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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032948
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240305BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014520
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2021021691の分割
【原出願日】2020-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】518182508
【氏名又は名称】株式会社Matchbox Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
(57)【要約】
【課題】過去に事業者に雇用されていた経験者を活用することが可能なシフト調整システムの技術を提供する。
【解決手段】シフト調整システム1のサーバ20は、その機能として、事業者に雇用されている内部雇用者や外部経験者から就業を希望するシフトの入力情報を受け付けるシフト情報受付モジュール2033と、シフト情報を、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者ごとに区別して、事業者へ提示するシフト情報提示モジュール2034と、就業希望情報を参照した事業者が、実際に就業してもらう就業希望者を選定する入力情報を受け付ける選定モジュール2036と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、前記事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に前記事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、
前記制御部は、前記就業希望者から、前記事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるシフト情報受付部と、
前記内部雇用者からの前記シフト情報と、前記外部経験者からの前記シフト情報とを区別して前記事業者へ提示するシフト情報提示部と、
前記事業者から、提示された前記シフト情報から実際に就業する前記就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付ける選定部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記外部経験者の属性を、過去に前記内部雇用者であった元内部雇用者と、過去に前記事業者に一時的に雇用されていた元外部採用者と、に区別して記憶するように構成されている、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記事業者に対して就業を希望する、就業経験のない就業未経験者の情報を、前記内部雇用者、前記元内部雇用者、及び前記元外部採用者と区別して記憶するように構成されている、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記就業希望者の属性が変更された場合、前記内部雇用者または前記外部経験者の属性を変更して記憶するように構成されている、請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記事業者から、前記シフト情報の追加募集を受け付け、前記就業希望者へ提示する追加募集受付部を備え、
前記シフト情報受付部は、前記就業希望者から、前記追加募集に対して就業を希望する前記シフト情報の入力を受け付ける、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記追加募集受付部は、1の前記事業者から、他の前記事業者に雇用されている内部雇用者、及び過去に他の前記事業者に雇用されていた外部経験者に対して閲覧可能に提示し、
前記シフト情報受付部は、他の前記事業者に雇用されている内部雇用者、及び過去に他の前記事業者に雇用されていた外部経験者から、前記追加募集に対して就業を希望する前記シフト情報の入力を受け付ける、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記追加募集受付部は、前記事業者から、前記内部雇用者、前記元内部雇用者、前記元外部採用者のいずれか1つまたは複数の属性の選択の入力を受け付け、該当する属性の前記就業希望者に対して閲覧可能に前記シフト情報の追加募集を提示する、請求項5または請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記追加募集受付部は、前記シフト情報の追加募集を提示する前記就業希望者の属性を、前記内部雇用者、前記元内部雇用者、前記元外部採用者の順に段階的に提示する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記追加募集受付部は、前記事業者から、既に選択されている前記内部雇用者、前記元内部雇用者、前記元外部採用者のいずれか1つまたは複数の属性の選択についての変更の入力を受け付け、該当する変更後の属性の前記就業希望者に対して閲覧可能に前記シフト情報の追加募集を提示する、請求項7または請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記追加募集受付部は、前記事業者から、前記内部雇用者、前記元内部雇用者、前記元外部採用者ごとに、前記シフト情報の追加募集についてそれぞれ異なる条件の入力を受け付け、それぞれ該当する属性の前記就業希望者に対して閲覧可能に前記シフト情報の追加募集を提示する、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記事業者により選定された前記就業希望者に対して、前記事業者から選定されたことを通知する受入通知部を備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記選定部は、前記事業者によりあらかじめ設定された前記就業希望者を選定する条件に基づき、提示された前記就業希望者の情報から、実際に就業する前記就業希望者を自動選定する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記事業者により選定された前記就業希望者に対して、前記就業希望者が前記内部雇用者または前記外部経験者であるかに対応して、就業に必要な帳票を発行する帳票発行部を備える、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記就業希望者が実際に就業した後、前記就業希望者の就業に係る勤怠情報に基づき、前記就業希望者に対する給与支払いの精算を行う精算部を備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記就業希望者が実際に就業した後、前記事業者による前記就業希望者の就業に対する評価情報の入力を受け付ける評価情報受付部を備え、
前記記憶部は、
前記就業希望者に紐づけて前記評価情報を記憶するように構成されている、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置により実行されるための方法であって、
前記記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、前記事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に前記事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、
前記制御部は、前記就業希望者から、前記事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、
前記内部雇用者からの前記シフト情報と、前記外部経験者からの前記シフト情報とを区別して前記事業者へ提示するステップと、
前記事業者から、提示された前記シフト情報から実際に就業する前記就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行する、方法。
【請求項17】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、前記事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に前記事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、
前記制御部に、前記就業希望者から、前記事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、
前記内部雇用者からの前記シフト情報と、前記外部経験者からの前記シフト情報とを区別して前記事業者へ提示するステップと、
前記事業者から、提示された前記シフト情報から実際に就業する前記就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行させる、プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店では、非正規雇用のアルバイトやパートタイマーの労働者を店員として採用していることが多い。このような非正規雇用のアルバイトやパートタイマーの労働者は、学生や主婦、すでに企業を定年退職しているいわゆるシニア層の労働者や、本業の仕事とは別に副業として仕事をしている者も多い。このような労働者は、自己の都合に合わせて短時間だけの就業を希望することが多いため、上記のような小売店の事業者や管理者は、アルバイトやパートタイマーの労働者が希望する就業シフトを調整し、必要な労働力を確保している。
【0003】
それでも、時間帯によっては、どうしても必要な労働力を確保できない場合が発生することがある。また、昨今の人手不足の状況により、労働者を確保するのが困難になりつつある。そのため、例えば短期間、具体的には1日だけ働いてもらう、または短時間、具体的には4時間だけ働いてもらう、というような、いわゆる日雇いのような雇用を促進する雇用のシェアリングが普及しつつある。
【0004】
このような雇用のシェアリングを実現するために、特許文献1には、求職者と雇用者(事業者や管理者)とのマッチングを支援する求人マッチングシステムが開示されている。この求人マッチングシステムは、特に日雇いの求人についてのマッチングを支援するシステムであり、求人情報の配信、適切な人材の選定補助、実際の契約の雇用契約の締結、その後の求職者の勤務まで短時間で行うことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-117375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の求人マッチングシステムは、求職者の位置情報に基づいて雇用情報を提供するものであるが、求職者を雇用する事業者にとっては、その求職者が当該業務について経験を有するか否かが重要である。求職者が当該業務について経験を有する場合、業務に必要な研修を省略することが可能であり、その求職者を即戦力として雇用することが可能だからである。例えば、過去に当該事業者に雇用されていた者を、シフト不足等の理由により一時的に雇用することが可能であれば、経験者を活用することが可能である。このように、従来の求人マッチングシステムでは、過去に当該事業者に雇用されていた経験者の情報を利用するような構成ではないため、経験者を活用することは困難であった。
【0007】
そこで、本開示では、過去に事業者に雇用されていた経験者を活用することが可能な技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によると、制御部と、記憶部とを備える情報処理装置が提供される。記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部は、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるシフト情報受付部と、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するシフト情報提示部と、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付ける選定部と、を備える。
【0009】
一実施形態によると、制御部と、記憶部とを備える情報処理装置により実行されるための方法が提供される。記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部は、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するステップと、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行する。
【0010】
また、一実施形態によると、制御部と、記憶部とを備える情報処理装置に実行させるためのプログラムが提供される。記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部に、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するステップと、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者とに区別して記憶するように構成されている。また、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付ける。このシフト情報は、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示され、事業者により選定される。そのため、事業者は、就業希望者の属性を考慮して選定することが可能である。これにより、過去に事業者に雇用されていた経験者を活用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1のシフト調整システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1のシフト調整システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1のシフト調整システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】サーバ20が記憶するシフトデータベース2021、追加募集データベース2022、従業員データベース2023、帳票データベース2024のデータ構造を示す図である。
図5】実施の形態1のシフト調整システム1により、シフト情報の入力受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1のシフト調整システム1により、シフト調整処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1のシフト調整システム1により、シフトの追加募集処理を行う流れの他の一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1のシフト調整システム1により、シフトの追加募集に対する外部採用者からの就業希望受付処理を行う流れの他の一例を示すフローチャートである。
図9】シフト調整処理における端末装置10Aの画面例を示す図である。
図10】シフトの追加募集処理における端末装置10Aの画面例を示す図である。
図11】シフトの追加募集に対する応募受付処理における端末装置10Bの画面例を示す図である。
図12】実施の形態2のシフト調整システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
<概要>
以下、本開示の実施の形態であるシフト調整サービスを提供するシフト調整システムについて説明する。このシフト調整システムは、例えば、小売店等におけるアルバイトやパートタイマーの労働者が希望する労働時間、いわゆるシフトの希望を受け付け、事業者や管理者が調整するシステムである。
【0015】
このシフト調整システムは、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店や、飲食店を複数運営する企業、あるいは短時間、短期間のアルバイトの労働者を派遣するような企業等、様々な業種の店舗、企業により利用可能であるが、以下の実施形態では、コンビニエンスストアのシフト調整を例として説明する。なお、この実施形態の例では、このシフト調整システムを使用する事業者とは、小売店等を経営する店主、1または複数の店舗を運営する企業や個人事業主である。このシフト調整システムは、1または複数の事業者によって使用されてシフト情報が共有されてもよく、複数の事業者の場合、特定の資本関係があるグループ企業間で使用されてシフト情報が共有されてもよく、特に資本関係がない事業者同士が所定の合意のもとに使用されてシフト情報が共有されてもよい。
【0016】
このシフト調整システムでは、就業可能な従業員の情報として当該事業者に雇用されている雇用者(内部雇用者)の情報のみならず、過去に当該事業者に常勤として雇用されていたが既に退職している、いわゆるOBやOGと呼ばれる元雇用者(元内部雇用者)や、短期的(例えば、1日のみでも可能)に当該事業者に雇用されて就業した元雇用者(元外部採用者)の情報も、外部経験者として登録して記憶している。以下、元内部雇用者と元外部採用者とを総称して、外部経験者という。このような内部雇用者や外部経験者から、就業を希望するシフト情報を受け付け、時間帯ごとに必要な人数を確保するためにシフト調整が行われている。このような外部経験者は、例えば、学生時代にアルバイトとして当該事業者に雇用されていたが、卒業や就職により退職した者や、家庭の主婦がパートタイマーとして当該事業者に雇用されていたが、家庭の事情や再就職により退職した者が含まれる。
【0017】
また、このシフト調整システムでは、シフトの調整ができない(ある時間帯において、就業希望者数が本来必要な就業者数に達していない)場合、内部雇用者や外部経験者に対して短期的に就業してもらうために、シフト(調整できないシフト)の追加募集を提示し、都合がつく者に応募してもらうことを可能にしている。そのとき、雇用に際して必要な書類、例えば労働条件通知書や出勤簿のような書類を発行する。これにより、本来勤務している店舗とは異なる店舗にて勤務してもらうことや、過去に勤務経験がある者を一時的に雇用して勤務してもらうことで、業務に必要な研修を省略することが可能であり、内部雇用者や外部経験者を即戦力として雇用することを可能にしている。さらに、このシフト調整システムでは、シフトの調整ができない場合において、内部雇用者や外部経験者に追加募集を提示しても調整ができない場合、当該事業者のもとで就業経験のない、外部の就業希望者(就業未経験者)に対して希望条件を提示し、応募してもらうことを可能にしている。なお、このような外部の就業希望者の情報も、例えば継続的に雇用されることを希望する就業希望者、具体的には所定の曜日や時間帯に勤務可能ではないが、非常勤者として継続的に雇用されることを希望する就業希望者として、このシフト調整システムに登録して記憶してもよい。これにより、シフトの調整ができない場合、追加募集を最初に内部雇用者に提示し、それでも調整できない場合に外部経験者に提示し、それでも調整できない場合に外部の就業希望者に提示する、というように段階的に追加シフトの募集情報を提示することを可能にしている。
【0018】
換言すると、このシフト調整システムは、過去に当該事業者に雇用されていた勤務経験者の情報を格納しておいてシフト調整を行い、本人が希望する場合やシフトの調整ができない場合等に再度就業してもらうことで、経験者を活用することを可能にするためのシステムである。
【0019】
<第1の実施の形態>
以下、コンビニエンスストアにおけるシフト調整システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0020】
<1 シフト調整システム1の全体構成>
図1は、シフト調整システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、シフト調整システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、求人情報提供サーバ30とを含む。端末装置10と、サーバ20と、求人情報提供サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0021】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、小売店等の事業者や管理者、事業者に雇用されている雇用者や、シフト調整システム1に登録されている元雇用者を含む。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。図1に端末装置10Aとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0022】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
【0023】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0024】
サーバ20は、内部雇用者や外部経験者の情報や、内部雇用者や外部経験者からのシフト希望情報、及び、シフトの調整ができない場合の追加募集情報を管理する装置である。サーバ20は、内部雇用者や外部経験者からシフト情報の入力を受け付け、事業者にシフト情報を提示し、その中から実際に就業してもらう者を選定する操作を受け付けると、当該就業者に選定された旨を通知し、必要な帳票類の発行処理を行う。また、サーバ20は、内部雇用者や外部経験者に対して、シフトの調整ができない場合の追加募集を提示し、就業希望を受け付ける処理を行う。
【0025】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0027】
求人情報提供サーバ30は、外部の求人情報提供業者が使用する装置であり、各種事業者から提供を受けた求人情報を管理してWebページに提示し、就業希望者からの応募を受け付けて各種事業者へ通知する装置である。シフト調整システム1では、外部の就業希望者からの応募を受け付ける場合に使用される。
【0028】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1のシフト調整システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0029】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0030】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0031】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0032】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。
【0033】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部180へ出力する。
【0034】
ディスプレイ132は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0035】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0036】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0037】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0038】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報171を記憶する。
【0039】
ユーザ情報171は、端末装置10を用いてシフト情報を入力する就業希望者や、シフト状況を管理する事業者であるユーザの情報である。ユーザ情報としては、従業員(内部雇用者、外部経験者の両方を含む)を識別する情報(従業員ID)、従業員の氏名、事業者ID、事業者名等が含まれる。
【0040】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムにしたがって動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、データ処理部183と、通知制御部184としての機能を発揮する。
【0041】
入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0042】
送受信部182は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルにしたがってデータを送受信するための処理を行う。
【0043】
データ処理部183は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムにしたがって演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0044】
通知制御部184は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部184は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理等を行う。
【0045】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1のシフト調整システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0046】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0047】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、シフトデータベース2021と、追加募集データベース2022と、従業員データベース2023と、帳票データベース2024等を記憶する。
【0048】
シフトデータベース2021は、シフト調整システム1を利用する事業者の内部雇用者や外部経験者から、就業を希望するシフト情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0049】
追加募集データベース2022は、シフト調整システム1を利用する事業者が、シフトの調整ができない場合に募集したシフトの追加募集情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0050】
従業員データベース2023は、シフト調整システム1を利用する事業者における内部雇用者及び外部経験者(外部の就業希望者や就業未経験者を含んでもよい)の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0051】
帳票データベース2024は、シフト調整システム1が発行する帳票類に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムにしたがって処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。各種モジュールは、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、シフト情報受付モジュール(シフト情報受付部)2033、シフト情報提示モジュール(シフト情報提示部)2034、追加募集受付モジュール(追加募集受付部)2035、選定モジュール(選定部)2036、受入通知モジュール(受入通知部)2037、帳票発行モジュール(帳票発行部)2038、精算モジュール(精算部)2039を含む。
【0053】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルにしたがって信号を受信する処理を制御する。
【0054】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルにしたがって信号を送信する処理を制御する。
【0055】
シフト情報受付モジュール2033は、事業者に雇用されている内部雇用者や外部経験者が端末装置10を操作して、就業を希望するシフト情報の入力を行うので、端末装置10からシフト情報を受け付ける処理を制御する。シフト情報受付モジュール2033は、例えば、内部雇用者や外部経験者を識別する識別情報(例えば、従業員ID)、事業者の店舗等において勤務する勤務開始日時及び勤務終了日時、店舗が複数ある場合はその店舗名称、就業に係る職種や作業が複数ある場合はその職種や作業の名称、といった情報を受け付ける。シフト情報受付モジュール2033が受け付けるシフト情報は、内部雇用者、外部経験者、またはシフト調整システム1に登録されている外部の就業希望者(就業未経験者が含まれてもよい)から、自己の都合に合わせて入力されて送信される。
【0056】
また、シフト情報受付モジュール2033は、後述するようにシフト調整ができない場合、事業者がシフトの追加募集を行うので、その募集に対する内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者(総称して「就業希望者」という)からの応募(就業希望情報)の情報を端末装置10から受け付ける処理を制御する。シフト情報受付モジュール2033は、就業希望者が外部の就業希望者である場合、求人情報提供サーバ30からの応募を受け付けることもある。シフト情報受付モジュール2033は、就業希望者が外部の就業希望者である場合、当該就業希望者の氏名、住所、連絡先、性別、年齢といった個人情報や、求人情報提供サーバ30への登録に紐づける情報、及び就業希望時間を受け付ける。
【0057】
例えば、シフト情報受付モジュール2033は、最初に内部雇用者のみからシフト情報を受け付ける。その後、事業者は、内部雇用者からのシフト情報だけではシフト調整ができない場合、外部経験者に対してシフトの追加募集を行い、シフト情報受付モジュール2033が外部経験者からシフト情報を受け付ける。さらに、事業者は、内部雇用者及び外部経験者からのシフト情報だけではシフト調整ができない場合、外部の就業希望者(就業未経験者が含まれてもよい)に対してシフトの追加募集を行い、シフト情報受付モジュール2033が外部経験者からシフト情報を受け付ける。シフト情報受付モジュール2033は、このように就業希望者の属性ごとに段階的なシフト情報を受け付けてもよく、複数の属性の就業希望者から一律にシフト情報を受け付けてもよい。
【0058】
シフト情報受付モジュール2033では、事業者からのシフトの追加募集に対する就業希望者からの応募の場合、提示されている募集情報に対して、異なる就業希望時間を指定することを可能としてもよい。例えば、事業者が入力した追加募集の条件の情報が、就業時間が9:00~18:00であった場合、一般的には、就業希望者は、この時間帯の全てにおいて就業可能な場合にのみ就業希望を行うが、この時間帯より短い時間であっても、例えば就業希望時間として9:00~15:00と入力して就業希望を行うことを可能としてもよい。
【0059】
シフト情報提示モジュール2034は、シフト情報受付モジュール2033が受け付けたシフト情報を、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者ごとに区別して(例えば、色彩を変更する、等)、事業者へ提示する処理を制御する。シフト情報提示モジュール2034は、就業を希望している就業希望者を識別する情報(または氏名等でもよい)や、就業希望者ごとの所定時間における給与の単価(例えば、時給)、入力された就業希望時間といった情報を提示し、事業者が就業希望者の中から実際に就業してもらう者を選定するのに資するように、例えば、就業希望情報を並列に表示して比較できるように提示する。なお、シフト情報提示モジュール2034が提示するシフト情報は、後述するシフト調整ができない場合の追加募集に対するシフト情報も含まれる。
【0060】
追加募集受付モジュール2035は、事業者においてシフトの調整ができない場合、事業者が端末装置10を操作してそのシフト情報の追加募集の入力を行うので、端末装置10から追加募集の情報を受け付ける処理を制御する。追加募集受付モジュール2035は、例えば、事業者の会社名や店舗名称、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、就業希望の日時、所定時間における給与の単価、当該追加募集の情報を提示する範囲の情報を受け付けるので、その範囲内で提示するように制御する。当該追加募集の情報を提示する範囲とは、当該追加募集の情報を、内部雇用者にのみ提示するか、内部雇用者及び外部経験者にまで提示するか、または、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者にまで提示するかを示す情報である。
【0061】
また、追加募集受付モジュール2035は、事業者から受け付けた追加募集の情報を、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者に対して提示する処理を制御する。追加募集受付モジュール2035は、当該追加募集の情報を提示する範囲の情報を受け付けるので、その範囲内で提示するように制御する。追加募集受付モジュール2035による当該追加募集の情報を提示する範囲の制御は、例えば、内部雇用者にのみ提示する、内部雇用者及び外部経験者にのみ提示する、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者に提示する、というように段階的に提示してもよく、最初から内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者に提示してもよい。具体的には、例えば、内部雇用者のみに提示する場合、内部雇用者が認証手段により認証された状態でのみ閲覧可能なWebページに記載し、内部雇用者及び外部経験者にのみ提示する場合、内部雇用者が認証手段により認証された状態でのみ閲覧可能なWebページに記載し、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者にまで提示する場合、誰もが閲覧可能なオープンなWebページに記載する。さらに、当該追加募集の情報を提示する範囲の制御は、就業希望者の属性だけではなく、就業希望者の居住地等による地理的範囲、就業希望者の性別や年齢、時給等の条件により制御してもよい。また、この追加募集の情報を提示する範囲の情報は、後に変更することも可能である。
【0062】
さらに、追加募集受付モジュール2035は、1の事業者が運営する店舗から受け付けた追加募集の情報を、他の店舗の内部雇用者または外部経験者に対して提示してもよく、外部の求人情報提供業者(求人情報提供サーバ30の運営者)が管理する外部の就業希望者に提示してもよい。また、追加募集受付モジュール2035は、1の事業者から受け付けた追加募集の情報を、他の事業者に雇用されている内部雇用者、または他の事業者に雇用されていた外部経験者に対して提示してもよい。他の事業者とは、例えば、シフト調整システム1を使用する複数の事業者の中における他の事業者であり、特定の資本関係があるグループ企業内における他の事業者であってもよく、特に資本関係がない事業者同士における他の事業者であってもよい。
【0063】
選定モジュール2036は、シフト情報提示モジュール2034が提示した就業希望情報を参照した事業者が、実際に就業してもらう就業希望者を選定し、端末装置10を操作して選定結果の入力を行うので、その選定結果、すなわち就業してもらう就業希望者の情報を端末装置10から受け付ける処理を制御する。選定モジュール2036では、就業希望者が指定した就業希望時間に対して、時間を調整して選定することを可能としてもよい。例えば、就業希望者が指定した就業希望時間が9:00~15:00であった場合において、事業者は、就業時間が9:00~14:00であれば受入可能である場合、就業時間として9:00~14:00と変更して入力し、選定することを可能としてもよい。選定モジュール2036は、選定された就業希望者の情報及び調整された就業時間の情報を受け付ける。なお、選定モジュール2036は、就業希望情報について、事業者が設定した所定の条件に合致している場合に、自動で実際に就業してもらう就業希望者として選定してもよい。
【0064】
受入通知モジュール2037は、選定モジュール2036で受け付けた、選定された就業希望情報に係る就業希望者に対して、事業者から選定された旨の情報を就業希望者の端末装置10に通知する処理を制御する。受入通知モジュール2037では、事業者から選定された旨の情報が、例えば端末装置10にポップアップ画面として表示される。
【0065】
帳票発行モジュール2038は、選定された就業希望情報に係る就業希望者に対して、就業に際して必要な書類、例えば労働条件通知書や出勤簿のような書類を発行する処理を制御する。実際に就業してもらう就業希望者が、内部雇用者、外部経験者、または外部の就業希望者であるかにより、就業に際して必要な書類の種類が異なるので、帳票発行モジュール2038では、就業希望者に対応して、就業に必要な書類を発行する。
【0066】
精算モジュール2039は、就業希望者が実際に就業した後、就業希望者(就業者)の勤怠情報を取得して所定の給与の単価により給与額の計算を行い、事業者の預金口座から就業希望者の預金口座へ振り込む送金データを生成する処理を制御する。また、当該就業希望者(就業者)が外部の就業希望者であった場合、この者の情報を従業員データベース2023に格納する。すなわち、従業員データベース2023は、当該事業者に(長期または短期に関わらず)雇用された場合、就業した者の情報を外部経験者として格納するように構成されている。
【0067】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するシフトデータベース2021、追加募集データベース2022、従業員データベース2023、帳票データベース2024のデータ構造を示す図である。
【0068】
図4に示すように、シフトデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「従業員ID」と、項目「シフト情報詳細」等を含む。
【0069】
項目「従業員ID」は、内部雇用者または外部経験者を識別する情報である。
【0070】
項目「シフト情報詳細」は、内部雇用者または外部経験者が入力したシフト情報の詳細についての情報であり、具体的には、項目「シフトID」と、項目「勤務店名」と、項目「日付」と、項目「開始時刻」と、項目「終了時刻」と、項目「状況」等を含む。なお、シフト詳細情報は、調整前の情報、調整後就業前の情報、及び既に就業が終了した情報を含む。
【0071】
項目「シフトID」は、内部雇用者または外部経験者が入力したシフト情報を識別する情報である。なお、図4に示す例では、日付ごとに識別できるようになっているが、入力単位や月単位ごとに識別できるように構成してもよい。
【0072】
項目「勤務店名」は、当該シフトにおいて勤務する店舗の名称を示す情報である。例えば、事業者が複数の店舗を運営しているような場合、内部雇用者または外部経験者は、通常勤務する店舗以外で勤務する場合もあるため、設定されている。
【0073】
項目「日付」は、当該シフトにおいて勤務する日付を示す情報である。
【0074】
項目「開始時刻」は、当該シフトにおいて勤務を開始する時刻を示す情報である。
【0075】
項目「終了時刻」は、当該シフトにおいて勤務を終了する時刻を示す情報である。
【0076】
項目「状況」は、当該シフト情報に係る状況を示す情報であり、調整前であることを示す「調整中」、調整済であり、就業前の状態であることを示す「決定」、実際に就業が終了したことを示す「終了」等が格納される。
【0077】
シフト情報受付モジュール2033は、内部雇用者や外部経験者からシフト情報を受け付けることに伴って、シフトデータベース2021に格納する。また、選定モジュール2036は、事業者が実際に就業してもらう就業希望者の選定情報を受け付けることに伴って、シフトデータベース2021を更新する。
【0078】
追加募集データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名」と、項目「募集情報詳細」等を含む。
【0079】
項目「事業者ID」は、シフト情報の追加募集情報を入力した、小売店等の事業者それぞれを識別する情報である。
【0080】
項目「事業者名」は、事業者の名称、会社名や店舗名、及び事業者の入力内容によっては部署名も含む情報である。
【0081】
項目「募集情報詳細」は、事業者が入力したシフト情報の追加募集情報の詳細についての情報であり、具体的には、項目「募集ID」と、項目「募集職種」と、項目「時給」と、項目「人数」と、項目「開始終了日時」と、項目「状況」等を含む。なお、シフト情報の追加募集情報は、募集中の情報、応募を締切後の情報、及び既に就業が終了した情報を含む。
【0082】
項目「募集ID」は、事業者が入力したシフト情報の追加募集情報を識別する情報である。なお、1の事業者が複数のシフト情報の追加募集情報を入力することもあるため、事業者ごとにシフト情報の追加募集情報を識別できるようにしている。
【0083】
項目「募集職種」は、シフト情報の追加募集情報に係る職種を示す情報である。具体的には、当該シフトで実際に就業する場合の作業内容であり、図4に示す例では、コンビニエンスストアの店舗内で接客等の作業を行う「店舗クルー」が格納されている。
【0084】
項目「時給(外部)」は、シフト情報の追加募集情報に係る、所定時間における給与の単価を示す情報であり、例として時給を示している。この時給の情報は、例えば、外部の就業希望者に適用される情報であり、内部雇用者及び外部経験者については、後述する従業員データベース2023の項目「基本時給」が適用されるが、当該項目の時給が適用されるようにしてもよい。
【0085】
項目「人数」は、シフト情報の追加募集情報に係る募集人数を示す情報である。
【0086】
項目「開始終了日時」は、シフト情報の追加募集情報に係る就業日、就業開始時刻、就業終了時刻を示す情報である。
【0087】
項目「状況」は、当該シフト情報の追加募集情報に係る状況を示す情報であり、募集中を示す「募集中」、応募締切後であり就業希望者を選定中であることを示す「選定中」、実際に就業してもらう就業希望者が決定済であることを示す「決定」等が格納される。
【0088】
追加募集受付モジュール2035は、事業者からシフト情報の追加募集情報を受け付けることに伴って、追加募集データベース2022に格納する。また、選定モジュール2036は、事業者が実際に就業してもらう就業希望者の選定情報を受け付けることに伴って、追加募集データベース2022を更新する。
【0089】
従業員データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「従業員ID」と、項目「従業員名」と、項目「内部/OBOG/外部」と、項目「基本時給」と、項目「基本就業店舗」等を含む。
【0090】
項目「従業員ID」は、内部雇用者または外部経験者を識別する情報であり、シフトデータベース2021の項目「従業員ID」に対応している。なお、従業員データベース2023には、当該事業者に対して就業を希望する外部の就業希望者の情報や、当該事業者のもとで就業経験のない就業未希望者の情報が格納されてもよく、この場合は外部の就業希望者を識別する情報が格納される。
【0091】
項目「従業員名」は、内部雇用者または外部経験者の氏名を示す情報である。
【0092】
項目「内部/OBOG/外部」は、内部雇用者であるか、元内部雇用者であるか、または元外部採用者であるかの属性を示す情報である。例えば、図4に示すように、内部雇用者であることを示す「内部」、元内部雇用者であることを示す「OBOG」、または元外部採用者であることを示す「外部」が格納されている。
【0093】
項目「基本時給」は、当該内部雇用者または外部経験者の所定時間における給与の単価(時給)を示す情報である。
【0094】
項目「基本就業店舗」は、当該内部雇用者または外部経験者が通常勤務している、または勤務していた店舗等を示す情報である。
【0095】
項目「基本時給」及び、項目「基本就業店舗」に格納されている情報は、属性が内部雇用者の場合、通常勤務している店舗の情報、及びその店舗における時給の情報であり、外部経験者の場合、過去に勤務していた店舗の情報、及びその店舗における時給の情報である。後述するように、外部経験者が元外部採用者である場合、項目「基本時給」及び項目「基本就業店舗」には情報が格納されなくてもよい。また、内部雇用者または外部経験者が、項目「基本就業店舗」に格納されている店舗で勤務した場合は、項目「基本時給」が適用され、他の店舗で勤務した場合は、追加募集データベース2022の項目「時給」が適用されるようにしてもよい。
【0096】
精算モジュール2039は、就業希望者(就業者)が外部の就業希望者であった場合、当該就業希望者の情報を、就業後に従業員データベース2023に格納する。また、サーバ20は、内部雇用者が退職等した場合、または外部経験者が再度雇用された場合等、属性が変更されたとき、従業員データベース2023を更新する。
【0097】
帳票データベース2024のレコードのそれぞれは、項目「帳票ID」と、項目「帳票名」と、項目「帳票有無」等を含む。
【0098】
項目「帳票ID」は、帳票の種類を識別する情報である。
【0099】
項目「帳票名」は、帳票の名称を示す情報である。
【0100】
項目「帳票有無」は、就業希望者が実際に就業する場合に当該帳票の発行が必要であるか否かを示す情報である。例えば、図4に示すように、内部雇用者、内部雇用者が他の事業者に雇用された場合、外部経験者、外部の就業希望者ごとに、当該帳票の発行が必要であることを示す「〇」、または、当該帳票の発行が不要であることを示す「×」が格納されている。
【0101】
<3 動作>
以下、図5ないし図8を参照しながら、実施の形態1におけるシフト調整システム1によるシフト情報の入力受付処理、シフト調整処理、及びシフトの追加募集処理について説明する。なお、以下、図1に示す端末装置10Aは事業者や管理者が使用するPCで構成され、端末装置10Bは内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者が使用する携帯端末で構成されているものとして説明する。
【0102】
図5は、実施の形態1のシフト調整システム1により、シフト情報の入力受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS111において、端末装置10Bの入力操作受付部181は、就業希望者(内部雇用者及び外部経験者)から、シフト調整システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うため、ID及びパスワードの入力操作を受け付ける。例えば就業希望者は、サーバ20が提供するWebページを参照し、従業員ID及び設定されたパスワードを入力する操作を行う。送受信部182は、従業員ID及び設定されたパスワード、次画面へ遷移するためのリクエストをサーバ20へ送信する。
【0104】
ステップS121において、サーバ20の通信部201は、端末装置10Bから送信された従業員ID、パスワード、及びリクエストを受け付ける。サーバ20は、従業員ID及びパスワードが正当であるか確認を行う。正当である場合、サーバ20のシフト情報受付モジュール2033は、端末装置10Bからのリクエストに応答して、就業希望者がシフト情報の入力を行うシフト情報入力画面を提示(表示)させるため、画面情報をシフト情報の一覧を端末装置10Bへ、通信部201を介して応答する。
【0105】
ステップS112において、端末装置10Bの送受信部182は、サーバ20から送信された画面情報を受け付ける。通知制御部184は、受け付けたシフト情報入力画面をディスプレイ132に表示させる。入力操作受付部181は、就業希望者から、シフト情報入力画面から自己が就業を希望するシフト情報の入力操作を受け付ける。送受信部182は、入力された就業希望情報をサーバ20へ送信する。
【0106】
ステップS122において、サーバ20のシフト情報受付モジュール2033は、端末装置10Bから送信された、入力されたシフト情報を、通信部201を介して受け付ける。シフト情報受付モジュール2033は、入力内容に誤りがないか(日付の正当性等)、同一日付・同一時間帯のシフト情報がないかチェックを行う。
【0107】
ステップS123において、サーバ20のシフト情報受付モジュール2033は、受け付けたシフト情報を、シフトデータベース2021へ格納することで就業希望情報の登録を行う。
【0108】
図6は、実施の形態1のシフト調整システム1により、シフト調整処理を行う流れの他の一例を示すフローチャートである。
【0109】
ステップS211において、端末装置10Aの入力操作受付部181は、事業者から、シフト調整システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うため、ID及びパスワードの入力操作を受け付ける。例えば事業者は、サーバ20が提供するWebページを参照し、事業者ID及び設定されたパスワードを入力する操作を行う。送受信部182は、事業者ID及び設定されたパスワード、次画面へ遷移するためのリクエストをサーバ20へ送信する。
【0110】
ステップS221において、サーバ20の通信部201は、端末装置10Aから送信された事業者ID、パスワード、及びリクエストを受け付ける。サーバ20は、事業者ID及びパスワードが正当であるか確認を行い、正当である場合、サーバ20のシフト情報提示モジュール2034は、端末装置10Aからのリクエストに応答して、事業者がシフト情報の表示範囲(日時、特定の就業希望者等)を指定する入力を行う、入力画面を提示(表示)させるため、画面情報を端末装置10Aへ、通信部201を介して応答する。
【0111】
ステップS212において、端末装置10Aの送受信部182は、サーバ20から送信された画面情報を受け付ける。通知制御部184は、受け付けた入力画面をディスプレイ132に表示させる。入力操作受付部181は、事業者から、シフト情報を表示させる範囲の入力画面からシフト情報の提示リクエストを受け付ける。送受信部182は、入力されたシフト情報の提示要求情報をサーバ20へ送信する。
【0112】
ステップS222において、サーバ20のシフト情報提示モジュール2034は、端末装置10Aから送信されたシフト情報の提示リクエストを、通信部201を介して受け付ける。シフト情報提示モジュール2034は、入力内容に誤りがないか(日付の正当性等)チェックを行う。シフト情報提示モジュール2034は、端末装置10Aからのリクエストに応答して、シフトデータベース2021を参照することにより、シフト情報を提示するため、シフト情報の一覧の情報を端末装置10Aへ、通信部201を介して応答する。
【0113】
ステップS213において、端末装置10Aの送受信部182は、サーバ20から送信されたシフト情報の一覧の情報を受け付ける。通知制御部184は、受け付けたシフト情報の一覧の情報をディスプレイ132に表示させる。その際、シフト情報提示モジュール2034の指示に基づき、内部雇用者、外部経験者、及び外部の就業希望者ごとに区別して、就業を希望している就業希望者を識別する情報(または氏名等)や、所定時間における給与の単価、入力された就業希望時間といった情報をディスプレイ132に表示させる。入力操作受付部181は、事業者から、実際に就業してもらう就業希望者の選定結果を入力する操作を受け付ける。送受信部182は、就業してもらう就業希望者の情報をサーバ20へ送信する。
【0114】
ステップS223において、サーバ20の選定モジュール2036は、端末装置10Aから送信された、実際に就業してもらう就業希望者の選定結果を、通信部201を介して受け付ける。選定モジュール2036は、入力内容に誤りがないか(同一時間帯に募集人数以上の人数を選定していないか、等)チェックを行う。
【0115】
ステップS224において、サーバ20の受入通知モジュール2037は、選定された就業希望者に対して、事業者から選定されたことを通知するため、事業者から選定された旨の情報を端末装置10Bへ、通信部201を介して送信する。
【0116】
ステップS234において、端末装置10Bの送受信部182は、サーバ20から送信された,事業者から選定された旨の情報を受け付ける。通知制御部184は、受け付けた事業者から選定された旨の情報をディスプレイ132に,例えばポップアップ画面として表示させる。
【0117】
ステップS225において、サーバ20の帳票発行モジュール2038は、選定された就業希望者について、従業員データベース2023を参照して内部雇用者、外部経験者、外部の就業希望者のいずれであるかを判定し、帳票データベース2024を参照し、就業に際して所定の書類の発行が必要か否かを判定する。書類の発行が必要である場合(ステップS424で「Y」の場合)、ステップS226へ進み、書類の発行が不要である場合(ステップS424で「N」の場合)、ステップS227へ進む。
【0118】
ステップS226において、サーバ20の帳票発行モジュール2038は、選定された就業希望者に対して、就業に際して必要な書類、例えば労働条件通知書や出勤簿のような書類を発行する。帳票発行モジュール2038は、必要な書類を電子データの帳票として発行する。帳票発行モジュール2038は、選定された就業希望者の端末装置10Bに対して、発行した電子データの帳票を、通信部201を介して送信する。
【0119】
ステップS236において、端末装置10Bの送受信部182は、サーバ20から送信された,発行した電子データの帳票を受け付ける。
【0120】
ステップS227において、サーバ20の精算モジュール2039は、就業希望者が実際に就業した後、就業希望者(就業者)の勤怠情報を取得して給与等の精算処理を行う。また、精算モジュール2039は、当該就業希望者(就業者)が外部の就業希望者であった場合、この者の情報を従業員データベース2023に格納することで就業者の登録を行う。
【0121】
図7は、実施の形態1のシフト調整システム1により、シフトの追加募集処理を行う流れの他の一例を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS311において、端末装置10Aの入力操作受付部181は、事業者から、シフトの調整ができないためシフト情報の追加募集を入力する操作を受け付ける。送受信部182は、就業してもらうシフト情報の追加募集情報をサーバ20へ送信する。
【0123】
ステップS321において、サーバ20の追加募集受付モジュール2035は、端末装置10Aから送信された、シフト情報の追加募集情報を、通信部201を介して受け付ける。追加募集受付モジュール2035は、入力内容に誤りがないか(日付の正当性等)チェックを行う。
【0124】
ステップS322において、サーバ20の追加募集受付モジュール2035は、受け付けたシフト情報の追加募集情報を、追加募集データベース2022へ格納することでシフト情報の追加募集情報の登録を行う。
【0125】
図8は、実施の形態1のシフト調整システム1により、シフトの追加募集に対する外部採用者からの就業希望受付処理を行う流れの他の一例を示すフローチャートである。この例は、外部の就業希望者が求人情報提供サーバ30へアクセスし、サーバ20で管理しているシフトの追加募集に対する就業希望情報を送信した場合の例である。
【0126】
ステップS411において、求人情報提供サーバ30は、就業希望者から、就業を希望する就業希望情報の入力操作を受け付ける。求人情報提供サーバ30は、入力された就業希望情報をサーバ20へ送信する。
【0127】
ステップS421において、サーバ20のシフト情報受付モジュール2033は、求人情報提供サーバ30から送信された、入力された就業希望情報を、通信部201を介して受け付ける。シフト情報受付モジュール2033は、入力内容に誤りがないか(日付の正当性等)、同一の就業希望情報が既に登録されていないかチェックを行う。
【0128】
ステップS422において、サーバ20のシフト情報受付モジュール2033は、受け付けた就業希望情報を、シフトデータベース2021へ格納することで就業希望情報の登録を行う。
【0129】
以上のように、シフト調整システム1では、就業可能な従業員の情報として、事業者に雇用されている内部雇用者の情報のみならず、過去に事業者に雇用されていた外部経験者の情報も登録して記憶している。また、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付ける。このシフト情報は、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示され、事業者により選定される。そのため、事業者は、就業希望者の属性を考慮して選定することが可能である。これにより、過去に事業者に雇用されていた経験者を活用することが可能になる。
【0130】
また、実際に就業してもらう者が、内部雇用者、外部経験者、または外部の就業希望者のいずれであるかによりそれぞれ異なる、就業に際して必要な書類を発行する。これにより、短期雇用の際に必要な手続きをスムーズに行うことが可能である。
【0131】
<4 画面例>
以下、図9ないし図11を参照しながら、シフト調整システム1によるシフト調整処理の画面例、シフトの追加募集処理の画面例、及びシフトの追加募集に対する応募受付処理の画面例について説明する。
【0132】
図9は、シフト調整処理における端末装置10Aの画面例を示す図である。図9の画面例は、就業希望情報を、事業者へ提示して就業希望者を選定するためのシフト状況画面が表示された状態の画面例を示す。図6のステップS213に相当する。
【0133】
図9に示すように、端末装置10Aのディスプレイ132には、シフト情報の一覧として、シフト状況画面が表示される。このシフト状況画面は、事業者における必要シフト表示欄1031aと、就業希望情報を表示するための就業希望情報表示欄1031b,1031cと、就業希望情報を選定するための決定ボタン1031d,1031eとから構成されている。必要シフト表示欄1031aと、就業希望情報表示欄1031b,1031cとは、シフト情報及び就業希望日時がタイムチャートとして表示される。就業希望情報表示欄1031b,1031cは、例えば最初の画面表示状態では就業希望者が入力した就業希望時間がタイムチャートとして表示され、事業者が時間の調整を行う場合、開始日時及び終了日時の位置をドラッグ(またはスワイプ)することで移動させ、就業可能な時間帯にすることが可能になっている。事業者が就業希望情報表示欄1031b,1031cで調整の入力を行い、決定ボタン1031d,1031eを押下することで、事業者から選定された旨の情報が就業希望者の就業希望情報が端末装置10Bへ送信される。これにより、事業者が端末装置10Aを操作して就業希望情報の選定入力を行うことが可能である。
【0134】
図10は、シフトの追加募集処理における端末装置10Aの画面例を示す図である。図10の画面例は、事業者の端末装置10Aにおけるシフト情報の追加募集の入力画面が表示された状態の画面例を示す。図7のステップS311に相当する。
【0135】
図10に示すように、端末装置10Aのディスプレイ132には、シフト情報の追加募集の入力を行うための追加募集入力画面が表示される。この追加募集入力画面は、事業者名を入力するための事業者名入力欄1032aと、募集職種を入力するための募集職種入力欄1032bと、募集人数を入力するための募集人数入力欄1032cと、募集日時を入力するための募集日時入力欄1032dと、時給を入力するための時給入力欄1032eと、シフト情報の追加募集情報を提示する属性の範囲を指定するための属性指定欄1032fと、入力情報を送信するための送信ボタン1032gとから構成されている。事業者名入力欄1032aには、サーバ20が認証している事業者の事業者名をあらかじめ入力するようにしてもよい。なお、属性指定欄1032fは、就業希望者の属性を段階的に入力可能に構成してもよく、それぞれ個別に設定可能に構成してもよい。また、属性指定欄1032fは、前述のように就業希望者の属性の入力だけではなく、就業希望者の居住地等による地理的範囲、就業希望者の性別や年齢、時給等の条件も入力可能に構成してもよい。事業者は、事業者名入力欄1032a、募集職種入力欄1032b、募集人数入力欄1032c、募集日時入力欄1032d、時給入力欄1032e、属性指定欄1032fに各種条件を入力する。その後、送信ボタン1032gを押下することで、シフト情報の追加募集情報がサーバ20へ送信される。これにより、事業者においてシフトの調整ができない場合、端末装置10Aを操作してシフト情報の追加募集の入力を行うことが可能である。
【0136】
図11は、シフトの追加募集に対する応募受付処理における端末装置10Bの画面例を示す図である。図11の画面例は、事業者からのシフト情報の追加募集に対して、就業希望者が応募する際に就業希望情報を入力するための追加シフト応募入力画面が表示された状態の画面例を示す。図6のステップS212に相当する。
【0137】
図10に示すように、端末装置10Bのディスプレイ132には、事業者からのシフト情報の追加募集に対する応募の条件の入力を行うための追加シフト応募入力画面が表示される。この追加シフト応募入力画面は、事業者が入力した追加シフト応募条件を表示するための追加シフト条件表示欄1033aと、就業希望情報を入力するための就業希望情報入力欄1033bと、入力情報を送信するための応募ボタン1033cとから構成されている。追加シフト条件表示欄1033a及び就業希望情報入力欄1033bは、募集日時及び就業日時がタイムチャートとして表示される。就業希望情報入力欄1033bは、例えば最初の画面表示状態では追加シフト条件表示欄1033aと同一時間帯のタイムチャートとして表示され、開始日時及び終了日時の位置をスワイプ(またはドラッグ)することで移動させ、自己の就業可能な時間帯にすることが可能になっている。また、時給やその他の条件(交通費の有無等)についても入力可能に構成してもよい。就業希望者が就業希望情報入力欄1033bで入力を行い、応募ボタン1033cを押下することで、就業希望情報がサーバ20へ送信される。これにより、就業希望者が端末装置10Bを操作して就業希望情報の入力を行うことが可能である。
【0138】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者とに区別して記憶するように構成されている。就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けると、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とが区別されて事業者へ提示される。そのため、事業者は、就業希望者の属性を考慮して選定することが可能である。これにより、過去に事業者に雇用されていた経験者を活用することが可能になる。
【0139】
<第2の実施の形態>
以下、コンビニエンスストアにおけるシフト調整システム1について説明する。
【0140】
<1 シフト調整システム1の全体構成>
図12は、実施の形態2のシフト調整システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。実施の形態2におけるシフト調整システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、実施の形態1と同様であるので、繰り返して説明しない。サーバ20の構成については、図13に示すように、新たに評価モジュール(評価情報受付部)2040の機能を備える以外、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態2における評価モジュール2041の機能について説明する。
【0141】
評価モジュール2040は、就業希望者が実際に就業した後、就業希望者(就業者)の勤務状況について、事業者から評価情報を受け付ける処理を制御する。例えば、就業希望者(就業者)の勤務状況について、5段階のうちいくつに相当するのかの入力を受け付け、従業員データベース2023に格納する。
【0142】
<2 データ構造>
実施の形態2におけるデータ構造は、実施の形態1と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0143】
<3 動作>
以下、図6を参照しながら、実施の形態2におけるシフト調整システム1により、シフト調整処理のうち、実施の形態1と異なる処理について説明する。
【0144】
図6に示すステップS227において、サーバ20の精算モジュール2039が給与等の精算処理を行った後、サーバ20の通信部201は、端末装置10Aから送信された事業者からの評価情報を受け付ける。サーバ20の評価モジュール2041は、受け付けた事業者からの評価情報を、従業員データベース2023に格納することで評価情報の登録を行う。この評価情報は、例えば、就業希望者から実際に就業してもらう就業希望者を選定する際に参照することが可能である。
【0145】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、就業希望者が実際に就業した後、就業希望者(就業者)の勤務状況について、事業者が評価を行い、その評価情報を記憶する。これにより、事業者は、就業希望者の評価情報を参照することで、より条件に合致する就業希望者を選定することが可能である。
【0146】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することができる。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0147】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0148】
(付記1)制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部は、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるシフト情報受付部と、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するシフト情報提示部と、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付ける選定部と、を備える、情報処理装置。
【0149】
(付記2)記憶部は、外部経験者の属性を、過去に内部雇用者であった元内部雇用者と、過去に事業者に一時的に雇用されていた元外部採用者と、に区別して記憶するように構成されている、(付記1)に記載の情報処理装置。
【0150】
(付記3)記憶部は、事業者に対して就業を希望する、就業経験のない就業未経験者の情報を、内部雇用者、元内部雇用者、及び元外部採用者と区別して記憶するように構成されている、(付記2)に記載の情報処理装置。
【0151】
(付記4)記憶部は、就業希望者の属性が変更された場合、内部雇用者または外部経験者の属性を変更して記憶するように構成されている、(付記2)または(付記3)に記載の情報処理装置。
【0152】
(付記5)制御部は、事業者から、シフト情報の追加募集を受け付け、就業希望者へ提示する追加募集受付部を備え、シフト情報受付部は、就業希望者から、追加募集に対して就業を希望するシフト情報の入力を受け付ける、(付記2)から(付記4)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0153】
(付記6)追加募集受付部は、1の事業者から、他の事業者に雇用されている内部雇用者、及び過去に他の事業者に雇用されていた外部経験者に対して閲覧可能に提示し、シフト情報受付部は、他の事業者に雇用されている内部雇用者、及び過去に他の事業者に雇用されていた外部経験者から、追加募集に対して就業を希望するシフト情報の入力を受け付ける、(付記5)に記載の情報処理装置。
【0154】
(付記7)追加募集受付部は、事業者から、内部雇用者、元内部雇用者、元外部採用者のいずれか1つまたは複数の属性の選択の入力を受け付け、該当する属性の就業希望者に対して閲覧可能にシフト情報の追加募集を提示する、(付記5)または(付記6)に記載の情報処理装置。
【0155】
(付記8)追加募集受付部は、シフト情報の追加募集を提示する就業希望者の属性を、内部雇用者、元内部雇用者、元外部採用者の順に段階的に提示する、(付記7)に記載の情報処理装置。
【0156】
(付記9)追加募集受付部は、事業者から、既に選択されている内部雇用者、元内部雇用者、元外部採用者のいずれか1つまたは複数の属性の選択についての変更の入力を受け付け、該当する変更後の属性の就業希望者に対して閲覧可能にシフト情報の追加募集を提示する、(付記7)または(付記8)に記載の情報処理装置。
【0157】
(付記10)追加募集受付部は、事業者から、内部雇用者、元内部雇用者、元外部採用者ごとに、シフト情報の追加募集についてそれぞれ異なる条件の入力を受け付け、それぞれ該当する属性の就業希望者に対して閲覧可能にシフト情報の追加募集を提示する、(付記7)から(付記9)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0158】
(付記11)制御部は、事業者により選定された就業希望者に対して、事業者から選定されたことを通知する受入通知部を備える、(付記1)から(付記10)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0159】
(付記12)選定部は、事業者によりあらかじめ設定された就業希望者を選定する条件に基づき、提示された就業希望者の情報から、実際に就業する就業希望者を自動選定する、(付記1)から(付記11)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0160】
(付記13)制御部は、事業者により選定された就業希望者に対して、就業希望者が内部雇用者または外部経験者であるかに対応して、就業に必要な帳票を発行する帳票発行部を備える、(付記1)から(付記12)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0161】
(付記14)制御部は、就業希望者が実際に就業した後、就業希望者の就業に係る勤怠情報に基づき、就業希望者に対する給与支払いの精算を行う精算部を備える、(付記1)から(付記13)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0162】
(付記15)制御部は、就業希望者が実際に就業した後、事業者による就業希望者の就業に対する評価情報の入力を受け付ける評価情報受付部を備え、記憶部は、就業経験者に紐づけて評価情報を記憶するように構成されている、(付記1)から(付記14)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0163】
(付記16)制御部と、記憶部とを備える情報処理装置により実行されるための方法であって、記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部は、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するステップと、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行する、方法。
【0164】
(付記17)制御部と、記憶部とを備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、記憶部は、事業者に対して就業を希望する就業希望者の属性を、事業者に雇用されている内部雇用者と、過去に事業者に雇用されていた外部経験者と、に区別して記憶するように構成され、制御部に、就業希望者から、事業者に対して就業を希望する日時に関するシフト情報の入力を受け付けるステップと、内部雇用者からのシフト情報と、外部経験者からのシフト情報とを区別して事業者へ提示するステップと、事業者から、提示されたシフト情報から実際に就業する就業希望者を選定する選定情報の入力を受け付けるステップと、を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0165】
10 端末装置、20 サーバ、30 求人情報提供サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部(タッチスクリーン)、171 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 シフトデータベース、2022 追加募集データベース、2023 従業員データベース、2024 帳票データベース、203 制御部、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 シフト情報受付モジュール(シフト情報受付部)、2034 シフト情報提示モジュール(シフト情報提示部)、2035 追加募集受付モジュール(追加募集受付部)、2036 選定モジュール(選定部)、2037 受入通知モジュール(受入通知部)、2038 帳票発行モジュール(帳票発行部)、2039 精算モジュール(精算部)、2040 評価モジュール(評価情報受付部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12