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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081900
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】カード管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240612BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240612BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240612BHJP
   G06F 16/27 20190101ALI20240612BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06T19/00 300A
G06Q50/10
G06F16/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195445
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 次郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直政
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋平
【テーマコード(参考)】
5B050
5B175
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5B175CA09
5L010AA11
5L049AA11
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】仮想空間において配布したアバターカードを配布元のユーザが管理できるようにする。
【解決手段】仮想空間サーバ10は、第1テーブルTBL1、第2テーブルTBL2、及び管理部130cを有する。第1テーブルTBL1には、仮想空間においてユーザを表すアバターと当該ユーザに関する事項とを表示するカードを表すカードデータが記憶される。第2テーブルTBL2には、仮想空間においてユーザが他のユーザに配布したカードを表すデータが他のユーザ毎に記憶される。管理部130cは、配布済のカードをアバターの更新に同期させて更新することがユーザにより許可された場合には第2テーブルTBL2に記憶されたデータをアバターの更新に同期させて更新する一方、消去を指示されたデータを第2テーブルTBL2から消去する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1仮想空間において第1ユーザを表すアバターと前記第1ユーザに関する事項とを表示するカードを表す第1データが記憶される第1記憶部と、
前記第1仮想空間において前記第1ユーザが他のユーザに配布したカードを表す第2データが他のユーザ毎に記憶される第2記憶部と、
配布済のカードを前記第1データの更新に同期させて更新することが前記第1ユーザにより許可された場合には前記第2データを前記第1データの更新に同期させて更新する一方、前記第1ユーザにより消去を指示された前記第2データを前記第2記憶部から消去する管理部と、
を有するカード管理装置。
【請求項2】
前記第2記憶部には、前記第1ユーザが他のユーザから受け取った、前記他のユーザに関する事項を表示するカードを表す第3データが記憶され、
前記第1仮想空間において前記第1ユーザを表すアバターと前記第1ユーザとは異なる第2ユーザを表すアバターとの間の距離が所定の閾値未満となった場合に、前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記第2記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記第2記憶部に記憶されていると前記判定部により判定され場合、前記第2ユーザとは初対面ではないことを前記第1ユーザに通知する通知部と、
を有する請求項1に記載のカード管理装置。
【請求項3】
前記第3データには、前記他のユーザを表すアバターに関するデータが含まれ、
前記判定部は、前記第3データの表すアバターと前記第2ユーザを表すアバターとを比較することによって、前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記第2記憶部に記憶されているか否かを判定する、
請求項2に記載のカード管理装置。
【請求項4】
前記第1データには、前記第1ユーザに関連し且つ前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間に関するデータと、前記第1ユーザにより創作された創作物に関するデータと、の少なくとも一方が含まれる、請求項1に記載のカード管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カード管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現実空間では、商談等の開始に先立って名刺の交換が行われる場合がある。名刺を用いる者は、自分の名刺に個性を持たせることもできるし、交換して受け取った相手方の名刺をコレクションのように保管することもあった。現実空間における名刺には、当該名刺の配布元の顔写真等が印刷される場合がある。メタバース等の仮想空間では、アバターを用いてユーザ間の会話等のコミュニケーションが実現される。アバターとは、仮想空間においてユーザの分身として使用されるキャラクターである。仮想空間においても、現実空間と同様に、ユーザのアバターを表示するカード、及びカード交換の概念を導入することが考えられる(例えば、特許文献1及び特許文献2)。以下では、仮想空間においてユーザのアバターを表示するカードはアバターカードと称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-203009号公報
【特許文献2】特許第6791530号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アバターカードについては、現実空間における名刺とは異なり、表示内容の変更が容易であるため、他者に配布済のアバターカードについても、配布元のユーザが表示内容の変更等の管理を行えると便利であるが、このような管理を実現する技術は無かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の好適な態様に係るカード管理装置は、第1記憶部、第2記憶部、及び管理部を有する。第1記憶部には、第1仮想空間において第1ユーザを表すアバターと前記第1ユーザに関する事項とを表示するカードを表す第1データが記憶される。第2記憶部には、前記第1仮想空間において前記第1ユーザが他のユーザに配布したカードを表す第2データが他のユーザ毎に記憶される。管理部は、配布済のカードを前記第1データの更新に同期させて更新することが前記第1ユーザにより許可された場合には前記第2データを前記第1データの更新に同期させて更新する。また、管理部は、前記第1ユーザにより消去を指示された前記第2データを前記第2記憶部から消去する。
【発明の効果】
【0006】
本開示のカード管理装置によれば、他のユーザに配布済のカードを表す第2データが第2記憶部に記憶されているため、第2データの同期更新或いは削除により、配布済のカードの同期更新及び消去といった管理をカードの配布元のユーザが行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態による仮想空間サーバ10を含む仮想空間システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】仮想空間におけるアバターカードの受け渡しの様子を示す説明図である。
図3】アバターカードCA1の一例を示す図である。
図4】仮想空間サーバ10の構成例を示すブロック図である。
図5】仮想空間サーバ10の記憶装置120に記憶される第1テーブルTBL1、第2テーブルTBL2、及び第3テーブルTBL3の格納内容の一例を示す図である。
図6】第3テーブルTBL3の更新例を示す図である。
図7】第2テーブルTBL2及び第3テーブルTBL3の更新例を示す図である。
図8】アバターの更新例を示す図である。
図9】第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の更新例を示す図である。
図10】アバターカードCAXの一例を示す図である。
図11】初対面ではないユーザと再会したときに為される通知の一例を示す図である。
図12】仮想空間サーバ10の処理装置130がプログラムPR1に従って実行する状態更新方法における処理の流れを示すフローチャートである。
図13】処理装置130がプログラムPR1に従って実行するカード更新方法における処理の流れを示すフローチャートである。
図14】処理装置130がプログラムPR1に従って実行する通知方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(A.実施形態)
図1は、本開示の一実施形態による仮想空間サーバ10を含む仮想空間システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示されるように、仮想空間システム1は、仮想空間サーバ10及びユーザ装置20-1、20-2、…20-k、…20-jを備える。kは1以上j以下の任意の整数である。jは2以上の任意の整数であり、本実施形態ではjは4である。ユーザ装置20-1、20-2、…20-k、…20-jは、ユーザU[1]、U[2]、…U[k]、…U[j]によって使用される。仮想空間サーバ10は、通信網NWを介して、ユーザ装置20-1、20-2、…20-jと互いに通信可能に接続される。
【0009】
ユーザ装置20-kは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、又はヘッドマウントディスプレイ等の画像を表示する機能を備えた情報処理装置によって構成される。ユーザ装置20-kは、タブレット端末又はスマートフォンとヘッドマウントディスプレイとを組み合わせて構成されてもよい。
【0010】
ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイを含む場合、ユーザ装置20-kは3次元の仮想空間の一部を示す画像をユーザU[k]に提供する。ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイを含まない場合、ユーザ装置20-kは2次元の仮想空間の一部を示す画像をユーザU[k]に提供する。
【0011】
仮想空間サーバ10は、仮想空間サービスを提供する。ユーザU[k]は仮想空間サービスに加入している。仮想空間サービスにおいて、ユーザU[k]の使用するアバターは、ユーザ装置20-kに対して為されるユーザU[k]の操作に応じて仮想空間内を移動する。また、当該アバターは、他のアバターと会話、及びアバターカードの交換等のコミュニケーションをとることができる。仮想空間とは、仮想空間サービスによって提供可能な全ての空間の意味である。即ちユーザU[k]が視認可能な空間は、仮想空間の一部である。アバターとは、仮想空間においてユーザの分身として使用されるキャラクターである。アバターカードとは、ユーザのアバターを表示するカードである。アバターカードの具体例としては電子名刺が挙げられる。アバターカードは、周知の名刺作成アプリケーション等を利用して作成されればよい。アバターカードは本開示におけるカードの一例である。本実施形態では、仮想空間サービスに加入しているユーザ[k]は無条件にアバターカードの交換を行えるが、仮想空間サービスのユーザのうち別途加入登録を行ったユーザに対してのみアバターカードの交換が許可されてもよい。
【0012】
以下の説明では、共通の関心をもちメッセージのやりとりを行う2以上のアバターの集まりをグループと称する。本実施形態における仮想空間には、仮想空間サービスの全てのユーザが利用可能な共用空間である第1仮想空間と、ユーザ毎又はグループ毎に設定されるプライベート空間である第2仮想空間とが含まれる。第2仮想空間については、対応するユーザ又は対応するグループに参加するユーザのみが入場することができる。ユーザ毎に設定される第2仮想空間はIdentity Worldと称される。以下では、Identity Worldは「IW」と略記される。グループ毎に設定される第2仮想空間はCommunity Worldと称される。以下では、Community Worldは「CW」と略記される。
【0013】
図2は、仮想空間におけるアバターカードの受け渡しの様子を示す説明図である。図2には、アバターA1がアバターA2にアバターカードCA1を受け渡している様子が示されている。アバターA1はユーザU[1]の使用するアバターであり、アバターA2はユーザU[2]の使用するアバターである。図2に示されるように、アバターA1はお化けのキャラクターであり、アバターA2は魔法使いの女性のキャラクターである。
【0014】
図3は、ユーザU[1]が他のユーザに配布するアバターカードCA1の一例を示す図である。図3に示されるように、アバターカードCA1は、配布元のユーザであるユーザU[1]のアバターA1と、ユーザU[1]に関する詳細情報D1と、ユーザU[1]に関する関連情報D2とを表示する。
【0015】
詳細情報D1の具体例としては、ユーザU[1]を第1仮想空間において一意に示すハンドルネーム、及び当該ユーザのメールアドレス等が挙げられる。なお、詳細情報D1には、ユーザU[1]の氏名等、現実空間における当該ユーザU[1]の情報が含まれてもよい。
【0016】
関連情報D2の具体例としては、ユーザU[1]についてのIW又はCWのアドレス、又は当該第2仮想空間に展示等されるデジタル作品等の当該ユーザの創作物に関する情報(当該創作物にアクセスするためのアドレス等)が挙げられる。例えば、関連情報D2としてIW又はCWのアドレスを表示するアバターカードCA1がアバターA1からアバターA2に受け渡された場合、ユーザU[2]は、ユーザ装置20-2を用いて当該アドレスをクリック等することで、当該IW又はCWにアバターA2を入場させることができる。
【0017】
仮想空間サーバ10は、他のユーザに配布済のアバターカードを配布元のユーザが管理することを可能にする機能を備える。仮想空間サーバ10の構成、及び配布済のアバターカードを管理する機能の詳細は次の通りである。
【0018】
図4は、仮想空間サーバ10の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、仮想空間サーバ10は、通信装置110と、記憶装置120と、処理装置130と、バス140と、を含む。通信装置110及び記憶装置120の各々と、処理装置130とは、データ授受を仲介するバス140によって相互に接続される。バス140は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、要素間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0019】
通信装置110は、他の装置と通信するためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置110には、仮想空間サーバ10と通信する他の装置が有線又は無線により接続される。通信装置110に接続される他の装置の具体例としては、ユーザ装置20-kが挙げられる。
【0020】
記憶装置120は、処理装置130が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置120には、第1テーブルTBL1、第2テーブルTBL2、第3テーブルTBL3、及びプログラムPR1が予め記憶されている。
【0021】
図5は、第1テーブルTBL1、第2テーブルTBL2、及び第3テーブルTBL3の各々の格納内容の一例を示す図である。図5に示されるように、第1テーブルTBL1には、仮想空間システム1のユーザを一意に示すユーザ識別子に対応付けて、カードデータが格納される。カードデータは、当該カードデータに対応付けて第1テーブルTBL1に格納されるユーザ識別子の示すユーザが、第1仮想空間において出会った他のユーザに配布するアバターカードを表すデータである。アバターカードの配布元のユーザは第1ユーザと称される場合がある。
【0022】
カードデータには、ユーザ識別子の示すユーザのアバターを表すアバターデータと、当該ユーザに関する詳細情報を表すデータと、当該ユーザに関する関連情報を表すデータと、アバター、詳細情報及び関連情報のアバターカードにおける配置を示すメタデータと、が含まれる。アバターデータの具体例としては、アバターの画像を表す画像データ、又は当該画像データの格納先のアドレスを示すデータ等が挙げられる。カードデータは本開示における第1データの一例である。第1テーブルTBL1は本開示における第1記憶部の一例である。
【0023】
図5におけるUID1はユーザU[1]を示すユーザ識別子であり、カードデータCD1はアバターカードCA1を表すデータである。図5におけるUID2はユーザU[2]を示すユーザ識別子であり、カードデータCD2はユーザU[2]のアバターカードを表すデータである。図5におけるUID3はユーザU[3]を示すユーザ識別子であり、カードデータCD3はユーザU[3]のアバターカードを表すデータである。図5におけるUID4はユーザU[4]を示すユーザ識別子であり、カードデータCD4はユーザU[4]のアバターカードを表すデータである。
【0024】
図5に示されるように、第2テーブルTBL2には、ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子の示すユーザが他のユーザから受け取ったアバターカードを表すカードデータと、当該他のユーザを示す配布元識別子と、が格納される。本実施形態では、ユーザ識別子に対応付けて、カードデータと配布元識別子との組が1又は複数、第2テーブルTBL2に格納される。一人のユーザが複数の他のユーザからアバターカードを受け取ることがあるからである。他のユーザから受け取ったアバターカードを表すアバターカードデータがユーザU[k]毎に第2テーブルTBL2に格納されるため、仮想空間サービスを利用するユーザU[k]は他のユーザから受け取ったアバターカードをコレクションのように保管することができる。なお、ユーザ装置20-kにおいて「名刺フォルダ」に割り当てられたボタン又は仮想ボタンが操作されたことを契機として、他のユーザから受け取ったアバターカードが第2テーブルTBL2から抽出され、当該アバターカードの一覧がユーザ装置20-kに表示されてもよい。
【0025】
図5に示す第2テーブルTBL2の格納内容は、ユーザU[1]がユーザU[2]、ユーザU[3]及びユーザU[4]の各々に対して自身のアバターカードを配布したこと、及びユーザU[1]がユーザU[2]、ユーザU[3]及びユーザU[4]の各々からアバターカードを受け取ったことを表している。ユーザ識別子の示すユーザから見れば、第2テーブルTBL2に格納されるカードデータは他のユーザから受け取ったアバターカードを表すデータ、即ち本開示における第3データの一例である。また、配布元識別子の示すユーザから見れば、第2テーブルTBL2に格納されるカードデータは他のユーザに配布したアバターカードを表すデータ、即ち本開示における第2データの一例である。第2テーブルTBL2は本開示における第2記憶部の一例である。
【0026】
ユーザ識別子に対応付けて第2テーブルTBL2に格納される1組のカードデータ及び配布元識別子はレコードとも称される。ユーザ識別子に対応付けて第2テーブルTBL2に格納されるレコードには、当該レコードに含まれるカードデータの表すアバターカードを受け取ったときの状況を示す状況データが含まれてもよい。状況データの一例としては、アバターカードを受け取った日時を示す日時データ、当該アバターカードを受け取ったときの第1仮想空間における位置を示す位置データ、及びアバターカードの受け渡しの様子を撮像した撮像データ、が挙げられる。なお、位置データは、位置の名称を示す文字列データであってもよいし、当該位置の周辺の第1仮想空間の風景を示す画像データであってもよい。状況データは、アバターカードの受け渡しに同期して自動で取得されてもよいし、ユーザが手動で登録してもよい。なお、状況データは、第2テーブルTBL2に格納されるカードデータ、即ち他のユーザから受け取ったアバターカードを表すカードデータに埋め込まれてもよい。
【0027】
図5に示されるように、第3テーブルTBL3には、ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザがアバターカードを受け渡した他のユーザを示す配布先識別子と、配布済のアバターカードの状態を示す状態データとが格納される。配布済のアバターカードの状態の一例としては、配布元のユーザによるアバターカードの更新に同期させて、当該配布済のアバターカードを更新する第1状態、配布元のユーザによるアバターカードの更新とは無関係に、配布時点の内容が維持(換言すれば、ロック)される第2状態、及び配布済のアバターカードが配布先のユーザにより消去された第3状態が挙げられる。
【0028】
本実施形態における状態データには、1、2又は3の何れかの値が設定される。値が1である状態データは第1状態を意味する。値が2である状態データは第2状態を意味する。値が3である状態データは第3状態を意味する。図5に示す第3テーブルTBL3の格納内容は、ユーザU[1]がユーザU[2]、ユーザU[3]及びユーザU[4]の各々に配布したアバターカード、及びユーザU[1]が、ユーザU[2]、ユーザU[3]及びユーザU[4]の各々から受領したアバターカードが全て第2状態であることを意味する。本実施形態では、状態データの初期値は2であり、アバターカードの配布元のユーザは、配布済のアバターカードの状態を第1状態又は第3状態に変更することにより、配布済のアバターカードを管理することができる。
【0029】
第1状態を設定したアバターカードについては、配布元のユーザによるアバターカードの更新に同期させて更新するデータの範囲が当該配布元のユーザによって指定されてもよい。具体的には、アバターカードに表示される情報のうち、アバターについてのみ同期更新を許可する態様、アバターと詳細情報について同期更新を許可する態様等が挙げられる。ユーザ装置20-kにおいて「配布先リスト」に割り当てられたボタン又は仮想ボタンが操作されたことを契機として、ユーザ装置20-kのユーザ識別子に対応付けて第3テーブルTBL3に格納されている配布先識別子及び状態データが抽出され、当該配布先識別子及び状態データの表す状態の一覧がユーザ装置20-kに表示されてもよい。なお、当該一覧はアバターカードを配布する毎に自動生成されてもよい。この一覧を参照することにより、ユーザU[k]は、アバターカードを配布済の相手に再度アバターカードを配布することを回避できる。
【0030】
処理装置130は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。処理装置130は、仮想空間サーバ10の電源投入を契機として、記憶装置120からプログラムPR1を読み取る。処理装置130は、読み取ったプログラムPR1を実行する。処理装置130は、プログラムPR1を実行することによって、図4に示される管理部130a、判定部130b、及び通知部130cとして機能する。つまり、図4に示される管理部130a、判定部130b、及び通知部130cは、CPU等のコンピュータをプログラム等のソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。管理部130a、判定部130b、及び通知部130cの各々が担う機能は次の通りである。
【0031】
管理部130aは、配布済のアバターカードの状態の変更を指示する変更指示を通信装置110により受信した場合、受信した変更指示に応じて第3テーブルTBL3に記憶されている状態データを更新する。変更指示には、アバターカードの配布元を示すユーザ識別子、状態を変更するアバターカードの配布先を示す配布先識別子、及び変更後の状態を示す変更データが含まれる。なお、変更指示が、第3状態への変更指示である場合には、管理部130aは、更に、変更指示に含まれる配布先識別子と同じユーザ識別子に対応付けて第2テーブルTBL2に格納されているレコードのうち、変更指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードに含まれるカードデータを消去する。
【0032】
例えば、ユーザU[1]からユーザU[2]、ユーザU[3]、及びユーザU[4]の各々に対してアバターカードCA1が配布済であり、各テーブルの格納内容が図5に示す状態である状況下において、図6に示されるように、ユーザU[2]に配布したアバターカードCA1の状態を第1状態に変更する変更指示M1がユーザ装置20-1から仮想空間サーバ10へ送信されたとする。変更指示M1には、アバターカードの配布元を示すユーザ識別子としてUID1が、状態を変更するアバターカードの配布先を示す配布先識別子としてUID2が、変更データとして1が含まれる。
【0033】
管理部130aは、変更指示M1の受信を契機として第3テーブルTBL3の格納内容を更新する。より詳細には、管理部130aは、対応するユーザ識別子がUID1であり、且つ対応する配布先識別子がUID2である状態データを1に更新する。その結果、第3テーブルTBL3の格納内容は図6に示されるように更新される。図6では、更新されたデータがハッチングで示されている。
【0034】
そして、この更新の後、図7に示されるように、ユーザU[4]に配布したアバターカードの状態を第3状態に変更する変更指示M2がユーザ装置20-1から仮想空間サーバ10へ送信されたとする。変更指示M2には、アバターカードの配布元を示すユーザ識別子としてUID1が、状態を変更するアバターカードの配布先を示す配布先識別子としてUID4が、変更データとして3が含まれる。管理部130aは、変更指示M2の受信を契機として第3テーブルTBL3及び第2テーブルTBL2の格納内容を更新する。より詳細には、管理部130aは、対応するユーザ識別子がUID1であり、且つ対応する配布先識別子がUID4である状態データを3に更新する。また、管理部130aは、配布元識別子がUID1であり、且つ対応するユーザ識別子がUID4であるカードデータを第2テーブルTBL2から削除する。その結果、第2テーブルTBL2及び第3テーブルTBL3の格納内容は図7に示されるように更新される。図7においても、更新されたデータがハッチングで示されている。また、図7におけるNULLはデータが存在しないことを意味する。
【0035】
図7に示されるように第2テーブルTBL2及び第3テーブルTBL3の格納内容が更新されると、ユーザU[4]はユーザ装置20-4を用いて第2テーブルTBL2にアクセスしても、アバターカードCA1を利用することはできない。アバターカードを利用するとは、当該アバターカードの画像をユーザ装置20-4に表示させること、及び当該アバターカードに含まれる関連情報を利用してIW又はCWに入場することをいう。
【0036】
また、管理部130aは、アバターカードの更新、即ちカードデータの更新を指示する更新指示を通信装置110により受信した場合には、受信した更新指示に応じて第1テーブルTBL1に記憶されているカードデータを更新する。本実施形態では、アバターカードに表示するアバターを更新する都度、ユーザ装置20-kから仮想空間サーバ10に更新指示が送信される。更新指示には、アバターカードの配布元を示すユーザ識別子、及び更新後の新たなアバターを表示するカードデータが含まれる。また、管理部130aは、更新指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に格納されており、且つ当該ユーザ識別子及び当該レコードに対応するユーザ識別子と同じ配布先識別子に対応付けて第3テーブルTBL3に格納されている状態データが第1状態を示す場合、当該レコードに含まれるカードデータを、更新指示に含まれるカードデータで更新する。
【0037】
例えば、図7に示されるように第2テーブルTBL2及び第3テーブルTBL3が更新された後、ユーザU[1]のアバターが、図8に示されるように、アバターA1から、帽子をかぶった人のキャラクターのアバターAXに更新されたとする。そして、この更新を契機として、カードデータCD1を、アバターAXを表示するカードデータCDXに更新することを指示する更新指示M3が、図9に示されるように、ユーザ装置20-1から仮想空間サーバ10へ送信されたとする。更新指示M3には、アバターカードの配布元を示すユーザ識別子としてUID1が、更新後の新たなカードデータとしてカードデータCDXが含まれる。
【0038】
管理部130aは、更新指示M3の受信を契機として、第1テーブルTBL1の格納内容を更新する。具体的には、管理部130aは、対応するユーザ識別子がUID1であるカードデータCD1をカードデータCDXに更新する。更新指示M3を受信した時点の第2テーブルTBL2には、図7に示されるように、配布元識別子がUID1であるレコードが3個格納されており、各レコードに対応するユーザ識別子はUID2、UID3、及びUID4である。また、図7に示される第3テーブルTBL3では、対応するユーザ識別子がUID1であり、対応する配布先識別子がUID2である状態データの値は1である。このため、管理部130aは、第2テーブルTBL2の格納内容を更新する。具体的には、管理部130aは、対応するユーザ識別子がUID2であるレコードに含まれるカードデータCD1をカードデータCDXに更新する。その結果、第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の格納内容は、図9に示されるように更新される。図9においても、更新されたデータがハッチングで示されている。また、図9におけるNULLはデータが存在しないことを意味する。
【0039】
第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2の格納内容が図9に示されるように更新された後、ユーザU[2]がユーザ装置20-2を用いて第2テーブルTBL2にアクセスすると、ユーザU[1]のアバターカードとしてカードデータCDXの表すアバターカード、即ち図10に示されるアバターカードCAXを利用できる。一方、ユーザU[3]がユーザ装置20-3を用いて第2テーブルTBL2にアクセスしても、ユーザU[1]の最新のアバターカードを利用することはできず、ユーザU[3]が利用できるのはカードデータCD1の示すアバターカードCA1のままである。
【0040】
判定部130bは、ユーザU[1]、ユーザU[2]…ユーザU[j]の各々を判定対象ユーザとし、仮想空間において当該判定対象ユーザのアバターと他のユーザを表すアバターとの間の距離が所定の閾値未満となった場合に、当該他のユーザからアバターカードを受領済であるか否かを判定することによって、当該他のユーザと初対面であるか否かを判定する。当該他のユーザは本開示における第2ユーザの一例である。本実施形態では、判定部130bは、判定対象ユーザのユーザ識別子に対応付けて当該他のユーザを示す配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に記憶されている場合に、当該他のユーザと初対面ではないと判定する。なお、判定部130bは、第2テーブルTBL2に格納されているカードデータの表すアバターと他のユーザのアバターとを、例えば画像マッチング等により比較することによって、初対面であるか否かを判定してもよい。
【0041】
通知部130cは、初対面ではないと判定部130bにより判定された場合、初対面ではないことを判定対象ユーザに通知する。例えば、ユーザU[1]がユーザU[2]とのアバターカードの交換の後に仮想空間においてユーザU[2]と再会し、アバターAXとアバターA2との間の距離が所定の閾値未満となったとする。この場合、本実施形態では、通知部130cは、図11に示されるように、初対面ではないと判定された他のユーザのアバターの周囲に、初対面ではないことを示すメッセージN1をポップアップ表示することによって、初対面ではないことを判定対象ユーザに通知する。図11には、ユーザU[1]が判定対象ユーザであり、ユーザU[2]が他のユーザである場合の通知の様子が示されている。なお、ユーザ識別子に対応付けて第2テーブルTBL2に格納されているレコードに状況データが含まれる場合には、通知部130cは、出会った日時及び場所を表すメッセージN2をメッセージN1に代えて或いはメッセージN1とともに表示してもよい。また、メッセージN1に代えて或いはメッセージN1とともに、再会したユーザから受領済のアバターカードが当該ユーザの周囲にポップアップ表示されてもよい。
【0042】
また、プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、変更指示を受信した場合には、図12のフローチャートにより処理の流れが示される状態更新方法を実行する。この状態更新方法には、第1更新処理SA110、第1判定処理SA120、及び第2更新処理SA130が含まれる。第1更新処理SA110、第1判定処理SA120、及び第2更新処理SA130の各処理では、プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、管理部130aとして機能する。
【0043】
第1更新処理SA110では、処理装置130は、受信した変更指示に応じて第3テーブルTBL3の格納内容を更新する。第1判定処理SA120では、処理装置130は、受信した変更指示が第3状態への変更を指示する変更指示であるか否かを判定する。受信した変更指示が第3状態への変更を指示する変更指示である場合、第1判定処理SA120の判定結果は“Yes”となる。受信した変更指示が第1状態への変更又は第2状態への変更を指示する変更指示である場合、第1判定処理SA120の判定結果は“No”となる。第1判定処理SA120の判定結果が“Yes”である場合、処理装置130は第2更新処理を実行した後、本状態更新方法を終了する。第1判定処理SA120の判定結果が“No”である場合、処理装置130は第2更新処理SA130を実行することなく、本状態更新方法を終了する。第2更新処理SA130では、処理装置130は、変更指示に含まれる配布先識別子と同じユーザ識別子に対応付けて第2テーブルTBL2に格納されているレコードのうち、変更指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードに含まれるカードデータを消去する。
【0044】
また、プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、更新指示を受信した場合には、図13のフローチャートにより処理の流れが示されるカード更新方法を実行する。このカード更新方法には、第3更新処理SB110、第2判定処理SB120、及び第4更新処理SB130が含まれる。第3更新処理SB110、第2判定処理SB120、及び第4更新処理SB130の各処理では、プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、管理部130aとして機能する。
【0045】
第3更新処理SB110では、処理装置130は、受信した更新指示に応じて第1テーブルTBL1の格納内容を更新する。第2判定処理SB120では、処理装置130は、受信した更新指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に格納されており、且つ当該ユーザ識別子及び当該レコードに対応するユーザ識別子と同じ配布先識別子に対応付けて第3テーブルTBL3に格納されている状態データが第1状態を示すか否かを判定する。
【0046】
受信した更新指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に格納されており、且つ当該ユーザ識別子及び当該レコードに対応するユーザ識別子と同じ配布先識別子に対応付けて第3テーブルTBL3に格納されている状態データが第1状態を示す場合、第2判定処理SB120の判定結果は“Yes”となる。
【0047】
受信した更新指示に含まれるユーザ識別子と同じ配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に格納されていない場合、又は該当するレコードが第2テーブルTBL2に格納されているものの、更新指示に含まれるユーザ識別子及び当該レコードに対応するユーザ識別子と同じ配布先識別子に対応付けて第3テーブルTBL3に格納されている状態データが第2状態或いは第3状態を示す場合には、第2判定処理SB120の判定結果は“No”となる。
【0048】
第2判定処理SB120の判定結果が“Yes”である場合、処理装置130は第4更新処理SB130を実行した後、本カード更新方法を終了する。第2判定処理SB120の判定結果が“No”である場合、処理装置130は第4更新処理SB130を実行することなく、本カード更新方法を終了する。第4更新処理SB130では、処理装置130は、受信した更新指示に応じて第2テーブルTBL2の格納内容を更新する。
【0049】
また、プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、ユーザU[1]、ユーザU[2]…ユーザU[j]のうちの何れかのユーザについて、当該ユーザのアバターと他のユーザのアバターとの間の仮想空間における距離が所定の閾値未満となったことを検出した場合に、当該ユーザを判定対象ユーザとして、図14のフローチャートにより処理の流れが示される通知方法を実行する。この通知方法には、第3判定処理SC110と通知処理SC120とが含まれる。
【0050】
第3判定処理SC110では、処理装置130は判定部130bとして機能する。第3判定処理SC110では、処理装置130は、判定対象ユーザと上記他のユーザとが初対面であるか否かを、第2テーブルTBL2の格納内容を参照して判定する。より詳細には、処理装置130は、判定対象ユーザのユーザ識別子に対応付けて当該他のユーザを示す配布元識別子を含むレコードが第2テーブルTBL2に格納されている場合に、判定対象ユーザについて当該他のユーザと初対面ではないと判定する。
【0051】
判定対象ユーザについて当該他のユーザと初対面ではないと判定された場合、第3判定処理SC110の判定結果は“No”となる。判定対象ユーザについて当該他のユーザと初対面と判定された場合、第3判定処理SC110の判定結果は“Yes”となる。第3判定処理SC110の判定結果が“No”である場合、処理装置130は通知処理SC120を実行した後に本通知方法を終了する。第3判定処理SC110の判定結果が“Yes”である場合、処理装置130は通知処理SC120を実行することなく本通知方法を終了する。通知処理SC120では、処理装置130は、通知部130cとして機能する。通知処理SC120では、処理装置130は、初対面ではないことを判定対象ユーザに通知する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、初対面ではなく、過去にアバターカードを受領済のユーザと仮想空間において再会した場合には、初対面ではないことが通知されるため、再会したユーザがどのような人だったか、またどのような状況で会っていたのかを思い出すことの助けとなる。なお、過去に出会った日時及び場所を通知するようにすれば、より手厚く手助けすることが可能になる。
【0053】
加えて、本実施形態によれば、アバターカードの配布元のユーザは、配布済のアバターカードの状態を配布先のユーザ毎に変更することにより、配布済のアバターカードの同期更新の有無の変更及び配布済のアバターカードの消去等の管理を行うことができる。
【0054】
(B:変形)
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様は以下の通りである。以下の例示から任意に選択された2以上の態様が併合されてもよい。
(B-1:変形例1)
ユーザは複数のアバターのうち、ユーザが選択したアバター及び当該アバターを表示するアバターカードを用いて、仮想空間で活動してもよい。この場合、アバターカードには、他のアバターと出会った時にユーザが使用していたアバターの画像が反映される。アバターカードの配布先のユーザは、アバターカードに表示されるアバターの画像に基づいて、過去に出会ったアバターを思い出すことができる。なお、ユーザが複数のアバターを使用する場合、他のユーザに配布するアバターカードはアバター毎に分類されて第1テーブルTBL1に格納されてもよく、また、他のユーザから受領したアバターカードもアバター毎に分類されて第2テーブルTBL2に格納されてもよい。また、第1状態に設定されているアバターカードについては、配布元のユーザによりアバターが変更される毎に、配布元のユーザが現在使用しているアバターを表示するように自動的に更新されてもよい。
【0055】
(B-2:変形例2)
上記実施形態では、他のユーザに配布する際のアバターカードの状態は第2状態に固定されていたが、配布の都度、配布元のユーザがアバターカードの状態を第1状態又は第2状態に設定して他のユーザに配布してもよい。また、関連情報は省略されてもよい。関連情報が省略されても、過去にアバターカードを受領済のユーザと仮想空間において再会した場合には、アバターカードを受領済であることが通知されることに変わりはなく、また、アバターカードの配布元のユーザによる配布済のアバターカードの管理ができることに変わりはないからである。また、過去に出会ったことの通知も必須ではなく、省略されてもよい。過去に出会ったことの通知を省略する態様では、判定部130b及び通知部130cは不要である。つまり、判定部130b及び通知部130cは本開示の必須構成要素ではなく、省略可能である。
【0056】
(B-3:変形例3)
上記実施形態では、仮想空間サーバ10の記憶装置120にプログラムPR1が記憶されていたが、プログラムPR1が単体で製造又は販売されてもよい。プログラムPR1を販売する際の購入先へのプログラムPR1の提供態様としては、フラッシュROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムPR1を書き込んで配布する態様、又は電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が挙げられる。
【0057】
(B-4:変形例4)
上記実施形態における管理部130a、判定部130b、及び通知部130cは何れもソフトウェアモジュールであった。しかし、管理部130a、判定部130b、及び通知部130cのうちの何れか一つ、何れか二つ、又は全部はハードウェアモジュールであってもよい。ハードウェアモジュールの具体例としては、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。管理部130a、判定部130b、及び通知部130cのうちの何れか一つ、何れか二つ、又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同一の効果が奏される。
【0058】
(C:その他)
(1)上述した実施形態では、記憶装置120としてROM及びRAM等が例示されたが、記憶装置120は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0059】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0060】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0061】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0062】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0063】
(6)図4に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0064】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0065】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0066】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0067】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0068】
(10)上述した実施形態において、携帯機器には、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0069】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0070】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0071】
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0072】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0073】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0074】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0075】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0076】
(D:上述の形態又は変形例から把握される態様)
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。上述の実施形態又は変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
【0077】
本開示の第1の態様によるカード管理装置は、第1記憶部、第2記憶部、及び管理部を有する。第1記憶部には、第1仮想空間において第1ユーザを表すアバターと前記第1ユーザに関する事項とを表示するカードを表す第1データが記憶される。第2記憶部には、前記第1仮想空間において前記第1ユーザが他のユーザに配布したカードを表す第2データが他のユーザ毎に記憶される。管理部は、配布済のカードを前記第1データの更新に同期させて更新することが前記第1ユーザにより許可された場合には前記第2データを前記第1データの更新に同期させて更新する。また、管理部は、前記第1ユーザにより消去を指示された前記第2データを前記第2記憶部から消去する。第1の態様のカード管理装置によれば、カードの配布元のユーザが、配布済のカードについて同期更新を許可するか否か、及び配布済のカードを消去するか否かをカードの配布元のユーザが管理できる。
【0078】
本開示の第2の態様(第1の態様の例)によるカード管理装置は、判定部、及び通知部を有する。第2記憶部には、前記他のユーザから受け取った、前記他のユーザに関する事項を表示するカードを表す第3データが記憶される。判定部は、前記第1仮想空間において前記第1ユーザを表すアバターと前記第1ユーザとは異なる第2ユーザを表すアバターとの間の距離が所定の閾値未満となった場合に、前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記第2記憶部に記憶されているか否かを判定する。通知部は、前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記第2記憶部に記憶されていると前記判定部により判定され場合、前記第2ユーザとは初対面ではないことを前記第1ユーザに通知する。第2の態様のカード管理装置によれば、カードを受領済の他のユーザのアバターと第1ユーザのアバターとの仮想空間における距離が所定の閾値未満となったことを契機として当該他のユーザと初対面ではないことが通知されるので、仮想空間におけるユーザ同士の繋がり自体に個性を持たせ、再会したユーザがどういう人だったかを思い出すことの助けとなる。
【0079】
本開示の第3の態様(第2の態様の例)によるカード管理装置では、前記第3データには、前記他のユーザを表すアバターに関するデータが含まれ、前記判定部は、前記第3データの表すアバターと前記第2ユーザを表すアバターとを比較することによって、前記第2ユーザに関する事項を表示するカードを表すデータが前記記憶部に記憶されているか否かを判定する。第3の態様によれば、他のユーザを表すアバターに基づいて当該他のユーザと初対面であるか否かを判定することが可能になる。
【0080】
本開示の第4の態様(第1の態様の例)によるカード管理装置では、前記第1データには、前記第1ユーザに関連し且つ前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間に関するデータと、前記第1ユーザにより創作された創作物に関するデータと、の少なくとも一方が含まれる。第4の態様によれば、仮想空間において他のユーザに配布するカードに、その配布元である第1ユーザに関連し且つ第1仮想空間とは異なる第2仮想空間に関するデータと、第1ユーザにより創作された創作物に関するデータとの少なくとも一方を含めることが可能になる。
【符号の説明】
【0081】
10…仮想空間サーバ、110…通信装置、120…記憶装置、130…処理装置、130a…管理部、130b…判定部、130c…通知部、140…バス、PR1…プログラム、TBL1…第1テーブル、TBL2…第2テーブル、TBL3…第3テーブル、20-k…ユーザ装置。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14