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特開2024-30666学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030666
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240229BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133698
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】390024350
【氏名又は名称】株式会社ジャストシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慶
(72)【発明者】
【氏名】松居 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】服部 将大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習者の学力に適応した学習誘導ができること。
【解決手段】学習誘導装置100の学習プラン作成部102は、学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得し、科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出する。初期プラン作成部102bは、学習ボリュームに基づき、科目ごとの複数の講座の学習時間を含む初期プランを作成する。短期プラン作成部102cは、初期プランより短い所定期間における科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成し、ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示する。プラン調整部102dは、所定期間ごとに、学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、ユーザの学習状況に応じて、全体期間で学習完了するために必要な学習時間を算出し、短期プランの講座および講座ごとの学習時間を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得する取得工程と、
前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成する長期プラン作成工程と、
作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成する短期プラン作成工程と、
前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示する提示工程と、
前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記全体期間で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する調整工程、
の処理を実行させることを特徴とする学習誘導プログラム。
【請求項2】
前記取得工程は、
前記学習に関する状況を前記ユーザへ問い合わせ、当該ユーザからの回答を取得し、
前記調整工程は、
取得した前記ユーザからの回答に基づき、次回以降の前記短期プランで学習する講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習誘導プログラム。
【請求項3】
前記取得工程は、
前記学習に関する状況を、予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、を前記ユーザに順次提示し、取得することを特徴とする請求項2に記載の学習誘導プログラム。
【請求項4】
前記提示工程は、前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を含む学習ペース実績を前記ユーザに提示すること、を含み、
前記調整工程は、
前記学習ペース実績に基づき、前記講座ごとの学習完了日を予測し、前記全体期間に対する遅延がある場合には、前記ユーザに学習時間の増加を提示し、
前記ユーザによる学習時間の増加の有無に応じて前記学習時間の上乗せの有無を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の学習誘導プログラム。
【請求項5】
前記調整工程は、
前記全体期間に対する遅延が所定以上生じている場合、前記講座を時間効率が良い講座に差し替えることを特徴とする請求項4に記載の学習誘導プログラム。
【請求項6】
前記講座ごとに学習の難易度を付与する付与工程と、
前記学習の実施により前記ユーザの前記学力を蓄積する蓄積工程と、を含み、
前記調整工程は、
前記全体期間に対する遅延または前倒しに応じて、前記ユーザの学力に対応した前記難易度を有する前記講座に差し替えることを特徴とする請求項4に記載の学習誘導プログラム。
【請求項7】
前記調整工程は、
前記所定期間ごとに、前記学習ボリュームが所定以下の場合、所定の学習ボリュームに収まる前記講座を選定し直す、
ことを特徴とする請求項4に記載の学習誘導プログラム。
【請求項8】
前記取得工程は、
前記学習に関する状況を、チャットボットに予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、を前記ユーザに順次提示し、取得した前記問い合わせおよび前記回答の履歴を蓄積し、
前記回答ごとに前記ユーザが修正可能な修正ボタンを表示し、
前記ユーザによる前記修正ボタンの操作時には、当該修正操作に対応する過去の回答に戻り当該回答を修正可能なこと、
を特徴とする請求項1に記載の学習誘導プログラム。
【請求項9】
前記調整工程は、
前記ユーザによる回答の修正に基づき、次回以降の前記短期プランで学習する講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載の学習誘導プログラム。
【請求項10】
前記取得工程は、
前記チャットボットの予めの設定により、前記問い合わせ内容に応じた複数の前記回答の選択肢を前記ユーザに選択可能に表示する、ことを特徴とする請求項8に記載の学習誘導プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得する取得工程と、
前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成する長期プラン作成工程と、
作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成する短期プラン作成工程と、
前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示する提示工程と、
前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記所定日数で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する調整工程、
の処理を実行することを特徴とする学習誘導方法。
【請求項12】
学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得し、
前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成し、
作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成し、
前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示し、
前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記所定日数で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、
制御部を備えたことを特徴とする学習誘導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの学習状況に適合した学習プランの提示により効率的な学習への誘導を行う学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
eラーニング等のオンライン学習では、個々のユーザの学習状態に合わせた学習プランを立てる学習誘導を行うことで、効率的な学習を行うことができる。
【0003】
このような学習誘導に関連する技術として、例えば、問題の属性ごとに正誤判定による正誤数を集計し、集計の結果、正答が少ないか誤答が多い苦手な属性を認識し、ユーザが苦手な属性の問題から出題を選択する技術がある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-229431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、ユーザが苦手な問題を認識し、苦手分野の問題を出題することができるものの、より長期的なユーザの学習目標や、日々の学習状況の変動に応じた最適な学習誘導を行うことができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの学習目標や日々の学習状況に適応した最適な学習誘導を行えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の学習誘導プログラムは、コンピュータに、学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得する取得工程と、前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成する長期プラン作成工程と、作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成する短期プラン作成工程と、前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示する提示工程と、前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記全体期間で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する調整工程、の処理を実行させることを特徴とする。
【0008】
また、前記取得工程は、前記学習に関する状況を前記ユーザへ問い合わせ、当該ユーザからの回答を取得し、前記調整工程は、取得した前記ユーザからの回答に基づき、次回以降の前記短期プランで学習する講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、ことを特徴とする。
【0009】
また、前記取得工程は、前記学習に関する状況を、予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、を前記ユーザに順次提示し、取得することを特徴とする。
【0010】
また、前記提示工程は、前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を含む学習ペース実績を前記ユーザに提示すること、を含み、前記調整工程は、前記学習ペース実績に基づき、前記講座ごとの学習完了日を予測し、前記全体期間に対する遅延がある場合には、前記ユーザに学習時間の増加を提示し、前記ユーザによる学習時間の増加の有無に応じて前記学習時間の上乗せの有無を決定する、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記調整工程は、前記全体期間に対する遅延が所定以上生じている場合、前記講座を時間効率が良い講座に差し替えることを特徴とする。
【0012】
また、前記講座ごとに学習の難易度を付与する付与工程と、前記学習の実施により前記ユーザの前記学力を蓄積する蓄積工程と、を含み、前記調整工程は、前記全体期間に対する遅延または前倒しに応じて、前記ユーザの学力に対応した前記難易度を有する前記講座に差し替えることを特徴とする。
【0013】
また、前記調整工程は、前記所定期間ごとに、前記学習ボリュームが所定以下の場合、所定の学習ボリュームに収まる前記講座を選定し直す、ことを特徴とする。
【0014】
また、前記取得工程は、前記学習に関する状況を、チャットボットに予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、を前記ユーザに順次提示し、取得した前記問い合わせおよび前記回答の履歴を蓄積し、前記回答ごとに前記ユーザが修正可能な修正ボタンを表示し、前記ユーザによる前記修正ボタンの操作時には、当該修正操作に対応する過去の回答に戻り当該回答を修正可能なこと、を特徴とする。
【0015】
また、前記調整工程は、前記ユーザによる回答の修正に基づき、次回以降の前記短期プランで学習する講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、ことを特徴とする。
【0016】
また、前記取得工程は、前記チャットボットの予めの設定により、前記問い合わせ内容に応じた複数の前記回答の選択肢を前記ユーザに選択可能に表示する、ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の学習誘導方法は、コンピュータが、学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得する取得工程と、前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成する長期プラン作成工程と、作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成する短期プラン作成工程と、前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示する提示工程と、前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記所定日数で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する調整工程、の処理を実行することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の学習誘導装置は、学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得し、前記取得した学習の目標および学習する科目に基づき、前記科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、前記科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成し、作成した前記長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における前記科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成し、前記短期プランに基づき、前記ユーザに対し、日々ごとに学習すべき前記教科の講座を提示し、前記所定期間ごとに、前記学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、前記ユーザの学習状況に応じて、前記所定日数で学習完了するために必要な学習時間を算出し、前記短期プランの前記講座および前記講座ごとの学習時間を調整する、制御部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザの学習目標や日々の学習状況に適応した最適な学習誘導を行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施の形態にかかる学習誘導システムのシステム構成図である。
図2図2は、実施の形態にかかる学習誘導装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3図3は、学習誘導装置が出力する初期チャット画面例を示す図である。
図4A図4Aは、学習誘導装置が出力する長期プランの画面例を示す図である。
図4B図4Bは、学習誘導装置が出力する短期プランの画面例を示す図である。
図5図5は、学習誘導装置が出力する今日の学習画面例を示す図である。
図6図6は、学習誘導装置の初回起動時の処理例を示すフローチャートである。
図7図7は、学習誘導装置による短期プラン作成の処理例を示すフローチャートである。
図8図8は、学習誘導装置による今日の学習画面の提示の処理例を示すフローチャートである。
図9A図9Aは、学習誘導装置による学習プランの調整時の表示画面例を示す図である。(その1)
図9B図9Bは、学習誘導装置による学習プランの調整時の表示画面例を示す図である。(その2)
図9C図9Cは、学習誘導装置による学習プランの調整時の表示画面例を示す図である。(その3)
図10図10は、学習誘導装置による学習プランの調整処理例を示すフローチャートである。(その1)
図11図11は、学習誘導装置による学習プランの調整処理例を示すフローチャートである。(その2)
図12図12は、学習誘導装置による回答修正機能のチャット画面例を示す図である。
図13図13は、学習誘導装置によるユーザの回答支援機能を説明するチャット画面例を示す図である。
図14図14は、学習誘導装置によるチャットの回答修正処理例を示すフローチャートである。
図15図15は、学習誘導装置によるチャットの回答修正処理の詳細例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
(システム構成例)
図1は、実施の形態にかかる学習誘導システムのシステム構成図である。学習誘導システムは、学習誘導装置100と、学習誘導装置100にネットワークNWを介して通信接続されるユーザごとの端末装置と、を含む。
【0023】
学習誘導装置100は、複数のデータベース(DB)101と、学習プラン作成部102と、を含む。端末装置111は、学習者であるユーザのそれぞれが保有する。端末装置111は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)等を用いることができる。
【0024】
学習誘導装置100は、サーバ等で構成することができる。また、学習プラン作成部102の各機能であるチャット部102a、初期プラン作成部102b、短期プラン作成部102c、プラン調整部102dは、それぞれ個別のサーバ等で構成し、DB101にアクセス可能に構成することもできる。このほか、学習誘導装置100は、クラウド上に設けることもできる。
【0025】
複数のDB101は、チャットDB101aと、学習プランDB101bと、を含む。
チャットDB101aは、ユーザとの間のチャットを用いた対話の内容の情報を格納する。学習プランDB101bは、ユーザに提示する学習プランの情報を格納する。
【0026】
学習プラン作成部102は、チャットDB101aおよび学習プランDB101bにアクセスして、学習するユーザの端末装置111に対し、ユーザとのチャット内容を考慮した学習プランを作成し、ユーザに提示する学習誘導を行う。
【0027】
チャット部102aは、端末装置111のユーザとの間で、学習プランに関する対話を行う。このチャット部102aは、初期プラン作成部102b~プラン調整部102dがそれぞれ行うプラン作成別の対話をユーザとの間で行う。チャット部102aは、所謂チャットボットにより予め定めた、問い合わせ(質問)内容をユーザに提示する。また、チャット部102aは、問い合わせ内容に対するユーザの返答(回答)内容を、例えば、スタンプ等の画像でユーザの端末装置111にユーザに提示する。このほか、チャット部102aは、自由回答の場合には、テキスト入力欄を表示しユーザ入力を促す。
【0028】
初期プラン作成部102bは、ユーザが学習を開始する初期起動時に、ユーザの学習目標や選択科目を、チャット部102aを介してヒアリングし、ヒアリング結果に応じてユーザの長期プランを作成する。
【0029】
初期プラン作成部102bは、チャット部102aを介したユーザとのチャットに基づき、例えば、ユーザが学習する、学習科目、頑張りたい科目、週の学習予定時間等の情報を取得し、学習する科目ごとの長期プランを初期プランとして作成する。初期プラン作成部102bは、科目ごとに予め設定される推奨ペースに基づき、全体の学習が終了する全体期間にわたる長期プランの目標日程を作成する。初期プラン作成部102bは、作成した長期プランを学習プランDB101bに格納する。
【0030】
短期プラン作成部102cは、初期プラン作成部102aで作成した初期プラン(長期プラン)に基づき、学習開始から所定期間ごとの短期プランを作成する。短期プラン作成部102cは、作成した短期プランを学習プランDB101bに格納する。例えば、長期プランは全体期間が1年、短期プランは所定期間が2週間である。
【0031】
短期プランは、例えば、ユーザに提示する所定期間(例えば、2週間ごと)の学習プランである。短期プラン作成部102cは、作成した長期プランを分割した短期プランとして、次の2週間でユーザが学習する各学習科目の時間配分を計算し、この際、例えば、ユーザが希望した「頑張りたい科目」の時間配分を増加させる。また、短期プラン作成部102cは、短期プランとして、科目ごとに終了予定日までに時間配分で終わらせるために学習ボリュームを調整し、ユーザに提示する。
【0032】
学習科目は、複数の単元を有し、単元の階層下に複数の講座を有する。単元は、講座の集合体である。短期プラン作成部102cは、学習ボリュームについて、ユーザに提示する講座提示率として計算する。短期プラン作成部102cは、講座提示率が学習効果のための最低限確保すべき学習量を下限の閾値として、講座提示率に収まるように講座を選定する。
【0033】
ここで、講座提示率が学習効果のための最低限確保すべき学習量を下回った場合には、短期プラン作成部102cは、講座提示率の下限値に収まるように、講座を選定する。この場合、学習の終了日が目標の期間を過ぎる見込みとなるが、短期プラン作成部102cは、学習効果を優先させることとする。
【0034】
学習誘導装置100は、短期プラン作成部102cが作成した短期プランから1日分の講座を選定し、「今日の学習」の内容を端末装置111のユーザに提示する。ユーザは、端末装置111上に「今日の学習」として画面表示される講座を日々学習していく。これにより、ユーザは、学習誘導装置100が作成した学習プランに沿った学習を行うことで、全体期間で学習完了し所定の学習効果を得ることができるようになる。
【0035】
プラン調整部102dは、短期プラン作成部102cが作成した短期プランの周期(上記2週間)ごとに、学習プランの予実(予測した状況に対する実際の状況)のふり返りの処理を行う。プラン調整部102dは、短期プランの周期中の学習状況を集計し、ユーザの学習ペース実績を求め、学習ペース実績を基に、科目の学習の終了日を予測する。
【0036】
そして、プラン調整部102dは、予測に対し、実際の学習が遅れた場合の遅延日数、あるいは予測に対し、実際の学習が早まった場合の前倒し日数を計算する。プラン調整部102dは、遅延が生じていなければ、次の2週間の短期プランを作成する。一方、プラン調整部102dは、遅延が生じた場合には、ユーザに対し、日々の勉強時間を増やす提案を行い、ユーザが提案を受け入れた場合には、予定の学習時間を増加(上乗せ)させた次の2週間の短期プランを作成する。
【0037】
プラン調整部102dは、作成した次の2週間の短期プランをユーザに提示する。学習プランDB101bは、短期プラン作成部102cが作成した2週間ごとの短期プランを格納し、プラン調整部102dによって調整後の次の2週間後の短期プランとして更新する。
【0038】
学習誘導装置100は、例えば、学習用の問題の表示画面を生成して端末装置111に送信する。端末装置111は、学習誘導装置100が生成した表示画面を表示し、ユーザの操作により問題に対する回答を行い、回答結果を学習誘導装置100に送信する。
【0039】
実施の形態の学習誘導装置100は、学習プランについて、初期(長期)プラン作成、短期プラン作成、その後の2週間単位のプラン調整等の各タイミングで、チャット部102aから端末装置111のユーザに対し、学習プランに関する問い合わせを行う。例えば、上述した学習の遅延や、学習時間の増加等の問い合わせを行うことで、学習誘導装置100は、ユーザの意向を考慮して学習プランの調整を行うことで、効率的な学習誘導を行う。
【0040】
これに対し、従来技術相当として、学習プランの調整に関し、ユーザが学習範囲や時間を指定することで、指定した条件の下で優先度を判断し、適切な問題をユーザに提示することが考えられる。例えば、範囲指定した問題集を作成し、ある時間内(例えば、60分以内)で解き終わるよう出題を調整することが考えられる。しかし、このような技術では、科目の全内容に対する学習プランを作成しておらず、学習漏れが生じる。また、1回(例えば、1日)の学習プランに対する調整しか行えず、より長期間(例えば、12か月)で学習を終了させるような学習プランの調整を行うことはできない。
【0041】
実施の形態の学習誘導装置100では、1年等の全体期間を有する比較的長期の学習プランを前提として作成した初期(長期)プランに基づき、2週間等の短期プランを作成し、2週間単位での予実のふり返りを行う。これにより、所定の学習成果が得られる全体期間での学習を前提とし、より短い所定期間ごとに学習プランの調整を行うことで、効率的な学習誘導を行うことができる。
【0042】
(ハードウェア構成例)
図2は、実施の形態にかかる学習誘導装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、図1に示す学習誘導装置100は、図2に示す構成を有する。201は装置全体を制御する制御部として機能するCPUである。202は基本入出力プログラムを記憶したROMを、203はCPU201のワークエリアとして使用されるRAMである。
【0043】
また、204はCPU201の制御にしたがってHD(ハードディスク)205に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、205はHDD204の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶するHDを、それぞれ示している。
【0044】
また、206はCPU201の制御にしたがってFD(フレキシブルディスク)207に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フレキシブルディスクドライブ)を、207はFDD206の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する着脱自在のFDを、それぞれ示している。
【0045】
また、208はCPU201の制御にしたがってCD-RW209に対するデータのリード/ライトを制御するCD-RWドライブを、209はCD-RWドライブ208の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する着脱自在のCD-RWを、それぞれ示している。
【0046】
また、210はカーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示するディスプレイを、211は文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボードを、212は各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などを行うマウスを、それぞれ示している。
【0047】
また、213は通信ケーブル214を介してLANやWANなどのネットワークNWに接続され、当該ネットワークNWとCPU201とのインターフェースとして機能するネットワークI/Fを、200は上記各部を接続するためのバスを、それぞれ示している。
【0048】
上記構成の他に、DVDドライブや、SSD,フラッシュメモリ等の記録媒体を用いることができる。
【0049】
図1に示した学習誘導装置100は、図2に記載のROM202、RAM203、ハードディスク205、フレキシブルディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行することによって、学習誘導装置100の機能を実現する。また、図1に示したDB101は、図2に記載のROM202、ハードディスク205、フレキシブルディスク207などによってその機能を実現する。
【0050】
また、図1に示した端末装置111についても、図2同様のハードウェアで構成することができる。端末装置111が、タブレットやスマートフォン等の携帯機器の場合、例えば、ハードディスク205やフレキシブルディスク207に代えてフラッシュメモリを用いることができ、また、ディスプレイ210、キーボード211、マウス212としてタッチパネルを用いることができる。
【0051】
上述したように、学習誘導装置100が行う「コーチング機能」は、ユーザとの対話により目標や状況を聞き出してプランを提示する。また、日々の状況に応じた最適なプランを提示することで、ユーザが迷わず学習を進めていける、という効率的な学習を実現している。この機能実現のために、実施の形態の学習誘導装置100は、下記1.~3.の学習誘導の処理を行う。
【0052】
1.初回起動時の処理
学習誘導装置100は、初回起動時にユーザから学習目標や選択科目をヒアリングし、ユーザに合わせた初期プラン(長期プラン)を作成する。
【0053】
2.今日の学習内容の提示
学習誘導装置100は、初期プラン(短期プラン)に基づいて、日々やるべき講座(今日の学習内容)を提示する。
【0054】
3.学習プランの調整
学習誘導装置100は、一定期間(例えば、2週間)ごとに、ユーザと予実をふり返り、状況に合わせて短期プランの内容を調整する。
【0055】
学習誘導装置100は、この一連の流れによる学習誘導により、ユーザの学習量に波があっても、講座のボリュームやペースを自動調整することで、学習の終了予定日を有する全体期間で学習が終わることができるようになる。
【0056】
さらには、学習誘導装置100は、目標とする全体期間内に学習が終わらない場合には、所定の学習効果を得ることを前提として、ユーザの学習量に合わせて全体期間を延ばす調整も可能とする。
【0057】
(1.初回起動時の処理)
図3は、学習誘導装置が出力する初期チャット画面例を示す図である。学習誘導装置100からの情報送信に基づき、端末装置111上に表示される各種画面表示例を示す。以下の説明で端末装置111はスマートフォンであり、スマートフォンの表示画面例を示す。
【0058】
ユーザが学習を開始する初回起動時、学習誘導装置100は、初期チャット画面300上に、チャットUIでユーザの状況や目標をヒアリングし、初期プランを作成する。学習誘導装置100は、チャット部102aのチャットボットにより、予め定めた手順および設問にしたがい、ユーザから学習に関するヒアリングを自動実行する。
【0059】
図3の例では、学習誘導装置100は、初期チャット画面300として、チャット領域Aと、ユーザの回答領域Bとを表示する。学習誘導装置100は、チャット領域A上で、ユーザ確認(D1)、所定順の教科の学習確認(D2)、ある教科「理科」の科目の確認(D3)の各質問内容を表示する。ユーザは、チャットの質問による確認内容D1~D3を確認して、回答する講座を入力する(R1)。ここで、ユーザは、「理科」について、物理基礎と、化学基礎の講座を入力している。
【0060】
この後、学習誘導装置100は、次の順の教科「地歴公民」の学習確認(D4)を行う。ところで、回答領域Bに示すように、学習誘導装置100は、ユーザが選択可能な講座を画像(スタンプ311)として表示し、ユーザによるスタンプ311の選択、および決定ボタン312の操作により、チャット領域Aにおけるユーザの回答内容を簡単に選択できる。
【0061】
学習誘導装置100は、この初期チャット画面300により、初期プラン作成のための情報として、ユーザから、例えば、「ユーザ名あるいはニックネーム」、「学習する科目」、「頑張りたい科目」、「週の学習予定時間(例えば、日曜日60分、月曜日30分等)」等の情報を取得する。学習誘導装置100は、さらに、「得意な科目」、「苦手な科目」、「志望大学のレベル」、「定期テストの目標点数」、「定期テストの日程」等学習プランの作成に用いる他の情報を取得してもよい。
【0062】
学習誘導装置100は、初期チャット画面300でユーザから取得した情報に基づき、学習科目ごとに学習プランを作成する。学習誘導装置100は、まず、科目ごとに全体の目標日程を含む学習計画である長期プランを作成する。学習誘導装置100は、次に、作成した長期プランに基づいて直近2週間で消化すべき講座リストである短期プランを作成する。
【0063】
図4Aは、学習誘導装置が出力する長期プランの画面例を示す図である。学習誘導装置100は、端末装置111に出力する長期プラン画面400の上部には、学習プラン、科目、講座、それぞれのプラン項目401を表示する。図4のプラン項目401では、学習プランは「長期プラン」であり、科目は「数学」、講座が「数学I」である例を示す。プラン項目401の下部には、科目・講座に含まれる各単元項目402が表示される。例えば、一つの単元「数と式(1)整式」402aには、この単元の完了予定日「20xx年/07月]が表示され、以下、履修順に各単元項目の内容が表示される。
【0064】
長期プランは、予め定めた学習の推奨ペースに基づいた初期値、例えば、数学Iは10か月に設定される。この長期プランが示す初期値は目標スケジュール(全体期間)に相当し、学習誘導装置100は、プラン調整の際、この目標スケジュール(10か月)の全体期間内に収まるように調整を行う。また、学習誘導装置100は、単元の履修順についても、予め定めた推奨カリキュラムに沿って初期値を決定し、各単元の予定期間(完了予定日)を設定する。
【0065】
図4Bは、学習誘導装置が出力する短期プランの画面例を示す図である。学習誘導装置100は、端末装置111に出力する短期プラン画面450の上部には、プラン項目451として学習プラン「短期プラン」、短期プランの期間(2週間)内の講座数、各科目の講座数を表示する。図4Bの例では、プラン項目451の短期プランの期間(2週間)内の講座数が「12」、各科目の講座数として数学が「6」、英語が「3」、国語が「3」が表示されている。
【0066】
プラン項目451の下部には、プラン項目451で選択した科目(図4Bの例では、「数学」が選択)の単元項目452が表示される。また、科目「数学I」に含まれる単元「数と式(1)」452aと、「数式の加法・減法と乗法」452bの内容が表示される。また、科目「数学A」の単元項目453に含まれる単元「場合の数」453aの内容が表示される。
【0067】
学習誘導装置100は、短期プランについて、作成した長期プランの内容に基づき、科目の全講座が学習できるペースを算出する。しかしながら、ユーザの勉強時間によっては、期間内に収まりきらないケースが発生する。このような場合、学習誘導装置100は、例えば、「優先度の高い講座に絞る」、「時間効率の良い講座に差し替える」ことで、限られた時間内で無理なく学習でき、学習効果も落ちにくいプランを提示することもできる。
【0068】
学習誘導装置100が端末装置111に出力する長期プランおよび短期プランの画面は、端末装置に対するユーザ操作で切り替え可能である。学習誘導装置100は、長期プランおよび短期プランの作成後、今日の学習画面を作成し、端末装置111に出力する。これにより、ユーザは今日の学習を開始する。
【0069】
(2.今日の学習内容の提示)
図5は、学習誘導装置が出力する今日の学習画面例を示す図である。学習誘導装置100は、短期プランから1日分の講座を選定して今日の学習画面500として端末装置111に出力する。ユーザは、日々、この画面の講座を学習していくことで、プランに沿った学習ができるようになる。また、学習誘導装置100は、ユーザの学習状況に応じて補強講座の示唆を行うこともできる。
【0070】
図5に示す例では、今日の学習画面500の上部には、今日の学習項目501として全体講座数「6」と履修済み講座数「1」、学習プランとして目標の日時「20xx年7月18日」までの講座数と履修済講座数「6」が表示される。また、今日の学習画面500の下部には、今日学習する講座が講座数分だけアイコン502で表示される。図5の例では、計6つのアイコン503が表示される。例えば、アイコン502aは講座「数学I」のある単元「同類語で整理する」であり、履修済である表示「Perfect」が表示されている。また、アイコン502cは講座「数学A」のある単元「和数号の要素と個数」を示す。
【0071】
図6は、学習誘導装置の初回起動時の処理例を示すフローチャートである。図3図5の各表示画面に対応する処理例について説明する。
【0072】
はじめに、学習誘導装置100は、図3に示した初期チャット画面300上のチャットでユーザの学習の目標と状況を取得する(ステップS601)。次に、学習誘導装置100は、ユーザから取得した学習の目標と状況に基づき、学習する科目の科目ごとに長期プランを作成する(ステップS602)。この際、学習誘導装置100は、推奨ペースに基づき、目標日程を作成する。
【0073】
次に、学習誘導装置100は、作成した長期プランに基づき、所定期間、例えば、直近2週間分の短期プラン(図4参照)を作成する(ステップS603)。この際、学習誘導装置100は、週の学習予定時間や、ユーザによる「頑張りたい科目」を考慮して短期プランを作成する。
【0074】
次に、学習誘導装置100は、作成した学習プラン(長期プランおよび短期プラン)をユーザに提示する(ステップS604)。ユーザは、端末装置111の操作により、長期プランおよび短期プランを選択的に表示可能である。
【0075】
次に、学習誘導装置100は、作成した短期プランに基づき、今日の学習画面(図5参照)をユーザに提示する(ステップS605)。ユーザは、端末装置111上に表示された今日の学習画面にしたがい学習を開始することができる。
【0076】
図7は、学習誘導装置による短期プラン作成の処理例を示すフローチャートである。図7は、図6のステップS603の処理の詳細例であり、例えば、初回起動時後、次の2週間の短期プランの作成例を示す。
【0077】
はじめに、学習誘導装置100は、作成済みの長期プランに基づき、2週間の短期プランでの各科目の時間配分を計算する(ステップS701)。この際、学習誘導装置100は、ユーザが「頑張る科目」とした科目については時間配分を増加させる。
【0078】
次に、学習誘導装置100は、科目ごとに終了予定日までに、時間配分内で学習を終わらせるための学習ボリューム(講座提示率)を計算する(ステップS702)。そして、学習誘導装置100は、講座提示率が下限値を下回っているか否かを判断する(ステップS703)。下限値は、学習効果のための最低限確保すべき学習量に対応して予め設定したものである。
【0079】
ステップS703の判断結果、講座提示率が下限値を下回っていれば(ステップS703:Yes)、学習誘導装置100は、ステップS704の処理に移行する。一方、ステップS703の判断結果、講座提示率が下限値を下回っていなければ(ステップS703:No)、学習誘導装置100は、ステップS705の処理に移行する。
【0080】
ステップS704では、学習誘導装置100は、講座提示率の下限値に収まるように、講座を選定し(ステップS704)、ステップS706の処理に移行する。このステップS704の処理により、学習の終了日(全体期間)が当初目標を過ぎる見込みとなるが、学習効果を優先させている。
【0081】
ステップS705では、学習誘導装置100は、講座提示率に収まるように、講座を選定し(ステップS705)、ステップS706の処理に移行する。ところで、初回起動時においては、データの蓄積がないため、ステップS705の処理は、例えば、講座ごとの優先度等の情報に基づいて講座を選定する。
【0082】
ステップS706では、学習誘導装置100は、選定された講座の中から直近2週間分の勉強時間に収まる量の講座を抽出する(ステップS706)。以降、学習誘導装置100は、図6のステップS604の処理に移行する。
【0083】
図8は、学習誘導装置による今日の学習画面の提示の処理例を示すフローチャートである。図8は、図6のステップS605の処理の詳細例である。はじめに、学習誘導装置100は、作成した短期プランから1日分の講座を取得する(ステップS801)。次に、学習誘導装置100は、取得した1日分の講座のアイコン(図5参照)を端末装置111に表示出力し(ステップS802)、以上の処理を終了する。
【0084】
ユーザは、端末装置111上の今日の学習画面に表示されるアイコン502が示す講座を学習することで、学習プランに沿った学習を行える。
【0085】
(3.学習プランの調整)
学習誘導装置100は、短期プランの期間(例えば2週間)ごとに、学習プランの調整を行う。学習誘導装置100は、作成した短期プランの周期(2週間)ごとに、学習プランの予実(予測した状況に対する実際の状況)のふり返りの処理を行う。ここで、学習誘導装置100は、下記a.~c.の3つの観点での予実を評価する。
【0086】
a.短期プランの周期(2週間)ごとの学習実績の提示
b.学習プランの予実の取り組み評価
c.学習ペースの予実の提示
【0087】
上記a.~c.の処理時、学習誘導装置100は、チャットUIによる会話の中でユーザの状況を聞き出し、学習量を増やしたい、減らしたい、といった意志を確認する。そして、ユーザからヒアリングした情報と、実際の学習状況を基に、次の2週間の短期プランを作成(更新)する。
【0088】
以降、学習誘導装置100は、上記2.今日の学習内容の提示→3.学習プランの調整を繰り返す。これにより、学習誘導装置100は、短期プラン(2週間)ごとにプランを調整して学習を進めていく。
【0089】
図9A図9Cは、学習誘導装置による学習プランの調整時の表示画面例を示す図である。学習誘導装置100は、図9A図9B図9Cの順に、ユーザの端末装置111に学習実績の提示画面900を表示する。
【0090】
図9Aは、上記a.短期プランの周期(2週間)ごとの学習実績の提示時の表示画面例を示す。学習誘導装置100は、学習実績の提示画面900の上部に、過去2週間の学習実績項目901として、取り組んだ講座数と、目標(予定)と、実際に行った(実際)の学習状態を表示する。
【0091】
図9Aに示す学習実績項目901の例では、学習誘導装置100は、取り組んだ講座数「11講座」と、予定の学習日数「5日」と実際の学習日数「5日」が対可能に表示する。また、学習誘導装置100は、予定の総学習時間「2時間30分」と実際の学習時間「1時間50分」と、予定の1日平均(学習)時間「25分」と実際の1日平均(学習)時間「22分」と、を対比可能に表示する。
【0092】
学習誘導装置100は、学習実績の提示画面900の下部に、チャット領域Aを表示する。チャット領域Aには、表示する学習実績の期間(D91)と、学習実績に対する評価(D92)の内容のチャットを表示する。また、学習誘導装置100は、学習実績の提示画面900の最下部に、チャット表示された実績に対するユーザの回答領域Bおよび返答の複数のスタンプ903を表示する。
【0093】
図9Aの例では、学習誘導装置100は、想定される4つの返答例を表示しており、ユーザは、過去2週間での学習の状況をスタンプ選択で返答できる。スタンプは、「この調子で頑張る」、「今回は時間があった」、「今回は頑張ったが大変だった」、「学習に数を増やしたい」等、学習量の増減に関する返答が用意されている。学習誘導装置100は、ユーザが選択したスタンプの返答内容と、実際の学習状況を、次の2週間の短期プランの作成(更新)に用いる。
【0094】
図9Bは、上記b.学習プランの予実の取り組み評価の表示画面例を示す。学習誘導装置100は、予実の取り組み評価画面920の上部に、過去2週間の学習実績項目921として、取り組んだ講座数と、科目ごとの履修講座数の目標(予定)と、実際に行った(実際)の学習状態を表示する。
【0095】
図9Bに示す過去2週間の学習実績項目921について、学習誘導装置100は、取り組んだ講座数「11講座」と、教科「英語」について予定の講座数「3」と実際の講座数「3」とを対比可能に表示する。また、学習誘導装置100は、教科「数学」について予定の講座数「5」と実際の講座数「5」と、教科「国語」について予定の講座数「3」と実際の講座数「3」と、を対比可能に表示する。
【0096】
学習誘導装置100は、予実の取り組み評価画面920の下部に、チャット領域Aを表示する。チャット領域Aの上部には、予実の取り組み評価までの間のチャット内容「学習時間を設定しました」、「新たに設定した学習習慣を意識して進めていきましょう」、等が表示された状態である。
【0097】
そして、学習誘導装置100は、学習プランの予実の取り組みの評価結果として、「次は学習プランのふり返りです(D95)」、「目標の11講座を達成しました!頑張りましたね!(D96)」のチャットを表示する。また、学習誘導装置100は、予実の取り組み評価画面920の最下部の回答領域Bには、チャット表示された実績に対するユーザの返答のスタンプ923を表示する。
【0098】
図9Bの例では、学習誘導装置100は、想定される3つの返答例を表示しており、ユーザは、学習プランの予実の取り組みの評価結果に対しスタンプ選択で返答できる。スタンプは、「次も達成を目指す」、「少し大変だったので調整したい」、「まだ余裕があるからもう少し増やしたい」等、学習量の増減に関する返答が用意されている。学習誘導装置100は、ユーザが選択したスタンプの返答内容と、実際の学習状況を、次の2週間の短期プランの作成(更新)に用いる。
【0099】
図9Cは、上記c.学習ペースの予実の提示の表示画面例を示す。学習誘導装置100は、予実の提示画面940の上部に、現在の学習状況941として、総学習講座数「17講座」と、1日平均学習時間「21分」を表示する。また、講座ごとの学習ペースとして、推奨される学習ペースを基準として現在の学習ペースを段階別に評価し、「もう少し頑張ろう(1講座)」、「遅れ気味(8講座)」、「良いペース(3講座)」、「大変良い(Excellent)(5講座)」を表示する。
【0100】
学習誘導装置100は、予実の提示画面940の下部に、チャット領域Aを表示する。チャット領域Aの上部には、予実の提示までの間のチャット内容「不安なところは解消しておけると良いですね。…」、等が表示された状態である。
【0101】
そして、学習誘導装置100は、学習プランの予実の提示として、「現在の学習状況はこちらです(D97)」、「定期テストに向けて、学習ペースは「遅れ気味」となっています(D98)」のチャットを表示する。これは、学習誘導装置100は、現在の学習状況941の画面に示したように、段階別で最も多い講座数「8」が遅れ気味であることに基づく。また、学習誘導装置100は、予実の提示画面940の最下部の回答領域Bに、チャット表示された実績に対するユーザの返答のスタンプ943を表示する。
【0102】
図9Cの例では、学習誘導装置100は、想定される4つの返答例を表示しており、ユーザは、学習プランの予実の提示に対しスタンプ選択で返答できる。スタンプは、「スキマ時間を見つける」、「1日の学習時間を増やす」、「1種間の学習に数を増やす」、「しっかり理解して進める」等、学習量の増減に関する返答が用意されている。学習誘導装置100は、ユーザが選択したスタンプの返答内容と、実際の学習状況を、次の2週間の短期プランの作成(更新)に用いる。
【0103】
(学習プランの調整例)
次に、学習プランの調整例について説明する。学習プランの調整は、上述した3.学習プランの調整時に限らず、1.初回起動時においても実施する。
【0104】
学習プランの調整は、下記1)~3)の処理を行う。
1)各科目の時間配分の決定
学習誘導装置100は、ユーザからチャットでヒアリングした「週の学習予定時間」を、各科目の講座ボリュームに応じて分配する。ここで、学習誘導装置100は、「頑張りたい科目」に対して学習量の配分を増やす。また、2週間単位等のふり返りでの回答内容に応じて全体量を増やす調整を行う。
【0105】
2)各科目の学習ボリューム(講座提示率)の計算
学習誘導装置100は、科目ごとの割り当て時間内で、予定期間内に完了可能な学習ボリュームを試算し、「講座提示率(全講座のうち、何%分の講座を提示すべきか)」という指標を算出する。例えば、「講座提示率70%」は、全体量の70%の講座を消化していけば、予定期間に収まる状態を示す。
【0106】
講座提示率について、具体的な計算の一例を示す。例えば、学習誘導装置100は、初期プランでは、講座提示率={科目の割り当て時間(分/週)×科目の予定期間(週)}/全講座の所要時間合計(分)という計算式を用いて算出できる。
【0107】
また、ふり返りの場合は、それまでの学習ペースを加味して、今後の学習量予測を行い、遅れ気味なユーザほど、提示する学習ボリュームを下げるように調整する。例えば、講座提示率=初期プランの講座提示率×進捗率で計算する。進捗率は、例えば、進捗率={(完了済み講座数)/(総講座数)}÷{(経過済み期間(週))/(科目の予定期間(週)}で計算する。学習ペース予測については、他の各種手法を用いて予測することもできる。
【0108】
3)講座提示率に合わせて、提示する講座を選定する
学習誘導装置100は、講座提示率が100%未満の場合は、下記A.~C.の条件のいずれかを適用し、提示する講座を選定する。これにより、学習効果を大きく落とすことなく、学習ボリュームを削減する。
【0109】
A.講座の優先度情報に基づく選定
学習誘導装置100は、講座のメタ情報として優先度情報を付与しておき、優先度の高い講座に絞る(優先度の低い講座を省略する)。
【0110】
B.時間効率の良い講座への差し替え
学習誘導装置100は、講座の種類として、
a)時間がかかるが深く理解できる講座(例:通常講座)
b)短時間で学習でき、概要把握を中心とした講座(例:インプット動画や暗記カード)を用意しておき、a)からb)に講座を置き換えることで、概要把握を優先して時間短縮を図る。
【0111】
C.ユーザの学力に応じた選定
学習誘導装置100は、ユーザによる学習利用が進んで学習データが蓄積した場合、蓄積した学習データからユーザの学力を判定する。学習誘導装置100は、講座のメタ情報として「難易度」情報を付与しておき、ユーザの学力にあった難易度の講座を、優先する。
【0112】
例えば、講座のメタ情報として「難易度」を設定しておく。
学力が高くないユーザ→「基礎」「標準」を優先させる。
学力が高いユーザ→「標準」「応用」を優先させる。
【0113】
また、学習誘導装置100は、以下のように、状況によって手法を使い分けて調整を行うこととしてもよい。例えば、テストの目標点数を80点に設定したとする。そして、学習ペースについて、「順調」、「第1段階(学習時間が少し減り始めた場合)」、「第2段階(講座の調整だけでは目標の達成が難しい場合)」、最後の「第3段階」、と段階別に講座の選定を変更する。
【0114】
例えば、学習誘導装置100は、「順調」であれば、優先度の高い講座を優先的に提示する。また、学習結果に応じて、目標点が高い講座や、補強講座を提示する。次に、「第1段階」では、学習誘導装置100は、学習時間が少し減り始めたことに基づき、目標に対して学習効果が得られる講座を限定して提示する。次に、「第2段階」では、学習誘導装置100は、講座の調整だけでは目標の達成が難しいことに基づき、目標に対して学習効果が得られる講座を限定して提示する。最後に、「第3段階」では、学習誘導装置100は、時間が少なくても、内容に触れることができる学習に変更する。ここでは、一通り学習を取り組ませることで、定期対策等で初見の状態を避けることを目的とする。
【0115】
図10は、学習誘導装置による学習プランの調整処理例を示すフローチャートである。上述した所定期間(例えば2週間)単位での予実のふり返りにより短期プランを調整する処理例を説明する。
【0116】
はじめに、学習誘導装置100は、学習状況の集計を行い(ステップS1001)、学習状況の表示を行う(ステップS1002)。学習誘導装置100は、例えば、2週間経過ごとに、学習状況として、学習済みの講座数や勉強時間等を集計し、表示する。
【0117】
次に、学習誘導装置100は、ユーザの学習ペース実績を基に、科目の終了日を予測し、予定に対する遅延日数(あるいは前倒し日数)を計算し(ステップS1003)、遅延日数が一定以上であるか否かを判断する(ステップS1004)。
【0118】
遅延日数が一定以上の場合(ステップS1004:Yes)、学習誘導装置100は、ステップS1005の処理に移行する。一方、遅延日数が一定以上ではない場合(ステップS1004:No)、学習誘導装置100は、ステップS1007の処理に移行する。
【0119】
ステップS1005では、学習誘導装置100は、ユーザに勉強時間を増やす提案を行い、ユーザの意思を確認する(ステップS1005)。例えば、学習誘導装置100は、図9A図9に示したチャットによりユーザに勉強時間を増やす提案を行い、ユーザの意思を確認する。
【0120】
ステップS1005でのユーザから勉強時間を増やす確認が得られた場合(ステップS1005:Yes)、学習誘導装置100は、学習予定時間に勉強時間を上乗せし(ステップS1006)、ステップS1007の処理に移行する。一方、ステップS1005でのユーザから勉強時間を増やさない確認が得られた場合には(ステップS1005:No)、学習誘導装置100は、ステップS1007の処理に移行する。
【0121】
ステップS1007では、学習誘導装置100は、次の2週間の短期プランを作成する(ステップS1007)。次に、学習誘導装置100は、作成したプラン(短期プラン)を表示する(ステップS1008)。また、学習誘導装置100は、ステップS1008で作成した短期プランに基づき、今日の学習画面を表示し(ステップS1009)、以上の処理を終了する。
【0122】
図11は、学習誘導装置による学習プランの調整処理例を示すフローチャートである。図11は、図10のステップS1007に示す、次の2週間の短期プランの作成の処理の詳細例である。
【0123】
はじめに、学習誘導装置100は、各科目の時間配分を計算する(ステップS1101)。例えば、学習誘導装置100は、チャットで勉強時間を増やす回答をユーザから得た場合は、全体的に一定時間を上乗せする。また、学習誘導装置100は、チャットで「頑張る科目」については、勉強時間の配分を増やす。
【0124】
次に、学習誘導装置100は、ユーザの学習ペース実績を基に、科目の終了日を予測し、予定に対する遅延日数(あるいは前倒し日数)を計算する(ステップS1102)。そして、学習誘導装置100は、計算した遅延が大きい(例えば2か月以上遅延)か否かを判断する(ステップS1103)。
【0125】
ステップS1103での判断の結果、遅延が大きい場合(ステップS1103:Yes)、学習誘導装置100は、時間効率の良い講座への差し替えを行う(ステップS1104)。遅延が大きくなった場合は、短時間で学習でき、概要把握を中心とした講座、例えば、インプット動画や暗記カードに講座を置き換えることで、概要把握を優先して時間短縮を図る。この後、学習誘導装置100は、ステップS1110の処理に移行する。
【0126】
ステップS1103での判断の結果、遅延が大きくない場合(ステップS1103:No)、学習誘導装置100は、蓄積された学習データから、科目に対するユーザの学力を推定する(ステップS1105)。そして、学習誘導装置100は、科目ごとに、終了予定日までに、時間配分内で勉強を終わらせるための学習ボリューム(講座提示率)を計算する(ステップS1106)。ここでは、学習誘導装置100は、上述したように、これまでの学習ペースから、今後の学習量予測を行い、遅れ気味なユーザほど提示ボリュームを下げる。
【0127】
次に、学習誘導装置100は、講座提示率が下限値(学習効果のため低低減確保すべき学習量)を下回っているか否かを判断する(ステップS1107)。ステップS1107の判断の結果、講座提示率が下限値を下回っていれば(ステップS1107:Yes)、学習誘導装置100は、ステップS1108の処理に移行する。一方、講座提示率が下限値を下回っていなければ(ステップS1107:No)、学習誘導装置100は、ステップS1109の処理に移行する。
【0128】
ステップS1108では、学習誘導装置100は、講座提示率の下限値に収まるように、講座を選定し(ステップS1108)、ステップS1110の処理に移行する。ここで、学習誘導装置100は、学習の終了日を過ぎる見込みとなるが、学習効果を優先する。
【0129】
ステップS1109では、学習誘導装置100は、講座提示率に収まるように、講座を選定し(ステップS1109)、ステップS1110の処理に移行する。ここで、学習誘導装置100は、ステップS1109の処理において、講座のメタ情報として「難易度」の情報を付与しておき、ユーザの学力に適合した難易度の講座を優先して選定することとしてもよい。例えば、「難易度」が低い順に「基礎」、「標準」、「応用」の暖気に分け、学力が高くないユーザに対しては、「基礎」と「標準」の講座を優先して選定し、学力が高いユーザに対しては、「標準」と「応用」の講座を優先して選定することとしてもよい。
【0130】
ステップS1110では、学習誘導装置100は、選定された講座の中から、直近2週間分の勉強時間に収まる量の講座を抽出し(ステップS1110)、以上の処理を終了する。この後、学習誘導装置100は、図10のステップS1008の処理に移行する。
【0131】
(チャットの回答修正機能について)
以上説明したように、学習誘導装置100は、ユーザとのチャットで得られた情報を含め、学習プランの作成および調整を行う。以下の説明では、ユーザがチャットで行った回答の修正に対応した機能について説明する。
【0132】
学習誘導装置100は、チャット部102aのチャットUIにより、対話形式で質問をユーザに表示し、それに対するユーザの回答によって後続の対話内容を決定する(シナリオ型チャットボット)。通常、チャットによる対話は一方向に進行するが、ユーザの誤操作や一時的な思い違いによって回答を修正したくなる場面が生じる。以下に説明するチャットの回答修正機能では、過去に行った特定の回答を修正することができ、かつ修正した結果が後続の既に表示されている対話の内容にも反映されるようにする。
【0133】
ユーザは、チャット画面のスクロールによって、過去のチャット内容に戻り確認することができる。また、ユーザによるある回答の修正ボタンのタップにより、学習誘導装置100が該当する質問が表示される位置までチャットの履歴を自動的にスクロールしてもよい。
【0134】
従来、対人チャットでの投稿内容の修正機能や、チャットボットでの質問に対して一つ前に戻るUndo機能は存在するが、実施の形態によるチャットの回答修正機能によれば、以下の点で有利な作用効果を有している。
a)過去に行った特定の回答のみをピンポイントで修正できる。
b)修正した結果が後続の既出の対話内容に反映される。
【0135】
機能詳細を説明する。a)過去に行った特定の回答のみをピンポイントで修正できる機能については、ユーザが質問に対して回答した場合、ユーザの発言として回答内容が表示され、回答の吹き出しにはそれぞれ「修正ボタン」を表示する。ユーザが修正ボタンをタップすると、学習誘導装置100のチャット部102aは、質問に対して再度回答可能な他の回答を含む選択肢等を再度表示し、ユーザは、選択肢の選択により回答を更新できるようにする。
【0136】
学習誘導装置100は、チャットの対話の内容によってコーチングの内容を変更するため、ユーザは気づいた時に過去の任意の回答を修正したい場合が生じることがある。ここで、従来のUndo機能では、一つずつ過去の質問を遡ったり、最初からやり直したりして多くの質問に回答し直す流れである。これに対し、実施の形態の学習誘導装置100によるチャットの回答の修正機能では、任意の回答のみを修正できるため、ユーザの操作回数を減らすことができるようになる。
【0137】
次に、b)修正した結果が後続の既出の対話内容に反映される機能については、過去の回答を修正した場合、それに対するチャットボット側の反応やさらに後続の対話の内容に不整合が生じる。これは、回答に対して別の反応をしたり、違うシナリオの分岐に進んだりするため生じる。実施の形態の学習誘導装置100のチャットの回答修正機能では、修正した回答より後続の対話内容が改めて評価され、最新の回答を反映した内容に自動的に置き換える。
【0138】
例えば、「学習時間を増やしますか?」という質問に対し、ユーザは、「学習時間は変えない」との回答を、後に「学習時間を増やす」と修正したとする。これに対し、学習誘導装置100のチャットは、「学習時間は変えない」との回答に対しては、「後続の対話スキマ時間を見つけよう」と反応し、この際には、増やした方が良いことを示唆する。この後、ユーザが「学習時間を増やす」と回答を修正した場合、学習誘導装置100のチャットは、「増えた学習時間を目標に頑張ろう」と時間を増やした場合の目標について言及する異なる反応を行っている。このように、学習誘導装置100は、対話内容が置き換わる箇所は、例えば、アニメーションによって一つひとつ示し、回答の修正によって元の対話内容がどのように変化したのかを分かりやすく表示する。
【0139】
上記のチャットの回答修正機能によれば、ユーザ側における直近の誤操作だけでなく、対話を進めていく中で気づいた思い違いや意識の変化に対して、学習誘導装置100は、すぐに必要な箇所だけを修正することができる。この点、従来のUndo機能の場合、戻った箇所から再度全ての質問に回答し直さなければならない。
【0140】
また、修正時の自分の回答がどのように対話に反映されたかが理解しやすく、対話内容にも不自然な点が残らない。さらに、回答した後に、修正することができるという点で、一つひとつの質問への回答にプレッシャーを感じさせない。スムーズに対話を進めることができるようになる。
【0141】
図12は、学習誘導装置による回答修正機能のチャット画面例を示す図である。学習誘導装置100のチャット部102aがユーザの端末装置111に表示する、回答修正機能を有するチャット画面1200の例を示す。
【0142】
このチャット画面1200は、図3に示した初期チャット画面相当の上記同様にチャット領域Aと、ユーザによる回答領域Bが表示される。また、図3に示した初期チャット画面相当のチャット内容を示したものであり、学習誘導装置100は、チャット領域A上で、講座コース案内(D1201)、ユーザ確認(D1202)の問い合わせ(質問)を表示する。
【0143】
ユーザは、ユーザ確認D1202に対応するユーザの回答として、ユーザ名「田中です!」R1202を入力している。ここで、学習誘導装置100は、ユーザ回答R1202の直下位置に修正ボタンE1202「修正する」を表示し、表示後任意のタイミングでユーザによる「修正する」のボタンのタップ操作で回答R1202を修正可能である。
【0144】
学習誘導装置100は、ユーザによるユーザ名の確認(D1203)、講座コース案内(D1204)、教科別の講座選択確認(D1205)を表示する。ここで、ユーザは、教科別の講座選択確認(D1205)の「理科」の講座について、「物理基礎と、化学基礎」R1205を回答したとする。ここで、学習誘導装置100はユーザの回答R1205の直下位置に修正ボタンE1205「修正する」を表示し、表示後任意のタイミングでユーザによる「修正する」のボタンタップ操作で回答R1205を修正可能である。
【0145】
この後、学習誘導装置100は、次の教科の講座選択確認(D1206)を表示する。ここで、回答領域Bに示すように、学習誘導装置100のチャット部102aは、ユーザが選択可能な講座等の回答を画像(スタンプ1211)として表示し、ユーザによるスタンプ1211の選択、および決定ボタン1212の操作により、チャット領域Aにおけるユーザの回答Rの回答ごとの内容を簡単に選択できる。すなわち、学習誘導装置100のチャット部102aは、問い合わせDごとに、この問い合わせDの内容に対応する想定した回答Rを複数のスタンプ1211として回答領域Bに表示する。
【0146】
これにより、ユーザは、教科別の講座選択確認(D1206)の「地歴公民」の講座について、スタンプ1211のうち「地理総合」と、「日本史探求」を選択操作し、決定ボタン1212を操作することで、学習誘導装置100による問い合わせD1206に対応するユーザの回答Rを、テキスト入力することなくスタンプ1211のボタン操作のみで簡単に回答できる。
【0147】
図13は、学習誘導装置によるユーザの回答支援機能を説明するチャット画面例を示す図である。学習誘導装置100のチャット部102aは、問い合わせDの内容に応じて図13(a)~図13(d)のいずれかを選択し、回答領域Bに表示する。
【0148】
図13(a)は、問い合わせの内容Dが上記講座の選択等であり、ユーザが選択肢の中から回答を行う場合の例である。この場合、学習誘導装置100のチャット部102aは、問い合わせDに対応する講座「地理総合」、「日本史探求」等の複数のスタンプ1211を回答領域Bに表示する。
【0149】
図13(b)は、問い合わせの内容Dに対応する回答が上記名前やニックネーム等の自由入力の場合の例である。この場合、学習誘導装置100のチャット部102aは、問い合わせDに対応してユーザが自由入力するテキスト入力欄1301を回答領域Bに表示する。
【0150】
図13(c)は、問い合わせの内容Dが複数あり、対応して回答が「得意な科目」、「苦手な科目」、「これから頑張りたい科目」のそれぞれで選択肢の中から回答を行う場合の例である。この場合、学習誘導装置100のチャット部102aは、それぞれの問い合わせごとに、設定しておいた講座名をユーザ操作により選択できるプルダウン表示欄1302を回答領域Bに表示する。
【0151】
図13(d)は、問い合わせの内容Dが科目ごとの学習内容の調整を行う場合等の例である。この場合、学習誘導装置100のチャット部102aは、学習中の科目の講座名1303と、「変更する」の変更ボタン1304を回答領域Bに表示する。ユーザによる変更ボタン1304の操作により、学習する講座を変更可能である。
【0152】
(チャットの回答修正処理例)
図14は、学習誘導装置によるチャットの回答修正処理例を示すフローチャートである。図14は、主に学習誘導装置100(チャット部102a)によるユーザへの質問、およびユーザによる回答、さらには質問の修正時の処理例であり、ユーザ側の端末装置111の操作内容と、ユーザ操作に基づくチャット部102a(チャットボット)側の処理を示す。
【0153】
はじめに、ユーザがチャットを開始すると(ステップS1401)、学習誘導装置100は、ユーザに対し質問Aを表示し(ステップS1402)、質問Aの選択肢を表示する(ステップS1403)。
【0154】
これにより、ユーザは、質問Aの回答を選択する(ステップS1404)。これにより、学習誘導装置100は、質問Aの回答に対する発言(返答)を表示する(ステップS1405)。次に、学習誘導装置100は、同様にユーザに質問Bを出題し、ユーザから回答を得る(ステップS1406)。この後、学習誘導装置100は、質問Cを表示し(ステップS1407)、質問Cの選択肢を表示する(ステップS1408)。
【0155】
ここで、ユーザが以前に回答した質問Aの修正ボタンをタップしたとする(ステップS1409)。この場合、学習誘導装置100は、質問Aが表示される位置までチャットの履歴をスクロールし(ステップS1410)、質問Aの選択肢を表示する(ステップS1411)。
【0156】
これにより、ユーザは、質問Aの別の回答を選択することができ、回答を行う(ステップS1412)。そして、学習誘導装置100は、質問Aの回答に対する発言(返答)を新しい回答に対する内容に更新する(ステップS1413)。また、学習誘導装置100は、後続の発言があるか否かを判断する(ステップS1414)。後続の発言があれば(ステップS1414:Yes)、学習誘導装置100は、質問Aに関連する発言の内容を更新し(ステップS1415)、ステップS1414の処理に戻る。一方、後続の発言がなければ(ステップS1414:No)、学習誘導装置100は、質問Cの選択肢を表示する(ステップS1416)。
【0157】
ユーザは、質問Cの回答を選択し(ステップS1417)、以降、最後の質問までの間、チャットを継続し(ステップS1418)、学習誘導装置100は、以上の処理を終了する。
【0158】
図15は、学習誘導装置によるチャットの回答修正処理の詳細例を示すフローチャートである。図15では、最新の質問を表示中、ユーザにより過去の質問の修正を行う1回の詳細な処理例を示す。
【0159】
はじめに、ユーザが過去の質問の修正ボタンをタップしたとする(ステップS1501)。この場合、学習誘導装置100は、表示されている選択肢を非表示にし(ステップS1502)、過去の質問が表示されている位置までチャットの内容をスクロールする(ステップS1503)。そして、学習誘導装置100は、修正対象の質問の選択肢を表示する(ステップS1504)。
【0160】
これにより、ユーザは、修正対象の質問の回答を選択し、回答する(ステップS1505)。次に、学習誘導装置100は、ユーザにより別の回答が選択されたか否かを判断する(ステップS1506)。別の回答が選択された場合(ステップS1506:Yes)、学習誘導装置100は、ステップS1508の処理に移行する。一方、別の回答が選択されていない場合(ステップS1506:No)、学習誘導装置100は、最新の発言の処理に戻り(ステップS1507)、以上の処理を終了する。
【0161】
ステップS1508では、学習誘導装置100は、ユーザが行った別の回答によって以降の分岐を評価する(ステップS1508)。この場合、学習誘導装置100は、上述したように、例えば、修正した回答より後続の対話内容を改めて評価し、最新の回答を反映した内容に自動的に置き換える等、の処理を行う。そして、学習誘導装置100は、修正対象の質問の回答に対する発言(返答)を新しい回答に対応する内容に更新する(ステップS1509)。
【0162】
次に、学習誘導装置100は、後続の発言があるか否かを判断する(ステップS1510)。後続の発言があれば(ステップS1510:Yes)、学習誘導装置100は、後続の発言の内容を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS1511)。一方、後続の発言がなければ(ステップS1510:No)、学習誘導装置100は、ステップS1518の処理に移行する。
【0163】
また、ステップS1511の判断結果、後続の発言の内容を変更する必要があれば(ステップS1511:Yes)、学習誘導装置100は、新しい回答に関連する内容に更新し(ステップS1512)、ステップS1513の処理に移行する。S1512の処理において、学習誘導装置100は、発言自体を消す場合もある。一方、後続の発言の内容を変更する必要がなければ(ステップS1511:No)、学習誘導装置100は、ステップS1513の処理に移行する。
【0164】
ステップS1513では、学習誘導装置100は、追加で発言を表示する必要があるか否かを判断する(ステップS1513)。判断の結果、追加で発言を表示する必要があれば(ステップS1513:Yes)、学習誘導装置100は、発言の数が増える場合があり、発言の数が増えることに対応して、新しい回答に関連する発言を追加で表示し(ステップS1514)、ステップS1515の処理に移行する。一方、追加で発言を表示する必要がなければ(ステップS1513:No)、学習誘導装置100は、ステップS1510の処理に戻る。
【0165】
ステップS1515では、学習誘導装置100は、追加された発言が質問であるか否かを判断する(ステップS1515)。判断結果、追加された発言が質問であれば(ステップS1515:Yes)、学習誘導装置100は、質問の選択肢を表示する(ステップS1516)。これにより、ユーザは、質問の回答を選択し、回答することができる(ステップS1517)。
【0166】
一方、ステップS1515の判断結果、追加された発言が質問でなければ(ステップS1515:No)、学習誘導装置100は、ステップS1510の処理に戻る。
【0167】
そして、ステップS1518では、学習誘導装置100は、最新の質問の選択肢を表示し(ステップS1518)、学習誘導装置100は、以上の処理を終了する。
【0168】
以上説明した実施の形態によれば、学習誘導装置は、学習開始時に、ユーザから学習の目標および学習する科目に関する情報を取得し、取得した学習の目標および学習する科目に基づき、科目を所定の全体期間で学習完了するための学習時間を含む学習ボリュームを算出し、当該学習ボリュームに基づき、科目ごとの複数の講座の学習時間を含む長期学習プランを作成する。作成した長期プランに基づき、当該長期プランより短い所定期間における科目の講座別に予測した学習時間を算出した短期プランを作成する。短期プランに基づき、ユーザに対し、日々ごとに学習すべき教科の講座を提示する。所定期間ごとに、学習時間に関する予測と実際との差分を算出し、ユーザの学習状況に応じて、全体期間で学習完了するために必要な学習時間を算出し、短期プランの講座および講座ごとの学習時間を調整する。これにより、全体期間で学習完了し、所定の学習効果を得ることができるようになる。全体期間が長い場合、ユーザの学習状況の変化により、長期学習プラン通りの学習が行えなくなる場合があるが、長期プランを短い期間で区切った短期プランを作成し、短期プランから日々の学習の講座を提示することで、短期プランの所定期間毎に学習の振り返りを行える。この振り返りでユーザの学習状況に応じた学習時間の調整を行うことで、全体期間で学習完了させ、所定の学習効果を得ることができるようになる。これにより、学習者の学力に適応した学習誘導ができるようになる。
【0169】
また、学習に関する状況をユーザへ問い合わせ、当該ユーザからの回答を取得し、取得したユーザからの回答に基づき、次回以降の短期プランで学習する講座および講座ごとの学習時間を調整することができる。このように、ユーザとの間で学習状況に関する対話を行うことで、次回以降にユーザに提示する短期プランをユーザの学習状況に沿ったものにできるようになる。
【0170】
また、学習に関する状況を、予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、をユーザに順次提示し、取得することとしてもよい。例えば、チャットボットを用いることで、ユーザとのチャットにより、学習に関する状況として必要な回答を簡単に取得できるようになる。
【0171】
また、所定期間ごとに、学習時間に関する予測と実際との差分を含む学習ペース実績をユーザに提示してもよい。そして、学習ペース実績に基づき、講座ごとの学習完了日を予測し、全体期間に対する遅延がある場合には、ユーザに学習時間の増加を提示し、ユーザによる学習時間の増加の有無に応じて学習時間の上乗せの有無を決定することとしてもよい。これにより、短期プランの所定期間毎に、ユーザに対し学習時間の予測と実際の差分の具体的に提示できるようになる。そして、ユーザ確認のうえで、学習に遅延がある場合、学習時間の増加を行うことで、全体期間での学習完了を達成できるようになる。
【0172】
また、全体期間に対する遅延が所定以上生じている場合、講座を時間効率が良い講座に差し替えることとしてもよい。このような講座の差し替えにより、全体期間での学習完了を達成することもできる。
【0173】
また、講座ごとに学習の難易度を付与し、学習の実施によりユーザの学力を蓄積してもよい。そして、全体期間に対する遅延または前倒しに応じて、ユーザの学力に対応した難易度を有する講座に差し替えることとしてもよい。これにより、全体期間での学習完了をしつつ、ユーザの学力に適合した講座による学習に誘導し、ユーザの学習効果を向上できるようになる。
【0174】
また、所定期間ごとに、学習ボリュームが所定以下の場合、所定の学習ボリュームに収まる講座を選定し直すこととしてもよい。これにより、全体期間での学習完了をしつつ、ユーザに対し、最適な学習ボリュームでの学習を行わせることができるようになる。
【0175】
また、学習に関する状況を、チャットボットに予め設定された、問い合わせ内容と、当該問い合わせに対する回答内容と、をユーザに順次提示し、取得した問い合わせおよび回答の履歴を蓄積する。そして、回答ごとにユーザが修正可能な修正ボタンを表示し、ユーザによる修正ボタンの操作時には、当該修正操作に対応する過去の回答に戻り当該回答を修正可能なこととしてもよい。チャットボットを用いることで、ユーザとのチャットにより、学習に関する状況として必要な回答を簡単に取得できるようになる。また、ユーザは、以前の回答したチャットについて、履歴のなかから回答を修正でき、回答の修正により、ユーザは常に変化する学習の状況をもれなく伝えることができるようになる。
【0176】
そして、ユーザによる回答の修正に基づき、次回以降の短期プランで学習する講座および講座ごとの学習時間を調整することとしてもよい。これにより、ユーザは常に変化する学習の状況に適合して調整された学習時間で学習でき、全体期間での学習完了ができるようになる。
【0177】
また、チャットボットの予めの設定により、問い合わせ内容に応じた複数の回答の選択肢をユーザに選択可能に表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、できるだけ簡単な操作で回答を行うことができるようになる。
【0178】
なお、本実施の形態で説明した学習誘導にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0179】
この発明にかかる学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置は、校内教育や、通信教育、学習塾等での学習を支援する学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置に有用であり、特に、生徒の自立した学習を支援する学習誘導プログラム、学習誘導方法および学習誘導装置に適している。
【符号の説明】
【0180】
100 学習誘導装置
101a チャットDB
101b 学習プランDB
102 学習プラン作成部
102a チャット部
102b 初期プラン作成部
102c 短期プラン作成部
102d プラン調整部
111 端末装置
201 CPU
202 ROM
203 RAM
205 ハードディスク
210 ディスプレイ
213 ネットワークI/F
300 初期チャット画面
311 スタンプ
400 長期プラン画面
450 短期プラン画面
500 今日の学習画面
900 学習実績の提示画面
920 予実の取り組み評価画面
940 予実の提示画面
1200 回答修正機能を有するチャット画面
A チャット領域
B 回答領域
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15