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  • 特開-位置決め装置 図1
  • 特開-位置決め装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058484
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20240418BHJP
   B23P 21/00 20060101ALN20240418BHJP
【FI】
B23P19/00 302P
B23P21/00 303B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165889
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕之
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BC04
3C030CC02
(57)【要約】
【課題】1つの駆動手段により駆動させることができる位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置1は、対象物Mを載置する載置部10と、対象物Mを幅方向において挟持する第1挟持部20と、対象物Mを長さ方向において挟持する第2挟持部30とを備える。第1挟持部20は、第1固定挟持部21と、第1回動挟持部22bが第1固定挟持部21に接近する方向に回動するように付勢された回動部22とを有している。第2挟持部30は、駆動手段により載置部に対して接近又は離間する方向に移動される移動基準部31と、移動基準部31の移動に応じて対象物Mを挟持するように移動する一対のアーム部32と、移動基準部31の移動に応じて回動部22を付勢力に抗するように押圧する方向又は押圧を解除する方向に移動する第1回動挟持部33を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決めする対象物を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記対象物を一方向において挟持する第1挟持部と、
前記第1挟持部の挟持方向と交差する方向において前記対象物を挟持する第2挟持部と、
前記第2挟持部を駆動する駆動手段とを備え、
前記第1挟持部は、第1固定挟持部と、第1回転軸を中心として回動可能に配設され、一端側に前記第1固定挟持部との間で前記対象物を挟持する第1回動挟持部が設けられ、前記第1回動挟持部が前記第1固定挟持部に接近する方向に回動するように付勢された回動部とを有し、
前記第2挟持部は、前記駆動手段により前記載置部に対して接近又は離間する方向に移動される移動基準部と、前記移動基準部の移動に応じて前記対象物を挟持するように移動する一対のアーム部と、前記移動基準部の移動に応じて前記回動部を付勢力に抗するように押圧する方向又は押圧を解除する方向に移動し、前記移動基準部が前記載置部に接近する方向に移動するに伴い、前記回動部を押圧して前記第1回動挟持部を前記第1固定挟持部から離間させ、前記移動基準部が前記載置部から離間する方向に移動するに伴い、前記回動部から離間して押圧を解除し、前記第1回動挟持部を前記第1固定挟持部に接近させる第1挟持連動部とを有する
ことを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記第2挟持部は、前記第1挟持連動部が前記回動部から離間して前記第1回動挟持部と前記第1固定挟持部により前記対象物を挟持した後に、前記一対のアーム部により前記対象物を挟持するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記第1回動挟持部には、前記第2挟持部の挟持方向に回転可能とされたローラーが配設されたことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の加工組立工程等において、部品の位置決めをする位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車体の加工組立工程では、例えば、車体パネル等の部品に形成された基準孔に対応して基準ピンを設けた位置決め治具を用い、基準孔を基準ピンに合わせて部品を治具に配置することにより、部品の位置決めを行っている。しかし、基準孔を設定することができないドアなどの外から見える意匠部品等の場合には、基準ピンを用いた位置決めを行うことができないので、部品の外形を利用した位置決めが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、略等脚台形状ワークに対して位置決めを行う装置において、台形の短底辺側に位置する各隅部で、該隅部を挟む短底辺部と斜辺部とのそれぞれでワークに当接する一対の当接部材を共に同軸回動する一体構成として設け、台形の両隅部に対応する左右対称位置にそれぞれ配置した二組の該一体構成から成るセンタリング機構と、該両一体構成を接続すると共に互いに対称方向に同期作動させるリンク機構と、該リンク機構の同期作動により位置決めされた状態のワークの長底辺側の略中央を、左右対称位置の対称軸方向に外方より押圧して固定するロック機構とを備えたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4058380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外形を利用して位置決めを行うには、複数の駆動機構が必要であり、装置が複雑で大掛かりとなる。そのため、費用及びエネルギー消費量が増大してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、1つの駆動手段により駆動させることができる位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の位置決め装置は、位置決めする対象物を載置する載置部と、載置部に載置された対象物を一方向において挟持する第1挟持部と、第1挟持部の挟持方向と交差する方向において対象物を挟持する第2挟持部と、第2挟持部を駆動する駆動手段とを備え、第1挟持部は、第1固定挟持部と、第1回転軸を中心として回動可能に配設され、一端側に第1固定挟持部との間で対象物を挟持する第1回動挟持部が設けられ、第1回動挟持部が第1固定挟持部に接近する方向に回動するように付勢された回動部とを有し、第2挟持部は、駆動手段により載置部に対して接近又は離間する方向に移動される移動基準部と、移動基準部の移動に応じて対象物を挟持するように移動する一対のアーム部と、移動基準部の移動に応じて回動部を付勢力に抗するように押圧する方向又は押圧を解除する方向に移動し、移動基準部が載置部に接近する方向に移動するに伴い、回動部を押圧して第1回動挟持部を第1固定挟持部から離間させ、移動基準部が載置部から離間する方向に移動するに伴い、回動部から離間して押圧を解除し、第1回動挟持部を第1固定挟持部に接近させる第1挟持連動部とを有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、駆動手段により第2挟持部の移動基準部を移動させ、それに伴い、第2挟持部の一対のアーム部を移動させて対象物を挟持又は解放すると共に、第1挟持連動部を移動させて第1挟持部の回動部を付勢力に抗するように押圧する方向又は押圧を解除する方向に移動し、第1挟持部の第1回動挟持部と第1固定挟持部とにより対象物を挟持又は解放するようにしたので、1つの駆動手段により駆動させることができる。よって、費用及びエネルギー消費量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る位置決め装置の構成を表す図である。
図2図1に示した位置決め装置を他の方向から見た構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る位置決め装置1の構成を表すものである。図2は、位置決め装置1を図1における横から見た構成を表すものである。図1及び図2においては、(A)、(B)、(C)の順に動きを示しており、図1の(A)、(B)、(C)と図2の(A)、(B)、(C)とは互いに対応している。なお、図2においては、動きを分かりやすくするために、一部を破線で示している。この位置決め装置1は、位置決めする対象物Mの外形を利用して対象物Mの位置決めをするものである。対象物Mはどのような形状のものでもよいが、本実施の形態では、長尺状の部品を位置決めする場合を例に挙げて説明する。
【0012】
位置決め装置1は、例えば、位置決めする対象物Mを載置する載置部10と、載置部10に載置された対象物Mを一方向において挟持する第1挟持部20と、第1挟持部20の挟持方向と交差する方向において対象物Mを挟持する第2挟持部30と、第2挟持部30を駆動する図示しない駆動手段とを備えている。載置部10は、例えば、対象物Mの中央部を支持するように、図示しない載置支持部に固定して配設されている。載置部10は、例えば、対象物Mの幅方向に延在され、対象物Mの長さ方向に間隔を開けて配設された複数の棒状部材により構成されている。棒状部材11の長さは、例えば、対象物Mの幅に対応して形成されていることが好ましい。
【0013】
第1挟持部20は、例えば、対象物Mの幅方向において対象物Mを挟持するように構成されており、第1固定挟持部21と、第1回転軸22aを中心として回動可能に配設され、一端側に固定挟持部21との間で対象物Mを挟持する第1回動挟持部22bが設けられた回動部22とを有している。第1固定挟持部21は、例えば、載置部10の一端部、具体的には、第1挟持部20の挟持方向における一方の端部に固定して配設されている。第1固定挟持部21は、例えば、板状部材又は複数の棒状部材により構成されている。第1固定挟持部21の第1回動挟持部22aとの対向側には、例えば、固定ガイド23が設けられていることが好ましい。固定ガイド23は、例えば、上側が外側に向かい傾斜された形状とされており、位置決め装置1に対象物Mを上から配置する際に、対象物Mを案内して、対象物Mの幅方向における配置位置のばらつきを小さくするためのものである。
【0014】
回動部22は、例えば、第1回転軸22aを介して一端側に延在された第1回動挟持部22bと、第1回転軸22aを介して他端側に延在され、回動を制御する回動制御部22cとを有している。第1回転軸22aは、例えば、載置部10の他端部、具体的には、第1挟持部20の挟持方向における他方の端部に配設された図示しない第1挟持支持部に対して固定して配設されている。第1回動挟持部22bは、例えば、対象物Mの長さ方向(後述するように第2挟持部30の挟持方向)に間隔を開けて配設された複数の棒状部材により構成されている。第1回動挟持部22bには、例えば、先端側に、第2挟持部30の挟持方向に回転可能とされたローラー22dが配設されている。第1挟持部20により対象物Mを挟持した後、第2挟持部30により対象物Mを挟持する際に、対象物Mが第2挟持部30の挟持方向に容易に移動できるようにするためである。
【0015】
回動制御部22cは、例えば、第1回動挟持部22bに対応して、第2挟持部30の挟持方向に間隔を開けて配設された複数の棒状部材により構成されている。回動制御部22cは、例えば、第1回動挟持部22bから90度回転した位置において、第1固定挟持部21の方に延在されている。各回動制御部22cは、例えば、連結部22eにより連結されており、各回動制御部22c及び各第1回動挟持部22bが同時に回動するようになっている。また、回動部22は、第1回転軸22aを中心として、第1回動挟持部22bが第1固定挟持部21に接近する方向に回動するように付勢されている。付勢は、バネにより行うようにしてもよく、また、重りにより行うようにしてもよい。なお、本実施の形態では、回動制御部22cと連結部22eの合計の重さを第1回動挟持部22bとローラー22dの合計の重さよりも重くすることにより、回動制御部22cの自重により付勢するように構成されている。
【0016】
第2挟持部30は、例えば、対象物Mの長さ方向において対象物Mを挟持するように構成されている。第2挟持部30は、例えば、駆動手段により載置部10に対して接近又は離間する方向に移動される移動基準部31と、移動基準部31の移動に応じて対象物Mを挟持するように移動する一対のアーム部32と、移動基準部31の移動に応じて回動部22、具体的には回動制御部22cを押圧又は押圧を解除する方向に移動する第1挟持連動部33とを有している。駆動手段は、例えば、動力シリンダーにより構成することができる。移動基準部31は、例えば、棒状部材により構成されている。
【0017】
アーム部32は、例えば、一端部が移動基準部31に回動可能に配設された棒状部材よりなる第1アーム部32aと、第1アーム部32aの他端部に対して一端部が回動可能に配設された第2アーム部32bとを有している。第2アーム部32bは、例えば、第2回転軸32cを中心として回動可能に配設され、第2回転軸32cは、例えば、図示しない第2挟持支持部に固定して配設されている。第2アーム部32bは、例えば、第2回転軸32cから一端側に延在され第1アーム部32aに連結される第2アーム連結部32dと、第2回転軸32cから他端側に延在され対象物Mを挟持する第2アーム挟持部32eとを有している。第2アーム挟持部32eは、例えば、第2アーム連結部32dに対して、対象物Mに向かい「く」の字状に折り曲げて形成されている。
【0018】
これにより、アーム部32は、例えば、駆動手段により移動基準部31が載置部10から離間する方向に移動されると、それに伴い、第1アーム部32aが載置部10から離間する方向に移動し、第2アーム部32bが第2回転軸32cを中心として第2アーム挟持部32eが対象物Mに接近する方向に回動するようになっている。また、例えば、駆動手段により移動基準部31が載置部10に接近する方向に移動されると、それに伴い、第1アーム部32aが載置部10に接近する方向に移動し、第2アーム部32bが第2回転軸32cを中心として第2アーム挟持部32eが対象物Mから離間する方向に回動するようになっている。
【0019】
第1挟持連動部33は、例えば、回動制御部22cに対応して、第2挟持部30の挟持方向に間隔を開け、回動制御部22cに延在された複数の棒状部材により構成されている。第1挟持連動部33は、例えば、第1回動挟持部22bが第1固定挟持部21に接近する方向に回動させる付勢力に抗して、回動制御部22cを載置部10の方に押圧することにより、第1回動挟持部22bを第1固定挟持部21から離間する方向に回動させるものである。第1挟持連動部33は、移動基準部31が載置部10に接近する方向に移動するに伴い、回動部22、具体的には回動制御部22cを押圧して第1回動挟持部22bを第1固定挟持部21から離間させ、移動基準部31が載置部10から離間する方向に移動するに伴い、回動部22、具体的には回動制御部22cから離間して第1回動挟持部22bを第1固定挟持部21に接近させるようになっている。
【0020】
また、第2挟持部30は、例えば、第1挟持連動部33が回動部22、具体的には回動制御部22cから離間して第1回動挟持部22bと第1固定挟持部21により対象物Mを挟持した後に、一対のアーム部32により対象物Mを挟持するように構成されることが好ましい。安定して位置合わせをすることができるからである。
【0021】
この位置決め装置1は、例えば、次のようにして用いられる。まず、例えば、駆動手段により移動基準部31を載置部10に接近させ、一対の第2アーム挟持部32eを互いに離間する方向に回動させると共に、第1挟持連動部33を載置部10に接近する方向に移動させ、第1挟持連動部33により回動制御部22cを押圧して第1回動挟持部22bを第1固定挟持部21から離間させた状態とする。次いで、例えば、載置部10に対象物Mを載置する(図1(A)及び図2(A)参照)。
【0022】
続いて、例えば、駆動手段により移動基準部31を載置部10から離間させる方向に移動させる。これにより、移動基準部31の移動に伴い、一対の第2アーム挟持部32eは互いに接近する方向に回動する。また、第1挟持連動部33は回動制御部22cから離間する方向に移動し、第1回動挟持部22bは付勢力により第1固定挟持部21に接近するように回動する。これにより、対象物Mは幅方向において、第1回動挟持部22bと第1固定挟持部21とにより挟持される。その際、対象物Mの幅方向における位置がずれていても、第1回動挟持部22bにより第1固定挟持部21の方に押されて移動し、幅方向の位置決めがされる(図1(B)及び図2(B)参照)。
【0023】
次に、例えば、駆動手段により更に移動基準部31を載置部10から離間させる方向に移動させる。これにより、移動基準部31の移動に伴い、一対の第2アーム挟持部32eは互いに更に接近する方向に回動し、対象物Mは長さ方向において、一対の第2アーム挟持部32eにより挟持される。その際、対象物Mの長さ方向における位置がずれていても、一対の第2アーム挟持部32eにより押されて移動、長さ方向の位置決めがされる。なお、第1挟持連動部33は移動基準部31の移動に伴い、更に、回動制御部22cから離間する方向に移動する(図1(C)及び図2(C)参照)。
【0024】
このように本実施の形態によれば、駆動手段により第2挟持部30の移動基準部31を移動させ、それに伴い、第2挟持部30の一対のアーム部32を移動させて対象物Mを長さ方向において挟持又は解放すると共に、第1挟持連動部33を移動させて第1挟持部20の回動部22を付勢力に抗するように押圧する方向又は押圧を解除する方向に移動し、第1挟持部20の第1回動挟持部22bと第1固定挟持部21とにより対象物Mを幅方向において挟持又は解放するようにしたので、1つの駆動手段により駆動させることができる。よって、費用及びエネルギー消費量を削減することができる。
【0025】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、各構成要素の具体的な構造や形状は異なっていてもよく、また、上述した構成要素を全て備えていなくてもよく、他の構成要素を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1…位置決め装置、10…載置部、20…第1挟持部、21…第1固定挟持部、22…回動部、22a…第1回転軸、22b…第1回動挟持部、22c…回動制御部、22d…ローラー、22e…連結部、23…固定ガイド、30…第2挟持部、31…移動基準部、32…アーム部、32a…第1アーム部、32b…第2アーム部、32c…第2回転軸、32d…第2アーム連結部、32e…第2アーム挟持部、33…第1挟持連動部、M…対象物
図1
図2