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特開2024-169111情報処理装置、情報処理方法、記録媒体、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169111
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、記録媒体、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086314
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】515161043
【氏名又は名称】ベルフェイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 恭行
(72)【発明者】
【氏名】西山 直樹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】営業担当者等に対して評価を提示するとともに営業担当者のアクションを管理できるようにする。
【解決手段】情報処理装置の制御部は、面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、提示に対する被評価者の所定アクションを監視し、所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理とを実行するようにする。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させるとともに、提示内容に対する前記被評価者の所定アクションを記憶する提示制御処理と、
前記所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、
を実行する制御部を備えた
情報処理装置。
【請求項2】
前記評価データには、全部又は一部の前記評価項目に対して参考動画を関連づけた情報が含まれ、
前記制御部は、
前記提示制御処理で、前記参考動画を関連づけた情報を提示させ、
前記通知制御処理で、前記参考動画の視聴アクションを監視する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記参考動画は、対応する評価項目に関連するシーンの動画である
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価データには、前記評価項目毎に前記基準データとの差分に基づいて算出された前記被評価者のスコアが含まれる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記通知制御処理において、前記所定アクションに関する通知を前記被評価者又は前記被評価者の管理者の端末装置に送信するための処理を行う
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
面談に関する複数の評価項目のそれぞれについて、高評価面談情報に基づいて生成された第1の分析データと、低評価面談情報に基づいて生成された第2の分析データとを比較し、複数の前記評価項目のうちで分析データ同士の差分に基づいて注目評価項目を特定し、前記注目評価項目に関する基準データを設定する基準データ設定処理と、
被評価者の面談情報に基づいて生成された前記注目評価項目に関する分析データと、前記基準データを比較して、被評価者の評価データを生成する評価データ生成処理と、
を実行し、
前記提示制御処理では前記評価データ生成処理で生成した評価データを提示させる
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、
前記提示に対する前記被評価者の所定アクションを監視し、前記所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、
を情報処理装置が実行する情報処理方法。
【請求項8】
面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、
前記提示に対する前記被評価者の所定アクションを監視し、前記所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、
を情報処理装置に実行させるプログラムが一時的又は永続的に記録された記録媒体。
【請求項9】
面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、
前記提示に対する前記被評価者の所定アクションを監視し、前記所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、
を情報処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法、記録媒体、プログラムに関するものであり、面談に関する評価や教育に係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばインターネット等のネットワークを介したユーザ間のコミュニケーションとして同期共有コミュニケーションが広く行われている。ここで言う同期共有コミュニケーションとは、ゲスト端末とホスト端末とに例えば共通画像を含む表示コンテンツを同期表示させることにより行うユーザ間のコミュニケーションを意味する。例えば、表示コンテンツとして、各ユーザの撮像画像を含む表示コンテンツを共有させることで、各ユーザが相手や自身の姿を確認しながらのコミュニケーションを実現できる。
【0003】
このような同期共有コミュニケーションは、営業面談(商談)にも有効に用いられている。そして下記特許文献1には、商談などに用いる場合を想定し、商談の確認、検討を行うための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-71874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同期共有コミュニケーションを例えば取引事案の商談に用いることで、遠隔地に居る顧客と営業担当者の間で互いの姿を見ながら、或いは説明資料を共有しながら話を進めていくことができる。
【0006】
ここで企業側から同期共有コミュニケーションによる商談を考えると、営業担当者の商談技術の向上を図ることが重要である。例えば商談の経験が浅い営業担当者に対して適切な評価を行い、効率の良い学習環境を与えたい。
【0007】
そこで本発明では、商談等の面談に関して、営業担当者に適切な評価データを提示し、面談技術の教育に資することのできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、前記提示に対する前記被評価者の所定アクションを監視し、前記所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、を実行する制御部を備える。
【0009】
なお本発明の技術を適用できる面談とは、商取引としての商談や、医療、カウンセリング、講義、講演、教育、エンタテイメント、その他の面談など、人と人がコミュニケーションを図る各種の機会を含む。またオンライン面談や、直接対面しての面談のいずれをも含む。
また面談情報とは、例えば面談の際の画像や音声の情報である。
【0010】
そして本発明では上記構成により、被評価者とは例えば営業担当者などで、面談に関して、基準データと比較することで、その被評価者が改善すべきところ等を示す評価データを生成して提示する。また実際に被評価者が、提示に対するアクション、例えば理想動画の視聴などを行っているかを監視し、被評価者本人や上司などに通知する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、評価データとして営業担当者にとっての改善点を提示でき、営業力向上に役立てることができる。また実際に営業担当者のアクションを監視して通知することで、評価データを役立てているか否かを、営業担当者自身や上司が認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態のコミュニケーション支援システムの概要構成例のブロック図である。
図2】実施の形態のコミュニケーション支援システムで同期表示される表示コンテンツの説明図である。
図3】実施の形態における商談分析サーバとしての情報処理装置のハードウェア構成例を示したブロック図である。
図4】実施の形態における商談分析サーバとしての情報処理装置の機能構成の説明図である。
図5】実施の形態のデータベースの記憶内容の説明図である。
図6】実施の形態の処理の全体の説明図である。
図7】実施の形態のハイパフォーマーとローパフォーマーの分析データ処理のフローチャートである。
図8】実施の形態の分析データ群の内容の説明図である。
図9】実施の形態のモデルデータの生成のフローチャートである。
図10】実施の形態のモデルデータを用いた分析データ群の内容の説明図である。
図11】実施の形態の基準データ設定処理のフローチャートである。
図12】実施の形態の商談属性の説明図である。
図13】実施の形態の分析の説明図である。
図14】実施の形態の注目評価項目の特定の説明図である。
図15】実施の形態の評価データ生成処理のフローチャートである。
図16】実施の形態の評価データに基づく提示内容の説明図である。
図17】実施の形態の留意データ生成処理のフローチャートである。
図18】実施の形態の提示制御処理のフローチャートである。
図19】実施の形態の通知制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.システム構成>
<2.商談分析サーバ装置としての情報処理装置の構成>
<3.処理全体の流れ>
<4.分析データの保存処理>
<5.基準データ設定処理>
<6.評価データ生成処理>
<7.留意データ生成処理>
<8.評価データの提示及び通知>
<9.実施の形態の効果及び変型例>
【0014】
なお、実施の形態では「面談」の一例として営業担当者と顧客の間で行われる「商談」を挙げる。また「面談画像」とは例えば面談の様子を記録した画像(動画、静止画、スライド画像等を含む)であり、主には動画映像と音声を含む。この面談画像は、実施の形態においては同期共有コミュニケーションで行われる商談における画面映像と音声を記録した画像のこととなる。これを「商談画像」と呼ぶこととする。
【0015】
<1.システム構成>
図1は実施の形態としてのコミュニケーション支援システム100の概略構成例を示したブロック図である。
図示のようにコミュニケーション支援システム100は、コミュニケーション支援装置1(以下「支援装置1」と表記する)、ウェブサーバ装置2、ゲスト端末5、ホスト端末6、及び商談分析サーバ装置7を備えている。
【0016】
これら支援装置1、ウェブサーバ装置2、ゲスト端末5、ホスト端末6、及び商談分析サーバ装置7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備えた情報処理装置として構成されている。
【0017】
本例において、支援装置1、ウェブサーバ装置2、ゲスト端末5、ホスト端末6、及び商談分析サーバ装置7は、例えばインターネット等とされたネットワーク4を介して相互にデータ通信を行うことが可能とされている。
【0018】
ゲスト端末5は、ゲスト側のユーザU1により使用される情報処理装置であり、ホスト端末6は、ホスト側のユーザU2により使用される情報処理装置である。
実施の形態では、取引事案の商談においてコミュニケーション支援システム100を利用する例で説明するため、ゲスト側のユーザU1とは顧客であり、ホスト側のユーザU2とは営業担当者を指すことになる。そこで、以下ではゲスト側のユーザU1を「顧客U1」と表記し、ホスト側のユーザU2を「担当者U2」と表記する。
【0019】
但し、これは実施の形態のコミュニケーション支援システム100が、担当者と顧客の商談のみに適用可能という意味ではない。実施の形態のコミュニケーション支援システム100は、顧客と担当者の関係に限らず、多様な関係のユーザ間での面談の場におけるコミュニケーション支援に適用できるものである。例えばコミュニケーション支援システム100は、企業や学校などの組織内におけるコミュニケーション、地域内のコミュニケーション、友人同士のコミュニケーション、家族内のコミュニケーションなどを支援するシステムとして好適である。
【0020】
支援装置1は、顧客U1と担当者U2との間で同期共有コミュニケーションを行わせるための各種処理を行う情報処理装置であって、同期共有コミュニケーションの提供サービスを運営するサービス運営者により使用される情報処理装置である。
【0021】
ここで言う同期共有コミュニケーションとは、ゲスト端末5とホスト端末6とに共通画像などを含む表示コンテンツを同期表示させることによるユーザ間のコミュニケーションを意味する。
【0022】
図2A図2Bは、同期共有コミュニケーションにおいて顧客U1、担当者U2に対して同期表示される表示コンテンツの例を示している。
ここでは、ゲスト端末5、ホスト端末6からの提供画像がそれぞれのユーザを写した撮像画像である場合の表示コンテンツを例示しており、図2Aはゲスト端末5での表示コンテンツを、図2Bはホスト端末6での表示コンテンツを例示している。
【0023】
この場合、ゲスト端末5では、図2Aのようにコミュニケーション相手としての担当者U2の撮像画像vU2(ホスト端末6からの提供画像)が大きく表示され、自ユーザとしての顧客U1の撮像画像vU1が小さく表示される。同様に、ホスト端末6では、図2Bのようにコミュニケーション相手としての顧客U1の撮像画像vU1(ゲスト端末5からの提供画像)が大きく表示され、自ユーザとしての担当者U2の撮像画像vU2が小さく表示される。例えばこのような互いの画像を見ながら商談を進めることができる。
【0024】
なお、図2では同期共有コミュニケーションにおける表示コンテンツの同期表示例として、互いの端末での撮像画像が互いに同期表示される例を示したが、同期表示の対象となる画像は、撮像画像に限定されない。例えば、顧客U1と担当者U2との間で互いの撮像画像ではなく何らかの資料を共有することも考えられ、その場合には、同期表示の対象となる画像は、資料を示す画像となる。この場合の同期表示は、例えば顧客U1、担当者U2のうち資料の提供元としての一方のユーザが資料のページ送り操作を行うと、他方のユーザ側でも資料のページが送られる、というようにすることが考えられる。
【0025】
また上記のような資料共有を行う場合、共有する資料は、ユーザが支援装置1に予めアップロードした資料とすることもできる。その場合において、支援装置1は、アップロードされた資料をスライドショーに適した形式に変換して保存しておき、同期共有コミュニケーションの際には、このように保存した資料のスライド画像をゲスト端末5とホスト端末6とに同期表示させることも考えられる。
本開示において、「商談画像」とは、このように互いのカメラによって映された画像や、説明のために画面上で共有表示する資料、アイコン等の操作子など、商談中に表示される画像の総称とする。
【0026】
なおゲスト端末5とホスト端末6は、撮像機能と通話機能とを有する情報処理装置として構成される。ここで言う通話機能は、電話回線を介した通話の機能に限らず、インターネット回線等の電話回線以外の通信回線を介した通話の機能を広く意味する。
具体的には、ホスト端末6とゲスト端末5は、それぞれ例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、或いはスマートフォン等として構成されることが考えられる。
【0027】
図1において、支援装置1は、ゲスト端末5やホスト端末6からの提供画像を受け、これらゲスト端末5とホスト端末6との間で表示コンテンツを同期表示させるための処理等、顧客U1と担当者U2との間で同期共有コミュニケーションを行わせるための各種処理を行う。
【0028】
ここで、図1では、同期共有コミュニケーションの対象端末として1組のゲスト端末5とホスト端末6のみを示しているが、支援装置1は、1組のゲスト端末5とホスト端末6についてのみ同期共有コミュニケーションのための処理を行うのみではなく、複数のゲスト端末5とホスト端末6の組について同期共有コミュニケーションのための処理を行うことができる。すなわち、図示は省略しているが、本例におけるコミュニケーション支援システム100において、ゲスト端末5、ホスト端末6は実際にはそれぞれ複数存在することになる。本例では、同期共有コミュニケーションは1対1のユーザ間のコミュニケーションとなるが、支援装置1は、このような1対1の同期共有コミュニケーションの複数組について、端末間の接続等の必要な処理を行う。
【0029】
ただし、支援装置1が行う同期共有コミュニケーションのための処理は、ゲスト端末5とホスト端末6の各組について同様となることから、以下の説明では、代表となる1組のゲスト端末5とホスト端末6の組のみを挙げて、同期共有コミュニケーションに係る処理の説明を行う。
また1組として1対1のユーザを例に挙げて説明するが、1組としては、例えば1台のホスト端末6と複数台のゲスト端末5により、1対多の同期共有コミュニケーションもあり得る。例えば一人の担当者U2が複数人の顧客U1にプレゼンテーションをするようなケースである。
【0030】
ウェブサーバ装置2は、同期共有コミュニケーションを実現する上でゲスト端末5等が取得すべきウェブページデータ2a等を提供する情報処理装置とされる。
例えばウェブサーバ装置2は、オンラインでの商談を開始するためにゲスト端末5からアクセスするウェブページの提供、ゲスト端末5とホスト端末6で共有するUI画面を構成するウェブページの提供、商談資料として用いるウェブページの提供などを行う。
【0031】
本例において、ウェブサーバ装置2は、同期共有コミュニケーションのサービス運営者によって管理される情報処理装置であり、支援装置1と共にサービス運営システム3を構成する。
サービス運営システム3において、支援装置1とウェブサーバ装置2との間ではネットワーク4を介したデータ通信が行われても良い。支援装置1とウェブサーバ装置2は、ネットワーク4以外の通信回線を介したデータ通信が可能に構成されてもよい。また支援装置1とウェブサーバ装置2は一体の装置として構成されてもよい。
【0032】
但し、ウェブサーバ装置2は、サービス運営システム3とは無関係の装置であってもよい。例えば担当者U2が自分の会社のホームページを顧客U1と共有して商談を進める場合の、ホームページのサーバとしてウェブサーバ装置2が機能してもよい。
【0033】
商談分析サーバ装置7は、担当者U2の商談技術の向上を目的として、担当者U2の 評価や教育のための情報を提供する処理を行う情報処理装置である。例えば商談分析サーバ装置7は、ゲスト端末5とホスト端末6の間で行われる商談の商談画像を分析し、担当者U2の評価データを生成して、担当者U2の端末装置に提示させたり、担当者U2が視聴すべき参考動画を提示させたりする処理を行う。
データベース7aは、商談分析サーバ装置7が評価や提示のための情報を格納するデータベースである。以下、データベースについては「DB」と表記する。
【0034】
以下では、図1のような実施の形態におけるコミュニケーション支援システム100において、商談分析サーバ装置7の構成及び処理について詳しく説明していく。
【0035】
<2.商談分析サーバ装置としての情報処理装置の構成>
図3は商談分析サーバ装置7として機能できる情報処理装置10のハードウェア構成例を示したブロック図である。
【0036】
図3に示すように情報処理装置10はCPU11、ROM12、RAM13を備えている。CPU11は、各種の処理を行う演算処理部として機能し、ROM12に記憶されているプログラム、又は記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0037】
分析部25は例えば信号処理プロセッサやAI(Artificial Intelligence)プロセッサとして構成され、各種の分析処理、例えば画像解析処理、音声解析等が可能とされる。特に本実施の形態の場合、商談画像及び付随する音声データを分析して分析データを生成することができる。
なお分析部25の機能はCPU11が備えるようにしてもよい。
【0038】
CPU11、ROM12、RAM13、及び分析部25は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インタフェース(I/F)15も接続されている。
【0039】
入出力インタフェース15には、操作子や操作デバイスよりなる入力部16が接続される。例えば、入力部16としては、キーボード、マウス、キー、タッチパネル、タッチパッド、ダイヤル、リモートコントローラ等の各種の操作子や操作デバイスが想定される。
入力部16により操作が検知され、検知された操作に応じた信号はCPU11によって解釈される。
【0040】
また入出力インタフェース15には、LCD(Liquid Crystal Display)或いは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどよりなる表示部17や、スピーカなどよりなる音声出力部18が一体又は別体として接続される。
表示部17は、各種の情報表示に用いられ、例えば情報処理装置10の筐体に設けられるディスプレイデバイスや、情報処理装置10に接続される別体のディスプレイデバイス等により構成される。
【0041】
表示部17は、CPU11の指示に基づいて表示画面上に各種の画像処理のための画像や処理対象の動画等の表示を実行する。また表示部17はCPU11の指示に基づいて、各種操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を行う。
【0042】
入出力インタフェース15には記憶部19や、通信部20が接続される場合もある。
記憶部19はHDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などより構成され、各種の情報記憶を行う。記憶部19においてDBが構築される場合もある。例えば商談分析サーバ装置7として機能する情報処理装置10を想定した場合、DB7aが記憶部19において構築されると考えることもできる。
【0043】
通信部20は、インターネット等の伝送路を介しての通信処理や、各種機器との有線/無線通信、バス通信などによる通信を行う。
【0044】
入出力インタフェース15にはまた、必要に応じてドライブ22が接続され、メモリカードや光ディスクなどのリムーバブル記録媒体21が適宜装着される。
【0045】
ドライブ22により、リムーバブル記録媒体21から各処理に用いられるプログラム等のデータファイルなどを読み出すことができる。読み出されたデータファイルは記憶部19に記憶されたり、データファイルに含まれる画像や音声が表示部17や音声出力部18で出力されたりする。またリムーバブル記録媒体21から読み出されたコンピュータプログラム等は必要に応じて記憶部19にインストールされる。
【0046】
以上のようなハードウェア構成を有する情報処理装置10では、例えば本実施の形態の処理のためのソフトウェアを、通信部20によるネットワーク通信やリムーバブル記録媒体21を介してインストールすることができる。或いは、当該ソフトウェアは予めROM12や記憶部19等に記憶されていてもよい。
【0047】
CPU11が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、商談分析サーバ装置7としての必要な情報処理や通信処理が実行される。
【0048】
なお、以上は商談分析サーバ装置7としての情報処理装置10を示したが、支援装置1、ウェブサーバ装置2、ゲスト端末5、ホスト端末6も、概略同様の構成の情報処理装置により実現できる。
【0049】
そして支援装置1、ウェブサーバ装置2、商談分析サーバ装置7については、図3に示すような情報処理装置が単一で構成されることに限らず、複数の情報処理装置がシステム化されて構成されてもよい。複数の情報処理装置は、LAN(Local Area Network)等によりシステム化されていてもよいし、インターネット等を利用したVPN(Virtual Private Network)等により遠隔地に配置されたものでもよい。複数の情報処理装置には、クラウドコンピューティングサービスによって利用可能なサーバ群(クラウド)としての情報処理装置が含まれてもよい。
また支援装置1、ウェブサーバ装置2、商談分析サーバ装置7は一体的な情報処理装置により構成されてもよい。
【0050】
商談分析サーバ装置7としての情報処理装置10の制御部であるCPU11は、図4のような機能を備える。即ちCPU11は、基準データ設定処理部11a、評価データ生成処理部11b、提示制御処理部11c、通知制御処理部11d、留意データ生成処理部11eを備える。
【0051】
基準データ設定処理部11aは、商談に関する複数の評価項目のそれぞれについて、高評価面談情報に基づいて生成された分析データと、低評価面談情報に基づいて生成された分析データとを比較し、複数の評価項目のうちで分析データ同士の差分に基づいて注目評価項目を特定し、注目評価項目に関する基準データを設定する基準データ設定処理を行う機能である。
高評価面談情報とは、例えば商談で成約実績の高い営業担当者の商談の情報であり、商談における動画や音声などの情報である。低評価面談情報とは、例えば商談で成約実績の低い営業担当者の商談の情報であり、商談における動画や音声などの情報である。これらの高評価や低評価というのは、商談の場合は営業実績の評価に基づくことが想定されるが、商談以外の面談、例えば医療、カウンセリング、講義、講演、教育、エンタテイメント等の各種分野での面談について本技術を適用する場合でも、その面談の目的に応じた評価に基づいて高評価面談情報、低評価面談情報が選択されればよい。
【0052】
実施の形態では、高評価面談情報や低評価面談情報の例として商談画像を挙げる。例えば高評価面談情報は、商談実績の高い担当者(以下「ハイパフォーマー」と呼ぶ)の商談画像である。例えば商談の成約率が高い担当者、成約件数が多い担当者などの商談画像である。
また低評価面談情報は、商談実績の低い担当者(以下「ローパフォーマー」と呼ぶ)の商談画像である。例えば商談の成約率が低い担当者、経験の浅い担当者などの商談画像である。商談画像とは、商談における画面映像と音声を記録した画像(動画、静止画、疑似動画的なスライド画像等)のこととなる。
【0053】
分析データとは、商談画像(例えば動画とそれに付随する音声)から商談における各種の評価項目を分析したデータである。
注目評価項目とは、複数の評価項目のうちで、注目すべき評価項目である。特にはハイパフォーマーとローパフォーマーとで分析データの差分が大きい評価項目を注目評価項目とする。
基準データは、個々の担当者U2の評価を行うための基準となるデータである。注目評価項目に基づいて基準データを生成することで、ハイパフォーマーの商談技術や商談のコツというものを反映した基準データを生成することができる。
【0054】
評価データ生成処理部11bは、被評価者(或る担当者U2)の商談画像に基づいて生成された注目評価項目に関する分析データと、基準データを比較して、被評価者の評価データを生成する評価データ生成処理を行う機能である。
評価データは、被評価者とした担当者U2の個人についての評価データであり、特にはハイパフォーマーの商談技術を反映した基準データと比較して生成するため、ハイパフォーマーと被評価者とされた担当者U2の違いを反映したものとなる。
【0055】
提示制御処理部11cは、評価データ生成処理部11bが生成した評価データを提示させるとともに、提示内容に対する被評価者(或る担当者U2)の所定アクションを記憶する提示制御処理を行う機能である。
所定アクションとは、例えば参考動画の視聴というアクションである。
【0056】
通知制御処理部11dは、所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理を行う機能である。この場合の通知とは、評価された担当者U2本人への通知や上司(担当者U2の管理者)への通知である。
【0057】
留意データ生成処理部11eは、注目評価項目に基づいて、商談の際に担当者U2に提示させる留意データを生成し、記憶する処理を行う機能である。
留意データとは、商談時の注意事項、望ましい振る舞いや話題など、商談の際に担当者U2に対するアドバイスとなるような内容の情報である。具体的には、例えば商談の際に顧客U1にヒヤリングすべき事項や、アイスブレイクの時間、望ましい話題、資料説明のしかた等の情報が想定される。特にこれらの留意データは、商談時に図2Bのホスト端末6の画面上に表示されるようにし、商談中に担当者U2が視認できるようにすることが考えられる。
【0058】
CPU11は以上のような各機能を備えるが、実施の形態の商談分析サーバ装置7としての情報処理装置10のCPU11が、これらの全ての機能を備える必要はない。
例えばCPU11は、図4の機能のうちでは基準データ設定処理部11a、評価データ生成処理部11bのみを備える構成も考えられる。
またCPU11が図4の機能のうちでは提示制御処理部11c、通知制御処理部11dのみを備える構成も考えられる。
また商談分析サーバ装置7を複数の情報処理装置10で構成される場合に、各情報処理装置10のCPU11が、図4の機能を分散して備えるものでもよい。
またCPU11が図4に示していない処理機能を備えてもよい。
【0059】
図5は、図4の機能の処理の過程でDB7aに記憶されるデータについて示したものである。
商談画像データ群71は、実際の商談画像としての動画データ(音声データを含む)を示している。商談が行われる毎に、商談画像が追加されていく。
【0060】
DB7aには、分析データ群72として、商談画像を分析した分析データが記憶される。例えば各担当者U2の商談画像の分析処理が行われる毎に、その商談画像に対応して分析データが追加されていく。その中にはハイパフォーマーの商談画像を分析した分析データや、ローパフォーマーの商談画像を分析した分析データなどが含まれる。
【0061】
DB7aには、基準データ群73として、基準データ設定処理部11aが生成する基準データが記憶される。基準データは1つでもよいが、例えば商談属性(業界、商材、顧客種別など)に応じて複数生成されることが望ましい。
【0062】
DB7aには、留意データ群74として、留意データ生成処理部11eが生成する留意データが記憶される。例えば商談属性毎に留意データが生成され、追加記憶されていく。
【0063】
DB7aには、評価データ群75として、評価データ生成処理部11bが生成する評価データが記憶される。担当者U2に対する評価処理が行われる毎に生成される評価データが追加記憶されていく。
【0064】
<3.処理全体の流れ>
商談分析サーバ装置7の処理の全体の流れを図6で説明する。
【0065】
商談分析サーバ装置7はステップST1でハイパフォーマーの商談分析を行う。これはハイパフォーマーとして選択された担当者U2(区別のため「ハイパフォーマーU2H」と表記する)の商談画像から、各種の評価項目の分析を行って数値化やテキスト化を行い、保存する処理である。
【0066】
商談分析サーバ装置7はステップST2でローパフォーマーの商談分析を行う。これはローパフォーマーとして選択された担当者U2(区別のため「ローパフォーマーU2L」と表記する)の商談画像から、各種の評価項目の分析を行って数値化やテキスト化を行い、保存する処理である。
【0067】
なおステップST1,ST2は特に処理順序は固定されない。またステップST1,ST2の処理は逐次行われ、それによりハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lの分析データがDB7aに分析データ群72として追加保存されていけば良い。
【0068】
商談分析サーバ装置7はステップST3で注目評価項目の決定及び基準データの生成を行う。これは、ハイパフォーマーの分析データとローパフォーマーの分析データを比較して、差分の大きい評価項目を判定し、それを注目評価項目とする処理と、その注目評価項目に基づいて基準データを生成する処理を含む。
この場合、ハイパフォーマーの分析データとローパフォーマーの分析データとしては、共通する商談属性の分析データを用いることが望ましい。
【0069】
商談分析サーバ装置7はステップST4で、被評価者とされる特定の担当者U2(区別のため「被評価者U2d」と表記する)の評価データの生成を行う。これは被評価者U2dの商談画像の分析データと、基準データを比較して、被評価者U2dの評価データを生成する処理である。
【0070】
商談分析サーバ装置7はステップST5で、被評価者U2dの用いるホスト端末6の画面上に、評価データに基づく画像を表示させ、評価データ内容を提示する。またこの場合に提示に対する被評価者U2dのアクション(例えば参考動画視聴など)を監視し、被評価者U2d本人や上司に対する通知処理を行う。
【0071】
商談分析サーバ装置7は、上記のステップST3で注目評価項目の決定が行われることに応じて、ステップST6の留意データの生成を行うことができる。注目評価項目はハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの差分の大きい評価項目であるので、それに基づいて商談時に留意すべき内容を含む留意データを生成することができる。
【0072】
<4.分析データの保存処理>
以下、図6の各ステップでの具体的な処理例を説明する。まずステップST1,ST2の分析データの生成及び保存処理を説明する。
【0073】
図7A図6のステップST1の具体的な処理例である。
商談分析サーバ装置7の制御部であるCPU11は、図7AのステップS101でハイパフォーマーU2Hを選定する。例えば管理者等が営業成績のよい担当者U2を選択する操作を行うことに応じて、CPU11はその担当者U2をハイパフォーマーU2Hと選定する。なお営業成績等を記憶したデータベースを参照して、CPU11が自動的にハイパフォーマーU2Hを選定してもよい。
【0074】
ステップS102でCPU11はハイパフォーマーU2Hの商談分析の処理を行う。例えばCPU11は、選定したハイパフォーマーU2Hの商談画像をDB7aから読み出し、分析部25において各種の評価項目について分析させ、分析結果を受け取る。
【0075】
評価項目としては多様に考えられるが、例えば「アイスブレイク時間」「アイスブレイク使用キーワード」「スライド説明時間」「話す速度」「要望聴取の時間」「質問キーワード」「うなずき回数」「話す割合」「笑顔の回数」などである。もちろん業界、商材、顧客の種別、商談工程などの商談属性によっても評価項目は変わることがある。
【0076】
ステップS103でCPU11はハイパフォーマーU2Hについての評価項目のデータ生成を行う。例えばCPU11は、商談画像の分析結果から、上記のような評価項目毎の数値やテキストを含むデータを生成する。例えば「アイスブレイク時間:5分」「アイスブレイク使用キーワード:天気、新聞記事」などである。
【0077】
ステップS104でCPU11はこれらの評価項目について生成したデータをまとめて、ハイパフォーマーU2Hの分析データとしてDB7aに保存する処理を行う。
【0078】
図7B図6のステップST2の具体的な処理例である。
商談分析サーバ装置7の制御部であるCPU11は、図7BのステップS111でローパフォーマーU2Lを選定する。例えば管理者等が営業成績の低い担当者U2や経験の浅い担当者U2を選択する操作を行うことに応じて、CPU11はその担当者U2をローパフォーマーU2Lと選定する。CPU11が営業成績等を記憶したデータベースを参照して自動的にローパフォーマーU2Lを選定してもよい。
【0079】
ステップS112でCPU11はローパフォーマーU2Lの商談分析の処理を行う。例えばCPU11は、選定したローパフォーマーU2Lの商談画像をDB7aから読み出し、分析部25において各種の評価項目について分析させ、分析結果を受け取る。
【0080】
ステップS113でCPU11は上述のステップS103と同様に、ローパフォーマーU2Lについての評価項目のデータ生成を行う。
そしてステップS114でCPU11はハイパフォーマーの場合と同じ各評価項目について生成したデータをまとめて、ローパフォーマーU2Lの分析データとしてDB7aに保存する処理を行う。
【0081】
以上の処理により、例えば一人のハイパフォーマーU2Hの分析データと一人のローパフォーマーU2Lの分析データが得られる。このような処理が複数行われることで、DB7aには分析データ群72として、例えば図8のように複数のハイパフォーマーU2Hの分析データや、複数のローパフォーマーU2Lの分析データが保存される状態となる。
例えば図示のように分析データに対して、管理情報、商談属性、ファイルリンク等が関連づけられた状態で記憶される。
【0082】
管理情報とは、ハイパフォーマーU2H又はローパフォーマーU2Lとして選定された担当者U2の識別情報、分析対象の商談の情報、商談の日時などが含まれる。
【0083】
商談属性とは、その分析対象の商談についての業界、商材、顧客種別、商談工程などを示す情報が含まれる。
業界とは取引する顧客の業界、例えばIT業、建設業、製造業、小売り業、サービス業等の情報である。
商材は取引の対象の物品や役務の別やジャンルの情報である。
顧客種別には、顧客の規模(大企業、中小企業、コンスーマー)や、顧客U1の年齢層、性別、役職等の情報が含まれる。
商談工程とは、例えば商談の進行段階の別であり、例えば「ニーズ分析」「提案・説明」「交渉」などの段階を示す情報や、何回目の商談であるかの情報などである。
【0084】
ファイルリンクは、例えばその分析データの元となる商談画像の動画データや、関連するテキストデータファイル等のリンク情報である。関連づける動画データとしては、分析対象とした商談の全体の動画ファイルのリンクを含むが、さらに、その動画内でそれぞれの評価項目に対応したシーンを示す情報(例えばシーンの始点と終点のタイムコード等)が含まれるとよい。例えばアイスブレイクに関する評価項目に対応して、商談動画内でアイスブレイクと分析されたシーンとしての区間を示す始点と終点のタイムコードなどである。
【0085】
このように、ハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lの分析データが、管理情報、商談属性、ファイルリンク等を関連づけられて記憶されることで、後に適切な分析データを選択して基準データ設定を行うことができる。
【0086】
ところで以上は、担当者U2としての個人をハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lとして選択して、それぞれ、その個人の分析データを生成するものとしたが、ハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lのモデル(仮想的な人物)としての分析データを生成してもよい。
【0087】
例えばCPU11が図9の処理を行ってモデルデータを生成する。
ステップS121でCPU11がモデルに反映させる分析データを選択する。例えば或る商談属性におけるハイパフォーマーU2Hのモデルデータを生成する場合は、該当する商談属性のハイパフォーマーU2Hの分析データを選択する。
そしてステップS122で選択した分析データを機械学習への入力とし、ステップS123で学習結果に応じてモデルデータを更新する。
これをステップS124で終了とするまで、共通の商談属性の複数のハイパフォーマーU2Hの分析データに対して繰り返し実行していく。
【0088】
ローパフォーマーU2Lのモデルについても同様であり、複数のローパフォーマーU2Lの分析データを入力とする機械学習処理を行う。
【0089】
これにより例えば図10のような1又は複数のハイパフォーマーU2Hのモデルデータや、1又は複数のローパフォーマーU2Lのモデルデータが生成される。
1つのハイパフォーマーU2Hのモデルデータは、例えば特定の商談属性における複数のハイパフォーマーU2Hの分析データを入力し、機械学習により生成したモデルとして各評価項目の分析データである。
これに関連づけられた管理情報としては、モデル生成に用いた分析データを示す情報や更新情報などが含まれる。商談属性やファイルリンクとして、そのモデルデータに対応する商談属性や、動画データ等のリンクが設定される。
【0090】
1つのローパフォーマーU2Lのモデルデータも同様に、例えば特定の商談属性における複数のローパフォーマーU2Lの分析データを入力し、機械学習により生成したモデルとして各評価項目の分析データである。
【0091】
<5.基準データ設定処理>
図6のステップST3の基準データ設定について図11で説明する。CPU11は、ハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lの分析データを使用して、基準データ設定を行う。
【0092】
図11のステップS151でCPU11は、基準データを生成したい商談属性に応じてハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lの分析データを決定する。
例えば特定の業界の特定の商談工程についての基準データを生成したい場合に、CPU11は、その特定の業界の特定の商談工程という商談属性におけるハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lのそれぞれの分析データをDB7aから読み出す。
なお、この場合に特定のハイパフォーマーU2HやローパフォーマーU2Lの分析データではなく、ハイパフォーマーU2Hのモデルデータ、ローパフォーマーU2Lのモデルデータ、或いはその両方を用いてもよい。
【0093】
図12は、商談属性として業界や商談工程を模式的に示している。
業界A,B,C毎に商談工程P1,P2,P3,P4が異なっていたり、各商談工程の内容が異なっていたりする。そのため、ある業界や商談工程の商談と、他の業界や商談工程の商談とでは、担当者U2の望ましい形(会話、話題、時間配分等)が異なることもある。
そこで或る業界の或る商談工程についての評価のための基準データを生成したいのであれば、当該業界の当該商談工程における、ハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析データを比較するものとする。
【0094】
例えば図13には、図12の業界Aにおける商談工程P2についての、ハイパフォーマーU2Hの分析データとローパフォーマーU2Lの分析データ(ここで時間配分の分析データ)を示している。
このように商談属性が共通のハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析データを比較するようにする。
【0095】
ここでは業界と商談工程を例にしたが、商材や顧客属性といった商談属性を対象としてもよい。
評価の目的に応じて、1又は複数の商談属性を決定し、その商談属性における基準データを生成していくことになる。
【0096】
図11のステップS152でCPU11は、処理対象として選択したハイパフォーマーU2Hの分析データとローパフォーマーU2Lの分析データについて、各評価項目の比較処理を行う。
そしてステップS153でCPU11は、商談属性に応じた注目評価項目を特定する。
【0097】
以上の処理を図14に模式的に示す。図14には、評価項目としてば「アイスブレイク時間」「アイスブレイク使用キーワード」等を示すとともに、それらの評価項目についてのハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析結果を示している。
この例では「アイスブレイク時間」では「5分」と「1分」というように差分が大きい。一方「話す速度」では「1.8語/秒」と「2.0語/秒」というように差分が小さい。
【0098】
なお、差分が大きいか小さいかは、それぞれ評価項目毎に差分の大小判定のための閾値が設定されればよい。また閾値は、例えば同一の商談属性における複数のハイパフォーマーU2Hの平均値と、複数のローパフォーマーU2Lの平均値等を比較して、その中央値などとして設定することも考えられる。
【0099】
このような同じ評価項目同士の分析結果についてハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの差分の大小を判定し、差分の大きい評価項目を注目評価項目とする。
図の例では「アイスブレイク時間」「アイスブレイク使用キーワード」「スライド説明時間」「要望聴取の時間」「質問キーワード」「うなずき回数」が注目評価項目とされている。
【0100】
図11のステップS154でCPU11は、理想形の決定を行う。具体的には注目評価項目のハイパフォーマーU2Hの分析結果を理想形とする。
またステップS155でCPU11は、理想形とした内容に応じた商談画像を特定する。例えば図14の「アイスブレイク時間」「アイスブレイク使用キーワード」に応じて、そのハイパフォーマーU2Hの商談画像におけるアイスブレイクのシーンの動画を特定する。例えば図8図10で説明したファイルリンクの情報を用いることでシーンを特定できる。或いは同じ商談属性での他のハイパフォーマーU2Hのアイスブレイクのシーンも同時に対応する動画データとして特定してもよい。
また「スライド説明時間」という注目評価項目に関しても、ステップS151で分析データを用いたハイパフォーマーU2Hや、同じ商談属性での他のハイパフォーマーU2Hのスライド説明のシーンの動画データを、対応づける。
【0101】
そして注目評価項目としての理想形としての数値やテキストデータ、及び対応する動画を示す情報を含んで、基準データを設定し、これをDB7aに記憶する。
これにより、或る商談属性に応じた1つの基準データが設定されたことになる。
このような処理を商談属性毎に実行することで、業界、商材、顧客種別、商談工程の1つ或いは組み合わせに応じた基準データが作成されていく。
【0102】
<6.評価データ生成処理>
次に図6のステップST4の評価データの生成について図15図16を用いて説明する。これは或る担当者U2を被評価者U2dとし、その被評価者U2dにつての評価データを生成する処理である。
【0103】
図15のステップS171でCPU11は、被評価者U2dとなる担当者U2を指定する。例えば担当者本人や上司の入力などに応じて、CPU11は特定の担当者U2を被評価者U2dとする。
【0104】
ステップS172でCPU11は、被評価者U2dの商談画像を分析し、理想形としての基準データと比較する。この場合の基準データは、評価対象とする被評価者U2dの商談画像と同じ商談属性の基準データである。
このステップS172の処理では、CPU11は、まず被評価者U2dについての商談画像をDB7aから読み出し、分析部25により画像分析させ、注目評価項目についての分析結果を得る。そして、その注目評価項目毎の分析結果を、共通の商談属性での基準データにおける分析結果と比較する。
【0105】
図16には図15の例における注目評価項目について、基準データにおける分析結果(つまりハイパフォーマーU2Hの分析結果)と、被評価者U2dの分析結果を示している。
【0106】
図15のステップS173でCPU11は、比較結果により、被評価者U2d(担当者U2)が改善すべき評価項目を特定する。例えば注目評価項目の中で、分析結果としての数値や内容の差分が大きい評価項目を改善すべき評価項目とする。
例えば被評価者U2dの各項目の分析結果を、基準データと比較し、スコア化する。図16では、担当者のスコアとして、数値を示している。
このスコアが低い項目が、改善すべき評価項目となる。
【0107】
ステップS174でCPU11は、改善項目に関して提示する評価データを生成する。例えば被評価者U2dについてスコアが低い評価項目について、参考商談動画を関連づける処理を行う。参考商談動画とは、上述のように基準データにおいて注目評価項目に関連づけられたシーンの動画などである。また上司や同僚等のコメントのデータが存在すれば、それを関連づける。
【0108】
そしてCPU11は、これら注目評価項目、改善すべき評価項目、各評価項目のスコア、参考動画リンク、コメント、及び動画再生回数をまとめて、当該被評価者U2dについての評価データとする。
【0109】
CPU11はこのように生成した評価データをステップS175でDB7aに記憶させる。これにより被評価者U2dや上司等は、以降、その被評価者U2dにつての評価データを閲覧できる。
【0110】
<7.留意データ生成処理>
図6のステップST6の留意データ生成について図17で説明する。
或る商談属性について図6のステップST3で注目評価項目が決定されることで、CPU11はそれに基づいて任意のタイミングで留意データを生成する。
【0111】
図17のステップS191でCPU11は注目評価項目を取得する。
ステップS192でCPU11は、注目評価項目に基づいて留意データを生成する。例えば或る商談属性において、注目評価項目自体が留意データとなる。またアイスブレイクや商品説明でハイパフォーマーU2Hが用いた話題やキーワード等も留意データに含まれる。また顧客U1に対するヒヤリング内容も留意データに含まれる。またハイパフォーマーU2Hにおけるアイスブレイク、ヒヤリング、スライド説明などの時間配分も留意データに含まれる。
【0112】
これらの留意データを生成したら、CPU11はステップS193で、商談属性に対応させて留意データをDB7aに記憶させる。
このような処理が行われることで、商談属性毎に、その商談で担当者U2が留意すべきことを纏めたデータが生成されることになる。
従って、実際の商談の際に、ホスト端末6の画面上で留意データの内容が表示されるようにすることで、その商談において留意することを担当者U2に伝えることができる。これにより、特に次回以降の商談の内容がリアルタイムで改善されることにつながる。
【0113】
<8.評価データの提示及び通知>
図6のステップST5の提示及び通知の処理の具体例を説明する。
図18は評価データの提示処理例である。
【0114】
CPU11は、担当者U2等の端末からの要求に応じて、ステップS201で提示する評価データをDB7aから取得する。例えば担当者U2の識別情報に応じて、その担当者U2についての評価データを検索する。
【0115】
そしてCPU11はステップS202で評価データの提示制御処理を行う。つまりCPU11はDB7aから読み出した評価データを、その担当者の端末装置等に送信し、内容を表示させる。
具体的には図16のような内容を画面上で表示させる。
【0116】
例えば表示上では、ハイパフォーマーU2H(つまり基準データ)についての評価項目の分析結果とともに、その担当者U2の分析結果が示され、スコアも表示される。
これにより担当者U2は、自分にとって改善すべき評価項目を知ることができる。また改善すべき評価項目については、参考商談動画として、1又は複数の参考動画のリンクが提示される。
また、それらの評価項目について上司や同僚のコメントが存在する場合は、それらも表示される。
【0117】
担当者U2はこのような内容を閲覧することで、自分の商談技術で足りないところなどを把握できる。
また担当者U2は、参考商談動画における動画リンクをクリックするなどにより、参考動画を視聴できる。参考動画は、評価項目に対応するハイパフォーマーU2Hの商談シーンなどであり、商談全体ではない。このため担当者U2は、商談全体の動画をみたり、必要なシーンを探したりしなくても、容易かつ短時間で、自分にとって必要なシーンを視聴できることになる。
【0118】
このような内容の提示をみた担当者U2が、動画視聴操作を行った場合は、CPU11は図18のステップS203からステップS205に進み、リンクされた動画の再生処理を行う。そしてCPU11は動画の再生終了によりステップS206からステップS207に進み、再生回数のカウント処理を行う。再生回数のカウント値はその担当者U2の評価データに含まれるものとし、ステップS207では評価データ内で記憶するカウント値の更新も行う。
【0119】
提示画面上には、参考動画についての動画再生回数も表示される。この動画再生回数としてはステップS207のカウント処理に基づく数値が表示される。
この動画再生回数の表示は、担当者U2が実際に参考動画を見て、商談技術向上のための学習を行っているか否かを示すものとなる。
【0120】
担当者U2が評価データの閲覧終了の操作を行った場合に、CPU11はステップS204から提示処理を終える。
【0121】
図19は通知処理例を示している。この通知処理は例えばCPU11が各担当者U2を対象にして定期的に実行すればよい。
【0122】
ステップS221でCPU11は処理対象の担当者U2を特定する。
ステップS222でCPU11は、特定した担当者U2の評価データをDB7aから取得する。
【0123】
ステップS223でCPU11は評価データに含まれる参考動画の再生回数のカウント値を確認し、規定回数以上の視聴を行っているか否かを判定する。
規定回数に満たない場合は、CPU11はステップS225に進み、視聴リマインドの通知処理を行う。例えば担当者U2本人やその上司の端末に、参考動画の視聴を勧める通知を送信する処理を行う。通知方法としては、電子メールで規定回数再生の未達を伝えても良いし、規定回数再生の未達の旨を示すポップアップ表示が担当者U2の端末の画面に実行されてもよい。さらには、評価データを閲覧する画面を開いた際に画面上に規定回数再生の未達を示す表示がなされても構わない。なお、この視聴リマインド通知は、再生回数が規定回数に達するまで定期的に実行されても構わない。
【0124】
規定回数以上の視聴を行っていると判定した場合は、CPU11はステップS223からステップS224に進み、担当者U2本人やその上司の端末に対して視聴実績充足の通知処理を行う。この場合に、CPU11は人事評価システムに対して担当者U2が視聴実績を充足していることの通知を行うようにしてもよい。
【0125】
例えば図19のような処理を行うことで、各担当者が評価データの閲覧画面を有効に活用しているかを上司等が確認できるようになる。
【0126】
<9.実施の形態の効果及び変型例>
以上の実施の形態では次のような効果が得られる。
【0127】
実施の形態の商談分析サーバ装置7としての情報処理装置10は、制御部であるCPU11が、商談に関する複数の評価項目のそれぞれについて、ハイパフォーマーU2Hの商談画像に基づいて生成された第1の分析データと、ローパフォーマーU2Lの商談画像に基づいて生成された第2の分析データとを比較し、複数の評価項目のうちで分析データ同士の差分に基づいて注目評価項目を特定し、注目評価項目に関する基準データを設定する基準データ設定処理を行う。またCPU11は被評価者U2dの面談画像に基づいて生成された注目評価項目に関する分析データと、基準データを比較して、被評価者U2dの評価データを生成する評価データ生成処理を行う(図11図15参照)。
【0128】
このような商談分析サーバ装置7では、ハイパフォーマーU2Hの商談とローパフォーマーU2Lの商談とで、差の大きな評価項目を特定し、それを注目評価項目として用いて、各営業担当者と理想形の比較を行うことになる。これは、ハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの違いを明確に表すものとなる。換言すれば、ハイパフォーマーU2Hが意識的もしくは無意識で発揮している商談技術や会話のコツなどを注目評価項目として可視化するものといえる。
そして各注目評価項目について、理想形としての基準データと、各担当者U2の商談の分析データを比較するため、評価データは、担当者U2の不足している部分が明確にわかり、営業力の向上に役立つ情報となる。
【0129】
実施の形態では、商談分析サーバ装置7は、基準データ設定処理において、同じ商談属性のハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの商談画像に基づいて生成された分析データを比較して注目評価項目を特定するものとした(図11のステップS201からS153参照)。
商談属性によって、ハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの差分が発生する評価項目が異なることがある。そこで同じ商談属性の商談画像に基づくハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析データに基づいて注目評価項目を決定する。これにより商談属性に適した評価のための基準データを設定することができる。
なお、特に商談属性によって区別しないで、一般的な商談という観点で基準データの設定を行うことも可能である。
【0130】
実施の形態では、商談属性は、商談の属性であり、商談を行う業界の情報、商材の情報、商談工程の情報、顧客種別の情報のいずれかを含むものとした。
商談の好適な進め方や商談技術は、業界、商材、商談工程、顧客種別などによって異なることが考えられる。そこで、これらの商談属性として同じ商談属性の商談画像に基づくハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析データを比較することが適切となる。
【0131】
実施の形態では、営業実績が高いとして選択された担当者U2(ハイパフォーマーU2H)による商談画像と、営業実績が低いとして選択された担当者U2(ローパフォーマーU2L)による商談画像を用いて、注目評価項目を決定し、基準データを生成するものとした。
これによりハイパフォーマーに特有の商談技術を抽出できる。これを評価のための基準データとすることで、ハイパフォーマーの商談技術を適切に伝える教育に好適となる。
【0132】
実施の形態では、評価データには注目評価項目毎に基準データとの差分に基づいて算出された被評価者U2dのスコアが含まれるものとした(図15図16参照)。
被評価者U2dについてハイパフォーマーU2Hの商談画像に基づく基準データとの差分に基づいて注目評価項目に関するスコアを求めることで、被評価者U2dと、ハイパフォーマーU2Hの違いを注目評価項目毎に明示できる。
【0133】
実施の形態では、評価データには、全部又は一部の注目評価項目に対して参考動画を関連づけた情報が含まれるものとした(図15図16参照)。
被評価者U2dについて、例えばスコアが低い注目評価項目の参考動画を提示できるように、例えば参考動画のリンク情報を設定する。これにより、その被評価者U2dが参考にすべきハイパフォーマーU2Hの商談画像を明確に提示できる。
特にその担当者にとって不足している注目評価項目の参考動画を提示することは、担当者が視聴すべき動画を提示することになり、短時間で効率的に動画を視聴するという点で好適となる。
【0134】
実施の形態では、参考動画は、対応する注目評価項目に関連するシーンの動画であるとした。例えば参考動画リンクで示される動画は、参考となるハイパフォーマーの商談全体ではなく、関連づけられた注目評価項目に関連するシーンである。例えばアイスブレイクに関する評価項目については、ハイパフォーマーU2Hのアイスブレイクのシーンの動画となる。このように商談全体ではなく、必要なシーンのみを抽出することで、担当者は効率的に商談技術の学習ができるようになる。
【0135】
実施の形態では、CPU11は注目評価項目に基づいて面談の際に提示させる留意データを生成し、記憶する処理を行うものとした(図17参照)。
ハイパフォーマーU2HとローパフォーマーU2Lの分析結果の比較に基づく注目評価項目は、それ自体が商談の成否に影響を与える事項の情報となる。そこで注目評価項目に基づいて留意データを生成し、記憶しておくことで、商談の際に担当者に有用な情報を提供できるようになる。
【0136】
実施の形態の商談分析サーバ装置7としての情報処理装置10は、制御部であるCPU11が、商談に関する複数の評価項目について、被評価者U2dの商談画像に基づいて生成された分析データと、複数の評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させるとともに、提示内容に対する被評価者U2dの所定アクションを記憶する提示制御処理を行う。またCPU11は、所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理を行う(図18図19参照)
このような商談分析サーバ装置7では、評価データを提示することで、担当者U2にとって改善すべきところ、足りないところなどを明示でき、営業力向上に役立てることができる。また実際に参考動画の視聴などのアクションを行っているかを監視して通知することで、評価データを役立てているか否かを、担当者自身や上司が認識できるようになる。
またアクション実行の通知は、担当者の人事評価に反映させてもよい。例えば参考動画の視聴履歴を人事評価データとするなどである。
【0137】
実施の形態では評価データには、全部又は一部の前記評価項目に対して参考動画を関連づけた情報が含まれ、CPU11は、提示制御処理で、参考動画を関連づけた情報を提示させ、通知制御処理で、参考動画の視聴アクションを監視するものとした。
これにより、担当者が提示された参考動画を実際に視聴しているかどうかを管理できるようになる。
監視するアクションは動画視聴に限られない。例えば担当者自身が上司へのレポート送信、留意データの作成なども提示画面から可能とし、それらのアクションの実行を監視し、カウントするようにしてもよい。
【0138】
実施の形態では、CPU11は通知制御処理において、所定アクションに関する通知を被評価者U2d又は被評価者U2dの管理者(上司等)の端末装置に送信するための処理を行うものとした。
これにより、担当者U2による参考動画の視聴等のアクションの実行を、担当者自身に推奨したり、管理者である上司に伝えたりすることができ、実際の商談技術の向上に役立てることができる。
【0139】
実施の形態のプログラムは、図7図9図11図15図17図18図19の処理の全部又は一部をCPU11に実行させるプログラムである。
そのプログラムは、面談に関する複数の評価項目のそれぞれについて、高評価面談情報に基づいて生成された第1の分析データと、低評価面談情報に基づいて生成された第2の分析データとを比較し、複数の評価項目のうちで分析データ同士の差分に基づいて注目評価項目を特定し、注目評価項目に関する基準データを設定する基準データ設定処理と、被評価者の面談情報に基づいて生成された注目評価項目に関する分析データと基準データを比較して、被評価者の評価データを生成する評価データ生成処理と、を情報処理装置に実行させるプログラムである。
またプログラムは、面談に関する複数の評価項目について、被評価者の面談情報に基づいて生成された分析データと、複数の前記評価項目についての比較基準となる基準データとを比較して生成された評価データを提示させる提示制御処理と、提示に対する被評価者の所定アクションを監視し、所定アクションに関する通知を実行させる通知制御処理と、を情報処理装置に実行させるプログラムである。
【0140】
このようなプログラムにより、実施の形態で説明した商談分析サーバ装置7としての全部又は一部の機能を実行する情報処理装置10を実現できる。例えばパーソナルコンピュータ、携帯型情報処理装置等にプログラムをダウンロードすることで、当該パーソナルコンピュータ等を、商談分析サーバ装置7として機能させることができる。
【0141】
このようなプログラムは、コンピュータ装置等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。また、メモリカードや光ディスク等のリムーバブル記録媒体に一時的或いは永続的に記録して提供できる。
また、このようなプログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0142】
実施の形態の商談分析サーバ装置7は、コミュニケーション支援システム100で行われる担当者U2と顧客U1の商談について分析するものとしたが、いわゆる商談に限らず、医療、教育、配信等の分野におけるコミュニケーションに関しての分析にも利用できる。例えば実施の形態の技術は、リモート講義などで、ホスト側の教師に対する評価データ生成、提示、通知などの各処理に適用できる。
【0143】
実施の形態では、同期共有コミュニケーションを行う支援システム100での商談を例に挙げて本技術を説明したが、本開示の技術は、例えば担当者U2と顧客U1が対面して行う商談など、直接の面談に関しても適用できる。
例えば対面での面談を録音することで、面談情報が保存される。例えば多指向性マイクを担当者U2と顧客U1との間に設置して音声を録音しておけば、その録音データを面談情報とし、話す速さや、発言が被った回数など、各種の評価項目を導出できる。もちろん対面での面談をビデオカメラで録画しておくこともでき、この録画データも面談情報となる。
【0144】
また実施の形態では、高評価面談情報、低評価面談情報、被評価者の面談情報としての「面談情報」とは、音声を含む面談画像(商談画像)としたが、画像データだけでもよいし、音声データだけでもよい。
【符号の説明】
【0145】
5 ゲスト端末
6 ホスト端末
7 商談分析サーバ装置
10 情報処理装置
11 CPU
11a 基準データ設定処理部
11b 評価データ生成処理部
11c 提示制御処理部
11d 通知制御処理部
71 商談画像データ群
72 分析データ群
73 基準データ群
74 留意データ群
75 評価データ群
100 コミュニケーション支援システム
U1 顧客(ゲスト側のユーザ)
U2 担当者(ホスト側のユーザ)
U2H ハイパフォーマー
U2L ローパフォーマー
U2d 被評価者
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