(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007272
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】調光コントローラ、照明器具、及び照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 45/20 20200101AFI20240111BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240111BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240111BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20240111BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240111BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B45/10
H05B47/155
H05B47/115
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108667
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】大島 悠一
(72)【発明者】
【氏名】館山 涼
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA09
3K273QA10
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA13
3K273SA01
3K273SA04
3K273SA05
3K273SA37
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA09
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA37
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA55
3K273TA62
3K273TA78
3K273UA18
3K273UA20
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】本開示は、照明器具の色温度を制御する調光コントローラ、照明器具、及び照明制御システムに関し、照明器具の調光率が低い場合であっても、より多くの色温度を表現することのできる調光コントローラ、照明器具、及び照明制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】照明制御システムは、調光コントローラと、異なる色温度を有する二個の負荷を有する照明器具とを備える。調光コントローラは、調光率にオフセットを加えた値と、二個の負荷の色比率とを用いて、各負荷に対して仮電力を計算する。調光コントローラは、各負荷の仮電力の情報を備えた信号を送信する。照明器具は、信号から各負荷に対する仮電力を復元し、復元された各負荷に対する仮電力から調光率および各負荷の色比率を再現する。照明器具は、再現された調光率および各負荷の色比率から二個の負荷の調光率を計算し、各負荷を電力駆動する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色温度を有する二個の負荷を備える照明器具と用いる調光コントローラであって、
実現すべき調光率にオフセットを加えた値と、実現すべき第一負荷の色比率とを用いて、第一仮電力を計算する第一仮電力計算処理と、
前記調光率に前記オフセットを加えた値と、実現すべき第二負荷の色比率とを用いて、第二仮電力を計算する第二仮電力計算処理と、
前記第一仮電力と前記第二仮電力の情報を備えた信号を送信する信号送信処理と、
を実行するように構成される調光コントローラ。
【請求項2】
異なる色温度を有する二個の負荷を備える照明器具であって、
調光コントローラから送信された信号を受信する信号受信処理と、
前記信号から第一仮電力および第二仮電力を復元し、復元第一仮電力と復元第二仮電力を求める復元処理と、
前記復元第一仮電力と前記復元第二仮電力の和から、オフセットを除去することにより調光率を再現する調光率再現処理と、
前記復元第一仮電力および前記復元第二仮電力に基づいて、第一負荷の色比率を再現する第一色比率再現処理と、
前記復元第一仮電力および前記復元第二仮電力に基づいて、第二負荷の色比率を再現する第二色比率再現処理と、
前記調光率再現処理により再現された前記調光率と、前記第一色比率再現処理により再現された前記第一負荷の色比率から、第一負荷の調光率を計算する第一調光率計算処理と、
前記調光率再現処理により再現された前記調光率と、前記第二色比率再現処理により再現された前記第二負荷の色比率から、第二負荷の調光率を計算する第二調光率計算処理と、
前記第一負荷の調光率により第一負荷の駆動電力を更新し、
前記第二負荷の調光率により第二負荷の駆動電力を更新する駆動電力更新処理と、
を実行するように構成される照明器具。
【請求項3】
前記第一仮電力計算処理において前記第一仮電力を以下に示す式により算出し、前記第二仮電力計算処理において前記第二仮電力を以下に示す式により算出する請求項1に記載の調光コントローラ。
第一仮電力 = 第一負荷の色比率 / 100 * (調光率 + オフセット)
第二仮電力 = 第二負荷の色比率 / 100 * (調光率 + オフセット)
【請求項4】
前記第一負荷の調光率と、前記第二負荷の調光率を、以下に示す式により算出する請求項2に記載の照明器具。
第一負荷の調光率=(復元第一仮電力+復元第二仮電力 - オフセット) * 復元第一仮電力 / (復元第一仮電力 + 復元第二仮電力)
第二負荷の調光率=(復元第一仮電力+復元第二仮電力 - オフセット) * 復元第二仮電力 / (復元第一仮電力 + 復元第二仮電力)
【請求項5】
前記調光率の閾値に対する大小を判別する処理を更に実行し、
前記調光率が前記閾値以下の場合には、
前記第一仮電力計算処理と、
前記第二仮電力計算処理と、
前記信号送信処理と、
を実行し、
前記調光率が前記閾値より大きい場合には、
前記調光率から前記オフセットを差し引いた値と、前記第一負荷の色比率とを用いて、前記第一仮電力を計算する第三仮電力計算処理と、
前記調光率から前記オフセットを差し引いた値と、前記第二負荷の色比率とを用いて、前記第二仮電力を計算する第四仮電力計算処理と、
前記第三仮電力計算処理から計算される前記第一仮電力と、前記第四仮電力計算処理から計算される前記第二仮電力の情報を備えた信号を送信する信号送信処理と、
を実行するように構成される請求項1に記載の調光コントローラ。
【請求項6】
前記第三仮電力計算処理において前記第一仮電力を以下に示す式により算出し、前記第四仮電力計算処理において前記第二仮電力を以下に示す式により算出する、請求項5に記載の調光コントローラ。
第一仮電力 = 100 - 第一負荷の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - オフセット)
第二仮電力 = 100 - 第二負荷の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - オフセット)
【請求項7】
前記復元第一仮電力と前記復元第二仮電力の和の、閾値に対する大小を判別する処理を更に実行し、前記復元第一仮電力と前記復元第二仮電力の和が前記閾値よりも大きい場合に、前記第一負荷の調光率と前記第二負荷の調光率を、以下に示す式により算出する請求項2に記載の照明器具。
第一負荷の調光率=(復元第一仮電力+復元第二仮電力 - オフセット) * (100 - 復元第一仮電力) / ((100 - 復元第一仮電力) + (100 - 復元第二仮電力))
第二負荷の調光率=(復元第一仮電力+復元第二仮電力 - オフセット) * (100 - 復元第二仮電力) / ((100 - 復元第一仮電力) + (100 - 復元第二仮電力))
【請求項8】
前記調光率と前記オフセットを用いて以下に示す式により前記閾値を算出する請求項5に記載の調光コントローラ。
閾値=100%-オフセット
【請求項9】
前記閾値は以下の式であらわされる請求項7に記載の照明器具。
閾値=100%
【請求項10】
前記信号送信処理において、前記第一仮電力と前記第二仮電力の一方から決まる周期と、他方から決まるデューティ比とを備えた、パルス幅変調信号を送信する請求項1に記載の調光コントローラ。
【請求項11】
前記信号受信処理において、前記第一仮電力と前記第二仮電力の一方から決まる周期と、他方から決まるデューティ比とを備えた、パルス幅変調信号を受信する請求項2に記載の照明器具。
【請求項12】
請求項1に記載の調光コントローラと、請求項2に記載の照明器具とを備える照明制御システム。
【請求項13】
前記照明器具の内部、もしくは前記調光コントローラと前記照明器具との間に変換ユニットを備える照明制御システムであって、
前記変換ユニットは、
前記調光コントローラから送信された信号をデジタル信号に変換する変換処理を実行するように構成される請求項12に記載の照明制御システム。
【請求項14】
前記信号は、第一仮電力と第二仮電力の一方から決まる周期と、他方から決まるデューティ比とを備えたパルス幅変調信号であることを特徴とする請求項13に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具の色温度を制御する調光コントローラ、照明器具、及び照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明器具の明るさ及び色温度を同時に制御する調光制御システムが開示されている。そこでは、同一信号線を介して送受信されるPWM(パルス幅変調)信号が用いられる。PWM信号のデューティ比が第一の負荷の調光率を示し、周波数が第二の負荷の調光率を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の調光制御システムにおいて、照明器具は色温度の異なる二つの負荷の調光率を制御して、混色した色温度を表現する。ここで、照明器具の調光率が低い場合、表現できる色温度が少ないという問題があった。照明器具の調光率は、二つの負荷の調光率の合計であらわされる。例えば、PWM信号のデューティ比及び周期の分解能が100ステップである場合、すなわち二つの負荷の調光率を1%単位で制御できる場合に、照明器具の調光率を10%とするための、二つの負荷の調光率の組み合わせを考える。この組み合わせは、(0%,10%),(1%,9%),(2%,8%),・・・(8%,2%),(9%,1%),(10%,0%)の11通りである。このように、特許文献1では、調光率が低いほど、二つの負荷の調光率の組み合わせの数が減り、より少ない色温度しか表現することができなかった。この問題に対し、例えばPWM信号のデューティ比及び周期の分解能を200ステップに上げ、二つの負荷の調光率を0.5%単位で制御するなどして、色温度の組み合わせを増やすことはできる。しかし、その場合は性能の良い電子部品または信号線を使用する必要があるため、照明制御機器または照明器具のコストアップになるという問題がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、照明器具の調光率が低い場合であっても、PWM信号の分解能を増やすことなく、より多くの色温度を表現することのできる、調光コントローラおよび照明器具を提供することである。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、照明器具の調光率が低い場合であっても、PWM信号の分解能を増やすことなく、より多くの色温度を表現することのできる、照明制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一の態様は、上記の目的を達成するため、異なる色温度を有する二個の負荷を備える照明器具と用いる調光コントローラであって、
実現すべき調光率にオフセットを加えた値と、実現すべき第一負荷の色比率とを用いて、第一仮電力を計算する第一仮電力計算処理と、
前記調光率に前記オフセットを加えた値と、実現すべき第二負荷の色比率とを用いて、第二仮電力を計算する第二仮電力計算処理と、
前記第一仮電力と前記第二仮電力の情報を備えた信号を送信する信号送信処理と、
を実行するように構成されることが望ましい。
【0008】
また、本開示の第二の態様は、異なる色温度を有する二個の負荷を備える照明器具であって、
調光コントローラから送信された信号を受信する信号受信処理と、
前記信号から第一仮電力および第二仮電力を復元し、復元第一仮電力と復元第二仮電力を求める復元処理と、
前記復元第一仮電力と前記復元第二仮電力の和から、オフセットを除去することにより調光率を再現する調光率再現処理と、
前記復元第一仮電力および前記復元第二仮電力に基づいて、第一負荷の色比率を再現する第一色比率再現処理と、
前記復元第一仮電力および前記復元第二仮電力に基づいて、第二負荷の色比率を再現する第二色比率再現処理と、
前記調光率再現処理により再現された前記調光率と、前記第一色比率再現処理により再現された前記第一負荷の色比率から、第一負荷の調光率を計算する第一調光率計算処理と、
前記調光率再現処理により再現された前記調光率と、前記第二色比率再現処理により再現された前記第二負荷の色比率から、第二負荷の調光率を計算する第二調光率計算処理と、
前記第一負荷の調光率により第一負荷の駆動電力を更新し、
前記第二負荷の調光率により第二負荷の駆動電力を更新する駆動電力更新処理と、
を実行するように構成されることが望ましい。
【0009】
また、本開示の第三の態様は、第一の態様に記載の調光コントローラと、第二の態様に記載の照明器具とを備える照明制御システムであることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
第一または第二の態様によれば、照明器具の調光率が低い場合であっても、PWM信号の分解能を増やすことなく、より多くの色温度を表現することのできる、調光コントローラおよび照明器具を提供することが可能となる。
【0011】
第三の態様によれば、照明器具の調光率が低い場合であっても、PWM信号の分解能を増やすことなく、より多くの色温度を表現することのできる、照明制御システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る調光コントローラの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係るPWM信号の波形図である。
【
図5】実施の形態1に係る、調光コントローラに対して調光率と色温度を変更するように指示がされた場合に、調光コントローラがPWM信号を送信するまでの動作を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る、(a)第一負荷の色比率と色温度との関係を示すグラフ、(b)第二負荷の色比率と色温度との関係を示すグラフである。
【
図7】比較例に係る、調光率の所望値が10%であって、オフセットが0である場合の、S_DUTYとS_CYCLE、およびそれらの組み合わせの数を説明する図である。
【
図8】実施の形態1に係る、調光率の所望値が10%であって、オフセットが50%である場合の、S_DUTYとS_CYCLE、およびそれらの組み合わせの数を説明する図である。
【
図9】実施の形態1に係る、(a)PWM信号のデューティ比とS_DUTYとの関係を示すグラフ、(b)PWM信号の周期とS_CYCLEとの関係を示すグラフである。
【
図10】実施の形態1に係る、オフセットが50%である場合の、PWM信号のデューティ比及び周期と、照明器具の調光率及び色温度の関係を表す図である。
【
図11】実施の形態1に係る、照明器具がPWM信号を受信してから、第一負荷の駆動電力及び第二負荷の駆動電力を更新するまでの動作を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図13】実施の形態2に係る変換ユニットの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0014】
実施の形態1
図1は、照明制御システム100のブロック図である。この照明制御システム100は、調光コントローラ10、照明器具20、及び設定器30を備えている。設定器30は、作業者が調光コントローラ10の操作または設定をするために用いられる。設定器30は調光コントローラ10と赤外線通信50を行う。調光コントローラ10は信号線40により、照明器具20と通信する。
【0015】
図2は、調光コントローラ10の構成を示すブロック図である。調光コントローラ10は、制御部11、通信出力部12、赤外線通信部13、人検知センサ部14、明るさセンサ部15、LED状態表示部16、電源部17を有する。制御部11は、調光コントローラ10の機能を実現するための演算、および照明器具20の制御に必要な演算を実施する。
【0016】
通信出力部12は信号線40を介してPWM信号の送信を行う。ここで、通信出力部12は複数の信号線40を介して、複数の異なるPWM信号を出力しても良い。赤外線通信部13は、設定器30との間で赤外線通信50を行う。
【0017】
人検知センサ部14は人の存在の有無を検出して、検出した情報を制御部11に送信する。明るさセンサ部15は、明るさを検出して、検出した情報を制御部11に送信する。制御部11は、赤外線通信部13、人検知センサ部14、明るさセンサ部15から受信した情報に基づき、通信出力部12を介して照明器具20を制御する。
【0018】
LED状態表示部16は、例えば調光コントローラ10の状態をLEDで表示する。制御部11は、LED状態表示部16を制御する。
【0019】
電源部17は、調光コントローラ10の各部の電源である。
【0020】
図3は、照明器具20の構成を示すブロック図である。照明器具20は、制御部21、通信入力部22、第一負荷光源部23、第二負荷光源部24、光源制御部25、電源部26を有する。制御部21は、照明器具20の機能を実現するための演算を行う。また制御部21は、第一負荷光源部23及び第二負荷光源部24を制御するのに必要な情報を光源制御部25に提供する。
【0021】
通信入力部22は、調光コントローラ10から信号線40を介して送信されたPWM信号を受信する。制御部21は、通信入力部22が受信したPWM信号に応じて照明器具20の各部を制御する。
【0022】
光源制御部25は第一負荷光源部23及び第二負荷光源部24を制御する。光源制御部25は、例えば制御部21からの制御信号に応じて、第一負荷光源部23及び第二負荷光源部24に供給する電力を制御する。第一負荷光源部23及び第二負荷光源部24は、それぞれ異なる色温度の光源を有する。光源は、例えばLED等の発光素子である。電源部26は、照明器具20の各部の電源である。
【0023】
図4は、信号線40で送受信されるPWM信号の波形図である。ThはPWM信号の1周期内において、電圧VTがHiレベルにある時間幅である。PWM信号のデューティ比(%)は、周期T及びThを用いてTh/Tとして計算される。デューティ比が100%または0%である場合、受信側は周期Tを認識できない。また、周期が0である場合はデューティ比を認識できない。したがって0%<デューティ比<100%、0<周期、であるデューティ比と周期の範囲においてPWM信号を使用する。
【0024】
図5は、調光コントローラ10に対して調光率と色温度を変更するように指示がされた場合に、調光コントローラ10がPWM信号を送信するまでの動作を示すフローチャートである。これ以降において、第一負荷光源部23を単に第一負荷23、第二負荷光源部24を単に第二負荷24と記述する。
【0025】
まず調光コントローラ10が起動する(
図5のステップ120)。さらに、調光コントローラ10は、調光率と色温度を、現在の設定値から、別の所望の値に変更するように指示がされたか否かを判別する(ステップ122)。変更の指示が認められた場合、調光コントローラは、その所望の色温度を色比率に変換する(ステップ124)。色比率とは、互いに異なる色温度を有する第一負荷23と第二負荷24の光源を用いて、ある混色した色温度を表現するのに用いられる、第一負荷23と第二負荷24それぞれの色温度の比率である。色比率の計算には以下の(式1)および(式2)が用いられる。
【0026】
第一負荷23の色比率(%)=100-(色温度-第一負荷23の色温度)/(第二負荷24の色温度-第一負荷23の色温度)* 100 (式1)
第二負荷24の色比率(%)=(色温度-第一負荷23の色温度)/(第二負荷24の色温度-第一負荷23の色温度)* 100 (式2)
【0027】
ただし、第一負荷23の色温度≦色温度≦第二負荷24の色温度、であるとする。また、(式1)および(式2)から以下の関係がある。
【0028】
第一負荷23の色比率+第二負荷24の色比率=100%(式3)
【0029】
例えば、第一負荷23の色温度が3000K、第二負荷24の色温度が5000Kであって、調光コントローラ10に対し色温度を3200Kに変更するよう指示があった場合を例に挙げる。この場合、(式1)から第一負荷23の色比率は90%であり、(式2)から第二負荷24の色比率は10%と求められる。
【0030】
図6(a)は、第一負荷23の色比率と色温度との関係を示すグラフである。また
図6(b)は、第二負荷24の色比率と色温度との関係を示すグラフである。ただし、
図6(a)および(b)において、第一負荷23の色温度≦色温度≦第二負荷24の色温度、である。
【0031】
次に調光コントローラ10は、所望値として与えられた調光率、及びステップ124により求めた色比率を、デューティ比のステップS_DUTY及び周期のステップS_CYCLEに変換する(
図5のステップ126)。そこでは調光率のオフセットが使用される。閾値=(100%-オフセット)を境界にして、以下の式によりS_DUTY及びS_CYCLEを計算する。
【0032】
0%≦調光率≦(100%―オフセット)の場合、
S_DUTY = 第二負荷24の色比率 / 100 * (調光率 + オフセット) (式4)
S_CYCLE = 第一負荷23の色比率 / 100 * (調光率 + オフセット) (式5)
【0033】
(100%―オフセット)<調光率≦100%の場合、
S_DUTY = 100 - 第一負荷23の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - オフセット) (式6)
S_CYCLE = 100 - 第二負荷24の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - オフセット) (式7)
【0034】
例えば、調光率のオフセットを50%とした場合、S_DUTYとS_CYCLEは閾値50%を境界にして、以下の式で計算される。
【0035】
0%≦調光率≦50%の場合、
S_DUTY = 第二負荷24の色比率 / 100 * (調光率 + 50) (式8)
S_CYCLE = 第一負荷23の色比率 / 100 * (調光率 + 50) (式9)
【0036】
50%<調光率≦100%の場合、
S_DUTY = 100 - 第一負荷23の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - 50) (式10)
S_CYCLE = 100 - 第二負荷24の色比率 / 100 * (200 - 調光率 - 50) (式11)
【0037】
(式4)と(式5)の関係から、S_DUTYとS_CYCLEの和は、調光率及び色比率を用いて、以下の関係であらわされる。
【0038】
0%≦調光率≦(100%―オフセット)の場合、
S_DUTY+S_CYCLE=調光率+オフセット (式12)
【0039】
同様に、(式6)と(式7)の関係から、以下の関係式が得られる。
【0040】
(100%―オフセット)<調光率≦100%の場合、
S_DUTY+S_CYCLE=調光率+オフセット (式13)
【0041】
また、(式4)と(式5)からは以下の関係式が得られる。
0%≦調光率≦(100%―オフセット)の場合、
S_DUTY:S_CYCLE=第二負荷24の色比率:第一負荷23の色比率 (式14)
【0042】
一方、(式6)と(式7)からは以下の関係式が得られる。
(100%―オフセット)<調光率≦100%の場合、
(100 - S_DUTY):(100 - S_CYCLE)=第一負荷23の色比率:第二負荷24の色比率 (式15)
【0043】
ここではまず、比較例としてオフセットがない場合について説明する。
図7は、調光率の所望値が10%であって、オフセットが0である場合の、S_DUTYとS_CYCLE、およびこれらの組み合わせの数を説明する図である。本比較例においては、0%≦調光率≦(100%―オフセット)であるから、(式14)が適用され、S_DUTYとS_CYCLEの比は、第二負荷24の色比率と第一負荷23の色比率の比に等しい。また、オフセットが0であるため、(式12)から、S_DUTYとS_CYCLEの和は調光率に等しい。すなわち、S_DUTYとS_CYCLEは、それぞれ、調光率に占める第二負荷24と第一負荷23の色比率である。ここで、PWM信号のデューティ比及び周期の分解能が100ステップである場合、S_DUTYとS_CYCLEは1%の単位で制御可能である。したがってS_DUTYとS_CYCLEの値の組み合わせは、(0%,10%),(1%,9%),(2%,8%)・・・(8%,2%),(9%,1%),(10%,0%)の11通りである。
【0044】
次に、本実施形態で用いられるオフセットの効果を説明する。
図8は、調光率の所望値が10%であって、オフセットが50%である場合の、S_DUTYとS_CYCLE、およびこれらの組み合わせの数を説明する図である。この場合も、比較例の場合と同様、0%≦調光率≦(100%―オフセット)である。ただし、(式12)から、S_DUTYとS_CYCLEの和は、調光率にオフセットが足された量に等しい。したがって、S_DUTYとS_CYCLEは、(調光率+オフセット)に占める第二負荷24と第一負荷23の色比率である。ここでも、前記比較例と同じ分解能であるとすると、S_DUTYとS_CYCLEの値の組み合わせは、(0%,60%),(1%,59%),(2%,58%)・・・(58%,2%),(59%,1%),(60%,0%)の61通りである。
【0045】
照明器具20の混色した色温度は、S_DUTYとS_CYCLEの組み合わせを用いて表現される。本実施形態では、前記比較例と分解能は同じであるが、オフセットを導入することで、より多くのS_DUTYとS_CYCLEの組み合わせを生成することができる。すなわち、本実施形態のほうが、より多くの色温度の選択肢を提供することができる。
【0046】
次に調光コントローラ10は、ステップ126により求めたS_DUTY及びS_CYCLEを、PWM信号のデューティ比及び周期に変換する(
図5のステップ128)。
図9(a)はPWM信号のデューティ比とS_DUTYとの関係を示すグラフである。また
図9(b)はPWM信号の周期とS_CYCLEとの関係を示すグラフである。
図9(a)に示すように、デューティ比が5%から90%の範囲おいて、S_DUTYとデューティ比とは、一次式の関係にあるため、互いを一対一に対応させることができる。
図9(b)に示すように、周期が10msから1msの範囲において、S_CYCLEと周期も、やはり一次式の関係にある。したがって、例えば、ステップ126により求めたS_DUTYがYaであり、S_CYCLEがYbであった場合、デューティ比Xa、周期Xbを備えるPWM信号に対応させることができる。
【0047】
図9(a)に示すように、S_DUTYとデューティ比の一対一の対応関係は、デューティ比が5%から90%の範囲おいて定められている。また、
図9(b)に示すように、S_CYCLEと周期の一対一の対応関係は、周期が10msから1msの範囲おいて定められている。したがってS_DUTYまたはS_CYCLEが100を超えてしまうと、設定された範囲のデューティ比および周期だけでは、一対一に対応させることができない。
【0048】
ここで、調光率が閾値=(100%-オフセット)と等しい場合に、S_DUTYとS_CYCLEは、最大値100をとり得る。そのことは、調光率が閾値に等しいと仮定して、(式4)と(式5)を用いてS_DUTYとS_CYCLEをそれぞれ求めれば明らかである。また、調光率がさらに大きくなり閾値を超えた場合に、(式4)と(式5)を用いると、S_DUTYとS_CYCLEの最大値は、100を超えてしまう。
【0049】
そのため本実施形態では、調光率が閾値より大きい場合は、S_DUTYとS_CYCLEを、(式6)と(式7)を用いてそれぞれ求めている。(式6)と(式7)において、S_DUTYとS_CYCLEは100を超えることがないように計算式が設定されている。このように場合分けを行うことで、調光率が閾値より大きい場合であっても、PWM信号のデューティ比と周期の使用範囲を広げる必要がなくなる。
【0050】
最後に、調光コントローラ10は、ステップ128により求めたデューティ比及び周期を備える波形へと更新したPWM信号を送信する処理を行う(
図5ステップ130)。
【0051】
図10は、オフセットが50%である場合の、PWM信号のデューティ比及び周期と、調光率及び色比率の関係を表すグラフである。破線部140は第二負荷24の色比率が100%の部分である。一方、点線部142は第一負荷23の色比率が100%の部分である。また実線部144は第一負荷23の色比率と第二負荷24の色比率がともに50%である部分である。一点鎖線部146は調光率が0%の部分であり、一点鎖線部148は調光率が50%の部分であり、一点鎖線部150は調光率が100%の部分である。
【0052】
図11は、照明器具20がPWM信号を受信してから、第一負荷23の駆動電力及び第二負荷24の駆動電力を更新するまでの動作を示すフローチャートである。
【0053】
まず照明器具20が起動する(
図11のステップ160)。次に、照明器具20がPWM信号を受信する(ステップ162)。すると、照明器具20は、受信したPWM信号から、電圧がHiである時間Thと周期Tを読み取り、デューティ比及び周期を算出する(ステップ164)。
【0054】
さらに、照明器具20は、ステップ164により求めたデューティ比及び周期からS_DUTYおよびS_CYCLEを復元する(
図11のステップ166)。そこでは
図9(a)と
図9(b)が使用される。例えば、受信したPWM信号のデューティ比がXaであり周期がXbであった場合、S_DUTYはYaであり、S_CYCLEはYbであると復元できる。
【0055】
次に、照明器具20は、ステップ166により復元したS_DUTYおよびS_CYCLEから、調光率を再現する(
図11のステップ168)。そこでは、調光コントローラ10が、S_DUTY及びS_CYCLEを計算するのに使用したオフセットの値を用いて、以下の式を計算する。
【0056】
オフセット≦(S_DUTY+S_CYCLE)≦100%の場合
調光率=(S_DUTY+S_CYCLE - オフセット) (式16)
【0057】
100%<(S_DUTY+S_CYCLE)≦(100%+オフセット)の場合
調光率=(S_DUTY+S_CYCLE - オフセット) (式17)
【0058】
S_DUTYおよびS_CYCLEにはオフセットの値が含まれているため、(式16)または(式17)において、オフセットを除去している。それにより、本来の調光率の所望値を再現することができる。
【0059】
ここで、調光コントローラ10におけるS_DUTYおよびS_CYCLEの計算式には二つの場合分けが存在した。すなわち、0%≦調光率≦(100%―オフセット)の場合と、(100%―オフセット)<調光率≦100%の場合、である。照明器具20がS_DUTYおよびS_CYCLEからオフセットを取り除くには、照明器具20は、これらがどちらの場合に基づいて計算された値であるかを判別する必要がある。その判別のために用いられるのが、S_DUTYとS_CYCLEの和に基づく条件式である。
【0060】
オフセット≦(S_DUTY+S_CYCLE)≦100%、であれば、調光コントローラ10が、0%≦調光率≦(100%―オフセット)の場合、に基づいてS_DUTYとS_CYCLEを計算したと特定される。すなわち(式4)及び(式5)を用いてS_DUTYとS_CYCLEを計算したと特定される。一方、100%<(S_DUTY+S_CYCLE)≦(100%+オフセット)であれば、調光コントローラ10が、100%―オフセット)<調光率≦100%の場合、に基づいてS_DUTYとS_CYCLEを計算したと特定される。すなわち(式6)及び(式7)を用いてS_DUTYとS_CYCLEを計算したと特定される。このように調光コントローラ10内での場合分けを特定することができ、照明器具20はそれぞれの場合に応じた適切な方法でオフセットを取り除くことができる。
【0061】
次に、照明器具20は、ステップ166により復元したS_DUTYおよびS_CYCLEから、第一負荷23の色比率および第二負荷24の色比率を再現する(
図11のステップ170)。そこでは、以下の式を計算する。
【0062】
オフセット≦(S_DUTY+S_CYCLE)≦100%の場合
第一負荷23の色比率=S_CYCLE / (S_DUTY + S_CYCLE) (式18)
第二負荷24の色比率=S_DUTY / (S_DUTY + S_CYCLE) (式19)
【0063】
100%<(S_DUTY+S_CYCLE)≦(100%+オフセット)の場合
第一負荷23の色比率= (100 - S_DUTY) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式20)
第二負荷24の色比率=(100 - S_CYCLE) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式21)
【0064】
次に、照明器具20は、第一負荷23の調光率および第二負荷24の調光率を計算する(
図11のステップ172)。そこでは、ステップ168により再現した調光率、およびステップ170により再現した第一負荷23の色比率および第二負荷24の色比率を用いて、以下の式を計算する。
【0065】
オフセット≦(S_DUTY+S_CYCLE)≦100%の場合
第一負荷23の調光率=調光率* 第一負荷23の色比率
=(S_DUTY+S_CYCLE - オフセット) * S_CYCLE / (S_DUTY + S_CYCLE) (式22)
第二負荷24の調光率=調光率* 第二負荷24の色比率
=(S_DUTY+S_CYCLE - オフセット) * S_DUTY / (S_DUTY + S_CYCLE) (式23)
【0066】
100%<(S_DUTY+S_CYCLE)≦(100%+オフセット)の場合
第一負荷23の調光率=調光率* 第一負荷23の色比率
=(S_DUTY+S_CYCLE - オフセット) * (100 - S_DUTY) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式24)
第二負荷24の調光率=調光率* 第二負荷24の色比率
=(S_DUTY+S_CYCLE- オフセット) * (100 - S_CYCLE) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式25)
【0067】
例えば、調光率のオフセットが50%の場合、第一負荷23の調光率と第二負荷24の調光率は以下の式であらわされる。
【0068】
50%≦(S_DUTY+S_CYCLE)≦100%の場合
第一負荷23の調光率=(S_DUTY+S_CYCLE - 50%) * S_CYCLE / (S_DUTY + S_CYCLE) (式26)
第二負荷24の調光率=(S_DUTY+S_CYCLE - 50%) * S_DUTY / (S_DUTY + S_CYCLE) (式27)
【0069】
100%<(S_DUTY+S_CYCLE)≦150%の場合
第一負荷23の調光率=(S_DUTY+S_CYCLE - 50%) * (100 - S_DUTY) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式28)
第二負荷24の調光率=(S_DUTY+S_CYCLE- 50%) * (100 - S_CYCLE) / ((100 - S_DUTY) + (100 - S_CYCLE)) (式29)
【0070】
(式22)及び(式23)、または(式24)及び(式25)から計算される、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率の組み合わせは、S_DUTYおよびS_CYCLEの組み合わせの数だけ存在する。前述のとおり、本実施例では、オフセットを用いることにより、従来技術に比べより多くのS_DUTYおよびS_CYCLEの組み合わせを生み出すことができる。結果として、従来技術よりも色温度の分解能を改善することができる。
【0071】
最後に、照明器具20はステップ172により求めた第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率に応じて、第一負荷23及び第二負荷24を駆動する電力を更新する(
図11のステップ174)。
【0072】
[請求項で使用する用語との対応関係の説明]
本実施形態において説明された、調光コントローラ10が第一負荷23の色比率をもとに計算する、周期またはデューティ比のステップを、第一仮電力とする。すなわち、(式5)により計算されるS_CYCLEと、(式6)により計算されるS_DUTYを、第一仮電力とする。
【0073】
同様に、調光コントローラ10が第二負荷24の色比率をもとに計算する、周期またはデューティ比のステップを、第二仮電力とする。すなわち、(式4)により計算されるS_DUTYと、(式7)により計算されるS_CYCLEを第二仮電力とする。
【0074】
さらに、(式5)による第一仮電力の算出処理を、第一仮電力計算処理とし、(式4)による第二仮電力の算出処理を、第二仮電力計算処理とする。また、(式6)による第一仮電力の算出処理を、第三仮電力計算処理とし、(式7)による第二仮電力の算出処理を、第四仮電力計算処理とする。
【0075】
調光コントローラ10が、第一仮電力を照明器具20にPWM信号として送信した場合に、照明器具20によってそのPWM信号の波形から復元された第一仮電力を、復元第一仮電力とする。
【0076】
同様に、調光コントローラ10が、第二仮電力を照明器具20にPWM信号として送信した場合に、照明器具20によってそのPWM信号の波形から復元された第二仮電力を、復元第二仮電力とする。
【0077】
本実施形態において説明された、照明器具20が第一負荷23の色比率を再現する再現処理を第一色比率再現処理とする。すなわち、(式18)および式(20)による第一負荷23の色比率の算出処理を、第一色比率再現処理とする。
【0078】
同様に、照明器具20が第二負荷24の色比率を再現する再現処理を第二色比率再現処理とする。すなわち、(式19)および式(21)による第二負荷24の色比率の算出処理を、第二色比率再現処理とする。
【0079】
本実施形態において説明された、照明器具20が第一負荷23の調光率を算出する計算処理を第一調光率計算処理とする。すなわち、(式22)および式(24)による第一負荷23の調光率の算出処理を、第一調光率計算処理とする。
【0080】
同様に、照明器具20が第二負荷24の調光率を算出する計算処理を第二調光率計算処理とする。すなわち、(式23)および式(25)による第二負荷24の調光率の算出処理を、第二調光率計算処理とする。
【0081】
[実施の形態1の変形例]
ところで、実施の形態1では、S_DUTYをPWM信号のデューティ比に、S_CYCLEをPWM信号の周期にそれぞれ対応させている。しかしながら、この対応関係は逆であってもよい。すなわち、S_DUTYをPWM信号の周期に、S_CYCLEをPWM信号のデューティ比に対応させてもよい。
【0082】
また、調光率が閾値=(100%-オフセット)以下の場合と閾値より大きい場合とで、この対応関係を入れ替えてもよい。すなわち、調光率が閾値以下の場合にはS_DUTYをPWM信号のデューティ比に、S_CYCLEをPWM信号の周期にそれぞれ対応させる。その一方で、調光率が閾値以下の場合には、S_DUTYをPWM信号の周期に、S_CYCLEをPWM信号のデューティ比に対応させてもよい。これは以下の実施の形態2においても同様である。
【0083】
実施の形態2
図12は、調光コントローラ10と照明器具20の間に変換ユニット70を入れた照明制御システム200のブロック図である。この照明制御システム200は、調光コントローラ10、照明器具20、設定器30、及び変換ユニット70を備えている。
図12では、変換ユニット70を照明器具20とは別の機器として記載しているが、照明器具20の内部に変換ユニット70があってもよい。
【0084】
調光コントローラ10は、調光率と色温度を、前記PWM信号のデューティ比と周期に変換し、PWM信号として変換ユニット70に送信する。変換ユニット70は、PWM信号を受信し、そのデューティ比と周期から、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率を算出する。また、変換ユニット70は、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率の情報を、デジタル信号により、信号線60を介して、照明器具20に送信する。
【0085】
照明器具20は、受信したデジタル信号をもとに、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率を制御する。
【0086】
図13は、変換ユニット70の構成を示すブロック図である。変換ユニット70は、制御部71、通信入力部72、通信出力部73、電源部74を有する。制御部71は、通信入力部72に入力されたPWM信号をもとに、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率を算出し、通信出力部73に提供する。
【0087】
通信入力部72は信号線40を介して調光コントローラ10から送信されたPWM信号を受信する。通信出力部73は、第一負荷23の調光率及び第二負荷24の調光率に関するデジタル信号を、信号線60を介して照明器具20に出力する。電源部74は、変換ユニット70の各部の電源である。
【符号の説明】
【0088】
10 調光コントローラ
11 制御部
12 通信出力部
13 赤外線通信部
14 人検知センサ部
15 明るさセンサ部
16 LED状態表示部
17 電源部
20 照明器具
21 制御部
22 通信入力部
23 第一負荷光源部
24 第二負荷光源部
25 光源制御部
26 電源部
30 設定器
40 信号線
50 赤外線通信
60 信号線
70 変換ユニット
71 制御部
72 通信入力部
73 通信出力部
74 電源部
100、200 照明制御システム