(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163460
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】光ネットワークシステム及び冗長化方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/032 20130101AFI20241115BHJP
H04B 10/272 20130101ALI20241115BHJP
【FI】
H04B10/032
H04B10/272
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079071
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】富塚 将
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA44
5K102AD01
5K102AL07
5K102AL11
5K102MA01
5K102MA02
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102PH50
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】現用系から冗長系へ切り替えるための管理情報を、確実に送受信できるようにすること。
【解決手段】光ネットワークシステム100では、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での処理を行うために必要な第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報を、光ネットワーク104を介して現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150に送信する。現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、その更新情報を、光ネットワーク104を介して冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130に転送する。冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130は、その更新情報を用いて、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での処理を行うために必要な第2の管理情報を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の現用中継装置と、冗長化のために前記第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、前記第1の現用中継装置及び前記第1の冗長中継装置に光ネットワークで接続されている第2の現用中継装置とを備え、前記第1の現用中継装置及び前記第2の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、前記第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、前記光ネットワークを介して中継する光ネットワークシステムであって、
前記第1の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、
前記第2の現用中継装置は、前記更新情報を受信すると、前記更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第1の冗長中継装置に転送し、
前記第1の冗長中継装置は、前記更新情報を用いて、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新すること
を特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
前記第1の現用中継装置は、前記第1のネットワークから前記第2のネットワークへ送信する第1の主信号に前記更新情報を重畳することで第1の重畳光信号を生成し、前記第1の重畳光信号を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、
前記第2の現用中継装置は、前記第1の重畳光信号から分波することで取得された前記更新情報を、前記第2のネットワークから前記第1のネットワークへ送信する第2の主信号に重畳することで第2の重畳光信号を生成し、前記第2の重畳光信号を、前記光ネットワークを介して前記第1の冗長中継装置に転送すること
を特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記第1の冗長中継装置は、前記第2の管理情報を更新すると、成功応答を前記第1のネットワークから前記第2のネットワークへ送信する第3の主信号に重畳することで第3の重畳光信号を生成し、前記第3の重畳光信号を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、
前記第2の現用中継装置は、前記第3の重畳光信号から分波することで取得された前記成功応答を、前記第2のネットワークから前記第1のネットワークへ送信する第4の主信号に重畳することで第4の重畳光信号を生成し、前記第4の重畳光信号を、前記光ネットワークを介して前記第1の現用中継装置に転送すること
を特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1の冗長中継装置は、前記第1の現用中継装置に障害が生じた場合に、更新された前記第2の管理情報を用いて、前記第1の現用中継装置の代わりに、光信号を中継すること
を特徴とする請求項2又は3に記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
第1の現用中継装置と、冗長化のために前記第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、前記第1の現用中継装置及び前記第1の冗長中継装置に光ネットワークで接続されている第2の現用中継装置とを備え、前記第1の現用中継装置及び前記第2の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、前記第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、前記光ネットワークを介して中継する光ネットワークシステムが行う冗長化方法であって、
前記第1の現用中継装置が、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、
前記第2の現用中継装置が、前記更新情報を受信すると、前記更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第1の冗長中継装置に転送し、
前記第1の冗長中継装置が、前記更新情報を用いて、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新すること
を特徴とする冗長化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ネットワークシステム及び冗長化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置を備える通信システムには、PON(Passive Optical Network)システムがある。PONシステムは、通信障害が発生した場合でも通信の継続が可能であるように冗長構成を取っている場合がある。例えば、特許文献1に開示されている光スイッチにより現用光通信装置(現用系PONインタフェース)から予備光通信装置(予備系PONインタフェース)に通信信号の通信経路を切り替える機能であるPONプロテクション機能がある。特許文献1には、RAM(Random Access Memory)から通信経路を切り替えるための管理情報を読み出し予備系へと送信することで冗長化を可能とする通信システムが記載されている。
【0003】
特許文献1には、通信障害が発生した場合にハードウェアによるDMA(Direct Memory Access)方式を用いて、通信路を切り替えのための管理情報(言い換えると、引き継ぎデータ)を現用光通信装置から予備光通信装置にデータ転送をした後に、光スイッチにより通信信号の通信経路を切り替える方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術のように、RAMを使用して管理情報を転送する方法は、現用系光通信装置と、冗長系光通信装置とが独立している場合等のように、RAMから管理情報を読み出すことが困難な場合がある。
【0006】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、現用系から冗長系へ切り替えるための管理情報を、確実に送受信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る光ネットワークシステムは、第1の現用中継装置と、冗長化のために前記第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、前記第1の現用中継装置及び前記第1の冗長中継装置に光ネットワークで接続されている第2の現用中継装置とを備え、前記第1の現用中継装置及び前記第2の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、前記第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、前記光ネットワークを介して中継する光ネットワークシステムであって、前記第1の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、前記第2の現用中継装置は、前記更新情報を受信すると、前記更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第1の冗長中継装置に転送し、前記第1の冗長中継装置は、前記更新情報を用いて、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新することを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係る冗長化方法は、第1の現用中継装置と、冗長化のために前記第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、前記第1の現用中継装置及び前記第1の冗長中継装置に光ネットワークで接続されている第2の現用中継装置とを備え、前記第1の現用中継装置及び前記第2の現用中継装置は、前記第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、前記第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、前記光ネットワークを介して中継する光ネットワークシステムが行う冗長化方法であって、前記第1の現用中継装置が、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第2の現用中継装置に送信し、前記第2の現用中継装置が、前記更新情報を受信すると、前記更新情報を、前記光ネットワークを介して前記第1の冗長中継装置に転送し、前記第1の冗長中継装置が、前記更新情報を用いて、前記第1の現用中継装置での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一又は複数の態様によれば、現用系から冗長系へ切り替えるための管理情報を、確実に送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る光ネットワークシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1及び2における現用ユーザ側フレキシブルブリッジの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1における冗長ユーザ側フレキシブルブリッジの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1及び2における現用データセンタ側フレキシブルブリッジの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1において、現用ユーザ側フレキシブルブリッジの管理情報テーブルに格納されている管理情報が更新される際に行われる動作を示すシーケンス図である。
【
図6】実施形態1において、管理情報が更新された際における現用ユーザ側フレキシブルブリッジでの動作を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態1において、更新要求を示す重畳光信号を受信した現用データセンタ側フレキシブルブリッジでの動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1において、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジのラインポート138が重畳光信号を受信した際の動作を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る光ネットワークシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図10】冗長データセンタ側フレキシブルブリッジの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図11】実施の形態2において、現用データセンタ側フレキシブルブリッジの管理情報テーブルに格納されている管理情報が更新される際に行われる動作を示すシーケンス図である。
【
図12】実施形態2において、管理情報が更新された際における現用データセンタ側フレキシブルブリッジでの動作を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態2において、更新要求を示す重畳光信号を受信した現用ユーザ側フレキシブルブリッジでの動作を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2において、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジのラインポートが重畳光信号を受信した際の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光ネットワークシステム100の構成を概略的に示すブロック図である。
光ネットワークシステム100は、ユーザ及びデータセンタ間における多様なサービスを集約し、上位の光ネットワークに接続するシステムである。
【0012】
光ネットワークシステム100は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A、110B、110Cと、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130と、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bとを備える。
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A、110B、110C、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130及び現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bは、光ネットワーク104に接続されている。
光ネットワーク104は、ユーザ側光合分波器101と、データセンタ側光合分波器102と、これらを接続する光ケーブル103とを含む。
【0013】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A、110B、110Cの各々は同様に構成されているため、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A、110B、110Cの各々を特に区別する必要がない場合には、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A、110B、110Cの各々を現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110という。
【0014】
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bの各々は同様に構成されているため、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bの各々を特に区別する必要がない場合には、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bの各々を現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150という。
【0015】
ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110及び冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130と、データセンタ側光合分波器102とに接続されている。ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110及び冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の少なくとも一つから受信した重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、データセンタ側光合分波器102に送信する。
【0016】
ユーザ側光合分波器101は、例えば、送信先が使用している波長又はポート等の情報を持つ波長管理情報としての波長管理テーブルを、図示しないメモリ等の記憶部に記憶しておく。そして、ユーザ側光合分波器101は、その波長管理テーブルを参照する等により、データセンタ側光合分波器102から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A~110C及び冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130へ送信する。
【0017】
データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150と、ユーザ側光合分波器101とに接続されている。データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150から受信した重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、ユーザ側光合分波器101に送信する。
【0018】
データセンタ側光合分波器102は、例えば、送信先が使用している波長又はポート等の情報を持つ波長管理情報としての波長管理テーブルを、図示しないメモリ等の記憶部に記憶しておく。そして、データセンタ側光合分波器102は、その波長管理テーブルを参照する等により、ユーザ側光合分波器101から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A、150Bへ送信する。
【0019】
主信号の通信プロトコル及び光変調方式に依存しない通信方式として、電気領域において、主信号と制御信号とをそれぞれ異なる周波数のキャリアにのせることにより、物理的に別々の信号として扱うことができるAMCC(Auxiliary Management and Control Channel)がある。
【0020】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130及び現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、AMCC方式で互いに制御信号の送受信をする。
ユーザ側光合分波器101及びデータセンタ側光合分波器102は、AMCC信号をブロードキャスト等により転送すればよい。AMCC信号には、送信先情報が含まれているため、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130及び現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、受信したAMCC信号が自身宛てか否かを判断することができる。
【0021】
ここで、光ネットワークシステム100は、第1の現用中継装置と、冗長化のためにその第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、第1の現用中継装置及び第1の冗長中継装置に光ネットワーク104で接続されている第2の現用中継装置とを備えるシステムである。ここで、第1の現用中継装置及び第2の現用中継装置は、第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、光ネットワークを介して中継する。
【0022】
実施の形態1では、第1の現用中継装置が現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110であり、第1の冗長中継装置が冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130であり、第2の現用中継装置が現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150であり、第1のネットワークがユーザ側ネットワークNT1であり、第2のネットワークがデータセンタ側ネットワークNT2である例を示す。
【0023】
ここで、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更された内容を示す更新情報を、光ネットワーク104を介して現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150に送信する。
【0024】
具体的には、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110は、ユーザ側ネットワークNT1からデータセンタ側ネットワークNT2へ送信する第1の主信号に更新情報を重畳することで第1の重畳光信号を生成し、その第1の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150に送信する。
【0025】
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、更新情報を受信すると、その更新情報を、光ネットワーク104を介して冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130に転送する。
【0026】
具体的には、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、第1の重畳光信号から分波することで取得された更新情報を、データセンタ側ネットワークNT2からユーザ側ネットワークNT1へ送信する第2の主信号に重畳することで第2の重畳光信号を生成し、その第2の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130に転送する。
【0027】
そして、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130は、更新情報を用いて、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新する。
【0028】
さらに、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130は、第2の管理情報を更新すると、成功応答をユーザ側ネットワークNT1からデータセンタ側ネットワークNT2へ送信する第3の主信号に重畳することで第3の重畳光信号を生成し、その第3の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150に送信する。
【0029】
そして、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、第3の重畳光信号から分波することで取得された成功応答を、データセンタ側ネットワークNT2からユーザ側ネットワークNT1へ送信する第4の主信号に重畳することで第4の重畳光信号を生成し、その第4の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110に転送する。
【0030】
なお、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110に障害が生じた場合に、更新された第2の管理情報を用いて、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110の代わりに、光信号を中継する。
以下、詳細に説明する。
【0031】
図2は、実施の形態1における現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110の構成を概略的に示すブロック図である。
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110は、クライアントポート111と、信号制御部112と、AMCC信号処理部113と、制御部としてのCPU114と、一時記憶部としてのメモリ115と、AMCC合分波部116と、記憶部117と、ラインポート118とを備える。
【0032】
クライアントポート111は、ユーザ側ネットワークNT1に接続され、ユーザ側ネットワークNT1から受信した光信号を信号制御部112に与える。
なお、
図2では、四つのクライアントポート111が設けられているが、一つ以上のクライアントポート111が設けられていればよい。
【0033】
信号制御部112は、クライアントポート111からの光信号及びAMCC合分波部166からの光信号を制御する信号制御回路である。
例えば、信号制御部112は、光信号に対して、同期転送、QoS(Quality of Service)又は低遅延伝送等のブリッジ装置としての処理を行うことができる。ここでは、信号制御部112は、クライアントポート111からの光信号をAMCC合分波部116へ転送し、AMCC合分波部116からの主信号の光信号をクライアントポート111へ転送することができる。
【0034】
AMCC信号処理部113は、AMCC合分波部116にて分波された、例えば、PLOAM(Physical Layer OAM)メッセージを含むAMCC信号を処理する信号処理回路である。
【0035】
ここで、AMCC信号処理部113では、AMCC合分波部116にて分波されたAMCC信号に含まれる情報を確認し、受信した情報が、例えば、受信した現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110自身の記憶部117の管理情報テーブル117aの更新要求である場合等でCPU114への供給が必要な情報である場合、AMCC信号に含まれる情報をCPU114へ供給する。
【0036】
また、AMCC信号処理部113は、CPU114から、例えば、PLOAMメッセージを送信する命令等が送られた場合、AMCC合分波部116にAMCCで送信する情報を提供する。
【0037】
CPU114は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での処理の全般を制御する。
例えば、CPU114は、記憶部117に保存されている、管理情報テーブル117a等をメモリ115に展開する。CPU114は、AMCC信号で送信する情報をAMCC信号処理部113に与える。
【0038】
具体的には、CPU114は、後述する記憶部117に記憶されている管理情報テーブル117aに格納されている管理情報に変更が生じた場合には、少なくとも変更後の内容を示す更新情報をAMCC信号処理部113に与えて、その更新情報を含む更新要求を示すAMCC信号を送信するように、AMCC信号処理部113に指示する。ここでの更新情報は、変更後の管理情報そのものであってもよく、管理情報において変更された内容を示す、管理情報の一部の情報であってもよい。ここでの更新要求は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110を識別することのできる識別情報が含まれているものとする。また、更新要求を送信する現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150の宛先については、管理情報テーブル117aに予め格納されているものとする。
【0039】
AMCC合分波部116は、信号制御部112からの主信号の光信号に、AMCC信号処理部113から与えられた情報の光信号を重畳することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート118に与える。
また、AMCC合分波部116は、ラインポート118からの重畳光信号から、主信号の光信号と、AMCC信号の光信号とを分波して、主信号の光信号を信号制御部112に与え、AMCC信号の光信号をAMCC信号処理部113に与える。
言い換えると、AMCC合分波部116は、光信号の合分波器である。
【0040】
記憶部117は、例えば、ラインポート118が使用する周波数等の設定が保存されている管理情報を格納する管理情報テーブル117aを記憶する。
【0041】
ラインポート118は、AMCC合分波部116で、主信号とAMCC信号とが重畳された重畳光信号をユーザ側光合分波器101に送信する。
【0042】
なお、信号制御部112及びAMCC信号処理部113は、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路で構成することができる。
また、記憶部117は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Sorid State Drive)又は不揮発性メモリ等の記憶装置により構成することができる。
【0043】
図3は、実施の形態1における冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の構成を概略的に示すブロック図である。
冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130は、クライアントポート131と、信号制御部132と、AMCC信号処理部133と、制御部としてのCPU134と、一時記憶部としてのメモリ135と、AMCC合分波部136と、記憶部137と、ラインポート138とを備える。
【0044】
冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130のクライアントポート131、信号制御部132、AMCC信号処理部133、メモリ135、AMCC合分波部136及びラインポート138は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110のクライアントポート111、信号制御部112、AMCC信号処理部113、メモリ115と、AMCC合分波部116及びラインポート118と同様である。
【0045】
CPU134は、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130での処理の全般を制御する。
CPU134は、記憶部137に保存されている、例えば、管理情報テーブル137a~137dの何れかをメモリ135に展開する。CPU134は、AMCC信号で送信する情報をAMCC信号処理部133に与える。
【0046】
具体的には、CPU134は、AMCC信号処理部133から更新要求を受け取ると、その更新要求に含まれている更新情報により、管理情報テーブル137a~137cの内、その更新要求に含まれている識別情報で識別される現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110に対応する管理情報テーブルに格納されている管理情報を更新する。
【0047】
記憶部137は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A~110Cのそれぞれの管理情報を格納した管理情報テーブル137a~137cと、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の管理情報を格納した管理情報テーブル137dとを記憶する。
ここで、管理情報テーブル137aは、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Aの管理情報を格納し、管理情報テーブル137bは、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Bの管理情報を格納し、管理情報テーブル137cは、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Cの管理情報を格納するものとする。
【0048】
なお、信号制御部132及びAMCC信号処理部133は、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路で構成することができる。
記憶部137は、HDD、SSD又は不揮発性メモリ等の記憶装置により構成することができる。
【0049】
図4は、実施の形態1における現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150の構成を概略的に示すブロック図である。
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150は、クライアントポート151と、信号制御部152と、AMCC信号処理部153と、制御部としてのCPU154と、一時記憶部としてのメモリ155と、AMCC合分波部156と、記憶部157と、ラインポート158とを備える。
【0050】
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150のクライアントポート151、信号制御部152、AMCC信号処理部153、メモリ155、AMCC合分波部156及びラインポート158は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110のクライアントポート111、信号制御部112、AMCC信号処理部113、メモリ115と、AMCC合分波部116及びラインポート118と同様である。
【0051】
AMCC信号処理部153は、AMCC合分波部156にて分波された、例えば、PLOAMメッセージを含むAMCC信号を処理する信号処理回路である。
【0052】
ここで、AMCC信号処理部153では、AMCC合分波部156にて分波されたAMCC信号に含まれる情報を確認し、受信した情報が、管理情報の更新要求である場合には、そのAMCC信号をAMCC合分波部156に与えて、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130へ送信させる。冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の宛先は、記憶部157に記憶されている管理情報テーブル157aに予め格納されているものとする。
【0053】
CPU154は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150での処理の全般を制御する。
CPU154は、記憶部157に保存されている、例えば、管理情報テーブル157aをメモリ155に展開する。CPU154は、AMCC信号で送信する情報をAMCC信号処理部153に与える。
【0054】
記憶部157は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150の管理情報を格納した管理情報テーブル157aを記憶する。
【0055】
なお、信号制御部152及びAMCC信号処理部153は、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路で構成することができる。
記憶部157は、HDD、SSD又は不揮発性メモリ等の記憶装置により構成することができる。
【0056】
図5は、実施の形態1において、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110の管理情報テーブル117aに格納されている管理情報が更新される際に行われる動作を示すシーケンス図である。
ここでは、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A~110Cの内、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Aの管理情報が更新される場合を例に説明するが、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110B、110Cの管理情報が更新される場合も同様の処理が行われる。
【0057】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110AのCPU114は、管理情報の変更があった時に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報をAMCC信号処理部113に与えて、その更新情報を含む更新要求を示すAMCC信号を送信するように、AMCC信号処理部113に指示する。このような指示を受けたAMCC信号処理部113は、更新情報を、例えば、PLOAMメッセージ等にする処理を行い、処理後の情報を含むAMCC信号を生成して、そのAMCC信号をAMCC合分波部116に与える。AMCC合分波部116は、主信号にAMCC信号を重畳することで、重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート118に送る。ラインポート118は、その重畳光信号をユーザ側光合分波器101へ送信する(S10)。
【0058】
ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A~110C及び冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の少なくとも何れか一つからの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、データセンタ側光合分波器102に送信する(S11)。
【0059】
データセンタ側光合分波器102は、ユーザ側光合分波器101から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Aに送信する(S12)。
【0060】
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Aのラインポート158は、主信号と、更新情報が含まれるAMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信し、AMCC合分波部156に送る。AMCC合分波部156は、AMCC信号を受信した重畳光信号から分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部153へ送る。AMCC信号処理部153は、AMCC信号を解析することで、ラインポート158から更新情報を転送するメッセージ、言い換えると、更新要求であることを認識する。例えば、AMCC信号処理部153は、AMCC信号の予め定められた領域の情報を確認することで、AMCC信号が更新要求であることを認識することができる。そして、AMCC信号処理部153は、そのAMCC信号をAMCC合分波部156に与える。AMCC合分波部156は、そのAMCC信号を主信号に重畳することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート158に与える。ラインポート158は、その重畳光信号をデータセンタ側光合分波器102へ送信する(S13)。
【0061】
データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A及び現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Bの少なくとも何れか一方からの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、ユーザ側光合分波器101に送信する(S14)。
【0062】
ユーザ側光合分波器101は、データセンタ側光合分波器102から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130に送信する(S15)。
【0063】
冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130のラインポート138は、受信した重畳光信号をAMCC合分波部136に与える。AMCC合分波部136は、その重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部133に与える。AMCC信号処理部133は、そのAMCC信号のメッセージを確認することで、管理情報の更新要求であることを認識する。そして、AMCC信号処理部133は、その更新要求をCPU134に与える。CPU134は、受け取った更新要求で示される更新情報を用いて、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Aの管理情報テーブル137aに格納されている管理情報を更新する。そして、CPU134は、成功応答であるACK(ACKnowledgement)を送信する指示をAMCC信号処理部133に与える。AMCC信号処理部133は、ACKメッセージを作成し、そのACKメッセージを示すAMCC信号を生成し、そのAMCC信号をAMCC合分波部136に与える。AMCC合分波部136は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート138に与える。ラインポート138は、その重畳光信号をユーザ側光合分波器101へ送信する(S16)。
【0064】
ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110A~110C及び冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130の少なくとも何れか一つからの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、データセンタ側光合分波器102に送信する(S17)。
【0065】
データセンタ側光合分波器102は、ユーザ側光合分波器101からの多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Aに送信する(S18)。
【0066】
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Aのラインポート158は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信し、その重畳光信号を、AMCC合分波部156に与える。AMCC合分波部156は、そのAMCC信号を、受信した重畳光信号から分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部153に与える。AMCC信号処理部153は、そのAMCC信号を解析することでラインポート158からACKを転送するメッセージ、言い換えると現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110AへのACKメッセージであることを認識する。例えば、AMCC信号処理部153は、AMCC信号の予め定められた領域の情報を確認することで、AMCC信号がACKメッセージであることを認識することができる。そして、AMCC信号処理部153は、ACKメッセージを含むAMCC信号をAMCC合分波部156に与える。AMCC合分波部156は、そのACKメッセージを含むAMCC信号を、主信号に重畳することで、重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、ラインポート158に与える。ラインポート158は、その重畳光信号をデータセンタ側光合分波器102へ送信する(S19)。
【0067】
データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150A及び現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Bの少なくとも一方から受信した重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号をユーザ側光合分波器101に送信する(S20)。
【0068】
ユーザ側光合分波器101は、データセンタ側光合分波器102から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Aに送信する(S21)。現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110Aのラインポート138は、受信した重畳光信号をAMCC合分波部136に与える。AMCC合分波部136は、その重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部133に与える。AMCC信号処理部133は、そのAMCC信号のメッセージを確認することで、ACKであることを認識する。そして、AMCC信号処理部133は、そのACKをCPU134に与える。これにより、CPU134は、管理情報が正常に更新されたことを認識することができる。
【0069】
図5に示されている例では、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Aが転送を行っているが、実施の形態1は、このような例に限定されない。例えば、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150Bが転送を行ってもよい。
【0070】
図6は、実施形態1において、管理情報が更新された際における現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110での動作を示すフローチャートである。
CPU114が管理情報の更新を行った等で管理情報に変更があると、CPU114は、AMCC信号処理部113へ更新情報を与えて、AMCC信号で更新情報を送信することを指示する(S30)。
【0071】
次に、CPU114から更新情報を送信する指示を受けると、AMCC信号処理部113は、更新情報を含むメッセージのAMCC信号を作成し、そのAMCC信号をAMCC合分波部116に与える(S31)。
【0072】
更新情報を含むメッセージのAMCC信号を受けると、AMCC合分波部116は、主信号と、そのAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する(S32)。重畳光信号は、ラインポート118に与えられる。
そして、ラインポート118は、受け取った重畳光信号を送信する(S33)。
【0073】
ステップS33でラインポート118が重畳光信号を送信すると、CPU114は、ACKの受信を一定の時間を待機する(S34)。
そして、CPU114は、一定時間を待機すると、ACKを受信したか否かを判断する(S35)。ACKを受信した場合(S35でYES)には、処理は終了し、ACKを受信していない場合(S35でNO)には、処理はステップS36に進む。
【0074】
ステップS36では、CPU114は、ACKの受信に失敗したと判断し、ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回(Nは、1以上の整数)であるか否かを判断する。ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回ではない場合(S36でNO)には、処理はステップS30に戻り、ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回である場合(S36でYES)には、処理は終了する。
【0075】
図7は、実施形態1において、更新要求を示す重畳光信号を受信した現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150での動作を示すフローチャートである。
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150のラインポート158は、主信号とAMCC信号が重畳された重畳光信号を受信する(S40)。受信された重畳光信号は、AMCC合分波部156に与えられる。
【0076】
AMCC合分波部156は、重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部153に与える(S41)。
【0077】
AMCC信号処理部153は、AMCC合分波部156からAMCC信号を受けとり、管理情報の更新要求か否かを確認する(S42)。AMCC信号が更新要求ではない場合(S42でNO)には、処理はステップS43に進み、AMCC信号が更新要求である場合(S42でYES)には、処理はステップS44に進む。
【0078】
ステップS43では、AMCC信号処理部153は、AMCC信号に対して、そのAMCC信号で示されている内容に応じた処理を行う。
【0079】
一方、ステップS44では、AMCC信号処理部153は、AMCC信号をAMCC合分波部156に与え、AMCC合分波部156は、主信号と、AMCC信号とを重畳することで、重畳光信号を生成する。生成された重畳光信号は、ラインポート158に与えられる。
ラインポート158は、受け取った重畳光信号を送信する(S45)。
【0080】
ステップS45でラインポート158が重畳光信号を送信すると、AMCC信号処理部153は、ACKが返ってくるまで一定の時間待機する(S46)。
そして、AMCC信号処理部153は、一定時間の待機後に、ACKを受信できたか否かを確認する(S47)。一定時間内にACKを受信できなかった場合(S47でNO)には、処理は終了し、一定時間内にACKを受信できた場合(S47でYES)には、処理は、ステップS48へ進む。
【0081】
ステップS48では、AMCC信号処理部153は、ACKメッセージを示すAMCC信号をAMCC合分波部156に与え、AMCC合分波部156は、主信号と、そのAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する。生成された重畳光信号は、ラインポート158に与えられる。
ラインポート158は、受け取った重畳光信号を送信する(S49)。
【0082】
図8は、実施の形態1において、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130のラインポート138が重畳光信号を受信した際の動作を示すフローチャートである。
冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130のラインポート138は、主信号と、AMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信する(S50)。受信された重畳光信号は、AMCC合分波部136に与えられる。
【0083】
AMCC合分波部136は、受け取った重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部133に与える(S51)。
【0084】
AMCC信号処理部133は、受け取ったAMCC信号を解析することで、管理情報の更新要求か否かを確認する(S52)。AMCC信号が更新要求ではない場合(S52でNO)には、処理はステップS53に進み、AMCC信号が更新要求である場合(S52でYES)には、処理はステップS54に進む。
【0085】
ステップS53では、AMCC信号処理部133は、AMCC信号に対して、そのAMCC信号で示されている内容に応じた処理を行う。
【0086】
ステップS54では、AMCC信号処理部133は、AMCC信号に含まれている更新情報をCPU134に送り、CPU134は、更新情報を用いて、記憶部137に記憶されている管理情報テーブル137a~137cの内、管理情報が更新された現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110に対応する管理情報テーブルで示される管理情報を更新する。
【0087】
CPU134は、管理情報を更新すると、ACKを送信する指示をAMCC信号処理部133に与え、AMCC信号処理部133は、ACKメッセージを示すAMCC信号をAMCC合分波部136に与え、AMCC合分波部136は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する(S55)。その重畳光信号は、ラインポート138に与えられる。
ラインポート138は、その重畳光信号をユーザ側光合分波器101へ送信する(S56)。
【0088】
以上のように、実施の形態1によれば、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110と、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130とは、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150を経由することで冗長構成をとることができる。
このため、図示されてはいないが、光ネットワークシステム100を制御するコントローラから、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130及びユーザ側光合分波器101に切替指示を与えることにより、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110から冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130への切り替えを行うことができる。この場合、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130では、CPU134が、記憶部137から故障が生じた現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110の管理情報テーブルから管理情報を読み出して、その管理情報に従って、冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ130に設定を行うことで、現用系の動作を引き継ぐことができる。
【0089】
また、実施の形態1によれば、主信号と制御信号を別々の信号として扱うことができるAMCCを使用することで、主信号とは別に更新情報を送信することができるため、主信号に影響を与えずに冗長構成をとることができる。
【0090】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る光ネットワークシステム200の構成を概略的に示すブロック図である。
光ネットワークシステム200は、ユーザ及びデータセンタ間における多様なサービスを集約し、上位の光ネットワークに接続するシステムである。
【0091】
光ネットワークシステム200は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210Dと、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250と、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290とを備える。
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210D、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250及び冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、光ネットワーク104に接続されている。
【0092】
実施の形態2における光ネットワーク104は、実施の形態1における光ネットワーク104と同様である。
但し、ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210Dに接続されており、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250及び冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290に接続されている。
【0093】
なお、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210Dの各々は、同様に構成されているため、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210Dの各々を特に区別する必要がない場合には、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A、210B、210C、210Dの各々を、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210という。
【0094】
ここで、光ネットワークシステム200は、第1の現用中継装置と、冗長化のためにその第1の現用中継装置での処理を引き継ぐ装置である第1の冗長中継装置と、第1の現用中継装置及び第1の冗長中継装置に光ネットワーク104で接続されている第2の現用中継装置とを備えるシステムである。ここで、第1の現用中継装置及び第2の現用中継装置は、第1の現用中継装置に接続された第1のネットワークと、第2の現用中継装置に接続された第2のネットワークとの間の通信を、光ネットワークを介して中継する。
【0095】
実施の形態2では、第1の現用中継装置が現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250であり、第1の冗長中継装置が冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290であり、第2の現用中継装置が現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210であり、第1のネットワークがデータセンタ側ネットワークNT2であり、第2のネットワークがユーザ側ネットワークNT1である例を示す。
【0096】
ここで、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250での処理を行うために必要な管理情報である第1の管理情報に変更が生じた場合に、少なくとも変更後の内容を示すことのできる更新情報を、光ネットワーク104を介して現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210に送信する。
【0097】
具体的には、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250は、データセンタ側ネットワークNT2からユーザ側ネットワークNT1へ送信する第1の主信号に更新情報を重畳することで第1の重畳光信号を生成し、その第1の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210に送信する。
【0098】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210は、更新情報を受信すると、その更新情報を、光ネットワーク104を介して冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290に転送する。
【0099】
具体的には、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210は、第1の重畳光信号から分波することで取得された更新情報を、ユーザ側ネットワークNT1からデータセンタ側ネットワークNT2へ送信する第2の主信号に重畳することで第2の重畳光信号を生成し、その第2の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290に転送する。
【0100】
そして、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、更新情報を用いて、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250での処理を行うために必要な管理情報である第2の管理情報を更新する。
【0101】
さらに、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、第2の管理情報を更新すると、成功応答をデータセンタ側ネットワークNT2からユーザ側ネットワークNT1へ送信する第3の主信号に重畳することで第3の重畳光信号を生成し、その第3の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210に送信する。
【0102】
そして、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210は、第3の重畳光信号から分波することで取得された成功応答を、ユーザ側ネットワークNT1からデータセンタ側ネットワークNT2へ送信する第4の主信号に重畳することで第4の重畳光信号を生成し、その第4の重畳光信号を、光ネットワーク104を介して現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250に転送する。
【0103】
なお、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250に障害が生じた場合に、更新された第2の管理情報を用いて、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250の代わりに、光信号を中継する。
【0104】
図4に示されているように、実施の形態2における現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250は、クライアントポート151と、信号制御部152と、AMCC信号処理部153と、制御部としてのCPU254と、一時記憶部としてのメモリ155と、AMCC合分波部156と、記憶部157と、ラインポート158とを備える。
【0105】
実施の形態2における現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250のクライアントポート151、信号制御部152、AMCC信号処理部153、メモリ155、AMCC合分波部156、記憶部157及びラインポート158は、実施の形態1における現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150のクライアントポート151、信号制御部152、AMCC信号処理部153、メモリ155、AMCC合分波部156、記憶部157及びラインポート158と同様である。
【0106】
CPU254は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250での処理の全般を制御する。
例えば、CPU254は、記憶部157に保存されている、管理情報テーブル157a等をメモリ155に展開する。CPU254は、AMCC信号で送信する情報をAMCC信号処理部153に与える。
【0107】
具体的には、CPU254は、記憶部157に記憶されている管理情報テーブル157aに格納されている管理情報に変更が生じた場合には、少なくとも変更後の内容を示す更新情報をAMCC信号処理部153に与えて、その更新情報を含む更新要求を示すAMCC信号を送信するように、AMCC信号処理部153に指示する。ここでの更新情報は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ150を識別することのできる識別情報が含まれているものとする。また、更新要求を送信する現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110の宛先については、管理情報テーブル157aに予め格納されているものとする。
【0108】
図2に示されているように、実施の形態2における現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210は、クライアントポート111と、信号制御部112と、AMCC信号処理部213と、制御部としてのCPU114と、一時記憶部としてのメモリ115と、AMCC合分波部116と、記憶部117と、ラインポート118とを備える。
【0109】
実施の形態2における現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210のクライアントポート111、信号制御部112、CPU114、メモリ115、AMCC合分波部116、記憶部117及びラインポート118は、実施の形態1における現用ユーザ側フレキシブルブリッジ110のクライアントポート111、信号制御部112、CPU114、メモリ115、AMCC合分波部116、記憶部117及びラインポート118と同様である。
【0110】
AMCC信号処理部213は、AMCC合分波部116にて分波された、例えば、PLOAMメッセージを含むAMCC信号を処理する信号処理回路である。
【0111】
ここで、AMCC信号処理部213では、AMCC合分波部116にて分波されたAMCC信号に含まれる情報を確認し、受信した情報が、管理情報の更新要求である場合には、そのAMCC信号をAMCC合分波部116に与えて、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290へ送信させる。冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290の宛先は、記憶部137に記憶されている管理情報テーブル137aに予め格納されているものとする。
【0112】
図10は、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290の構成を概略的に示すブロック図である。
冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290は、クライアントポート291と、信号制御部292と、AMCC信号処理部293と、制御部としてのCPU294と、一時記憶部としてのメモリ295と、AMCC合分波部296と、記憶部297と、ラインポート298とを備える。
【0113】
冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290のクライアントポート291、信号制御部292、AMCC信号処理部293、メモリ295、AMCC合分波部296及びラインポート298は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250のクライアントポート151、信号制御部152、AMCC信号処理部153、メモリ155と、AMCC合分波部156及びラインポート158と同様である。
【0114】
CPU294は、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290での処理の全般を制御する。
例えば、CPU294は、記憶部297に保存されている管理情報テーブル297a、297bの何れかをメモリ295に展開する。CPU294は、AMCC信号で送信する情報をAMCC信号処理部293に与える。
【0115】
具体的には、CPU294は、AMCC信号処理部293から更新要求を受け取ると、その更新要求に含まれている更新情報により、管理情報テーブル297aに格納されている管理情報を更新する。
【0116】
記憶部297は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250の管理情報を格納した管理情報テーブル297aと、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290の管理情報を格納した管理情報テーブル297bとを記憶する。
【0117】
なお、信号制御部292及びAMCC信号処理部293は、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路で構成することができる。
記憶部297は、HDD、SSD又は不揮発性メモリ等の記憶装置により構成することができる。
【0118】
図11は、実施の形態2において、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250の管理情報テーブル157aに格納されている管理情報が更新される際に行われる動作を示すシーケンス図である。
現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250のCPU254は、管理情報の変更があった時に、少なくとも変更後の内容を示す更新情報をAMCC信号処理部153に与えて、その更新情報を含む更新要求を示すAMCC信号を送信するように、AMCC信号処理部153に指示する。このような指示を受けたAMCC信号処理部153は、更新情報を、例えば、PLOAMメッセージ等にする処理を行い、処理後の情報を示すAMCC信号を生成して、そのAMCC信号をAMCC合分波部156に与える。AMCC合分波部156は、主信号にAMCC信号を重畳することで、重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート158に送る。ラインポート158は、その重畳光信号をデータセンタ側光合分波器102へ送信する(S60)。
【0119】
データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250及び冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290の少なくとも何れか一つからの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、ユーザ側光合分波器101に送信する(S61)。
【0120】
ユーザ側光合分波器101は、データセンタ側光合分波器102から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210Aに送信する(S62)。
【0121】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210Aのラインポート118は、主信号と、更新情報が含まれるAMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信し、その重畳光信号をAMCC合分波部116に送る。AMCC合分波部116は、AMCC信号を受信した重畳光信号から分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部213へ送る。AMCC信号処理部213は、AMCC信号を解析することで、ラインポート118から更新情報を転送するメッセージ、言い換えると、更新要求であることを認識する。例えば、AMCC信号処理部213は、AMCC信号の予め定められた領域の情報を確認することで、AMCC信号が更新要求であることを認識することができる。そして、AMCC信号処理部213は、そのAMCC信号をAMCC合分波部116に与える。AMCC合分波部116は、そのAMCC信号を主信号に重畳することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート118に与える。ラインポート118は、その重畳光信号をユーザ側光合分波器101へ送信する(S63)。
【0122】
ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A~210Dの少なくとも何れか一つからの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、データセンタ側光合分波器102に送信する(S64)。
【0123】
データセンタ側光合分波器102は、ユーザ側光合分波器101から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290に送信する(S65)。
【0124】
冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290のラインポート298は、受信した重畳光信号をAMCC合分波部296に与える。AMCC合分波部296は、その重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部293に与える。AMCC信号処理部293は、そのAMCC信号のメッセージを確認することで、管理情報の更新要求であることを認識する。そして、AMCC信号処理部293は、その更新要求をCPU294に与える。CPU294は、受け取った更新要求で示される更新情報を用いて、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250の管理情報テーブル297aに格納されている管理情報を更新する。そして、CPU294は、成功応答であるACKを送信する指示をAMCC信号処理部293に与える。AMCC信号処理部293は、ACKメッセージを作成し、そのACKメッセージを示すAMCC信号を生成し、そのAMCC信号をAMCC合分波部296に与える。AMCC合分波部296は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号をラインポート298に与える。ラインポート298は、その重畳光信号をデータセンタ側光合分波器102へ送信する(S66)。
【0125】
データセンタ側光合分波器102は、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250及び冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290の少なくとも何れか一方からの重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号を、ユーザ側光合分波器101に送信する(S67)。
【0126】
ユーザ側光合分波器101は、データセンタ側光合分波器102からの多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210Aに送信する(S68)。
【0127】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210Aのラインポート118は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信し、その重畳光信号を、AMCC合分波部116に与える。AMCC合分波部116は、そのAMCC信号を、受信した重畳光信号から分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部213に与える。AMCC信号処理部213は、そのAMCC信号を解析することでラインポート118からACKを転送するメッセージ、言い換えると現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250へのACKメッセージであることを認識する。例えば、AMCC信号処理部213は、AMCC信号の予め定められた領域の情報を確認することで、AMCC信号がACKメッセージであることを認識することができる。そして、AMCC信号処理部213は、ACKメッセージを含むAMCC信号をAMCC合分波部116に与える。AMCC合分波部116は、そのACKメッセージを含むAMCC信号を、主信号に重畳することで、重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、ラインポート118に与える。ラインポート118は、その重畳光信号をユーザ側光合分波器101へ送信する(S69)。
【0128】
ユーザ側光合分波器101は、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210A~210Dの少なくとも一つから受信した重畳光信号を重畳することで多重光信号を生成し、その多重光信号をデータセンタ側光合分波器102に送信する(S70)。
【0129】
データセンタ側光合分波器102は、ユーザ側光合分波器101から受信した多重光信号を分波することで重畳光信号を生成し、その重畳光信号を、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250に送信する(S71)。現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250のラインポート158は、受信した重畳光信号をAMCC合分波部156に与える。AMCC合分波部156は、その重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部153に与える。AMCC信号処理部153は、そのAMCC信号のメッセージを確認することで、ACKであることを認識する。そして、AMCC信号処理部153は、そのACKをCPU254に与える。これにより、CPU254は、管理情報が正常に更新されたことを認識することができる。
【0130】
図11では、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210Aが転送を行う例を示したが、実施の形態2は、このような例に限定されない。例えば、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210B~210Dの何れかが転送を行ってもよい。
【0131】
図12は、実施形態2において、管理情報が更新された際における現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250での動作を示すフローチャートである。
CPU254が管理情報の更新を行った等で管理情報に変更があると、CPU254は、AMCC信号処理部153へ更新情報を与えて、AMCC信号で更新情報を送信することを指示する(S80)。
【0132】
次に、CPU254から更新情報を送信する指示を受けると、AMCC信号処理部153は、更新情報を含むメッセージのAMCC信号を作成し、そのAMCC信号をAMCC合分波部116に与える(S81)。
【0133】
更新情報を含むメッセージのAMCC信号を受けると、AMCC合分波部156は、主信号と、そのAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する(S82)。重畳光信号は、ラインポート158に与えられる。
そして、ラインポート158は、受け取った重畳光信号を送信する(S83)。
【0134】
ステップS83でラインポート158が重畳光信号を送信すると、CPU254は、ACKの受信を一定の時間を待機する(S84)。
そして、CPU254は、一定時間を待機すると、ACKを受信したか否かを判断する(S85)。ACKを受信した場合(S85でYES)には、処理は終了し、ACKを受信していない場合(S85でNO)には、処理はステップS86に進む。
【0135】
ステップS86では、CPU254は、ACKの受信に失敗したと判断し、ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回(Nは、1以上の整数)であるか否かを判断する。ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回ではない場合(S86でNO)には、処理はステップS80に戻り、ACKの受信に失敗した回数が予め定められたN回である場合(S86でYES)には、処理は終了する。
【0136】
図13は、実施形態2において、更新要求を示す重畳光信号を受信した現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210での動作を示すフローチャートである。
【0137】
現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210のラインポート118は、主信号とAMCC信号が重畳された重畳光信号を受信する(S90)。受信された重畳光信号は、AMCC合分波部116に与えられる。
【0138】
AMCC合分波部116は、重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部213に与える(S91)。
【0139】
AMCC信号処理部213は、AMCC合分波部116からAMCC信号を受けとり、管理情報の更新要求か否かを確認する(S92)。AMCC信号が更新要求ではない場合(S92でNO)には、処理はステップS93に進み、AMCC信号が更新要求である場合(S92でYES)には、処理はステップS94に進む。
【0140】
ステップS93では、AMCC信号処理部213は、AMCC信号に対して、そのAMCC信号で示されている内容に応じた処理を行う。
【0141】
一方、ステップS94では、AMCC信号処理部213は、AMCC信号をAMCC合分波部116に与え、AMCC合分波部116は、主信号と、AMCC信号とを重畳することで、重畳光信号を生成する。生成された重畳光信号は、ラインポート118に与えられる。
ラインポート118は、受け取った重畳光信号を送信する(S95)。
【0142】
ステップS95でラインポート118が重畳光信号を送信すると、AMCC信号処理部213は、ACKが返ってくるまで一定の時間待機する(S96)。
そして、AMCC信号処理部213は、一定時間の待機後に、ACKを受信できたか否かを確認する(S97)。一定時間内にACKを受信できなかった場合(S97でNO)には、処理は終了し、一定時間内にACKを受信できた場合(S97でYES)には、処理は、ステップS98へ進む。
【0143】
ステップS98では、AMCC信号処理部213は、ACKメッセージを示すAMCC信号をAMCC合分波部116に与え、AMCC合分波部116は、主信号と、そのAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する。生成された重畳光信号は、ラインポート118に与えられる。そして、ラインポート118は、受け取った重畳光信号を送信する(S99)。
【0144】
図14は、実施の形態2において、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290のラインポート298が重畳光信号を受信した際の動作を示すフローチャートである。
冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290のラインポート298は、主信号と、AMCC信号とが重畳された重畳光信号を受信する(S100)。受信された重畳光信号は、AMCC合分波部296に与えられる。
【0145】
AMCC合分波部296は、受け取った重畳光信号からAMCC信号を分波し、そのAMCC信号をAMCC信号処理部293に与える(S101)。
【0146】
AMCC信号処理部293は、受け取ったAMCC信号を解析することで、管理情報の更新要求か否かを確認する(S102)。AMCC信号が更新要求ではない場合(S102でNO)には、処理はステップS103に進み、AMCC信号が更新要求である場合(S102でYES)には、処理はステップS104に進む。
【0147】
ステップS103では、AMCC信号処理部293は、AMCC信号に対して、そのAMCC信号で示されている内容に応じた処理を行う。
【0148】
ステップS104では、AMCC信号処理部293は、AMCC信号に含まれている更新情報をCPU294に送り、CPU294は、更新情報を用いて、記憶部297に記憶されている、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250に対応する管理情報テーブル297aで示される管理情報を更新する。
【0149】
CPU294は、管理情報を更新すると、ACKを送信する指示をAMCC信号処理部293に与え、AMCC信号処理部293は、ACKメッセージを示すAMCC信号をAMCC合分波部296に与え、AMCC合分波部296は、主信号と、ACKメッセージが含まれるAMCC信号とを重畳することで重畳光信号を生成する(S105)。その重畳光信号は、ラインポート298に与えられる。
【0150】
ラインポート298は、その重畳光信号をデータセンタ側光合分波器102へ送信する(S106)。
【0151】
以上のように、実施の形態2によれば、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250と、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290とは、現用ユーザ側フレキシブルブリッジ210を経由することで冗長構成をとることができる。
このため、図示されてはいないが、光ネットワークシステム200を制御するコントローラから、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290及びデータセンタ側光合分波器102に切替指示を与えることにより、現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250から冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290への切り替えを行うことができる。この場合、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290では、CPU294が、記憶部297から故障が生じた現用データセンタ側フレキシブルブリッジ250の管理情報テーブル297aから管理情報を読み出して、その管理情報に従って、冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ290に設定を行うことで、現用系の動作を引き継ぐことができる。
【符号の説明】
【0152】
100,200 光ネットワークシステム、 101 ユーザ側光合分波器、 102 データセンタ側光合分波器、 110,210 現用ユーザ側フレキシブルブリッジ、 130 冗長ユーザ側フレキシブルブリッジ、 150,250 現用データセンタ側フレキシブルブリッジ、 290 冗長データセンタ側フレキシブルブリッジ、 111,131,151,291 クライアントポート、 112,132,152,292 信号制御部、 113,133,153,213,293 AMCC信号処理部、 114,134,154,254,294 CPU、 115,135,155,295 メモリ、 116,136,156,296 AMCC合分波部、 117,137,157,297 記憶部、 118,138,158,298 ラインポート。