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特開2024-153496インターホンシステム、及び、制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153496
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】インターホンシステム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067429
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】岸上 翔
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
(72)【発明者】
【氏名】山尾 勇二
(72)【発明者】
【氏名】寺田 健吾
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD15
5K038DD22
5K038GG05
(57)【要約】
【課題】訪問者の映像を携帯端末から確認することができるインターホンシステムを提供する。
【解決手段】インターホンシステム70は、専有部102外に設けられた、撮影部20aを備えるロビーインターホン20と、専有部102内に設けられたインターホン親機50とを備えるインターホンシステムである。インターホンシステム70は、公衆回線110を介して携帯端末90と通信する第一通信部51を備える。第一通信部51は、ロビーインターホン20によってインターホン親機50の呼出が行われたときに、携帯端末90の呼出を行い、携帯端末90の呼出に応じて携帯端末90から受信した情報に基づく態様で、撮影部20aが撮影した映像を携帯端末90に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、前記施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステムであって、
公衆回線を介して携帯端末と通信する通信部を備え、
前記通信部は、
前記第一端末によって前記第二端末の呼出が行われたときに、前記携帯端末の呼出を行い、
前記携帯端末の呼出に応じて前記携帯端末から受信した情報に基づく態様で、前記撮影部が撮影した映像を前記携帯端末に送信する
インターホンシステム。
【請求項2】
前記通信部は、前記携帯端末の呼出において、前記撮影部が撮影した前記映像を第一の態様で前記携帯端末へ送信し、前記映像の送信に応じて前記携帯端末から受信した前記情報に基づいて、前記第一の態様よりもデータ量の少ない第二の態様で前記撮影部が撮影した前記映像を前記携帯端末へ送信する
請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記第一の態様は、動画である
請求項2に記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記第二の態様は、静止画である
請求項3に記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記静止画は、前記第一端末が前記第二端末の呼出のための操作を受け付けたタイミングにおいて撮影された静止画である
請求項4に記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記第二端末が備える表示部には、前記撮影部が撮像した映像が動画で表示される
請求項4または5に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、前記施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステムと公衆回線を介して通信する携帯端末の制御方法であって、
前記第一端末による前記第二端末の呼出に基づいて、前記インターホンシステムからの呼出を受けるステップと、
前記インターホンシステムからの呼出に応答したことに基づいて、前記インターホンシステムから送信される映像を受信するステップと、
受信された前記映像に関する情報を取得するステップと、
所得された前記映像に関する情報に基づいて、前記インターホンシステムに前記映像の態様の変更に関する情報を送信するステップとを含む
制御方法。
【請求項8】
前記映像は、動画で送信され、
前記取得するステップにおいて取得される前記映像に関する情報には、前記動画のフレームレートが含まれる
請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の制御方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集合住宅で用いられるインターホンシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-38817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、訪問者の映像を携帯端末から確認することができるインターホンシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るインターホンシステムは、施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、前記施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステムであって、公衆回線を介して携帯端末と通信する通信部を備え、前記通信部は、前記第一端末によって前記第二端末の呼出が行われたときに、前記携帯端末の呼出を行い、前記携帯端末の呼出に応じて前記携帯端末から受信した情報に基づく態様で、前記撮影部が撮影した映像を前記携帯端末に送信する。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、前記施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステムと公衆回線を介して通信する携帯端末の制御方法であって、前記第一端末による前記第二端末の呼出に基づいて、前記インターホンシステムからの呼出を受けるステップと、前記インターホンシステムからの呼出に応答したことに基づいて、前記インターホンシステムから送信される映像を受信するステップと、受信された前記映像に関する情報を取得するステップと、所得された前記映像に関する情報に基づいて、前記インターホンシステムに前記映像の態様の変更に関する情報を送信するステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係るインターホンシステム等は、訪問者の映像を携帯端末から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、携帯端末の表示部に表示される通話画面の一例を示す図である。
図3図3は、通話画面における動画及び音声の乱れを模式的に示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る通信システムの動作例のシーケンス図である。
図5図5は、プッシュ通知のアイコンが表示された携帯端末の表示部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る通信システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される通信システム10は、ロビーインターホン20またはインターホン子機57からインターホン親機50が呼び出されたときに、インターホン親機50だけでなく携帯端末90からの応答が可能なシステムである。
【0014】
集合住宅100は、集合施設の一例であり、具体的には、マンション、寮、または、社宅などである。集合住宅100は、共用部101と、複数の専有部102とを備える。専有部102は、集合施設に含まれる施設の一例である。専有部102の居住者は、集合施設に含まれる施設のユーザの一例である。
【0015】
集合住宅100の共用部101には、ロビーインターホン20、制御装置30、ゲートウェイ装置40、及び、オートロック式ドア60が設けられている。インターホン親機50及びインターホン子機57は、複数の専有部102のそれぞれに設けられている。通信システム10は、これらの集合住宅100内に設けられた装置を備える。なお、ロビーインターホン20及びインターホン子機57は、集合住宅100内であって、専有部102外に設けられている。
【0016】
ロビーインターホン20、制御装置30、ゲートウェイ装置40、インターホン親機50、インターホン子機57、及び、オートロック式ドア60は、インターホンシステム70を構成する。つまり、インターホンシステム70は、ロビーインターホン20、制御装置30、ゲートウェイ装置40、インターホン親機50、インターホン子機57、及び、オートロック式ドア60を備える。
【0017】
また、集合住宅100の外には、サーバシステム80、及び、携帯端末90が位置する。通信システム10は、これらの集合住宅100外に位置する装置を備える。なお、携帯端末90は、集合住宅100内に位置する場合もある。
【0018】
以下、通信システム10が備える各装置について説明する。ロビーインターホン20は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)のオートロック式ドア60の外側(屋外側)に設けられる端末である。ロビーインターホン20は、専有部102外(施設外)に設けられた第一端末の一例である。ロビーインターホン20は、ロビーインターホン20に対して呼び出し操作を行う訪問者の映像を撮影する撮影部20aを備える。撮影部20aは、例えば、イメージセンサなどによって実現されるカメラである。また、ロビーインターホン20は、オートロック式ドア60を制御する。
【0019】
制御装置30は、集合住宅100内に設けられた装置間の通信の制御を行う装置である。制御装置30は、例えば、ロビーインターホン20とインターホン親機50との間の通信を制御する。
【0020】
ゲートウェイ装置40は、インターホン親機50などの集合住宅100に設けられた装置が、インターネットなどの公衆回線110を通じてサーバシステム80と通信するための通信装置である。
【0021】
インターホン親機50は、集合住宅100の専有部102に固定設置された端末である。インターホン親機50は、専有部102内(施設内)に設けられた第二端末の一例である。インターホン親機50は、専有部102の居住者がロビーインターホン20またはインターホン子機57を介して訪問者と通話するための情報処理などを行う。インターホン親機50は、具体的には、第一通信部51と、情報処理部52と、記憶部53と、操作受付部54と、表示部55と、第二通信部56とを備える。
【0022】
第一通信部51は、インターホン親機50が、制御装置30と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。第一通信部51は、制御装置30及びゲートウェイ装置40を通じて、公衆回線110を介してサーバシステム80及び携帯端末90と通信を行うことができる。第一通信部51によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。第一通信部51によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0023】
情報処理部52は、居住者がロビーインターホン20またはインターホン子機57を介して訪問者と通話するための情報処理を行う。情報処理部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部52の機能は、情報処理部52を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部53に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0024】
記憶部53は、情報処理部52が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0025】
操作受付部54は、居住者が訪問者との通話を開始するための操作、及び、サービスを選択する操作などを受け付ける。操作受付部54は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、ハードウェアボタンによって実現されてもよい。
【0026】
表示部55は、ロビーインターホン20が備える撮影部によって撮影される訪問者の映像、または、インターホン子機57が備える撮影部57aによって撮影される訪問者の映像を表示する。表示部55は、液晶パネルまたは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0027】
第二通信部56は、インターホン親機50が、インターホン子機57と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。第二通信部56によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。第二通信部56によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。なお、第二通信部56は、第一通信部51に含まれてもよい。つまり、インターホン親機50は、第一通信部51及び第二通信部56の機能を兼ね備えた単一の通信回路(通信モジュール)を備えてもよい。
【0028】
インターホン子機57は、いわゆるドアホンであり、専有部102の出入口の外側に設けられる端末である。インターホン子機57は、専有部102外(施設外)に設けられた第一端末の一例である。インターホン子機57は、インターホン子機57に対して呼び出し操作を行う訪問者の映像を撮影する撮影部57aを備える。撮影部57aは、例えば、イメージセンサなどによって実現されるカメラである。
【0029】
オートロック式ドア60は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)に設けられた扉である。言い換えれば、オートロック式ドア60は、集合住宅100の共用部101の出入口の扉である。オートロック式ドア60は、解錠(または開放)されてから一定時間の経過後に自動的に施錠(または閉鎖)される。
【0030】
サーバシステム80は、インターホン親機50、及び、携帯端末90がP2P(Peer-to-Peer)によって通信するための情報処理を行う。サーバシステム80は、集合住宅100外に設けられた1つまたは複数のクラウドサーバによって実現されるコンピュータシステムである。サーバシステム80は、具体的には、通信部81と、情報処理部82と、記憶部83とを備える。
【0031】
通信部81は、サーバシステム80が、集合住宅100に設けられたゲートウェイ装置40(インターホン親機50)、及び、携帯端末90などと公衆回線110を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部81によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0032】
情報処理部82は、インターホン親機50、及び、携帯端末90がP2Pによって通信するための情報処理を行う。情報処理部82は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部82は、機能的な構成要素として、P2P接続処理部84、及び、通知部85を有する。P2P接続処理部84、及び、通知部85の機能は、例えば、情報処理部82を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等(ハードウェア)が記憶部83に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。P2P接続処理部84、及び、通知部85のそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0033】
記憶部83は、情報処理に必要な情報、及び、情報処理部82が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部83は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0034】
携帯端末90は、専有部102の居住者が所持する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。居住者は、ロビーインターホン20またはインターホン子機57からインターホン親機50が呼び出されたときに、インターホン親機50に代えて携帯端末90を使用して応答することができる。携帯端末90は、通信部91と、情報処理部92と、記憶部93と、操作受付部94と、表示部95とを備える。
【0035】
通信部91は、携帯端末90が、インターホン親機50及びサーバシステム80と、公衆回線110を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部91によって行われる通信は、例えば、無線通信である。通信部91によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0036】
情報処理部92は、居住者がロビーインターホン20またはインターホン子機57を介して訪問者と通話するための情報処理を行う。情報処理部92は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部92の機能は、情報処理部92を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部93に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0037】
記憶部93は、情報処理部92が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部93に記憶されるコンピュータプログラムには、ロビーインターホン20またはインターホン子機57に応答するための所定のアプリケーションプログラム(以下、単に所定のアプリとも記載される)が含まれる。記憶部93は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0038】
操作受付部94は、居住者の操作を受け付ける。操作受付部94は、例えば、タッチパネルによって実現される。
【0039】
表示部95は、ロビーインターホン20が備える撮影部20aによって撮影される訪問者の映像、または、インターホン子機57が備える撮影部57aによって撮影される訪問者の映像を表示する。表示部95は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0040】
[動作例]
上述のように、通信システム10においては、ロビーインターホン20またはインターホン子機57からインターホン親機50が呼び出されたときに、インターホン親機50だけでなく携帯端末90からの応答が可能である。図2は、ロビーインターホン20またはインターホン子機57からの呼び出しに携帯端末90から応答する場合に携帯端末90の表示部95に表示される通話画面の一例を示す図である。図2に示されるように、携帯端末90の表示部95には撮影部20aまたは撮影部57aによって撮影された訪問者の動画がリアルタイムに表示され、かつ、携帯端末90のスピーカ(図示せず)からはロビーインターホン20またはインターホン子機57が備えるマイクロフォン(図示せず)によって取得された居住者の音声がリアルタイムに出力される。
【0041】
ここで、呼び出しへの応答に携帯端末90が使用されるときには、インターホン親機50と携帯端末90とが公衆回線110を介してP2Pで通信を行う。そうすると、携帯端末90に通信量の制限が加わっているときなどの、インターホン親機50と携帯端末90との通信品質が悪い環境においては、携帯端末90において、動画及び音声の乱れ(遅延)等が発生する。図3は、通話画面における動画及び音声の乱れを模式的に示す図である。
【0042】
そこで、通信システム10においては、インターホン親機50は、携帯端末90との通信品質が悪い場合に、動画配信を停止し音声の配信を優先する処理を行う。以下、このような通信システム10の動作例について説明する。図4は、通信システム10の動作例のシーケンス図である。
【0043】
なお、ロビーインターホン20とインターホン親機50が通信を行うときには、制御装置30が介在し、インターホン親機50と携帯端末90が通信を行うときには、制御装置30及びゲートウェイ装置40が介在するが、図4では制御装置30及びゲートウェイ装置40の図示が省略されている。
【0044】
訪問者は、集合住宅100の入り口に到着するとロビーインターホン20に対して呼び出しのための操作(専有部102の番号を指定する操作など。以下、呼出操作とも記載される)を行う。ロビーインターホン20は、呼出操作を受け付け(S11)、撮影部20aによる訪問者の撮影を開始する(S12)。なお、図示されないが、ロビーインターホン20は、マイクロフォン(図示せず)による音声の取得も開始する。
【0045】
また、ロビーインターホン20は、呼出操作によって指定された専有部102に設けられたインターホン親機50に呼出情報を送信する(S13)。呼出情報には、呼出操作が行われたタイミングに撮影部20aによって撮影された静止画が含まれる。
【0046】
インターホン親機50の第一通信部51は、呼出情報を受信する。情報処理部52は、受信された呼出情報に含まれる静止画を記憶部53に記憶する(S14)。静止画は、呼出情報とは別に、ロビーインターホン20からインターホン親機50に送信されてもよい。なお、図4では図示されないが、ステップS13及びステップS14の時点で、呼出操作が行われたタイミング以降に撮影された動画及び音声がロビーインターホン20からインターホン親機50に配信され、居住者は、インターホン親機50から応答することも可能である。
【0047】
また、情報処理部52は、通知要求をサーバシステム80へ送信する(S15)。通知要求は、より具体的には、第一通信部51によって、公衆回線110を介してサーバシステム80へ送信される。
【0048】
サーバシステム80の通信部81は、通知要求を受信する。通知部85は、受信された通知要求に基づいて、携帯端末90へ通知情報を送信する(S16)。通知情報は、より具体的には、通信部81によって公衆回線110を介して携帯端末90へ送信される。通知情報は、例えば、インターホン親機50に着信があった(インターホン親機50が呼び出された)ことをプッシュ通知するための情報である。
【0049】
携帯端末90の通信部91は、通知情報を受信する。情報処理部92は、受信された通知情報に基づいて、インターホン親機50に着信があったことのプッシュ通知を行う(S17)。情報処理部92は、具体的には、表示部95にプッシュ通知のアイコンを表示する。図5は、プッシュ通知のアイコンが表示された表示部95の一例を示す図である。
【0050】
居住者は、図5の「応答」と表示された領域へのタップ操作などの応答操作を行い、操作受付部94は、応答操作を受け付ける(S18)。なお、応答操作が行われなかった場合は、ステップS19以降の処理は行われない。
【0051】
情報処理部92は、応答操作が受け付けられると、接続要求をサーバシステム80へ送信する(S19)。接続要求は、より具体的には、通信部91によって、公衆回線110を介してサーバシステム80へ送信される。接続要求は、例えば、携帯端末90とインターホン親機50とがP2Pによって通信するための接続情報の提供をサーバシステム80へ要求するための情報である。
【0052】
サーバシステム80の通信部81は、接続要求を受信する。P2P接続処理部84は、受信された接続要求に基づいて、携帯端末90とインターホン親機50とがP2Pによって通信するための接続情報を携帯端末90及びインターホン親機50のそれぞれへ送信する(S20)。接続情報は、より具体的には、通信部81によって公衆回線110を介して携帯端末90及びインターホン親機50のそれぞれへ送信される。
【0053】
携帯端末90の通信部91によって接続情報が受信され、インターホン親機50の第一通信部51によって接続情報が受信されると、携帯端末90(通信部91)とインターホン親機50(第一通信部51)とのP2Pによる通信が開始される(S21)。具体的には、ロビーインターホン20によって取得された動画及び音声が、インターホン親機50から公衆回線110を介して携帯端末90へリアルタイムに配信され、図2(または図3)のような通話画面が表示される。
【0054】
動画の配信が開始された後、携帯端末90の情報処理部92は、配信される動画のフレームレートを取得(算出)し(S22)、取得したフレームレートが所定値以下であるか否かを判定する。つまり、情報処理部92は、P2Pの通信品質の良否を判定する。情報処理部92は、取得したフレームレートが所定値以下であると判定すると(S23)、動画の配信の停止を要求する停止要求をインターホン親機50へ送信する(S24)。停止要求は、より具体的には、通信部91によってインターホン親機50へ送信される。
【0055】
インターホン親機50の第一通信部51は、停止要求を受信する。情報処理部52は、受信された停止要求に基づいて、携帯端末90への動画の配信を停止する(S25)。また、情報処理部52は、ステップS12において記憶部53に記憶された静止画(ロビーインターホン20が呼出操作を受け付けたタイミングにおいて撮影部20aによって撮影された静止画)を携帯端末90へ送信する(S26)。静止画は、より具体的には、第一通信部51によって携帯端末90へ送信される。
【0056】
携帯端末90の通信部91は、静止画を受信し、図2(または図3)の動画の表示領域に、受信した静止画を表示する。ステップS25以降も、ロビーインターホン20によって取得された音声の配信は継続される。
【0057】
なお、ステップS22の後、取得したフレームレートが所定値よりも大きいと判定された場合、ステップS24~S26の処理は行われず、動画及び音声の配信が継続される。また、インターホン親機50から携帯端末90への動画の配信が停止されたか否かにかかわらず、ステップS13以降において、インターホン親機50が備える表示部55には、撮影部20aが撮像した映像が動画で表示される。
【0058】
以上説明したように、通信システム10において、インターホン親機50の第一通信部51は、ロビーインターホン20によってインターホン親機50の呼出が行われたときに、携帯端末90の呼出(通知要求の送信)を行う。また、第一通信部51は、携帯端末90の呼出に応じて携帯端末90から受信した情報(停止要求)に基づく態様でロビーインターホン20が備える撮影部20aが撮影した映像を携帯端末90に送信する。第一通信部51は、具体的には、携帯端末90の呼出において、当初は撮影部20aが撮像した映像を動画で携帯端末90へ送信し、停止要求に基づいて、撮影部20aが撮像した映像を静止画で携帯端末90へ送信する。
【0059】
つまり、通信システム10は、インターホン親機50及び携帯端末90の通信品質が悪い(動画のフレームレートが低い)と推定される場合に、動画の配信を停止し、音声の配信のみを行う。通信システム10は、通信帯域を全て音声に割り当てることで音声の劣化を回避することができる。また、動画の配信が停止された場合には、携帯端末90へ静止画が配信され、携帯端末90は、静止画を図2(または図3)の通話画面に表示する。これにより、居住者は、動画の配信が停止されても訪問者が誰であるかを確認することができる。
【0060】
なお、本動作例は、ロビーインターホン20に対して呼出操作が行われた場合の動作例であるが、インターホン子機57に対して呼出操作が行われた場合も同様の動作を実現することができる。図4の説明、及び、以下の変形例の説明において、ロビーインターホン20及び撮影部20aは、適宜、インターホン子機57及び撮影部57aに読み替えられてよい。
【0061】
[変形例]
上記実施の形態では、インターホン親機50の第一通信部51は、当初は撮影部20aが撮影した映像を動画で携帯端末90へ送信し、停止要求に基づいて、撮影部20aが撮影した映像を静止画で携帯端末90へ送信した。しかしながら、第一通信部51は、当初は撮影部20aが撮影した映像を第一のフレームレートで携帯端末90へ送信し、携帯端末90からの要求に基づいて、撮影部20aが撮影した映像を第一のフレームレートよりも低い第二のフレームレートで携帯端末90へ送信してもよい。言い換えれば、インターホン親機50は、携帯端末90からの要求に基づいて、動画の配信を停止せずに動画のフレームレートを低下させてもよい。第二のフレームレートは、例えば、1フレーム/1秒などである。
【0062】
この場合も、通信システム10は、インターホン親機50及び携帯端末90の通信品質が悪い(動画のフレームレートが低い)と推定される場合に、動画のフレームレートを低下させることで、音声に割り当てられる通信帯域を相対的に増加させることができる。よって、通信システム10は、音声の劣化を回避することができる。また、居住者は、訪問者が誰であるかを確認することができる。
【0063】
このように、インターホン親機50の第一通信部51は、当初は撮影部20aが撮影した映像を第一の態様で携帯端末90へ送信し、映像の送信に応じて携帯端末90から受信した情報(停止要求など)に基づいて、第一の態様よりもデータ量の少ない第二の態様で撮影部20aが撮影した映像を携帯端末90へ送信すればよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、動画に代えて通話画面に表示される静止画は、呼出操作をロビーインターホン20が受け付けたタイミングにおいて撮影された静止画であった。しかしながら、動画に代えて通話画面に表示される静止画は、停止要求を受信したタイミング、または、この直後のタイミングで撮影された静止画など、他のタイミングにおいて撮影された静止画であってもよい。なお、呼出操作をロビーインターホン20が受け付けたタイミングにおいて撮影された静止画は、訪問者の顔が映っている可能性が高い静止画であるといえる。
【0065】
また、上記実施の形態では、携帯端末90は、動画の配信を停止するか否かの判定を行うために、動画のフレームレートを取得(算出)した。しかしながら、携帯端末90は、映像に関する情報を取得すればよい。ここでの映像は、インターホン親機50からの呼出に携帯端末90が応答したことに基づいてインターホンシステム70から送信される映像である。映像に関する情報には、当該映像のフレームレートだけでなく、当該映像の伝送速度(ビットレート)なども含まれる。
【0066】
[効果等]
本明細書の開示内容から導き出される発明は、例えば以下のような発明である。以下、本明細書の開示内容から導き出される発明について、当該発明によって得られる効果等と合わせて説明する。
【0067】
発明1は、施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステム70であって、公衆回線110を介して携帯端末90と通信する第一通信部51を備え、第一通信部51は、第一端末によって第二端末の呼出が行われたときに、携帯端末90の呼出を行い、携帯端末90の呼出に応じて携帯端末90から受信した情報に基づく態様で、撮影部が撮影した映像を携帯端末90に送信する、インターホンシステム70である。施設は、例えば、専有部102であり、第一端末は、例えば、ロビーインターホン20またはインターホン子機57であり、撮影部は、撮影部20aまたは撮影部57aであり、第二端末は、例えば、インターホン親機50である。携帯端末90の呼出に応じて携帯端末90から受信した情報は、例えば、停止要求である。
【0068】
このようなインターホンシステム70によれば、施設のユーザ(居住者)は、訪問者の映像を携帯端末90から確認することができる。また、インターホンシステム70は、携帯端末90から受信した情報に基づく態様で、映像を携帯端末90に送信することができる。
【0069】
発明2は、第一通信部51は、携帯端末90の呼出において、撮影部が撮影した映像を第一の態様で携帯端末90へ送信し、映像の送信に応じて携帯端末90から受信した上記情報に基づいて、第一の態様よりもデータ量の少ない第二の態様で撮影部が撮影した映像を携帯端末90へ送信する、発明1のインターホンシステム70である。
【0070】
このようなインターホンシステム70は、携帯端末90から受信した情報に基づいて、映像のデータ量を少なくして、携帯端末90に送信することができる。
【0071】
発明3は、第一の態様は、動画である、発明2のインターホンシステム70である。
【0072】
このようなインターホンシステム70は、携帯端末90から受信した情報に基づいて、動画で送信していた映像のデータ量を少なくして、携帯端末90に送信することができる。
【0073】
発明4は、第二の態様は、静止画である、発明3のインターホンシステム70である。
【0074】
このようなインターホンシステム70は、携帯端末90から受信した情報に基づいて、動画で送信していた映像を静止画に変更して、携帯端末90に送信することができる。
【0075】
発明5は、静止画は、第一端末が第二端末の呼出のための操作を受け付けたタイミングにおいて撮影された静止画である、発明4のインターホンシステム70である。
【0076】
このようなインターホンシステム70は、訪問者の顔が映っている可能性が高い静止画を携帯端末90に送信することができる。
【0077】
発明6は、第二端末が備える表示部には、撮影部が撮像した映像が動画で表示される、発明4または5のインターホンシステム70である。
【0078】
このようなインターホンシステム70は、携帯端末90に静止画が送信される場合であっても、第二端末が備える表示部には映像を動画で表示することができる。
【0079】
発明7は、施設外に設けられた、撮影部を備える第一端末と、施設内に設けられた第二端末とを備えるインターホンシステム70と公衆回線110を介して通信する携帯端末90の制御方法であって、第一端末による第二端末の呼出に基づいて、インターホンシステム70からの呼出を受けるステップS16と、インターホンシステム70からの呼出に応答したことに基づいてインターホンシステム70から送信される映像を受信するステップと、受信された映像に関する情報を取得するステップS22と、取得された映像に関する情報に基づいて、インターホンシステム70に映像の態様の変更に関する情報を送信するステップS24とを含む、制御方法である。映像の態様の変更に関する情報は、例えば、停止要求などである。
【0080】
このような制御方法は、取得した映像に関する情報に基づいて、映像の態様を変更することができる。
【0081】
発明8は、映像は、動画で送信され、取得するステップS22において取得される映像に関する情報には、動画のフレームレートが含まれる、発明7の制御方法である。
【0082】
このような制御方法は、映像のフレームレートに基づいて、映像の態様の変更に関する情報を送信することができる。
【0083】
発明9は、発明7または8の制御方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0084】
このようなプログラムによれば、コンピュータシステムは、映像に関する情報を取得することにより、映像の態様を変更するように携帯端末90を制御することができる。なお、コンピュータシステムは、例えば、携帯端末90に内蔵されるコンピュータシステム(情報処理部92など)である。
【0085】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0086】
例えば、上記実施の形態では、インターホンシステムは、集合住宅に適用されたが、集合住宅以外の集合施設に適用されてもよい。例えば、インターホンシステムは、オフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の、複数の施設(複数の会社、部課、部門等)を含む集合施設に適用することができる。また、インターホンシステムは、集合施設ではなく、戸建住宅などの施設に適用されてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、インターホンシステムは、複数の装置によって実現された。このようにインターホンシステムが複数の装置によって実現される場合、インターホンシステムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。通信システムなどの他のシステムについても同様である。
【0088】
また、インターホンシステムは、単一の装置として実現されてもよい。例えば、インターホンシステムは、インターホン親機に相当する単一の装置として実現されてもよい。通信システムなどの他のシステムについても同様である。
【0089】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0090】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0092】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0093】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0094】
例えば、本発明は、上記実施の形態のインターホン親機またはサーバシステムなどとして実現されてもよい、また、本発明は、コンピュータシステムが実行する方法として実現されてもよいし、方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラム(言い換えれば、コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0095】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
10 通信システム
20 ロビーインターホン(第一端末)
20a、57a 撮影部
30 制御装置
40 ゲートウェイ装置
50 インターホン親機(第二端末)
51 第一通信部
52、82、92 情報処理部
53、83、93 記憶部
54、94 操作受付部
55、95 表示部
56 第二通信部
57 インターホン子機(第一端末)
60 オートロック式ドア
70 インターホンシステム
80 サーバシステム
81、91 通信部
84 P2P接続処理部
85 通知部
90 携帯端末
100 集合住宅
101 共用部
102 専有部(施設)
110 公衆回線
図1
図2
図3
図4
図5