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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158590
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】変温装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20241031BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241031BHJP
   B41J 29/377 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H05K7/20 M
B41J2/01 301
B41J29/377 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073912
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】田坂 梓紋
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
5E322
【Fターム(参考)】
2C056KD10
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061CN01
2C061CN12
2C061CN15
5E322BB04
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】熱交換器内の液体の流路に混入した空気を当該流路から除去可能な変温装置、及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置は、冷却対象が冷却される冷却位置を経由する循環経路に沿って冷却液を流動させるポンプと、ファンを有し、前記循環経路における前記冷却位置とは異なる位置で前記冷却液を冷却するラジエーター84と、ラジエーター84を前記ファンの送風方向が水平面に沿う第1姿勢と前記送風方向が鉛直方向に沿う第2姿勢との間で姿勢変化可能に支持する支持部91と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変温対象の温度が特定方向に変動される変温位置を経由する循環経路に沿って前記変温対象の変温に用いられる液体を流動させるポンプと、
前記循環経路における前記変温位置とは異なる位置で前記液体の温度を前記特定方向に変動させる熱交換器と、
前記熱交換器を姿勢変化可能に支持する支持部と、
を備える変温装置。
【請求項2】
前記特定方向は、下降方向であって、
前記液体は、冷却液であって、
前記熱交換器は、前記冷却液を冷却するラジエーターである、
請求項1に記載の変温装置。
【請求項3】
前記支持部は、水平面に沿った回動軸を中心に回動可能に支持されており、前記ラジエーターと一体に回動する、
請求項2に記載の変温装置。
【請求項4】
前記ラジエーターは、前記冷却液の冷却に用いられるファンを有し、
前記支持部は、前記ラジエーターを前記ファンの送風方向が水平面に沿う第1姿勢と前記送風方向が鉛直方向に沿う第2姿勢との間で姿勢変化可能に支持する、
請求項3に記載の変温装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記送風方向に厚みを有する平板状に形成されており前記ラジエーターが固定される平板状部を有し、
前記変温装置は、
前記冷却液の流動経路を形成し、一方の端部が前記ラジエーターに接続される可撓性のチューブと、
前記チューブを前記回動軸に沿って前記回動軸の延在方向における前記平板状部の外側から内側へ案内するガイド部と、
を備える請求項4に記載の変温装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に含まれる前記変温対象を冷却する請求項2~5のいずれかに記載の変温装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置の内部に着脱可能に設けられ、前記画像形成装置に装着された状態で前記循環経路の一部を形成し、前記冷却液を収容する収容部と、
前記画像形成装置の外面を形成し、前記収容部の着脱時に開閉されるカバー部と、
前記カバー部の開閉動作に連動して前記支持部を姿勢変化させる連動機構と、
を備える請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変温装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却対象が冷却される冷却位置を経由する循環経路に沿って冷却液を循環させる変温装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、前記変温装置は、収容部と、熱交換器と、ポンプとを備える。前記収容部は、前記冷却液を収容する。前記熱交換器は、前記冷却対象からの吸熱によって昇温した前記冷却液を放熱させることにより、当該冷却液を冷却する。前記ポンプは、前記収容部、前記冷却位置、及び前記熱交換器を経由する前記循環経路に沿って前記冷却液を流動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-245053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記変温装置では、前記熱交換器内の前記冷却液の流路に空気が混入することがある。前記熱交換器内の前記冷却液の流路に空気が混入すると、前記熱交換器における熱交換効率が低下する。
【0005】
本発明の目的は、熱交換器内の液体の流路に混入した空気を当該流路から除去可能な変温装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る変温装置は、ポンプと、熱交換器と、支持部とを備える。前記ポンプは、変温対象の温度が特定方向に変動される変温位置を経由する循環経路に沿って前記変温対象の変温に用いられる液体を流動させる。前記熱交換器は、前記循環経路における前記変温位置とは異なる位置で前記液体の温度を前記特定方向に変動させる。前記支持部は、前記熱交換器を姿勢変化可能に支持する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱交換器内の液体の流路に混入した空気を当該流路から除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部、及び搬送ユニットの構成を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の冷却部の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の支持部の構成を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の支持部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、図1は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。また、図2は、画像形成部3、及び搬送ユニット4の構成を示す平面図である。なお、図1では、シート搬送経路R11が二点鎖線によって示されている。
【0011】
画像形成装置100は、インクジェット方式でシートに画像を形成するプリンターである。なお、本発明は、インクジェット方式でシートに画像を形成するファクス装置、コピー機、及び複合機などの画像形成装置に適用されてもよい。
【0012】
図1、及び図3に示されるように、画像形成装置100は、筐体1、シート搬送部2、画像形成部3、搬送ユニット4、操作表示部5、記憶部6、制御部7、及び冷却部8を備える。
【0013】
筐体1は、画像形成装置100の各構成要素を収容する。筐体1には、給紙カセット11が着脱可能に設けられる。給紙カセット11には、画像が形成されるシートが収容される。筐体1の外側面には、排紙トレイ12が設けられる。排紙トレイ12には、画像形成部3によって画像が形成されたシートが排出される。筐体1の内部では、給紙カセット11に収容されたシートが、画像形成部3による画像形成位置を経由して排紙トレイ12に至るシート搬送経路R11(図1参照)に沿って搬送される。
【0014】
シート搬送部2は、給紙カセット11に収容されたシートを、シート搬送経路R11(図1参照)に沿って搬送する。図1に示されるように、シート搬送部2は、ピックアップローラー21、及び複数の搬送ローラー22を備える。ピックアップローラー21は、給紙カセット11に収容されたシート束における最上層のシートを取り出して、当該シートをシート搬送経路R11に送り出す。複数の搬送ローラー22は、シート搬送経路R11に沿って並んで設けられる。搬送ローラー22各々は、シートをシート搬送経路R11に沿って搬送する。搬送ローラー22各々は、シートを給紙カセット11から排紙トレイ12へ向かう搬送方向D11(図1参照)へ搬送する。
【0015】
画像形成部3は,シート搬送部2から供給されるシートに画像データに基づく画像を形成する。図1に示されるように、画像形成部3は、ラインヘッド31~34、及びヘッドフレーム35を備える。
【0016】
図2に示されるように、ラインヘッド31~34各々は、搬送方向D11に直交する幅方向D12に長尺である。具体的に、ラインヘッド31~34各々は、幅方向D12において、給紙カセット11に収容可能なシートのうち最大サイズのシートの幅に対応する長さを有する。ラインヘッド31~34各々は、搬送方向D11に沿って等間隔で並んで設けられる。
【0017】
図2に示されるように、ラインヘッド31~34各々は、複数の記録ヘッド30を有する。記録ヘッド30は、搬送ユニット4によって搬送されるシートへ向けてインクを吐出する。具体的に、記録ヘッド30におけるシートとの対向面には、前記インクの吐出に用いられる多数のノズル30A(図2参照)が設けられている。ラインヘッド31に設けられる記録ヘッド30各々は、ブラックの前記インクを吐出する。ラインヘッド32に設けられる記録ヘッド30各々は、シアンの前記インクを吐出する。ラインヘッド33に設けられる記録ヘッド30各々は、マゼンタの前記インクを吐出する。ラインヘッド34に設けられる記録ヘッド30各々は、イエローの前記インクを吐出する。
【0018】
本実施形態では、ラインヘッド31は、幅方向D12に沿って3つの記録ヘッド30が千鳥状に配列されている。また、他のラインヘッド32~34各々も、ラインヘッド31と同様に、幅方向D12に沿って3つの記録ヘッド30が千鳥状に配列されている。なお、図2には、画像形成部3を図1の上側から見た状態が示されている。
【0019】
ラインヘッド31~34各々は、制御基板36(図4参照)を備える。制御基板36は、ノズル30A各々に対応する圧電素子の駆動を制御する。前記圧電素子は、予め定められた駆動信号の入力に応じてノズル30Aからインクを吐出させる。
【0020】
ヘッドフレーム35は、ラインヘッド31~34を支持する。ヘッドフレーム35は、筐体1によって支持されている。なお、画像形成部3の備えるラインヘッドの数は、1を含む任意の数であってよい。また、ラインヘッド31~34各々に設けられる記録ヘッド30の数は、任意の数であってよい。
【0021】
図1に示されるように、搬送ユニット4は、ラインヘッド31~34の下方に配置される。搬送ユニット4は、シートを記録ヘッド30に対向させつつ搬送する。例えば、搬送ユニット4は、記録ヘッド30によって前記インクの吐出が行われるごとに、シートを予め定められた搬送量だけ搬送する。また、搬送ユニット4は、記録ヘッド30による前記インクの吐出が行われている間は、シートの搬送を停止する。図1に示されるように、搬送ユニット4は、シートが載置される搬送ベルト41と、搬送ベルト41を張架する第1張架ローラー42、第2張架ローラー43、及び第3張架ローラー44と、これらを支持する搬送フレーム45とを備える。なお、搬送ベルト41と記録ヘッド30との間隙は、画像形成時のシートの表面と記録ヘッド30との間隙が所定の距離(例えば1mm)となるように調整される。
【0022】
第1張架ローラー42は、不図示のモーターから供給される回転駆動力により回転駆動される。これにより、搬送ベルト41は、シートを搬送方向D11(図1参照)へ搬送可能な方向に回動する。なお、搬送ユニット4には、シートを搬送ベルト41に吸着させるべく、搬送ベルト41に形成された多数の貫通孔から吸気を行う吸引ユニット(不図示)なども設けられている。また、第1張架ローラー42の上側には、シートを搬送ベルト41に押しつけて搬送させるための圧ローラー46が設けられている。
【0023】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。操作表示部5は、表示部、及び操作部を備える。前記表示部は、制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記表示部は、液晶ディスプレーである。前記操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部7に各種の情報を入力する。例えば、前記操作部は、タッチパネルである。操作表示部5は、筐体1の上面に設けられる。
【0024】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーである。
【0025】
制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。図3に示されるように、制御部7は、CPU7A、ROM7B、及びRAM7Cを備える。CPU7Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM7Bは、CPU7Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM7Cは、CPU7Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU7Aは、ROM7Bに予め格納された各種の制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100を統括的に制御する。なお、制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。また、制御部7は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。
【0026】
[冷却部8の構成]
次に、図4を参照しつつ、冷却部8の構成について説明する。なお、図4では、ラインヘッド31が破線によって示されている。
【0027】
冷却部8は、冷却液を用いて冷却対象を冷却する。本実施形態において、前記冷却対象は、ラインヘッド31に設けられる制御基板36である。冷却部8は、本発明の変温装置の一例である。また、制御基板36は、本発明の変温対象の一例である。また、前記冷却液は、本発明の液体の一例である。
【0028】
具体的に、冷却部8は、前記冷却対象が冷却される冷却位置P1(図4参照)を経由する循環経路に沿って、前記冷却液を循環させる。冷却位置P1は、前記冷却対象の温度が下降方向に変動される位置である。冷却位置P1は、本発明の変温位置の一例である。また、下降方向は、本発明の特定方向の一例である。
【0029】
図4に示されるように、冷却部8は、収容部81、循環路82、ポンプ83、及びラジエーター84を備える。
【0030】
収容部81は、前記冷却液を収容する。例えば、前記冷却液は、水を主成分とし、凍結温度を低下させるためのエチレングリコール、及びプロピレングリコールなどが添加された不凍液である。
【0031】
収容部81は、画像形成装置100の内部に着脱可能に設けられる。収容部81は、画像形成装置100に装着された状態で、前記循環経路の一部を形成する。
【0032】
循環路82は、前記循環経路に沿って前記冷却液を案内する。図4に示されるように、循環路82は、第1循環路82A、第2循環路82B、及び第3循環路82Cを含む。第1循環路82Aは、収容部81とポンプ83との間に設けられる。第2循環路82Bは、ポンプ83から冷却位置P1を経由してラジエーター84に至る経路に沿って設けられる。第3循環路82Cは、ラジエーター84と収容部81との間に設けられる。例えば、第1循環路82A、第2循環路82Bの一部、及び第3循環路82Cは、それぞれ可撓性を有するチューブにより形成される。例えば、前記チューブは、ゴムにより形成される。また、第2循環路82Bにおける冷却位置P1に対応する吸熱区間は、金属などの熱伝導性の高い部材によって形成されている。
【0033】
冷却位置P1には、第2循環路82Bの前記吸熱区間、及び制御基板36の両方と接触する伝熱部材が設けられる。前記伝熱部材は、金属などの熱伝導性の高い部材によって形成されている。制御基板36で発生する熱は、前記伝熱部材、及び第2循環路82Bの前記吸熱区間を形成する部材を介して前記冷却液に吸収される。
【0034】
ポンプ83は、冷却位置P1、ラジエーター84、及び収容部81を経由する前記循環経路に沿って前記冷却液を流動させる。ポンプ83は、前記冷却液を前記循環経路に沿って図4に示される流動方向D21へ流動させる。
【0035】
ラジエーター84は、前記循環経路における冷却位置P1とは異なる位置で前記冷却液を冷却する。ラジエーター84は、前記冷却対象からの吸熱によって昇温した前記冷却液を放熱させることにより、当該冷却液を冷却する。ラジエーター84は、ラジエーター84の内部を流動する前記冷却液の冷却に用いられるファン84A(図4参照)を備える。ラジエーター84は、本発明の熱交換器の一例である。
【0036】
なお、前記冷却対象は、ラインヘッド31~34に設けられる4つの制御基板36の全部であってもよい。また、前記冷却対象は、制御基板36とは異なる構成であってもよい。例えば、前記冷却対象は、画像形成装置100の各部に動力を供給する不図示の駆動源、又は画像形成装置100の各部に給電する不図示の電源装置であってもよい。
【0037】
ところで、冷却部8では、ラジエーター84内の前記冷却液の流路に空気が混入することがある。ラジエーター84内の前記冷却液の流路に空気が混入すると、ラジエーター84における熱交換効率が低下する。
【0038】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、ラジエーター84内の前記冷却液の流路に混入した空気を当該流路から除去可能である。
【0039】
具体的に、冷却部8は、図5、及び図6に示される支持部91と、カバー部92と、連動機構93とを備える。
【0040】
[支持部91、カバー部92、連動機構93の構成]
次に、図5、及び図6を参照しつつ、支持部91、カバー部92、及び連動機構93の構成について説明する。ここで、図5は、支持部91、カバー部92、及び連動機構93の構成を示す斜視図である。図5では、ラジエーター84が後述の第1姿勢で支持された状態が示されている。また、図6は、支持部91、カバー部92、及び連動機構93の構成を示す斜視図である。図6では、ラジエーター84が後述の第2姿勢で支持された状態が示されている。なお、図5、及び図6では、回動軸AX1が一点鎖線により示されている。また、図5では、ファン84Aによる送風が白塗りの矢印によって示されている。また、図5、及び図6では、紙面の上下方向が鉛直上下方向に対応している。
【0041】
支持部91は、ラジエーター84を姿勢変化可能に支持する。
【0042】
具体的に、支持部91は、水平面に沿った回動軸AX1(図5、及び図6参照)を中心に回動可能に支持されている。回動軸AX1は、カバー部92によって形成される画像形成装置100の外側面に対して平行な方向に延在する。支持部91は、ラジエーター84と一体に回動する。
【0043】
支持部91は、ラジエーター84をファン84Aの送風方向が水平面に沿う第1姿勢(図5参照)と、前記送風方向が鉛直方向に沿う第2姿勢(図6参照)との間で姿勢変化可能に支持する。なお、冷却部8は、ラジエーター84が前記第1姿勢である場合に駆動される。
【0044】
図5、及び図6に示されるように、支持部91は、平板状部91A、一対の屈曲部91B、及び一対の軸部91Cを備える。
【0045】
平板状部91Aは、前記送風方向に厚みを有する平板状に形成されている。平板状部91Aには、ラジエーター84が固定される。
【0046】
平板状部91Aは、回動軸AX1の延在方向に沿って長尺である。平板状部91Aは、ラジエーター84を取り付けるための開口部91Dを備える。図6に示されるように、平板状部91Aは、回動軸AX1の延在方向に沿って並ぶ3つの開口部91Dを備える。
【0047】
ラジエーター84は、平板状部91Aの開口部91Dに取り付けられる。ラジエーター84は、扁平な直方体状に形成された本体部と、前記本体部の裏面側において突出するように設けられたファン84Aとを有する。ファン84Aは、前記本体部の厚み方向に沿って送風する。前記本体部の内部には、ファン84Aの前記送風方向に直交する平面に沿って延びる前記冷却液の流路が設けられている。前記ラジエーター84のファン84Aは、開口部91Dに挿入される。ラジエーター84の裏面側は、開口部91Dの縁部に固定される。
【0048】
図5、及び図6に示されるように、平板状部91Aの3つの開口部91Dには、3つのラジエーター84が取り付けられる。つまり、冷却部8は、3つのラジエーター84を備える。冷却部8には、前記循環経路に沿って3つのラジエーター84が直列に接続されている(図5参照)。
【0049】
一対の屈曲部91Bは、平板状部91Aにおける回動軸AX1の延在方向の両端部が当該延在方向の内側へ屈曲されることにより形成される部分である。屈曲部91B各々は、平板状部91Aに対して直角に屈曲するように形成される。
【0050】
一対の軸部91Cは、回動軸AX1と同心の円柱状に形成される。軸部91C各々は、屈曲部91Bにおける回動軸AX1の延在方向の外側から突出して設けられる。
【0051】
軸部91C各々は、画像形成装置100の筐体1に支持された不図示の軸受け部に回動可能に支持される。これにより、支持部91は、回動軸AX1を中心に回動可能に支持される。
【0052】
なお、軸部91C各々は、筐体1に固定されていてもよい。この場合、支持部91は、軸部91C各々が挿通される一対の軸孔部を備えていればよい。
【0053】
ここで、冷却部8は、図5、及び図6に示されるチューブ82Xを備える。チューブ82Xは、可撓性を有し、前記冷却液の流動経路を形成する。チューブ82Xは、一方の端部がラジエーター84に接続される。
【0054】
また、支持部91は、図5、及び図6に示されるガイド部91Eを備える。
【0055】
ガイド部91Eは、チューブ82Xを回動軸AX1に沿って回動軸AX1の延在方向における平板状部91Aの外側から内側へ案内する。
【0056】
具体的に、ガイド部91Eは、軸部91C各々において回動軸AX1に沿って形成された貫通孔である。つまり、軸部91C各々は、長手方向における両端部が開放された円筒状に形成されている。
【0057】
図5に示されるように、第3循環路82Cを形成するチューブ82Xは、ラジエーター84との接続部から、ガイド部91Eを経由して、収容部81まで延びている(図4参照)。第2循環路82Bを形成するチューブ82Xは、ラジエーター84との接続部から、ガイド部91Eを経由して、冷却位置P1側へ延びている(図4参照)。
【0058】
チューブ82Xがガイド部91E、つまり軸部91Cの内側を経由することで、軸部91Cの外側を経由する構成と比較して、ラジエーター84の姿勢変化に伴って軸部91Cの径方向の外側でチューブ82Xが回動軸AX1を中心に回動することを回避可能である。そのため、ラジエーター84の姿勢変化に伴うチューブ82Xの回動を許容可能なスペースを設ける必要がない。
【0059】
カバー部92は、画像形成装置100の外面を形成し、収容部81の着脱時に開閉される。
【0060】
具体的に、カバー部92は、画像形成装置100の外側面を形成する。カバー部92は、回動軸AX1の延在方向に長尺な平板状の部材である。カバー部92の下部は、回動軸AX1と平行な軸部材92Aにより回動可能に支持される。これにより、カバー部92は、図5に示される回動方向D31に回動する。カバー部92が外側に開かれると、画像形成装置100の内部に装着された収容部81が外部に露出する。
【0061】
図5に示されるように、支持部91の平板状部91Aは、閉じられた状態のカバー部92と対向するように設けられる。
【0062】
連動機構93は、カバー部92の開閉動作に連動して支持部91を姿勢変化させる。
【0063】
具体的に、連動機構93は、カバー部92が閉状態から開状態に状態変化した場合に、支持部91を前記第1姿勢から前記第2姿勢に姿勢変化させる。また、連動機構93は、カバー部92が開状態から閉状態に状態変化した場合に、支持部91を前記第2姿勢から前記第1姿勢に姿勢変化させる。
【0064】
図5、及び図6に示されるように、連動機構93は、一対のリンク部材93Aを備える。リンク部材93A各々は、閉じられた状態のカバー部92と平板状部91Aとの対向方向に沿って長尺に形成される。一対のリンク部材93Aは、回動軸AX1の延在方向におけるカバー部92及び支持部91の両外側に配置される。リンク部材93A各々における長手方向の一方の端部は、回動軸AX1と平行な軸部材93Bによりカバー部92の上部と連結される。リンク部材93Aにおける長手方向の他方の端部は、回動軸AX1と平行な軸部材93Cにより屈曲部91Bの上部と連結される。
【0065】
一対のリンク部材93Aは、カバー部92がユーザーによって開閉される場合に、カバー部92に加えられる力を支持部91に伝達する。支持部91は、一対のリンク部材93Aを介して伝達される力により、回動軸AX1を中心にカバー部92と同方向に回動する。
【0066】
このように、画像形成装置100では、ラジエーター84を姿勢変化可能に支持する支持部91を備える。これにより、画像形成装置100のユーザーは、ラジエーター84を姿勢変化させてラジエーター84に衝撃を加え、その衝撃によりラジエーター84内の前記冷却液の流路に混入した空気を当該流路から除去可能である。
【0067】
また、画像形成装置100では、カバー部92の開閉動作に連動して、支持部91が姿勢変化する。これにより、前記循環経路に空気が混入しやすい、収容部81が補充、又は交換されるタイミングで、ラジエーター84を姿勢変化させることが可能である。
【0068】
なお、冷却部8は、連動機構93を備えていなくてもよい。この場合、冷却部8は、ラジエーター84の姿勢変化に用いられる操作レバーを備えていればよい。また、画像形成装置100は、モーターによって生成される回転駆動力により、ラジエーター84を姿勢変化させてもよい。例えば、制御部7は、センサーによってカバー部92の開状態から閉状態への状態変化が検出された場合に、前記モーターを駆動させてラジエーター84を姿勢変化させてもよい。
【0069】
また、本発明の液体は、変温対象の加熱に用いられる加熱液であってもよい。この場合、本発明の熱交換器は、前記加熱液の温度を上昇方向に変動させるものであればよい。
【0070】
また、本発明の冷却対象は、パーソナルコンピューターなどの情報処理装置に設けられる制御基板などであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 筐体
2 シート搬送部
3 画像形成部
4 搬送ユニット
5 操作表示部
6 記憶部
7 制御部
8 冷却部
31 ラインヘッド
32 ラインヘッド
33 ラインヘッド
34 ラインヘッド
36 制御基板
81 収容部
82 循環路
83 ポンプ
84 ラジエーター
84A ファン
91 支持部
92 カバー部
93 連動機構
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6