(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155030
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069396
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平田 怜
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山本 元気
(72)【発明者】
【氏名】和田 健伍
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 武
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】巡回を適切に行わせること。
【解決手段】特定時点において巡回した位置を取得する取得部と、前記取得部により取得された情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する制御部と、を有する情報処理装置が提供される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定時点において巡回した位置を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、カメラにより前記特定時点に撮影された画像を取得し、
前記制御部は、前記画像に基づいて特定の事象が検出された場合は、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像に基づいて特定の事象が検出された場合は、前記特定時点からの経過時間が第1時間以上である場合に前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力し、
前記画像に基づいて特定の事象が検出されていない場合は、前記特定時点からの経過時間が前記第1時間よりも長い第2時間以上である場合に前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特定時点において巡回した位置と、前記画像に基づいて検出された特定の事象を示す情報と、を地図画面上に重畳させて表示させる情報を出力する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報を取得し、
前記制御部は、前記特定時点において巡回した位置と、前記画像に基づいて検出された特定の事象を示す情報と、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報と、を地図画面上に重畳させて表示させる情報を出力する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報を取得し、
前記制御部は、前記特定時点における向きと反対の向きに応じた位置への巡回を促す情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
特定時点において巡回した位置を取得し、
取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項8】
特定時点において巡回した位置を取得し、
取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、社員に携帯される社員用RFIDタグの位置情報に基づいて、警備員が巡回警備する際の巡回ルートの決定に有用な巡回ルート決定支援情報を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、例えば、巡回を適切に行わせることができない場合がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、巡回を適切に行わせることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、特定時点において巡回した位置を取得する取得部と、前記取得部により取得された情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する制御部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、特定時点において巡回した位置を取得し、取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、特定時点において巡回した位置を取得し、取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
一側面によれば、巡回を適切に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置の巡回履歴を管理する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る巡回履歴DB(データベース)に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理装置の巡回を促す処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
【0012】
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
【0014】
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、及び制御部12を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0015】
取得部11は、特定時点において人物(例えば、警備等)またはロボット(ドローン)等が巡回した位置を取得する。制御部12は、取得部11により取得された情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する。これにより、巡回を適切に行わせることができる。
【0016】
(実施の形態2)
次に、
図2を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2の例では、情報処理システム1は、情報処理装置10を有する。また、情報処理システム1は、警備端末20A、警備端末20B、及び警備端末20C(以下で、区別する必要が無い場合は、単に、「警備端末20」とも称する。)を有する。
図2の例では、情報処理装置10、及び警備端末20は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。なお、情報処理装置10、及び警備端末20の数は
図2の例に限定されない。
【0017】
ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G、Beyond 5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0018】
情報処理装置10は、例えば、サーバ、クラウド、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の装置である。情報処理装置10は、例えば、前回の巡回からの経過時間等に応じて、巡回を促す情報を警備端末20へ送信する。これに限らず、情報処理装置10は、情報処理装置10と接続する表示装置に対して、巡回を促す情報を表示させるようにしてもよい。
【0019】
警備端末20は、例えば、警備員等の人物が所持(携行、携帯)している、スマートフォン、タブレット、またはウェアラブルデバイス(例えば、スマートグラス)等の端末でもよい。また、警備端末20は、例えば、自律的に移動(走行)可能なロボット(ドローン)でもよい。この場合、当該ロボットは、車輪、脚またはプロペラ等により移動可能な巡回警備用のロボットでもよい。以下で、警備員等の人物とロボットとを、単に、「警備員等」とも称する。警備端末20は、例えば、各時点における位置情報、カメラ画像、及び姿勢情報を情報処理装置10へ送信(アップロード)する。また、警備端末20は、例えば、情報処理装置10から受信した情報に基づく表示画面を表示させてもよい。また、巡回警備用のロボットで警備端末20は、例えば、情報処理装置10から受信した情報に基づく位置を自動で巡回してもよい。
【0020】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0021】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0022】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0023】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0024】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0025】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0026】
<処理>
<<巡回履歴を管理する処理>>
次に、
図4及び
図5を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の巡回履歴を管理する処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置10の巡回履歴を管理する処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態に係る巡回履歴DB(データベース)501に記憶される情報の一例を示す図である。なお、
図4の処理は、例えば、警備端末20毎に定期的等のタイミングで実行されてもよい。
【0027】
ステップS101において、取得部11は、特定時点(特定のタイミングの際)における、警備員等の位置を示す情報、当該警備員等が有しているカメラにより撮影された画像、及び当該警備員等の向きを示す情報を警備端末20から取得する。
【0028】
ここで、取得部11は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システム等を用いて算出された警備端末20の位置情報を、警備員等の位置を示す情報として取得してもよい。
【0029】
また、取得部11は、例えば、警備端末20に内蔵されたカメラ、または警備端末20に有線または無線で接続された外付けカメラにより撮影された画像を取得してもよい。
【0030】
また、取得部11は、例えば、警備端末20の姿勢センサ(例えば、ジャイロセンサ、または加速度センサ)で検出された警備端末20の向きを、警備員等の向きを示す情報として取得してもよい。この場合、取得部11は、例えば、警備端末20のカメラの向きを、警備の向きとしてもよい。なお、警備端末20は、スマートグラス、または警備の胸部に装着されるスマートフォン等であり、警備員等の正面方向を撮影するためのカメラを有する端末でもよい。
【0031】
続いて、取得部11は、取得した情報を巡回履歴DB501に記録する(ステップS102)。
図5の例では、巡回履歴DB501には、警備端末ID及び日時の組み合わせに対応付けて、位置、向き、画像、及び事象を示す情報が記録されている。警備端末IDは、警備端末20の識別情報である。日時は、位置等の情報を警備端末20から取得した際の日時である。位置は、警備端末20の位置である。向きは、警備端末20の向きである。画像は、警備端末20のカメラで撮影された画像である。事象は、画像からAI(Artificial Intelligence)等を用いた検出された事象である。
図5の例では、警備端末Aにより、日時NA1において、位置PA1で向きDA1での巡回が行われ、その際に撮影された画像GA1に基づいて混雑が検出されたことが示されている。
【0032】
<<巡回を促す処理>>
次に、
図6及び
図7を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の巡回を促す処理の一例について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置10の巡回を促す処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。なお、
図6の処理は、例えば、定期的等のタイミングで実行されてもよい。
【0033】
ステップS201において、制御部12は、前回に巡回されてからの経過時間に基づいて、警備員等に巡回を促す位置を特定(判定、決定)する。ここで、制御部12は、例えば、巡回履歴DB501に記録されている情報に基づいて、前回に巡回されてからの経過時間に応じた位置を、巡回を促す位置として特定してもよい。これにより、例えば、前回に巡回されてから比較的時間が経過している位置への巡回を適切に行わせることができる。この場合、制御部12は、例えば、巡回履歴DB501に記録されている各位置のうち、最も新しく(前回)巡回された日時から現在までの経過時間が閾値以上である各位置を、巡回を促す各位置として特定してもよい。
【0034】
(前回に特定の事象が検出された位置の巡回を促す例)
制御部12は、例えば、前回に巡回された際に、画像に基づいて特定の事象が検出された位置を、前回に巡回されてからの経過時間に応じて、警備員等に巡回を促す位置として特定してもよい。これにより、例えば、混雑、転倒、事故、または不審者等が検出された場所への巡回を促すことができる。
【0035】
この場合、制御部12は、例えば、特定時点の画像に基づいて特定の事象が検出された場合は、特定時点からの経過時間が第1時間以上である場合に、特定の事象が検出された位置を、警備員等に巡回を促す位置として特定してもよい。一方、制御部12は、例えば、特定時点の画像に基づいて特定の事象が検出されていない場合は、特定時点からの経過時間が前記第1時間よりも長い第2時間以上である場合に特定時点における警備員等の位置を、警備員等に巡回を促す位置として特定してもよい。これにより、例えば、混雑、転倒、事故、または不審者等が検出された場所へのより頻繁な巡回を促すことができる。
【0036】
(各警備員等の死角への巡回を促す例)
制御部12は、例えば、1以上の各警備員等の特定時点における向きと反対の向きに応じた位置を、警備員等に巡回を促す位置として特定してもよい。これにより、例えば、コンサート等のイベントの会場を警備している各警備員等の死角となっている場所への巡回を促すことができる。
【0037】
この場合、制御部12は、例えば、巡回履歴DB501に記録されている各警備員等の向きに基づいて算出した、各警備員等の死角となっている位置を、巡回を促す各位置として特定してもよい。
【0038】
続いて、制御部12は、警備員等に巡回を促す位置を示す情報を警備端末20及び警備センタ等の少なくとも一方へ出力(送信)する(ステップS202)。ここで、制御部12は、例えば、巡回を促す位置と、画像に基づいて検出された特定の事象を示す情報と、前回の巡回の際の警備員等の向きを示す情報と、を地図画面上に重畳させて表示させる情報を出力してもよい。
図7の例では、制御部12は、警備端末20等の表示画面701において、以前に巡回された通路(各時点における警備員等の位置)711及び712を地図画面上で表示させている。通路711は、前回に巡回されてからの経過時間が閾値(例えば、1時間)未満である通路である。通路712は、前回に巡回されてからの経過時間が閾値以上である通路である。
図7の例では、通路711の表示態様と通路712の表示態様とを異ならせて、通路712を強調表示(例えば、太線の破線で表示)することにより、領域712への巡回を警備員等に促している。
【0039】
また、
図7の例では、以前に巡回された際の画像に基づいて検出された事象の種別を示す情報721、722を、当該事象が検出された位置に対応付けて地図画面上で表示させている。なお、
図7の例では、情報721は、人が混雑していることを示す表示オブジェクト(図形、アイコン)である。また、情報722は、不審者を示す表示オブジェクトである。なお、制御部12は、表示画面701において、情報721が警備員により押下操作等をされた場合、情報721の事象が検出された画像を警備端末20に表示させてもよい。また、制御部12は、表示画面701において、情報722が警備により押下操作等をされた場合、情報722の事象が検出された画像を警備端末20に表示させてもよい。
【0040】
また、
図7の例では、各警備員等の特定時点での向きを示す情報731、732を地図画面上で表示させている。また、
図7の例では、各警備員等の特定時点における向きと反対の向きに応じた領域741を特定の表示態様で、地図画面上で表示させている。これにより、例えば、比較的長い時間、各警備員等が一定の向きで各場所に留まって警備している場合に、複数の警備員等にとって死角となっている領域741への巡回を警備員等に促すことができる。
【0041】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10と警備端末20とを同一の筐体内に収容する等により、一体の情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置10の各機能部の少なくとも一部の処理を、警備端末20にて実行するようにしてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0042】
制御部12は、検出した事象において、事象の大きさまたは程度を算出する機能を有していてもよい。この場合、制御部12は、例えば、事象として混雑を検知した場合、人の密度が第1の閾値よりも大きい場合、混雑の程度が大きいと判定してもよい。また、制御部12は、例えば、人の密度が第1の閾値よりも小さい第2の閾値より大きく、かつ、第1の閾値よりも小さい場合に混雑の程度が中ぐらいであると判定してもよい。そして、制御部12は、例えば、人の密度が第2の閾値よりも小さい場合、混雑の程度が小さいと判定してもよい。そして、制御部12は、例えば、算出した事象の大きさ等に基づいて、巡回を促す情報が出力されるまでの期間を変更するようにしてもよい。この場合、制御部12は、例えば、期間の変更のさせ方として、事象の大きさが大きいほど、巡回を促す情報が出力されるまでの期間を短くしてもよい。
【0043】
また、制御部12は、例えば、検出した事象の数に応じて巡回を促す情報が出力されるまでの期間を変更するようにしてもよい。この場合、制御部12は、例えば、期間の変更のさせ方として、検出した事象の数が多いほど、巡回を促す情報が出力されるまでの期間を短くしてもよい。
【0044】
さらに、制御部12は、例えば、検出した事象の種類に応じて、巡回を促す情報が出力されるまでの期間を変更するようにしてもよい。この場合、制御部12は、例えば、事象として混雑を検知した場合は、第1時間以上経過した場合に巡回を促す情報を出力する一方で、転倒を検知した場合、第1時間よりも長い第2時間以上経過した場合に巡回を促す情報を出力するようにしてもよい。なお、上述の例はあくまでも一例であり、事象の種類と期間との対応関係を限定するものではない。
【0045】
制御部12は、巡回を促す情報を出力する警備端末20を選択する機能を有していてもよい。この場合、制御部12は、例えば、巡回を促す位置と警備端末20との位置関係に基づいて一つ以上の警備端末20を選択してもよい。より具体的には、制御部12は、例えば、巡回を促す位置との距離が最も近い警備端末20を特定し、特定された警備端末20に対して巡回を促す情報を出力してもよい。もしくは、制御部12は、例えば、巡回を促す位置から所定の範囲内に位置する警備端末20に対して巡回を促す情報を出力するようにしてもよい。また、制御部12は、警備センタ側で任意の警備端末20を選択し、選択された警備端末20に対して巡回を促す情報を出力するようにしてもよい。さらには、制御部12は、エリアの情報を警備端末20に紐づけて置き、巡回を促す位置が含まれるエリアと関連する警備端末20に対して巡回を促す情報を出力するようにしてもよい。なお、エリアの情報は、例えば地図画面上でユーザが任意に区画した情報を用いるようにしてもよいし、市区町村、番地、緯度、経度などの位置を特定するための情報を任意に指定することによって決定してもよい。
【0046】
制御部12は、巡回を促す情報を警備端末20に出力したにもかかわらず、巡回が行われない場合、再度巡回を促すようにしてもよい。また、制御部12は、1回目の巡回を促す出力と異なる態様で巡回を促す情報を出力するようにしてもよい。異なる態様とは、例えば音声による通知を加えたり、音声による通知の音量を大きくしたり、警備端末20に表示するメッセージやアイコンの大きさや色などを変更するなどである。また、制御部12は、出力先の警備端末20の数を増やすようにしてもよい。そのような場合には、例えば、巡回を促す位置に近い警備端末20から順に対象を拡大するようにしてもよい。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0048】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0049】
(付記1)
特定時点において巡回した位置を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する制御部と、
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記取得部は、カメラにより前記特定時点に撮影された画像を取得し、
前記制御部は、前記画像に基づいて特定の事象が検出された場合は、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記制御部は、
前記画像に基づいて特定の事象が検出された場合は、前記特定時点からの経過時間が第1時間以上である場合に前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力し、
前記画像に基づいて特定の事象が検出されていない場合は、前記特定時点からの経過時間が前記第1時間よりも長い第2時間以上である場合に前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記制御部は、前記特定時点において巡回した位置と、前記画像に基づいて検出された特定の事象を示す情報と、を地図画面上に重畳させて表示させる情報を出力する、
付記2または3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記取得部は、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報を取得し、
前記制御部は、前記特定時点において巡回した位置と、前記画像に基づいて検出された特定の事象を示す情報と、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報と、を地図画面上に重畳させて表示させる情報を出力する、
付記2または3に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記取得部は、前記特定時点において巡回した際の向きに関する情報を取得し、
前記制御部は、前記特定時点における向きと反対の向きに応じた位置への巡回を促す情報を出力する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記7)
特定時点において巡回した位置を取得し、
取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、
情報処理方法。
(付記8)
特定時点において巡回した位置を取得し、
取得した情報と、前記特定時点を巡回してからの経過時間とに基づいて、前記特定時点において巡回した位置への巡回を促す情報を出力する、処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0050】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 制御部
20 警備端末