(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062688
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】物品管理システム、物品管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20240501BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240501BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240501BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240501BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240501BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240501BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
G06Q20/18
G06Q50/00
G07G1/00 311E
G07G1/12 331Z
G07G1/12 321H
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170701
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】509288725
【氏名又は名称】サインポスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 一憲
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 篤
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 桂太郎
(72)【発明者】
【氏名】川端 崇嗣
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142CA12
3E142FA50
3E142GA41
3E142KA20
5L020AA38
5L049BB72
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】物品から防犯タグを取り外すことなく物品を所定領域の外に持ち出せるようにすること。
【解決手段】セルフレジ1は、決済部105、タグ無効化部107、制御部106を備える。決済部105は、書籍H1、H2等の商品を店舗の外に持ち出すことの許可をする。タグ無効化部107は、商品又はその商品のパッケージに付されている防犯タグTの防犯機能を無効化する。制御部106決済部105により許可がなされたことを条件に、タグ無効化部107を機能させる制御を実行する。これにより上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段と、
前記許可手段により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行する制御手段と、
を備える物品管理システム。
【請求項2】
前記物品は商品であり、
前記許可手段は、前記商品に対する決済処理を実行する決済処理手段であり、
前記制御手段は、前記決済処理手段の前記決済処理により前記物品の決済が完了したことを条件に、前記防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記防犯手段は防犯タグである、
請求項2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記物品には、価格を示すコードが付されており、
1以上の前記物品が置かれる台を有するレジ装置をさらに含み、
前記許可手段は、前記台に置かれた前記1以上の物品の夫々に付された前記コードを読み取ることにより、前記決済処理を実行する、
請求項3に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記防犯機能無効化手段は、前記レジ装置に内蔵されている、
請求項4に記載の物品管理システム。
【請求項6】
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段と、
を備える物品管理システムが実行する物品管理方法において、
前記許可手段により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行するステップ、
を含む物品管理方法。
【請求項7】
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段と、
を備える物品管理システムを制御するコンピュータに、
前記許可手段により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行するステップ、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニはもとより、書店やスーパーマーケット等でも、店員が不在の無人レジ(以下「セルフレジ」と称す)への移行が進められているが、その一方で、決済をすることなく商品を持ち去る不正行為(万引き等)を阻止することが大きな課題となっている。
このような課題に対して、例えばRFID等の防犯タグを商品に取り付ける防犯対策が行われている。
具体的には、店員がレジ操作を行う有人レジの場合、防犯タグを取り付けた商品の決済が済んだ後、店員が商品から防犯タグを外して回収することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、セルフレジの場合は、客自らがセルフレジで商品の決済操作を行うため、商品から防犯タグを外したり回収箱に入れるのも客が行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開特開2009-259075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セルフレジの場合、決済後、客が防犯タグを取り忘れて店舗外へ出ようとすることが起こり得る。この場合、客が店舗を出る際に防犯機能が動作してしまう。
このようなことから、防犯タグを取り付けた商品を決済完了後にそのまま持ち帰ってもらえる技術の導入が望まれる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、物品から防犯タグを取り外すことなく物品を所定領域の外に持ち出すことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の物品管理システムは、
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段と、
前記許可手段により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行する制御手段と、
を備える。
このように防犯機能無効化手段とは別に、許可手段により許可がなされたことを条件に、防犯機能無効化手段を機能させる制御を実行する制御手段を設けることで、物品を所定領域の外に持ち出すことの許可が下りる前に防犯機能無効化手段により防犯機能が無効化されることがないため、物品又はその包装に防犯手段(防犯タグや物理的な鍵等)を付属させる防犯対策を現実のものとして実現することができる。
【0007】
本発明の一態様の上記物品管理システムに対応する物品管理方法及びプログラムも、本発明の一態様の物品管理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物品から防犯タグを取り外すことなく物品を所定領域の外に持ち出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る一実施形態の物品管理システムに含まれるセルフレジの概要を示す図である。
【
図2】
図1のセルフレジのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1のセルフレジの機能的構成を示す図である。
【
図4】
図1乃至
図3のセルフレジの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の物品管理システムに含まれるセルフレジの概要を示す図である。
本発明の一実施形態の物品管理システムは、物品又はその包装に付されている防犯手段の一例としての防犯タグと、当該防犯タグが付された物品に対する、例えば決済処理等の所定の処理を実行するセルフレジとを備える。
図1に示すように、セルフレジ1は、例えば書籍H1、H2等の商品に付された2段のバーコードを読み取ることで商品を特定し決済処理を実行するものである。
書籍H1、H2夫々には防犯タグT1、T2が付設されている。防犯タグT1、T2は、単価が比較的安いRF方式の防犯タグT1、T2(データを持たない無線タグ)を用いるものとする。RF方式の防犯タグT1、T2は、単価が安いため費用面でレジ精算後に回収する必要がない。この他、防犯タグT1、T2として、例えばRFID(データを持てる無線タグ)等も利用することができる。
なお、以下、防犯タグT1、T2の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「防犯タグT」と呼ぶ。
【0011】
セルフレジ1は、透明な台面に照明装置SM#1が埋設された商品台2と、商品台2の上に空間を設けるように配置された枠部3と、枠部3の天面下部に突出して設けられた目隠し部4と、この目隠し部4の中に隠すようにして配置された照明装置SM#2及び商品カメラCA#1と、商品台2の前面部5に正面(枠部3で形成される空間の開口方向)に向けて配置されたフロントカメラCA#2及びフロントディスプレイFDと、商品台2の周囲に沿って台面の下に埋設されたアンテナATと、を備える。なお、商品台2の上の空間が、ある程度明るい環境では照明装置SM#2は必ずしも常設する必要はない。
【0012】
商品台2は、商品処理の際に、処理対象の1以上の書籍H1、H2等が購入者により載せられる台である。商品台2は、セルフレジ本体から取り外し可能である。
照明装置SM#1は、台面の下から上方に向けて枠部3の空間内を照明ムラが生じないように照明する。
照明装置SM#2は、枠部3の天井部から下方に向けて枠部3の空間内を照明ムラが生じないように照明する。
商品カメラCA#1は、枠部3の天井部から下方の台面に光軸を向けて、商品台2の上に置かれた書籍H1、H2を被写体として被写体を少なくとも含むように撮像する。
フロントカメラCA#2は、セルフレジ1の前方に光軸を向けてセルフレジ1の前に立った人(例えば書籍H1、H2の購入者等)を被写体として、被写体を含むように撮像する。
また、フロントカメラCA#2は、コードリーダとしても機能する。例えば、フロントカメラCA#2の撮像範囲内にある二次元コードを読み取ることで、セルフレジアプリケーションの設定画面を呼び出すことができる。
フロントディスプレイFDは、例えばタッチパネル等であり、メニュー画面等を表示し、メニュー画面に対する購入者の操作を受け付けると共に、受け付けた操作に応じた情報を表示する。
アンテナATは、制御を受けて書籍H1、H2の夫々に付設(添付)される防犯タグT1、T2等の機能を無効化するための電波を発信する。アンテナATの電波は、商品台2とその周りの枠部3の範囲内程度に出力が制限されている他、発信タイミングがCPU11(
図2参照)により制御される。
【0013】
続いて、
図2を参照してセルフレジのハードウェア構成を説明する。
図2は、
図1のセルフレジのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0014】
図2に示すように、セルフレジ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、フロントディスプレイFDと、照明装置SM#1、SM#2と、商品カメラCA#1と、フロントカメラCA#2と、記憶部18と、通信部19と、アンテナATと、ドライブ20とを備えている。
【0015】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0016】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
入出力インターフェース15には、フロントディスプレイFD、照明装置SM#1、SM#2、商品カメラCA#1、フロントカメラCA#2、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0017】
フロントディスプレイFDは、例えばタッチパネル等であり、購入者の指示操作を受け付け、受け付けた指示操作に応じて各種情報を表示する。
照明装置SM#1、SM#2は、例えばLED照明装置等である。商品カメラCA#1及びフロントカメラCA#2は、例えばCCD等の撮像装置である。
【0018】
記憶部18は、ハードディスク等で構成され、各種情報のデータを記憶する。
通信部19は、他のセルフレジ1や上位装置等との間で行う通信を制御する。
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。なお、上記以外に、プリンタ及びスピーカ等の出力装置も設けられる。プリンタは、レシートを印刷する。スピーカは、購入者へ音声による案内メッセージ等を出力する。
アンテナATは、CPU11により制御されて、防犯タグT1、T2等の機能を無効化するための電波を発信する。
【0019】
続いて、
図3を参照してセルフレジの機能的構成を説明する。
図3は、
図1乃至
図3に示したセルフレジの機能的構成を示す図である。なお、
図3においてセルフレジの機能的構成を説明するにあたり、数を区別しない場合は、符号を簡略する。例えば照明装置SM#1、SM#2等は、照明装置SMと呼ぶ。
図3に示すように、セルフレジ1の記憶部18には、CPU11に、商品としての書籍H1、H2のバーコード(領域)のペアを判定させたり、商品(書籍H1、H2等)の精算処理を実行させるためのデータが記憶されている。
具体的には、記憶部18には、画像DB_Qや商品DB_S等のデータベースが記憶されている。
【0020】
画像DB_Qには、商品カメラCA#1及びフロントカメラCA#2により撮像された画像のデータが記憶される。画像のデータは、CPU11による処理(バーコードに関する処理等)に利用される。バーコードに関する処理とは、例えば撮像画像全体からバーコードの領域を切り出す処理等である。
【0021】
商品DB_Sには、商品(書籍)のバーコードから読み取られる書籍JANコードと、商品(書籍)の情報(書籍名、出版日、著者、出版社等)と、商品の精算に関する情報(書籍の販売価格等)とが紐付けられて記憶されている。
【0022】
また、
図3に示すように、セルフレジ1では、CPU11が処理を実行する際に、画像取得部101、操作受付部102、バーコード領域検出部103、バーコード読取部104、決済部105、制御部106、タグ無効化部107等が機能する。
【0023】
画像取得部101は、2段のバーコードが夫々付された1以上の商品(例えば
図5の書籍H1、H2等)を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する。
具体的には、
【0024】
操作受付部102は、フロントディスプレイFDに対するユーザの操作を受け付ける。
操作受付部102は、例えば入力者(購入者等)により入力される商品(書籍等)の個数(冊数等)を受け付ける。
また、フロントディスプレイFDの画面から、購入者により「支払い」等の入力操作が行われると、その入力操作を受け付ける。
【0025】
バーコード領域検出部103は、商品カメラCA#1により撮像された撮像画像(例えば
図5の領域全体等)から、バーコードを含む領域をバーコード領域B1乃至B4等として2以上抽出する。
具体的には、購入者による「支払い」等の入力操作が、操作受付部102により受け付けられると、制御部106は、商品カメラCA#1を制御して、商品台2にランダムに置かれた商品(書籍H1、H2等)の画像を撮像させる。また、照明装置SM#1が常時点灯していない場合、購入者の入力操作に応じて、制御部106が照明装置SM#1を点灯するようにしても良い。
【0026】
そして、画像取得部101により取得された画像が画像DB_Qに保存されると、バーコード領域検出部103は、その画像を画像DB_Qから読み出し、読み出した画像からバーコード領域を検出する。
なお、画像取得部101により取得された画像をそのままバーコード領域検出部103へ入力し、バーコード領域検出部103は、入力された画像を用いてバーコード領域を検出してもよい。
【0027】
バーコード読取部104は、バーコード領域検出部103により検出されたバーコード領域からバーコードの情報(内容)を読み取る。
これにより、バーコード読取部104により正常に読み取られたバーコードの情報が決済部105へ出力される。
【0028】
ここで、正常に読み取ることができなかった場合は、店員通知機能(図示せず)によりエラーメッセージ等が、店舗のバックヤード等で活動する店員の携帯端末KTへ通知される。なお、操作受付部102にも店員呼出ボタン等が備えられており、フロントディスプレイFDに対する購入者からの店員呼出ボタンの操作があれば、店員の携帯端末KTへ通知される。
また、バーコード読み取り後、店員呼出ボタン等が操作されることなく一定時間経過した場合やフロントカメラCA#2で撮像される購入者の画像に基づいてAIが購入者の行動や仕草を判定して、不審な行動や仕草の場合も、店員通知機能(図示せず)により店員を呼ぶメッセージが、携帯端末KTへ出力される。
なお、店員を呼ぶメッセージを、店舗のバックヤードに設置されたストアコンピュータや遠隔地に設置されたサーバなどへ出力し、そこから店員が管理(携行)する携帯端末KTへ出力してもよい。
【0029】
決済部105は、バーコード読取部104により検出されたバーコードの情報により特定される商品(書籍)に対する処理を実行する。
具体的には、決済部105は、バーコード読取部104により正常に検出されたバーコードの情報に基づいて、商品DB_Sから、対応する商品(書籍)の情報を読み出して、所定の処理を実行する。
ここで、所定の処理とは、商品台2に置かれた全ての商品(この例では書籍H1、H2等)の価格を集計し精算金額(支払金額)を計算する処理や、精算金額(支払金額)と商品(書籍H1、H2等)の情報を制御部106へ出力する処理等である。
【0030】
タグ無効化部107は、商品(書籍H1、H2等)又はその商品の包装(例えば書籍H1、H2を覆うラッピング材等)に付設されている防犯タグT(防犯手段)の防犯機能を無効化する。
ここでは、一例として、防犯タグTが例えばRFID等の場合は、当該RFIDと、店舗の出口に配置された警報発報手段と、の組で防犯手段が構成されるものとする。さらに店舗の出口に設置される扉開閉装置等を上記の警報発報手段に組み合わせて防犯手段を構成してもよい。
具体的には、タグ無効化部107は、制御部106からの制御を受けて、アンテナATから、商品台2に載っている書籍H1、H2の防犯タグTを無効化するための電波(無線信号)を発信し、夫々の防犯タグTを無効化する。
ここで、例示した、アンテナATとその電波で無効化される防犯タグTとの組は一例であり、他の無効化手段と防犯手段との組であってもよい。例えば防犯手段が所定の波長の光に反応して無効化される物であり、無効化手段が所定の波長の光を発光する装置であってもよい。また、防犯手段が物理的な鍵のような物であって、無効化手段が物理的な鍵を解錠する装置であってもよい。
【0031】
制御部106は、操作受付部102により受け付けられた入力操作の内容や決済部105からの指示に応じて機器を制御する。具体的には、制御部106は、照明装置SM、フロントカメラCA#2、商品カメラCA#1、フロントディスプレイFD、アンテナAT等の各機器を制御する。
例えば、制御部106は、商品(書籍H1、H2等)の精算の際に、決済部105から入力された商品(書籍H1、H2等)の情報と精算する精算金額(支払金額)を表示するようフロントディスプレイFDを制御する。
フロントディスプレイFDに表示された精算金額が正しいと判断した客が、フロントディスプレイFDの決済実行ボタンを操作することで、決済部105により所定の決済方法(現金決済、クレジットカード決済、コード決済等)にて商品(書籍H1、H2等)の決済処理が実行されて、決済完了後、レシートが発行される。
制御部106は、決済部105による商品(書籍H1、H2等)の決済が完了すると、決済完了を無効化の条件として、タグ無効化部107を機能させる制御を実行する。
これにより、商品(書籍H1、H2等)に付されている防犯タグTが無効化される。
これにより、客は、決済を終えた商品(書籍H1、H2等)を手に取って、そのまま店舗の出口から退出することができる。
【0032】
ここで、
図4を参照して実施形態のセルフレジの動作を説明する。
図4は、実施形態のセルフレジの動作を示すフローチャートである。
図4のステップS101において、画像取得部101は、バーコードが夫々付された1以上の商品(書籍H1、H2等)を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する。
ステップS102において、バーコード領域検出部103は、撮像画像から、バーコードを含む領域を検出する。
ステップS103において、バーコード読取部104は、バーコード領域検出部103により検出された1以上のバーコードの夫々について、バーコードの情報(書籍JANコード等)を読み取る。
ステップS104において、決済部105は、バーコードの情報を基に商品の決済処理を実行する。
具体的には、決済部105は、書籍H1、H2夫々のバーコードから得られた書籍JANコードをキーに商品DB_Sを検索し、書籍H1、H2夫々の情報(商品名、価格等)を読み出して、決済処理を実行し、決済処理が正常に完了することで、商品を所定領域(店舗内のエリア等)の外に持ち出すことの許可をする。
なお、ステップS104の決済処理の結果、決済処理が正常に完了しなかった場合(ステップS105のNO)、ステップS102の処理に戻り、画像からバーコード領域を抽出する。この他、ステップS102の処理に戻ることなく、セルフレジ1にてエラーが生じた旨のメッセージを店員の携帯端末に送信して、店員対尾アウトしてもよい。
ここで、決済処理とは、支払い対象の書籍夫々の情報と合計額をフロントディスプレイFDの画面に提示し、客に支払い方法の選択を促し、操作された方法で精算処理を実行することである。
即ち、決済部105は、バーコード読取部104により読み取られたバーコードの情報に基づいて、決済処理を実行し、決済処理が正常に完了した場合(ステップS105のYES)、書籍H1、H2等の商品を店舗等の所定領域の外に持ち出すことの許可をする。
ステップS106において、制御部106は、決済部105により許可がなされたことを条件に、タグ無効化部107を機能させる制御を実行する。
具体的には、制御部106は、決済部105による商品(書籍H1、H2等)の決済が完了すると、決済完了を無効化の条件として、タグ無効化部107を機能させる制御を実行する。これにより、商品台2に載せられていた書籍H1、H2の夫々の防犯タグT1、T2は、無効化される。
【0033】
このように実施形態のセルフレジ1の動作によれば、画像取得部101により撮像された撮像画像から、夫々の書籍のバーコードの領域を検出し、当該バーコード領域夫々からバーコードの情報を読み出して、商品としての書籍を特定し、商品の決済処理を実行し、商品の決済処理が完了したことを条件に、防犯タグTを無効化するので、セルフレジ1の場所だけで、商品に対する決済処理と防犯タグTの無効化処理を実行することができる。
この結果、客は、決済を済ませた書籍H1、H2から防犯タグTを取り外すことなく、書籍H1、H2を持ってそのまま本屋等の店舗から退出できるようになり、セルフレジでは難しかった無人オペレーションを実際の店舗のシステムとして実現することができる。
【0034】
防犯タグTの単価にもよるが、RF方式の防犯タグT(データを持たない安価な無線タグ)から、RFID等の(データを持てる)無線タグを用いることで、商品の在庫管理から売上管理、さらに棚卸を管理するまでのワンストップサービスを実現することができる。
RFIDを用いた場合、セルフレジ1又はセルフレジ1に接続されたサーバ(図示せず)が売上管理を実施するにあたり、一定数以下に減少した商品を自動的に注文(発注)する処理を実行することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0036】
上述した実施形態では、バーコード領域検出部103は、商品カメラCA#1の撮像画像から、バーコードを含む領域をバーコード領域B1、B2として抽出したが、これ以外であってもよく、撮像画像から、バーコードを含む領域をバーコード領域として検出すればよい。
上述した実施形態では、本屋等の店舗において、決済処理を完了したことを条件に商品又は商品のパッケージ等の包装に付されている防犯タグTの防犯機能を無効化したが、これ以外であってもよく、例えば倉庫等から決済処理を伴わずに物品を持ち出す在庫管理作業や、防犯タグT以外のレンタルDVDの鍵等も含めて無効化することができ、書籍等の商品だけでなく、例えば洋服、レンタル品等を取り扱う店舗のセルフレジ等への適用が可能であり、幅広い需要を見込むことができる。
【0037】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がセルフレジに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となる機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、店員の携帯端末等に移譲させてもよい。逆に店員の携帯端末の機能ブロック及びデータベースをセルフレジに移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0038】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0039】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0040】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0041】
以上を換言すると、本発明が適用される物品管理システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される物品管理システム(例えば
図3のセルフレジ1等)は、
物品(例えば
図1の書籍H1、H2等の商品)を所定領域(例えば店舗内)の外に持ち出すことの許可(商品の決済を完了させること等)をする許可手段(例えば
図3の決済部105等)と、
前記物品又はその包装(例えば商品のパッケージ等)に付されている防犯手段(例えば
図3の防犯タグT等)の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)と、
前記許可手段(例えば
図3の決済部105等)により前記許可がなされたことを条件(決済完了等を条件)に、前記防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行する制御手段(例えば
図3の制御部106等)と、
を備える。
このように防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)とは別に、許可手段(例えば
図3の決済部105等)により許可がなされたことを条件に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行する制御手段(例えば
図3の制御部106等)を設けることで、物品を所定領域の外に持ち出すことの許可が下りる前に防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)により防犯機能が無効化されることがないため、物品又はその包装に防犯手段(防犯タグTや物理的な鍵等)を付属させる防犯対策を現実のものとして実現することができる。
即ち、倉庫等からお金を支払わずに物品を持ち出す作業や、防犯タグT以外の例えばDVDやCD等のケースに付設される物理的な鍵等も含めて防犯手段(例えば
図3の防犯タグTや物理的な鍵等も含む)を無効化することができるので、書籍等の商品だけでなく、例えば洋服、レンタル品等を取り扱う店舗のセルフレジ等への適用が可能であり、幅広い需要を見込むことができる。
なお、許可がなされたことを条件(決済完了等を条件)に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行することで、ある範囲内に入った物品の防犯タグTが、アンテナATから発信される電波によって決済前に無効化されることがなくなり、決済完了後に防犯タグTを確実に無効化できるので、防犯タグTを防犯手段として実際に活用することができる。
【0042】
上記物品管理システム(例えば
図3のセルフレジ1等)において、
前記物品は商品であり、
前記許可手段は、前記商品に対する決済処理を実行する決済処理手段(例えば
図3の決済部105等)であり、
前記制御手段(例えば
図3の制御部106等)は、前記決済処理手段(例えば
図3の決済部105等)の前記決済処理により前記物品の決済が完了したことを条件に、前記防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行する。
このように決済処理手段(例えば
図3の決済部105等)が決済処理を実行し、物品の決済が完了したことを条件に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行することで、決済が済んだ商品が店舗等の所定領域から持ち出されたとしても、防犯機能(例えば店舗内の警報機能や出口ゲートの閉鎖機能等)が動作しなくなるので、商品の決済を済ませた人(客)は、何事もなく店舗等から退出することができる。
【0043】
上記物品管理システム(例えば
図3のセルフレジ1等)において、
前記防犯手段は防犯タグT(例えば
図3の無線タグT等の無線タグ)である。なお、防犯手段は、防犯タグT以外に例えばディスクがケースに収納された形態でレンタルされる商品(DVDやCD等)のケースに取り付けられているL型の鍵等であってもよい。
これにより、幅広い用途で店舗に物品管理システムを導入することができる。
【0044】
前記物品には、価格を示すコードが付されており、
1以上の前記物品が置かれる台を有するレジ装置をさらに含み、
前記許可手段(例えば
図3の決済部105等)は、前記台に置かれた前記1以上の物品の夫々に付された前記コード(例えばバーコード等)を(一度)に読み取ることにより、前記決済処理を実行する。
ここで、1台のセルフレジでの課題を以下に示す。
上述した実施形態のように、バーコード読取機能と防犯タグTの無効化機能とを1台のセルフレジ1に設置すると、商品の決済が完了する前に防犯タグTが無効化されてしまうという課題Aがある。
また、従来のバーコードスキャナで商品1つずつをスキャン操作した場合は、防犯タグTを順に無効化するのが難しいという課題Bがある。
上記実施形態では、許可手段(例えば
図3の決済部105等)は、商品台2に置かれた1以上の物品(例えば
図1の書籍H1、H2等の商品)の夫々に付されたコード(例えばバーコード等)を一度に読み取ることにより、決済処理を実行し、制御手段(例えば
図3の制御部106等)は、許可手段(例えば
図3の決済部105等)により許可がなされたことを条件(決済完了等を条件)に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行することで、上記課題Aと課題Bの両方を解決することができる。
即ち、従来のレジは、商品を1つずつスキャンしていたため、決済後にタグを商品から取り外すオペレーションに手間と時間がかかるばかりか無効化に漏れが生じることがあるが、本物品管理システム(例えば
図3のセルフレジ1等)では、商品台2に置かれた1以上の物品(例えば
図1の書籍H1、H2等の商品)の夫々に付されたコード(例えばバーコード等)を一度に読み取って決済処理を実行し、さらに、決済が完了したタイミングで全ての商品の防犯タグTをいっぺんに無効化するので、商品の精算に係る時間の短縮と共に防犯タグTの無効化の漏れをなくすことができる。
【0045】
前記防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)は、前記レジ装置に内蔵されているので、レジ装置だけで決済と防犯タグTの無効化の処理を終えることができ、別途タグを無効化するスペースを設ける必要がなくなり、スペースの利用効率を向上することができる。
【0046】
本発明が適用される物品管理方法は、
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段(例えば
図3の決済部105等)と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)と、
を備える物品管理システムが実行する物品管理方法において、
前記許可手段(例えば
図3の決済部105等)により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行するステップ、
を含む。
このように、許可がなされたことを条件(決済完了等を条件)に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行することで、ある範囲内に入った物品の防犯タグTが、アンテナATから発信される電波によって決済前に無効化されることがなくなり、決済完了後に防犯タグTを確実に無効化できるので、防犯タグTを防犯手段として実際に活用することができる。
【0047】
本発明が適用されるプログラムは、
物品を所定領域の外に持ち出すことの許可をする許可手段(例えば
図3の決済部105等)と、
前記物品又はその包装に付されている防犯手段の防犯機能を無効化する防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)と、
を備える物品管理システムを制御するコンピュータに、
前記許可手段(例えば
図3の決済部105等)により前記許可がなされたことを条件に、前記防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行するステップ、
を含む制御処理を実行させる。
このように、許可がなされたことを条件(決済完了等を条件)に、防犯機能無効化手段(例えば
図3のタグ無効化部107等)を機能させる制御を実行することで、ある範囲内に入った物品の防犯タグTが、アンテナATから発信される電波によって決済前に無効化されることがなくなり、決済完了後に防犯タグTを確実に無効化できるので、防犯タグTを防犯手段として実際に活用することができる。
【符号の説明】
【0048】
AT・・・アンテナ、FD・・・フロントディスプレイ、CA#1・・・商品カメラ、CA#2・・・フロントカメラ、H1、H2・・・書籍、SM#1、SM#2・・・照明装置、防犯タグ・・・T1,T2、1・・・セルフレジ、2・・・商品台、3・・・枠部、4・・・目隠し部、5・・・前面部、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、101・・・画像取得部、102・・・操作受付部、103・・・バーコード領域検出部、104・・・バーコード読取部、105・・・決済部、106・・・制御部、107・・・タグ無効化部