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特開2024-70162インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物、LEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置
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  • 特開-インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物、LEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置 図1
  • 特開-インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物、LEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070162
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物、LEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/322 20140101AFI20240515BHJP
   C09D 4/02 20060101ALI20240515BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240515BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20240515BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20240515BHJP
【FI】
C09D11/322
C09D4/02
C09D7/61
C09D201/00
H01L33/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180603
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】藤田 義人
(72)【発明者】
【氏名】黒須 満帆
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 貴志
【テーマコード(参考)】
4J038
4J039
5F142
【Fターム(参考)】
4J038FA111
4J038FA131
4J038HA166
4J038JC12
4J038KA04
4J038KA08
4J038KA09
4J038MA13
4J038MA14
4J038PA01
4J038PA17
4J038PB08
4J039AD21
4J039BA13
4J039BA35
4J039BC20
4J039BE01
4J039BE22
4J039BE27
4J039CA07
4J039EA35
4J039EA37
4J039EA41
4J039EA46
4J039FA04
4J039GA24
5F142AA25
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG03
5F142CG06
5F142CG13
5F142CG43
5F142FA18
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】インクジェット吐出性を高め、かつ、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑え、LEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色を抑えることができるインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物と、式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、酸化チタンと、分散剤とを含むインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物と、
下記式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物と、
光重合開始剤と、
酸化チタンと、
分散剤とを含むインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物であり、
前記分散剤の酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、前記分散剤のアミン価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、
前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物について、前記硬化物の真下から光を照射したときに、前記硬化物の真上から測定した透過光と、前記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系における色差ΔE*abが、7以下である、インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【化1】

前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、アルキレン基を表す。
【請求項2】
前記酸化チタンの平均粒子径が、100nm以上300nm以下である、請求項1に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項3】
前記酸化チタンが、シリカにより表面処理された酸化チタンを含む、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項4】
前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物100重量%中、前記酸化チタンの含有量が、0.1重量%以上2.0重量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項5】
前記酸化チタン100重量部に対して、前記分散剤の含有量が、1重量部以上20重量部以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項6】
前記光重合開始剤が、α-ヒドロキシアルキルフェノンを含む、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項7】
前記第1の(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、前記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量が、14重量部以上700重量部以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項8】
熱硬化性化合物と、熱硬化剤とを含み、
前記熱硬化性化合物が、環状エーテル基を有する、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【請求項9】
複数のLEDチップを上面に有する基板と、
複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層とを備え、
前記LED保護層が、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である、LEDモジュール。
【請求項10】
複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程と、
塗布された前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物に光を照射して、前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を硬化させて、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層を形成する硬化工程とを備える、LEDモジュールの製造方法。
【請求項11】
複数のLEDモジュールを備え、
複数の前記LEDモジュールが連結されており、
前記LEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層とを備え、
前記LEDモジュールにおいて、前記LED保護層が、請求項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である、LED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式により塗布して用いられ、かつ発光ダイオード(LED)を保護するために用いられるインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いたLEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子機器用途において、発光ダイオード(LED)チップが用いられている。例えば、基板上にリードフレーム及びLEDチップが配置されており、かつ該リードフレーム及びLEDチップが樹脂により封止されているLEDパッケージが広く用いられている。
【0003】
近年、広告や案内板等に、大型の表示装置が用いられている。大型の表示装置として、複数の上記LEDパッケージを配列して小型のLEDモジュールを作製した後、該LEDモジュールをつなぎ合わせた表示装置が知られている。上記表示装置では、例えば、白、赤、青、緑等にLEDを点灯させて、表示を行うことができる。
【0004】
下記の特許文献1には、芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)、環状(メタ)アクリレート化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有し、硬化物の膜厚100μmにおいて60℃90%RHで測定した透湿度が47g/m・day以下である有機EL素子の封止用樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-191038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のような従来の封止用樹脂組成物を用いてLEDパッケージ、LEDモジュール、及び表示装置を作製した場合には、LEDを点灯させたLEDモジュールを斜めから見たときに、変色が生じやすいという課題がある。
【0007】
本発明者らは、LEDモジュールを斜めから見たときの変色を抑制するために、封止用樹脂組成物に散乱剤を含有させることを試みた。しかしながら、本発明者らは、従来の封止用樹脂組成物に散乱剤を配合した場合には、インクジェット装置による吐出性が悪化しやすいことを見出した。また、従来の封止用樹脂組成物及びその硬化物は耐熱性が低いため、従来の封止用樹脂組成物を用いたLEDモジュールが高温(例えば、100℃)で保管又は使用された際に、封止用樹脂組成物の硬化物が変色することがある。
【0008】
本発明の目的は、インクジェット吐出性を高め、かつ、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑え、LEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色を抑えることができるインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を提供することである。また、本発明は、上記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いたLEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書において、以下のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物、LEDモジュール、LEDモジュールの製造方法、及びLED表示装置を開示する。
【0010】
項1.(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物と、下記式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、酸化チタンと、分散剤とを含むインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物であり、前記分散剤の酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、前記分散剤のアミン価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物について、前記硬化物の真下から光を照射したときに、前記硬化物の真上から測定した透過光と、前記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系における色差ΔE*abが、7以下である、インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0011】
【化1】
【0012】
前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、アルキレン基を表す。
【0013】
項2.前記酸化チタンの平均粒子径が、100nm以上300nm以下である、項1に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0014】
項3.前記酸化チタンが、シリカにより表面処理された酸化チタンを含む、項1又は2に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0015】
項4.前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物100重量%中、前記酸化チタンの含有量が、0.1重量%以上2.0重量%以下である、項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0016】
項5.前記酸化チタン100重量部に対して、前記分散剤の含有量が、1重量部以上20重量部以下である、項1~4のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0017】
項6.前記光重合開始剤が、α-ヒドロキシアルキルフェノンを含む、項1~5のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0018】
項7.前記第1の(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、前記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量が、14重量部以上700重量部以下である、項1~6のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0019】
項8.熱硬化性化合物と、熱硬化剤とを含み、前記熱硬化性化合物が、環状エーテル基を有する、項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物。
【0020】
項9.複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層とを備え、前記LED保護層が、項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である、LEDモジュール。
【0021】
項10.複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に、項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程と、塗布された前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物に光を照射して、前記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を硬化させて、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層を形成する硬化工程とを備える、LEDモジュールの製造方法。
【0022】
項11.複数のLEDモジュールを備え、複数の前記LEDモジュールが連結されており、前記LEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の前記LEDチップの間隙及び複数の前記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層とを備え、前記LEDモジュールにおいて、前記LED保護層が、項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である、LED表示装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物と、上記式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、酸化チタンと、分散剤とを含むインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物である。本発明に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物では、上記分散剤の酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、上記分散剤のアミン価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。上記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物では、上記インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物について、上記硬化物の真下から光を照射したときに、上記硬化物の真上から測定した透過光と、上記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系における色差ΔE*abが、7以下である。本発明に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物では、上記の構成が備えられているので、インクジェット吐出性を高め、かつ、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑え、LEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いて得られるLEDモジュールを模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いて得られるLED表示装置を模式的に示す部分切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
(インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物)
本発明に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物(以下、「硬化性組成物」と記載することがある)は、インクジェット塗布に用いられる。本発明に係る硬化性組成物は、発光ダイオード(LED)の保護に用いられる。
【0027】
本発明に係る硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物と、下記式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤と、酸化チタンと、分散剤とを含む。上記硬化性組成物では、上記分散剤の酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、上記分散剤のアミン価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。上記硬化性組成物では、上記硬化性組成物の硬化物について、上記硬化物の真下から光を照射したときに、上記硬化物の真上から測定した透過光と、上記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系における色差ΔE*abが、7以下である。
【0028】
【化2】
【0029】
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、アルキレン基を表す。
【0030】
本発明に係る硬化性組成物では、上記の構成が備えられているので、インクジェット吐出性を高めることができる。また、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑えることができる。さらに、得られるLEDモジュールが高温(例えば、100℃)で保管又は使用された場合にも、硬化性組成物の硬化物の変色を抑える(耐熱性を高める)ことができる。
【0031】
上記硬化性組成物は、インクジェット方式により塗布することができる。インクジェット方式により上記硬化性組成物を塗布する際に、インクジェット装置が用いられる。上記インクジェット装置は、インクジェットヘッドを有する。上記インクジェットヘッドは、インクジェットノズルを有する。上記硬化性組成物は、スクリーン印刷により塗布される硬化性組成物、及びディスペンサーにより塗布される硬化性組成物等とは異なる。
【0032】
上記硬化性組成物は、LEDチップを保護するために用いられる。上記硬化性組成物は、LED保護層を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物は、LEDチップを保護するための保護層を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物により形成されるLED保護層が、基板本体上のLEDチップの間隙及びLEDチップの上部の少なくとも一方に配置されることで、LEDチップを良好に保護することができる。上記硬化性組成物は、基板本体上のLEDチップの間隙及びLEDチップの上部にLED保護層を形成するために好適に用いられる。上記硬化性組成物は、基板本体上のLEDチップの間隙にLED保護層を形成するために用いられてもよく、基板本体上のLEDチップの上部にLED保護層を形成するために用いられてもよい。
【0033】
上記硬化性組成物は、特に、COB方式やCOG方式でのLEDモジュールに好適に用いられる。上記硬化性組成物は、LEDチップの封止剤として用いられることが好ましい。上記硬化性組成物は、COB方式やCOG方式でのLEDモジュールにおけるLEDチップ封止剤として用いられることがより好ましい。
【0034】
上記硬化性組成物では、上記硬化性組成物の硬化物について、上記硬化物の真下から光を照射したときに、上記硬化物の真上から測定した透過光と、上記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系における色差ΔE*abが、7以下である。
【0035】
上記色差ΔE*abは、例えば、以下の方法で測定することができる。ガラス基板(厚み0.7mm)の表面上に、インクジェット装置を用いて、上記硬化性組成物を塗布した後、波長365nmでの照度が1000mW/cmになるように積算光量1000mJ/cmの紫外線(UV-LED)を照射して、上記硬化性組成物の硬化物を形成する。上記硬化物の真下(ガラス基板側)から光を照射したときに、上記硬化物の真上(ガラス基板とは反対の表面側)から測定した透過光と、上記ガラス基板を傾けて、上記硬化物の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を求める。得られたL*値、a*値、b*値から、色差ΔE*abを求める。なお、L*値、a*値、b値*は、分光測色計(例えば、コニカミノルタ社製「CM-26dG」)を用いて、JIS Z8781-4:2013に準拠して測定することが好ましい。
【0036】
上記硬化性組成物の硬化物の厚みは、特に限定されない。上記硬化物の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下である。上記硬化物の厚みは、30μmであってもよい。
【0037】
上記硬化物に照射する光は、特に限定されない。上記光は、紫外線であってもよく、電子線であってもよく、α線であってもよく、β線であってもよく、γ線であってもよく、X線であってもよく、中性子線等であってもよい。上記光は、白色光であってもよく、青色光であってもよく、赤色光であってもよく、緑色光であってもよい。上記光の波長は、好ましくは250nm以上、より好ましくは300nm以上であり、好ましくは850nm以下、より好ましくは800nm以下である。
【0038】
上記色差ΔE*abは、好ましくは6.5以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは0である。上記色差ΔE*abが上記上限以下であると、光をより一層良好に分散させることができるので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。上記色差ΔE*abは、0以上であってもよく、0.5以上であってもよく、1.0以上であってもよい。
【0039】
上記色差ΔE*abを好ましい範囲に調整する方法としては、酸化チタンと特定の酸価及びアミン価を有する分散剤とを併用する方法、及び酸化チタンの含有量を調整する方法等が挙げられる。
【0040】
インクジェット方式により硬化性組成物をより一層良好に塗布する観点から、上記硬化性組成物は、25℃で液状であることが好ましい。液状には、ペースト状も含まれる。
【0041】
上記硬化性組成物の25℃での粘度(η25)は、好ましくは40mPa・s以上、より好ましくは60mPa・s以上、さらに好ましくは80mPa・s以上であり、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは400mPa・s以下、さらに好ましくは300mPa・s以下である。上記粘度(η25)が上記下限以上及び上記上限以下であると、インクジェット吐出性をより一層高めることができる。
【0042】
上記粘度(η25)は、E型粘度計(例えば、東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、作製直後の上記硬化性組成物について、25℃及び10rpmの条件で測定することが好ましい。
【0043】
上記インクジェット装置による吐出時に、40℃以上、100℃以下に加温した状態で、上記硬化性組成物を吐出することが好ましい。LED保護層をより一層高精度に形成し、LED保護層にボイドをより一層生じ難くする観点からは、上記硬化性組成物を循環させながら、塗布することが好ましい。
【0044】
上記インクジェット装置が、上記硬化性組成物が貯留されるインクタンクと、上記インクタンクと接続されておりかつ上記硬化性組成物が吐出される吐出部と、一端が上記吐出部に接続されており、他端が上記インクタンクに接続されており、かつ内部を上記硬化性組成物が流れる循環流路部とを有することが好ましい。
【0045】
上記硬化性組成物を塗布する際に、上記インクジェット装置内で、上記硬化性組成物を上記インクタンクから上記吐出部に移動させた後に、上記吐出部から吐出されなかった上記硬化性組成物を、上記循環流路部内を流して上記インクタンクに移動させることにより、上記硬化性組成物を循環させながら、塗布することが好ましい。上記硬化性組成物を循環させながら塗布すれば、LED保護層の厚み精度を高めることができ、LED保護層にボイドを生じ難くすることができる。
【0046】
上記硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、好ましくは190℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは170℃以下である。上記硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護することができる。
【0047】
上記硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、昇温速度10℃/分、及び周波数10Hzの条件で測定することができる。上記動的粘弾性測定装置としては、アイティー計測制御社製「DVA-200」等が挙げられる。
【0048】
上記硬化性組成物の硬化物は、例えば、以下の方法で得られる。ガラス基板の表面上に、インクジェット装置を用いて、上記硬化性組成物を塗布した後、波長365nmでの照度が1000mW/cmになるように積算光量1000mJ/cmの紫外線(UV-LED)を照射して、上記硬化性組成物の硬化物を形成する。
【0049】
以下、本発明に係る硬化性組成物に用いることができる各成分の詳細を説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
【0050】
<(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物>
上記硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ脂環式骨格を有する第1の(メタ)アクリレート化合物を含む。
【0051】
上記硬化性組成物では、上記第1の(メタ)アクリレート化合物と上記第2の(メタ)アクリレート化合物とが併用されているので、耐熱性を高めることができ、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色を抑えることができる。
【0052】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、単官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、多官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、2官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、3官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、4官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、20官能以下の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、10官能以下の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、5官能以下の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。官能数は(メタ)アクリロイル基の数に対応する。上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0053】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個有していてもよく、2個有していてもよく、2個以上有していてもよく、3個有していてもよく、3個以上有していてもよく、4個以上有していてもよく、20個以下で有していてもよく、10個以下で有していてもよく、5個以下で有していてもよい。
【0054】
得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、かつ脂環式骨格を有することが好ましい。
【0055】
脂環式骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、ジシクロペンタジエンジメトキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3-アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びプロポキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0056】
脂環式骨格を有する3官能の(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート-イソホロンジイソシアネート-ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
【0057】
得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を2個有することが好ましく、ジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を2個有し、かつジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。なお、上記第1の(メタ)アクリレート化合物における上記ジシクロペンタジエン骨格では、ジシクロペンタジエンの二重結合部分が反応していてもよい。例えば、上記第1の(メタ)アクリレート化合物における上記ジシクロペンタジエン骨格は、下記式(2)で表される骨格であってもよい。下記式(2)において、右端部及び左端部は、他の基との結合部位である。
【0058】
【化3】
【0059】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、又はトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートは、上記式(2)で表される骨格を有する。また、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記第1の(メタ)アクリレート化合物は、トリシクロデカン骨格を有することが好ましい。
【0060】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは190℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは220℃以下である。上記第1の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0061】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度、及び、後述する第2の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度はそれぞれ、重合度3000~4000(好ましくは3500)の単独重合体のガラス転移温度を意味する。
【0062】
上記ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。上記示差走査熱量計としては、日立ハイテクサイエンス社製「DSC7020」等が挙げられる。
【0063】
上記硬化性組成物100重量%中、上記第1の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記第1の(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0064】
<式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物>
上記硬化性組成物は、下記式(1)で表される第2の(メタ)アクリレート化合物を含む。
【0065】
【化4】
【0066】
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、R3は、アルキレン基を表す。
【0067】
上記式(1)中、R1及びR2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記式(1)中、R3のアルキレン基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは14以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは9以下である。LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護し、かつ、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記式(1)中、R3は、炭素数6以上9以下のアルキレン基であることが特に好ましい。
【0069】
上記第2の(メタ)アクリレート化合物としては、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及びヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0070】
LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記第2の(メタ)アクリレート化合物は、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、又はヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートであることが好ましく、ノナンジオールジ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
【0071】
上記第2の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-40℃以上、さらに好ましくは-30℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。上記第2の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体のガラス転移温度(Tg)が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護することができる。
【0072】
上記硬化性組成物100重量%中、上記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは55重量%以下である。上記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護することができる。
【0073】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、好ましくは14重量部以上、より好ましくは20重量部以上、さらに好ましくは25重量部以上であり、好ましくは700重量部以下、より好ましくは400重量部以下、さらに好ましくは100重量部以下である。上記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護し、かつ、得られるLEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0074】
<光重合開始剤>
上記硬化性組成物は、上記光重合開始剤を含む。
【0075】
上記硬化性組成物は、上記光重合開始剤を含むので、光の照射により上記硬化性組成物を硬化させることができる。
【0076】
上記光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、及び光カチオン重合開始剤等が挙げられる。上記光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。上記光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0077】
上記光ラジカル重合開始剤は、光の照射によりラジカルを発生し、ラジカル重合反応を開始するための化合物である。上記光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等のアルキルフェノン化合物;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン化合物;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)-2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(o-アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ビス(シクロペンタジエニル)-ジ-フェニル-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ジ-クロロ-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピロール-1-イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物等が挙げられる。上記光ラジカル重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0078】
上記硬化性組成物の硬化性を高め、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記光重合開始剤は、アルキルフェノン化合物を含むことが好ましく、α-ヒドロキシアルキルフェノンを含むことがより好ましい。上記α-ヒドロキシアルキルフェノンとしては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等が挙げられる。
【0079】
上記光ラジカル重合開始剤とともに、光重合開始助剤を用いてもよい。上記光重合開始助剤としては、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。上記光重合開始助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0080】
また、可視光領域に吸収があるCGI-784等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のチタノセン化合物などを、光反応を促進するために用いてもよい。
【0081】
上記光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物、及びベンゾイントシレート等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0082】
上記硬化性組成物100重量%中、上記光重合開始剤の含有量は、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下である。上記光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記硬化性組成物の硬化性を高めることができるので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0083】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物の合計100重量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは6重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは18重量部以下である。上記光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記硬化性組成物の硬化性を高めることができるので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0084】
<酸化チタン>
上記硬化性組成物は、酸化チタンを含む。
【0085】
上記硬化性組成物は、上記酸化チタンと上記分散剤とが併用されているので、光を良好に分散させることができ、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑えることができる。
【0086】
得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記酸化チタンの平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下である。
【0087】
上記酸化チタンの平均粒子径は、酸化チタンの一次粒子の体積平均粒子径(D50)であることが好ましい。上記体積平均粒子径(D50)は、体積基準で測定される平均粒子径であり、50%となるメディアン径(D50)の値である。上記体積平均粒子径(D50)は、レーザー回折・散乱法、画像解析法、コールター法、及び遠心沈降法等により測定することができる。上記体積平均粒子径(D50)は、レーザー回折・散乱法による測定により求めることが好ましい。
【0088】
上記酸化チタンは、シリカ処理、アルミナ処理、有機処理、シラン化処理、プラズマ処理、及びアッシング処理等の表面処理がされていてもよい。上記有機処理に用いられる有機化合物としては、ステアリン酸などの脂肪酸、アルキルシラン、及びシリコーンオイル等が挙げられる。得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層良好に抑える観点からは、上記酸化チタンは、シリカにより表面処理された酸化チタンを含むことが好ましく、シリカにより表面処理された酸化チタンであることが好ましい。得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層良好に抑える観点からは、上記酸化チタンは、シリカ処理された酸化チタンを含むことが好ましく、シリカ処理された酸化チタンであることが好ましい。
【0089】
上記硬化性組成物100重量%中、上記酸化チタンの含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは4.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下、特に好ましくは2.0重量%以下である。上記酸化チタンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護することができる。また、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層良好に抑えることができる。
【0090】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物の合計100重量部に対して、上記酸化チタンの含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上、さらに好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは6重量部以下、より好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは4重量部以下である。上記酸化チタンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層良好に抑えることができる。
【0091】
<分散剤>
上記硬化性組成物は、分散剤を含む。上記硬化性組成物では、上記分散剤の酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、上記分散剤のアミン価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。
【0092】
上記硬化性組成物は、上記分散剤を含むので、インクジェット吐出性を高めることができ、さらに、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑えることができる。
【0093】
上記分散剤の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上、さらに好ましくは30mgKOH/g以上であり、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは90mgKOH/g以下、さらに好ましくは80mgKOH/g以下である。上記分散剤の酸価が上記下限以上であると、分散性を良好にすることができる。上記分散剤の酸価が上記上限以下であると、上記分散剤と、上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物との相溶性を高めることができる。
【0094】
上記分散剤のアミン価は、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上、さらに好ましくは30mgKOH/g以上であり、好ましくは95mgKOH/g以下、より好ましくは90mgKOH/g以下、さらに好ましくは80mgKOH/g以下である。上記分散剤のアミン価が上記下限以上であると、上記分散剤と、上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物との相溶性を高めることができる。上記分散剤のアミン価が上記上限以下であると、分散性が良好となり、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0095】
なお、上記分散剤の酸価はJIS K0070に準拠して測定することができ、上記分散剤のアミン価はJIS K7237に準拠して測定することができる。
【0096】
上記分散剤としては、ポリウレタン系分散剤、リン酸エステル系分散剤、カルボン酸系分散剤、アミン系分散剤、ポリエステル系分散剤、アルキルアンモニウム塩系分散剤、及びリシノール酸エステル系分散剤等が挙げられる。上記分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0097】
上記ポリウレタン系分散剤としては、塩基性ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル、ポリウレタン-ポリ尿素、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、及びシリコーンポリウレタン等が挙げられる。
【0098】
上記リン酸エステル系分散剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル・モノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル・モノエタノールアミン塩、ポリエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、アルキルリン酸エステルナトリウム、及びアルキルリン酸エステル・モノエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0099】
上記カルボン酸系分散剤は、ポリカルボン酸であることが好ましい。上記ポリカルボン酸としては、主鎖骨格にカルボキシル基を有するポリマーにポリオキシアルキレンがグラフトされたポリカルボン酸重合体等が挙げられる。
【0100】
上記ポリカルボン酸の重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、さらに好ましくは2000以上、好ましくは1500000以下、より好ましくは1250000以下、さらに好ましくは1000000以下である。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
【0101】
上記アミン系分散剤としては、テトラデシルアミン酢酸塩、ラウリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン、及びジメチルラウリルアミン等が挙げられる。
【0102】
上記ポリエステル系分散剤の市販品としては、川研ファインケミカル社製「ヒノアクトT-6000」、BYK社製「ANTI-TERRA-U/U100」、及びBYK社製「BYK-2152」等が挙げられる。
【0103】
上記アルキルアンモニウム塩系分散剤の市販品としては、BYK社製「BYK-9076」、BYK社製「BYK-140」、及びBYK社製「BYK-180」等が挙げられる。
【0104】
上記リシノール酸エステル系分散剤としては、グリセリンリシノール酸モノエステル、ポリグリセリンリシノール酸モノエステル、及びアセチルリシノール酸エステル等が挙げられる。
【0105】
得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑える観点からは、上記分散剤は、アルキルアンモニウム塩系分散剤、又はリン酸エステル系分散剤を含むことが好ましく、アルキルアンモニウム塩を含むことがより好ましい。
【0106】
上記硬化性組成物100重量%中、上記分散剤の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.08重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。上記分散剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0107】
上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物の合計100重量部に対して、上記分散剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、さらに好ましくは0.08重量部以上であり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下である。上記分散剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑え、LEDモジュールが高温で保管又は使用された場合にも、変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0108】
上記酸化チタン100重量部に対して、上記分散剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは12重量部以下である。上記分散剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0109】
<熱硬化性化合物>
上記硬化性組成物は、熱硬化性化合物を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記硬化性組成物は、熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
【0110】
上記熱硬化性化合物としては、環状エーテル基を有する熱硬化性化合物、及びチイラン基を有する熱硬化性化合物等が挙げられる。上記環状エーテル基としては、エポキシ基、及びオキセタニル基等が挙げられる。上記エポキシ基は、グリシジル基であってもよい。LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記熱硬化性化合物は、環状エーテル基又はチイラン基を有することが好ましく、環状エーテル基を有することがより好ましく、エポキシ基を有することがさらに好ましい。LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記熱硬化性化合物は、環状エーテル基を有する熱硬化性化合物であることが好ましく、エポキシ基を有する熱硬化性化合物(エポキシ化合物)であることがより好ましい。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0111】
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
【0112】
上記熱硬化性化合物は、光及び熱硬化性化合物であってもよい。上記熱硬化性化合物は、環状エーテル基と、(メタ)アクリロイル基とを有していてもよく、エポキシ基と、(メタ)アクリロイル基とを有していてもよい。上記熱硬化性化合物は、上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物とは異なる硬化性化合物である。
【0113】
上記エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する熱硬化性化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、及び3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0114】
上記熱硬化性化合物は、グリシジル(メタ)アクリレート、又は4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルであることが好ましく、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルであることがより好ましい。
【0115】
上記硬化性組成物100重量%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは18重量%以下、さらに好ましくは16重量%以下である。上記熱硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護することができる。
【0116】
<熱硬化剤>
上記熱硬化性化合物は、熱硬化剤と併用されてもよい。上記硬化性組成物は、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を熱硬化させる。
【0117】
上記熱硬化剤としては、有機酸、アミン化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、フェノール化合物、ユリア化合物、ポリスルフィッド化合物、及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0118】
上記アミン化合物としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ヒドラジド、及びグアニジン誘導体等が挙げられる。上記アミン化合物は、アミン-エポキシアダクト等の変性ポリアミン化合物であってもよい。上記アミン化合物は、上記アミン化合物のアダクト体であってもよい。上記アミン化合物のアダクト体としては、エポキシ化合物付加ポリアミン(エポキシ化合物とポリアミンの反応物)、マイケル付加ポリアミン(α,β-不飽和ケトンとポリアミンの反応物)、マンニッヒ付加ポリアミン(ポリアミンとホルマリン及びフェノールの縮合体)、チオ尿素付加ポリアミン(チオ尿素とポリアミンの反応物)、及びケトン封鎖ポリアミン(ケトン化合物とポリアミンの反応物(ケチミン))等が挙げられる。
【0119】
上記脂肪族ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
【0120】
上記脂環式ポリアミンとしては、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン等が挙げられる。
【0121】
上記芳香族ポリアミンとしては、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、p-キシレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、4,4-ジアミノジフェニルプロパン、4,4-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス[(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、及び4,4-ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
【0122】
上記ヒドラジドとしては、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、及びイソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0123】
上記グアニジン誘導体としては、ジシアンジアミド、1-o-トリルジグアニド、α-2,5-ジメチルグアニド、α,ω-ジフェニルジグアニジド、α,α-ビスグアニルグアニジノジフェニルエーテル、p-クロロフェニルジグアニド、α,α-ヘキサメチレンビス[ω-(p-クロロフェノール)]ジグアニド、フェニルジグアニドオキサレート、アセチルグアニジン、及びジエチルシアノアセチルグアニジン等が挙げられる。
【0124】
上記フェノール化合物としては、多価フェノール化合物等が挙げられる。上記多価フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェニルフェノール、ナフタレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、及びフルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0125】
上記酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、及びポリアゼライン酸無水物等が挙げられる。
【0126】
上記硬化性組成物100重量%中、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記硬化性組成物の硬化性を高めることができるので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0127】
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上、さらに好ましくは25重量部以上、特に好ましくは30重量部以上であり、好ましくは60重量部以下、より好ましくは55重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記硬化性組成物の硬化性を高めることができるので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色をより一層効果的に抑えることができる。
【0128】
<その他の成分>
上記硬化性組成物は、上記第1の(メタ)アクリレート化合物、上記第2の(メタ)アクリレート化合物、上記光重合開始剤、上記酸化チタン、上記分散剤、上記熱硬化性化合物、及び熱硬化剤以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、充填剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、カップリング剤、硬化促進剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、安定剤、タレ防止剤、及び蛍光体等が挙げられる。
【0129】
上記硬化性組成物は、上記第1の(メタ)アクリレート化合物及び上記第2の(メタ)アクリレート化合物以外の、(メタ)アクリレート化合物(以下、「他の(メタ)アクリレート化合物」と記載することがある)を含んでいてもよい。
【0130】
上記他の(メタ)アクリレート化合物は、多官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよく、単官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。
【0131】
上記他の(メタ)アクリレート化合物としては、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。LEDチップとLED保護層との密着性を高め、LEDチップを良好に保護する観点からは、上記他の(メタ)アクリレート化合物は、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。上記ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートは、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、又はポリプロピレングリコール#400ジアクリレートであることが好ましく、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレートであることがより好ましい。
【0132】
(LEDモジュール及びLEDモジュールの製造方法)
本発明に係るLEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、LED保護層とを備える。本発明に係るLEDモジュールでは、上記LED保護層が、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されている。上記LEDモジュールでは、上記LED保護層が、複数の上記LEDチップの間隙にのみ配置されていてもよく、複数の上記LEDチップの上部にのみ配置されていてもよく、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部に配置されていてもよい。本発明の効果をより一層発揮する観点から、上記LEDモジュールでは、上記LED保護層が、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部に配置されていることが好ましい。本発明に係るLEDモジュールでは、上記LED保護層が、上述したインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である。
【0133】
また、本発明に係るLEDモジュールの製造方法は、複数のLEDチップを上面に有する基板において、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部の少なくとも一方に、上述した硬化性組成物をインクジェット方式で塗布する塗布工程を備える。本発明に係るLEDモジュールの製造方法は、塗布された上記硬化性組成物に光を照射して、上記硬化性組成物を硬化させて、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層を形成する硬化工程を備える。
【0134】
本発明に係るLEDモジュール及びLEDモジュールの製造方法では、上記の構成が備えられているので、LEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑えることができる。
【0135】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0136】
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いて得られるLEDモジュールを模式的に示す断面図である。
【0137】
図1に示すLEDモジュール1は、LED保護層11を備える。LED保護層11は、上記硬化性組成物により形成されており、上記硬化性組成物の硬化物である。
【0138】
LEDモジュール1は、LED保護層11と、基板12とを有する。基板12は、基板本体12Aと、複数のLEDチップ12Bと、複数の電極12Cとを備える。LEDモジュール1では、LEDチップ12Bを上面に有する基板12が用いられている。LEDチップ12Bは、電極12Cを介して、基板本体12A上に搭載されている。基板12では、複数のLEDチップ12Bが間隔を隔てて並んで配置されている。複数のLEDチップ12Bが、基板本体12A上に配列されている。
【0139】
LED保護層11は、基板本体12A上に配列された複数のLEDチップ12Bの間隙及び複数のLEDチップ12Bの上部を覆うように形成されている。LEDチップ12Bの側面及び上面が、LED保護層11により覆われている。
【0140】
上記LEDチップは、赤色LEDチップであってもよく、青色LEDチップであってもよく、緑色LEDチップであってもよく、これらのLEDチップの組み合わせであってもよい。
【0141】
1つの基板当たりの上記LEDチップの数は、好ましくは10000個以上、より好ましくは20000個以上、好ましくは80000個以下、より好ましくは60000個以下である。
【0142】
本発明に係るLEDモジュールの製造方法において、複数のLEDチップの間隙及び複数のLEDチップの上部に、上記硬化性組成物を塗布することが好ましい。上記硬化性組成物は、インクジェット装置のインクジェットヘッドから吐出される。上記インクジェット装置は、インクジェット装置内又はインクジェットヘッド内の温度を50℃以上に加温するための加温部を備えることが好ましい。
【0143】
インクジェット用硬化性組成物の塗工時における温度は、上記硬化性組成物がインクジェットヘッドから吐出できる粘度となる温度であれば特に限定されない。インクジェット用硬化性組成物の塗工時における温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、好ましくは100℃以下である。塗工時における上記硬化性組成物の粘度は、インクジェットヘッドから吐出できる範囲であれば特に限定されない。
【0144】
塗布された上記硬化性組成物に光を照射して、上記硬化性組成物を硬化させて、LED保護層を形成することができる。上記硬化性組成物を光硬化させるために用いられる光源としては、紫外線又は可視光線等の活性エネルギー線を発光する照射装置が挙げられる。上記光源としては、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、及びエキシマレーザーが挙げられる。これらの光源は、硬化性組成物の構成成分の感光波長に応じて適宜選択される。光の照射エネルギーは、所望とする層厚又は硬化性組成物の構成成分により適宜選択される。光の照射エネルギーは、一般に、10mJ/cm~3000mJ/cmの範囲内である。
【0145】
本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、特定の領域に硬化性組成物を塗布した後、塗布された硬化性組成物の全体に対して光を照射してLED保護層を形成してもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、硬化性組成物を複数滴塗布するごとに、塗布された硬化性組成物に対して光を照射してLED保護層を形成してもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、硬化性組成物の塗布と、光の照射とを複数回行ってもよい。
【0146】
本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、上記塗布工程は、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重ならないように、基板の厚み方向にて、1回のみ行われてもよい。本発明に係るLEDモジュールの製造方法では、上記塗布工程は、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重なるように、基板の厚み方向にて、複数回行われてもよい。上記塗布工程が、基板の厚み方向にて硬化性組成物が重なるように、基板の厚み方向にて、複数回行われることにより、LED保護層の厚みを大きくすることができる。
【0147】
LEDモジュール及びLED表示装置の表示を良好にし、かつ消費電力を小さくする観点から、LEDチップの上部での上記LED保護層の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。
【0148】
上記LEDモジュールの形状は、特に限定されない。上記LEDモジュールの形状は、丸型であってもよく、矩形型であってもよく、三角形型であってもよい。
【0149】
(LED表示装置)
本発明に係るLED表示装置は、複数のLEDモジュールを備え、複数の上記LEDモジュールが連結されている。上記LED表示装置では、上記LEDモジュールは、複数のLEDチップを上面に有する基板と、複数の上記LEDチップの間隙及び複数の上記LEDチップの上部の少なくとも一方に配置されたLED保護層とを備え、上記LEDモジュールにおいて、上記LED保護層が、上述したインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物の硬化物である。
【0150】
本発明に係るLED表示装置では、上記の構成が備えられているので、得られるLEDモジュールを斜めから見たときに変色を抑えることができる。
【0151】
図2は、本発明の一実施形態に係るインクジェット用及びLED保護用硬化性組成物を用いて得られるLED表示装置を模式的に示す部分切欠断面図である。
【0152】
図2に示すLED表示装置21は、複数のLEDモジュール1を備える。複数のLEDモジュール1が、連結されている。複数のLEDモジュール1が側面にて、連結されている。図2では、左右方向に複数のLEDモジュール1が並んで連結されている。図2において、手前-奥方向にも、複数のLEDモジュール1が並んで連結されていてもよい。この場合には、LED表示装置21を大型化することができる。
【0153】
LED表示装置21では、連結されるLEDモジュール1において、基板本体12A上の電極12Cが互いに電気的に接続されている。
【0154】
上記LEDモジュールを連結させて、LED表示装置を得る方法としては、製造した複数のLEDモジュールを並べる方法等が挙げられる。上記LEDモジュールを連結させる方法としては、接着剤を用いる方法、連結具を用いる方法、及び、並んだLEDモジュールを嵌合させる方法等が挙げられる。
【0155】
上記LED表示装置において、連結された上記LEDモジュールの数は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記LEDモジュールの数が上記下限以上であると、LED表示装置をより一層大型化することができる。上記LED表示装置において、連結された上記LEDモジュールの数は、好ましくは35個以下、より好ましくは30個以下である。上記LEDモジュールの数が上記上限以下であると、LED表示装置を軽量にすることができる。
【0156】
上記LED表示装置の形状は、特に限定されない。上記LED表示装置の形状は、丸型であってもよく、矩形型であってもよく、三角形型であってもよい。複数のLEDモジュールを連結させることで、様々な形状のLED表示装置を得ることができる。
【0157】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0158】
以下の材料を用意した。
【0159】
第1の(メタ)アクリレート化合物:
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製「A-DCP」、単独重合体のガラス転移温度:190℃)
【0160】
第2の(メタ)アクリレート化合物:
1,9-ノナンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製「A-NOD-N」、単独重合体のガラス転移温度:68℃)
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製「HDDA」、単独重合体のガラス転移温度:63℃)
【0161】
他の(メタ)アクリレート化合物:
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製「ABE-300」)
ポリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製「APG-700」、単独重合体のガラス転移温度:32℃)
オルソフェニルフェノキシエチルアクリレート(日本化薬社製「OPP-1」)
【0162】
光重合開始剤:
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(α-ヒドロキシアルキルフェノン、IGM Resins社製「Omnirad 184」)
【0163】
熱硬化性化合物:
4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(三菱ケミカル社製「4HBAGE」、環状エーテル基(グリシジル基))
【0164】
熱硬化剤:
ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(セイカ社製「BAPS-M」)
【0165】
酸化チタン:
酸化チタンA(石原産業社製「RF-726」、シリカ処理、一次粒子の体積平均粒子径(D50):210nm)
酸化チタンB(石原産業社製「CR-63」、有機処理、一次粒子の体積平均粒子径(D50):210nm)
酸化チタンC(石原産業社製「CR-60」、アルミナ処理、一次粒子の体積平均粒子径(D50):210nm)
酸化チタンD(石原産業社製「TTO-55(A)」、アルミナ処理、一次粒子の体積平均粒子径(D50):50nm)
酸化チタンE(石原産業社製「TA200」、表面処理なし、一次粒子の体積平均粒子径(D50):600nm)
【0166】
分散剤:
アルキルアンモニウム塩系分散剤(BYK社製「BYK-9076」、酸価:38mgKOH/g、アミン価:44mgKOH/g)
リン酸エステル系分散剤(BYK社製「DISPERBYK-106」、酸価:132mgKOH/g、アミン価:74mgKOH/g)
アミン系分散剤(BYK社製「DISPERBYK-180」、酸価:94mgKOH/g、アミン価:94mgKOH/g)
アルキルアンモニウム塩系分散剤(BYK社製「DISPERBYK-145」、酸価:76mgKOH/g、アミン価:71mgKOH/g)
カルボン酸系分散剤(BYK社製「DISPERBYK-108」、酸価:0mgKOH/g、アミン価:71mgKOH/g)
リン酸エステル系分散剤(BYK社製「DISPERBYK-111」、酸価:129mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)
ポリエステル系分散剤(TEGO社製「TEGODispers655」、酸価:190mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)
【0167】
重合禁止剤:
N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム(富士フイルム和光純薬工業社製「Q1301」
【0168】
酸化防止剤:
フェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「AO-80」)
ホスファイト系酸化防止剤(ADEKA社製「PEP-36」)
【0169】
(実施例1~7、及び比較例1~9)
下記の表1~4に示す成分を下記の表1~4に示す配合量で配合して、インクジェット用及びLED保護用硬化性組成物(硬化性組成物)を得た。
【0170】
(評価)
(1)インクジェット吐出性
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、得られた硬化性組成物の吐出試験を行い、下記の基準で判定した。なお、インクジェットヘッド温度は、50℃とした。
【0171】
[インクジェット吐出性の判定基準]
○○:硬化性組成物をインクジェットヘッドから10時間以上連続して吐出可能である
○:硬化性組成物をインクジェットヘッドから10時間以上連続して吐出可能であるが、10時間の連続吐出の間にわずかに吐出むらが生じる
×:硬化性組成物をインクジェットヘッドから吐出する初期段階で吐出不可能であるか、又は、硬化性組成物をインクジェットヘッドから連続して吐出可能であるが、10時間以上連続して吐出不可能である
【0172】
(2)LEDモジュールを斜めから見たときの変色
複数の電極と、配線と、複数のLEDチップ(高さ100μm)とを上面に有するガラス基板(厚み30mm)を用意した。上記LEDチップの間隙及び上部に、得られた硬化性組成物をインクジェット方式で塗布し、波長365nmでの照度が1000mW/cmになるように積算光量1000mJ/cmの紫外線(UV-LED)を照射して硬化させ、LED保護層(LEDチップの上部における厚み30μm)を形成して、LEDモジュールを得た。LEDチップから白色光を照射したときに、上述した方法で、LEDチップ及びLED保護層(硬化物)の真上から測定した透過光と、上記ガラス基板を傾けて、上記LED保護層の上面に対して70°の位置から測定した透過光とのL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を求めた。得られたL*値、a*値、b*値から、色差ΔE*abを求めた。得られた色差ΔE*abから、LEDモジュールを斜めから見たときの変色を、下記の基準で判定した。
【0173】
[LEDモジュールを斜めから見たときの変色の判定基準]
○○:色差ΔE*abが、5以下
○:色差ΔE*abが、5を超え7以下
×:色差ΔE*abが、7を超える
【0174】
(3)LEDモジュールを高温で保管したときの変色(耐熱性)
ガラス基板(厚み0.7mm)の表面上に、上述した方法で、得られた硬化性組成物の硬化物(厚み30μm)を形成した。分光測色計(コニカミノルタ社製「CM-26dG」)を用いて、上記硬化物の上面から光(波長300nm~800nm)を照射したときの反射光のL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を求めた。また、上記LEDモジュールを100℃で240時間保管し、保管後のLEDモジュールについて、同様にL*値、a*値、b*値を求めた。得られたL*値、a*値、b*値から、保管前後の色差ΔE*abを求めた。LEDモジュールを高温で保管したときの変色を、以下の基準で判定した。
【0175】
[LEDモジュールを高温で保管したときの変色の判定基準]
○○:色差ΔE*abが、3未満
○:色差ΔE*abが、3以上5未満
×:色差ΔE*abが、5以上
【0176】
硬化性組成物の組成及び結果を下記の表1~4に示す。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
【符号の説明】
【0181】
1…LEDモジュール
11…LED保護層
12…基板
12A…基板本体
12B…LEDチップ
12C…電極
21…LED表示装置
図1
図2