IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴォルパク エス エー ユーの特許一覧

特開2024-160994パウチマガジン、および空のパウチを包装機に順次供給する方法
<>
  • 特開-パウチマガジン、および空のパウチを包装機に順次供給する方法 図1
  • 特開-パウチマガジン、および空のパウチを包装機に順次供給する方法 図2
  • 特開-パウチマガジン、および空のパウチを包装機に順次供給する方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160994
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】パウチマガジン、および空のパウチを包装機に順次供給する方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/14 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B65B43/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074482
(22)【出願日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】102023000008760
(32)【優先日】2023-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】512030120
【氏名又は名称】ヴォルパク エス エー ユー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンターニャ カージェス ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】グラウ カルヴォ アルベルト
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BB10
3E030DA10
3E030FA01
(57)【要約】
【課題】既知のパウチマガジンに対する代替の解決手段を提供すること。
【解決手段】空のパウチの積層体を収容する棚20と、位置付け止め具31を有するパウチ取上げ領域30とを備えるパウチマガジン100であって、積層体から第1のパウチを分離して、パウチ取上げ領域に送ることができるように構成されているパウチ分離手段21を有し、積層体の分離されたパウチ10を、取上げ領域の位置付け止め具31まで運搬するパウチコンベアを装備しており、前記パウチコンベア40が、運搬される分離されたパウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するための手段を有し、流れを供給するための前記手段が、分離されたパウチを取上げ領域に推進し、取上げ領域の位置付け止め具に分離されたパウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されている、パウチマガジン100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空のパウチを包装機に順次供給するパウチマガジン(100)であって、前記空のパウチの積層体を収容する棚(20)と、位置付け止め具(31)を有するパウチ取上げ領域(30)とを備え、前記積層体から第1のパウチを分離して、前記パウチ取上げ領域に送ることができるように構成されているパウチ分離手段(21)を有するパウチマガジン(100)において、前記積層体の分離された前記パウチ(10)を、前記パウチ取上げ領域の前記位置付け止め具(31)まで運搬するパウチコンベア(40)を装備しており、前記パウチコンベアが、運搬される分離された前記パウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するための手段を有し、前記流れを供給するための前記手段が、分離された前記パウチを前記パウチ取上げ領域に推進し、前記パウチ取上げ領域の前記位置付け止め具に前記分離されたパウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されていることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のパウチマガジン(100)であって、前記パウチコンベア(40)が、前記パウチの両側の側方縁部を含むまたは隣にある前記パウチのそれぞれの領域から、分離された前記パウチ(10)を推進する前記加圧流体を放出するための噴出ノズル(43)を有するそれぞれの滑り面(41a、42a)を画定する、互いに間隔を空けられている第1および第2の細長い板(41、42)を含むことを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項3】
請求項2に記載のパウチマガジン(100)であって、前記第1および第2の細長い板(41、42)が、調整可能な幅の進路を定めることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項4】
請求項3に記載のパウチマガジン(100)であって、前記パウチコンベア(40)がシャシーにおいて支持されている場合に、前記第1または第2の細長い板(41、42)のうちの少なくとも1つが、前記第1または第2の細長い板の他方との平行性を失うことなく、前記第1または第2の細長い板の前述の前記他方に対して移動する能力を伴って、前記加圧流体源と流体連通した状態で、前記シャシー上に装着されていることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、運搬される分離された前記パウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するための前記手段が、前記第1および第2の細長い板(41、42)の長さ寸法の全長に沿って、連続的に前記流れを供給するように構成されていることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項6】
請求項5に記載のパウチマガジン(100)であって、各第1および第2の細長い板(41、42)が、分離された前記パウチ(10)の運搬中に分離された前記パウチ(10)を誘導するように寸法付けられている側方の本質的に垂直な翼部を有し、またはそれに接合されており、前記第1または第2の細長い板のうちの少なくとも1つと、そこに隣接する側方の前記翼部との間に、角に注ぎ口を備えている運搬されるパウチの注ぎ口(10a)を少なくとも部分的に受容または収納することを目的としたチャネル(45)が、形成または定められていることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、前記取上げ領域(30)が、複数のセンサー(62)を有する中央のリブ(61)を有するパウチ検出手段(60)を有し、前記リブが、前記パウチ(10)が前記取上げ領域(30)の前記位置付け止め具(31)に当たって適正に静止しているときに画定される前記パウチの高さ寸法の方向に配置されており、前記センサー(62)が、前記リブ(61)に沿って分布されていることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項8】
請求項7に記載のパウチマガジン(100)であって、少なくとも1つのセンサー(62)が、光電子センサーまたは光ファイバセンサーのうちの1つであることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、前記位置付け止め具(31)が、移動可能な位置付け止め具であり、パウチ保持位置と、前記位置付け止め具が前記保持位置をとったときには分離された前記パウチを前記位置付け止め具に当てて維持したのと同じ加圧流体の前記流れによって、前記パウチコンベアの外に推進して出されるべきパウチを作り出すことができるパウチ解放位置との間で移動可能であることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項10】
請求項7および9に記載のパウチマガジン(100)であって、前記移動可能な位置付け止め具(31)が、前記パウチ検出手段(60)の前記センサー(62)によって生成された信号に応じて駆動されることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、前記取上げ領域(30)が、前記棚(20)と長手方向に整列していることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、前記取上げ領域(30)が、前記棚(20)と長手方向に整列しておらず、その結果、前記分離されたパウチ(10)が、完全に直線ではない経路伝いに前記取上げ領域に運搬されることを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のパウチマガジン(100)であって、前記パウチコンベア(40)が、前記取上げ領域(30)の全長に沿って延在することを特徴とするパウチマガジン(100)。
【請求項14】
パウチの積層体から分離されたパウチ(10)をパウチマガジン(100)の取上げ領域に送給する方法において、コアンダ効果を利用して、分離された前記パウチを前記取上げ領域(30)に向かって推進し、運搬された前記パウチを前記取上げ領域に設けられている位置付け止め具(31)に当てて維持し、前記コアンダ効果が、前記パウチの両側の縁部を含むまたは隣の前記パウチの領域にわたって作用することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記両側の縁部が、他の領域よりも平坦な前記パウチの両側の側方縁部であり、前記パウチを作り上げる材料の溶融による前記縁部に沿った溶着接合の効果によって補強されていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法であって、前記取上げ領域に送給された前記パウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するステップを含み、前記流れを供給するための手段が、前記パウチを前記取上げ領域に推進し、前記取上げ領域の位置付け止め具(31)に前記パウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されており、前記流れの前記供給が、連続的な供給であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチマガジンの分野に属し、特に、空のパウチを包装機に順次供給するように準備されているパウチマガジンを対象とする。
【背景技術】
【0002】
従来、包装機は、容器が開けられ、充填され、封止される連続する作業領域に沿って容器を輸送する手段を装備している。容器の種類、および容器に保管されるべき1つまたは複数の製品の性質に応じて、輸送された容器にわたって、他の動作が実行されることができる。
【0003】
包装機の1つの種類は、パウチ内の包装を獲得するものである。我々は、主にフィルム材料から作製されており、空のときには平坦な構造をとることができる可撓性容器としてのパウチに言及する。いくつか例を挙げると、限定されないが、平坦なパウチ、底が四角いパウチ、立つようになっているパウチがある。
【0004】
既に作製されているが空であるパウチを包装機に供給することが既知であり、パウチは、包装機において充填され、封止されるように準備されており、または充填され、封止されることができる。関連技術において、それらはあらかじめ作製されたパウチと呼ばれる。
【0005】
従来、あらかじめ作製されたパウチの束がマガジンに装填され、マガジンは、包装機への個々のパウチの正確な供給を可能にする手段を装備している。その目的のために、マガジンは、その束の第1のパウチをマガジンの取上げ領域へ押し引きする手段を備えており、そのマガジンの取上げ領域から、往復運動で移動可能な移送手段が、パウチを取り、包装機に輸送および送達し、戻って移動して、包装機に送達されるべき新たなパウチを取る。
【0006】
一部の包装機の作業のリズムは現在とても速いので、束から取上げ領域へのこの移行は、非常に速くなければならない。
【0007】
また、束の第1のパウチをマガジンの取上げ領域へ押し引きする手段は、この取上げ領域におけるパウチの正しい位置付けを確実にしなければならない。マガジンは、目標位置のずれを修正する手段を有することがあるが、これにより、マガジンがより複雑になり、より高価になり、パウチの供給体制に影響を及ぼす恐れがある。
【0008】
取上げ領域におけるパウチの位置付けに関して、パウチの自由な上面への接触によって圧力を作用させ、運動中にパウチに同伴して、パウチが取上げ領域に配置されるまでパウチを板の上に引く指状部、シャベル、リボン、爪車、または携帯型ブラシの形のプッシャーを使用することが既知である。これらのプッシャーが占有する空間は、移動可能な移送手段の軌道に干渉する恐れがある。特に移動可能な移送手段が、取上げ領域に正しく配置されなければならないパウチに近づくときに、プッシャーの運動が移動可能な移送手段の軌道に干渉しないようこれらのプッシャーが寸法付けまたは構成されている場合、これらのプッシャーは、小さいすなわち短いパウチについて、パウチの後部と接触するのをやめる、すなわち、パウチが取上げ領域に到達するまでパウチに同伴できないということが起こり得る。したがって、プッシャーは、パウチを放って、パウチがそれ自体で取上げ領域に到達するように十分な慣性をパウチに与える必要がある。しかしながら、このことは、パウチが板の行程の端部に到達するときに、そこには止め具があり、正しい位置付けに悪影響を及ぼすパウチのはずみを発生させる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、既知のマガジンに対する代替の解決手段を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、失敗することなく、包装機の速い生産リズムに合った速さで、パウチを取上げ領域に配置することができ、失敗することなく、ずれなしで、または下流の工程で簡単に修正できるわずかなずれでのいずれかで、パウチを前述の取上げ領域に正しく位置付けることができるよりシンプルなマガジンを提供することである。
【0011】
本発明の目的はまた、パウチの幅の寸法だけでなく、従来のプッシャーの使用の課題を引き起こすものであるパウチの長さの寸法においても広範囲な形式の様々な形式のパウチで動作することを可能にする用途のより広いマガジンである。
【0012】
本発明の目的はまた、他の既存の課題を是正することを目指した他の解決手段と両立できるマガジンである。例として、本発明のマガジンが、注ぎ口の有無によらずパウチを供給することができる解決手段と、容易に両立できることが望ましい。実際には、シンプルなパウチに対して機能する従来のプッシャーが、注ぎ口を有するパウチで動作するように適合または交換されなければならないことが起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
既知のパウチマガジンに対する代替の解決手段を見つけるねらいについて、請求項1に記載の空のパウチを包装機に順次供給するパウチマガジンが開示されている。
【0014】
パウチマガジンは、空のパウチの積層体を収容する棚と、位置付け止め具を有するパウチ取上げ領域と、積層体から第1のパウチを分離して、前記パウチ取上げ領域に送ることができるように構成されているパウチ分離手段とを備える。
【0015】
パウチマガジンは、本質的に、積層体の分離されたパウチを、取上げ領域の位置付け止め具まで運搬するパウチコンベアを装備しており、前記パウチコンベアが、運搬される分離されたパウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するための手段を有し、流れを供給するための前記手段が、分離されたパウチを取上げ領域に推進し、取上げ領域の位置付け止め具に分離されたパウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
機械的なコンベアを選ぶ代わりに、本発明は、分離された空のパウチをマガジンの取上げ領域に推進するために、コアンダ効果を利用することを選ぶ。コアンダ効果を利用することは、包装機の速いリズムにより、速く効果的な輸送をもたらすことに加えて、パウチを運搬するだけでなく、パウチが位置付け止め具に到達すると、同じコアンダ効果が、パウチを前記位置付け止め具に当てて維持するので、分離されたパウチの正しい位置付けを保証することが有利である。
【0017】
この輸送解決手段は、取上げ領域に置かれたパウチの上面を自由な状態にしておける点で有利である。この結果、パウチの上方のこの領域は邪魔なものがない状態となり、従来のパウチを取って包装機に輸送および送達する移送手段との機械的干渉の課題がなくなる。
【0018】
また、この輸送解決手段は、分離されたパウチを不当にゆがめまたは折り曲げることを防止しながら、正しい位置付けを確実にする点で有利である。実際には、コアンダ効果は、分離されたパウチを推進しようと努めるだけでなく、のちにより詳細に説明されるように、コアンダ効果の影響の領域内で分離されたパウチの下に設けられた支持物に対する吸込効果を得ようとする。
【0019】
予想され得ることとは対照的に、この吸込効果は、移送手段が、吸込要素を使用する種類のものであっても、これらの移送手段が、取上げ領域からパウチを容易に取り除くことを防げない。
【0020】
この場合、加圧流体の流れは、ベルヌーイの法則に従ってコアンダ効果を獲得するよう、量、および通常は大気圧に対して低い圧力が、容易に制御可能である。
【0021】
さらに展開されるように、パウチと本質的に平行な側部縁部との組み合わせにおいて、この原理は、パウチをその側部縁部のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの両側の側部縁部から、推進するように適用され得、幅の寸法に関する限りは、様々な形式のパウチに容易に適合されることもできる。
【0022】
本発明において、「一」または「1つ」という用語は、1つまたは1つよりも多い(すなわち少なくとも1つの)その用語の文法的な目的語を指すように本明細書で使用されている。例として、「1つの棚」は1つまたは複数の棚を意味する。
【0023】
明細書全体を通して、ある特定の要素もしくは行為を「備える」という用語または「含む」などの変化形は、これらを包含するが、任意の他の要素または行為を除外しないことを暗示すると理解されよう。
【0024】
1つの実施形態において、取上げ領域は、棚と長手方向に整列している。
【0025】
他の実施形態において、取上げ領域は、取上げ領域に送給されるパウチを保管する棚と長手方向に整列しておらず、その結果、分離されたパウチは、完全に直線ではない経路に伝いに取上げ領域に運搬される。
【0026】
一実施形態において、パウチコンベアは、取上げ領域の全長に沿って延在する。
【0027】
パウチコンベアは、取上げ領域の全長に沿って、取上げ領域に送給されるパウチを保管する棚まで延在することができる。
【0028】
一実施形態において、パウチコンベアは、分離されたパウチを推進する加圧流体を放出するための噴出ノズルを有するそれぞれの滑り面を画定する、第1および第2の細長い板を含む。これらの板は、パウチの両側の側方縁部を含むまたは隣にあるパウチのそれぞれの領域から、パウチを推進するように意図されている。
【0029】
この提供は、ある特定のパウチが、それらの両側の側方側部縁部において、前記縁部の封止シームによって発生する効果により他の領域において、またはパウチの隣接する領域においてよりも平坦であることができる事実を活かす。
【0030】
一実施形態において、第1および第2の細長い板は、調整可能な幅の進路を定める。
【0031】
加圧流体を放出するための噴出ノズルを有する他の滑り面が、第1および第2の細長い板間には配置されていないことが好ましい。
【0032】
パウチコンベアがシャシーにおいて支持されている場合に、第1または第2の板のうちの少なくとも1つは、第1または第2の板のうちの他方との平行性を失うことなく、第1または第2の板の前述の他方に対して移動する能力を伴って、加圧流体源と流体連通した状態で、シャシー上に装着されていることが想定される。
【0033】
一実施形態において、第1および第2の板は、移動能力を伴ってシャシー上に装着されている。
【0034】
運搬される分離されたパウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するための手段が、第1および第2の板の長さ寸法の全長に沿って、連続的に流れを供給するように構成されており、供給することが有利である。
【0035】
一実施形態において、各第1および第2の細長い板は、側方の本質的に垂直な翼部を有しまたはそれに接合されている。これらの翼部は、分離されたパウチを収容し誘導する役割を果たし、分離されたパウチの側方縁部は、パウチの運搬中に、前記側方の翼部によって誘導される。
【0036】
一実施形態において、第1または第2の板のうちの少なくとも1つと、そこに隣接する側方の翼部との間に、角に注ぎ口を備えている運搬されるパウチの注ぎ口を少なくとも部分的に受容または収納するものであるチャネルが、形成または寸法付けられている。
【0037】
一実施形態において、側方の翼部は、隣接する板、本明細書では第1または第2の板に脱着可能に連結されることができる。
【0038】
本発明はまた、側方の翼部が、隣接する板、本明細書では第1または第2の板に対して移動可能に連結されていることを想定する。
【0039】
一実施形態において、取上げ領域は、パウチ検出手段を有する。
【0040】
パウチ検出手段は、複数のセンサーを有する中央のリブを含み、リブは、パウチが取上げ領域の位置付け止め具に当たって適正に静止しているときに画定されるパウチの高さ寸法の方向に配置されており、センサーは、リブに沿って分布されている。
【0041】
一実施形態において、位置付け止め具は、移動可能な位置付け止め具である。
【0042】
移動可能な位置付け止め具は、パウチ保持位置と、位置付け止め具が保持位置をとったときには分離されたパウチを位置付け止め具に当てて維持したのと同じ加圧流体の流れによって、パウチコンベアの外に推進して出されるべきパウチを作り出すことができるパウチ解放位置との間で移動可能であることができる。
【0043】
一実施形態において、移動可能な位置付け止め具は、パウチ検出手段のセンサーによって生成された信号に応じて駆動される。
【0044】
本発明の別の態様によれば、パウチの積層体から分離されたパウチをパウチマガジンの取上げ領域に送給する方法もまた特許請求されており、方法は、コアンダ効果を利用して、分離されたパウチを前記取上げ領域に向かって推進し、運搬されたパウチを前記取上げ領域に設けられている位置付け止め具に当てて維持し、コアンダ効果は、パウチの両側の縁部、好ましくは両側の側方縁部を含むまたは隣のパウチの領域にわたって作用する。
【0045】
空のパウチを包装機に順次供給する方法は、空のパウチをパウチマガジンの取上げ領域に順次送給するステップと、取上げ領域から空のパウチを順次取り上げ、それらを包装機に移送するステップとを含むことができ、方法はまた、取上げ領域に送給されたパウチが横たわって載る加圧流体の流れを供給するステップを含み、流れを供給するための手段は、パウチを取上げ領域に推進し、取上げ領域の位置付け止め具にパウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されており、流れの供給は、連続的な供給である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明によるパウチマガジンの一部の斜視図である。
図2】図面の理解を促進するためにいくつかの構成部品がない図1のパウチマガジンの取上げ領域を示す図である。
図3】本発明によるパウチマガジンの取上げ領域の簡易的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、図1および図2のパウチマガジン100によって例示されている。
【0048】
この特定の例において、パウチマガジン100は、排他的ではないが、特に空のパウチの形である、空のあらかじめ作製された容器の積層体(見えない)をそれぞれ収容する2つの棚20、20’のセットを備える。
【0049】
当然、本発明は、1つの棚を含む2つではないいくつかの棚を有するパウチマガジン100をも想定する。
【0050】
本発明を例示するパウチマガジン100の2つの棚20、20’は、それら自体が既知である。棚20、20’は各々、コンベアベルトと、コンベアベルトの右側および左側に設置されている側方誘導板とを備える。各コンベアベルトにわたって、パウチの積層体は、それらの口部が下および前方に向くように、すなわち、積層体中のパウチがわずかに後方に向けて傾くように収容されている。
【0051】
側方誘導板によってパウチの側方縁部が誘導され、パウチが前方に(図1の左側に向かって)運搬され、その結果、第1のパウチの自由な部分、すなわち第1のパウチに続くパウチが後ろで重なっていない部分に作用するパウチ分離手段21、21’は、第1のパウチを積層体から分離し、素早く前方に送給して、パウチ取上げ領域30、30’に送る。
【0052】
この例において、分離手段21、21’は各々、2つの共同で駆動される引張ベルト21a、21b;21a’、21b’のセットを備え、これらは、同じセットのベルトが、前述の第1のパウチの自由な部分との摩擦によって、第1のパウチを押して前方に送給するような動きで作動する。
【0053】
図面では、特に取上げ領域30に配置されている分離された第1のパウチ10が示されている。
【0054】
パウチマガジン100は、往復運動に続いて、取上げ領域30、30’で待機している分離されたパウチを取り、それらを包装機(表示せず)に輸送および送達し、戻って移動して、包装機の後続のストロークにおいて、包装機に送達されるべき新たな対のパウチを取るように構成されている移動可能な移送手段70を備える。
【0055】
従来のやり方では、図1の例での移動可能な移送手段70は、一組の平行な回転アームを備え、その間には、この例では2つの取上げ領域の個数に対応していくつかの2つの工具を搭載する工具搭載の橋梁部が延在する。前述の工具搭載の橋梁部は、その長手方向軸周りにアームに対して回転可能であり、その結果、取り上げられたパウチは、包装機に移動しながら、アームの回転軸に沿って並進し、工具搭載の橋梁部の長手方向軸周りに回転することができる。
【0056】
図1の例において、取上げ領域30、30’は、関連付けられている棚20、20’と長手方向に整列している。しかしながら、本発明は他の実施形態も想定する。
【0057】
パウチ取上げ領域30、30’は、図2によりよく示されている。
【0058】
本発明によれば、パウチ取上げ領域30、30’は、積層体の分離された第1のパウチ10を、前記取上げ領域30、30’が備えている位置付け止め具まで運搬するパウチコンベアを装備している。
【0059】
図2の特定の例において、2つの取上げ領域30、30’は各々、積層体の分離された第1のパウチ10を、前記取上げ領域30、30’が備えている位置付け止め具31、31’まで運搬する対応するコンベア40、40’を装備している。
【0060】
位置付け止め具31、31’は、のちにより詳細に説明される。パウチマガジン100が、2つ以上の取上げ領域30、30’を有するとき、各取上げ領域30、30’用の止め具31、31’は、図2の例ではそれらが類似しているが、パウチの特異性、および/または取上げ領域30、30’中でパウチが留まる必要のある目標位置の特異性に従って異なるものとできると想定されていることが注目に値する。
【0061】
パウチコンベア40、40’に関して、図2の例では、各パウチコンベア40、40’は、運搬された第1のパウチ10が横たわって載ることになる加圧流体の流れを供給するための手段を有する。前記流れを供給するための手段は、分離された第1のパウチ10を取上げ領域30、30’の遠位端部に推進するのに、また跳ね返りを減衰させてまたは回避して、位置付け止め具31、31’に分離されたパウチを当てて維持するのに、十分なコアンダ効果力を前記流れに付与するように構成されている。
【0062】
流れの供給は、連続的な供給であることができる。つまり、新たなパウチが運搬されるたびに、または運搬されるべきパウチ間に、噴射を中断する必要がない。
【0063】
図2の例では、各パウチコンベア40、40’は、取上げ領域30、30’の全長に沿って延在する。
【0064】
図2の例では、各パウチコンベア40、40’は、分離されたパウチを推進する加圧流体を放出するための噴出ノズル43を有する平坦なそれぞれの滑り面41a、42aを画定する、第1および第2の細長い板41、42;41’、42’を備える。
【0065】
ノズル43は、滑り面41a、42aの接線方向に空気を射出して、前記滑り面41a、42aに沿って層流を発生させ、コアンダ効果を発生させるように構成されている。
【0066】
ノズル43は、圧縮流体源、例えば一般的な圧縮流体源に接続されている。着目される流体は、空気であってよい。
【0067】
例えば、第1および第2の細長い板41、42;41’、42’は、加圧流体源と連通しているそれぞれの空隙を定めることができる。
【0068】
ノズル43は、等間隔であることができる。しかしながら、他の分布も考えられる。ノズル43の個数は、取上げ領域30、30’の寸法、または取上げ領域30、30’と分離手段21、21’との間の距離に応じて変更することができる。
【0069】
いずれの場合でも、図2の例では、第1および第2の細長い板41、42;41’、42’の各対は、調整可能な幅の進路を定める。
【0070】
例えば、パウチコンベアがシャシーにおいて支持されている場合に、第1または第2の板41、42;41’、42’のうちの少なくとも1つは、第1または第2の板41、42;41’、42’のうちの他方との平行性を失うことなく、第1または第2の板41、42;41’、42’の前記他方に対して移動する能力を伴って、加圧流体源と流体連通した状態で、シャシー上に装着されている。
【0071】
図2の例では、細長い第1および第2の板41、42;41’、42’は、直線であり、棚20、20’の長手方向寸法と整列する直線の経路を定める。
【0072】
他の実施形態では、第1および第2の細長い板41、42;41’、42’は、湾曲した進路または湾曲した区画を有する進路を定めることができ、その結果、取上げ領域30、30’は、関連付けられている棚20、20’の長手方向と必ずしも整列しない。
【0073】
いずれの場合でも、板は、両側の縁部からパウチを推進することを意図されている。
【0074】
図2の例では、各第1および第2の細長い板41、42;41’、42’は、側方の本質的に垂直な翼部44a、44b;44a’、44b’で完成されている。これらの翼部44a、44b;44a’、44b’は、分離されたパウチを収容し誘導する役割を果たし、分離されたパウチの側方縁部は、前記側方の翼部によって誘導される。この意味で、図2を参照すると、パウチ10の側方縁部は、側方の翼部44a、44bによって誘導される。
【0075】
本発明は、側方の翼部44a、44b;44a’、44b’が、板に脱着可能に連結されていることを想定する。
【0076】
本発明はまた、側方の翼部44a、44b;44a’、44b’が、板に対して移動可能に連結されていることを想定する。
【0077】
図示していないが、本発明はまた、両側の側部縁部からパウチを推進することを意図されている第1および第2の細長い板間に配置されている少なくともさらなる板が、その中央領域から同様にパウチを推進するように配置されていることを想定する。
【0078】
図3は、本発明のこれらの実施形態の利点をよりよく理解するための役割を果たす。
【0079】
特に、図3は、角に注ぎ口を備えている種類のパウチである場合に、右手の翼部44bが、パウチ10の注ぎ口10aを収容するためのある種のチャネル45を定める第2の板42(右手の板)に取り付けられている実施形態を示す。このようにして、注ぎ口10aの存在は、パウチ10が、噴出ノズル43によって、滑り面41a、42aにわたって第1および第2の板41、42に沿って適正に滑動することを妨げない。この実施形態は、図2に示すパウチマガジン100の右手の取上げ領域30において行われる。
【0080】
この同じパウチマガジン100では、パウチコンベア40’に対応する右手の翼部44b’は、特に角に注ぎ口がないパウチ(図示せず)を運搬することを目的とした異なる断面または構成を有する。したがって、この場合、注ぎ口を収容することを目的としたチャネルはない。
【0081】
前に述べたように、2つの考えられる代替案を挙げると、操作者は、板に固定されるべき適切な1つの翼部を選ぶため、または側方の翼部と板との間に、それらの間の相対位置を変更することができるような機械的連結を設けるために、一組の翼部を有することができると想定される。
【0082】
一実施形態によれば、取上げ領域はまた、パウチが取上げ領域に正しく配置されまたは置かれることを確実にするための検出手段を備えていることができる。
【0083】
本発明の例示的な実施形態では、パウチマガジン100の各取上げ領域30、30’は、パウチ検出手段60、60’を有する。
【0084】
検出手段は、例では、中央のリブ61、61’を経由するたびに、複数のセンサー62によって実施され、その少なくとも1つは、位置付け止め具に隣接する位置付けセンサーである。
【0085】
リブ61、61’は、パウチの高さ寸法の方向に配置されていることが好ましく、すなわち、その結果、リブ61、61’は、パウチが取上げ領域30、30’にあり、それぞれの位置付け止め具31、31’に当たっているときに、パウチに対して本質的に長手方向に延在する。
【0086】
センサー62は、リブ61、61’に沿って分布されることができる。
【0087】
センサー62は、例えば、等間隔で分布されることができる。
【0088】
センサーは、関連付けられているリブに沿って移動可能に配置され得、その結果、センサーのリブに関する相対位置は、変更されることができる。
【0089】
センサー62は、例えば、光電子センサーまたは光ファイバセンサーであることができる。
【0090】
パウチが、取上げ領域30、30’の位置付け止め具31、31’に対して正しく配置されると、位置付け止め具31、31’に隣接しまたは隣にある位置付けセンサーは、パウチによって覆われることになる。
【0091】
本発明の一実施形態では、位置付けセンサーから離れて、複数の他のセンサー62がある。覆われなければならないセンサー62の個数は、パウチの形式によって、この例示的な場合にはパウチの高さ寸法に基づいて決まる。結果として、各パウチについて、覆われるべきセンサー62の個数は、前もって既知である。理論的に覆われるべきセンサー62の個数と、この場合には、覆われていることに対応する信号を生成しまたは送り返す実際に覆われるセンサー62の個数との間の不整合は、警告信号および/または他の行為を引き起こすことができる。
【0092】
可能性のある行為は、パウチが当たって静止しているべき位置付け止め具31、31’を動作させるものであることができる。
【0093】
したがって、本発明の一実施形態では、位置付け止め具31、31’は、検出手段によって生成された信号に応じて駆動される移動可能な位置付け止め具であることができる。
【0094】
本発明の例示的な実施形態では、位置付け止め具31、31’は、保持位置と、解放位置との間で移動可能である。保持位置は、パウチがより遠くに移動することを妨げるものであり、パウチは、位置付け止め具31、31’に当たって静止する。解放位置は、コアンダ効果を受けるパウチが、前方に押され続けることを防げないものである。この第2の場合、パウチは、排出トレーに行き着くことができる。
【0095】
位置付け止め具31または31’を解放位置に向かって動作させる行為は、排出されるパウチをより素早く取上げ領域の外に吐き出すために、パウチコンベアの流体流圧力を一時的に増加させる行為によって随伴または補完されることができる。
【0096】
この増加は、例えば、500%、好ましくは600%以上のオーダーであることができる。
【0097】
このことは、本発明の一実施形態において、パウチを運搬するのに使用される流体圧力が、1バールに、到達することなく近い場合、排出圧力は、6バール程度であり得ることを意味する。
【0098】
本発明の別の実施形態では、位置付けセンサーから離れて、リブ61または61’における別のセンサー62と、パウチ分離手段21または21’の隣に配置されており、検出窓が積層体中の第1のパウチの自由面に焦点を当てるように、マガジンの固定部分に支持されている送給センサーとがある。
【0099】
この場合、これらのセンサーの送り返された信号は、分離手段21または21’の動作に関連した行為など、位置付け止め具31、31’を動作させる行為からは離れたさらなる行為を引き起こすことができる。
【0100】
さらなる実施形態では、注ぎ口検出センサーが、チャネル45の遠位領域に配置されることができ、注ぎ口が占有するとみなされる空間、または角の注ぎ口を有するパウチが覆わずに残すとみなされる空の空間のいずれかを対象とする検出窓を有する。
【0101】
一実施形態では、位置付けセンサーまたは注ぎ口検出センサーなどのセンサーは、撮像装置であることができ、または撮像装置を含むことができる。そして、撮られた画像は、デジタルで保管されている画像と比較されることができ、比較に応じて適宜続行する。この場合、取上げ領域におけるパウチの送給位置付けの精度の不足だけでなく、パウチの積層体が、不正確に、例えば逆向きに(注ぎ口が間違った側で)棚に装填されたことも、検出することができる。
図1
図2
図3
【外国語明細書】