(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047529
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】車両用走行経路計画システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240329BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079499
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2022152561
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】大矢 晃示
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181DD01
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF14
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索できるようにした車両用走行経路計画システムを提供する。
【解決手段】複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する車両用走行経路計画システム10は、複数の前記車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する単一経路計画部11と、複数の前記車両について、それぞれ前記単一経路に類似する複数の候補経路群を生成する候補経路生成部12と、複数の前記車両について、それぞれ複数の前記候補経路群から最適な走行経路を1つずつ選択し、複数の前記車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する組合せ探索部13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画するためのシステム(10)であって、
複数の前記車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する単一経路計画部(11)と、
複数の前記車両について、それぞれ前記単一経路に類似する複数の候補経路を生成する候補経路生成部(12)と、
複数の前記車両について、それぞれ複数の前記候補経路から最適な走行経路を選択し、複数の前記車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する組合せ探索部(13)と、
を備える車両用走行経路計画システム。
【請求項2】
前記候補経路生成部は、一の車両に係る前記候補経路と他の車両に係る前記候補経路との関係を考慮して、それぞれの前記車両について複数の前記候補経路を生成する請求項1に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項3】
前記候補経路生成部は、一の車両の現状の走行レーンおよび走行速度を維持する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで車線変更を加える経路を前記候補経路として生成する請求項2に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項4】
前記候補経路生成部は、一の車両と当該車両の前方または後方に存在する他の車両との間の距離を最大化する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を前記候補経路として生成する請求項2に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項5】
前記候補経路生成部は、一の車両を他の車両が少ないフリーレーンへ車線変更させる経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を前記候補経路として生成する請求項2に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項6】
前記候補経路生成部は、一の車両を加速させて当該車両の前方に存在する最も近い他の車両の前方を走行させる経路、および、一の車両を減速させて当該車両の後方に存在する最も近い他の車両の後方を走行させる経路を前記候補経路として生成する請求項2に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項7】
前記候補経路生成部が前記候補経路を生成することができる車両である制御車両と、前記候補経路生成部が前記候補経路を生成することができない車両である非制御車両と、が存在する場合において、前記非制御車両について仮の候補経路を仮説候補経路として生成する仮設候補経路生成部(15)をさらに備え、
前記組合せ探索部は、前記候補経路生成部が生成した前記候補経路および前記仮設候補経路生成部が生成した前記仮設候補経路から最適な走行経路を選択し、前記制御車両および前記非制御車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する請求項2に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項8】
前記組合せ探索部は、組合せ最適化ソルバーにより、最適な走行経路の組合せを探索する請求項1に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項9】
前記組合せ探索部は、車両に搭載されている請求項8に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項10】
前記組合せ探索部は、交通インフラストラクチャ設備に搭載されている請求項8に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項11】
前記候補経路生成部は、車両に搭載されている請求項8に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項12】
前記候補経路生成部は、交通インフラストラクチャ設備に搭載されている請求項8に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項13】
前記組合せ探索部は、車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する処理を必要なタイミングで繰り返し実行する請求項8に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項14】
前記組合せ探索部は、前記車両の衝突を回避するための最適な走行経路の組合せ、または、前記車両の燃費を抑制するための最適な走行経路の組合せを探索する請求項1に記載の車両用走行経路計画システム。
【請求項15】
前記組合せ探索部は、量子インスパイアドコンピュータにより、最適な走行経路の組合せを探索する請求項14に記載の車両用走行経路計画システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数車両の走行経路を計画する車両用走行経路計画システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、量子コンピュータによるイジング最適化計算機でプログラムを実行することにより複数の移動体の最適経路を推定する経路推定システムが開示されている。
【0003】
例えば特許文献2には、地図情報に基づく自車両の目標経路が自車両周辺の走行環境と異なる場合には、他車両の走行軌跡に基づいて自車両の目標経路を補正する車両用走行制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-046384号公報
【特許文献2】特開2017-182521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば交差点や高速道路の合流地点などといった複数の車両が近接して存在する交通シーンにおいては、当該交通シーン全体における安全性を確保したり、当該交通シーン全体における二酸化炭素の排出量を抑制したりすることが求められる。つまり、その交通シーンに存在する複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画することが求められる。
【0006】
本開示は、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画できるようにした車両用走行経路計画システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る車両用走行経路計画システムは、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画するためのシステム10であって、複数の前記車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する単一経路計画部11と、複数の前記車両について、それぞれ前記単一経路に類似する複数の候補経路群を生成する候補経路生成部12と、複数の前記車両について、それぞれ複数の前記候補経路群から最適な走行経路を1つずつ選択し、複数の前記車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する組合せ探索部13と、を備える。
【0008】
本開示に係る車両用走行経路計画システムによれば、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路を計画できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの構成例を概略的に示す図
【
図2】本開示の一実施形態に係る組合せ探索処理の一例を模式的に示す図
【
図3】本開示の一実施形態に係る単一経路計画処理により計画される単一経路の一例を概略的に示す図
【
図4】本開示の一実施形態に係る候補経路生成処理により生成される候補経路群の一例を概略的に示す図
【
図5】本開示の一実施形態に係る組合せ探索処理の概念を模式的に示す図
【
図6】本開示の一実施形態に係る走行経路の最適な組合せ探索解の一例を概略的に示す図
【
図7】本開示の一実施形態に係るイジングモデルとして表されるコスト関数の一例を示す図
【
図8】本開示の一実施形態に係るコスト関数に基づき最適な走行経路の組合せ探索解を求める処理を模式的に示す図
【
図9】本開示の一実施形態に係る候補経路群の生成処理を説明するための図(その1)
【
図10】本開示の一実施形態に係る候補経路群の生成処理を説明するための図(その2)
【
図11】本開示の一実施形態に係るコスト関数の導出例を概略的に示す図(その1)
【
図12】本開示の一実施形態に係るコスト関数の導出例を概略的に示す図(その2)
【
図13】本開示の一実施形態に係る制約条件の規定例を概略的に示す図(その1)
【
図14】本開示の一実施形態に係る制約条件の規定例を概略的に示す図(その2)
【
図15】本開示の一実施形態に係る制約条件の規定例を概略的に示す図(その3)
【
図16】本開示の一実施形態に係る経路組合せ探索機能によるシミュレーションの一例を概略的に示す図
【
図17】本開示の一実施形態に係る探索に要する処理時間の比較例を概略的に示す図
【
図18】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第1構成例を概略的に示す図
【
図19】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第2構成例を概略的に示す図
【
図20】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第3構成例を概略的に示す図
【
図21】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第4構成例を概略的に示す図
【
図22】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第5構成例を概略的に示す図
【
図23】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第6構成例を概略的に示す図
【
図24】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第7構成例を概略的に示す図
【
図25】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第8構成例を概略的に示す図
【
図26】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第9構成例を概略的に示す図
【
図27】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第10構成例を概略的に示す図
【
図28】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第11構成例を概略的に示す図
【
図29】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第12構成例を概略的に示す図
【
図30】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第13構成例を概略的に示す図
【
図31】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第14構成例を概略的に示す図
【
図32】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第15構成例を概略的に示す図
【
図33】本開示の一実施形態に係る車両用走行経路計画システムの第16構成例を概略的に示す図
【
図34】本開示の改良実施形態に係る車両用走行経路計画システムの構成例を概略的に示す図
【
図35】本開示の改良実施形態に係る組合せ探索処理の一例を模式的に示す図
【
図36】本開示の改良実施形態に係る仮設候補経路生成機能部により生成される仮設候補経路群の一例を概略的に示す図
【
図37】本開示の改良実施形態に係るコスト関数の導出例を概略的に示す図(その1)
【
図38】本開示の改良実施形態に係るコスト関数の導出例を概略的に示す図(その2)
【
図39】本開示の改良実施形態に係る最適な走行経路の組合せを探索する処理を必要なタイミングで繰り返し実行する状態を模式的に示す図
【
図40】本開示の改良実施形態に係る等速直線走行、加速減速走行、車線変更走行の一例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の車両用走行経路計画システムに係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0011】
(車両用走行経路計画システム)
図1に例示する車両用走行経路計画システム10は、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画するためのシステムであって、単一経路計画機能部11、候補経路生成機能部12、組合せ探索機能部13、追従制御機能部14を備えている。単一経路計画機能部11、候補経路生成機能部12、組合せ探索機能部13、追従制御機能部14は、例えばコンピュータなどといった情報処理装置が所定のプログラムを実行することによりソフトウェアにより仮想的に実現されている。単一経路計画機能部11、候補経路生成機能部12、組合せ探索機能部13、追従制御機能部14は、ハードウェアにより構成されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成されていてもよい。以下、車両用走行経路計画システム10を、単に「システム10」と称する場合がある。
【0012】
単一経路計画機能部11は、単一経路計画部の一例であり、単一経路計画処理を実行可能である。単一経路計画処理は、複数の車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する処理である。
【0013】
候補経路群生成機能部12は、候補経路生成部の一例であり、候補経路生成処理を実行可能である。候補経路生成処理は、複数の車両について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する処理である。
【0014】
組合せ探索機能部13は、組合せ探索部の一例であり、組合せ探索処理を実行可能である。組合せ探索処理は、複数の車両について、それぞれ複数の候補経路から最適な走行経路を1つずつ選択し、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する処理である。組合せ探索機能部13は、いわゆる量子インスパイアドコンピュータにより実現することが望ましい。組合せ探索機能部13は、いわゆる組合せ最適化ソルバーとしてアルゴリズムの高速化を図り、最適な走行経路の組合せを高速で且つ効率良く探索可能に構成することが望ましい。
【0015】
追従制御機能部14は、追従制御部の一例であり、追従制御を実行可能である。追従制御は、組合せ探索機能部13により探索された最適な走行経路に従って各車両において自律的に実行される制御処理である。追従制御機能部14は、仮に、組合せ探索機能部13により探索された最適な走行経路に追従していない車両が存在する場合には、当該車両に例えば警告情報を通知してもよいし、通知しなくてもよい。
【0016】
図2には、システム10が最適な走行経路の組合せを探索するために実行する組合せ探索処理の一連の流れを模式的に示したものである。
【0017】
システム10は、単一経路計画機能部11が単一経路計画処理を実行することにより、車両の位置情報や速度情報、車両の移動意思情報などに基づいて各車両の単一経路を計画する。
図3には、単一経路計画処理により計画される車両A,B,Cの単一経路の一例を示している。
【0018】
次に、システム10は、候補経路生成機能部12が候補経路生成処理を実行することにより、各車両の単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。
図4には、候補経路生成処理により生成される車両A,B,Cの候補経路群の一例を示している。
【0019】
次に、システム10は、組合せ探索機能部13が組合せ探索処理を実行することにより、各車両の複数の候補経路つまり候補経路群から最適な走行経路を1つずつ選択し、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する。
図5には、組合せ探索処理の概念を模式的に示している。即ち、組合せ探索処理においては、後述するコスト関数H(σ)が最小となる組合せが最適な組合せ探索解として求められる。例えば、複数の車両A,B,Cについて
図4に例示するような候補経路群が生成された場合、組合せ探索処理により
図6に例示する経路の組合せが最適な組合せ探索解として求められる。
図6によれば、車両Aが走行経路[1]を選択し、車両Bが走行経路[2]を選択し、車両Cが走行経路[5]を選択する組合せが最適な組合せ探索解となっている。
【0020】
次に、システム10は、各車両において追従制御機能部14が追従制御を実行する。これにより、探索された最適な走行経路に追従して各車両が自律的に制御を行うようになる。
【0021】
この探索処理における単一経路の計画においては、車両の位置情報は、例えば、車両に搭載されている測位装置などにより得ることができる。測位装置は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)やGPS(Global Positioning System)などといった測位システムを構築するものである。車両の速度情報は、例えば、車両に搭載されている速度センサなどにより得ることができる。車両の移動意思情報は、例えば、車両に搭載されている方向指示器の操作状況やステアリングの操作状況、カーナビゲーションシステムの動作状況などに基づき得ることができる。
【0022】
この探索処理において、最適な走行経路の組合せを探索する処理では、所定のコスト関数H(σ)が最小となる組合せを最適な組合せとして特定する。
図7には、周知のイジングモデルとして表されるコスト関数H(σ)を例示している。
図8には、コスト関数H(σ)に基づき最適な走行経路の組合せ探索解を求める処理を模式的に示したものである。車両の位置情報や速度情報、車両の移動意思情報などに基づいて単一経路を介して生成された候補経路群(ステップS1)は、設定された制約条件(ステップS2)の下、量子インスパイアドコンピュータでコスト関数H(σ)により組合せ探索処理(ステップS3)され、コスト関数H(σ)が最小となる組合せが最適な組合せ探索解として求められる(ステップS4)。
【0023】
候補経路群の生成(ステップS1)では、
図9に例示するように、例えば、複数の車両A,B,Cについて、それぞれ複数の走行経路[1],[2],[3],[4],[5]を割り当てる。そして、
図10に例示するように、それぞれの走行経路について、時刻kにおける位置情報および速度情報を特定する。
図10には、例えば車両Cについて走行経路[3]を選択した場合に特定される位置情報および速度情報の一例を示している。
【0024】
図11には、コスト関数H(σ)の導出についての一例を示している。即ち、コスト関数H(σ)は、
図12に例示する周知の関数群を複数の車両に拡張し、必要に応じて車両の走行に伴うエネルギーロスを考慮し、
図11に例示するように、単一経路のコスト関数と経路対のコスト関数を定義し、これらにより定義された式から導出される。経路対は、ある車両で選択された経路と他の車両で選択された経路との対である。
【0025】
次に、いわゆる最適化ソルバーとして機能する組合せ探索機能部13の制約条件について説明する。ソルバーとは、所定の数式、アルゴリズム、制約条件などに基づき、所定のシーンに対する最適解を求める機能である。
【0026】
図13には、「1つの車両は必ず1つの走行経路を選択しなければならない」という制約条件を規定する例を示している。
図13に例示する式は、「1つの車両は必ず1つの走行経路を選択しなければならない」という制約条件をコスト関数H(σ)に与えるものである。このような制約条件が与えられることにより、組合せ探索機能部13は、複数の車両について、それぞれ1つの走行経路を割り当てた上で、車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する。
【0027】
図14には、「複数の車両同士の衝突を回避する安全安心な走行経路の組合せを得る」ことを目的とする場合の制約条件を規定する例を示している。
図14に例示する式は、「複数の車両同士の衝突を回避する安全安心な走行経路の組合せを得る」という制約条件をコスト関数H(σ)に与えるものである。このような制約条件が与えられることにより、組合せ探索機能部13は、複数の車両同士の衝突を回避するための最適な走行経路の組合せを探索する。
【0028】
図15には、「複数の車両からなる車両群全体の燃費を抑制する走行経路の組合せを得る」ことを目的とする場合の制約条件を規定する例を示している。
図15に例示する式は、「複数の車両からなる車両群全体の燃費を抑制する走行経路の組合せを得る」という制約条件をコスト関数H(σ)に与えるものである。このような制約条件が与えられることにより、組合せ探索機能部13は、複数の車両からなる車両群全体の燃費を抑制するための最適な走行経路の組合せを探索する。
【0029】
次に、以上に例示したシステム10の経路組合せ探索機能によるシミュレーションの一例について、
図16を参照しながら詳細に説明する。このシミュレーションで仮定した交通シーンは、次の通りである。
・片道3車線の道路があり、現地点から300メートル先に交差点が存在している。
・車線1のうち現地点から150メートル先に停止車両Pが存在している。
・当初、車両Aは車線1を、車両Bは車線2を、車両Cは車線3を真横つまり進行方向に直交する方向に並んで走行している。
・当初、車両Aは車線1を、車両Bは車線2を、車両Cは車線3を走行したい意図を持っている。
・車線1は左折専用レーン、車線2は直進専用レーン、車線3は右折専用レーンである。
【0030】
このような仮定の下、本開示の経路組合せ探索機能によりシミュレーションを実行すると、状況1では、車両Aが減速し、車両B,Cを先行させる。
次に、状況2では、車両Aが停車車両Pを避けるため車線2へ車線変更する。
次に、状況3では、車両Bが停止車両Pを追い越してから車線1へ車線変更する。
次に、状況4では、車両Aが車両Bに続いて車線1へ車線変更して復帰する。
次に、状況5では、車両Cが車両Aの車線1への車線変更が完了することを待ってから車線2へ車線変更する。
【0031】
このように、本開示の経路組合せ探索機能によれば、複数の車両A,B,Cからなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを量子インスパイアドマシンにより同時に決定して探索することができ、安全な車両群の協調動作を実現できることが実証された。
【0032】
図17に例示するように、本発明者によれば、車両群を構成する車両の台数が4台を超えると、本開示の量子インスパイアドマシンによる経路組合せ探索に要する処理時間が、従来の全探索に要する処理時間を下回るようになることが確認されている。即ち、本開示の経路組合せ探索処理は、車両群を構成する車両の台数が4台を超える場合に、その効果が著しく発揮される。なお、従来の全探索は、複数の車両にそれぞれ設定される複数の候補経路について、全ての組合せを探索するものである。従来の全探索によれば、例えば、それぞれ10通りの候補経路を持つ車両が9台存在する場合、経路の組合せは10億通り程となり、その探索処理時間が膨大となる。
【0033】
本発明者によれば、従来の全探索による処理と本開示に係るイジングマシンによる処理を比較したところ、本開示に係るイジングマシンによる高速求解性能を確認できた。より具体的には、車両群を構成する車両の台数が5台以上の場合に、本開示に係る探索処理に従来の全探索処理よりも顕著な優位性が認められ、車両群を構成する車両の台数が6台の場合には、本開示に係る探索処理の速度は、従来の全探索処理の速度の1万倍以上の高速処理となった。
【0034】
以上に例示したシステム10の経路組合せ探索機能は、交通シーンを構成する車両や交通インフラストラクチャ設備に集中あるいは分散して配置可能である。次に、システム10に係る複数のシステム構成例について詳細に説明する。以下、交通インフラストラクチャ設備は、単に「インフラ」と称する場合がある。各構成例において例示する車両A,B,Cは、ドライバーが運転するマニュアル車であってもよいし、例えばADAS機能(Advanced Driving Assistant System)などといった先進運転支援機能を搭載した自動走行運転車であってもよい。
【0035】
図18に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、自車両の位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する情報特定機能を搭載している。車両Aは、他車両との間での通信を可能とする車車間通信機能を搭載している。車両Aは、周辺認識機能を搭載している。周辺認識機能は、例えば、自車両周辺を撮影する車載カメラや自車両周辺を走査する車載レーダ装置などである。車両B,Cは、何れも、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能を搭載しておらず、情報特定機能、車車間通信機能、周辺認識機能も搭載していない。
【0036】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。車両Aは、周辺認識機能により得られる状況を解析することにより、他車両である車両B,Cの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報も特定する。車両Aによる車両B,Cの車両属性情報の特定は、周辺認識機能による解析結果に基づく、あくまでも予測あるいは推定である。
【0037】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、特定した車両Aの車両属性情報に基づいて、自車両である車両Aの単一経路を計画する。車両Aは、周辺認識機能による解析結果に基づいて他車両である車両B,Cの単一経路も計画する。車両Aによる車両B,Cの単一経路の計画は、周辺認識機能による解析結果に基づく、あくまでも予測あるいは推定である。
【0038】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、自車両で計画した車両A,B,Cの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。
【0039】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、生成した車両A,B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0040】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。
【0041】
図18に例示するシステム構成例においては、車両B,Cに代えて、例えば、人の意思で移動する歩行者や人の意思で移動する自転車などといった移動体を対象としてもよい。
【0042】
図19に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両B,Cは、何れも、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能を搭載していないが、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。
【0043】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの車両属性情報を特定する。ステップ(B1)では、車両Bは、自車両である車両Bの車両属性情報を特定して、その特定結果を車両Aに送信する。ステップ(C1)では、車両Cは、自車両である車両Cの車両属性情報を特定して、その特定結果を車両Aに送信する。車両Aは、他車両である車両B,Cの車両属性情報を車両B,Cから受信する。
【0044】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、特定した車両Aの車両属性情報に基づいて、自車両である車両Aの単一経路を計画する。車両Aは、受信した情報に基づいて他車両である車両B,Cの単一経路も計画する。
【0045】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、自車両で計画した車両Aの単一経路、および、他車両から受信した車両B,Cの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。
【0046】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、生成した車両A,B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0047】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Bに係る走行経路を車両Bに送信する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Cに係る走行経路を車両Cに送信する。ステップ(B5)では、車両Bは、受信した車両Bに係る走行経路に沿って車両Bが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(C5)では、車両Cは、受信した車両Cに係る走行経路に沿って車両Cが走行するよう追従制御を実行する。
【0048】
図20に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両Bは、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能を搭載しておらず、情報特定機能や車車間通信機能も搭載していない。車両Cは、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能を搭載していないが、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。即ち、
図20に例示するシステム構成例は、
図18に例示したシステム構成例および
図19に例示したシステム構成例を組み合わせた構成例である。
【0049】
図21に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両B,Cは、何れも、システム10の候補経路生成機能、経路組合せ探索機能を搭載していないが、単一経路計画機能、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。
【0050】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの車両属性情報を特定する。ステップ(B1)では、車両Bは、自車両である車両Bの車両属性情報を特定する。ステップ(C1)では、車両Cは、自車両である車両Cの車両属性情報を特定する。
【0051】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、特定した車両Aの車両属性情報に基づいて、自車両である車両Aの単一経路を計画する。ステップ(B2)では、車両Bは、自車両である車両Bの単一経路を計画して、その計画結果つまり計画した単一経路を車両Aに送信する。ステップ(C2)では、車両Cは、自車両である車両Cの単一経路を計画して、その計画結果つまり計画した単一経路を車両Aに送信する。
【0052】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、自車両で計画した車両Aの単一経路、および、他車両から受信した車両B,Cの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。
【0053】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、生成した車両A,B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0054】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Bに係る走行経路を車両Bに送信する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Cに係る走行経路を車両Cに送信する。ステップ(B5)では、車両Bは、受信した車両Bに係る走行経路に沿って車両Bが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(C5)では、車両Cは、受信した車両Cに係る走行経路に沿って車両Cが走行するよう追従制御を実行する。
【0055】
図22に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両Bは、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能を搭載しておらず、情報特定機能や車車間通信機能も搭載していない。車両Cは、システム10の候補経路生成機能、経路組合せ探索機能を搭載していないが、単一経路計画機能、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。即ち、
図22に例示するシステム構成例は、
図18に例示したシステム構成例および
図21に例示したシステム構成例を組み合わせた構成例である。
【0056】
図23に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両B,Cは、何れも、システム10の経路組合せ探索機能を搭載していないが、単一経路計画機能、候補経路生成機能、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。
【0057】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの車両属性情報を特定する。ステップ(B1)では、車両Bは、自車両である車両Bの車両属性情報を特定する。ステップ(C1)では、車両Cは、自車両である車両Cの車両属性情報を特定する。
【0058】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、特定した車両Aの車両属性情報に基づいて、自車両である車両Aの単一経路を計画する。ステップ(B2)では、車両Bは、自車両である車両Bの単一経路を計画する。ステップ(C2)では、車両Cは、自車両である車両Cの単一経路を計画する。
【0059】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、車両Aについて単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。ステップ(B3)では、車両Bは、車両Bについて単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成して、その生成結果つまり生成した候補経路群を車両Aに送信する。ステップ(C3)では、車両Cは、車両Cについて単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成して、その生成結果つまり生成した候補経路群を車両Aに送信する。
【0060】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、自車両で生成した車両Aの候補経路群、および、他車両から受信した車両B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0061】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Bに係る走行経路を車両Bに送信する。車両Aは、探索した走行経路のうち車両Cに係る走行経路を車両Cに送信する。ステップ(B5)では、車両Bは、受信した車両Bに係る走行経路に沿って車両Bが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(C5)では、車両Cは、受信した車両Cに係る走行経路に沿って車両Cが走行するよう追従制御を実行する。
【0062】
図24に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、車両Aに搭載されている。車両Aは、情報特定機能や車車間通信機能を搭載している。車両Bは、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能を搭載しておらず、情報特定機能や車車間通信機能も搭載していない。車両Cは、システム10の経路組合せ探索機能を搭載していないが、単一経路計画機能、候補経路生成機能、追従制御機能、情報特定機能、車車間通信機能を搭載している。即ち、
図24に例示するシステム構成例は、
図18に例示したシステム構成例および
図23に例示したシステム構成例を組み合わせた構成例である。
【0063】
図25に例示するシステム構成例は、
図18に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図26に例示するシステム構成例は、
図19に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図27に例示するシステム構成例は、
図20に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図28に例示するシステム構成例は、
図21に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図29に例示するシステム構成例は、
図22に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図30に例示するシステム構成例は、
図23に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
図31に例示するシステム構成例は、
図24に例示するシステム構成例において車両AをインフラAに変更した構成例である。
【0064】
図32に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、それぞれ車両A,B,Cに搭載されている。車両A,B,Cは、それぞれ自車両の位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する情報特定機能を搭載している。車両A,B,Cは、それぞれ車車間通信機能を搭載している。
【0065】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。ステップ(B1)では、車両Bは、自車両である車両Bの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。ステップ(C1)では、車両Cは、自車両である車両Cの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。
【0066】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、自車両である車両Aの単一経路を計画して、その計画結果つまり計画した単一経路を車両B,Cに送信する。ステップ(B2)では、車両Bは、自車両である車両Bの単一経路を計画して、その計画結果つまり計画した単一経路を車両A,Cに送信する。ステップ(C2)では、車両Cは、自車両である車両Cの単一経路を計画して、その計画結果つまり計画した単一経路を車両A,Bに送信する。
【0067】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、自車両で計画した車両Aの単一経路、および、他車両から受信した車両B,Cの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。ステップ(B3)では、車両Bは、自車両で計画した車両Bの単一経路、および、他車両から受信した車両A,Cの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。ステップ(C3)では、車両Cは、自車両で計画した車両Cの単一経路、および、他車両から受信した車両A,Bの単一経路について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成する。
【0068】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、自車両で生成した車両Aの候補経路群、および、他車両から受信した車両B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。ステップ(B4)では、車両Bは、自車両で生成した車両Bの候補経路群、および、他車両から受信した車両A,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。ステップ(C4)では、車両Cは、自車両で生成した車両Cの候補経路群、および、他車両から受信した車両A,Bの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0069】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(B5)では、車両Bは、探索した走行経路のうち車両Bに係る走行経路に沿って車両Bが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(C5)では、車両Cは、探索した走行経路のうち車両Cに係る走行経路に沿って車両Cが走行するよう追従制御を実行する。
【0070】
図33に例示するシステム構成例によれば、システム10の単一経路計画機能、候補経路生成機能、経路組合せ探索機能、追従制御機能は、それぞれ車両A,B,Cに搭載されている。車両A,B,Cは、それぞれ自車両の位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する情報特定機能を搭載している。車両A,B,Cは、それぞれ車車間通信機能を搭載している。
【0071】
このシステム構成例において、ステップ(A1)では、車両Aは、自車両である車両Aの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。ステップ(B1)では、車両Bは、自車両である車両Bの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。ステップ(C1)では、車両Cは、自車両である車両Cの位置、速度、移動意思などといった車両属性情報を特定する。
【0072】
次に、ステップ(A2)では、車両Aは、特定した車両Aの車両属性情報に基づいて、自車両である車両Aの単一経路を計画する。ステップ(B2)では、車両Bは、自車両である車両Bの単一経路を計画する。ステップ(C2)では、車両Cは、自車両である車両Cの単一経路を計画する。
【0073】
次に、ステップ(A3)では、車両Aは、自車両で計画した車両Aの単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成して、その生成結果つまり生成した候補経路群を車両B,Cに送信する。ステップ(B3)では、車両Bは、自車両で計画した車両Bの単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成して、その生成結果つまり生成した候補経路群を車両A,Cに送信する。ステップ(C3)では、車両Cは、自車両で計画した車両Cの単一経路に類似する複数の候補経路つまり候補経路群を生成して、その生成結果つまり生成した候補経路群を車両A,Cに送信する。
【0074】
次に、ステップ(A4)では、車両Aは、自車両で生成した車両Aの候補経路群、および、他車両から受信した車両B,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。ステップ(B4)では、車両Bは、自車両で生成した車両Bの候補経路群、および、他車両から受信した車両A,Cの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。ステップ(C4)では、車両Cは、自車両で生成した車両Cの候補経路群、および、他車両から受信した車両A,Bの候補経路群について、経路組合せ探索機能により、最適な走行経路の組合せを探索する。
【0075】
次に、ステップ(A5)では、車両Aは、探索した走行経路のうち車両Aに係る走行経路に沿って車両Aが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(B5)では、車両Bは、探索した走行経路のうち車両Bに係る走行経路に沿って車両Bが走行するよう追従制御を実行する。ステップ(C5)では、車両Cは、探索した走行経路のうち車両Cに係る走行経路に沿って車両Cが走行するよう追従制御を実行する。
【0076】
以上に例示した車両用走行経路計画システム10によれば、複数の車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する単一経路計画機能部11と、複数の車両について、それぞれ単一経路に類似する複数の候補経路を生成する候補経路生成機能部12と、複数の車両について、それぞれ複数の候補経路から最適な走行経路を1つずつ選択し、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する組合せ探索機能部13と、を備えている。この構成例によれば、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索することができる。
【0077】
車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、一の車両に係る候補経路と他の車両に係る候補経路との関係を考慮して、それぞれの車両について複数の候補経路を生成するように構成するとよい。この構成例によれば、車両のレーン選択意思や周囲の状況などを考慮するなかで、他の車両の候補経路との相性の多様性が大きくなるように候補経路を生成することができる。他の車両の候補経路との相性は、例えば、自車両が走行する走行レーンおよび他車両が走行する走行レーンにおける並走関係や、同一レーン内における自車両と他車両の前後関係などといった関係である。
【0078】
車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、一の車両の現状の走行レーンおよび走行速度を維持する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで車線変更を加える経路を候補経路として生成するように構成するとよい。車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、一の車両と当該車両の前方または後方に存在する他の車両との間の距離を最大化する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を候補経路として生成するように構成するとよい。車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、一の車両を他の車両が少ないフリーレーンへ車線変更させる経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を候補経路として生成するように構成するとよい。車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、一の車両を加速させて当該車両の前方に存在する最も近い他の車両の前方を走行させる経路、および、一の車両を減速させて当該車両の後方に存在する最も近い他の車両の後方を走行させる経路のうち少なくとも何れか一方の経路を候補経路として生成するように構成するとよい。
【0079】
このように構成することにより、上述のシミュレーションで例示したように、複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索しやすくすることができる。さらに、いわゆる組合せ最適化ソルバーにより、最適な走行経路の組合せを探索することが好ましい。
【0080】
車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12や組合せ探索機能部13は、車両や交通インフラストラクチャ設備に適宜分散して配置することができる。例えば、単一経路計画機能部11は、車両に搭載されていてもよいし、交通インフラストラクチャ設備に搭載されていてもよい。候補経路生成機能部12は、車両に搭載されていてもよいし、交通インフラストラクチャ設備に搭載されていてもよい。組合せ探索機能部13は、車両に搭載されていてもよいし、交通インフラストラクチャ設備に搭載されていてもよい。追従制御機能部14は、車両に搭載されていてもよいし、交通インフラストラクチャ設備に搭載されていてもよい。追従制御機能部14は、無線通信によりクラウドと車両もしくは交通インフラストラクチャを接続し、クラウド環境下にあるコンピュータに搭載されていてもよい。
【0081】
車両用走行経路計画システム10によれば、候補経路生成機能部12は、車両の衝突を回避するための最適な走行経路の組合せ、または、車両の燃費を抑制するための最適な走行経路の組合せを探索するように構成するとよい。
【0082】
車両用走行経路計画システム10によれば、組合せ探索機能部13は、例えば量子インスパイアドコンピュータなどといった高性能コンピュータにより、最適な走行経路の組合せを探索するように構成することが望ましい。但し、最適な走行経路の組合せを探索できるのであれば、組合せ探索機能部13は、量子インスパイアドコンピュータに限られるものではなく、その他の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0083】
本開示は、例えば、交差点、高速道路の入口、出口、合流地点、分岐地点などといった複数の車両が存在する様々な交通シーンに適用できる。本開示は、例えば、側道に歩行者や自転車が存在する場合、横断歩道に横断者が存在する場合などといった車両以外の移動体が存在する様々な交通シーンにも適用できる。
【0084】
次に、本開示の改良実施形態について説明する。
図34に例示する改良構成例によれば、車両用走行経路計画システム10は、さらに、仮設候補経路生成機能部15を備えている。仮設候補経路生成機能部15も、例えばコンピュータなどといった情報処理装置が所定のプログラムを実行することによりソフトウェアにより仮想的に実現されたものである。仮設候補経路生成機能部15は、ハードウェアにより構成されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成されていてもよい。
【0085】
仮設候補経路生成機能部15は、仮設候補経路生成部の一例であり、仮設候補経路生成処理を実行可能である。仮設候補経路生成処理は、候補経路群生成機能部12が候補経路群を生成することができる車両である制御車両と、候補経路群生成機能部12が候補経路群を生成することができない車両である非制御車両と、が存在する場合において、非制御車両について仮の候補経路を仮説候補経路として生成する処理である。
【0086】
即ち、
図35に例示するように、複数の移動体が存在する交通シーンにおいては、候補経路群生成機能部12が候補経路群を生成することができる制御車両、および、候補経路群生成機能部12が候補経路群を生成することができない非制御車両が混在する場合がある。制御車両は、その位置情報、速度情報、移動意思情報などを特定可能な移動体である。非制御車両は、その位置情報、速度情報、移動意思情報などを特定不能な移動体であり、例えば、自動二輪車、自転車、歩行者などといった移動体、つまり、測位装置や速度センサなどを備えていない移動体である。
【0087】
仮設候補経路生成機能部15は、このような非制御車両が存在する場合には、その非制御車両について仮説候補経路群を生成する。なお、非制御車両が存在するか否かは、例えば、車両用走行経路計画システム10が搭載されている車両が備えている車載カメラにより周囲の環境画像を解析したり、車両用走行経路計画システム10が搭載されている車両が備えているレーダ装置により周囲の環境状況を解析したりすることにより、候補経路群生成機能部12によっては候補経路群を生成することができない移動体が存在することを判定することができる。即ち、例えば、解析の結果、3台の移動体の存在が確認されているにも関わらず、位置情報、速度情報、移動意思情報などに基づいて候補経路を生成可能な移動体が2台しか存在しない場合には、残りの1台が非制御車両であると判定することができる。
【0088】
図36には、仮設候補経路生成機能部15により生成される仮設候補経路群の一例を示している。即ち、非制御車両は、例えば、減速直進走行、等速直進走行、加速直進走行、通常速度での左車線への車線変更、低速度での左車線への車線変更、通常速度での右車線への車線変更、低速度での右車線への車線変更など、さまざまな経路を取り得ることが考えられる。仮設候補経路生成機能部15は、非制御車両について考えられ得る複数の経路を仮設候補経路として生成する。仮設候補経路生成機能部15は、非制御車両が急停止あるいは急発進する場合なども考慮して仮設候補経路を生成するようにしてもよい。
【0089】
そして、組合せ探索機能部13は、候補経路群生成機能部12が生成した候補経路群および仮設候補経路生成機能部15が生成した仮設候補経路群から最適な走行経路を選択し、制御車両および非制御車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する。これにより、例えば、制御車両について、非制御車両から十分な車間距離を確保した走行経路を探索したり、非制御車両を避けるようにした走行経路を探索したりすることが可能となる。
【0090】
図37には、この改良構成例におけるコスト関数H(σ)の導出についての一例を示している。即ち、
図11に例示した導出例では、制御車両の単一経路のコスト関数および複数車両の経路対のコスト関数を考慮した。この改良構成例においては、
図11に例示した導出例に加えて、さらに、制御車両と非制御車両の経路対のコスト関数も考慮する。非制御車両については、複数の仮設候補経路について、それぞれ発生確率を重みとして乗算した期待値を算出して総和を求める。発生確率は、ある仮設候補経路を非制御車両が実際に走行する確率であり、例えば実証実験などにより得られたデータに基づいて設定することができる。組合せ探索機能部13は、
図37に例示するコスト関数が最小となる経路の組合せを最適な組合せ探索解として導出する。
【0091】
図38には、この改良構成例におけるコスト関数H(σ)の導出についての他の例を示している。即ち、この改良構成例においては、
図11に例示した導出例に加えて、さらに、制御車両と非制御車両の経路対のコスト関数も考慮する。非制御車両については、複数の仮設候補経路について、最も好ましくないケースつまり所定関数によるコストの算出結果が最大となるケースを求める。所定関数は、この場合、コストの最大値を求めるMax関数である。組合せ探索機能部13は、
図38に例示するコスト関数が最小となる経路の組合せを最適な組合せ探索解として導出する。
【0092】
図39に例示するように、組合せ探索機能部13は、車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する処理を必要なタイミングで繰り返し実行するようにしてもよい。必要なタイミングは、例えば、車両用走行経路計画システム10が搭載されている車両あるいは所定の車両の周辺の状況が不連続に変化したとき、あるいは、その変化した状態が所定時間以上継続したとき、などである。所定時間は、例えば、数秒、数分、数時間などといったオーダで適宜変更して設定することができる。また、車両の周辺の状況は、例えば、所定の車両や交通インフラストラクチャに搭載されている車載カメラやレーダ装置などにより判定することができる。
【0093】
車両用走行経路計画システム10は、エッジにおいて実現されていてもよい。エッジは、例えば、車両や、信号機などといった交通インフラストラクチャなどであり、即ち、システムの「末端」を構成するもの全般を含む概念である。車両用走行経路計画システム10をエッジにおいて実現するということは、つまり、クラウドコンピューティングを活用しないということである。車両用走行経路計画システム10をエッジにおいて実現する場合の処理時間の見積りは、例えば、候補経路群の生成処理で「20」ミリ秒、経路と経路対のコスト計算で「100」ミリ秒、量子インスパイアドによる組合せ経路探索処理で「200」ミリ秒、各車両のMPC(Model Predictive Control)による経路計画処理で「100」ミリ秒であり、合計「420」ミリ秒ほどと見積もられる。MPCは、将来の挙動を予測しながら最適化を行う周知の予測制御技術である。
【0094】
車両用走行経路計画システム10における処理の迅速性や即時性を求めるためには、候補経路や仮設候補経路を生成する処理を高速化する必要がある。そのため、例えば
図40に例示する等速直線走行、加速減速走行、車線変更走行などの予測を適宜組み合わせながら実行するようにするとよい。
【0095】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組合せや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組合せや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0096】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組合せにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記憶媒体に記憶されていても良い。
【0097】
本開示は、特許請求の範囲に記載した発明に加え、さらに以下のような発明を含む。
[1]
複数の車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを計画するためのシステム(10)であって、
複数の前記車両について、それぞれ1つの走行経路を単一経路として計画する単一経路計画部(11)と、
複数の前記車両について、それぞれ前記単一経路に類似する複数の候補経路を生成する候補経路生成部(12)と、
複数の前記車両について、それぞれ複数の前記候補経路から最適な走行経路を選択し、複数の前記車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する組合せ探索部(13)と、
を備える車両用走行経路計画システム。
[2]
前記候補経路生成部は、一の車両に係る前記候補経路と他の車両に係る前記候補経路との関係を考慮して、それぞれの前記車両について複数の前記候補経路を生成する[1]に記載の車両用走行経路計画システム。
[3]
前記候補経路生成部は、一の車両の現状の走行レーンおよび走行速度を維持する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで車線変更を加える経路を前記候補経路として生成する[1]または[2]に記載の車両用走行経路計画システム。
[4]
前記候補経路生成部は、一の車両と当該車両の前方または後方に存在する他の車両との間の距離を最大化する経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を前記候補経路として生成する[1]から[3]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[5]
前記候補経路生成部は、一の車両を他の車両が少ないフリーレーンへ車線変更させる経路を生成し、その経路に対し任意のタイミングで加速または減速を加える経路を前記候補経路として生成する[1]から[4]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[6]
前記候補経路生成部は、一の車両を加速させて当該車両の前方に存在する最も近い他の車両の前方を走行させる経路、および、一の車両を減速させて当該車両の後方に存在する最も近い他の車両の後方を走行させる経路を前記候補経路として生成する[1]から[5]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[7]
前記候補経路生成部が前記候補経路を生成することができる車両である制御車両と、前記候補経路生成部が前記候補経路を生成することができない車両である非制御車両と、が存在する場合において、前記非制御車両について仮の候補経路を仮説候補経路として生成する仮設候補経路生成部(15)をさらに備え、
前記組合せ探索部は、前記候補経路生成部が生成した前記候補経路および前記仮設候補経路生成部が生成した前記仮設候補経路から最適な走行経路を選択し、前記制御車両および前記非制御車両からなる車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する[1]から[6]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[8]
前記組合せ探索部は、組合せ最適化ソルバーにより、最適な走行経路の組合せを探索する[1]から[7]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[9]
前記組合せ探索部は、車両に搭載されている[1]から[8]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[10]
前記組合せ探索部は、交通インフラストラクチャ設備に搭載されている[1]から[9]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[11]
前記候補経路生成部は、車両に搭載されている[1]から[10]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[12]
前記候補経路生成部は、交通インフラストラクチャ設備に搭載されている[1]から[11]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[13]
前記組合せ探索部は、車両群全体としての最適な走行経路の組合せを探索する処理を必要なタイミングで繰り返し実行する[1]から[12]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[14]
前記組合せ探索部は、前記車両の衝突を回避するための最適な走行経路の組合せ、または、前記車両の燃費を抑制するための最適な走行経路の組合せを探索する[1]から[13]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
[15]
前記組合せ探索部は、量子インスパイアドコンピュータにより、最適な走行経路の組合せを探索する[1]から[14]の何れか1つに記載の車両用走行経路計画システム。
【符号の説明】
【0098】
図面において、10は車両用走行経路計画システム、11は単一経路計画機能部(単一経路計画部)、12は候補経路生成機能部(候補経路生成部)、13は組合せ探索機能部(組合せ探索部)、15は仮設候補経路生成機能部(仮設候補経路生成部)を示す。