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特開2024-157289配置及び収納システム、配置及び収納方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157289
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】配置及び収納システム、配置及び収納方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241030BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241030BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071569
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】谷 英明
(72)【発明者】
【氏名】川戸 正裕
(72)【発明者】
【氏名】元内 宏朗
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】物品を第1空間に配置し、また、当該第1空間から物品を第2空間に運搬し、第2空間に収納することが可能なシステムを提供する。
【解決手段】配置及び収納システム1は、第1空間に設置された1つ以上の物品の配置をセンサ11により読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリ13に記憶し、1以上のロボット10により、第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納し、第2空間に収納された物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、前記配置データを読み込み、前記1以上のロボット10により、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の配置を検知する1つ以上のセンサと、
前記物品を自律的に運搬する1以上のロボットと、
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記命令は、
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を前記1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを含む、配置及び収納システム。
【請求項2】
前記1つ以上のセンサを備えた読み取りロボットを更に備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記読み取りロボットを前記第1空間に移動させ、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品の配置を前記読み取りロボットの前記センサにより読み取るように更に構成される、
請求項1に記載の配置及び収納システム。
【請求項3】
前記1つ以上の物品の配置は、物品の大きさ、位置、及び向きを含む、請求項1に記載の配置及び収納システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記物品の大きさ、又は運搬経路の長さに応じて、収納手順及び配置手順を作成するように構成される、請求項3に記載の配置及び収納システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、人手が必要である旨の属性を付して収納手順及び配置手順を作成するように構成される、請求項4に記載の配置及び収納システム。
【請求項6】
レイアウト編集ツールがインストールされた作業者端末を更に備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記作業者端末を介して、前記配置データを編集するように構成される、請求項1に記載の配置及び収納システム。
【請求項7】
前記レイアウト編集ツールは、照明シミュレーション機能、人の動線を確認する動線シミュレーション機能、又は緊急事態発生時の避難誘導シミュレーション機能を有する、請求項6に記載の配置及び収納システム。
【請求項8】
第1の作業者端末と第2の作業者端末を備え、
前記プロセッサは、第1時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた第1の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第1の作業者端末に送信し、
第2時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた前記第1の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第1の作業者端末に送信し、
第3時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた第2の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第2の作業者端末に送信し、
第4時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた前記第2の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第2の作業者端末に送信するように構成される、請求項1に記載の配置及び収納システム。
【請求項9】
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置する、
配置及び収納方法。
【請求項10】
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを、
コンピュータにより実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は配置及び収納システム、配置及び収納方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
都市部などでは店舗スペースの占有率が高まり、賃貸費用も高騰している、そのため、都市部での店舗の賃貸利用率が頭打ちとなっている。現状への打開策として、店舗スペースの時間貸し(「ポップアップストア」)が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-1443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、時間枠に応じて複数の店舗運営者が同一の店舗スペースを利用するためには、時間枠の切り替えごとに、什器又は内装等の撤収及び再設営作業が発生するので、かかる作業負担が時間貸しの利用者にとって大きい。そのため、店舗スペース等の時間貸しの拡大を阻んでいる。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、物品を第1空間に配置し、また、当該第1空間から物品を第2空間に運搬し、当該第2空間に収納することが可能な配置及び収納システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる配置及び収納システムは、
物品の配置を検知する1つ以上のセンサと、
前記物品を自律的に運搬する1以上のロボットと、
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記命令は、
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を前記1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを含む。
【0007】
本開示の一態様にかかる配置及び収納方法は、
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置する。
【0008】
本開示の一態様にかかるプログラムは、
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを、
コンピュータにより実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、物品を第1空間に配置し、また、当該第1空間から物品を第2空間に運搬し、第2空間に収納することが可能な配置及び収納システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1にかかる配置及び収納システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態1にかかる配置及び収納方法を示すフローチャートである。
図3】実施形態2にかかる配置及び収納システムの全体構成を示す。
図4】実施形態2にかかる店舗レイアウトの読み込みプロセスを説明する図である。
図5】実施形態2にかかる店舗レイアウトの読み込みプロセスを示すフローチャートである。
図6】実施形態2にかかる店舗レイアウトデータのデータテーブル例を示す。
図7】実施形態2にかかる店舗スペースデータに基づく概念図である。
図8】実施形態2にかかる店舗スペース内の什器・内装類の収納プロセスを説明する図である。
図9】実施形態2にかかる什器・内装類の収納プロセスを示すフローチャートである。
図10】実施形態2にかかる収容手順の作成プロセスを説明する図である。
図11】実施形態2にかかる収容手順の作成プロセスを示すフローチャートである。
図12】実施形態2にかかる店舗レイアウトの編集プロセスを説明する図である。
図13】実施形態2にかかる店舗レイアウトの編集プロセスを示すフローチャートである。
図14】実施形態2にかかる店舗スペース内への什器・内装類の再配置プロセスを説明する図である。
図15】実施形態2にかかる什器・内装類の配置プロセスを示すフローチャートである。
図16】同一の店舗スペースを2つの会社が交代で利用する例を示すフローチャートである。
図17】他の実施形態にかかる異なる店舗スペースに対する什器・内装類の配置プロセスを示すフローチャートである。
図18】ロボット等のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
実施形態1
以下、図1を参照して本実施の形態について説明する。
配置及び収納システム1は、1つ以上の物品を第1空間に配置し、また、当該第1空間から当該物品を第2空間に運搬し、第2空間に収納するために使用されうる。配置及び収納システム1は特に、周期的に、物品の配置及び収納を繰り返し行う場合に使用され得る。そのため、物品の配置状態と、収納状態を再現可能に記録し得る。
【0013】
図1に示すように、配置及び収納システム1は、物品の配置を検知する1つ以上のセンサ11と、前記物品を自律的に運搬する1以上のロボット(図3等では、10)と、を備える。
【0014】
センサは、物品の配置を検知可能であれば、様々な形態が可能である。いくつかの実施形態では、物品の配置を検知する1つ以上のセンサ11は、読み取りロボット(図3等では、10a)に搭載される。他の実施形態では、物品の配置を検知する1つ以上のセンサ11は、監視カメラであり、第1空間及び第2空間に設置される。更に他の実施形態では、物品の配置を検知する1つ以上のセンサ11は、物品ごと(例えば、各机、各椅子、各内装)に設けられる。この場合、センサ11は、第1空間及び第2空間における自身の位置を測定するものである。センサ11は、例えば、第1空間及び第2空間内の所定位置に設置された複数の無線LANアクセスポイントから送信される電波の受信強度をそれぞれ検出し、その検出結果をもとに第1空間及び第2空間内における自身の現在位置を計算し得る。
【0015】
ロボットは、自律的に移動可能な台車と、物品を把持可能な伸縮アームを備えてもよい。他の実施形態では、ロボットは、各物品(例えば、机、椅子)が、自律的に移動できるように、車輪を備える形態であってもよい。ロボットを遠隔で操作する遠隔制御サーバが設けられてもよい。ロボットは、地図情報及び各種センサ情報に基づき、自律的に移動可能に構成してもよい。ロボットの形態は、様々な変形例を適用可能である。
【0016】
配置及び収納システム1は、1以上のコンピュータを含み得る。配置及び収納システム1は、命令を格納する少なくとも1つのメモリ(図1では、記憶部13)と、前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(図1では、制御部12)と、を備える。記憶部13は、物品の配置データ131と、物品の収納状態の収納データ132を格納し得る。
【0017】
命令は、第1空間に設置された1つ以上の物品の配置をセンサ1により読み取り、配置データ131として少なくとも1つのメモリに記憶し得る。また、命令は、1以上のロボットにより、第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納し得る。また、命令は、第2空間に収納された物品の配置を、収納データ132として少なくとも1つのメモリに記憶し得る。命令は、配置データを読み込み、1以上のロボットにより、第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、(例えば、収納ロボットの、読み取りロボットの、又は第2空間内の監視カメラの)1つ以上のセンサ11により、第2空間に収納された物品の配置を読み取り、プロセッサは、収納データ132として少なくとも1つのメモリに記憶し得る。他の実施形態では、(例えば、収納ロボットの、又はロボット制御サーバの)プロセッサが第2空間の収納位置を決定し、収納が完了した時点等に、決定された収納位置を収納データとしてメモリに記憶し得る。
【0019】
図2は、配置及び収納方法を示すフローチャートである。
プロセッサは、第1空間に設置された1つ以上の物品の配置をセンサにより読み取らせ、配置データとして少なくとも1つのメモリに記憶させる(ステップS11)。
プロセッサは、1以上のロボットにより、第1空間に設置された物品を第2空間に運搬及び収納させる(ステップS12)。プロセッサは、1つ以上のセンサにより、前記第2空間に収納された物品の配置を読み取らせ、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶させる(ステップS13)。プロセッサは、配置データを読み込ませ、1以上のロボットにより、第2空間に収納された物品を第1空間に運搬及び配置させる(ステップS14)。
【0020】
本実施形態によれば、物品を第1空間に配置し、また、当該第1空間から物品を第2空間に運搬し、第2空間に収納することが可能となる。
【0021】
実施形態2
都市部などでは店舗スペースの占有率が高まり、賃貸費用も高騰している、そのため、都市部での店舗の賃貸利用率が頭打ちとなっている。現状への打開策として、店舗スペースの時間貸し(「ポップアップストア」)が注目されている。
【0022】
しかし、同一の店舗スペースを時間枠に応じて複数の店舗運営者が利用するためには、時間枠の切り替えごとに発生する、什器又は内装等の撤収及び再設営の作業負担が大きく、店舗スペースの時間貸しの拡大を阻んでいる。
【0023】
従来、時限的な店舗スペース(露店スペースや展示会スペースを含む)の利用に際しては、設営する店舗の大まかな完成イメージを図面に書き起こし、これを参考にして什器や内装を持ち込んで人手で設営し、また撤収時も同様に、什器や内装を格納場所へ収納していた。こうした設営と撤収のコストは大きく、店舗営業の収支を悪化させる原因になっていた。
【0024】
そこで、本開示は、什器等の設営及び撤収を容易に行うことが可能な配置システムを提案する。
【0025】
図3は、実施形態2にかかるシステムの全体構成を示す。
本配置及び収納システム1は、店舗スペースSS、倉庫スペースWS、什器類HG、内装類IP、読み取りロボット10a、収納ロボット10b、再配置ロボット10c、店舗レイアウトデータベース(DB)300、及び作業管理者端末20を含む。図3では、什器類HGは、什器HG1~HG6を含み、内装類IPは、内装IP1を含む。
【0026】
店舗スペースSSは、店舗を設営する対象の空間で、什器や内装等を配置した上で店舗営業を行う場所である。倉庫スペースWSは、店舗で用いられる什器類や内装類等を格納する空間である。倉庫スペースと店舗スペースSSとの間は什器類や内装類を運ぶために必要な幅や高さをもつ運搬通路TPでつながれている。
【0027】
什器類HGは、店舗に配置される、棚、机、椅子、その他家具、装置、道具、インテリアなどのほか、商品なども含み得る。各什器には、使用する形状で固定した状態である「固定」状態、畳んで移動する状態である「移動」状態、及び、畳んだまま倉庫に収容する「収納」状態が定義され、収納ロボット10bまたは再配置ロボット10cの操作により、その状態を変えることができる。
【0028】
内装類IPは、店舗を装飾するカーテン、照明器具、花卉類、オブジェ、看板などを含み得る。各内装には、使用する形状で固定した状態である「固定」状態、畳んで移動する状態である「移動」状態、及び、畳んだまま倉庫に収容する「収納」状態が定義され、収納ロボット10b又は再配置ロボット10cの操作により、その状態を変えることができる。
【0029】
図3の例では、平日9時から20時まで店舗スペースでレストランを運営する会社Aの什器HGである机と椅子、並びに、内装IP1である看板が店舗スペースSSに配置されている。例えば、平日及び週末21時以降は、同じ店舗スペースでバーを運営する会社Bの什器HGである机と椅子、照明、並びに、内装IP1である看板が配置されてもよい。本実施形態では、複数の会社が店舗スペースを周期的に(例えば、交代で)利用することができる。したがって、本実施形態では、会社Aの什器等の配置データと収納データ、及び会社Bの什器等の配置データと収納データをそれぞれ、ロボットにより再現できるように、データベースに記憶する。
【0030】
読み取りロボット10aは、例えば、ユーザからの読み取り指示を受け付けて、店舗スペースSSを走査し、店舗内に配置された什器類や内装類の種別及び大きさ、向きなどの設置状態を読み取り、店舗レイアウトDBに書き込むことができる。店舗スペースでの配置が人等により修正された場合には、再度、読み取りロボットに読み取りを実行させてもよい。
【0031】
なお、読み取り方法は、これに限定されず、様々な方法を利用しうる。例えば、什器類や内装類の大きさ、位置、向きを検知する1つ以上のセンサは、什器類や内装類ごとに設けられてもよい。この場合、センサは、第1空間及び第2空間における自身の位置を測定するものである。センサは、例えば、店舗スペース内の所定位置に設置された複数の無線LANアクセスポイントから送信される電波の受信強度をそれぞれ検出し、その検出結果をもとに店舗スペース内における自身の現在位置を計算し得る。また、店舗スペースの天井等に設けられた監視カメラにより、什器類や内装類の大きさ、位置、向きを検知してもよい。
【0032】
収納ロボット10bは、店舗スペースSS内に配置された什器類HGや内装類IPを「移動」状態に変化させ、倉庫スペースWSに運んでから再度「収納」状態に変化させて収納することができる。収納ロボット10bは、什器類HGや内装類IPを運ぶための台車を自ら有してもよいし、外付けの台車を推進あるいは牽引してもよい。また、収納ロボット10bは、什器類HGや内装類IPを「収納」状態に変化させるために、折り畳みボタンなどを押し下げるアーム機能を有してもよい。
【0033】
再配置ロボット10cは、倉庫スペースWS内に収納された什器類HGや内装類IPを「移動」状態に変化させたのち店舗スペースSSに運び、使用する「固定」状態に変化させて配置することができる。再配置ロボット10cは、什器類HGや内装類IPを運ぶための台車を自ら有してもよいし、外付けの台車を推進あるいは牽引してもよい。また、再配置ロボット10cは、什器類HG、内装類IPに設置された折り畳み解除ボタンなどを押し下げて状態を変化させるアーム機能を有してもよい。
【0034】
読み取りロボット10a、収納ロボット10b、及び再配置ロボット10cは、同じロボットにこれらの機能を搭載したものでもよく、また、別々のロボットであってもよい。
【0035】
ロボット制御サーバ100は、有線又は無線通信ネットワーク手段を介して、読み取りロボット10a、収納ロボット10b、及び再配置ロボット10cと通信し、命令の送信や作業結果の受信等を行う情報処理サーバである。
【0036】
店舗レイアウトDB300は、読み取りロボット10aが店舗スペースを走査して取得した店舗スペースデータ及び什器類・内装類配置データ(店舗配置データ301)を格納する。また、店舗レイアウトDB300は、収納ロボット10bが什器類HGや内装類IPを収納した状態を取得したデータ(収納データ302)、及び、店舗時間貸し枠情報を含む契約データ303等を格納する。契約データ303は、例えば、会社ごとの店舗スペースの時間貸し利用時間を含み得る。店舗レイアウトDB300は、空間情報や地図情報を含み得る。
【0037】
店舗設計編集ツールは、店舗レイアウトDBに格納された店舗レイアウトデータを可視化し、利用者操作により什器や内装の位置変更・向き変更を行うことができるCADツールである。店舗設計編集ツールは、例えば、作業者端末20にインストールされ得る。
【0038】
作業者端末20は、有線又は無線ネットワーク手段を介してロボット制御サーバ100と通信し、作業管理者による読み取りロボット10a、収納ロボット10b、再配置ロボット10cへの指示命令を送信したり、終了通知・判定結果などを受信する。また、作業者端末20は、店舗レイアウトDB300に接続し、店舗レイアウトデータを可視化したり、編集したりする端末装置である。作業者端末20は、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型コンピュータなど、任意の無線通信端末であり得る。他の実施形態では、作業者端末20は、前出のロボット制御サーバ100の機能の一部又は全部を搭載することもできる。
【0039】
図4は、店舗レイアウトの読み込みプロセスを説明する概念図である。
図5は、店舗レイアウトの読み込みプロセスを示すフローチャートである。
ステップA1では、読み取りロボット10aは、作業者端末20からロボット制御サーバ100経由で読み取り作業開始の命令を受けると、ステップA2では、既に什器・内装が配置されている店舗スペースSS全体を走査する。読み取りロボット10aは、店舗スペース空間の形状・大きさ・天井高など(空間情報、地図情報)をデータベースから取り込むとともに、店舗スペース内に配置された全ての什器HG、内装IPの種別及び大きさ、向きなどの設置状態を読み取る。ステップA3では、読み取りロボット10aは、ネットワークNを介して、読み取りデータを店舗レイアウトDB300に書き込む。ステップA4では、読み取りロボット10aは、読み取り作業終了後、ネットワークNを介して、例えば、作業者端末20に作業終了報告を行うことができる。
【0040】
図6は、店舗レイアウトデータのデータテーブル例を示す。ここでは、店舗スペースでの食卓、椅子、食器棚の大きさ、配置位置、配置向き及び重さ等が示されている。また、倉庫スペースでの食卓、椅子、食器棚の収納位置及び収納向き等が示されている。この際、読み取りロボット10aは、各什器HG、内装IPに一意に振られたID(「物品ID」)を認識し、そのIDに紐づけて配置状態を記憶する。また、物品IDが振られていない什器HGや内装IPを発見した場合は、新たな物品IDを割り当て、店舗レイアウトDBに書き込む。また、倉庫スペースでの収納方法、店舗スペースと倉庫スペースとの間の移動方法が示されている。このデータテーブルは、店舗レイアウトデータベース300に記憶される。また、倉庫スペースは、会社ごとにスペースA、B、C、D等に分かれており、データテーブルの収納位置は、どのスペースか(例えば、A、B、C、D)を示してもよい。
【0041】
図7は、店舗スペース空間データを3-Dモデルで表現した概念的実施例を示す。店舗スペース空間データは、店舗配置データ301として店舗レイアウトデータベース300に記憶される。店舗スペース空間データは、作業者がレイアウトを修正したい場合に、必要に応じて、作業者端末等を介して編集され得る。他の実施形態では、倉庫スペース空間データを3-Dモデルで表現したデータを作成し、データベースに記憶してもよい。
【0042】
読み取りロボット10aは店舗スペースSS内の全ての什器・内装の走査が完了したら、ロボット制御サーバ100経由で作業者端末20に読み込み作業完了のメッセージを送る。
【0043】
図8は、店舗スペース内の什器・内装類の収納プロセスを説明する図である。図9は、什器・内装類の収納プロセスを示すフローチャートである。
ステップB1では、収納ロボット10bは、作業者端末20からロボット制御サーバ100経由で収納作業開始の命令を受けると、ステップB2では、店舗スペース内の什器HGや内装IPを倉庫スペースWSに移動するための収容手順を作成する。収容手順は、例えば、大物優先、あるいは什器・内装搬出口近く優先など、作業効率の高いものを選択することができる。
【0044】
図10は、収納手順の作成プロセスを具体的に説明する図である。図11は、収納手順の作成プロセスを示すフローチャートである。図10では、店舗スペースSS内に6台の食卓及び12脚の椅子が配置されたケースを表している。ステップC1では、収納ロボット10bは、各什器の大きさを比較して、大きな什器を優先した搬出順序を策定する。次に、ステップC2では、大きさが同じ什器の中で、搬出口に近い什器を優先した搬出順序に並び替える。ステップC3では、こうして順序付けられた順番で什器を搬出し、倉庫に収容する手順を決定する。
【0045】
再び図9を参照すると、ステップB2では、複数の店舗スペースから倉庫スペースへの什器・内装の運搬収容の際に運搬通路や倉庫スペースを共有する場合は、個々に生成した収容手順をマージして順序付けした統合収容手順を作成する。
【0046】
ステップB3では、収納ロボット10bは、次に、前項で生成した手順に基づき、什器・内装を収納する状態に畳み(図8参照)、倉庫スペースまで運んで収納することができる。その後、ステップB4では、読み取りロボット10a又は収納ロボット10bは、1つ以上のセンサを用いて、図8に示すように、倉庫スペースWSにおいて、店舗の運営会社専用のスペースA内の什器HG及び内装IPの収納位置及び向きを走査し、読み取りデータを店舗レイアウトDB300に書き込む。また、他の実施形態では、こうした読み取りプロセスなしに、収納ロボット10bのプロセッサ等が、倉庫スペースWSの収納位置を決定し、運搬及び収納の完了した時点等で、決定された収納位置を収納データとして、店舗レイアウトDB300に記憶してもよい。
【0047】
なお、倉庫スペースWSのスペースB,C,Dは、それぞれ、別の店舗の運営会社専用のスペースであり得る。各スペースには、各運営会社用の什器や内装が収納される。また、様々な運営会社で共通で利用される什器や内装を収納するための共有スペース(例えば、D)が設けられてもよい。また、倉庫スペースの少なくとも一部(例えば、D)は、店舗の外部に設けられてもよい。
【0048】
各什器・内装を収容状態に畳む方法については、それぞれの取扱い説明情報から読み出してもよいし、作業員の指示を学習して記憶する方法を用いてもよい。
【0049】
倉庫スペースにおける什器・内装の配置については、収容面積や体積を最小化するアルゴリズムを用いてもよく、作業員の指示を学習しながら配置を記憶する方法を用いてもよい。
【0050】
尚、複数台の収納ロボットが存在する場合は、それぞれの収納ロボットが什器及び内装の運搬を分担し、並列的に運搬及び収納を行ってもよい。また、1つの大きな什器を運搬する場合、2台の収納ロボットが連携して、当該什器の両端を支えて運搬してもよい。
【0051】
また、什器自体が自走機能を有し、該什器の制御情報が店舗レイアウトDBに格納される場合は、収納ロボット10b又はロボット制御サーバ100は、該什器を運搬する代わりに、店舗レイアウトDBから該什器の制御情報を読み出した上で、自走機能を有する什器の移動を制御してもよい。
【0052】
ステップB3では、収納ロボット10bは、什器及び内装を畳んで運搬する前に、軽い振動を与えるなどの診断動作により該什器・内装の耐振動性を確認することもできる。この場合、什器及び内装の耐振動性に応じて運搬時の速度、加速度、傾きの許容範囲を設定し、設定した許容範囲を越えないように運搬することができる。
【0053】
ステップB3では、什器・内装を倉庫まで運ぶ手順に特別な注意を払うなど、人手で行う必要がある場合は、店舗レイアウトDB300(図6のテーブル)上で「移動方法属性=アシスト」という属性を記載することで検出を可能にしてもよい。この記載がある場合は、収納ロボット10bは自律的に什器または内装を運ぶ代わりに、運搬を行う作業者に収納順序や倉庫スペース内収納位置を示したり、従属的に什器又は内装を支えたりといった補助的アシストを行う。移動方法属性は、ほかに、台車に載せて運ぶことを指定した「台車利用」や、自走機能を有することを示した「自走式」といった属性値を選ぶことができる。
【0054】
ステップB5では、収納ロボット10bは店舗スペース内の全ての什器・内装の収納が完了したら、作業者端末20にロボット制御サーバ100経由で収納作業完了のメッセージを送る。
【0055】
図12は、店舗レイアウトの編集プロセスを説明する図である。図13は、店舗レイアウトの編集プロセスを示すフローチャートである。図12に示すように、什器HGや内装IPは、店舗スペースSSから片付けられ、倉庫スペースWSの利用者専用のスペースAに格納されている。あるいは、店舗スペースSSには、別の運営会社が利用する什器や内装が設営されている場合もある。作業管理者は、次の営業時間枠(例えば、明日の午前中)に向けて、店舗レイアウトを変更するため、店舗レイアウトデータを編集してもよい。
【0056】
図13に示すステップD1では、店舗レイアウトDB300に店舗レイアウトデータが格納されている場合、作業管理者2または作業管理者から編集権限を与えられた代行者等は、作業者端末20を用いて、店舗レイアウトデータ301を編集し得る。作業管理者2は、店舗レイアウト編集ツールを用いて店舗内の什器や内装について、さまざまな視点からの視野を可視化表示し(図7参照)、什器や内装の配置を修正する。その後、修正データを店舗レイアウトDB300に格納することができる。
【0057】
店舗レイアウト編集ツールは、店舗内の照明シミュレーション機能や、店員や来店客の動線を確認する動線シミュレーション機能、あるいは、火災等の緊急事態発生時の避難誘導シミュレーション機能を有することもできる。
【0058】
図14は、店舗スペース内への什器・内装類の再配置プロセスを説明する図である。図15は什器・内装類の再配置プロセスを示すフローチャートである。
ステップE1では、再配置ロボット10cは、作業者端末20からロボット制御サーバ100経由で店舗再配置命令を受け付ける。ステップE2では、再配置ロボット10cは、店舗レイアウトDB300内の指定された配置データ(必要に応じて、収納データを参照)に基づき、倉庫スペースWS内に格納された内装・什器を店舗スペースSSに移動する再配置手順を生成する。再配置手順は、例えば、大物優先、あるいは倉庫搬出口近く優先、店舗奥優先など、作業効率の高いものを選択する。
【0059】
倉庫スペースWSから複数の店舗スペースSSへの什器・内装の運搬設置の際に倉庫スペースや運搬通路を共有する場合は、個々に生成した再配置手順をマージして順序付けした統合再配置手順を作成する。
【0060】
ステップE3では、再配置ロボット10cは、次に、前項で生成した手順に基づき、什器・内装を倉庫スペースWSから店舗スペースSSへ運び、使用状態に戻して配置する。尚、複数台の再配置ロボットが存在する場合は、それぞれの再配置ロボットが什器・内装の運搬を分担し、並列的に運搬・配置を行ってもよい。再配置ロボット10cの動作は、ロボット制御サーバ100からの制御信号に基づき、制御され得る。
【0061】
また、什器自体が自走機能を有し、該什器の制御情報が店舗レイアウトDBに格納される場合は、再配置ロボット10cは、該什器を運搬する代わりに、該什器の制御情報を店舗レイアウトDBから読み出した上で、自走機能を有する什器の移動を制御する。
【0062】
ステップE3では、什器・内装を店舗まで運ぶ手順に特別な注意を払うなど、人手で行う必要がある場合は、店舗レイアウトDB上で「移動方法属性=アシスト」という属性を記載することで検出を可能にする。この属性がある場合は、再配置ロボット10cは自律的に什器または内装を運ぶ代わりに、運搬を行う作業者に倉庫からの取り出し順序や店舗スペース内配置位置を示したり、従属的に什器又は内装を支えたりといった補助的アシストを行う。
【0063】
ステップE4では、再配置ロボット10cは指定された什器・内装の店舗スペースへの配置が完了したら、作業管理者にロボット制御サーバ100経由で再配置作業完了のメッセージを送る。
【0064】
なお、本実施形態では、周期的に什器等を配置、搬出、及び収納を繰り返す。什器等について配置データ及び収納データとして一度読み取りを行った後、特に必要がなければ、繰り返しの読み取りプロセスは省略することができる。
【0065】
図16は、同一の店舗スペースを2つの会社が交代で利用する例を示すフローチャートである。
前述した読み取りプロセスにより、A会社の什器等の店舗スペースの配置データと、A会社の什器等の倉庫スペースの収納データは、店舗レイアウトデータベース300に記憶されている。同様に、B会社の什器等の店舗スペースの配置データと、B会社の什器等の倉庫スペースの収納データは、店舗レイアウトデータベース300に記憶されている。
【0066】
ステップF1では、ロボット制御サーバ100は、所定の時間(例えば、A会社の営業開始の所定時間前、例えば、朝7時)に達すると、A会社の作業者端末20Aに、什器等の配置許可要求を送信する。その後、作業者端末20Aにより、配置許可要求が許可されると、ロボット制御サーバ100は、配置ロボットに、店舗レイアウトデータベースに記憶されたA会社の店舗配置データに従って、倉庫スペースの什器等を店舗スペースに配置させる。ステップF2では、ロボット制御サーバ100は、所定の時間(例えば、A会社の営業終了時間、例えば、20時)に達すると、A会社の作業者端末20Aに、什器等の搬出及び収納許可要求を送信する。その後、作業者端末20Aにより、搬出及び収納許可要求が許可されると、ロボット制御サーバ100は、収納ロボットに、店舗レイアウトデータベースに記憶されたA会社の収納データに従って、店舗スペースの什器等を倉庫スペースのA会社のスペースAに配置させる。
【0067】
ステップF3では、ロボット制御サーバ100は、所定の時間(例えば、B会社の営業開始の所定時間前、例えば、20時20分)に達すると、B会社の作業者端末20Bに、什器等の配置許可要求を送信する。その後、作業者端末20Bにより、配置許可要求が許可されると、ロボット制御サーバ100は、配置ロボットに、店舗レイアウトデータベースに記憶されたB会社の店舗配置データに従って、倉庫スペースの什器等を店舗スペースに配置させる。ステップF4では、ロボット制御サーバ100は、所定の時間(例えば、B会社の営業終了時間、例えば、深夜2時)に達すると、B会社の作業者端末20Bに、什器等の搬出及び収納許可要求を送信する。その後、作業者端末20Bにより、搬出及び収納許可要求が許可されると、ロボット制御サーバ100は収納ロボットに、、店舗レイアウトデータベースに記憶されたB会社の収納データに従って、店舗スペースの什器等を倉庫スペースのB会社のスペースBに配置させる。
【0068】
本例では、2つの会社が同一の店舗スペースを交代で利用する場合を説明したが、3つ以上の会社が同一の店舗スペースを順番に利用する場合も、本開示を適用可能である。
【0069】
いくつかの実施形態にかかる配置及び収納システムは、第1の作業者端末(A会社)と第2の作業者端末(B会社)を備える。この場合、プロセッサは、第1時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた第1の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第1の作業者端末に送信し、第2時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた前記第1の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第1の作業者端末に送信するように構成される。また、プロセッサは、第1時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、第3時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた第2の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第2の作業者端末に送信し、第4時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた前記第2の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第2の作業者端末に送信するように構成される。なお、第1時間、第2時間、第3時間、及び第4時間は、時間経過に沿った時間順序である。
【0070】
本実施形態によれば、店舗スペースに配置された什器・内装の位置・大きさ・向きなどの状態をデータベースに取り込み、作業者端末からこれらの什器・内装の収納をロボットに命令することで、店舗から倉庫への収納に要する人手を大幅に作戦することができる。また、作業者端末から再配置をロボットに命令することで、倉庫から店舗スペースへの什器・内装の再配置に要する人手を大幅に削減することができる。これにより、店舗スペースの等の時間貸しの利用を拡大することができる。
【0071】
その他の実施形態
図17を参照して、本開示を用いて、異なる店舗スペースに対する同様の什器・内装の配置を実現する実施例を説明する。
ステップG1では、読み取りロボット10aは、作業者端末20からロボット制御サーバ100経由で読み取り作業開始の命令を受け付ける。読み取りロボット10aは、新しい店舗スペース全体を走査し、店舗スペース空間の形状・大きさ・天井高などを読み取り、既元の店舗スペースの読み取りデータと比較する。これにより、読み取りロボット10aは、元の店舗スペース内に配置された全ての什器・内装が新しい店舗スペースに配置可能かどうかを判定することができる。読み取りロボット10aは、判定結果を含むメッセージを作業者端末20に送る。
【0072】
ステップG2では、前項にて読み取りロボットから店舗レイアウト配置不可の返答を受けた場合、作業者または作業者から編集権限を与えられた代行者は、店舗レイアウト編集ツールを用いて新しい店舗スペースに対する店舗レイアウトを編集することができる。その後、作成された新しい店舗スペースに再配置可能なレイアウトを店舗レイアウトDBに書き込む。
【0073】
ステップG3では、作業者は、新しい店舗スペースで使用する什器・内装を、新しい店舗スペースに近い、新しい倉庫スペースへ収容する。什器・内装は元の店舗スペースで使用したものでも、新しく調達した同一仕様のものでもよい。収納ロボット10bは、倉庫スペース内における什器・内装の収納箇所を店舗レイアウトDBに書き込む。新しい店舗のために什器・内装を新しく調達した場合には、個々にIDを割り当てて店舗レイアウトDBに書き込む。
【0074】
ステップG4では、新しい店舗スペースに対する什器・内装の再配置動作は前述の図15で示したフローチャートと同様である。
【0075】
図18は、ロボット10a~c、作業者端末20、ロボット制御サーバ100(以下、ロボット10等とする)のハードウェア構成例を示すブロック図である。図18を参照すると、ロボット10等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、通信システムを構成する他のネットワークノード装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1201は、無線通信を行うために使用されてもよい。例えば、ネットワーク・インターフェース1201は、IEEE 802.11 seriesにおいて規定された無線LAN通信、もしくは3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)において規定されたモバイル通信を行うために使用されてもよい。もしくは、ネットワーク・インターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0076】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートもしくはシーケンスを用いて説明されたロボット10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit),
又はGPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0077】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0078】
図18の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたロボット10等の処理を行うことができる。
【0079】
図18を用いて説明したように、ロボット10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0080】
上記した様々なフローチャートは、実行の具体的な順番を示しているが、実行の順番は描かれている形態と異なっていてもよい。例えば、2つ以上のステップの実行の順番は、示された順番に対して入れ替えられてもよい。また、フローチャートの中で連続して示された2つ以上のステップは、同時に、または部分的に同時に実行されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、フローチャートに示された1つまたは複数のステップがスキップまたは省略されてもよい。
【0081】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0082】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【0083】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
物品の配置を検知する1つ以上のセンサと、
前記物品を自律的に運搬する1以上のロボットと、
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記命令は、
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を前記1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを含む、配置及び収納システム。
(付記2)
前記1つ以上のセンサを備えた読み取りロボットを更に備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記読み取りロボットを前記第1空間に移動させ、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品の配置を前記読み取りロボットの前記センサにより読み取るように更に構成される、
付記1に記載の配置及び収納システム。
(付記3)
前記1つ以上の物品の配置は、物品の大きさ、位置、及び向きを含む、付記1に記載の配置及び収納システム。
(付記4)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記物品の大きさ、又は運搬経路の長さに応じて、収納手順及び配置手順を作成するように構成される、付記3に記載の配置及び収納システム。
(付記5)
前記少なくとも1つのプロセッサは、人手が必要である旨の属性を付して収納手順及び配置手順を作成するように構成される、付記4に記載の配置及び収納システム。
(付記6)
レイアウト編集ツールがインストールされた作業者端末を更に備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記作業者端末を介して、前記配置データを編集するように構成される、付記1に記載の配置及び収納システム。
(付記7)
前記レイアウト編集ツールは、照明シミュレーション機能、人の動線を確認する動線シミュレーション機能、又は緊急事態発生時の避難誘導シミュレーション機能を有する、付記6に記載の配置及び収納システム。
(付記8)
第1の作業者端末と第2の作業者端末を備え、
前記プロセッサは、第1時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた第1の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第1の作業者端末に送信し、
第2時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第1の作業者端末に関連付けられた前記第1の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第1の作業者端末に送信し、
第3時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた第2の物品群を前記第1空間に配置させる配置許可要求を、前記第2の作業者端末に送信し、
第4時間に達すると、前記1つ以上のロボットに、前記第2の作業者端末に関連付けられた前記第2の物品群を前記第1空間から前記第2空間に搬出及び収納させる搬出及び収納許可要求を、前記第2の作業者端末に送信するように構成される、付記1に記載の配置及び収納システム。
(付記9)
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置する、
配置及び収納方法。
(付記10)
第1空間に設置された1つ以上の物品の配置を1つ以上のセンサにより読み取り、配置データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
1以上のロボットにより、前記第1空間に設置された前記1つ以上の物品を第2空間に運搬及び収納し、
前記第2空間に収納された前記1つ以上の物品の配置を、収納データとして前記少なくとも1つのメモリに記憶し、
前記配置データを読み込み、前記1以上のロボットにより、前記第2空間に収納された前記物品を前記第1空間に運搬及び配置することを、
コンピュータにより実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0084】
1 配置及び収納システム
2 作業者
10a 読み取りロボット
10b 収納ロボット
10c 配置ロボット
11 センサ
12 制御部
13 記憶部
20 作業者端末
100 ロボット制御サーバ
131 配置データ
132 収納データ
300 店舗レイアウトデータベース
301 店舗配置データ
302 収納データ
303 契約データ
HG 什器
IP 内装
SS 店舗スペース
WS 倉庫スペース
TP 運搬通路
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18