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特開2024-162551電子帳票提供サーバ、電子帳票システム、電子帳票の提供方法、電子帳票の取得方法および電子帳票の提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162551
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電子帳票提供サーバ、電子帳票システム、電子帳票の提供方法、電子帳票の取得方法および電子帳票の提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078152
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】石田 哲也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】点検員の設備の点検の熟練度に起因した点検品質の低下を抑制可能な電子帳票を提供できる電子帳票提供サーバを得ること。
【解決手段】電子帳票提供サーバは、点検員の設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部と、携帯端末から取得される点検員のユーザ情報に紐付けられた点検員の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、熟練度を判定するための熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、携帯端末を使用する点検員の熟練度を判定する熟練度判定部132と、熟練度判定部132において判定された熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、記憶部に記憶された異なる複数種類の電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部133と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを提供する電子帳票提供サーバであって、
前記点検員の設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部と、
前記携帯端末から取得される前記点検員のユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度を判定する熟練度判定部と、
前記熟練度判定部において判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記記憶部に記憶された異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部と、
を備えることを特徴とする電子帳票提供サーバ。
【請求項2】
異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートは、前記熟練度が相対的に低い第1の点検員が使用する第1の電子帳票テンプレートと、前記熟練度が相対的に高い第2の点検員が使用する第2の電子帳票テンプレートと、を含み、
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する上でのアドバイスを含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の電子帳票提供サーバ。
【請求項3】
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記携帯端末において表示された場合に前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する際に点検箇所の撮影を促すとともに、撮影対象名、撮影枚数および撮影状況を報知する報知機能を有すること、
を特徴とする請求項2に記載の電子帳票提供サーバ。
【請求項4】
前記設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを前記携帯端末から取得し、前記承認申請データの内容を含み前記対応策の承認を要求する承認要求データを前記対応策の承認を行う承認者が使用する端末に送信する承認要求ワークフロー部を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の電子帳票提供サーバ。
【請求項5】
前記承認要求ワークフロー部は、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応して、複数の前記承認者への前記承認要求データの送信順序を変更すること、
を特徴とする請求項4に記載の電子帳票提供サーバ。
【請求項6】
前記帳票判定部は、判定した前記電子帳票テンプレートを出力装置に送信すること、
を特徴とする請求項1に記載の電子帳票提供サーバ。
【請求項7】
サーバと、前記サーバと通信可能な携帯端末と、を備え、
前記サーバは、設備の点検業務において点検員が前記携帯端末で使用する、点検員の前記設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部を備え、
前記携帯端末は、
前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応した前記電子帳票テンプレートを前記サーバから取得する電子帳票取得部と、
前記電子帳票取得部が取得した前記電子帳票テンプレートを表示する表示部と、
を備えること、
を特徴とする電子帳票システム。
【請求項8】
前記サーバは、
前記点検員の前記熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である予め決められた熟練度基準情報とに基づいて、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度を判定する熟練度判定部と、
前記熟練度判定部において判定された熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記記憶部に記憶された複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部と、
を備えること、
を特徴とする請求項7に記載の電子帳票システム。
【請求項9】
異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートは、前記熟練度が相対的に低い第1の点検員が使用する第1の電子帳票テンプレートと、前記熟練度が相対的に高い第2の点検員が使用する第2の電子帳票テンプレートと、を含み、
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する上でのアドバイスを含むこと、
を特徴とする請求項7に記載の電子帳票システム。
【請求項10】
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記携帯端末において表示された場合に前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する際に点検箇所の撮影を促すとともに、撮影対象名、撮影枚数および撮影状況を報知する報知機能を有すること、
を特徴とする請求項9に記載の電子帳票システム。
【請求項11】
前記携帯端末は、前記設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを前記サーバに送信して前記対応策の承認を申請する承認申請部を備え、
前記サーバは、前記承認申請データを前記携帯端末から取得し、前記承認申請データの内容を含み前記対応策の承認を要求する承認要求データを前記対応策の承認を行う承認者が使用する端末に送信する承認要求ワークフロー部を備えること、
を特徴とする請求項7に記載の電子帳票システム。
【請求項12】
前記承認要求ワークフロー部は、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応して、複数の前記承認者への前記承認要求データの送信順序を変更すること、
を特徴とする請求項11に記載の電子帳票システム。
【請求項13】
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートをサーバが提供する電子帳票の提供方法であって、
前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
を含むことを特徴とする電子帳票の提供方法。
【請求項14】
サーバと、前記サーバと通信可能な携帯端末とを備える電子帳票システムにおいて、設備の点検業務において点検員が前記携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを前記携帯端末が前記サーバから取得する電子帳票の取得方法であって、
前記サーバが、前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記サーバが、前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
前記サーバが、判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
前記携帯端末が、前記サーバで判定された前記電子帳票テンプレートを前記サーバから取得するステップと、
を含むことを特徴とする電子帳票の取得方法。
【請求項15】
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを提供するサーバとしてコンピュータを機能させる電子帳票の提供プログラムであって、
前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする電子帳票の提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備の点検用の電子帳票を提供する電子帳票提供サーバ、電子帳票システム、電子帳票の提供方法、電子帳票の取得方法および電子帳票の提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軌条車両の点検業務において検査員の指摘内容に個人的なばらつきが出ないようにするために、検査対象項目一覧と、一覧表にそれぞれ対応した検査基準と、検査基準毎に対応した合格か否かの記入項目と、検査基準毎に対応しない否の場合に具体的内容を記入する箇所と、をプルダウンメニューで表示することができる、検査員が保持する検査用情報端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-185556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両点検業務では、主に対象設備の機械検査と帳票を用いた目視検査とのどちらか一方、あるいは機械検査と目視検査とを併用した点検が行われている。帳票を用いた点検では、車両の内部および車両の底部など車両点検設備によるデータの取得が困難な箇所の点検、対象設備のセンサによる検出範囲から外れる箇所の点検、機械検査で検知された異常箇所について詳細検査を行うなど、点検項目が多岐にわたり複雑となっている。
【0005】
そして、車両点検業務では、点検員の車両点検の技能レベルによらず、同じ様式の帳票が用いられているため、点検員によっては点検漏れが生じる可能性があり、点検結果の品質にばらつきが生まれてしまう。このような問題は、特許文献1では、考慮されておらず、解決できない。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、点検員の設備の点検の熟練度に起因した点検品質の低下を抑制可能な電子帳票を提供できる電子帳票提供サーバを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる電子帳票提供サーバは、設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを提供する電子帳票提供サーバである。電子帳票提供サーバは、点検員の設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部と、携帯端末から取得される点検員のユーザ情報に紐付けられた点検員の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、熟練度を判定するための熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、携帯端末を使用する点検員の熟練度を判定する熟練度判定部と、熟練度判定部において判定された熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、記憶部に記憶された異なる複数種類の電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、点検員の設備の点検の熟練度に起因した点検品質の低下を抑制可能な電子帳票を提供できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる電子帳票システムのイメージを示す図
図2】実施の形態1にかかる電子帳票システムの構成を示す図
図3】実施の形態1にかかる電子帳票システムが備えるサーバの機能構成を示す図
図4】実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える携帯端末の機能構成を示す図
図5】実施の形態1にかかる電子帳票システムの動作の手順の一例を示すフローチャート
図6】実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える標準電子帳票テンプレートの一例を示す図
図7】実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える詳細電子帳票テンプレートの一例を示す図
図8】実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える詳細電子帳票テンプレートにおける撮影アドバイスの一例を示す図
図9】実施の形態2にかかる電子帳票システムの構成を示す図
図10】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備えるサーバの構成を示す図
図11】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末の構成を示す図
図12】実施の形態2にかかる電子帳票システムにおける点検結果の承認のワークフロー処理の手順の一例を示すフローチャート
図13】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される点検結果一覧画面の一例を示す図
図14】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の一例を示す図
図15】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第1の画面の一例を示す図
図16】実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第2の画面の一例を示す図
図17】実施の形態1,2にかかる制御部のそれぞれの機能をハードウェアで実現した構成を示す図
図18】実施の形態1,2にかかる制御部のそれぞれの機能をソフトウェアで実現した構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる電子帳票提供サーバ、電子帳票システム、電子帳票の提供方法、電子帳票の取得方法および電子帳票の提供プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電子帳票システムのイメージを示す図である。実施の形態1にかかる電子帳票システム100は、点検員310が保持する携帯端末2と、携帯端末2と通信可能なサーバ1と、を備える。電子帳票システム100は、点検員310の車両320の点検業務の熟練度に対応して異なる電子帳票テンプレートを携帯端末2に表示する。電子帳票テンプレートは、電子文書の帳票テンプレートである。
【0012】
すなわち、点検員310は、点検設備である車両320の点検を行い、当該点検員310が保持する携帯端末2に表示される電子帳票テンプレートに点検結果を入力する。電子帳票テンプレートに入力された点検結果は、携帯端末2からサーバ1に送信されてサーバ1に登録される。
【0013】
サーバ1は、電子帳票システム100においてサーバ1に対するクライアント装置である携帯端末2に点検用の電子帳票を提供する電子帳票提供サーバである。サーバ1は、点検員310の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶しており、携帯端末2を使用する点検員310の点検業務の熟練度に対応して判定した電子帳票テンプレートを携帯端末2に送信する。携帯端末2は、サーバ1から送信された、点検員310の点検業務の熟練度に対応して判定された電子帳票テンプレートを受信して表示する。
【0014】
これにより、点検員310は、当該点検員310の点検業務の熟練度に対応した種類の電子帳票テンプレートを用いて点検を行い、電子帳票テンプレートに点検結果を入力し、点検結果をサーバ1に登録することができる。また、点検員310は、サーバ1に登録された点検結果を携帯端末2に表示させることができる。以下、電子帳票システム100の詳細について説明する。
【0015】
図2は、実施の形態1にかかる電子帳票システムの構成を示す図である。電子帳票システム100は、サーバ1と、サーバ1と通信可能であり点検員310が使用する携帯端末2と、サーバ1に接続された出力装置であるプリンタ3と、を備える。サーバ1と携帯端末2とは、グローバルな情報通信網であるインターネット330に接続し、互いに情報の送受信が可能とされている。すなわち、サーバ1と携帯端末2とは、インターネット330を介して情報の送受信が可能である。
【0016】
図3は、実施の形態1にかかる電子帳票システムが備えるサーバの機能構成を示す図である。サーバ1は、電子帳票提供プログラムがインストールされたコンピュータである。電子帳票提供プログラムは、車両320の点検業務において点検員310が携帯端末2で使用する電子帳票テンプレートであって点検員310の車両320の点検業務の熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、点検員310の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートの中から判定して携帯端末2に提供するために必要な機能を実現するためのプログラムである。サーバ1は、電子帳票提供プログラムに従って、点検員310の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートの中から判定し、携帯端末2に提供する。
【0017】
サーバ1は、サーバ記憶部10と、電子帳票処理部13と、サーバ通信部14と、サーバ制御部15と、を備える。
【0018】
サーバ記憶部10は、サーバ1の制御に用いられる情報、およびサーバ1の外部から取得された情報を記憶する。サーバ記憶部10には、電子帳票提供プログラムがインストールされている。サーバ記憶部10は、ログイン情報記憶部11と、点検情報記憶部12と、を備える。
【0019】
ログイン情報記憶部11は、電子帳票システム100のユーザである点検員310が電子帳票システム100にログインする際にログインを許可するか否かの判定に用いられる情報を記憶する。ログイン情報記憶部11は、ユーザ情報テーブル111と、熟練度情報テーブル112と、組織情報テーブル113と、を記憶する。
【0020】
ユーザ情報テーブル111は、ユーザが電子帳票システム100にログインする際にログインを許可するか否かの判定に用いられるユーザ情報であるログイン情報を記憶する。すなわち、ユーザ情報テーブル111は、電子帳票システム100を使用する権限を有するユーザについてのログイン情報を記憶する。
【0021】
ログイン情報には、ユーザのアカウントの情報であるアカウント情報と、アカウントの所有者を認証するための情報である認証情報と、が含まれる。アカウント情報には、例えばアカウントID(Identification)およびメールアドレスなどが使用される。認証情報には、例えばパスワードが用いられる。
【0022】
ログイン情報は、予めユーザ情報テーブル111に直接記憶されてもよく、電子帳票システム100において作成されたログイン情報の管理画面から新規作成されてユーザ情報テーブル111に記憶されてもよい。ただし、電子帳票システム100の利用権限を有するユーザのみがログイン情報を新規作成できるように、後述する組織コードを組織情報テーブル113に予め登録しておき、組織コードが一致した場合のみ電子帳票システム100においてログイン情報を新規作成できるものとする。
【0023】
熟練度情報テーブル112は、点検員310の車両320の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報を記憶する。熟練度識別情報は、点検員310の勤務年数の情報、点検員310の車両320の点検業務の経験年数の情報、点検員310が有する車両320の点検業務に関連する社内資格の情報、および点検員310が有する車両320の点検業務に関連する社外資格の情報などの各種の情報が挙げられる。点検員310の車両320の点検業務の経験年数の情報には、当該点検員310の現在の会社における車両320の点検業務の経験年数と当該点検員310の当該会社に入社する前における他の会社での車両320の点検業務の経験年数との合計の経験年数が含まれる。また、点検員310の車両320の点検業務の経験年数の情報には、当該点検員310の現在の会社における車両320の点検業務の経験年数の情報および点検員310の当該会社に入社する前における他の会社での車両320の点検業務の経験年数の情報といった、所属する会社ごとの車両320の点検業務の経験年数の情報が含まれてもよい。
【0024】
熟練度識別情報は、点検員310のアカウント情報に紐付けられて記憶されている。すなわち、点検員310の勤務年数の情報と、点検員310の車両320の点検業務の経験年数の情報とは、点検員310のアカウント情報に紐付けられて記憶されている。また、勤務年数および点検業務の経験年数は経時的に変化するので、変更の必要がある場合には適宜変更される。以下では、車両320の点検業務の熟練度を、単に熟練度と呼ぶ場合がある。
【0025】
点検員310の勤務年数は、点検員310が点検設備である車両320の点検を実施する組織である会社に勤務している年数である。点検員310の車両320の点検業務の経験年数は、点検員310が現在において勤務している会社に限らず、また点検員310が現在において勤務している会社が保有する車両320に限らず、車両の点検業務に従事して点検業務を経験した年数である。
【0026】
組織情報テーブル113は、ユーザが属する組織の基本情報を記憶する。組織の基本情報は、ユーザが電子帳票システム100にログインする際にログインを許可するか否かの判定に用いられる組織コードの情報、および点検員310の熟練度を判定するために用いられる熟練度基準情報を含む。
【0027】
組織コードは、ユーザが電子帳票システム100を利用するためのアカウントを新規作成する場合に、ユーザが入力する情報であり、アカウントの新規作成を許可するか否かの判定に用いられる情報である。電子帳票システム100を利用するためのアカウントを新規作成する場合、電子帳票システム100上において新規のアカウント作成を行うことができる。この場合、組織外の人間が携帯端末2を不正取得してアカウントの不正作成を行うことができないように、電子帳票システム100の利用権限を有する組織には組織ごとに組織コードが発行されている。電子帳票処理部13の後述するログイン処理部131は、携帯端末2からサーバ1に入力された組織コードが、組織情報テーブル113に記憶されている組織コードと一致したときのみ、アカウント作成を実行する。
【0028】
組織の基本情報は、予め組織情報テーブル113に直接記憶されてもよく、電子帳票システム100において作成された組織の基本情報の管理画面から新規作成されて組織情報テーブル113に記憶されてもよい。また、組織の基本情報は、組織の基本情報の管理画面から適宜変更可能である。ただし、熟練度基準情報は、熟練度の判定基準であるため組織の基本情報の管理画面から変更できるのは責任者などの上位のユーザであって熟練度基準情報を変更する権限を有するユーザのみに限定される。
【0029】
熟練度基準情報は、電子帳票処理部13の後述する熟練度判定部132が、点検員310の熟練度を判定するために用いる、点検業務の熟練度の基準値の情報である。熟練度の判定基準は、点検する車両320または点検箇所などの条件によって、任意の条件に可変である。
【0030】
電子帳票処理部13の熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶されている熟練度識別情報に示される値が、熟練度基準情報に示される条件値を超える場合は、点検員310の熟練度を「熟練者」と判定する。熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶されている熟練度識別情報に示される値が、熟練度基準情報に示される条件値を超えない場合は、点検員310の熟練度を「非熟練者」と判定する。
【0031】
すなわち、熟練度判定部132は、点検員310の勤務年数の情報と、点検員310の点検業務の経験年数の情報とのそれぞれに示される値が、熟練度基準情報に示される条件値を超える場合は、点検員310の熟練度を「熟練者」と判定する。熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶されている、点検員310の勤務年数の情報と、点検業務の経験年数の情報とのそれぞれに示される値が、熟練度基準情報に示される条件値を超えない場合は、点検員310の熟練度を「非熟練者」と判定する。
【0032】
なお、熟練度判定部132は、点検員310の勤務年数の情報を用いずに、点検員310の点検業務の経験年数の情報と熟練度基準情報とに基づいて点検員310の熟練度を判定してもよい。例えば、現在勤務している会社の勤務年数が10年であり且つ車両320の点検業務の経験年数が1年である点検員310よりも、当該会社の勤務年数が5年であり且つ車両320の点検業務の経験年数が5年である点検員310の方が、車両320の点検業務に関する知識が豊富である。
【0033】
一方で、点検員310が会社の中途採用者である場合、当該中途採用者の点検員310による車両320の点検において点検漏れが発生する可能性が考えられる。具体的に、車両320の点検において会社独自の点検ルールまたは点検箇所がある場合、中途採用者の点検員310が行った点検の点検結果が、一般的な点検業務の観点においては問題ない点検結果であっても、会社独自の規定の観点においては不備と判断される可能性がある。この場合、当該中途採用者の点検員310について、点検員310の勤務年数の情報を用いずに、点検員310の点検業務の経験年数の情報と熟練度基準情報とに基づいて点検員310の熟練度を判定する場合には、会社独自の規定についての観点においては「熟練者」のレベルに達していない当該点検員310の熟練度が「熟練者」と判定される可能性がある。
【0034】
このため、熟練度判定部132は、点検員310の熟練度の判定に、点検員310の勤務年数の情報と、点検員310の点検業務の経験年数の情報との両方を用いることにより、点検業務の経験年数が長くても、会社独自の規定についての観点においては経験が浅い点検員310の熟練度を「熟練者」と判定することを防ぐことができる。
【0035】
したがって、熟練度判定部132は、当該会社への中途採用者の点検員310であって他社において車両320の点検業務を経験済みである点検員310については、当該会社への転職後での点検員310としての勤務年数と、他社と当該会社とでの合計の点検業務の経験年数と、に基づいて点検員310の熟練度を判定することが好ましい。この場合、当該会社への中途採用者の点検員310について、個別に熟練度基準情報が設定されればよい。
【0036】
これにより、熟練度判定部132は、当該会社への中途採用者の点検員310のうち、車両320の点検業務全般に精通し、且つ当該会社における独自の規定を踏まえた車両320の点検業務にも精通している点検員310についてのみ、熟練度を「熟練者」と適切に判定することができる。そして、熟練度判定部132は、当該会社への中途採用者の点検員310のうち、車両320の点検業務全般に精通していても、当該会社における独自の規定を踏まえた車両320の点検業務には未だ精通していない点検員310については、熟練度を「非熟練者」と適切に判定することができる。
【0037】
また、熟練度判定部132は、車両320の点検業務に関連する社内資格または車両320の点検業務に関連する社外資格を利用して、点検員310の熟練度を判定してもよい。この場合は、点検員310が有している、車両320の点検業務に関連する社内資格の情報、または車両320の点検業務に関連する社外資格の情報が、熟練度情報テーブル112に記憶される。また、「熟練者」に対応する社内資格の情報または「熟練者」に対応する社外資格の情報が、熟練度基準情報として組織情報テーブル113に記憶される。
【0038】
そして、熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶された点検員310の社内資格または社外資格が、組織情報テーブル113に記憶された「熟練者」に対応する熟練度基準情報の中に存在する場合に、当該点検員310の熟練度を「熟練者」と判定する。熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶された点検員310の社内資格または社外資格が、組織情報テーブル113に記憶された「熟練者」に対応する熟練度基準情報の中に存在しない場合に、当該点検員310の熟練度を「非熟練者」と判定する。
【0039】
また、点検員310が有している、車両320の点検業務に関連する社内資格のレベル、または車両320の点検業務に関連する社外資格のレベルに合わせて、担当する車両320の点検業務の範囲が判定されてもよい。この場合は、点検員310が有している、車両320の点検業務に関連する社内資格の情報、または車両320の点検業務に関連する社外資格の情報が、熟練度情報テーブル112に記憶される。当該社内資格の情報および社外資格の情報には、各資格におけるレベルの情報が、例えば1級、2級、1種、2種などの情報が、含まれている。
【0040】
また、担当する車両320の点検業務の範囲に対応する社内資格の情報および社外資格の情報が熟練度基準情報として組織情報テーブル113に記憶される。当該社内資格の情報および社外資格の情報にも、各資格におけるレベルの情報が情報が含まれている。すなわち、組織情報テーブル113には、担当する車両320の点検業務の範囲に対応する社内資格の情報および社外資格の情報が、当該点検業務の範囲ごとに区別されて記憶されている。
【0041】
そして、熟練度判定部132は、熟練度情報テーブル112に記憶された点検員310の社内資格の情報または社外資格の情報を、組織情報テーブル113に記憶された熟練度基準情報である社内資格の情報および社外資格の情報と照らし合わせることにより、当該点検員310が有している社内資格または社外資格に対応する点検業務の範囲を判定する。このような点検業務の範囲の判定は、熟練度が「熟練者」と判定された点検員310および熟練度が「非熟練者」と判定された点検員310のいずれにも適用可能である。
【0042】
熟練度が非熟練者である点検員310は、熟練度が相対的に低い第1の点検員とすると、熟練度が熟練者である点検員310は、熟練度が相対的に高い第2の点検員といえる。
【0043】
例えば、熟練度基準情報が、会社の勤務年数が2年以上、点検業務の経験年数が3年以上の条件に設定されている場合を想定する。なお、点検業務の経験年数が5年以上の場合は会社の勤務年数は問わないものとする。点検員Aは、会社の勤務年数が10年、点検業務の経験年数が1年の社員である。点検員Bは、会社の勤務年数が3年、点検業務の経験年数が3年の社員である。点検員Cは、会社の勤務年数が1年、点検業務の経験年数が5年の、途中入社の社員である。
【0044】
この場合、熟練度の判定結果は、点検員Aの熟練度は「非熟練者」、点検員Bの熟練度は「熟練者」、点検員Cの熟練度は「熟練者」となる。なお、ここでは、点検員310の熟練度が「熟練者」と「非熟練者」との2種類に分類されているが、点検員310の熟練度はさらに多くの種類に分類されてもよい。点検員310の熟練度の種類が増える場合には、サーバ1が保持する点検員310の熟練度に対応した電子帳票テンプレートの種類も増える。
【0045】
点検情報記憶部12は、車両320の点検結果に関連する情報を記憶する。点検情報記憶部12は、電子帳票テンプレートテーブル121と、点検情報テーブル122と、を記憶する。
【0046】
電子帳票テンプレートテーブル121は、点検員310の熟練度に対応した異なる複数種類の、車両320の点検用の電子帳票テンプレートを記憶する。すなわち、電子帳票テンプレートテーブル121は、詳細電子帳票テンプレートのデータと、標準電子帳票テンプレートのデータと、の2種類の異なる電子帳票テンプレートのデータを記憶している。なお、詳細電子帳票テンプレートと標準電子帳票テンプレートとを区別しない場合は、単に電子帳票テンプレートと呼ぶ。
【0047】
詳細電子帳票テンプレートは、熟練度が非熟練者である点検員310が車両320の点検に使用するとともに点検結果の入力および点検結果のサーバ1への登録に用いる非熟練者用の電子帳票テンプレートであり、電子帳票システム100における第1の電子帳票テンプレートである。詳細電子帳票テンプレートは、熟練者用の電子帳票テンプレートよりも点検内容について詳細な内容が記載されている。すなわち、詳細電子帳票テンプレートは、詳細電子帳票テンプレート記載された車両320の点検項目について車両320を点検する上でのアドバイスを含む。以下では、熟練度が非熟練者である点検員310を、非熟練点検員と呼ぶ場合がある。
【0048】
標準電子帳票テンプレートは、熟練度が熟練者である点検員310が車両320の点検に使用するとともに点検結果の入力および点検結果のサーバ1への登録に用いる熟練者用の電子帳票テンプレートであり、電子帳票システム100における第2の電子帳票テンプレートである。以下では、熟練度が熟練者である点検員310を、熟練点検員と呼ぶ場合がある。
【0049】
点検情報テーブル122は、携帯端末2から送信された点検情報を記憶する。点検情報テーブル122は、点検結果を帳票形式に合わせたDB/テーブル構造として記憶して管理してもよく、DB/テーブル構造ではなくフォルダ/ファイル形式として記憶して管理してもよく、点検結果の管理形式は問わない。DB/テーブル構造は、点検項目と点検結果とを紐付ける構造のテーブルがデータベースに記憶される記憶構造である。フォルダ/ファイル形式は、点検ごとの点検結果の情報のファイルが点検ごとの個別のフォルダに格納されて記憶される記憶構造である。
【0050】
電子帳票処理部13は、携帯端末2などの電子帳票システム100で利用可能な機器への電子帳票に関する情報の提供、および電子帳票に記入された点検結果のサーバ1への登録を含め、電子帳票に関わる処理を行う。すなわち、電子帳票処理部13は、携帯端末2との間で情報の授受を行って、携帯端末2に送信する電子帳票テンプレートのデータを点検情報記憶部12から取得して携帯端末2に送信する処理などを行う。
【0051】
電子帳票処理部13は、ログイン処理部131と、熟練度判定部132と、帳票判定部133と、点検結果登録処理部134と、を備える。
【0052】
ログイン処理部131は、ログイン判定処理を行い、携帯端末2などの電子帳票システム100で利用可能な機器から電子帳票システム100へのログイン申請を行ったユーザが、電子帳票システム100の利用権限を有するユーザであるか否かを判定する。ログイン処理部131は、例えば携帯端末2から受信したユーザのログイン情報をサーバ記憶部10のログイン情報記憶部11のユーザ情報テーブル111において検索し、当該ログイン情報に対応するユーザがユーザ情報テーブル111に登録されているか否かを判定する。
【0053】
熟練度判定部132は、ログイン処理部131において電子帳票システム100の利用権限を有するユーザであると判定されて電子帳票システム100へのログインが許可されたユーザについて、ユーザの勤務年数の情報と、ユーザの点検業務の経験年数の情報と、熟練度基準情報とに基づいて、当該ユーザの熟練度を判定する。熟練度判定部132は、判定したユーザの熟練度の情報を、帳票判定部133に送信する。
【0054】
帳票判定部133は、熟練度判定部132において判定されたユーザの熟練度の情報に基づいて、熟練度に対応した種類の電子帳票テンプレートを、電子帳票テンプレートテーブル121に記憶された複数種類の電子帳票テンプレートの中から判定して取得して、携帯端末2の後述する電子帳票取得部221に送信する。
【0055】
点検結果登録処理部134は、点検処理部222から送信される画像を含む点検結果の情報が入力された電子帳票テンプレートを点検結果の登録情報として点検情報記憶部12の点検情報テーブル122に登録する。点検結果登録処理部134は、点検員310のアカウント情報と、点検結果の登録情報と、を紐付けて点検情報テーブル122に登録する。具体的に、点検結果登録処理部134は、点検員310のアカウント情報と、点検対象の点検項目と、点検結果の情報と、を紐付けて点検情報テーブル122に登録する。
【0056】
サーバ通信部14は、インターネット330に接続してサーバ1の外部の機器との間で通信を行う。サーバ通信部14は、インターネット330を介して、携帯端末2などの電子帳票システム100で利用可能な機器との間で通信を行う。
【0057】
サーバ制御部15は、サーバ1全体の動作を制御する。
【0058】
図4は、実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える携帯端末の機能構成を示す図である。携帯端末2は、電子帳票システム100においてサーバ1に対するクライアント装置であり、車両320の点検時に点検員310が携帯して点検を行い、サーバ1への点検結果の登録を行うための、インターネット330を介してサーバ1と直接通信可能な端末である。携帯端末2は、車両320の点検時に点検員310が携帯可能な携帯端末であり、例えば、タブレット、スマートフォンなどである。携帯端末2は、サーバ1から送信される、点検員310の熟練度に対応して判定された電子帳票を受信して表示する。また、携帯端末2は、携帯端末2に表示された電子帳票テンプレートを用いて点検員310が入力した点検結果の情報をサーバ1に送信する。
【0059】
携帯端末2は、操作部21と、サーバアクセス部22と、撮影部23と、表示部24と、端末通信部25と、端末記憶部26と、端末制御部27と、を備える。
【0060】
操作部21は、点検員310などの電子帳票システム100のユーザからの入力を受け付けるユーザ操作、すなわち点検員310などの電子帳票システム100のユーザからの操作を受け付ける操作受付部である。ユーザからの操作には、電子帳票テンプレートの取得を申請するための操作、点検結果の入力を行うための操作、および点検結果のサーバ1への登録を行うための操作など、各種の操作が含まれる。操作部21は、ユーザ操作の入力を受け付けて、ユーザ操作に対応する情報を端末制御部27に送信する。操作部21は、タッチパネル機能を備えたタッチパネルディスプレイなどの入力機器により構成され、携帯端末2に対する操作がユーザによって行われる。実施の形態1においては、操作部21は、表示部24とともにタッチパネルディスプレイによって構成される。
【0061】
サーバアクセス部22は、サーバ1からの電子帳票テンプレートの取得、サーバ1への点検結果の送信などの、サーバ1との間で授受を行う情報の処理を行う。サーバアクセス部22は、電子帳票取得部221と、点検処理部222と、を備える。
【0062】
電子帳票取得部221は、サーバ1の電子帳票処理部13に対して電子帳票取得申請を行う。電子帳票取得部221は、ユーザのログイン情報であるアカウント情報と認証情報とをサーバ1の電子帳票処理部13に送信することにより、サーバ1に対して電子帳票取得申請を行う。
【0063】
点検処理部222は、点検員310が電子帳票テンプレートを用いた車両320の点検を実施する際に、後述する電子帳票テンプレートのアドバイス機能の制御、電子帳票テンプレートへの点検結果の入力、電子帳票テンプレートのサーバ1への登録など、電子帳票テンプレートに関わる各種処理を制御する。
【0064】
撮影部23は、点検員310が点検箇所の画像を撮影する撮影部であり、電子帳票テンプレートに実装された撮影制御機能に連動して撮影を行うことができる。
【0065】
表示部24は、電子帳票テンプレートを含む携帯端末2の内部の各種情報を表示する。表示部24は、例えばログイン情報が入力されるログイン画面、および電子帳票テンプレートを表示する画面である電子帳票画面などの各種の画面を表示する。
【0066】
端末通信部25は、携帯端末2の外部の機器との間で通信を行う。端末通信部25は、インターネット330を介してサーバ1との間で通信を行う。
【0067】
端末記憶部26は、携帯端末2の制御に用いられる情報、および携帯端末2の外部から取得された情報を記憶する。端末記憶部26は、サーバ1から取得した電子帳票テンプレートのデータを記憶する。また、端末記憶部26は、点検員310から入力された点検結果の情報を記憶する。
【0068】
端末制御部27は、携帯端末2全体の動作を制御する。
【0069】
つぎに、電子帳票システム100の動作について説明する。図5は、実施の形態1にかかる電子帳票システムの動作の手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS110において、携帯端末2からサーバ1に対して電子帳票取得申請が、行われる。具体的に、携帯端末2の電子帳票取得部221が、サーバ1の電子帳票処理部13に対して電子帳票取得申請を行う。電子帳票取得部221は、操作部21を介して点検員310から電子帳票取得申請の指示を受け付けると、表示部24にログイン画面を表示して、点検員310にログイン情報の入力を促す。
【0071】
点検員310は、ログイン画面において、ログイン情報としてアカウント情報と認証情報とを入力する。電子帳票取得部221は、入力されたログイン情報であるアカウント情報と認証情報とをサーバ1の電子帳票処理部13に送信する。これにより、携帯端末2からサーバ1に対して電子帳票取得申請が、行われる。その後、ステップS120に進む。
【0072】
ステップS120では、ログイン情報に対応するユーザ、すなわち電子帳票取得申請を行ったユーザがユーザ情報テーブル111に登録された登録ユーザであるか否かが、判定される。具体的に、サーバ1の電子帳票処理部13のログイン処理部131が、ログイン処理を行い、電子帳票取得申請を行ったユーザがユーザ情報テーブル111に登録されたユーザであるか否かを判定する。ユーザ情報テーブル111に登録されたユーザは、電子帳票システム100の利用権限を有するユーザである。
【0073】
電子帳票処理部13のログイン処理部131は、携帯端末2の電子帳票取得部221から送信されたログイン情報であるアカウント情報と認証情報とを受信する。ログイン処理部131は、受信したログイン情報をサーバ記憶部10のログイン情報記憶部11のユーザ情報テーブル111において検索し、当該ログイン情報に対応するユーザがユーザ情報テーブル111に登録されているか否かを判定する。
【0074】
ログイン処理部131は、受信したログイン情報のアカウント情報と認証情報との組み合わせに一致するデータがユーザ情報テーブル111に登録されている場合に、当該ログイン情報に対応するユーザを、ユーザ情報テーブル111に登録されたユーザである登録ユーザと判定する。ログイン処理部131は、受信したログイン情報のアカウント情報と認証情報との組み合わせに一致するデータがユーザ情報テーブル111に登録されていない場合に、当該ログイン情報に対応するユーザを、登録されていないユーザである未登録ユーザと判定する。
【0075】
ログイン情報に対応するユーザが未登録ユーザであると判定された場合は、ステップS120においてNoとなり、ログイン処理部131はユーザが未登録ユーザである旨のメッセージを含む再入力画面に携帯端末2のログイン画面をリダイレクトさせ、ステップS110に戻る。ログイン情報に対応するユーザが登録ユーザであると判定された場合は、ステップS120においてYesとなり、ステップS130に進む。
【0076】
ステップS130では、ユーザの熟練度が熟練者であるか否かが、判定される。具体的に、サーバ1の電子帳票処理部13の熟練度判定部132が、ユーザの熟練度を判定する。熟練度判定部132は、ユーザの勤務年数の情報と、ユーザの点検業務の経験年数の情報と、熟練度基準情報とに基づいて、当該ユーザの熟練度を判定する。
【0077】
熟練度判定部132は、アカウント情報に紐付けられてサーバ記憶部10のログイン情報記憶部11の熟練度情報テーブル112に記憶されている、ユーザの勤務年数の情報と、ユーザの点検業務の経験年数の情報とを、アカウント情報に基づいて熟練度情報テーブル112から取得する。また、熟練度判定部132は、サーバ記憶部10のログイン情報記憶部11の組織情報テーブル113に記憶されている熟練度基準情報を取得する。そして、熟練度判定部132は、ユーザの勤務年数の情報と、ユーザの点検業務の経験年数の情報と、熟練度基準情報とを照合することにより、ユーザの熟練度を判定する。
【0078】
ユーザの熟練度が熟練者であると判定された場合は、ステップS130においてYesとなり、熟練度判定部132が、ユーザの熟練度が熟練者である旨の熟練度の情報である熟練者判定情報を帳票判定部133に送信して、ステップS140に進む。ユーザの熟練度が非熟練者であると判定された場合は、ステップS130においてNoとなり、熟練度判定部132が、ユーザの熟練度が非熟練者である旨の熟練度の情報である非熟練者判定情報を帳票判定部133に送信して、ステップS160に進む。
【0079】
ステップS140では、標準電子帳票テンプレートが、携帯端末2に送信される。具体的に、サーバ1の電子帳票処理部13の帳票判定部133が、熟練者判定情報に基づいて、熟練者用の電子帳票テンプレートである標準電子帳票テンプレートのデータを電子帳票テンプレートテーブル121から取得して、携帯端末2のサーバアクセス部22に送信する。その後、ステップS150に進む。
【0080】
ステップS150では、標準電子帳票テンプレートが、表示される。具体的に、携帯端末2のサーバアクセス部22の電子帳票取得部221が、標準電子帳票テンプレートを携帯端末2の表示部24に表示させる。電子帳票取得部221は、帳票判定部133から送信された標準電子帳票テンプレートのデータを受信し、当該標準電子帳票テンプレートのデータを表示部24に送信し、標準電子帳票テンプレートを携帯端末2の表示部24に表示させる。その後、ステップS200に進む。
【0081】
標準電子帳票テンプレートは、熟練点検員が車両320の点検を行う場合の必要最低限の項目が記載されている。標準電子帳票テンプレートに記載される項目の一例として、例えば、(1)点検年月、時刻の入力箇所、(2)点検員名の入力箇所、(3)車両番号の入力箇所、(4)点検箇所の入力箇所、(5)点検装置名の入力箇所、(6)点検項目名の入力箇所、(7)点検結果(良、不良、不良の理由等)の入力箇所、が挙げられる。点検結果には、点検結果が良好、点検結果が不良、不良の理由などの項目が含まれる。
【0082】
なお、標準電子帳票テンプレートに記載される項目は、点検対象の車両320ごとに個別に作成されるため、標準電子帳票テンプレートが適用される車両320ごとに任意に調整可能である。また、標準電子帳票テンプレートは、複数枚で構成されてもよい。
【0083】
図6は、実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える標準電子帳票テンプレートの一例を示す図である。図6では、複数枚で構成される標準電子帳票テンプレートのうちの1枚のテンプレートを示している。標準電子帳票テンプレートは、点検項目と、登録用画像撮影機能、および撮影画像登録用機能といった必要最低限の構成を備えた簡単なテンプレートとされており、登録する画像の枚数および撮影状況は任意で設定可能である。
【0084】
図6に示す例では、点検対象の入力箇所51、点検項目名の入力箇所52、点検結果の入力箇所53が配置されている。点検結果の入力箇所53は、良あるいは不良の判定結果の入力箇所と、コメントの入力箇所と、設けられている。また、図6に示す例では、携帯端末2の撮影部23を起動させるためのボタンである撮影部起動ボタン54、撮影した画像を一括してサーバ1にアップロードするためのボタンである画像一括アップロードボタン55、標準電子帳票テンプレートをサーバ1に登録するためのボタンである登録ボタン56が配置されている。
【0085】
熟練点検員の場合は、点検項目ごとに点検対象の画像を撮影する必要が無い。このため、標準電子帳票テンプレートでは、撮影された画像を一括してアップロードするための画像一括アップロードボタン55が配置されている。画像一括アップロードボタン55が選択されることにより、撮影された画像が点検員310のアカウント情報および点検結果と紐付けられて、一括して標準電子帳票テンプレートに添付される。そして、標準電子帳票テンプレートに添付された画像は、登録ボタン56が選択されることにより、標準電子帳票テンプレートとともに一括してサーバ1にアップロードされる。すなわち、標準電子帳票テンプレートに添付された画像のデータは、登録ボタン56が選択されることにより、標準電子帳票テンプレートに入力された情報とともに、一括してサーバ1にアップロードされる。
【0086】
標準電子帳票テンプレートでは、点検結果を、点検項目ごとに入力することが可能である。熟練点検員は、点検項目ごとに、点検対象の画像をサーバ1に登録することは必須でない。すなわち、標準電子帳票テンプレートを用いる場合には、点検項目ごとに点検対象の画像をサーバ1に登録する必要はない。ただし、異常箇所などの点検時に気になった箇所を撮影してサーバ1に登録することは可能である。
【0087】
また、標準電子帳票テンプレートでは、点検対象の撮影時には、撮影部起動ボタン54によって撮影部23を起動するが、標準電子帳票テンプレートに記載された点検項目について車両320を点検する上でのアドバイスは行わない。
【0088】
熟練点検員は、表示部24に表示された標準電子帳票テンプレートに基づいて、標準電子帳票テンプレートに記載された項目について車両320の点検を実施する。
【0089】
ステップS160では、詳細電子帳票テンプレートが、携帯端末2に送信される。具体的に、サーバ1の電子帳票処理部13の帳票判定部133が、非熟練者判定情報に基づいて、非熟練者用の電子帳票テンプレートである詳細電子帳票テンプレートのデータを電子帳票テンプレートテーブル121から取得して、携帯端末2のサーバアクセス部22に送信する。その後、ステップS170に進む。
【0090】
ステップS170では、詳細電子帳票テンプレートが、表示される。具体的に、携帯端末2のサーバアクセス部22の電子帳票取得部221が、詳細電子帳票テンプレートを携帯端末2の表示部24に表示させる。電子帳票取得部221は、帳票判定部133から送信された詳細電子帳票テンプレートのデータを受信し、当該詳細電子帳票テンプレートのデータを表示部24に送信し、詳細電子帳票テンプレートを携帯端末2の表示部24に表示させる。その後、ステップS180に進む。
【0091】
詳細電子帳票テンプレートは、非熟練点検員が車両320の点検を行う場合の項目が記載されている。詳細電子帳票テンプレートに記載される項目の一例として、例えば、(1)点検年月、時刻の入力箇所、(2)点検員名の入力箇所、(3)車両番号の入力箇所、(4)点検箇所の入力箇所、(5)点検装置名の入力箇所、(6)点検項目名の入力箇所、(7)点検結果(良、不良、不良の理由等)の入力箇所、(8)点検箇所の状態入力箇所、(9)点検箇所の写真アップロード箇所、(10)点検箇所の状態入力箇所が挙げられる。また、(8)点検箇所の状態入力箇所には、点検における判断時のアドバイスおよび基準を表示可能なボタンが設置される。
【0092】
すなわち、詳細電子帳票テンプレートには、標準電子帳票テンプレートに含まれていない、非熟練点検員が適切な点検を行うために必要な点検基準などのアドバイス行う補助機能が含まれている。これにより、非熟練点検員は、携帯端末2の表示部24に表示された詳細電子帳票テンプレートを使用して車両320の点検を行うことにより、熟練点検員が点検を行う場合と同様の注意を払って車両320の点検を行うことができる。
【0093】
非熟練点検員の場合は、点検において良好の判定を行った場合でも判定における考え方が間違っている可能性があるため、(10)点検箇所の状態入力箇所において、点検箇所がどのような状態なのかを入力することが義務付けられる。一方、熟練点検員の場合は、点検結果として良好の判定を行った場合にはコメントの記載は不要であり、点検結果として不良の判定を行った場合に不良の場合は(7)点検結果(良、不良、不良の理由等)の入力箇所で不良の理由を入力すればよい。
【0094】
なお、詳細電子帳票テンプレートに記載される項目は、点検対象の車両320ごとに個別に作成されるため、詳細電子帳票テンプレートが適用されるの車両320ごとに任意に調整可能である。また、詳細電子帳票テンプレートは、複数枚で構成されてもよい。
【0095】
図7は、実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える詳細電子帳票テンプレートの一例を示す図である。図7では、複数枚で構成される詳細電子帳票テンプレートのうちの1枚のテンプレートを示している。図7に示す例では、点検対象の入力箇所51、点検項目名の入力箇所52、点検結果の入力箇所53、詳細電子帳票テンプレートをサーバ1に登録するためのボタンである登録ボタン56が配置されている。また、図7に示す例では、携帯端末2の撮影部23を起動させるためのボタンである撮影部起動ボタン54と、撮影した画像を点非熟練点検員が検項目ごとにサーバ1にアップロードするためのボタンであるアップロードボタン57と、が配置された対象画像登録欄58が配置されている。
【0096】
詳細電子帳票テンプレートにおいても、点検結果を点検項目ごとに入力することが可能である。非熟練点検員の場合は、点検項目ごとに点検対象の画像を撮影する必要がある。そして、非熟練点検員の場合は、点検項目ごとに点検箇所の画像を必ずサーバ1にアップロードする必要がある。非熟練点検員の場合は、点検項目ごとに点検箇所の画像を必ず標準電子帳票テンプレートに添付する必要がある。このため、詳細電子帳票テンプレートでは、アップロードボタン57が配置された対象画像登録欄58が、点検項目ごとに配置されている。
【0097】
アップロードボタン57が選択されることにより、撮影された画像が点検員310のアカウント情報、点検項目および点検結果と紐付けられて、点検項目ごとに詳細電子帳票テンプレートに添付される。そして、詳細電子帳票テンプレートに添付された画像は、登録ボタン56が選択されることにより、詳細電子帳票テンプレートとともにサーバ1にアップロードされる。すなわち、詳細電子帳票テンプレートに添付された画像のデータは、登録ボタン56が選択されることにより、詳細電子帳票テンプレートに入力された情報とともに、点検員310のアカウント情報、点検項目および点検結果と紐付けられた状態でサーバ1にアップロードされる。
【0098】
詳細電子帳票テンプレートは、車両320を点検する上でのアドバイスを非熟練点検員に行うアドバイス機能を有している。詳細電子帳票テンプレートは、詳細電子帳票テンプレートに記載された点検項目について車両320を点検する上でのアドバイスである点検アドバイスを含む。詳細電子帳票テンプレートは、点検アドバイスを表示することによって、車両320を点検する上でのアドバイスを非熟練点検員に行うことができる。
【0099】
図7に示す例では、インフォメーションマーク59を選択することにより非熟練点検員が点検項目について車両320を点検する上での注意点などのアドバイスを確認可能なポップアップ60が詳細電子帳票テンプレート上に表示される。また、ポップアップ60の代わりにテキストボックスで点検時の注意点が表示されてもよい。これにより、非熟練点検員は、詳細電子帳票テンプレートを用いて点検を行う際に、点検項目ごとに点検時の注意点などのアドバイスを確認することが可能である。
【0100】
また、詳細電子帳票テンプレートは、点検対象の撮影時には、撮影部起動ボタン54によって撮影部23が起動した場合に、詳細電子帳票テンプレートに記載された点検項目について画像を撮影する上でのアドバイスである撮影アドバイスを含む。詳細電子帳票テンプレートは、撮影アドバイスを表示することによって、点検項目について画像を撮影する上でのアドバイスを非熟練点検員に行うことができる。
【0101】
図8は、実施の形態1にかかる電子帳票システムが備える詳細電子帳票テンプレートにおける撮影アドバイスの一例を示す図である。図8に示す例では、表示部24に表示された撮影部23の撮影画面において、車両320の「異常箇所」を示す異常箇所表示61が車両320の画像上に表示され、また、撮影対象名、撮影が必要な枚数である撮影枚数および撮影状況を表示する撮影アドバイス画面62が表示されている。撮影状況には、真正面または真上などのような対象を撮影する撮影角度、異常箇所を撮影する倍率である異常箇所のズーム条件が含まれる。
【0102】
すなわち、詳細電子帳票テンプレートは、非熟練点検員が点検対象の画像を撮影する際に、詳細電子帳票テンプレートに記載された点検項目について画像を撮影する上でのアドバイスを非熟練点検員に報知する報知機能を有する。当該アドバイスは、図8に示すように撮影部23の撮影画面にアドバイスを表示する方法でもよく、音声によりアドバイスを案内する方法でもよい。
【0103】
詳細電子帳票テンプレートにおける点検時のアドバイスは、電子帳票テンプレートテーブル121に格納する詳細電子帳票テンプレートにアドバイスを添付することで携帯端末2の表示部24の画面上に反映することが可能である。すなわち、詳細電子帳票テンプレートにおける点検時のアドバイスは、電子帳票テンプレートテーブル121に格納する詳細電子帳票テンプレートのデータに対してアドバイス機能のデータを含めることで携帯端末2の表示部24の画面上に反映することが可能である。撮影部23、表示部24および端末制御部27が連動することで、アドバイス機能が実現される。また、使用するユーザによってアドバイスの内容を変更することが可能である。
【0104】
非熟練点検員は、表示部24に表示された詳細電子帳票テンプレートに基づいて、点検を実施する。非熟練点検員は、点検アドバイスを詳細電子帳票テンプレート上に表示させて、当該点検アドバイスに従って点検箇所の点検を行うことができる。
【0105】
ステップS180では、点検箇所の撮影操作中であるか否かが、判定される。具体的に、点検処理部222が、点検箇所の撮影中であるか否かを判定する。点検処理部222は、携帯端末2の撮影部23が起動中であるか否かを示す起動状態情報を撮影部23から取得し、当該起動状態情報に基づいて、点検箇所の撮影操作中であるか否かを判定する。
【0106】
点検箇所の撮影中であると判定された場合は、ステップS180においてYesとなり、ステップS190に進む。点検箇所の撮影中でないと判定された場合は、ステップS180においてNoとなり、ステップS200に進む。
【0107】
ステップS190では、撮影アドバイスが、表示される。具体的に、点検処理部222が、撮影部起動ボタン54によって撮影部23が起動した場合に、詳細電子帳票テンプレートに添付されている撮影アドバイスを表示部24に表示された撮影部23の撮影画面に表示させる。これにより、非熟練点検員は、撮影部23の撮影画面に表示された撮影アドバイスに従って、点検箇所の撮影を行うことができる。その後、ステップS180に戻る。
【0108】
ステップS200では、電子帳票テンプレートへの点検結果の入力が、受け付けられる。具体的に、点検処理部222が、点検員310が携帯端末2の操作部21から入力した点検結果の情報を受け付ける。また、点検処理部222が、点検員310が表示部24に表示された電子帳票テンプレートの画面からアップロードした画像を受け付ける。点検員310は、点検の実施後、表示部24に表示された電子帳票テンプレートに、点検結果の情報を操作部21から入力する。また、点検員310は、点検結果の一部の情報として、点検中または点検の実施後、表示部24に表示された電子帳票テンプレートから、撮影した画像を当該電子帳票テンプレートに添付する。点検処理部222は、点検員310によって入力された点検結果の情報を電子帳票テンプレートに入力し、また、画像を電子帳票テンプレートに添付する。
【0109】
熟練者の点検員310は、表示部24に表示された標準電子帳票テンプレートに点検結果の情報を入力し、また、必要な画像を標準電子帳票テンプレートに添付する。非熟練者の点検員310は、表示部24に表示された詳細電子帳票テンプレートに点検結果の情報を入力し、また、予め定められた画像を詳細電子帳票テンプレートに添付する。その後、ステップS210に進む。
【0110】
ステップS210では、点検結果の登録が、受け付けられる。具体的に、点検処理部222が、点検員310が携帯端末2の操作部21から入力した点検結果の登録指示を受け付ける。点検員310は、点検結果の入力後、表示部24に表示された電子帳票テンプレートから登録ボタン56を選択することにより、点検結果の登録指示を入力する。その後、ステップS220に進む。
【0111】
ステップS220では、点検箇所の画像が撮影されているか否かが、判定される。具体的に、点検処理部222が、点検箇所についての必要な画像が撮影されているか否かを判定する。点検処理部222は、電子帳票テンプレートに規定されている項目についての必要な画像が当該電子帳票テンプレートに添付されているか否かにより、点検箇所についての必要な画像が撮影されているか否かを判定する。なお、標準電子帳票テンプレートでは、点検対象の画像の添付は必須ではない。
【0112】
点検処理部222は、電子帳票テンプレートに規定されている項目についての必要な画像が電子帳票テンプレートに添付されている場合に、点検箇所の画像が撮影されていると判定する。点検処理部222は、電子帳票テンプレートに規定されている点検箇所についての必要な画像が電子帳票テンプレートに添付されていない場合に、点検箇所の画像が撮影されていないと判定する。
【0113】
点検箇所の画像が撮影されていないと判定された場合は、ステップS220においてNoとなり、ステップS230に進む。点検箇所の画像が撮影されていると判定された場合は、ステップS220においてYesとなり、ステップS240に進む。
【0114】
ステップS230では、点検箇所の撮影を促す旨の撮影要求アドバイスが、表示される。具体的に、点検処理部222が、詳細電子帳票テンプレートから点検結果の登録を受け付け、且つ点検箇所の画像が撮影されていないと判定された場合に、点検箇所の撮影を促す旨のアドバイスである撮影要求アドバイスを、表示部24に表示させる。これにより、非熟練者は、表示部24に表示された撮影要求アドバイスに従って、必要な点検箇所の撮影を行うことができる。これにより、サーバ1への点検結果の登録に必要なデータが電子帳票テンプレートにそろっている場合にのみステップS240でサーバ1への点検結果の登録が可能とされる。その後、ステップS220に戻る。
【0115】
ステップS240では、サーバ1への点検結果の登録処理が、行われる。具体的に、サーバ1の電子帳票処理部13の点検結果登録処理部134が、点検結果の登録処理を行う。点検処理部222は、画像を含む点検結果の情報が入力された電子帳票テンプレートを点検結果の登録情報としてサーバ1の電子帳票処理部13の点検結果登録処理部134に送信する。すなわち、点検処理部222は、画像を含む点検結果の情報が入力された電子帳票テンプレートのデータを点検結果の登録情報のデータとしてサーバ1の電子帳票処理部13の点検結果登録処理部134に送信する。
【0116】
点検結果登録処理部134は、点検処理部222から送信された点検結果の登録情報を受信し、当該点検結果の登録情報を、点検情報記憶部12の点検情報テーブル122に登録する。点検結果登録処理部134は、点検員310のアカウント情報と、点検結果の登録情報と、を紐付けて点検情報テーブル122に登録する。すなわち、点検結果登録処理部134は、点検員310のアカウント情報と、点検対象の点検項目と、点検結果の情報と、を紐付けて点検情報テーブル122に登録する。以上により、電子帳票システム100における一連の点検結果の登録処理が終了する。
【0117】
なお、サーバ1は、点検員310の熟練度に対応した電子帳票テンプレートをサーバ1に接続されたプリンタ3に送信してもよい。点検員310は、プリンタ3で点検員310の熟練度に対応した電子帳票テンプレートを印刷し、印刷した電子帳票テンプレートを用いて点検を実施することができる。
【0118】
上述した実施の形態1にかかる電子帳票システム100では、サーバ1は、車両320の点検業務において点検員310が携帯端末2で使用する、点検員310の車両320の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する電子帳票テンプレートテーブル121を有する。また、携帯端末2は、当該携帯端末2を使用する点検員310の熟練度に対応した電子帳票テンプレートをサーバ1から取得する電子帳票取得部221と、電子帳票取得部221が取得した電子帳票テンプレートを表示する表示部24と、を備えている。
【0119】
これにより、電子帳票システム100では、携帯端末2を使用する点検員310の車両320の点検業務の熟練度に対応した電子帳票テンプレートを取得することができる。携帯端末2を用いて車両320の点検業務を行う点検員310は、当該点検員310の車両320の点検業務の熟練度に対応した電子帳票テンプレートを携帯端末2に表示させて車両320の点検を行うことができる。
【0120】
非熟練点検員が使用する詳細電子帳票テンプレートには、熟練点検員が使用する標準電子帳票テンプレートに含まれていない、非熟練点検員が適切な点検を行うために必要な点検基準などのアドバイスを行う補助機能が含まれている。これにより、携帯端末2のユーザである非熟練点検員は、携帯端末2の表示部24に表示された詳細電子帳票テンプレートを使用して車両320の点検を行うことにより、熟練点検員が点検を行う場合と同様の注意を払って車両320の点検を行うことができ、点検結果の品質を確保することができる。
【0121】
非熟練点検員は、詳細電子帳票テンプレートの補助機能を用いることにより、点検作業を行いながら点検に関する知識を習得することができるだけでなく、点検箇所の撮影などの点検後における対応策の判断に必要な情報をサーバ1に登録することができる。これにより、点検業務の経験の浅い非熟練点検員でも、点検結果の根拠を明確にして点検結果をサーバ1に登録することができる。すなわち、電子帳票システム100では、非熟練者に対して、非熟練点検員が適切な点検を行うために必要な点検基準などのアドバイスを提示することで、非熟練点検員の点検業務の点検品質の低下の抑制と、点検業務を通した非熟練者の点検業務の教育と、を実現できる。
【0122】
したがって、実施の形態1にかかる電子帳票システム100によれば、点検員の設備の点検の熟練度に起因した点検品質の低下を抑制可能な電子帳票を提供できる、という効果を奏する。
【0123】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1においてサーバ1に収集された点検結果の情報を基に、不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策を検討し、また点検結果の承認を行う際に点検員310の熟練度に対応して承認のワークフローを変化させる場合について説明する。
【0124】
図9は、実施の形態2にかかる電子帳票システムの構成を示す図である。実施の形態2にかかる電子帳票システム100aは、サーバ1aと、携帯端末2aと、サーバ1aと通信可能な承認用携帯端末2bと、を備える。サーバ1aは、実施の形態1にかかるサーバ1と同じ機能を有する。携帯端末2aは実施の形態1にかかる携帯端末2と同じ機能を有する。
【0125】
図10は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備えるサーバの構成を示す図である。サーバ1aは、実施の形態1にかかる点検情報記憶部12の代わりに、点検情報記憶部12aを備える。
【0126】
点検情報記憶部12aは、実施の形態1にかかる点検情報記憶部12が記憶する電子帳票テンプレートテーブル121と点検情報テーブル122とに加えて、対応策テーブル123と、承認結果テーブル124と、をさらに記憶する。
【0127】
対応策テーブル123は、サーバ1aに収集された点検結果に基づく、点検結果に対する対応策の情報、すなわち点検において不良と判定された点検対象の点検項目に対しての対応策の情報を記憶する。点検において不良と判定された点検対象の点検項目に対しての対応策は、点検結果に対する対応策に、換言できる。点検項目に対しての対応策の情報は、当該対応策に対応する、点検を実施した点検員310のアカウント情報と、不良と判定された点検対象の点検項目の情報と、当該点検項目に対応する、車両番号の情報、点検箇所の情報、点検装置名の情報および点検結果の情報とに紐付けられて、個別に記憶されている。以下では、点検結果に対する対応策を、単に対応策と呼ぶ場合がある。
【0128】
不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策には、不良と判定された設備の点検項目に対しての是正措置が含まれる。点検結果に基づく対応策は、点検を実施した点検員310によって、点検結果に基づいて検討された、不良と判定された設備の点検項目に対する対応策である。点検結果に基づく是正措置は、点検を実施した点検員310によって、点検結果に基づいて検討されて実施された、不良と判定された設備の点検項目に対する是正措置である。
【0129】
点検結果に対する対応策に対する承認が非承認の状態である場合、すなわち点検において不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策が否認された状態である場合、対応策の情報は、対応策テーブル123に残ったままとなり、更新はされない。また、当該対応策に対応する承認結果が、承認結果テーブル124に保存された状態となる。すなわち、対応策テーブル123には、対応策の承認および対応策の否認に関わらず、一度登録された対応策の情報は、削除されずに記憶される。
【0130】
ただし、点検を実施した点検員310のアカウント情報と、点検対象の点検項目と、点検結果と、対応策と、承認情報とは、紐付づいたデータとなる。このため、点検員310が、点検において不良と判定された点検対象の点検項目に対して、否認された対応策を再検討した新たな対応策を更新した場合には更新前の対応策は、点検を実施した点検員310のアカウント情報および点検結果とは紐付いていないデータとなる。このため、対応策を更新した場合には、更新前の否認された対応策は参照できなくなる。すなわち、新たな対応策が更新登録された、更新登録前の否認された対応策は、対応策テーブル123に記憶されているが、点検を実施した点検員310のアカウント情報と点検結果と承認情報と紐づいたデータではないので、携帯端末2aからは参照できなくなる。
【0131】
承認結果テーブル124は、対応策テーブル123に記憶された対応策に対する承認結果の情報を記憶する。承認結果の情報は、当該承認結果に対応する、点検を実施した点検員310のアカウント情報と、点検対象の点検項目と、点検結果と、対応策とに紐付づいた情報となる。
【0132】
また、サーバ1aは、実施の形態1にかかる電子帳票処理部13の代わりに、電子帳票処理部13aを備える。
【0133】
電子帳票処理部13aは、実施の形態1にかかる電子帳票処理部13が備えるログイン処理部131と熟練度判定部132と帳票判定部133と点検結果登録処理部134とに加えて、承認要求ワークフロー部135を、さらに備える。
【0134】
承認要求ワークフロー部135は、電子帳票処理部13aにおいて、点検員310と上位者との間で点検結果に対する対応策について承認要求データの承認回覧を行う承認ワークフロー処理を実施させる。上位者は、組織の中における承認ワークフロー処理において点検結果に対する対応策を承認する立場にある人である。非熟練点検員の上位者は、熟練点検員および責任者である。熟練点検員の上位者は、責任者である。承認要求データは、承認申請データの内容を含み点検結果に対する対応策の承認を要求する承認回覧用のデータである。承認申請データは、設備の点検結果および点検結果に対する対応策を含む承認申請用のデータである。
【0135】
承認要求ワークフロー部135は、ユーザの熟練度に対応して対応策の承認ワークフローの経路を変更する。すなわち、承認要求ワークフロー部135は、携帯端末2aを使用する点検員310の熟練度に対応して承認者への承認要求データの送信順序を変更する。承認要求ワークフロー部135は、熟練点検員から申請された対応策の承認申請については、直接、責任者に承認要求データを送信する。承認要求ワークフロー部135は、非熟練点検員から申請された対応策の承認申請については、熟練者に承認要求データを送信し、熟練者が対応策を承認した後に、責任者に承認要求データを送信する。
【0136】
携帯端末2aは、点検員310が、実施の形態1にかかる携帯端末2と同様に点検および点検結果のサーバ1への登録に使用するとともに、サーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された対応策に対する承認を上位者に対して申請する際に使用する端末である。なお、携帯端末2aは、上位者がサーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された対応策に対する承認に関する処理を行う際にも使用可能である。
【0137】
図11は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末の構成を示す図である。携帯端末2aは、実施の形態1にかかるサーバアクセス部22の代わりに、サーバアクセス部22aを備える。
【0138】
サーバアクセス部22aは、実施の形態1にかかるサーバアクセス部22が備える電子帳票取得部221と点検処理部222とに加えて、承認申請部223と、承認処理部224とを、さらに備える。
【0139】
承認申請部223は、サーバ1aの電子帳票処理部13aに対して点検結果に対する対応策の承認の申請を行う。承認申請部223は、サーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された過去の点検結果に対する対応策について、サーバ1aの電子帳票処理部13aに対して点検結果に対する対応策の承認の申請を行う。
【0140】
承認処理部224は、上位者により入力される承認可否情報を受信し、当該承認可否情報に基づいて、サーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された対応策に対する承認に関する処理を行う。承認に関する処理には、対応策を承認する処理と、対応策を否認する処理と、が含まれる。
【0141】
承認処理部224は、後述する承認依頼用のワークフロー電子文書を表示部24に表示させて、点検員310に承認結果の入力を促す。承認結果は、対応策を承認する旨の承認、あるいは対応策を否認する旨の否認のいずれかである。承認処理部224は、入力された承認結果の情報を、サーバ1aの電子帳票処理部13の承認要求ワークフロー部135に送信する。
【0142】
また、携帯端末2aは、電子帳票を表示する電子帳票画面に加えて、点検結果一覧画面と、点検結果確認ワークフロー画面を表示部24に表示する。
【0143】
承認用携帯端末2bは、上位者がサーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された対応策に対する承認に関する処理を行う際に使用する端末である。承認用携帯端末2bは、携帯端末2aと同じ構成および同じ機能を有する。
【0144】
つぎに、電子帳票システムにおける点検結果の承認のワークフロー処理について説明する。図12は、実施の形態2にかかる電子帳票システムにおける点検結果の承認のワークフロー処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0145】
ステップS310において、携帯端末2aからサーバ1aに対して点検結果の承認申請処理が、開始される。具体的に、携帯端末2aのサーバアクセス部22aの承認申請部223が、サーバ1aの電子帳票処理部13aに対して点検結果の承認の申請を行う。点検結果の承認の申請は、具体的に、点検において不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策の承認の申請であり、点検結果に対する対応策の承認といえる。承認申請部223は、操作部21を介して点検員310から点検結果の承認申請処理の開始の指示を受け付けると、表示部24にログイン画面を表示して、点検員310にログイン情報の入力を促す。点検員310は、ログイン画面において、ログイン情報としてアカウント情報と認証情報とを入力する。
【0146】
承認申請部223は、入力されたアカウント情報と認証情報とをサーバ1aの電子帳票処理部13aに送信する。その後、ステップS320に進む。
【0147】
ステップS320では、電子帳票処理部13aのログイン処理部131が、携帯端末2aの承認申請部223から送信されたアカウント情報と認証情報とを受信し、上述したステップS120と同様にして、ログイン情報に対応するユーザ、すなわち点検結果の承認申請処理を開始したユーザがユーザ情報テーブル111に登録された登録ユーザであるか否かが、判定される。
【0148】
ログイン情報に対応するユーザが未登録ユーザであると判定された場合は、ステップS320においてNoとなり、ログイン処理部131はユーザが未登録ユーザである旨のメッセージを含む再入力画面にログイン画面をリダイレクトさせ、ステップS310に戻る。ログイン情報に対応するユーザが登録ユーザであると判定された場合は、ステップS320においてYesとなり、ステップS330に進む。
【0149】
ステップS330では、携帯端末2aへの点検結果一覧画面のデータの送信が、行われる。具体的に、サーバ1aの電子帳票処理部13aの承認要求ワークフロー部135が、点検結果一覧画面のデータを携帯端末2aの承認申請部223に送信する。承認要求ワークフロー部135は、点検情報テーブル122に記憶されている点検結果のデータに基づいて、過去の点検結果を一覧表示する画面である点検結果一覧画面を生成し、生成した点検結果一覧画面のデータを承認申請部223に送信する。その後、ステップS340に進む。
【0150】
ステップS340では、点検結果一覧画面における過去の点検結果の一覧から承認対象の点検結果が選択される。具体的に、承認申請部223が、点検結果一覧画面における過去の点検結果の一覧から、点検において不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策が承認の対象となる、承認対象の点検結果を選択する。すなわち、点検結果に対する対応策の承認の対象となる点検結果が、選択される。
【0151】
承認申請部223は、点検結果一覧画面のデータを受信すると、点検結果一覧画面のデータを端末記憶部26に記憶させるとともに、点検結果一覧画面のデータを表示部24に送信して点検結果一覧画面を表示部24に表示させて、点検員310に承認対象の点検結果を選択する選択情報の入力を促す。点検員310は、点検結果一覧画面において、承認対象の点検結果の選択情報を入力する。
【0152】
承認申請部223は、入力された承認対象の点検結果の選択情報を、サーバ1aの電子帳票処理部13aの承認要求ワークフロー部135に送信する。その後、ステップS350に進む。
【0153】
ステップS350では、承認依頼が、受け付けられる。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、承認依頼を受け付ける。承認要求ワークフロー部135は、承認対象の点検結果の選択情報を受信すると、当該選択情報に対応する点検結果のデータに基づいて、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面を生成し、生成した承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータを承認申請部223に送信する。すなわち、承認要求ワークフロー部135は、選択情報に示される点検結果についての、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面を携帯端末2の承認申請部223に送信する。
【0154】
携帯端末2aの承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータを受信すると、当該データを表示部24に送信して承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面を表示部24に表示させて、点検員310に点検結果の対応策の入力を促す。点検員310は、承認申請用の検結果確認ワークフロー画面において、点検結果の対応策を入力する。そして、点検員310は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面に承認者の情報を入力し、さらに点検結果の対応策の承認依頼を行う。
【0155】
承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面への点検結果の対応策の入力を受け付けて、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータに、点検結果の対応策のデータを追加する。
【0156】
また、承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面への承認者の情報の入力を受け付けて、点検結果の対応策が入力された承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータに、承認者の情報を追加する。
【0157】
そして、承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面への点検結果の対応策の承認依頼を受け付けて、点検結果の対応策および承認者の情報が追加された承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータをサーバ1aの承認要求ワークフロー部135に送信する。
【0158】
点検結果の対応策および承認者の情報が入力された承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータは、設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データである。また、点検結果の対応策および承認者の情報が入力された承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面は、承認申請電子文書といえる。
【0159】
承認要求ワークフロー部135は、設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを、承認申請部223から取得する。これにより、承認要求ワークフロー部135において、承認依頼が受け付けられる。
【0160】
図13は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される点検結果一覧画面の一例を示す図である。図13に示す点検結果一覧画面では、点検番号の表示箇所65と、点検対象の表示箇所66と、点検員の表示箇所67と、点検結果の承認状況の表示箇所68とが配置されている。点検番号は、点検結果の識別番号である。また、図13に示す点検結果一覧画面では、点検結果を選択するためのボタンであるラジオボタン63と、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面を表示させるためのボタンである表示ボタン64とが配置されている。
【0161】
図13に示す点検結果一覧画面では、サーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された過去の点検結果と、当該点検結果において不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策の承認結果を確認することができ、点検結果を選択することで、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面を表示部24に表示させることができる。点検結果は、個別の点検番号で管理される。点検結果一覧画面では、承認対象が無い場合は該当件数0件として表示される。以下では、ワークフローをWF(WorkFlow)と記載する場合がある。
【0162】
点検結果一覧画面では、最新の点検結果の情報と、過去の点検結果の情報とを一覧表示することが可能である。最新の点検結果は、対応策の承認WFが終了していない点検結果である。過去の点検結果は、対応策の承認WFが終了している点検結果である。
【0163】
図14は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の一例を示す図である。図14に示す承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面では、図6に示す標準電子帳票テンプレートおよび図7に示す詳細電子帳票テンプレートの構成の一部が反映されており、点検対象の入力箇所51と、点検項目名の入力箇所52と、点検結果の入力箇所53と、対応策の入力箇所69と、承認印の入力箇所70と、承認者コメントの入力箇所71とが配置されている。
【0164】
また、図14に示す承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面では、点検結果に添付された添付画像を表示するためのボタンである表示ボタン72と、撮影した画像を点検結果に紐付けてサーバ1aに承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面からアップロードするためのボタンである画像アップロードボタン73と、承認者を選択するためのボタンである承認者選択ボタン74と、承認依頼をするためのボタンである承認依頼ボタン75と、添付画像を見るための表示ボタン76と、が配置されている。
【0165】
図14に示す承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面では、サーバ1aの点検情報記憶部12aの対応策テーブル123に記憶された過去の点検結果と、当該点検結果において不良と判定された設備の点検項目に対しての対応策を確認することができ、また点検内容の詳細と対応策との記入を行うことができる。
【0166】
点検結果一覧画面において承認結果が確定して承認WFが終了している場合は、点検結果一覧画面において点検結果を選択して承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面を表示部24に表示させることで、点検内容の詳細を確認可能である。ただし、承認結果が確定しているため、点検内容の詳細の編集はできない。点検結果一覧画面において承認結果が確定して承認WFが終了している場合は、図13に示す点検結果一覧画面で点検結果の承認状況の表示箇所68に、「承認済み」と表示されている場合に対応する。
【0167】
点検結果一覧画面において対応策の承認結果が未確定である場合、すなわち対応策の承認WFが未実施あるいは対応策が非承認状態である場合、点検結果一覧画面において点検結果を選択して承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面を表示部24に表示させることで、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面において点検内容の詳細と対応策との記入が実施可能となる。点検結果一覧画面において対応策の承認結果が未確定である場合は、図13に示す点検結果一覧画面で点検結果の承認状況の表示箇所68に、「△△で承認処理中」あるいは「否認」と表示されているか、何も表示されていない場合に対応する。
【0168】
点検内容の詳細は、現場での車両320の点検で電子帳票テンプレートに入力された内容であり、点検項目と、各点検項目の点検結果と、撮影した画像とのデータである。ただし、対応策の入力を行える点検結果は、対応策の承認WFが未実施もしくは非承認状態の点検結果のみである。
【0169】
また、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面に表示された点検結果が否認状態の場合は、承認者コメントの入力箇所71に否認の理由も表示される。承認者コメントは、承認者のみが入力可能である。
【0170】
例えば図13に示す点検結果一覧画面における点検番号の表示箇所65の点検番号xxxxxxxの点検結果を見る場合には、当該点検結果一覧画面において点検番号xxxxxxxに対応するラジオボタン63が選択され、さらに表示ボタン64が選択される。この場合、承認申請部223は、承認対象の点検結果の選択情報として点検番号xxxxxxxの点検結果を承認対象として選択する選択情報をサーバ1aの電子帳票処理部13aの承認要求ワークフロー部135に送信する。
【0171】
承認要求ワークフロー部135は、承認対象の点検結果の選択情報を受信すると、当該選択情報に対応する点検結果のデータに基づいて、当該選択情報に対応する点検結果についての承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面を生成し、生成した承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面のデータを承認申請部223に送信する。承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面のデータを受信すると、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面のデータを表示部24に送信して承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面を表示部24に表示させる。これにより、点検番号xxxxxxxに対応する、図14に示す承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示部24に表示される。点検番号xxxxxxxの点検結果は、承認状況が「承認済み」であるため、承認印の入力箇所70に承認印が記載された承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示される。
【0172】
また、同様に、図13に示す点検結果一覧画面における点検番号の表示箇所65の点検番号yyyyyyyの点検結果を見る場合には、点検結果一覧画面において点検番号yyyyyyyに対応するラジオボタン63が選択され、さらに表示ボタン64が選択されると、点検番号yyyyyyyに対応する承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示部24に表示される。点検番号yyyyyyyの点検結果は、承認状況が「△△で承認処理中」であるため、承認印の入力箇所70に承認印が記載されていない承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示される。これにより、承認申請部223が、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面への点検内容の詳細と対応策との記入を受け付け可能となる。
【0173】
また、図13に示す点検結果一覧画面における点検番号の表示箇所65の点検番号zzzzzzzの点検結果を見る場合には、点検結果一覧画面において点検番号zzzzzzzに対応するラジオボタン63が選択され、さらに表示ボタン64が選択されると、点検番号zzzzzzzに対応する承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示部24に表示される。点検番号zzzzzzzの点検結果は、承認状況が「否認」であるため、承認印の入力箇所70に承認印が記載されておらず、承認者コメントの入力箇所71に否認の理由に関するコメントが記載された承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面が表示される。これにより、承認申請部223が、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面への点検内容の詳細と対応策との記入を受け付け可能となる。
【0174】
点検員310は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面において点検結果に対する対応策を入力し、必要な場合には点検内容の詳細を編集する。つぎに、点検員310は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー一覧画面で、承認者選択ボタン74を選択することで表示される承認者選択画面に承認者を登録し、または予め登録された承認者候補から承認者を選択する。そして、点検員310は、承認依頼ボタン75を選択することで承認者への点検結果の対応策の承認依頼を承認申請部223に対して行う。
【0175】
承認申請部223は、承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面への点検結果の対応策の承認依頼を受け付けて、点検結果の対応策および承認者の情報が追加された承認申請用の点検結果確認ワークフロー画面のデータをサーバ1aの承認要求ワークフロー部135に送信する。すなわち、承認申請部223は、承認申請データを承認要求ワークフロー部135に送信する。上述したように、承認申請データは、設備の点検結果および点検結果に対する対応策を含む承認申請用のデータであり、対応策の承認を依頼する承認依頼情報といえる。
【0176】
承認要求ワークフロー部135は、設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを、承認申請部223から取得する。これにより、承認申請部223において、承認申請が受け付けられる。
【0177】
非熟練点検員の場合は、承認者に熟練者と責任者とを設定する必要がある。承認要求ワークフロー部135は、非熟練点検員からの点検結果に対する対応策の承認依頼が行われた場合は、最初に熟練者に承認依頼の回覧を行い、非熟練点検員からの点検結果に対する対応策の承認依頼が熟練者に承認された場合、自動的に熟練者に承認依頼の回覧を行う。一方、熟練点検員の場合は、承認者に責任者を設定する。
【0178】
ステップS360では、ユーザの熟練度が熟練者であるか否かが、判定される。具体的に、サーバ1aの電子帳票処理部13aの熟練度判定部132が、上述したステップS130と同様にして、ユーザの熟練度を判定する。承認要求ワークフロー部135は、熟練度判定部132がで判定された点検員310の熟練度に対応して、対応策の承認ワークフローの経路を変更する。すなわち、承認要求ワークフロー部135は、携帯端末2aを使用する点検員310の熟練度に対応して承認者への承認要求データの送信順序を変更する。
【0179】
ユーザの熟練度が熟練者であると判定された場合は、ステップS360においてYesとなり、ステップS400に進む。ユーザの熟練度が非熟練者であると判定された場合は、ステップS360においてNoとなり、ステップS370に進む。
【0180】
ステップS370では、対応策の承認の熟練点検員への承認依頼が、行われる。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、点検結果に対する対応策の承認の熟練点検員への承認依頼を行う。承認要求ワークフロー部135は、承認申請データを受信すると、当該承認申請データを参照して、点検結果に対する対応策の承認を依頼する承認依頼情報である承認要求データとして対応策の承認依頼用のワークフロー電子文書を生成し、生成した承認依頼用のワークフロー電子文書のデータを、回覧先である熟練点検員の承認用携帯端末2bのサーバアクセス部22aの承認処理部224に送信する。承認要求ワークフロー部135は、承認要求データと、承認依頼用のワークフロー電子文書とを点検情報テーブル122に記憶させる。その後、ステップS380に進む。
【0181】
承認依頼用のワークフロー電子文書のデータは、承認申請データの内容を含み検査結果に対する対応策の承認を要求する承認回覧用の承認要求データである。
【0182】
ステップS380では、熟練点検員が対応策を承認したか否かが、判定される。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、熟練点検員が対応策を承認したかを判定する。
【0183】
熟練点検員の承認用携帯端末2bの承認処理部224は、承認依頼用のワークフロー電子文書のデータを受信すると、承認依頼用のワークフロー電子文書を端末記憶部26に記憶させるとともに、承認依頼用のワークフロー電子文書を表示部24に表示させて、熟練点検員に承認結果の入力を促す。熟練点検員は、承認依頼用のワークフロー電子文書の画面において承認結果を入力する。承認結果は、対応策を承認する旨の承認、あるいは対応策を否認する旨の否認のいずれかである。熟練点検員は、対応策を否認する場合、否認理由を承認依頼用のワークフロー電子文書の画面において入力する。否認理由の情報は、承認結果の情報に添付される。承認あるいは否認の承認結果の入力ボタンを設けることで容易に承認結果を入力することが可能である。
【0184】
承認依頼用のワークフロー電子文書には、承認用携帯端末2bにおいて表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第1の画面と、承認用携帯端末2bにおいて表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第2の画面とが含まれる。
【0185】
図15は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第1の画面の一例を示す図である。図16は、実施の形態2にかかる電子帳票システムが備える携帯端末において表示される承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第2の画面の一例を示す図である。以下では、承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第1の画面を、単に第1の画面と呼ぶ場合がある。また、承認処理用の点検結果確認ワークフロー一覧画面の第2の画面を、単に第2の画面と呼ぶ場合がある。
【0186】
図15に示す第1の画面は、承認者が見る画面である。すなわち、第2の画面は、熟練点検員よりも下位の点検員310である非熟練点検員から承認を依頼された熟練点検員と、非熟練点検員および熟練点検員から承認を依頼された責任者が見る画面である。図15に示す第1の画面は、図13に示す点検結果一覧画面と同様の構成を有する。ただし、図15に示す第1の画面では、対応策が承認とされる承認対象の点検結果についてのみ情報が示される。なお、第1の画面では、表示ボタン64が選択されることにより、図16に示す第2の画面が表示部24に表示される。
【0187】
図16に示す第2の画面は、承認者が見る画面である。すなわち、第2の画面は、熟練点検員よりも下位の点検員310である非熟練点検員から承認を依頼された熟練点検員と、非熟練点検員および熟練点検員から承認を依頼された責任者が見る画面である。図16に示す第2の画面は、図14に示す点検結果確認ワークフロー一覧画面と同様の構成を有する。ただし、図16に示す第2の画面では、画像アップロードボタン73と承認者選択ボタン74と承認依頼ボタン75との代わりに、承認の承認結果を入力するためのボタンである承認ボタン77と、否認の承認結果を入力するためのボタンである否認ボタン78とが配置されている。承認者は、承認ボタン77あるいは否認ボタン78を選択することにより、容易に承認結果を入力することが可能である。
【0188】
承認用携帯端末2bの承認処理部224は、入力された承認結果の情報を、サーバ1aの電子帳票処理部13aの承認要求ワークフロー部135に送信する。承認要求ワークフロー部135は、承認結果の情報を受信し、承認結果の情報を点検情報テーブル122に記憶させるとともに、承認結果の情報に基づいて熟練点検員が対応策を承認したかを判定する。
【0189】
熟練点検員が対応策を否認したと判定された場合は、ステップS380においてNoとなり、承認要求ワークフロー部135が、対応策が否認された旨の通知を、承認依頼を行った非熟練者の携帯端末2aの承認申請部223に送信して、ステップS390に進む。熟練点検員が対応策を承認したと判定された場合は、ステップS380においてYesとなり、ステップS400に進む。
【0190】
ステップS390では、対応策の承認の再申請指示が、送信される。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、対応策の承認の再申請を指示する再申請指示を、承認依頼を行った点検員310の携帯端末2aの承認申請部223に送信する。携帯端末2aの承認申請部223は、再申請指示を受信すると、対応策の承認の再申請を指示する旨のメッセージを表示部24に表示する。その後、ステップS350に戻る。
【0191】
ステップS400では、対応策の承認の責任者への承認依頼が、行われる。具体的に、携帯端末2aの承認申請部223が、責任者への承認依頼を行う。責任者への承認依頼は、承認者として責任者を選択して、ステップS370と同様の処理により行われる。非熟練点検員の場合、点検結果に対する対応策の承認依頼が熟練者に承認された場合に、ステップS400で自動的に責任者への承認依頼が行われる。なお、非熟練点検員からの点検結果に対する対応策の承認依頼が熟練者に承認された場合に、非熟練点検員が自分で責任者への承認依頼を承認要求ワークフロー部135に対して行う形態とされてもよい。その後、ステップS410に進む。
【0192】
ステップS410では、責任者が対応策を承認したか否かが、判定される。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、責任者が対応策を承認したかを判定する。責任者が対応策を承認したか否かの判定は、承認者を責任者として、ステップS380と同様の処理により行われる。
【0193】
責任者が対応策を否認したと判定された場合は、ステップS410においてNoとなり、承認要求ワークフロー部135が、対応策が否認された旨の通知を承認依頼を行った点検員310の携帯端末2aの承認申請部223に送信して、ステップS390に進む。責任者が対応策を承認したと判定された場合は、ステップS410においてYesとなり、ステップS420に進む。
【0194】
ステップS420では、対応策が承認済みである旨の承認結果が、送信される。具体的に、承認要求ワークフロー部135が、対応策が承認済みである旨の承認通知を、承認依頼を行った点検員310の携帯端末2aの承認申請部223に送信する。承認申請部223は、承認通知を受信すると、当該承認通知を表示部24に送信して承認通知を表示部24に表示させる。これにより、点検員310は、対応策が承認済みであることを確認できる。以上の処理が行われることにより、対応策の承認の一連のワークフロー処理が終了する。
【0195】
なお、上記においては非熟練点検員が承認処理部224を備える携帯端末2aを用いて承認申請を行う場合について説明したが、非熟練点検員は携帯端末2aから承認処理部224が除かれた機能を有する端末を使用してもよい。また、上記においては、熟練点検員および責任者が携帯端末2aと同じ構成を有する承認用携帯端末2bを用いて承認処理を行う場合について説明したが、熟練点検員および責任者が承認処理を行う端末は承認用携帯端末2bに限定されない。熟練点検員および責任者は、上述した承認処理部224による承認処理機能を備えた端末であれば、承認用携帯端末2b以外の各種の端末を用いて承認処理を行うことができる。
【0196】
上述した実施の形態2にかかる電子帳票システム100aでは、携帯端末2aは、車両320の点検結果および点検結果に対する対応策を含む承認申請データをサーバ1aに送信して対応策の承認を申請する承認申請部223を備える。また、サーバ1aは、承認申請データを携帯端末2から取得し、承認申請データの内容を含み対応策の承認を要求する承認要求データを対応策の承認を行う承認者が使用する端末に送信する承認要求ワークフロー部135を備える。
【0197】
これにより電子帳票システム100aでは、サーバ1aは、実施の形態1にかかる電子帳票システム100の機能によってサーバ1aに登録された過去の点検結果について、承認申請データの内容を含み対応策の承認を要求する承認要求データを適切に承認者に回覧して承認回覧フローを実施することができる。
【0198】
また、承認要求ワークフロー部135は、携帯端末2aを使用する点検員310の熟練度に対応して、複数の承認者への承認要求データの送信順序を変更する。これにより、電子帳票システム100aでは、非熟練点検員が検討した対応策が妥当であるかについて熟練点検員による一次チェックを行うことができる。そして、非熟練点検員は、熟練点検員による点検結果および対応策についてのアドバイスおよびフォローを適切に受けることができる。これにより、責任者は、点検結果および対応策の妥当性を判断することが容易となる。
【0199】
電子帳票システム100aでは、非熟練点検員の上位の承認者は、点検結果に対して対応策が妥当かを一定の根拠を持った資料から責任者が判断することができる。また、非熟練者が作成した対応策を熟練点検員が一次チェックすることで、責任者には一定の品質を保った資料および熟練点検員による点検業務と同等の一定の品質を保った資料のみを提示することができる。
【0200】
非熟練点検員は、詳細電子帳票テンプレートの補助機能を用いることにより、点検箇所の撮影などの点検後における対応策の判断に必要な情報をサーバ1aに登録することができる。すなわち、電子帳票システム100aでは、非熟練点検員の点検結果に対して、点検箇所の状況および判断した根拠となる画像を必須でサーバ1aに登録させることで、非熟練点検員によってサーバ1aに登録された対応策は、熟練点検員または責任者が点検結果に対する対応策の妥当性の判断可能な、一定の根拠を持った資料となっており、熟練点検員によりサーバ1aに登録される情報と同等のレベルの一定の根拠を持った資料となっている。
【0201】
そして、非熟練点検員によってサーバ1aに登録された対応策を熟練点検員により一次承認することで、非熟練点検員は、熟練点検員による点検業務と同等の、一定の品質を保った対応策をサーバ1aに登録できる。すなわち、非熟練点検員は、熟練点検員による点検業務と同等の、一定の品質を保った対応策をサーバ1aに登録できる。
【0202】
これにより、非熟練点検員の上位の承認者は、点検結果に対する対応策の妥当性を判断することが判断することが容易となる。
【0203】
なお、上記においては、電子帳票システム100,100aを車両320の点検に適用する場合を例に説明したが、上述した電子帳票システムは、車両の点検以外に、工場内設備、ダム・河川、道路・トンネル等の各種設備の点検にも適用可能である。
【0204】
続いて、実施の形態1,2にかかる制御部80のそれぞれのハードウェア構成について説明する。実施の形態1,2にかかる制御部80は、サーバ1における電子帳票処理部13、サーバ制御部15と、サーバ1aにおける電子帳票処理部13a、サーバ制御部15と、携帯端末2におけるサーバアクセス部22、端末制御部27と、携帯端末2aにおけるサーバアクセス部22a、端末制御部27とのそれぞれに対応する。実施の形態1,2にかかる制御部80のそれぞれの機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、記憶装置に格納されるプログラムを実行する処理装置であってもよい。
【0205】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらを組み合わせたものが該当する。図17は、実施の形態1,2にかかる制御部のそれぞれの機能をハードウェアで実現した構成を示す図である。処理回路81には、制御部80の機能を実現する論理回路81aが組み込まれている。
【0206】
処理回路81が処理装置の場合、制御部80の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0207】
図18は、実施の形態1,2にかかる制御部のそれぞれの機能をソフトウェアで実現した構成を示す図である。処理回路81は、プログラム81bを実行するプロセッサ811と、プロセッサ811がワークエリアに用いるランダムアクセスメモリ812と、プログラム81bを記憶する記憶装置813とを有する。記憶装置813に記憶されているプログラム81bをプロセッサ811がランダムアクセスメモリ812上に展開し、実行することにより、制御部80の機能が実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラム言語で記述され、記憶装置813に格納される。プロセッサ811は、中央処理装置を例示できるがこれに限定はされない。記憶装置813は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった半導体メモリを適用できる。半導体メモリは、不揮発性メモリでもよいし揮発性メモリでもよい。また、記憶装置813は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)を適用できる。なお、プロセッサ811は、演算結果といったデータを記憶装置813に出力して記憶させてもよいし、ランダムアクセスメモリ812を介して不図示の補助記憶装置に当該データを記憶させてもよい。プロセッサ811、ランダムアクセスメモリ812および記憶装置813を1チップに集積することにより、制御部80の機能をマイクロコンピュータにより実現することができる。
【0208】
処理回路81は、記憶装置813に記憶されたプログラム81bを読み出して実行することにより、制御部80の機能を実現する。プログラム81bは、制御部80の機能を実現する手順および方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
【0209】
サーバ1における電子帳票処理部13、サーバ制御部15の機能を実現するための処理回路81では、およびサーバ1aにおける電子帳票処理部13a、サーバ制御部15の機能を実現するための処理回路81では、プログラム81bに電子帳票提供プログラムが含まれる。
【0210】
なお、処理回路81は、制御部80の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、制御部80の機能の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0211】
このように、処理回路81は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0212】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0213】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0214】
(付記1)
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを提供する電子帳票提供サーバであって、
前記点検員の設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部と、
前記携帯端末から取得される前記点検員のユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度を判定する熟練度判定部と、
前記熟練度判定部において判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記記憶部に記憶された異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部と、
を備えることを特徴とする電子帳票提供サーバ。
(付記2)
異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートは、前記熟練度が相対的に低い第1の点検員が使用する第1の電子帳票テンプレートと、前記熟練度が相対的に高い第2の点検員が使用する第2の電子帳票テンプレートと、を含み、
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する上でのアドバイスを含むこと、
を特徴とする付記1に記載の電子帳票提供サーバ。
(付記3)
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記携帯端末において表示された場合に前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する際に点検箇所の撮影を促すとともに、撮影対象名、撮影枚数および撮影状況を報知する報知機能を有すること、
を特徴とする付記2に記載の電子帳票提供サーバ。
(付記4)
前記設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを前記携帯端末から取得し、前記承認申請データの内容を含み前記対応策の承認を要求する承認要求データを前記対応策の承認を行う承認者が使用する端末に送信する承認要求ワークフロー部を備えること、
を特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の電子帳票提供サーバ。
(付記5)
前記承認要求ワークフロー部は、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応して、複数の前記承認者への前記承認要求データの送信順序を変更すること、
を特徴とする付記4に記載の電子帳票提供サーバ。
(付記6)
前記帳票判定部は、判定した前記電子帳票テンプレートを出力装置に送信すること、
を特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の電子帳票提供サーバ。
(付記7)
サーバと、前記サーバと通信可能な携帯端末と、を備え、
前記サーバは、設備の点検業務において点検員が前記携帯端末で使用する、点検員の前記設備の点検業務の熟練度に対応した異なる複数種類の電子帳票テンプレートを記憶する記憶部を備え、
前記携帯端末は、
前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応した前記電子帳票テンプレートを前記サーバから取得する電子帳票取得部と、
前記電子帳票取得部が取得した前記電子帳票テンプレートを表示する表示部と、
を備えること、
を特徴とする電子帳票システム。
(付記8)
前記サーバは、
前記点検員の前記熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である予め決められた熟練度基準情報とに基づいて、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度を判定する熟練度判定部と、
前記熟練度判定部において判定された熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記記憶部に記憶された複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定する帳票判定部と、
を備えること、
を特徴とする付記7に記載の電子帳票システム。
(付記9)
異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートは、前記熟練度が相対的に低い第1の点検員が使用する第1の電子帳票テンプレートと、前記熟練度が相対的に高い第2の点検員が使用する第2の電子帳票テンプレートと、を含み、
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する上でのアドバイスを含むこと、
を特徴とする付記7または8に記載の電子帳票システム。
(付記10)
前記第1の電子帳票テンプレートは、前記携帯端末において表示された場合に前記第1の電子帳票テンプレートに記載された前記設備の点検項目について前記設備を点検する際に点検箇所の撮影を促すとともに、撮影対象名、撮影枚数および撮影状況を報知する報知機能を有すること、
を特徴とする付記9に記載の電子帳票システム。
(付記11)
前記携帯端末は、前記設備の点検結果および前記点検結果に対する対応策を含む承認申請データを前記サーバに送信して前記対応策の承認を申請する承認申請部を備え、
前記サーバは、前記承認申請データを前記携帯端末から取得し、前記承認申請データの内容を含み前記対応策の承認を要求する承認要求データを前記対応策の承認を行う承認者が使用する端末に送信する承認要求ワークフロー部を備えること、
を特徴とする付記7から10のいずれか1つに記載の電子帳票システム。
(付記12)
前記承認要求ワークフロー部は、前記携帯端末を使用する前記点検員の前記熟練度に対応して、複数の前記承認者への前記承認要求データの送信順序を変更すること、
を特徴とする付記11に記載の電子帳票システム。
(付記13)
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートをサーバが提供する電子帳票の提供方法であって、
前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
を含むことを特徴とする電子帳票の提供方法。
(付記14)
サーバと、前記サーバと通信可能な携帯端末とを備える電子帳票システムにおいて、設備の点検業務において点検員が前記携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを前記携帯端末が前記サーバから取得する電子帳票の取得方法であって、
前記サーバが、前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記サーバが、前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
前記サーバが、判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
前記携帯端末が、前記サーバで判定された前記電子帳票テンプレートを前記サーバから取得するステップと、
を含むことを特徴とする電子帳票の取得方法。
(付記15)
設備の点検業務において点検員が携帯端末で使用する電子帳票テンプレートを提供するサーバとしてコンピュータを機能させる電子帳票の提供プログラムであって、
前記点検員のユーザ情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記ユーザ情報に紐付けられた前記点検員の前記設備の点検業務の熟練度を判定するために用いられる情報である熟練度識別情報と、前記点検員の前記熟練度を判定するための前記熟練度識別情報の判定基準である熟練度基準情報とに基づいて、前記点検員の前記熟練度を判定するステップと、
判定された前記熟練度に対応した電子帳票テンプレートを、前記点検員の前記熟練度に対応した異なる複数種類の前記電子帳票テンプレートの中から判定するステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする電子帳票の提供プログラム。
【符号の説明】
【0215】
1,1a サーバ、2,2a 携帯端末、2b 承認用携帯端末、3 プリンタ、10 サーバ記憶部、11 ログイン情報記憶部、12,12a 点検情報記憶部、13,13a 電子帳票処理部、14 サーバ通信部、15 サーバ制御部、21 操作部、22,22a サーバアクセス部、23 撮影部、24 表示部、25 端末通信部、26 端末記憶部、27 端末制御部、51 点検対象の入力箇所、52 点検項目名の入力箇所、53 点検結果の入力箇所、54 撮影部起動ボタン、55 画像一括アップロードボタン、56 登録ボタン、57 アップロードボタン、58 対象画像登録欄、59 インフォメーションマーク、60 ポップアップ、61 異常箇所表示、62 撮影アドバイス画面、63 ラジオボタン、64,72,76 表示ボタン、65 点検番号の表示箇所、66 点検対象の表示箇所、67 点検員の表示箇所、68 点検結果の承認状況の表示箇所、69 対応策の入力箇所、70 承認印の入力箇所、71 承認者コメントの入力箇所、73 画像アップロードボタン、74 承認者選択ボタン、75 承認依頼ボタン、77 承認ボタン、78 否認ボタン、80 制御部、81 処理回路、81a 論理回路、81b プログラム、100,100a 電子帳票システム、111 ユーザ情報テーブル、112 熟練度情報テーブル、113 組織情報テーブル、121 電子帳票テンプレートテーブル、122 点検情報テーブル、123 対応策テーブル、124 承認結果テーブル、131 ログイン処理部、132 熟練度判定部、133 帳票判定部、134 点検結果登録処理部、135 承認要求ワークフロー部、221 電子帳票取得部、222 点検処理部、223 承認申請部、224 承認処理部、310 点検員、320 車両、330 インターネット、811 プロセッサ、812 ランダムアクセスメモリ、813 記憶装置。
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