(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037194
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】フランジ部同士の接合部位の腐食防止構造
(51)【国際特許分類】
F22B 37/00 20060101AFI20240312BHJP
F22B 37/78 20060101ALI20240312BHJP
F22D 5/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F22B37/00 A
F22B37/78
F22D5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141814
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】十川 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】木下 博之
(72)【発明者】
【氏名】重岡 潤一
(57)【要約】
【課題】本発明は、ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートを収容した容器とを連通する配管系統を見直し、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の改良を行うことで、所定のフランジ部同士の接合部位の腐食の防止を図ることを課題とする。
【解決手段】水位検出装置5の接続のためのフランジ部と開閉弁9の接続のためのフランジとの接合部位の腐食の防止のために、屋外に配置された配管部分7a、8aに、開閉弁9を、弁棒91の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、配管部分7a、8aの開閉弁9を備えた箇所から水位検出装置5の容器51までの範囲にわたって配置されて、開閉弁9の大部分や前記フランジ部を含めて配管部分7a、8aを覆うカバー部材10を、弧状部材10a、10bを結合させて筒状に構成し、弧状部材10a、10bの筒状に構成するための結合位置を側方に位置させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部同士の接合部位の腐食を防止するための構造であって、
接合される前記フランジ部同士の一方のフランジ部は、
ボイラの蒸気ドラムと2つの配管系統を介して連通する容器を有して構成されていると共に前記容器内に収容されたフロートの浮力を利用して前記蒸気ドラムの水位を検出する水位検出装置を、前記配管系統と接続するための第1フランジ部であり、
接合される前記フランジ部同士の他方のフランジ部は、
前記2つの配管系統の屋外に配置された配管部分にそれぞれ備えられていると共に弁棒の変位により前記配管系統の流路を開閉する開閉弁を、前記水位検出装置と接続するための第2フランジ部であり、
前記2つの配管系統の配管部分に備える開閉弁の双方を、前記弁棒の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、
更に、前記2つの配管系統の配管部分の双方に、前記開閉弁を備えた箇所から前記水位検出装置の容器までの範囲にわたって配置されて、前記開閉弁や前記第1、第2フランジ部を含めて前記配管部分を覆うカバー部材を、複数の弧状部材を結合させることで筒状に構成し、前記弧状部材の筒状に構成するための結合位置を側方にしたことを特徴とするフランジ部同士の接合部位の腐食防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば所内ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置とを連通させる配管系統が備える開閉弁を接続するためのフランジ部と、水位検出装置を接続するためのフランジ部と、の接合部位が雨水の侵入により腐食するのを防止するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
発電施設の所内ボイラは、当該所内ボイラの上側に位置する蒸気ドラムにおいて、例えば特許文献1に示されるように、蒸気ドラム内の水位を検出するための水位検出装置を有している。この水位検出装置として、フロートの浮力による上下動と磁石による吸着、離脱とを利用して、水位の変化を検知して知らせる形式(以下、フロート式)のものを用いられる場合がある。このようなフロート式の水位検出装置では、フロートが少なくとも収容された容器を有し、例えば特許文献1に示されるように、容器の上側が蒸気ドラムの上方と蒸気側配管系統を介して連通され、前記容器の下側が蒸気ドラムの下方と缶水側配管系統を介して連通する構成が採られる。
【0003】
それぞれの配管系統の途中には、例えば特許文献1に示されるように開閉弁を備えているところ、この配管系統の前記した開閉弁を備えた配管部分が屋外に出ている場合がある。水位検出装置の容器と各配管系統の開閉弁とは、フランジ部のフランジ面同士を接合することで接続される。そして、各配管系統は、前記開閉弁の周囲から水位検出装置の容器との接続のための前記した双方のフランジ部にかけて保温カバー等のカバー部材で覆われ、更に保温カバー等のカバー部材は、金具により固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、所内ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートが収容された水位検出装置の容器とを連通する配管系統の開閉弁を備えた配管部分が屋外に出ていると、当該配管部分が有する上方に開口した隙間から多くの雨水がカバー部材内に浸入し、このカバー部材内に浸入した雨水が、開閉弁を接続するためのフランジ部と水位検出装置の容器を接続するためのフランジ部との接続部位まで伝わって、これらのフランジ部の腐食を生じ、接合面等に穴を開けるおそれがある。このように、フランジ部の他方のフランジ部との接合部位が腐食して接合面に穴が開くと、水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内のフロートを浮かせるための水位が実際よりも減少して、水位検出装置が蒸気ドラムの正しい水位を検出することができなくなるという不具合が生ずる。また、開閉弁を接続するためのフランジ部や水位検出装置の容器を接続するためのフランジ部の腐食の有無の確認等を行うメンテナンス作業も頻繁に行う必要が生ずる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みたもので、ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートが収容された容器とを連通する配管系統を見直し、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の改良を行うことで、水位検出装置を接続するためのフランジ部と開閉弁を接続するためのフランジとの接合部位の腐食の防止を図る、フランジ部同士の接合部位の腐食防止構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明は、フランジ部同士の接合部位の腐食を防止するための構造であって、接合される前記フランジ部同士の一方のフランジ部は、ボイラの蒸気ドラムと2つの配管系統を介して連通する容器を有して構成されていると共に前記容器内に収容されたフロートの浮力を利用して前記蒸気ドラムの水位を検出する水位検出装置を、前記配管系統と接続するための第1フランジ部であり、接合される前記フランジ部同士の他方のフランジ部は、前記2つの配管系統の屋外に配置された配管部分にそれぞれ備えられていると共に弁棒の変位により前記配管系統の流路を開閉する開閉弁を、前記水位検出装置と接続するための第2フランジ部であり、前記2つの配管系統の配管部分に備える開閉弁の双方を、前記弁棒の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、更に、前記2つの配管系統の配管部分の双方に、前記開閉弁を備えた箇所から前記水位検出装置の容器までの範囲にわたって配置されて、前記開閉弁や前記第1、第2フランジ部を含めて前記配管部分を覆うカバー部材を、複数の弧状部材を結合させることで筒状に構成し、前記弧状部材の筒状に構成するための結合位置を側方にしたことを特徴としている。ボイラは、例えば火力発電所等の発電施設の所内ボイラである。カバー部材としては、基本的に保温カバーが用いられる。第1フランジ部は、例えば、水位検出装置の容器自体に設けられている。第2フランジ部は、例えば、開閉弁自体ではなく、開閉弁と水位検出装置の容器との間に介在する接続用配管に設けられていてもよい。
【0008】
これにより、配管系統の屋外に配置された横方向に延びる配管部分が備える、いずれの開閉弁も、弁棒が上下方向に変位するように配管部分の上方に設けられておらず、開閉弁や第1、第2フランジ部を含めて配管系統の屋外に配置された配管部分を覆うカバー部材は、弧状部材同士の結合部が側方になっている。すなわち、配管系統の屋外に配置された配管部分における、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の解消が図られている。したがって、開閉弁の弁棒と開閉弁の他の部位又はカバー部材との隙間や、カバー部材の弧状部材同士の結合部から、雨水がカバー部材内に浸入することが抑制される。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がることが抑制される。
【0009】
また、開閉弁としてハンドル車を手で回転させる手動弁が用いられる場合に、弁棒の先端側にハンドル車が設けられるところ、弁棒の変位する方向が水平方向若しくは略水平方向に沿うように、配管系統の屋外で配置された横方向に延びる配管部分に開閉弁が設けられるので、ハンドル車の回転による開閉弁の手動での開閉操作を容易にすることが可能である。
【発明の効果】
【0010】
以上に述べたように、本発明のフランジ部同士の接合部位の腐食防止構造によれば、配管系統の屋外に配置された横方向に延びる配管部分が備える、いずれの開閉弁も、弁棒が上下方向に変位するように配管部分の上方に設けられておらず、開閉弁や第1、第2フランジ部を含めて配管系統の屋外に配置された配管部分を覆うカバー部材は、弧状部材同士の結合部が側方になっている。すなわち、配管系統の屋外に配置された配管部分における、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の解消が図られている。したがって、開閉弁の弁棒と開閉弁の他の部位又はカバー部材との隙間や、カバー部材の弧状部材同士の結合部から、雨水がカバー部材内に浸入することが抑制される。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がるのを抑制することができる。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がることを抑制することができる。
【0011】
そして、本発明のフランジ部同士の接合部位の腐食防止構造によれば、開閉弁としてハンドル車を手で回転させる手動弁が用いられる場合に、弁棒の先端側にハンドル車が設けられるところ、弁棒の変位する方向が水平方向若しくは略水平方向に沿うように、配管系統の屋外で配置された横方向に延びる配管部分に開閉弁が設けられるので、ハンドル車の回転による開閉弁の手動での開閉操作を容易にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明が適用可能な、所内ボイラの蒸気ドラム、水位検出装置、及び蒸気ドラムと水位検出装置とを連通する2つの配管系統の構成を概略的に示す説明図である。
【
図2】本発明が適用可能な水位検出装置について、その構成を概略的に示す説明図であると共に、(a)は、水位検出装置の容器内の水位が正常である状態を示し、(b)は、水位検出装置の容器の水位が(a)よりも下がったときの動作を示している。
【
図3】水位検出装置の容器及び2つの配管系統の一方の屋外に配置された横方向に延びる配管部分、並びに当該配管部分に備えた開閉弁をカバー部材で覆った状態を概略的に示す斜視図である。
【
図4】水位検出装置の容器及び2つの配管系統の屋外に配置された前記配管部分、並びに当該配管部分に備えた開閉弁を概略的に示す正面図であって、配管部分や開閉弁がカバー部材で覆われた状態を示している。
【
図5】水位検出装置の容器及び2つの配管系統の屋外に配置された前記配管部分、並びに当該配管部分に備えた開閉弁を概略的に示す正面図であって、
図4の状態からカバー部材を外した状態を示している。
【
図6】本発明が適用可能な開閉弁の一例を示した説明図であって、(a)は、開閉弁の外観を示し、(b)は、開閉弁の内部構造を示している。
【
図7】前記開閉弁がカバー部材で覆われた状態での雨水の流れを概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1において、この発明が適用可能なボイラの一例として、火力発電所等の発電施設で用いられる所内ボイラ1が示されている。所内ボイラ1は、例えば発電施設の起動、停止時において所定の蒸気の使用先(例えばタービン軸封部)に蒸気(補助蒸気)を供給するために設置されるものである。
【0015】
所内ボイラ1は、その上側に位置する蒸気ドラム2(汽水胴等とも称する。以下、同じ。)と、その下側に位置する水ドラム3(水胴等とも称する。以下、同じ。)と、これらのドラム2、3の間に位置するボイラ本体4とを有して構成されている。蒸気ドラム2は、蒸気を取り出すためのもので、一般的には、適正な状態では下半分までは水が入り、上半分は蒸気が入っている。そして、蒸気ドラム2内の水位が前記適正な状態から外れることで所内ボイラ1に不具合が生ずるのを防止するために、所内ボイラ1は、蒸気ドラム2内の水位を検出する水位検出装置5を有している。
【0016】
蒸気ドラム2と水位検出装置5の容器51とは、2つの配管系統7、8により連通されている。2つの配管系統7、8のうち上側に位置する配管系統7は、蒸気側配管系統とも称され、一方が蒸気ドラム2の上方と接続し、他方が水位検出装置5の容器51の上方と接続する。2つの配管系統7、8のうち下側に位置する配管系統8は、冠水側配管系統とも称され、一方が蒸気ドラム2の下方と接続し、他方が水位検出装置5の容器51の下方と接続する。容器51は、この実施形態では、配管系統7、8と接続するために、
図5に示されるように、第1フランジ部52a、53aを開口端側部位に有する接続部52、53を有している。
【0017】
水位検出装置5は、一般的には、適正な状態では、容器51の下側から上側近傍まで水が入り、上側の残りの部位に蒸気が入っている。水位検出装置5は、この発明では、
図2に示されるように、容器51に入ったフロート61の浮力による上下動と磁石部材62の吸着、離脱とを利用して、前記適正な状態からの水位の変化を検知して制御装置200に信号を送るフロート式のものが用いられている。この水位検出装置5の機能について、
図2(a)及び
図2(b)を用いて概説する。
【0018】
蒸気ドラム2内の水位が適正な状態であると、
図2(a)に示されるように、フロート61は、容器51の中において適正水位L1の位置にて浮いた状態にある。マグネットのピストン63は、フロート61の上方に連接されたステム64の更に上端に設けられているところ、その下端は、マグネット化されていない筒状部65内の所定の位置(適正位置)P2にある。そして、前述の磁石部材62が先端に取り付けられた揺動アーム66が、容器51の所定の位置に軸部67を介して連結されており、揺動アーム66は、バネ68により筒状部65から離れる方向に付勢されているところ、磁石部材62がピストン63と吸着された状態にある。この場合、水位検出装置5から所定の制御装置200に水位異常の信号は送られない。
【0019】
これに対し、蒸気ドラム2内の水位が異常低下すると、
図2(b)に示されるように、フロート61の浮いた位置は、容器51の中において適正水位L1よりも下方に変位し、ピストン63は、その下端が筒状部65内の所定の位置P2よりも下がる。これにより、磁石部材62がピストン63と吸着された状態から解除されて、揺動アーム66にバネ68の付勢力が働き、揺動アーム66が筒状部65から離れる方向に離脱する。この場合、所定の制御装置200に水位検出装置から水位異常の信号が送られ、図示しない装置により蒸気ドラム2内の水位の正常化が図られる。このような水位検出装置5の機能から、不具合によって、フロート61の容器51内で浮いた位置のみが適正水位L1よりも下方に変位した場合にも、水位検出装置5から所定の制御装置200に水位異常の信号が送られるおそれがある。
【0020】
配管系統7、8の一部は、屋外に配置され且つ横方向に延びる配管部分7a、8aを有し、これらの配管部分7a、8aに配管系統7、8の流路を開閉する開閉弁9をそれぞれ備えている。配管部分7a側の開閉弁9は蒸気側元弁とも称され、配管部分8a側の開閉弁9は冠水側本弁とも称される。
【0021】
双方の開閉弁9、9は、この実施形態では、
図6にその一例が示されるように、仕切弁の一種であるゲート弁であり、弁棒91と、本体94とを有して構成されている。弁棒91は、先端側に下記する弁座97と接する弁体92を有し、基端側にハンドル車93を有する。本体94は、弁棒91の弁体92側の部位を収納する弁箱95と、弁棒91を挿通する通孔96aを有しつつ、弁箱95を塞ぐ蓋96とを有して構成され、弁箱95の通孔96aとは反対側に弁座97が設けられている。本体94には、水位検出装置5の容器51と接続するための接続部98と、配管部分7a、8aと接続するための接続部99とが設けられており、接続部98と接続部99とは、間に弁座97を有しつつ連通している。なお、符号100、101は、開閉弁9のうち、弁棒91を本体94に保持するためのものであって、下記するカバー部材10で開閉弁9を覆うときにも外部に現れる構成部材を示している。
【0022】
ハンドル車93を所定方向に回転させることで、弁棒91及びその先端側の弁体92が変位して、弁体92の弁座97への当接、弁体92の弁座97からの離隔により、配管部分7a、8aの流路の開閉が行われる。開閉弁9の接続部98、99は、この実施形態では、
図6に示されるように、配管部分7a、8aの配管(例えば下記する配管71、81)の端が差し込まれた後、溶接で接続される構成となっている。これに伴い、開閉弁9は、接続部98において、
図5に示されるように、フランジ部71a、81aを有する配管71、81を介して、水位検出装置5の容器51と接続されている。すなわち、水位検出装置5の容器51のフランジ部52a、53aと配管71、81のフランジ部71a、81aとが接合されるようになっている。もっとも、このような接続の態様に限定されず、図示しないが、開閉弁9の接続部98、99の開口端側にフランジ部を形成し、開閉弁9のフランジ部が水位検出装置5の容器51のフランジ部52a、53aと直接に接合されるようにしてもよい。
【0023】
そして、この実施形態では、
図3、
図4及び
図7に示されるように、配管系統7、8は、配管部分7a、8aにおいて、開閉弁9を備えた箇所から水位検出装置5の容器51までの範囲にわたって、カバー部材10、10がそれぞれ配置されている。一方のカバー部材10は、筒状をなし、開閉弁9のうちの弁棒91の先端部分、ハンドル車93、並びに前記開閉弁9の構成部材100、101を除いた部分や、フランジ部52a、71aを含めて、配管部分7aを覆っている。他方のカバー部材10も、筒状をなして、開閉弁9のうちの弁棒91の先端部分、ハンドル車93、並びに前記開閉弁9の構成部材100、101を除いた部分や、フランジ部53a、81aを含めて、配管部分8aを覆っている。これにより、カバー部材10のそれぞれが、配管系統7、8に対する保温カバーとして機能し、更に雨水に対する防水カバーとしても機能しうる。
【0024】
各カバー部材10は、軸方向から見て略半円の弧状部材10a、10bを結合して筒状に組み付けてなる。弧状部材10aと弧状部材10bとの結合は、この実施形態では、金具11により弧状部材10aと弧状部材10bとの結合部位を締め付けることで行われている。
【0025】
ところで、本発明では、配管系統7の配管部分7aに備える開閉弁9と、配管系統8の配管部分8aに備える開閉弁9との双方について、
図3から
図7に示されるように、弁棒91の変位する方向が水平方向若しくは略水平方向になるように配置されている。これに伴い、これらの配管部分7a、8aを覆うカバー部材10も、少なくとも開閉弁9の周囲では、弧状部材10aと弧状部材10bとの結合位置が側方になるようになっている。従って、配管部分7a、8aが屋外に配置されていても、
図7に示されるように、雨水がカバー部材10の外面の上方に当たっても、雨水はカバー部材10の外面を矢印の方向に流れて地上に落下する。よって、開閉弁9の弁棒91の周囲をカバー部材10で覆うことができなくても、開閉弁9とカバー部材10との隙間から雨水がカバー部材10内に浸入することが抑制され、ひいてはカバー部材10内に浸入した雨水がフランジ部52aとフランジ部71aとの接合部位やフランジ部53aとフランジ部81aとの接合部位まで達して腐食を生じさせ、水位検出装置5の容器51内の水位が蒸気ドラム2と無関係に下がってしまうのを抑止することが可能となる。
【0026】
以上のように、本発明では、所内ボイラ1の蒸気ドラム2と水位検出装置5のフロート61が収容された容器51とを連通する配管系統7、8の見直しがなされ、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の改良が図られている。
【符号の説明】
【0027】
1 所内ボイラ(ボイラ)
2 蒸気ドラム
5 水位検出装置
51 水位検出装置の容器
52a、53a 第1フランジ部
61 水位検出装置のフロート
62 水位検出装置の磁石部材
7、8 配管系統
7a、8a 配管部分
71、81 接続用配管
71a、81a 第2フランジ部
9 開閉弁
91 弁棒
10 カバー部材
10a、10b 弧状部材