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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039629
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】マルチアクセスポイント関連付け
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/12 20090101AFI20240314BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20240314BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240314BHJP
   H04W 72/27 20230101ALI20240314BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20240314BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240314BHJP
【FI】
H04W84/12
H04W92/20
H04W72/23
H04W72/27
H04W76/15
H04W36/08
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023143078
(22)【出願日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】63/405,298
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/453,831
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クネヒト, ヤルコ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ティアンユ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルマ, ロカン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, スー キオン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チー
(72)【発明者】
【氏名】ヘダヤット, アフマド レザ
(72)【発明者】
【氏名】タクル, シッダールタ アール.
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD19
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067HH23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線ローカルエリアネットワークアーキテクチャにおけるマルチアクセスポイント関連付けのためのデバイスのためのシステム、装置および方法を提供する。
【解決手段】WLANにおけるマルチアクセスポイント関連付けの方法であって、複数のアクセスポイント無線デバイスは、マルチアクセスポイントシステムを確立する。他のアクセスポイント無線デバイスは、マルチアクセスポイントシステムに参加し、非アクセスポイント無線デバイスは、マルチアクセスポイントシステム内の複数の異なるアクセスポイント無線デバイスとのリンクを行い、マルチアクセスポイントシステムとの関連付けを形成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアクセスポイント(AP)無線デバイスによって、
前記第1のAP無線デバイスに関連付けられた1つ以上のマルチAPパラメータを示すビーコン情報を提供することと、
第2のAP無線デバイスからビーコン情報であって、前記第2のAP無線デバイスに関連付けられた1つ以上の第2のマルチAPパラメータを示すビーコン情報を受信することと、
前記第1のAP無線デバイスに関連付けられた前記1つ以上のマルチAPパラメータと、前記第2のAP無線デバイスに関連付けられた前記1つ以上の第2のマルチAPパラメータとに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも前記第2のAP無線デバイスとマルチAPシステムを確立することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記マルチAPシステムを確立することが、前記マルチAPシステムにおいて前記第1のAP無線デバイスを識別するために使用されるマルチAPアドレスを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、
ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、マルチリンクプローブ応答フレーム、または低減された近隣報告フレームのうちの1つ以上において、マルチAPシステム情報を1つ以上の非AP無線デバイスに提供すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
前記マルチAPシステム内の1つ以上のAP無線デバイスとの有効にされた1つ以上の無線リンクを有する前記マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのトラフィック識別子(TID)からリンクへのマッピングを決定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のAP無線デバイスが、前記マルチAPシステムのためのネットワークコントローラとして働き、前記方法が、
前記マルチAPシステムにおける各関連付けについて、
前記関連付けに対応するリンクのための局(STA)およびAPパラメータ、
前記関連付けに対応するマルチリンクデバイスのための1つ以上の非APマルチリンクデバイスおよび1つ以上のAPマルチリンクデバイスパラメータ、または、
前記関連付けに対応する1つ以上の非APマルチアクセスポイントパラメータおよび1つ以上のAPマルチアクセスポイントパラメータ、
のうちの1つ以上を記憶すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、
前記マルチAPシステム内のAP無線デバイスによってダウンリンクデータが要求されるまで、前記マルチAPシステム内の1つ以上の非AP無線デバイスのための前記ダウンリンクデータをバッファリングすること、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、
前記マルチAPシステム内の1つ以上の非AP無線デバイスのためのアップリンクデータを、前記マルチAPシステム内の1つ以上のAP無線デバイスから受信することと、
前記アップリンクデータをバッファリングし、アップリンクデータ並べ替えを実行することと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、
前記マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためにダウンリンクフレーム暗号化またはアップリンクフレーム復号のうちの1つ以上を実行すること、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
マルチアクセスポイント(AP)システム内の非AP無線デバイスに、
前記マルチAPシステム内の第1のAPデバイスとの第1の無線関連付けを確立させ、
前記マルチAPシステム内の第2のAPデバイスとの第2の無線関連付けを確立させ、ここで前記第1の無線関連付けおよび前記第2の無線関連付けが同時にアクティブであり、
前記第1の無線関連付けおよび前記第2の無線関連付けがアクティブである間に、前記第1のAPデバイスおよび前記第2のAPデバイスとの無線データ通信を実行させる、
ように構成されたプロセッサ、を有する、装置。
【請求項10】
前記第1の無線関連付けおよび前記第2の無線関連付けが、それぞれ、前記第1のAPデバイスとの制御シグナリングを介して確立される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記非AP無線デバイスに、
前記マルチAPシステム内の前記非AP無線デバイスを識別するために使用されるマルチAPアドレスを決定させる、ようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記非AP無線デバイスに、
ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、マルチリンクプローブ応答フレーム、または低減された近隣報告フレームのうちの1つ以上において、1つ以上のAP無線デバイスから、マルチAPシステム情報を受信させる、ようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のAPデバイスとの前記無線関連付けを介して通信されるユニキャストフレームと、前記第2のAPデバイスとの前記無線関連付けを介して通信されるユニキャストフレームとが、同じピアワイズ一時キー(PTK)を使用して暗号化される、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
第1の時点で、前記第1の無線関連付けに対応する1つ以上のリンクが有効にされ、前記第2の無線関連付けに対応する1つ以上のリンクが無効にされ、
前記プロセッサが、前記非AP無線デバイスに、第2の時点で、
前記第1の無線関連付けに対応する1つ以上のリンクを無効にさせ、
前記第2の無線関連付けに対応する1つ以上のリンクを有効にさせる、
ようにさらに構成されており、
前記第1の無線関連付けと前記第2の無線関連付けの両方が、前記第1の時点と前記第2の時点の両方において保持される、
請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記非AP無線デバイスに、
前記第1の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクと前記第2の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクとを同時に有効にさせる、ようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記非AP無線デバイスに、
前記第1の無線関連付けのための前記少なくとも1つのリンクおよび前記第2の無線関連付けのための前記少なくとも1つのリンクのために、前記非AP無線デバイスのためのトラフィック識別子(TID)からリンクへのマッピングを決定させる、ようにさらに構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
第1のアクセスポイント(AP)無線デバイスであって、
1つ以上のアンテナと、
前記1つ以上のアンテナに動作可能に結合された無線機と、
前記無線機に動作可能に結合されたプロセッサと、
を有し、
前記第1のAP無線デバイスが、
前記第1のAP無線デバイスがメンバーであるマルチAPシステムのための1つ以上のマルチAPパラメータを示すビーコン情報を送信し、
非AP無線デバイスからマルチAP関連付け要求であって、前記マルチAPシステム内の前記第1のAPデバイスとの第1の無線関連付けを確立する要求と、前記マルチAPシステム内の第2の無線デバイスとの第2の無線関連付けを確立する要求とを示す、マルチAP関連付け要求を受信し、
前記非AP無線デバイスにマルチAP関連付け応答であって、前記第1の無線関連付けおよび前記第2の無線関連付けが確立されているかどうかを示す、マルチAP関連付け応答を送信する、ように構成されている、第1のAP無線デバイス。
【請求項18】
前記第1のAP無線デバイスが、
前記マルチAPシステムのためのネットワークコントローラに前記マルチAP関連付け要求を提供し、
前記ネットワークコントローラからマルチAP関連付け応答を受信する、
ようにさらに構成されている、請求項17に記載の第1のAP。
【請求項19】
前記第1のAP無線デバイスが、
前記マルチAPシステムに対応する1つ以上のマルチAPパラメータを示すビーコン情報を前記第2のAP無線デバイスから受信し、
前記マルチAPシステムへの参加要求を前記第2のAP無線デバイスに送信し、
前記第2のAP無線デバイスから前記マルチAPシステムへの前記参加要求を受け入れる応答を受信する、ようにさらに構成されており、
前記第1のAP無線デバイスが、前記マルチAPシステムへの前記参加要求と、前記マルチAPシステムへの前記参加要求を受け入れる前記応答とに少なくとも部分的に基づいて、前記マルチAPシステムのメンバーである、請求項17に記載の第1のAP。
【請求項20】
前記第1のAP無線デバイスが、
前記第1のAP無線デバイスがメンバーである前記マルチAPシステムに対応する更新されたマルチAPパラメータであって、少なくとも、前記マルチAPシステムへの1つ以上のAP無線デバイスの追加を含む、更新されたマルチAPパラメータを示す情報を受信し、
前記更新されたマルチAPパラメータを示す更新されたビーコン情報を送信する、
ようにさらに構成されている、請求項17に記載の第1のAP。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線ローカルエリアネットワークアーキテクチャにおけるマルチアクセスポイント関連付けのための技術およびデバイスを含む、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの使用が急速に増大している。さらに、無線通信技術は、音声専用通信からインターネットおよびマルチメディアコンテンツなどのデータの伝送も含むように進化してきている。
【0003】
モバイル電子デバイスまたはユーザ機器デバイス(UE)は、典型的にユーザが持ち運ぶスマートフォンまたはタブレットの形態をとることがある。UEによって一般に実行されうる無線通信の一態様は、例えば、IEEE 802.11ファミリ規格の1つ以上の通信規格に従って動作するデバイスを含みうる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上での無線ネットワーキングを含みうる。UEは、このようなシステムにおいてアクセスポイント間を遷移可能でありうるが、WLAN設定におけるこのようなアクセスポイント間の遷移は、シグナリングオーバーヘッドおよびデータ通信の遅延を伴うだけでなく、アクセスポイント間での障害または遷移の繰り返し(ping-ponging)が発生する可能性があり、データ通信がさらに中断される可能性がある。したがって、この領域における改善が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
とりわけ無線ローカルエリアネットワークアーキテクチャにおけるマルチアクセスポイント関連付けのためのデバイスのためのシステム、装置、および方法の実施形態が本明細書で提示される。
【0005】
無線デバイスは、1つ以上のアンテナと、1つ以上のアンテナに動作可能に結合された1つ以上の無線機と、1つ以上の無線機に動作可能に結合されたプロセッサとを含むことができる。無線デバイスは、1つまたは複数の無線リンク上で無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を通してアクセスポイントとの接続を確立するように構成することができる、または1つまたは複数の無線リンク上でWLANを通して1つ以上の他の無線デバイスとの接続を確立するように構成されたアクセスポイントであってもよい。無線デバイスは、1つ以上の無線機のうちの個別の無線機を使用して複数の無線リンクの各々において動作することができる。
【0006】
本明細書で説明する技術によれば、アクセスポイント無線デバイスは、発見を実行し、マルチアクセスポイントシステムを形成するために一緒に参加することができる。マルチアクセスポイントシステムに参加する非アクセスポイント無線デバイスは、システム内の複数のアクセスポイント無線デバイスとの同時関連付けを形成することが可能であってもよく、これにより、少なくともいくつかの実施形態によれば、システム内のアクセスポイント無線デバイス間の遷移からの遅延およびオーバーヘッドを低減するのに役立つことができ、かつ/またはシステムにおける改善された信頼性および性能をサポートすることができる。
【0007】
本明細書で説明する技術は、セルラ電話、タブレットコンピュータ、アクセサリコンピューティングデバイスおよび/またはウェアラブルコンピューティングデバイス、ポータブルメディアプレーヤ、セルラ基地局および他のセルラネットワークのインフラ機器、サーバ、無人飛行機、無人飛行コントローラ、自動車および/または電動ビークル、並びに様々な他のコンピューティングデバイスのいずれかを含むがこれらに限定されない、多数の異なる種類のデバイスに実装する、かつ/またはそれらと共に使用することができる。
【0008】
この発明の概要は、この文書に記載された主題のいくつかの簡単な概要を提供することを意図している。よって、上記の特徴は単なる一例に過ぎず、本明細書に記載の主題の範囲または趣旨を狭めるものとして解釈されるべきでないことを理解されたい。本明細書に記載の主題の他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態の以下の詳細な説明について以下図面と併せて考察すると、本発明の主題をより良く理解することができる。
【0010】
図1】いくつかの実施形態に係る、ユーザ機器デバイス(UE)を含む例示的な無線通信システムを示す。
【0011】
図2】いくつかの実施形態に係る、例示的なUEを示すブロック図である。
【0012】
図3】いくつかの実施形態に係る、例示的なネットワーク要素またはアクセスポイントを示すブロック図である。
【0013】
図4】いくつかの実施形態に係る、無線ローカルエリアネットワークにおけるマルチアクセスポイント(MAP)関連付けをサポートする例示的な方法を示すフローチャート図である。
図5】いくつかの実施形態に係る、無線ローカルエリアネットワークにおけるマルチアクセスポイント(MAP)関連付けをサポートする例示的な方法を示すフローチャート図である。
【0014】
図6】いくつかの実施形態に係る、可能な高速BSS遷移の例示的なシグナリング態様を示すフローチャート図である。
【0015】
図7】いくつかの実施形態に係る、無線デバイスがマルチアクセスポイントシステムに関連付けることができる可能なシナリオの例示的な態様を示す。
【0016】
図8】いくつかの実施形態に係る、1つ以上のMAP APを展開することができる、例示的な拡張サービスセットおよびモビリティドメイン展開シナリオの態様を示す。
【0017】
図9】1つの可能な進化による異なるWi-Fi世代の様々な特徴の比較を示す表である。
【0018】
図10】いくつかの実施形態に係る、関連付け後状態のMAPシステムにおける例示的なリンク切替シナリオの態様を示す。
【0019】
図11】いくつかの実施形態に係る、AP MAP内の複数のAPマルチリンクデバイス(MLD)が非AP MAPのカバレッジエッジにある、例示的なリンク切替シナリオの態様を示す。
【0020】
図12】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能なリンク動作モードの例を示す表である。
【0021】
図13】いくつかの実施形態に係る、可能なAP MAPアーキテクチャの例示的な態様を示す。
【0022】
図14】いくつかの実施形態に係る、複数のダウンリンクフレーム送信バッファリングおよびアップリンクフレーム並べ替えバッファリングオプションを実装することができる、例示的なMAPシステムの態様を示す。
【0023】
図15】いくつかの実施形態に係る、可能な非AP MAPアーキテクチャの例示的な態様を示す。
【0024】
図16】いくつかの実施形態に係る、可能なMAPシステムアーキテクチャの更なる例示的な態様を示す。
【0025】
図17】いくつかの実施形態に係る、モビリティドメイン拡張を伴う代替システムアーキテクチャの例示的な態様を示す。
【0026】
図18】いくつかの実施形態に係る、そのようなモビリティドメイン拡張が展開される、可能な拡張サービスセットの例示的な態様を示す。
【0027】
図19】いくつかの実施形態に係る、AP MAPに参加する新しいAP MLDの可能な開始動作の例示的な態様を示す。
図20】いくつかの実施形態に係る、AP MAPに参加する新しいAP MLDの可能な開始動作の例示的な態様を示す。
【0028】
図21】いくつかの実施形態に係る、可能なイージーメッシュ(easy mesh)AP MAPネットワークバックボーン展開の例示的な態様を示す。
【0029】
図22】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能なNANトポロジの例示的な態様を示す。
【0030】
図23】いくつかの実施形態に係る、可能なAP MAP発見および関連付け特徴の例を示す信号フロー図である。
【0031】
図24-01】いくつかの実施形態に係る、AP MAPのための可能な関連付けプロセス特徴を示す例示的な信号フロー図である。
図24-02】いくつかの実施形態に係る、AP MAPのための可能な関連付けプロセス特徴を示す例示的な信号フロー図である。
【0032】
図25】いくつかの実施形態に係る、マルチAP関連付け内の可能なAP MLD遷移の更なる例示的な態様および特徴を示す。
【0033】
図26】いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けへのリンクを追加するための可能な信号フローの例を示す。
【0034】
図27】いくつかの実施形態に係る、MLD管理のための様々な可能なTIDからリンクへのマッピング特徴を示す例示的なシナリオを示す。
【0035】
図28】いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けにおけるTIDからリンクへのマッピングのための可能な特徴の例を示す表である。
【0036】
図29】いくつかの実施形態に係る、ローミングTIDマッピングモードを使用することができる例示的なシナリオの態様を示す。
【0037】
図30】いくつかの実施形態に係る、ローミングモードのAP MAP実装のための可能な特徴の更なる例を示す。
図31】いくつかの実施形態に係る、ローミングモードのAP MAP実装のための可能な特徴の更なる例を示す。
【0038】
図32】いくつかの実施形態に係る、可能なマルチAP動作モードの例示的な態様を示す。
【0039】
図33】いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けと併せて可能な電力管理使用の例示的な態様を示す。
【0040】
図34】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおける非AP STAのための可能な2レベルアドレス階層フレームワークの例示的な態様を示す。
【0041】
図35】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能な高速遷移キー階層の例示的な態様を示す。
【0042】
図36】いくつかの実施形態に係る、送信バッファおよび並べ替えバッファ実装を行うことができる複数の位置を含む可能なMAPシステムの例示的な態様を示す。
【0043】
図37】いくつかの実施形態に係る、送信バッファおよび並べ替えバッファ実装を複数の位置に実装することができる可能な例示的なシナリオの更なる詳細を示す。
図38】いくつかの実施形態に係る、送信バッファおよび並べ替えバッファ実装を複数の位置に実装することができる可能な例示的なシナリオの更なる詳細を示す。
【0044】
図39】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおける可能なデータ暗号化および復号アーキテクチャの例示的な態様を示す。
【0045】
図40】いくつかの実施形態に係る、AP MAP内の可能なデータ伝送フロー特徴およびそれらの特徴のための可能な実装位置の例を示す表である。
【0046】
図41】いくつかの実施形態に係る、AP MAPにおける可能なフレーム暗号化および復号代替形態の例示的な態様を示す。
【0047】
図42】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおけるそのような様々なSN空間のための可能なシーケンス番号処理規則の例を示す表である。
【0048】
図43】いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けにおける可能なEMLSR動作の例示的な態様を示す。
【0049】
図44】いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに関する情報を提供するために使用することができる、マルチAP要素の可能な特徴の例を示す。
【0050】
図45】いくつかの実施形態に係る、可能なMAPプローブ要求およびプローブ応答使用事例の例示的な態様を示す。
【0051】
図46】いくつかの実施形態に係る、そのような可能なMAPプローブ要求およびプローブ応答信号フローの例を示す信号フロー図である。
【0052】
図47】いくつかの実施形態に係る、プローブ要求/応答に要求することができる/含めることができる情報に対する可能な変形の例を示す表である。
【0053】
図48】いくつかの実施形態に係る、低減された近隣報告(RNR)における可能なAP MAPシグナリングの態様の例を示す表である。
【0054】
図49】いくつかの実施形態に係る、AP MAPに使用することができる可能な例示的なRNRフォーマットオプションの態様を示す。
図50】いくつかの実施形態に係る、AP MAPに使用することができる可能な例示的なRNRフォーマットオプションの態様を示す。
【0055】
本明細書で説明される特徴は、様々な修正および代替形態の余地があると同時に、その特定の実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、開示されている特定の形態に限定することを意図しておらず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義されている本主題の趣旨および範囲内の全ての修正、等価物、および代替案を包含することが意図されていることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0056】
専門用語
以下は、本開示で使用される用語の定義である。
【0057】
メモリ媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイスまたは記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「メモリ媒体」は、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、またはテープデバイスなどのインストール媒体;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどのコンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリ;フラッシュ、ハードドライブなどの磁気媒体、または光学ストレージなどの不揮発性メモリ;レジスタ、または他の類似のタイプのメモリ要素などを含むことが意図されている。メモリ媒体は、他のタイプの非一時的メモリも含んでもよく、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムに配置されてもよく、またはインターネットなどのネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステムに配置されてもよい。後者の事例では、第2のコンピュータシステムは、実行するために、プログラム命令を第1のコンピュータに提供することができる。用語「メモリ媒体」は、異なる場所において、例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステムにおいて存在することができる2つ以上のメモリ媒体を含んでもよい。メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶してもよい。
【0058】
キャリア媒体-上記のようなメモリ媒体、並びにバス、ネットワークなどの物理的伝送媒体、および/または電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を伝達する他の物理的伝送媒体。
【0059】
プログラム可能ハードウェア要素-プログラム可能相互接続子を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例として、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能オブジェクトアレイ(FPOA)、および複合PLD(CPLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理またはルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(演算論理装置またはプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能な論理」と称されることがある。
【0060】
コンピュータシステム-パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、または他のデバイス若しくはデバイスの組み合わせを含む、様々なタイプのコンピューティングまたは処理システムのうちのいずれか。一般に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(またはデバイスの組み合わせ)を包含するように広義に定義され得る。
【0061】
ユーザ機器(UE)(または、「UEデバイス」)-モバイルまたはポータブルであり、無線通信を実行する、様々な種類のコンピュータシステムまたはデバイスのうちの任意のもの。UEデバイスの例としては、携帯電話若しくはスマートフォン(例えば、iPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、ポータブルゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPhone(商標))、ラップトップ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、または他のハンドヘルドデバイス、自動車および/または動力車、無人飛行機(UAV)(例えば、ドローン)、UAVコントローラ(UAC)などが挙げられる。一般に、用語「UE」または「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能な、あらゆる電子デバイス、コンピューティングデバイス、および/または遠隔通信デバイス(またはデバイスの組み合わせ)を包含するように幅広く定義することができる。
【0062】
無線デバイスまたは局(STA)-無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステムまたはデバイスのうちの任意のもの。無線デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であることができ、またはある場所に定置若しくは固定されてもよい。「局」および「STA」という用語は、同様に使用される。UEは、無線デバイスの一例である。
【0063】
通信デバイス-通信を実行する様々なタイプのコンピュータシステムまたはデバイスのうちの任意のものであり、通信は、有線または無線であり得る。通信デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であってもよく、または特定の場所に定置若しくは固定されてもよい。無線デバイスは、通信デバイスの一例である。UEは、通信デバイスの別の例である。
【0064】
基地局またはアクセスポイント(AP)-用語「基地局」(「eNB」とも呼ばれる)は、その通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、固定位置に設置され、無線通信システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。「アクセスポイント」(または「AP」)という用語は、同様に使用される。
【0065】
処理要素(またはプロセッサ)-デバイス内で、例えば、ユーザ機器デバイス内で、またはネットワークインフラストラクチャデバイス内で機能を実行することが可能な、様々な要素または要素の組み合わせを指す。プロセッサとしては、例えば、プロセッサおよび関連付けられたメモリ、特定用途向け集積回路(ASIC)などの回路、個別のプロセッサコアの一部分若しくは回路、プロセッサコア全体、プロセッサアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェアデバイス、および/または複数のプロセッサを含むシステムのより大きい部分、並びに前述のものの様々な組み合わせのいずれかを挙げることができる。
【0066】
自動的に-ユーザ入力が、アクションまたは動作を直接指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)またはデバイス(例えば、回路メカニズム、プログラム可能なハードウェア要素、ASICなど)によって、それらのアクションまたは動作が実行されることを指す。よって、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供して動作を直接実行する、ユーザによって手動で実行または指定される動作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供された入力によって開始され得るが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されない。すなわち、実行される各アクションをユーザが指定する「手動」で実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を指定する入力を提供することによって(例えば、情報をタイピングすること、チェックボックスを選択すること、ラジオボタン(radio selections)を選択することなどによって)電子フォームを記入することは、コンピュータシステムがユーザアクションに応じてフォームを更新しなければならないが、フォームを手動で記入することと見なされる。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、ここで、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムで実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力なしにフォームに記入する。上記のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへ回答を手動で指定するのではなく、むしろ、回答は自動的に完了されている)。本明細書は、ユーザが取ったアクションに応じて自動的に実行される動作の様々な例を提供する。
【0067】
IEEE 802.11-802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11-2012、802.11ac、802.11ad、802.11ax、802.11ay、802.11be、および/または他のIEEE 802.11規格などのIEEE 802.11無線規格に基づく技術を指す。IEEE 802.11技術は、「Wi-Fi」または「無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)」技術と呼ばれることもある。
【0068】
ように構成されている-様々な構成要素が、タスクを実行する「ように構成されている」と説明され得る。このようなコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスクまたは複数のタスクを実行する「構造を有していること」を一般に意味する広範な記述である。したがって、構成要素は、構成要素がタスクを現在実行していないときでも、このタスクを実行するように構成されていてもよい(例えば、導電体のセットは、2つのモジュールが接続されていないときでも、モジュールを別のモジュールに電気的に接続するように構成されていてもよい)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスクまたは複数のタスクを実行する「回路を有していること」を一般に意味する構造の広範な記述であってもよい。したがって、構成要素は、構成要素が現在オンでないときでも、タスクを実行するように構成されていてもよい。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含み得る。
【0069】
本明細書の記載では、便宜上、タスクまたは複数のタスクを実行するとして様々な構成要素を説明することができる。そのような説明は、語句「ように構成されている」を含むように解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素の説明は、米国特許法112条第6パラグラフのその構成要素についての解釈が適用されないことが明確に意図されている。
図1図2:無線通信システム
【0070】
図1は、無線通信システムの一例を示す。図1は、多くの中で1つの可能性を表しており、必要に応じて、本開示の特徴が様々なシステムのいずれかで実装されてもよいことに留意されたい。例えば、本明細書で説明された実施形態は、任意のタイプの無線デバイスにおいて実装され得る。以下に説明する無線の実施形態は、1つの例示的な実施形態である。
【0071】
図示するように、例示的な無線通信システムは、伝送媒体を介して1つ以上の無線デバイス106A、106Bなどと通信するセルラ基地局102を含む。無線デバイス106Aおよび106Bは、ユーザデバイスであってもよく、本明細書では「ユーザ機器」(UE)、UE、またはUEデバイスと呼ばれることがある。
【0072】
UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、ウェアラブルデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、無人飛行機(UAV)、無人飛行コントローラ(UAC)、または実質的に任意の種類の無線デバイスなどの、無線ネットワーク接続性を有するデバイスであってもよい。UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサ(処理要素)を含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載の方法の実施形態のうちのいずれかを実行することができる。代替としてまたは加えて、UE 106は、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、集積回路、および/または本明細書に記載の方法の実施形態のいずれか、若しくは本明細書に記載の方法の実施形態のうちのいずれかの任意の部分を(例えば、個々にまたは組み合わせて)実行するように構成されている様々な他の可能なハードウェア構成要素のうちのいずれかなどのプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。
【0073】
基地局102は、送受信基地局(BTS)またはセルサイトとすることができ、UEデバイス106Aおよび106Bとの無線通信を可能にするハードウェアを含むことができる。また、基地局102は、ネットワーク100(例えば、様々な可能性のうち、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)などの電気通信ネットワーク、および/またはインターネット)と通信するために装備されていてもよい。それゆえ、基地局102は、UEデバイス106との間の通信、および/またはUEデバイス106とネットワーク100との間の通信を容易にすることができる。他の実装形態では、基地局102は、802.11a、b、g、n、ac、ad、ax、ay、be、および/若しくは他の802.11バージョンなどの1つ以上のWLANプロトコル、またはライセンス不要帯域(LAA)におけるLTEをサポートするアクセスポイントなどの1つ以上の他の無線技術を介して通信を提供するように構成することができる。
【0074】
基地局102の通信エリア(またはカバレッジエリア)は、「セル」と呼ばれることもある。基地局102およびUE106は、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、5G NR、Wi-Fi、超広帯域(UWB)などの様々な無線アクセス技術(RAT)または無線通信技術のうちのいずれかを使用して、伝送媒体を介して通信するように構成することができる。
【0075】
1つ以上のセルラ通信技術に従って動作する基地局102および他の類似の基地局(図示せず)は、それゆえ、1つ以上のセルラ通信技術を介して地理的エリアにわたってUEデバイス106A~B並びに類似のデバイスに連続性のあるまたはほぼ連続性のある重なり合うサービスを提供することができる、セルのネットワークとして提供されてもよい。
【0076】
少なくとも場合によっては、UEデバイス106は、複数の無線通信技術のいずれかを使用して通信することが可能であり得ることに留意されたい。例えば、UEデバイス106は、LTE、LTE-A、5G NR、WLAN、Bluetooth、UWB、1つ以上の全地球的衛星航法システム(GNSS、例えばGPSまたはGLONASS)、1つ以上のモバイルテレビ放送規格(例えば、ATSC-M/H)などのうちの1つ以上を使用して通信するように構成することができる。無線通信技術の他の組み合わせ(3つ以上の無線通信技術を含む)も可能である。同様に、場合によっては、UEデバイス106は、単一の無線通信技術のみを使用して通信するように構成することができる。
【0077】
図示のように、例示的な無線通信システムは、伝送媒体を介して無線デバイス106Bと通信するWLANアクセスポイント(AP)104も含む。Wi-Fi APであってもよいWLANアクセスポイントはまた、ネットワーク100への通信接続性を提供する。したがって、いくつかの実施形態によれば、無線デバイスは、所与の時間にネットワーク100にアクセスするために、基地局102(または別のセルラ基地局)およびアクセスポイント104(または別のアクセスポイント)のいずれかまたは両方に接続することが可能であってもよい。
【0078】
UE106Aおよび106Bは、スマートフォン若しくはタブレットなどのハンドヘルドデバイス、スマートウォッチ若しくはスマートグラスなどのウェアラブルデバイスを含んでもよく、かつ/または、セルラ通信機能を有する様々なタイプのデバイスのいずれかを含んでもよい。例えば、UE106Aおよび106Bのうちの1つ以上は、電気器具、測定デバイス、制御デバイスなど、定置または移動性(nomadic)の配備を意図した無線デバイスであり得る。
【0079】
UE106Bはまた、UE106Aと通信するように構成され得る。例えば、UE106AおよびUE106Bは、直接デバイスツーデバイス(D2D)通信を実行することが可能であり得る。D2D通信は、セルラ基地局102によってサポートされてもよいし(例えば、BS102は、アシスタントの様々な可能な形態の中でも、ディスカバリを容易にし得る)、またはBS102によってサポートされない方法で実行されてもよい。
【0080】
UE106は、セルラモデムおよび/または1つ以上の他の無線モデムを潜在的に含む、無線通信を容易にするための1つ以上のデバイスまたは集積回路を含むことができる。無線モデム(単数または複数)は、本明細書で説明するように、1つ以上のプロセッサ(処理要素)および様々なハードウェア構成要素を含むことができる。UE106は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ上で命令を実行することにより、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかを実行してもよい。代替としてまたは加えて、1つ以上のプロセッサは、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、または本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意の部分を実行するように構成されている、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などの1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他の回路であってもよい。本明細書で説明する無線モデム(単数または複数)は、本明細書で定義されるようなUEデバイス、本明細書で定義されるような無線デバイス、または本明細書で定義されるような通信デバイスに使用することができる。本明細書で説明する無線モデムはまた、基地局または他の類似のネットワーク側デバイスにも使用することができる。
【0081】
UE106は、2つ以上の無線通信プロトコルまたは無線アクセス技術を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含んでもよい。一部の実施形態では、UEデバイス106は、単一の共有無線機を使用して通信するように構成されてもよい。共用無線機は、無線通信を実行するために、単一のアンテナに結合してもよく、または(例えば、MIMOについて)複数のアンテナに結合してもよい。代替的に、UEデバイス106は、2つ以上の無線機を含むことができ、その各々は、個別の無線リンクを介して通信するように構成することができる。他の構成も可能である。
図2-UEデバイスの例示的ブロック図
【0082】
図2は、UEデバイス106などのUEデバイスの1つの可能なブロック図を示す。場合によっては(例えば、802.11通信のコンテキストでは)、UE106は、代替的に、局(STA)106、場合によってはより詳細には非AP STA 106と呼ばれることがある。図示のように、UEデバイス106は、様々な目的のための部分を含むことができる、システムオンチップ(SOC)300を含むことができる。例えば、図に示すように、SOC300は、UEデバイス106に対するプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数または複数)302と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ360に表示信号を提供することができる表示回路304と、を含んでもよい。SOC300はまた、例えば、ジャイロスコープ、加速度計、および/または様々な他の動き感知構成要素のうちのいずれかを使用して、UE106の動きを検出できる動き感知回路370も含んでもよい。プロセッサ(単数または複数)302はまた、プロセッサ(単数または複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(ROM)350、フラッシュメモリ310)内の位置に変換するように構成され得る、メモリ管理ユニット(MMU)340に結合されてもよい。MMU340は、メモリ保護およびページテーブル変換またはセットアップを実行するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、MMU340は、プロセッサ(単数または複数)302の一部分として含まれていてもよい。
【0083】
図に示すように、SOC300は、UE106の様々な他の回路に結合されてもよい。例えば、UE106は、(例えば、NANDフラッシュ310を含む)様々な種類のメモリ、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーションなどに結合するための)コネクタインタフェース320、ディスプレイ360、および(例えば、LTE、LTE-A、5G NR、Bluetooth、Wi-Fi、NFC、GPS、UWBなどのための)無線通信回路330を含んでもよい。
【0084】
UEデバイス106は、基地局および/または他のデバイスとの無線通信を実行するための、少なくとも1つのアンテナ、いくつかの実施形態では、複数のアンテナ335aおよび335bを含んでもよい。例えば、UEデバイス106は、アンテナ335aおよび335bを使用して、無線通信を実行することができる。上述したように、UEデバイス106は、一部の実施形態では、複数の無線通信規格または無線アクセス技術(RAT)を使用して無線で通信するように構成されていてもよい。
【0085】
無線通信回路330は、Wi-Fiロジック332、セルラモデム334、およびBluetoothロジック336を含んでもよい。Wi-Fiロジック332は、UEデバイス106が802.11ネットワーク上でWi-Fiまたは他のWLAN通信を実行できるようにするためのものである。Bluetoothロジック336は、UEデバイス106がBluetooth通信を実行できるようにするためのものである。セルラモデム334は、1つ以上のセルラ通信技術に従って、セルラ通信を実行することができるセルラモデムであってもよい。
【0086】
本明細書で説明されるように、UE106は、本開示の実施形態を実装するためのハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含んでもよい。例えば、UEデバイス106の無線通信回路330(例えば、Wi-Fiロジック332、セルラモデム334、BTロジック336)のうちの1つ以上の構成要素は、例えば、メモリ媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行するプロセッサ、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)として構成されたプロセッサによって、かつ/またはASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる専用ハードウェア構成要素を使用して、本明細書で説明する方法の一部または全てを実行するように構成されていてもよい。
図3-アクセスポイントのブロック図
【0087】
図3は、いくつかの実施形態に係る、アクセスポイント(AP)104の例示的なブロック図を示す。場合によっては(例えば、802.11通信のコンテキストでは)、AP104は、局(STA)、場合によってはより詳細にはAP STAと呼ばれることもある。図3のAPは、可能なアクセスポイントの単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図示するように、AP104は、AP104に対してプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数または複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数または複数)404はまた、メモリ管理ユニット(MMU)440に結合されていてもよく、このユニットは、プロセッサ(単数または複数)404からアドレスを受信して、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ460および読み出し専用メモリ(ROM)450)内の位置、または他の回路若しくはデバイスに変換するように構成されていてもよい。
【0088】
AP104は、少なくとも1つのネットワークポート470を含むことができる。ネットワークポート470は、電話網に結合して、UEデバイス106などの複数のデバイスに、上記図1に説明するような電話網へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。
【0089】
ネットワークポート470(若しくは追加のネットワークポート)はまた、または代替として、例えば、セルラサービスプロバイダのコアネットワークのセルラネットワークに結合するように構成されていてもよい。コアネットワークは、モビリティ関連サービスおよび/または他のサービスを、UEデバイス106などの複数のデバイスに提供し得る。いくつかの事例では、ネットワークポート470はコアネットワークを介して電話網に結合してもよく、かつ/または、コアネットワークが電話網を提供してもよい(例えば、セルラサービスプロバイダのサービス対象である他のUEデバイス間に)。
【0090】
AP104は、1つ以上の無線機430A~430Nを含むことができ、それらの各々は、個別の通信チェーン、および少なくとも1つのアンテナ434、場合によっては複数のアンテナに結合することができる。アンテナ(単数または複数)434は、無線送受信器として動作するように構成されていてもよく、無線機430を介して、UEデバイス106/107と通信するようにさらに構成されていてもよい。アンテナ(単数または複数)434A~Nは、通信チェーン432A~Nを介してそれらのそれぞれの無線機430A~Nと通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、またはその両方であってもよい。無線機430A~Nは、LTE、LTE-A、5G NR、UWB、Wi-Fiなどを含むがこれらに限定されない、様々な無線通信規格を介して通信するように構成することができる。UE104は、1つ以上の無線機430A~Nを使用して複数の無線リンクにおいて動作するように構成することができ、各無線機は、個別の無線リンクにおいて動作するために使用される。
【0091】
AP104は、複数の無線通信規格を使用して無線通信するように構成することができる。場合によっては、AP104は、複数の無線機を含むことができ、複数の無線機は、ネットワークエンティティが複数の無線通信技術に従って通信することを可能にすることができる。例えば、1つの可能性として、AP104は、LTEに従って通信を実行するためのLTEまたは5G NR無線機、並びに、Wi-Fiに従って通信を実行するためのWi-Fi無線機を備えてもよい。このような場合、AP104は、LTE基地局およびWi-Fiアクセスポイントの両方として動作することが可能であってもよい。別の可能性として、AP104は、マルチモード無線機を備えることができ、マルチモード無線機は、複数の無線通信技術(例えば、5G NRおよびWi-Fi、5G NRおよびLTEなど)のうちのいずれかに従って、通信を実行することができる。さらに別の可能性として、AP104は、例えば、セルラ通信機能なしに、Wi-Fiアクセスポイントとして排他的に動作するように構成することができる。
【0092】
本明細書に以下にさらに説明するように、AP104は、本明細書に記載の特徴を実装する、またはそれらの実装をサポートするためのハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含むことができる。アクセスポイント104のプロセッサ404は、例えば、複数のそれぞれの無線機を使用して複数の無線リンクを動作させるためにメモリ媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の方法のうちの一部または全部を実装するまたはこれらの実装をサポートするように構成することができる。あるいは、プロセッサ404は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素として、またはASIC(特定用途向け集積回路)として、またはそれらの組み合わせとして構成されていてもよい。代替として(または加えて)、AP104のプロセッサ404は、他の構成要素430、432、434、440、450、460、470のうちの1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴のうちの一部または全てを実装するまたはこれらの実装をサポートするように構成することができる。
WLANを介したマルチリンク通信およびマルチAP関連付け
【0093】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)は、アップリンクおよびダウンリンク通信のいずれかまたは両方において、図2に示すようなUE106などの無線局(STA)と、図3に示すAP104などの無線アクセスポイント(AP)との間の通信中に複数のリンクを利用することができる。STAは、UE106、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ、アクセサリデバイス、無人飛行機(UAV)、無人飛行コントローラ(UAC)、自動車、またはWLANを介して通信することが可能な任意の他のタイプの無線デバイスを含むがこれらに限定されない、様々なタイプの無線局のいずれかであってもよい。
【0094】
802.11ax規格は、STAおよびAPが5GHzリンクまたは2.4GHzリンクのいずれかに従って通信することを可能にするが、例えば、802.11beは、STAおよびAPが、潜在的に2.4GHz、5GHz、および/または6GHzリンクを含む、複数のリンクを介して同時に通信することを可能にすることができ、これにより、少なくとも場合によっては、スループットを改善し、通信待ち時間を低減することができる。例えば、STAとAPとの間の単一の接続は、複数の無線リンクを利用することができ、その各々は、同じまたは異なる周波数帯域内で動作する。
【0095】
複数のリンクにおいて動作することにより、関連付けられたAPおよびSTAが複数のリンク上で同時に通信し、送信を第1の利用可能なリンクを介して実行することができる(例えば、一時的に輻輳しているまたはさもなければ利用不可能であることがある特定のリンクが利用可能になるのを待たなければならないのではなく)ので、伝送遅延を短縮することができる。したがって、単一の輻輳リンクが伝送遅延を大幅に増加させることを防止することができ、伝送遅延の持続時間を短縮することができる。加えて、STA電力消費は、空間ストリームの数および動作帯域幅のサイズに応じて変動し得るので、複数リンク動作は、電力消費考慮事項を導入する。STA構成に応じて、複数のリンク上の動作は、単一のリンク上の動作よりも多くの電力を消費することがある。
【0096】
そのような概念は、STAが複数のAPとの同時無線リンクを確立する可能性を含むように拡張することができる。マルチAP関連付けをサポートすることにより、基本サービスセット(BSS)遷移の数を低減する更なる潜在的利益を有することができ、それにより、少なくともなんらかの通信オーバーヘッドおよび遅延を回避することができる。場合によっては、そのような特徴は、例えば、1つ以上の利用可能なAPのリンク性能が経時的に著しい変動性を経験しているときのシナリオにおいて、BSS遷移失敗事例の低減と、異なるAP間のピンポンのより低い可能性とを潜在的にもたらすことができる。本明細書で説明する実施形態は、マルチAP関連付けをサポートするためのデバイスおよび機構を含む。
図4図5-フローチャート
【0097】
図4図5は、いくつかの実施形態に係る、WLANを使用してUE106などの1つ以上の無線局(STA)とAP104などの複数の無線APとの間のマルチアクセスポイント(AP)システムをサポートする方法を示すフローチャート図である。各種実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、または省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。
【0098】
図4図5の方法の態様は、図1図3に関して例示および説明したAP104若しくはUE106などの無線デバイスによって、またはより一般的には、必要に応じて、とりわけ、図に示すコンピュータ回路、システム、デバイス、要素、若しくは構成要素のいずれかと併せて実行することができる。例えばそのようなデバイスのプロセッサ(および/または他のハードウェア)は、図に示す方法要素および/または他の方法要素の任意の組み合わせをデバイスに実行させるように構成され得る。
【0099】
図4図5の方法の少なくともいくつかの要素は、IEEE 802.11仕様書に関連付けられた通信技術および/または特徴の使用に関係するように記載されているが、このような説明は、本開示を限定することを意図するものではなく、図4図5の方法の態様は、必要に応じて、任意の好適な無線通信システムに使用することができることに留意されたい。図示するように、これら方法は、以下のように動作してもよい。
【0100】
本方法の一態様は、マルチAPシステムの相互AP発見および形成を含むことができる。そのような発見の一部として、第1のアクセスポイント(AP)無線デバイスは、第1のAP無線デバイスのためのマルチAPパラメータを示すビーコン情報を(例えば、無線送信を介して)提供することができる(452)。様々な実施形態によれば、第1のAP無線デバイスのためのビーコン情報はまた、第1のAP無線デバイスのためのAPパラメータ、および/または様々な他のタイプの情報のいずれかを含むことができることに留意されたい。
【0101】
第1のAP無線デバイスは、第2のAP無線デバイスのためのマルチAPパラメータを示すことができるビーコン情報を(例えば、無線送信を介して)第2のAP無線デバイスから受信することができる(454)。様々な実施形態によれば、第1のAP無線デバイスのためのビーコン情報と同様に、第2のAP無線デバイスのためのビーコン情報も、第2の無線デバイスのためのAPパラメータ、および/または様々な他のタイプの情報のうちのいずれかを含むことができることに留意されたい。
【0102】
第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスは、少なくとも第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスとマルチAPシステムを確立することができる(456)。マルチAPシステムは、第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスのためのビーコン送信において交換されるマルチAPパラメータに少なくとも部分的に基づいて確立することができる。例えば、第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスは、マルチAPシステムのためのマルチAPパラメータについてネゴシエートまたは合意するために、ハンドシェイクシグナリングを実行することができる。ハンドシェイクシグナリングは、例えば、マルチAP作成要求およびマルチAP作成応答を交換することを含むことができる。マルチAPシステム確立はまた、相互認証およびペアワイズマスターキー(PMK)の確立、並びに/または確立されているマルチAPシステム内のAPおよび/若しくはAPマルチリンクデバイス(並びにそれらのパラメータ)を示す情報の提供を含むことができる。
【0103】
マルチAPシステムが確立されると、他のAP無線デバイスも、マルチAPシステムが存在すると判定するために発見を実行することができ、マルチAPシステムに潜在的に参加することができる。例えば、発見は、マルチAPシステムに加入している1つ以上のAP無線デバイスによって提供されるビーコン情報を受信することを含むことができ、ビーコン情報は、マルチAPシステムパラメータ情報を含むことができる。AP無線デバイスは、マルチAPシステムに参加する要求を(例えば、マルチAPシステムパラメータ情報を含むビーコンフレームをそれから受信したAP無線デバイスに)送信し、次に、マルチAPシステムに参加する要求を受け入れる応答を受信することが可能であってもよい。マルチAPシステムに加入するための参加シグナリングは、様々な可能性の中でも特に、認証、キーセットアップ、および/または能力シグナリングを含むことができる。
【0104】
マルチAPシステムパラメータは、マルチAPシステムが最初に確立された後に更新することができる場合があり得る。これは、1つの可能性として、マルチAPシステムに参加するAPまたはAPマルチリンクデバイスに基づいて、マルチAPシステムに加入しているAPおよびAPマルチリンクデバイスのリストを更新することを含むことができる。加えてまたは代替として、様々な他のマルチAPパラメータのいずれかを、例えば、様々な状況において修正することができる。そのような場合、更新されたマルチAPパラメータは、マルチAPシステムに加入しているAP無線デバイスに提供することができる。それらのAP無線デバイスは、その後、ビーコンフレーム中で送信されるビーコン情報中で、および/またはマルチAPシステム内のAP無線デバイスによって実行される他の送信(例えば、プローブ応答フレーム、マルチリンクプローブ応答フレーム、低減された近隣報告フレームなど)中で、(例えば、マルチAPシステムに加入しているAPおよび/若しくはAPマルチリンクデバイスの異なるリスト、並びに/または他の異なるマルチAPパラメータを含む)更新されたマルチAPパラメータを提供することができる。
【0105】
非AP無線デバイスは、そのようなマルチAPシステム内のAP無線デバイスとの無線関連付けを確立することができる。例えば、非AP無線デバイスは、マルチAPシステム内の第1のAP無線デバイスとの第1の無線関連付けを確立することができる(552)。非AP無線デバイスはまた、マルチAPシステム内の第2のAP無線デバイスとの第2の無線関連付けを確立することができる(554)。マルチAPシステム内の異なるAPデバイスとの無線関連付けは、同時にアクティブであってもよい。言い換えれば、少なくともいくつかの実施形態によれば、非AP無線デバイスは、マルチAPシステム内の別のAP無線デバイスとの関連付けを確立するために、マルチAPシステム内の1つのAP無線デバイスとの関連付けを解放する必要がなくてもよい。非AP無線デバイスは、第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスの両方と無線データ通信を実行することが可能であってもよい。
【0106】
無線通信は、少なくともいくつかの実施形態によれば、IEEE 802.11ベースの無線通信を含んでもよい。マルチAPシステム内のデバイス間で確立されるビーコンフレームおよび/または無線リンクは、1つ以上の別個の周波数帯域(例えば、2.4GHzリンク、5GHzリンク、6GHzリンク、および/または他の無線リンク)内で動作することができる。
【0107】
マルチAPシステム内で動作する各無線デバイスには、マルチAPシステム内の無線デバイスによる使用のためにマルチAPアドレスを割り当てることができる。したがって、システム内の第1のAP無線デバイス、第2のAP無線デバイス、任意の他のAP無線デバイス、および任意の非AP無線デバイスは各々、マルチAPシステム内の識別のために使用するために、それらの個々のマルチAPアドレスを決定することができる。そのようなアドレスは、少なくともいくつかの実施形態によれば、マルチリンクデバイス(MLD)レベルアドレスおよび/またはSTAレベルアドレスとは別個であってもよい。
【0108】
マルチAPシステム内のAP無線デバイスは、マルチAPシステムに関するマルチAPシステム情報を、マルチAPシステム内の(またはマルチAPシステムに潜在的に参加する可能性がある)非AP無線デバイスに提供することができる。様々なタイプおよび量のマルチAPシステム情報を、1つ以上のビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、マルチリンクプローブ応答フレーム、および/または低減された近隣報告フレームのいずれかまたは全てにおいて提供することができる。例えば、マルチAPシステム情報は、マルチAPシステム内の全てのAPを示す情報を含むことができる。代替的に、マルチAPシステム情報は、マルチAPシステム内のAPのサブセットを示す情報を含むことができる。例えば、マルチAPシステム内のAP無線デバイスは、非AP無線デバイスからプローブ要求を受信することができ、プローブ要求の特異性に応じて、AP無線デバイスは、AP、APマルチリンクデバイス、またはマルチAPシステムレベルのいずれかまたは全てにおける情報を含むことができる、マルチAPシステム内のAPの対応する特定のサブセットについてのAP情報で応答することができる。
【0109】
様々な実施形態によれば、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのトラフィック識別子(TID)からリンクへのマッピングを様々な方法のいずれかで実行することが可能であり得る。少なくとも場合によっては、いくつかまたは全てのTIDを、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスと単一のAP無線デバイスとの間のリンク(例えば、多くてもTIDごとに1つのAP)に限定することができることが可能であり得る。代替的に、いくつかまたは全てのTIDを、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスと複数のAP無線デバイスとの間の関連付けにわたる複数のリンクに割り当てることができることが可能であり得る。他のアプローチまたは動作モードも可能である。
【0110】
いくつかの実施形態では、AP無線デバイス(例えば、第1のAP無線デバイス、第2のAP無線デバイス、若しくは別のAP無線デバイス)または別の無線デバイス(例えば、専用ネットワークコントローラデバイス)は、マルチAPシステムのためのネットワークコントローラとして動作することができる。ネットワークコントローラは、少なくともいくつかの実施形態によれば、マルチAPシステムにおける様々なマルチAP関連付けについての様々なブックキーピング情報を記憶することができる。例えば、マルチAPシステムにおける各関連付けについて、ネットワークコントローラは、関連付けのための各リンクについての局(STA)およびAPパラメータ、関連付けのための各マルチリンクデバイスについての非APマルチリンクデバイスおよびAPマルチリンクデバイスパラメータ、並びに/または関連付けのための非APマルチアクセスポイントパラメータおよびAPマルチアクセスポイントパラメータのいずれかまたは全てを記憶することができる。
【0111】
場合によっては、ネットワークコントローラは、加えてまたは代替として、マルチAPシステムとの非AP関連付けを実行する際に役割を有することができる。例えば、マルチAPシステム内のAP無線デバイスによって非AP無線デバイスから関連付け要求が受信されるとき、その要求がネットワークコントローラに転送される場合があり得る。ネットワークコントローラは、マルチAPシステム内の1つ以上のAPおよび/またはAPマルチリンクデバイスにクエリを送信して、どのリンクが利用可能であるか(例えば、セットアップ)を決定することができる。ネットワークコントローラはまた、関連付け要求において要求されたリンク(単数または複数)が、加入しているAPと作成されるかどうかを決定することができ(潜在的に、システム内のAP/APマルチリンクデバイスからの応答を組み合わせること、および/またはリンクをさらに低減すること、若しくは関連付けを完全に拒否することを含む)、(例えば、非AP無線デバイスから関連付け要求を受信したAP無線デバイスを経由して)非AP無線デバイスに送信される関連付け応答を作成することができる。
【0112】
場合によっては、マルチAPシステムにおける非AP無線デバイスデータ通信のためのダウンリンクデータバッファリング並びに/またはアップリンクデータバッファリングおよび並べ替えのいずれかまたは両方を、ネットワークコントローラによって実行することができる。したがって、1つの可能性として、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのダウンリンクデータは、ダウンリンクデータがマルチAPシステム内のAP無線デバイスによって(例えば、関連付けられた非AP無線デバイスに送信されるために)要求されるまでバッファリングすることができる。別の可能性として、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのアップリンクデータは、マルチAPシステム内のAP無線デバイスから受信することができ、ネットワークコントローラは、例えば、データを前方に(例えば、インターネットに、またはさもなければ処理のために上位レイヤに)提供する前に、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのアップリンクデータをバッファリングし、アップリンクデータ並べ替えを実行することができる。代替的に、非AP無線デバイスのためのダウンリンクデータバッファリング並びに/またはアップリンクデータバッファリングおよび並べ替えのいずれかまたは両方が、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスに現在サービスを提供しているAP無線デバイスにおいて実行される場合があり得る。
【0113】
同様に、いくつかの実施形態では、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスのためのダウンリンクフレーム暗号化またはアップリンクフレーム復号のうちの1つ以上は、ネットワークコントローラによって実行することができる。例えば、場合によっては、暗号化ブロックが送信バッファを動作させるデバイスと共に配置され、復号ブロックが並べ替えバッファを動作させるデバイスと共に配置される場合があり得る。
【0114】
場合によっては、非AP無線デバイスは、マルチAPシステム内の単一のAP無線デバイスとの制御シグナリングを介して、マルチAPシステム内の複数のAP無線デバイスとの無線関連付けを確立することが可能であってもよい。例えば、第1の無線関連付けおよび第2の無線関連付けは、1つの可能性として、第1のAPデバイスとの制御シグナリングを介して確立することができる。様々な実施形態によれば、非AP無線デバイスがマルチAPシステムとの関連付けを最初に形成するときにマルチAPシステム内の複数のAP無線デバイスとのリンクを確立すること、および/または、様々な実施形態によれば、非AP無線デバイスがマルチAPシステムに既に関連付けられた後に、非AP無線デバイスがマルチAPシステム内のAP無線デバイスとの1つ以上の追加のリンクを確立することが可能であり得ることに留意されたい。関連付けが既に確立されていると、1つ以上の追加リンクを形成するために、(例えば、非AP無線デバイスがリンクを追加することを要求しているAP無線デバイスに、または非AP無線デバイスが既に1つ以上のリンクを確立しているAP無線デバイスなどの、マルチAPシステム内の別のAP無線デバイスに送信することができる)リンク追加要求を送信し、次にリンク追加応答を受信することが可能であり得る。前述のように、いくつかの実施形態では、関連付け要求は、マルチAPシステムのためのネットワークコントローラによって最終的に処理され、シグナリングは、いくつかの実施形態では、第1のAPデバイスによって実行される場合があり得る。リンク追加要求/応答は、いくつかの実施形態では、(例えば、リンク追加要求を受信するAP無線デバイスによって実行されるシグナリングを用いて)マルチAPシステムのためのネットワークコントローラによって同様に処理することができる。
【0115】
マルチAPシステム内の非AP無線デバイスと任意のAP無線デバイスとの間の通信を実行するための少なくともいくつかの通信パラメータが統一される場合があり得る。例えば、1つの可能性として、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスとAP無線デバイス(第1のAP無線デバイスおよび/または第2のAP無線デバイスなど)との間で通信されるユニキャストフレームは、同じピアワイズ一時キー(PTK)を使用して暗号化することができる。
【0116】
少なくともいくつかの実施形態によれば、マルチAPシステム内の非AP無線デバイスと、非AP無線デバイスが無線関連付けを確立している任意のAP無線デバイスとの間の様々な無線リンクを有効化/無効化することが可能であり得る。場合によっては、非AP無線デバイスと単一のAP無線デバイスとの間にある無線リンクのサブセットのみを、任意の所与の時間にアクティブにする/有効化することができる場合があり得る。したがって、あるときには、第1の無線関連付けのための1つ以上のリンクが有効化され、第2の無線関連付けのための1つ以上のリンクが無効化されるが、別のときには(例えば、1つの可能性として、マルチAPシステム内の無線デバイスモビリティに基づいて)、第1の無線関連付けのための1つ以上のリンクが無効化され、第2の無線関連付けのための1つ以上のリンクが有効化される場合があり得る。この例では、(例えば、どのリンクセットが有効化/無効化されるかにかかわらず)無線デバイスが両方の時間において第1の無線関連付けと第2の無線関連付けの両方を保持する場合があり得る。両方の関連付けが保持されるので、1つのアクティブに使用される関連付けから別のアクティブに使用される関連付けに遷移するためのリンク有効化/無効化は、例えば、単一の物理デバイスのみへのリンクが任意の所与の時間に維持される高速基本サービスセット(BSS)遷移と比較してさえ、遅延、オーバーヘッド、および関連付け失敗のリスクが劇的に低減されることが可能であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、非AP無線デバイスが、マルチAPシステム内の複数のAP無線デバイスと同時に有効化されたリンクを有することができることがさらに可能であり得る。例えば、そのようなシナリオでは、非AP無線デバイスは、第1の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクと、第2の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクとを同時に有効化することができる。したがって、非AP無線デバイスは、第1のAP無線デバイスおよび第2のAP無線デバイスの両方とデータ通信を実行することが可能であってもよい。そのような構成をサポートすることにより、全てのそのようなデバイスとのリンクが同時に利用可能であり得るため、データを両方のリンク上で通信することができ、かつ利用可能なAP無線デバイス間のピンポン遷移を回避することができるので、例えば、カバレッジエッジシナリオにおいて信頼性を改善するのに役立つことができる。
【0118】
マルチAPは、様々な可能な省電力特徴のいずれかをサポートすることができる。1つのそのような可能性として、非AP無線デバイスのマルチAP関連付けのためのいくつかまたは全ての有効化されたリンクを省電力モードにすることが可能であり得る。トラフィックがそのようなリンク上で搬送されない場合があり得る。少なくともいくつかの実施形態によれば、リンクが省電力モードにある間に有効にされたままであり得るので、そのようなリンクのための非AP無線デバイスおよび/または対応するAP無線デバイスは、例えば、(例えば、1つの可能性として、デバイスモビリティに起因する)無線媒体状態の変化のために、および/または様々な他の理由のいずれかのために、送信のためにバッファリングされたトラフィックが到着した場合に、リンクの使用を迅速に再開することができる場合があり得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、TIDからリンクへのマッピング(および潜在的に、より一般的にはリンク有効化)は、アップリンクおよびダウンリンクデータ伝送方向に対して別個/独立であってもよいことに留意されたい。したがって、非AP無線デバイスの場合、様々な可能性の中でもとりわけ、第1の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクおよび第2の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクがダウンリンク方向に同時に有効化される(例えば、1つ以上のダウンリンクTIDをこれらのリンクの各々にマッピングすることができる)が、第1の関連付けのための1つ以上のリンクのみがアップリンク方向に有効化される(例えば、1つ以上のアップリンクTIDをこれらのリンクにマッピングすることができるが、アップリンクTIDは第2の無線関連付けのためのいずれのリンクにもマッピングされない)場合、または第1の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクおよび第2の無線関連付けのための少なくとも1つのリンクがアップリンク方向に同時に有効化されるが、第1の関連付けのための1つ以上のリンクのみがダウンリンク方向に有効化される場合があり得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、マルチAP関連付けのために使用されるTIDマッピングモードが、関連付けのために特定のマルチAPシステム管理動作が実行される場所に影響を及ぼすことができることが可能であり得る。例えば、場合によっては、アップリンクフレームおよびダウンリンクフレーム(の少なくともサブセット)をマルチAPシステム内の任意のAP無線デバイス上で送信することができるローミングモードの場合、アップリンク並べ替えバッファリングおよびダウンリンク送信バッファリングがネットワークコントローラにおいて実行される場合があり得る。アップリンクおよびダウンリンクフレームを一度にマルチAPシステム内のただ1つのAP無線デバイスとのリンク上で送信することができるTIDマッピングモードでは、アップリンク並べ替えバッファリングおよびダウンリンク送信バッファリングがそのAP無線デバイスにおいて実行される場合があり得る。一度にマルチAPシステム内のただ1つのAP無線デバイスとのリンク上で一方向のトラフィックを送信することができ、マルチAPシステム内の複数のAP無線デバイスのいずれかとのリンク上で他方向のトラフィックを送信することができるTIDマッピングモードでは、ハイブリッドアプローチを使用することができる。例えば、ダウンリンクフレームが1つのAP無線デバイスを介した送信に制限されている間にアップリンクフレームを任意のリンク上で送信することができる場合、アップリンク並べ替えバッファリングがネットワークコントローラにおいて実行され、ダウンリンク送信バッファリングがAP無線デバイスにおいて実行される場合があり得る。TIDマッピングモードと管理動作実装オプションとの間の他の相関も可能であり、TIDマッピングモードが他のマルチAPシステム管理動作に直接結び付けられない実施形態も想定されることに留意されたい。
【0121】
したがって、図4図5の方法によれば、無線デバイスがマルチAPシステムの複数のAPデバイスに関連付けることができるマルチAPシステムを確立することが可能であり得る。そのような技術は、少なくともいくつかの実施形態によれば、様々な可能な利益の中でもとりわけ、スループット、信頼性、および/または電力消費のいずれかまたは全てを改善することができる。
図6図50および追加情報
【0122】
図6図50は、必要に応じて、図4図5の方法と併せて使用することができる更なる態様を図示および説明する。しかしながら、図6図50に示され、かつ図6図50に関して説明される例示的な詳細は、全体として本開示を限定することを意図するものではなく、本明細書で以下に提供される詳細に対する多数の変形および代替が可能であり、本開示の範囲内であると見なされるべきであることに留意されたい。したがって、以下の実施例で使用される「必須」、「必要」、「常に」、「必ず」、「すべき」などの用語、および他の同様のそのような用語は、特定の例示的なシナリオおよび実施形態の文脈で使用されるものとして理解されるべきであり、本開示の範囲内で可能な全てのシナリオおよび実施形態に必ずしも適用可能ではないとして理解されるべきである。
【0123】
IEEE 802.11無線通信システムでは、BSS遷移がデータ伝送の中断を引き起こす場合があり得る。例えば、少なくともいくつかのBSS遷移機構は、30個程度のメッセージ送信を必要とすることがあり、これにより、遅延およびオーバーヘッドを生じる可能性がある。ブロック肯定応答(BA)は、各トラフィック識別子(TID)および方向(アップリンク/ダウンリンク)、ストリーム分類サービス(SCS)セットアップ、ターゲットウェイクタイム(TWT)セットアップ、新しいキーなどについて別々に送信することができる。これは、BSS遷移について5~10msの伝送遅延を維持することを困難にする場合がある。
【0124】
さらに、BSS遷移が失敗する場合があることがあり得る可能性がある。例えば、再関連付け要求は、アクセスポイント(AP)によって拒否される場合があり、その場合、遷移局(STA)は、いかなる関連付けも有しないことがある。単一の物理デバイスのみへのリンクが維持される場合、STAは、例えば、リンクの性能が変動する場合、2つのAP間でピンポンBSS遷移を実行することができる。
【0125】
マルチAP関連付けをサポートすることにより、いくつかの実施形態では、IEEE 802.11無線通信システムにおいて実行されるBSS遷移の数を低減することができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、そのような能力を有する住居ネットワークは、BSS遷移なしで動作することができ、および/または企業ネットワークは、例えば、Wi-Fi 7ネットワークと比較して、BSS遷移の数を90%低減して動作することが可能であり得る。
【0126】
図6は、いくつかの実施形態に係る、可能な高速BSS遷移の例示的なシグナリング態様を示すフローチャート図である。高速BSS遷移は、全ての既存のキー、ブロックACK(BA)、TWTセットアップ、およびSCSストリームセットアップをリセットすることができる。STAは、新しいAPにおいて最初から動作を開始することができる。BAセットアップは、約30個のメッセージおよび肯定応答の送信を必要とすることがあることに留意されたい。このシグナリングの全ては、STAが新しいデータの送信を開始することができる前に遅延を追加することがある。加えて、前に述べたように、ターゲットAPがSTAからの再関連付けシグナリングを拒否する場合、STAは、いかなる関連付けも有しないことがあり、なんらデータを送信することができないことがあり、これにより、データ伝送に更なる遅延を追加する可能性がある。
【0127】
図示のように、例示的なシナリオでは、608において、STA602は、最初にAP1 604に関連付けられていてもよく、AP2 606へのハンドオーバを実行していることがある。遷移シグナリングは、4ウェイハンドシェイクおよび関連付けを含むことができる。リンクセットアップの準備は、このシナリオでは可能でない場合があることに留意されたい。610において、STA602は、AP2 606に関連付けられていてもよい。ハンドオーバの後、STAは、BA、SCSシグナリング、およびTWTフローをセットアップすることができる。BAは、方向およびTIDに固有であってもよい。1つのBAは、単一のBA要求においてセットアップすることができる。SCSおよびQoS特性シグナリングは、複数のフローへの要求をアグリゲートすることができる。全てのBAセットアップが図6に示されているわけではないことに留意されたい。トラフィックを搬送する各方向およびユーザ優先度(UP)がセットアップされる場合があり得るので、22=32個のメッセージおよび32個のACKを交換することができる。612において、BAがセットアップされ、SCSストリームがセットアップされ、TWTフローがセットアップされ、遷移を完了することができる。
【0128】
BSS遷移を低減するために、APマルチアクセスポイント(AP MAP)と呼ばれることもあるAPのグループに関連するSTAをサポートすることが可能であり得る。図7は、いくつかの実施形態に係る、1つのそのような可能なシナリオの例示的な態様を示す。図示のように、マルチAP STA(例えば、単一の物理デバイス)は、1つ以上のAPマルチリンクデバイス(MLD)(例えば、その各々は、MAP AP内で動作する別個の物理デバイスであり得る)との1つ以上のリンクを有することができる。
【0129】
STAは、関連付け後状態で動作することができ、STAがAP MAP内で移動するとき、データ伝送は、中断なしに継続することができる。マルチAP関連付けは、Wi-Fi 7規則上に構築することができる。STA能力およびAP能力は、リンクごとに構成することができる。ユニキャストフレームは、任意のリンクを介して送信することができ、全てのリンクは、同じBAセットアップおよび同じピアワイズ一時キー(PTK)(暗号化)を使用することができる。STAは、任意のリンクからグループデータフレームを受信することができる。各AP/リンクは、異なるグループキーを有することができ、グループフレームは、ジョイントシーケンス番号付けを有することができる。いくつかの実施形態では、Wi-Fi 7規則に対する可能な更新は、非APリンク管理規則を含むことができる。
【0130】
図8は、いくつかの実施形態に係る、1つ以上のMAP APを展開することができる、例示的な拡張サービスセットおよびモビリティドメイン展開シナリオの態様を示す。図示のように、そのような拡張サービスセット(ESS)は、0個以上のAP MLDと0個以上のMAP APとを潜在的に含む、1つ以上のAPを含むことができる。各MAP APは、1つ以上のAP MLDを含むことができ、各AP MLDは、1つ以上のAPを含むことができる。MAP STAは、一度にESS内のMAP AP、AP MLD、またはAPに関連付けられていてもよい。ESSは、1つ以上のモビリティドメインを有することができる。高速BSS遷移が、モビリティドメイン内のAP/AP MLD/AP MAP内でサポートされる場合があり得る。
【0131】
図9は、1つの可能な進化による異なるWi-Fi世代の様々な特徴の比較を示す表である。図示されたシナリオでは、関連付けは、STAがデータを送信することができるリンクおよびAPを定義することができる。ユニキャストデータは、各リンクにおいて以下のジョイントパラメータを有することができる:ジョイントシーケンス番号(SN)およびパケット番号(PN)、PTK、並びにBA。拡張マルチリンク単一無線(EMLSR)サポートに関して、少なくともいくつかの実施形態では、MAPが各AP MLDのために使用中のEMLSRを別々に定義することができることに留意されたい。TWTの場合、シグナリングが任意の有効化されたリンクへのTWTをセットアップすることができる場合があり得る。
【0132】
図10は、いくつかの実施形態に係る、関連付け後状態の例示的なリンク切替シナリオの態様を示す。図示のように、ある速度(「X」)で移動している非AP MAP(「非AP MAP 1」)は、そのMAP内の1つのAP MLD(「AP MLD 1」)から同じAP MAP内の別のAP MLD(「AP MLD 2」)にリンクを切り替えることを決定することができる。AP MLD 2を発見した後、非AP MAP 1は、AP MLD 2との新しいリンクを作成することができる。全てのリンクを関連して作成することができる、または非AP MAPは、(例えば、AP MLD 1との)既存のリンクを介してリンク追加メッセージを使用して、リンク4、5、および6を追加することができる。リンク4、5、6が作成された後、非AP MAPは、AP MLD 1とのこれらのリンク4、5、6を有効化し、AP MLD 1とのリンク1、2、および3を無効化することができる。
【0133】
図11は、いくつかの実施形態に係る、AP MAP内の複数のAP MLDが非AP MAPのカバレッジエッジにある、例示的なリンク切替シナリオの態様を示す。図示されたシナリオでは、AP MAP内の複数のAP MLDとのリンクが非AP MAPに利用可能であり得るので、ピンポン遷移を回避することが可能であり得る。これにより、また、潜在的に改善された信頼性を提供することができ、両方のリンク上でデータを送信することが可能であり得る。
【0134】
図12は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能なリンク動作モードを示す表である。そのような動作モードは、STAが複数のリンクを作成することができるが、必ずしも全てのリンク上で動作するとは限らない、可能性をサポートするために使用することができる。リンクは、仮想であってもよく、その場合、それらのリンク上でデータが送信されないことがあり得る可能性がある。しかしながら、リンクは、データフレームを搬送することができるように迅速に変更することができる。Wi-Fi 7では、各セットアップリンクが異なるモードに構成されている場合があり得る。
【0135】
少なくともいくつかの実施形態によれば、IEEE 802.11ベースの無線通信システムにおいてハンドオーバの数を低減する多数の潜在的な利点が存在し得る。ハンドオーバ遅延が低減され、より信頼性の高いデータ伝送遅延がもたらされる場合があり得、前述のように、AP MAPリンク間の遷移が比較的高速であり得る場合があり得る。非AP MAP(例えば、STA)の場合、電力節約を増加することができ、STAは、複数のAPから(例えば、より大きいエリアから)ビーコンを受信し、より少ないシグナリングを有することができる。最良のリンクは、セットアップシグナリングオーバーヘッドなしで迅速に使用することができる。複数のリンクおよび動作チャネルが使用のために利用可能であり得、STAは、最も適切なチャネル上で動作することができる。STAは、データ伝送のための利用可能なリンクを見つけるために利用可能な複数のリンクを有することができる。マルチAP関連付けは、より複雑な伝送方式を可能にすることができることがさらに可能であり得る。関連付けは、暗号化キー、AIDを作成することができ、各リンクのためのSTAおよびAP能力を構成する。そのようなブックキーピングおよび情報共有は、複数のAPがSTAとの間で同時に送信または受信することを可能にすることができる、マルチAP伝送に向かう第1のステップであり得る。APはまた、全てのトラフィックをより確実に送信することができる可能性がある。フレームは、AP MAP内で送信側APに転送することができる。
【0136】
図13は、いくつかの実施形態に係る、可能なAP MAPアーキテクチャの例示的な態様を示す。図示のように、送信バッファは、送信機側で維持することができ、送信機側は、複数のSTA間の複数のリンクを介して受信機にダウンリンクフレームを提供することができる。複数のSTAを介して受信機側で受信されたフレームは、復号、重複検出、および並べ替えのために並べ替えバッファに提供することができる。少なくとも場合によっては、図13に示すアプローチは、アップリンク(例えば、非AP STAからAP STAへ)またはダウンリンク(例えば、AP STAから非AP STAへ)送信のいずれかまたは両方に適用することができることに留意されたい。
【0137】
複数の物理デバイス(例えば、AP MLD)を含むAP MAPの場合、ダウンリンクフレーム送信バッファリング(例えば、AP側のどのデバイスがダウンリンクフレーム送信バッファリングを実装すべきか)および/またはアップリンクフレーム並べ替えバッファリング(例えば、受信されたアップリンクフレームがAP側のどこで順序付けられるか)のためのガイドラインまたは要件を識別および設定することが有用であり得る。いくつかの可能性は、(例えば、AP MAPにおける複数の物理デバイスの包含をサポートするためにAP MAP機能を実装することができる)ルータデバイス、または(例えば、ネットワークアーキテクチャのコンテキストにおいて)対応するSTAに最も近いAP MLDを含むことができる。図14は、そのような可能性のいずれかを実装することができる例示的なシステムの態様を示す。「ケース1」として示されるように、送信バッファおよび並べ替えバッファは、AP MLD 1によって要求されるようなAP MLD 1に関連付けられたSTAへのダウンリンク送信のためにAP MLD(「AP MLD 1」)にダウンリンクデータを提供することができるルータデバイス内に維持することができる。ルータデバイスは、ルータデバイスにおいてアップリンク並べ替えバッファリングを実行することができるように、AP MLD 1を介してSTAからアップリンクデータを取得し、ブロック肯定応答を受信することもできる。「ケース2」では、送信バッファおよび並べ替えバッファは、ルータとは物理的に別個のデバイスであるAP MLDデバイス(「AP MLD 3」)内に維持することができる。この場合、AP MLD 3に関連付けられたSTAのための全てのダウンリンクデータは、送信バッファ機能を実行することができるAP MLD 3に直ちに配信することができる。同様に、AP MLD 3は、STAに対してアップリンクフレーム並べ替えを実行してもよく、既に並べ替えされたアップリンクデータをルータに渡してもよい。
【0138】
図15は、いくつかの実施形態に係る、可能な非AP MAPアーキテクチャの例示的な態様を示す。前述したように、非AP MAPは、1つの物理デバイスであってもよい。非AP MAPは、異なる帯域で動作する1つ以上のチップを有することができる。チップは、下位MAC動作、例えば、TXOP取得、BAスコアボードなどを実装することができる。非AP MAPレイヤは、上位MAC動作を実装することができる。例えば、アップリンクフレームの場合、上位MACは、SNを割り当て、フレームを暗号化し、送信バッファリングすることができ、一方、ダウンリンクフレームの場合、上位MACは、フレームを復号し、フレームを並べ替えバッファリングすることができる。
【0139】
別の可能性として、例えば、MAP APへの関連付けがサポートされるアーキテクチャと比較して、複数の関連付けをサポートするモビリティドメイン動作を実装することができるアーキテクチャに留意されたい。少なくともいくつかの実施形態によれば、モビリティドメインは、マルチAPカバレッジとは異なり得ることに留意されたい。マルチAPジョイントリンクセット中のデバイスと同じ高速遷移デバイスセットを有する必要はないことがある。モビリティドメインは、いくつかの実施形態では、レガシーSTAおよびMLDを含むことができる。マルチAP APへの関連付けのための関連付けのAP識別子がマルチAP APアドレスであり、一方、モビリティドメインにおける複数の関連付けのために、モビリティドメインIDおよびAP MLDアドレス(単数または複数)を使用することができる場合があり得る。MAP APへの関連付けおよびモビリティドメインにおける複数の関連付けの両方について、MAP STAアドレスをSTA識別子として使用することができ、かつIPアドレス維持および高速BSS遷移がモビリティドメイン内で可能であり得る場合があり得る。MAP APシステム内のMAP STAがジョイントリンクを有することができる場合があり得る。モビリティドメイン2(高速遷移(FT)モビリティドメインまたは「モビリティドメイン1」とは別個のモビリティドメインであり得る)内のAP MLDがジョイントリンクを有することができる場合があり得る。MAP APへの関連付けおよびモビリティドメインにおける複数の関連付けの両方について、他のデバイスへの高速遷移が、(FT)モビリティドメインにおいて可能であり得る。MAP APへの関連付けをサポートするために、新しいMAP APおよびMAP STAタイプが定義される場合があり得る。モビリティドメインにおける複数の関連付けをサポートするために、ジョイントリンクを作成するSTAのための新しいモビリティドメインを含む、2つのモビリティドメインが同じエリアに存在することができることが必要であり得る。MAP AP、AP MLD、およびレガシーAPを全て、MAP APへの関連付けをサポートするアーキテクチャフレームワークにおいてサポートすることができる場合があり得る。場合によっては、AP MLDのみが、モビリティドメインにおける複数の関連付けをサポートするアーキテクチャフレームワークのための新しいモビリティドメインにおいてサポートされ、レガシーおよびAP MLDをFTモビリティドメイン上でサポートすることができる場合があり得る。MAP APへの関連付けをサポートするアーキテクチャフレームワークの場合、モビリティドメイン動作への変更の必要がなくてもよく、FTプロトコルのための1つのモビリティドメインを展開することができる。モビリティドメインにおける複数の関連付けをサポートするアーキテクチャフレームワークの場合、マルチAPリンクに参加することができるAP MLDのためのモビリティドメイン、並びにレガシーSTAのFT遷移のためのモビリティドメインが必要であり得る。
【0140】
図16は、いくつかの実施形態に係る、可能なMAPシステムアーキテクチャの更なる例示的な態様を示す。図示のように、システムの様々なレイヤにおけるAP側およびSTA側の各々に複数の識別子が存在することができる。MAPアドレスを使用するMAP APとMAP STAとの間のマルチAP関連付け範囲に加えて、MAP APはまた、Wi-Fi 7 AP MLDレベル関連付け(例えば、MLDアドレスを使用するマルチリンク関連付け範囲による)およびWi-Fi 6単一リンク関連付け(例えば、APリンクアドレス(BSSID)を使用する単一リンク関連付け範囲による)をサポートする場合があり得る。
【0141】
図17は、いくつかの実施形態に係る、モビリティドメイン拡張を伴う代替システムアーキテクチャの例示的な態様を示す。図示のように、図示された例示的なアーキテクチャでは、802.11rにおいて定義された2オクテット値であり得るモビリティドメイン識別子(MDID)をAP MLDグループ識別子として使用することができ、これにより、AP MLDグループ内の全てのAP MLD(例えば、同じMDIDを有するもの)へのリンクをセットアップする能力を提供することができる。STAおよびAPは、そのMACアドレスについて2レベルの階層を有し続けることができる。したがって、MDIDを使用するMLD APのグループとSTAとの間のモビリティドメイン関連付け範囲に加えて、Wi-Fi 7 AP MLDレベル関連付け(例えば、MLDアドレスを使用するマルチリンク関連付け範囲による)およびWi-Fi 6単一リンク関連付け(例えば、APリンクアドレス(BSSID)を使用する単一リンク関連付け範囲による)も、この例示的なシナリオにおいてサポートすることができる。
【0142】
図18は、いくつかの実施形態に係る、そのようなモビリティドメイン拡張が展開される、可能な拡張サービスセットの例示的な態様を示す。ESSは、1つ以上のAPを含むことができ、そのうちの0個以上がAP MLDであってもよく、AP MLDは、1つ以上のAPを含むことができる。図示のように、ESSは、高速BSS遷移が可能であり得るFTモビリティドメイン(「モビリティドメイン2」)を含むことができる。ESSは、リンク作成可能であり得る別のモビリティドメイン(「モビリティドメイン1」)をさらに含むことができ、これは、マルチAP STAを同時に複数のAP MLDに関連付けることができることを意味する。
【0143】
以下のセクションは、いくつかの実施形態に係る、AP MAP動作とAP MLD(例えば、レガシーAP)動作との間の管理動作および特性の可能な類似点および差異を含む。MLME-AP-STARTの場合(例えば、新しいAP MLDまたはAP MAPが開始するとき)、AP MLDについて、AP動作パラメータを構成することができ、APは、ビーコン送信を開始することができる。AP MAPパラメータを構成することができ、構成されたデバイスは、利用可能なAP MAPを求めてスキャンすることができ、適切なAP MAPが発見された場合、デバイスは、AP MAPの一部になることができる。適切なAP MAPが発見されない場合、デバイスは、新しいAP MAPを確立することができる。発見のために、AP(MLD)は、発見可能であるように、ビーコン、プローブ応答、MLプローブ応答、および低減された近隣報告を送信することができる。AP MAPの場合、AP MAPパラメータは、既存の要素および管理フレームに含めることができる。関連付けのために、STA(MLD)は、AP(MLD)に関連付けることができ、STAおよびAPパラメータは、セットアップリンクのために構成することができる。非AP MAPは、AP MAPに関連付けることができる。STAおよびAPパラメータは、セットアップリンクのために構成することができる。認証および4ウェイキー交換の場合、AP MLD動作およびAP MAP動作の両方について、単一のPTKが全てのユニキャストフレームを暗号化することができる。ユニキャストフレームは、任意のリンクにおいて送信することができる。グループフレームは、リンク固有キーによって暗号化されてもよい。全てのグループキーは、関連付けられたSTAに共有することができる。関連付けにリンクを追加することは、AP MLPのためにサポートされないことがあり、非AP MLDは、関連付けにリンクを追加するために、再関連付けして、全てのシグナリングをやり直す必要があることがある。関連付けにリンクを追加することは、AP MAPのためにサポートされてもよく、非AP MLDは、再関連付けおよび全てのパラメータの再セットアップなしに、関連付けに新しいリンクを追加することができる。TIDからリンクへのマッピングの場合、AP MLD動作について、STAおよびAPは、TIDからのトラフィックを搬送することができるリンク(単数または複数)を構成することができる。加えて、AP MAP動作の場合、更なるTIDからリンクへのマッピングモードが利用可能であってもよい。電力節約のために、両方のシナリオにおいて、STAは、値1を有する電力管理(PM)フィールドを送信することによって、有効化されたリンク上で利用可能であってもよい。レガシーAP動作の場合、高速BSS遷移は、APおよび/またはAP MLD間の遷移を可能にすることができる。AP MAP動作の場合、高速BSS遷移は、AP、AP MLD、および/またはAP MAP間の遷移を可能にすることができる。
【0144】
図19図20は、いくつかの実施形態に係る、AP MAPに参加する新しいAP MLDの可能な開始動作の例示的な態様を示す。図19に示すように、新しいAP MLD(「AP MLD 2」)は、例えば、MLME-STARTプリミティブを実行することを含めて、起動することができる。AP、AP MLD、およびAP MAPパラメータは、AP MLD 2のために構成することができ、APは、ビーコンを送信し始めてもよい。AP MLD 2は、発見を実行し、利用可能なAP MAPに参加することができる。発見されたAP MAPに参加するためのシグナリングは、認証、キーセットアップ、および能力シグナリングを含むことができる。新しいAPおよびAP MLDは、AP MAPのためのビーコン、プローブ応答、RNRなどに追加することができる。
【0145】
図20は、いくつかの実施形態に係る、AP MAP 1を形成するためのAP1 2002およびAP 2 2004の発見および参加のための可能なMLME-Startシグナリングフローを示す。2006において、APは、まだ存在せず、ビーコンを送信していない。APは、開始されてもよく、次いで、互いを発見し、STAと関連付けることが可能であるAP MAPをセットアップすることができる。2008において、APは、PMKを確立するためにSAE認証を実行することができる。SAE認証の後、MAPは、802.11sリンクセットアップシグナリングと同様であってもよい4ウェイハンドシェイクにおいてキーを関連付け、セットアップすることができる。
【0146】
AP MAP動作をサポートするための複数の可能なバックボーンネットワークの代替形態が存在することができる。バックボーンアーキテクチャのそのような選択は、少なくともいくつかの実施形態によれば、実装選択として残されてもよい。いくつかのそのようなオプションは、有線バックボーン、Wi-Fi Easy Mesh、近隣認識ネットワーキング(NAN)、および/またはIEEE 802.11s(MESH)を含むことができる。有線バックボーンオプションは、有線イーサネットまたはファイバ接続を含むことができ、これは、802.11仕様の範囲外であり得る。このオプションでは、有線送信のみがネットワークバックボーンにおいてサポートされ、802.11仕様がバックボーン動作を定義しないことがある(例えば、実装することはデバイスベンダに任されることがある)場合があり得る。Wi-Fi Eash Meshオプションは、いくつかの実施形態では、インターネットへの/からの送信のみを有する階層構造を有することができる。この場合、バックボーンAPは、複数のBSSを有することができ、入口APは、非AP STAと同様の関連付けられた出口ノードを有するBSSをホストすることができる。他のBSSは、エンドデバイス(例えば、非AP STA)にサービスを提供することができる。いくつかの実施形態では、シングルユーザ(SU)、マルチユーザ(MU)、およびトリガされた送信を、そのようなネットワークバックボーンにおいてサポートすることができる。MU物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)またはトリガベース(TB)PPDUは、フレームをバックボーンおよび関連付けられた非AP STAに搬送することができる。バックボーンがAPに対してのみ動作する場合があり得る。インフラストラクチャBSS特徴(トリガリング、TWTなど)は、例えば、バックボーンのために、入口BSSに追加することが比較的簡単であり得る。NANオプションは、非階層構造を有することができる。任意のNANデバイスは、任意のNAN STAと通信することができる。このオプションでは、バックボーンデバイスがNAN STAである場合があり得る。SU送信がそのようなネットワークバックボーンにおいてサポートされる場合があり得る。MACおよびPHYがサポートするP2P送信モードは、非AP STA能力を対象とすることができる。いくつかの実施形態では、エンドデバイスは、NANを介してもそれらの送信を得ることができる。802.11sオプションはまた、非階層構造を有することができる。メッシュSTAは、別のメッシュSTAとのメッシュリンクを作成することができる。送信は、メッシュリンクを介して実行することができる。各STAは、メッシュSTAであってもよい。SU送信がそのようなネットワークバックボーンにおいてサポートされる場合があり得る。メッシュは、Wi-Fi 6および7の特徴を導入するために変更を必要とすることができるように、802.11acの後に導入された特徴を現在サポートしないことがあることに留意されたい。
【0147】
図21は、いくつかの実施形態に係る、可能なイージーメッシュ展開の例示的な態様を示す。イージーメッシュ仕様は、オンボーディングおよびセットアップ手順を指定することができる。QoSおよび送信のためのサポートを提供することができる。Eash Meshは、AP MAP内で標準化されたAP間インタフェースを提供することが可能であり得る。AP MAP内部動作が802.11仕様において定義されないことが可能であり得る。STAが一度に1つのAPに関連付けられている場合があり得る。このAPは、このSTAへの全てのULおよびDLトラフィックを管理することができる。同じ階層レベルにおけるAP間通信がサポートされないことが可能であり得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、そのような通信のためのサポートを追加することができる。
【0148】
図22は、いくつかの実施形態に係る、可能なNANトポロジの例示的な態様を示す。少なくともいくつかの実施形態では、NAN対応STAは、バックボーン動作に直接参加することができる。これは、D2Dリンク送信およびインターネット送信に役立つことができる。全てのNANデバイスが互いに直接通信することができる場合があり得る。NANは、省電力および時分割多元接続(TDMA)のためのシグナリングをスケジューリングするためのサポートを含むことができる。トリガリングサポートおよびMU PPDU送信は、少なくとも場合によってはサポートされないことがあり、これにより、転送されるトラフィックの遅延を増加させることがある。
【0149】
図23は、いくつかの実施形態に係る、可能なAP MAP発見および関連付け特徴を示す信号フロー図である。図示のように、信号フローは、マルチAPシステム内のSTA2302とAP2304との間で実行することができる。ビーコンおよびプローブ応答フレームは、マルチAPパラメータおよび能力を含むマルチAP要素を有することができる。他のAP MLDおよびAPパラメータは、オーバーヘッドを短縮するために存在しなくてもよい。低減された近隣報告(RNR)は、AP MAPに属する利用可能なAP MLDおよびAPを含むことができる。非AP MAP2302がAP MAP2304に関連付けるために、非AP MAP2302は、MLDおよびMAPパラメータをシグナリングし、要求されたリンクごとにSTA能力を提供することができる。AP MAP2304は、そのMLDおよびMAPパラメータをシグナリングし、セットアップリンクごとにAPパラメータを提供することができる。関連付けが成功した後、非AP MAP2302は、関連付けられ、1つ以上のセットアップリンクを有することができる。4ウェイハンドシェイクは、複数のキー、すなわち、MAP内の全てのリンクで使用されるPTK、並びにリンク固有のGTK、IGTK、およびBIGTKをセットアップすることができる。全てのキーは、STAおよびAPに配布することができる。1つのリンクは、関連付け要求、関連付け応答、および4ウェイハンドシェイクフレームを搬送することができる。フレームを搬送するリンクは、セットアップリンクとして含まれてもよい。非AP MAPが全てのリンク上で同時に動作することができない場合があり得る。いくつかの実施形態では、非AP MAPは、リンクのサブセット上でのみ動作するように選択することができる。関連付けが成功した後、関連付けシグナリングを配信したAP MLDとのセットアップリンクを有効にすることができる。全てのTIDは、これらの有効化されたリンクとマッピングすることができる。他のAP MLDとのリンクは、無効にされてもよい。関連付けの後、STAは、関連付けシグナリングを搬送したリンクを除く全てのリンクに対して省電力状態にあってもよい。STAは、任意の有効化されたリンク上でULフレームを送信し、DLフレームを受信することができる。STAは、有効化されたリンク上でアクティブモードに切り替えることができる。
【0150】
図24-01および図24-02は、いくつかの実施形態に係る、AP MAPのための可能な関連付けプロセス特徴を示す信号フロー図である。図に示すように、信号フローは、非AP MAP内のSTA1 2402と、AP MAP内のAP1 2404と、AP MAP内のAP MLD1 2406と、AP MAP内のAP MLD2 2408と、AP MAP内のコントローラ2410と、AP MAP内のオーセンティケータ2412との間で実行することができる。2414において、非AP MAPは、AP MAPを認証して関連付けることができ、これは、認証サーバとの認証を実行するためのAP MAP内部シグナリングを含むことができる。2416において、非AP MAP認証は、成功することができ、オーセンティケータは、非AP MAPとのリンク作成を可能にするようにネットワークコントローラを構成することができる。図示のように、STA1 2402によってAP1 2404に提供される関連付け要求フレームは、ネットワークコントローラ2410に転送することができる。2418において、非AP MAPは、複数のリンクの作成を要求することができる。ネットワークコントローラは、リンクを作成することができるかどうかを決定することができ、STAパラメータおよび作成されたリンクを示すために、AP MAP内のAP MLDにシグナリングすることができる。ネットワークコントローラは、どのリンクがセットアップされているかを明確にするために、AP MLDへのクエリを編成することができる。AP MLDは、要求されたリンクがその加入しているAPと作成されるかどうかを決定することができる。AP MLDは、AP MAPクエリに対する応答を送信することができる。ネットワークコントローラは、AP MLDからの応答を組み合わせることができ、場合によってはリンクをさらに低減する、または関連付けを拒否することができ、STAに送信される関連付け応答を作成することができる。
【0151】
関連付け、確立されたリンク、およびリンクに関するSTAパラメータは、特定のブックキーピングを必要とすることができる。AP MAP内の各デバイス(AP MLDおよびAP)は、その動作に関連するパラメータを維持することができる。AP MAP/ネットワークコントローラは、全ての非AP MAPパラメータを記憶するデータベースを有することができる。一例として、いくつかの実施形態では、全ての非AP MAP関連付けのためのブックキーピングの一部として、AP MAP(ネットワークコントローラ)は、各MAP関連付けについて、各リンクについてのSTAおよびAPパラメータ、各MLDへの非AP MLDおよびAP MLDパラメータ、並びにAP MAPおよび非AP MAPパラメータを記憶することができる。AP MLDに関連する非AP MAPパラメータのブックキーピングの一部として、AP MLDは、AP MLDの各リンクについてのSTAおよびAPパラメータ、関連付けについての非AP MLDおよびAP MLDパラメータ、並びにAP MLDに関連するAP MAPパラメータを記憶することができる。リンク固有のSTAパラメータのためのブックキーピングの一部として、APは、STAが属するAP MLDのためのAP MLD設定を記憶することができる。
【0152】
図25は、いくつかの実施形態に係る、マルチAP関連付け内の可能なAP MLD遷移の更なる態様および特徴を示す。図示されたシナリオでは、AP MAP 1は、非AP MAPデバイスが一度に1つのAP MLDのみと動作することを可能にする制限を有することができるが、場合によっては、非AP MAPデバイスが複数のAP MLDに対して同時に動作する動作能力を有することも可能であり得る。非AP MLDは、特定の時間の後に、関連付けられたAP MLD 1(AP MAP 1の一部である)とのアクティブリンクから、発見された新しいAP MLD 2(これもAP MAP 1の一部である)とのリンクへの遷移が望まれ得るように、特定の速度で移動していてもよい。非AP MAPは、動作するAP MLDを変更するために以下のステップを実行することができる。第1のステップとして、非AP MAPは、非AP MAPとAP MLD 1との間のリンク1~3が有効化された状態で、AP MLD 2を発見することができる(この開始点において、非AP MAPは、AP MLD 1に近い可能性がある)。デフォルトのTIDからリンクへのマッピングは、これらのリンクに対して適切であり得ることに留意されたい。第2のステップとして、非AP MAPは、新しい仮想STA4~6を作成することができる。第3のステップとして、非AP MAPは、非AP MAPとAP MLD 2との間にリンク4~6を追加することができる。最初に、これらのリンクは、無効にすることができるが、リンク1~3は、有効にされたままであってもよい。第4のステップとして、非AP MAPは、リンク4~6を有効にし、リンク1~3を無効にすることができる。AP MLD遷移のTIDからリンクへのマッピングは、リンク遷移の後に使用することができる。
【0153】
図26は、いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けへのリンクを追加するための可能な信号フローを示す。信号フローは、非AP MAP内のSTA1 2602と、AP MAP内のAP1 2604と、非AP MAP内のSTA2 2606と、AP MAP内のAP2 2608との間で実行することができる。2610において、STA1 2602は、AP1 2604に関連付けられており、AP1 2604とのリンクを有することができる。リンク追加要求およびリンク追加応答は、STA1 2602とAP1 2604との間で交換することができる。リンク追加要求およびリンク追加応答は、(暗号化された)ロバストなアクションフレームであってもよい。したがって、リンク追加要求は、既存のリンクを介して送信されてもよく、AP MAP関連付けに新しいリンク作成を要求してもよい。リンク追加要求は、既存のリンクおよびキーを維持することができ、したがって、1つ以上の新しいリンクをMAP関連付けに追加するだけでよい。リンク追加後、2612において、STA2 2606は、AP2 2608に関連付けられていてもよく、非AP MAPは、2つのリンクを有することができる。
【0154】
図27は、いくつかの実施形態に係る、MLD管理のための様々な可能なTIDからリンクへのマッピング特徴を示す例示的なシナリオを示す。図示のシナリオでは、送信機と受信機との間の第1のリンクは、無効にされていてもよく(TIDは、第1のリンクにマッピングすることができない)、TID1~3は、送信機と受信機との間の第2のリンクにマッピングすることができ、TID2~4は、送信機と受信機との間の第3のリンクにマッピングすることができる。TIDからリンクへのマッピングは、どのトラフィックがリンクにおいて送信されるかを定義することができる。各TIDおよびUL/DL方向は、リンクに別々にマッピングすることができる。TIDからリンクへのマッピングはまた、リンクがトラフィックを送信できるかどうかを定義することができる。例えば、無効化されたリンク(例えば、図示されたシナリオでは、リンク1)については、トラフィックが送信されない場合があり得、有効化されたリンク(例えば、図示されたシナリオでは、リンク2および3)については、トラフィックは、少なくとも1つのTIDおよび管理フレームへ/から許可することができる。いくつかの実施形態では、非AP MAPは、TIDからリンクへのマッピングシグナリングを使用して、AP MLD間で遷移することができる。いくつかの実施形態では、非AP MAPは、一度に1つのAP MLDとデータを交換することができる。非AP MAPは、新しいAP MLDに遷移するとき、TIDを新しいAP MLDにマッピングすることができる。
【0155】
図28は、MLDレベル(例えば、Wi-Fi 7)TIDマッピングサポートおよびMAPレベル(例えば、少なくとも潜在的にWi-Fi 8)TIDマッピング動作の両方の詳細を含む、MAP関連付けにおけるTIDからリンクへのマッピングの可能な特徴を示す表である。図に示すように、様々な実施形態によれば、例えば、デバイス能力および/または様々な他の考慮事項のいずれかに応じて、潜在的に使用することができる様々な可能な必須モードおよび任意選択的にサポートされるモードが存在することができる。他のTIDマッピングモードおよび/または図示されたTIDマッピングモードの変形も可能であることに留意されたい。
【0156】
図29は、いくつかの実施形態に係る、ローミングモードを使用することができる例示的なシナリオの態様を示す。図示されたシナリオでは、非AP MAPは、全て有効にされた6つのリンクを有することができる。バッファリングされたトラフィックが存在しないとき、全てのリンクは、省電力モードにあってもよい。バッファリングされたトラフィックが存在するとき、AP MLD 2とのリンクは、トラフィックを搬送することができる。いくつかの実施形態では、ローミングモードの非AP MAPは、1つの非AP MLD内のSTA(単数または複数)が一度にアクティブモードで動作することを可能にする規則を有することができることに留意されたい。例えば、非AP MLDが2つ以上のAP MLDとのリンクをアクティブモードに設定しない場合があり得る。ローミングモードは、高速リンクアクティブ化および非アクティブ化に基づくことができる。動作モードは、いくつかの実施形態では、連続低遅延トラフィック送信に適していない場合がある。AP MAPは、ローミングモードで動作することが可能な加入しているAP MLDを制限することができる。
【0157】
図30図31は、いくつかの実施形態に係る、ローミングモードのAP MAP実装のための更なる可能な特徴を示す。図30に示すように、ルータ/AP MAPは、ローミングモードの非AP MLDに宛てられたダウンリンクフレームを記憶することができる。AP MAPは、APがトラフィックをバッファリングしたかどうかをローミングモードの非AP MAPにシグナリングするようにAPに命令することができる。非AP MAPがリンク中のSTAをアクティブモードにアクティブ化すると、ルータは、バッファリングされたフレームをAPに転送することができる。フレームの送信後、ルータは、非AP MAPのためのフレームのバッファリングに戻ることができる。図31に示すように、3110において、STA MAP1は、STA MAP1のSTA1 3102とAP MAP1のAP1 3104との間の第1のリンクと、STA MAP1のSTA2 3106とAP MAP1のAP2 3108との間の第2のリンクとを有することができる。STA MAP1は、第1のリンクを使用していた可能性があり、代わりに第2のリンクを使用する(例えば、AP2を使用する)ことを望む可能性がある。そうするために、STA1 3102は、省電力モードに入るようにAP1 3104に示すことができ、STA2 3106は、アクティブモードに入るようにAP2 3108に示すことができる。このシグナリングの後、3112において、STA1 3102は、省電力状態にあってもよく、任意の更なるデータを送信しなくてもよいが、STA2 3106は、アクティブモードにあってもよく、データを送受信してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、同じブロック肯定応答、SCS、およびTWT設定を両方のリンクにおいて使用することができることに留意されたい。
【0158】
図32は、いくつかの実施形態に係る、可能なマルチAP動作モードの例示的な態様を示す。図示されたシナリオでは、AP MAPおよび非AP MAPは、より柔軟なULおよびDL送信モードをサポートすることができる。そのような動作モードは、少なくとも場合によっては、AP MAP内のBSS遷移遅延をさらに低減し、より多くのデータ伝送の代替形態を提供することができる。図に示すように、1つのそのような可能性は、アップリンクを任意のリンク(例えば、複数の異なるAP MLDに関連付けられたものを含む)上で実行することができる一方で、ダウンリンクを特定のAP MLD上で実行することができるシナリオを含むことができる。このシナリオでは、UL TIDは、AP MLD 1とのリンクおよびAP MLD 2とのリンクの両方を含む全てのリンクにマッピングすることができるが、全てのDL TIDは、AP MLD 1とのリンクにマッピングすることができ、DL TIDは、AP MLD 1とのリンクにマッピングすることができない。また図に示すように、別のそのような可能性は、アップリンクおよびダウンリンクを任意のリンク(例えば、複数の異なるAP MLDに関連付けられたリンクを含む)上で実行することができるシナリオを含むことができる。このシナリオでは、ULおよびDL TIDの両方を、AP MLD 1とのリンクおよびAP MLD 2とのリンクの両方を含む全てのリンクにマッピングすることができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、セットアップリンクは、少なくとも1つのTIDがそのリンクにマッピングされている場合、有効であると定義されてもよく、TIDがそのリンクにマッピングされていない場合、無効であると定義されてもよい。リンクが有効である場合、それは、フレーム交換のために使用することができるが、マッピングされたTIDおよび管理フレームに対応するデータフレームに限定することができる。測定MMPDUは、少なくともいくつかの実施形態では、特定のリンクにおいてのみ送信されてもよい。リンクが無効である場合、それが管理フレーム交換を含むフレーム交換のために使用されない場合があり得る。電力管理モードは、維持されなくてもよい。S-APSDスケジュールおよびTWTスケジュールは、削除することができる。リンク無効化の前に開始された進行中の交換は、無効化されたリンク上で応答を送信することができる。
【0160】
アドミッション制御が使用されない限り、TIDは常に少なくとも1つのセットアップリンクにマッピングされる場合があり得る。TIDからリンクへのマッピングは、例えば、ULリンクにマッピングされたTIDが対応するDLリンクにマッピングされた同じTIDでなくてもよいように、単方向であってもよい。デフォルトでは、全てのTIDがULとDLの両方の全てのセットアップリンクにマッピングされる場合があり得る。したがって、この場合、全てのセットアップリンクを有効にすることができる。AP MLDおよび非AP MLDが異なるマッピングをネゴシエートしない場合、またはAP MLDおよび非AP MLDがいずれの代替マッピングにも同意できない場合、またはAP MLDおよび非AP MLDが同意を取り壊した場合、デフォルトのTIDからリンクへのマッピングモードが使用される場合があり得る。TIDからリンクへのマッピングネゴシエーションは、例えば、関連付けフレームを介して、またはTIDからリンクへのマッピングハンドシェイクを介して、MLセットアップ中に行うことができる。AP MLDまたは非AP MLDのいずれかが、ネゴシエーションを開始することが可能であってもよい。APまたは非AP MLDのいずれかが、ピアからのTIDからリンクへのマッピング要求を受け入れる、または拒否することができる。TIDからリンクへのマッピングが受け入れられない場合、ピアは、好ましいマッピングを提案することができる。
【0161】
図33は、いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けと併せて可能な電力管理使用の例示的な態様を示す。図示の実施例では、非AP MAPは、有効化されたリンクにおいてその電力管理モードを制御することが可能であってもよい。無効化されたリンクにおいてトラフィックが送信されることが許可されない場合があり得、したがって、STAは、無効化されたリンク上でそれ自体をアクティブモードに設定することができない。MACヘッダ中の電力管理フィールドは、STAをアクティブモードまたは省電力モードに設定することができる。APは、それが省電力モードにあるとき、STAにフレームを送信しないことを予想することができる。この動作は、Wi-Fi 7動作と同様であり得ることに留意されたい。したがって、非AP MAPが無効にされたAP MLD 1とのリンク1~3(したがって、省電力モードオプションがない)並びに有効にされたAP MLD 2とのリンク4~6を有する図示されたシナリオでは、非AP MAPは、有効にされたリンク4~6に対してアクティブモードおよび省電力モードの任意の組合せを設定することができ、この場合、リンク4に対するPSモード、並びにリンク5およびリンク6に対するアクティブモードを含む。
【0162】
図34は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおける非AP STAのための可能な2レベルアドレス階層フレームワークの例示的な態様を示す。2レベルアドレス階層は、各リンクについてのリンクレベルアドレス、並びにSTAを識別するためのSTA MAPアドレスを含むことができる。MAP STAアドレスは、(例えば、STA MLDアドレスをBSS遷移においてSTAを識別するために使用することができる)802.11 beにおけるSTA MLDアドレスと同様に使用することができ、MAP STAをMAP AP、AP MLD、またはAPに識別することができる。図に示すように、特定のシナリオでは、このアドレス階層が圧縮されることが可能であり得る。例えば、単一のリンクを用いてレガシーAPと対話するとき、リンクレベルとMAPレベルの両方において非AP STAを識別するためにMAP STAアドレスが使用される場合があり得る。また図に示すように、少なくともいくつかの実施形態によれば、アドレス階層はまた、そのような圧縮の後に、例えば、そのようなレガシーAPからMAPシステム内のMAP APに遷移するときに、再拡張することができる。
【0163】
より詳細には、少なくともいくつかの実施形態では、STAリンクアドレスは、リンク中のSTA識別子であってもよく、オーバージエア(OTA)フレーム内に存在することができる。このアドレスは、関連して変更されてもよい。非AP MAPアドレスは、認証および関連付けにおいて非AP MAPを識別することができる。このアドレスは、長期識別子であってもよく、キー導出において使用されてもよい。APリンクアドレスは、リンク中のAP識別子であってもよく、OTAフレーム内に存在してもよい。このアドレスは、レガシー認証および関連付けにおけるAP識別子としての役割を果たすことができる(レガシー関連付けはマルチリンクサポートを有しないことに留意されたい)。AP MLDアドレスは、マルチリンク認証および関連付けにおけるAP MLD識別子であってもよい。このアドレスは、非AP STA MLDが関連付けるときにAP MLDを識別することができる。AP MAPアドレスは、MAP認証および関連付けにおけるAP MAP識別子であってもよい。このアドレスは、非AP STA MAPが関連付けるときにAP MAPを識別することができる。
【0164】
図35は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能な高速遷移キー階層の例示的な態様を示す。図示のように、図示された実施例では、別個のPMK-R1キーを、モビリティドメインにおける各AP、AP MLD、およびAP MAPのために使用することができる。
【0165】
再び図13を参照すると、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに使用することができる可能なブロック肯定応答(BA)フレームワークの例示的な態様も示されている。図示の実施例では、BAは、全てのリンクにセットアップすることができる、すなわち、全てのリンクは、使用中の同じBAを有することができる。各リンク固有のAPは、例えば、Wi-Fi 7原理に従って、リンク固有のデータ伝送およびBAスコアボーディングを実行することができる。したがって、少なくともいくつかの点で、非AP MAPにおけるBA実装は、非AP MLD実装と同様であってもよい。AP MAPは、送信バッファおよび並べ替えバッファを配置するための複数の代替形態を有することができる。
【0166】
図36は、いくつかの実施形態に係る、送信バッファおよび並べ替えバッファ実装を行うことができる複数の位置を含む可能なMAPシステムの例示的な態様を示す。1つのオプションとして、DL TXバッファおよび/またはUL並べ替えバッファは、ルータ(例えば、AP MAPコントローラ)内に配置することができる。これがDL TXバッファ位置である場合、送信APは、ルータからDLフレームをフェッチする必要があり得、これにより、遅延を追加することがある。これがUL並べ替えバッファ位置である場合、全てのULフレームをルータに転送することができる。ルータは、並べ替えバッファリングを実行し、重複フレームを削除することができる。ルータは、並べ替えられたパケットをインターネットに解放することができる。別のオプションとして、DL TXバッファおよび/またはUL並べ替えバッファは、STAとのアクティブリンクを有するAP MLD内に配置することができる。これがDL TXバッファ位置である場合、DLパケットは、AP MLDに直接配信することができる。これにより、DLフレーム伝送遅延を低減することができる。これがUL並べ替えバッファ位置である場合、非AP MAPは、UL並べ替えバッファリングを実行する単一のAP MLDにULフレームを送信することができる。AP MLDは、並べ替えられたフレームを直ちにインターネットに送信することができる。
【0167】
図37図38は、これらの可能な例示的なシナリオの更なる詳細を示す。図37では、AP MAPにおける可能なDLフレーム送信バッファの代替形態がさらに示されており、送信バッファがルータ内に位置するシナリオ(「ケース1」)、および送信バッファがAP MLD内に位置するシナリオ(「ケース2」)を含む。いくつかの実施形態では、第1のシナリオは、異なる時間に異なるMLDからダウンリンクデータを受信することができるローミング非AP MAPにサービスを提供するのにより適することができるが、第2のシナリオは、少なくとも場合によっては、低待ち時間/高ビットレートデータ伝送により適することができる。図38では、AP MAPにおける可能なUL並べ替えバッファの代替形態がさらに示されており、並べ替えバッファがルータ内に位置するシナリオ(「ケース1」)、および並べ替えバッファがAP MLD内に位置するシナリオ(「ケース2」)を含む。図に示すように、第1のシナリオでは、全てのULデータは、受信されるとすぐにルータに転送することができるが、第2のシナリオでは、少なくとも場合によっては、並べ替えられ、バッファリングされ、復号されたULデータは、AP MLDから直接インターネットに送信することができる。
【0168】
図39は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおける可能なデータ暗号化および復号アーキテクチャの例示的な態様を示す。Wi-Fi 7では、MLDアドレスは、データ暗号化および復号に使用することができる。OTA送信フレームは、MLDアドレスがOTA送信されないように、リンク固有のアドレスを含むことができる。MLDアドレスは、暗号化におけるOTAアドレスとして使用することができる。OTAアドレスは、リンクアドレスであるように設定されるが、受信機は、このアドレスをMLDアドレスに置き換える。Wi-Fi 8は、同様の原理を使用することができ、MLDアドレスがMAPアドレスに置き換えられる。暗号化/復号は、クラウドまたはAP MLD内の別個のブロックによって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、暗号化ブロックは、送信バッファを動作させるデバイスと共に配置することができる。同様に、復号ブロックは、いくつかの実施形態では、並べ替えバッファを動作させるデバイスと共に配置することができる。
【0169】
図40は、いくつかの実施形態に係る、AP MAP内の可能なデータ伝送フロー特徴およびそれらの特徴のための可能な実装位置を示す表である。少なくともいくつかの実施形態では、パケット番号割り当ておよび暗号化(送信機動作において陰影付けされている)は、暗号化ユニットの動作であってもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、復号およびリプレイ検出(受信機動作において陰影付けされている)は、外部ユニットに配置することができることが可能であり得る。
【0170】
図41は、いくつかの実施形態に係る、AP MAPにおける可能なフレーム暗号化および復号代替形態の態様を示す。暗号化および復号代替形態は、少なくとも場合によっては、送信バッファおよび並べ替えバッファ実装の代替形態に従うことができることに留意されたい。図に示すように、オプションは、ルータがULフレームを復号し、DLフレームを暗号化する第1のオプションと、最終AP MLDがULフレームを復号し、DLフレームを暗号化する第2のオプションと、AP MLDがDLフレームを暗号化する一方で、ルータがULフレームを復号する第3の(ハイブリッド)オプションとを含むことができる。他のオプションも可能であり得ることに留意されたい。
【0171】
WLANは、いくつかの可能なシーケンス番号(SN)空間を有することができる。QoSデータは、各TIDおよび方向(UL/DL)のためのSNを有することができる。AP MAPワイドSNは、全てのリンクにおけるBA使用を可能にすることができる。グループアドレス指定されたデータフレームは、全てのリンク内で一意のSNを有することができる。したがって、非AP MAPは、任意のリンク上でグループデータフレームを受信することができる。図42は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムにおけるそのような様々なSN空間のための可能なシーケンス番号処理規則を示す表である。
【0172】
図43は、いくつかの実施形態に係る、MAP関連付けにおける可能なEMLSR動作の例示的な態様を示す。Wi-Fi 7では、EMLSRは、AP MLD内のリンクにおいて動作することができる。Wi-Fi 8では、EMLSRが1つのAP MLD内のリンクにおいて動作することができる場合があり得る。したがって、AP MAPが複数のAP MLDを有する場合、各AP MLDが他のAP MLDから独立してEMLSRリンクをセットアップすることができる場合があり得る。いくつかの実施形態では、1つのEMLSRセットアップは、異なるAP MLD内のリンク上で動作しなくてもよい。任意選択的に、Wi-Fi 8デバイスが異なるAP MLDに属するリンクにおいてEMLSRを動作させる能力を有することができる場合があり得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、関連付け維持MAP電力管理のために様々な特徴が可能であり得る。そのような特徴は、「リッスン間隔」および「最大アイドル期間」パラメータを含むことができ、それらは、MAP関連付けの間に交換することができ、両方ともMAPエンティティに適用することができる。リッスン間隔は、ビーコンを受信するために非AP MAPがそのSTAのうちの少なくとも1つをどのくらいの頻度でウェイクするかを示すことができる。AP MAPは、リッスン間隔よりも長い期間にわたって非AP MAPのためのユニキャストバスをバッファリングすることを予想することができる。最大アイドル期間は、AP MAPが任意のセットアップリンク上で非AP MAPから少なくとも1つのフレームを予想する期間を示すことができる。そうでない場合、AP MAPは、非AP MAPを関連付け解除することができる。802.11仕様は、このMAP固有パラメータをシグナリングするために、MAP最大アイドル値を定義することができる。代替的に、レガシーBSS最大アイドル変数は、このアイドル期間をシグナリングすることができる。この期間中、AP MAPは、任意のセットアップリンク上で非AP MAPからフレームが受信されないために、非AP MAPを関連付け解除しない場合があり得る。
【0174】
AP MAPでは、全てのAPは、ビーコンを送信することができ、したがって、STAは、任意のAPからビーコンを受信することができる。STAからのフレームは、有効化されたリンク上で受信されなければならない。ネットワークコントローラまたはAP MAPは、AP MLDを制御し、MLD内の全てのAPについてリッスン間隔および/または最大アイドル期間が満たされているかどうかをチェックすることができる。
【0175】
図44は、いくつかの実施形態に係る、MAPシステムに関する情報を提供するために使用することができる、マルチAP要素の可能な特徴を示す。MAP要素は、AP MAP共通パラメータと、AP MAP内の他のAP MLD(単数または複数)およびAP(単数または複数)のML要素とを含むことができる。他のAP MLD(単数または複数)およびAP(単数または複数)の情報は、関連付け応答フレームに存在してもよい。ビーコンおよびプローブ応答フレーム内のMAP要素は、いくつかの実施形態では、ML要素使用のWi-Fi 7原理と同様であってもよい、共通AP MAPパラメータのみを搬送することができる。非AP MLDは、関連付け要求フレームにおいてMAP要素を送信することができる。MAP要素は、非AP MLDの非AP MAPのための他の非AP MLDおよび非AP(単数または複数)のパラメータを含むことができる。MAP要素は、継承を使用することができ、要素値は、少なくともいくつかの実施形態では、フレーム中で送信される第1の要素の値から継承することができる。
【0176】
図45は、いくつかの実施形態に係る、可能なMAPプローブ要求およびプローブ応答使用事例の態様を示す。STAは、AP MAPについての全てのリンクおよび情報を問い合わせるための機構を有する必要があり得る。STAは、AP MLDとのリンクを設定することができるために情報を必要とすることができる。したがって、プローブ要求は、MAPシステムにおいてスキャニングSTAからAPに提供することができる。クエリは、例えば、特定のAPに関する情報を要求することができるように、固有であってもよい。いくつかの実施形態では、AP MAPは、そのような機構を使用して、動作するAPおよびAP MLDの詳細を提供することが可能であり得る。少なくともいくつかの実施形態では、この情報は、正しいパラメータを有する関連リンクのセットアップを容易にするために、関連付け要求の前に利用可能にすることができる。
【0177】
図46は、いくつかの実施形態に係る、そのような可能なMAPプローブ要求およびプローブ応答信号フローの例を示す信号フロー図である。信号フローは、2.4GHz周波数帯域で動作している非AP MLD内のSTA1 4602と、同じく2.4GHz周波数帯域で動作しているAP MAP1のAP MLD1内のAP1 4604との間で実行することができる。4606において、AP MAP1は、4つのAP MLDを有することができる。STA1 4602は、2.4GHz周波数帯域においてAP1 4604を発見していることがある。各AP MLDは、2.4、5、および6GHz帯域の各々において1つのリンクである、3つのリンクを有することができる。STA1 4602は、AP MAP内のAP MLDおよびAPに関する更なる情報を問い合わせるために、MAPプローブ要求を送信することができる。4608において、AP MAPシステム内の全てのAPについての情報を要求するプローブ要求を提供することができ、プローブ応答は、システム内のAP MLDおよびそれらの加入しているAPについての完全な情報を有するAP MAP要素を含むことができる。4610において、AP MAPシステム内の特定のAP MLDについての情報を要求するプローブ要求を提供することができ、プローブ応答は、これらの特定のAP MLDについての情報を有するAP MAP要素を含むことができる。図47は、いくつかの実施形態に係る、プローブ要求/応答において要求する/含めることができる情報に対する可能な変形例を示す表である。
【0178】
図48は、いくつかの実施形態に係る、低減された近隣報告(RNR)における可能なAP MAPシグナリングの態様を示す表である。RNRは、場合によっては、同じAP MAPに属する他のAPの帯域外発見、および/またはAP動作パラメータを更新するためのリンク保守のために使用することができる。AP MAPに加入しているAPによって送信されるRNRは、いくつかの実施形態では、AP MAPの一部である報告AP MLDおよび近隣AP MLD内のAPに関する情報を含むことができる。図に示すように、そのようなRNRに含めることができる識別子値は、少なくともいくつかの実施形態によれば、MAP IDと、1つ以上のAP ID、リンクID、および/またはMLD IDとを含むことができる。
【0179】
図49図50は、いくつかの実施形態に係る、AP MAPに使用することができる可能な例示的なRNRフォーマットオプションの態様を示す。図示のように、RNR要素は、(潜在的に)複数の近隣APのための近隣AP情報フィールドを含むことができる。各近隣AP情報要素は、TBTT情報ヘッダと、動作クラスと、チャネル番号と、(複数のTBTT情報フィールドを含むことができる)TBTT情報セットとを含むことができる。いくつかの実施形態では、TBTT情報ヘッダは、TBTT情報フィールドタイプを含むことができ、それは、TBTT情報ヘッダがMLD若しくはMAP STAのためのものである、またはAP発見のためのレガシー802.11ac若しくは802.11ax STAのためのものであるかを識別することができる。図示のように、TBTT情報フィールド内に存在する長さおよびフィールドは、TBTT情報フィールドタイプ値に応じて異なることができる。
【0180】
(例えば、TBTT情報フィールドのMLDパラメータフィールド中の)MLD IDは、同じAP MLDに加入している報告されたAPのリストを識別するために、報告APによって生成することができることに留意されたい。リンクIDは、報告されたAPが加入しているAP MLD内の報告されたAPのリンク識別子を示すことができる。変更シーケンスは、報告されたAPのビーコンに対する重大な更新が発生したときにインクリメントすることができる。報告されたBSSによって送信されるビーコンが、最後の変更シーケンス値更新において値が変更された全てのパラメータを含む場合、含まれる全ての更新フィールドは、1に設定することができる。したがって、報告されたBSSからビーコンを受信することによって、この場合、STAは、少なくともいくつかの実施形態によれば、全ての更新されたパラメータ値を得ることができる。
【0181】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界または政府の要件を満たすまたは超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシおよびプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されないまたは許可されていないアクセスまたは使用のリスクを最小限に抑えるように管理および取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0182】
上述の例示的な実施形態に加えて、本開示の更なる実施形態は、様々な形態のいずれかで実現することができる。例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータにより実施される方法、コンピュータ可読メモリ媒体、またはコンピュータシステムとして実現することができる。他の実施形態は、ASICなどの1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現されてもよい。更なる他の実施形態は、FPGAなどの1つ以上のプログラム可能ハードウェア要素を使用して実現されてもよい。
【0183】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成されてもよく、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれか、または、本明細書に記載された方法の実施形態の組み合わせ、または、本明細書に記載された方法の実施形態のサブセット、または、そのようなサブセットの組み合わせを実行させる。
【0184】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、AP104またはUE106)は、プロセッサ(またはプロセッサのセット)およびメモリ媒体を含むように構成することができる。ここで、メモリ媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成されている。プログラム命令は、本明細書に記載された種々の方法の実施形態の任意のもの(または、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組み合わせ、または、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、または、このようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するために実行可能である。デバイスは、様々な形態のいずれかにおいて実現されてもよい。
【0185】
上記の実施形態は、かなり詳細に記載されているが、上記の開示が完全に理解されれば、多数の変形形態および修正形態が当業者には明らかになる。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形形態および修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。
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【外国語明細書】