(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041246
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】処理システム、処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/279 20200101AFI20240319BHJP
G06F 40/216 20200101ALI20240319BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240319BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06F40/279
G06F40/216
H04M3/56 Z
H04M3/42 P
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145946
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 純一
【テーマコード(参考)】
5B091
5K201
【Fターム(参考)】
5B091AA11
5B091AB17
5K201BB10
5K201DC04
5K201DC05
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】不明語を選定する聴衆者による操作が不要であり、聴衆者が意識することなく不明語を判定することのできる処理システムを提供する。
【解決手段】処理システムは、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する抽出手段と、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する第1特定手段と、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する判定手段と、を備える。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する
抽出手段と、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
テキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する
第1特定手段と、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記第2参加者にとって意味のわからない単語である
不明語と判定する
判定手段と、
を備える処理システム。
【請求項2】
前記テキスト内で使用された各単語の類義語を特定する
第2特定手段、
を備え、
前記第1特定手段は、
前記テキスト内で使用された前記類義語の使用回数を特定し、
前記判定手段は、
前記各単語の使用回数に前記類義語の使用回数を含めて、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記不明語と判定する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記テキストは、
前記第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
メールおよびチャットの少なくとも一方である、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
前記不明語を表示手段に表示させる
表示制御手段、
を備える請求項1から3の何れか一項に記載の処理システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記不明語の説明を
表示手段に表示させる、
請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
Web(World Wide Web)およびデータベースの少なくとも一方において
前記不明語の意味を検索する
検索手段、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記検索手段が検索した前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる、
請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記検索手段が前記Webにおいて検索した前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる場合、
前記Webにおける前記不明語の意味のリンク先を示す情報を
前記表示手段に表示させ、
前記リンク先を前記第2参加者が表示させる操作を行ったことを契機に、
前記不明語とともに前記リンク先の前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる、
請求項6に記載の処理システム。
【請求項8】
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出することと、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
テキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定することと、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記第2参加者にとって意味のわからない単語である
不明語と判定することと、
を含む処理システムが行う処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の処理システムが行う処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理システム、処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやスマートフォンを用いたリモート会議が盛んに行われている。特許文献1には、関連する技術として、不明語による会議(プレゼンテーション)の内容の理解不足を解消することのできる電子会議システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の電子会議システムの技術を用いて不明語による会議の内容の理解不足を解消する場合、聴衆者自身が不明語を選定する操作が必要である。そのため、その聴衆者は、不明語が発言される度にその不明語を選定する操作を行う必要があり、会議における発言に集中できず、その発言を聞き逃してしまう可能性がある。そのため、不明語を選定する聴衆者による操作が不要であり、聴衆者が意識することなく不明語を判定することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできる処理システム、処理方法およびプログラムを提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、処理システムは、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する抽出手段と、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する第1特定手段と、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する判定手段と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理システムが行う処理方法は、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出することと、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定することと、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定することと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、上記の処理システムが行う処理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の各態様によれば、不明語を選定する聴衆者による操作が不要であり、聴衆者が意識することなく不明語を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるWeb会議システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるデータベースの構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による記憶部が記憶するデータテーブルTBL1の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による記憶部が記憶するデータテーブルTBL2の一例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態による表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態による不明語判定システムの構成の一例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態による検索システムの構成の一例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態による関連語抽出システムの構成の一例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態による記憶部が記憶するデータテーブルTBL3の一例を示す図である。
【
図12】本開示の一実施形態による品詞解析システムの構成の一例を示す図である。
【
図13】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第1の図である。
【
図14】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第2の図である。
【
図15】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第3の図である。
【
図16】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第4の図である。
【
図17】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第5の図である。
【
図18】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第6の図である。
【
図19】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第7の図である。
【
図20】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第8の図である。
【
図21】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第9の図である。
【
図22】本開示の一実施形態による処理システムの処理フローの一例を示す第10の図である。
【
図23】本開示の実施形態による処理システムの最小構成を示す図である。
【
図24】本開示の実施形態による最小構成の処理システムの処理フローの一例を示す図である。
【
図25】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
図1は、本開示の一実施形態による処理システム1の構成の一例を示す図である。処理システム1は、
図1に示すように、Web会議システム10、データベース20、端末装置30a、30b、30c、不明語判定システム40、検索システム50、関連語抽出システム60、および品詞解析システム70を備える。以下、端末装置30a、30b、30cを総称して端末装置30という。
【0012】
図2は、本開示の一実施形態によるWeb会議システム10の構成の一例を示す図である。Web会議システム10は、
図2に示すように、変換部101、通信部102、および制御部103を備える。
【0013】
変換部101は、制御部103による制御の下、会議の参加者が発話した音声(以下、単に「音声」と記載)をテキストに変換する。なお、変換部101は、周知の技術を用いて音声をテキストに変換するものであってもよい。
【0014】
通信部102は、制御部103による制御の下、端末装置30および不明語判定システム40と通信を行う。例えば、通信部102は、端末装置30から登録情報を受信する。そして、通信部102は、受信した登録情報を不明語判定システム40に送信する。登録情報は、ユーザ名と、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可とを少なくとも含む情報である。また、通信部102は、端末装置30および不明語判定システム40と通信を行う。例えば、通信部102は、音声、会議で使用する資料などの情報を端末装置30との間で送受信する。また、通信部102は、不明語判定システム40に、変換部101により音声から変換されたテキストを送信する。また、通信部102は、不明語判定システム40から不明語についての説明を受信する。なお、本開示の一実施形態において、不明語の例としては、参加者ごとに使用回数が少ないと判定された単語、専門性や難易度などに基づいて予め定められた単語などが挙げられる。
【0015】
制御部103は、Web会議システム10が行う処理を制御する。例えば、制御部103は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、Web会議システム10(すなわち、変換部101、および通信部102)を制御し、端末装置30に会議で使用する資料、変換部101により音声から変換されたテキスト、不明語の説明などの表示を指示する。不明語についての説明とは、不明語判定システム40から受信した(すなわち、後述するように検索システム50が不明語検索した)URL(Uniform Resource Locator)のリンク先における不明語の説明のことである。また、例えば、制御部103は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、会議で使用する資料、変換部101により音声から変換されたテキスト、不明語の説明などを、端末装置30の後述する表示部302に表示させる。
【0016】
図3は、本開示の一実施形態によるデータベース20の構成の一例を示す図である。データベース20は、
図3に示すように、記憶部201、通信部202、検索部203(第1特定手段の一例)、および制御部204を備える。
【0017】
記憶部201は、会議の参加者ごとのチャットの送信履歴およびメールの送信履歴を記憶する。例えば、通信部202が、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可を用いて、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴へアクセスし、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴を受信した場合、記憶部201は、通信部202が受信したメールの送信履歴およびチャットの送信履歴をユーザ名ごとに関連付けて、データテーブルTBL1として記憶する。
【0018】
図4は、本開示の一実施形態による記憶部201が記憶するデータテーブルTBL1の一例を示す図である。データテーブルTBL1は、
図4に示すように、会議の参加者(
図4では参加者をユーザ名で表されている)ごとのチャットの送信履歴およびメールの送信履歴を示すデータを含むデータテーブルである。例えば、記憶部201は、
図4に示すデータテーブルTBL1を記憶する。なお、このデータテーブルTBL1は、後述する処理システム1が行う処理により生成される。
【0019】
また、記憶部201は、会議の参加者ごとに、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴において使用されている単語およびその単語に関連する関連語ごとの使用回数を記憶する。
図5は、本開示の一実施形態による記憶部201が記憶するデータテーブルTBL2の一例を示す図である。データテーブルTBL2は、
図5に示すように、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴において使用されている単語ごとの使用回数を示すデータを含むデータテーブルである。例えば、記憶部201は、
図5に示すデータテーブルTBL2を記憶する。
【0020】
通信部202は、制御部204による制御の下、不明語判定システム40と通信を行う。例えば、通信部202が受信した登録情報において、検索部203が、ユーザ名と、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可とを特定した場合、通信部202は、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可を用いて、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴へアクセスする。なお、アクセス先は、登録情報に含まれていてもよいし、専用アプリケーションプログラム上で別途指定できるものであってもよい。また、例えば、通信部202は、不明語判定システム40から登録情報を受信する。また、例えば、通信部202は、不明語判定システム40から単語を受信する。また、例えば、通信部202は、後述する検索部203が特定した単語ごとの検索ヒット数を記憶部201から受信する。
【0021】
検索部203は、制御部204による制御の下、通信部202が受信した登録情報において、ユーザ名と、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可とを特定する。また、検索部203は、制御部204による制御の下、特定したユーザ名と同一のユーザ名を、記憶部201が記憶するデータテーブルTBL1において特定する。そして、検索部203は、制御部204による制御の下、特定したメールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可を用いて、記憶部201が記憶するデータテーブルTBL1において、特定したユーザ名に関連付けられているメールの送信履歴およびチャットの送信履歴へアクセスする。また、通信部202が単語と単語の類義語とを受信した場合、検索部203は、制御部204による制御の下、通信部202が受信した単語と単語の類義語を、記憶部201が記憶するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴において検索し、検索にヒットした回数をカウントする。そして、検索部203は、カウント数をデータテーブルTBL2における対応する単語の使用回数として記録する。また、検索部203は、制御部204による制御の下、記憶部201が記憶するチャットの送信履歴およびメールの送信履歴において、通信部202が受信した単語を検索し、単語ごとに検索ヒット数(すなわち、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴における単語ごとの使用回数)を特定する。
【0022】
制御部204は、データベース20が行う処理を制御する。例えば、制御部204は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、データベース20(すなわち、記憶部201、通信部202、および検索部203)を制御する。
【0023】
なお、端末装置30を使用する際に、専用アプリケーションプログラムを介して利用者がその端末装置30にログインできた場合にのみ、データベース20においてその利用者に関連付けられているデータに、不明語判定システム40がアクセス可能となる。
【0024】
端末装置30は、Web会議に参加するための機器である。端末装置30の例としては、PC(Personal Computer)やスマートフォンなどが挙げられる。
図6は、本開示の一実施形態による端末装置30の構成の一例を示す図である。端末装置30は、
図6に示すように、通信部301、表示部302、音声入力部303、音声出力部304、および制御部305(表示制御手段の一例)を備える。
【0025】
通信部301は、制御部305による制御の下、Web会議システム10と通信を行う。例えば、通信部301は、登録情報をWeb会議システム10に送信する。また、例えば、通信部301は、Web会議の資料、変換部101により音声から変換されたテキスト、および音声を、Web会議システム10との間で送受信する。また、例えば、通信部301は、変換部101により音声から変換されたテキストをWeb会議システム10から受信する。また、例えば、通信部301は、不明語についての説明をWeb会議システム10から受信する。
【0026】
表示部302は、制御部305による制御の下、会議で使用する資料、変換部101により音声から変換されたテキスト、不明語の説明などを表示する。
図7は、本開示の一実施形態による表示部302が表示する画像の一例を示す図である。表示部302は、
図7に示すように、第1画像A、第2画像B、第3画像C、および第4画像Dを表示する。例えば、第1画像Aは、会議で使用する資料、Web会議の参加者などの画像である。また、例えば、第2画像Bは、変換部101により音声から変換されたテキストの画像である。また、例えば、第3画像Cは、不明語と判定された単語「脆弱性」を説明するテキストの画像である。また、例えば、第4画像Dは、不明語と判定された単語「セキュリティ」を説明するテキストの画像である。
【0027】
音声入力部303は、制御部305による制御の下、端末装置30を使用している会議の参加者の音声を受ける。例えば、音声入力部303は、制御部305による制御に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わるマイクである。
【0028】
音声出力部304は、制御部305による制御の下、会議の参加者の音声を出力する。例えば、音声出力部304は、制御部305による制御に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わり、また、音声の大きさが切り替わるスピーカである。
【0029】
制御部305は、端末装置30が行う処理を制御する。例えば、制御部305は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、端末装置30(すなわち、通信部301、表示部302、音声入力部303、および音声出力部304)を制御する。
【0030】
なお、本開示の一実施形態では、端末装置30として、端末装置30a、30b、30cの3台を例示しているが、端末装置30の台数は、ユーザの人数に応じて変更されるものであってもよい。
【0031】
図8は、本開示の一実施形態による不明語判定システム40の構成の一例を示す図である。不明語判定システム40は、
図8に示すように、通信部401、判定部402(判定手段の一例)、および制御部403を備える。
【0032】
通信部401は、制御部403による制御の下、Web会議システム10、データベース20、検索システム50、関連語抽出システム60、および品詞解析システム70と通信を行う。例えば、通信部401は、Web会議システム10から登録情報を受信する。そして、通信部401は、受信した登録情報をデータベース20に送信する。また、通信部401は、Web会議システム10からテキストを受信する。そして、通信部401は、受信したテキストを品詞解析システム70に送信する。また、通信部401は、品詞解析システム70によりテキストを品詞ごとに分解された単語を、品詞解析システム70から受信する。そして。通信部401は、品詞解析システム70から受信した単語それぞれを関連語抽出システム60に送信する。また、通信部401は、関連語抽出システム60により抽出された関連語を、関連語抽出システム60から受信する。そして、通信部401は、関連語抽出システム60から受信した単語それぞれをデータベース20に送信する。また、通信部401は、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴において、検索部203が特定した単語ごとの使用回数をデータベース20から受信する。また、通信部401は、単語が不明語であると判定部402が判定した場合、その単語を検索システム50に送信する。また、通信部401は、検索システム50が検索した単語に関連するリンク先を示す情報を、検索システム50から受信する。そして、通信部401は、検索システム50から受信したリンク先を示す情報をWeb会議システム10に送信する。また、通信部401は、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴をユーザ名とともにデータベース20から受信する。そして、通信部401は、受信したチャットの送信履歴およびメールの送信履歴をユーザ名とともに品詞解析システム70に送信する。
【0033】
判定部402は、制御部403による制御の下、通信部401がWeb会議システム10から受信したユーザの音声の内容を示すテキストにおける単語が不明語であるか否かを判定する。例えば、判定部402は、通信部401が品詞解析システム70から受信した単語それぞれをデータベース20に送信する。そして、判定部402は、通信部401がデータベース20から受信した単語ごとの使用回数が、所定の使用回数未満であるか否かを判定する。判定部402は、単語の使用回数が所定の使用回数以上であると判定した場合、その単語は不明語ではないと判定する。また、判定部402は、単語の使用回数が所定の使用回数未満であると判定した場合、その単語は不明語であると判定する。
【0034】
制御部403は、不明語判定システム40が行う処理を制御する。例えば、制御部403は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、不明語判定システム40(すなわち、通信部401および判定部402)を制御する。
【0035】
図9は、本開示の一実施形態による検索システム50の構成の一例を示す図である。検索システム50は、
図9に示すように、通信部501、検索部502(検索手段の一例)、および制御部503を備える。
【0036】
通信部501は、制御部503による制御の下、不明語判定システム40と通信を行う。例えば、通信部501は、不明語判定システム40から単語を受信する。また、例えば、通信部501は、後述する検索部502が特定した単語に関連するリンク先を示す情報を、不明語判定システム40に送信する。
【0037】
検索部502は、制御部503による制御の下、通信部501が不明語判定システム40から受信した単語に関連する情報を検索する。例えば、検索部502は、ウェブブラウザの機能を有し、Web上で不明語判定システム40から受信した単語を検索する。また、例えば、検索部502は、辞書のデータベースにおいて、不明語判定システム40から受信した単語を検索する。検索部502は、検索結果のうち所定数(例えば、5つ)の上位サイトを特定する。そして、検索部502は特定した上位サイトのリンク先を示す情報を特定する。リンク先を示す情報の例としては、URL(Uniform Resource Locator)などが挙げられる。
【0038】
制御部503は、検索システム50が行う処理を制御する。例えば、制御部503は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、検索システム50(すなわち、通信部501および検索部502)を制御する。
【0039】
図10は、本開示の一実施形態による関連語抽出システム60の構成の一例を示す図である。関連語抽出システム60は、
図10に示すように、通信部601、抽出部602(第2特定手段の一例)、制御部603、および記憶部604を備える。
【0040】
通信部601は、制御部603による制御の下、不明語判定システム40と通信を行う。例えば、通信部601は、不明語判定システム40から単語を受信する。また、通信部601は、次に述べる抽出部602が特定した単語の類義語を、不明語判定システム40に送信する。
【0041】
抽出部602は、制御部603による制御の下、通信部601が受信した単語の類義語を検索し、類義語を特定する。例えば、抽出部602は、後述する記憶部604が記憶するデータテーブルTBL3において、通信部601が受信した単語を検索する。そして、抽出部602は、データテーブルTBL3において、検索した単語がヒットした場合、その単語に関連付けられている類義語を所望の類義語と特定する。
【0042】
制御部603は、関連語抽出システム60が行う処理を制御する。例えば、制御部603は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、関連語抽出システム60(すなわち、通信部601および抽出部602)を制御する。
【0043】
記憶部604は、さまざまな単語と、単語それぞれの類義語とを関連付けたデータテーブルTBL3を記憶する。
図11は、本開示の一実施形態による記憶部604が記憶するデータテーブルTBL3の一例を示す図である。
図11に示す例では、単語「単語A」の類義語は、「類義語A1」、「類義語A2」、および「類義語A3」の3つであることが示されている。また、
図11に示す例では、単語「単語B」の類義語は2つであり、単語「単語C」の類義語は4つであることが示されている。
【0044】
図12は、本開示の一実施形態による品詞解析システム70の構成の一例を示す図である。品詞解析システム70は、
図12に示すように、通信部701、解析部702(抽出手段の一例)、および制御部703を備える。
【0045】
通信部701は、制御部703による制御の下、不明語判定システム40からテキストを受信する。また、通信部701は、制御部703による制御の下、後述する解析部702が解析することにより品詞ごとに分解した単語を、不明語判定システム40に送信する。
【0046】
解析部702は、制御部703による制御の下、不明語判定システム40と通信を行う。例えば、解析部702は、通信部701が不明語判定システム40から受信したテキストを解析し、そのテキストを品詞ごとの単語に分解する。また、例えば、解析部702は、通信部701が不明語判定システム40から受信したチャットの送信履歴およびメールの送信履歴に含まれるテキストを解析し、そのテキストを品詞ごとの単語に分解する。なお、解析部702は、周知の技術を用いてテキストにおける単語と品詞とを解析し、そのテキストを品詞ごとの単語に分解するものであってもよい。
【0047】
制御部703は、品詞解析システム70が行う処理を制御する。例えば、制御部703は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、品詞解析システム70(すなわち、通信部701および解析部702)を制御する。
【0048】
以上、処理システム1が行う主な処理を示した。しかしながら、処理システム1が行う処理はほかにもあり、その具体的な処理については、以下で説明される。
【0049】
次に、本開示の一実施形態による処理システム1が行う処理について説明する。ここでは、まず、処理システム1による不明語を説明する機能を利用するすべての参加者に対して、その機能を利用する前に、参加者ごとのメールの送信履歴およびチャットの送信履歴を示すデータテーブルTBL1と、参加者ごとの単語の使用回数を示すデータテーブルTBL2とを生成する処理について説明する。
図13は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第1の図である。
図14は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第2の図である。
図15は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第3の図である。
図16は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第4の図である。以下の説明では、
図13~
図16を参照して、そのすべての参加者のうちの1人である参加者Aについて処理システム1が行う処理について説明するが、参加者Aに対して処理システム1が行う処理と同様の処理が、参加者A以外のそのすべての参加者に対しても行われるものである。なお、以下の説明では、Web会議システム10、データベース20、端末装置30、不明語判定システム40、検索システム50、関連語抽出システム60、品詞解析システム70のそれぞれは、それぞれが備える制御部により制御されることを省略する。しかしながら、その説明を省略した場合であっても、実際には、Web会議システム10、データベース20、端末装置30、不明語判定システム40、検索システム50、関連語抽出システム60、品詞解析システム70のそれぞれは、上述したように、それぞれが備える制御部により制御されるものである。また、以下の説明において、通信部102、202、301、401、501、601、701のそれぞれが行う通信の処理を明確に記載しない場合があるが、その場合であっても実際には、通信部102、202、301、401、501、601、701のそれぞれを介して通信が行われるものである。
【0050】
参加者Aは、例えば、端末装置30aを利用して、専用アプリケーションプログラムを立ち上げ、初期登録の処理を行う。初期登録の処理には、ユーザ名(ここで示す例の場合「参加者A」)と、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可とを少なくとも含む登録情報を端末装置30aに入力する処理が含まれる。参加者Aが端末装置30aに対して登録情報を登録する初期登録の処理を行うと、端末装置30aは、登録情報をWeb会議システム10に送信する(ステップS1)。
【0051】
Web会議システム10は、登録情報を端末装置30aから受信する。Web会議システム10は、受信した登録情報を不明語判定システム40に送信する(ステップS2)。
【0052】
不明語判定システム40は、Web会議システム10から登録情報を受信する。不明語判定システム40は、受信した登録情報をデータベース20に送信する(ステップS3)。
【0053】
検索部203は、通信部202を介して、不明語判定システム40から登録情報を受信する。検索部203は、制御部204による制御の下、受信した登録情報において、ユーザ名と、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可とを特定する(ステップS4)。検索部203は、通信部202を介して、メールの送信履歴およびチャットの送信履歴へのアクセス許可を用いて、例えば、端末装置30が記憶するユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴へアクセスする(ステップS5)。そして、検索部203は、通信部202を介して、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴を端末装置30から受信する(ステップS6)。なお、ここでは、端末装置30がユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴を記憶するものとした。しかしながら、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴は、検索部203が、通信部202を介して、アクセス許可を用いてアクセスし、ユーザ名に対応するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴を受信できるのであれば、どの装置が記憶するものであってもよい。
【0054】
記憶部201は、検索部203が通信部202を介して受信したメールの送信履歴およびチャットの送信履歴をユーザ名に関連付けて記憶する(ステップS7)。上述のステップS1~ステップS7の処理を参加者Aに対して行うことにより、データテーブルTBL1におけるユーザ名が参加者Aのメールの送信履歴およびチャットの送信履歴が生成される。
【0055】
検索部203は、通信部202を介して、ステップS7の処理において記憶部201がユーザ名に関連付けて記憶したメールの送信履歴およびチャットの送信履歴をユーザ名とともに、不明語判定システム40に送信する(ステップS8)。
【0056】
不明語判定システム40は、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴をユーザ名とともにデータベース20から受信する。また、不明語判定システム40は、受信したチャトの送信履歴およびメールの送信履歴をユーザ名とともに品詞解析システム70に送信する(ステップS9)。
【0057】
解析部702は、通信部701を介して、チャットの送信履歴およびメールの送信履歴をユーザ名とともに不明語判定システム40から受信する。解析部702は、受信したチャットの送信履歴およびメールの送信履歴に含まれるテキストを解析し、そのテキストを品詞ごとの単語に分解する(ステップS10)。解析部702は、通信部701を介して、解析部702が解析することにより品詞ごとに分解した単語を、不明語判定システム40に送信する(ステップS11)。
【0058】
不明語判定システム40は、品詞ごとに分解された単語を、品詞解析システム70から受信する。不明語判定システム40は、受信した品詞ごとに分解された単語を、関連語抽出システム60に送信する(ステップS12)。
【0059】
抽出部602は、通信部601を介して、品詞ごとに分解された単語を、不明語判定システム40から受信する。抽出部602は、制御部603による制御の下、受信した単語の類義語を検索し、類義語を特定する(ステップS13)。抽出部602は、通信部601を介して、単語と、抽出部602が特定した単語の類義語とを不明語判定システム40に送信する(ステップS14)。
【0060】
不明語判定システム40は、単語と、単語の類義語とを、関連語抽出システム60から受信する。不明語判定システム40は、受信した単語と、単語の類義語とを、データベース20に送信する(ステップS15)。
【0061】
検索部203は、通信部202を介して、単語と、単語の類義語とを、不明語判定システム40から受信する。検索部203は、単語と単語の類義語とを受信した場合、制御部204による制御の下、受信した単語と単語の類義語を、記憶部201が記憶するメールの送信履歴およびチャットの送信履歴において検索し、検索にヒットした回数をカウントする。そして、検索部203は、カウント数をデータテーブルTBL2における対応する単語の使用回数として記録する(ステップS16)。このステップS16の処理における使用回数の変更により、データテーブルTBL2が生成されたことになる。
【0062】
検索部203は、通信部202を介して、記憶部201が記憶するデータテーブルTBL2における単語の使用回数を正常に変更したことを示す通知を不明語判定システム40に送信する(ステップS17)。不明語判定システム40は、データベース20から通知を受信する(ステップS18)。
【0063】
上述したステップS1~ステップS18の処理により、記憶部201が記憶するデータテーブルTBL1およびデータテーブルTBL2が生成されたことになる。なお、ユーザそれぞれのメールの送信およびチャットの送信が行われる度に(例えば、専用アプリケーションプログラムによりメールの送信およびチャットの送信を検出し、検出する度に)、ステップS5~ステップS18の処理を行うことにより、記憶部201が記憶するデータテーブルTBL1およびデータテーブルTBL2を更新することができる。
【0064】
次に、処理システム1による不明語を説明する機能を利用する処理について説明する。
図17は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第5の図である。
図18は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第6の図である。
図19は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第7の図である。
図20は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第8の図である。
図21は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第9の図である。
図22は、本開示の一実施形態による処理システム1の処理フローの一例を示す第10の図である。以下の説明では、
図17~
図22を参照して、不明語を説明する機能を利用する処理について説明する。ここでは、参加者Aと参加者Bが会議に参加しているものとする。ただし、会議では結論を出すために議論が行われるため、参加者は、発話者でもあり、聴衆者でもある。そのため、参加者Aと参加者Bの両者を発話者でもあり、聴衆者でもあるものとして処理システム1を説明すると、処理システム1が行う処理の説明が煩雑となり、処理システム1が行う処理の理解が困難になると思われる。そこで、以下では、参加者Bの発言を参加者Aが聞いた場合、すなわち、参加者Bが発話者(第1参加者の一例)であり、参加者Aが聴衆者(第2参加者の一例)である場合に、処理システム1が参加者Aに対して不明語を説明する処理について説明する。なお、参加者Aおよび参加者Bは、初期登録の処理を完了しているものとする。また、参加者Aおよび参加者Bは、専用アプリケーションプログラムを介して利用者Aが端末装置30aに、利用者Bが端末装置30bにそれぞれログインしてWeb会議に参加できた状態であるものとする。
【0065】
ここで、参加者Bが会議において発言したとする。端末装置30bの音声入力部303は、参加者Bの音声を受ける。(ステップS41)。端末装置30bの音声入力部303は、受けた参加者Bの音声を、端末装置30bの通信部301を介してWeb会議システム10に送信する(ステップS42)。
【0066】
変換部101は、通信部102を介して、端末装置30bから参加者Bの音声を受ける。変換部101は、受信した参加者Bの音声をテキストに変換する(ステップS43)。制御部103は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、変換部101により参加者Bの音声から変換されたテキストを、端末装置30(端末装置30aおよび端末装置30b)の表示部302に表示させる(ステップS44)。
【0067】
端末装置30aの表示部302は、ステップS44における制御部103の処理により、専用アプリケーションプログラムに従って、参加者Bの音声の内容を示すテキストを表示する(ステップS45)。また、端末装置30bの表示部302は、ステップS44における制御部103の処理により、専用アプリケーションプログラムに従って、参加者Bの音声の内容を示すテキストを表示する(ステップS46)。
【0068】
Web会議システム10は、参加者Bの音声の内容を示すテキストをユーザ名である参加者Bとともに不明語判定システム40に送信する(ステップS47)。不明語判定システム40は、参加者Bの音声の内容を示すテキストをユーザ名である参加者BとともにWeb会議システム10から受信する。不明語判定システム40は、受信した参加者Bの音声の内容を示すテキストをユーザ名である参加者Bとともに品詞解析システム70に送信する(ステップS48)。
【0069】
解析部702は、通信部701を介して、参加者Bの音声の内容を示すテキストをユーザ名である参加者Bとともに不明語判定システム40から受信する。解析部702は、受信した参加者Bの音声の内容を示すテキストを解析し、そのテキストを品詞ごとの単語に分解する(ステップS49)。解析部702は、通信部701を介して、解析部702が解析することにより品詞ごとに分解した単語を、不明語判定システム40に送信する(ステップS50)。
【0070】
不明語判定システム40は、品詞ごとに分解された単語を、品詞解析システム70から受信する。不明語判定システム40は、受信した品詞ごとに分解された単語を、データベース20に送信する(ステップS51)。
【0071】
検索部203は、通信部202を介して、品詞ごとに分解された単語を、不明語判定システム40から受信する。検索部203は、品詞ごとに分解された単語を受信した場合、ユーザごとの単語の使用回数を示すデータテーブルTBL2において参加者Bのユーザを特定する(ステップS52)。また、検索部203は、データテーブルTBL2において品詞ごとに分解された単語に一致する単語を特定する(ステップS53)。そして、検索部203は、データテーブルTBL2において、特定したユーザおよび特定した単語の両方に関連付けられている使用回数を特定する(ステップS54)。例えば、データテーブルTBL2が
図5に示すデータテーブルTBL2の場合、検索部203は、ステップS52の処理において参加者Bのユーザを特定し、ステップS53の処理において「脆弱性」という単語を特定した場合、使用回数を3と特定する。検索部203は、特定した品詞ごとに分解された単語の使用回数を、通信部202を介して不明語判定システム40に送信する(ステップS55)。
【0072】
判定部402は、通信部401を介して、検索部203が特定した品詞ごとに分解された単語の使用回数を、データベース20から受信する。判定部402は、ユーザ(この場合、ユーザB)の音声の内容を示すテキストにおける単語が不明語であるか否かを判定する(ステップS56)。例えば、判定部402は、受信した品詞ごとに分解された単語の使用回数が所定の回数未満であるか否かを判定する。そして、判定部402は、品詞ごとに分解された単語の使用回数が所定の回数未満であると判定した場合、ユーザ(この場合、ユーザB)の音声の内容を示すテキストにおけるその単語が不明語であると判定する。また、判定部402は、品詞ごとに分解された単語の使用回数が所定の回数以上であると判定した場合、ユーザ(この場合、ユーザB)の音声の内容を示すテキストにおけるその単語が不明語ではないと判定する。
【0073】
判定部402は、品詞ごとに分解された単語の使用回数が所定の回数未満であると判定し、ユーザ(この場合、ユーザB)の音声の内容を示すテキストにおける単語が不明語であると判定した場合(ステップS56においてYES)、不明語であると判定した単語を、通信部401を介して検索システム50に送信する(ステップS57)。また、判定部402は、すべての単語が不明語でないと判定した場合(ステップS56においてNO)、処理を終了する。
【0074】
検索部502は、通信部501を介して、不明語であると判定した単語を、不明語判定システム40から受信する。検索部502は、不明語判定システム40から受信した単語に関連する情報を検索する(ステップS58)。例えば、検索部502は、ウェブブラウザの機能を有し、Web上で不明語判定システム40から受信した単語を検索する。また、例えば、検索部502は、辞書のデータベースにおいて、不明語判定システム40から受信した単語を検索する。検索部502は、検索結果のうち所定数(例えば、5つ)の上位サイトを特定する(ステップS59)。そして、検索部502は特定した所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を特定する(ステップS60)。検索部502は、特定した所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を、通信部501を介して不明語判定システム40に送信する(ステップS61)。
【0075】
判定部402は、通信部401を介して、所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を、検索システム50から受信する。判定部402は、不明語であると判定したすべての単語について、所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS62)。判定部402は、不明語であると判定したすべての単語について、所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を受信していないと判定した場合(ステップS62においてNO)、ステップS57の処理に戻す。
【0076】
また、判定部402は、不明語であると判定したすべての単語について、所定数の上位サイトのリンク先を示す情報を受信したと判定した場合(ステップS62においてYES)、不明語であると判定したすべての単語について受信した所定数の上位サイトのリンク先を、通信部401を介してWeb会議システム10に送信する(ステップS63)。制御部103は、通信部102を介して、不明語であると判定したすべての単語について受信した所定数の上位サイトのリンク先を不明語判定システム40から受信する。そして、制御部103は、専用アプリケーションプログラムを実行することにより、その専用アプリケーションプログラムに従って、不明語の説明である所定数の上位サイトのリンク先を、端末装置30(この場合、端末装置30a)の表示部302に表示させる(ステップS64)。端末装置30aの表示部302は、制御部305による制御の下、不明語であると判定したすべての単語についての説明である所定数の上位サイトのリンク先を表示する(ステップS65)。ステップS65の処理において、表示部302が所定数の上位サイトのリンク先を表示することにより、ユーザである参加者Aは、参加者Bが発言した音声のうち、参加者Aになじみの薄い単語である不明語が使用された場合にその不明語のリンク先をクリックすることで不明語の説明を会議中に知ることができ、会議の内容をより理解しやすくなる。
【0077】
上述の実施形態では、Web会議のような会議を想定し、ユーザAを発話者、ユーザBを聴衆者とした。会議中の音声はすべてテキスト化され、ステップS65の処理により、画面上に発話者の発言内容における不明語が表示される。
【0078】
以上、本開示の一実施形態による処理システム1について説明した。処理システム1において、解析部702(抽出手段の一例)は、会議の参加者B(第1参加者の一例)の発言内容における各単語を抽出する。検索部203(第1特定手段の一例)は、前記会議の参加者A(第2参加者の一例)が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する。判定部402(判定手段の一例)は、前記各単語の使用回数が所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する。こうすることにより、不明語を選定する聴衆者による操作が不要であり、聴衆者が意識することなく不明語を判定することができる。
【0079】
なお、本開示の一実施形態による処理システム1は、会議中に発言された音声をテキストに変換したものに対して不明語を特定し、その不明語の説明を説明するリンク先を特定し、そのリンク先を表示されることにより不明語の説明を表示させるものとして説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態による処理システム1は、会議中に発言された音声をテキストに変換したものの代わりに、その会議の議事録が示すテキストに対して不明語を特定し、その不明語の説明を説明するリンク先を特定し、そのリンク先を表示されることにより不明語の説明を表示させるものであってもよい。
【0080】
図23は、本開示の実施形態による処理システム1の最小構成を示す図である。処理システム1は、
図23に示すように、抽出手段801と、第1特定手段802と、判定手段803と、を備える。抽出手段801は、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する。抽出手段801は、例えば、
図12に示す解析部702により実現される。第1特定手段802は、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する。第1特定手段802は、例えば、
図3に示す検索部203により実現される。判定手段803は、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する。判定手段803は、例えば、
図8に示す判定部402により実現される。
【0081】
図24は、本開示の実施形態による最小構成の処理システム1の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成の処理システム1の処理について
図24を参照して説明する。
【0082】
抽出手段801は、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する(ステップS101)。第1特定手段802は、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する(ステップS102)。判定手段803は、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する(ステップS103)。
【0083】
以上、本開示の実施形態による最小構成の処理システム1について説明した。この処理システム1により、不明語を選定する聴衆者(第2参加者)による操作が不要であり、聴衆者が意識することなく不明語を判定することができる。
【0084】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0085】
本開示の実施形態について説明したが、上述の処理システム1、Web会議システム10、データベース20、端末装置30、不明語判定システム40、検索システム50、関連語抽出システム60、品詞解析システム70、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0086】
図25は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図25に示すように、CPU(Central Processing Unit)6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0087】
例えば、上述の処理システム1、Web会議システム10、データベース20、端末装置30、不明語判定システム40、検索システム50、関連語抽出システム60、品詞解析システム70、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0088】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0089】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0091】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0092】
(付記1)
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する
抽出手段と、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
テキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する
第1特定手段と、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記第2参加者にとって意味のわからない単語である
不明語と判定する
判定手段と、
を備える処理システム。
【0093】
(付記2)
前記テキスト内で使用された各単語の類義語を特定する
第2特定手段、
を備え、
前記第1特定手段は、
前記テキスト内で使用された前記類義語の使用回数を特定し、
前記判定手段は、
前記各単語の使用回数に前記類義語の使用回数を含めて、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記不明語と判定する、
付記1に記載の処理システム。
【0094】
(付記3)
前記テキストは、
前記第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
メールおよびチャットの少なくとも一方である、
付記1または2に記載の処理システム。
【0095】
(付記4)
前記不明語を表示手段に表示させる
表示制御手段、
を備える付記1から3の何れか一項に記載の処理システム。
【0096】
(付記5)
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記不明語の説明を
表示手段に表示させる、
付記4に記載の処理システム。
【0097】
(付記6)
Web(World Wide Web)およびデータベースの少なくとも一方において
前記不明語の意味を検索する
検索手段、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記検索手段が検索した前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる、
付記5に記載の処理システム。
【0098】
(付記7)
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記検索手段が前記Webにおいて検索した前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる場合、
前記Webにおける前記不明語の意味のリンク先を示す情報を
前記表示手段に表示させ、
前記リンク先を前記第2参加者が表示させる操作を行ったことを契機に、
前記不明語とともに前記リンク先の前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる、
付記6に記載の処理システム。
【0099】
(付記8)
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出することと、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行った通信において送信した
テキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定することと、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を
前記第2参加者にとって意味のわからない単語である
不明語と判定することと、
を含む処理システムが行う処理方法。
【0100】
(付記9)
付記8に記載の処理システムが行う処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0101】
1・・・処理システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・Web会議システム
20・・・データベース
30、30a、30b、30c・・・端末装置
40・・・不明語判定システム
50・・・検索システム
60・・・関連語抽出システム
70・・・品詞解析システム
101・・・変換部
102、202、301、401、501、601、701・・・通信部
103、204、305、403、503、603、703・・・制御部
201、604・・・記憶部
203、502・・・検索部
302・・・表示部
303・・・音声入力部
304・・・音声出力部
402・・・判定部
602・・・抽出部
702・・・解析部
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する
抽出手段と、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行ったメールおよびチャットの少なくとも一方の通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する
第1特定手段と、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する
判定手段と、
を備える処理システム。
【請求項2】
前記テキスト内で使用された各単語の類義語を特定する
第2特定手段、
を備え、
前記第1特定手段は、
前記テキスト内で使用された前記類義語の使用回数を特定し、
前記判定手段は、
前記各単語の使用回数に前記類義語の使用回数を含めて、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記不明語と判定する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記不明語を表示手段に表示させる表示制御手段を備える
請求項1または2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記不明語とともに前記不明語の説明を表示手段に表示させる、
請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
Web(World Wide Web)およびデータベースの少なくとも一方において、前記不明語の意味を検索する検索手段を備え、
前記表示制御手段は、前記不明語とともに前記検索手段が検索した前記不明語の意味を前記表示手段に表示させる、
請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記不明語とともに前記検索手段が前記Webにおいて検索した前記不明語の意味を
前記表示手段に表示させる場合、
前記Webにおける前記不明語の意味のリンク先を示す情報を前記表示手段に表示させ、
前記リンク先を前記第2参加者が表示させる操作を行ったことを契機に、前記不明語とともに前記リンク先の前記不明語の意味を前記表示手段に表示させる、
請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
処理システムが、
会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出し、
前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行ったメールおよびチャットの少なくとも一方の通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定し、
前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する、
処理方法。
【請求項8】
処理システムが、
前記テキスト内で使用された各単語の類義語を特定し、
前記テキスト内で使用された前記類義語の使用回数を特定し、
前記各単語の使用回数に前記類義語の使用回数を含めて、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、
使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記不明語と判定する、
請求項7に記載の処理方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、処理システムは、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出する抽出手段と、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行ったメールおよびチャットの少なくとも一方の通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定する第1特定手段と、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する判定手段と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、処理システムが、会議の第1参加者の発言内容における各単語を抽出し、前記会議の第2参加者が前記会議よりも前に行ったメールおよびチャットの少なくとも一方の通信において送信したテキスト内で使用された前記各単語の使用回数を特定し、前記各単語の使用回数それぞれについて所定の使用回数未満であるか否かを判定し、使用回数が所定の使用回数未満であると判定した単語を前記第2参加者にとって意味のわからない単語である不明語と判定する、処理方法である。