(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162291
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】冷却器、冷却構造、および回転電機ユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20241114BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20241114BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241114BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241114BHJP
【FI】
H02K11/33
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077658
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 崇▲発▼
(72)【発明者】
【氏名】葛城 皓太
(72)【発明者】
【氏名】別芝 範之
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲一
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
5H611
5H770
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA11
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5F136BA03
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA41
5F136FA01
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
5H770AA21
5H770BA01
5H770PA14
5H770PA22
5H770PA24
5H770PA26
5H770PA42
5H770QA06
5H770QA09
5H770QA28
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】熱交換効率を高めつつ冷媒の圧力損失を抑制可能な冷却器、冷却構造、および回転電機ユニットを提供する。
【解決手段】冷却器は、冷媒が流通する冷却流路が形成された冷却部を備え、前記冷却流路は、入口流路と、出口流路と、第1モジュール群と重なる位置に形成される第1流路と、第2モジュール群と重なる位置に形成される第2流路と、前記入口流路から排出された前記冷媒を前記第1流路と前記第2流路とに分岐させる分岐部と、前記第1流路から排出された前記冷媒および前記第2流路から前記排出された前記冷媒を前記出口流路に合流させる合流部と、を有し、前記冷却部は、前記分岐部に配置され、前記入口流路に向けてV字状に突出した形状を有する入口突出部と、前記合流部に配置され、前記出口流路に向けてV字状に突出した形状を有する出口突出部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、を有する回転電機と、第1モジュール群および第2モジュール群を含む複数のパワーモジュールを有し、前記軸心に沿った軸方向において前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、を有する回転電機ユニットにおいて、前記電力変換装置を冷却するための冷却器であって、
第1主面と、前記複数のパワーモジュールが配置される第2主面と、を有するヒートシンクを有し、前記第1主面に面するとともに冷媒が流通する冷却流路が形成された冷却部を備え、
前記冷却流路は、
前記冷媒が供給される入口流路と、
前記冷媒が排出される出口流路と、
前記軸方向から見て前記第1モジュール群と重なる位置に形成される第1流路と、
前記軸方向から見て前記第2モジュール群と重なる位置に形成される第2流路と、
前記入口流路から排出された前記冷媒を前記第1流路と前記第2流路とに分岐させる分岐部と、
前記第1流路から排出された前記冷媒および前記第2流路から前記排出された前記冷媒を前記出口流路に合流させる合流部と、
を有し、
前記冷却部は、
前記分岐部に配置され、前記軸方向から見て前記入口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記入口流路から前記第1流路および前記第2流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する入口突出部と、
前記合流部に配置され、前記軸方向から見て前記出口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記第1流路および前記第2流路から前記出口流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する出口突出部と、
を有する、
冷却器。
【請求項2】
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路においては、前記冷却流路の側壁面が、前記軸方向から見て直線状に延びている、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路同士の間には、前記冷媒の流れを整理する過渡流路が設けられ、
前記過渡流路においては、前記冷却流路の側壁面が、前記軸方向から見て円弧状に延びている、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路同士の間には、前記冷媒の流れを整理する過渡流路が設けられ、
前記軸方向における前記フィン流路の寸法をL1とし、前記軸方向における前記過渡流路の寸法をL2とするとき、L1≠L2が成立する、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項5】
前記フィン流路と前記過渡流路との間には、前記フィン流路から前記過渡流路に向けて前記軸方向における寸法が漸次変化するフィレット部が設けられる、
請求項4に記載の冷却器。
【請求項6】
前記第1流路は、前記軸方向から見て前記分岐部から直線状に延びる第1入口直線路と、前記軸方向から見て前記合流部から直線状に延びる第1出口直線路と、を含み、
前記第2流路は、前記軸方向から見て前記分岐部から直線状に延びる第2入口直線路と、前記軸方向から見て前記合流部から直線状に延びる第2出口直線路と、を含み、
前記入口突出部は、前記入口流路に対向する先端部である入口先端部を有し、
前記出口突出部は、前記出口流路に対向する先端部である出口先端部を有し、
前記軸方向から見て、前記入口先端部の角度は、前記第1入口直線路と前記第2入口直線路とがなす角度よりも小さく、前記出口先端部の角度は、前記第1出口直線路と前記第2出口直線路とがなす角度よりも小さい、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項7】
前記入口突出部および前記出口突出部の各々は、前記第1流路および前記第2流路の側壁面に対して滑らかに接続されるフィレット面を有する、
請求項6に記載の冷却器。
【請求項8】
前記入口突出部および前記出口突出部は、前記第1主面に形成される、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項9】
前記冷却部は、前記第1主面に対向して前記冷却流路と面するように設けられる流路ベースをさらに有し、
前記入口突出部および前記出口突出部は、前記流路ベースに形成される、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項10】
前記冷却部は、
前記分岐部に配置され、前記入口流路から前記第1流路および前記第2流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する、前記軸方向から見て、前記入口流路から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の入口ガイド部と、
前記合流部に配置され、前記第1流路および前記第2流路から前記出口流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する、前記軸方向から見て、前記出口流路から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の出口ガイド部と、
を有する、
請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項11】
請求項1または2に記載の冷却器と、
前記冷却器によって冷却される前記電力変換装置と、を備える、
冷却構造。
【請求項12】
請求項11に記載の冷却構造と、
前記軸方向において前記電力変換装置と並んで配置された前記回転電機と、を備える、
回転電機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却器、冷却構造、および回転電機ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般産業用、電鉄用のみならず自動車用に、電力変換装置と回転電機とが広く使用されるようになってきており、電動化や軽量化によって自動車の燃費向上に寄与することが求められてきている。特に電気自動車用の電力変換装置および回転電機においては、バッテリーの容量増大と重量減少とによって航続距離が向上するため、スペースの利用効率を向上させる必要がある。ハイブリット車においては、エンジンおよび回転電機をエンジンルーム内に共存させるために、スペースの利用効率が重要となる。このような背景の中で、電力変換装置と回転電機とを一つの筐体の中に収めた機電一体型の回転電機ユニットが、電力変換装置と回転電機の各々を小型化して出力密度を向上させる手段の一つとして知られている。
【0003】
回転電機ユニットの小型軽量化とともに、配線損失の低減を図るため、例えば特許文献1のような構造が提案されている。特許文献1の構造においては、回転電機の軸方向において回転電機と隣接する位置に円板が配置され、当該円板上に電力変換用のパワーモジュールが配置される。特許文献1の回転電機ユニットは、パワーモジュール等の発熱体を冷却するための冷却器をさらに備える。この冷却器には、ヒートシンクを介して発熱体から熱を受け取る冷媒が流れる、円環状の冷却流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車の電気化に伴って機電一体型の回転電機ユニットの出力が高まった一方、パワーモジュールの発熱密度も高くなる。特許文献1の構造においては、熱交換効率を高めるために、ヒートシンクと冷媒との熱交換面積を増大するピンフィンが用いられている。このようなピンフィンは、冷媒の圧力損失を増大させる場合がある。また、周辺部品も同時に冷却できるように、複数の冷却器(例えば、電力変換装置用の冷却器と回転電機用の冷却器)を一体化する場合がある。このように冷却器を一体化させると、冷媒の流通経路が長くなったり冷媒の流量が増加したりし、冷媒の圧力損失が増大する可能性がある。冷媒の圧力損失が増大すると、冷媒供給用のモータへの負荷が高まり、冷却器の冷却効率が低下する。
【0006】
本開示は、このような事情を考慮してなされ、熱交換効率を高めつつ冷媒の圧力損失を抑制可能な冷却器、冷却構造、および回転電機ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る冷却器は、固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、を有する回転電機と、第1モジュール群および第2モジュール群を含む複数のパワーモジュールを有し、前記軸心に沿った軸方向において前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、を有する回転電機ユニットにおいて、前記電力変換装置を冷却するための冷却器であって、第1主面と、前記複数のパワーモジュールが配置される第2主面と、を有するヒートシンクを有し、前記第1主面に面するとともに冷媒が流通する冷却流路が形成された冷却部を備え、前記冷却流路は、前記冷媒が供給される入口流路と、前記冷媒が排出される出口流路と、前記軸方向から見て前記第1モジュール群と重なる位置に形成される第1流路と、前記軸方向から見て前記第2モジュール群と重なる位置に形成される第2流路と、前記入口流路から排出された前記冷媒を前記第1流路と前記第2流路とに分岐させる分岐部と、前記第1流路から排出された前記冷媒および前記第2流路から前記排出された前記冷媒を前記出口流路に合流させる合流部と、を有し、前記冷却部は、前記分岐部に配置され、前記軸方向から見て前記入口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記入口流路から前記第1流路および前記第2流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する入口突出部と、前記合流部に配置され、前記軸方向から見て前記出口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記第1流路および前記第2流路から前記出口流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する出口突出部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、熱交換効率を高めつつ冷媒の圧力損失を抑制可能な冷却器、冷却構造、および回転電機ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る回転電機ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すII-II線に沿う断面図である。
【
図3】実施の形態1に係る冷却構造を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る冷却器を示す分解図である。
【
図5】
図4に示す流路ベースを矢視Vから見る図である。
【
図6】
図4に示すヒートシンクを矢視VIから見る図である。
【
図7】実施の形態1に係るフィン流路および過渡流路の例を示す模式図である。
【
図8】実施の形態1に係るフィレット部の例を示す模式図である。
【
図9】実施の形態2に係る流路ベースの一部を示す上面図である。
【
図10】実施の形態2に係る流路ベースを示す上面図である。
【
図11】実施の形態2に係る冷却流路が満たす幾何関係の一例を示す図である。
【
図12】入口突起部および出口突起部がない場合における、冷媒の流れを示す図である。
【
図13】実施の形態3に係る入口突起部を示す図である。
【
図14】実施の形態3の変形例に係るヒートシンクの一部を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る冷却器、冷却構造、および回転電機ユニットについて、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る回転電機ユニット100を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る回転電機ユニット100を示す断面図である。
図1および
図2に示すように、回転電機ユニット100は、電力変換装置1と、回転電機2と、を備える。本実施形態に係る回転電機ユニット100は、電力変換装置1と回転電機2とが一体化した機電一体型の回転電機ユニットである。電力変換装置1および回転電機2は、例えば一つの筐体の中に収容される。回転電機ユニット100は、例えば車両に搭載される。
【0012】
図2に示すように、回転電機2は、固定子2aおよび回転子2b等を備える。固定子2aには、複数のコイル2dが巻装されている。回転子2bは、固定子2aに対して、軸心O回りに回転する。回転子2bには、軸心Oに沿って延び、回転子2bとともに回転するシャフト2cが固定されている。なお、図示した回転電機2の構造は一例であり、適宜変更可能である。
【0013】
本実施形態における回転電機ユニット100は、6相駆動方式の回転電機ユニットである。詳細な図示は省略するが、回転電機2は、6相(U1相、V1相、W1相、U2相、V2相、W2相)のそれぞれに対応する6つのコイル2dを有する。
【0014】
本明細書では、回転子2bの軸心Oに沿う方向を軸方向Zと称する。電力変換装置1と回転電機2とは、軸方向Zにおいて並んで配置されている。軸方向Zに沿って、回転電機2から電力変換装置1に向かう側を、上側と称し、+Zで表す。軸方向Zに沿って、電力変換装置1から回転電機2に向かう側を、下側と称し、-Zで表す。また、軸方向Zから見て軸心Oに直交する方向を、径方向と称する。径方向に沿って、軸心Oに接近する向きを、径方向内側と称し、軸心Oから離反する向きを、径方向外側と称する。軸方向Zから見て、軸心Oまわりに周回する方向を、周方向と称する。軸方向Zから見ることを、平面視と称する。また、軸方向Zに交差する(例えば、直交する)一方向を、第1方向Xと称する。第1方向Xにおける一方側を+Xで表し、他方側を-Xで表す。軸方向Zおよび第1方向Xの双方に直交する方向を、第2方向Yと称する。第2方向Yにおける一方側を+Yで表し、他方側を-Yで表す。
【0015】
図2に示すように、回転電機ユニット100には、回転電機ユニット100を冷却するための冷媒が流通する冷媒流路Fが形成されている。本実施形態における冷媒流路Fは、第1冷却流路F1(冷却流路)と、第2冷却流路F2と、接続流路F3と、を有する。第1冷却流路F1は、電力変換装置1を冷却するための流路である。第2冷却流路F2は、回転電機2を冷却するための流路である。接続流路F3は、第1冷却流路F1と接続流路F3とを接続する流路である。
【0016】
詳細な図示は省略するが、回転電機ユニット100は、冷媒供給モータや熱交換チラーを有していてもよい。電力変換装置1と回転電機2とが別体であって冷却流路F1、F2が互いに分離した構成においては、各流路に冷媒供給モータおよび熱交換チラーを設ける必要がある。本実施形態のように電力変換装置1と回転電機2とを一体化させ、冷却流路F1、F2を上述のような接続流路F3を介して接続することで、必要な冷媒供給モータおよび熱交換チラーの数を各々一つに抑えることができる。
【0017】
図2に示すように、電力変換装置1には、電力変換装置1を冷却するための冷却器3が設けられている。冷却器3は、前述した第1冷却流路F1が形成された冷却部30を有する。以下、電力変換装置1と冷却器3とを合わせて「冷却構造S」と称する場合がある。
【0018】
図3は、本実施形態における電力変換装置1および冷却器3、すなわち冷却構造Sを示す斜視図である。電力変換装置1は、複数のパワーモジュール1aやその他の素子等を有する。
図3においては、電力変換装置1のうちパワーモジュール1a以外の構成の図示を省略している。
【0019】
パワーモジュール1aは、電力変換装置1に供給された直流電力を交流電力に変換して回転電機2(コイル2d)に供給する。パワーモジュール1aは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ベースバイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子や、ダイオード等を備えていてもよい。
【0020】
図3に示すように、本実施形態における電力変換装置1は、6相(U1相、V1相、W1相、U2相、V2相、W2相)のそれぞれに対応する6つのパワーモジュール1aを有する。また、6つのパワーモジュール1aは、2つのモジュール群G1、G2(第1モジュール群G1、第2モジュール群G2)を含んでいる。各モジュール群G1、G2には、3つのパワーモジュール1aが含まれる。各モジュール群G1、G2において、3つのパワーモジュール1aは周方向に並べて配置されている。第1モジュール群G1は、第2方向Yにおける一方側(+Y側)に位置する。第2モジュール群G2は、第2方向Yにおける他方側(-Y側)に位置する。
【0021】
図4は、本実施形態における冷却器3(冷却部30)を示す分解図である。
図3および
図4に示すように、本実施形態における冷却器3(冷却部30)は、ヒートシンク10と、流路ベース20と、を備える。ヒートシンク10は、流路ベース20の上部に固定されている。ヒートシンク10と流路ベース20との間に、前述した第1冷却流路F1が形成されている。
【0022】
図3および
図4に示すように、ヒートシンク10は、板状(図示の例においては円板状)の形状を有する。ヒートシンク10は、第1主面10aと、第1主面10aとは反対側の第2主面10bと、を有する。図示の例において、第1主面10aはヒートシンク10の下面であり、第2主面10bはヒートシンク10の上面である。
【0023】
図3に示すように、第1主面10aには、複数のパワーモジュール1aが配置されている(接触している)。図示の例においては、6つのパワーモジュール1aが、ヒートシンク10の外周縁に沿うように、径方向に等間隔を空けて配置されている。第2主面10bは、第1冷却流路F1に面している(接触している)。各パワーモジュール1aで発生した熱は、ヒートシンク10を介して、第1冷却流路F1を流通する冷媒に伝達される。これにより、パワーモジュール1a(電力変換装置1)からの放熱が実現される。
【0024】
図4に示すように、流路ベース20の上面には、平面視において環状の凹部(以下、環状凹部)21が形成されている。以下、説明のために、流路ベース20の上部のうち環状凹部21の径方向内側に位置する部位を、中央凸部22と称する。同様に、流路ベース20の上部のうち環状凹部21の径方向外側に位置する部位を、外周凸部23と称する。中央凸部22の上部および外周凸部23の上部の各々は、ヒートシンク10に対して液密に接触する。
【0025】
流路ベース20の側面には、入口部24および出口部25が設けられている。図示の例において、入口部24および出口部25は、第1方向Xにおいて反対側に位置する。入口部24は、第1方向Xにおける一方側(+X側)に位置する。出口部25は、第1方向Xにおける他方側(-X側)に位置する。入口部24および出口部25の各々は、径方向に延びる内部空間を有する。入口部24および出口部25の各内部空間は、環状凹部21に連通している。
【0026】
図5は、本実施形態に係る流路ベース20を示す上面図である。
図5に示すように、第1冷却流路F1は、第1流路31と、第2流路32と、入口流路34と、出口流路35と、分岐部36、合流部37と、を有する。入口流路34は、入口部24に形成されている。出口流路35は、出口部25に形成されている。第1流路31、第2流路32、分岐部36、および合流部37は、環状凹部21に形成されている。
【0027】
入口流路34には、冷却器3の外部から冷媒が供給される。入口流路34は、冷媒を分岐部36に排出する。分岐部36は、入口流路34から排出された冷媒を、第1流路31と第2流路32とに分岐させる。合流部37は、第1流路31から排出された冷媒および第2流路32から排出された冷媒を、出口流路35に合流させる。出口流路35に合流した冷媒は、冷却器3の外部へと排出される。
【0028】
第1流路31は、軸方向Zから見て第1モジュール群G1と重なる位置に形成されている(
図3も参照)。第2流路32は、軸方向Zから見て第2モジュール群G2と重なる位置に形成されている(
図3も参照)。つまり、第1流路31は、第1モジュール群G1に属するパワーモジュール1aを冷却するための流路であり、第2流路32は、第2モジュール群G2に属するパワーモジュール1aを冷却するための流路である。このように第1冷却流路F1を第1流路31と第2流路32とに分岐させることで、冷媒が流れる距離を短くし、冷媒に生じる圧力損失を低減することができる。
【0029】
図5に示すように、第1流路31は、第1入口直線路38aと、第1出口直線路38bと、第1中間直線路38cと、を有する。第1入口直線路38a、第1出口直線路38b、および第1中間直線路38cの各々は、平面視において直線状に延びている。より具体的に、第1入口直線路38aは、平面視において分岐部36から直線状に延びている。第1出口直線路38bは、平面視において合流部37から直線状に延びている。第1中間直線路38cは、冷媒が流れる方向(周方向)において、第1入口直線路38aと第1出口直線路38bとの間に位置する。
【0030】
同様に、第2流路32は、第2入口直線路39aと、第2出口直線路39bと、第2中間直線路39cと、を有する。第2入口直線路39a、第2出口直線路39b、および第2中間直線路39cの各々は、平面視において直線状に延びている。より具体的に、第2入口直線路39aは、平面視において分岐部36から直線状に延びている。第2出口直線路39bは、平面視において合流部37から直線状に延びている。第2中間直線路39cは、冷媒が流れる方向(周方向)において、第2入口直線路39aと第2出口直線路39bとの間に位置する。
【0031】
本実施形態において、第1入口直線路38a、第1中間直線路38c、第1出口直線路38b、第2出口直線路39b、第2中間直線路39c、第2入口直線路39aは、周方向においてこの順に並んでいる。また、隣接する2つの直線路同士は、120°の角をなしている。これにより、第1流路31、第2流路32、分岐部36、および合流部37を合わせた環状の流路(環状凹部21)は、平面視において略正六角形の形状を有している。
【0032】
図6は、本実施形態に係るヒートシンク10を示す下面図である。なお、
図6には、冷却部30を組み立てた際における第1冷却流路F1の輪郭を二点鎖線で示してある。
図6に示すように、本実施形態に係るヒートシンク10の第1主面10aには、複数の放熱フィン11が形成されている。各放熱フィン11は、第1主面10aから下方に向けて延びている。各放熱フィン11は、軸方向Zに垂直な断面視において矩形状を有する。
【0033】
複数の放熱フィン11は、複数(図示の例においては6つ)の放熱フィン群GFを含んでいる。6つの放熱フィン群GFの位置は、6つのパワーモジュール1aの位置と一対一に対応していてもよい。各放熱フィン群GFは、軸方向Zから見て、対応するパワーモジュール1aと重なる位置に配置されている。各放熱フィン群GFにおいて、複数の放熱フィン11は二次元状に整列されている。冷却部30を組み立てた際、各放熱フィン群GFは、第1流路31および第2流路32のいずれかに配置され、冷媒に接触する。ヒートシンク10がこのような放熱フィン11を有していることで、ヒートシンク10と冷媒との熱交換面積が増大する。
【0034】
以下、第1流路31および第2流路32のうち複数のヒートシンク10(放熱フィン群GF)が配置される部分を、フィン流路33aと称する(
図5参照)。フィン流路33aは、ヒートシンク10と冷媒との間における熱交換が主に行われる部分である。また、冷媒が流れる方向(周方向)において隣接する2つのフィン流路33aの間に位置する部分を、過渡流路33bと称する。
図5に示すように、本実施形態に係る第1流路31および第2流路32は、各々、3つのフィン流路33aと2つの過渡流路33bとを有する。なお、本実施形態におけるフィン流路33aは、前述した直線路38a~38c、39a~39cである。
【0035】
図5に示すように、各フィン流路33aにおいては、第1冷却流路F1の側壁面(中央凸部22の外周面および外周凸部23の内周面)が、平面視において直線状に延びている。つまり、フィン流路33aの側壁面が、平坦面22a、23aになっている。これにより、パワーモジュール1aを効率的に冷却することができる。フィン流路33aの幅(径方向における寸法)および長さ(周方向における寸法)は、パワーモジュール1aのサイズに応じて適宜決定されてもよい。具体的には、中央凸部22の外周面が、平面視において正六角形状に配置された6つの平坦面22aを有している。同様に、外周凸部23の内周面が、平面視において正六角形状に配置された6つの平坦面23aを有している。6つの平坦面22aと6つの平坦面23aとは一対一に対応しており、対応する平坦面22a、23a同士は径方向に対向している。対向する平坦面22a、23aの間にある領域が、フィン流路33aになっている。
【0036】
各過渡流路33bにおいては、第1冷却流路F1の側壁面が、平面視において円弧状に延びている。これにより、過渡流路33bにおいて冷媒の流れを整理することができる。具体的には、中央凸部22の、正六角形状を有する外周面の角部(外角部22b)が円弧状に加工されている。同様に、中央凸部22の、正六角形状を有する内周面の角部(内角部23b)が円弧状に加工されている。6つの外角部22bと6つの内角部23bとは一対一に対応しており、対応する角部22b、23b同士は径方向に対向している。対向する角部22b、23b同士の間にある領域が、過渡流路33bになっている。外角部22bの曲率半径をRとし、第1冷却流路F1の幅(径方向における寸法)をWとするとき、内角部23bの曲率半径は(R+W)であってもよい。
【0037】
図5に示すように、中央凸部22の外周面の一部は、分岐部36に配置され、平面視において入口流路34に向けてV字状に突出した入口突出部P4を構成する。具体的には、分岐部36に配置された外角部22bと、当該外角部22bの周方向における両隣に位置する2つの平坦面22aとが、入口突出部P4を構成する。入口突出部P4は、入口流路34から第1流路31および第2流路32へ向けた冷媒の流れを案内する。分岐部36にこのような入口突出部P4が配置されることで、中央凸部22の外周面が円弧状である場合と比較して、冷媒がスムーズに分岐する。具体的には、分岐部36において、第1冷却流路F1の側壁面からの流れの剥離や乱流の発生が抑制される。
【0038】
同様に、中央凸部22の外周面の一部は、合流部37に配置され、平面視において出口流路35に向けたV字状に突出した出口突出部P5を構成する。具体的には、合流部37に配置された外角部22bと、当該外角部22bの周方向における両隣に位置する2つの平坦面22aとが、出口突出部P5を構成する。出口突出部P5は、第1流路31および第2流路32から出口流路35へ向けた冷媒の流れを案内する。合流部37にこのような出口突出部P5が配置されることで、中央凸部22の外周面が円弧状である場合と比較して、冷媒がスムーズに合流する。具体的には、合流部37において、第1冷却流路F1の側壁面からの流れの剥離や乱流の発生が抑制される。なお、
図4に示すように、分岐部36および合流部37の深さ(軸方向Zにおける寸法)は、第1流路31および第2流路32の深さよりも大きいことが望ましい。
【0039】
図7は、本実施形態に係るフィン流路33aおよび過渡流路33bの例を示す模式図である。以下、フィン流路33aの深さをL1とし、過渡流路33bの深さをL2とする。
図7に示すように、L1<L2が成立してもよいし(
図7(a);ケースA)、L1=L2が成立してもよいし(
図7(b);ケースB)、L1>L2が成立してもよい(
図7(c);ケースC)。
【0040】
上述した各ケースA~Cには、例えば以下のような利点が存在する。
・ケースA.L1<L2:冷媒がフィン流路33aから過渡流路33bに流れるとき、冷媒の流れが減速する。これにより、上流側であるフィン流路33aで発生した流れの流速差や流量差を抑制することができる。
・ケースB.L1=L2:第1冷却流路F1(環状凹部21)の形成が容易になる。
・ケースC.L1>L2;冷媒が過渡流路33bから次のフィン流路33aに流れるとき、放熱フィン11の根本部(上端部)における流速が、放熱フィン11の先端部(下端部)における流速よりも大きくなる。これにより、放熱フィン11の放熱効率を向上させることができる。
【0041】
なお、上記のケースAまたはケースCの場合(L1≠L2)の場合、
図8(a)に示すように、フィン流路33aと過渡流路33bとの間で流路の深さが急激に変化する。この結果、段差部分において流れが底面21aから剥離して段差の角部に乱れが生じ、流路の圧力損失が増大し得る。
【0042】
このような悪影響を抑制するために、フィン流路33aと過渡流路33bとの間に、フィレット部33cが設けられてもよい。フィレット部33cにおいては、フィン流路33aから過渡流路33bに向けて、深さが漸次(滑らかに)変化する。具体的には、フィン流路33aの底面21aと過渡流路33bの底面21aとを結ぶ傾斜面21bを形成することで、フィレット部33cを形成してもよい。
【0043】
なお、図示の例においてはフィン流路33aと過渡流路33bとの間で底面21aの高さ(軸方向Zにおける位置)を変化させることでL1およびL2を変化させているが、L1およびL2を変化させる方法はこれに限られない。例えば、ヒートシンク10の下面(第1主面10a)の形状を変更することでL1およびL2を変化させてもよい。同様に、ヒートシンク10の下面の形状を変更することでフィレット部33cを形成してもよい。
【0044】
次に、以上のように構成された冷却器3の作用について説明する。
【0045】
従来、電力変換装置と回転電機とを一体化させた、機電一体型の回転電機ユニットが知られている。このような回転電機ユニットにおいては、電力変換装置用の冷媒流路(第1冷却流路F1)と回転電機用の冷媒流路(第2冷却流路F2)を接続して一体化させる場合がある。この場合、冷媒の流通経路が長くなる。また、電力変換装置と回転電機との双方を冷却できるよう、冷媒の流量も増大することとなる。これにより、冷媒の圧力損失が増大し、冷媒供給用のモータへの負荷が高まり、冷却器の冷却効率が低下する可能性がある。また、冷媒の入口や出口付近に流路断面の急変化や流路分岐が存在する場合、冷媒の流れが流路壁面から把握し、流れの乱れが発生する。さらに、流路の内周側と外周側との間に、冷媒の流速差や流路差の偏流が発生することがある。流路の内周側と外周側とで、冷媒が流れる距離が異なるためである。このような乱れや偏流が発生すると、電力変換装置1のパワーモジュール1aやその他の電力素子を冷却する効率が不均一となり、装置全体で温度差が発生する場合がある。
【0046】
これに対し、本実施形態に係る冷却器3においては、第1冷却流路F1を、第1流路31と第2流路32とに分岐させている。これにより、冷媒が流れる距離を短くし、冷媒に生じる圧力損失を低減することができる。また、分岐部36に入口突出部P4が設けられ、合流部37に出口突出部P5が設けられている。これにより、分岐部36および合流部37において、第1冷却流路F1の側壁面からの流れの剥離や乱流の発生が抑制され、冷媒がスムーズに分岐・合流する。したがって、熱交換効率の向上および冷媒の圧力損失の抑制を図ることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器3は、固定子2aと、固定子2aに対して軸心O周りに回転する回転子2bと、を有する回転電機2と、第1モジュール群G1および第2モジュール群G2を含む複数のパワーモジュール1aを有し、軸心Oに沿った軸方向Zにおいて回転電機2と並んで配置される電力変換装置1と、を有する回転電機ユニット100において、電力変換装置1を冷却するための冷却器であって、第1主面10aと、複数のパワーモジュール1aが配置される第2主面10bと、を有するヒートシンク10を有し、第1主面10aに面するとともに冷媒が流通する第1冷却流路(冷却流路)F1が形成された冷却部30を備え、第1冷却流路F1は、冷媒が供給される入口流路34と、冷媒が排出される出口流路35と、平面視において第1モジュール群G1と重なる位置に形成される第1流路31と、平面視において第2モジュール群G2と重なる位置に形成される第2流路32と、入口流路34から排出された冷媒を第1流路31と第2流路32とに分岐させる分岐部36と、第1流路31から排出された冷媒および第2流路32から排出された冷媒を出口流路35に合流させる合流部37と、を有し、冷却部30は、分岐部36に配置され、平面視において入口流路34に向けてV字状に突出した形状を有し、入口流路34から第1流路31および第2流路32へ向けた冷媒の流れを案内する入口突出部P4と、合流部37に配置され、平面視において出口流路35に向けてV字状に突出した形状を有し、第1流路31および第2流路32から出口流路35へ向けた冷媒の流れを案内する出口突出部P5と、を有する。
【0048】
この構成により、熱交換効率の向上および冷媒の圧力損失の抑制を図ることができる。
【0049】
また、冷却部30は、第1流路31および第2流路32に配置される複数の放熱フィン11を有し、複数の放熱フィン11は、第1主面10aに形成され、複数の放熱フィン11は、平面視において複数のパワーモジュール1aと重なる位置に配置され、第1流路31および第2流路32のうち複数の放熱フィン11が配置された部分であるフィン流路33aにおいては、第1冷却流路F1の側壁面が、平面視において直線状に延びている。この構成によれば、複数の放熱フィン11によって熱交換面積を増大させ、冷却効率を高めることができる。また、フィン流路33aの側壁面を直線状にすることで、パワーモジュール1aを効率的に冷却することができる。
【0050】
また、フィン流路33a同士の間には、冷媒の流れを整理する過渡流路33bが設けられ、過渡流路33bにおいては、第1冷却流路F1の側壁面が、平面視において円弧状に延びている。この構成により、冷媒の流れが整理され、冷却をスムーズに流れさせることができる。
【0051】
また、フィン流路33aの深さをL1とし、過渡流路33bの深さをL2とするとき、L1≠L2が成立してもよい。前述したように、L1<L2が成立する場合、冷媒がフィン流路33aから過渡流路33bに流れるとき、冷媒の流れが減速する。これにより、上流側であるフィン流路33aで発生した流れの流速差や流量差を抑制することができる。L1>L2が成立する場合、冷媒が過渡流路33bから次のフィン流路33aに流れるとき、放熱フィン11の根本部(上端部)における流速が、放熱フィン11の先端部(下端部)における流速よりも大きくなる。これにより、放熱フィン11の放熱効率を向上させることができる。
【0052】
また、フィン流路33aと過渡流路33bとの間には、フィン流路33aから過渡流路33bに向けて深さが漸次変化するフィレット部33cが設けられてもよい。この構成によれば、フィン流路33aと過渡流路33bとの間で深さが急激に変化することに起因する問題の発生を抑制することができる。
【0053】
実施の形態2.
次に、実施の形態2.について説明するが、実施の形態1.と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
実施の形態2.では、入口突出部P4、出口突出部P5、分岐部36、および合流部37の構造が実施の形態1.と異なる。
【0054】
図9は、本実施形態に係る流路ベース20の一部(分岐部36の周辺)を示す上面図である。
図10は、本実施形態に係る流路ベース20を示す上面図である。
図9に示すように、本実施形態においては、分岐部36に、中央凸部22の平坦面22aから入口流路34に向けてV字状に突出した入口突起部41が設けられている。本実施形態においては、この入口突起部41が、入口突出部P4として機能する。また、外周凸部23の内周面のうち入口突起部41と対向する部分は、切り欠かれている。これにより、分岐部36に一対の切欠き面36bが形成されている。切欠き面36bの端部には、切欠き面36bと外周凸部23の内周面とを滑らかに接続するためのフィレット面36aが形成されている。
【0055】
図10に示すように、合流部37には、出口突起部42、一対の切欠き面37b、および一対のフィレット面37aが形成されている。出口突起部42は、中央凸部22の平坦面22aから出口流路35に向けてV字状に突出した形状を有し、出口突出部P5として機能する。なお、出口突起部42、切欠き面37b、およびフィレット面37aの形状は、各々、入口突起部41、切欠き面36b、フィレット面36aの形状と同一である。そのため、以下では入口突起部41、切欠き面36b、フィレット面36aが図示された
図9に基づいて説明を行い、出口突起部42、切欠き面36b、およびフィレット面37aの詳細な図示は省略する。
【0056】
図9に示すように、本実施形態に係る入口突起部41(入口突出部P4)は、先端部(以下、入口先端部41aと称する)と、一対の平坦面41bと、一対のフィレット面41cと、を有する。同様に、出口突起部42(出口突出部P5)は、先端部(以下、出口先端部42aと称する)と、一対の平坦面42bと、一対のフィレット面42cと、を有する。
【0057】
入口先端部41aは、入口流路34から冷媒が流入する方向(径方向)において入口流路34と対向している。同様に、出口先端部42aは、出口流路35から冷媒が流出する方向(径方向)において出口流路35と対向している。本実施形態において、入口先端部41aおよび出口先端部42aの各々は、平面視において円弧状に面取り加工されている。
【0058】
一対の平坦面41bは、周方向において、入口先端部41aの両隣に位置する。同様に、一対の平坦面42bは、周方向において、出口先端部42aの両隣に位置する。平坦面41b、42bの各々は、平面視において直線状に延びている。
【0059】
各フィレット面41cは、平坦面41bと、第1冷却流路F1の側壁面(中央凸部22の平坦面22a)と、を滑らかに接続している。同様に、各フィレット面42cは、平坦面42bと、第1冷却流路F1の側壁面(中央凸部22の平坦面22a)と、を滑らかに接続している。本実施形態において、フィレット面41c、42cの各々は、平面視において円弧状の形状を有する。
【0060】
図9に示すように、本実施形態において、入口直線路38a、39aにおける冷媒の流れFL3は、入口流路34における冷媒の流れFL1(入口流路34の平面視における中心線M1)に対して60°傾いている。上述した入口突起部41(入口突出部P4)は、分岐部36における流れFL2の向きを適切にガイドすることで、入口流路34から流路31、32(入口直線路38a、39a)へと、流れの向きを滑らかに転向させる効果を奏する。具体的には、分岐部36における冷媒の流れFL2が、流れFL1に対して60°未満(例えば、30°)の角度だけ傾くように、入口突起部41が流れFL2の向きをガイドするとよい。詳細な図示は省略するが、出口突起部42(出口突出部P5)は、合流部37における冷媒の流れの向きを適切にガイドすることで、流路31、32(出口直線路38b、39b)から出口流路35へと、流れの向きを滑らかに転向させる効果を奏する。
【0061】
上記の効果を達成するために、本実施形態では、軸方向Zから見て、入口先端部41aの角度θが、第1入口直線路38aと第2入口直線路39aとがなす角度αよりも小さくなっている。具体的に、角度θは、一対の平坦面41bがなす角度を意味してもよい。また、角度αは、入口直線路38a、39aの平面視における中心線M3同士がなす角度を意味してもよい。あるいは、角度αは、中央凸部22が有する、周方向に隣接した2つの平坦面22aがなす角度を意味してもよい。同様に、本実施形態では、出口先端部42aの角度θが、第1出口直線路38bと第2出口直線路39bとがなす角度αよりも小さくなっている(
図10も参照)。
【0062】
角度θが角度αより小さくなるように、入口突起部41(入口突出部P4)および出口突起部42(出口突出部P5)を中央凸部22の外周面から突出させることで、上述した効果が得られる。角度θの値は、例えば角度αの値の半分程度であってもよい。例えば、角度αの値は120°であり、角度θの値は60°である。
【0063】
図11は、本実施形態に係る第1冷却流路F1が満たす幾何関係の一例を示す図である。以下では、
図11に基づき、上述した入口突起部41および分岐部36(フィレット面36a、切欠き面36b)の形状を決定する方法の一例について詳述する。
【0064】
(ステップ1)まず、流路ベース20において、角部が円弧状に面取りされた正六角形H1、H2を基本形とする。第1の正六角形H1は、中央凸部22の外周面に対応する。第2の正六角形H2は、外周凸部23の内周面に対応する。第1の正六角形H1の角部(外角部22b)の曲率半径はRであり、第2の正六角形H2の角部(内角部23b)の曲率半径は(R+W)である。なお、Wは第1冷却流路F1の幅である。
【0065】
(ステップ2)次に、分岐部36の径方向内側に、第1の正三角形T1を描く。ここで、第1の正三角形T1が有する3つの頂点のうち、2つの頂点は、第1の正六角形H1の内接円C1上に位置する。もう1つの頂点は、対称軸(すなわち、入口流路34の中心線M1)上に位置する。また、第1の正三角形T1が有する各辺の長さをX1としたとき、X1=W/√3が成立する。
【0066】
(ステップ3)次に、第1の正三角形T1の辺と第1の正六角形H1の辺との2つの交点の各々に、円弧状のフィレットを描く。当該フィレットを、入口突起部41(入口突出部P4)の輪郭の一部(すなわち、フィレット面41c)とする。フィレット面41cに接する第1の補助円C3の半径をR3とすると、R3=W/2が成立する。第1の正三角形T1の辺に沿って、平坦面41bを配置する。
【0067】
(ステップ4)次に、分岐部36の径方向外側に、第2の正三角形T2を描く。ここで、第2の正三角形T2が有する3つの頂点のうち、2つの頂点は、第2の正六角形H2の内接円C2上に位置する。もう1つの頂点は、対称軸(すなわち、入口流路34の中心線M1)上に位置する。また、第2の正三角形T2が有する各辺の長さをX2としたとき、X2=2×W/√3が成立する。
【0068】
(ステップ5)次に、第2の正三角形T2の辺と第2の正六角形H2の辺との2つの交点の各々に、円弧状のフィレットを描く。当該フィレットを、外周凸部23(分岐部36)の内周面の一部(すなわち、フィレット面36a)とする。フィレット面36aに接する第2の補助円C4の半径をR4とすると、R4=Wが成立する。また、第2の正三角形T2の辺に沿って、切欠き面36bを配置する。
【0069】
なお、ステップ3において、入口突起部41の入口先端部41aは尖っていてもよいし、円弧状に面取りされていてもよい。また、正三角形T1、T2の辺長X1、X2、および補助円C3、C4の半径R3、R4は適宜変更可能である。
【0070】
上述したステップ1~5により、入口突起部41および分岐部36の形状が定まり、製造の際は例えば切削や鍛造等の方法によって加工することができる。詳細な説明は省略するが、出口突起部42および合流部37の形状も、同様のステップによって定めることができる。
【0071】
このような形状に入口突起部41、出口突起部42、分岐部36、および合流部37を加工することで、
図10に示すように、第1冷却流路F1の形状が、平面視において紡錘型になる。これにより、分岐部36および合流部37における冷媒の流れの乱れを効果的に抑制でき、第1冷却流路F1の圧力損失を低減することができる。
【0072】
以上説明したように、第1流路31は、平面視において分岐部36から直線状に延びる第1入口直線路38aと、平面視において合流部37から直線状に延びる第1出口直線路38bと、を含み、第2流路32は、平面視において分岐部36から直線状に延びる第2入口直線路39aと、平面視において合流部37から直線状に延びる第2出口直線路39bと、を含み、入口突出部P4(入口突起部41)は、入口流路34に対向する先端部である入口先端部41aを有し、出口突出部P5(出口突起部42)は、出口流路35に対向する先端部である出口先端部42aを有し、平面視において、入口先端部41aの角度θは、第1入口直線路38aと第2入口直線路39aとがなす角度αよりも小さく、出口先端部42aの角度θは、第1出口直線路38bと第2出口直線路39bとがなす角度αよりも小さい。この構成により、入口流路34から流路31、32(入口直線路38a、39a)へと、冷媒の流れの向きを滑らかに転向させることができる。また、流路31、32(出口直線路38b、39b)から出口流路35へと、冷媒の流れの向きを滑らかに転向させることができる。
【0073】
また、入口突出部P4および出口突出部P5の各々は、第1流路31および第2流路32の側壁面(中央凸部22の平坦面22a)に対して滑らかに接続されるフィレット面41c、42cを有する。この構成により、分岐部36および合流部37において、冷媒の流れの向きをより滑らかに転向させることができる。
【0074】
実施の形態3.
次に、実施の形態3.について説明するが、実施の形態2.と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
実施の形態3.では、入口突起部41および出口突起部42の構造が、実施の形態2.と異なる。
【0075】
図12は、ヒートシンク10の下面図であって、入口突起部41および出口突起部42がない場合における、冷媒の流れを示す図である。なお、
図12以降の図においては、
図6と同様に、冷却部30を組み立てた際における第1冷却流路F1の輪郭を二点鎖線で示してある。
【0076】
図12に示すように、入口突起部41がない場合、入口流路34からの冷媒の流れは、主に、中央凸部22に向かう。これにより、入口流路34の周方向における両側において、冷媒の流れが第1冷却流路F1の側壁面(外周凸部23の内周面)から剥離する。その結果、当該剥離部分で圧力損失が発生し、冷却器3の冷却効率が低下する。また、乱れ付近の放熱フィン11(放熱フィン群GF)において、冷媒の流量分布に偏りが生じ、パワーモジュール1aを冷却する効率が低下する。
【0077】
これに対し、本実施形態においては、
図13に示すように、ヒートシンク10の第1主面10aに、入口突起部41および出口突起部42が形成されている。なお、出口突起部42は入口突起部41と同様の形状を有するため図示を省略している。本実施形態における入口突起部41および出口突起部42は、第1主面10aから下方(流路ベース20)に向けて延出している。
【0078】
入口突起部41および出口突起部42の形状は、例えば実施の形態2.で説明したステップ1~3に基づいて決定してもよいし、それ以外の方法で決定してもよい。また、
図13(a)(b)で示すように、入口先端部41aの位置を変更してもよい。すなわち、
図13(a)のように入口先端部41aと入口流路34とを遠ざけてもよいし、
図13(b)のように入口先端部41aと入口流路34とを近づけてもよい。同様に、出口先端部42aの位置も適宜変更可能である。
【0079】
図14は、本実施形態の変形例に係るヒートシンク10の一部(分岐部36の周辺)を示す下面図である。
図14に示すように、本変形例においては、分岐部36に、入口突起部41だけでなく、少なくとも一対(図示の例においては三対)の入口ガイド部51A、51Bが配置されている。入口ガイド部51A、51Bは、例えばヒートシンク10の第1主面10aに形成されている。
【0080】
入口ガイド部51A、51Bは、平面視において、入口流路34から離れるにつれて周方向における間隔が開くハの字状に配されている。入口ガイド部51A、51Bは、入口流路34から第1流路31および第2流路32へ向けた冷媒の流れを案内する。
【0081】
詳細な図示は省略するが、合流部37に、入口ガイド部51A、51Bと同様の形状を有する出口ガイド部52A、52Bが配置されてもよい。すなわち、合流部37に、出口流路35から離れるにつれて周方向における間隔が開くハの字状に配されたガイド部52A、52Bはが配置されていてもよい。出口ガイド部52A、52Bは、第1流路31および第2流路32から出口流路35へ向けた冷媒の流れを案内してもよい。
【0082】
なお、冷媒の流れを案内可能であれば、ガイド部51A、51B、52A、52Bの形状および構成は適宜変更可能である。また、ガイド部51A、51B、52A、52Bは流路ベース20に形成されていてもよい。
【0083】
以上説明したように、冷却部30は、分岐部36に配置され、入口流路34から第1流路31および第2流路32へ向けた冷媒の流れを案内する、平面視において、入口流路34から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の入口ガイド部51A、51Bと、合流部37に配置され、第1流路31および第2流路32から出口流路35へ向けた冷媒の流れを案内する、平面視において、出口流路35から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の出口ガイド部52A、52Bと、を有していてもよい。この構成によれば、分岐部36における冷媒の分岐および合流部37における冷媒の合流が円滑に行われやすくなる。
【0084】
なお、本開示の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0085】
例えば、前記実施形態では、直線路38a~38c、39a~39cがフィン流路33aになっていたが、直線路38a~38c、39a~39cはフィン流路33aになっていなくてもよい。言い換えれば、直線路38a~38c、39a~39cに放熱フィン11が配置されていなくてもよい。
【0086】
また、回転電機ユニット100は、6相駆動方式以外の回転電機ユニットであってもよい。つまり、パワーモジュール1aの数やコイル2dの数は適宜変更可能である。また、これらの数に応じて、第1冷却流路F1の形状も適宜変更可能である。例えば、第1流路31、第2流路32、分岐部36、および合流部37を合わせた環状の流路は、平面視で正六角形の形状を有していなくてもよい。この場合においても、上述したような入口突出部P4および出口突出部P5を分岐部36および合流部37に設けることで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0087】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0088】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0089】
(付記1)
固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、を有する回転電機と、第1モジュール群および第2モジュール群を含む複数のパワーモジュールを有し、前記軸心に沿った軸方向において前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、を有する回転電機ユニットにおいて、前記電力変換装置を冷却するための冷却器であって、
第1主面と、前記複数のパワーモジュールが配置される第2主面と、を有するヒートシンクを有し、前記第1主面に面するとともに冷媒が流通する冷却流路が形成された冷却部を備え、
前記冷却流路は、
前記冷媒が供給される入口流路と、
前記冷媒が排出される出口流路と、
前記軸方向から見て前記第1モジュール群と重なる位置に形成される第1流路と、
前記軸方向から見て前記第2モジュール群と重なる位置に形成される第2流路と、
前記入口流路から排出された前記冷媒を前記第1流路と前記第2流路とに分岐させる分岐部と、
前記第1流路から排出された前記冷媒および前記第2流路から前記排出された前記冷媒を前記出口流路に合流させる合流部と、
を有し、
前記冷却部は、
前記分岐部に配置され、前記軸方向から見て前記入口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記入口流路から前記第1流路および前記第2流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する入口突出部と、
前記合流部に配置され、前記軸方向から見て前記出口流路に向けてV字状に突出した形状を有し、前記第1流路および前記第2流路から前記出口流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する出口突出部と、
を有する、
冷却器。
【0090】
(付記2)
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路においては、前記冷却流路の側壁面が、前記軸方向から見て直線状に延びている、
付記1に記載の冷却器。
【0091】
(付記3)
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路同士の間には、前記冷媒の流れを整理する過渡流路が設けられ、
前記過渡流路においては、前記冷却流路の側壁面が、前記軸方向から見て円弧状に延びている、
付記1または2に記載の冷却器。
【0092】
(付記4)
前記冷却部は、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記複数の放熱フィンは、前記第1主面に形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記軸方向から見て前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置され、
前記第1流路および前記第2流路のうち前記複数の放熱フィンが配置された部分であるフィン流路同士の間には、前記冷媒の流れを整理する過渡流路が設けられ、
前記軸方向における前記フィン流路の寸法をL1とし、前記軸方向における前記過渡流路の寸法をL2とするとき、L1≠L2が成立する、
付記1から3のいずれか一つに記載の冷却器。
【0093】
(付記5)
前記フィン流路と前記過渡流路との間には、前記フィン流路から前記過渡流路に向けて前記軸方向における寸法が漸次変化するフィレット部が設けられる、
付記4に記載の冷却器。
【0094】
(付記6)
前記第1流路は、前記軸方向から見て前記分岐部から直線状に延びる第1入口直線路と、前記軸方向から見て前記合流部から直線状に延びる第1出口直線路と、を含み、
前記第2流路は、前記軸方向から見て前記分岐部から直線状に延びる第2入口直線路と、前記軸方向から見て前記合流部から直線状に延びる第2出口直線路と、を含み、
前記入口突出部は、前記入口流路に対向する先端部である入口先端部を有し、
前記出口突出部は、前記出口流路に対向する先端部である出口先端部を有し、
前記軸方向から見て、前記入口先端部の角度は、前記第1入口直線路と前記第2入口直線路とがなす角度よりも小さく、前記出口先端部の角度は、前記第1出口直線路と前記第2出口直線路とがなす角度よりも小さい、
付記1から5のいずれか一つに記載の冷却器。
【0095】
(付記7)
前記入口突出部および前記出口突出部の各々は、前記第1流路および前記第2流路の側壁面に対して滑らかに接続されるフィレット面を有する、
付記6に記載の冷却器。
【0096】
(付記8)
前記入口突出部および前記出口突出部は、前記第1主面に形成される、
付記1から6のいずれか一つに記載の冷却器。
【0097】
(付記9)
前記冷却部は、前記第1主面に対向して前記冷却流路と面するように設けられる流路ベースをさらに有し、
前記入口突出部および前記出口突出部は、前記流路ベースに形成される、
付記1から6のいずれか一つに記載の冷却器。
【0098】
(付記10)
前記冷却部は、
前記分岐部に配置され、前記入口流路から前記第1流路および前記第2流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する、前記軸方向から見て、前記入口流路から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の入口ガイド部と、
前記合流部に配置され、前記第1流路および前記第2流路から前記出口流路へ向けた前記冷媒の流れを案内する、前記軸方向から見て、前記出口流路から離れるにつれて間隔が開くハの字状に配された、少なくとも一対の出口ガイド部と、
を有する、
付記1から9のいずれか一つに記載の冷却器。
【0099】
(付記11)
付記1から10のいずれか一つに記載の冷却器と、
前記冷却器によって冷却される前記電力変換装置と、を備える、
冷却構造。
【0100】
(付記12)
付記11に記載の冷却構造と、
前記軸方向において前記電力変換装置と並んで配置された前記回転電機と、を備える、
回転電機ユニット。
【符号の説明】
【0101】
100…回転電機ユニット 1…電力変換装置 1a…パワーモジュール G1…第1モジュール群 G2…第2モジュール群 2…回転電機 2a…固定子 2b…回転子 O…軸心 3…冷却器 10…ヒートシンク 10a…第1主面 10b…第2主面 11…放熱フィン 20…流路ベース 30…冷却部 F1…第1冷却流路(冷却流路) 31…第1流路 32…第2流路 33a…フィン流路 33b…過渡流路 33c…フィレット部 34…入口流路 35…出口流路 36…分岐部 37…合流部 38a…第1入口直線路 38b…第1出口直線路 39a…第2入口直線路 39b…第2出口直線路 P4…入口突出部 P5…出口突出部 41a…入口先端部 41c…フィレット面 42a…出口先端部 42c…フィレット面 51A、51B…入口ガイド部 52A、52B…出口ガイド部 Z…軸方向 S…冷却構造