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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004453
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】鍵管理装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072594
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2022103919の分割
【原出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】596179988
【氏名又は名称】株式会社ドッドウエルビー・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼堂 博司
(72)【発明者】
【氏名】宗像 忠夫
(72)【発明者】
【氏名】上村 英明
(72)【発明者】
【氏名】井上 正之
(57)【要約】
【課題】人手による鍵の受け渡しを不要とし、鍵の管理に係る経費を抑制しつつ、複数の建物を保守、管理する場合であっても、煩雑な管理を行うことなく、立入制限区画の鍵を貸借することができ、保守作業の遅延を抑制することが可能な鍵管理システム、及び鍵管理装置を提供する。
【解決手段】鍵管理サーバ30は、建物内の立入制限区画への進入を防止するための鍵を収納する鍵収納箱10と通信接続されている。鍵管理サーバ30は、鍵の利用予定と不動産番号を含む建物識別情報を対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、建物識別情報を含み、鍵収納箱の解錠を要求する解錠要求信号を取得する解錠要求信号取得部と、鍵利用予定情報に含まれる建物識別情報と、解錠要求信号に含まれる建物識別情報とを照合する照合部と、照合結果に基づいて、鍵収納箱の解錠を許可する解錠許可信号出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵を収納する鍵収納箱と通信回線を介して接続されて、前記鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、
前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、
前記建物識別情報を含み、前記鍵収納箱の解錠を要求する解錠要求信号を取得する解錠要求信号取得部と、
前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記解錠要求信号に含まれる前記建物識別情報と、を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵収納箱の解錠を許可する解錠許可信号を出力する解錠許可信号出力部と、を備えることを特徴とする鍵管理装置。
【請求項2】
建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、
前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、
前記建物識別情報を含み、前記鍵の利用を要求する鍵利用要求信号を取得する鍵利用要求信号取得部と、
前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記鍵利用要求信号に含まれる前記建物識別情報と、を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵の利用を許可する鍵利用許可信号を出力する鍵利用許可信号出力部と、を備えることを特徴とする鍵管理装置。
【請求項3】
前記鍵管理装置は、
前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を記憶する鍵利用履歴記憶部と、
前記鍵の利用者の撮影画像を記憶する撮影画像記憶部と、
前記利用実績及び前記撮影画像を取得して、前記鍵利用履歴記憶部及び前記撮影画像記憶部に格納する鍵利用履歴更新部と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記鍵利用実績情報は、前記鍵が利用された前記建物識別情報と、前記撮影画像を特定可能な撮影画像特定情報と、が対応付けられており、
前記鍵管理装置は、前記建物識別情報の入力を受け付けて、該建物識別情報と対応付けられた前記撮影画像特定情報に基づいて、前記撮影画像記憶部から前記撮影画像を抽出して出力する撮影画像抽出部を備えることを特徴とする請求項3に記載の鍵管理装置。
【請求項5】
前記鍵利用予定情報は、前記鍵の利用者を認証するための認証情報を含み、
前記照合部は、前記鍵利用予定情報に含まれる前記認証情報と、前記鍵の利用者によって入力された前記認証情報と、を照合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理装置に係り、特に集合住宅や商業施設等で用いられる鍵管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、集合住宅、又は商業施設等の建物には、電気室、エレベータ機械室、及び貯水槽室等の共用設備が設置された立入制限区画が存在する。このような立入制限区画は、鍵によって施錠管理されて、入室が制限されている。そのため、保守作業者が共用設備の保守作業を行う際には、管理人、又は警備担当者から、立入制限区画に入室するための鍵を借り受ける必要がある。したがって、管理人又は警備担当者が不在の場合には、鍵を借り受けることができないだけでなく、保守作業の遅延を招くこととなる。
【0003】
そこで、従来から、建物の管理人、又は警備担当者が不在であっても鍵の貸借及び返却を可能とする鍵管理システムが提案されている。特許文献1には、カードリーダを備え、ICカードに記録された認証情報と、予め登録された照合用認証情報を照合し、照合に成功すると解錠される鍵収納ボックスが開示されている。このような鍵収納ボックスを建物のエントランスに設置することによって、事前にICカードの所持を許可された保守作業者は、管理人又は警備担当者が不在であっても鍵収納ボックスに収納された鍵を借り受けることができ、建物内の立入制限区画に入室して設備の保守作業を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-307061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示された技術により、管理人や警備担当者が不在の場合であっても、保守作業者は、鍵収納ボックスに収納された鍵を借り受けることが可能となり、立入制限区画における保守作業の遅延を抑制することができる。しかしながら、特許文献1に開始された技術は、保守契約を締結する保守事業者及び建物の管理業者にとって、以下のような問題があった。
【0006】
保守事業者は、通常、複数の建物の共用設備について保守契約を締結する。この場合、保守事業者は、各々の建物について事前にICカードを申請して借り受ける必要があり、保守契約を締結した建物の数が増加するにつれて、ICカードの管理が煩雑になるという問題があった。
【0007】
これは、複数の建物を管理する管理業者にとっても同様に発生する問題である。すなわち、管理業者は、管理対象の建物のそれぞれについてICカードを発行し、保守事業者への貸与及び返却を管理する必要があり、管理が煩雑になるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、人手による鍵の受け渡しを不要とし、もって鍵の管理に係る経費を抑制することにある。
また、本発明の他の目的は、複数の建物を保守、管理する場合であっても、煩雑な管理を行うことなく、立入制限区画の鍵を貸借することができ、保守作業の遅延を抑制することが可能な鍵管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の鍵管理装置によれば、建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵を収納する鍵収納箱と通信回線を介して接続されて、前記鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、前記建物識別情報を含み、前記鍵収納箱の解錠を要求する解錠要求信号を取得する解錠要求信号取得部と、前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記解錠要求信号に含まれる前記建物識別情報と、を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵収納箱の解錠を許可する解錠許可信号を出力する解錠許可信号出力部と、を備えることにより解決される。
【0010】
前記課題は、本発明の鍵管理装置によれば、建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、前記建物識別情報を含み、前記鍵の利用を要求する鍵利用要求信号を取得する鍵利用要求信号取得部と、前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記鍵利用要求信号に含まれる前記建物識別情報と、を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵の利用を許可する鍵利用許可信号を出力する鍵利用許可信号出力部と、を備えることにより解決される。
【0011】
上記構成によれば、鍵管理装置は、鍵の利用予定と建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶した鍵利用予定情報記憶手段を有している。保守作業者は、鍵管理装置に対して建物識別情報を含む解錠要求信号を送信する。鍵管理装置は、解錠要求信号に含まれる建物識別情報と、鍵利用予定情報に含まれる建物識別情報とを照合し、照合に成功すると、鍵収納箱の開閉扉の解錠を許可する解錠許可信号を出力する。これにより、建物の管理人又は警備担当者が不在であっても、保守作業者は建物の立入制限区画の鍵を借り受けることができ、人手による鍵の受け渡しが不要となり、鍵管理に係る経費を抑制することが可能となる。さらに、複数の建物を保守、管理する場合であっても、複数のICカードを管理する手間が不要となり、鍵の利用予定を鍵管理装置に登録しておくだけで鍵を貸借することができ、共用設備の保守作業の遅延を抑制することが可能となる。
【0012】
また、前記鍵管理装置は、前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を記憶する鍵利用履歴記憶部と、前記鍵の利用者の撮影画像を記憶する撮影画像記憶部と、前記利用実績及び前記撮影画像を取得して、前記鍵利用履歴記憶部及び前記撮影画像記憶部に格納する鍵利用履歴更新部と、を備えると好適である。
【0013】
また、前記鍵利用実績情報は、前記鍵が利用された前記建物識別情報と、前記撮影画像を特定可能な撮影画像特定情報と、が対応付けられており、前記鍵管理装置は、前記建物識別情報の入力を受け付けて、該建物識別情報と対応付けられた前記撮影画像特定情報に基づいて、前記撮影画像記憶部から前記撮影画像を抽出して出力する撮影画像抽出部を備えると好適である。
【0014】
また前記鍵利用予定情報は、前記鍵の利用者を認証するための認証情報を含み、前記照合部は、前記鍵利用予定情報に含まれる前記認証情報と、前記鍵の利用者によって入力された前記認証情報と、を照合すると好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の鍵管理装置によれば、人手による鍵の受け渡しが不要となり、鍵の管理に係る経費を抑制することが可能となる。
また、本発明の鍵管理装置によれば、複数の建物を保守、管理する場合であっても、煩雑な管理を行うことなく、立入制限区画の鍵を貸借することができ、共用設備の保守作業の遅延を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】鍵管理システムの概要を説明する図である。
図2】鍵収納ボックスの正面図である。
図3A】閉鎖状態にある鍵収納ボックスの斜視図である。
図3B】開放状態にある鍵収納ボックスの斜視図である。
図4】鍵収納ボックスの構成を示す図である。
図5】鍵管理サーバの構成を示す図である。
図6】鍵利用予定データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図7】鍵利用履歴データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図8】保守業者端末の構成を示す図である。
図9】鍵貸出処理のシーケンスを示す図である。
図10】変形例に係る鍵収納ボックスの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1から図9を参照しながら、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る鍵管理システム1について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0018】
本発明の鍵管理システムは、作業者が、建物の管理者又は警備担当者が不在の際に、建物内の立入制限区画に入室するための鍵を貸借するために用いられる。ここで建物とは、住宅、商業施設、及び工場を含む建築物であって、土地を除く不動産である。以下の説明において、鍵管理システムは、集合住宅で用いられることとして説明するが、これに限定されない。鍵管理システムは、商業施設や、一般の住宅で用いることができる。
また、立入制限区画とは、施錠管理が行われることによって立ち入りが制限された部屋、又は空間である。立入制限区画には、住居、管理人室、警備室、及び設備室が含まれ、設備室には、電気設備(受変電設備等)が設置された電気室、エレベータ機械が設置されたエレベータ機械室、貯水槽が設置された貯水槽室が含まれる。
【0019】
本明細書において用いられる「不動産ID」とは、不動産登記簿上の不動産番号(不動産登記された建物に対して付与される識別番号)を含み、土地及び建物を一意に識別可能な識別情報である。不動産IDは、不動産番号そのものであってもよいし、建物を構成するフロア、又は部屋(区分)を特定するための特定情報を更に含んでいてもよい。
後述するように、保守対象の建物を、不動産IDを用いて特定することによって、複数の保守対象の建物を一意に特定することができる。また、公衆に利用可能な不動産番号によって不動産IDを構成することにより、建物内の設備の保守に関する履歴情報を蓄積し、不動産関連情報として公衆による利用に供することが可能となる。
【0020】
<鍵管理システム1の概要>
図1は、鍵管理システム1の概要を示す図である。
鍵管理システム1は、集合住宅Hのエントランスホール、又は管理人室に設置された鍵収納ボックス10と、鍵収納ボックス10に収納された鍵の利用を管理する鍵管理サーバ30と、から主に構成されている。保守業者端末50は、集合住宅Hの設備の保守作業者によって操作され、設備室に入室するための鍵の利用予定の入力、又は鍵収納ボックス10の解錠を依頼するために用いられる。鍵収納ボックス10、鍵管理サーバ30、及び保守業者端末50は、インターネット等の公衆に利用可能な通信回線によって相互に通信可能に接続されている。
【0021】
鍵管理サーバ30は、集合住宅Hを管理する管理業者、又は管理業者から委託を受けた委託業者によって運用される情報通信サーバである。鍵管理サーバ30は、集合住宅Hの鍵収納ボックス10と電気通信回線を通じて接続されて、鍵収納ボックス10に収納された鍵の管理及び監視を行うために用いられる。鍵管理サーバ30は、鍵管理装置に相当する。
【0022】
鍵収納ボックス10は、集合住宅Hの設備室への入室を制限するための鍵を収納している。鍵収納ボックス10は、施錠管理されており、鍵管理サーバ30が送信する解錠許可信号及び解錠操作に基づいて解錠される。
鍵収納ボックス10には、集合住宅Hの管理人室の鍵が収納されていてもよい。この場合、保守作業者は、鍵収納ボックス10に収納された管理人室の鍵を入手して管理人室に入室し、その後、管理人室内に保管された設備室の鍵を入手することができる。
【0023】
保守業者端末50は、集合住宅Hの保守作業者、及び保守作業の責任者が利用する情報通信端末である。具体的には、保守業者端末50は、スマートフォン、タブレット端末、PDAやデスクトップPCである。
【0024】
以下に、保守作業者が集合住宅Hの設備室の鍵を借り受ける際の流れを図1を参照して説明する。
[1]保守作業者は、保守作業に先立って、保守事業者名、認証番号、集合住宅Hの不動産ID、保守予定日時、保守対象の設備室に関する情報を含む鍵利用予定情報を鍵管理サーバ30に送信して登録する。なお、鍵利用予定情報の登録に先立って、保守事業者の登録を行うこととしてもよい。
【0025】
[2]保守作業の当日、保守作業者は、保守業者端末50を操作して、エントランスホールに設置された鍵収納ボックス10に付されたQRコード(登録商標)14aを読み取る。QRコードには、集合住宅Hの不動産IDが符号化された状態で表示されている。そのため、保守業者端末50は、QRコードを読み取ることによって、集合住宅Hの不動産IDを取得することができる。
[3]次に、保守業者端末50は、保守作業者の操作によって、保守事業者名、不動産ID、現在時刻、認証番号を含む解錠要求信号を鍵管理サーバ30に送信する。ここで認証番号は、保守作業者を正当な作業者として認証するために用いられる情報であって、保守業者端末50を操作する保守作業者によって入力される。
【0026】
[4]解錠要求信号を受信した鍵管理サーバ30は、予め登録された鍵利用予定情報と解錠要求信号を照合する。より詳細には、鍵利用予定情報及び解錠要求信号に含まれる保守事業者名、不動産ID、時刻情報、及び認証番号を比較し、所定の照合条件を満たすか否かを判定する。
[5]照合に成功した場合、鍵管理サーバ30は、鍵収納ボックス10に解錠許可信号を送信する。これにより、保守作業者は、管理人が不在であっても鍵収納ボックス10を解錠することが可能となる。
【0027】
[6]鍵収納ボックス10が解錠許可信号を受信すると、鍵収納ボックス10の解錠操作が有効化される。保守作業者が解錠操作を行うと、鍵収納ボックス10に配設されたカメラ17によって、保守作業者の撮影が行われる。
[7]撮影と同時、又は撮影の終了後に、鍵収納ボックス10の開閉扉12が解錠される。これにより、保守作業者は、設備室の鍵を入手することが可能となる。
【0028】
[8]鍵収納ボックス10が解錠されると、鍵利用実績情報が鍵収納ボックス10から鍵管理サーバ30に送信される。鍵利用実績情報は、鍵収納ボックス10が解錠された時刻情報、及び(6)で撮影された保守作業者の撮影画像を含んでいる。
[9]鍵管理サーバ30は、鍵収納ボックス10から鍵利用実績情報を受信すると、不動産IDと対応付けて記憶する。これにより、撮影画像を閲覧する際に、不動産IDで撮影画像を絞り込んで閲覧することが可能となり、管理業者による監視業務の負担の軽減を図ることが可能となる。
【0029】
以上が、集合住宅Hの保守作業者が設備室の鍵を借り受ける際の流れである。また、保守作業者は、鍵を借り受ける場合と同様に、上記の[2]から[9]の流れによって、鍵を返却することができる。
以上のように、保守作業者は、鍵の利用予定情報を事前に登録することにより、管理人や警備担当者が不在であっても、設備室に入室して保守業務を行うことが可能となり、保守作業の遅延を抑制することが可能となる。
また、保守事業者は、集合住宅毎に発行されるICカードの携行や管理を行うことなく、円滑に複数の集合住宅Hの設備室に入室して保守作業を行うことが可能となる。
【0030】
<鍵収納ボックス10の外観>
図2図3A及び図3Bは、鍵収納ボックス10の外観を示している。図2は、鍵収納ボックス10の正面図である。図3Aは、鍵収納ボックス10の開閉扉12が鍵収納空間Sを閉鎖した状態の斜視図である。図3Bは、鍵収納ボックス10の開閉扉12が鍵収納空間Sを開放した状態の斜視図である。
【0031】
図2及び図3Aに示すように、鍵収納ボックス10は、鍵収納箱本体11と、ヒンジ13を介して鍵収納箱本体11に対して開閉可能に設けられた開閉扉12と、を主な構成として有している。
鍵収納箱本体11は、上壁11a、前壁11b、左右の側壁11c、及び底壁11dからなる略直方体形状を有している。そして、前壁11bには、不動産ID表示部14が形成されているとともに、解錠ボタン15、LED照明部16、カメラ17、及び状態表示LED18が配設されている。また、鍵収納箱本体11には、図3Bに示すように、下方側において鍵を収納可能な鍵収納空間Sが形成されている。
【0032】
不動産ID表示部14には、不動産IDを二次元コード化したQRコード14aが印刷表示されている。不動産ID表示部14は、建物識別情報記憶媒体、及び二次元コード表示媒体に相当する。
なお、不動産ID表示部14は、QRコード14aの印刷表示に限定されない。例えば、前壁11bに液晶表示器を配設し、液晶表示器にQRコード14aを表示させることによって不動産IDが表示されてもよい。また、QRコード以外の二次元コードを用いて不動産IDが表示されることとしてもよい。不動産IDは、建物識別情報に相当する。
【0033】
解錠ボタン15は、開閉扉12を解錠するために押下されるボタンである。解錠ボタン15は、鍵管理サーバ30から解錠許可信号を受信すると有効化される。解錠ボタン15が有効化されたタイミングで解錠ボタン15を押下することによって、後述するカメラ17による撮影が行われるとともに、施錠装置19(図3Bを参照)を制御して開閉扉12を解錠することができる。解錠ボタン15は、解錠操作手段に相当する。
カメラ17は、解錠ボタン15の上方であって、解錠ボタン15と隣接する位置に配設されている。カメラ17は、解錠ボタン15と対向する位置で解錠ボタン15を操作する操作者(保守作業者)を撮影することが可能な位置及び方向に配設されている。カメラ17は、撮影装置に相当する。
【0034】
後述するように、保守作業者が解錠ボタン15を操作したことを契機として、カメラ17による操作者の撮影が行われる。解錠ボタン15をカメラ17の下方に配置することによって、解錠ボタン15を右手で押下した場合であっても、左手で押下した場合であっても、手指や前腕によってカメラ17の撮影領域が覆われることなく保守作業者を撮影することが可能となる。
【0035】
LED照明部16は、カメラ17の上方に配設されている。LED照明部16は、複数のLED(Light Emitting Diode)を内蔵し、解錠ボタン15を操作する保守作事業者に対して白色光を出力する。LED照明部16を、カメラ17の撮影タイミングに合わせて点灯するように制御することによって、周囲の明るさが不足する状況においても、保守作業者の顔を明瞭に撮影することが可能となる。
【0036】
状態表示LED18は、カメラ17の側方(図2においてカメラ17の左側)に配設されている。状態表示LED18は、通電状態表示LED18aと、解錠許可状態表示LED18bと、を有している。
通電状態表示LED18aは、鍵収納ボックス10の通電状態を報知する役割を担う。詳細に説明すると、通電状態表示LED18aは、鍵収納ボックス10に対する通電状態が良好な場合に緑色に点灯し、停電時、又は電源電圧が低下した場合には消灯もしくは赤色に点灯することによって通電状態を報知する。
【0037】
解錠許可状態表示LED18bは、解錠許可状態(解錠ボタン15が有効化されている状態であって、解錠ボタン15を押下することによって鍵収納ボックス10を解錠することが可能な状態)を報知する役割を担う。詳細に説明すると、解錠許可状態表示LED18bは、鍵管理サーバ30から後述する解錠許可信号を受信した際に、所定時間(例えば30秒)点灯する。これにより、保守作業者に対して解錠許可状態を報知するとともに、解錠ボタン15の押下を促すことが可能となる。
なお、状態表示LED18は、通電状態、及び解錠許可状態の報知に限定されない。状態表示LED18は、開閉扉12の施錠、又は解錠の状態を表示することとしてもよい。
【0038】
鍵収納箱本体11の上方には、制御装置22及び通信装置21(図4を参照)が収納されている。通信装置21は、鍵管理サーバ30とインターネット等の通信回線を介して通信可能な通信インターフェース回路である。通信装置21は、カメラ17によって取得された撮影画像を鍵管理サーバ30に送信する。通信装置21は、撮影画像送信部に相当する。制御装置22については後述する。
【0039】
図2及び図3Bに示すように、鍵収納箱本体11の下端には、ヒンジ13が取り付けられており、開閉扉12を開閉可能に連結している。
開閉扉12は、鍵収納ボックス10の下方側に位置し、鍵収納空間Sを開放、又は閉鎖する。開閉扉12は、図3A及び図3Bに示すように、上壁12aと、前壁12bと、左右の側壁12cと、底壁12dと、を有している。
【0040】
開閉扉12の前壁12bには、開閉扉12の開閉を規制する施錠装置19と、シリンダー錠20が取り付けられている。施錠装置19は、上下に昇降可能なロック部材19aと、ロック部材19aを駆動する駆動部材19bと、から構成されている。ロック部材19aは、上方に変位することによって開閉扉12の開閉を規制するとともに、下方に変位することによって開閉扉12の開閉を許可する。駆動部材19bは、後述する制御装置22が出力する制御信号に基づいて、ロック部材19aを上下に駆動する。
【0041】
シリンダー錠20は、停電等が発生した際に、非常用の鍵を用いて開閉扉12を解錠するために用いられる。シリンダー錠20に非常用の鍵を挿入して回転操作することによって、ロック部材19aを上下に昇降させることができる。
【0042】
<鍵収納ボックス10の機能構成>
次に、鍵収納ボックス10の機能構成について説明する。
図4は、鍵収納ボックス10の機能構成を示している。図4に示すように、制御装置22は、解錠ボタン15、カメラ17、LED照明部16、施錠装置19、通信装置21と接続されて、鍵収納ボックス10の制御を司る。制御装置22は、プロセッサと、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、を有している。制御装置22のプロセッサが、不揮発性メモリに格納されたプログラムを読み込んで順次実行することによって、制御装置22は、後述する解錠許可信号取得部23、撮影制御部24、施錠制御部25、及び状態制御部26として機能する。
【0043】
解錠許可信号取得部23は、通信装置21を介して鍵管理サーバ30から解錠許可信号を取得する。解錠許可信号取得部23は、解錠許可信号を受信すると、解錠許可状態表示LED18bが点灯するように制御する。また、解錠許可信号取得部23は、解錠許可信号を受信したことを撮影制御部24及び状態制御部26に通知する。これにより、カメラ17によって保守作業者を撮影することが可能となる。
【0044】
撮影制御部24は、解錠許可信号取得部23から解錠許可信号の通知を受けると、解錠ボタン15に対する操作を有効化する。換言すると、撮影制御部24は、解錠許可信号の通知を受けてから所定時間(例えば30秒間)、解錠ボタン15が押下されるまで待機する。そして、解錠ボタン15が押下されると、撮影制御部24は、LED照明部16を点灯させることによって保守作業者を明るく照らすとともに、カメラ17で保守作業者を撮影する。また、撮影制御部24は、撮影と同時、又は撮影の終了後に施錠制御部25に対して解錠信号を出力する。
解錠許可信号取得部23から解錠許可信号の通知を受けてから所定時間内に解錠ボタン15が操作されなかった場合、解錠ボタン15は無効化される。換言すると、撮影制御部24は、解錠ボタン15が操作されても撮影を行わず、施錠制御部25に対して解錠信号を出力しない。
【0045】
施錠制御部25は、撮影制御部24から解錠信号を受信すると、施錠装置19を制御して開閉扉12を解錠する。具体的には、撮影制御部24は、駆動部材19bに対して駆動信号を出力することにより、ロック部材19aを下方に変位させる。
また、施錠制御部25は、施錠装置19を解錠した時刻、及びカメラ17によって取得された保守作業者の撮影画像からなる鍵利用実績情報を、通信装置21を介して鍵管理サーバ30に送信する。
【0046】
状態制御部26は、解錠許可信号取得部23から解錠許可信号の通知を受けると、カメラ17をスリープ状態から通常状態に遷移させる。ここで通常状態とは、カメラ17が通常の消費電力で動作する状態であって、カメラ17の前方に位置する被写体に対して自動的に焦点を合わせて撮影を行うことができる状態である。一方、スリープ状態(低消費電力状態に相当する)とは、通常状態の消費電力よりも低い消費電力で動作する状態である。換言すると、低消費電力状態は、解錠許可信号を受信待機している状態であって、被写体を撮影することはできない。
状態制御部26は、カメラ17を通常状態と低消費電力状態との間で遷移させるように制御する。また、状態制御部26は、解錠許可信号を取得すると、カメラ17を低消費電力状態から通常状態に遷移させるとともに、撮影が終了した後に、カメラ17を通常状態から低消費電力状態に遷移させる。これにより、カメラ17の消費電力を抑制することができ、鍵管理システム1の省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。
【0047】
<鍵管理サーバ30の構成>
次に、鍵管理サーバ30の構成について説明する。
図5は、鍵管理サーバ30の構成を示している。図5に示すように、鍵管理サーバ30は、入力装置31、通信装置32、記憶部33、及び制御装置38を、主な構成として有している。
入力装置31は、キーボードやマウスからなる入力デバイスであり、鍵管理サーバ30を管理する管理者等の入力を受け付けることができる。
【0048】
通信装置32は、インターネット等の電気通信回線に接続され、鍵収納ボックス10や保守業者端末50と双方向でデータ通信を行う。具体的には、通信装置32は、鍵収納ボックス10に対して解錠許可信号を送信するとともに、保守業者端末50から解錠要求信号を受信する。
【0049】
記憶部33は、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の補助記憶装置である。記憶部33には、保守事業者データベース34と、鍵利用予定データベース35と、鍵利用履歴データベース36と、撮影画像記憶部37と、が格納されるとともに、後述する制御装置38が実行するプログラムが格納されている。
【0050】
保守事業者データベース34は、鍵管理システム1を利用する保守事業者に関する情報を格納している。より詳細には、保守事業者データベース34は、建物の設備室における保守作業を行う保守事業者を特定可能な保守事業者名、住所、及び連絡先を格納している。また、保守事業者データベース34は、保守作業を行う保守作業者(担当者)、及び責任者の氏名を格納することとしてもよい。
【0051】
鍵利用予定データベース35は、設備室の鍵の利用予定に関する情報を格納している。鍵利用予定データベース35は、保守作業者又は責任者が保守業者端末50を介して鍵管理サーバ30にアクセスして更新される。ただし、鍵利用予定データベース35は、集合住宅Hの管理人によって更新されることとしてもよい。鍵利用予定データベース35は、鍵利用予定情報記憶部に相当する。
【0052】
図6は、鍵利用予定データベース35のデータ構造の一例を示している。図6に示すように、鍵利用予定データベース35は、保守IDと、保守事業者と、認証番号と、不動産IDと、保守予定日と、保守予定時刻と、保守対象と、を含むデータレコードから構成されてる。
【0053】
保守IDは、保守作業を特定可能な識別番号である。
保守事業者は、保守契約を結んだ保守事業者の名称が格納されるが、これに限定されない。保守作業を行う予定の保守作業者(担当者)、又は責任者を特定可能な情報が格納されてもよい。
認証番号は、保守作業者の正当性を認証するために、保守作業者又は建物の管理人によって秘密に管理される情報であって、後述する照合部42が解錠要求信号と鍵利用予定情報とを照合する際に用いられる情報である。
【0054】
不動産IDは、保守対象の建物を一意に特定可能な識別情報である。保守対象を不動産IDによって特定することで、複数の保守対象の建物を効率的に管理することができるとともに、保守対象の建物を混同してしまう事態の発生を回避することができる。
保守予定日及び保守予定時刻は、予め定められた保守計画に基づいて定められる保守予定日時である。
保守対象は、保守の対象とする設備、又は設備が設置された設備室を特定可能な情報である。
【0055】
図5に戻って、鍵利用履歴データベース36は、設備室の鍵の利用実績に関する情報が格納されている。鍵利用履歴データベース36は、鍵利用履歴更新部44によって更新される。ただし、鍵利用履歴データベース36は、集合住宅Hの管理人によって更新されることとしてもよい。
【0056】
図7は、鍵利用履歴データベース36のデータ構造の一例を示している。図7に示すように、鍵利用履歴データベース36は、保守IDと、保守事業者と、不動産IDと、保守実施日と、保守実施時刻と、画像ファイルと、を含むデータレコードから構成されている。
【0057】
保守IDは、保守作業を特定可能な識別番号である。
保守事業者は、保守作業を実施した保守事業者の名称が格納されるが、これに限定されない。保守作業を実施した担当者、又は責任者を特定可能な情報が格納されてもよい。
【0058】
不動産IDは、保守対象の建物を一意に特定可能な識別情報である。
保守実施日及び保守実施時刻は、鍵が貸与されて保守作業が開始された日時と、鍵が返却されて保守作業が終了した日時である。
撮影画像ファイルは、上述した鍵収納ボックス10に配設されたカメラ17によって撮影された撮影画像のファイル名である。後述するように、鍵収納ボックス10のカメラ17によって撮影された撮影画像は、撮影画像記憶部37に記憶される。
【0059】
図5に戻って、撮影画像記憶部37は、鍵収納ボックス10のカメラ17によって撮影された保守作業者の撮影画像を記憶している。撮影画像記憶部37に記憶される撮影画像は、公知の画像圧縮アルゴリズムによって圧縮された静止画像であるが、これに限定されない。撮影画像記憶部37に記憶される撮影画像は、動画像であってもよい。
【0060】
制御装置38は、CPUと、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、を有し、鍵管理サーバ30の制御を司る。制御装置38のCPUは、記憶部33に格納されたプログラムを揮発性メモリにロードして順次実行する。これにより、制御装置38は、後述する保守事業者登録部39、鍵利用予定登録部40、解錠要求信号取得部41、照合部42、解錠許可信号出力部43、鍵利用履歴更新部44、及び撮影画像抽出部45として機能する。
【0061】
保守事業者登録部39は、保守事業者を保守事業者データベース34に登録する。より詳細には、保守事業者登録部39は、後述する保守業者端末50の保守事業者情報出力部56が出力する保守事業者に関する情報を取得して保守事業者データベース34に登録する。
【0062】
鍵利用予定登録部40は、設備室の鍵の利用予定に関する情報を、鍵利用予定データベース35に登録する。より詳細には、鍵利用予定登録部40は、後述する保守業者端末50の鍵利用予定情報出力部57が出力する鍵利用予定情報を取得して鍵利用予定データベース35に登録する。
【0063】
解錠要求信号取得部41は、保守業者端末50が出力する解錠要求信号を取得する。より詳細には、解錠要求信号取得部41は、後述する保守業者端末50の解錠要求信号出力部58が出力する解錠要求信号を取得し、取得した解錠要求信号を照合部42に出力する。解錠要求信号は、保守事業者名と、保守対象の不動産IDと、時刻情報と、認証番号と、を含んでいる。また、解錠要求信号は、保守対象の設備室に関する情報を含んでいてもよい。
【0064】
照合部42は、解錠要求信号を取得すると、解錠要求信号と、鍵利用予定データベース35に記憶された鍵利用予定情報を照合する。より詳細には、照合部42は、解錠要求信号に含まれる保守事業者名及び不動産IDが、鍵利用予定情報に含まれる保守事業者名及び不動産IDと一致するか否かを判定する。また、照合部42は、解錠要求信号に含まれる時刻情報と、鍵利用予定情報に含まれる保守予定日時に関する情報が所定の時間差以内であるか否かを判定する。また、照合部42は、解錠要求信号に含まれる認証番号と、鍵利用予定情報に含まれる認証番号が一致するか否かを判定する。以上の判定結果に基づいて、解錠要求信号と鍵利用予定情報の照合に成功した場合、照合部42は、解錠許可信号出力部43に対して、照合成功を示す信号を出力する。
【0065】
照合部42は、保守事業者名と、不動産IDと、時刻情報と、認証番号と、による照合を行うこととして説明したが、これに限定されない。照合部42は、保守事業者名と、不動産IDと、認証番号のみに基づいて照合してもよい。
【0066】
解錠許可信号出力部43は、照合部42の照合結果に基づいて、鍵収納ボックス10の解錠を許可する解錠許可信号を鍵収納ボックス10に送信する。
【0067】
鍵利用履歴更新部44は、設備室の鍵の利用実績に関する情報を、鍵利用履歴データベース36及び撮影画像記憶部37に格納する。より詳細には、鍵利用履歴更新部44は、鍵収納ボックス10の施錠制御部25が出力する鍵利用実績情報を受信して、鍵利用履歴データベース36を更新するとともに、撮影画像記憶部37に撮影画像を格納する。
【0068】
撮影画像抽出部45は、指定された条件を満たす撮影画像を撮影画像記憶部37から抽出して出力する。具体的には、撮影画像抽出部45は、入力された不動産IDと対応付けて記憶された撮影画像を、撮影画像記憶部37から抽出して出力することができる。また、撮影画像抽出部45は、入力された保守実施日、又は保守事業者の条件を満たす撮影画像を、撮影画像記憶部37から抽出して出力することも可能である。このように、指定された条件を満たす撮影画像を抽出して出力することにより、鍵収納ボックス10に収納された鍵の利用を監視する際の負担を軽減することが可能となる。
【0069】
<保守業者端末50の構成>
次に、保守業者端末50の構成について説明する。
図8は、保守業者端末50の構成を示している。図8に示すように、保守業者端末50は、入力装置51と、QRコード読取部52と、GPS受信装置53と、通信装置54と、制御装置55と、を主な構成として有している。
【0070】
入力装置51は、キーボードやマウスからなる入力デバイスであり、保守作業を行う保守作業者、又は責任者の入力を受け付けることができる。
QRコード読取部52は、鍵収納ボックス10の鍵収納箱本体11に付されたQRコード14aを読み取り可能な光学式読取器である。
【0071】
GPS受信装置53は、GPS(Global Positioning System)衛星が送信する信号を受信して位置情報を取得する通信装置である。GPS受信装置53によって、保守業者端末50又は集合住宅Hの位置情報を取得することができる。
【0072】
通信装置54は、インターネット等の電気通信回線に接続されて、鍵管理サーバ30と双方向でデータ通信を行う。具体的には、通信装置54は、鍵管理サーバ30に対して後述する保守事業者情報、及び鍵利用予定情報を送信する。また、通信装置54は、鍵管理サーバ30に対して後述する解錠要求信号を送信する。
【0073】
制御装置55は、CPUと、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、を有し、保守業者端末50の制御を司る。制御装置55のCPUは、不揮発性メモリに格納されたプログラムを揮発性メモリにロードして順次実行する。これにより、制御装置55は、後述する保守事業者情報出力部56、鍵利用予定情報出力部57、及び解錠要求信号出力部58として機能する。
【0074】
保守事業者情報出力部56は、保守事業者を鍵管理サーバ30に登録するための登録情報を、鍵管理サーバ30に送信する。より詳細には、保守事業者情報出力部56は、入力装置51を介して入力された保守事業者名、住所、及び連絡先を含む情報を、登録情報として鍵管理サーバ30に送信する。送信された登録情報は、鍵管理サーバ30の保守事業者登録部39によって保守事業者データベース34に登録される。なお、登録情報は、保守事業者名、住所、及び連絡先に加えて、保守作業担当者及び責任者に関する情報を含んでいてもよい。
【0075】
鍵利用予定情報出力部57は、設備室の鍵の利用予定に関する情報を、鍵管理サーバ30に対して送信する。より詳細には、鍵利用予定情報出力部57は、入力装置51を介して入力された保守事業者名、認証番号、保守対象の建物の不動産ID、保守予定日、保守予定時刻、保守対象の設備室に関する情報を、鍵利用予定情報として鍵管理サーバ30に送信する。送信された鍵利用予定情報は、鍵管理サーバ30の鍵利用予定登録部40によって鍵利用予定データベース35に登録される。
【0076】
解錠要求信号出力部58は、解錠要求信号を鍵管理サーバ30に送信する。より詳細には、保守対象の建物のエントランスホールで、鍵収納ボックス10に付されたQRコード14aが読み取られると、解錠要求信号出力部58は、QRコード14aを復号化して不動産IDを取得する。次に解錠要求信号出力部58は、保守事業者名、不動産ID、現在日時、及び認証番号からなる解錠要求信号を生成して鍵管理サーバ30に送信する。認証番号は、保守作業者によって、入力装置51を介して入力される。
【0077】
<鍵貸出処理のシーケンス>
次に、鍵貸出処理のシーケンスについて説明する。鍵貸出処理は、保守業者端末50、鍵収納ボックス10及び鍵管理サーバ30によって実行される処理である。なお、図9に示す鍵貸出処理の実行に先立って、鍵利用予定情報の登録が行われ、鍵管理サーバ30の鍵利用予定データベース35には鍵利用予定情報が格納されていることとして説明を行う。
【0078】
図9は、鍵貸出処理のシーケンスを示している。図9に示すように、保守作業者は、保守対象の集合住宅Hに到着すると、エントランスホールに設置された鍵収納ボックス10のQRコード14aの読み取りを行う。保守業者端末50の制御装置55は、QRコード読取部52によってQRコード14aが読み取られたか否かを判定する(ステップS10)。QRコード14aが読み取られたと判定されなかった場合(ステップS10:No)、QRコード14aが読み取られるまで待機する。
【0079】
QRコード14aが読み取られたと判定された場合(ステップS10:Yes)、制御装置55は、保守業者端末50の入力装置51を介して鍵の貸出及び返却のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS12)。より詳細には、制御装置55は、保守業者端末50の表示装置に、鍵の貸出を希望するか、又は返却を希望するかを選択するための入力画面を表示させる。このとき、保守作業者が保守作業を開始するために鍵の貸出を希望する場合には、貸出が選択される。一方、保守作業が終了し、鍵の返却を希望する場合には、返却が選択される。
鍵の貸出及び返却のいずれかが選択されたと判定されなかった場合(ステップS12:No)、制御装置55は、選択されるまで待機する。
【0080】
鍵の貸出又は返却が選択されたと判定された場合(ステップS12:Yes)、制御装置55は、保守業者端末50の入力装置51を介して認証番号が入力されたか否かを判定する(ステップS14)。より詳細には、制御装置55は、保守業者端末50の表示装置に認証番号の入力欄を表示させて、認証番号の入力を受け付ける。
認証番号が入力されたと判定されなかった場合(ステップS14:No)、制御装置55は、認証番号が入力されるまで待機する。
【0081】
認証番号が入力されたと判定された場合(ステップS14:Yes)、制御装置55は、解錠要求信号を生成し、鍵管理サーバ30に送信する(ステップS16)。ここで解錠要求信号は、保守事業者名と、ステップS10で読み取ったQRコード14aに符号化された不動産IDと、現在時刻と、ステップS14で取得した認証番号と、を含んでいる。
【0082】
鍵管理サーバ30の制御装置38は、解錠要求信号を受信すると、鍵利用予定データベース35にアクセスして鍵利用予定情報を取得する(ステップS18)。より詳細には、制御装置38は、鍵利用予定データベース35に蓄積された鍵利用予定情報のうち、解錠要求信号に含まれる保守事業者名と一致する保守事業者が格納されたレコードを取得する。
【0083】
次に、鍵管理サーバ30の制御装置38は、解錠要求信号と鍵利用予定情報を照合する(ステップS20)。より詳細には、制御装置38は、最初に解錠要求信号と鍵利用予定情報に含まれる不動産IDが一致するか否かを判定する。不動産IDが一致する場合には、解錠要求信号に含まれる現在時刻情報が、鍵利用予定情報に含まれる保守予定日時と所定の時間差以内であるか否かを判定する。現在時刻情報が保守予定日時と所定の時間差以内である場合には、解錠要求信号と鍵利用予定情報に含まれる認証番号と一致するか否かを判定する。以上の照合処理に成功した場合、制御装置38は、鍵収納ボックス10の解錠を許可する解錠許可信号を鍵収納ボックス10に送信する(ステップS22)。一方、照合に失敗した場合、制御装置38は、保守業者端末50に対して照合に失敗したことを通知する。
【0084】
鍵収納ボックス10の制御装置22は、解錠許可信号を受信すると、解錠ボタン15に対する操作を有効化する(ステップS24)。そして制御装置22は、解錠許可状態表示LED18bを点灯させることによって、解錠ボタン15を操作するように保守作業者を促す。また、制御装置22は、音声信号を出力することによって解錠ボタン15の操作を促すこととしてもよい。
【0085】
次に、制御装置22は、解錠ボタン15が押下されたか否かを判定する(ステップS26)。解錠ボタン15が押下されたと判定されなかった場合(ステップS26:No)、制御装置22は、解錠ボタン15が押下されるまで待機する。
【0086】
解錠ボタン15が押下されたと判定された場合(ステップS26:Yes)、制御装置22は、カメラ17を制御して保守作業者を撮影する(ステップS28)。より詳細には、制御装置22は、解錠ボタン15と対向する位置にいる保守事業者をLED照明部16によって照射するとともに、カメラ17を制御して保守作業者を撮影する。このように、保守作業者に解錠ボタン15を操作させることにより、保守作業者を解錠ボタン15と対向させ、保守作業者の正面写真を効果的に取得することが可能となる。
【0087】
次に、制御装置22は、施錠装置19を解錠する(ステップS30)。より詳細には、制御装置22は、施錠装置19の駆動部材19bに駆動信号を出力し、ロック部材19aを下方に変位させる。これにより、保守作業者は、開閉扉12を開放させて鍵収納空間Sに収納された鍵を借り受けることが可能となる。
【0088】
続いて、制御装置22は、鍵利用実績情報を鍵管理サーバ30に送信する(ステップS32)。鍵利用実績情報は、解錠した時刻、及び撮影画像を含む情報である。鍵利用実績情報を受信した鍵管理サーバ30は、鍵利用履歴データベース36及び撮影画像記憶部37を更新し(ステップS34)、鍵貸出処理を終了する。
以上、保守作業者が鍵の貸し出しを受ける場合について説明したが、鍵を返却する場合の流れも同様である。
【0089】
以上のような手順によって鍵貸出処理を実行することによって、人手による鍵の受け渡しを不要とし、鍵の管理に係る経費を抑制することが可能となる。また、複数の建物を保守、管理する場合であっても、複数のICカードを管理することなく、鍵の利用予定を鍵管理サーバ30に登録しておくだけで効率的に(円滑に)に鍵を貸借することが可能となり、共用設備の保守作業の遅延を抑制することが可能となる。
【0090】
本発明の一実施形態に係る鍵管理システム1について説明してきたが、上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0091】
<変形例>
上述した実施形態において、保守業者端末50から鍵管理サーバ30に対して解錠要求信号が送信されることとして説明したが、これに限定されない。解錠要求信号は、鍵収納ボックス10から鍵管理サーバ30に対して送信されることとしてもよい。これにより、保守作業者は、保守対象の集合住宅Hに保守業者端末50を携行する必要性がなくなり、保守作業者の負担を軽減することが可能となる。
【0092】
図10は、変形例に係る鍵収納ボックス10Aの正面図である。図10に示すように、変形例に係る鍵収納ボックス10Aの鍵収納箱本体11には、ICカードリーダ27が配設されている。ICカードリーダ27は、保守作業者が所持する非接触ICカード(不図示)に記憶された認証情報の読み取りが可能な無線インターフェース装置である。ここで認証情報とは、上述した保守作業者の認証に用いられる認証番号であるが、これに限定されない。認証情報は、ワンタイムパスワードであってもよい。認証情報は、予め鍵管理サーバ30の保守事業者データベース34又は鍵利用予定データベース35に格納されていることとする。
【0093】
非接触ICカードを携行する保守作業者は、保守対象の集合住宅Hに到着すると、エントランスホールに設置された鍵収納ボックス10AのICカードリーダ27に、非接触ICカードを読み取らせる。鍵収納ボックス10Aは、非接触ICカードから読み取った認証情報と、鍵収納ボックス10Aの不揮発性メモリ(建物識別情報記憶媒体に相当する)に記憶された不動産IDに基づいて解錠要求信号を生成し、鍵管理サーバ30に送信する。以降は、上述した実施形態と同様に、鍵管理サーバ30は、解錠要求信号を取得すると、鍵利用予定データベース35から鍵利用予定情報を読み出して、解錠要求信号と照合する。照合に成功した場合、鍵管理サーバ30は、解錠許可信号を鍵収納ボックス10Aに対して送信する。そして、保守作業者が解錠ボタン15を押下することによって保守作業者の撮影と鍵収納ボックス10の解錠が行われて、設備室に入室するための鍵を取得することが可能となる。上述した実施形態と同様に、鍵管理サーバ30は、不動産IDを用いて照合を行うため、複数の建物を保守、管理する場合であっても、ICカードを共通化することができ、効率的に(円滑に)鍵を貸借することが可能となる。
なお、上述した実施形態と同様に、保守業者端末50を携行した保守作業者は、保守業者端末50を操作してQRコード14aを読み取り、保守業者端末から解錠要求信号を送信することも可能である。
【0094】
また、上述した実施形態において、鍵収納ボックス10の制御装置22が施錠装置19の施錠制御を行うこととして説明したが、これに限定されない。鍵収納ボックス10と別体で構成された施錠コントローラが、施錠装置19の施錠制御を行うこととしてもよい。換言すると、鍵収納ボックス10が有する機能の少なくとも一部を、互いに通信回線を介して接続された複数の制御装置によって実現してもよい。同様に、鍵管理サーバ30が有する機能の少なくとも一部を、互いに通信回線を介して接続された複数の情報処理装置によって実現してもよい。
【0095】
また、上述した実施形態において、照合部42は、解錠要求信号に含まれる不動産IDと鍵利用予定情報に含まれる不動産IDとを照合することとして説明したが、不動産IDの照合に加えて、位置情報を照合してもよい。詳細に説明すると、照合部42は、保守業者端末50がGPS受信装置53を介して取得した位置情報を取得し、鍵利用予定情報に含まれる不動産IDに紐づけられた位置情報と照合する。これにより、照合処理の信頼性を高めることが可能となる。
【0096】
また、上述した実施形態において、不動産登記された不動産に対して付与される不動産番号を含む不動産IDを用いて建物を特定することとして説明したが、建物を一意に識別することができればよい。建物の保守事業者及び管理業者が共同で管理、運用する建物識別情報によって建物を特定することとしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 鍵管理システム
10、10A 鍵収納ボックス
11 鍵収納箱本体
11a 上壁
11b 前壁
11c 側壁
11d 底壁
12 開閉扉
12a 上壁
12b 前壁
12c 側壁
12d 底壁
13 ヒンジ
14 不動産ID表示部
14a QRコード
15 解錠ボタン
16 LED照明部
17 カメラ
18 状態表示LED
18a 通電状態表示LED
18b 解錠許可状態表示LED
19 施錠装置
19a ロック部材
19b 駆動部材
20 シリンダー錠
21 通信装置
22 制御装置
23 解錠許可信号取得部
24 撮影制御部
25 施錠制御部
26 状態制御部
27 ICカードリーダ
30 鍵管理サーバ(鍵管理装置)
31 入力装置
32 通信装置
33 記憶部
34 保守事業者データベース
35 鍵利用予定データベース
36 鍵利用履歴データベース(鍵利用履歴記憶部)
37 撮影画像記憶部
38 制御装置
39 保守事業者登録部
40 鍵利用予定登録部
41 解錠要求信号取得部(鍵利用要求信号取得部)
42 照合部
43 解錠許可信号出力部(鍵利用許可信号出力部)
44 鍵利用履歴更新部
45 撮影画像抽出部
50 保守業者端末
51 入力装置
52 QRコード読取部
53 GPS受信装置
54 通信装置
55 制御装置
56 保守事業者情報出力部
57 鍵利用予定情報出力部
58 解錠要求信号出力部
H 集合住宅
S 鍵収納空間
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵を収納する鍵収納箱と通信回線を介して接続されて、前記鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、
前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、
前記建物識別情報を含み、前記鍵収納箱の解錠を要求する解錠要求信号を、前記鍵の利用者によって操作される情報通信端末から取得する解錠要求信号取得部と、
前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記解錠要求信号に含まれる前記建物識別情報と、が一致するか否かを判定することにより前記建物識別情報を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵収納箱の解錠を許可する解錠許可信号を出力する解錠許可信号出力部と、
前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を取得して、前記建物識別情報と対応付けて記憶する鍵利用履歴更新部と、を備えることを特徴とする鍵管理装置。
【請求項2】
建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、
前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、
前記建物識別情報を含み、前記鍵の利用を要求する鍵利用要求信号を、前記鍵の利用者によって操作される情報通信端末から取得する鍵利用要求信号取得部と、
前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記鍵利用要求信号に含まれる前記建物識別情報と、が一致するか否かを判定することにより前記建物識別情報を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵の利用を許可する鍵利用許可信号を出力する鍵利用許可信号出力部と、
前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を取得して、前記建物識別情報と対応付けて記憶する鍵利用履歴更新部と、を備えることを特徴とする鍵管理装置。
【請求項3】
前記鍵管理装置は、前記鍵の利用者の撮影画像を記憶する撮影画像記憶部を備え、
前記鍵利用履歴更新部は、前記撮影画像を取得して、前記撮影画像記憶部に格納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記鍵利用実績情報は、前記鍵が利用された前記建物識別情報と、前記撮影画像を特定可能な撮影画像特定情報と、が対応付けられており、
前記鍵管理装置は、前記建物識別情報の入力を受け付けて、該建物識別情報と対応付けられた前記撮影画像特定情報に基づいて、前記撮影画像記憶部から前記撮影画像を抽出して出力する撮影画像抽出部を備えることを特徴とする請求項3に記載の鍵管理装置。
【請求項5】
前記鍵利用予定情報は、前記鍵の利用者を認証するための認証情報を含み、
前記照合部は、前記鍵利用予定情報に含まれる前記認証情報と、前記鍵の利用者によって入力された前記認証情報と、を照合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵管理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記課題は、本発明の鍵管理装置によれば、建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵を収納する鍵収納箱と通信回線を介して接続されて、前記鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、前記建物識別情報を含み、前記鍵収納箱の解錠を要求する解錠要求信号を、前記鍵の利用者によって操作される情報通信端末から取得する解錠要求信号取得部と、前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記解錠要求信号に含まれる前記建物識別情報と、が一致するか否かを判定することにより前記建物識別情報を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵収納箱の解錠を許可する解錠許可信号を出力する解錠許可信号出力部と、前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を取得して、前記建物識別情報と対応付けて記憶する鍵利用履歴更新部と、を備えることにより解決される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記課題は、本発明の鍵管理装置によれば、建物内の立入制限区画への進入を防止するために用いられる鍵の利用を管理する鍵管理装置であって、前記鍵の利用予定と、不動産登記された建物に付与される不動産番号を含み、建物を一意に識別可能な建物識別情報とを対応付けた鍵利用予定情報を記憶する鍵利用予定情報記憶部と、前記建物識別情報を含み、前記鍵の利用を要求する鍵利用要求信号を、前記鍵の利用者によって操作される情報通信端末から取得する鍵利用要求信号取得部と、前記鍵利用予定情報に含まれる前記建物識別情報と、前記鍵利用要求信号に含まれる前記建物識別情報と、が一致するか否かを判定することにより前記建物識別情報を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記鍵の利用を許可する鍵利用許可信号を出力する鍵利用許可信号出力部と、前記鍵の利用実績に関する鍵利用実績情報を取得して、前記建物識別情報と対応付けて記憶する鍵利用履歴更新部と、を備えることにより解決される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、前記鍵管理装置は、前記鍵の利用者の撮影画像を記憶する撮影画像記憶部を備え、前記鍵利用履歴更新部は、前記撮影画像を取得して、前記建物識別情報と対応付けて前記撮影画像記憶部に格納すると好適である。