補助ローラ12を上方に押して移動させる形で排出トレイ上に排出される。排出トレイ10に排出されたシートは、平置き姿勢で、排出トレイ10上にスタックされ、排出トレイ上に平置き姿勢で鉛直方向に積み重ねられる。
【0029】
図5に示すように、排出部1には、シート検知手段たるシート検知機構40が設けられている。シート検知機構40は、円弧状の検知フィラー41と検知フィラー41を検知するセンサ42とを有している。また、排出トレイ10は、昇降装置60により昇降可能に後処理装置2に設けられている。昇降装置60は、制御部50に接続されており、制御部50は、シート検知機構40の検知結果に基づいて、昇降装置60を制御して、排出トレイ10を下降させる。
【0030】
検知フィラー41は、回転軸41aを支点にして図中矢印の方向に回動可能に設けられている。排出ローラ対13によりシートが排出される際に、シートの先端が検知フィラー41に突き当たると、シートのコシ等により検知フィラー41が
図5の時計回りに回動する。すると、
図5に示すように検知フィラー41がセンサ42と対向しなくなり、センサ42は検知フィラー41を検出しなくなり、これで排出トレイ10上にシートがあると検知される。
【0031】
排出トレイ上に平置き姿勢で載置されているシート枚数が少ないときは、シートが排出トレイ上に排出されると、検知フィラー41は自重で図中反時計回りに回動する。これにより、検知フィラー41がセンサ42と対向し、センサ42は検知フィラー41を検出し、これで排出トレイ10上にシートがないまたは少ないと検知される。
【0032】
排出トレイ10上に一時的にシートがあるとみなすシート検知状態からシートが少ないとみなすシート無検知状態に切り替わったら、
図6に示すように、排出補助ローラ12を、図中矢印A1方向に回転させる。排出補助ローラ12を、図中矢印A1方向に回転させることで、排出トレイ上に平置き姿勢で鉛直方向に積み重ねられたシート束上、または、排出トレイ10の載置面10a上に排出されたシートが、排出ローラ対13へ向けて搬送(以下、逆搬送という)される。シートの排出方向上流側端部である後端が後処理装置2の外壁面2aに突き当たるまで排出補助ローラ12でシートを逆搬送することで、排出トレイ上に平置き姿勢でスタックされたシートの整合が図られる。
【0033】
一方、排出トレイ上に平置き姿勢で鉛直方向に重ねてスタックされているシート枚数が多くなり、排出トレイ上のシート束の高さが高くなり、排出トレイ上のシート束への積み重ねが困難となると、検知フィラー41は、ほとんど図中反時計回りに回動しなくなる。その結果、シート排出後も検知フィラー41がセンサ42と対向せず、排出トレイ10上にシートがあるとみなすシート検知状態が継続される。これにより、排出トレイ上に平置き姿勢でスタックされたシート束の最上位シートが所定の高さに達したことが検知される。
【0034】
制御部50は、シート検知状態が規定時間続き、シート束の最上位シートが所定の高さに達したことを検知したときは、
図5に示すように、昇降装置60を制御して予め決められた下降量、排出トレイ10を下降させる。これにより、さらに排出トレイ上のシート束へのさらなる積み重ねが可能となり、平置き姿勢で大量のシートスタックが可能となる。
【0035】
次に、排出トレイ10に縦置き姿勢でシートをスタックする場合について説明する。
図7は、縦置き姿勢でシートを排出トレイ10にスタックする場合のシートの排出について説明する図である。
ハガキ、名刺、封筒などのシート搬送方向長さが短い小サイズシートを大量に印刷するなどのとき、排出トレイ10に縦置き姿勢でシートをスタックする。排出トレイ10に縦置き姿勢でシートをスタックする場合は、支持部材11と排出トレイ10の載置面10aとの角度θが45°~60°となるように、排出トレイ10に収納されている支持部材11を立ち上げる。また、排出トレイ10に縦置き姿勢でシートをスタックする場合、ユーザーは、操作パネル3cを操作して、縦置き姿勢排出モードを設定する。
【0036】
縦置き姿勢排出モードが設定されると、移動機構30が駆動し、支持部材11を排出補助ローラ12のシート排出方向下流側の近傍の開始位置まで移動させる。例えば、開始位置に支持部材11がきたことを検出するセンサを設け、センサの検出結果に基づいて、移動機構30を制御することで、支持部材11を開始位置に位置させることができる。
【0037】
シートの排出動作が開始されて、排出ローラ対13が回転駆動するのと同時に、排出補助ローラ12が、図中矢印Cに示すように、図中時計回り回動し、排出トレイ上に排出された小サイズシートの搬送を補助する。
【0038】
排出ローラ対13により小サイズシートが排出トレイ10上に排出されだすと、排出補助ローラ12に小サイズシートが接触して小サイズシートが下方に撓み小サイズシートの先端が排出トレイ10上に接触し若干撓む。さらに小サイズシートが排出されると小サイズシートの先端が排出トレイ10と摺接移動するときに撓みが戻り小サイズシートの先端が上方に向かいやすくなる。このためシートの排出方向の下流側端部である先端が支持部材11に突き当たるときに上方に向かいやすくなる。従って、支持部材11に突き合ったシートの先端は、移動方向の向きが変更され、排出補助ローラ12の搬送力により支持部材11の支持面11aに沿って斜め上方へ移動する。そして、シートの後端が排出補助ローラ12を抜けると、シートは支持部材11に傾斜した縦置き姿勢で排出トレイ上にスタックされる。
なお、小サイズシートが排出ローラ対13に挟持され排出されるとき、小サイズシートが排出補助ローラ12に接触したり排出トレイ10に接触したりしても排出できるように、排出補助ローラ12や排出トレイ10は挟持される排出ローラ対13よりも摩擦力の低い材料を用いている。
【0039】
図8、
図9は、縦置き姿勢排出モードにおける支持部材11の移動制御について説明する図である。
図8は、シート排出直後の様子を示しており、
図9は、移動制御完了後の様子を示している。
シート検知機構40の検知フィラー41は、排出中のシートの面に接触し、シート先端の斜め上方へ移動に伴い図中時計回り回動する。そして、シートの後端が排出補助ローラ12を抜け、支持部材11により縦置き姿勢で支持されると、検知フィラー41がセンサ42と対向しなくなり、排出トレイ10上に縦置き姿勢で支持されたシートがあると検知される。
【0040】
シート検知機構40がシートがあると検知したら、排出補助ローラ12の回動を停止するとともに、制御部50は、移動機構30のモータ32を駆動して、支持部材11を図中矢印D方向(排出方向の下流側)へ移動させる。
【0041】
本実施形態においては、検知フィラー41の回転軸41a方向から見た検知フィラー41の形状が円弧形状となっている。これにより、上記回転軸方向から見たとき検知フィラー41の形状が直線状の場合に比べて、シートの先端の移動方向が支持部材11により斜め上方に変更されたときに、シートの搬送に追随して回動しやすくなる。これにより、シート検知機構40により排出トレイ上に縦置き姿勢で支持されているシートを良好に検知することができる。なお、本実施形態では、円弧形状であるが、上記回転軸方向から見た検知フィラー41の形状が、略中央部分で折れ曲がったくの字形状であってもよい。検知フィラー41の形状が、くの字形状の場合でも、円弧形状の場合と同様、シート検知機構40により排出トレイ上に縦置き姿勢でスタックされたシートを良好に検知することができる。
【0042】
このように、本実施形態では、シート検知機構40によって、平置き姿勢で排出トレイ10にスタックされたシート束の高さ検知と、縦置き姿勢で支持されているシートの検知とを行うことができる。これにより、平置き姿勢で排出トレイ10にスタックするときの排出トレイの下降制御と、縦置き姿勢で排出トレイ10にスタックするときの支持部材11の移動制御の両方を、シート検知機構40の検出結果に基づいて行うことができる。よって、平置き姿勢で排出トレイ10にスタックされたシート束の高さを検知する手段と、縦置き姿勢で支持されたシートを検知する手段とを別々に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。これにより、装置のコストダウンを図ることができる。
【0043】
支持部材11を図中矢印D方向(排出方向の下流側)へ移動すると、支持部材11に縦置き姿勢で支持されているシート束Ptは、検知フィラー41の自重により押され、支持部材11とともに排出方向下流側へ移動する。すると、検知フィラー41が、
図9に示すように、図中反時計回りに回動し、検知フィラー41がセンサ42と再び対向してシート無検知となる。シート無検知となったら、制御部50は、モータ32の駆動を停止し、支持部材11の移動を停止する。これにより、排出トレイ10に縦置き姿勢でスタックされているシート束Ptの排出方向上流側端部と排出補助ローラ12との間に、次のシートが縦置き姿勢でスタック可能な隙間が形成される。
【0044】
このような移動制御が、シートが排出される毎に実行されることで、大量のシートを安定的に縦置き姿勢で排出トレイ上にスタックすることができる。そして、支持部材11が、これ以上移動できない満杯状態となる所定の位置に到達したときは、制御部50は、満杯状態と判定し、排出トレイ10へのシートの排出を停止する。また、ユーザーに排出トレイ10のシートを取り出すように指示を出す。ユーザーへの指示方法としては、例えば、画像形成装置3の操作パネル3cに、排出トレイ10のシートを取り出すように表示を行うことが挙げられる。
【0045】
排出補助ローラ12は、ゴムローラやスポンジローラ等の弾性回転体とし、弾性変形可能な構成とするのが好ましい。排出補助ローラ12を弾性回転体とすることで、シート搬送中に排出補助ローラ12が弾性変形して、搬送中のシートと、縦置き姿勢でスタックされている排出トレイ上のシート束との接触圧を低減することができる。これにより、排出トレイ10上のシート束のシートが、斜め上方に移動しているシートととも斜め上方へ移動するのを抑制できる。
【0046】
本実施形態では、支持部材11および移動機構30を排出トレイ10に設けることで、縦置き姿勢で排出トレイ上にシートをスタックすることができ、単一の排出トレイ10で、平置き姿勢のスタックと縦置き姿勢のスタックの両方を行うことができる。これにより、縦置き姿勢でシートをスタックするときは、縦置き姿勢でシートをスタックする専用のトレイ(ベースフレーム)を排出トレイ10に取り付ける特許文献1に記載の装置に比べて、平置き姿勢から縦置き姿勢に変更するときの装置の構造変更を抑制できる。
【0047】
さらに、本実施形態においては、縦置き姿勢でスタックするときに必要な、移動機構30、排出補助ローラ12も予め装置に設けられている。よって、平置き姿勢から縦置き姿勢に変更するときの装置の構造変更をより一層抑制でき、安価な構成で、平置き姿勢のスタックと縦置き姿勢のスタックとを行うことが可能となる。また、縦置き姿勢で排出トレイ10に排出する際は、支持部材11を立ち上げるだけで、縦置き姿勢でのスタックが可能となり、容易に平置き姿勢から縦置き姿勢のスタックに切り替えることができる。
【0048】
支持部材11の排出トレイの載置面10aに対する角度θ(
図7参照)が大きいほど、多くのシートを排出トレイにスタック可能であるが、シートによっては、角度θが大きいと、安定的に縦置き姿勢で支持できないおそれがある。具体的には薄紙などのコシの弱いシートについては、支持部材11の排出トレイの載置面10aに対する角度θが大きいと、自重で下方が撓んで、滑り落ちるおそれがある。
【0049】
本実施形態では、角度調整機構16を有しており、支持部材11の排出トレイの載置面10aに対する角度θが調整可能となっている。これにより、支持部材11の排出トレイの載置面10aに対する角度θを、シートの種類に対応した角度に調整することができる。これにより、薄紙などのシートであっても、安定的の縦置き姿勢で排出トレイにスタックすることができる。
一方、適度なコシを有するシートの場合は、支持部材11の排出トレイの載置面10aに対する角度θを大きくすることで、多くのシートを排出トレイにスタックすることができる。
【0050】
図10は、排出トレイ10に、縦置き姿勢でスタックされるシートの姿勢支持を補助する補助支持部材17を設けた例を示す図である。
補助支持部材17は、排出トレイ10内に収納可能に構成され、縦置き姿勢でシートをスタックするときに、補助支持部材17を収納位置から、
図10に示すように、排出トレイ10の載置面10aから突き出た使用位置に位置させる。なお、補助支持部材17を排出トレイ10に着脱可能に構成し、縦置き姿勢でシートをスタックするときに補助支持部材17を排出トレイ10に取り付ける構成としてもよい。しかしながら、補助支持部材17を排出トレイ10内に収納可能とすることで、縦置き姿勢で排出トレイ10に排出する準備の手間を軽減できるというメリットがある。
【0051】
補助支持部材17は、排出補助ローラ12の下流近傍に配置され、補助支持部材17の排出補助ローラ12との対向面は、シート排出方向下流側が上流側よりも上方に位置するような傾斜面17aとなっている。また、補助支持部材17の支持部材11若しくは、縦置き姿勢で支持されているシートと対向する面は、排出トレイ10の載置面に対して傾斜面17aよりも垂直に近い面となっている。なお、補助支持部材17の支持部材11若しくは、縦置き姿勢で支持されているシートと対向する面を、支持部材11のシートが接触する面と平行な面としてもよい。
【0052】
この
図10に示す構成においては、排出ローラ対13により小サイズシートが排出トレイ10上に排出されると、シートの先端が補助支持部材17の傾斜面17aに案内されて、移動方向の向きが斜め上方に変更される。そして、シートの後端が補助支持部材17を乗り越えると、シートの下端(後端)が、支持部材11または縦置き姿勢のシート束と補助支持部材17との隙間の排出トレイ10上に落ち込み、シートの下端側のシート面が、補助支持部材17に対向する。
【0053】
上述したように、排出されるシートが薄紙などのコシの弱いシートの場合、縦置き姿勢でスタックした際に自重により下側が撓んでシートが滑り落ちやすい。しかし、補助支持部材17を設けることで、縦置き姿勢でスタックされたシートの下端側が、補助支持部材17に対向し、シートの下端が、排出ローラ対に向かって移動するのを、補助支持部材17により規制することができる。これにより、縦置き姿勢でスタックされたシートの滑り落ちを防止でき、薄紙などのコシの弱いシートを安定して縦置き姿勢でスタックすることができる。
【0054】
なお、
図11に示すように、補助支持部材17の傾斜面17aに排出補助ローラ12が接触する構成としてもよい。
図11に示す構成においても、補助支持部材17の傾斜面17aにより、シートの先端の移動方向の向きを斜め上方に変更することができる。
【0055】
また、排出部1に排出トレイ10に排出されたシートの後端を、後処理装置2の外壁面2aに突き当てて、排出トレイ10にスタックされたシートの整合を図る戻しローラを備えた後処理装置において、縦置き姿勢でシートをスタックする場合に次の排出トレイユニットを排出トレイにセットする構成でもよい。すなわち、支持部材11と移動機構30を備えた排出トレイユニットである。そして、排出トレイユニットを排出トレイにセットしたときは、上記戻しローラを、上述した排出補助ローラとして用いる。これにより、排出トレイユニットに排出補助ローラを設け、排紙トレイユニットに縦置き姿勢でシートをスタックするときは、戻しローラを取り外す構成に比べて、戻しローラ(排出補助ローラ)の分だけ、平置き姿勢から縦置き姿勢に変更する際の装置の構造変更を抑えることができ、装置の構成を簡素化することができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、シートに画像形成処理を行う処理装置としての画像形成装置3の排出部やシートたる原稿に対して原稿画像読取処理を行う画像読取部3bのADF15bの原稿排出部に本発明を適用することができる。
【0057】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
シートを排出する排出ローラ対13などの排出手段と、排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面10aに接触する姿勢でスタック可能な排出トレイ10とを備えた排出部1などのシート排出装置において、排出されたシートを傾斜した姿勢で支持する支持部材11と、支持部材11をシートの排出方向に移動させる移動機構30などの移動手段とを備え、支持部材11を、排出方向に移動可能に排出トレイ10に支持した。
これによれば、排出方向に移動可能に排出トレイに支持部材が支持されることで、縦置き姿勢でシートをスタックする機能を排出トレイに持たせることができ、ベースフレームを不要にできる。よって、縦置き姿勢でシートをスタックする際には、ベースフレームの取り付けを不要でき、平置き姿勢でシートがスタック可能な状態から、縦置き姿勢でシートをスタック可能な状態に変更するときに、少なくとも、ベースフレームの分、装置の構造の変更が抑えられ、装置の構成を簡素化することができる。
【0058】
(態様2)
態様1において、支持部材11を、排出トレイ10に収納可能に構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、排出トレイ10に支持部材11を収納する収納部が無い構成に比べて、縦置き姿勢で排出トレイ10に排出する際にすぐに支持部材11の準備をできる。
【0059】
(態様3)
態様1または2において、排出ローラ対13などの排出手段よりもシート排出方向下流側で、シートの排出を補助する排出補助ローラ12などの補助搬送部材を有し、補助搬送部材は、支持部材11によりシートを傾斜した姿勢である縦置き姿勢で支持するときは、シートの排出を補助し、シート面が載置面に接触する姿勢である平置き姿勢でシートをスタックするときは、排出トレイ10上のシートを排出方向とは逆方向に搬送して、シートの後端を、排出方向に直交する後処理装置2の外壁面2aなどの壁部に突き当てる。
これによれば、実施形態で説明したように、縦置き姿勢のとき、排出トレイに排出されたシートの先端が斜め上方に移動するように良好にシート搬送することができ、かつ、平置き姿勢のとき、排出トレイ10の上のシートの整合を行うことができる。
【0060】
(態様4)
態様3において、排出補助ローラ12などの補助搬送部材は、弾性回転体である。
これによれば、実施形態で説明したように、シート搬送中に排出補助ローラ12などの補助搬送部材が弾性変形して、搬送中のシートと、縦置き姿勢でスタックされている排出トレイ上のシート束との接触圧を低減することができる。これにより、シート束のシートが、斜め上方に移動しているシートととも斜め上方へ移動するのを抑制できる。
【0061】
(態様5)
シートを排出する排出ローラ対13などの排出手段と、排出手段によって排出されたシートのシート面が載置面10aに接触する姿勢である平置き姿勢でスタック可能な排出トレイ10と、を備えた排出部1などのシート排出装置において、排出手段により処理装置本体から排出されたシートを傾斜した姿勢である縦置き姿勢で支持する支持部材11と、支持部材11をシートの排出方向に移動させる移動機構30などの移動手段と、排出トレイ10上のシートを排出方向とは逆方向に搬送して、シートの排出方向上流側端部を、排出方向に直交する後処理装置2の外壁面2aなどの壁部に突き当てる戻しローラなどの戻し手段とを備え、支持部材11により傾斜した姿勢である縦置き姿勢でシートを支持するとき、戻し手段によりシートを搬送し、シートの排出を補助する。
これによれば、実施形態で説明したように、平置き姿勢でシートがスタック可能な状態から、縦置き姿勢でシートをスタック可能な状態に変更するときに、少なくとも、戻し手段の分、装置の構造の変更が抑えられ、装置の構成を簡素化することができる。
【0062】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、支持部材11により傾斜した姿勢で支持されたシートを検知するシート検知機構40などのシート検知手段を備え、移動機構30などの移動手段は、シート検知手段の検知結果に基づいて、支持部材11をシートの排出方向の下流側へ移動させる。
これによれば、シートを安定的に縦置き姿勢で支持し、かつ、大量のシートを縦置き姿勢でスタックすることができる。
【0063】
(態様7)
態様6において、排出トレイ10にシートをシート面が載置面10aに接触する姿勢である平置き姿勢でスタックするとき、シート検知機構40などのシート検知手段によって、排出トレイ10に鉛直方向に積み重ねられたシート束の高さを検出する。
これによれば、実施形態で説明したように、排出トレイ10にシートを平置き姿勢でスタックするときシート束の高さを検出する手段と、縦置き姿勢で支持されたシートを検知する手段とそれぞれ設けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0064】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、支持部材11により傾斜した姿勢で支持されたシートの下部とシート排出方向上流側から対向して、シートの姿勢支持を補助する補助支持部材17を備える。
これによれば、
図10、
図11を用いて説明したように、縦置き姿勢でスタックされたシートの滑り落ちを防止でき、薄紙などのコシの弱いシートを安定して縦置き姿勢でスタックすることができる。
【0065】
(態様9)
態様8において、補助支持部材17は、排出トレイ10に収納可能に構成した。
これによれば、
図10を用いて説明したように、縦置き姿勢で排出されたシートを支持する準備の手間を軽減できる。
【0066】
(態様10)
態様1乃至9いずれかにおいて、支持部材11は、排出トレイ10のシート載置面10aに対する角度を変更可能に構成されている。
これによれば、実施形態で説明したように、支持部材11は、排出トレイ10のシート載置面10aに対する角度シートの種類に対応した最適角度に調整することができる。
【0067】
(態様11)
シートに画像を形成する画像形成部たる画像形成手段と、画像が形成されたシートを装置本体外へ排出するシート排出装置とを備えた画像形成装置において、シート排出装置として、態様1乃至10いずれかのシート排出装置を用いた。
これによれば、装置の構造を簡素化して、縦置き姿勢と平置き姿勢の両方の姿勢で、排紙されたシートをスタックすることができる。
【0068】
(態様12)
画像形成装置3により排出されたシートに対して、所定の処理を行う後処理手段と、画像が形成されたシートを装置本体外へ排出する排出部1などのシート排出装置とを備えた後処理装置2において、シート排出装置として、態様1乃至10いずれかのシート排出装置を用いた。
これによれば、装置の構造を簡素化して、縦置き姿勢と平置き姿勢の両方の姿勢で、排紙されたシートをスタックすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 :排出部
2 :後処理装置
2a :外壁面
3 :画像形成装置
3b :画像読取部
3c :操作パネル
4 :画像形成システム
10 :排出トレイ
10a :載置面
10b :収納溝
10c :貫通孔
11 :支持部材
11a :支持面
12 :排出補助ローラ
12a :アーム部材
13 :排出ローラ対
14 :台座部材
14a :ベルト固定部
15a :スキャナ部
15b :ADF
16 :角度調整機構
17 :補助支持部材
17a :傾斜面
30 :移動機構
31 :タイミングベルト
31a :駆動プーリ
31b :従動プーリ
32 :モータ
40 :シート検知機構
41 :検知フィラー
41a :回転軸
42 :センサ
50 :制御部
60 :昇降装置
Pt :シート束
θ :傾斜角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】