(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179315
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20241219BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20241219BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241219BHJP
B60K 8/00 20060101ALI20241219BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20241219BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/2475
B60K1/04 Z
B60K8/00
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098061
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直行
【テーマコード(参考)】
3D235
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
3D235AA16
3D235BB36
3D235CC13
3D235CC22
5H126BB06
5H126FF10
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA39
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB26
5H127BB37
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE15
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】筐体の内部におけるレイアウトの制約を小さくする。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池スタックと、コンバータ30と、フレーム41と、筐体と、を備える。燃料電池スタック、及びコンバータ30は、フレーム41に取り付けられた状態で筐体に収容されており、フレーム41は、コンバータ30が取り付けられる取付面を有している。コンバータ30は、放熱部33を有するとともに、取付面との間に放熱部33が位置する状態で取付面に取り付けられており、フレーム41は、放熱部33の少なくとも一部が取付面の裏面に露出する開口部を有している。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックと、
コンバータと、
フレームと、
筐体と、を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタック、及び前記コンバータは、前記フレームに取り付けられた状態で前記筐体に収容されており、
前記フレームは、前記コンバータが取り付けられる取付面を有しており、
前記コンバータは、放熱部を有するとともに、前記取付面との間に前記放熱部が位置する状態で前記取付面に取り付けられており、
前記フレームは、前記放熱部の少なくとも一部が前記取付面の裏面に露出する開口部を有していることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記コンバータは、ブラケットを介して前記取付面に取り付けられており、
前記ブラケットは、前記取付面における前記フレームの厚さ方向において前記開口部の少なくとも一部に重なる位置に開口部を有する請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記筐体は、矩形状の底板と、矩形状の天板と、前記底板の周縁と前記天板の周縁とを繋ぐ側壁と、を有し、
前記側壁のうち、対向する一対の側壁の一方が排気部を有するとともに、他方が吸気部を有しており、
前記取付面は、前記排気部を有する側壁と前記吸気部を有する側壁が対向する方向に沿って延びている請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記取付面の裏面側に、当該裏面と間隔をおいて排水タンクを有しており、
前記排水タンクは、前記取付面における前記フレームの厚さ方向において前記開口部の少なくとも一部に重なる位置に、前記裏面との間隔が大きくなる凹部を有する請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記排水タンクの前記凹部と間隔をおいて配置されたインタークーラーを有する請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記コンバータは、リアクトルを有しており、
前記リアクトルは、前記コンバータの前記放熱部よりも前記排気部に近い位置に取り付けられている請求項3に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池システムを備える産業車両が記載されている。
図11に示すように、上記燃料電池システム70は、筐体71を有している。また、筐体71の内部に燃料電池72と、燃料電池72を冷却するラジエータ73と、ラジエータ冷却ファン74と、電気部品75と、電気部品75と熱伝達可能に設けられる放熱体76と、放熱体冷却ファン77とを収容している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の産業車両は、放熱体冷却ファン77を筐体71の内部に収容しているため、放熱体冷却ファン77の分だけ筐体71の内部のスペースが狭くなる。そのため、筐体71の内部におけるレイアウトの制約が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する燃料電池システムは、燃料電池スタックと、コンバータと、フレームと、筐体と、を備える燃料電池システムであって、前記燃料電池スタック、及び前記コンバータは、前記フレームに取り付けられた状態で前記筐体に収容されており、前記フレームは、前記コンバータが取り付けられる取付面を有しており、前記コンバータは、放熱部を有するとともに、前記取付面との間に前記放熱部が位置する状態で前記取付面に取り付けられており、前記フレームは、前記放熱部の少なくとも一部が前記取付面の裏面に露出する開口部を有している。
【0006】
これによれば、燃料電池システムのフレームが、放熱部の少なくとも一部が取付面の裏面に露出する開口部を有していることによって、放熱部を流通した空気を、開口部を通じてフレームの裏面側に流通させることができる。また、開口部を通じてフレームの裏面側の空気を放熱部に流通させて、放熱部を冷却することもできる。放熱部の周囲の風通しを良くすることができるため、効率良く放熱部を冷却することができる。さらに、放熱部を冷却するための冷却ファンを省略することができるため、筐体の内部におけるレイアウトの制約を小さくすることができる。
【0007】
上記の燃料電池システムにおいて、前記コンバータは、ブラケットを介して前記取付面に取り付けられており、前記ブラケットは、前記取付面における前記フレームの厚さ方向において前記開口部の少なくとも一部に重なる位置に開口部を有するとよい。
【0008】
これによれば、コンバータが、ブラケットを介してフレームの取付面に取り付けられていても、フレームとブラケットの両開口部を通じて放熱部の周囲の風通しを良くすることができる。
【0009】
上記の燃料電池システムにおいて、前記筐体は、矩形状の底板と、矩形状の天板と、前記底板の周縁と前記天板の周縁とを繋ぐ側壁と、を有し、前記側壁のうち、対向する一対の側壁の一方が排気部を有するとともに、他方が吸気部を有しており、前記取付面は、前記排気部を有する側壁と前記吸気部を有する側壁が対向する方向に沿って延びているとよい。
【0010】
これによれば、フレームの取付面が、吸気部から排気部に向かう気流を妨げにくくなるため、この気流を利用して、効率良く放熱部を冷却することができる。
上記の燃料電池システムにおいて、前記取付面の裏面側に、当該裏面と間隔をおいて排水タンクを有しており、前記排水タンクは、前記取付面における前記フレームの厚さ方向において前記開口部の少なくとも一部に重なる位置に、前記裏面との間隔が大きくなる凹部を有するとよい。
【0011】
これによれば、排水タンクが、取付面におけるフレームの厚さ方向において開口部の少なくとも一部に重なる位置に、フレームの裏面との間隔が大きくなる凹部を有することによって、フレームの裏面側において、開口部周辺の気流を妨げにくくなる。そのため、取付面の裏面側に排水タンクを有していても、効率良く放熱部を冷却することができる。
【0012】
上記の燃料電池システムにおいて、前記排水タンクの前記凹部と間隔をおいて配置されたインタークーラーを有するとよい。
これによれば、インタークーラーが排水タンクの凹部と間隔をおいて配置されていることによって、開口部周辺の気流を妨げにくくなる。そのため、インタークーラーを有していても効率良く放熱部を冷却することができる。
【0013】
上記の燃料電池システムにおいて、前記コンバータは、リアクトルを有しており、前記リアクトルは、前記コンバータの前記放熱部よりも前記排気部に近い位置に取り付けられているとよい。
【0014】
これによれば、フレームの開口部を流通する気流を利用して、効率良くリアクトルを冷却することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、筐体の内部におけるレイアウトの制約を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】コンバータが取り付けられたフレームの斜視図である。
【
図4】コンバータが取り付けられたフレームの分解斜視図である。
【
図5】ブラケットに取り付けられたコンバータの斜視図である。
【
図6】ブラケットに取り付けられたコンバータの側面図である。
【
図7】ブラケットに取り付けられたコンバータの別角度の斜視図である。
【
図9】フレームに取り付けられたコンバータの斜視図である。
【
図10】筐体を除いた燃料電池システムの正面図である。
【
図11】従来技術の燃料電池システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、燃料電池システムを具体化した一実施形態を
図1~
図10にしたがって説明する。
燃料電池システム10は、図示しない産業車両に搭載される。
【0018】
<燃料電池システムの全体構成>
図1~4に示すように、燃料電池システム10は、筐体11、燃料電池スタック12、水素タンク13、エアコンプレッサ14、気液分離器15a、希釈器15b、及び排水タンク16を備える。また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の出力電圧を変換する電圧変換装置としてのDC/DCコンバータ(以下、コンバータ30ともいう。)、蓄電装置としてのキャパシタ20、熱交換器としてのインタークーラー23、フレーム40、及び制御部を備える。制御部には、ECU24(electronic control unit)、モータドライバ25、コンタクタパネル26等が含まれる。
【0019】
また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の図示しないアノードと水素タンク13を接続する水素供給路17と、燃料電池スタック12の図示しないカソードとエアコンプレッサ14を接続するエア供給路18と、を備える。エア供給路18にインタークーラー23が取り付けられている。燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と気液分離器15aを接続する排出路19a1と、燃料電池スタック12と希釈器15bを接続する排出路19a2と、希釈器15bと排水タンク16を接続する排水路19bと、を備える。
【0020】
また、燃料電池システム10は、外気と熱交換媒体との間で熱交換を行うラジエータともいう熱交換器21と、熱交換器21に向けて送風するラジエータ冷却ファンともいうファン21aと、を備える。さらに、熱交換媒体を燃料電池スタック12と熱交換器21との間で循環させる循環流路22を備える。熱交換媒体としては冷却水が用いられるが、その他の媒体を用いてもよい。
【0021】
<筐体>
図1に示すように、筐体11は、矩形状の底板11aと、矩形状の天板11bと、底板11aの周縁と天板11bの周縁とを繋ぐ筒状の周壁11cと、を有する。底板11aや周壁11cは、少なくとも一部がカウンタウェイトで構成されていてもよい。すなわち、底板11aや周壁11cの少なくとも一部がカウンタウェイトで代用されていてもよい。
【0022】
燃料電池システム10が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zともいい、X軸と平行な方向を水平方向Xともいう。また、Y軸と平行な方向を奥行方向Yともいう。したがって、奥行方向Yは、水平方向X及び鉛直方向Zの両方に直交する方向である。
【0023】
また、
図1において、紙面に対して鉛直方向Zの上側を上方とし、その反対側を下方とする。紙面に対して水平方向Xの手前側を左方とし、その反対側を右方とする。紙面に対して奥行方向Yの左側を前方とし、その反対側を後方とする。
【0024】
筐体11において、底板11aと天板11bとは鉛直方向Zに対向する。周壁11cは、水平方向Xに対向する一対の側壁である第1側壁11d及び第2側壁11eと、奥行方向Yに対向する一対の側壁である第3側壁11f及び第4側壁11gと、を有する。筐体11の第1側壁11dは、外気を筐体11内に取り込む吸気部11d1としての貫通孔を有する。この貫通孔にフィルター27が配置されている。筐体11の第2側壁11eは、筐体11内の空気を外部に排出する排気部11e1としての貫通孔を有する。この貫通孔に熱交換器21が配置されている。
【0025】
筐体11に、燃料電池スタック12、水素タンク13、エアコンプレッサ14の他、後述する排水タンク16(
図3)、コンバータ30(
図5)、キャパシタ20、インタークーラー23(
図3)、フレーム40、熱交換器21、及びファン21aが収容されている。
図1に図示しないが、筐体11に、気液分離器15a、希釈器15b、水素供給路17、エア供給路18、排出路19a1、排出路19a2、排水路19b、水素循環ポンプ28、及び排気排水弁29も収容されている。
【0026】
<フレーム>
図1に示すように、燃料電池システム10は、フレーム40としての第1フレーム41と第2フレーム42とを有する。第1フレーム41と第2フレーム42は、奥行方向Yに並列している。第1フレーム41が奥行方向Yの前方側に位置し、第2フレーム42が奥行方向Yの後方側に位置している。筐体11の内部において、第1フレーム41に、燃料電池スタック12、エアコンプレッサ14、排水タンク16、コンバータ30、インタークーラー23、熱交換器21、及びファン21aが取り付けられている。コンバータ30は、後述するブラケット60を介して第1フレーム41に取り付けられている。
【0027】
第2フレーム42に、水素タンク13、及びキャパシタ20が取り付けられている。第1フレーム41の詳細については後述する。
<燃料電池システムの構成部品>
燃料電池スタック12は、図示しない産業車両に搭載される負荷に供給する電力を発電する。燃料電池スタック12は、複数の燃料電池セルをスタック化したものである。燃料電池セルは、固体分子型燃料電池である。燃料電池スタック12は、水素タンク13から水素供給路17を経由して供給される水素と、エアコンプレッサ14からエア供給路18を経由して供給される空気中の酸素とを反応させて直流の電気エネルギーを発生する。燃料電池スタック12では、水素を燃料ガス、空気中の酸素を酸化剤ガスとして発電が行われる。
【0028】
燃料電池システム10は、制御部において、燃料電池スタック12に供給する燃料ガスと酸化剤ガスの量を調整する。燃料電池スタック12において発電された電力は、キャパシタ20に蓄えられる。キャパシタ20の具体例としては、例えばリチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。また、燃料電池スタック12は発電に伴って水が生成される。
【0029】
図2に示すように、燃料電池スタック12から排出された余剰水素を含む排気であるアノードオフガスは、排出路19a1を通過した後、気液分離器15aで余剰水素と生成水に分離される。余剰水素は、水素循環ポンプ28により再循環される。燃料電池スタック12から排出された酸素と、燃料電池スタック12の発電に伴って生成された水を含む排気であるカソードオフガスは、排出路19a2を通過して希釈器15bへ排出される。
【0030】
気液分離器15aによって分離された生成水は、一時的に気液分離器15a内に貯留された後、排気排水弁29を開くことにより希釈器15bに排出される。気液分離器15aからの生成水に混じって排出される水素は、燃料電池スタック12からのカソードオフガスで希釈されて燃料電池システム10の外部に排出される。希釈器15b内の生成水は、排水路19bを介して排水タンク16に排出される。排水タンク16は、金属製である。なお、排水タンク16は、鉛直方向Zにおいて、燃料電池スタック12の下方に配置されている(
図1、
図3参照)。
【0031】
循環流路22は、燃料電池スタック12と熱交換器21との間で冷却水を循環させる。循環流路22は、往路22aと、復路22bと、図示しないポンプと、燃料電池スタック12内及び熱交換器21内に取り回された図示しない熱交換流路と、を有する。往路22aは、熱交換器21から燃料電池スタック12に向けて冷却水を流すための流路である。復路22bは、燃料電池スタック12から熱交換器21に向けて冷却水を流すための流路である。図示しないポンプは、循環流路22で冷却水を循環させる。
【0032】
循環流路22を循環しつつ往路22aを通って燃料電池スタック12内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、燃料電池スタック12で発生した熱を吸収して燃料電池スタック12を冷却する。復路22bを通って熱交換器21内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、吸気部11d1で取り込まれた外気である空気と熱交換されて冷却される。
【0033】
図1に示すように、熱交換器21は、筐体11の第2側壁11eに配置されている。燃料電池スタック12と熱交換器21は、水平方向Xに並んで配置されている。ファン21aは、水平方向Xにおいて熱交換器21よりも燃料電池スタック12側に配置されている。熱交換器21及びファン21aと、吸気部11d1とは水平方向Xに対向している。
【0034】
燃料電池スタック12の発電時、ファン21aが駆動されることにより、筐体11の外部から吸気部11d1を介して筐体11の内部に外気が取り込まれる。筐体11の内部には、吸気部11d1からファン21aに向かう気流が発生する。筐体11の内部において、吸気部11d1からファン21aに向かう気流が流れる方向を、気流の流れ方向Fとする。熱交換器21及びファン21aと、吸気部11d1とは、水平方向Xに対向しているため、気流の流れ方向Fは、水平方向Xと一致する。筐体11の内部に取り込まれた空気は、熱交換器21を通過して、排気部11e1から筐体11の外部に排出される。その際、燃料電池スタック12から熱交換器21内に流れ込んだ冷却水と、ファン21aから送風された空気との間で熱交換が行われて、冷却水は冷却される。
【0035】
<第1フレーム>
以下では、第1フレーム41が筐体11の内部に収容された状態を基準にして、第1フレーム41を
図3、
図4に示しつつ説明する。
【0036】
(底壁)
図3及び
図4に示すように、第1フレーム41は、底壁43を有する。
(第1柱部)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ前方側の端部に、上方に延びる第1柱部44を有する。
【0037】
(第1仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ奥行方向Yの略中央部に、上方に延びる第1仕切壁45を有する。第1仕切壁45の壁面は、水平方向Xに沿っている。第1仕切壁45の左方側の端部は、第1柱部44の左方側の端部よりも若干右方側に位置する。
【0038】
(第2仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ後方側の端部に、上方に延びる第2仕切壁46を有する。第2仕切壁46の壁面は、奥行方向Yに沿っている。第2仕切壁46の左方側の端部は、第1仕切壁45の左方側の端部よりも若干右方側に位置する。第2仕切壁46の前方側の端部は、第1仕切壁45に接続されている。また、第2仕切壁46は、前方側の端部における鉛直方向Zの中央部から、後方側に延びる切欠き46aを有する。第2仕切壁46は、後方側の端部から上方に延びる突出部46bを有する。また、第2仕切壁46は、突出部46bの上方の端部に、水平方向Xに延びる水平部46c(
図4参照)を有する。
【0039】
(第3仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の水平方向Xにおいて第1仕切壁45と間隔をおいた位置に、上方に延びる第3仕切壁47を有する。第3仕切壁47の壁面は、奥行方向Yに沿っている。
【0040】
(第4仕切壁)
図3、
図4に示すように、第1フレーム41は、第3仕切壁47の後方側の端部に接する位置に鉛直方向Zの上方に延びる第4仕切壁48を有する。第4仕切壁48の壁面は、水平方向Xに沿っており、第4仕切壁48の左方側の端部が、第3仕切壁47の後方側の端部に接続されている。また、第4仕切壁48は、第1仕切壁45よりも、後方側に位置しており、底壁43の奥行方向Yにおける略中央部に位置している。
【0041】
第4仕切壁48は、水平方向Xと鉛直方向Zの略中央部に、第4仕切壁48を厚さ方向に貫通する貫通孔(以下、第1貫通孔48aともいう。)を有する。第1貫通孔48aは、水平方向Xに細長い形状を有しており、後述するブラケット60の第1貫通孔61aよりも水平方向Xに長い形状を有している。
【0042】
第4仕切壁48は、左方側の端部における鉛直方向Zの中央部に、右方側に延びる切欠き(以下、第1切欠き48bともいう。)を有する。第1切欠き48bの右方側の端部は、第1貫通孔48aに連通していない。
【0043】
第4仕切壁48は、左方側の端部で、且つ上方側の端部に、右方側と下方側に延びる切欠き(以下、第2切欠き48cともいう。)を有する。
第4仕切壁48は、第2切欠き48cとは間隔をおいて第2切欠き48cよりも右方側の位置に、第4仕切壁48を厚さ方向に貫通する貫通孔(以下、第2貫通孔48dともいう。)を有する。第2貫通孔48dは、インタークーラー23を第4仕切壁48に取り付ける際のネジ孔として用いられる。
【0044】
第4仕切壁48は、水平方向Xの両端部に、ブラケット60を取り付けるためのネジ孔48eを有している。
図3、
図4に示すように、第4仕切壁48における前方側に面する壁面に、ブラケット60を用いてコンバータ30が取り付けられており、第4仕切壁48における前方側に面する壁面は、コンバータ30が取り付けられる取付面として機能する。取付面は、水平方向Xに沿って延びている、すなわち、排気部11e1を有する第2側壁11eと吸気部11d1を有する第1側壁11dが対向する方向に沿って延びている。そして、第4仕切壁48の第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cを通じて、コンバータ30が第4仕切壁48の後方側の面である裏面に露出している。具体的には、第1貫通孔48a、及び第2切欠き48cから、ブラケット60が露出するとともに、ブラケット60の開口部からコンバータ30の放熱部33が露出している。また、第1切欠き48bから、コンバータ30の放熱部33が露出している。第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cを総称して、開口部ともいう。
【0045】
(第2柱部)
第1フレーム41は、底壁43の右方側の端部で、且つ前方側の端部に、上方に延びる第2柱部49を有する。
【0046】
(第3柱部)
第1フレーム41は、底壁43の右方側の端部で、且つ後方側の端部に、上方に延びる第3柱部50を有する。
【0047】
(連結壁)
第1フレーム41は、第2柱部49と第3柱部50の上方の端部同士を連結する連結壁51を有する。
【0048】
(中段壁)
第1柱部44、第1仕切壁45、第2仕切壁46(突出部を除く)、第3仕切壁47、及び第4仕切壁48は、上方の端部が同じ高さになっている。第1フレーム41は、これらの上方の端部に接続された中段壁52を有する。中段壁52の壁面は、水平方向Xと奥行方向Yの両方に沿っている。
【0049】
(第4柱部)
第1フレーム41は、中段壁52の左方側の端部で、且つ前方側の端部に、上方に延びる第4柱部53を有する。
【0050】
(第5仕切壁)
第1フレーム41は、中段壁52の左方側の端部に、上方に延びる第5仕切壁54を有する。第5仕切壁54の壁面は、奥行方向Yに沿っている。第5仕切壁54の前方の端部は、第4柱部53に接続されている。また、第5仕切壁54は、中段壁52よりも奥行方向Yの後方側に突出しており、この中段壁52よりも後方側に突出した箇所に、上方に延びる切欠き54aを有する。第5仕切壁54の後方の端部は、第2仕切壁46の水平部46c上に接続されている。
【0051】
(第6仕切壁)
第1フレーム41は、第5仕切壁54の後方の端部に、右方に延びる第6仕切壁55を有する。第6仕切壁55の下方の端部は、第2仕切壁46の水平部46cに接続されている。
【0052】
<第1フレームに対する各構成部品の取り付け態様>
図1に示すように、第1仕切壁45の前方側の壁面に、モータドライバ25が取り付けられている。
【0053】
第2仕切壁46の左方側の壁面に、コンタクタパネル26が取り付けられている。
第5仕切壁54の左方側の壁面に、ECU24が取り付けられている。
図3及び
図4に示すように、第4仕切壁48の前方側の壁面に、ブラケット60を介してコンバータ30が取り付けられている。第4仕切壁48の後方側の壁面に、インタークーラー23が取り付けられている。また、底壁43における第4仕切壁48よりも後方側で、第4仕切壁48とは間隔をおいた位置に排水タンク16が取り付けられている。第4仕切壁48と排水タンク16の間隔は、特に制限されないが、好ましくは10mm以下である。
【0054】
図3、
図8に示すように、排水タンク16は、水平方向Xに長い筒状に構成されている。排水タンク16は、水平方向Xに直交する断面が略矩形状になっている。また、鉛直方向Zの上方側に、奥行方向Yの後方側に窪んだ凹部16aを有している。この凹部16aは、水平方向Xに連続して延びている。排水タンク16の凹部16aにおいて、後方側に窪んだ長さは、特に制限されないが、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは50mm以上である。また、好ましくは150mm以下であり、より好ましくは100mm以下である。
【0055】
また、凹部16aは、第4仕切壁48の厚さ方向において、第4仕切壁48の開口部に重なる位置にある。インタークーラー23は、この凹部16aの上方に凹部16aとは間隔をおいて取り付けられている。鉛直方向におけるインタークーラー23と凹部16aの間隔は、特に制限されないが、好ましくは5mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。また、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。
【0056】
中段壁52の上方側の壁面に、エアコンプレッサ14と燃料電池スタック12が取り付けられている。
図1に示すように、第2柱部49、第3柱部50、及び連結壁51の右方側に、熱交換器21が取り付けられている。
【0057】
第1フレーム41に上記の各構成部品を取り付ける方向は特に制限されず、ネジを用いて固定してもよいし、公知の接着剤を用いて接合してもよい。
<コンバータ>
図4~7に示すように、コンバータ30は、スイッチング素子を有するスイッチング部31と、複数のリアクトル32とを有する。本実施形態では、コンバータ30はリアクトル32を3つ有している。リアクトル32は、図示しないコアと、コアに巻回されたコイル部品とを有する。
【0058】
スイッチング部31は、矩形板状に構成されており、スイッチング部31の背面側である後方側の表面にヒートシンクともいう放熱部33が熱的に結合されている。そのため、スイッチング部31は、放熱部33を有しているといえる。放熱部33は、金属製である。放熱部33は、スイッチング部31に取り付けられる平板状の取付部33aを有する。また放熱部33は、取付部33aから後方に突出する放熱フィン33bを有する。放熱フィン33bは、取付部33aに一体に形成されており、取付部33aから奥行方向Yの後方に突出するとともに、水平方向Xに沿って延びている。放熱フィン33bは、鉛直方向Zに互いに間隔をおいて複数並んでいる。
【0059】
図6~8に示すように、放熱部33は、複数の放熱フィン33b同士の隙間に空気を流通させることによって放熱フィン33bの熱を放出している、言い換えれば放熱フィン33bを冷却している。さらに、放熱フィン33bを冷却することによって、スイッチング部31を冷却している。本実施形態では、吸気部11d1からファン21aに向かう方向である水平方向Xが、気流の流れ方向Fである。複数の放熱フィン33bも水平方向Xに沿って延びているため、気流の流れ方向Fに沿って効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0060】
<ブラケット>
図4~7に示すように、燃料電池システム10は、コンバータ30を第1フレーム41に取り付けるためのブラケット60を備える。ブラケット60は、矩形状の金属製の板材を折り曲げて形成されている。
【0061】
図7に示すように、ブラケット60は、水平方向Xに長い矩形状のブラケット本体61を有する。ブラケット本体61は、水平方向Xと鉛直方向Zの略中央部に、ブラケット本体61を厚さ方向に貫通する貫通孔(以下、第1貫通孔61aともいう。)を有する。
【0062】
ブラケット本体61は、左方側の端部における鉛直方向Zの中央部に、右方側に延びる切欠き(以下、第1切欠き61bともいう。)を有する。第1切欠き61bの右方側の端部は、第1貫通孔61aに連通していない。
【0063】
ブラケット本体61は、左方側の端部で、且つ上方側の端部に、右方側と下方側に延びる切欠き(以下、第2切欠き61cともいう。)を有する。
第1貫通孔61a、第1切欠き61b、及び第2切欠き61cを総称して、開口部ともいう。
【0064】
ブラケット本体61の短手方向である鉛直方向Zの長さは、同方向におけるコンバータ30の放熱フィン33bが形成された箇所の長さよりも若干長く構成されている。また、ブラケット本体61は、長手方向の両端部にネジを挿通させるネジ孔61d(
図4参照)を有している。
【0065】
ブラケット60は、ブラケット本体61の短手方向の両端部からブラケット本体61の厚さ方向である奥行方向Yの前方に延びる一対の側壁部62を有する。一対の側壁部62は、ブラケット本体61の長手方向における中央部から左方側の端部にかけてブラケット本体61に連続して延びている。
【0066】
一対の側壁部62の奥行方向Yの長さは、コンバータ30の放熱フィン33bの突出高さに等しいか、放熱フィン33bの突出高さより若干大きい。また、一対の側壁部62の水平方向Xの長さは、同方向の放熱フィン33bの長さよりも若干長い。
【0067】
ブラケット60は、一対の側壁部62における前方側の端部から鉛直方向Zの互いに離間する方向に延びる一対のフランジ部63を有する。
<コンバータに対するブラケットの取付機構>
図7に示すように、コンバータ30の放熱フィン33bが、ブラケット本体61と一対の側壁部62とで囲まれた空間に収容されるようにコンバータ30にブラケット60を配置する。さらに、ブラケット60のフランジ部63を、コンバータ30のスイッチング部31の背面側に当接させる。ブラケット60のフランジ部63とコンバータ30のスイッチング部31とが当接した箇所を、図示を省略したネジを用いて締結する。同様に、コンバータ30のリアクトル32を、図示を省略したネジを用いてブラケット本体61に締結する。以上の方法によって、コンバータ30にブラケット60が取り付けられる。ブラケット60が取り付けられた状態で、奥行方向Yから見て、ブラケット60の第1貫通孔61a、第1切欠き61b、及び第2切欠き61cが、コンバータ30の放熱フィン33bと重なる位置に配置される。そのため、ブラケット60の第1貫通孔61a、第1切欠き61b、及び第2切欠き61cを通じて、放熱フィン33bがブラケット60の裏面側である奥行方向Yの後方側に露出した状態になる。
【0068】
図6に示すように、ブラケット60が取り付けられたコンバータ30を、水平方向Xに沿って左方側から見ると、放熱フィン33bの右方側にリアクトル32が配置されており、複数の放熱フィン33b同士の隙間から、リアクトル32を目視することができる。言い換えれば、複数の放熱フィン33b同士の隙間を通る空間が、水平方向Xに沿ってリアクトル32の位置まで直線的に繋がっている。
【0069】
<第1フレームに対するコンバータの取付機構>
図4に示すように、ブラケット本体61のネジ孔61dが、第1フレーム41の第4仕切壁48のネジ孔48eに重なる位置となるようブラケット60を配置する。ネジ64をブラケット本体61のネジ孔61dと、第4仕切壁48のネジ孔48eに挿通させてナット65に螺合させることによって、ブラケット本体61は第1フレーム41の第4仕切壁48に取り付けられる。
【0070】
図3及び
図7に示すように、第4仕切壁48にブラケット60を介してコンバータ30を取り付ける。ブラケット60の第1貫通孔61a、第1切欠き61b、及び第2切欠き61cが、第4仕切壁48の第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cに重なる。そのため、第4仕切壁48の第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cから、ブラケット60の放熱フィン33bの一部が、第4仕切壁48の裏面側に露出した状態になる。
【0071】
図7に示すように、第4仕切壁48の第1貫通孔48aが、ブラケット60の第1貫通孔61aよりも水平方向Xに長い形状を有しているため、第4仕切壁48の第1貫通孔48aから、ブラケット60のブラケット本体61が露出する。
【0072】
<実施形態の作用>
図8に示すように、第1フレーム41の第4仕切壁48が、ブラケット60の放熱フィン33bの一部を第4仕切壁48の裏面側に露出させる開口部としての第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cを有する。これによって、水平方向Xに沿って複数の放熱フィン33b同士の隙間を流通する空気を、開口部を通じて第4仕切壁48の裏面側(後方側)にも流通させることができるため、放熱フィン33bの周囲を空気が流通しやすくなる。言い換えれば、放熱フィン33bの周囲の風通しが良くなる。さらに、開口部を通じて、第4仕切壁48の裏面側を流通する空気を、第4仕切壁48の表面側(前方側)に流通させることもできるため、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0073】
第4仕切壁48の取付面が、排気部11e1を有する第2側壁11eと吸気部11d1を有する第1側壁11dが対向する方向に沿って延びている、言い換えれば筐体11内の気流の流れ方向Fに沿っている。したがって、吸気部11d1から排気部11e1に向かう気流を第4仕切壁48の取付面において妨げにくくなるため、この気流を利用して、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0074】
図8に示すように、排水タンク16は、水平方向Xに直交する断面が略矩形状になっている。また、鉛直方向Zの上方側に、奥行方向Yの後方側に窪んだ凹部16aを有している。この凹部16aの位置において、第4仕切壁48の裏面と排水タンク16との間隔が大きくなっている。第4仕切壁48の裏面と排水タンク16の間に空気の流路となる空間S1を確保しやすくなるため、開口部周辺の気流を妨げにくくなる。排水タンク16が取付けられていても、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0075】
また、排水タンク16の凹部16aの上方に凹部16aとは間隔をおいてインタークーラー23が取り付けられているため、開口部周辺、具体的には、排水タンク16の凹部16aとインタークーラー23との間に空気の流路となる空間S2を確保しやすくなる。そのため、インタークーラー23が取り付けられていても効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0076】
図9に示すように、リアクトル32は、コンバータ30の放熱部33である放熱フィン33bよりも排気部11e1に近い位置、すなわち、放熱フィン33bよりも水平方向Xの右方側の位置に取り付けられている。そのため、放熱フィン33b同士の隙間を流通した気流(
図9の矢印A参照)を利用して、リアクトル32も冷却することができる。さらに、第4仕切壁48の開口部を通じて、第4仕切壁48の裏面側から表面側に流通した気流(
図9の矢印B参照)を利用してリアクトル32を冷却することもできる。そのため、より効率良くリアクトル32を冷却することができる。
【0077】
図10に示すように、コンタクタパネル26が取り付けられた第2仕切壁46が切欠き46aを有している。水平方向Xの左方側から燃料電池システム10を見た際に、第2仕切壁46の切欠き46aによって形成された空間S3が、水平方向Xの右方側に位置する放熱フィン33bに直線的に繋がった状態になる。
【0078】
同様に、ECU24が取り付けられた第5仕切壁54が切欠き54aを有している。水平方向Xの左方側から燃料電池システム10を見た際に、第5仕切壁54の切欠き54aによって形成された空間S4が、水平方向Xの右方側に位置する放熱フィン33bの周囲を通過するとともに、ファン21aに直線的に繋がった状態になる。
【0079】
すなわち、放熱フィン33bが接続された第4仕切壁48よりも、気流の上流側に位置する第2仕切壁46や第5仕切壁54が切欠き46a、54aを有することによって、放熱フィン33bやファン21aに直線的に繋がる流路を確保しやすくなる。そのため、流れ方向Fの気流を利用して、より効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0080】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)燃料電池スタック12、及びコンバータ30は、第1フレーム41に取り付けられた状態で筐体11に収容されており、第1フレーム41の第4仕切壁48は、コンバータ30が取り付けられる取付面を有している。また、コンバータ30は、放熱フィン33bを有するとともに、取付面との間に放熱フィン33bが位置する状態で取付面に取り付けられている。第4仕切壁48は、放熱フィン33bの少なくとも一部が取付面の裏面に露出する開口部を有している。
【0081】
したがって、燃料電池システム10の第4仕切壁48が、放熱フィン33bの少なくとも一部が取付面の裏面に露出する開口部を有していることによって、放熱フィン33bを流通した空気を、開口部を通じて第4仕切壁48の裏面側に流通させることができる。また、開口部を通じて第4仕切壁48の裏面側の空気を放熱フィン33bに流通させて、放熱フィン33bを冷却することもできる。放熱フィン33bの周囲の風通しを良くすることができるため、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。また、放熱フィン33bを冷却するための冷却ファンを省略することができるため、筐体11の内部におけるレイアウトの制約を小さくすることができる。冷却ファンを省略することによって、燃料電池システム10のコストを削減することもできる。
【0082】
(2)コンバータ30は、ブラケット60を介して取付面に取り付けられており、ブラケット60は、取付面における第4仕切壁48の厚さ方向において開口部の少なくとも一部に重なる位置に開口部を有する。したがって、コンバータ30がブラケット60を介して第4仕切壁48の取付面に取り付けられていても、第4仕切壁48とブラケット60の両開口部を通じて放熱フィン33bの周囲の風通しを良くすることができる。
【0083】
(3)筐体11は、矩形状の底板11aと、矩形状の天板11bと、底板11aの周縁と天板11bの周縁とを繋ぐ筒状の周壁11cと、を有する。周壁11cのうち、第2側壁11eが排気部11e1を有するとともに、第1側壁11dが吸気部11d1を有している。第4仕切壁48の取付面は、排気部11e1を有する第2側壁11eと吸気部11d1を有する第1側壁11dが対向する方向に沿って延びている。したがって、吸気部11d1から排気部11e1に向かう気流を第4仕切壁48の取付面において妨げにくくなるため、この気流を利用して、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0084】
(4)第4仕切壁48の取付面の裏面側に、裏面と間隔をおいて排水タンク16を有しており、排水タンク16は、取付面における第4仕切壁48の厚さ方向において開口部の少なくとも一部に重なる位置に、裏面との間隔が大きくなる凹部16aを有する。したがって、第4仕切壁48の裏面側において、開口部周辺の気流を妨げにくくなる。そのため、取付面の裏面側に排水タンク16を有していても、効率良く放熱フィン33bを冷却することができる。
【0085】
(5)排水タンク16の凹部16aと間隔をおいて配置されたインタークーラー23を有する。したがって、インタークーラー23を有していても開口部周辺の気流を妨げにくくなるため、効率良く放熱フィンを冷却することができる。
【0086】
(6)コンバータ30は、リアクトル32を有しており、リアクトル32は、コンバータ30の放熱フィン33bよりも排気部11e1に近い位置に取り付けられている。したがって、第4仕切壁48の開口部を流通する気流を利用して、効率良くリアクトル32を冷却することができる。
【0087】
(7)第4仕切壁48の第1貫通孔48aが、ブラケット60の第1貫通孔61aよりも水平方向Xに長い形状を有しているため、第4仕切壁48の第1貫通孔48aから、ブラケット60のブラケット本体61が露出する。第4仕切壁48の第1貫通孔48aが、ブラケット60の第1貫通孔61aより長い分だけ、第4仕切壁48の裏面において、第4仕切壁48と排水タンク16の間隔を大きくすることができる。したがって、開口部周辺の空気を流れやすくすることができる。
【0088】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0089】
○ブラケット60は省略されていてもよい。すなわち、コンバータ30が直接第1フレーム41に取付けられていてもよい。
○本実施形態では、筐体11の側壁のうち、対向する一対の側壁である第1側壁11dが吸気部11d1を有し、第2側壁11eが排気部11e1を有していたがこの態様に限定されない。吸気部を有する側壁と排気部を有する側壁が、互いに対向する側壁でなくてもよい。また、筐体11の天板11bや底板11aが、吸気部や排気部の少なくともいずれか一方を有していてもよい。
【0090】
○コンバータ30は、第1フレーム41の第4仕切壁48以外に取り付けられていてもよい。また、第4仕切壁48の取付面は、水平方向Xに沿って延びていなくてもよい。すなわち、第1フレーム41におけるコンバータ30の取付面は、排気部11e1を有する第2側壁11eと吸気部11d1を有する第1側壁11dが対向する方向に沿って延びていなくてもよい。
【0091】
○排水タンク16の凹部16aは、省略されていてもよい。例えば、排水タンク16が、水平方向Xに直交する断面が矩形状になっており、排水タンク16全体が、第4仕切壁48の裏面との間隔が大きく、第4仕切壁48の裏面との間に十分な空気の流路を確保できるように構成されていてもよい。
【0092】
○燃料電池システム10は、熱交換器21が省略されていてもよい。例えば、燃料電池システム10が、産業車両の走行に伴って発生する走行風を筐体11の内部に導入して気流を発生させるものであってもよい。
【0093】
○第4仕切壁48は、開口部として、第1貫通孔48a、第1切欠き48b、及び第2切欠き48cを有していたが、開口部は、少なくともこれらのいずれか1つであってもよい。すなわち、開口部は、貫通孔のみで構成されていてもよいし、切欠きのみで構成されていてもよい。ブラケット60の開口部も同様である。
【0094】
○燃料電池システム10の向きは、本実施形態の向きに限定されない。すなわち、本実施形態の鉛直方向Z、水平方向X、及び奥行方向Yが適宜変更されていてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…燃料電池システム、11…筐体、12…燃料電池(燃料電池スタック)、30…コンバータ、33…放熱部、40…フレーム。