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  • 特開-構造物内部点検用撮像装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076481
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】構造物内部点検用撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20240530BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240530BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240530BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20240530BHJP
   H04N 23/40 20230101ALI20240530BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20240530BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240530BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240530BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H04N5/222 100
B64C39/02
B64C27/08
B64D47/08
H04N23/40 300
H04N23/695
G03B15/00 U
G03B15/00 L
G03B17/56 D
E02D29/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188029
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】521405458
【氏名又は名称】株式会社Piatto
(74)【代理人】
【識別番号】100124257
【弁理士】
【氏名又は名称】生井 和平
(72)【発明者】
【氏名】丸山 輝芳
(72)【発明者】
【氏名】中田 浩毅
【テーマコード(参考)】
2D147
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2D147NA16
2H105BB01
2H105BB03
2H105EE11
5C122DA12
5C122EA42
5C122GC53
5C122GD04
5C122GD11
5C122GE04
(57)【要約】
【課題】より汎用性が高く操作性も良く、低コストである構造物内部点検用撮像装置を提供する。
【解決手段】構造物の内部を点検するための構造物内部点検用撮像装置は、上部ユニット10と、下部ユニット20とからなる。上部ユニット10は、操作者により操作可能な無人航空機能を有する上部ユニットである。上部ユニット10は、運搬用の吊り下げライン13を有する。下部ユニット20は、上部ユニット10の吊り下げライン13に吊り下げられる。下部ユニット20は、少なくとも吊り下げライン13の長手方向の軸に対する下部ユニット20の変動を制御可能な変動制御部21と、構造物内部を撮像可能な撮像部22とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の内部を点検するための構造物内部点検用撮像装置であって、該構造物内部点検用撮像装置は、
操作者により操作可能な無人航空機能を有する上部ユニットであって、運搬用の吊り下げラインを有する、上部ユニットと、
前記上部ユニットの吊り下げラインに吊り下げられる下部ユニットであって、少なくとも吊り下げラインの長手方向の軸に対する下部ユニットの変動を制御可能な変動制御部と、構造物内部を撮像可能な撮像部と、を有する、下部ユニットと、
を具備することを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記上部ユニット又は下部ユニットは、吊り下げラインの長さを可変可能なウィンチを有することを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記上部ユニット又は下部ユニットは、吊り下げラインを分離可能なリリース部を有することを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記下部ユニットは、吊り下げラインの長手方向の軸を中心に水平方向に移動した位置で静止可能あることを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記上部ユニットは、FPV(First Person View)カメラを有することを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記上部ユニットは、オルソ画像を生成するオルソ画像用カメラを有することを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記上部ユニットは、オルソ画像用カメラにより生成されるオルソ画像を用いて、構造物の頂部開口の中心に位置合わせされることを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項8】
請求項1に記載の構造物内部点検用撮像装置において、
前記下部ユニットは、撮像部により撮像される映像を伝送可能な伝送部を有し、
前記上部ユニットは、前記伝送部から伝送される映像を受信し操作者側に転送する転送部を有する、
ことを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記下部ユニットの変動制御部は、さらに、吊り下げラインの長手方向を軸とする下部ユニットの回転を制御可能であることを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の構造物内部点検用撮像装置において、前記下部ユニットの撮像部は360度カメラからなり、変動制御部は、さらに、吊り下げラインの長手方向を軸とする下部ユニットの回転を、360度カメラにより撮像された映像に対するリフレーム機能により制御可能であることを特徴とする構造物内部点検用撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物内部点検用撮像装置に関し、特に、鉛直方向に延在する煙突等の中空部を有する構造物の内部を点検するための構造物内部点検用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
煙突等の中空部を有する構造物の内部の点検は、以前は頂部開口から点検者が降りながら点検するといったように、人に頼ったものが一般的であった。このような人に頼る点検は、高所に登るため落下のおそれがあり危険を伴うものであった。また、人に頼るためコストも高かった。
【0003】
このため、近来では撮像手段を構造物の頂部開口から吊り下げて構造物内部を撮像し、撮像された画像から構造物内部を点検する装置も種々開発されている。
【0004】
構造物の頂部開口から撮像手段を吊り下げる従来の手法では、撮像手段がコリオリの力を受けて変化するため、安定した画像を取得することが難しい。このため、例えば特許文献1には、撮像手段を有するドローンを頂部開口からクレーン装置やウィンチを用いて吊り下げ、ドローンの水平方向の移動と水平姿勢からの傾きを無くし、更に、撮像手段の構造物に対する向きがコリオリの力を受けて変化すること無く固定されるように姿勢制御する構造物内壁面撮影システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-169863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構造物内壁面撮影システムでは、クレーン装置やウィンチを用いてドローンを吊り下げるため、使用可能な構造物に制限があった。具体的には、クレーン装置が届かないような高さの構造物には使用できなかった。また、クレーン装置を用いない場合には、構造物の頂部にウィンチを設置する必要があった。ウィンチを設置するためには、人が高所に登る必要があるため、落下の危険やコストの問題があった。さらに、クレーン装置等によりまずドローンを所定の高さにぶら下げた後、ウィンチによりドローンを下方に移動させて吊り下げるため、高さ調整等、操作性も煩雑であった。したがって、構造物の頂部に人が登る必要もなく、より汎用性が高く操作性も良い構造物内部点検用撮像装置の開発が望まれていた。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、より汎用性が高く操作性も良く、低コストである構造物内部点検用撮像装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による構造物内部点検用撮像装置は、操作者により操作可能な無人航空機能を有する上部ユニットであって、運搬用の吊り下げラインを有する、上部ユニットと、上部ユニットの吊り下げラインに吊り下げられる下部ユニットであって、少なくとも吊り下げラインの長手方向の軸に対する下部ユニットの変動を制御可能な変動制御部と、構造物内部を撮像可能な撮像部と、を有する、下部ユニットと、を具備するものである。
【0009】
ここで、上部ユニット又は下部ユニットは、吊り下げラインの長さを可変可能なウィンチを有するものであっても良い。
【0010】
また、上部ユニット又は下部ユニットは、吊り下げラインを分離可能なリリース部を有するものであっても良い。
【0011】
また、下部ユニットは、吊り下げラインの長手方向の軸を中心に水平方向に移動した位置で静止可能あるものであっても良い。
【0012】
また、上部ユニットは、FPV(First Person View)カメラを有するものであっても良い。
【0013】
また、上部ユニットは、オルソ画像を生成するオルソ画像用カメラを有するものであっても良い。
【0014】
また、上部ユニットは、オルソ画像用カメラにより生成されるオルソ画像を用いて、構造物の頂部開口の中心に位置合わせされるものであっても良い。
【0015】
また、下部ユニットは、撮像部により撮像される映像を伝送可能な伝送部を有し、上部ユニットは、伝送部から伝送される映像を受信し操作者側に転送する転送部を有する、ものであっても良い。
【0016】
また、下部ユニットの変動制御部は、さらに、吊り下げラインの長手方向を軸とする下部ユニットの回転を制御可能であるものであっても良い。
【0017】
また、下部ユニットの撮像部は360度カメラからなり、変動制御部は、さらに、吊り下げラインの長手方向を軸とする下部ユニットの回転を、360度カメラにより撮像された映像に対するリフレーム機能により制御可能であるものであっても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構造物内部点検用撮像装置には、より汎用性が高く操作性も良く、低コストであるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の構造物内部点検用撮像装置の全体像を説明するための概略図である。
図2図2は、本発明の構造物内部点検用撮像装置を用いて構造物の内部を点検する手順を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。本発明の構造物内部点検用撮像装置は、構造物の内部を点検するために用いられるものである。図1は、本発明の構造物内部点検用撮像装置の全体像を説明するための概略図である。なお、図示例はあくまでも説明上のものであり、本発明の構造物内部点検用撮像装置の配置や構造物1との大きさの比率等は、図示例に限定されるものではない。
【0021】
図示の通り、本発明の構造物内部点検用撮像装置は、上部ユニット10と、下部ユニット20とから主に構成されている。内部点検対象となる構造物1は、垂直方向に延び周辺が覆われたものの内部の検査を行う必要があるものであれば良い。具体的には、例えば煙突や大径管路、建物の吹き抜け、坑道等であれば良い。
【0022】
上部ユニット10は、操作者により操作可能な無人航空機能を有するものである。具体的には、例えばドローンであれば良い。ドローンは、例えば4つの回転翼を用いて離陸や推進が可能なクワッドコプタである。このような上部ユニット10を操作者が操作し、構造物1の頂部開口に位置合わせする。上部ユニット10は、構造物1の頂部上でホバリングしながら位置合わせされれば良い。ここで、上部ユニット10は、GNSSを用いて構造物1の頂部開口の中心に位置合わせされても良い。また、上部ユニット10は、FPV(First Person View)カメラ11を有するものであっても良い。操作者は、FPVカメラ11による映像を用いて構造物1の頂部や後述の下部ユニット20の状況を確認することが可能である。さらに、上部ユニット10は、オルソ画像を生成するオルソ画像用カメラ12を有するものであっても良い。上部ユニット10は、オルソ画像用カメラ12により生成されるオルソ画像を用いて、構造物1の頂部開口の中心に位置合わせされても良い。
【0023】
また、上部ユニット10は、運搬用の吊り下げライン13を有するものである。吊り下げライン13は、テグスやワイヤー、糸等、紐状のものであれば良い。吊り下げライン13は、後述の下部ユニット20を吊り下げるものである。ここで、吊り下げライン13は、所定の長さを有するものであれば良いが、構造物1の内部を点検する際に垂直方向に移動しながら点検可能なように、吊り下げライン13の長さを可変可能に構成しても良い。例えば、図示例では、上部ユニット10は、吊り下げライン13の長さを可変可能なウィンチ14を有する例を示した。なお、ウィンチ14は、後述の下部ユニット20に設けても良い。
【0024】
下部ユニット20は、上部ユニット10の吊り下げライン13に吊り下げられるものである。下部ユニット20は、変動制御部21と、撮像部22とを有するものである。
【0025】
変動制御部21は、少なくとも吊り下げライン13の長手方向の軸に対する下部ユニット20の変動を制御可能なものである。即ち、変動制御部21は、吊り下げライン13の長手方向の軸に対する振り子運動やコリオリの力による回転運動を抑制するものである。変動制御部21を有する下部ユニット20は、例えばドローンのような4つの回転翼を用いて変動を制御可能なものであれば良い。なお、変動制御部21は、基本的には下部ユニット20から構造物1の内部壁までの距離を一定とするように、吊り下げライン13の長手方向の軸に対する下部ユニット20の変動を制御可能なものであれば良い。しかしながら、本発明はこれに限定されず、吊り下げライン13の長手方向の軸方向(高さ方向)に対する下部ユニット20の変動を制御しても良い。例えば、上部ユニット10が風により煽られ下側に微妙に変動した場合であっても、下部ユニット20の高さ方向の位置が一定となるように変動制御部21により制御しても良い。
【0026】
撮像部22は、構造物内部を撮像可能なものである。撮像部22は、所定の画角を有するカメラであれば良い。また、静止画だけでなく動画も撮像できるものであれば良い。撮像部22を用いて構造物1の特定の位置の内部壁を撮像して内部点検に用いれば良い。また、撮像部22を用いて構造物1の内部壁を一周にわたり撮像する場合には、例えば変動制御部21は、吊り下げライン13の長手方向を軸とする下部ユニット20の回転を制御可能に構成されれば良い。即ち、吊り下げライン13の長手方向の軸を中心に下部ユニット20を回転させながら、撮像部22により構造物1の内部壁を一周にわたり撮像すれば良い。
【0027】
ここで、上部ユニット10の高さと吊り下げライン13の長さを用いれば、撮像部22の高さ方向の撮像位置を把握可能である。また、変動制御部21により撮像部22の向きも把握可能である。したがって、撮像部22により撮像された映像が構造物1の内部壁のどの位置のものかを把握可能である。
【0028】
また、下部ユニット20の撮像部22は、360度カメラからなるものであっても良い。この場合には、下部ユニット20を回転させなくても構造物1の内部壁を一周にわたり撮像することが可能となる。ここで、撮像部22が360度カメラからなるものである場合には、変動制御部21は、360度カメラのリフレーム機能を用いても良い。即ち、吊り下げライン13の長手方向を軸とする下部ユニット20の回転を、360度カメラにより撮像された映像に対するリフレーム機能により制御すれば良い。360度カメラのリフレーム機能により常に構造物1の内部壁の特定の位置に固定された映像となるため、下部ユニット20が回転していたとしても、点検したい特定の位置の画像を得ることが可能となる。
【0029】
さらに、下部ユニット20の撮像部22は、3Dスキャナを用いても良い。3Dスキャナを用いることで、構造物1の内部壁の状態を3Dデータ化することも可能である。
【0030】
また、下部ユニット20は、吊り下げライン13の長手方向の軸を中心に水平方向に移動した位置で静止可能となるように構成しても良い。例えば変動制御部21により、構造物1の内部壁に近寄るように、下部ユニット20を水平方向に移動させても良い。これにより、構造物1の内部壁に対して下部ユニット20をより近付かせることが可能となるため、より詳細な内部壁の画像を得ることが可能となる。
【0031】
また、下部ユニット20は、吊り下げライン13を分離可能なリリース部23を有していても良い。リリース部23は、ウィンチ14により吊り下げライン13を伸ばしていき最終的に構造物1の底部まで下部ユニット20が到達した場合に、吊り下げライン13を切断するために用いられる。また、リリース部23は、構造物内部点検用撮像装置の何らかのトラブルの際に、上部ユニット10と下部ユニット20とを切り離すために用いられても良い。なお、リリース部23は、吊り下げライン13を物理的に切断しても良いし、ジョイント等による接続部を分離させるものであっても良い。
【0032】
なお、上述の図示例では、上部ユニット10にウィンチ14を設け、下部ユニット20にリリース部23を設けたものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、逆に上部ユニット10にリリース部を設け、下部ユニット20にウィンチを設けても良い。
【0033】
ここで、下部ユニット20の撮像部22により撮像される映像は、下部ユニット20を回収した後に適宜コンピュータ等により確認すれば良い。しかしながら、本発明はこれに限定されず、以下に説明するような構成によりリアルタイムに映像を確認することも可能である。即ち、下部ユニット20は、伝送部24を有していれば良い。伝送部24は、撮像部22により撮像される映像を伝送可能なものである。例えば、無線伝送可能なものであれば良い。また、有線であっても良い。伝送部24が有線で映像を伝送するものの場合、吊り下げライン13を伝送用のケーブルとして構成しても良い。また、上部ユニット10は、転送部15を有していれば良い。転送部15は、伝送部24から伝送される映像を受信し操作者側に転送するものである。内部点検対象となる構造物1は、煙突等のように周辺が壁で覆われたものであるため、煙突内部に吊り下げられた下部ユニット20から直接操作者側に映像を転送することは難しい場合もある。しかしながら、本発明の構造物内部点検用撮像装置では、内部が垂直方向に奥深い構造物1であっても、伝送部24及び転送部15を用いることで、上部ユニット10を経由して確実に操作者側に映像を転送することが可能となる。
【0034】
以下、このように構成された本発明の構造物内部点検用撮像装置を用いて構造物を点検する手順について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の構造物内部点検用撮像装置を用いて構造物の内部を点検する手順を説明するための概略図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。まず、図2(a)に示される通り、構造物1の頂部開口上に上部ユニット10をホバリングさせる。上部ユニット10は、FPVカメラ11やGNSSを用いて適切に飛行させれば良い。例えば、オルソ画像用カメラ12を用いて、構造物1の頂部開口の中心に位置合わせされても良い。次に、上部ユニット10をホバリングさせたまま、ウィンチ14により吊り下げライン13を伸ばしていき、下部ユニット20を構造物1の内部に降下させていく。上部ユニット10は、降下する下部ユニット20の状態をFPVカメラ11で確認することも可能である。
【0035】
下部ユニット20は、降下中に変動制御部21を用いて変動制御されつつ、撮像部22により構造物内部を撮像してく。このとき、必要により水平方向に移動させ、構造物1の内部壁に近寄らせてより詳細な画像を撮像させるようにしても良い。図2(a)に示される状態では、下部ユニット20は構造物1の内部に位置し、内部壁に覆われた状態となっているため、操作者側に直接映像を送信することが難しい状況である。しかしながら、このような場合でも、例えば伝送部24により撮像部22で撮像された映像を上部ユニット10の転送部15に送信し、上部ユニット10の転送部15を経由して操作者側に映像をリアルタイムに送信することも可能である。
【0036】
そして、図2(b)に示される通り、最終的に構造物1の底部まで下部ユニット20が到達し、内部壁の撮像がすべて終了した場合には、吊り下げライン13をリリース部23により切断し、上部ユニット10と下部ユニット20を分離させる。上部ユニット10は、吊り下げライン13をウィンチ14により巻き取った後に、適宜所定の場所に着陸させれば良い。下部ユニット20は、構造物1の底部の点検口等から適宜回収すれば良い。
【0037】
なお、本発明の構造物内部点検用撮像装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 構造物
10 上部ユニット
11 FPVカメラ
12 オルソ画像用カメラ
13 吊り下げライン
14 ウィンチ
15 転送部
20 下部ユニット
21 変動制御部
22 撮像部
23 リリース部
24 伝送部
図1
図2