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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039111
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/735 20190101AFI20240314BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240314BHJP
【FI】
G06F16/735
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143418
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 真治
(72)【発明者】
【氏名】後藤 修
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰士
(72)【発明者】
【氏名】松本 健吾
【テーマコード(参考)】
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B175BA01
5B175DA04
5B175FB03
5B175HA01
5E555AA05
5E555AA59
5E555AA64
5E555AA68
5E555AA72
5E555AA76
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA38
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB38
5E555BC17
5E555BE17
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB74
5E555CB82
5E555CC03
5E555DA02
5E555DA09
5E555DB32
5E555DB39
5E555DB41
5E555DB51
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DD07
5E555EA03
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの個人情報を保護しつつ、ユーザに適したXRオブジェクトを表示する。
【解決手段】第1取得部111は、ユーザUの属性、嗜好および行動履歴のうち少なくとも1つを示すユーザ情報Pを取得する。第2取得部112は、1または複数の仮想オブジェクトVの各々の特徴を示すメタ情報Dmを取得する。選択部113は、メタ情報Dmと、ユーザ情報Pとに基づいて、1または複数の仮想オブジェクトVのうちユーザUに表示する仮想オブジェクトVである表示オブジェクトVsを選択する。第3取得部114は、表示オブジェクトVsに対応する表示オブジェクトデータDsを取得する。表示制御部115は、表示オブジェクトデータVsを用いて表示オブジェクトVを投影装置101に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性、嗜好および行動履歴のうち少なくとも1つを示すユーザ情報を取得する第1取得部と、
1または複数の仮想オブジェクトの各々の特徴を示す特徴情報を取得する第2取得部と、
前記特徴情報と、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1または複数の仮想オブジェクトのうち前記ユーザに表示する仮想オブジェクトである表示オブジェクトを選択する選択部と、
前記表示オブジェクトに対応する表示オブジェクトデータを取得する第3取得部と、
前記表示オブジェクトデータを用いて前記表示オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記第1取得部は、前記ユーザ情報として前記ユーザの属性を示す情報を取得し、
前記第2取得部は、前記特徴情報として前記1または複数の仮想オブジェクトの各々の表示対象者の属性を示す情報を取得し、
前記選択部は、前記表示対象者の属性と前記ユーザの属性とが一致する仮想オブジェクトを前記表示オブジェクトとして選択する、
請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記ユーザ情報として前記ユーザの嗜好を示す情報を取得し、
前記第2取得部は、前記特徴情報として前記1または複数の仮想オブジェクトの各々の内容を示す情報を取得し、
前記選択部は、前記ユーザの嗜好と内容が一致する仮想オブジェクトを前記表示オブジェクトとして選択する、
請求項1記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第1取得部は、前記ユーザ情報として前記ユーザの行動履歴を示す履歴情報を取得し、
前記第2取得部は、前記特徴情報として前記1または複数の前記仮想オブジェクトの各々の内容に関連する行動を示す情報を含み、
前記選択部は、前記ユーザが前記仮想オブジェクトの内容に関連する行動を行った履歴がある場合に、当該仮想オブジェクトを前記表示オブジェクトとして選択する、
請求項1記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記1または複数の仮想オブジェクトは各々、現実空間の位置に対応付けられており、
前記第2取得部は、前記ユーザの位置から所定距離以内の位置に対応付けられた前記1または複数の仮想オブジェクトの前記特徴情報を取得する、
請求項1記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記1または複数の仮想オブジェクトは各々、優先順位が設定されており、
前記選択部は、前記表示オブジェクトが所定数を超える場合に、前記優先順位が高い順に前記所定数以下の前記表示オブジェクトを選択する、
請求項1記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、XR(Extended Reality)技術が普及している。XRは、AR(Augmented Reality)、VR(virtual reality)およびMR(Mixed Reality)等の総称である。例えば、下記特許文献1に開示された技術は、ユーザが保有するユーザ端末によって取得された現実空間の映像データと、サーバに予め格納された現実空間の画像データによって構成されるマップとに基づいて、実時間で取得した現実空間の映像データに仮想オブジェクトを配置して、拡張現実空間を生成する。ユーザ端末は、ユーザの属性に関するユーザ属性データを取得してサーバに送信する。サーバは、互いに異なる拡張現実空間をそれぞれ生成する互いに異なる複数のオブジェクトが格納されるデータベース及びデータベースに格納される複数のオブジェクトからユーザ属性データに基づいて任意のオブジェクトを抽出してユーザ端末に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-20039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
XR技術が普及するにつれ、現実空間に配置されるXRオブジェクトの数も増大する。ユーザの周囲に配置されたXRオブジェクトを全て表示すると、ユーザの視野の多くの部分がXRオブジェクトで占められ、ユーザが煩わしく感じる可能性がある。また、ユーザに関係しないXRオブジェクトまたはユーザに表示するのが好ましくないXRオブジェクトが含まれている場合もある。よって、サーバに記憶されたXRオブジェクトのうち、ユーザに実際に表示するXRオブジェクトを選択する必要がある。
【0005】
上述した特許文献1では、ユーザ属性データをサーバに送信し、サーバでユーザ端末に供給するオブジェクトを選択する。よって、無駄なオブジェクトのダウンロードは防止できるが、ユーザの属性を示す情報をサーバに送信することになる。ユーザによっては、個人情報をサーバに送信することに抵抗を感じる場合もあり、改善の余地がある。
【0006】
また、例えばユーザの周囲に配置されたXRオブジェクトのデータをユーザ端末に全てダウンロードした上で、実際にユーザに表示するXRオブジェクトをユーザ端末で選択する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、表示されなかったXRオブジェクト分のデータの送受信がネットワークリソースの無駄に繋がる可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、ユーザの個人情報を保護しつつ、ユーザに適したXRオブジェクトを表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る表示制御装置は、ユーザの属性、嗜好および行動履歴のうち少なくとも1つを示すユーザ情報を取得する第1取得部と、1または複数の仮想オブジェクトの各々の特徴を示す特徴情報を取得する第2取得部と、前記特徴情報と、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1または複数の仮想オブジェクトのうち前記ユーザに表示する仮想オブジェクトである表示オブジェクトを選択する選択部と、前記表示オブジェクトに対応する表示オブジェクトデータを取得する第3取得部と、前記表示オブジェクトデータを用いて前記表示オブジェクトを表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ユーザの個人情報を保護しつつ、ユーザに適したXRオブジェクトを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るシステム1の構成を示すブロック図である。
図2】端末装置10の構成を示すブロック図である。
図3】サーバ20の構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ情報Pの一例を示す模式図である。
図5】メタ情報Dmの一例を示す模式図である。
図6】メタ情報Dmの選択方法を模式的に示す図である。
図7】表示オブジェクトVsの表示態様の一例を示す模式図である。
図8】表示オブジェクトVsの表示態様の他の例を示す模式図である。
図9】システム1の動作を示すフロー図である。
図10】第1変形例にかかる位置情報の特定方法を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.実施形態
A-1.システム構成
図1は、実施形態に係るシステム1の構成を示すブロック図である。システム1は、端末装置10と、サーバ20とを含む。端末装置10は、表示制御装置の一例である。端末装置10と、サーバ20とは、ネットワークNを介して接続されている。なお、図1では、端末装置10を1台のみ図示しているが、システム1は、任意の台数の端末装置10を備えることが可能である。
【0012】
本実施形態において、システム1は、端末装置10を保持するユーザUに対して、AR技術を利用して各種情報を提示するシステムである。ここで、AR技術とは、現実空間に仮想オブジェクトV(図6等参照)を重ね合わせて表示することで、仮想オブジェクトVが現実空間に存在するかのようにユーザUに視認させる技術である。すなわち、端末装置10は、現実空間に仮想的に配置された仮想オブジェクトVをユーザUの視野範囲の現実空間に重畳して表示する。仮想オブジェクトVは、例えば静止画像、動画、3DCG(Computer Graphics)モデル、およびテキスト等である。なお、端末装置10は、仮想オブジェクトVを表示する際に、例えば音声情報等の他の種類の情報を出力してもよい。
【0013】
端末装置10は、例えばシースルー型のヘッドマウントディスプレイ、またはスマートフォン、タブレット等の携帯情報処理端末である。本実施形態では、端末装置10が、シースルー型のヘッドマウントディスプレイであるものとする。サーバ20は、端末装置10で仮想オブジェクトVを表示するための複数の仮想オブジェクトデータD(図3参照)を記憶する。各仮想オブジェクトデータDは、それぞれ異なる仮想オブジェクトVに対応している。サーバ20は、複数の仮想オブジェクトデータDのうちの少なくとも1つである表示オブジェクトデータDsを端末装置10に送信する。表示オブジェクトデータDsは、各仮想オブジェクトデータDに含まれるメタ情報DmおよびユーザUに関するユーザ情報Pに基づいて選択される。端末装置10は、サーバ20から表示オブジェクトデータDsを受信し、表示オブジェクトデータDsに対応する仮想オブジェクトVである表示オブジェクトVsを、現実空間に重畳して表示する。
【0014】
A-2.端末装置10
図2は、端末装置10の構成を示すブロック図である。端末装置10の形状は、例えば一般的な眼鏡と同様の形状である。端末装置10は、ユーザUの左眼の前方に配置される左レンズと、ユーザUの右眼の前方に配置される右レンズと、左レンズおよび右レンズを支持するフレームを有する。フレームは、左レンズと右レンズとの間に設けられたブリッジ、および左右の耳にかかる一対のテンプルを有する。
【0015】
端末装置10は、投影装置101と、撮像装置102と、通信装置103と、位置検出装置104と、記憶装置107と、処理装置108と、バス109とを備える。図2に示す各構成のうち、投影装置101の一部の構成以外は、例えばフレームに格納されている。投影装置101と、撮像装置102と、通信装置103と、位置検出装置104と、記憶装置107と、処理装置108とは、情報を通信するためのバス109によって相互に接続される。バス109は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置等の要素間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0016】
投影装置101は、左右のレンズ、表示パネルおよび光学部材を含む。表示パネルおよび光学部材は、例えばフレームに収容されている。表示パネルおよび光学部材は、左右のレンズに対応して、左右1対ずつ設けられてもよい。投影装置101は、処理装置108からの制御に基づいて、表示オブジェクトVsに対応する投影画像を表示パネルに表示する。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルである。光学部材は、表示パネルから射出された光を左右のレンズに導光する。
【0017】
左レンズと右レンズの各々は、ハーフミラーを有する。左レンズと右レンズが有するハーフミラーは、現実空間を表す光を透過させることによって、現実空間を表す光をユーザUの目に導く。また、左レンズと右レンズが有するハーフミラーは、光学部材によって導光された表示オブジェクトVsを示す光をユーザUの目に向けて反射する。ハーフミラーを透過した現実空間の光と、ハーフミラーによって反射された表示オブジェクトVsを示す光とが重畳してユーザUの目に入射されることによって、ユーザUは、現実空間上に表示オブジェクトVsが位置しているように知覚する。すなわち、左レンズと右レンズは、眼球の前面に配置される透過型のディスプレイとして機能する。投影装置101は、表示装置の一例である。
【0018】
撮像装置102は、被写体を撮像し、撮像した画像(以下「撮像画像」という)を示す撮像画像情報を出力する。撮像装置102は、例えば、撮像光学系および撮像素子を有する。撮像光学系は、少なくとも1つの撮像レンズを含む光学系である。撮像レンズは、例えば上述したブリッジに、ユーザUの視野範囲を向けて設けられる。このため、撮像装置102は、現実空間のうち、ユーザUの視野範囲を含む領域を撮像する。また、撮像装置102の撮像画像は、現実空間のうち、ユーザUの視野範囲を含む領域を撮像した画像である。撮像光学系は、例えばプリズム等の各種の光学素子を有してもよいし、ズームレンズまたはフォーカスレンズ等を有してもよい。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary MOS)イメージセンサー等である。
【0019】
撮像装置102で撮像された撮像画像の各画素と、左右のレンズが実現する透過型のディスプレイの各画素との対応関係は、予めキャリブレーションされている。すなわち、撮像画像に写る物体が、端末装置10を装着したユーザUから見て、左右のレンズのどの位置を占めるかは既知である。よって、後述する表示制御部115は、撮像画像に基づいて表示位置が決められた表示オブジェクトVsを、左右のレンズに投影することが可能である。
【0020】
通信装置103は、無線通信または有線通信を用いてサーバ20と通信する。本実施形態において、通信装置103は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、ネットワークNを介してサーバ20の通信装置203(図3参照)と通信する。
【0021】
位置検出装置104は、端末装置10の位置を検出し、位置情報を生成する。位置情報は、位置を特定できるのであれば、どのような形式であってもよい。位置情報は、現実空間におけるユーザUの位置を示す情報と、当該位置におけるユーザUの向きを示す情報とが含まれる。ユーザUの位置を示す情報は、例えば緯度経度または特定の3次元空間内のXYZ座標である。また、ユーザUの向きを示す情報は、例えば方位角および仰角または特定の3次元空間におけるピッチ、ロール、およびヨーである。
【0022】
位置検出装置104は、例えば複数の衛星からの電波を受信し、受信した電波から位置情報を生成するGPS装置であってもよい。また、位置検出装置104は、例えば施設に設けられたビーコン等によって、端末装置10が位置する施設名および施設における位置を特定する情報を受信してもよい。
【0023】
位置検出装置104は、地磁気センサ、加速度センサ、角加速度センサ、または慣性計測装置(IMU: Inertial Measurement Unit)等のセンサ類を用いて端末装置10の位置および姿勢を検出してもよい。
【0024】
また、位置検出装置104は、例えばVPS(Visual Positioning Service/System)を用いて端末装置10の位置を検出してもよい。この場合、端末装置10は、撮像装置102で撮像した撮像画像を、端末装置10の位置を特定する位置特定サーバに送信する。位置特定サーバは、現実空間に配置された現実オブジェクトを写した画像と現実オブジェクトの位置情報とが対応付けられたマップを有する。位置特定サーバは、撮影画像とマップとを照合して、撮影画像が撮影された位置、すなわち端末装置10の位置を特定する。サーバ20が位置特定サーバを兼ねていてもよい。
【0025】
または、例えば予め現実空間に位置情報を示すマーカーを配置しておき、端末装置10が撮像装置102で撮像した撮影画像からマーカーを検出することで位置情報が取得されてもよい。
【0026】
記憶装置107は、処理装置108が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置107は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。記憶装置107は、プログラムPG1およびユーザ情報Pを記憶する。プログラムPG1は、端末装置10を動作させるためのプログラムである。ユーザ情報Pの詳細は後述する。
【0027】
処理装置108は、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0028】
処理装置108は、記憶装置107からプログラムPG1を読み取る。処理装置108は、プログラムPG1を実行することによって、第1取得部111、第2取得部112、選択部113、第3取得部114および表示制御部115として機能する。第1取得部111、第2取得部112、選択部113、第3取得部114および表示制御部115の少なくとも一部の機能は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路によって構成されてもよい。第1取得部111、第2取得部112、選択部113、第3取得部114および表示制御部115の詳細については後述する。
【0029】
なお、端末装置10がスマートフォンまたはタブレット等の携帯情報処理端末である場合、端末装置10は、投影装置101に代えてディスプレイを備える。端末装置10は、撮像装置102で撮像した撮像画像をディスプレイに表示する。端末装置10は、サーバ20から取得した表示オブジェクトデータDsに対応する表示オブジェクトVsを、ディスプレイに表示された撮像画像と重畳して表示する。
【0030】
A-3.サーバ20
図3は、サーバ20の構成を示すブロック図である。サーバ20は、通信装置203と、記憶装置205と、処理装置206と、バス207とを含む。通信装置203と、記憶装置205と、処理装置206とは、情報を通信するためのバス207によって相互に接続される。バス207は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0031】
通信装置203は、無線通信または有線通信を用いて端末装置10と通信する。本実施形態において、通信装置203は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、ネットワークNを介して端末装置10と通信する。
【0032】
記憶装置205は、処理装置206が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置205は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROMおよびEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。記憶装置205は、プログラムPG2と、1または複数の仮想オブジェクトデータDとを記憶する。
【0033】
プログラムPG2は、サーバ20を動作させるためのプログラムである。仮想オブジェクトデータDは、端末装置10で仮想オブジェクトVを出力するためのデータである。本実施形態では、記憶装置205は複数の仮想オブジェクトデータDを記憶する。各仮想オブジェクトデータDは、メタ情報(メタデータ)DmおよびオブジェクトデータDoを含む。メタ情報Dmは、特徴情報の一例である。メタ情報Dmは、仮想オブジェクトVおよび仮想オブジェクトデータDに関する付加的な情報を示すデータである。オブジェクトデータDoは、画像データ等の端末装置10で仮想オブジェクトVを表示するためのデータである。
【0034】
メタ情報Dmは、当該仮想オブジェクトデータDを識別するオブジェクト識別情報M1(図5参照)を含む。1の仮想オブジェクトデータDは、1の仮想オブジェクトVに対応する。1のオブジェクト識別情報M1を特定することで、1の仮想オブジェクトデータDおよび当該1の仮想オブジェクトデータDに基づく仮想オブジェクトVが特定される。また、1または複数の仮想オブジェクトVは各々、現実空間の位置に対応付けられている。メタ情報Dmは、当該仮想オブジェクトデータDに基づく仮想オブジェクトVが表示される現実空間の位置を示すオブジェクト位置情報M2(図5参照)を含む。
【0035】
処理装置206は、1または複数のCPUを含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0036】
処理装置206は、記憶装置205からプログラムPG2を読み取る。処理装置206は、プログラムPG2を実行することによって、メタ情報送信部211および仮想オブジェクトデータ送信部212として機能する。メタ情報送信部211または仮想オブジェクトデータ送信部212の少なくとも一部の機能は、DSP、ASIC、PLDおよびFPGA等の回路によって構成されてもよい。メタ情報送信部211および仮想オブジェクトデータ送信部212の詳細については後述する。
【0037】
A-4.処理装置108の詳細
つぎに、処理装置108がプログラムPG1を実行することで実現する、第1取得部111、第2取得部112、選択部113、第3取得部114および表示制御部115について説明する。また、この説明内で処理装置206がプログラムPG2を実行することで実現する、メタ情報送信部211および仮想オブジェクトデータ送信部212についても説明する。
【0038】
第1取得部111は、ユーザUの属性、嗜好および行動履歴のうち少なくとも1つを示すユーザ情報Pを取得する。ユーザUの属性とは、例えば、ユーザUの性別、年齢、居住地、勤務先、職業(勤務先における業務内容)、通学先、通学先における専攻または家族構成等の情報である。第1取得部111は、例えば端末装置10の初回使用時に、ユーザUに対して属性の入力を要求し、入力された属性を示す情報(以下「属性情報」という)を記憶装置107にユーザ情報P(図2参照)として記憶し、必要に応じて属性情報を読み出す。
【0039】
また、ユーザUの嗜好とは、例えば、スポーツ、アーティスト、楽曲、食べ物、動物等に関するユーザUの好みの情報である。第1取得部111は、例えば端末装置10の初回使用時に、ユーザUに対して所定の分野における嗜好の入力を要求し、入力された嗜好を示す情報(以下「嗜好情報」という)を記憶装置107にユーザ情報Pとして記憶し、必要に応じて嗜好情報を読み出す。または、第1取得部111は、後述するユーザUの行動履歴に基づいて、ユーザUの嗜好を推定してもよい。例えば、第1取得部111は、位置検出装置104で生成された位置情報に基づいて、ユーザUが訪れた場所を検出し、当該場所に基づいてユーザUの嗜好を推定する。具体例には、例えばユーザUが野球場に訪れた場合には、ユーザUは野球に関心があると推定する。また、第1取得部111は、例えばユーザUが保持するスマートフォン等の情報処理端末と連携し、ウェブサイトの閲覧履歴またはソーシャルネットワークサービスに表示された情報への反応等を取得し、これらの情報に基づいてユーザUの嗜好を推定してもよい。
【0040】
また、ユーザUの行動履歴とは、例えばユーザUが訪れた場所を示す情報である。第1取得部111は、位置検出装置104で生成された位置情報に基づいて、ユーザUが訪れた場所を検出する。また、ユーザUの行動履歴とは、ウェブサイトの閲覧履歴またはソーシャルネットワークサービスに表示された情報への反応等であってもよい。この場合、第1取得部111は、例えばユーザUが保持するスマートフォン等の情報処理端末から、これらの情報を取得してもよい。
【0041】
図4は、ユーザ情報Pの一例を示す模式図である。図4に示すユーザ情報Pは、例えばユーザ名P1、性別P2、年齢P3、居住地P4、職業P5、趣味または興味P6、ウェブ閲覧履歴P7および訪問場所P8を含む。ユーザ名P1、性別P2、年齢P3、居住地P4および職業P5は、ユーザUの属性の一例である。趣味または興味P6は、ユーザUの嗜好の一例である。ウェブ閲覧履歴P7および訪問場所P8は、ユーザUの行動履歴の一例である。
【0042】
ユーザ名P1は、ユーザUを識別するための識別情報であり、例えばユーザUの氏名または任意の文字列であってもよい。図4の例ではユーザ名P1にユーザUの氏名「田中一郎」が示されている。性別P2は、ユーザUの性別(男性、女性、その他等)を示す。図4の例では性別P2に「男性」が示されている。年齢P3は、ユーザUの年齢を示す。図4の例では年齢P3に「34」が示されている。年齢P3は、年齢の具体的な値ではなく、例えば「30代」、「未成年」等の大まかな年代であってもよい。居住地P4は、ユーザUの居住する区域を示す。図4の例では居住地P4に「東京都北区」(都道府県名および市区町村名)が表記されている。居住地P4は、都道府県名のみであってもよいし、「関東」等の大まかな地域名であってもよい。または、居住地P4は、より詳細な地番または部屋番号等を含んでもよい。また、居住地P4は、ユーザUの居住する区域ではなく、例えばユーザUが通う会社または学校の所在地(ユーザUが日常生活において主に過ごす場所)であってもよい。職業P5は、ユーザUの職業の種類を示す。図4の例では職業P5として「会社員」と表記されているが、例えば「経理」、「システムエンジニア」等、より詳細な仕事の内容が職業P5に含まれてもよい。また、ユーザUが学生の場合は、職業P5が「学生」とされてもよい。
【0043】
趣味または興味P6は、ユーザUの趣味またはユーザUが興味を持つ事柄を示す。図4の例では、趣味または興味P6として「車」および「旅行」が示されている。趣味または興味P6は、ユーザUが入力してもよいし、後述するウェブ閲覧履歴P7または訪問場所P8の少なくともいずれかを解析して予測してもよい。
【0044】
ウェブ閲覧履歴P7は、ユーザUが閲覧したウェブサイトを示す。図4の例では、ウェブ閲覧履歴P7として、ユーザUが「旅行」に関するウェブサイトを閲覧したことが示されている。ウェブ閲覧履歴P7は、閲覧したサイトのURL(Uniform Resource Locator)で特定されてもよい。ウェブ閲覧履歴P7は、例えばユーザUが使用するスマートフォン等から受信されてもよい。訪問場所P8は、ユーザUが訪問した場所を示す。図4の例では、訪問場所P8としてユーザUが「XXランド(テーマパーク)」に立ち寄ったことが示されている。訪問場所P8は、例えば位置検出装置104が生成した位置情報に基づいて検出されてもよい。なお、図4にはウェブ閲覧履歴P7および訪問場所P8が1項目ずつ例示されているが、実際には現在時刻から所定期間以内にユーザUが閲覧したウェブサイトおよび訪問場所が多数記憶される。
【0045】
第2取得部112は、1または複数の仮想オブジェクトVの各々の特徴を示すメタ情報Dmを取得する。メタ情報Dmは、特徴情報の一例である。メタ情報Dmは、例えば仮想オブジェクトVの表示対象者の属性、仮想オブジェクトVの内容および仮想オブジェクトVに関連する行動の少なくともいずれかを示す情報を含む。すなわち、第2取得部112は、1または複数の仮想オブジェクトVの各々の表示対象者の属性を示す情報、1または複数の仮想オブジェクトVの各々の内容を示す情報および1または複数の仮想オブジェクトVの各々に関連する行動を示す情報の少なくともいずれかを、メタ情報Dmとして取得する。
【0046】
図5は、メタ情報Dmの一例を示す模式図である。図5では、複数の仮想オブジェクトデータDのメタ情報Dmを比較できるように表で表記している。図5に示すように、メタ情報Dmは、オブジェクト識別情報(図中「オブジェクトID」と表記)M1、オブジェクト位置情報(図中「位置情報」と表記)M2、性別M3、年齢M4、居住地M5、職業M6、キーワードM7、ウェブ閲覧履歴M8および訪問場所M9を含む。図5の表の1のレコードが、1の仮想オブジェクトデータDのメタ情報Dmに対応する。
【0047】
オブジェクト識別情報M1は、仮想オブジェクトデータDおよび仮想オブジェクトVを識別する識別情報である。オブジェクト位置情報M2は、オブジェクト識別情報M1で識別される仮想オブジェクトVが表示される現実空間の位置を示す。性別M3、年齢M4、居住地M5および職業M6は、仮想オブジェクトVの表示対象者の属性を示す。キーワードM7は、仮想オブジェクトVの内容の概要を示す語句である。ウェブ閲覧履歴M8および訪問場所M9は、仮想オブジェクトVの内容に関連する行動を示す。なお、ウェブ閲覧履歴M8は、具体的なウェブサイトのアドレスとして記述されていてもよいし、ウェブサイトのジャンルが記述されていてもよい。また、訪問場所M9は、施設の名称等が具体的に記述されていてもよいし、訪問場所のジャンルが記述されていてもよい。
【0048】
例えば、オブジェクト識別情報M1が「001」の仮想オブジェクトVは、現実空間の座標「x1,y1,z1」の位置に表示される。また、「001」の仮想オブジェクトVは、性別が「男性」、年齢が「30歳以上」、居住地M5が「23区内」、職業が「自営業以外」、興味および関心に「旅行」を含むユーザUが表示対象者となっている。なお、「001」の仮想オブジェクトVは、ウェブ閲覧履歴M8および訪問場所M9はブランクとなっている。ブランクとなっている項目は、表示対象者とするか否かに当該項目は考慮しないことを示す。
【0049】
本実施形態では、第2取得部112は、ユーザUの位置から所定距離以内の位置に対応付けられた1または複数の仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを取得する。本実施形態では、ユーザUの位置は端末装置10の位置と同一であるものとする。上述のように、メタ情報Dmは、サーバ20の記憶装置205に記憶されている。よって、第2取得部112は、メタ情報Dmの送信要求と、位置検出装置104で生成された端末装置10の位置情報とを対応付けて、サーバ20に送信する。
【0050】
サーバ20のメタ情報送信部211は、端末装置10の位置情報とメタ情報Dmのオブジェクト位置情報M2とに基づいて、ユーザUの位置から所定距離以内の位置に対応付けられた仮想オブジェクトVを特定する。メタ情報送信部211は、メタ情報Dmのうち、特定した仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを第2取得部112に送信する。
【0051】
図6は、メタ情報Dmの選択方法を模式的に示す図である。図6は、ユーザUの位置周辺を上方から見た平面図である。道路に沿って複数の仮想オブジェクトV(V1~V8)が配置されている。メタ情報送信部211は、ユーザUの位置を中心とした半径rの円の内部に位置する仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを送信する。例えばユーザUが位置Q1にいる場合、メタ情報送信部211は、エリアR1内に位置する仮想オブジェクトV2およびV3のメタ情報Dmを第2取得部112に送信する。エリアR1は、位置Q1を中心とした半径rの円の内部のエリアである。
【0052】
その後ユーザUが移動し、位置Q2に到達した場合、メタ情報送信部211は、エリアR2内に位置する仮想オブジェクトV3およびV4のメタ情報Dmを第2取得部112に送信する。エリアR2は、位置Q2を中心とした半径rの円の内部のエリアである。なお、図6では説明の便宜上、仮想オブジェクトVが間隔を置いて配置されているとしているが、実際には、より多くの仮想オブジェクトVが密集して現実空間に配置される場合がある。例えば同じ位置に複数の仮想オブジェクトVが配置されてもよい。
【0053】
なお、メタ情報Dmを送信する範囲は、ユーザUの位置を中心とした円の内部に限らない。メタ情報Dmを送信する範囲は、例えば四角形等の他の形状であってもよいし、ユーザUの視認方向に延在する範囲であってもよい。
【0054】
選択部113は、メタ情報Dmと、ユーザ情報Pとに基づいて、1または複数の仮想オブジェクトVのうちユーザUに表示する仮想オブジェクトVである表示オブジェクトVsを選択する。選択部113は、メタ情報Dmの内容がユーザ情報Pと一致する仮想オブジェクトVを、表示オブジェクトVsとして選択する。具体的には、選択部113は、表示対象者の属性とユーザUの属性とが一致する仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。また、選択部113は、ユーザUの嗜好と内容が一致する仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。また、選択部113は、ユーザUが仮想オブジェクトVの内容に関連する行動を行った履歴がある場合に、当該仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。
【0055】
図4に示されるユーザ情報Pと、図5に示されるメタ情報Dmとを比較すると、オブジェクト識別情報M1が「001」の仮想オブジェクトVに設定された表示対象者の性別M3、年齢M4、居住地M5および職業M6は、ユーザUである「田中一郎」の性別P2、年齢P3、居住地P4、職業P5と一致する。また、キーワードM7である「旅行」は、「田中一郎」の趣味・興味P6と一致する。よって、選択部113は、オブジェクト識別情報M1が「001」の仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。
【0056】
なお、選択部113は、ある仮想オブジェクトVのメタ情報Dmの内容が、ユーザ情報Pの内容と全て一致する場合に、当該仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択するに限らない。例えば、選択部113は、ある仮想オブジェクトVのメタ情報Dmの内容が、ユーザ情報Pの内容とX項目以上(Xは任意の自然数)一致する場合に、当該仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsに選択してもよい。Xの値は、ユーザUが決定してもよいし、各仮想オブジェクトVの管理者が決定してもよい。例えば、オブジェクト識別情報M1が「002」の仮想オブジェクトVについて、X=3と設定されているものとする。ユーザUである「田中一郎」は、年齢P3、居住地P4および訪問場所P8の3項目が、「002」の仮想オブジェクトVのメタ情報Dmと一致する。よって、選択部113は、オブジェクト識別情報M1が「002」の仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。
【0057】
また、選択部113が選択した表示オブジェクトVsの数が多い場合、ユーザUの視野の多くの部分が表示オブジェクトVsで占められ、ユーザUが煩わしく感じる可能性がある。よって、選択部113は、表示オブジェクトVsとして選択する仮想オブジェクトVの数を絞ってもよい。例えば1または複数の仮想オブジェクトVの各々に、優先順位が設定されている。選択部113は、表示オブジェクトVsが所定数を超える場合に、優先順位が高い順に所定数以下の表示オブジェクトVsを選択する。所定数は、例えばユーザUが決定してもよいし、システム1の管理者が決定してもよい。
【0058】
優先順位は、例えばシステム1の管理者が決定してもよい。より具体的には、例えば仮想オブジェクトVを表示するために費用(広告費用等)が必要な場合、管理者は、支払われた費用が高い仮想オブジェクトVの優先順位を高くする。また、優先順位は、例えばユーザUが決定してもよい。より具体的には、例えばユーザ情報Pに含まれる項目に対してユーザUが優先順位を設定する。選択部113は、優先順位の高い項目がメタ情報Dmに含まれる仮想オブジェクトVから順に表示オブジェクトVsとして選択する。
【0059】
第3取得部114は、表示オブジェクトVsに対応する表示オブジェクトデータDsを取得する。第3取得部114は、例えば表示オブジェクトVsのオブジェクト識別情報M1をサーバ20に送信する。サーバ20の仮想オブジェクトデータ送信部212は、第3取得部114から送信されたオブジェクト識別情報M1に対応する仮想オブジェクトデータDを端末装置10に送信する。
【0060】
表示制御部115は、表示オブジェクトデータDsを用いて表示オブジェクトVsを投影装置101に表示させる。図7は、表示オブジェクトVsの表示態様の一例を示す模式図である。図7は、ユーザUが上述した「田中一郎」である場合の、ユーザUの視野L1を示す。視野L1は、端末装置10のレンズを通して見た現実空間Rである。表示制御部115は、レンズに表示オブジェクトVs1およびVs2を表示させる。よって、ユーザUは、表示オブジェクトVs1およびVs2が現実空間Rに存在するかのように知覚する。
【0061】
表示オブジェクトVs1は、オブジェクト識別情報M1が「001」の仮想オブジェクトVである。「001」の仮想オブジェクトVは、クレジットカードの広告であり、旅行に関するキャンペーンを用いて、旅行に興味があるユーザUに対してクレジットカードへの入会を訴求する内容となっている。
【0062】
また、表示オブジェクトVs2は、オブジェクト識別情報M1が「002」の仮想オブジェクトVである。「002」の仮想オブジェクトVは、「XXパーク」の広告であり、新規のイベントを告知して、XXパークに来場経験があるユーザUに対して再来場を訴求する内容となっている。なお、図中点線で示す吹き出しは、吹き出し内のテキストが音声出力されることを示す。
【0063】
図8は、表示オブジェクトVsの表示態様の他の例を示す模式図である。図8は、ユーザUが上述した「田中一郎」と異なる人物である場合の、ユーザUの視野L2を示す。図8の視野L2を見るユーザUのユーザ情報Pは、以下であるものとする。ユーザ名P1:「中村優子」、性別P2:「女性」、年齢P3:「42歳」、居住地P4:「大田区」、職業P5:「会社員」、趣味または興味P6:「美容」および「グルメ」、ウェブ閲覧履歴P7:「コスメ関連」、訪問場所P8:「XXパーク」。
【0064】
視野L2には、現実空間Rに重畳して表示オブジェクトVs2およびVs3が表示される。表示オブジェクトVs2は、図7に示されたものと同じである。また、表示オブジェクトVs3は、オブジェクト識別情報M1が「003」の仮想オブジェクトVである。「003」の仮想オブジェクトVは、コスメショップの広告であり、新製品を告知して、ユーザUに対して来店を訴求する内容となっている。
【0065】
このように、システム1は、ユーザ情報Pとメタ情報Dmとを用いることで、端末装置10は、それぞれのユーザUの属性、嗜好または行動履歴に応じた表示オブジェクトVsをユーザUに表示できる。また、サーバ20に送信されるのは、ユーザ情報Pではなく、メタ情報Dmの送信要求および仮想オブジェクトデータDの送信要求である。よって、端末装置10は、ユーザUの属性、嗜好または行動履歴をサーバ20に送信することなく表示オブジェクトデータDsを得ることができ、ユーザUの個人情報を保護することができる。
【0066】
A-5.システム1の動作
図9は、システム1の動作を示すフロー図である。端末装置10は、処理装置108が第1取得部111として機能し、ユーザ情報Pを取得する(ステップS100)。次に、端末装置10は、処理装置108が第2取得部112として機能し、メタ情報Dmの送信要求をサーバ20に送信する(ステップS101)。メタ情報Dmの送信要求には、位置検出装置104が生成した位置情報が含まれる。
【0067】
サーバ20は、処理装置206がメタ情報送信部211として機能し、ユーザUの位置から所定距離以内の位置に対応付けられた仮想オブジェクトVを特定する(ステップS102)。サーバ20は、処理装置206がメタ情報送信部211として機能し、ステップS102で特定した仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを端末装置10に送信する(ステップS103)。
【0068】
端末装置10は、処理装置108が選択部113として機能し、メタ情報Dmとユーザ情報Pとに基づいて、表示オブジェクトVsを選択する(ステップS104)。端末装置10は、処理装置108が第3取得部114として機能し、表示オブジェクトデータDsの送信要求をサーバ20に送信する(ステップS105)。表示オブジェクトデータDsの送信要求には、表示オブジェクトVsの識別情報(オブジェクト識別情報M1)が含まれる。
【0069】
サーバ20は、処理装置206が仮想オブジェクトデータ送信部212として機能し、オブジェクト識別情報M1に対応する仮想オブジェクトデータDを表示オブジェクトデータDsとして端末装置10に送信する(ステップS106)。端末装置10は、処理装置108が表示制御部115として機能し、表示オブジェクトデータDsを用いて表示オブジェクトVsをユーザUに表示するよう投影装置101を制御する(ステップS107)。以降、ステップS101以下の処理が繰り返し実行される。
【0070】
A-6.実施形態のまとめ
以上説明したように、端末装置10は、仮想オブジェクトVのメタ情報Dmとユーザ情報Pとに基づいて表示オブジェクトVsを選択し、表示オブジェクトデータDsを取得する。表示オブジェクトVsは、ユーザ情報Pに基づいて選択される。よって、端末装置10は、複数のユーザUに一律に仮想オブジェクトVを表示するのと比較して、個々のユーザUに適した仮想オブジェクトVを表示できる。また、端末装置10は、ユーザ情報Pをサーバ20に送信することなく表示オブジェクトデータDsを得ることができる。よって、ユーザUの個人情報が保護される。
【0071】
また、端末装置10は、表示対象者の属性とユーザUの属性とが一致するかに基づいて表示オブジェクトVsを選択する。よって、ユーザUにとって明らかに不要な情報、またはユーザUに表示するのが好ましくない情報がユーザUに表示されるのが防止され、仮想オブジェクトVの有益性が向上する。
【0072】
また、端末装置10は、ユーザUの嗜好と内容が一致する仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。よって、ユーザUが興味を持ちやすい情報がユーザUに表示され、仮想オブジェクトVの有益性が向上する。
【0073】
また、端末装置10は、ユーザUが仮想オブジェクトVの内容に関連する行動を行った履歴がある場合に、当該仮想オブジェクトVを表示オブジェクトVsとして選択する。よって、ユーザUが興味を持っていることを意識している対象のみならず、潜在的に興味を持っている対象に関する仮想オブジェクトVが表示され、仮想オブジェクトVの有益性が向上する。
【0074】
また、端末装置10は、ユーザUの位置から所定距離以内の位置に対応付けられた仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを取得する。よって、無駄なメタ情報Dmの送受信が回避され、端末装置10およびサーバ20の処理負荷が低減される。
【0075】
また、端末装置10は、表示オブジェクトVsが所定数を超える場合に、優先順位が高い順に所定数以下の表示オブジェクトVsを選択する。よって、ユーザUの視野への過度な仮想オブジェクトVの表示が回避され、ユーザUの利便性が向上する。
【0076】
B:変形例
上述の実施形態における変形の態様を以下に示す。以下の変形の態様から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲において適宜に併合してもよい。
【0077】
B1:第1変形例
上述した実施形態では、第2取得部112は、端末装置10の位置情報を逐次サーバ20に送信した。一方で、ユーザUによっては、端末装置10の位置情報を逐次サーバ20に送信したくない場合がある。このような場合に対応し、例えば端末装置10の位置を一定の広がりがあるブロックBによって特定してもよい。
【0078】
図10は、第1変形例にかかる位置情報の特定方法を模式的に示す図である。図10は、ユーザUの位置周辺を上方から見た平面図である。ユーザUの位置を位置Q1とする。第1変形例では、現実空間は複数のブロックBに分割されている。図10では、ユーザUの位置周辺はブロックB1~B9に分割されている。各ブロックB1~B9が現実空間に占める範囲は、端末装置10とサーバ20とで共有されている。すなわち、図10のようなマップMPが、端末装置10とサーバ20とで共有されている。
【0079】
第2取得部112は、端末装置10の位置が含まれるブロックBの識別情報をサーバ20に送信する。図10の例では、端末装置10はブロックB6内に位置している。よって、第2取得部112は、サーバ20に「ブロックB6」と送信する。サーバ20のメタ情報送信部211は、端末装置10からブロックBの識別情報を受信すると、当該ブロックに位置する仮想オブジェクトVのメタ情報Dmを端末装置10に送信する。具体的には、メタ情報送信部211は、仮想オブジェクトV1およびV2のメタ情報Dmを端末装置10に送信する。
【0080】
また、第2取得部112は、端末装置10が現在位置するブロックBと他のブロックBとの境界が所定距離以内になった場合に、他のブロックBの識別情報をサーバ20に送信してもよい。よって、ユーザUが進入することが予測されるブロックB内の仮想オブジェクトVのメタ情報Dmが予め取得され、表示オブジェクトデータDsの取得が効率的に実行される。例えば、図10においてユーザUが矢印の方向に移動している場合、ユーザUはブロックB5に進入することが予測される。よって、第2取得部112は、端末装置10の位置がブロックB6とブロックB5との境界から所定距離以内になった場合に、サーバ20に「ブロックB5」と送信する。メタ情報送信部211は、ブロックB5に位置する仮想オブジェクトV、すなわち仮想オブジェクトV3およびV4のメタ情報Dmを端末装置10に送信する。
【0081】
第1変形例によれば、端末装置10のピンポイントでの位置情報をサーバ20に送信しないので、ユーザUの個人情報をより一層保護することができる。
【0082】
B2:第2変形例
上述した実施形態では、端末装置10はAR技術を用いて仮想オブジェクトVを表示する装置であった。これに限らず、端末装置10は、VR技術またはMR技術等の他のXR技術を用いて仮想オブジェクトVを表示する装置であってもよい。
【0083】
C:その他
(1-1)上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)または送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0084】
(1-2)情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0085】
(1-3)本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-Wide Band)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張、修正、作成、規定された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい
【0086】
(1-4)本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0087】
(1-5)本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0088】
(1-6)情報等(※「情報、信号」の項目参照)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0089】
(1-7)入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0090】
(1-8)判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0091】
(1-9)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0092】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0093】
(2-1)ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0094】
(2-2)本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0095】
(2-3)本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0096】
(2-4)また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0097】
(2-5)本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。本開示において、基地局が端末に情報を送信することは、基地局が端末に対して、情報に基づく制御・動作を指示することと読み替えられてもよい。
【0098】
(2-6)本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0099】
(2-7)基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、移動可能な物体をいい、移動速度は任意である。また移動体が停止している場合も当然含む。当該移動体は、例えば、車両、輸送車両、自動車、自動二輪車、自転車、コネクテッドカー、ショベルカー、ブルドーザー、ホイールローダー、ダンプトラック、フォークリフト、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン(登録商標)、マルチコプター、クアッドコプター、気球、およびこれらに搭載される物を含み、またこれらに限らない。また、当該移動体は、運行指令に基づいて自律走行する移動体であってもよい。乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0100】
(3-1)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0101】
(3-2)「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0102】
(3-3)参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0103】
(3-4)本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0104】
(3-5)本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0105】
(3-6)上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0106】
(3-7)本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0107】
(3-8)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0108】
(3-9)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0109】
(4)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…システム、10…端末装置、20…サーバ、101…投影装置、102…撮像装置、103…通信装置、104…位置検出装置、107…記憶装置、108…処理装置、111…第1取得部、112…第2取得部、113…選択部、114…第3取得部、115…表示制御部、203…通信装置、205…記憶装置、206…処理装置、211…メタ情報送信部、212…仮想オブジェクトデータ送信部、D…仮想オブジェクトデータ、Dm…メタ情報、Ds…表示オブジェクトデータ、P…ユーザ情報、U…ユーザ、V(V1~V8)…仮想オブジェクト、Vs(Vs1~Vs3)…表示オブジェクト。
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