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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035433
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】温調装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20240307BHJP
   B60H 1/08 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B60H1/22 651Z
B60H1/22 651A
B60H1/08 611A
B60H1/22 671
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139881
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】南家 健志
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 和磨
(72)【発明者】
【氏名】國永 宏明
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA10
3L211AA11
3L211CA16
3L211DA26
3L211DA28
3L211DA42
3L211DA43
3L211DA48
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータからの吸熱の要否を切り替えることができる温調装置を提供する。
【解決手段】本発明の温調装置の一つの態様は、冷媒の冷媒回路と、冷却水の水回路と、冷媒回路および水回路に跨って配置される第1熱交換器および第2熱交換器と、冷媒回路又は水回路に接続され空気と熱交換を行う空調部と、制御部と、を備える。冷媒回路には、圧縮機と膨張弁とが配置される。水回路には、車両を駆動する駆動ユニットと、複数の制御弁と、が配置される。制御部は、駆動ユニットと第1熱交換器とを通る第1ループに冷却水を循環させ、第2熱交換器を第1ループから分離する第1モードと、駆動ユニットを通る第2ループに冷却水を循環させ、第1熱交換器、および第2熱交換器を第2ループから分離する第2モードと、を切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される温調装置であって、
冷媒が流れる冷媒回路と、
冷却水が流れる水回路と、
前記冷媒回路および前記水回路に跨って配置され前記冷媒と前記冷却水との間で熱交換を行う第1熱交換器および第2熱交換器と、
前記冷媒回路又は前記水回路に接続され空気と熱交換を行う空調部と、
前記水回路を制御する制御部と、を備え、
前記冷媒回路には、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記冷媒の圧力を開放する膨張弁と、が配置され、
前記第1熱交換器は、前記圧縮機の下流側かつ前記膨張弁の上流側に配置され、
前記第2熱交換器は、前記膨張弁の下流側かつ前記圧縮機の上流側に配置される、
前記水回路には、
前記車両を駆動するモータを有する駆動ユニットと、
前記制御部に制御され前記水回路における前記冷却水の流路を切り替える複数の制御弁と、が配置され、
前記制御部は、
前記駆動ユニットと前記第1熱交換器とを通る第1ループに前記冷却水を循環させ、前記第2熱交換器を前記第1ループから分離する第1モードと、
前記駆動ユニットを通る第2ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器、および前記第2熱交換器を前記第2ループから分離する第2モードと、を切り替える、
温調装置。
【請求項2】
前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、
前記制御部は、前記駆動ユニットと前記第2熱交換器と前記ラジエータを通る第3ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器を前記第3ループから分離する第3モードをさらに切り替える、
請求項1に記載の温調装置。
【請求項3】
前記水回路には、バッテリが配置され、
前記第2モードにおいて、前記第2ループは、前記バッテリをさらに通る、
請求項1に記載の温調装置。
【請求項4】
前記第2ループは、前記駆動ユニットと前記バッテリとが並列接続される、
請求項3に記載の温調装置。
【請求項5】
前記水回路には、バッテリが配置され、
前記制御部は、
前記バッテリと前記第1熱交換器とを通る第4ループに前記冷却水を循環させる第4モードに切り替える、
請求項1に記載の温調装置。
【請求項6】
前記水回路には、バッテリが配置され、
前記制御部は、
前記バッテリと前記第2熱交換器とを通る第5ループに前記冷却水を循環させる第5モードに切り替える、
請求項1に記載の温調装置。
【請求項7】
複数の前記制御弁は、第1四方弁と第2四方弁を含み、
前記第1四方弁は、
前記第1熱交換器の下流に繋がる第1ポートと、
前記第2熱交換器の下流に繋がる第2ポートと、
前記駆動ユニットの上流に繋がる第3ポートと、
前記バッテリの上流に繋がる第4ポートと、を有し、
前記第2四方弁は、
前記第1熱交換器の上流に繋がる第5ポートと、
前記第2熱交換器の上流に繋がる第6ポートと、
前記駆動ユニットの下流に繋がる第7ポートと、
前記バッテリの下流に繋がる第8ポートと、を有し、
前記制御部は、
前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第3ポート、および前記第2ポートと前記第4ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第7ポート、および前記第6ポートと前記第8ポートをそれぞれ連通させる第1状態と、
前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第4ポート、および前記第2ポートと前記第3ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第8ポート、および前記第6ポートと前記第7ポートをそれぞれ連通させる第2状態と、を切り替える、
請求項5又は6に記載の温調装置。
【請求項8】
前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、
前記第1モードの前記制御部は、前記第1ループにおいて、前記第1熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、
請求項1に記載の温調装置。
【請求項9】
前記第3モードの前記制御部は、前記第3ループにおいて、前記第2熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、
請求項2に記載の温調装置。
【請求項10】
複数の前記制御弁は、第3四方弁を含み、
前記第3四方弁は、
前記ラジエータ経路の下流に繋がる第9ポートと、
前記迂回経路の下流に繋がる第10ポートと、
前記駆動ユニットの下流側の回路に繋がる第11ポートと、
前記駆動ユニットの上流に繋がる第12ポートと、を有し、
前記制御部は、前記第3四方弁において、第9ポートと第10ポートの何れか一方と、第11ポートと第12ポートの何れか一方と、を連通させる、
請求項8又は9に記載の温調装置。
【請求項11】
前記空調部は、前記水回路に接続され前記冷却水で空気を加熱するヒータコアを有し、
前記第1ループは、前記ヒータコアを通る、
請求項1に記載の温調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車又はハイブリッド自動車では、モータ、バッテリ等を冷却する冷却回路が搭載される。特許文献1には、モータおよびバッテリから回収された廃熱を温調装置に利用する冷却システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第108016233号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータの廃熱を温調装置に利用する場合、モータの温度が十分に高まる前にモータから吸熱を行おうとすると、モータの駆動効率が低減する場合がある。一例として、モータの温度が低くなりすぎると、モータのハウジング中に充填されるオイルの粘度が高まり過ぎてモータの駆動効率が低減する。このため、モータの温度や外気などを基に、モータからの吸熱の要否を切り替えることができる温調装置が求められている。
【0005】
本発明の一つの態様は、モータからの吸熱の要否を切り替えることができる温調装置の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の温調装置の一つの態様は、車両に搭載される温調装置であって、冷媒が流れる冷媒回路と、冷却水が流れる水回路と、前記冷媒回路および前記水回路に跨って配置され前記冷媒と前記冷却水との間で熱交換を行う第1熱交換器および第2熱交換器と、前記冷媒回路又は前記水回路に接続され空気と熱交換を行う空調部と、前記水回路を制御する制御部と、を備える。前記冷媒回路には、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒の圧力を開放する膨張弁と、が配置される。前記第1熱交換器は、前記圧縮機の下流側かつ前記膨張弁の上流側に配置される。前記第2熱交換器は、前記膨張弁の下流側かつ前記圧縮機の上流側に配置される。前記水回路には、前記車両を駆動するモータを有する駆動ユニットと、前記制御部に制御され前記水回路における前記冷却水の流路を切り替える複数の制御弁と、が配置される。前記制御部は、前記駆動ユニットと前記第1熱交換器とを通る第1ループに前記冷却水を循環させ、前記第2熱交換器を前記第1ループから分離する第1モードと、前記駆動ユニットを通る第2ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器、および前記第2熱交換器を前記第2ループから分離する第2モードと、を切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、モータからの吸熱の要否を切り替えることができる温調装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の温調装置の概略図である。
図2図2は、一実施形態の温調装置の第1モードを示す概略図である。
図3図3は、一実施形態の温調装置の第2モードを示す概略図である。
図4図4は、一実施形態の温調装置の第3モードを示す概略図である。
図5図5は、一実施形態の温調装置の第4モードを示す概略図である。
図6図6は、一実施形態の温調装置の第5モードを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る温調装置について説明する。なお、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数などを異ならせる場合がある。
【0010】
図1は、一実施形態の温調装置1の概略図である。
温調装置1は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、等、モータを動力源とする車両に搭載される。
【0011】
温調装置1は、冷媒回路C1と、水回路C2と、第1熱交換器11と、第2熱交換器12と、空調部80と、制御部60と、を備える。水回路C2には、冷却水が流れる。冷媒回路C1には、冷媒が流れる。制御部60は、冷媒回路C1と水回路C2と空調部80とを制御する。制御部60による制御方法については、後段において説明する。
【0012】
(第1熱交換器)
第1熱交換器11は、冷媒回路C1および水回路C2に跨って配置され冷媒と冷却水との間で熱交換を行う。第1熱交換器11は、凝縮器11aと放熱部11bとを有する。第1熱交換器11は、凝縮器11aにおいて冷媒を凝縮させ、放熱部11bにおいて凝縮熱を用いて冷却水を加熱する。すなわち、第1熱交換器11は、冷媒の熱を冷却水に移動させる。
【0013】
(第2熱交換器)
第2熱交換器12は、冷媒回路C1および水回路C2に跨って配置され冷媒と冷却水との間で熱交換を行う。第2熱交換器12は、蒸発器12aと冷却部12bとを有する。第2熱交換器12は、冷却部12bにおいて冷却水を冷却し、蒸発器12aにおいて冷却水から奪った熱を蒸発熱として利用して冷媒を蒸発させる。すなわち、第2熱交換器12は、冷却水の熱を冷媒に移動させる。
【0014】
(冷媒回路)
冷媒回路C1には、圧縮機93、第1熱交換器11の凝縮器11a、受液器94、膨張弁95、および第2熱交換器12の蒸発器12aが配置される。冷媒回路C1は、ヒートポンプ装置である。冷媒回路C1は、ループ状に構成されたループ管路90を有する。ループ管路90は、互いに連結される複数の配管部材から構成される。冷媒は、ループ管路90内を一方向に循環する。冷媒は、ループ管路90を循環することで、圧縮機93、凝縮器11a、受液器94、膨張弁95、蒸発器12aをこの順で通過し、再び圧縮機93に戻る。
【0015】
圧縮機93は、通過する冷媒を圧縮して温度を上昇させる。圧縮機93は、第2熱交換器12の下流側かつ、第1熱交換器11の上流側に配置される。圧縮機93は、下流側に高圧かつ気相の冷媒を吐出する。圧縮機93は、後述するバッテリ6から供給される電力によって電気駆動される。
【0016】
第1熱交換器11の凝縮器11aは、圧縮機93の下流側かつ膨張弁95の上流側に配置される。凝縮器11aを通過する冷媒は、冷却水に熱を奪われて液化する。
【0017】
受液器94は、第1熱交換器11と圧縮機93の間に配置される。すなわち、受液器94は、冷媒回路C1において高圧側の領域に配置される。受液器94は、第1熱交換器11の凝縮器11aで液体になった冷媒を溜めるタンクである。受液器94は、液化した冷媒の一部を貯留することで冷媒回路C1中の冷媒の体積変化を吸収する。
【0018】
なお、本実施形態では、冷媒回路C1に受液器94が設けられる場合について説明したが、受液器94に代えてアキュムレータが配置されていてもよい。この場合、アキュムレータは、第2熱交換器12と圧縮機93との間などの低圧側の領域に配置される。アキュムレータは、冷媒を気液分離し、気相の冷媒のみを圧縮機93に供給する。
【0019】
膨張弁95は、通過する冷媒の圧力を開放し膨張させて温度を低下させる。膨張弁95は、第1熱交換器11の下流側、かつ第2熱交換器12の上流側に配置される。膨張弁95は、制御部60によって開度調節されており、下流側の冷媒の圧力および温度を調整する。
【0020】
第2熱交換器12の蒸発器12aは、膨張弁95の下流側かつ圧縮機93の上流側に配置される。蒸発器12aを通過する冷媒は、冷却水から熱を奪って気化する。
【0021】
(空調部)
空調部80は、ダクト86と送風機85とヒータコア83とクーラコア84とを有する。空調部80は、ダクト86中の空気を加熱又は冷却する。さらに、空調部80は、ダクト86中の空気を除湿する。本実施形態の空調部80は、水回路C2に接続される。また、空調部80は、冷媒回路C1に接続されていてもよい。すなわち、空調部80は、冷媒回路C1又は水回路C2に接続され空気と熱交換を行う。
【0022】
ダクト86の内部には、空気流通路86fが設けられる。空気流通路86fは、車外の空気を車内に供給する経路である。また、空気流通路86fは、車内の空気を取り込んで再び車内に供給する経路でもある。空気流通路86fの一端側には、車外又は車内の空気を空気流通路86fに流入させる吸気口86aが設けられる。また、空気流通路86fの他端側には、空気流通路86fの空気を車内に排気する吹出口86bが設けられる。
【0023】
空気流通路86fの内部には、吸気口86a側から吹出口86b側に向かって送風機85、クーラコア84、およびヒータコア83が、この順で配置される。送風機85は、空気流通路86fの一端側から他端側に向かって空気を流通させる。すなわち、クーラコア84、およびヒータコア83は、送風機85の送風流路中に配置される。クーラコア84は、送風機85によって送られる空気を冷却および除湿する。一方で、ヒータコア83は、送風機85によって送られる空気を加熱する。
【0024】
空気流通路86fには、ヒータコア83を迂回して空気を流すバイパス流通路86cが設けられる。また、バイパス流通路86cの上流側には、クーラコア84を通過した空気のうち、ヒータコア83によって加熱される空気の割合を調整するエアミックスダンパ86dが設けられている。エアミックスダンパ86dは、制御部60に接続され制御される。
【0025】
ヒータコア83は、冷却水と空気との間で熱交換を行う熱交換器である。ヒータコア83は、水回路C2に接続され冷却水で空気を加熱する。ヒータコア83は、空調部80において送風機85から送られた空気流通路86f内の空気を温める。
【0026】
クーラコア84は、冷却水と空気との間で熱交換を行う熱交換器である。クーラコア84は、水回路C2に接続され冷却水で空気を冷却する。クーラコア84は、空調部80において送風機85から送られた空気流通路86f内の空気を冷やす、又は除湿する。
【0027】
(水回路)
水回路C2には、第1熱交換器11の放熱部11b、第2熱交換器12の冷却部12b、ヒータ18、駆動ユニット4、電力制御装置5、バッテリ6、ラジエータ7、複数の弁31、32、33、34、35、36、37、38、第1ポンプ41、第2ポンプ42、および第3ポンプ43が、配置される。
【0028】
また、水回路C2は、複数の管路9と、複数の交差部8と、を有する。本明細書において、それぞれの管路9を区別する場合、図1に示す符号を用いてそれぞれを管路9a~9z、9ttと呼び、それぞれの交差部8を区別する場合、図1に示す符号を用いてそれぞれを交差部8a~8kと呼ぶ。
【0029】
第1熱交換器11の放熱部11bは、冷却水を加熱する。また、第2熱交換器12の冷却部12bは、冷却水を冷却する。
【0030】
ヒータ18は、バッテリ6から直流電流が供給されることにより発熱する。ヒータ18は、冷却水を加熱する。ヒータ18は、制御部60に制御される。
【0031】
駆動ユニット4は、モータ2とインバータ3とを有する。モータ2、およびインバータ3は、バッテリ6から電力を供給されて発熱する。
【0032】
モータ2は、車両を駆動する電動機としての機能と、発電機としての機能と、を兼ね備えた電動発電機である。モータ2は、図示略の減速機構を介して、車両の車輪に接続される。モータ2は、インバータ3から供給される交流電流により駆動し、車輪を回転させる。これにより、モータ2は、車両を駆動する。また、モータ2は、車輪の回転を回生し交流電流を発電する。発電された電力は、インバータ3を通じてバッテリ6に蓄えられる。モータ2のハウジング内には、モータの各部を冷却および潤滑させるオイルが貯留される。
【0033】
インバータ3は、バッテリ6の直流電流を交流電流に変換する。インバータ3は、モータ2と電気的に接続される。インバータ3によって変換された交流電流は、モータ2に供給される。すなわち、インバータ3は、バッテリ6から供給される直流電流を交流電流に変換してモータ2に供給する。
【0034】
電力制御装置5は、IPS(Integrated Power System)とも呼ばれる。電力制御装置5は、AC/DC変換回路およびDC/DC変換回路を有する。AC/DC変換回路は、外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換しバッテリ6に供給する。すなわち、電力制御装置5は、AC/DC変換回路において、外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換しバッテリ6に供給する。DC/DC変換回路は、バッテリ6から供給される直流電流を電圧の異なる直流電流に変換し、制御部60などに供給する。電力制御装置5は、バッテリ6から電力を供給されて発熱する。
【0035】
バッテリ6は、インバータ3を介してモータ2に電力を供給する。また、バッテリ6は、モータ2によって発電された電力を充電する。バッテリ6は、外部電源によって充填されていてもよい。バッテリ6は、例えば、リチウムイオン電池である。バッテリ6は、繰り返し充電および放電が可能な二次電池であれば、他の形態であってもよい。
【0036】
ラジエータ7は、外気と冷却水との間で熱交換を行う熱交換器である。ラジエータ7は、ファンを有する。ラジエータ7は、冷却水の温度が外気温と同程度か外気温よりも高い場合に、冷却水の熱を外気に放出することで冷却水を冷却する。また、ラジエータ7は、冷却水の温度が外気温よりも低い場合に、外気から吸熱する。
【0037】
第1ポンプ41、第2ポンプ42、および第3ポンプ43は、配置される管路9の冷却水を一方向に圧送する。なお、本実施形態の水回路C2における各ポンプ41、42、43の配置は一例である。水回路C2には、2個以下のポンプのみが配置されていても、4個以上のポンプが配置されていてもよい。
【0038】
複数の弁31、32、33、34、35、36、37、38は、管路9中に配置され冷却水の流れを制御する。複数の弁31、32、33、34、35、36、37、38は、制御部60に接続される制御弁31、32、33、34、35、36と、チャッキ弁37、38と、に分類される。
【0039】
制御弁31、32、33、34、35、36は、制御部60に接続される。制御弁31、32、33、34、35、36は、制御部60に制御されて水回路C2における冷却水の流路を切り替える。一方で、チャッキ弁37、38は、独立して機能を果たす。チャッキ弁37、38は、配置される管路の上流側の一端から下流側の他端に向かう冷却水の流動を許容し、他端から一端に向かう流動を許容しない。
【0040】
一部の制御弁31、32、33は、四方弁であり、他の一部の制御弁34、35、36は、三方弁である。以下の説明において、制御弁31、32、33、34、35、36を、それぞれ第1四方弁31、第2四方弁32、第3四方弁33、第1三方弁34、第2三方弁35、および第3三方弁36と呼ぶ。すなわち、複数の制御弁31、32、33、34、35、36は、第1四方弁31と第2四方弁32と第3四方弁33と第1三方弁34と第2三方弁35と第3三方弁36を含む。
【0041】
第1四方弁31は、第1ポートAと第2ポートBと第3ポートCと第4ポートDとを有する。第1ポートAは、管路9a、および管路9cを介して第1熱交換器11の下流に繋がる。第2ポートBは、管路9z、および管路9iを介して第2熱交換器12の下流に繋がる。第3ポートCは、管路9k、管路9o、管路9t(又は管路9tt)、および管路9uを介して駆動ユニット4の上流に繋がる。第4ポートDは、管路9n、管路9f(又は管路9l、管路9h、管路9q)、管路9e、および管路9dを介してバッテリ6の上流に繋がる。
【0042】
第2四方弁32は、第5ポートEと第6ポートFと第7ポートGと第8ポートHとを有する。第5ポートEは、管路9a、および管路9rを介して第1熱交換器11の上流に繋がる。第6ポートFは、管路9z、および管路9xを介して第2熱交換器12の上流に繋がる。第7ポートGは、管路9k、管路9y、および管路9wを介して駆動ユニット4の下流に繋がる。第8ポートHは、管路9n、および管路9qを介してバッテリ6の下流に繋がる。
【0043】
第3四方弁33は、第9ポートIと第10ポートJと第11ポートKと第12ポートLとを有する。第9ポートIは、管路(ラジエータ経路)9ttの下流に繋がる。第10ポートJは、管路(迂回経路)9tの下流に繋がる。第11ポートKは、管路9vを介して駆動ユニット4の下流側の回路である管路9k、および管路9yに繋がる。第12ポートLは、管路9k、および管路9oを介して駆動ユニット4の上流に繋がる。
【0044】
第1四方弁31、および第2四方弁32は、4つのポートのうち2つずつ二組のポート同士を互いに連通させる状態を取り得る。一方で、第3四方弁33は、4つのポートのうち何れか2つのみを連通させ、残る2つのポートを閉塞させる状態を取り得る。各四方弁における状態の切り替えについて説明する。
【0045】
本実施形態において、第1四方弁31と第2四方弁32とは、制御部60によって連携して制御される。制御部60は、第1四方弁31および第2四方弁32を制御して、第1状態と第2状態とを切り替える。
【0046】
第1状態の第1四方弁31および第2四方弁32は、図2、および図6に図示される。第1状態は、第1四方弁31において第1ポートAと第3ポートC、および第2ポートBと第4ポートDを、それぞれ連通させるとともに、第2四方弁32において第5ポートEと第7ポートG、および第6ポートFと第8ポートHをそれぞれ連通させる状態である。
【0047】
第2状態の第1四方弁31および第2四方弁32は、図3図4図5に図示される。第2状態は、第1四方弁31において第1ポートAと第4ポートD、および第2ポートBと第3ポートCを、それぞれ連通させるとともに、第2四方弁32において第5ポートEと第8ポートH、および第6ポートFと第7ポートGをそれぞれ連通させる状態である。
【0048】
本実施形態において、第3四方弁33は、制御部60によって制御される。制御部60は、第3四方弁33において、第9ポートIと第10ポートJの何れか一方と、第11ポートKと第12ポートLの何れか一方と、を連通させる。なお、第3四方弁33において連通しない他のポートは、閉塞される。
【0049】
第1三方弁34、第2三方弁35、および第3三方弁36は、制御部60によって制御される。第1三方弁34、第2三方弁35、および第3三方弁36は、それぞれ3つのポートを有する。第1三方弁34、第2三方弁35、および第3三方弁36は、3つのポートのうち、何れか2つを連通させるとともに他の1つを閉塞するか、若しくは全てのポートを互いに連通させる。
【0050】
複数の管路9は、互いに連結されて冷却水を流す他種のループを構成する。本実施形態の水回路C2は、27個の管路9を有する。なお、本明細書において、「管路」とは、流体を一方向に導く経路を意味する言葉として使用されている。管路9の端部には、交差部8又は制御弁31、32、33、34、35、36を介して、複数の他の管路9が接続される。
【0051】
交差部8は、3本の管路9が交差し、各管路9同士が連通する部分に設けられる。交差部8は、例えばT字管継手である。本実施形態の水回路C2は、11個の交差部8を有する。
【0052】
次に、それぞれの管路9の構成について具体的に説明する。なお、それぞれの管路9の説明において、「一端」とは冷却水の流動方向の上流側端部を示し、「他端」とは冷却水の流動方向の下流側端部を示す。
【0053】
管路9aの一端は、交差部8aに接続される。管路9aの他端は、第1三方弁34に接続される。管路9aの経路中には、第1ポンプ41、第1熱交換器11の放熱部11b、ヒータ18、およびヒータコア83が一端から他端に向かってこの順で配置される。
【0054】
管路9bの一端は、第1三方弁34に接続される。管路9bの他端は、交差部8aに接続される。したがって、管路9bと管路9aとは、それぞれの一端と他端とが接続されてループ状の経路を構成する。
【0055】
管路9cの一端は、第1三方弁34に接続される。管路9cの他端は、第1四方弁31の第1ポートAに接続される。
【0056】
管路9dの一端は、第1四方弁31の第4ポートDに接続される。管路9dの他端は、交差部8bに接続される。
【0057】
管路9eの一端は、交差部8bに接続される。管路9eの他端は、交差部8cに接続される。
【0058】
管路9fの一端は、交差部8cに接続される。管路9fの他端は、交差部8eに接続される。管路9fの経路中には、チャッキ弁37が配置される。
【0059】
管路9gの一端は、交差部8cに接続される。管路9gの他端は、交差部8dに接続される。
【0060】
管路9hの一端は、交差部8dに接続される。管路9hの他端は、第3三方弁36に接続される。管路9hの経路中には、第3ポンプ43が配置される。
【0061】
管路9iの一端は、第2三方弁35に接続される。管路9iの他端は、第1四方弁31の第2ポートBに接続される。
【0062】
管路9jの一端は、交差部8gに接続される。管路9jの他端は、交差部8dに接続される。
【0063】
管路9kの一端は、交差部8fに接続される。管路9kの他端は、交差部8gに接続される。管路9kの経路中には、電力制御装置5、インバータ3、およびモータ2が一端から他端に向かってこの順で配置される。すなわち、管路9の経路中には、駆動ユニット4が配置される。
【0064】
管路9lの一端は、第3三方弁36に接続される。管路9lの他端は、交差部8eに接続される。
【0065】
管路9mの一端は、第3三方弁36に接続される。管路9mの他端は、交差部8fに接続される。
【0066】
管路9nの一端は、交差部8eに接続される。管路9nの他端は、交差部8hに接続される。管路9nの経路中には、バッテリ6が配置される。
【0067】
管路9oの一端は、第3四方弁33の第12ポートLに接続される。管路9oの他端は、交差部8fに接続される。
【0068】
管路9pの一端は、交差部8hに接続される。管路9pの他端は、交差部8bに接続される。管路9pの経路中には、チャッキ弁38が配置される。
【0069】
管路9qの一端は、交差部8hに接続される。管路9qの他端は、第2四方弁32の第8ポートHに接続される。
【0070】
管路9rの一端は、第2四方弁32の第5ポートEに接続される。管路9rの他端は、交差部8aに接続される。
【0071】
管路9sの一端は、第2三方弁35に接続される。管路9sの他端は、交差部8kに接続される。管路9sの経路中には、クーラコア84が配置される。
【0072】
管路9tの一端は、交差部8jに接続される。管路9tの他端は、第3四方弁33の第10ポートJに接続される。
【0073】
管路9uの一端は、第1四方弁31の第3ポートCに接続される。管路9uの他端は、交差部8jに接続される。
【0074】
管路9vの一端は、第3四方弁33の第11ポートKに接続される。管路9vの他端は、交差部8iに接続される。
【0075】
管路9wの一端は、交差部8iに接続される。管路9wの他端は、第2四方弁32の第7ポートGに接続される。
【0076】
管路9xの一端は、第2四方弁32の第6ポートFに接続される。管路9xの他端は、交差部8kに接続される。
【0077】
管路9yの一端は、交差部8gに接続される。管路9yの他端は、交差部8iに接続される。
【0078】
管路9zの一端は、交差部8kに接続される。管路9zの他端は、第2三方弁35に接続される。管路9zの経路中には、第2ポンプ42、および第2熱交換器12の冷却部12bが一端から他端に向かってこの順で配置される。管路9zと管路9sとは、それぞれの一端と他端とが接続されてループ状の経路を構成する。
【0079】
管路9ttの一端は、交差部8jに接続される。管路9ttの他端は、第3四方弁33の第9ポートIに接続される。管路9ttの経路中には、ラジエータ7が配置される。
【0080】
水回路C2において、管路9t、および管路9ttの一端同士は、共に交差部8jに接続され、他端同士は、共に第3四方弁33に接続される。また、管路9ttの経路中には、ラジエータ7が配置される。一方で、管路9tの経路中には、冷却水に対して加熱又は冷却を行う要素は配置されていない。したがって、水回路C2は、交差部8jにおいて管路9tと管路9ttに枝分かれし、第3四方弁33において再び合流する管路構成となっている。また、管路9tと管路9ttとは、制御部60によって制御される第3四方弁33によって、何れか一方にのみに冷却水が流れる。このため、管路9ttは、ラジエータ7を通るラジエータ経路として機能し、管路9tは、ラジエータ7を迂回させる迂回経路として機能する。
【0081】
(各モード)
本実施形態の温調装置1は、制御部60の制御によって複数の制御モード間を遷移可能である。制御部60は、第1モードと第2モードと第3モードと第4モードと第5モードとを切り替える。制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を制御して水回路C2における冷却水の流路を切り替えて各モードを遷移させる。
【0082】
図2は、第1モードの温調装置1を示し、図3は、第2モードの温調装置1を示し、図4は、第3モードの温調装置1を示し、図5は、第4モードの温調装置1を示し、図6は、第5モードの温調装置1を示す。
【0083】
第1~第5モードにおいて、水回路C2には、互いに異なるループが構成される。一方で、第1~第5モードにおいて、冷媒回路C1には、共通するループが構成される。本実施形態の第1~第5モードにおいて、冷媒回路C1には、冷媒ループRが構成される。なお、本実施形態において、「ループ」とは、冷媒、又は冷却水が循環するループ状の経路を意味する。
【0084】
冷媒ループRは、ループ管路90に設けられる。冷媒ループRは、圧縮機93、凝縮器11a、受液器94、膨張弁95、および蒸発器12aの順で通過して冷媒を循環させる。
【0085】
冷媒ループRの冷媒は、圧縮機93で圧縮されて高圧気相で下流側に吐出される。圧縮機93から吐出される冷媒は、凝縮器11aを通過する過程で放熱し液化する。凝縮器11aで液化した冷媒は、受液器94を通過する際に気相が除去される。さらに、高圧液相の冷媒は、膨張弁95を通過することで減圧され、蒸発器12aを通過する過程で気化する。蒸発器12aで気化した低圧気相の冷媒は、再び圧縮機93吸入される。冷媒ループRは、第2熱交換器12で水回路C2から熱を奪い、第1熱交換器11で水回路C2に熱を受け渡す。
【0086】
(第1モード(除湿、冷房))
図2は、第1モードの温調装置1の概略図である。
第1モードの温調装置1は、第1ループL1と、バッテリループLBと、冷房ループLCと、を有する。本実施形態において、第1モードの温調装置1は、車内の除湿を行うとともに、駆動ユニット4、および電力制御装置5を冷却するモードである。なお、第1モードの温調装置1は、除湿に代えて冷房を行うものであってもよい。
【0087】
第1ループL1は、管路9a、管路9c、管路9u、管路9tt、管路9o、管路9k、管路9y、管路9w、および管路9rを繋ぐ冷却水の循環経路である。バッテリループLBは、管路9e、管路9g、管路9h、管路9l、管路9n、および管路9pを繋ぐ冷却水の循環経路である。冷房ループLCは、管路9s、および管路9zを繋ぐ冷却水の経路である。
【0088】
制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を以下のように切り替えることで温調装置1を第1モードとする。
制御部60は、第1四方弁31、および第2四方弁32を第1状態とする。すなわち、制御部60は、第1四方弁31の第1ポートAと第3ポートCとを連通させ、第2四方弁32の第5ポートEと第7ポートGとを連通させる。これにより、制御部60は、管路9cと管路9uとを繋ぎ、管路9wと管路9rとを繋ぐ。
制御部60は、第3四方弁33の第9ポートIと第12ポートLとを連通させることで、管路9ttと管路9oとを繋ぐ。
制御部60は、第1三方弁34において管路9aと管路9cとを繋ぎ管路9bを閉塞する。
制御部60は、第2三方弁35において管路9zと管路9sとを繋ぎ管路9iを閉塞する。
制御部60は、第3三方弁36において管路9hと管路9lとを繋ぎ管路9mを閉塞する。
【0089】
第1ループL1は、第1ポンプ41、第1熱交換器11の放熱部11b、ヒータ18、ヒータコア83、ラジエータ7、電力制御装置5、および駆動ユニット4の順で冷却水を循環させる。第1ループL1の冷却水は、第1ポンプ41によって圧送される。第1ポンプ41によって圧送される冷却水は、第1熱交換器11の放熱部11b、ヒータ18、ヒータコア83、ラジエータ7、電力制御装置5、および駆動ユニット4の順で第1ループL1の各部を通過し再び第1ポンプ41に戻る。
【0090】
第1ループL1において、冷却水は、電力制御装置5、駆動ユニット4、および放熱部11bにおいて加熱される。また、第1ループL1において、冷却水は、ヒータコア83、およびラジエータ7において冷却される。すなわち、第1ループL1を循環する冷却水は、電力制御装置5、駆動ユニット4、および放熱部11bの熱を、ヒータコア83においてダクト86内の空気に移動する。本実施形態によれば、電力制御装置5、および駆動ユニット4の廃熱をヒータコア83において利用することができるため、エネルギ効率の高い温調装置1を提供できる。
【0091】
なお、ヒータ18は、制御部60によって制御され、通過する冷却水の温度がヒータコア83において行う空気の加熱に対して不十分である場合に冷却水を加熱する。すなわち、ヒータ18は、駆動ユニット4、電力制御装置5、および放熱部11bによる冷却水の加熱が不十分である場合に作動させて冷却水の加熱を補う。
【0092】
第1モードにおいて、制御部60は、第3四方弁33を操作することで、第1ループL1で通過する経路を、管路9ttから管路9tに切り替えて、冷却水にラジエータ7を迂回する経路を循環させてもよい。すなわち、第1モードの制御部60は、第1ループL1において、第1熱交換器11の下流側かつ駆動ユニット4の上流側で、ラジエータ7を通る管路(ラジエータ経路)9ttと迂回させる管路(迂回経路)9tと、を切り替え可能である。本実施形態によれば、制御部60は、第1ループL1の冷却水がラジエータ7を通過するか否かを選択することができ、例えばラジエータ7での冷却水の冷却によりモータ2が過剰に冷却されることを抑制できる。
【0093】
バッテリループLBは、第3ポンプ43、およびバッテリ6の順で冷却水を循環させる。バッテリループLBの冷却水は、第3ポンプ43によって圧送される。
【0094】
バッテリループLBは、熱平衡が生じるまでバッテリ6の出口から入口まで冷却水を循環する。これにより、バッテリ6のセル間の温度分布を均一にすることができる。バッテリ6は、構成される複数のセルの温度分布にばらつきが生じると、局所的な特性の低下を生じる場合がある。本実施形態によれば、バッテリループLBによってバッテリ6のセル間の温度分布のばらつきを抑制することで、バッテリ6の性能を安定させることができる。
【0095】
冷房ループLCは、第2ポンプ42、第2熱交換器12の冷却部12b、およびクーラコア84の順で冷却水を循環させる。冷房ループLCの冷却水は、第2ポンプ42によって圧送される。冷房ループLCを循環する冷却水は、クーラコア84において空気から熱を奪い、第2熱交換器12において冷媒回路C1の冷媒に熱を受け渡す。
【0096】
除湿を行う第1モードの空調部80において、エアミックスダンパ86dは、吹出口86b側の流路口を開放させる。このため、ダクト86内の空気流通路86fには、吸気口86a側から吹出口86b側に向かって空気が流れる。空気流通路86fを流れる空気は、クーラコア84を通過する際に、水分を結露させて除湿される。さらに空気流通路86fを流れる空気は、ヒータコア83で温められて吹出口86bから車内に吹き出される。なお、第1モードで車内の冷房を行ってもよい。この場合、エアミックスダンパ86dは、吹出口86b側の流路口を塞ぎ、バイパス流通路86cを開放する(図5参照)。これにより、クーラコア84で冷却された空気を、ヒータコア83を通過されることなく車室内に送ることができる。
【0097】
(第1モード(モータの加熱))
図1を基にした第1モードでは、車内の除湿を行う場合について説明したが、送風機85による送風を停止して水回路C2でモータ2の加熱を行ってもよい。第1モードで送風機85を停止する場合、ヒータコア83を空気が通過しないため、ヒータコア83において冷却水の空気の熱交換が行われ難い。このため、第1熱交換器11の放熱部11bで加熱された第1ループL1を流れる冷却水の熱は、主にラジエータ7で外気に放出される。また、第1ループL1において第3四方弁33の切り替えによってラジエータ7を迂回する管路(迂回経路)9tを通過させる場合、放熱部11bで加熱された冷却水の熱は、モータ2に達しモータ2の加熱に利用される。
【0098】
車両が極低温の環境にある場合などにおいて、モータ2のハウジング内に貯留されるオイルは、液温が低下し粘度が高まる。オイルの粘度が極端に高まるとモータ2の駆動効率を低下させる。本実施形態の第1モードによれば、第1熱交換器11において冷媒回路C1から受け取った熱をモータ2の加熱に利用することができる。これにより、モータ2のオイルを温め、オイルの粘度を低減させてモータ2の駆動効率を高めることができる。
【0099】
(第2モード)
図3は、第2モードの温調装置1の概略図である。
第2モードの温調装置1は、第2ループL2と、吸熱ループLEと、暖房ループLHと、を有する。本実施形態において、第2モードの温調装置1は、車内の暖房を行うモードである。
【0100】
第2ループL2は、管路9h、管路9l、管路9n、管路9p、管路9e、管路9g、管路9m、管路9k、および管路9jを繋ぐ冷却水の循環経路である。第2ループL2は、第3三方弁36で分岐し、交差部8dで合流する並列回路である。吸熱ループLEは、管路9z、管路9i、管路9u、管路9tt、管路9v、管路9w、および管路9xを繋ぐ冷却水の循環経路である。暖房ループLHは、管路9a、および管路9bを繋ぐ冷却水の循環経路である。
【0101】
制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を以下のように切り替えることで温調装置1を第2モードとする。
制御部60は、第1四方弁31、および第2四方弁32を第2状態とする。すなわち、制御部60は、第1四方弁31の第2ポートBと第3ポートCとを連通させ、第2四方弁32の第7ポートGと第6ポートFとを連通させる。これにより、制御部60は、管路9iと管路9uとを繋ぎ、管路9xと管路9wとを繋ぐ。
制御部60は、第3四方弁33の第9ポートIと第11ポートKとを連通させることで、管路9ttと管路9vとを繋ぐ。
制御部60は、第1三方弁34において管路9aと管路9bとを繋ぎ管路9cを閉塞する。
制御部60は、第2三方弁35において管路9zと管路9iとを繋ぎ管路9sを閉塞する。
制御部60は、第3三方弁36において管路9hと管路9lと管路9mとを繋ぐ。
【0102】
第2ループL2は、第3ポンプ43、電力制御装置5、および駆動ユニット4の順で冷却水を循環させるとともに、第3ポンプ43、およびバッテリ6の順で冷却水を循環させる。第2ループL2の冷却水は、第3ポンプ43によって圧送される。第3ポンプ43によって圧送される冷却水は、第3三方弁36で分岐し、一部が電力制御装置5、および駆動ユニット4を通過し、他の一部がバッテリ6を通過する。第2ループL2で分岐して流れる冷却水は、交差部8dで合流して第3ポンプ43に戻る。
【0103】
第2ループL2の冷却水は、電力制御装置5、駆動ユニット4、およびバッテリ6を通過して循環することで、電力制御装置5、駆動ユニット4、およびバッテリ6の温度を均一にする。これにより、電力制御装置5、駆動ユニット4、およびバッテリ6の温度が局所的に高まることを抑制する。また、冷却水は、第2ループL2を構成する管路9を流動する際に管路9から放熱される。このため、冷却水が、第2ループL2を循環することで、電力制御装置5、駆動ユニット4、およびバッテリ6を冷却できる。さらに、第2ループL2の冷却水は、バッテリ6のセル間の温度分布を均一にして、バッテリ6の性能を安定させることができる。
【0104】
なお、第2モードにおいて、モータ2を積極的に発熱させながら動作させて第2ループL2の冷却水をモータ2によって加熱してもよい。ここで、「モータを積極的に発熱させる」とは、運動エネルギに変換されない電気エネルギをモータ2に過剰に供給し、過剰に供給された電気的エネルギを熱エネルギに変換させることでモータ2のコイルを発熱させることを意味する。
【0105】
バッテリ6は、温度が高すぎる場合のみならず温度が低すぎる場合においても特性が低下する虞がある。また、モータ2は、温度が低すぎるとオイルの粘度が高まり駆動効率が低下する。第2モードでモータ2を積極的に発熱させて冷却水を加熱することで、バッテリ6の温度、およびモータ2のオイル温度を高めることができる。これにより、バッテリ6の特性を安定させるとともに、モータ2の駆動効率を高めることができる。
【0106】
本実施形態の第2ループL2において、電力制御装置5、および駆動ユニット4側に分岐して流れる冷却水の流量と、バッテリ6側に分岐して流れる冷却水の流量と、の比率を調整するために、第3三方弁36としてミキシングバルブを採用してもよい。この場合、制御部60は、電力制御装置5、駆動ユニット4、およびバッテリ6の各温度に基づき、電力制御装置5、および駆動ユニット4を通る冷却水の流量と、バッテリ6を流れる冷却水の流量の比率を調整することができる。
【0107】
吸熱ループLEは、第2ポンプ42、第2熱交換器12の冷却部12b、およびラジエータ7の順で冷却水を循環させる。吸熱ループLEの冷却水は、第2ポンプ42によって圧送される。吸熱ループLEにおいて、冷却水は、ラジエータ7において、外気から熱を受け取り、第2熱交換器12において冷媒回路C1の冷媒に熱を受け渡す。第2熱交換器12において冷媒回路C1に受け渡された熱は、第1熱交換器11において再び冷媒回路C1に移動し、暖房ループLHにおいて暖房に利用される。
【0108】
暖房ループLHは、第1ポンプ41、第1熱交換器11の放熱部11b、およびヒータコア83の順で冷却水を循環させる。暖房ループLHの冷却水は、第1ポンプ41によって圧送される。暖房ループLHにおいて、冷却水は、放熱部11bにおいて加熱される。また、第1ループL1において、冷却水は、ヒータコア83において冷却される。第1ループL1を循環する冷却水は、放熱部11bの熱を、ヒータコア83において空気に移動する。ヒータ18は、制御部60によって制御され、通過する冷却水の温度がヒータコア83において行う空気の加熱に対して不十分である場合に冷却水を加熱する。
【0109】
第2モードの空調部80において、エアミックスダンパ86dは、吹出口86b側の流路口を開放させる。このため、ダクト86内の空気流通路86fには、吸気口86a側から吹出口86b側に向かって空気が流れる。空気流通路86fを流れる空気は、クーラコア84を通過するが、クーラコア84に冷却水が流れていないため、クーラコア84における冷却水と空気との間の熱交換は発生しない。空気流通路86fを流れる空気は、ヒータコア83で温められて吹出口86bから車内に吹き出される。
【0110】
本実施形態の第2モードにおいて、第2ループL2は、駆動ユニット4を通るとともに、第1熱交換器11、および第2熱交換器12から分離される。このため、第2モードにおいて、駆動ユニット4は、第1熱交換器11を通過して加熱された冷却水、および第2熱交換器12を通過して冷却される冷却水の影響を受けることがない。駆動ユニット4が第1熱交換器11から分離されることで、水回路C2の冷却水は、放熱部11bから受け渡された熱を、駆動ユニット4に供給することなく、ヒータコア83に供給して空気を温めることができる。このため、空調部80において、車内の空気を高速暖房することができる。また、駆動ユニット4が第2熱交換器12から分離されることで、モータ2が冷却水によって過剰に冷却されてモータ2のオイルの粘度が高まることを抑制できる。
【0111】
(第3モード)
図4は、第3モードの温調装置1の概略図である。
第3モードの温調装置1は、第3ループL3と、バッテリループLBと、暖房ループLHと、を有する。本実施形態において、第3モードの温調装置1は、車内の暖房を行うモードである。
【0112】
なお、バッテリループLBは、第1モードでの説明と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。また、暖房ループLHは、第2モードでの説明と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0113】
第3ループL3は、管路9z、管路9i、管路9u、管路9t、管路9o、管路9k、管路9y、管路9w、および管路9xを繋ぐ冷却水の循環経路である。
【0114】
制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を以下のように切り替えることで温調装置1を第3モードとする。
制御部60は、第1四方弁31、および第2四方弁32を第2状態とする。すなわち、制御部60は、第1四方弁31の第2ポートBと第3ポートCとを連通させ、第2四方弁32の第7ポートGと第6ポートFとを連通させる。これにより、制御部60は、管路9iと管路9uとを繋ぎ、管路9xと管路9wとを繋ぐ。
制御部60は、第3四方弁33の第10ポートJと第12ポートLとを連通させることで、管路9tと管路9oとを繋ぐ。
制御部60は、第1三方弁34において管路9aと管路9bとを繋ぎ管路9cを閉塞する。
制御部60は、第2三方弁35において管路9zと管路9iとを繋ぎ管路9sを閉塞する。
制御部60は、第3三方弁36において管路9hと管路9lとを繋ぎ管路9mを閉塞する。
【0115】
第3ループL3は、第2ポンプ42、第2熱交換器12の冷却部12b、電力制御装置5、および駆動ユニット4の順で冷却水を循環させる。第3ループL3の冷却水は、第3ポンプ43によって圧送される。
【0116】
第3ループL3の冷却水は、第2熱交換器12の冷却部12bを通過する際に、冷却部12bによって冷却される。第3ループL3の冷却水は、電力制御装置5、および駆動ユニット4を通過する際に、電力制御装置5、および駆動ユニット4を冷却する。すなわち、第3ループL3の冷却水は、電力制御装置5、および駆動ユニット4から熱を受け取り、第2熱交換器12において冷媒回路C1に熱を受け渡す。
【0117】
本実施形態によれば、電力制御装置5、および駆動ユニット4を冷却して、電力制御装置5、および駆動ユニット4を安定的に動作させることができる。第2熱交換器12において冷媒回路C1に受け渡された熱は、第1熱交換器11において再び冷媒回路C1に移動し、暖房ループLHにおいて暖房に利用される。本実施形態によれば、電力制御装置5、および駆動ユニット4の廃熱を暖房に利用することができ、エネルギ効率の高い温調装置1を提供できる。
【0118】
また、第3モードにおいて、モータ2を積極的に発熱させながら動作させて第3ループL3の冷却水をモータ2によって加熱してもよい。モータ2を積極的に発熱させて冷却水を加熱することで、第2熱交換器12を介して冷媒回路C1に積極的に熱を送ることができ、空調部80における高速暖房が可能となる。
【0119】
第3モードの空調部80において、エアミックスダンパ86dは、吹出口86b側の流路口を開放させる。このため、ダクト86内の空気流通路86fには、吸気口86a側から吹出口86b側に向かって空気が流れる。空気流通路86fを流れる空気は、クーラコア84を通過するが、クーラコア84に冷却水が流れていないため、クーラコア84における冷却水と空気との間の熱交換は発生しない。空気流通路86fを流れる空気は、ヒータコア83で温められて吹出口86bから車内に吹き出される。
【0120】
第3モードにおいて、制御部60は、第3ループL3で通過する経路を、管路9tから管路9ttに切り替え可能である。すなわち、第3モードの制御部60は、第3ループL3において、第2熱交換器12の下流側かつ駆動ユニット4の上流側で、ラジエータ7を通る管路(ラジエータ経路)9ttと迂回させる管路(迂回経路)9tと、を切り替え可能である。本実施形態によれば、制御部60は、第3ループL3の冷却水がラジエータ7を通過するか否かを選択することができる。例えば、ラジエータ7に流れ込む冷却水の温度が外気温より低い場合、ラジエータ経路を繋ぐことで、ラジエータ7並びに駆動ユニット4と電力制御装置5を熱源として暖房に利用できる。一方でラジエータ7に流れ込む冷却水の温度が外気温より高い場合、迂回経路を繋ぐことで、ラジエータ7から熱が外気に逃げることを防止しつつ、ラジエータ7での冷却水の冷却によりモータ2が過剰に冷却されることを抑制できる。これにより、熱が外気に逃げることを防止しながら、廃熱を利用したエネルギ効率の高い暖房機能を有する温調装置1を提供できる。
【0121】
(第4モード)
図5は、第4モードの温調装置1の概略図である。
第4モードの温調装置1は、第4ループL4と、モータループLMと、を有する。本実施形態において、第4モードの温調装置1は、主にバッテリ6を加熱するモードである。なお、第4モードの温調装置1は、さらに、冷房ループLC(図2参照)、又は吸熱ループLE(図3参照)の何れかを有することが好ましい。
【0122】
第4ループL4は、管路9a、管路9c、管路9d、管路9e、管路9f、管路9n、管路9q、および管路9rを繋ぐ冷却水の循環経路である。モータループLMは、管路9h、管路9m、管路9k、および管路9jを繋ぐ冷却水の循環経路である。
【0123】
制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を以下のように切り替えることで温調装置1を第4モードとする。
制御部60は、第1四方弁31、および第2四方弁32を第2状態とする。すなわち、制御部60は、第1四方弁31の第1ポートAと第4ポートDとを連通させ、第2四方弁32の第5ポートEと第8ポートHとを連通させる。これにより、制御部60は、管路9dと管路9cとを繋ぎ、管路9rと管路9qとを繋ぐ。
制御部60は、第1三方弁34において管路9aと管路9cとを繋ぎ管路9bを閉塞する。
制御部60は、第3三方弁36において管路9hと管路9mとを繋ぎ管路9lを閉塞する。
【0124】
第4ループL4は、第1ポンプ41、第1熱交換器11の放熱部11b、ヒータ18、ヒータコア83、バッテリ6の順で冷却水を循環させる。第4ループL4の冷却水は、第1ポンプ41によって圧送される。第1ポンプ41によって圧送される冷却水は、第1熱交換器11の放熱部11b、ヒータ18、ヒータコア83、バッテリ6の順で第4ループL4の各部を通過する。
【0125】
第4ループL4において、冷却水は、放熱部11bにおいて加熱される。また、第4ループL4において、冷却水は、バッテリ6において冷却される。第4ループL4を循環する冷却水は、放熱部11bの熱を、バッテリ6に移動する。本実施形態によれば、第1熱交換器11において冷媒回路C1から受け取った熱を用いてバッテリ6を加熱することができ、バッテリ6の特性を安定させることができる。なお、ヒータ18は、制御部60によって制御され、通過する冷却水の温度がバッテリ6の加熱に対して不十分である場合に冷却水を加熱する。
【0126】
モータループLMは、第3ポンプ43、電力制御装置5、および駆動ユニット4の順で冷却水を循環させる。モータループLMの冷却水は、第3ポンプ43によって圧送される。モータループLMの冷却水は、熱平衡が生じるまで電力制御装置5、および駆動ユニット4を通過して循環する。これにより、電力制御装置5、および駆動ユニット4の温度を均一にすることができ、電力制御装置5、および駆動ユニット4の温度が局所的に高まることを抑制する。また、冷却水は、モータループLMを構成する管路9を流動する際に管路9から放熱される。このため、冷却水が、モータループLMを循環することで、電力制御装置5、および駆動ユニット4を冷却できる。
【0127】
第4モードの空調部80において、エアミックスダンパ86dは、吹出口86b側の流路口を塞ぎ、バイパス流通路86cを開放する。これにより、空調部80は、ヒータコア83における冷却水と空気との熱交換を抑制する。空調部80は、ヒータコア83通過時に冷却水の温度が低下することを抑制し、冷却水によるバッテリ6の加熱効率を高める。
【0128】
(第5モード)
図6は、第5モードの温調装置1の概略図である。
第5モードの温調装置1は、第5ループL5と、モータループLMと、を有する。本実施形態において、第5モードの温調装置1は、主にバッテリ6を冷却するモードである。なお、第5モードの温調装置1は、さらに、暖房ループLH(図3図4参照)を有していてもよいし、第5モードの温調装置1は、モータループLMに代えて、第1ループL1(図2参照)を有していてもよい。また、モータループLMは、第4モードでの説明と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0129】
第5ループL5は、管路9z、管路9i、管路9d、管路9e、管路9f、管路9n、管路9q、および管路9xを繋ぐ冷却水の循環経路である。
【0130】
制御部60は、制御弁31、32、33、34、35、36を以下のように切り替えることで温調装置1を第5モードとする。
制御部60は、第1四方弁31、および第2四方弁32を第1状態とする。すなわち、制御部60は、第1四方弁31の第2ポートBと第4ポートDとを連通させ、第2四方弁32の第6ポートFと第8ポートHとを連通させる。これにより、制御部60は、管路9iと管路9dとを繋ぎ、管路9qと管路9xとを繋ぐ。
制御部60は、第2三方弁35において管路9zと管路9iとを繋ぎ管路9sを閉塞する。
制御部60は、第3三方弁36において管路9hと管路9mとを繋ぎ管路9lを閉塞する。
【0131】
第5ループL5は、第2ポンプ42、第2熱交換器12の冷却部12b、バッテリ6の順で冷却水を循環させる。第5ループL5の冷却水は、第2ポンプ42によって圧送される。第2ポンプ42によって圧送される冷却水は、第2熱交換器12の冷却部12b、およびバッテリ6の順で第5ループL5の各部を通過する。
【0132】
第5ループL5において、冷却水は、冷却部12bにおいて冷却され、バッテリ6において加熱される。第5ループL5を循環する冷却水は、バッテリ6の熱を冷却部12bに移動する。本実施形態によれば、バッテリ6の熱を第2熱交換器12において冷媒回路C1に受け渡すことができるため、バッテリ6を効率的に冷却でき、バッテリ6の特性を安定させることができる。
【0133】
(まとめ)
本実施形態によれば、制御部60は、第1モードと第2モードとを切り替える。すなわち、本実施形態の制御方法は、第1モードと第2モードとを切り替える。図2に示すように、第1モードは、駆動ユニット4と第1熱交換器11とを通る第1ループL1に冷却水を循環させ、第2熱交換器12を第1ループL1から分離するモードである。図3に示すように、第2モードは、駆動ユニット4を通る第2ループL2に冷却水を循環させ、第1熱交換器11、および第2熱交換器12を第2ループL2から分離するモードである。
【0134】
図2に示すように、本実施形態の第1モードによれば、駆動ユニット4と第1熱交換器11とを通過する第1ループL1に冷却水を流すことができる。これにより、第1モードにおいて、駆動ユニット4の廃熱を、第1熱交換器11から得た熱とともにヒータコア83まで輸送し、暖房や除湿時の空気の加熱に利用できる。また、第1モードにおいて、第1熱交換器11から得た熱を利用して駆動ユニット4を温めてもよい。なお、本実施形態の第1ループL1は、ヒータコア83を通るため、第1ループL1の冷却水に移動した熱を用いて室内を温めることができる。
【0135】
図3に示すように、本実施形態の第2モードによれば、駆動ユニット4を通過する第2ループL2を第1熱交換器11および第2熱交換器12から切り離す。これにより、第2モードにおいて、冷媒回路C1から奪われる熱、又は冷媒回路C1から受け渡される熱を、モータ2の冷却、又は加熱に使うことなく、空調部80での空気の温度調節に直接的に利用できる。このため、第2モードにおいて、空調部80は、室温の高速暖房又は高速冷房を実現できる。
【0136】
並びに本実施形態の第2モードでは、駆動ユニット4の温度が、第1熱交換器11および第2熱交換器12を通過する冷却水の温度から影響を受け難い。このため、車外の温度が極端に低い場合など外気に熱を排出する経路の冷却水が、駆動ユニット4を冷却することを抑制できる。このため、起動直後のモータ2の温度上昇が、低温の冷却水によって阻害されることを抑制でき、起動直後においてもモータ2のオイルの液温を即座に高めることができる。
【0137】
本実施形態によれば、制御部60は、駆動ユニット4の温度、車内温度、外気温度、冷房、又は暖房のON/OFF操作などに応じて、第1モードと第2モードとを切り替えることできる。このため、制御部60は、駆動ユニット4の動作および空調部80による車内温度の調整を効率的に行うことができる。また、制御部60は、第1モード、第2モードに加えて、第3モードに切り替えることもできる。このため、制御部60は、温調装置1全体をさらに効率的に駆動しながら、冷暖房除湿の空調機能を実現できる。さらに加えて、第4、5モードに切り替えることで、バッテリ6の温度調整を精度よく行うことができる。なお、本実施形態では、温調装置1のモードとして、第1~第5モードのみについて説明したが、温調装置1は、さらに他のモードを有していてもよい。
【0138】
本実施形態の第2モードにおいて、第2ループL2は、バッテリ6をさらに通る。本実施形態の第2モードでは、バッテリ6の温度が、第1熱交換器11および第2熱交換器12を通過する冷却水の温度から影響を受け難い。また、バッテリ6をモータ2の廃熱で加熱することもできる。これにより、バッテリ6の温度を適切に高めることができる。なお、本実施形態の第2ループL2は、駆動ユニット4とバッテリ6とが並列接続される。このような、管路構成を採用することで、各モードで構成するループにおいて、駆動ユニット4を通過するループとバッテリ6のループとを別々に構成し易くなり、駆動ユニット4、およびバッテリ6をそれぞれの最適な温度にし易い。
【0139】
図4に示すように、本実施形態によれば、制御部60は、温調装置1を第3モードに、さらに切り替えることができる。すなわち、本実施形態の制御方法は、温調装置1を第3モードに、さらに切り替えることができる。第3モードは、駆動ユニット4と第2熱交換器12とラジエータ7を通る第3ループL3に冷却水を循環させ、第1熱交換器11を第3ループL3から分離するモードである。
【0140】
本実施形態によれば、第3ループL3が、第2熱交換器12および駆動ユニット4を通過するため、第2熱交換器12で冷却された冷却水を用いて駆動ユニット4を冷却できる。さらに、駆動ユニット4の廃熱を、第2熱交換器12を介して冷媒回路C1に受け渡すことができるため、この熱を暖房に利用することができる。これにより、駆動ユニット4の廃熱を利用したエネルギ効率の高い暖房が可能となる。
【0141】
本実施形態によれば、制御部60は、ともに車内の暖房を行う2つのモード(第2モードと第3モード)を切り替えることができる。第3モードの第3ループL3では、第2熱交換器12を通過する冷却水が駆動ユニット4を通過するため、外気温が極端に低い場合などに、冷却水によってモータ2を冷却し過ぎてしまう虞がある。これに対し、第2モードの第2ループL2では、モータ2の温度が冷却水によって低くなりすぎることを抑制できる。本実施形態によれば、制御部60は、外気温などの要因に応じて、暖房を行う2つのモードを切り替えて、全体として効率の高いモードを選択できる。
【0142】
本実施形態によれば、制御部60は、温調装置1を第4モードに切り替えることができる。すなわち、本実施形態の制御方法は、温調装置1を第4モードに切り替えることができる。第4モードは、バッテリ6と第1熱交換器11とを通る第4ループL4に冷却水を循環させるモードである。本実施形態によれば、第1熱交換器11において冷媒回路C1から受け取った熱を用いてバッテリ6を加熱することができ、バッテリ6の特性を安定させることができる。
【0143】
本実施形態によれば、制御部60は、第5モードに切り替えることができる。すなわち、本実施形態の制御方法は、第5モードに切り替えることができる。第5モードは、バッテリ6と第2熱交換器12とを通る第5ループL5に冷却水を循環させるモードである。本実施形態によれば、バッテリ6の熱を第2熱交換器12において冷媒回路C1に受け渡すことができる。これにより、バッテリ6を冷却できるのみならず、バッテリ6の熱を暖房に利用できる。
【0144】
本実施形態によれば、複数の制御弁が、第1四方弁31、第2四方弁32を含む。このため、制御部60による第1四方弁31、および第2四方弁32の切り替えによって各モードで水回路C2に様々なループを構成しつつ制御弁の数を抑制できる。これにより、水回路C2の配管構成を単純化することができる。
【0145】
本実施形態によれば、複数の制御弁が、第3四方弁33を含む。このため、制御部60による第3四方弁33の切り替えによって各モードで、管路(ラジエータ経路)9ttと管路(迂回経路)9tの何れを冷媒に通過させるか、制御弁の数を抑制しつつ容易に制御できる。
【0146】
以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態および変形例おける各構成およびそれらの組み合わせなどは一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0147】
例えば、上述の実施形態では、空調部80のヒータコア83、およびクーラコア84が、水回路C2に配置される場合について説明した。このため、上述の実施形態のヒータコア83およびクーラコア84は、冷却水と空気との間で熱交換を行う。しかしながら、空調部のヒータコアおよびクーラコアの何れ一方又は両方は、冷媒回路C1に配置されて、冷媒と空気との間で熱交換を行うものであってもよい。すなわち、空調部80は、冷媒回路C1又は水回路C2に接続され空気と熱交換を行うものであればよい。
【0148】
例えば、第1三方弁34にミキシングバルブを採用し、第4モードにおいて管路9bと管路9cに冷却水を流してもよい。また、第2三方弁35にミキシングバルブを採用し、第5モードにおいて管路9iと管路9sに冷却水を流してもよい。また、交差部8b又は交差部8hにミキシングバルブを採用し、第4モードおよび第5モードにおいて管路9pに冷却水を流してもよい。これにより、制御部60により各ミキシングバルブを制御して、バッテリ6の加熱冷却およびセル間温度分布の均一化を精度よく行うことができる。
【0149】
例えば、管路9lと管路9gを除いて、第1四方弁31から第2四方弁32までの水回路において、電力制御装置5とバッテリ6が分離される構成にしてもよい。この場合、チャッキ弁38はポンプに変更することが望ましい。
【0150】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 車両に搭載される温調装置であって、冷媒が流れる冷媒回路と、冷却水が流れる水回路と、前記冷媒回路および前記水回路に跨って配置され前記冷媒と前記冷却水との間で熱交換を行う第1熱交換器および第2熱交換器と、前記冷媒回路又は前記水回路に接続され空気と熱交換を行う空調部と、前記水回路を制御する制御部と、を備える。前記冷媒回路には、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒の圧力を開放する膨張弁と、が配置される。前記第1熱交換器は、前記圧縮機の下流側かつ前記膨張弁の上流側に配置される。前記第2熱交換器は、前記膨張弁の下流側かつ前記圧縮機の上流側に配置される。前記水回路には、前記車両を駆動するモータを有する駆動ユニットと、前記制御部に制御され前記水回路における前記冷却水の流路を切り替える複数の制御弁と、が配置される。前記制御部は、前記駆動ユニットと前記第1熱交換器とを通る第1ループに前記冷却水を循環させ、前記第2熱交換器を前記第1ループから分離する第1モードと、前記駆動ユニットを通る第2ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器、および前記第2熱交換器を前記第2ループから分離する第2モードと、を切り替える、温調装置。
(2) 前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、前記制御部は、前記駆動ユニットと前記第2熱交換器と前記ラジエータを通る第3ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器を前記第3ループから分離する第3モードをさらに切り替える、(1)に記載の温調装置。
(3) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記第2モードにおいて、前記第2ループは、前記バッテリをさらに通る、(1)又は(2)に記載の温調装置。
(4) 前記第2ループは、前記駆動ユニットと前記バッテリとが並列接続される、(3)に記載の温調装置。
(5) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記制御部は、前記バッテリと前記第1熱交換器とを通る第4ループに前記冷却水を循環させる第4モードに切り替える、(1)~(4)の何れか一項に記載の温調装置。
(6) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記制御部は、前記バッテリと前記第2熱交換器とを通る第5ループに前記冷却水を循環させる第5モードに切り替える、(1)~(5)の何れか一項に記載の温調装置。
(7) 複数の前記制御弁は、第1四方弁と第2四方弁を含み、前記第1四方弁は、前記第1熱交換器の下流に繋がる第1ポートと、前記第2熱交換器の下流に繋がる第2ポートと、前記駆動ユニットの上流に繋がる第3ポートと、前記バッテリの上流に繋がる第4ポートと、を有し、前記第2四方弁は、前記第1熱交換器の上流に繋がる第5ポートと、前記第2熱交換器の上流に繋がる第6ポートと、前記駆動ユニットの下流に繋がる第7ポートと、前記バッテリの下流に繋がる第8ポートと、を有し、前記制御部は、前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第3ポート、および前記第2ポートと前記第4ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第7ポート、および前記第6ポートと前記第8ポートをそれぞれ連通させる第1状態と、前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第4ポート、および前記第2ポートと前記第3ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第8ポート、および前記第6ポートと前記第7ポートをそれぞれ連通させる第2状態と、を切り替える、(5)又は(6)に記載の温調装置。
(8) 前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、前記第1モードの前記制御部は、前記第1ループにおいて、前記第1熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、(1)~(7)の何れか一項に記載の温調装置。
(9) 前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、前記第3モードの前記制御部は、前記第3ループにおいて、前記第2熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、(2)に記載の温調装置。
(10) 複数の前記制御弁は、第3四方弁を含み、前記第3四方弁は、前記ラジエータ経路の下流に繋がる第9ポートと、前記迂回経路の下流に繋がる第10ポートと、前記駆動ユニットの下流側の回路に繋がる第11ポートと、前記駆動ユニットの上流に繋がる第12ポートと、を有し、前記制御部は、前記第3四方弁において、第9ポートと第10ポートの何れか一方と、第11ポートと第12ポートの何れか一方と、を連通させる、(8)又は(9)に記載の温調装置。
(11) 前記空調部は、前記水回路に接続され前記冷却水で空気を加熱するヒータコアを有し、前記第1ループは、前記ヒータコアを通る、(1)~(10)の何れか一項に記載の温調装置。
(12) 車両に搭載される温調装置の制御方法であって、前記温調装置は、冷媒が流れる冷媒回路と、冷却水が流れる水回路と、前記冷媒回路および前記水回路に跨って配置され前記冷媒と前記冷却水との間で熱交換を行う第1熱交換器および第2熱交換器と、前記冷媒回路又は前記水回路に接続され空気と熱交換を行う空調部と、を備え、前記冷媒回路には、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒の圧力を開放する膨張弁と、が配置され、
前記第1熱交換器は、前記圧縮機の下流側かつ前記膨張弁の上流側に配置され、前記第2熱交換器は、前記膨張弁の下流側かつ前記圧縮機の上流側に配置され、前記水回路には、前記車両を駆動するモータを有する駆動ユニットと、前記水回路における前記冷却水の流路を切り替える複数の制御弁と、が配置され、前記駆動ユニットと前記第1熱交換器とを通る第1ループに前記冷却水を循環させ、前記第2熱交換器を前記第1ループから分離する第1モードと、前記駆動ユニットを通る第2ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器、および前記第2熱交換器を前記第2ループから分離する第2モードと、を切り替える、制御方法。
(13) 前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、前記駆動ユニットと前記第2熱交換器と前記ラジエータを通る第3ループに前記冷却水を循環させ、前記第1熱交換器を前記第3ループから分離する第3モードをさらに切り替える、(12)に記載の制御方法。
(14) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記第2モードにおいて、前記第2ループは、前記バッテリをさらに通る、(12)又は(13)に記載の制御方法。
(15) 前記第2ループは、前記駆動ユニットと前記バッテリとが並列接続される、
(14)に記載の制御方法。
(16) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記バッテリと前記第1熱交換器とを通る第4ループに前記冷却水を循環させる第4モードに切り替える、(12)~(15)の何れか一項に記載の制御方法。
(17) 前記水回路には、バッテリが配置され、前記バッテリと前記第2熱交換器とを通る第5ループに前記冷却水を循環させる第5モードに切り替える、(12)~(16)の何れか一項に記載の制御方法。
(18) 複数の前記制御弁は、第1四方弁と第2四方弁を含み、前記第1四方弁は、 前記第1熱交換器の下流に繋がる第1ポートと、前記第2熱交換器の下流に繋がる第2ポートと、前記駆動ユニットの上流に繋がる第3ポートと、前記バッテリの上流に繋がる第4ポートと、を有し、前記第2四方弁は、前記第1熱交換器の上流に繋がる第5ポートと、前記第2熱交換器の上流に繋がる第6ポートと、前記駆動ユニットの下流に繋がる第7ポートと、前記バッテリの下流に繋がる第8ポートと、を有し、前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第3ポート、および前記第2ポートと前記第4ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第7ポート、および前記第6ポートと前記第8ポートをそれぞれ連通させる第1状態と、前記第1四方弁において前記第1ポートと前記第4ポート、および前記第2ポートと前記第3ポートを、それぞれ連通させるとともに、前記第2四方弁において前記第5ポートと前記第8ポート、および前記第6ポートと前記第7ポートをそれぞれ連通させる第2状態と、を切り替える、
(16)又は(17)に記載の制御方法。
(19) 前記水回路には、外気と前記冷却水との間で熱交換を行うラジエータが配置され、前記第1ループにおいて、前記第1熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、(12)~(18)の何れか一項に記載の制御方法。
(20) 前記第3ループにおいて、前記第2熱交換器の下流側かつ前記駆動ユニットの上流側で、前記ラジエータを通るラジエータ経路と迂回させる迂回経路と、を切り替え可能である、(13)に記載の制御方法。
(21) 複数の前記制御弁は、第3四方弁を含み、前記第3四方弁は、前記ラジエータ経路の下流に繋がる第9ポートと、前記迂回経路の下流に繋がる第10ポートと、前記駆動ユニットの下流側の回路に繋がる第11ポートと、前記駆動ユニットの上流に繋がる第12ポートと、を有し、前記第3四方弁において、第9ポートと第10ポートの何れか一方と、第11ポートと第12ポートの何れか一方と、を連通させる、(19)又は(20)に記載の制御方法。
(22) 前記空調部は、前記水回路に接続され前記冷却水で空気を加熱するヒータコアを有し、前記第1ループは、前記ヒータコアを通る、(12)~(21)の何れか一項に記載の制御方法。
【符号の説明】
【0151】
1…温調装置、2…モータ、4…駆動ユニット、6…バッテリ、7…ラジエータ、9t…管路(迂回経路)、9tt…管路(ラジエータ経路)、11…第1熱交換器、12…第2熱交換器、18…ヒータ、31、32、33、34、35、36…制御弁、31…第1四方弁、32…第2四方弁、33…第3四方弁、60…制御部、80…空調部、83…ヒータコア、84…クーラコア、93…圧縮機、95…膨張弁、A…第1ポート、B…第2ポート、C…第3ポート、D…第4ポート、E…第5ポート、F…第6ポート、G…第7ポート、H…第8ポート、I…第9ポート、J…第10ポート、K…第11ポート、L…第12ポート、C1…冷媒回路、C2…水回路、L1…第1ループ、L2…第2ループ、L3…第3ループ、L4…第4ループ、L5…第5ループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6