(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075423
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】コイル搬送吊具
(51)【国際特許分類】
B66C 1/24 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
B66C1/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186883
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 治久
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004BA02
3F004BA08
3F004EA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】腰折れの発生を防止することのできるコイル搬送吊具を提供する。
【解決手段】コイル搬送吊具は、コイル20の搬送に用いられる。コイル搬送吊具は、フックを備える。フックは、水平方向に延びるアーム部(12)を含む。アーム部(12)の上面は、アーム部(12)の延在方向に垂直な断面視で円弧形状を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルの搬送に用いられるコイル搬送吊具であって、
水平方向に延びるアーム部を含むフックを備え、
前記アーム部の上面は、前記アーム部の延在方向に垂直な断面視で円弧形状を有する、コイル搬送吊具。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル搬送吊具であって、
前記アーム部の延在方向に垂直な断面視における前記アーム部の前記上面の曲率半径Rは、前記コイルのヤング率がE、降伏点がσ
A、及び板厚がtであるとき、下記の式(1)を満たす、コイル搬送吊具。
【数1】
【請求項3】
請求項1に記載のコイル搬送吊具であって、
前記アーム部の延在方向に垂直な断面視における前記アーム部の前記上面の中心角は、130°以上である、コイル搬送吊具。
【請求項4】
請求項2に記載のコイル搬送吊具であって、
前記アーム部の延在方向に垂直な断面視における前記アーム部の前記上面の中心角は、130°以上である、コイル搬送吊具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のコイル搬送吊具であって、
前記アーム部は、本体部と、前記本体部に取り付けられたアタッチメントと、を含み、
前記アタッチメントは、前記アーム部の前記上面を形成する、コイル搬送吊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイル搬送吊具に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板をロール状に丸めたコイルは大きくて重い。このようなコイルを搬送するために、通常、コイル搬送吊具が用いられる。従来、コイル搬送吊具として、Cフックが用いられている(例えば、特許文献1)。Cフックは、水平方向に延びるアーム部と、アーム部の上方に位置し、アーム部と同じ方向に延びる固定部と、上下方向に延び、固定部とアーム部とを連結する連結部と、からなる。アーム部、固定部及び連結部により、C字形状が形成される。固定部は、天井クレーン等からワイヤーで吊られるフレームに固定されている。コイルの搬送には、トング型(リフター型)のフックが用いられる場合もある。
【0003】
Cフックを用いてコイルを搬送する際、天井クレーンによりCフックが操作される。具体的には、Cフックのアーム部がコイルの中心孔に挿入される。その状態でCフックが上昇して、コイルを吊り上げる。そして、Cフックが水平移動し、これにより、コイルが適切な場所に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属板製造過程において、コイルが変形しやすい場合がある。例えば、巻きの緩いコイルは変形しやすい。変形しやすいコイルをCフック等のコイル搬送吊具を用いて搬送する場合、コイルは自重により楕円状に変形し、コイルの内周がCフックのアーム部の角と接触する。すると、コイルの内周の曲率半径はアーム部の角近傍において急激に小さくなる。つまり、アーム部の角近傍において、コイルの内周が急激に曲がる。このため、コイルの内周に発生する応力が局所的に大きくなる。その結果、コイルの内周に腰折れが発生する恐れがある。
【0006】
本開示の目的は、腰折れの発生を防止することのできるコイル搬送吊具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るコイル搬送吊具は、コイルの搬送に用いられる。コイル搬送吊具は、フックを備える。フックは、水平方向に延びるアーム部を含む。アーム部の上面は、アーム部の延在方向に垂直な断面視で円弧形状を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るコイル搬送吊具によれば、腰折れの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るコイル搬送吊具の側面図である。
【
図3】
図3は、コイルに実施形態に係るコイル搬送吊具を挿入したときの様子を示す模式図である。
【
図4】
図4は、コイルの搬送時の様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
コイルに腰折れが発生するのを抑制する手法として、コイルの中心孔に円筒状のスリーブを挿入することが考えられる。この場合、スリーブ内にCフックのアーム部が挿入され、その状態でコイルが搬送される。このとき、スリーブは、例えばクレーンを用いてコイルの中心孔に挿入される。スリーブの外径は、コイルの内径と同程度の大きさにする必要がある。そのため、コイルに対してスリーブを挿脱する作業に高い精度が要求される。また、コイルに対してスリーブを挿脱する作業において、スリーブがコイルの内周と擦れることにより、コイルの一部がテレスコピック状に飛び出す恐れもある。
【0011】
そこで、本発明者は、コイルに腰折れが発生するのを抑制しつつ、容易にコイルの搬送作業を行う方法について鋭意検討した。その結果、本発明者は本開示の実施形態に係るコイル搬送吊具を完成させた。
【0012】
実施形態に係るコイル搬送吊具は、コイルの搬送に用いられる。コイル搬送吊具は、フックを備える。フックは、水平方向に延びるアーム部を含む。アーム部の上面は、アーム部の延在方向に垂直な断面視で円弧形状を有する(第1の構成)。
【0013】
第1の構成のコイル搬送吊具では、アーム部の延在方向に垂直な断面視で、アーム部の上面は円弧形状を有する。コイル搬送吊具を用いてコイルを搬送する際、アーム部がコイルの中心孔に挿入される。コイル搬送吊具がコイルを吊り上げると、コイルがアーム部の上面に沿って変形し、コイルのうちアーム部の上面と接触する部分の曲率半径が、アーム部の上面の曲率半径と同じになる。アーム部の上面は角部を有していないため、コイルの搬送時、コイルの曲率半径が局所的に小さくなることはない。したがって、第1の構成のコイル搬送吊具によれば、腰折れの発生を防止することができる。
【0014】
上記コイル搬送吊具において、好ましくは、アーム部の延在方向に垂直な断面視におけるアーム部の上面の曲率半径Rは、コイルのヤング率がE、降伏点がσ
A、及び板厚がtであるとき、下記の式(1)を満たす(第2の構成)。
【数1】
【0015】
上述した通り、コイルの搬送時、コイルのうちアーム部の上面と接触する部分の曲率半径は、アーム部の上面の曲率半径と同じになる。ここで、第2の構成のコイル搬送吊具では、アーム部の上面の曲率半径Rは上記の式(1)を満たす。この場合、コイルの搬送時にコイルが曲がることによって発生する応力は、コイルの降伏点以下に維持される。したがって、第2の構成に係るコイル搬送吊具によれば、腰折れの発生を確実に防止することができる。
【0016】
上記コイル搬送吊具において、好ましくは、アーム部の延在方向に垂直な断面視におけるアーム部の上面の中心角は、130°以上である(第3の構成)。
【0017】
第3の構成のコイル搬送吊具は、アーム部の延在方向に垂直な断面視で円弧状のアーム部の上面の中心角が130°以上である。この場合、腰折れの発生をより確実に防止することができる。
【0018】
上記コイル搬送吊具において、アーム部は、本体部と、本体部に取り付けられたアタッチメントと、を含んでいてもよい。この場合、アタッチメントは、アーム部の上面を形成する(第4の構成)。
【0019】
第4の構成に係るコイル搬送吊具では、アタッチメントがアーム部の上面を形成する。アタッチメントは、アーム部の延在方向に垂直な断面視で円弧形状を有しており、角部を有していない。そのため、第4の構成のコイル搬送吊具によれば、第1の構成のコイル搬送吊具と同様に、腰折れの発生を防止することができる。
【0020】
以下、本開示の実施形態に係るコイル搬送吊具について、図面を参照しながら説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0021】
[コイル搬送吊具]
図1は、本実施形態に係るコイル搬送吊具10の側面図である。
図1を参照して、コイル搬送吊具10は、Cフック11を備える。Cフック11は、水平方向に延びるアーム部12と、アーム部12の上方に位置し、アーム部12と同じ方向に延びる固定部13と、上下方向に延び、固定部13とアーム部12とを連結する連結部14と、からなる。固定部13は、図示しない天井クレーンからワイヤーで吊られるフレームに固定されている。天井クレーンの操作により、Cフック11を昇降移動及び水平移動させることができる。アーム部12、固定部13及び連結部14により、C字形状が形成される。延在方向における固定部13の一方の端は、連結部14の上端と接続されており、延在方向におけるアーム部12の一方の端は、連結部14の下端と接続されている。
【0022】
図2は、
図1のII-II断面図である。
図2には、アーム部12の延在方向に垂直な断面が示される。
図1及び
図2を参照して、アーム部12の上面12aは、アーム部12の延在方向に垂直な断面視で中心角θの円弧形状を有する。そのため、アーム部12の上面12aは角部を有していない。本実施形態の例では、アーム部12の延在方向に垂直な断面視において、アーム部12の上面12aの曲率半径Rは一定である。しかしながら、アーム部12の上面12aは実質的に円弧形状を有していればよい。要するに、アーム部12の上面12aの曲率半径Rが若干変化してもよい。
【0023】
本実施形態の例では、アーム部12は本体部121と、アタッチメント122と、を含む。アタッチメント122は、本体部121の上方に配置され、本体部121に取り付けられる。アタッチメント122は、アーム部12の上面12aを形成する。要するに、アタッチメント122は、アーム部12の延在方向に垂直な断面視で中心角θの円弧形状を有する。ただし、アーム部12はアタッチメント122を含まなくてもよい。言い換えると、アーム部12は単一の部材によって構成されてもよい。
【0024】
アタッチメント122の取付方法は特に限定されない。本実施形態の例では、アタッチメント122は治具15を介して本体部121に取り付けられる。治具15は、アーム部12の延在方向に垂直な断面視でL字形状を有する。アタッチメント122及び治具15、並びに本体部121及び治具15は、それぞれボルトで固定されている。固定方法は、溶接であってもよい。
【0025】
アタッチメント122の製造方法は特に限定されない。例えば、鋼管を半分に切断して得られる半割り管がアタッチメント122として用いられてもよい。この場合、アタッチメント122の中心角θは180°である。また、アタッチメント122の材質も特に限定されない。アタッチメント122の材質は、例えば炭素鋼である。
【0026】
コイル搬送吊具10は、コイルの搬送に用いられる。
図3は、コイル20に本実施形態に係るコイル搬送吊具10を挿入したときの様子を示す模式図である。
図4は、コイル20の搬送時の様子を示す模式図である。ただし、
図3及び
図4では、コイル搬送吊具10のうち、アーム部12(本体部121及びアタッチメント122)及び治具15のみが図示される。
【0027】
コイル20は、金属板をロール状に丸めたものである。金属板は、鋼板であってもよいし、アルミ又は銅などの薄板であってもよい。コイル20は略円筒形状であり、軸方向に沿って延びる中心孔21を有する。金属板の板厚は、例えば0.15~0.50mmである。コイル20の内径、すなわち、中心孔21の直径は例えば508mmであり、コイル20の外径は例えば1900mmである。
【0028】
図3を参照して、コイル搬送吊具10を用いてコイル20を搬送する際、天井クレーンによりCフック11が操作される。具体的には、Cフック11のアーム部12がコイル20の中心孔21に挿入される。その状態でCフック11が上昇して、コイル20を吊り上げる。そして、Cフック11が水平移動し、これにより、コイル20が適切な場所に搬送される。
【0029】
コイル20は、例えば二次再結晶焼鈍後のコイルであり、変形しやすい。
図4を参照して、コイル20が吊り上げられると、コイル20は自重によりアーム部12の上面12a、すなわちアタッチメント122に沿って変形する。このとき、コイル20のうちアタッチメント122と接触する部分の曲率半径が、アタッチメント122の曲率半径Rと同じになる。コイル20が曲げられたとき、コイル20には応力が発生する。この応力がコイル20の降伏点を超えるとコイル20に腰折れが発生する。
【0030】
コイル20の腰折れを防止する観点から、アタッチメント122の曲率半径Rは大きい方が好ましい。本発明者は、アタッチメント122の曲率半径Rの好ましい範囲について、種々の検討を行った。その結果、本発明者は、コイル20のヤング率がE、降伏点がσA、及び板厚がtであるとき、曲率半径Rが上記の式(1)を満たすように設定されていれば、腰折れの発生を確実に防止することができることを見出した。ここで、上記の式(1)の右辺「(E×t/σA-t)/2」は、コイル20に発生する応力がコイル20の降伏点σAと一致するときの曲率半径である。したがって、曲率半径Rが上記の式(1)を満たすように設定されていれば、コイル20に発生する応力がコイル20の降伏点σA以下に維持される。
【0031】
以下、上記の式(1)の右辺「(E×t/σ
A-t)/2」の導出方法について詳細に説明する。以下では、簡単のため、ロール状のコイルではなく、ヤング率E及び板厚tを有する鋼板を曲げた場合に発生する応力について考える。曲げられた鋼板の内側の面の曲率半径はR´であったとする。曲げの中立面での曲率半径は、(R´+t/2)である。このとき、鋼板の内側の面での中立面に沿ったひずみεは、下記の式(2)の通り表される。
【数2】
【0032】
曲げられた鋼板に発生する応力σは、フックの法則からσ=E×εと表される。上記の式(2)で求めたひずみεをこの式に代入し、曲率半径R´について整理することにより、下記の式(3)が得られる。この式(3)から、鋼板の内側の面に発生する応力σが鋼板の降伏点σ
Aと一致するときの曲率半径は、上記の式(1)の右辺に相当することが分かる。
【数3】
【0033】
コイル20に対するコイル搬送吊具10の挿脱作業の容易性の観点から、アタッチメント122の幅(水平方向の長さ)は小さい方が好ましい。本実施形態の例では、アタッチメント122の幅は、本体部121の幅よりも大きい。ただし、アタッチメント122の幅は、本体部121の幅と同じであってもよい。
【0034】
アタッチメント122の曲率半径Rの上限は、コイル20に挿入可能な大きさである限り、特に限定されない。ただし、アタッチメント122の曲率半径Rが大きくなると、アタッチメント122の幅も大きくなる。このため、アタッチメント122の曲率半径Rは、上記の式(1)を満たす範囲で極力小さい方が好ましい。
【0035】
アーム部12の延在方向に垂直な断面視におけるアタッチメント122の中心角θは、特に限定されない。ただし、アタッチメント122の中心角θが180°以下の場合、本体部121の下方にアタッチメント122が存在しない。そのため、コイル20の中心孔21にアーム部12を挿入する際、アーム部12とコイル20の内周との間に余裕がある。この場合、コイル20の中心孔21に円筒状のスリーブを挿入する場合と比較して、容易にコイル搬送吊具10の挿脱作業を行うことができる。したがって、コイル20に対するコイル搬送吊具10の挿脱作業の容易性の観点から、典型的には180°以下である。
【0036】
また、後述する実施例で示す通り、コイル20の腰折れを防止するため、アタッチメント122の中心角θはある程度大きいことが望ましい。アタッチメント122の中心角θは、好ましくは、130°以上である。
【0037】
[効果]
本実施形態に係るコイル搬送吊具10では、アーム部12の本体部121の上方にアタッチメント122が取り付けられている。この場合、アタッチメント122が、実質的にアーム部12の上面12aを形成している。アーム部12の延在方向に垂直な断面視で、アタッチメント122は円弧形状を有する。つまり、アタッチメント122は角部を有していない。そのため、コイル20の搬送時、コイル20の曲率半径は、アタッチメント122の曲率半径Rと同じになり、局所的に小さくなることはない。したがって、本実施形態に係るコイル搬送吊具10によれば、腰折れの発生を防止することができる。
【0038】
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【0039】
本実施形態の例では、コイル搬送吊具10のフックは、Cフック11である。この場合、Cフック11のアーム部12がコイル20の片側にのみ挿入される。しかしながら、コイル搬送吊具10のフックは、いわゆるトング型のフックであってもよい。トング型のフックは、2つのアーム部12を有している。Cフック11の代わりにトング型のフックを用いる場合、アーム部12がコイル20の両側に挿入されて、コイル20を挟み込んで吊り上げる。
【実施例0040】
上記実施形態に係るコイル搬送吊具10において、アーム部12の延在方向に垂直な断面視におけるアタッチメント122の中心角θの好ましい範囲について調査した。本実施例では、コイル20に発生した応力を評価した。本実施例では、曲率半径Rの異なる2つのアタッチメント122に対して解析を行った。一方のアタッチメント122の曲率半径Rは100mmであった。他方のアタッチメント122の曲率半径Rは203mmであった。解析では、コイル20の板厚t及びアタッチメント122の中心角θを変化させた。
【0041】
解析の結果が表1に示される。表1では、コイル20に発生した応力をコイル20の降伏点σ
Aで除した値が示される。この値が1を超えると、コイル20に腰折れが発生する恐れがある。逆にこの値が1以下であれば、コイル20に腰折れが発生しない安全域である。
図5及び
図6は、本実施例の結果を示す図である。
図5には、曲率半径Rが100mmのアタッチメント122の解析結果が示される。
図6には、曲率半径Rが203mmのアタッチメント122の解析結果が示される。
【0042】
【0043】
図5及び
図6並びに表1を参照して、曲率半径Rの異なるいずれのアタッチメント122でも、中心角θが60°及び120°のとき、ほとんどの場合において発生応力をコイル20の降伏点σ
Aで除した値は1よりも大きかった。この場合、腰折れが発生する恐れがある。一方、中心角θが135°及び180°のとき、いずれのアタッチメント122でも、発生応力をコイル20の降伏点σ
Aで除した値は1以下であり、安全域であった。この結果から、アタッチメント122の曲率半径Rに関わらず、中心角θがある程度大きければ、腰折れの発生を防止できることが分かる。
図5及び
図6の結果から、中心角θが130°以上であれば、腰折れの発生を確実に防止することができる。