(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057008
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】電磁ユニットの調節制御方法、装置、デバイスおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 5/40 20240101AFI20240416BHJP
H01Q 15/14 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H04B5/40
H01Q15/14 Z
H01Q15/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025580
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022542056の分割
【原出願日】2020-12-29
(31)【優先権主張番号】202010015133.1
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳藝▲ゲン▼
(72)【発明者】
【氏名】方敏
(72)【発明者】
【氏名】竇建武
(72)【発明者】
【氏名】彭琳
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調節制御の次元および複雑度を低減する電磁ユニットの調節制御方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】電磁ユニットの調節制御方法は、調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定するS110ことと、調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との少なくとも1つを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得するS120ことと、調節制御待ち電磁特性セットを確定するS130ことと、電磁ユニットグループに基づき、調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うS140ことと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することと、
前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との少なくとも1つを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得することと、
調節制御待ち電磁特性セットを確定することと、
前記電磁ユニットグループに基づき、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して前記電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うこととを含む、電磁ユニットの調節制御方法であって、
調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することは、
第1プリセット条件に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定すること、または、
前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2が前記調節制御可能な電磁ユニットセットS1に等しいと確定することを含み、
前記第1プリセット条件は、
無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスでの受信電力に基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、下り伝送のターゲットユーザに基づくというプリセット条件と、上り伝送のターゲットアクセスポイントに基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、アクセスポイントAPまたはユーザ端末UEから送信された制御シグナリングの内容に基づくというプリセット条件と、制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、変調符号化方式MCSに基づくというプリセット条件と、誘電率、導電率または透磁率に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスの用途に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、送信側または受信側のアンテナ設定に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む、
電磁ユニットの調節制御方法。
【請求項2】
電磁ユニットセットをグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得することは、
第2プリセット条件に基づいて前記電磁ユニットセットをグループ分けし、前記X個の電磁ユニットグループを取得することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2プリセット条件は、
無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、電磁ユニットのピッチに基づくというプリセット条件と、電磁ユニットの総数に基づくというプリセット条件と、水平または垂直次元の電磁ユニットの数に基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性の精度に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、サービスユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとインテリジェントサーフェスの距離に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線通信の動作周波数は、発信、反射または透過の動作周波数を含み、
前記無線通信の動作周波数の高低は、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2に含まれる電磁ユニットの数に比例する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1プリセット条件がインテリジェントサーフェスでの受信電力である場合、第1プリセット条件に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することは、
インテリジェントサーフェスにおける単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力と、予め設定された電力閾値との間の比較結果を確定することと、
前記単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力が前記電力閾値以上である場合、前記単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットを前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2に加えることとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電力閾値の確定方式は、
固定値とするという方式と、基地局により設定されるという方式と、UEにより設定されるという方式と、ターゲットパラメータに基づいて暗黙的に確定されるという方式との1つを含み、
前記ターゲットパラメータは、無線通信の動作周波数、誘電率、導電率、透磁率、電磁ユニットの数、多重化される伝送層数、調節制御待ち電磁特性のタイプ、インテリジェントサーフェスの用途、MCS方式、通信リンクのタイプ、チャネルまたは信号のタイプ、APまたはUEの送信電力、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームの少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネルまたは信号のタイプは、
共有制御チャネル、ブロードキャストチャネル、データチャネル、同期信号およびパイロット信号の1つを含む。
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1プリセット条件が下り伝送のターゲットユーザである場合、第1プリセット条件に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することは、
前記下り伝送のターゲットユーザの位置に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定すること、または、
前記下り伝送のターゲットユーザの数に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定すること、または、
前記下り伝送のターゲットユーザの識別子IDに基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1プリセット条件が上り伝送のターゲットアクセスポイントである場合、第1プリセット条件に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することは、
前記上り伝送のターゲットアクセスポイントの位置に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定すること、または、
前記上り伝送のターゲットアクセスポイントの数に基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定すること、または、
前記上り伝送のターゲットアクセスポイントのIDに基づいて前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記電磁ユニットグループのグループ分け特徴は、
連続または離散した配列に従ってグループ分けすることと、円形配列の方式に従ってグループ分けすることと、電磁ユニットグループの数が少なくとも1つであることと、異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が同じまたは異なることとの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項11】
異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が異なることは、
インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が、前記インテリジェントサーフェスの外側の電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数よりも小さいことを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2の特徴は、
長方形、円形または円環に配列することと、水平次元における電磁ユニットの数が垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きいことと、電磁ユニットの密度が不均一であることと、複数のインテリジェントサーフェスのうちの少なくとも1つであることと、各インテリジェントサーフェスにおける複数の電磁ユニットエレメントであることと、電磁ユニットが離散して絡み合っていることと、中実または中空矩形に配列することと、中実または中空菱形に配列することと、中実または中空円形に配列することとの1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電磁ユニットの密度が不均一であることは、
インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットの密度が、前記インテリジェントサーフェスの外側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの左側にある電磁ユニットの密度が、前記インテリジェントサーフェスの右側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの右側にある電磁ユニットの密度が、前記インテリジェントサーフェスの左側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの上側にある各電磁ユニットの密度が、前記インテリジェントサーフェスの下側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの下側にある各電磁ユニットの密度が、前記インテリジェントサーフェスの上側の電磁ユニットの密度以上であることとの1つを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電磁特性セットの確定条件は、
無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、ユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとインテリジェントサーフェスとの間の距離に基づくというプリセット条件と、受信電力に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、ターゲットユーザまたはターゲットAPに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを備え、
メモリは、少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成され、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~14のいずれか1項に記載の電磁ユニットの調節制御方法を実現する、
デバイス。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~14のいずれか1項に記載の電磁ユニットの調節制御方法を実現する、
記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~14のいずれか1項に記載の電磁ユニットの調節制御方法を実現する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年01月07日に中国専利局に提出された出願番号が202010015133.1である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、該出願の全ての内容を引用により本願に援用する。
[技術分野]
【0002】
本願は、インテリジェントサーフェス分野に関し、例えば、電磁ユニットの調節制御方法、装置、デバイスおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
インテリジェントサーフェス(Intelligent Surface、IS)は、またはインテリジェント表面、設定可能な電磁表面等と呼ばれ、将来での通信は非常に活発になる可能性があり、無線通信、無線充電およびリモートセンシングを実現することができ、物理環境が「インテリジェント」およびインタラクティブとなる。
【0004】
図1は、関連技術に係るインテリジェントサーフェスの構造模式である。
図1に示すように、各調節制御可能な電磁ユニットは、1グループの電気制御デバイスに対応する必要がある。
図2は、関連技術に係る位相特性の調節制御の実現模式図である。
図2に示すように、制御チップは、バスを介して各電磁ユニットに接続され、N個の調節制御可能な電磁ユニットがあると仮定すると、電磁ユニット毎に内部の電気制御デバイスを設けてバスを介して制御チップに接続する必要があり、制御チップは、実際の適用のニーズに応じて各電磁ユニットに対して位相の調節制御を行う。
【0005】
インテリジェントサーフェスのエレメントまたは調節制御可能な電磁ユニットの数が非常に大きい場合、いくつかの大きな技術的問題が存在する。1、実際のシナリオでより良好な効果を得るために、調節制御する必要がある電磁ユニットの数Nが、103~105のような大きくにする必要があれば、電磁特性に対応するN次元の調節制御行列の計算は非常に大きくなり、複雑度が高く、インテリジェントサーフェスの適用に不利である。2、異なるユーザ、異なる送信または反射ポリジー、異なるチャネルまたは信号に対し、その性能および電磁カバレッジのニーズが異なるが、調節制御ポリジーは、これらの区別に対して必要に応じて柔軟に調節制御して合致することができないため、効率的ではない。3、異なる電磁ユニットの全体的な性能への貢献の大きさが異なり、関連技術において、いくつかの電磁ユニットの性能への貢献の重みが低いが、高精度な調節制御が依然として必要となる場合が存在し、不要な計算量の無駄および制御シグナリングオーバーヘッドの無駄をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、調節制御の次元および複雑度を低減する電磁ユニットの調節制御方法、装置、デバイスおよび記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例は、
調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することと、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との少なくとも1つを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得することと、調節制御待ち電磁特性セットを確定することと、前記電磁ユニットグループに基づき、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して前記電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うこととを含む、
電磁ユニットの調節制御方法を提供する。
【0008】
本願の実施例は、
調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定するように構成される第1確定モジュールと、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との少なくとも1つを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得するように構成されるグループ分けモジュールと、調節制御待ち電磁特性セットを確定するように構成される第2確定モジュールと、前記電磁ユニットグループに基づき、前記調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して前記電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うように構成される調節制御モジュールとを備える、
電磁ユニットの調節制御装置を更に提供する。
【0009】
本願の実施例は、
メモリおよび1つまたは複数のプロセッサを備え、
メモリは、1つまたは複数のプログラムを記憶することに用いられ、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサは、上記電磁ユニットの調節制御方法を実現する、
デバイスを更に提供する。
【0010】
本願の実施例は、
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記電磁ユニットの調節制御方法を実現する、
記憶媒体を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】関連技術に係るインテリジェントサーフェスの構造模式図である。
【
図2】関連技術に係る位相特性の調節制御の実現模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る制御可能な電磁ユニットの実現模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る電磁ユニットの調節制御方法のフローチャートである。
【
図5】本願に係る調節制御待ち電磁ユニットセットとインテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットとの間の関係模式図である。
【
図6】本願の実施例に係るターゲットユーザの位置と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
【
図7】本願の実施例に係るターゲットユーザの数と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
【
図8】本願の実施例に係るターゲットAPの位置と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
【
図9】本願の実施例に係るターゲットAPの数と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る異なるISの用途の原理模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る別の調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図13】本願の実施例に係るまた別の調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図15】本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図16】本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図17】本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図18】本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
【
図19】本願の実施例に係る電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
【
図20】本願の実施例に係る別の電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
【
図21】本願の実施例に係る別の電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
【
図22】本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
【
図23】本願の実施例に係る別の調節制御電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
【
図24】本願の実施例に係るまた別の調節制御電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
【
図25】本願の実施例に係る集中型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
【
図26(1)】本願の実施例に係る分布型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
【
図26(2)】本願の実施例に係る別の分布型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
【
図27】本願の実施例に係る電磁ユニットグループの表示模式図である。
【
図28(1)】本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けする模式図である。
【
図28(2)】本願の実施例に係る別の調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けする模式図である。
【
図29】本願の実施例に係る電磁ユニットの調節制御装置の構造ブロック図である。
【
図30】本願の実施例に係るデバイスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本願の実施例について詳細に説明する。
【0013】
インテリジェントサーフェスは、一方、チャネル環境を知能的に制御し、より大きな伝送容量、より高い無線充電の効率、およびより強いロバスト性を提供することができる。他方、超大規模端末のアクセスをサポートすることができ、これにより、IoTを実現するという最も壮大なビジョンが可能となる。本願におけるインテリジェントサーフェスは、実際に、物理的な表面電磁が活発な無線環境に展開することができ、該無線環境の各部分は、いずれも電磁界を送受信することができ、これらの電磁界を知能的に制御することができれば、エネルギーを3次元空間に集中して伝送して受信し、能力効率を高めて干渉を低減する可能性がある。従って、これらの表面は、新たな電磁環境の通信、センシングおよび制御能力をもたらす。インテリジェントサーフェスは、高周波見通し外伝送問題の解決、カバレッジホールの解決、電磁汚染の低減、パッシブIoE、低コストの大規模送受信、およびチャネルの空間自由度の増加を含む様々な面に使用できる。
【0014】
インテリジェントサーフェスの基本原理は、インテリジェントサーフェスエレメント(IS element)、または調節制御可能な電磁ユニットと呼ばれるものの電磁特性を変更することにより、調製可能な放射電界を発生させ、必要な放射特性を取得し、発信または反射時に、大規模多重入出力(Multiple-Input Multiple-Output、MIMO)のビームフォーミング効果を実現する。理論的には、調節制御して変更できる電磁特性は、位相特徴(Phase)、振幅特徴(Amplitude)、周波数特性(Frequency)、分極特性(Polarization)、角運動量(Angular Momentum)等を含む。インテリジェントサーフェスは、電磁特性を変更する能力を持ち、電磁波は、ユーザの期待方式に応じて制御することができ、非常に広い応用の見通しを有している。
【0015】
図3は、本願の実施例に係る制御可能な電磁ユニットの実現模式図である。インテリジェントサーフェスは、複数の調節制御可能な電磁ユニットを含む。
図3に示すように、調節制御可能な電磁ユニットは、簡単な電子部品(例えば、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、抵抗等)構造であってもよいし、いくつかの媒体または孔径であってもよい。
図3において、制御可能な電磁ユニットを実現するためのいくつかの簡単な方法を列挙する。実際には、電磁ユニットの実現方法の種類は非常に多く、以下のいくつかの方式に限定されない。インテリジェントサーフェスにおける調節制御可能な電磁ユニットは誘電体基板に付着され、調節制御可能な電磁ユニットは、電磁波の発信、反射および透過を実現することができる。
【0016】
図4は、本願の実施例に係る電磁ユニットの調節制御方法のフローチャートであり、本実施例は、インテリジェントサーフェスにより実行される。
図4に示すように、本実施例は、S110~S140を含む。
【0017】
S110において、調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定する。
【0018】
実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2は、インテリジェントサーフェスにおける調節制御する必要がある全ての電磁ユニットを意味し、調節制御可能な電磁ユニットセットS1は、インテリジェントサーフェスにおける電磁特性が調節制御できる全ての電磁ユニットを意味する。一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2に含まれる全ての電磁ユニットの数は、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニット以下であり、即ち、調節制御可能な電磁ユニットセットS1内の全ての電磁ユニットの数以下である必要がある。
【0019】
S120において、電磁ユニットセットをグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得する。
【0020】
実施例において、Xは1以上の正の整数である。実施例において、電磁ユニットセットは、調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との1つを含む。一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2をグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得することができる。一実施例において、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットをグループ分けし、即ち、調節制御可能な電磁ユニットセットS1をグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得することができる。
【0021】
S130において、調節制御待ち電磁特性セットを確定する。
【0022】
実施例において、調節制御待ち電磁特性セットは、調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットが調節制御を行う必要がある電磁特性セット内の1つまたは複数の電磁特性を意味する。実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットは、電磁特性セット内の1つの電磁特性の調節制御を行ってもよいし、電磁特性セット内の複数の電磁特性の調節制御を行ってもよい。
【0023】
S140において、電磁ユニットグループに基づき、調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行う。
【0024】
実施例において、各電磁ユニットグループは、電磁特性セット内の1つまたは複数の電磁特性の調節制御を行うことができる。同じ電磁ユニットグループ内の全ての電磁ユニットにより調節制御される電磁特性は同じである。例えば、電磁ユニットをグループ分けした後、電磁ユニットグループAおよび電磁ユニットグループBを取得し、且つ、電磁ユニットグループAおよび電磁ユニットグループBが同様に調節制御待ち電磁ユニットセットに属する場合、電磁ユニットグループAおよび電磁ユニットグループBに対して電磁特性の調節制御をそれぞれ行うことができ、ここで、電磁ユニットグループAおよび電磁ユニットグループBにより調節制御される電磁特性は、同じであってもよいし、異なってもよく、これについて限定せず、ユーザのニーズに応じて自ら設定すれば良く、同じグループにより調節制御される電磁特性は同じであり、または調節制御の精度は同じである。
【0025】
実施例において、電磁ユニットに対して電磁特性の調節制御を行う前に、異なる条件に基づき、電磁ユニットセットをグループ分けし、調節制御待ち電磁ユニットの数がインテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットの数以下で、且つ、調節制御待ち電磁ユニットの数が1以上であるようにすることで、調節制御待ち電磁ユニットは、更に目的性を有し、調節制御効率を高め、調節制御の次元を低減し、調節制御の複雑度を低減する。
【0026】
実施例において、S110~S130の実行の前後順序について限定しない。一実施例において、S110、S120およびS130を順次実行することができ、即ち、調節制御待ち電磁ユニットセットを確定した後、調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けして電磁ユニットグループを取得し、その後、電磁ユニットグループに対して予め設定された電磁特性セット内の1つまたは複数の電磁特性の調節制御を行う。実施例において、S120がS110の後に実行する場合、グループ分けを行う電磁ユニットは、調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットに属する。
【0027】
一実施例において、S120、S110およびS130を順次実行することができ、即ち、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットをグループ分けして少なくとも2つの電磁ユニットグループを取得し、その後、少なくとも2つの電磁ユニットグループから、所定の数の電磁ユニットグループを選択して調節制御待ち電磁ユニットセットとし、電磁ユニットグループに基づき、調節制御待ち電磁ユニットセット内の電磁ユニットに対して電磁特性セット内の1つまたは複数の電磁特性の調節制御を行う。実施例において、S110がS120の後に実行する場合、グループ分けを行う電磁ユニットは、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットに属する。
【0028】
上記実施例において、S130は、S110およびS120の前に実行してもよいし、S120およびS120の後に実行してもよく、これについて限定せず、S130およびS140の前に実行することを確保すれば良い。
【0029】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が調節制御可能な電磁ユニットセットS1に等しいと確定することを含む。
【0030】
一実施例において、第1プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスでの受信電力に基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、下り伝送のターゲットユーザに基づくというプリセット条件と、上り伝送のターゲットアクセスポイントに基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、アクセスポイント(Access Point、AP)またはユーザ端末(User Equipment、UE)から送信された制御シグナリングの内容に基づくというプリセット条件と、制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、変調符号化方式(Modulation and Coding Scheme、MCS)に基づくというプリセット条件と、誘電率、導電率または透磁率に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、送信側または受信側のアンテナ設定に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0031】
一実施例において、無線通信の動作周波数は、発信、反射または透過の動作周波数を含み、無線通信の動作周波数の高低は、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に比例する。
【0032】
一実施例において、第1プリセット条件がインテリジェントサーフェスでの受信電力である場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、インテリジェントサーフェスにおける単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力と、予め設定された電力閾値との間の比較結果を確定することと、単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力が電力閾値以上である場合、単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットを調節制御待ち電磁ユニットセットに加えることとを含む。
【0033】
一実施例において、電力閾値の確定方式は、固定値とするという方式と、基地局により設定されるという方式と、UEにより設定されるという方式と、ターゲットパラメータに基づいて暗黙的に確定されるという方式との1つを含み、前記ターゲットパラメータは、無線通信の動作周波数、誘電率、導電率、透磁率、電磁ユニットの数、多重化される伝送層数、調節制御待ち電磁特性のタイプ、ISの用途、MCS方式、通信リンクのタイプ、チャネルまたは信号のタイプ、APまたはUEの送信電力、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームの1種または複数種を含む。
【0034】
一実施例において、チャネルまたは信号のタイプは、共有制御チャネル、ブロードキャストチャネル、データチャネル、同期信号およびパイロット信号の1つを含む。
【0035】
一実施例において、チャネルまたは信号のタイプが共有制御チャネル、ブロードキャストチャネルまたは同期信号である場合、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数は、チャネルまたは信号のタイプがデータチャネルまたはパイロット信号である場合の調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0036】
一実施例において、パイロット信号は、測定パイロットおよび復調パイロットを含み、測定パイロットに対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットデータは、復調パイロットに対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0037】
一実施例において、第1プリセット条件が下り伝送のターゲットユーザである場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、下り伝送のターゲットユーザの位置に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、下り伝送のターゲットユーザの数に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、下り伝送のターゲットユーザの識別子(Identifier、ID)に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することを含む。
【0038】
一実施例において、第1プリセット条件が上り伝送のターゲットアクセスポイントである場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、上り伝送のターゲットアクセスポイントの位置に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、上り伝送のターゲットアクセスポイントの数に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、上り伝送のターゲットアクセスポイントのIDに基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することを含む。
【0039】
一実施例において、通信リンクのタイプは、APからUEへの下りリンク、UEからAPへの上りリンク、UEとUEとの間のサイドリンク、APとAPとの間のバックホールリンクの1つを含む。
【0040】
一実施例において、変調復号化方式の次数の高低は、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に比例する。
【0041】
一実施例において、誘電率の大きさは、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に反比例する。
【0042】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットの特徴は、長方形、円形または円環に配列することと、水平次元における電磁ユニットの数が垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きいことと、電磁ユニットの密度が不均一であることとの少なくとも1つを含む。一実施例において、電磁ユニットの密度が不均一であることは、電磁ユニットの密度が中心へ密となって外部へ疎となることを意味する。
【0043】
図5は、本願に係る調節制御待ち電磁ユニットセットとインテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットとの間の関係模式図である。
図5に示すように、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットをS1と表記し、調節制御待ち電磁ユニットセットをS2と表記する。関連技術において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2は、インテリジェントサーフェスにおける全ての使用できる調節制御可能な電磁ユニットからなるトータルセットS1であり、即ち、S1およびS2に含まれる電磁ユニットは同じである。本願の実施例において、インテリジェントサーフェスにおける調節制御可能な電磁ユニットからなるトータルセットから、現在の発信または反射のニーズに適して使用する調節制御待ち電磁ユニットセットS2を選択し、即ち、S2はS1のサブセットである。S1からS2を選択するには、複数の面の要因を考えることができ、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することができる。S2を確定することは、S2に含まれる電磁ユニットの数、S2に含まれる電磁ユニットのピッチ、S2に含まれる電磁ユニットの密度、S2に含まれる電磁ユニットの分布形態を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0044】
一実施例において、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定する。一実施例において、第1プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスでの受信電力に基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、下り伝送のターゲットユーザに基づくというプリセット条件と、上り伝送のターゲットアクセスポイントに基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、APまたはUEから送信された制御シグナリングの内容に基づくというプリセット条件と、制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、誘電率、導電率または透磁率に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、送信側または受信側のアンテナ設定に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力、送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0045】
一実施例において、第1プリセット条件が無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件である場合、異なる動作周波数、例えば、30GHz、100GHzで、選択された電磁調節制御待ちユニットセットS2は、異なる電磁ユニットを有してもよい。実施例において、無線通信の動作周波数は、発信、反射または透過の動作周波数を含む。実施例において、無線通信の動作周波数が高ければ高いほど、選択された調節制御待ち電磁ユニットセットは大きくなる(即ち、含まれる電磁ユニットの数は多くなる)。実際の動作過程において、高周波でカバレッジ欠陥が存在し、より多くのインテリジェントサーフェスエレメントを使用してこの欠陥を補うことができる。実施例において、無線通信の動作周波数に基づいてS2セットの大きさを確定することができ、例えば、異なる周波数値に対応するS2セットを予め約束することができる。
【0046】
一実施例において、第1プリセット条件がインテリジェントサーフェスでの受信電力に基づくというプリセット条件である場合、電磁ユニットまたは複数の電磁ユニット(1つの電磁ユニットグループとしてもよい)での受信電力に基づき、該電磁ユニットまたは該複数の電磁ユニットが調節制御待ち電磁ユニットセットに加えられるか否かを判断することができる。電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットの受信電力が非常に低い場合、伝送への貢献が小さく、即ち、調節制御しなくても伝送性能に影響を及ぼさないと考えられる。実施例において、1つの電力閾値を設定してS2セットを確定することができる。単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力が該電力閾値よりも小さい場合、該電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットはS2セットによって選択されず、単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力が該電力閾値以上の場合、S2セットによって選択され得る。実施例において、電力閾値の設定は、固定値であってもよいし、固定された数値でなくてもよい。例えば、該電力閾値は、基地局または端末により設定されてもよいし、他のタイプのパラメータ設定に基づいて暗黙的に確定されてもよく、例えば、他のタイプのパラメータは、無線通信の動作周波数、チャネルまたは信号のタイプ、ターゲット伝送ユーザまたはターゲット伝送AP、通信リンクのタイプ、電磁特性のタイプ、電磁特性の調節制御の精度、電磁特性の調節制御の粒度、変調符号化方式、誘電率、インテリジェントサーフェスの用途の1つを含む。これらのパラメータが異なる場合、対応する電力閾値の設定は異なってもよい。また、APまたはUEの発信ポリジーがISでの受信電力に影響を及ぼすため、S2セットは、APまたはUEの発信電力、プリコーディング重み値等のパラメータの設定によって確定されてもよい。異なるAPまたはUEの発信電力、プリコーディング重み値は、異なるS2セットの選択に対応することができる。
【0047】
一実施例において、第1プリセット条件がチャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件である場合、異なるチャネルまたは信号のタイプは、異なる調節制御待ち電磁ユニットセットに対応することができ、例えば、共有制御チャネル、ブロードキャストチャネル、データチャネル、同期信号、パイロット信号は、いずれも異なるS2セットに対応することができる。インテリジェントサーフェスISは、チャネルまたは信号のタイプ情報を取得し、ISは、チャネルまたは信号のタイプ情報に基づいてS2セットを確定する。実施例において、共有制御チャネル、ブロードキャストチャネル、同期信号は、複数のユーザに向け、より多くの電磁ユニットを選択することができ、且つ、分布も十分に広い必要がある。データチャネル、パイロット信号は、特定の1つの端末または少数の端末に向け、ターゲットユーザに比較的近い一部の電磁ユニットを選択してS2セットを構成して発信、透過または反射伝送を行うことができ、電磁ユニットの数は少なくてもよい。実施例において、パイロット信号は、測定パイロットおよび復調パイロットに分けることができる。測定パイロットは、復調パイロットよりも、S2セットに含まれる電磁ユニットの数が多いことを必要とする。実施例において、S2セットの確定は、該チャネルの伝送により良く適応させることができるように、チャネルまたは信号のタイプおよびその特徴に基づく必要がある。一実施例において、伝送内容に基づいてS2セットを確定してもよく、例えば、異なるシグナリングまたはデータ、あるいは、シグナリングまたはデータの重要性に基づいてS2セットを確定してもよい。
【0048】
一実施例において、第1プリセット条件が下り伝送のターゲットユーザの位置に基づくというプリセット条件である場合、インテリジェントサーフェスは、異なるユーザの伝送に使用できる。実施例において、インテリジェントサーフェスのサイズが大きければ、異なるユーザからインテリジェントサーフェスにおける電磁ユニットまでの距離が異なり、異なる位置のユーザに対してその伝送への作用が最も大きな電磁ユニットの集中領域が異なり、即ち、下り伝送のターゲットユーザの位置に基づいてS2セットを確定することができる。実施例において、異なる位置のUEとISとの間の距離も異なり、距離が遠ければ遠いほど、選択する必要があるS2セットは大きくなる。実施例において、無線通信の伝送過程において、1つのユーザにサービスしてもよいし、複数のユーザにサービスしてもよい。一実施例において、
図6は、本願の実施例に係るターゲットユーザの位置と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
図6に示すように、端末Aおよび端末Bは、それぞれ1つの調節制御待ち電磁ユニットセットに対応し、ここで、端末BとISとの間の距離は、端末AとISとの間の距離よりも近く、即ち、端末Aに対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数はより多い。
【0049】
一実施例において、第1プリセット条件が下り伝送のターゲットユーザの数に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、下り伝送のターゲットユーザの数が異なり、対応するS2セットの選択も異なり、即ち、サービスのターゲットユーザの数に基づいてS2セットを確定することができる。
図7は、本願の実施例に係るターゲットユーザの数と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
図7に示すように、上側の図におけるサービスのターゲットユーザの数は、端末A、端末Bおよび端末Cという3つのユーザを含み、下側の図におけるサービスのターゲットユーザの数は、端末Aという1つのユーザを含み、即ち、ターゲットユーザの数が3つである調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数は、ターゲットユーザの数が1つである調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0050】
一実施例において、第1プリセット条件が上り伝送のターゲットAPの位置に基づくというプリセット条件である場合について説明する。インテリジェントサーフェスは、上り伝送過程において、異なるターゲットAPに発信、反射することに使用でき、異なるAPは異なる位置を有するため、伝送性能を最適化するために、異なるS2セットを選択して発信または反射を行うことができる。
図8は、本願の実施例に係るターゲットAPの位置と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
図8に示すように、AP1およびAP2は、それぞれ1つの調節制御待ち電磁ユニットセットに対応し、ここで、AP2とISとの間の距離は、AP1とISとの間の距離よりも近く、即ち、AP1対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数はより多い。
【0051】
一実施例において、第1プリセット条件が上り伝送のターゲットAPの数に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、上り伝送時に、1つのAPの受信にサービスしてもよいし、複数のAPの連携受信にサービスしてもよい。ターゲットAPの数が異なると、対応するS2セットの選択も異なり、即ち、サービスのターゲットAPの数に基づいてS2を確定することができる。
図9は、本願の実施例に係るターゲットAPの数と調節制御待ち電磁ユニットセットとの間の関係模式図である。
図9に示すように、上側の図におけるサービスのターゲットAPの数は、AP2という1つのアクセスポイントを含み、下側の図におけるサービスのターゲットAPの数は、AP1、AP2およびAP3という3つのアクセスポイントを含み、即ち、ターゲットAPの数が3つである調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数は、ターゲットAPの数が1つである調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0052】
一実施例において、第1プリセット条件が通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、インテリジェントサーフェスは、APからUEへの下りリンク、UEからAPへの上りリンク、UEとUEとの間のサイドリンク(SideLink)、APとAPとの間のバックホール(Backhaul)リンクのような様々なタイプのリンクに使用できる。実施例において、異なるタイプの通信リンクに対応するS2セットは異なり、即ち、通信リンクのタイプに基づいて異なるS2セットを選択して発信または反射を行うことができる。実際の動作過程において、上りのカバレッジが限られるため、上り伝送に対応するS2セットに含まれる電磁ユニットの数は、下り伝送に対応するS2セットに含まれる電磁ユニットの数よりも多く、即ち、下り伝送のS2セットは、上り伝送のS2セットのサブセットであってもよい。
【0053】
一実施例において、第1プリセット条件がAPまたはUEから送信された制御シグナリングの内容に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、インテリジェントサーフェスは、受信されたAPまたはUEから送信された制御シグナリングに基づき、どのようにS1セットから電磁ユニットを選択してS2セットを構成するかを確定する。実施例において、該制御シグナリングは、S2セットがどの電磁ユニットで構成されるかを直接指定することができ、本願の実施例における他の実施例に記載のいくつかの設定パラメータ(例えば、無線通信の動作周波数、インテリジェントサーフェスにおける受信周波数、チャネルまたは信号のタイプ、通信リンクのタイプ等)と合わせて確定することもできる。
【0054】
一実施例において、第1プリセット条件が制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件である情况、実施例において、インテリジェントサーフェスは、制御する必要がある電磁特性のタイプを確定し、電磁特性のタイプに基づいてどのようにS1セットから電磁ユニットを選択してS2セットを構成するかを確定する。例えば、位相特性の調節制御は、1つのセットS2-phaseに対応し、振幅特性の調節制御は、1つのセットS2-amに対応し、周波数特性の調節制御は、1つのセットS2-rfに対応し、軌道角運動量特性の調節制御は、1つのセットS2-oamに対応し、スピン角運動量特性の調節制御は、1つのセットS2-samに対応する。
【0055】
一実施例において、第1プリセット条件が電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、インテリジェントサーフェスは、電磁特性の調節制御の精度(例えば、2つの位相値を含む二位相偏移変調(Binary Phase Shift Keying、BPSK)精度、4つの位相値を含む四位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying、QPSK)精度)を確定し、電磁特性のスケジューリング精度に基づいてどのようにS1セットから電磁ユニットを選択してS2セットを構成するかを確定する。例えば、BPSKの位相調節制御は、1つのセットS2-bpskに対応し、QPSK位相調節制御は、1つのセットS2-qpskに対応する。
【0056】
一実施例において、第1プリセット条件が電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、インテリジェントサーフェスは、電磁特性の調節制御の粒度を確定し、例えば、粒度は、各電磁ユニットの制御に基づくか、または1グループの電磁ユニットの連携制御に基づき、各グループは、N個の電磁ユニットを含む。粒度に基づき、どのようにS1セットから電磁ユニットを選択してS2セットを構成するかを確定する。粒度は、電磁ユニットの数で表すことができるだけでなく、電磁ユニットの面積で表すこともできる。同じ数の電磁ユニットに基づいて制御を行い、面積が異なる場合、粒度も異なる。例えば、調節制御の粒度は、1cm2の粒度、0.5cm2の粒度、0.25cm2の粒度と記述することができる。
【0057】
一実施例において、第1プリセット条件がMCS方式に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、異なるMCS方式は、異なるS2セットの大きさのニーズを有し、例えば、高次のMCS方式に対応するS2セットに含まれる電磁ユニットの数はより多い。実施例において、高次のMCSは、より良好な伝送性能およびよりロバストなチャネル条件を必要とし、そうでなければ、大量のデータ伝送が不正確となり、リソースが非常に無駄となる。実施例において、MCS方式に基づいてS2セットを確定することができ、即ち、高次のMCSで伝送し、S2セットに含まれる電磁ユニットの数はより多い。
【0058】
一実施例において、第1プリセット条件が誘電率、導電率または透磁率に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、異なる誘電率は、異なるS2セットの大きさのニーズを有し、例えば、小さい誘電率に対応するS2セットに含まれる電磁ユニットの数はより多い。実施例において、誘電率に基づいてS2セットを確定することができる。一実施例において、導電率および透磁率等に基づいてS2セットを確定してもよく、即ち、異なる導電率に対応するS2セットは異なり、異なる透磁率に対応するS2セットは異なる。
【0059】
一実施例において、第1プリセット条件がISの用途に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、ISの用途は、送信、反射、および透過という3つに分けることができる。実施例において、ISの用途が発信とされる場合、即ち、ISをアンテナとして使用し、ISの裏側に信号を直接入力し、アクティブな利用方式に属する。ISの用途が反射または透過である場合、パッシブな利用方式に属し、電磁ユニットが発生するのは誘導電流である。
図10は、本願の実施例に係る異なるISの用途の原理模式図である。
図10に示すように、ISの用途が反射または透過である場合、電磁メタサーフェスから対応する反射信号または透過信号を発信することは、パッシブな利用方式に属する。実施例において、このいくつかの方式の伝送特点は異なり、電磁ユニットに対する要求も異なり、即ち、ISの用途に基づいて異なるS2セットを選択することができる。
【0060】
一実施例において、第1プリセット条件が多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、多重化される伝送層数が多ければ多いほど、対応するS2セットに含まれる電磁ユニットの数は多くなり、且つ、好ましい方式は、細長い扁平型の分布を呈することである。
【0061】
一実施例において、第1プリセット条件が送信側または受信側のアンテナ設定に基づくというプリセット条件である場合について説明する。実施例において、送信側または受信側のアンテナ設定は、送信ビームまたは受信ビームに影響を及ぼし、即ち、有効な電磁ユニットの分布に影響を及ぼし、例えば、送信側または受信側の水平次元のエレメント数が非常に多いと、ビームが狭いことを意味し、即ち、水平次元のエレメント数は少なくてもよいし、ピッチが小さくてもよい。
【0062】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2の特徴は、長方形、円形または円環に配列することと、水平次元における電磁ユニットの数が垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きいことと、電磁ユニットの密度が内側へ密となって外側へ疎となることと、複数のインテリジェントサーフェスのうちの1つまたは複数であることと、各インテリジェントサーフェスにおける複数のエレメントであることと、電磁ユニットが離散して絡み合っていることと、中実または中空矩形に配列することと、中実または中空菱形に配列することと、中実または中空円形に配列することとの1つを含む。
【0063】
一実施例において、電磁ユニットの密度が不均一であることは、インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットの密度が、外側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの左側にある電磁ユニットの密度が、右側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの右側にある電磁ユニットの密度が、左側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの上側にある各電磁ユニットの密度が、下側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの下側にある各電磁ユニットの密度が、上側の電磁ユニットの密度以上であることとの1つを含む。
【0064】
一実施例において、
図11は、本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図11に示すように、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットから一部の電磁ユニットを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0065】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が複数のインテリジェントサーフェスのうちの1つまたは複数である場合について説明する。
図12は、本願の実施例に係る別の調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図12に示すように、複数の長方形に配列されたインテリジェントサーフェスから、1つのインテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0066】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が各インテリジェントサーフェスにおける複数の電磁ユニットエレメントである場合について説明する。
図13は、本願の実施例に係るまた別の調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図13に示すように、各インテリジェントサーフェスから、それぞれ長方形の配列に従って一部の電磁ユニットエレメントを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0067】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が離散して絡み合っているように配列される場合について説明する。
図14は、本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図14に示すように、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットから、一部の電磁ユニットを離散して絡み合っているように選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0068】
一実施例において、
図15は、本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図15に示すように、グループ分け後の複数の円形に配列された電磁ユニットグループから、1グループの電磁ユニットグループを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0069】
一実施例において、
図16は、本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図16に示すように、グループ分け後の各電磁ユニットグループから、それぞれ円形の配列に従って一部の電磁ユニットを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0070】
一実施例において、
図17は、本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図17に示すように、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットから、円環の配列に従って一部の電磁ユニットを選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。
【0071】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が内側へ密となって外側へ疎となる場合について説明する。
図18は、本願の実施例に係る更なる調節制御待ち電磁ユニットセットの表示模式図である。
図18に示すように、インテリジェントサーフェスにおける全ての電磁ユニットから、一部の電磁ユニットを分布的に選択して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットとすることができる。それと同時に、インテリジェントサーフェスの内部で選択された電磁ユニットの数は、インテリジェントサーフェスの外部で選択された電磁ユニットの数よりも多い。
【0072】
一実施例において、選択された調節制御待ち電磁ユニットセットS2は、以下のいくつかの形式またはその組み合わせ形式を含んでもよい。実施例において、S2セットに含まれる電磁ユニットエレメントは、以下の形式またはその組み合わせであってもよい。一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が中実または中空矩形に配列される場合について説明する。
図19は、本願の実施例に係る電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
図19に示すように、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットエレメントの配列方式は、中実または中空矩形である。一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が中実または中空菱形に配列される場合について説明する。
図20は、本願の実施例に係る別の電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
図20に示すように、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットエレメントの配列方式は、中実または中空菱形である。一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が中実または中空円形に配列される場合について説明する。
図21は、本願の実施例に係る別の電磁ユニットエレメントの構造模式図である。
図21に示すように、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットエレメントの配列方式は、円形もしくは環形、または複数の円環形である。
【0073】
実施例において、上記実施例に係る電磁ユニットエレメントの配列方式を採用し、制御回路をより容易に設計してグループ分けすることができる。
【0074】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットを確定する時、水平次元における電磁ユニットの数が垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きいことと、電磁ユニットの密度が不均一であることとの少なくともの1つの特徴に従って確定することができる。実施例において、できるだけ水平次元でより多くの電磁ユニットを分布し、即ち、水平次元における電磁ユニットの数は垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きく、これにより、通信性能はより良好となる。ISが受信した電力はより大きい一方、チャネル非相関性が良好に改善され、より多くの層を伝送することができる。
図22は、本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
図22に示すように、水平次元における電磁ユニット数は、垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きい。実施例において、細長い型、扁平型の電磁ユニットの組み合わせは、更に多層伝送に適する。
【0075】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットから選択された電磁ユニットの密度は、不均一であってもよい。
図23は、本願の実施例に係る別の調節制御電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
図23に示すように、調節制御待ち電磁ユニットセット内の電磁ユニットの分布状況は、中央の電磁ユニットのピッチが小さく、密度が大きく、縁部の電磁ユニットのピッチが大きく、密度が小さい。
【0076】
一実施例において、
図24は、本願の実施例に係るまた別の調節制御電磁ユニットセット内の電磁ユニットの配列分布図である。
図24に示すように、調節制御待ち電磁ユニットセット内の電磁ユニットの分布状況は、中央の密度が小さく、その後、密度が大きくなり、最後に、小さくなり、この状況は、渦波を用いて送信する時にサーフェスに到着する電力の受信特性に関連する。
【0077】
一実施例において、電磁ユニットセットをグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得することは、第2プリセット条件に基づいて電磁ユニットセットをグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得することを含む。
【0078】
一実施例において、第2プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、電磁ユニットのピッチに基づくというプリセット条件と、電磁ユニットの総数に基づくというプリセット条件と、水平または垂直次元の電磁ユニットの数に基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性の精度に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、サービスユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとISの距離のプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力、送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0079】
一実施例において、電磁ユニットグループのグループ分け特徴は、連続または離散した配列に従ってグループ分けすることと、円形配列の方式に従ってグループ分けすることと、電磁ユニットグループの数が1つまたは複数であることと、異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が同じまたは異なることとの少なくとも1つを含む。
【0080】
一実施例において、異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が異なることは、インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が、インテリジェントサーフェスの外側にある電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数よりも少ないことを含む。
【0081】
一実現方式において、電磁ユニットをグループ分けする目的は、グループを基本単位として電磁特性の調節制御を行うことであり、同じグループ内の全ての電磁ユニットは、同じセットの調節制御入力を採用し、グループ内の各電磁ユニットに対して同じ方式または強い相関性を持つ電磁特性の調節制御を行う。実施例において、N個の電磁ユニットはM個の調節制御ユニットに対応し、M≦Nである。各電磁ユニットグループは、1つまたは複数の電磁ユニットを含む。実施例において、グループ分け方式は複数種あり、例えば、最も簡単なグループ分け方式は、以下のとおりである。NがMの整数倍である場合、集中型の電磁ユニットのグループ分け方式と、分布型の電磁ユニットグループに属するという方式のようないくつかの方式でグループ分けすることができる。一実施例において、連続した電磁ユニットの配列に従ってグループ分けする場合について説明する。
図25は、本願の実施例に係る集中型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
図25に示すように、1つの電磁ユニットグループ内の全ての電磁ユニットは集中している。一実施例において、離散した電磁ユニットの配列に従ってグループ分けする場合について説明する。
図26(1)は、本願の実施例に係る分布型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
図26(1)に示すように、1つの電磁ユニットグループ内の全ての電磁ユニットは離間し、集中していない。
図26(2)は、本願の実施例に係る別の分布型の電磁ユニットのグループ分けの模式図である。
図26(2)に示すように、1つの電磁ユニットグループ内の全ての電磁ユニットは離間し、集中していない。
【0082】
例示的には、電磁ユニットグループを円形配列の方式に従ってグループ分けする場合について説明する。
図27は、本願の実施例に係る電磁ユニットグループの表示模式図である。
図27に示すように、電磁ユニットをグループ分けした後、3つの電磁ユニットグループを取得でき、且つ、各電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数は同じである。一実施例において、各電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数は異なってもよい。
【0083】
一実施例において、第2プリセット条件に基づいて電磁ユニットをグループ分けして電磁ユニットグループを取得することができる。実施例において、第2プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、電磁ユニットのピッチに基づくというプリセット条件と、電磁ユニットの総数に基づくというプリセット条件と、水平または垂直次元の電磁ユニットの数に基づくというプリセット条件と、調節制御された電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、サービスユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとISの距離に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件等の1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0084】
実施例において、異なる無線通信の動作周波数で、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なる電磁ユニットのピッチは、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なる電磁ユニットの数は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なる調節制御待ち電磁特性のタイプは、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なる電磁特性の調節制御の精度は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なる伝送層数は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるサービスユーザ数は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるAPとISの距離は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるUEとISの距離は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるISの用途は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるMCS方式は、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるリンクのタイプは、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができ、異なるチャネルまたは信号のタイプは、上記実施例で記述された異なるグループ分け方式を採用することができる。
【0085】
一実施例において、異なるグループ分け方式を採用して調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けする。つまり、複数の電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数は異なり、または密度は異なり、または分布は異なる。一実施例において、複数の電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が異なり、且つインテリジェントサーフェスの内部にある電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が外部にある電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数よりも少ない場合について説明する。
図28(1)は、本願の実施例に係る調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けする模式図であり、
図28(2)は、本願の実施例に係る別の調節制御待ち電磁ユニットセット内の全ての電磁ユニットをグループ分けする模式図である。
図28(1)および
図28(2)に示すように、中心から離れるほど、電磁ユニットグループの粒度は大きくなり、含まれる電磁ユニットの数は多くなる。
図28(1)に示すように、電磁ユニットグループ1、電磁ユニットグループ2および電磁ユニットグループ3に含まれる電磁ユニットの数は順次多くなる。
図28(2)に示すように、電磁ユニットグループb、電磁ユニットグループcおよび電磁ユニットグループaに含まれる電磁ユニットの数は順次多くなる。
【0086】
一実施例において、電磁特性セットの確定条件は、無線通信の動作周波数、多重化される伝送層数、ユーザ数、APまたはUEとISとの間の距離、受信電力、ISの用途、MCS方式、電磁特性の調節制御の粒度、通信リンクのタイプ、チャネルまたは信号のタイプ、ターゲットユーザまたはターゲットAPの1つを少なくとも含む。
【0087】
一実現方式において、電磁特性は様々な種類を含んでもよく、例えば、理論的に、調節制御して変更できる電磁特性は、位相特徴、振幅特徴、周波数特性、分極特性、角運動量(更に、軌道角運動量(Orbital Angular Momentum、OAM)、スピン角運動量(Spin Angular Momentum、SAM)に分けることができる)等を含む。
【0088】
一実施例において、調節制御待ち異なる電磁特性セットは、予め約束してもよいし、下記条件に基づいて判断してもよい。一実施例において、電磁特性セットの確定条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、ユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとISとの間の距離に基づくというプリセット条件と、受信電力に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、ターゲットユーザまたはターゲットAPに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディング/送信ビームに基づくというプリセット条件との少なくとも1つを含む。
【0089】
一実施例において、無線通信の動作周波数に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。無線通信の動作周波数が調節制御の難しさに影響を及ぼすため、一部の周波数は複数種の電磁特性の調節制御を実施しやすいが、一部の周波数は1種の電磁特性の調節制御のみに適する。
【0090】
一実施例において、多重化される伝送層数に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、多重化される伝送層数が多ければ多いほど、調節制御する必要がある電磁特性セットに含まれる特性数は多くなり、単層の場合、位相だけを調節することができるが、多層伝送の場合、例えば、位相および振幅、位相振幅および周波数、位相振幅および角運動量等、より多くの電磁特性の調節制御が必要となる。
【0091】
一実施例において、多重化されるユーザ数に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、多重化されるユーザ数が多ければ多いほど、調節制御する必要がある電磁特性セットに含まれる特性数は多くなり、単一のユーザの場合、位相だけを調節することができるが、複数のユーザの伝送の場合、例えば、位相および振幅、位相振幅および周波数、位相振幅および角運動量等、より多くの電磁特性の調節制御が必要となる。
【0092】
一実施例において、APまたはUEとISとの間の距離に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、APまたはUSとISとの間の距離が近ければ近いほど、調節制御する必要がある電磁特性セットに含まれる特性数は多くなり、遠距離の場合、位相だけを調節することができるが、近距離伝送の場合、例えば、位相および振幅、位相振幅および周波数、位相振幅および角運動量等、より多くの電磁特性の調節制御が必要となる。
【0093】
一実施例において、インテリジェントサーフェスでの受信電力に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、インテリジェントサーフェスにおける1つの電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットの受信電力が大きければ大きいほど、調節制御する必要がある電磁特性のタイプは多くなる。
【0094】
一実施例において、ISの用途に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、アクティブな発信の場合、調節制御する必要がある電磁特性のタイプはより多くなり、パッシブな反射または透過の場合、調節制御する必要がある電磁特性のタイプはより少なくなる。
【0095】
一実施例において、MCS方式に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、MCS方式の次数が高ければ高いほど、調節制御する必要がある電磁特性のタイプはより多くなり、MCS方式の次数が低ければ低いほど、調節制御する必要がある電磁特性のタイプはより少なくなる。
【0096】
一実施例において、電磁特性の調節制御の粒度に基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、全体的な複雑度を制御するために、調節制御の粒度によって、調節制御する必要がある電磁特性のタイプは異なる。
【0097】
一実施例において、通信リンクのタイプに基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、通信リンクのタイプによって、調節制御する必要がある電磁特性のタイプは異なる。
【0098】
一実施例において、チャネルまたはチャネルタイプに基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、チャネルまたは信号のタイプによって、調節制御する必要がある電磁特性のタイプは異なる。
【0099】
一実施例において、ターゲットユーザまたはAPに基づいて調節制御待ち電磁特性セットを確定する。実施例において、ターゲットユーザまたはAPによって、調節制御する必要がある電磁特性のタイプは異なる。
【0100】
図29は、本願の実施例に係る電磁ユニットの調節制御装置の構造ブロック図である。
図29に示すように、本実施例における電磁ユニットの調節制御装置は、第1確定モジュール210、グループ分けモジュール220、第2確定モジュール230および調節制御モジュール240を備える。
【0101】
第1確定モジュール210は、調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定するように構成され、グループ分けモジュール220は、調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1との少なくとも1つを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得するように構成され、第2確定モジュール230は、調節制御待ち電磁特性セットを確定するように構成され、調節制御モジュール240は、電磁ユニットグループに基づき、調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うように構成される。
【0102】
本実施例に係る電磁ユニットの調節制御装置は、
図4に示す実施例の電磁ユニットの調節制御方法を実現するように構成され、本実施例に係る電磁ユニットの調節制御装置の実現原理および技術的効果は類似し、ここで説明を省略する。
【0103】
一実施例において、第1確定モジュールは、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定し、または、調節制御待ち電磁ユニットセットS2が調節制御可能な電磁ユニットセットS1に等しいと確定するように構成される。
【0104】
一実施例において、グループ分けモジュールは、第2プリセット条件に基づいて電磁ユニットセットをグループ分けし、X個の電磁ユニットグループを取得するように構成される。
【0105】
一実施例において、第1プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスでの受信電力に基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、下り伝送のターゲットユーザの位置または数に基づくというプリセット条件と、上り伝送のターゲットアクセスポイントの位置または数に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、アクセスポイントAPまたはユーザ端末UEから送信された制御シグナリングの内容に基づくというプリセット条件と、制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の精度に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、変調符号化方式MCSに基づくというプリセット条件と、誘電率、導電率または透磁率に基づくというプリセット条件と、インテリジェントサーフェスISの用途に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、送信側または受信側のアンテナ設定に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力、送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0106】
一実施例において、第2プリセット条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、電磁ユニットのピッチに基づくというプリセット条件と、電磁ユニットの総数に基づくというプリセット条件と、水平または垂直次元の電磁ユニットの数に基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性のタイプに基づくというプリセット条件と、調節制御待ち電磁特性の精度に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、サービスユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとISの距離に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディングまたは送信ビームに基づくというプリセット条件との1つまたは複数の組み合わせを含む。
【0107】
一実施例において、無線通信の動作周波数は、発信、反射または透過の動作周波数を含み、無線通信の動作周波数の高低は、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に比例する。
【0108】
一実施例において、第1プリセット条件がインテリジェントサーフェスでの受信電力である場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、
インテリジェントサーフェスにおける単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力と、予め設定された電力閾値との間の比較結果を確定することと、単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットでの受信電力が電力閾値以上である場合、単一の電磁ユニットまたは複数の電磁ユニットを調節制御待ち電磁ユニットセットに加えることとを含む。
【0109】
一実施例において、電力閾値の確定方式は、固定値とするという方式と、基地局により設定されるという方式と、UEにより設定されるという方式と、ターゲットパラメータに基づいて暗黙的に確定されるという方式との1つを含み、ターゲットパラメータは、無線通信の動作周波数、誘電率、導電率、透磁率、電磁ユニットの数、多重化される伝送層数、調節制御待ち電磁特性のタイプ、ISの用途、MCS方式、通信リンクのタイプ、チャネルまたは信号のタイプ、APまたはUEの送信電力、APまたはUEの送信プリコーディング/送信ビームの1種または複数種を含む。
【0110】
一実施例において、チャネルまたは信号のタイプは、共有制御チャネル、ブロードキャストチャネル、データチャネル、同期信号およびパイロット信号の1つを含む。
【0111】
一実施例において、チャネルまたは信号のタイプが共有制御チャネル、ブロードキャストチャネルまたは同期信号である場合、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数は、チャネルまたは信号のタイプがデータチャネルまたはパイロット信号である場合の調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0112】
一実施例において、パイロット信号は、測定パイロットおよび復調パイロットを含み、測定パイロットに対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットデータは、復調パイロットに対応する調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数よりも多い。
【0113】
一実施例において、第1プリセット条件が下り伝送のターゲットユーザである場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、
下り伝送のターゲットユーザの位置に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、下り伝送のターゲットユーザの数に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、下り伝送のターゲットユーザIDに基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することを含む。
【0114】
一実施例において、第1プリセット条件が上り伝送のターゲットアクセスポイントである場合、第1プリセット条件に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することは、
上り伝送のターゲットアクセスポイントの位置に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、上り伝送のターゲットアクセスポイントの数に基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定すること、または、上り伝送のターゲットアクセスポイントのIDに基づいて調節制御待ち電磁ユニットセットを確定することを含む。
【0115】
一実施例において、電磁ユニットグループのグループ分け特徴は、連続または離散した配列に従ってグループ分けすることと、円形配列の方式に従ってグループ分けすることと、電磁ユニットグループの数が1つまたは複数であることと、異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が同じまたは異なることとの少なくとも1つを含む。
【0116】
一実施例において、異なる電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が異なることは、インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数が、インテリジェントサーフェスの外側にある電磁ユニットグループに含まれる電磁ユニットの数よりも小さいことを含む。
【0117】
一実施例において、通信リンクのタイプは、APからUEへの下りリンク、UEからAPへの上りリンク、UEとUEとの間のサイドリンク、APとAPとの間のバックホールリンクの1つを含む。
【0118】
一実施例において、変調復号化方式の次数の高低は、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に比例する。
【0119】
一実施例において、誘電率の大きさは、調節制御待ち電磁ユニットセットに含まれる電磁ユニットの数に反比例する。
【0120】
一実施例において、調節制御待ち電磁ユニットセットの特徴は、長方形、円形または円環に配列することと、水平次元における電磁ユニットの数が垂直次元における電磁ユニットの数よりも大きいことと、電磁ユニットの密度が内側へ密となって外側へ疎となることと、複数のインテリジェントサーフェスのうちの1つまたは複数であることと、各インテリジェントサーフェスにおける複数の電磁ユニットエレメントであることと、電磁ユニットが離散して絡み合っていることと、中実または中空矩形に配列することと、中実または中空菱形に配列することと、中実または中空円形に配列することとの少なくとも1つを含む。
【0121】
一実施例において、電磁ユニットの密度が不均一であることは、インテリジェントサーフェスの内側にある各電磁ユニットの密度が、外側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの左側にある電磁ユニットの密度が、右側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの右側にある電磁ユニットの密度が、左側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの上側にある各電磁ユニットの密度が、下側の電磁ユニットの密度以上であることと、インテリジェントサーフェスの下側にある各電磁ユニットの密度が、上側の電磁ユニットの密度以上であることとの1つを含む。
【0122】
一実施例において、電磁特性セットの確定条件は、無線通信の動作周波数に基づくというプリセット条件と、多重化される伝送層数に基づくというプリセット条件と、ユーザ数に基づくというプリセット条件と、APまたはUEとISとの間の距離に基づくというプリセット条件と、受信電力に基づくというプリセット条件と、ISの用途に基づくというプリセット条件と、MCS方式に基づくというプリセット条件と、電磁特性の調節制御の粒度に基づくというプリセット条件と、通信リンクのタイプに基づくというプリセット条件と、チャネルまたは信号のタイプに基づくというプリセット条件と、ターゲットユーザまたはターゲットAPに基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信電力に基づくというプリセット条件と、APまたはUEの送信プリコーディング/送信ビームに基づくというプリセット条件との少なくとも1つを含む。
【0123】
図30は、本願の実施例に係るデバイスの構造模式図である。
図30に示すように、本願に係るデバイスは、プロセッサ310およびメモリ320を備える。該デバイスにおけるプロセッサ310の数は、1つまたは複数であってもよく、
図30において、1つのプロセッサ310を例とする。該デバイスにおけるメモリ320の数は、1つまたは複数であってもよく、
図30において、1つのメモリ320を例とする。該デバイスのプロセッサ310とメモリ320とは、バスまたは他の方式で接続することができ、
図30において、バスを介して接続することを例とする。該実施例において、該デバイスはインテリジェントサーフェスである。
【0124】
メモリ320は、コンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能プログラムおよびモジュール、例えば、本願のいずれかの実施例におけるデバイスに対応するプログラム命令/モジュール(例えば、電磁ユニットの調節制御装置における第1確定モジュール、グループ分けモジュール、第2確定モジュール、および調節制御モジュール)を記憶するために使用できる。メモリ320は、プログラム記憶エリアおよびデータ記憶エリアを備えてもよく、ここで、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶エリアは、デバイスの使用に基づいて作成されたデータ等を記憶することができる。また、メモリ320は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリ、または他の不揮発性固体記憶デバイスのような不揮発性メモリを更に含んでもよい。いくつかの実例において、メモリ320は、プロセッサ310に対してリモートに設けられたメモリを含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介してデバイスに接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワークおよびその組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0125】
上記デバイスは、上記いずれかの実施例に係る電磁ユニットの調節制御方法を実行するように鉱石でき、対応する機能および効果を備える。
【0126】
本願の実施例は、コンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体を更に提供し、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータプロセッサにより実行されると、電磁ユニットの調節制御方法を実行することに用いられ、該方法は、調節制御可能な電磁ユニットセットS1のサブセットである調節制御待ち電磁ユニットセットS2を確定することと、調節制御待ち電磁ユニットセットS2と、調節制御可能な電磁ユニットセットS1とを含む電磁ユニットセットをグループ分けし、X個(X≧1)の電磁ユニットグループを取得することと、調節制御待ち電磁特性セットを確定することと、電磁ユニットグループに基づき、調節制御待ち電磁ユニットセットS2に対して電磁特性セット内の少なくとも1つの電磁特性の調節制御を行うこととを含む。
【0127】
ユーザ機器という用語は、任意の適当なタイプの無線ユーザ機器を含み、例えば、携帯電話機、携帯型データ処理装置、携帯型ネットワークブラウザまたは車載移動局を含む。
【0128】
一般的には、本願の様々な実施例は、ハードウェアまたは特定用途向け回路、ソフトウェア、論理またはその任意の組み合わせで実現できる。例えば、一部の態様はハードウェアで実現でき、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサまたは他の計算装置により実行可能なファームウェアまたはソフトウェアで実現でき、本願はこれらに限定されない。
【0129】
本願の実施例は、移動装置のデータプロセッサによりコンピュータプログラム命令を実行することで実現でき、例えば、プロセッサのエンティティにおいて、ハードウェアにより、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現できる。コンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(Instruction Set Architecture、ISA)命令、機械命令、機械関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または1種または複数種のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはターゲットコードであってもよい。
【0130】
本願の図における任意の論理フローのブロック図は、プログラムステップを表してもよいし、互いに接続された論理回路、モジュールおよび機能を表してもよいし、プログラムステップと論理回路、モジュールおよび機能との組み合わせを表してもよい。コンピュータプログラムはメモリに記憶されてもよい。メモリは、ローカルな技術環境に適した任意のタイプを有することができ、且つ、任意の適当なデータ記憶技術で実現できる。例えば、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、光記憶デバイスおよびシステム(デジタル多機能ディスク(Digital Video Disc、DVD)または光ディスク(Compact Disc、CD))等を含んでもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。データプロセッサは、ローカルな技術環境に適した任意のタイプであってもよく、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブル論理デバイス(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサであってもよいが、これらに限定されない。