(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087766
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ワークピースの自動処理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20240624BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B25J15/06 A
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180255
(22)【出願日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】18/068,103
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カードン, リサ エー.
(72)【発明者】
【氏名】バブスト, ジョシュア エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロック, アラン エス.
(72)【発明者】
【氏名】クリベラ, ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】リード, エリック
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS12
3C707BS10
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT12
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS33
3C707KT02
3C707KT04
3C707LV01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】そのためにワークピースの自動処理を意図するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ワークピースを処理するためのシステムが、ロボットマニピュレータ、及びロボットマニピュレータの作業端部に結合されたエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、工作機械、及び工作機械に結合されたエンドエフェクタ真空クランプを含む。エンドエフェクタは、ワークピースの表面に解放可能に結合可能である。処理力がエンドエフェクタを介してワークピースに反作用する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業端部(106)を備えるロボットマニピュレータ(104)、並びに
前記ロボットマニピュレータ(104)の前記作業端部(106)に結合されたエンドエフェクタ(102)を備える、システム(100)であって、
前記エンドエフェクタ(102)は、
工作機械(112)、及び
前記工作機械(112)に結合されたエンドエフェクタ真空クランプ(118)を備え、
前記エンドエフェクタ(102)は、ワークピース(114)の表面(116)に解放可能に結合可能であり、
処理力(Fp)が前記エンドエフェクタ(102)を介して前記ワークピース(114)に反作用する、システム(100)。
【請求項2】
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)は、
エンドエフェクタ真空源(120)、及び
前記エンドエフェクタ真空源(120)と流体連通するエンドエフェクタ真空グリッパ(122)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)は、エンドエフェクタ真空エジェクタ(124)を更に備える、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)に対して、前記工作機械(112)の処理軸(Ap)を配置するための工具ドライブ(126)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の処理位置(132)に対する、前記処理軸(Ap)の位置を特定するための局所的視覚システム(128)を更に備える、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の処理位置(132)に対する、前記エンドエフェクタ(102)の位置を特定するための地理的視覚システム(130)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記工作機械(112)は、
スピンドル(134)、及び
前記スピンドル(134)に結合された工具ビット(136)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
処理中に生成されたデブリ(158)と前記ワークピース(114)から取り外されたファスナ(180)とのうちの少なくとも一方を除去するための抽出装置(138)、及び
潤滑剤(160)を吐出するためのアプリケータ(140)、のうちの少なくとも一方を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
ベース(142)を更に備え、
前記ロボットマニピュレータ(104)は、ベース端部(108)を更に備え、
前記ロボットマニピュレータ(104)の前記ベース端部(108)は、前記ベース(142)に結合され、
前記ベース(142)は、前記ワークピース(114)に対して移動可能であり、
前記ベース(142)は、前記ワークピース(114)の前記表面(116)に解放可能に結合可能である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記ベース(142)は、ベース真空クランプ(144)を備え、
前記ベース真空クランプ(144)は、
ベース真空源(146)、
前記ベース真空源(146)と流体連通するベース真空グリッパ(148)、及び
ベース真空エジェクタ(150)を備える、請求項9に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記ロボットマニピュレータ(104)は、協働ロボット(154)である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項12】
工作機械(112)、及び
前記工作機械(112)に結合されたエンドエフェクタ真空クランプ(118)を備える、エンドエフェクタ(102)であって、
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)は、ワークピース(114)の表面(116)に解放可能に結合可能であり、
処理力(Fp)が前記エンドエフェクタ(102)を介して前記ワークピース(114)に反作用する、エンドエフェクタ(102)。
【請求項13】
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)は、
エンドエフェクタ真空源(120)、
前記エンドエフェクタ真空源(120)と流体連通するエンドエフェクタ真空グリッパ(122)、及び
エンドエフェクタ真空エジェクタ(124)を備える、請求項12に記載のエンドエフェクタ(102)。
【請求項14】
前記エンドエフェクタ真空クランプ(118)に対して、前記工作機械(112)の処理軸(Ap)を配置するための工具ドライブ(126)、及び
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の処理位置(132)に対する、前記処理軸(Ap)の位置を特定するための局所的視覚システム(128)を更に備える、請求項12に記載のエンドエフェクタ(102)。
【請求項15】
処理中に生成されたデブリ(158)と前記ワークピース(114)から取り外されたファスナ(180)とのうちの少なくとも一方を除去するための抽出装置(138)、及び
潤滑剤(160)を吐出するためのアプリケータ(140)、のうちの少なくとも一方を更に備える、請求項12に記載のエンドエフェクタ(102)。
【請求項16】
ワークピース(114)を処理する方法(1000)であって、
前記ワークピース(114)の表面(116)上の処理位置(132)に対してエンドエフェクタ(102)を配置するステップ、
前記エンドエフェクタ(102)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に結合するステップ、
前記エンドエフェクタ(102)の工作機械(112)を使用して、前記処理位置(132)において前記ワークピース(114)を処理するステップ、及び
前記エンドエフェクタ(102)を介して処理力(Fp)を前記ワークピース(114)に反作用させるステップを含む、方法(1000)。
【請求項17】
前記エンドエフェクタ(102)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に結合するステップは、前記エンドエフェクタ(102)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に真空クランプすることを含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【請求項18】
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の前記処理位置(132)に対して、前記工作機械(112)の処理軸(Ap)を配置することを更に含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【請求項19】
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の前記処理位置(132)に対する、前記エンドエフェクタ(102)の位置を特定すること、及び
前記ワークピース(114)の前記表面(116)上の前記処理位置(132)に対する、前記工作機械(112)の前記処理軸(Ap)の位置を特定することを更に含む、請求項18に記載の方法(1000)。
【請求項20】
前記ワークピース(114)を処理するステップは、前記ワークピース(114)内に孔(178)を穿つことを含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【請求項21】
前記ワークピース(114)を処理するステップは、前記ワークピース(114)からファスナ(180)を取り外すことを含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【請求項22】
前記エンドエフェクタ(102)は、ロボットマニピュレータ(104)の作業端部(106)に結合され、
前記方法(1000)は、前記ロボットマニピュレータ(104)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に結合するステップを更に含み、
前記ロボットマニピュレータ(104)のベース端部(108)が、ベース(142)に結合され、
前記ロボットマニピュレータ(104)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に結合するステップは、前記ベース(142)を前記ワークピース(114)の前記表面(116)に真空クランプすることを含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府契約
[0001] 本発明は、空軍研究所によって与えられた契約番号ARM-TEC-20-DC-F03の下での政府の支援によってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
[0002] 本開示は、広くは、機械加工動作に関し、特に、ワークピースの自動処理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 製造中のワークピースには様々な処理動作が行われる。これらの動作の多くは、環境及びワークピースと相互作用するように設計された自動機械を使用して実行される。一例として、自動機械は、ロボットアーム又はオーバーヘッドガントリなどの自動マニピュレータや、ワークピースと相互作用する自動マニピュレータに取り付けられたエンドエフェクタを含み得る。機械の正確な構成は、特定の用途及び/又はワークピースに実行されるプロセスに依存することがある。しかし、ほとんどの状況では、自動機械が大きなワークピースの全体に到達又はさもなければアクセスするために、その機械は大きくなければならない。更に、自動機械が大きな力の動作を実行することを可能にするために、その機械は頑丈でなければならない。したがって、上述された懸念への対処を意図するシステム及び方法が有用であるだろう。したがって、当業者は、ワークピースの自動処理の分野における研究開発の努力を続けている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] ワークピースの処理のためのシステム、ワークピースの処理のためのエンドエフェクタ、及びワークピースを処理するための方法の複数の実施例が開示される。以下の記載は、本開示に係る発明の主題の非限定的な例であり、特許請求されることもされないこともある。
【0005】
[0005] 一実施例では、開示されるシステムが、作業端部を含むロボットマニピュレータを含む。システムはまた、ロボットマニピュレータの作業端部に結合されたエンドエフェクタも含む。エンドエフェクタは、工作機械、及び工作機械に結合されたエンドエフェクタ真空クランプを含む。エンドエフェクタは、ワークピースの表面に解放可能に結合可能である。処理力がエンドエフェクタを介してワークピースに反作用する。
【0006】
[0006] 一実施例では、本開示のエンドエフェクタが、工作機械、及び工作機械に結合されたエンドエフェクタ真空クランプを含む。エンドエフェクタ真空クランプは、ワークピースの表面に解放可能に結合可能である。処理力がエンドエフェクタを介してワークピースに反作用する。
【0007】
[0007] 一実施例では、開示される方法が、(1)ワークピースの表面上の処理位置に対してエンドエフェクタを配置するステップ、(2)エンドエフェクタをワークピースの表面に結合するステップ、(3)エンドエフェクタの工作機械を使用して、処理位置においてワークピースを処理するステップ、及び(4)エンドエフェクタを介して処理力をワークピースに反作用させるステップを含む。
【0008】
[0008] 開示されるシステム、エンドエフェクタ、及び方法の他の複数の実施例は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] ワークピースの自動処理のためのシステムの一実施例の概略ブロック図である。
【
図2】[0010] システムの一実施例及びワークピースの概略斜視図である。
【
図3】[0011] システムのエンドエフェクタの一実施例の概略斜視図である。
【
図4】[0012] エンドエフェクタの一実施例の概略側面図である。
【
図5】[0013] エンドエフェクタの一実施例の概略上面図である。
【
図6】[0014] エンドエフェクタの一実施例の概略下面図である。
【
図7】[0015] エンドエフェクタの一実施例の概略上面図である。
【
図8】[0016] エンドエフェクタの一実施例の概略斜視図である。
【
図9】[0017] エンドエフェクタの一実施例の概略斜視図である。
【
図10】[0018] エンドエフェクタの一実施例の概略側面図である。
【
図11】[0019] エンドエフェクタの一実施例の概略部分分解斜視図である。
【
図12】[0020] システムのベースの一実施例の概略斜視図である。
【
図13】[0021] システムの一実施例の概略斜視図である。
【
図14】[0022] システムの一実施例の概略図である。
【
図15】[0023] システムの一実施例の概略図である。
【
図16】[0024] システムの一実施例の概略図である。
【
図17】[0025] ワークピースの自動処理のための方法の一実施例のフロー図である。
【
図18】[0026] 航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
【
図19】[0027] 航空機の一実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0028]
図1~
図17を例として参照すると、本開示は、ワークピースの自動処理のためのシステム及び方法を対象とする。概して、本明細書で説明されるシステム及び方法は、小さな及び軽量な機械が、ワークピースにプロセスを反作用させることによって、典型的にはより大きな及びより頑丈な機械を必要とする1以上の機械加工又は他の処理動作を実行することを可能にする。1以上の実施例では、処理動作がワークピース内に穿孔することを含む。1以上の実施例では、処理動作がワークピースからファスナを取り外すことを含む。1以上の実施例では、処理動作が、穿孔位置又はファスナ位置などの処理動作のための位置を特定すること、及び処理動作の実行のための処理位置に対して工作機械を正確に位置付けることを含む。
【0011】
[0029]
図1を参照すると、1以上の実施例では、ワークピース114が、製造中に機械加工動作が実行される任意の製造される構成要素、部品、物体、又は物品であり、それらを含み、又はそれらの形態を採る。航空宇宙の一例では、ワークピース114が、航空機の主翼、又は、主翼ボックスや主翼の外板パネルなどの航空機の主翼の構成要素若しくはサブアセンブリである。しかし、他の複数の実施例では、ワークピース114が、任意の他の構造物又は構成要素であり得る。
【0012】
[0030] 本開示は、航空機の一部分(例えば、主翼や胴体など)を形成するものなどの比較的大きなワークピースが、穿孔やファスナの取り外しなどの自動処理動作を実行するために、大きな及び頑丈な機械を必要とすることを認識する。大きな及び頑丈な機械は、ワークピースの全ての必要な部分に到達し、重い工作機械を操作し、機械加工動作中に生成される高処理力を反作用させることが必要である。本開示はまた、より小さな及び軽量な機械を使用して、自動処理動作を実行することができるシステム及び方法を提供する利点も認識する。
【0013】
[0031]
図1及び
図2を参照すると、それらは、ワークピース114の自動処理のためのシステム100の複数の実施例を示している。システム100は、処理力及び荷重をワークピース114に反作用させることによって、より小さな及びより軽量な機械及び工具を使用したワークピース114の自動処理を容易にする。1以上の実施例では、システム100が、ワークピース114内に孔178を機械加工する(例えば、穿つ又はさもなければ切削する)ように構成されている(例えば、
図2~
図6で示されているように)。1以上の実施例では、システム100が、ワークピース114からファスナ180を取り外すように構成されている(例えば、
図9~
図11で示されているように)。他の複数の実施例では、システム100が、機械加工、切削、トリミング、ルーティング、サンディング、研磨、ファスナ取り付けなどの、他の処理動作を実行するように構成されている。
【0014】
[0032]
図1及び
図2を参照すると、1以上の実施例では、システム100がロボットマニピュレータ104を含む。ロボットマニピュレータ104は、作業端部106(
図1)を含む。システム100はまた、エンドエフェクタ102も含む。エンドエフェクタ102は、ロボットマニピュレータ104の作業端部106に結合されている。エンドエフェクタ102は、工作機械112及びエンドエフェクタ真空クランプ118を含む。エンドエフェクタ102は、ワークピース114の表面116に解放可能に結合可能である(例えば、選択的に、表面116に結合され、表面116から結合解除されるように構成されている)。処理力Fpがエンドエフェクタ102を介してワークピース114に反作用する。
【0015】
[0033] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、工作機械112に結合されている。一実施例として、工作機械112及びエンドエフェクタ真空クランプ118は、エンドエフェクタ102を形成する一体構造に統合されている。
【0016】
[0034] ロボットマニピュレータ104は、エンドエフェクタ102を製造環境においてワークピース114に対して支持し、移動させ、配置する。エンドエフェクタ真空クランプ118を使用して、ワークピース114の表面116にエンドエフェクタ102を結合することにより、処理力Fpがエンドエフェクタ102を介して反作用し、ワークピース114に伝達し戻されることが可能になり、それによって、ロボットマニピュレータ104、エンドエフェクタ102、及び工作機械112に必要とされる頑丈さが低減される。エンドエフェクタ102がワークピース114の表面116に結合されると、工作機械112は、ワークピース114に1以上の機械加工動作を実行する。
【0017】
[0035] 処理力Fpは、処理動作中に生成される力の1以上を表す。本明細書で使用されるときに、「処理」は、材料除去又は表面仕上げを制御することなどによって、ワークピースを製造し、機械加工し、切削し、穿孔し、組み立て、解体し、又はさもなければ所望の最終状態に仕上げるために、材料処理動作を実行することを指す。処理動作は、ワークピース114に実行される、特にワークピース114の表面116に実行される任意の適切な動作、例えば、非限定的に、穿孔、切削、トリミング、ルーティング、ファスナ取り付け(例えば、一時的な又は恒久的な)、ファスナ取り外し、サンディング、研磨などを含む。処理動作は、ワークピース114に接触して配置される工作機械112によって実行される。処理動作中、工作機械112は、ワークピース114に作用力を加える(例えば、かける)。概して、作用力は、工作機械112の処理軸Apに平行であるか又は一致する。ワークピース114は、工作機械112に反作用力を加える(例えば、かける)。反作用力は、作用力と大きさが等しく、方向が逆である。
【0018】
[0036]
図2は、処理動作の開始に備えてワークピース114に対して配置されたシステム100の一実施例を示している。ロボットマニピュレータ104は、ワークピース114に対して、特にワークピース114の表面116上の処理位置132に対して、エンドエフェクタ102(例えば、工作機械112やエンドエフェクタ真空クランプ118)を移動させ、適切に配置する。処理位置132は、処理動作(例えば、孔178を穿つこと又はファスナ180を取り外すこと)が実行されるワークピース114の表面116上の位置を指す。
図2で示されているように、1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104が、任意の適切なプログラム可能機械又はロボットアーム156などのプログラム可能機械アームであり、それを含み、又はその形態を採る。
【0019】
[0037]
図1を参照すると、1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104が、協働ロボット154であるか、又は協働ロボット154を含む。コボットとも呼ばれる協働ロボット154は、共有空間内や人間とロボットが近接する場所で、人間とロボットが直接的に相互作用することを企図されたロボットである。協働ロボット154は、軽量な構造材料、速度及び力の固有の制限、及び/又は安全な挙動を保証するためのセンサとソフトウェアに依存する。
【0020】
[0038]
図1及び
図16を参照すると、エンドエフェクタ102を備え、エンドエフェクタ102を使用して処理力Fpをワークピース114自体に反作用させることが可能な協働ロボット154などのより小さな自動機械の使用により、互いに協働する2つ以上のシステム100(例えば、
図16で示されている第1のシステム100Aと第2のシステム100B)の使用が容易になる。更に、協働ロボット154の利用により、同じ製造環境又は作業スペースにおいて、互いに協働し、作業人員と協働する2つ以上のシステム100(例えば、第1のシステム100Aと第2のシステム100B)の使用が容易になる。1以上の実施例では、エンドエフェクタ102を備え、エンドエフェクタ102を使用して処理力Fpをワークピース114自体に反作用させることが可能な協働ロボット154などのより小さな自動機械の使用により、ワークピース114上の複数の処理位置132のうちの所望の1つに対するロボットマニピュレータ104の移動やロボットマニピュレータ104の配置が容易になる。
【0021】
[0039]
図1及び
図2並びに
図3~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118により、ワークピース114の表面116に対するエンドエフェクタ102の結合が可能になる。エンドエフェクタ102をワークピース114に結合することにより、処理動作中にワークピース114によって工作機械112に加えられる処理力Fp(
図4)を、エンドエフェクタ102によってワークピース114に反作用させ、ワークピース114に伝達し戻すことができる。ワークピース114に結合されたエンドエフェクタ102を介して処理力Fpをワークピース114に反作用させることにより、ロボットマニピュレータ104に必要とされる頑丈さが低減される。
【0022】
[0040] エンドエフェクタ真空クランプ118は、2つの物品を共に結合し、それらをしっかりと保持するために使用される任意の適切な真空技術を含み、又はそれを利用する。概して、エンドエフェクタ真空クランプ118は、エンドエフェクタ102とワークピース114との間から大気(例えば、空気)を除去する。それによって、エンドエフェクタ102の外側の周りの大気が、エンドエフェクタ102を適所に保持する。
【0023】
[0041]
図1及び
図3~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、エンドエフェクタ真空源120(
図1)を含む。エンドエフェクタ真空クランプ118はまた、エンドエフェクタ真空グリッパ122の少なくとも1つの例も含む。エンドエフェクタ真空グリッパ122は、送気管などを介して、エンドエフェクタ真空源120に結合され、エンドエフェクタ真空源120と流体連通する。エンドエフェクタ真空源120は、エンドエフェクタ真空グリッパ122とワークピース114の表面116との間で空気の流れを生成し、それらの間のスペースから空気を除去するように構成された任意のデバイス又は機構(真空ポンプなど)を含む。エンドエフェクタ真空グリッパ122は、可撓性グリッパ、吸引カップ又は真空カップ、吸引パッド又は真空パッドなどの、任意の適切な真空又は吸引グリッパを含む。
【0024】
[0042]
図1及び
図3~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、工作機械112に結合された又はさもなければ工作機械112から外向きに延在するフレーム176を含む。フレーム176は、エンドエフェクタグリッパ122を支持する。
【0025】
[0043]
図1及び
図3~
図8を参照すると、1以上の実施例では、フレーム176が、複数の脚184を含み、エンドエフェクタ真空グリッパ122が、複数の吸引カップ186を含む。吸引カップ186のうちの少なくとも1つは、脚184のうちの各1つに結合されている。フレーム176は、任意の数の脚184を含み得る。例えば、4つの脚184(例えば、
図3~
図6で示されている)、又は5つ以上の脚184(例えば、
図7及び
図8で示されている)などである。任意の適切な数の吸引カップ186(例えば、1つの吸引カップ186(
図3~
図7)若しくは2つ以上の吸引カップ186(
図8))が、脚184のうちの各1つに結合され得るか、又は脚184のうちの各1つから延在し得る。
【0026】
[0044]
図1及び
図9~
図11を参照すると、1以上の実施例では、フレーム176が、真空プラットフォーム188を含み、エンドエフェクタ真空グリッパ122が、真空パッド190を含む。真空パッド190は、真空プラットフォーム188に結合されている。真空テーブルなどの真空プラットフォーム188は、複数の真空ポート212を含む。真空プラットフォーム188の真空ポート212は、エンドエフェクタ真空源120と流体連通している。真空パッド190は、複数の真空ポート212に整列する複数の真空開孔214であって、複数の真空ポート212と流体連通する複数の真空開孔214を含む。真空パッド190は、圧縮可能な材料で作製されている。
【0027】
[0045]
図1及び
図3~
図11を参照すると、1以上の実施例では、フレーム176が、工作機械112及びエンドエフェクタ真空クランプ118を支持する。1以上の実施例では、フレーム176が、例えば、ロボットクイックチェンジカップリングによって、ロボットマニピュレータ104の作業端部106に結合されている。1以上の実施例では、工作機械112が、フレーム176に結合され、フレーム176によって支持されている。1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空グリッパ122が、フレーム176に結合され、フレーム176から延在する。1以上の実施例では、システム100又はエンドエフェクタ102の他の動作構成要素が、フレーム176に結合され、及び/又はフレーム176によって支持されている。
【0028】
[0046]
図6及び
図9を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102のフレーム176が、ワークピース114の表面116へのアクセスを提供する開口部216を含み又は形成する。概して、処理動作中に、工作機械112の少なくとも一部分(例えば、工具ビット136)が、ワークピース114に係合するために開口部216を通って延在する。1以上の実施例では、
図6で示されているように、脚184が開口部216から放射状に延在する。1以上の実施例では、
図11で示されているように、真空プラットフォーム188が、開口部216を含み、真空パッド190が、環形状であり、開口部216を取り囲むか又は開口部216と同心である。例えば、真空パッド190の環形状の開口部は、真空プラットフォーム188の環形状の開口部と整列し、組み合わせて開口部216を形成する。
【0029】
[0047]
図1並びに
図9及び
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が接触パッド192を含む。接触パッド192は、エンドエフェクタ102とワークピース114の表面116との間の法線性を維持するように構成されている。
【0030】
[0048]
図11を参照すると、1以上の実施例では、接触パッド192が、複数の接触ポイント218を含む。1以上の実施例では、接触パッド192が、少なくとも3つの接触ポイント218を含む。1以上の実施例では、接触パッド192が、4つ以上の(例えば4つの)接触ポイント218を含む。
【0031】
[0049] 接触ポイント218は、エンドエフェクタ102がワークピース114の表面116に真空クランプしている最中に又は真空クランプすると、表面116と接触するように構成されている。接触パッド192の接触ポイント218は、処理中に工作機械112が表面116に対して垂直になるように、エンドエフェクタ102を表面116に対する法線(例えば、略垂直)配向に確実に維持する。
【0032】
[0050] 1以上の実施例では、接触パッド192が、環形状であり、開口部216を取り囲むか又は開口部216と同心である。1以上の実施例では、接触パッド192が、真空プラットフォーム188に結合され、真空パッド190の環形状の開口部内に位置付けられる。真空クランプ中に、真空パッド190は、エンドエフェクタ102のフレーム176(例えば、真空プラットフォーム188)とワークピース114の表面116との間で圧縮される。完全な圧縮の前に、接触パッド192は、表面116とフレーム176との間で表面116に接触する。真空パッド190の寸法(例えば、直径)と比較して、接触パッド192の寸法(例えば、直径)がより小さいので、エンドエフェクタ102の法線性に対する表面の起伏の影響が低減される。
【0033】
[0051]
図1を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102がエンドエフェクタ真空センサ208を含む。エンドエフェクタ真空センサ208は、真空圧を検出し、エンドエフェクタ真空グリッパ122とワークピース114の表面116との間に、処理動作を開始するための十分な真空が生成されているかどうかを判定するように構成されている。1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空センサ208が、圧力センサ又はトランスデューサである。
【0034】
[0052]
図1及び
図4~
図6を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、エンドエフェクタ真空エジェクタ124を含む。エンドエフェクタ真空エジェクタ124は、送気管などを介して、エンドエフェクタ真空グリッパ122に結合され、エンドエフェクタ真空グリッパ122と流体連通している。エンドエフェクタ真空エジェクタ124は、エンドエフェクタ真空グリッパ122とワークピース114の表面116との間の真空接続を解放する又は「壊す」ために、エンドエフェクタ真空グリッパ122に対する空気の流れを逆転させるように構成されている。
【0035】
[0053]
図1及び
図4~
図6を参照すると、1以上の実施例では、システム100が工具ドライブ126を含む。工具ドライブ126は、エンドエフェクタ真空クランプ118に対して、及びワークピース114の表面116上の処理位置132に対して、工作機械112の処理軸Apを配置する(例えば、配置するように構成されている)。工具ドライブ126は、エンドエフェクタ102に対する(例えば、エンドエフェクタ真空クランプ118に対する)、及びワークピース114の表面116に対する、工作機械112の直線的な運動を制御する任意の適切な直線駆動機構又はリニアアクチュエータを含む。概して、処理軸Apは、それに沿って工作機械112が動作するところの軸を指す。一実施例として、機械加工動作中に、工作機械112は、送り軸に沿って送り方向に移動する。送り軸は、表面116に対して実質的に垂直である。一実施例では、送り軸が、処理軸Apと平行であり、又は処理軸Apと一致する。別の一実施例として、回転工作機械(例えば、ドリル又はインパクトドライバ)などでは、工作機械112が回転軸の周りで回転する。1以上の実施例では、回転軸が、処理軸Apと平行であり、又は処理軸Apと一致する。1以上の実施例では、工具ドライブ126が、工作機械112を処理軸Apと平行な方向に移動させる少なくとも1つのモータ又は駆動機構(例えば、
図1で示されているZ軸ドライブ200)を含む。1以上の実施例では、工具ドライブ126が、工作機械112を処理軸Apと垂直な1以上の方向に移動させる少なくとも1つのモータ又は駆動機構(例えば、
図1で示されているX軸ドライブ196及び/又はY軸ドライブ198)を含む。1以上の実施例では、工具ドライブ126が、1以上のサーボモータを含む。1以上の実施例では、X軸ドライブ196、Y軸ドライブ198、及びZ軸ドライブ200が、別個の駆動機構である。1以上の実施例では、X軸ドライブ196とY軸ドライブ198とは、単一の駆動機構の中に統合される。
【0036】
[0054] 1以上の実施例では、X軸ドライブ196、Y軸ドライブ198、及び/又はZ軸ドライブ200などの、工具ドライブ126が、電気機械アクチュエータ、ガス圧アクチュエータ、又は液圧アクチュエータなどの、リニアアクチュエータである。1以上の実施例では、Z軸ドライブ200などの工具ドライブ126が、Z軸に沿って移動しながら、工作機械112に可変力を加えるように構成された又は加えることができる可変力アクチュエータである。
【0037】
[0055] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、1つの駆動センサ202を含む。駆動センサ202は、工作機械112の1以上の運動パラメータを検出するように構成されている。1以上の実施例では、駆動センサ202がポジションセンサ204を含む。ポジションセンサ204は、Z軸ドライブ200によって駆動されるときに、Z軸に沿った(例えば、処理軸Apに沿った)工作機械112の相対位置を特定又は検出するように構成されている。1以上の実施例では、ポジションセンサ204が、ストロークポジションを検出するリニアトランスデューサである。1以上の実施例では、駆動センサ202が力センサ206を含む。力センサ206は、処理動作中にワークピース114に加えられる力(例えば、ファスナ180を取り外している間にファスナ180に加えられる力)を特定又は検出するように構成されている。一実施例では、力センサ206がロードセルである。
【0038】
[0056]
図1並びに
図5、
図6、
図9、及び
図11を参照すると、1以上の実施例では、システム100が1以上の視覚システム194を含む。1以上の視覚システム194は、エンドエフェクタ102の相対位置を特定すること、及び任意選択的に他のマシンビジョンに基づく特定を可能にする。
【0039】
[0057]
図1を参照すると、1以上の実施例では、視覚システム194が、局所的視覚システム128(例えば、第1の視覚システム)を含む。局所的視覚システム128は、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する処理軸Apの位置を特定する(例えば、特定するように構成されている)。概して、エンドエフェクタ102がワークピース114に結合された状態で、局所的視覚システム128は、エンドエフェクタ102及び/又は工作機械112に対する処理位置132のポジションを特定(例えば、検出)するように構成されている。局所的視覚システム128はまた、機械加工動作前及び/又は中に、エンドエフェクタ102及びワークピース114上の処理位置132に対する、工作機械112(より具体的には処理軸Ap)の直線ポジションをモニタするようにも構成されている。局所的視覚システム128は、処理位置132に対する処理軸Apのミクロ(例えば、微細な又は小規模の)位置情報を提供する。例えば、局所的視覚システム128によって取得され、生成された位置情報を使用して、機械加工動作前及び/又は中の工具ドライブ126用の運動制御方向を生成する。局所的視覚システム128は、物体の画像を取得する任意の適切なデジタルセンサ又は視覚センサであって、捕捉された画像を使用して物体の位置、向き、及び精度を特定する、カメラなどの任意の適切なデジタルセンサ又は視覚センサを含む。
【0040】
[0058]
図1を参照すると、1以上の実施例では、視覚システム194が、地理的視覚システム130(例えば、第2の視覚システム)を含む。地理的視覚システム130は、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対するエンドエフェクタ102の位置を特定する(例えば、特定するように構成されている)。概して、エンドエフェクタ102がワークピース114に結合される前に、地理的視覚システム130は、ロボットマニピュレータ104に対する処理位置132のポジションを特定(例えば、検出)するように構成されている。地理的視覚システム130はまた、エンドエフェクタ102をワークピース114に結合する前に、ワークピース114(より具体的にはワークピース114上の処理位置132)に対するエンドエフェクタ102のポジション(例えば、位置及び向き)をモニタするようにも構成されている。地理的視覚システム130は、処理位置132に対するエンドエフェクタ102のマクロ(例えば、大規模の)位置情報を提供する。例えば、地理的視覚システム130によって取得され、生成された位置情報を使用して、結合のためにエンドエフェクタ102を正確に配置するために、ロボットマニピュレータ104用の運動制御方向を生成する。地理的視覚システム130は、物体の画像を取得する任意の適切なデジタルセンサ又は視覚センサであって、捕捉された画像を使用して物体の位置、向き、及び精度を特定する、カメラなどの任意の適切なデジタルセンサ又は視覚センサを含む。
【0041】
[0059]
図1を参照すると、1以上の実施例では、工作機械112が回転工作機械である。一実施例として、工作機械112はスピンドル134を含む。工作機械112はまた、スピンドル134に結合された工具ビット136も含む。スピンドル134は、シャフト、工作機械112の回転軸の周りでシャフトを回転させる回転ドライブ(例えば、モータ)、適切な軸受け、及び工具ビット136を固定するチャック又は他の工具を含む。1以上の実施例では、工作機械112がまた、シャフトの角度ポジション又は運動をアナログ又はデジタル出力信号に変換する回転エンコーダも含む。それらの信号は、工作機械112の回転制御のためにコントローラ152に提供され得る。1以上の実施例では、回転ドライブがサーボモータである。回転エンコーダ及びコントローラ152は、トルク制限の設定、回転速度のモニタ、回転ポジションのモニタなどを可能にする。
【0042】
[0060] 一実施例では、工作機械112が、ドリルであり、ドリルを含み、又はドリルの形態を採り、工具ビット136はドリルビットである。これらの実施例では、ドリルを使用して、ワークピース114内に孔178を穿つ。別の一実施例では、工作機械112が、インパクトドライバであり、インパクトドライバを含み、又はインパクトドライバの形態を採り、工具ビット136はドライバビットである。これらの実施例では、インパクトドライバを使用して、ワークピース114からファスナ180を取り外す。他の回転工作機械も考えられる。他の複数の実施例では、工作機械112が、ワークピース114を切削し、成形し、又は仕上げるために使用される非回転工作機械である。
【0043】
[0061]
図1並びに
図4~
図6、及び
図10を参照すると、1以上の実施例では、システム100が抽出装置138を含む。1以上の実施例では、抽出装置138が、処理中に生成されたデブリ158(例えば、孔178を穿つ最中に形成されたデブリ158)を収集及び除去する(例えば、除去するように構成されている)。1以上の実施例では、抽出装置138が、ファスナ180が工作機械112によってワークピース114から取り外された後で、ファスナ180を収集及び除去する。
【0044】
[0062] 1以上の実施例では、抽出装置138が、真空システムであり又は真空システムを含む。該真空システムは、穿孔動作中に生成されたデブリ158又は締結解除動作中に取り外されたファスナ180を除去するために、吸引力を生成する。1以上の実施例では、抽出装置138が、吸引力を生成する電気モータ(例えば、更なる真空源)に接続され又はそれと流体連通したチューブ又はホースを含む。エンドエフェクタ102がワークピース114に結合された状態で、抽出装置138の端部又は入力開口部が、デブリ158及び/又はファスナ180を収集及び除去するために、処理位置132に近接して(例えば、その位置に又はその位置の近傍に)位置付けられる。
【0045】
[0063]
図10を参照すると、1以上の実施例では、システム100がまた、把持器210も含む。把持器210は、ワークピース114からファスナ180が緩められるか又はさもなければ締結解除された後で、ファスナ180を把持し又はさもなければグリップし、ファスナ180をワークピース114から取り外し、抽出装置138による除去のために抽出装置138の入力開口部に近接してファスナ180を適切に配置するように構成されている。1以上の実施例では、把持器210が、アクチュエータ220、アクチュエータ220に結合された第1のフィンガ222、及びアクチュエータ220に結合された第2のフィンガ224を含む。アクチュエータ220は、第1のフィンガ222の端部と第2のフィンガ224の端部との間にファスナ180を把持するために、第1のフィンガ222及び第2のフィンガ224を開位置と閉位置との間で移動させる。
【0046】
[0064]
図1及び
図4~
図6参照すると、1以上の実施例では、システム100がアプリケータ140を含む。アプリケータ140は、潤滑剤160を吐出する(例えば、吐出するように構成されている)。潤滑剤160は、穿孔などの処理中に工具ビット136(例えば、ドリルビット)とワークピース114との間の摩擦を低減させる任意の適切な物質である。1以上の実施例では、アプリケータ140が、機械加工動作中に潤滑剤160を注入、噴霧、又はさもなければ吐出するポンプであり、又はそのようなポンプを含む。1以上の実施例では、アプリケータ140が、ポンプ及び潤滑剤源に接続されたチューブであって、それらに流体連通したチューブを含む。エンドエフェクタ102がワークピース114に結合された状態で、アプリケータ140の端部は、潤滑剤160を工具ビット136に提供するために、処理位置132に近接して(例えば、その位置に又はその位置の近傍に)位置付けられる。
【0047】
[0065]
図1及び
図2並びに
図12~
図16を参照すると、1以上の実施例では、システム100がベース142を含む。ロボットマニピュレータ104は、作業端部106の反対側のベース端部108を含む。ロボットマニピュレータ104のベース端部108は、ベース142に結合されている。ベース142は、ワークピース114に対して移動可能である。ベース142は、ロボットマニピュレータ104を支持する。ベース142はまた、エンドエフェクタ102を配置すること及びエンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に結合することの最中に、ロボットマニピュレータ104を固定する。幾つかの実施例では、ベース142がまた、ワークピース114に対するロボットマニピュレータ104の移動を容易にする。
【0048】
[0066]
図1並びに
図2、
図12、及び
図13を参照すると、1以上の実施例では、ベース142が、ワークピース114の表面116に解放可能に結合可能である(例えば、選択的に、表面116に結合されるか又は表面116から結合解除されるように構成されている)。ベース142をワークピース114の表面116に結合することにより、ロボットマニピュレータ104及びしたがってエンドエフェクタ102を、処理のためにワークピース114上の任意の所望の位置に配置することが容易になり得る。
【0049】
[0067]
図1並びに
図2、
図12、及び
図13を参照すると、1以上の実施例では、ベース142がベース真空クランプ144を含む。ベース真空クランプ144は、ベース142がワークピース114の表面116に結合されることを可能にする。ベース142をワークピース114に結合することにより、システム100の柔軟性が拡大する。
【0050】
[0068] ベース真空クランプ144は、2つの物品を共に結合し、それらをしっかりと保持するために使用される任意の適切な真空技術を含み、又はそれらを利用する。概して、ベース真空クランプ144は、ベース142とワークピース114との間から大気(例えば、空気)を除去する。それによって、ベース142の外側の周りの大気が、ベース142を適所に保持する。
【0051】
[0069]
図1並びに
図12及び
図13を参照すると、1以上の実施例では、ベース真空クランプ144が、ベース真空源146を含む。ベース真空クランプ144はまた、ベース真空グリッパ148も含む。ベース真空グリッパ148は、送気管などを介して、ベース真空源146に結合され、ベース真空源146と流体連通する。ベース真空源146は、ベース真空グリッパ148とワークピース114の表面116との間で空気の流れを生成し、それらの間のスペースから空気を除去するように構成された任意のデバイス又は機構(真空ポンプなど)を含む。ベース真空グリッパ148は、可撓性グリッパ、吸引カップ又は真空カップ(例えば、吸引カップ186)、吸引パッド又は真空パッド(例えば、真空パッド190)などの、任意の適切な真空グリッパ又は吸引グリッパを含む。
【0052】
[0070] ベース真空クランプ144により、ベース142及びしたがってロボットマニピュレータ104のベース端部108を、ワークピース114の表面116上の任意の適切な所望の位置に選択的に結合することが可能になる。更に、
図13で示されているように、ベース真空クランプ144により、ワークピース114の表面116が実質的に水平な配向にないときに、ベース142及びしたがってロボットマニピュレータ104を表面116に結合させることが可能になる。1以上の実施例では、表面116が、実質的に垂直な配向までの及び実質的に垂直な配向を含む、水平に対する任意の配向を有し得、ベース142は、ロボットマニピュレータ104が表面116に結合されることを可能にする。更に、ベース142は、ロボットマニピュレータ104が、ワークピース114の表面の下側又は下に結合されることを可能にする。それによって、ワークピース114の両側の主面又は全ての側面が、ワークピース114の大きな再配向なしに機械加工され得るか又はさもなければ処理され得る。
【0053】
[0071]
図1を参照すると、1以上の実施例では、ベース142がベース真空センサ226を含む。ベース真空センサ226は、真空圧を検出し、ベース真空グリッパ148とワークピース114の表面116との間に、処理動作を開始するための十分な真空が生成されているかどうかを判定するように構成されている。1以上の実施例では、ベース真空センサ226が、圧力センサ又はトランスデューサである。
【0054】
[0072]
図12で示されているように、1以上の実施例では、ベース142が本体174を含む。1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104のベース端部108が、本体174によって支持され、本体174に結合されている。1以上の実施例では、ベース真空グリッパ148が、ベース142の本体174に結合され、本体174から延在する。
【0055】
[0073]
図13で示されているように、1以上の実施例では、システム100が、1以上のアンカー168を含む。アンカー168は、ベース142をワークピース114の表面116に結合する前及び/又は結合した後で、ベース142を支持するのに役立つ。アンカー168は、ベース142の本体174に結合されたアンカー支持体172(
図12)などの、ベース142に結合され得る。
【0056】
[0074]
図1を参照すると、1以上の実施例では、ベース真空クランプ144が、ベース真空エジェクタ150を含む。ベース真空エジェクタ150は、送気管などを介して、ベース真空グリッパ148に結合され、ベース真空グリッパ148と流体連通する。ベース真空エジェクタ150は、ベース真空グリッパ148とワークピース114の表面116との間の真空接続を解放する又は「壊す」ために、ベース真空グリッパ148に対する空気の流れを逆転させるように構成されている。
【0057】
[0075]
図14及び
図15参照すると、1以上の実施例では、システム100がカート166を含む。1以上の実施例では、カート166が、ワークピース114に対するロボットマニピュレータ104の又はロボットマニピュレータ104及びベース142の移動を支持し、可能にする。1以上の実施例では、カート166が、作業人員によって引かれる又は押される車輪付きビークルである。1以上の実施例では、カート166が自動誘導ビークルである。
【0058】
[0076] 1以上の実施例では、
図14で示されているように、カート166が、ワークピース114上で支持され、ベース142及びロボットマニピュレータ104を処理位置132に近接して位置付けるために、ワークピース114の表面116にわたり移動するように構成されている。ロボットマニピュレータ104を、ロボットマニピュレータ104によって届く範囲内などの処理位置132に対する適切な位置に配置すると、ベース142は、エンドエフェクタ102をワークピース114に配置すること及び結合することの最中にロボットマニピュレータ104を支持するために、ワークピース114の表面116に結合される。ベース142がワークピース114の表面116に結合され、ロボットマニピュレータ104が作業位置内に固定されると、カート166は除去される。
【0059】
[0077] 1以上の実施例では、
図15で示されているように、カート166は、ロボットマニピュレータ104を処理位置132に近接して位置付けるために、ワークピース114に対して移動し、エンドエフェクタ102を配置すること及びエンドエフェクタ102をワークピース114に結合することの最中にロボットマニピュレータ104を支持するように構成されている。一実施例として、カート166は、ロボットマニピュレータ104を、ロボットマニピュレータ104によって届く範囲内などの処理位置132に対する適切な位置に配置し、ロボットマニピュレータ104を固定する。
【0060】
[0078] 1以上の実施例では、カート166が、ベース142及びロボットマニピュレータ104のための搬送機構として働く。1以上の実施例では、カート166がベース142として働く。例えば、ロボットマニピュレータ104のベース端部108は、カート166に結合され、カート166は、エンドエフェクタ102を配置することの最中、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に結合することの最中、及び処理動作中に、ロボットマニピュレータ104を支持する。1以上の実施例では、
図15で示されているように、カート166は、ロボットマニピュレータ104に相互交換可能に取り付け可能な複数のエンドエフェクタ102(例えば、第1のエンドエフェクタ102A及び第2のエンドエフェクタ102Bの相互交換可能な例)、コミュニケーションライン(例えば、送気管、真空ライン、電気ラインなど)、コンピュータ制御システム(例えば、コントローラ)などの、システム100の様々な他の構成要素を支持する。例えば、システム100は、孔178を穿つように構成された工作機械112(例えば、ドリル)及びエンドエフェクタ真空クランプ118を含む第1のエンドエフェクタ102A、並びにワークピース114からファスナ180を取り外すように構成された工作機械112(例えば、インパクトドライバ)及びエンドエフェクタ真空クランプ118を含む第2のエンドエフェクタ102Bを含む。
【0061】
[0079]
図1及び
図15参照すると、1以上の実施例では、システム100がコントローラ152を含む。1以上の実施例では、コントローラ152が、システム100の及び/又はエンドエフェクタ102の動作構成要素のうちの1以上に結合され、それらと電気的に通信する。複数の実施例として、ロボットマニピュレータ104、エンドエフェクタ102、真空クランプ118、工作機械112、工具ドライブ126、局所的視覚システム128、地理的視覚システム130、ベース真空クランプ144などのうちの1以上は、コントローラ152からの指示又は指示命令の下で動作する。更に、1以上の実施例では、コントローラ152が、局所的視覚システム128、地理的視覚システム130、エンドエフェクタ真空センサ208、ベース真空センサ226、ポジションセンサ204、力センサ206、工作機械112の回転エンコーダ、他のセンサなどによって取得され又は生成されたデータ及び情報などの、データを処理するように構成又は適合されている。
【0062】
[0080] 1以上の実施例では、システム100及びより具体的にはコントローラ152が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを使用して実装されてよい。ソフトウェアが使用されるときに、システム100によって実行される動作は、例えば、非限定的に、プロセッサユニットで実行されるように構成されたプログラムコードを使用して実装されてよい。ファームウェアが使用されるときに、システム100によって実行される動作は、例えば、非限定的に、プロセッサユニットで実行されるために永続メモリ内に記憶されるプログラムコード及びデータを使用して実装されてよい。ハードウェアが採用されるときに、ハードウェアは、システム100によって実行される動作を実行するように動作する1以上の回路を含んでよい。実施態様に応じて、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の動作を実行するように構成された幾つかの他の適切な種類のハードウェアデバイスの形態を採ってよい。プログラマブル論理デバイスは、特定の動作を実行するように構成されてよい。このデバイスは、これらの動作を実行するように恒久的に構成されてよく、又は再構成可能であってよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理装置、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は、他の何らかの種類のプログラマブルハードウェアデバイスの形態をとり得るが、これらに限定されない。
【0063】
[0081] 次に
図1~
図11を例として参照すると、本開示はまた、ワークピース114を処理するためのエンドエフェクタ102も対象とする。1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、システム100の一部分を形成する。1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、少なくとも、エンドエフェクタ真空クランプ118及び工作機械112をアームロボットアセンブリの端部の中に統合する。
【0064】
[0082]
図1及び
図2~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、ロボットマニピュレータ104の作業端部106に結合可能である(例えば、作業端部106に結合され、作業端部106から結合解除されるように構成されている)。エンドエフェクタ102は、工作機械112、及び工作機械112に結合されているエンドエフェクタ真空クランプ118を含む。エンドエフェクタ真空クランプ118は、ワークピース114の表面116に解放可能に結合可能である。処理力Fpがエンドエフェクタ102を介してワークピース114に反作用する。
【0065】
[0083]
図1及び
図2~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、エンドエフェクタ真空源120、及びエンドエフェクタ真空源120と流体連通するエンドエフェクタ真空グリッパ122を含む。1以上の実施例では、エンドエフェクタ真空クランプ118が、エンドエフェクタ真空エジェクタ124を含む。
【0066】
[0084]
図1及び
図3~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、エンドエフェクタ真空クランプ118に対して、及びワークピース114の表面116に対して、工作機械112の処理軸Apを配置するための工具ドライブ126を含む。
【0067】
[0085]
図1を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する処理軸Apの位置を特定するための局所的視覚システム128を含む。1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、ワークピース114などに対する、より具体的には、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する、スペース内のエンドエフェクタ102のポジション(例えば、位置及び向き)を特定するための地理的視覚システム130を含む。
【0068】
[0086]
図1を参照すると、1以上の実施例では、工作機械112がスピンドル134を含む。工作機械112はまた、スピンドル134に結合された工具ビット136も含む。
【0069】
[0087]
図1並びに
図3~
図6及び
図9~
図11を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、処理中に生成されたデブリ158及び/又はワークピース114から取り外されたファスナ180を除去するための抽出装置138を含む。
【0070】
[0088]
図1及び
図3~
図6を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタが、処理動作中に使用される潤滑剤160を吐出するためのアプリケータ140を含む。
【0071】
[0089] 概して
図1~
図16及び特に
図17を複数の実施例として参照すると、本開示は、ワークピース114を処理するための方法1000を更に対象とする。1以上の実施例では、方法1000が、システム100を使用して、又はエンドエフェクタ102を利用する自動機械によって実行される。1以上の実施例では、開示されるシステム100及び/又はエンドエフェクタ102が、方法1000の少なくとも一部分を実施する。
【0072】
[0090]
図17及び
図1~
図16を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対してエンドエフェクタ102を配置するステップ(ブロック1002)を含む。方法1000は、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に結合するステップ(ブロック1004)を含む。方法1000は、エンドエフェクタ102の工作機械112を使用して、処理位置132においてワークピース114を処理するステップ(ブロック1006)を含む。方法1000は、エンドエフェクタ102を介して処理力Fpをワークピース114に反作用させるステップ(ブロック1008)を含む。
【0073】
[0091]
図17及び
図1~
図16を参照すると、1以上の実施例では、方法1000によれば、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に結合するステップ(ブロック1004)が、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に真空クランプするステップ(ブロック1010)を含む。1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、エンドエフェクタ真空クランプ118を使用して、ワークピース114の表面116に真空クランプされる。
【0074】
[0092]
図17及び
図1~
図16を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対して工作機械112の処理軸Apを配置するステップ(ブロック1012)を含む。1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104を使用してエンドエフェクタ102をワークピース114に対して配置することによるマクロ運動制御を使用して、工作機械112の処理軸Apが、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対して配置される。1以上の実施例では、X軸ドライブ196及び/又はY軸ドライブ198などの工具ドライブ126を使用して工作機械112をワークピース114に対して配置することによるミクロ運動制御を使用して、工作機械112の処理軸Apが、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対して配置される。
【0075】
[0093]
図17及び
図1を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する処理軸Apのポジション(例えば、位置及び向き)を特定するステップ(ブロック1014)を含む。1以上の実施例では、処理軸Apのポジションは、駆動センサ202(例えば、ポジションセンサ204)によって特定又は検出されるような工作機械112(例えば、スピンドル134又は工具ビット136)のポジションに基づく。1以上の実施例では、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する処理軸Apのポジションが、地理的視覚システム130、局所的視覚システム128、及びコントローラ152などの、1以上の視覚システム194を使用して特定される。
【0076】
[0094]
図17及び
図1を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ワークピース114に対する、例えば、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対する、エンドエフェクタ102のポジション(例えば、位置及び/又は向き)を特定するステップ(ブロック1016)を含む。1以上の実施例では、ワークピース114の表面116上の処理位置132に対するエンドエフェクタ102のポジションが、地理的視覚システム130及びコントローラ152を使用して特定される。
【0077】
[0095]
図17並びに
図1、
図2、及び
図13~
図16を参照すると、1以上の実施例では、エンドエフェクタ102が、ロボットマニピュレータ104の作業端部106に結合される。方法1000は、ロボットマニピュレータ104をワークピース114に対して配置するステップ(ブロック1018)を含む。1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104が、カート166を使用してワークピース114に対して正確に配置される。
【0078】
[0096]
図17並びに
図1、
図2、
図12~
図14、及び
図16を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ロボットマニピュレータ104をワークピース114の表面116に結合するステップ(ブロック1020)を含む。1以上の実施例では、ロボットマニピュレータ104のベース端部108が、ベース142に結合される。方法1000によれば、ロボットマニピュレータ104をワークピース114の表面116に結合するステップ(ブロック1020)は、ベース142をワークピース114の表面116に真空クランプするステップ(ブロック1022)を含む。1以上の実施例では、ベース142及びしたがってロボットマニピュレータ104が、ベース真空クランプ144を使用して、ワークピース114の表面116に真空クランプされる。
【0079】
[0097]
図17を参照すると、1以上の実施例では、方法1000によれば、ワークピース114を処理するステップ(ブロック1006)が、ワークピース114の表面116を通して孔178を穿つステップを含む。1以上の実施例では、方法1000によれば、ワークピース114を処理するステップ(ブロック1006)は、ファスナ180を取り外すステップを含む。
【0080】
[0098] 方法1000はまた、1以上の前処理ステップも含み得る。概して、前処理ステップは、ロボットマニピュレータ104を配置するステップ(ブロック1018)の前に実行される。
【0081】
[0099] 1以上の実施例では、方法1000が、処理動作(例えば、ブロック1006)の実行のためにロボットマニピュレータ104をワークピース114に対して配置するポジションを特定するステップを含む。ロボットマニピュレータ104の特定されたポジション(例えば、位置及び向き)は、システム100、例えばコントローラ152及び/又は作業人員に通信される。
【0082】
[00100] 1以上の実施例では、方法1000によれば、ロボットマニピュレータ104を配置するステップ(ブロック1018)が、様々な搬送及び/又は装填ステップのうちのいずれか1つを含む。一実施例として、ロボットマニピュレータ104、ベース142、エンドエフェクタ102、及び任意の供給パイプラインを含む、システム100が、カート166(例えば、
図15で示されているような)を使用して搬送される。1以上の実施例では、システム100のアセンブリ全体(例えば、ロボットマニピュレータ104、ベース142、エンドエフェクタ102)が、処理位置132(例えば、
図16で示されているような)のうちの1以上に近接して、ワークピース114の表面116上に配置される(例えば、フォークリフト、手積み、オーバーヘッドガントリなどによって)。システム100が、所定の位置に正確に配置されると、全ての供給パイプライン(例えば、ガス、電力、通信、真空など)が接続される。1以上の実施例では、配置すること(例えば、ブロック1018)の前にエンドエフェクタ102がロボットマニピュレータ104に接続されない場合、方法1000は、エンドエフェクタ102をロボットマニピュレータ104に結合するステップを含む。システム100は、次いで、電源を入れられ、システムチェックが行われる。
【0083】
[00101] 1以上の実施例では、方法1000によれば、エンドエフェクタ102のポジションを特定するステップ(ブロック1016)及び/又は処理軸Apのポジションを特定するステップ(ブロック1014)が、視覚システム194(
図1)のうちの1以上を使用して周囲エリアを走査することによって実行される。ポジションの特定は、視覚システム194からの入力に基づいて行われる。
【0084】
[00102] 1以上の実施例では、方法1000がまた、孔178が穿たれる位置又はファスナ180が取り外される位置などの、処理位置132のポジション(例えば、位置及び向き)を特定するステップも含む。1以上の実施例では、処理位置132のポジションが、視覚システム194のうちの1以上を使用して周囲エリアを走査することによって特定される。1以上の実施例では、視覚システム194のうちの1以上が、穿孔位置及び/又は個々のファスナを特定するように構成されている。
【0085】
[00103] 1以上の実施例では、方法1000が、1以上の処理動作のためにエンドエフェクタ102を正確に配置するために、ロボットマニピュレータ104の運動を計画するステップを含む。1以上の実施例では、運動計画が、コントローラ152を使用して実行及び実装される。1以上の実施例では、運動計画がまた、ワークピース114に対する所与のポジションにおけるロボット操作で取り外されるファスナ180の順序又は穿たれる孔178の順序などの、動作順序を特定することも含む。
【0086】
[00104] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ102を配置するステップ(ブロック1002)が、グロス運動制御であり、エンドエフェクタ102及びしたがって工作機械112を処理位置132に近接するように(例えば、その近傍に)移動させるために、ロボットマニピュレータ104を使用して実行される。1以上の実施例では、処理軸Apを配置するステップ(ブロック1012)が、微細運動制御であり、工作機械112を処理位置132の上に(例えば、整列するように)移動させるために、エンドエフェクタ102を配置した後で実行され、工具ドライブ126を使用して実行される。1以上の実施例では、処理軸Apを配置するステップ(ブロック1012)が、微細運動制御であり、工作機械112を処理位置132の上に移動させるために、エンドエフェクタ102のグロス配置の後で実行され、ロボットマニピュレータ104を使用して実行される。
【0087】
[00105] 1以上の実施例では、方法1000が、ファスナ180の種類、スタイル、又は構成などの、ファスナ180を特定するステップを含む。1以上の実施例では、ファスナの特定が、視覚システム194のうちの1以上を使用して実行される。1以上の実施例では、視覚システム194のうちの1以上が、ファスナ180の種類と同期するか又はファスナ180の種類を特定するように構成されている。1以上の実施例では、視覚システム194のうちの1以上が、ファスナ180のうちの特定されたものを、ファスナ180の潜在的なもののカタログと比較するように構成されている。1以上の実施例では、視覚システム194のうちの1以上が、ファスナ180がファスナ孔内に位置付けられているか又はファスナ孔が空であるかを判定するように構成されている。1以上の実施例では、視覚システム194のうちの1以上が、ファスナ180の直径を特定するように構成されている。視覚システム194のうちの1以上によって特定され得るファスナ180の種類の例には、非限定的に、コインスロットファスナ、オープンホール、六角リセスhi-locファスナ、ラッシュファスナ、Jo-bolt、Eddie-Bolt(登録商標)、又はOSI-Bolt(登録商標)ファスナなどが含まれる。
【0088】
[00106] 1以上の実施例では、方法1000が、工作機械112内に装填された工具ビット136が処理動作のために正しい(例えば、ファスナ180を取り外すための正しいドライバビット又は孔178を穿つための正しいドリルビット)ことを確認するために、工具ビット136をチェックするステップを含む。
【0089】
[00107] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ102を配置するステップ(ブロック1002)が、ロボットマニピュレータ104を使用してエンドエフェクタ102を移動させるステップを含む。それによって、工作機械112は、概して、処理位置132(例えば、ファスナ位置又は穿孔位置)の上にある。一実施例として、エンドエフェクタ102は、開口部216の中心が処理位置132の中心線と略整列するように配置される。概して、処理軸Apは、開口部216の中心と整列し又は一致する。別の一実施例として、エンドエフェクタ102は、エンドエフェクタ真空クランプ118がワークピース114の表面116と接触するように配置される。
【0090】
[00108] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ102をワークピース114に結合するステップ(ブロック1004)、例えば、エンドエフェクタ102を真空クランプするステップ(例えば、ブロック1010)は、エンドエフェクタ102を配置するステップ(ブロック1002)の後で実行される。これらの実施例では、処理軸Apを配置するステップ(ブロック1014)が、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に結合するステップ(ブロック1004)の後で実行され、微細運動制御のためのX軸ドライブ196及び/又はY軸ドライブ198などの工具ドライブ126を使用して実行される。これらの実施例では、工作機械112が、Z軸ドライブ200などの工具ドライブ126によって送り軸に沿って延伸する。それによって、工具ビット136は、ワークピース114を処理する(例えば、孔178を穿つ又はファスナ180を取り外す)ステップ(ブロック1006)のためにワークピース114に係合する。
【0091】
[00109] 幾つかの実施例では、工具ドライブ126が、X軸ドライブ196及びY軸ドライブ198などの微細運動制御ドライブを含まないかもしれない。それは、システム100及び/又はエンドエフェクタ102についての重量又はサイズ制限による。これらの実施例では、処理軸Apを配置するステップ(ブロック1014)が、エンドエフェクタ102を配置するステップ(ブロック1002)の後で、且つ、エンドエフェクタ102をワークピース114に結合するステップ(ブロック1004)の前に実行される。これらの実施例では、工作機械112が、Z軸ドライブ200などの工具ドライブ126によって送り軸に沿って延伸する。それによって、工具ビット136は、ワークピース114を処理する(例えば、ファスナ180を取り外す)ステップ(ブロック1006)のためにワークピース114に係合する。一実施例として、工作機械112は、工具ビット136がファスナ180の頭部に接触するまで軽い力で延伸する。これらの実施例では、駆動センサ202(例えば、力センサ206)のうちの1以上が、接触が生じたことを示してよい。工作機械112は、次いで、工具ビット136がファスナ180の頭部に上手く係合するまで低トルクで工具ビット136をゆっくりと回転させる。一実施例として、駆動センサ202のうちの1以上は、回転が停止するとき、トルクが増加するとき、及び/又は送り軸に沿った前方への延伸を、上手く係合したことの兆候として検出する。回転が停止することなしに継続する場合、駆動センサ202のうちの1以上は、ねじ山の剥離やファスナの頭部の損傷などの問題を示し得る。それは、オペレータによって対処されることになる。これらの実施例では、エンドエフェクタ102をワークピース114に結合するステップ(ブロック1004)、例えば、エンドエフェクタ102を真空クランプするステップ(ブロック1010)は、工具ビット136とファスナ180が上手く係合した後で実行される。
【0092】
[00110] 1以上の実施例では、エンドエフェクタ102をワークピース114の表面116に真空クランプするステップ(ブロック1010)が、真空パッド190や吸引カップ186などのエンドエフェクタ真空グリッパ122を表面116に係合させることを含む。エンドエフェクタ真空グリッパ122の圧縮中に、エンドエフェクタ102は、エンドエフェクタ真空グリッパ122の構成に応じて、例えば略10mmから20mmだけ表面116に向かって移動する。工具ドライブ126(Z軸ドライブ200の可変力実施態様など)は、送り軸に沿った工作機械112の延伸を可能にし、エンドエフェクタ真空グリッパ122の圧縮に対応するために、低力モードに設定される。
【0093】
[00111] 1以上の実施例では、方法1000が真空をチェックするステップを含む。真空は、処理力Fpに対して反作用するのに十分な真空を確保するために、エンドエフェクタ真空センサ208を使用してチェックされる。1以上の実施例では、真空をチェックするステップが、ワークピース114を処理するステップ(ブロック1006)の全体を通して定期的に又は継続的に行われる。
【0094】
[00112] ワークピース114を処理するステップ(ブロック1006)が、ファスナ180を取り外している1以上の実施例では、ファスナ180の取り外し中に、スピンドル134への推力が増加し、その推力は駆動センサ202のうちの1以上(例えば、力センサ206)を使用してモニタされる。増加した推力を加えながら、工作機械112はファスナ180を回転させ、トルク及び力をモニタする。送り軸に沿った工作機械112の関連付けられた後退なしに工具ビット136が回転するとき(それは、工具ビット136の離脱又はファスナ180の頭部が損傷したことを示し得る)などに、取り外し中にエラーが生じたかどうかを判定するためのプロセス中にフィードバックが提供される。工具ビット136がファスナ180の継続的な移動なしに回転するときなどに、ファスナ180がワークピース114から完全に離脱した(例えば、螺合していない)ときを特定するためのプロセス中にも、フィードバックは提供される。ファスナ180が、ファスナ180の過剰なトルク、衝撃、及び軸方向移動なしに容易に回転するときに、取り外しは完了し、工作機械112は、開始ポジション又は高クリアランスポジションまで後退する。1以上の実施例では、ファスナ180がワークピース114から完全に離脱すると、把持器210が、ファスナ180に係合し、孔から緩んだ場合のファスナ180を引き出し、抽出装置138による除去のためにファスナ180を配置する。
【0095】
[00113] したがって、本明細書で開示されるシステム100、エンドエフェクタ102、及び方法1000は、協働ロボット取り付け技術における改善、コロボットを様々な表面に取り付けるための複数の技法、エンドエフェクタ自動クランプアップ技術における改善、複雑な湾曲又は他の形状寸法を受容する独特な真空グリッパ、軽量な協働ロボットが大きな産業ロボットによって従来行われている複数の動作を実行することを可能にする構造物に対するプロセス力への反作用、マイクロポジショニングアクチュエータ、穿孔、カウンターシンク、及びファスナ取り外しのエンドエフェクタの小型化、孔/ファスナの特定、孔の位置を特定してエンドエフェクタを微調整するための視覚システムの使用、並びに自動走査及び計画のユーザインターフェース及びソフトウェアソリューションを提供する。
【0096】
[00114] 1以上の実施例では、システム100及び方法1000が、通常手作業で又は大きな自動システムで行われている作業を、小型で携帯可能な協働ロボットシステムで置き換える。システム100及び方法1000は、自動化することが困難な多段階ファスナ取り外しプロセスを完了することができる。システム100は、ロボットマニピュレータ104からのクイックチェンジインターフェース、既存のファスナ位置を見つける能力、ファスナの種類を特定する能力、特別なコインスロットファスナと整列し、ドライバビットに係合する能力、処理(例えば、ファスナの取り外し又は穿孔)プロセスの力又はトルクに反作用するために、エンドエフェクタ102をワークピース114に保持するための真空の使用、ファスナを解放し、ファスナを孔から引き出し、完了時にファスナを除去/処分するためのインパクトドライバの使用を含む。
【0097】
[00115] 1以上の実施例では、カート166が、システム100の全体(例えば、電気構成要素、ロボット、複数のエンドエフェクタ、支持装置、及び必要な安全システム)を支持し、製造環境の周りで人員がカート166を様々な作業現場まで移動させることができる。システム100は、カート166に載せて作業を行うことができるか、又は、ワークピース114に対する吸引と、ロボットマニピュレータ104をより大きなワークピース114の表面116上に取り付けることとを可能する、真空クランプツーリング(例えば、エンドエフェクタ真空グリッパ122及びベース真空グリッパ148)を有する。ロボットマニピュレータ104が、作業が行われる処理位置の近傍のポジションにあると、システム100は、ワークピース114ならびにロボットマニピュレータ104の届く範囲内の全ての処理位置132に対してエンドエフェクタ102を位置付けるために、視覚システム194のうちの1以上を利用する。システム100は、どのファスナ180が取り外される必要があるかを特定し、ならびにファスナの種類に基づいて取り外しプロセスを決定し得る。エンドエフェクタ102が、処理位置132(例えば、取り外されるファスナ180)の上に配置されているときに、ロボットマニピュレータ104は、エンドエフェクタ102を処理位置132の上でセンタリングし、エンドエフェクタ真空グリッパ122の独特な実施態様を用いて減圧し、処理位置132(例えば、ファスナ頭部のスロット)を見つけ、工具ビット136を処理位置132に整列させ、大きな力でファスナ180上にクランプダウンし、ファスナ180をハンマーアウトするインパクトドライバを係合させ、ドライバビットの回転を止めるときを特定し、把持器210(例えば、取り外しフィンガ)でファスナを把持し、硬化シーラントを有するファスナ180を孔から引き出し、抽出装置138の真空システムを延伸させ、ファスナ180を解放し、ファスナ180をワークピース114から離れるように真空で引っ張り、ファスナ180が抽出装置138の真空システムを通過したことを検出する。
【0098】
[00116] 本開示はまた、システム100若しくはエンドエフェクタ102を使用して、又は方法1000に従って、製造、機械加工、又はさもなければ処理されるワークピース114の複数の実施例も対象とする。本開示はまた、システム100若しくはエンドエフェクタ102を使用して、又は方法1000に従って、製造、機械加工、又はさもなければ処理される主翼1220などの、航空機1200(
図19)の一部分の複数の実施例も対象とする。
【0099】
[00117] 次に
図18及び
図19を参照すると、本明細書で説明されるシステム100、エンドエフェクタ102、及び方法1000の複数の実施例が、
図18のフロー図で示されているような航空機の製造及び保守方法1100、並びに
図19で概略的に示されているような航空機1200に関連してよく、又はそれらの文脈で使用されてよい。例えば、航空機1200並びに/又は航空機の製造及び保守方法1100は、システム100又はエンドエフェクタ102を使用して、並びに/又は方法1000に従って製造、機械加工、若しくはさもなければ処理された、胴体1218、主翼1220、尾部1224、水平安定板1228、垂直安定板1226などのワークピース114(
図1~
図4、
図7、
図8、
図13、
図14、及び
図16)を含んでよい。
【0100】
[00118]
図19を参照すると、それは航空機1200の複数の実施例を示している。航空機1200は、内装1206を有する機体1202を含む。航空機1200は、複数の搭載型システム1204(例えば、高レベルのシステム)を含む。航空機1200の搭載型システム1204の複数の例には、推進システム1208、液圧システム1212、電気システム1210、環境システム1214、及び/又は通信システム1216が含まれる。他の複数の例では、搭載型システム1204がまた、例えば、フラップ、スポイラー、エルロン、スラット、ラダー、エレベータ、及びトリムタブなどの、航空機1200の機体1202に結合された1以上の制御システムも含む。更に他の複数の例では、搭載型システム1204がまた、非限定的に、通信システム、アビオニクスシステム、ソフトウェア配布システム、ネットワーク通信システム、乗客情報/娯楽システム、誘導システム、レーダーシステム、武器システムなどの、1以上の他のシステムも含む。
【0101】
[00119]
図18を参照すると、航空機1200の製造開始前の段階では、航空機の製造及び保守方法1100が、航空機の仕様及び設計1200(ブロック1102)並びに材料の調達(ブロック1104)を含む。航空機1200の製造段階では、航空機1200の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)並びにシステムインテグレーション(ブロック1108)が行われる。その後、航空機1200は、認可及び納品(ブロック1110)を経て、運航(ブロック1112)に供される。定期的な整備及び保守(ブロック1114)が、航空機1200の1以上のシステムの改変、再構成、改修などを含む。
【0102】
[00120]
図18で示されている方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されてよい。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでよいがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでよいがそれらに限定されず、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0103】
[00121] 本明細書で示され、説明されるシステム100、エンドエフェクタ102、及び方法1000は、
図18で示されているフロー図で示される航空機の製造及び保守方法1100の1以上の任意の段階中に採用されてよい。一実施例では、システム100、エンドエフェクタ102を使用して、又は方法1000に従って、製造、機械加工、又は処理された航空機1200の一部分(例えば、ワークピース114)が、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)並びに/又はシステムインテグレーション(ブロック1108)の一部分を形成してよい。更に、システム100、エンドエフェクタ102を使用して、及び/又は方法1000に従って、製造、機械加工、若しくは処理された航空機1200の一部分(例えば、ワークピース114)は、航空機1200の運航中(ブロック1112)に準備される構成要素又はサブアセンブリと同様なやり方で実装されてよい。また、システム100、エンドエフェクタ102を使用して、及び/又は方法1000に従って、製造、機械加工、若しくは処理された航空機1200の一部分(例えば、ワークピース114)は、システムインテグレーション(ブロック1108)並びに認可及び納品(ブロック1110)の最中に利用されてよい。同様に、システム100、エンドエフェクタ102を使用して、及び/又は方法1000に従って、製造、機械加工、若しくは処理された航空機1200の一部分(例えば、ワークピース114)は、例えば、非限定的に、航空機1200の運航中(ブロック1112)並びに整備及び保守中(ブロック1114)に利用されてよい。
【0104】
[00122] 先の詳細な記載は、添付の図面に言及している。添付の図面は、本開示によって記載される具体的な実施例を示す。様々な構造及び工程を有する他の実施例は、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号は、様々な図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表しうる。本開示を通じて、複数のアイテムのうちのいずれも、そのアイテムとして個別に称することができ、複数のアイテムは総称的にアイテム(複数)として称することができ、同様の参照符号によって表され得る。更に、本明細書では、「1つの(「a」又は「an」)」という用語の後に続く特徴、要素、構成要素、又はステップは、それを除外すると明示的に記載しない限り、複数の特徴、要素、構成要素又はステップを除外しないものと理解されたい。
【0105】
[00123] 本開示に係る発明の主題の例示的で非網羅的な実施例が特許請求されうるが、必ずしも特許請求されるわけではない。本明細書における「実施例(example)」への言及は、例と関連付けて説明している1以上の特徴、構造物、要素、構成要素、特性、及び/又は動作ステップが、本開示による主題の少なくとも1つの態様、実施形態、及び/又は実行形態に含まれることを意味する。したがって、本開示全体にわたって使用される「一実施例」、「別の一実施例」、「1以上の実施例」という表現、及び同様の文言は、同一の実施例を指していることもあるが、必ずしもそうではないこともある。更に、例のいずれか1つを特徴付ける主題は、他の例のいずれかを特徴付ける主題を含み得るが、必ず含むわけではない。更に、例のいずれか1つを特徴付ける主題は、他の例のいずれかを特徴付ける主題と組み合わされ得るが、必ず組み合わされるわけではない。
【0106】
[00124] 本明細書において、特定の機能を実行する「~よう構成された(configured to)」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素又はハードウェアは、実際には、さらなる改変後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというより、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。換言すれば、特定の機能を実行するように「構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、その特定の機能を実行することを目的に特に選択され、作成され、実装され、利用され、プログラムされ、且つ/又は設計されている。本明細書で使用される場合、「~するように構成された」とは、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアがさらなる修正なしに特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアの既存の特性を指す。本開示の場合、特定の機能を実行するように「構成されている」と記述されているシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行するように「適合されている」及び/又は「動作する」と記述され得る。
【0107】
[00125] 別様に示されていない限り、「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」等の用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が指しているアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図されていない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、又はより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、又はより大きな数が振られたアイテムの存在を必要とすることも、排除することもない。
【0108】
[00126] 本明細書で使用される際に、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」には、「アイテムA」、又は「アイテムA及びアイテムB」が含まれうるが、これらに限定されない。本例は、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、又は、アイテムB及びアイテムCも含みうる。他の例において、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB、及び7個のアイテムC」、及び、他の好適な組み合わせでありうるが、これらに限定されない。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という表現及び「/」という印は、関連して列挙された1つ以上のアイテムの任意の組み合わせ及びあらゆる組み合わせを含む。
【0109】
[00127] 本開示の場合、用語「結合された(coupled)」、「結合(coupling)」、及び類似の用語は、互いに結合、連結、締結、装着、接続、通信され、さもなければ(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁気的に)関連付けられている2つ以上の要素を指す。様々な例において、これらの要素は、直接的に関連付けられていても、間接的に関連付けられていてもよい。一実施例として、要素Aは、要素Bと直接的に結合されてよい。別の一実施例として、要素Aは、例えば別の要素Cを介して要素Bと間接的に結合されてよい。本開示の様々な要素の間の全ての結合が、必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。したがって、図に示されたもの以外の結合も存在し得る。
【0110】
[00128] 本明細書では、「略(approximately)」という用語が、所望の機能を依然として実行し又は所望の結果を実現する規定の状態に近いが、厳密にそうではない状態を指し又は表す。一例として、「略」という用語は、規定の状態の10%の範囲内にある状態など、許容可能な所定の公差又は精度の範囲内にある状態を指している。しかしながら、「略」という用語は、厳密に、規定の状態である状態を除外しない。本明細書では、「実質的に(substantially)」という用語は、基本的に、所望の機能を実行する又は所望の結果を実現する規定の状態である状態を指している。
【0111】
[00129] 上で参照された
図1~
図16及び
図19は、機能的要素、特徴、又はその構成要素を表すことができ、必ずしも任意の特定の構造を示唆するわけではない。したがって、例示された構成に修正、追加、及び/又は省略がなされ得る。更に、当業者には、上で参照された
図1~
図11及び
図14で説明され、示された全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が、全ての実施例に含まれる必要がなく、本明細書に記載される全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が、必ずしも各例示的な実施例に示されないことが分かるであろう。したがって、
図1~
図16及び
図19で説明され、示される要素、特徴、及び/又は構成要素のうちの幾つかは、
図1~
図16及び
図19、他の図面、並びに/又は付随する開示で説明され、示された他の特徴を含むことを必要とせずに、様々なやり方で組み合わせることができるが、このような組み合わせは、本明細書では明示的に示されていない。同様に、提示される実施例に限定されない追加の特徴が、本明細書で図示され記載される特徴の一部又は全てと組み合わせられ得る。別途明示的に記載されない限り、上述の
図1~
図16及び
図19に記載された実施例の概略図は、例示的な実施例に関する構造的制限を示唆することを意図していない。むしろ、ある例示的な構造体が示されていても、適当な場合には、その構造体を改変し得ることを理解されたい。したがって、例示された構成に修正、追加、及び/又は省略がなされ得る。更に、同様の、又は少なくとも実質的に同様の目的に適う要素、特徴、及び/又は構成要素には、
図1~
図16及び
図19のそれぞれにおいて同様の符号が付され、このような要素、特徴、及び/又は構成要素については、
図1~
図16及び
図19のそれぞれを参照する際に本明細書において詳細が述べられないこともある。同様に、全ての要素、特徴、及び/又は構成要素には、
図1~
図16及び
図19のそれぞれにおいて符号が付されるわけではないが、本明細書ではそれらに関連する参照符号が一貫して使用され得る。
【0112】
[00130] 上で参照された
図17及び
図18では、複数のブロックが、動作、ステップ、及び/又はその部分を表わすことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、動作又はその部分の任意の特定の順序又は従属関係を示唆するものではない。開示される様々な工程間の全ての依存関係が必ずしも表されているわけではないことを理解されたい。本明細書に提示された開示方法の工程を説明する
図17及び
図18、並びに付随する開示は、必ずしも工程を実行するべき順序を決定付けていると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されていても、必要に応じて、動作のシーケンスを変更してよいと理解されたい。したがって、例示された動作に修正、追加、及び/又は省略がなされてもよく、特定の動作は、異なる順序で、又は同時に実行されてもよい。加えて、当業者は、記載されている全ての動作を実行する必要がないことが分かるであろう。
【0113】
[00131] 更に、本明細書全体を通して、本明細書で使用される特徴、利点又は類似の言い回しへの言及は、本明細書に開示の例で実現されうる特徴及び利点の全てが任意の単一の例であるべきか又は任意の単一の例であることを暗に意味するものではない。むしろ、特徴及び利点に言及する言い回しは、一例に関連して説明された特定の特徴、利点又は特性が、少なくとも1つの例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体を通して使用される特徴、利点、及び類似の言い回しの議論は、必ずしもそうではないが、同じ例を指すことがある。
【0114】
[00132] 一実施例の説明される特徴、利点、及び特性は、1以上のその他の実施例において、任意の好適な様態で組み合わされ得る。当業者には、本明細書で説明される実施例が、特定の例の具体的な特徴又は利点のうちの1以上がなくとも実践され得ることが認識されよう。他の事例では、全ての例に存在するわけではない更なる特徴及び利点が、ある種の例において認識され得る。更に、システム100、エンドエフェクタ102、及び方法1000の様々な実施例が示され、説明されたが、当業者であれは、本明細書を読むことで変形例に想到するであろう。本出願は、このような変形例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【外国語明細書】