(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074028
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ころ軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 33/51 20060101AFI20240523BHJP
F16C 19/36 20060101ALI20240523BHJP
F16C 33/56 20060101ALI20240523BHJP
F16C 33/50 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
F16C33/51
F16C19/36
F16C33/56
F16C33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185073
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】西田 雄太
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA16
3J701AA25
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA34
3J701BA44
3J701BA45
3J701BA49
3J701BA50
3J701EA37
3J701EA76
3J701FA15
3J701FA31
3J701FA46
3J701GA24
3J701XB03
3J701XB11
3J701XB24
(57)【要約】
【課題】樹脂の射出成形品であるセグメントについて、スムーズに離型可能としつつ、その強度低下を抑制する。
【解決手段】セグメント10は、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部13と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部13を介して連結された一対の弧状部11,12と、柱部13に設けられた爪部15,16とを一体に有する樹脂材料の射出成形品であり、かつその周方向寸法に対応する円周角θが5°以上30°以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪の軌道面間に介在する複数のころと、複数のころを周方向に間隔を空けて保持する円環状の保持器とを備え、
前記保持器は、複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成され、
前記セグメントが、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部を介して連結された一対の弧状部と、柱部に設けられ、隣り合う2つの柱部と前記一対の弧状部とで形成されるポケットに収容されたころと接触して当該ころの径方向移動を規制する爪部と、を一体に有する樹脂材料の射出成形品であるころ軸受において、
前記セグメントの周方向長さに対応する円周角θを5°以上30°以下にしたことを特徴とするころ軸受。
【請求項2】
柱部のうちポケットを形成するポケット面は、当該ポケット面が形成するポケットの周方向中央部を通って径方向に延びるポケット中心線に対して傾斜した勾配を有し、この勾配の傾斜角αが15°以下である請求項1に記載のころ軸受。
【請求項3】
前記樹脂材料が、炭素繊維又はガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンを主原料としたものである請求項1に記載のころ軸受。
【請求項4】
複数のセグメントを円環状に連結した環状の連結部材を有し、
前記セグメントに、前記連結部材が着脱自在に係合される係合部が設けられ、該係合部が、前記一対の弧状部の何れか一方の周方向両端部に設けられている請求項1に記載のころ軸受。
【請求項5】
前記ころを円すいころとし、前記一対の弧状部のうちの一方を大径弧状部とし、前記一対の弧状部のうちの他方を前記大径弧状部よりも曲率半径が小さい小径弧状部とし、
前記大径弧状部に、前記係合部を有する突出部が一体に設けられている請求項4に記載のころ軸受。
【請求項6】
前記小径弧状部に、複数のセグメントを円環状形態に保持する環状治具の取り付け部が設けられている請求項5に記載のころ軸受。
【請求項7】
風力発電機の主軸支持に用いられる、前記外輪の外径が1m以上である請求項1に記載のころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ころ軸受に関し、特に、風力発電機の主軸等、径が大きい大型の軸を回転自在に支持するために用いられるころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
ころ軸受は、内輪及び外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在する複数の転動体(ころ)と、ころを収容する複数のポケットが軸受の周方向に間隔を空けて設けられた円環状の保持器とを備える。このようなころ軸受のうち、例えば、風力発電機や産業機械などといった大型の機械装置の主軸支持用のころ軸受は、大荷重を支持する必要があることから、その構成部材も当然に大型となり、軸受外径(外輪外径)が1mを超えるような場合もある。この場合、保持器を円環状の一部材で構成するとなると、それ自体を精度良くかつ効率良く生産するのが容易ではなく、また、運搬や内外輪間への組み込み等に手間が掛かる。そこで、特に外径が1mを超えるような大型のころ軸受用の保持器には、例えば特開2009-52746号公報(特許文献1)に記載されているように、円弧状(扇状)をなした複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成される、いわゆるセグメント保持器が好適に使用される。
【0003】
セグメントの一例を
図23に示す。このセグメント100は、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部101と、軸受の軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部101を介して連結された一対の弧状部102とを備え、隣り合う2つの柱部101と一対の弧状部102との間にころ105の収容部となるポケット103が形成されている。このセグメント100は、ポケット103に収容されたころがポケット103外に移動(脱落)するのを規制する爪部104を有している。爪部104は、保持器の案内方式に応じて柱部101の径方向外側及び/又は径方向内側の端部に設けられる。図示例のセグメント100は、爪部104が径方向外側(図中上側)及び内側(図中下側)の端部双方に設けられた、転動体(ころ)案内方式の保持器を構成するセグメントである。このような構成を有するセグメント100は、効率良く量産することができる樹脂の射出成形品とされるのが一般的である。
【0004】
図23に示す樹脂製のセグメント100は、
図24に概念的に示すように、セグメント100の周方向中央部を通って径方向に延びる直線(セグメント中心線)CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型(内径側金型111及び外径側金型112)を用いて射出成形されるのが一般的である。この場合、金型111,112からのセグメント100の抜き方向は、図中白抜き矢印で示す方向(径方向)となることから、セグメント100の形状・サイズ等によってはアンダーカット部が出来、金型111,112からのセグメント100の抜き取り(離型)が、セグメント100の一部を変形(弾性変形)させなければセグメント100を抜き取ることができない、いわゆる無理抜きとなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、外径が1mを超えるような大型のころ軸受用のセグメント100を樹脂の射出成形品とする場合、セグメント100に大荷重に耐えるための機械的強度を付与するためには、例えば、弾性率の大きいスーパーエンプラを主原料とした樹脂材料を使用する、セグメント各部の肉厚を極力大きくする、などといった対策が講じられる。しかしながらこのような対策が講じられると、セグメント100が弾性変形し難くなる(セグメント各部の弾性変形量が小さくなる)ことから、セグメント100が成形金型111,112から無理抜きされた際には、セグメント100に割れや欠けなどの欠陥が生じ易くなる。
【0007】
図23-24に示すセグメント100の場合、無理抜きの要因となるアンダーカット部は、一部の柱部101のうち、ポケット103を形成する側面(ポケット面)の一部となる。具体的には、
図24中白丸で囲う部分であり、計4箇所ある。そこで、上記ポケット面にいわゆる抜き勾配を設ければ、無理抜きを回避することが可能となる。しかしながら、抜き勾配を設けると、これを設けない場合に比べて柱部101の断面積(肉厚)が減少する分、柱部101、ひいてはセグメント100の強度低下を招く。上記のような成形金型111,112を用いてセグメント100を射出成形する場合、セグメント中心線CLsから周方向に離れた位置にある柱部101は、そのポケット面に大きな抜き勾配を設ける必要が生じるために、断面積の減少に由来する強度低下が使用上問題が生じるレベルに至るおそれがある。
【0008】
上記の実情に鑑み、本発明は、保持器を構成する樹脂材料の射出成形品であるセグメントについて、スムーズに離型可能としつつ、強度低下を使用上問題がない範囲に抑制可能とし、これを通じて、支持すべき軸を長期間にわたって精度良く支持することのできるころ軸受を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、
内輪及び外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在する複数のころと、複数のころを周方向に間隔を空けて保持する円環状の保持器とを備え、
保持器が、複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成され、
上記セグメントが、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部を介して連結された一対の弧状部と、柱部に設けられ、隣り合う2つの柱部と一対の弧状部とで形成されるポケットに収容されたころと接触して当該ころの径方向移動を規制する爪部と、を一体に有する樹脂材料の射出成形品とされたころ軸受において、
セグメントの周方向長さに対応する円周角θを5°以上30°以下にしたことを特徴とする。
【0010】
上記のように、複数の柱部、一対の弧状部及び爪部を一体に有する樹脂材料の射出成形品であるセグメントの円周角θを30°以下にすれば、セグメント中心線CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型を用いてセグメントを樹脂で射出成形する場合に無理抜き回避のためのいわゆる抜き勾配を柱部(を成形する部分)に設けたとしても、柱部の断面積減少に由来するセグメントの強度低下を、使用上問題のない範囲に抑制することができる。一方、上記円周角θが5°未満であると、所望の負荷容量を具備したころを収容するためのポケットを形成できなくなる。従って、上記セグメントの円周角θを5°以上30°以下とすれば、上記セグメントをスムーズに離型可能としつつ、上記セグメントの強度低下を使用上問題がない範囲に抑制することができる。
【0011】
柱部のうちポケットを形成する面であるポケット面は、当該ポケット面が形成するポケットの周方向中央部を通って径方向に延びるポケット中心線に対して傾斜した勾配を有するものとすることができる。この勾配は、成形金型からのセグメントの抜き取りをスムーズにする(無理抜きを回避する)ために設けられる、いわゆる抜き勾配に対応したものである。勾配の傾斜角αが15°以下であれば、この勾配が設けられた柱部の断面積(肉厚)低下に由来する強度低下を使用上問題がない範囲に抑えることができる。
【0012】
上記構成は、セグメントの射出成形に用いる樹脂材料を、炭素繊維又はガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主原料とした場合、すなわち、樹脂の射出成形品であるセグメントを高強度化するのに有利である反面、弾性率が大きく、セグメントを成形金型から無理抜きするのが難しい場合に好適に採用し得る。
【0013】
本発明に係るころ軸受は、複数のセグメントを円環状に連結した円環状の連結部材を有するものとすることができる。これにより、セグメントの姿勢が変化したり、セグメントがばらけたりするのを規制することができるので、ころ軸受の組立性を高めることができる。この場合、セグメントには、上記連結部材が着脱自在に係合される係合部を設けることができ、係合部は、セグメントを構成する一対の弧状部の何れか一方の周方向両端部に設けることができる。
【0014】
ころを円すいころとした場合、セグメントを構成する一対の弧状部のうちの一方は大径弧状部となり、一対の弧状部のうちの他方は大径弧状部よりも曲率半径が小さい小径弧状部となる。この場合、大径弧状部に、上記係合部を有する突出部を一体に設けることができる。小径弧状部には、複数のセグメントを円環状形態に保持する環状治具の取り付け部を設けることができる。
【0015】
本発明は、例えば、風力発電機の主軸支持に用いられる、外輪の外径が1m以上とされるころ軸受に好適に採用し得る。
【発明の効果】
【0016】
以上から、本発明によれば、保持器を構成する樹脂材料の射出成形品であるセグメントについて、スムーズに離型可能としつつ、その強度低下を使用上問題がない範囲に抑制することができる。これにより、支持すべき軸を長期間にわたって精度良く支持することのできるころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るころ(円すいころ)軸受の縦断面図である。
【
図2】
図1に示す円すいころ軸受に組み込まれるセグメントの斜視図である。
【
図5】
図2に示すセグメントの成形用金型の概略断面図である。
【
図6】セグメントの円周角と柱部の強度との関係を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るころ(円すいころ)軸受の縦断面図である。
【
図8】
図7に示す円すいころ軸受に組み込まれるセグメントの斜視図である。
【
図9】
図8に示すセグメントに円すいころを挿入した状態を示す断面図である。
【
図10】
図7に示す円すいころ軸受から外輪を外した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図7に示す円すいころ軸受の組立て手順を示す斜視図である。
【
図13】内輪に円すいころを配置した状態における円すいころと内輪の大鍔部との関係を示す図である。
【
図14】
図7に示す円すいころ軸受の組立途中の状態を示す斜視図である。
【
図15】
図7に示す円すいころ軸受の組立途中の状態を示す斜視図である。
【
図17】
図15に示す内輪組立品から環状治具を取り外した断面図である。
【
図18】内輪組立品を外輪に組み込む状態を示す断面図である。
【
図19】内輪組立品を外輪に組み込んだ状態を示す断面図である。
【
図20】内輪の軌道面に配置した円すいころの回転状態を示す模式図である。
【
図21】内輪の軌道面に配置した円すいころを回転させたときの内輪の小鍔部の高さと円すいころとの関係を示す模式図である。
【
図22】本発明の他の実施形態に係る円すいころ軸受の縦断面図である。
【
図24】
図23に示すセグメントの成形用金型の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で方向性を示すために使用する「軸方向」、「径方向」及び「周方向」とは、それぞれ、軸受の軸方向、径方向及び周方向である。
図1等には、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」のそれぞれを矢印X、Y、Zで示している。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態に係るころ軸受の概略縦断面図を示す。同図に示すころ軸受1は、内輪2及び外輪3と、内輪2の外周面に形成された内側軌道面4と外輪3の内周面に形成された外側軌道面5との間に転動自在に配された複数の円すいころ6と、複数の円すいころ6を周方向に間隔を空けて(ここでは周方向等間隔で)保持する保持器7とを備える。従って、
図1に示すころ軸受1は、円すいころ軸受である。内輪2は、内側軌道面4を挟む軸方向の両側に、円すいころ6の小端面及び大端面がそれぞれ接触する小鍔部8及び大鍔部9を有する。この円すいころ軸受1は、例えば風力発電機の主軸を回転自在に支持するために用いられる大型のものであり、円すいころ6の平均径は40mm以上とされ、軸受外径(外輪3の外径)は1m以上とされる。
【0020】
保持器7は、円弧状(扇状)をなした複数のセグメント10(
図2参照)を円環状に(一列に)並べて配置することで形成される、いわゆるセグメント保持器とされる。セグメント10は、軸方向に間隔を空けて配置された一対の弧状部11,12と、周方向に間隔を空けて配置され、両弧状部11,12の間に径方向に沿うように介在して両弧状部11,12を連結する複数の柱部13とを一体に有し、両弧状部11,12及び隣り合う2つの柱部13によって囲まれる空間を、円すいころ6を収容するポケット14としている。一方の弧状部11は、他方の弧状部12よりも曲率半径が大きい大径弧状部を構成し、他方の弧状部12は、一方の弧状部11よりも曲率半径が小さい小径弧状部を構成する。
【0021】
セグメント10は、その周方向寸法に対応する円周角θが5°以上30°以下とされる。図示例のセグメント10は、円周角θを24°とし、柱部13を計6つ、ポケット14を計5つ有する。以下、計6つ設けられる柱部13を区別して説明する場合、
図2の紙面左側から右側に向けて順に配置された柱部13を、それぞれ第1柱部13A~第6柱部13Fと言う。また、計5つ設けられるポケット14を区別して説明する場合、
図2の紙面左側から右側に向けて順に配置されたポケット14を第1ポケット14A~第5ポケット14Eと言う。
【0022】
図2の軸直交断面図である
図3に示すように、第1ポケット14Aの周方向両側に位置する第1柱部13A及び第2柱部13Bの径方向内側の端部には、第1ポケット14A側に突出し、第1ポケット14Aに収容された円すいころ6と径方向で接触可能な爪部(内径側爪部)15が設けられている。また、第3ポケット14Cの周方向両側に位置する第3柱部13C及び第4柱部13Dの径方向内側の端部、並びに第5ポケット14Eの周方向両側に位置する第5柱部13E及び第6柱部13Fの径方向内側の端部にも、上記同様の内径側爪部15が設けられている。このような内径側爪部15が設けられていることにより、第1ポケット14A、第3ポケット14C及び第5ポケット14Eのそれぞれにはセグメント10の外径側から円すいころ6が挿入され、これらポケット14A,14C,14Eに収容された円すいころ6の径方向内側への移動が規制される。
【0023】
第2ポケット14Bの周方向両側に位置する第2柱部13B及び第3柱部13Cの径方向外側の端部には、第2ポケット14B側に突出し、第2ポケット14Bに収容された円すいころ6と径方向で接触可能な爪部(外径側爪部)16が設けられている。また、第4ポケット14Dの周方向両側に位置する第4柱部13D及び第5柱部13Eの径方向外側の端部にも上記同様の外径側爪部16が設けられている。このような外径側爪部16が設けられていることにより、第2ポケット14B及び第4ポケット14Dのそれぞれにはセグメント10の内径側から円すいころ6が挿入され、これらポケット14B,14Dに収容された円すいころ6の径方向外側への移動(脱落)が規制される。
【0024】
以上より、上記のセグメント10を円環状に配置することで形成される本実施形態の保持器7の案内方式は、ころ(転動体)案内である。
【0025】
セグメント10は、樹脂材料の射出成形品とされ、その表面全体が成形金型により成形された成形面とされる。樹脂材料としては、例えば、強化用充填材としての炭素繊維(CF)又はガラス繊維(GF)を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主原料としたものが使用される。充填材の配合比率は、樹脂材料全体に占める質量比で20%以上40%以下とする。これにより、ころ軸受(円すいころ軸受)1の運転時等にセグメント10同士が衝突することによるセグメント10の破損・変形や、セグメント10同士の周方向の突っ張り合いによるセグメント10の変形を防止することができる。
【0026】
セグメント10の射出成形は、
図5に示すように、
図23-24を参照して説明した従来のセグメント100と同様、セグメント10の周方向中央部を通って径方向に延びるセグメント中心線CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型(内径側金型21及び外径側金型22)を用いて行われる。すなわち、両金型21,22間に、成形すべきセグメント10の形状に対応したキャビティ23が形成され、このキャビティ23に充填した溶融状態の樹脂材料を冷却・固化させることによりセグメント10が成形される。成形されたセグメント10は、金型21,22が型開きするのに伴って金型21,22から抜き出される。
【0027】
セグメント10を構成する柱部13(13A~13F)は径方向に沿うように配置され、またセグメントは上記態様で接近及び離反移動する成形金型21,22を用いて射出成形されることから、何らの対策も講じなければ、一部の柱部13には、金型21,22からのセグメント10の抜き取りをいわゆる無理抜きにさせるアンダーカット部が存在する場合がある。本実施形態のセグメント10においては、第2柱部13Bのうち第1ポケット14Aを形成する面(ポケット面17A)の外径側一部領域、第2柱部13Bのうち第2ポケット14Bを形成する面(ポケット面17B)の内径側一部領域、第5柱部13Eのうち第4ポケット14Dを形成する面(ポケット面17C)の内径側一部領域、及び第5柱部13Eのうち第5ポケット14Eを形成する面(ポケット面17D)の外径側一部領域がアンダーカット部となり得る。
【0028】
そこで、上記のポケット面のアンダーカット部となり得る領域には、いわゆる抜き勾配に対応する勾配18が設けられており、成形金型21,22からのセグメント10の抜き取りが無理抜きとならないようにしている。
【0029】
図4に拡大して示す、第2柱部13Bを参照して詳細に説明すると、第2柱部13Bのうち第1ポケット14Aを形成するポケット面17Aは、これが形成する第1ポケット14Aの周方向中央部を通って径方向に延びる直線(ポケット中心線CLp)に対して所定角度α傾斜した勾配18であって、第1ポケット14Aの周方向の開口寸法を第1ポケット14Aの外径側開口部に向けて徐々に拡大させる勾配18を有している。この勾配18は、外径側に向けてセグメント中心線CLsとの離間距離が徐々に縮小するように形成される。また、第2柱部13Bのうち第2ポケット14Bを形成するポケット面17Bは、これが形成する第2ポケット14Bのポケット中心線CLpに対して所定角度α傾斜した勾配18であって、第2ポケット14Bの周方向の開口寸法を第2ポケット14Bの内径側開口部に向けて徐々に拡大させる勾配18を有している。
【0030】
勾配18の傾斜角αを大きくするほど、成形金型21からのセグメント10の抜き取りをスムーズに行い得るというメリットがあるが、第2柱部13Bの断面積(肉厚)が小さくなり、第2柱部13B、ひいてはセグメント10の強度低下を招くというデメリットがある。そのため、上記の傾斜角αは、セグメント10の円周角θや、セグメント中心線CLsとポケット中心線CLpとがなす角度に応じて設定される。前述したようにセグメント10の円周角θの最大値を30°とする本発明においては、傾斜角αが円周角θの設定最大値30°の半分以下である15°以下に設定される。これにより、第2柱部13Bの断面積が過剰に小さくなることによる第2柱部13Bの過剰な強度低下を防止することができる。
【0031】
なお、セグメント10の円周角θを上記のとおり5°以上30°以下(5°≦θ≦30°)としたのは、
図6に示すように、本発明者が円周角θを3°、5°、10°、20°、30°及び40°に設定したセグメント10のそれぞれについて解析を実施した結果、
・円周角θを5°未満である3°に設定した場合、所望の負荷能力を有するサイズの円すいころ6を収容可能なポケット14を有するセグメント10を得ることができなかったこと、
・円周角θを10°及び20°に設定した場合、所定の柱部13にセグメント10の無理抜きを回避するための抜き勾配(勾配18)を設けても、その勾配18が設けられた柱部13に使用上問題となるような強度低下が生じず、強度の評価として「〇」の評価を与えることができたこと、
・円周角θを5°及び30°に設定した場合、円周角θを10°及び20°に設定した場合に比べれば、抜き勾配(勾配18)に由来する柱部13の強度低下は大きくなったものの、使用上問題がないと評価できる「△」の評価を与えることができたこと、
・円周角θが40°の場合、一部の柱部13(特にセグメント中心線CLsから離れた位置にある柱部13)に設ける上記の傾斜角αが大きくなってその柱部13の強度低下が顕著となり、使用上問題が生じると考えられる「×」の評価を与えざるを得なかったこと、が判明したからである。
【0032】
前述した4つのポケット面17A~17Dに設ける勾配18の傾斜角αは全て同じにしても構わないが、ポケット面17A,17Dに設ける勾配18よりもセグメント中心線CLsに接近した位置に位置するポケット面17B,17Cに設ける勾配18の傾斜角αは、ポケット面17A,17Dに設ける勾配18の傾斜角αよりも小さくするのが好ましい。これにより、第2柱部13B及び第5柱部13Eの肉厚減少量を必要最低限に留めることができるので、セグメント10の強度低下を抑えることができる。従って、本実施形態においては、ポケット面17A,17Dに設ける勾配18の傾斜角αを同じにし、ポケット面17B,17Cに設ける勾配18の傾斜角αは、ポケット面17A,17Dに設ける勾配18の傾斜角αよりも小さくするのが好ましい。なお、本実施形態では、アンダーカットとなる部分が設けられない上記以外のポケット面にも僅かな勾配18を設けている(図示省略)。
【0033】
以上で説明したように、一対の弧状部11,12、複数の柱部13及び爪部15,16を一体に有する樹脂材料の射出成形品であるセグメント10の円周角θを30°以下にすれば、
図5に概念的に示すような一組の成形金型21,22、すなわちセグメント中心線CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型21,22を用いて上記セグメント10を射出成形する場合に無理抜き回避のためのいわゆる抜き勾配を柱部13(を成形する部分)に設けたとしても、柱部13の断面積減少に由来するセグメント10の強度低下を、使用上問題のない範囲に抑制することができる。そのため、セグメント10の円周角θを30°以下(5°以上30°以下)とすれば、セグメント10をスムーズに離型可能としつつ、セグメント10の強度低下を使用上問題がない範囲に抑制することができる。従って、このセグメント10を円環状に並べて配置することで保持器7が形成される本実施形態の円すいころ軸受1は、支持すべき軸を長期間にわたって精度良く支持することができる。
【0034】
本発明は、以上で説明した円すいころ軸受1のみならず、
図7等に示す円すいころ軸受1にも適用することができる。
図7に示す円すいころ軸受1は、主に、
(1)複数のセグメントを円環状に並べて配置することで形成される保持器7の案内方式が外輪案内方式である点、及び、
(2)複数のセグメントを連結する連結部材32を有する点、
において
図1に示す円すいころ軸受1と構成を異にしている。
【0035】
図7に示す円すいころ軸受1は、
図1に示す円すいころ軸受1と同様に、内輪2と、外輪3と、複数の円すいころ6と、複数のセグメントからなる保持器(セグメント保持器)7とを備えており、例えば、風力発電機の主軸を支持するために用いられる大型の軸受である。すなわち、円すいころ6の平均径は40mm以上、軸受(外輪3)外径は1m以上とされる。
【0036】
セグメント30は、
図2等に示すセグメント10と同様に、一対の弧状部11,12及び複数の柱部13を一体に有する樹脂材料(例えば、ガラス繊維又は炭素繊維が配合されたポリエーテルエーテルケトンを主原料とする樹脂材料)の射出成形品とされ、両弧状部11,12及び隣り合う2つの柱部13によって囲まれる空間を、円すいころ6を収容するポケット14としている(
図8及び
図9)。但し、上記のとおり保持器7の案内方式が外輪案内である関係上、各柱部13には、外径側爪部16のみが設けられ、内径側爪部15(
図2参照)は設けられていない。従って、円すいころ6は、セグメント30の内径側からポケット14の内径側開口部を介してポケット14に挿入され、ポケット14に収容された円すいころ6の外径側への移動が外径側爪部16によって規制される。
【0037】
詳細な図示は省略するが、このセグメント30は、
図2等に示すセグメント10と同様に、円周角θが5°以上30°以下とされ、かつ、柱部13のポケット面は、ポケット面が形成するポケット14のポケット中心線CLpに対して傾斜した勾配18を有している。この勾配の傾斜角は15°以下である。従って、このセグメント30も、成形金型21,22(
図5参照)からの無理抜きが回避されつつ、柱部13の機械的強度の低下も抑制されている。
【0038】
図8及び
図9に示すように、セグメント30の柱部13の軸方向の両端外面には、断面円弧状の凸部からなる案内突起31が設けられている。案内突起31は、図示例のように全ての柱部13に設ける他、一部の柱部13にのみ設けるようにしても構わない。円すいころ軸受1の駆動時(内輪2が嵌合された主軸の回転時)、保持器7は、外輪3の軌道面5にセグメント30の案内突起31を接触させた状態で周方向に移動(回転)する。
【0039】
セグメント30の弧状部(大径弧状部)11の周方向両端部には、セグメント30(保持器7)の大径側に配置される円環状の連結部材32(
図10等を参照)が着脱自在に係合する係合部34が設けられており、この係合部34は、大径弧状部11の軸方向外側に突設された突出部33に形成されている。周方向で隣り合う2つのセグメント30に設けた突出部33同士が干渉するのを防止するため、突出部33は、セグメント30の周方向端部よりも多少周方向内側(セグメント中心線CLsに接近した側)に設けられる。
【0040】
セグメント30の小径弧状部12には、セグメント30(保持器7)の小径側に配置される環状治具41(
図15,16を参照)の取り付け部35が設けられている。この取り付け部35は、小径弧状部12の全長に亘って設けられている。環状治具41は、
図16に示すように、内輪2の小端面に当接するリング部41aと、このリング部41aの端部外周から径方向外側に向けて突設された断面L字状の係合部41bとからなり、リング部41aを内輪2の小端面に当接させた状態で、セグメント30の取り付け部35を係合部41b(によって形成される周方向溝)に嵌め込むことによりセグメント30(保持器7)に取り付けられる。
【0041】
セグメント30の大径側に配置される連結部材32には、ワイヤー等の線状体が使用され、ここでは、連結部材32としての線状体の長手方向の端部同士を締結部材40(
図10及び
図15参照)を用いて結束することによって円環状に形成されている。締結部材40としてはターンバックルやフック等を使用することができ、ここではターンバックルを使用している。ターンバックルであれば、上記線状体の端部同士の連結及び連結解除を容易に行うことができる、締め付け力が緩まない、締め付け力(張力)を容易に調整することができる、などという利点がある。締結部材40は、周方向で隣り合う2つの突出部33間に収容するように配置する。
【0042】
円環状の連結部材32を形成するに当たり、ターンバックル等の締結部材40は必ずしも使用する必要はなく、線状体の端部同士を直接連結するようにしても構わない。
【0043】
円環状の連結部材32は、ワイヤー等の線状体の他、ベルト等の帯状体を用いて形成することもできる。また、連結部材32は、一本の線状体又は帯状体を用いて形成しても良いし、複数本の線状体又は帯状体を用いて形成しても良い。複数本の線状体又は帯状体を用いる場合、等長の線状体又は帯状体を用いるのが好ましい。
【0044】
以上の構成を有する
図7に示す円すいころ軸受1は、内輪2、円すいころ6及び保持器7を一体化した内輪アッシーを組み立てた後、この内輪アッシーを外輪3に組み込むことによって組み立てることができる。
【0045】
内輪アッシーの組み立ては、まず、
図11及び
図12に示すように、内輪2の大端面を下にした状態で、内輪2の軌道面4上に円すいころ6を一列に並べて配置する。このとき、円すいころ6の自重により内輪2(軌道面4)から円すいころ6が脱落する可能性がある。この脱落を防止するため、内輪2の中心軸から大鍔部9の先端までの距離を、内輪2の中心軸から円すいころ6の重心までの距離よりも大きくしており、大鍔部9の外径Jは次式を満足する。
(J/2)-H・cosI>y1
【0046】
すなわち、
図13に示すように、内輪2の大端面を下にして内輪2の軌道面4に円すいころ6を配置した状態で、内輪2の大鍔部9の円すいころ6と接触する側面が内輪2の中心軸に対して直交する直線に対する角度をIとし、大鍔部9の先端の面取り幅をHとし、内輪2の中心軸から円すいころ6の重心までの距離をy1とし、大鍔部9の外径をJとしたとき、上記の関係式を満たせば、内輪2の軌道面4からの円すいころ9の脱落を防止することができる。なお、
図13中に示す符号D,G,F,Eは、それぞれ、円すいころ6の大端面の直径、円すいころ6の小端面の直径、円すいころ6の長さ、内輪2の中心軸から軌道面4の大鍔部9側の端部までの距離、を示している。
【0047】
円すいころ6を内輪2の軌道面4上に並べて配置した後、
図14に示すように、セグメント30を外径側から被せると、セグメント30に設けられたポケット14の内径側開口部を介してポケット14内に円すいころ6が挿入される。複数のセグメント30が円環状に並べて配置された後、
図15に示すように、各セグメント30の小径弧状部12に設けられた取り付け部35に環状治具41を取り付ける。環状治具41は、内輪2と同軸に配置した状態で軸方向に移動させることによってセグメント30の取り付け部35に取り付けることができる。また、各セグメント30の大径側の外周に連結部材32としての線状体を配置(巻き回す)ようにして大径弧状部11の係合部34に線状体を通し、線状体の端部同士を締結部材40を用いて結束(連結)する。これにより、円環状に一列に並べて配置された複数のセグメント30が一体化され、内輪2、円すいころ6及び保持器7が一体化した内輪アッシーが得られる。
【0048】
セグメント30の外周に巻き回した線状体の端部同士を締結部材40で連結すると、円環状に配置されたセグメント30の小径側が開こうとするが、線状体の端部同士の連結作業をセグメント30の小径弧状部12に設けた取付部35に環状治具41を取り付けた状態で実行するので、連結作業中のセグメント30の小径側の開きを抑制し、連結作業を効率良く実行することができる。
【0049】
環状治具41は、内輪アッシーの組み立て完了後、内輪アッシー(セグメント30の取り付け部35)から取り外される(
図17参照)。環状治具41は、これを軸方向に沿って移動させることによって内輪アッシーから取り外される。
【0050】
以上のようにして得られた内輪アッシー(環状治具41が取り外された内輪アッシー)の外輪3への組み込みは、
図18-19に示すように、内輪アッシーの小径側を下に向けた反転状態にして行う。このような状態で内輪アッシーを外輪3に組み込む際にも、円環状に配置された複数のセグメント30は連結部材32によって連結されているので、セグメント30がばらけることはない。また、各セグメント30のポケット14内に収容された円すいころ6は、ポケット14を形成する柱部13に設けた爪部(外径側爪部16)と鉛直方向で接触・係合するのでポケット14からの脱落が規制される。
【0051】
また、環状治具41を取り外した状態で内輪アッシーをその小径側を下に向けた反転状態にしても、連結部材32によって連結された各セグメント30は、そのポケット14に収容された円すいころ6が内輪2の内側軌道面4の両側に位置する鍔部8,9間に嵌まり、円すいころ6が内輪2の小鍔部8に引っ掛かるようになっている。これにより、内輪アッシーからの各セグメント30の脱落が防止される。セグメント30の脱落を防止するには、内輪2の小鍔部8の高さ(径M)を以下に示す関係式を満たすように設定する。
【0052】
図20に模式的に示すように、内輪2の小鍔部8と大鍔部9の間に嵌められた円すいころ6が回転する場合において、円すいころ6の大端面が大鍔部9に接していない時は点Aを中心に回転し、円すいころ6の大端面が大鍔部9に接している時は点Bを中心に回転すると考えられる。
【0053】
円すいころ6の大端面が大鍔部9に接し、円すいころ6が点Bを中心に回転する場合、
図21に模式的に示すように、内輪2の小鍔部8の径が十分に大きければ、円すいころ6が小鍔部8と大鍔部9の間から離脱しようとしても円すいころ6の小端面が小鍔部8の点Cに接触するため、円すいころ6の回転が抑制され、円すいころ6が内輪2の小鍔部8に引っ掛かる。円すいころ6が引っ掛かる小鍔部8の点Cは、
図21に示すように、円すいころ6が回転した時の円すいころ6の小端面角部の軌跡を描いた曲線(スプライン曲線)と小鍔部8との交点である。このとき、小鍔部8の径をM、小鍔部8の点C側の側面が軸方向(内輪2の中心軸)に対してなす角度をL、小鍔部8の先端の面取り幅をK、円すいころ6を大鍔部9の先端部の点Bを中心にして回転させた際に小鍔部8と円すいころ6の小端面とが接触する点Cから内輪2の中心軸までの距離をy3とすると、下記の関係式を満たしている。
(M/2)-K・cosL>y3
【0054】
以上のようにして、内輪アッシーを外輪3に組み込むことにより、円すいころ軸受1が組み立てられる(
図19参照)。
【0055】
図19に示すように、円すいころ軸受1の組み立てが完了すると、複数のセグメント30を連結している連結部材32は取り外すことができる。連結部材32を取り外しても、各セグメント30は内輪2と外輪3の間に配置されているので、セグメント30がばらける(保持器7が分解される)ことはない。
【0056】
以上で説明した本発明の他の実施形態に係る円すいころ軸受1は、セグメント30の小径弧状部12に環状治具41の取り付け部35を設けたものであるが、小径弧状部12には、取り付け部35に替えて、大径弧状部11に設けた連結部材32の係合部34と同様の係合部36を設け、この係合部36に、係合部34に係合させた円環状の連結部材32と同様の連結部材37を取り外し可能に係合させるようにしても構わない(
図22を参照)。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係る円すいころ軸受1について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜の変更を施すことができる。例えば、ころとして、円すいころ6以外のころ、例えば円筒ころが使用されるころ軸受(円筒ころ軸受)にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 ころ軸受(円すいころ軸受)
2 内輪
3 外輪
6 円すいころ
7 保持器
8 小鍔部
9 大鍔部
10 セグメント
11 弧状部(大径弧状部)
12 弧状部(小径弧状部)
13 柱部
14 ポケット
17A ポケット面
21 成形金型
22 成形金型
23 キャビティ
30 セグメント
32 連結部材
33 突出部
34 係合部
35 取り付け部
41 環状治具
CLp ポケット中心線
CLs セグメント中心線