(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163236
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241114BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241114BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241114BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/58
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151662
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2021118384の分割
【原出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】青山 智史
(57)【要約】
【課題】コンピュータゲームにおいて、プレイヤにさまざまなミッションを体験してもらう。
【解決手段】ゲームシステムにおいては、プレイヤによりクエストがクリアされたとき、クリアされたミッションに対応づけられるキャラクタをプレイヤに付与する。ゲームシステムは、複数のクエストから実行可能となるクエストを抽選によって選択し、プレイヤに付与された1以上のキャラクタのパラメータ値(K値)が特典条件を達成したとき、プレイヤに特定クエストへの挑戦権など各種の特典を付与する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与部と、
プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後に、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択するミッション選択部と、
プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ミッション選択部は、複数のミッションから実行対象となるミッションを抽選により選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ミッション選択部により選択されたミッション以外のミッションの実行に対し所定の制限を行うミッション処理部、を更に備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ミッションを管理するミッション処理部、を更に備え、
前記ミッション選択部は、実行対象として選択したミッションに対して、プレイヤから再選択指示がなされたときには前記所定の基準にしたがってミッションを再選択し、
前記ミッション処理部は、再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ミッション選択部は、第1のミッションのあと、実行対象として第2のミッションを選択したときにプレイヤから再選択指示がなされたときには、前記第2のミッション以外のミッションから実行対象となるミッションを再選択する、請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数のミッションに対してそれぞれ異なるオブジェクトが対応づけられる、請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記オブジェクト付与部は、プレイヤによる第1のミッションの達成回数が第1回数に到達したときに前記第1のミッションに対応づけられるオブジェクトを1以上付与し、前記プレイヤによる前記第1のミッションの達成回数が前記第1回数よりも大きい第2回数に到達したときには前記第1のミッションに対応づけられるオブジェクトを前記第1回数の到達時よりも多数付与する、請求項1から6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ミッション選択部は、プレイヤにより第1のミッションが実行され、かつ、特定の選択条件が成立したとき、前記第1のミッションの後に実行可能となるミッションとして特定のミッションを選択可能とし、
前記特典付与部は、前記特典条件が達成されたとき、前記特典として前記特定のミッションの実行権をプレイヤに付与する、請求項1から7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
プレイヤにより取得された1以上のオブジェクトの前記所定パラメータの獲得実績が所定の解放条件を達成したとき、プレイヤが実行可能な複数のミッションに第4のミッションを追加するミッション処理部、を更に備える請求項1から8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
複数のミッションは、あらかじめ複数のグループに分類されており、
前記オブジェクト付与部は、第1のグループに含まれる複数のミッションのプレイに基づいて前記解放条件が達成されたとき、第2のグループに含まれるミッションの実行権をプレイヤに付与し、
前記特典付与部は、前記第1のグループにおけるオブジェクトの前記所定のパラメータの獲得実績に基づいて第1の特典をプレイヤに付与し、前記第2のグループにおけるオブジェクトの前記所定のパラメータの獲得実績に基づいて第2の特典をプレイヤに付与する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1のグループに含まれるミッションの実行後に第1の待機時間が経過したことを条件として前記第1のグループに含まれるミッションの次回の実行を許可し、前記第2のグループに含まれるミッションの実行後に第2の待機時間が経過したことを条件として前記第2のグループに含まれるミッションの次回の実行を許可するミッション処理部を更に備える、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ミッション選択部は、実行対象として第2のミッションを選択したときにプレイヤから再選択指示がなされたときには、前記第2のミッション以外のミッションから実行対象となるミッションを再選択し、
前記第2のミッションの選択後に再選択指示がなされ、実行対象として第3のミッションを選択したあと、プレイヤから更に再選択指示がなされたときには、前記第2のミッションおよび前記第3のミッションを除く1以上のミッションから次の実行対象となるミッションを再選択する、請求項1から11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ミッション選択部は、前記第2のミッションの選択後に再選択指示がなされ、実行対象として第3のミッションを選択したあと、プレイヤが前記第3のミッションを実行したときには、前記第3のミッションの実行後において、前記第2のミッションおよび前記第3のミッションを含む複数のミッションから次に実行対象となるミッションを選択する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
ミッションを管理するミッション処理部、を更に備え、
前記ミッション選択部は、前記所定の基準にしたがって次に実行対象となるミッションを選択する第1選択方式のほかに、プレイヤから次の実行対象として指定されるミッションを選択する第2選択方式に基づいてミッションを選択可能であり、
前記ミッション処理部は、ミッションの実行後に所定の待機時間が経過したことを条件として次のミッションの実行を許可し、かつ、前記第2選択方式により次のミッションが選択されたときには前記第1選択方式により次のミッションが選択されたときよりも前記待機時間を長くする、請求項1から13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記ミッション選択部は、プレイヤが取得した1以上のオブジェクトの前記所定のパラメータにしたがって、実行対象となるミッションの選択方法を変化させる、請求項1から14のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが、プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与し、
コンピュータが、プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択し、
コンピュータが、プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する、情報処理方法。
【請求項17】
プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与する機能と、
プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択する機能と、
プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する機能と、をコンピュータに発揮させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータゲーム、特に、プレイヤに特典を付与する機会の制御方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータゲーム(以下、単に「ゲーム」とよぶ)においては、プレイヤにさまざまな「ゲーム媒体」を提供することが多い。ここでいうゲーム媒体は、キャラクタ、アイテム、経験値などプレイヤがゲームを有利に進めるためのデジタルコンテンツの総称である。
【0003】
ゲーム媒体、特に、キャラクタの収集・強化・育成は、ゲームの楽しみのひとつである。プレイヤは、たとえば、クエストなどのミッション(ゲーム中に提示される課題)をクリアすることで、キャラクタを得る(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多数のミッションを提供するほど、ゲームの奥行きは深くなり、プレイヤは長くゲームを楽しむことができる。その一方、プレイヤは、一部の気に入ったミッションだけを繰り返しプレイすることもある。たとえば、あるミッションMAは、キャラクタCPの取得・育成に関わるミッションであるとする。キャラクタCPへの思い入れが強くなりすぎた場合、プレイヤはミッションMAだけを繰り返す可能性があり、ミッションの多様性、いいかえれば、ゲーム本来の奥深さに気づかなくなる可能性もある。
【0006】
一部のミッションへの過度のこだわりを解消するために、ミッションの選択にある程度の制約を設ける方法が考えられる。ミッションの選択に制約をかけることはプレイヤに多数のミッションを経験してもらうための機会となる一方、プレイヤの不満につながる懸念もある。
【0007】
本発明は、上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、プレイヤにさまざまなミッションを積極的に体験してもらうための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様における情報処理装置は、プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与部と、プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後に、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択するミッション選択部と、プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレイヤにさまざまなミッションを体験してもらいやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成図である。
【
図5】クエスト定義テーブルのデータ構造図である。
【
図6】キャラクタ合成を説明するための模式図である。
【
図9】クエストの処理過程を示すフローチャートである。
【
図10】
図9のS22におけるクリア処理の処理過程を示すフローチャートである 。
【
図11】クエストのスキップ方法を説明するための模式図である。
【
図12】複数の神殿の待機が並行するときの処理過程を示すタイムチャートである 。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[概要]
本実施形態において想定するコンピュータゲーム(以下、「ゲームX」とよぶ)の概要を簡単に説明したあと、ゲームシステムの具体的な構成および制御方法について説明する。ゲームXは、スマートフォンなどで実行され、多人数が参加可能なF2P(Free-to-Play)型のゲームである。
【0012】
プレイヤは、複数のキャラクタを保有する。プレイヤは、キャラクタをつかって「クエスト」「ミッション」などとよばれるさまざまな課題をクリアする。クエストにおいては、プレイヤの保有するキャラクタは敵と対戦する。クエストなどの課題解決(クリア)を通してキャラクタは成長する。キャラクタは、武器、防具を装備することによっても強化される。また、各種のアイテムによってもキャラクタは強化される。キャラクタが強化されるほどより強い敵を倒しやすくなる。
【0013】
ゲームXにおいては、まず、1以上の神殿(フィールド)をプレイヤに選ばせる。プレイヤは、1以上の神殿から挑戦したい神殿を選ぶ。神殿にはあらかじめ複数のクエストが対応づけられている。また、クエストごとにキャラクタ(オブジェクト)が対応づけられている。
【0014】
プレイヤが神殿を選ぶと、神殿に対応づけられる複数のクエストから抽選(以下、「クエスト抽選」とよぶ)により1つのクエストが選択される。このように、プレイヤは、クエストを自由に選ぶことはできない。
【0015】
上述のように、クエストにおいては対戦ゲームが行われ、敵を倒すとクエストのクリアとなる。クエストをクリアすると、プレイヤはクエストに対応するキャラクタをもらうことができる。プレイヤは多数のクエストをクリアすることにより、多数のキャラクタを手に入れる。
【0016】
キャラクタには「K値」とよばれるパラメータが設定される。詳細は後述するが、プレイヤは同一種類のキャラクタを多数手に入れるほど、キャラクタのK値を増加させることができる。キャラクタのK値を高めることにより、ゲームXにおけるプレイヤの有利さ、あるいは、行動範囲の自由度などが変化する。
【0017】
図1は、ゲームシステム200のハードウェア構成図である。
ゲームシステム200においては、ゲームサーバ100と複数のゲーム端末102a、102b、102c・・・102n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ゲーム端末102」と総称する)がインターネット106を介して接続される。本実施形態におけるゲーム端末102は、スマートフォンを想定している。ゲーム端末102は、携帯型のゲーム専用機であってもよいし、ラップトップPCなどの汎用コンピュータであってもよい。ゲーム端末102とインターネット106は無線接続されるが、有線接続されてもよい。ゲームのプレイヤにはプレイヤIDとよばれる一意のIDがあらかじめ付与されている。以下、プレイヤID=P01のプレイヤのことを、「プレイヤ(P01)」あるいは「プレイヤP01」のように表記する。ゲームサーバ100は、各ゲーム端末102にゲームXを提供する。
【0018】
図2は、ゲームサーバ100のハードウェア構成図である。
ゲームサーバ100は、コンピュータプログラムを格納する不揮発性メモリとしてのストレージ312、プログラムおよびデータを展開する揮発性のメモリ304、レジスタ、演算器、命令デコーダ等を内蔵し、メモリ304からプログラムを読み出して実行するプロセッサ300(CPU:Central Processing Unit)等を含む。プロセッサ300は、比較的高速な第1バス302と接続される。第1バス302には、メモリ304のほかNIC(Network Interface Card)が接続される。第1バス302には、このほか、GPU
(Graphics Processing Unit)等の他のデバイスが接続されてもよい。
【0019】
第1バス302は、ブリッジ308を介して比較的低速な第2バス310と接続される。第2バス310には、ストレージ312のほか、モニタあるいはスピーカなどの出力デバイス316が接続される。また、第2バス310には、マウスやキーボードなどの入力デバイス314、プリンタなどの周辺機器318が接続されてもよい。
【0020】
図3は、ゲームシステム200の機能ブロック図である。
ゲームシステム200は、ゲームサーバ100とゲーム端末102を含む。ゲームサーバ100およびゲーム端末102の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサ(co-processor)などの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
ゲームサーバ100は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、ゲーム端末102は、携帯型の通信端末と、これにインストールされたウェブ・ブラウザを含む構成であってもよい。
【0021】
(ゲームサーバ100)
ゲームサーバ100は、通信部112、データ処理部110およびデータ格納部114を含む。
通信部112は、インターネット106を介してゲーム端末102との通信処理を担当する。データ格納部114は各種データを格納する。データ処理部110は、通信部112により取得されたデータおよびデータ格納部114に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部110は、通信部112およびデータ格納部114のインタフェースとしても機能する。
【0022】
データ格納部114は、ゲームデータ格納部130およびプレイヤデータ格納部132を含む。
ゲームデータ格納部130は、ゲームプログラムのほかゲームXの設定情報を格納する。プレイヤデータ格納部132は、プレイヤの情報を管理する。
【0023】
データ処理部110は、プレイヤ登録部116およびゲーム制御部118を含む。
プレイヤ登録部116は、ゲーム端末102から通信部112を介してプレイヤ登録を受け付ける。プレイヤ登録部116は、プレイヤ登録がリクエストされると、プレイヤにプレイヤIDを付与する。
【0024】
ゲーム制御部118は、ゲームXの基本的な進行を制御する。
ゲーム制御部118は、オブジェクト管理部120、ミッション管理部122および特典管理部124を含む。オブジェクト管理部120は、キャラクタ、アイテムなどゲームXにおいて操作または使用の対象となるオブジェクト(ゲーム媒体)を管理する。オブジェクト管理部120は、プレイヤにキャラクタ等のオブジェクトを付与するオブジェクト付与部125を含む。
【0025】
ミッション管理部122は、ミッション(本実施形態においてはクエスト)を管理する。ミッション管理部122は、ミッション処理部126とミッション選択部128を含む。ミッション処理部126は、クエストの追加、実行、待機時間管理、クリア判定等を行う。ミッション選択部128は、クエスト抽選を実行し、クエストを選択する。
【0026】
特典管理部124は、特典を管理する。特典管理部124は、特典付与部148を含む。特典付与部148は、特典条件が成立したとき、プレイヤに特典を付与する。特典の内容および特典条件の詳細については後述する。
【0027】
(ゲーム端末102)
ゲーム端末102は、ユーザインタフェース処理部136、通信部134、データ処理部138およびデータ格納部140を含む。
ユーザインタフェース処理部136は、プレイヤからの操作を受け付ける入力部142と画像表示と音声出力を実行する出力部144を含む。通信部134は、インターネット106を介してゲームサーバ100や他のゲーム端末102との通信処理を担当する。データ格納部140は各種データを格納する。データ処理部138は、ユーザインタフェース処理部136や通信部134により取得されたデータ、データ格納部140に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部138は、ユーザインタフェース処理部136、通信部134およびデータ格納部140のインタフェースとしても機能する。
【0028】
データ処理部138は、ゲーム実行部146を含む。
ゲーム実行部146は、ゲームサーバ100と連携してゲームの進行を制御する。ゲーム端末102のゲーム実行部146は、ゲームサーバ100からゲーム制御部118の機能の一部としてダウンロードされるソフトウェアモジュールとして形成されてもよい。
【0029】
通信部134は、ゲームサーバ100から各種ゲーム情報を取得し、出力部144はゲーム端末102においてゲーム画面を表示させる。また、入力部142はプレイヤによる各種入力を検出し、ゲーム実行部146は入力情報をゲームサーバ100に通信部134を介して通知する。この入力情報に応じて、データ処理部138、特に、ゲーム実行部146はゲームの進行を制御する。
【0030】
図4は、神殿選択画面150の画面図である。
ゲーム端末102の出力部144は、ゲームXの実行中において神殿選択画面150を表示させる。神殿選択画面150には、複数の選択ボタン152が表示される。本実施形態においては、神殿L1,L2,L3の3種類の神殿(フィールド)からプレイヤは挑戦したい神殿を選ぶ。神殿L1は常に選択可能であり、神殿L1において所定の解放条件が達成されたとき、神殿L2が選択可能となる。同様にして、神殿L2において解放条件が達成されたとき、神殿L3が選択可能となる。解放条件は特典条件の一種である。解放条件については後に詳述する。
【0031】
神殿選択画面150において、プレイヤは挑戦したい神殿に対応する選択ボタン152をタッチする。
図4においては、神殿L3の選択ボタン152はグレーアウトされているので、プレイヤは神殿L1または神殿L2を選択可能である。選択ボタン152がタッチされたとき、ゲーム制御部118およびゲーム実行部146は選択された神殿を実行対象フィールドとして設定する。
【0032】
図5は、クエスト定義テーブル160のデータ構造図である。
クエスト定義テーブル160は、ゲームサーバ100のゲームデータ格納部130に格納される。クエスト定義テーブル160は、神殿とクエスト、キャラクタを対応づけるデータである。神殿は、複数のクエストをまとめたグループである。
図5は神殿L1のクエスト定義テーブル160を示す。クエストはクエストIDにより識別される。キャラクタはキャラクタIDにより識別される。
【0033】
神殿L1には、5種類の通常クエストであるクエストQ1~クエストQ5と、1種類の特定クエストであるクエストQXの合計6種類のクエストが対応づけられている。通常クエストは、クエスト抽選により常に選択可能な状態にあるクエストである。特定クエストは、通常クエストをクリアしなければ挑戦できない特殊なクエストである。以下、通常クエストと特定クエストを特に区別しないときには、単に「クエスト」とよぶ。
【0034】
クエストが開始されると、プレイヤはキャラクタを操作して敵と対戦する。すべての敵を倒したときにクエストはクリアとなる。オブジェクト付与部125は、クエストに対応するキャラクタをプレイヤに付与する。たとえば、クエストQ1にはキャラクタC1が対応づけられている。したがって、プレイヤがクエストQ1をクリアしたとき、オブジェクト付与部125はキャラクタC1をプレイヤに付与する。より具体的には、クエストをクリアしたとき、オブジェクト付与部125は抽選(以下、「キャラクタ抽選」とよぶ)を実行し、付与すべきキャラクタの数(以下、単に「付与数」とよぶ)を決定する。
【0035】
クエストがクリアされたあと、ミッション処理部126は抽選(以下、「特定抽選」とよぶ)を実行し、特定抽選が当たりとなれば特定クエストQXを所定の有効期間、たとえば、24時間だけ選択可能に設定する。以下、特定クエストQXを選択可能とすることを特定クエストの「有効化」とよぶ。特定クエストQXが有効化されているときには、ミッション選択部128は通常クエストQ1~Q5に特定クエストQXを含めた6つのクエストを対象としてクエスト抽選を実行する。
【0036】
特定クエストQXがクリアされると、オブジェクト付与部125は特定クエストQXに対応づけられるキャラクタCXをプレイヤに付与する。このときも、オブジェクト付与部125はキャラクタ抽選を実行し、キャラクタCXの付与数を決定する。特定クエストで得られるキャラクタCXは、いわゆるレアキャラクタであり、他のキャラクタよりも強い、取得しづらいなどの特有の価値を有するキャラクタである。
【0037】
図6は、キャラクタ合成を説明するための模式図である。
キャラクタにはあらかじめK値が設定されている。K値の初期値は「1」であり、最大値は「99」である。K値が最大値「99」に到達することを、本実施形態においては「練達」とよぶ。
【0038】
プレイヤがK値=8のキャラクタC1を保有しているとする。以下、このようなキャラクタCを「キャラクタC1(K:08)」のように表記する。キャラクタC1(K:08)」を保有するプレイヤが、クエストQ1をクリアしたとする。クリア後、オブジェクト付与部125はキャラクタ抽選を実行する。キャラクタ抽選は、クエストQ1に対応するキャラクタC1の付与数を決める抽選である。付与数が3のとき、オブジェクト管理部120はK値に3を加算し、キャラクタC1(K:08)をキャラクタC(K:11)に変化させる。同一種類のキャラクタを合成して、K値を上昇させることを「進化」とよぶ。
【0039】
このように、プレイヤは、クエストQ1(キャラクタC1に対応するクエスト)をクリアすることで、キャラクタC1を進化(K値の上昇)させることができる。なお、プレイヤがキャラクタC1を保有していないときにクエストQ1をクリアした場合には、オブジェクト付与部125はプレイヤにキャラクタC1(K:01)を付与する。
【0040】
クエストがクリアされ、キャラクタの提供または進化がなされた後、更に、ミッション処理部126は特定クエストを有効化するか否かを判定するための特定抽選を実行する。通常時における特定抽選の当選確率は10(%)である。すなわち、クエストをクリアしたあとに特定クエストが有効化される可能性は10(%)しかないため、特定クエストの実行権は貴重な機会となる。
【0041】
練達のキャラクタを1体保有しているときには、ミッション処理部126は特定抽選の当選確率を50(%)に変更する。練達のキャラクタを2体以上保有しているときには、ミッション処理部126は特定抽選の当選確率を90(%)に変更する。このように、プレイヤは、キャラクタを進化させるほど、特定クエストの実行機会を得やすくなり、ひいては稀少なキャラクタCXを得やすくなる。なお、キャラクタのK値は減ることはない。キャラクタはK値が大きくなるほど攻撃力が強くなるのでクエストにおいて有利となる。
【0042】
図7は、特典定義テーブル170のデータ構造図である。
特典定義テーブル170は、ゲームサーバ100のゲームデータ格納部130に格納される。特典定義テーブル170は、神殿と総K値、特典を対応づけるデータである。
図7は神殿L1の特典定義テーブル170を示す。神殿L1の総K値とは、神殿L1に含まれる複数のクエストにおいてプレイヤが手に入れたK値の合計値である。特典管理部124は、クエストがクリアされ、キャラクタ合成が実行されるごとに総K値を更新する。総K値は、神殿L1,L2,L3それぞれについて管理される。
【0043】
総K値が、所定値に到達したとき特典条件の成立となり、特典付与部148は特典定義テーブル170に定められた特典をプレイヤに付与する。たとえば、プレイヤ(P1)が神殿L1に含まれる1以上のクエストで獲得したK値、すなわち、神殿L1の総K値が「100」以上となったとき、特典条件成立となり、特典付与部148は特定クエストQXの実行権(以下、「特定実行権」とよぶ)を付与する。プレイヤは、神殿L1を選択したあと、特定実行権を行使すれば、クエスト抽選を経なくても特定クエストQXをプレイできる。すなわち、特典条件を成立させることで、特定クエストQXに対応づけられるレアキャラクタCXを得られる可能性が高まる。
【0044】
神殿L1の総K値が「200」以上となったとき、特典条件の一部である解放条件の成立となり、特典付与部148は神殿L2を「アンロック(解放)」する。神殿L2がアンロックされると、神殿選択画面150において神殿L2を選択可能となる。また、特典付与部148は、特定実行権もプレイヤに付与する。このように、総K値が「200」以上となるとき特典条件が成立するとともにそれに付随して解放条件も成立する。プレイヤは解放条件を成立させることで、神殿L2に関わるキャラクタを取得可能となる。
【0045】
総K値は、神殿におけるK値の獲得実績を示す数値であるため減少することはない。たとえば、プレイヤが保有キャラクタを売却あるいは放出したとしても、総K値は減少することはない。
【0046】
プレイヤはクエスト抽選において興味のないクエストが実行対象として選ばれてしまったとしても、そのクエストをクリアすれば総K値を増やすことができるので特典に近づくことができる。特典条件が成立し、特定実行権を得ることができれば、プレイヤはレアキャラクタCXを得ることができるかもしれないし、レアキャラクタCXを進化させる機会を得ることもできる。また、特典条件の成立に際して解放条件も成立すれば、別の神殿がアンロックされ、新たに複数のクエストが実行可能となり、プレイヤはより多数のキャラクタを手に入れることができる。このように、クエスト抽選によってクエストの選択自由度に制限を加えたとしても、いいかえれば、プレイヤの意に沿わないクエストが選択されたとしても、プレイヤの特典取得に対する期待感を常に高めることができる。このため、プレイヤの意に沿わないクエストが選ばれたときにも、プレイヤのクエストへの挑戦意欲を維持しやすくなる。
【0047】
図8は、プレイ進捗情報180のデータ構造図である。
プレイ進捗情報180は、ゲームサーバ100のプレイヤデータ格納部132に格納される。プレイ進捗情報180は、プレイヤごとに、神殿、キャラクタID、K値および総K値を対応づけるデータである。
図8はプレイヤ(P01)のプレイ進捗情報180を示す。上述したように、神殿L1には通常クエストQ1~Q5、特定クエストQXが対応づけられ、各クエストにはキャラクタC1~C5、CXが対応づけられている。プレイヤ(P01)は、キャラクタ(C1:K76)、キャラクタ(C2:K36)などを保有している。神殿L1で得られたキャラクタC1~C5、CXのK値を合計した総K値は「277」である。総K値が「200」を超えているので(
図7参照)、神殿L2はアンロックされている。
【0048】
神殿L2には通常クエストQ6~Q10、特定クエストQYが対応づけられる。通常クエストQ6~Q10にはキャラクタC6~C10が対応づけられ、特定クエストQYにはレアキャラクタCYが対応づけられている。プレイヤ(P01)は、キャラクタ(C6:K34)、キャラクタ(C7:K33)などを保有している。神殿L2で得られたキャラクタC6~C10、CYのK値を合計した総K値は「169」である。プレイヤ(P01)に対して神殿L3はロックされているので、プレイヤ(P01)は神殿L3に対応するキャラクタを保有していない。
【0049】
図9は、クエストの処理過程を示すフローチャートである。
まず、プレイヤは神殿選択画面150において神殿(クエストのグループ)を選択する
(S10)。本実施形態においては、神殿の選択後、ミッション処理部126は待機時間を設定する(S12)。待機時間は0時間以外の任意の値であればよいが、本実施形態においては4時間であるとする。待機時間の経過後、ミッション選択部128はクエスト抽選を実行し、実行対象となるクエストを選択する(S14)。なお、選んだ神殿で初めてクエストをプレイするときには、待機時間を設定することなくすぐにクエスト抽選が実行されるとしてもよい。
【0050】
クエストが選択されたあと、プレイヤはスキップ(再選択指示)を入力することもできる。クエスト抽選により選択されたクエストをプレイヤが拒否したいとき、プレイヤはスキップを指示する。スキップが指示されたとき(S16のY)、ゲーム端末102はスキップ指示がなされた旨をゲームサーバ100に通知し、ゲーム制御部118は処理をS12に戻す。スキップ指示後、ミッション処理部126は待機時間を再設定し、待機時間の経過後にミッション選択部128はクエスト抽選を再実行してクエストを選び直す。スキップ後におけるクエストの再選択方法の詳細については
図11に関連して後述する。
【0051】
スキップ指示が入力されないとき(S16のN)、いいかえれば、クエスト抽選により選択されたクエストをプレイヤが承諾したとき、プレイヤは選択されたクエストをプレイする(S18)。クエストをクリアした場合(S20のY)、クリア処理が実行される(S22)。クリア処理の詳細については次の
図10に関連して詳述する。クエストをクリアできなかったときには(S20のN)、S22のクリア処理はスキップされる。クエストが完了すれば、プレイヤは再び神殿選択画面150において神殿を選択できる。
【0052】
図10は、
図9のS22におけるクリア処理の処理過程を示すフローチャートである。
クエストがクリアされたとき、オブジェクト付与部125はキャラクタ抽選を実行し、キャラクタの付与数を決定する(S30)。ミッション処理部126は、プレイヤごとに各クエストのクリア回数を記録する。クリア回数が閾値としての第1回数に到達したとき
(S32のY)、オブジェクト付与部125はキャラクタ抽選で決まった付与数を3倍にする(S34)。たとえば、プレイヤ(P01)が通常クエストQ1をクリアし、キャラクタC1の付与数が12だったとする。プレイヤ(P01)によるクエストQ1のクリア回数が第1回数、たとえば、3回に到達したときには、オブジェクト付与部125は付与数を3倍の36に設定する。プレイヤ(P01)がキャラクタC1(K:08)を保有していた場合には、付与数の36がK値に加算され、キャラクタC1(K:08)はキャラクタC1(K:44)に進化する。
【0053】
クリア回数が第1回数よりも大きい第2回数、たとえば、5回に到達したとき(S32のN、S36のY)、オブジェクト付与部125はキャラクタの付与数を5倍に設定する
(S38)。クリア回数が第2回数よりも大きい第3回数、たとえば、10回に到達したとき(S36のN、S40のY)、オブジェクト付与部125はキャラクタを強化する特別なアイテムをプレイヤに提供する(S42)。
【0054】
キャラクタの付与数が決定したあと、オブジェクト管理部120は
図6に関連して説明したようにキャラクタの合成を実行し、キャラクタのK値を上昇、すなわち、キャラクタを進化させる(S44)。特典付与部148は、合成後、総K値を再計算し、特典定義テーブル170を参照して特典条件が成立しているか否かを判定する(S46)。特典条件が成立したとき(S46のY)、特典付与部148は特典定義テーブル170において定義される特典をプレイヤに付与する(S48)。特典条件が成立していないときには(S46のN)、S48の処理はスキップされる。
【0055】
次に、ミッション処理部126は特定抽選を実行する(S50)。特定抽選の当選確率は、上述したように、練達となったキャラクタの数によって変化する。特定抽選が当たったとき(S52のY)、選択条件の成立となり、ミッション処理部126は特定クエストを有効化する(S54)。有効化後、処理はS14のクエスト抽選に移行する。このときのクエスト抽選においては、通常クエストだけでなく特定クエストも選択対象となる。
【0056】
たとえば、神殿L1のクエストのクリア後に実行される特定抽選が当たったときには特定クエストQXが有効化される。この場合、処理はS14に戻り、ミッション選択部128は通常クエストQ1~Q5、特定クエストQXの6つを選択対象とするクエスト抽選を実行し、いずれか1つを実行対象として選択する。特定クエストは24時間後に自動的に無効化され、その後のクエスト抽選では特定クエストQXは選択対象外となる。プレイヤは、クエスト定義テーブル160において特定実行権を行使するか、クエストのクリア後に特定抽選を当選させたあとクエスト抽選で特定クエストQXを当てれば、特定クエストQXをプレイできる。
【0057】
クエストをプレイすることにより、クエストの「実行条件」成立となり、次のクエストを実行可能となる。いいかえれば、第1のクエスト(ミッション)の実行条件が成立すれば、ミッション選択部128はクエスト抽選を実行し、実行対象となる第2のクエスト(ミッション)を選択する。なお、クエストのプレイではなく、クエストのクリアを実行条件としてもよい。この場合、プレイヤはクエスト抽選で選択された第1のクエストをクリアすれば、次のクエスト抽選により別のクエストをプレイ可能となる。
【0058】
図11は、クエストのスキップ方法を説明するための模式図である。
S16においてクエストがスキップされたときには、クエスト抽選により実行対象となるクエストが再選択される。スキップ後に実行されるクエスト抽選においては、選択対象となるクエストが徐々に絞られていく。
【0059】
神殿L1における1回目のクエスト抽選において、通常クエストQ1~Q5が選択対象になっていたとする。ここで通常クエストQ3が選択されたとする。プレイヤ(P1)は通常クエストQ3をプレイしてもよいし、スキップ指示をしてもよい。スキップ指示がなされたとき、ミッション選択部128は待機時間の経過後にクエスト抽選(2回目)を再実行する。ミッション選択部128は、2回目のクエスト抽選においてはスキップされたクエストQ3(プレイヤ(P1)が拒否したクエスト)を選択対象から除外する。したがって、2回目のクエスト抽選においては、通常クエストQ1,Q2,Q4,Q5から実行対象となるクエストが選択される。
【0060】
2回目のクエスト抽選においては、通常クエストQ2が選択されたとする。プレイヤ(P1)は通常クエストQ2をプレイしてもよいし、更にスキップ指示をしてもよい。スキップ指示がなされたとき、ミッション選択部128は待機時間の経過後にクエスト抽選(3回目)を再々実行する。3回目のクエスト抽選においてはスキップされたクエストQ3も選択対象から除外される。したがって、3回目のクエスト抽選においては、通常クエストQ1,Q4,Q5から実行対象となるクエストが選択される。
【0061】
なお、3回目のクエスト抽選においては、直近の拒否対象であるクエストQ2以外のクエストは選択対象に戻してもよい。
図11に示す例の場合、3回目のクエスト抽選においては、ミッション選択部128はクエストQ3を選択候補に戻し、通常クエストQ1,Q3,Q4,Q5から実行対象となるクエストが選択してもよい。
【0062】
一方、2回目のクエスト抽選において選択されたクエストQ2をプレイヤ(P1)が実行したとする。この場合には、3回目のクエスト抽選においてはすべての通常クエストQ1~Q5が選択対象となる。上述したように、クエストQ2がクリアされて特定抽選が当選したときには、特定クエストQXも選択対象に含まれる。
【0063】
図12は、複数の神殿の待機が並行するときの処理過程を示すタイムチャートである。
神殿L1の待機時間をT1、神殿L2の待機時間をT2、神殿L3の待機時間をT3とする。神殿L1のみを選択可能であるときには、待機時間T1の経過後にクエスト抽選が実行され、プレイヤはクエストをプレイできる。いいかえれば、待機時間T1が経過しなければクエストを新たにプレイすることはできない。
【0064】
ミッション処理部126は、神殿L1,L2,L3それぞれの待機時間を別々に管理する。いいかえれば、3種類のタイマーによって待機時間T1,T2,T3は別々に管理される。
【0065】
図12においては、時刻t1において神殿L1の待機時間T1が終了し、クエスト抽選が実行され、プレイヤは神殿L1のクエストをプレイできる(E1)。神殿L1のクエストの終了後、プレイヤは神殿L1の次のクエストが開始されるまで待機時間T1が再び経過するのを待つ必要がある。
【0066】
神殿L1のクエストをプレイしたあと、神殿L3の待機時間T3がすぐに満了しているので、時刻t1からそれほど時間が経過していない時刻t2に、プレイヤは神殿L3のクエストを続いてプレイできる(E2)。神殿L3のクエストのプレイ後、神殿L2の待機時間T2が満了し、プレイヤは時刻t3に神殿L2のクエストをプレイできる(E3)。このように、
図12に示す例においては、プレイヤは神殿L1,L3,L2それぞれのクエストをほぼ連続的にプレイできる。神殿L3のクエストのプレイ後にしばらく時間が経過したあと、時刻t4に再び神殿L1のクエスト抽選が実行可能となる。
【0067】
神殿L1,L2,L3それぞれがアンロック(解放)されているときには、待機時間T1,T2,T3が設定される場合であっても、プレイヤは比較的高頻度にていずれかの神殿でクエストをプレイできる。このため、多数の神殿がアンロックされるほど、プレイヤはキャラクタを効率的に進化させることができる。神殿のアンロックには、実行可能なクエストの数が増えるだけでなく、高い頻度にていずれかの神殿のクエストをプレイ可能になるという意味においてもプレイヤの行動自由度が大きくなる。
【0068】
[総括]
以上、実施形態に基づいてゲームシステム200を説明した。
本実施形態のゲームシステム200においては、プレイヤは1つの神殿(フィールド)において複数のクエストを楽しむことができる。プレイヤは、さまざまなキャラクタを保有し、さまざまなクエストをプレイすることによってキャラクタを進化させることができる。ミッション選択部128は、クエスト抽選によって、実行対象となるクエストを選択する。いいかえれば、プレイヤは自由に実行対象となるクエストを選ぶことはできない。この結果、プレイヤは多くのクエストに比較的満遍なく挑戦させられることになるため、いろいろなクエストあるいはキャラクタの魅力に気づくことができる。
【0069】
その一方、クエストを自由に選べないことはプレイヤの不満感、不自由感につながる可能性もある。ゲームXにおいては、プレイヤがどのクエストをプレイしたとしても、クエストをクリアすることで総K値が着実に増えるように設計されている。総K値が特典条件を満たせば、特典付与部148は特定実行権などの特典をプレイヤに付与する。プレイヤが必ずしも希望していないクエストが実行対象として選択されたとしても、選択されたクエストをクリアすれば確実に特典に近づくことができるため、意に沿わないクエストが選ばれたときでも、プレイヤの挑戦意欲を効果的に喚起できる。
【0070】
総K値が増加して神殿L1の解放条件が成立したときには、神殿L2がアンロックされる。このため、プレイヤが神殿L1のクエストをクリアすることにより、ゲームXにおける行動自由度も広がっていく。このように、クエストの選択に制約性をもたせたとしても、その補償となるメリットを提供することにより、プレイヤをいろいろなクエストに自然に、強要感なく導くことができる。
【0071】
特に、本実施形態においては、クエストはクエスト抽選によって選ばれる。通常、プレイヤは育成したいキャラクタをもっているため、このキャラクタの進化・育成に関わるクエストが選択されることを望むことが多い。クエスト抽選を実行することにより、希望するクエストが思うように選ばれないもどかしさと、希望するクエストが選ばれたときのうれしさを同時に演出できる。
【0072】
プレイヤは、クエスト抽選の結果を受け入れることもできるし、スキップによりクエスト抽選の再実行を指示することもできる。スキップにより、プレイヤは希望するクエストが選択される可能性を高めることができる。一方、本実施形態においてはスキップ後にも待機時間が経過しなければ次のクエスト抽選は実行されない。クエスト抽選の結果に対する拒否権を行使する自由と待機時間という不自由をセットにすることで、ゲームバランスを維持しやすくなる。
【0073】
また、
図11に関連して説明したように、スキップを実行したときには、スキップ(拒否)されたクエストは次回のクエスト抽選の選択候補から除外される。このため、プレイヤはスキップを指示することで希望するクエストが選ばれる可能性をいっそう高めることができる。更に、クエスト抽選によって選ばれたクエストをプレイすることで、選択候補の絞り込みはリセットされるので、「スキップすれば絞り込みが行われ、プレイすれば絞り込みはリセットされる」というプレイヤにとってわかりやすい操作性を実現できる。
【0074】
本実施形態においては、クエスト(ミッション)とキャラクタ(オブジェクト)が一対一にて対応づけられている。プレイヤは、クエストをプレイする前に、クリアしたときに手に入れることのできるキャラクタを知ることができるため、プレイヤにとってわかりやすい設計となっている。また、さまざまなクエストをプレイすることによりさまざまなキャラクタを手に入れることができるので、クエストの内容だけでなく結果にも多様性をもたせることができる。
【0075】
更に、1つのクエストをクリアした回数が、第1回数、第2回数等の閾値に到達したときには、オブジェクト付与部125はキャラクタの付与数を大きく増加させる。このため、1つのクエストを多数クリアすることにより、そのクエストに対応づけられるキャラクタの進化速度を上げることができる。また、キャラクタの付与数が多くなれば総K値も高くなるので、プレイヤはキャラクタが育つ楽しみと特典に近づく楽しみを同時に味わうことができる。同じクエストを何度もプレイするとき、プレイがマンネリ化してしまう可能性がある。第1回数などの閾値(マイルストーン)を設けることで、クエストをクリアしたときの楽しみを増やすことができるので、プレイヤのクエストに対する挑戦意欲をいっそう喚起しやすくなる。
【0076】
プレイヤがクエストをクリアしたとき、ミッション処理部126は特定抽選を実行する。特定抽選において、プレイヤは特定クエスト、ひいては、特定クエストに対応づけられる価値の高いレアキャラクタを得る可能性に期待感をもつことができる。
【0077】
総K値は、神殿(フィールド)ごとに管理される。神殿ごとに特典条件あるいは特典の内容は異なってもよい。特典付与部148が神殿ごとに異なる特典を提供することにより、プレイヤの各神殿に挑戦するときの楽しみを増やすことができる。
【0078】
図12に関連して説明したように、ミッション処理部126は神殿ごとに待機時間を管理する。このため、多数の神殿をアンロックするほど、プレイヤは比較的高頻度にて多数のクエストをプレイ可能となる。いいかえれば、解放条件を成立させて神殿をアンロックさせるほど、ゲームXの進捗速度を上げることが可能となる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0080】
複数のゲーム端末102と1つのゲームサーバ100によりゲームシステム200が構成されるとして説明したが、ゲーム端末102の機能の一部はゲームサーバ100により実現されてもよいし、ゲームサーバ100の機能の一部がゲーム端末102に割り当てられてもよい。また、ゲーム端末102やゲームサーバ100以外の第3の装置が、ゲームサーバ100またはゲーム端末102の機能の一部を担ってもよい。
図3において説明したゲーム端末102の各機能とゲームサーバ100の各機能の集合体は大局的には1つの「情報処理装置(ゲーム装置)」として把握することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム200に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0081】
[変形例]
本実施形態においては、ミッションの一例として、プレイヤがNPC(Non Player Character)と関わることによって課題を達成するクエストを想定して説明した。ミッションは、クエスト型の課題に限らない。たとえば、ある特定の武器を装備すること、ある特定のアイテムを手に入れること、キャラクタのパラメータ(例:K値)を所定閾値以上に増やすこと、連続ログイン回数が所定回数以上となること、など、「ミッション」はゲームXにおいてプレイヤが達成すべき条件であればよい。
【0082】
本実施形態においては、ミッション選択部128はクエスト抽選によりクエストを選択するとして説明した。抽選に限らず、ミッション選択部128はさまざまな「基準」にしたがってクエスト(ミッション)を選択すればよい。ここでいう基準とは、プレイヤのクエスト選択に制約を設ける選択方法であればよい。たとえば、通常クエストQ1~Q5が選択対象となっているとき、ミッション選択部128は抽選により通常クエストQ1、Q2のみに選択候補を絞り、プレイヤに通常クエストQ1,Q2のいずれかを選択させてもよい。
【0083】
ミッション選択部128は、プレイヤが保有していないキャラクタに対応するクエストを選択してもよい。たとえば、プレイヤ(P2)がキャラクタC2を保有していないときには、ミッション選択部128はキャラクタC2に対応するクエストQ2を選択してもよい。あるいは、ミッション選択部128は、クエスト抽選においてクエストQ2の選択確率を他のクエストの選択確率よりも高く設定変更してもよい。
【0084】
ミッション選択部128は、選択対象となるクエストのうち、最もプレイ回数の少ないクエストを選んでもよいし、そのようなクエストの選択確率を他のクエストの選択確率よりも高く設定した上でクエスト抽選を実行してもよい。たとえば、プレイヤ(P2)について、クエストQ1~Q5のうち、最もプレイ回数の少ないクエストがクエストQ3であるときには、ミッション選択部128はクエストQ3を選択してもよい。このような制御方法によれば、多数のクエストをより満遍なくプレイヤにプレイさせることが可能となる。
【0085】
ミッション選択部128は、選択対象となるクエストのうち、前回プレイされてからの経過時間が最も短いクエスト、あるいは、前回プレイされてからの経過時間が最も長いクエスト、を選んでもよいし、そのようなクエストの選択確率を他のクエストの選択確率よりも高く設定してもよい。ミッション選択部128は、前回プレイされてからの経過時間がもっとも短いクエスト、あるいは、前回プレイされてからの経過時間がもっとも長いクエストを選択対象から除外した上でクエスト抽選を実行してもよい。
【0086】
本実施形態においては、特典付与部148は、総K値に基づいて特典条件の成否を判定するとして説明したが、K値以外のパラメータに基づいて特典条件の成否を判定してもよい。特典付与部148は保有キャラクタの攻撃力、体力値(ヒットポイント)、経験値、レベル、敵撃破数などの他のパラメータ、あるいは、それらの組み合わせに基づいて特典条件の成否を判定してもよい。たとえば、特典付与部148は、保有キャラクタの攻撃力の合計値が所定の閾値以上となったとき、特典条件が成立すると判定してもよい。特典付与部148は、K値のように単調増加するパラメータに限らず、攻撃力あるいは体力値のように増減可能なパラメータに基づいて特典条件の成否を判定してもよい。
【0087】
K値は、キャラクタ以外のオブジェクトのパラメータとして設定されてもよい。たとえば、宝石、武器、防具、薬剤などのオブジェクトのパラメータとしてK値を設定してもよい。
【0088】
本実施形態においては、総K値が「100」以上、「200」以上となるとき、特典条件が成立するとして説明した。特典条件は、総K値に限らず、たとえば、あるキャラクタ
(オブジェクト)のK値が所定値に到達すること、練達に至ったキャラクタの数が所定数以上となること、のようにキャラクタ(オブジェクト)ごとに設定されてもよい。
【0089】
特典条件が成立したとき、特典付与部148はアイテム、キャラクタ、ゲームポイント
(ゲームXにおいて他のデジタルコンテンツと交換可能な通貨同等物)、などを特典としてプレイヤに提供してもよい。このほか、特典としては、待機時間を短縮する権利、特定抽選等の各種抽選をプレイヤに有利に設定変更する権利などの各種権利であってもよい。
【0090】
本実施形態においては、クエスト抽選によってクエストが選択された場合、スキップを例外として、プレイヤは選択されたクエスト以外をプレイすることはできない。変形例として、スキップ以外の例外を設けてもよい。プレイヤは、ゲームポイント、キャラクタ、K値等のパラメータなど各種リソースを支払うことにより、ミッション選択部128によるクエストの選択に介入できてもよい。プレイヤは、たとえば、ミッション選択部128によってクエストが選択された後にゲームポイントを所定量だけ支払えば、ミッション選択部128はクエスト抽選を再実行するとしてもよい。あるいは、プレイヤは、ゲームポイントを所定量だけ支払ったときには、複数のクエストから自分がプレイしたいクエストを自由に選択できるとしてもよい。このように、クエストの選択制約には各種の例外が設けられてもよい。
【0091】
クエスト(ミッション)とキャラクタ(オブジェクト)の対応は一対一でなくてもよい。たとえば、クエストQ10のキャラクタと、別のクエストQ25のキャラクタは同一であってもよい。
【0092】
1つのクエストに複数のキャラクタを対応づけてもよい。オブジェクト付与部125は、クエストがクリアされたときには、そのクエストに対応づけられる複数のキャラクタから1以上のキャラクタを付与対象として選択してもよい。クエストに対応づけられる複数のキャラクタは一部重複してもよい。たとえば、クエストQ11にはキャラクタC15,C16,C17が対応づけられ、クエストQ22にはキャラクタC21,C25,C17が対応づけられるとしてもよい。
【0093】
本実施形態においては、クエストがクリアされたあとに特定抽選が実行され、特定抽選の結果として特定クエストが有効化されるとして説明した。変形例として、クエストがクリアされないときにはミッション処理部126は特定抽選を実行し、クエストがクリアされたときにはミッション処理部126は特定抽選を実行することなく特定クエストを一定時間有効化するとしてもよい。
【0094】
ミッション処理部126は、クエスト中において所定の選択条件が達成されたときには、特定抽選を実行することなく特定クエストを有効化するとしてもよいし、特定抽選の当選確率を上昇させるとしてもよい。たとえば、プレイヤがクエストをノーコンティニューでクリアしたとき、あるいは、ノーダメージでクリアしたとき、クエストを所定時間以内にクリアしたとき、ミッション処理部126は選択条件が成立したと判定してもよい。
【0095】
神殿L1の総K値が200を超えたとき、神殿L2がアンロックされるとして説明した。このとき、神殿L2に対応づけられる通常クエストQ6~Q10と特定クエストQYが新たにプレイ可能となる(
図8参照)。ミッション処理部126は、神殿のアンロックに限らず、同じ神殿L1において新たにプレイ可能なクエストを追加してもよい。たとえば、神殿L2の総K値が500を超えたとき、ミッション処理部126は神殿L1に対応づけられるクエストQ50を新たにプレイ可能に設定してもよい。
【0096】
クエスト抽選によるクエストの選択方法を第1選択方式とした場合、第1選択方式とは異なりプレイヤがクエストを自由に指定できる第2選択方式を設定してもよい。この場合、ミッション選択部128は、第2選択方式によりクエストが選択されたときには、第1選択方式によりクエストが選択されるときよりも待機時間を長く設定してもよい。たとえば、神殿選択後において(
図9のS10)、プレイヤは更に第1選択方式および第2選択方式のいずれかを選択する。第2選択方式においては、プレイヤは複数のクエストからプレイしたいクエストを選択する。
【0097】
ミッション選択部128は、第1選択方式が選択されたときには、4時間の待機時間が経過したあとにクエスト抽選を実行する。第2選択方式が選択されたときには、ミッション処理部126は8時間の待機時間が経過したあとにプレイヤにより選択されたクエストを実行してもよい。このような制御方法によれば、プレイヤは第2選択方式を選べばクエストを自由に選択できるが、待機時間の面において不利となるため、ゲームバランスを保ちやすくなる。
【0098】
ミッション選択部128は、K値など、キャラクタに対応づけられるパラメータに基づいてクエストの選択方法を変化させてもよい。たとえば、K値が所定閾値以上となるキャラクタが所定数以上となっているときにしか、ミッション選択部128はあるクエストを選択しないとしてもよい。
【0099】
K値が所定値以上となるキャラクタが存在するとき、ミッション選択部128はこのキャラクタに対応するクエストの選択確率を低下させた上でクエスト抽選を実行してもよい。あるいは、ミッション選択部128はキャラクタのK値に応じてクエスト抽選の確率を変化させてもよい。たとえば、プレイヤが保有するキャラクタC1(クエストQ1)のK値が70、キャラクタC2(クエストQ2)のK値が25であるとする。このとき、ミッション選択部128は、クエストQ1よりもクエストQ2の選択確率が高くなるようにクエスト抽選の設定を変更してもよい。このような制御方法によれば、K値の低いキャラクタは比較的K値を上昇させやすいが、K値が高くなるとK値が上昇しにくいというゲーム性を実現できる。キャラクタを「練達」に近づけやすいけれども「練達」に到達させにくくなるため、クエスト抽選の結果が意に沿ったものにならないもどかしさを演出できる。また、このようなもどかしさを突破してキャラクタを練達に至らせたときのプレイヤの満足感をいっそう高めることができる。
【0100】
神殿選択からクエストが選ばれるまでの待機時間は、アイテム、ゲームポイントなどの各種コストを支払うことで短縮してもよい。より具体的には、待機期間中においてプレイヤがゲームポイントの使用指示を入力したとき、ミッション処理部126はゲームポイントの使用量に応じた時間分だけ待機時間を短縮してもよい。このような制御方法によれば、アイテムあるいはゲームポイントというコストを支払わせることで待機時間を抑制できるのでゲームバランスを保ちやすくなる。このほか、出力部144は、待機時間中に広告動画を表示させ、プレイヤが広告動画を視聴したことを条件として待機時間を短縮してもよい。広告動画は、ゲームサーバ100にあらかじめ保存され、ゲームサーバ100からゲーム端末102に適宜ダウンロードされる。ミッション処理部126は、広告動画が開始された時刻とプレイヤによって終了された時刻を検出し、広告動画の視聴時間に応じて待機時間を短縮してもよい。待機時間の短縮というメリットの代償として広告動画の視聴を促すことにより、プレイヤの広告動画の視聴意欲を喚起しやすくなる。
【0101】
上述したように、プレイヤはクエスト抽選で選ばれたクエストをスキップ(拒否)できる。スキップ後、再び待機時間が経過したときにはミッション選択部128はクエスト抽選を再実行してクエストを選択する。ミッション選択部128は、スキップをしたときの待機時間を徐々に短縮してもよい。たとえば、プレイヤが神殿を選んでクエスト抽選が開始されるまでの待機時間を4時間とする。クエスト抽選で選ばれたクエストをプレイヤがスキップした場合、ミッション選択部128は2時間後にクエスト抽選を再実行する。このときに選ばれたクエストをプレイヤが再びスキップした場合、ミッション選択部128は更に短い1時間の待機時間を設定してもよい。
【0102】
スキップは、クエストの選択制約の例外であるため、スキップをしたときにも待機時間を設定することでゲームバランスを維持している。とはいえ、プレイヤはスキップをするたびに待たされ、なかなか希望しているクエストをプレイできない状態になると不満をもつ可能性がる。上述したようにスキップ時における待機時間を少しずつ短くすることで、プレイヤの「待つストレス」を緩和できる。
【0103】
特定抽選が当選したときには、ミッション選択部128は、次回のクエスト選択においては必ず特定クエストが選択されるように制御してもよい。たとえば、プレイヤ(P01)が通常クエストQ1をクリアし、ミッション選択部128が特定抽選を実行したとする。ここで特定抽選が当選したときには、ミッション選択部128は通常クエストQ1に続けて特定クエストQXの実行権を設定してもよい。この場合、プレイヤ(P01)は、通常クエストQ1に続けて特定クエストQXを実行できる。
【0104】
本実施形態においては、キャラクタ抽選によりキャラクタ(オブジェクト)が付与されるとき、オブジェクト管理部120はキャラクタ合成を実行してキャラクタを自動的に進化させるとして説明した(
図10のS44)。変形例として、オブジェクト管理部120はキャラクタ合成を自動実行することなく、プレイヤから合成を指示されたときにキャラクタ合成を実行するとしてもよい。この場合、キャラクタC1(K08)を保有しているとき、キャラクタC1(K:01)が3体与えられたときには、プレイヤはキャラクタC1(K08)のほか3体のキャラクタC1(K01)の合計4体のキャラクタC1を保有するとしてもよい。このように自動合成を行わない場合であっても、特典付与部148は総K値に3体のキャラクタそれぞれのK値の合計である「3」を加算してもよい。
【0105】
特定クエストが有効化されたとき、ミッション選択部128は通常クエストQ1~Q5からいずれか1つの通常クエストを1つ選択し、プレイヤは選択された通常クエストまたは特定クエストQXのいずれかを選んでプレイしてもよい。いいかえれば、特定抽選が当たれば、有効期間内であればプレイヤは自由に特定クエストを選択できるとしてもよい。
【0106】
以上、実施形態および変形例の記載から下記の発明が把握される。
A1.プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与部と、
プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後に、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択するミッション選択部と、
プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部と、を備える情報処理装置。
【0107】
A1に記載の発明によれば、ミッションの選択に制約をもたせることによりプレイヤに多様なミッションに挑戦する機会を与えるとともに、ミッションをプレイ結果に基づいてプレイヤに特典を与えることにより、プレイヤがさまざまなミッションに挑戦する意欲を喚起しやすくなる。
【0108】
A2.前記ミッション選択部は、複数のミッションから実行対象となるミッションを抽選により選択する、A1に記載の情報処理装置。
【0109】
A2に記載の発明によれば、希望するクエストが選ばれるか否かという結果に対するプレイヤの期待感を喚起しやすくなる。また、選択を抽選に任せる方式であれば、プレイヤはクエストの選択を運に任せることができるので選択にともなう心理的負担から解放される。
【0110】
A3.前記ミッション選択部により選択されたミッション以外のミッションの実行に対し所定の制限を行うミッション処理部、を更に備える、A1またはA2に記載の情報処理装置。
【0111】
A3に記載の発明によれば、プレイヤは選ばれたミッション以外のミッションをプレイする機会を制限されるため、ミッション選択部による決定の重みを増すことができる。
【0112】
A4.前記ミッション選択部は、実行対象として選択したミッションに対して、プレイヤから再選択指示がなされたときには前記所定の基準にしたがってミッションを再選択し、
前記ミッション処理部は、再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可する、A2に記載の情報処理装置。
【0113】
A4に記載の発明によれば、再選択指示の機会を与えることにより、プレイヤは自分の望むミッションが選択される可能性を高めることができる。また、選択自由度の拡大の代償として待機時間を設けることにより、ゲームバランスを維持しやすくなる。
【0114】
A5.前記ミッション選択部は、第1のミッションのあと、実行対象として第2のミッションを選択したときにプレイヤから再選択指示がなされたときには、前記第2のミッション以外のミッションから実行対象となるミッションを再選択する、A1からA4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0115】
A5に記載の発明によれば、再選択によって拒否したミッションが再び選ばれることはないので、プレイヤは再選択指示により自分の希望するミッションが選ばれる可能性を高めることができる。
【0116】
A6.複数のミッションに対してそれぞれ異なるオブジェクトが対応づけられる、A1からA5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0117】
A6に記載の発明によれば、プレイヤはミッションを実行する前に、そのミッションをクリアしたときに得られるオブジェクトを事前に認識できるので、プレイヤにとってわかりやすい設計となる。また、ミッションとオブジェクトを対応づけることにより、ミッションの内容だけでなく結果に対しても多様性をもたせることができる。
【0118】
A7.前記オブジェクト付与部は、プレイヤによる第1のミッションの達成回数が第1回数に到達したときに前記第1のミッションに対応づけられるオブジェクトを1以上付与し、前記プレイヤによる前記第1のミッションの達成回数が前記第1回数よりも大きい第2回数に到達したときには前記第1のミッションに対応づけられるオブジェクトを前記第1回数の到達時よりも多数付与する、A1からA6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0119】
A7に記載の発明によれば、1つのクエストを多数回クリアすることで、オブジェクトを増加させやすくなるので、プレイヤは特典に近づく楽しみをいっそう味わうことができる。
【0120】
A8.前記ミッション選択部は、プレイヤにより第1のミッションが実行され、かつ、特定の選択条件が成立したとき、前記第1のミッションの後に実行可能となるミッションとして特定のミッションを選択可能とし、
前記特典付与部は、前記特典条件が達成されたとき、前記特典として前記特定のミッションの実行権をプレイヤに付与する、A1からA7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0121】
A8に記載の発明によれば、ミッションの実行後に特定のミッションが選択可能になるか否かに対するプレイヤの期待感を喚起できる。また、特典としても特定のミッションの実行権がプレイヤに付与されるので、プレイヤの特典に対する期待感を高めることができる。
【0122】
A9.プレイヤにより取得された1以上のオブジェクトの前記所定パラメータの獲得実績が所定の解放条件を達成したとき、プレイヤが実行可能な複数のミッションに第4のミッションを追加するミッション処理部、を更に備えるA1からA8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0123】
A9に記載の発明によれば、プレイヤは解放条件を達成することでゲーム展開の広がりというメリットを得ることができる。いいかえれば、解放条件を達成することにより、少しずつゲームの奥行きが広がっていく感覚をプレイヤにもたせることができる。
【0124】
A10.複数のミッションは、あらかじめ複数のグループに分類されており、
前記オブジェクト付与部は、第1のグループに含まれる複数のミッションのプレイに基づいて前記解放条件が達成されたとき、前記第2のグループに含まれるミッションの実行権をプレイヤに付与し、
前記特典付与部は、前記第1のグループにおけるオブジェクトの前記所定のパラメータの獲得実績に基づいて第1の特典をプレイヤに付与し、前記第2のグループにおけるオブジェクトの前記所定のパラメータの獲得実績に基づいて第2の特典をプレイヤに付与する、A9に記載の情報処理装置。
【0125】
A10に記載の発明によれば、第1のグループの解放条件を達成することで第2のグループという新しい機会をプレイヤに提供できる。また、第1のグループと第2のグループそれぞれで特典を提供することにより、第2のグループの解放にともなってプレイヤの利益機会を拡大できる。
【0126】
A11.前記第1のグループに含まれるミッションの実行後に第1の待機時間が経過したことを条件として前記第1のグループに含まれるミッションの次回の実行を許可し、前記第2のグループに含まれるミッションの実行後に第2の待機時間が経過したことを条件として前記第2のグループに含まれるミッションの次回の実行を許可するミッション処理部を更に備える、A10に記載の情報処理装置。
【0127】
A11に記載の発明によれば、複数のグループで同時並行的にミッションをプレイすることにより、いずれかのミッションを実行可能となるまでの待機時間を実質的に短縮できる。このため、グループについての解放条件を成立させることにより、プレイヤはゲームをより円滑に進めやすくなる。
【0128】
A12.前記ミッション選択部は、実行対象として第2のミッションを選択したときにプレイヤから再選択指示がなされたときには、前記第2のミッション以外のミッションから実行対象となるミッションを再選択し、
前記第2のミッションの選択後に再選択指示がなされ、実行対象として第3のミッションを選択したあと、プレイヤから更に再選択指示がなされたときには、前記第2のミッションおよび前記第3のミッションを除く1以上のミッションから次の実行対象となるミッションを再選択する、A1からA11のいずれかに記載の情報処理装置。
【0129】
A12に記載の発明によれば、プレイヤは再選択指示を繰り返すことで、徐々にミッションの選択候補を絞り込むことができるので、希望するミッションが選択される可能性を高めることができる。
【0130】
A13.前記ミッション選択部は、前記第2のミッションの選択後に再選択指示がなされ、実行対象として第3のミッションを選択したあと、プレイヤが前記第3のミッションを実行したときには、前記第3のミッションの実行後において、前記第2のミッションおよび前記第3のミッションを含む複数のミッションから次に実行対象となるミッションを選択する、A12に記載の情報処理装置。
【0131】
A13に記載の発明によれば、再選択指示後に選ばれてミッションを実行したときには、ミッションの選択候補削減がリセットされるので、プレイヤにとってわかりやすい操作性が実現される。
【0132】
A14.ミッションを管理するミッション処理部、を更に備え、
前記ミッション選択部は、前記所定の基準にしたがって次に実行対象となるミッションを選択する第1選択方式のほかに、プレイヤから次の実行対象として指定されるミッションを選択する第2選択方式に基づいてミッションを選択可能であり、
前記ミッション処理部は、前記第1のミッションの実行後に所定の待機時間が経過したことを条件として次のミッションの実行を許可し、かつ、前記第2選択方式により次のミッションが選択されたときには前記第1選択方式により次のミッションが選択されたときよりも前記待機時間を長くする、A1からA11のいずれかに記載の情報処理装置。
【0133】
A14に記載の発明によれば、プレイヤがミッションを自由に選択する機会を提供しつつ、待機時間を長く設定することにより、ゲームバランスを保つことができる。
【0134】
A15.前記ミッション選択部は、プレイヤが取得した1以上のオブジェクトの前記所定のパラメータにしたがって、実行対象となるミッションの選択方法を変化させる、A1からA14に記載の情報処理装置。
【0135】
A15に記載の発明によれば、オブジェクトのパラメータにしたがってミッションの選択方法が変化するため、オブジェクトのパラメータ変化に対する興趣を深めることができる。
【0136】
A16.コンピュータが、プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与し、
コンピュータが、プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択し、
コンピュータが、プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する、情報処理方法。
【0137】
A16に記載の発明によれば、A1に記載の発明と同様の効果を発揮させることができる。
【0138】
A17.プレイヤによりミッションが達成されたとき、達成されたミッションに対応づけられるオブジェクトをプレイヤに付与する機能と、
プレイヤが複数のミッションのうちの第1のミッションの実行に基づく所定の実行条件を満たした後、複数のミッションから実行可能となるミッションを所定の基準にしたがって選択する機能と、
プレイヤに付与された1以上のオブジェクトの所定のパラメータの獲得実績が所定の特典条件を達成したとき、プレイヤに特典を付与する機能と、をコンピュータに発揮させるプログラム。
【0139】
A17に記載の発明によれば、A1に記載の発明と同様の効果を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0140】
100 ゲームサーバ、102 ゲーム端末、106 インターネット、110 データ処理部、112 通信部、114 データ格納部、116 プレイヤ登録部、118 ゲーム制御部、120 オブジェクト管理部、122 ミッション管理部、124 特典管理部、125 オブジェクト付与部、126 ミッション処理部、128 ミッション選択部、130 ゲームデータ格納部、132 プレイヤデータ格納部、134 通信部、136 ユーザインタフェース処理部、138 データ処理部、140 データ格納部、142 入力部、144 出力部、146 ゲーム実行部、148 特典付与部、150 神殿選択画面、152 選択ボタン、160 クエスト定義テーブル、170 特典定義テーブル、180 プレイ進捗情報、200 ゲームシステム、300 プロセッサ、302 第1バス、304 メモリ、308 ブリッジ、310 第2バス、312 ストレージ、314 入力デバイス、316 出力デバイス、318 周辺機器
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプロセッサを有し、
前記プロセッサは、複数のミッションが対応付けられた複数のフィールドをプレイヤに選択させる選択画面を表示させ、
前記プレイヤに選択されたフィールドに対応づけられた複数のミッションから前記プレイヤの実行対象となるミッションを抽選により選択し、実行対象として選択したミッションに対して、前記プレイヤから再選択指示がなされたときにはミッションを再選択し、
前記プレイヤによる再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、前記プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可する情報処理装置。
【請求項2】
1以上のプロセッサが、複数のミッションが対応付けられた複数のフィールドをプレイヤに選択させる選択画面を表示させ、
前記プレイヤにより選択されたフィールドに対応づけられた複数のミッションから実行対象となるミッションを抽選により選択し、
実行対象として選択したミッションに対して、前記プレイヤから再選択指示がなされたときにはミッションを再選択し、
前記プレイヤによる再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、前記プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可する、情報処理方法。
【請求項3】
1以上のプロセッサに、複数のミッションが対応付けられた複数のフィールドをプレイヤに選択させる選択画面を表示させ、
前記プレイヤにより選択されたフィールドに対応づけられた複数のミッションから実行対象となるミッションを抽選により選択させ、実行対象として選択したミッションに対して、前記プレイヤから再選択指示がなされたときにはミッションを再選択させ、
前記プレイヤによる再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、前記プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可するプログラム。
【請求項4】
サーバーと、プレイヤにより操作される端末とを有し、
前記サーバーは、複数のミッションが対応付けられた複数のフィールドをプレイヤに選択させる選択画面を前記端末に表示させ、
前記プレイヤにより選択されたフィールドに対応づけられた複数のミッションから前記プレイヤの実行対象となるミッションを抽選により選択し、実行対象として選択したミッションに対して、前記プレイヤから再選択指示がなされたときにはミッションを再選択し、
前記プレイヤによる再選択指示の後、所定の待機時間が経過したことを条件として、前記プレイヤに再選択されたミッションの実行を許可するシステム。