(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008890
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ペレタイザー
(51)【国際特許分類】
B29B 9/06 20060101AFI20240112BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B29B9/06
B26D7/26
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110246
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】10 2022 117 002.0
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】515267482
【氏名又は名称】マーグ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ブシュホルツ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】エロオ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】スラドキー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルテル,ユルゲン
【テーマコード(参考)】
3C021
4F201
【Fターム(参考)】
3C021JA02
3C021JA09
4F201AJ08
4F201BA02
4F201BC02
4F201BC13
4F201BL08
4F201BL11
4F201BL21
4F201BL22
4F201BL25
4F201BL28
4F201BL36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトな設計を犠牲にする必要なく、または特別に設計された主駆動部を要求することなく、カッターヘッドにおける剛性でエネルギー効率の高い軸方向の調節を達成する、ペレタイザーを提供する。
【解決手段】ダイヘッドからの材料ストランド出力をペレットに分割するための回転駆動可能なカッターヘッドであって、駆動軸を介して駆動モータに駆動するように接続されたカッターヘッドと、回転軸の方向に、ダイヘッドに対してカッターヘッドを軸方向に調節するための送り装置とを有するペレタイザーであり、送り装置のスピンドル駆動段のスピンドル要素は、駆動モータとカッターヘッドとの間の回転する駆動軸に軸方向に強固に据え付けられたスピンドルスリーブとして構成されており、上述の駆動軸は、軸方向に固定されかつ回転不能であるように、カッターヘッドに接続され、スピンドルスリーブの軸方向の動きをカッターヘッドに伝達する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイプレート(3)からの材料ストランド出力をペレットに分割するための回転駆動可能なカッターヘッド(2)であって、駆動軸(4)を介して駆動モータ(5)に駆動するように接続されたカッターヘッド(2)と、前記カッターヘッドの回転軸(12)の方向に、前記カッターヘッド(2)を前記ダイヘッド(3)に対して軸方向に調節するための送り装置(6)であって、スピンドル駆動段(7)を含み、前記スピンドル駆動段のチューブナット(8)が、ギア段(11)を介してサーボモータ(10)によって回転可能に調節可能であり、前記チューブナット(8)にギア方式で動作可能に接続されたスピンドル要素(9)が、軸方向に調節可能になっている送り装置(6)とを備え、
前記スピンドル要素(9)は、前記駆動モータ(5)と前記カッターヘッド(2)との間において、軸方向に固定されるように、回転する前記駆動軸(4)に取り付けられたスピンドルスリーブとして構成されており、
前記駆動軸は、軸方向に固定されかつ回転不能であるように、前記カッターヘッド(5)に接続されており、前記スピンドルスリーブの軸方向の動きを前記カッターヘッド(2)に伝達する、ペレタイザー。
【請求項2】
前記チューブナット(8)は、筐体組立体および/またはシャーシ組立体(13)に回転可能だが軸方向に固定して取り付けられ、前記スピンドル要素(9)は、前記筐体組立体および/またはシャーシ組立体(13)に軸方向に調節可能だが回転不能に取り付けられ、前記駆動軸(4)は、前記スピンドル要素(9)に軸方向に固定されるが回転可能に保持されている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項3】
前記チューブナット(8)を回転可能に軸方向に固定して取り付けるための軸受組立体(16)は、前記駆動軸(4)に前記スピンドル要素(15)を軸方向に固定して回転可能に取り付けるための軸受組立体(15)から、および/または、前記スピンドル要素を回転不能に軸方向に調節可能に取り付けるための軸受組立体(17)から、前記カッターヘッドの回転軸(12)の方向に、軸方向に離間している、請求項1または2に記載のペレタイザー。
【請求項4】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)の回転の動きを前記スピンドル要素(9)の軸方向の動きに変換するために、遊星ねじロール(14)が前記チューブナット(8)と前記スピンドル要素(9)との間に設けられた、遊星ねじ駆動部として構成されている、請求項1~3のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項5】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)の回転の動きを前記スピンドル要素(9)の軸方向の動きに変換するために、ボールが前記チューブナット(8)と前記スピンドル要素(9)との間に設けられた、ボールねじ駆動部として構成されている、請求項1~3のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項6】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)に設けられた内部ねじ部が前記スピンドル要素(9)の外部ねじ部と噛み合う、ねじ係合駆動部として構成されている、請求項1~3のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項7】
前記サーボモータ(10)と前記チューブナット(8)との間の前記ギア段(11)は、チェーン段またはベルト段(18)、特に歯付きベルト段を含む、請求項1~6のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項8】
前記チェーン段またはベルト段(18)は、前記チューブナット(8)の端面において前記チューブナット(15)に回転不能に接続された駆動ピニオン(19)を有する、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項9】
さらなるギア段(20)は、前記チェーン段またはベルト段(18)と前記サーボモータ(10)との間に設けられており、好ましくは前記サーボモータ(10)に組み込まれている、前述の2つの請求項のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項10】
前記サーボモータ(10)と前記チューブナット(8)との間の前記ギア段(11)は、前記サーボモータ(10)から前記チューブナット(8)に回転トルクおよび駆動運動を伝達するための非接触動作磁気ギア段および/またはクラッチ段を含む、請求項1~6のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項11】
前記磁気ギア段および/または前記クラッチ段は、電気力学的に渦電流で動作するように構成されている、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項12】
前記サーボモータ(10)は、前記駆動軸(4)から横方向にオフセットして配置されている、および/または、そのサーボモータの軸が前記駆動軸(4)と平行になるようにアライメントされている、請求項1~11のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項13】
固定ブレーキ(21)は、前記チューブナット(8)を回転方向にロックするため、および/または前記スピンドル要素(9)を軸方向にロックするために設けられている、請求項1~12のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項14】
前記固定ブレーキ(21)は、前記サーボモータ(10)をロックするように構成されている、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項15】
軸方向に調節可能で回転駆動可能な前記駆動軸(4)、および/またはそれに接続されたカッターヘッドレセプタクルは、前記カッターヘッド(2)を受け入れる切断室(23)を囲む切断室筐体(22)において、軸方向に変位可能で回転可能に取り付けられている、請求項1~14のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項16】
一方では前記切断室筐体(22)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間の軸受組立体(24)は、前記切断室筐体(22)において前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)を径方向に支持している、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項17】
封止組立体(25)は、一方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)と他方では前記切断室筐体(22)との間の領域において前記切断室(23)を封止するために、一方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)と他方では前記切断室筐体(22)との間に設けられており、前記封止組立体(25)は、前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)の軸方向の動きおよび回転の動きを可能にするように構成されている、前述の2つの請求項のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項18】
ガイドブッシュ(26)は、一方では前記切断室筐体(22)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間に設けられており、その上において、前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)が、転がり軸受および/またはすべり軸受の形態の少なくとも1つのラジアル軸受(27)によって径方向に支持されており、前記ガイドブッシュ(26)は、前記切断室筐体(22)において軸方向に調節可能に導かれ、特にすべり軸受(28)によって軸方向に調節可能に取り付けられ、特に封止リングの形態の少なくとも1つの封止部(29)によって前記切断室筐体(22)に対して封止されている、請求項1~17のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項19】
摺動リング封止部(30)は、一方では前記ガイドブッシュ(26)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間に設けられている、前述の2つの請求項のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項20】
前記摺動リング封止部(30)は、前記駆動軸(4)に回転不能に接続された前記カッターヘッドレセプタクルに取り付けられている、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項21】
前記送り装置(6)は、少なくとも1つの処理パラメータおよび/または1つのシステムパラメータに従って前記サーボモータ(10)を制御するための制御装置(40)を含む、請求項1~20のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項22】
前記制御装置(40)は、前記ダイプレート(3)に対する前記カッターヘッド(2)の位置を前記少なくとも1つの処理パラメータおよび/または1つのシステムパラメータに従って自動的に調節する、特に、自動的に前記ダイプレート(3)上に移動させるか、または前記ダイ本体(3)から離れるように移動させる自動モードを有する、前述の請求項に記載のペレタイザー。
【請求項23】
検出装置は、前記カッターヘッド(2)および/または前記ダイプレート(3)における摩耗の兆候を検出するために設けられており、前記制御装置(40)は、摩耗の前記検出装置からの信号に従って、検出された前記摩耗の兆候に前記カッターヘッドの位置を適合させるために、特にカッターの摩耗の際に前記カッターヘッド(2)をさらに前進させるために、前記サーボモータ(10)を制御するように構成されている、前述の2つの請求項のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項24】
前記制御装置(40)は、前記ダイプレート(3)に対する前記カッターヘッド(2)の送り力を設定するための設定手段を有し、前記設定手段は、ペレット化される前記材料のレシピを特徴づける手動入力および/またはセンサ感知されたレシピ信号に従って、前記レシピに合致する前記送り力を設定するように前記サーボモータ(10)を制御する自動モードを有する、請求項1~23のいずれかに記載のペレタイザー。
【請求項25】
前記制御装置(40)は、前記駆動モータ(5)の回転トルク、前記サーボモータ(10)の回転トルク、送込み速度および/または移動/時間における送込みであるパラメータの少なくとも1つに従って、前記サーボモータ(10)を駆動することによって、前記カッターヘッド(2)の送りを自動的に制御するように構成されている、請求項1~24のいずれかに記載のペレタイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヘッドからの材料ストランド出力をペレットに分割するための回転駆動可能なカッターヘッドであって、駆動軸(駆動シャフト)を介して駆動モータに駆動するように接続されたカッターヘッドと、カッターヘッドの回転軸の方向に、ダイヘッドに対してカッターヘッドを軸方向に調節するための送り装置とを有するペレタイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
そうしたペレタイザーは、例えばプラスチックをペレット化するための種々の設計で知られており、それにおいて、ダイプレートのノズル形状孔または貫通孔から出力されるポリマー材料の溶解ストランドがカッターヘッドのブレードによって切り落とされてペレット化され、それらが、回転するカッターヘッドによってダイプレートを過ぎて運び去られる。ペレタイザーは湿式で動作することができるが、水中ペレタイザーにおいて、例えば、切断したペレットが付着および固形化することを防いで、それらを切断室から輸送するために、処理水または処理液を流す切断室内で、カッターヘッドを走らせる。ウォーターリングペレタイザーも湿式で動作するが、ブレードは水浴内で走らないものの、周囲部において、通過して流れる水の環状流によって取り囲まれ、それが、切断したペレットを引き寄せて輸送し、凝固を導く処理において冷却する。回転するブレードは、ダイプレートからの乾燥した溶解ストランド出力を前側で切り離し、なお熱い溶融ペレットを回転するウォーターリングに排出する。水中ペレタイザー(アンダーウォーターペレタイザー)の場合のように、水は、可能であるものの、必ずしも処理液として使用される必要はないが、他の液体または混合物または添加剤を含む水も使用することができる。
【0003】
一方で、そうしたペレタイザーはまた、乾式で動作することができ、それにおいて、例えばエアまたは冷却エアペレタイザーの場合、ホットダイプレートは乾燥しており、ここでも、回転するブレードがダイプレートに沿って走って、チャネル口部からの溶解ストランド出力を切り落とすことができる。熱い状態で切り落とされたペレットは前方へと輸送され、エア流によって冷却されるが、水と比較してエアの熱伝導性がより低いため、これはより長くかかる。
【0004】
溶解ストランドを出力するダイプレートは、必ずしも平坦なプレートの形態である必要はなく、テーパー状または湾曲した外形も有することができるものの、プレート形状のダイプレートは多くの用途に有利である。これとは無関係に、ペレタイザーは、必ずしもプラスチック溶解物を粒状化する必要はなく、他のペースト状材料ストランドをペレット化、例えば食物分野における、または医薬有効成分のペースト状塊にすることもできる。
【0005】
ペレット化処理において、ダイプレートに対するカッターヘッドの軸方向の位置がいくつかの理由で重要である。典型的に、ブレードは、所定の設定の力でダイプレートの切断面に対して押し付けられるか、または締め付けて、ブレードが切断面にわたって精度良くこすり落とす必要がある。例えばブレードの設定角度に応じて変わり得る、切断時に生じる復元力は、吸収される必要がある。
【0006】
例えばペレット化する様々な材料の適用に応じて、または様々なカッターヘッドもしくはブレードの使用に応じて、軸方向の位置および/または送り力を変化させ、それぞれの適用または使用するカッターヘッドに適合させる必要があり得る。また、ブレードが摩耗すると、摩耗のためにカッターヘッドを再調節することが必要となる。
【0007】
回転軸方向におけるダイプレートに対するカッターヘッドの軸方向の調節は、種々の方法でなされ得る。例えば、ダイプレートの切断面に対してカッターヘッドを駆動する機械式または液圧式または空気圧式ばね装置を使用することが知られており、それにおいて、例えば、カッターヘッドは、スプラインを入れた軸形状を介して、または同様の軸方向に調節可能なトルク伝達接続を介して、軸方向に調節可能に駆動軸に据え付けられ、上述の駆動軸は、例えばばね付勢運動ロッドをカッターヘッドに対して押し付けるために中空であり得る(例えば独国特許発明第19647396号または独国実用新案第29624638号参照)。
【0008】
一方で、カッターヘッドの軸方向の調節がモータ駆動でなされ得ることも知られている。例えば、欧州特許出願公開第2067591号は水中ペレタイザーを示し、その駆動軸が、ピニオンによって調節可能なラックに接続された軸方向に調節可能な軸受に取り付けられている。上述のピニオンは、空気圧式シリンダーによってギア段を介して駆動される。上述の特許文献は、静止状態で空気圧式駆動部からの保持トルクの揺らぎの低下を保証しているが、空気圧式シリンダーによって、特に、カッターヘッドを十分に固く固定するために必要な高圧で動作させるときに、かなり高い効率損失が生じる。さらに、作動力は、ラックおよびピニオン形状を介して一方側に導入され、軸受配列にストレスをもたらして、剛性および効率の損失につながる。
【0009】
特許文献の欧州特許第1286811号より、さらに既知のペレタイザーが存在し、そのカッターヘッドはサーボモータによって軸方向に調節可能である。サーボモータはウォームギア段を介してねじ付きスリーブを回転駆動し、その回転の動きにより、それと螺合するねじ付きスピンドルを軸方向に調節する。ねじ付きスピンドルの軸方向の動きは、駆動軸が軸方向に固定されて回転可能に取り付けられた軸受スリーブに、クロスボルトを介して、伝達される。しかしながら、上述のクロスボルトのため、作動力がもっぱら駆動軸の軸受スリーブに選択的かつ偏心して加えられ、これもまた、軸受ストレスと剛性および効率の損失とをもたらす。さらに、スピンドル駆動段および関連するウォームギア段が偏心して横方向に離間して配置されるため、サーボモータと軸受スリーブと間のドライブトレインが大きくなり、複数のギア段の設計によって保証されたセルフロック効果が犠牲となることになる。
【0010】
さらに、水中ペレタイザーが特許文献の欧州特許第2442954号から知られており、これもカッターヘッドをモータ駆動方式で調節する。可変容量モータは、主駆動軸に隣接して横方向に離れて配置され、ベルトを介してスピンドル駆動段を駆動する。スピンドル駆動段は、主駆動軸と同軸で配置され、中空の主駆動軸を介してカッターヘッドに作用可能な運動ロッドを軸方向に調節することができる。この場合、主駆動モータの後側、すなわちカッターヘッドから離れて面する側にスピンドル駆動段を配置し、これを運動ロッドに接続できるようにするために、上述の運動ロッドが主駆動モータを通過する。このため、両端面にわたる中空の駆動軸を有する特別な構成の主駆動モータが必要となり、また軸方向に非常に長い構造となる。
【発明の概要】
【0011】
これに基づいて、上述の種類の改良型ペレタイザーを提供して、先行技術の不利点を回避し、後者を有利な様式で発展させることが、本発明の目的である。特に、この目的のためにコンパクトな設計を犠牲にする必要なく、または特別に設計された主駆動部を要求することなく、カッターヘッドにおける剛性でエネルギー効率の高い軸方向の調節を達成することが目的である。
【0012】
本発明において、上述の課題は、請求項1に記載のペレタイザーによって解決される。本発明の好ましい実施形態は、従属項の記載事項である。
【0013】
したがって、主駆動モータとカッターヘッドとの間において、カッターヘッドの軸方向の調節のために駆動軸に直接スピンドル駆動段を配置して、回転する駆動軸自体を軸方向に調節することが提案される。これにより、ドライブトレイン全体を通過する運動ロッドの必要がなくなり、主駆動部が中空軸モータである必要がなくなる。本発明において、送り装置のスピンドル駆動段のスピンドル要素は、駆動モータとカッターヘッドとの間の回転する駆動軸に軸方向に強固に据え付けられたスピンドルスリーブとして構成されており、上述の駆動軸は、軸方向に固定されかつ回転不能であるように、カッターヘッドに接続され、スピンドルスリーブの軸方向の動きをカッターヘッドに伝達する。先行技術とは異なり、スピンドル要素の軸方向の位置決めの動きは、偏心スピンドル駆動装置から横ボルトを介して適時で導入されたり、または、主駆動部の後部から別個の移動ロッドを介してカッターヘッドに伝達されたりするのではなく、回転駆動可能な駆動軸に直接伝達されて、良好な力の流れ、ひいては送り装置の高い剛性およびエネルギー効率を得ることができるようになる。同時に、主駆動モータを超えて軸方向にドライブトレインを延長する必要のないコンパクトな設計を実現できる。同時に、主駆動部の特別な構成、特に中空軸モータを省くことができるが、当然のことながら、そのようなモータをなお使用することもできる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態において、これも駆動軸の上方に同軸で据え付けられたスピンドル駆動段の上述のチューブナットは、例えば、駆動モータとカッターヘッドとの間において駆動軸の周りにまたは駆動軸に隣接して設けられ得る筐体組立体および/またはシャーシ組立体に、回転可能だが、軸方向に固定されて取り付けられている。
【0015】
また、スピンドルスリーブとして設計されたスピンドル要素は、上述の筐体組立体および/またはシャーシ組立体に取り付けることもできる。しかしながら、これとは独立して、スピンドル要素は、軸方向に調節可能であるが回転不能であるように取り付けられており、チューブナットの回転の動きがスピンドル要素の軸方向の動きに変換されるようになっている。
【0016】
本発明の有利なさらなる実施形態において、上述のスピンドル要素は、駆動軸に対して軸方向に固定されるが、回転可能に保持されて、駆動軸がスピンドルスリーブの下で離れるように回転できるが、スピンドルスリーブの軸方向の動きに正確に追従するようになる。
【0017】
回転軸に対して横方向に薄く構築するために、本発明の有利なさらなる展開において、一方ではチューブナットのため、他方ではスピンドル要素のための軸受組立体における軸方向にオフセットした配置を提供することができる。特に、チューブナットを回転可能に軸方向に固定して取り付けるための軸受組立体は、径方向に見たときに軸方向にオフセットして、および/または重ならずに、および/または駆動軸においてスピンドル要素を軸方向に固定して回転可能に取り付けるための軸受組立体から離間して、配置することができる。あるいは、またはさらに、軸方向に固定されるようにチューブナットを回転可能に取り付けるための上述の軸受組立体はまた、特に上述の筐体組立体および/またはシャーシ組立体において、軸方向に調節可能であるが回転不能に上述のスピンドル要素を取り付ける軸受組立体から、軸方向にオフセットされ得る、および/または重ならず位置し得る、および/または離間し得る。
【0018】
チューブナットの軸受組立体の上述のオフセットから独立して、一方ではスピンドル要素と駆動軸との間、他方ではスピンドル要素と筐体組立体および/またはシャーシ組立体との間の軸受を、互いに重なり合うように、および/または軸方向にほぼ同じ位置に設けることができる。これにより、スピンドルスリーブを介して駆動軸を径方向に支持することが可能になる。
【0019】
スピンドル駆動段は、基本的に、チューブナットの回転の動きをスピンドル要素の軸方向の動きに変換するために様々な方法で構成することができる。高い作動力でもカッターヘッドを厳密に位置決めしながら、同時にコンパクトな設計を維持するために、スピンドル駆動段は、本発明の有利なさらなる展開において、チューブナットの回転の動きをスピンドル要素の軸方向の動きに変換するためにチューブナットとスピンドル要素との間に設けられる遊星ねじローラによって、遊星ねじ駆動部として構成することができる。
【0020】
あるいは、スピンドル駆動段はまた、本発明の有利なさらなる展開において、チューブナットの回転の動きをスピンドル要素の軸方向の動きに変換するために指定した遊星ねじローラの代わりに、ボールをチューブナットとスピンドル要素との間に設けることができる、ボールねじ駆動部として構成することができる。このようなボールねじ駆動部により、チューブナットが非常に短く構成されることができ、調節速度がより大きくても非常に滑らかに動作して、駆動軸に振動を伝達しないことが可能である。
【0021】
しかしながら、あるいは、スピンドル駆動段はまた、この場合チューブナットとスピンドル要素との間に転がり要素が設けられないが、代わりにチューブナットに設けられた内部ねじ部がスピンドル要素の外部ねじ部と直接噛み合う、ねじ係合駆動部として構成することもできる。そのおかげで、スピンドル駆動段の特に薄い構成が可能となる。
【0022】
スピンドル駆動段の具体的な設計から独立して、そのチューブナットはサーボモータによって回転駆動することができ、この場合、チェーン段またはベルト駆動段が、サーボモータとチューブナットとの間に設けられて、簡単な様式で、サーボモータを、駆動軸に隣接して横方向に離間して配置するか、または主ドライブトレインに対して偏心させて配置させることができ、サーボモータは、そのモータ軸がカッターヘッドの回転軸に平行になるように配置することができる。
【0023】
本発明のさらなる展開において、上述のチェーン駆動段またはベルト駆動段のチェーンまたはベルトは、チューブナットの端面に回転不能に取り付けられ得る駆動ピニオンを駆動することができる。したがって、チェーンまたはベルトが駆動軸の周りに延びるか、または軸方向に調節される駆動軸がベルト駆動段を通って延びる。駆動ピニオンをチューブナットの端面に配置することによって、スピンドル駆動段およびベルト駆動段の簡単な組立体を得ることができる。同時に、チューブナットは、作動力がスピンドル要素に伝達される領域において中心で、安定的に支持されることができる。
【0024】
しかしながら、チェーン段やベルト段の代わりに、平ギア段を介してチューブナットを駆動することも原則として可能であり得る。チェーン段またはベルト段を使用することによって、スピンドル駆動段の効率的な駆動が、薄い設計とサーボモータの配置のより高い自由度を伴って可能となりながら、同時に静かに動作することができる。
【0025】
あるいは、またはさらに、サーボモータとチューブナットとの間のギア段はまた、非接触であることもできる、ならびに/または、磁気ギア段および/もしくはクラッチ段を含むこともできる。例えば、磁気ギア段を設けることができ、これは、一方ではチューブナットに回転不能に接続された永久磁石を有し、他方ではそれと同軸で配置されたドラム要素に接続された永久磁石を有する。しかしながら、特に、このような磁気ギア段および/またはクラッチ段は、電気力学的に動作し、渦電流を介して駆動運動を伝達するように構成することができる。このような電気力学的に動作する磁気ギア段および/またはクラッチ段は、例えばリターダまたは渦電流ブレーキとして知られており、または電気モータと機能が類似している。このような磁気ギア段の利点は、特に、摩耗がなく、滑らかな動作という点でも優れた結果をもたらすことにある。
【0026】
チェーン段またはベルト段を設ける場合、サーボモータは、基本的に、上述のチェーン段またはベルト段のチェーンまたはベルトを駆動するそのモータ軸で直接駆動ピニオンを駆動することができる。しかしながら、本発明の代替的なさらなる展開において、サーボモータと駆動ピニオンとの間に位置し得るチェーンまたはベルトを駆動するために、さらなるギア段をサーボモータと上述の駆動ピニオンとの間に設けてもよい。特に、駆動ピニオンとサーボモータ間のこのようなさらなるギア段は、サーボモータまたは共通のモータおよびギアボックスの筐体に組み込むことができる。有利には、上述のさらなるギア段は、サーボモータのモータ軸と同軸で配置され得るか、または、ギア入力軸および出力軸を有し、その両方がサーボモータの軸と同軸で配置され得る。
【0027】
サーボモータ、および/またはサーボモータによってもたらされたカッターヘッドの送り力によって移動させられたカッターヘッドの軸方向位置を安定的に保持できるようにするために、本発明のさらなる展開において、スピンドル駆動段とサーボモータとの間の調節ドライブトレインの関連部分をロックまたは固着または固定することができる固定ブレーキを設けることができる。
【0028】
例えば、上述の固定ブレーキは、スピンドル駆動部のチューブナットを回転方向にロックまたは保持するため、および/またはスピンドルスリーブの形態のスピンドル要素を軸方向にロックまたは保持するために設けられるか、または設計され得る。チューブナットおよび/またはスピンドル要素をロックすることによって、チューブナットとサーボモータとの間のさらなるドライブトレインにおける降伏または弾性が回避されるか、またはもはや役割を果たさないので、サーボモータによって設定された位置においてカッターヘッドを特に強固に締め付けることができる。
【0029】
あるいは、またはさらに、固定ブレーキはまた、速度伝達比を利用して、より小さな保持力で送り装置を確実にロックできるようにするために、サーボモータにより近い駆動要素をロックすることもできる。例えば、チェーン段もしくはベルト段のチェーンおよび/もしくはベルトを駆動するための駆動ピニオン、ならびに/または、駆動ピニオンとサーボモータとの間のギア段のギア要素、ならびに/または、サーボモータもしくはサーボモータの軸自体を、固定ブレーキによって作用させ、所定の位置に保持することができる。
【0030】
スピンドル駆動段とカッターヘッドとの間において、その主な回転の動きに加えて軸方向に調節可能な駆動軸の軸受は、ペレタイザーの設計に応じて、様々な設計とすることができ、特に、ペレタイザーを湿式で動作させる場合、例えば水中ペレタイザーとして設計する場合、軸受の代わりに、または軸受に加えて封止部をも設けることができる。
【0031】
本発明のさらなる実施形態において、上述の軸方向に調節可能で回転駆動可能な駆動軸は、カッターヘッドを受け入れる切断室を囲む切断室筐体において、軸方向に調節可能であり、回転可能に取り付けられ得る。
【0032】
カッターヘッドの接続に応じて、これは駆動軸それ自体である必要はなく、有利なさらなる展開において、上述の様式で切断室筐体に取り付けられ、回転不能に軸方向に固定されるように駆動軸に接続されたカッターヘッドレセプタクルとすることもできる。
【0033】
特に、切断室筐体と駆動軸またはカッターヘッドレセプタクルとの間の軸受組立体は、切断室筐体において駆動軸/カッターヘッドレセプタクルを径方向に支持することができる。
【0034】
それとは独立して、封止組立体は、切断室筐体と駆動軸/カッターヘッドレセプタクルとの間の領域において切断室を封止するために、切断室筐体と駆動軸またはカッターヘッドレセプタクルとの間に設けられることができ、上述の封止組立体は、本発明の有利なさらなる展開において、駆動軸およびカッターヘッドレセプタクルの軸方向の動きおよび回転の動きを可能にするように設計されることができる。
【0035】
特に、ガイドブッシュは、切断室筐体とカッターヘッドレセプタクル/駆動軸との間に設けることができ、その上において、カッターヘッドレセプタクルおよび/または駆動軸が、転がり軸受および/またはすべり軸受の形態の少なくとも1つのラジアル軸受によって径方向に支持されている。
【0036】
これによって、上述のガイドブッシュは、有利には、特に1つ以上のすべり軸受によって切断室筐体において軸方向に調節可能に導かれ、同時に、上述のガイドブッシュは、少なくとも1つの封止部によって切断室筐体に対して封止され得る。上述の封止部は、封止リングの形態、例えば弾性Oリングの形態とすることができる。
【0037】
ガイドブッシュとカッターヘッドレセプタクルまたは駆動軸との間をも封止するために、摺動リング封止部を設けることができ、これは、カッターヘッドレセプタクルおよび/またはそれに接続された駆動軸に取り付けることができる。
【0038】
特に、カッターヘッドレセプタクルは、上述のガイドブッシュ内に径方向に取り付けられて封止されることができ、本発明の有利なさらなる展開において、カッターヘッドレセプタクルは、2つの玉軸受または他の転がり軸受によってガイドブッシュ内に取り付けられることができる。封止するために、摺動リング封止部がカッターヘッドレセプタクルに設けられることができ、封止レセプタクルと共に、ガイドブッシュに対してカッターヘッドレセプタクルを封止することができる。
【0039】
本発明を、好ましい実施形態および関連する図面に関して以下においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、水中ペレタイザーの斜視図であり、カッターヘッド駆動装置、および切断室において流すための処理水接続部を示す。
【
図2】
図2は、
図1のペレタイザーのカッターヘッドを回転駆動するためのドライブトレインにおける長手方向断面図であり、カッターヘッドの軸方向の調節のための送り装置であって、回転する駆動軸において入れ子になったスピンドル駆動段は、遊星ねじ駆動部として構成されている送り装置を示している。
【
図3】
図3は、
図2と同様のドライブトレインにおける長手方向断面図であり、カッターヘッドの軸方向の調節のための送り装置のスピンドル駆動段はねじ山駆動部として構成されている。
【
図4】
図4は、上述の図面のペレタイザーの切断室筐体内のドライブトレインの軸受および封止部配列における長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1が示すように、ペレタイザー1は、水中ペレタイザーとして設計され、ブレードを有するカッターヘッド2が収容される切断室23(
図4参照)が設けられた切断室筐体22を含む。溶融プラスチック材料は、図示しない、例えば押出し具を含む溶解物供給装置に接続することができる溶解物供給ヘッド31を介して、ノズル状溶解物チャネルを含むダイプレート3に供給されて、溶解ストランドが上述のダイプレート3を押し通るか、またはダイプレートから出力されることができる。ダイプレート3の上述の溶解物チャネルは、切断面を形成するとともに、カッターヘッド2に面して、切断室23内に配置されるか、または切断室23に隣接する、その端面において開放し得る。
【0042】
切断室23は、例えば入口32を介して切断室23に供給されるとともに、出口33を介してペレットと処理水との混合物の形態でペレットと共に排出され得る処理水で流すことができる。
【0043】
上述のカッターヘッド2は、例えば上述のダイプレート3に対して垂直に延び得るカッターヘッドの回転軸12を中心に、主駆動部34によって回転駆動され得る。主駆動部34は、駆動軸4を介してカッターヘッド2を回転駆動する、例えば電気モータの形態の駆動モータ5を含み得る(
図1参照)。
【0044】
主駆動部34に加えて、ダイプレート3に対するカッターヘッド2の軸方向の調節のために、サーボモータ10を含む送り装置6が設けられている(
図2および
図3参照)。
【0045】
上述の送り装置6は、回転駆動可能な駆動軸4自体を軸方向に調節できるように、駆動軸4における駆動モータ5とカッターヘッド2との間に据え付けられたスピンドル駆動段7を含む。駆動軸4は、回転不能に軸方向に固定されるように、カッターヘッド2に接続されて、駆動軸4の軸方向の調節の動きが、軸方向におけるカッターヘッド2の前進をもたらすようになる。
【0046】
スピンドル駆動段7は、チューブナット8と、チューブナット8に据え付けられたスピンドル要素9とを含む。上述のスピンドル要素9は、駆動軸4に据え付けられたスピンドルスリーブとして構成されている(
図2参照)。
【0047】
図2に示すように、スピンドル駆動段7は、チューブナット8とスピンドル要素9との間に設けられて、チューブナット8の回転の動きをスピンドル要素9の軸方向の動きに変換する、遊星ねじローラの形態の遊星部を有する、遊星ねじ駆動部として構成することができる。
【0048】
しかしながら、
図3が示すように、スピンドル駆動段7はまた、チューブナット8とスピンドル要素9との間に遊星部が設けられないが、代わりにチューブナット8の内部ねじ部がスピンドル要素9の外部ねじ部とねじ係合する、ねじ山駆動部として構成することもできる。
【0049】
図2および
図3に示すように、上述のチューブナット8は、筐体組立体および/またはシャーシ組立体13に、例えばチューブナット8と筐体組立体および/またはシャーシ組立体13との間の軸受組立体16によって、回転可能だが、軸方向に固定して取り付けられ得、上述の軸受組立体16は、例えば、円すいころ軸受のペアまたはラジアル/アキシャル軸受のペアの形態の1つ以上の転がり軸受を含み得る。しかしながら、必要に応じて、チューブナット8を回転可能に軸方向に固定して取り付けるためのすべり軸受も可能である。
【0050】
上述のスピンドル要素9は、一方では駆動軸4に取り付けられ、この目的のために設けられた軸受15は、軸方向には固定されているが回転可能であるように設計することができ、これによりスピンドル要素9の軸方向の動きを駆動軸4に直接伝達するが、後者はスピンドルスリーブ9内で回転することができるようになっている。駆動軸4とスピンドル要素9との間における上述の軸方向に固定されて回転可能に取り付けられた軸受組立体15は、例えば、軸突起部35の反対側に配置され得る2つの転がり軸受および/またはすべり軸受を含み得、使用される転がり軸受は、例えば、円すいころ軸受および/または玉軸受および/または円筒軸受である。
【0051】
駆動軸4とスピンドル要素9との間における上述の軸方向に固定された軸受組立体15は、チューブナット8の外側に配置され得る、またはチューブナット8のための軸受組立体16から軸方向にオフセットされ得る(
図2および
図3参照)。
【0052】
スピンドル要素9は、駆動軸4とチューブナット8または該当する場合は中間遊星部14との間において径方向に支持されている。スピンドル要素9を、回転不能だが軸方向に調節可能に保持するために、軸方向に調節可能であるが回転不能に構成されたさらなる軸受組立体17を、スピンドル要素9と筐体組立体および/またはシャーシ組立体13との間に設けることができる。これは、例えば、スピンドル要素9の延長部分におけるスプライン軸形状またはピンガイドであり得る。
【0053】
サーボモータ10は、スピンドル駆動段7のチューブナット8を回転駆動するために設けられており、そのモータ軸がカッターヘッド2の回転軸13または駆動軸4と平行にアライメントされて、駆動軸4に隣接して横方向にオフセットされるように配置することができる(
図2および
図3を参照)。
【0054】
サーボモータ10とチューブナット8との間の横方向のオフセットを埋めるために、ベルト段18を設けることができ、そのベルト36は、チューブナット8の端面に取り付けられるとともに、回転不能にそれに接続され得る駆動ピニオン19を駆動することができる。駆動ピニオン19は、駆動軸4が通過するリングギアとして構成されている。
【0055】
一方、ベルト段18の上述のベルト36は、サーボモータ10から回転駆動することができる駆動ピニオン37によって駆動される。
【0056】
有利には、さらなるギア段20が、サーボモータ10と上述の駆動ピニオン37との間に設けられることができ、そのギア入力軸および出力軸をサーボモータ10のモータ軸と同軸になるように配置することができ、特に、共通のモータ/ギア筐体に組み込むことができる(
図2を参照)。
【0057】
カッターヘッド2の軸方向の調節には、以下のような力の流れが生じる。サーボモータ10は、ギア段20を介してベルト段18を駆動し、駆動ピニオン19を介してその駆動ベルト36を駆動する。軸方向に固定されたチューブナット8の回転の動きは、
図2における遊星部14または
図3におけるねじ山係合を介して、スピンドル要素9の軸方向の動きに変換される。駆動軸4に軸方向に固定されたスピンドル要素9の軸方向の動きは、上述の駆動軸4に伝達され、駆動軸4が次に、回転不能に軸方向に固定されるようにカッターヘッド2に連結されて、カッターヘッド2がプレート3に向かって、またはプレート3から離れるように移動することができる。
【0058】
駆動モータ5からの回転駆動運動は、回転不能だが軸方向に移動可能であるように構成されているとともに、例えば、スプライン軸形状38または歯付き形状または同様のものを含むことができる、連結部38によって駆動軸4に伝達することができる。
【0059】
図4が示すように、ドライブトレインは切断室23に向かって封止されるか、または切断室筐体22において径方向に支持される、もしくは取り付けることができる。
【0060】
スピンドル駆動段7とカッターヘッド2との間において、その主な回転の動きに加えて軸方向に調節可能な駆動軸4の軸受配列は、ペレタイザー1の設計に応じて、様々な設計とすることができ、特に、ペレタイザー1を湿式で動作させる場合、例えば水中ペレタイザーとして設計する場合、軸受配列に加えて封止部も設けることができる。
【0061】
この場合、上述の軸方向に調節可能で回転駆動可能な駆動軸4は、それ自体、切断室23を囲む切断室筐体22において軸方向に変位可能にかつ回転可能に取り付けることができる。
【0062】
カッターヘッドの接続に応じて、これは駆動軸4それ自体である必要はなく、有利なさらなる展開において、上述の様式で切断室筐体22に取り付けられ封止され、回転不能に軸方向に固定されるように駆動軸4に接続されたカッターヘッドレセプタクルとすることもできる。
【0063】
特に、切断室筐体22と駆動軸またはカッターヘッドレセプタクルとの間の軸受組立体24は、切断室筐体22において駆動軸/カッターヘッドレセプタクルを径方向に支持することができる。
【0064】
それとは独立して、封止組立体29、30は、切断室筐体22と駆動軸/カッターヘッドレセプタクルとの間の領域において切断室23を封止するために、切断室筐体22と駆動軸/カッターヘッドレセプタクルとの間に設けられることができ、上述の封止組立体29、30は、駆動軸およびカッターヘッドレセプタクルの軸方向の動きおよび回転の動きを可能にする。
【0065】
特に、ガイドブッシュ26は、切断室筐体22とカッターヘッドレセプタクル/駆動軸との間に設けることができ、その上において、カッターヘッドレセプタクルおよび/または駆動軸が、転がり軸受および/またはすべり軸受の形態の少なくとも1つのラジアル軸受24によって径方向に支持されている(
図4を参照)。
【0066】
これによって、上述のガイドブッシュ26は、特に1つ以上のすべり軸受28によって、切断室筐体22において軸方向に変位可能に導かれ、同時に、上述のガイドブッシュ26は、少なくとも1つの封止部29によって切断室筐体に対して封止され得る(
図4を参照)。上述の封止部29は、封止リングの形態、例えば弾性Oリングの形態とすることができる。
【0067】
ガイドブッシュ26とカッターヘッドレセプタクルまたは駆動軸との間をも封止するために、摺動リング封止部30を設けることができ、これは、カッターヘッドレセプタクルおよび/またはそれに接続された駆動軸に取り付けることができる。
【0068】
特に、カッターヘッドレセプタクルは、上述のガイドブッシュ26内に径方向に取り付けられて封止されることができ、本発明の有利なさらなる展開において、カッターヘッドレセプタクルは、2つの玉軸受または他の転がり軸受によってガイドブッシュ26内に取り付けられることができる。封止するために、摺動リング封止部30がカッターヘッドレセプタクルに設けられることができ、封止レセプタクルと共に、ガイドブッシュ26に対してカッターヘッドレセプタクルを封止することができる。
【0069】
上述から見てとれるように、ペレタイザー1は、特に以下の特徴および特性によって特徴が記述される。
【0070】
記載する組立体は、外部モータ5によって駆動される軸4を軸方向に変位させることができる。
【0071】
組立体は、張力または圧縮力を外部モータ5によって駆動される軸4に加えることができる。
【0072】
組立体によって、摺動軸4が所定の位置に保持されて、外部の張力または圧縮力を受けることができる。
【0073】
サーボモータ10の回転トルクを調整することによって、送り力を両移動方向で連続的に、かつ互いに独立して調節することができる。
【0074】
サーボモータ10の速度を調整することによって、移動速度を両方向で連続的に、かつ互いに独立して調節することができる。
【0075】
固定ブレーキ21は、外力が加わったときでも運動ロッドの位置を保持するために使用することができる。
【0076】
組み込まれたアブソリュートエンコーダにより、運動ロッドの位置を動作時に測定および監視することができる。
【0077】
適切な、特に電子的な制御装置40によって、自動処理シーケンスを設定することができ、例えば、
・カッターヘッド位置の自動調節
・切断面の現在の摩耗高さへのブレード移動量の適応
・ダイプレート摩耗/カッター摩耗の測定
・レシピに応じた送り力
・カッターヘッドの送り力を伴わない切断室の連結および連結の解除
・手動によるブレードの移動、主モータからのトルクを介した送り出し、サーボモータからのトルクを介した送り出し(=送り力指定)、時間あたりの移動量による送り出しという、様々な動作設定が可能、などのメンテナンス作業および設置作業をしやすくすることができる。
【0078】
主駆動部には標準的なモータを使用することができ、位置および送り力を簡単に制御できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイプレート(3)からの材料ストランド出力をペレットに分割するための回転駆動可能なカッターヘッド(2)であって、駆動軸(4)を介して駆動モータ(5)に駆動するように接続されたカッターヘッド(2)と、前記カッターヘッドの回転軸(12)の方向に、前記カッターヘッド(2)を前記ダイヘッド(3)に対して軸方向に調節するための送り装置(6)であって、スピンドル駆動段(7)を含み、前記スピンドル駆動段のチューブナット(8)が、ギア段(11)を介してサーボモータ(10)によって回転可能に調節可能であり、前記チューブナット(8)にギア方式で動作可能に接続されたスピンドル要素(9)が、軸方向に調節可能になっている送り装置(6)とを備え、
前記スピンドル要素(9)は、前記駆動モータ(5)と前記カッターヘッド(2)との間において、軸方向に固定されるように、回転する前記駆動軸(4)に取り付けられたスピンドルスリーブとして構成されており、
前記駆動軸は、軸方向に固定されかつ回転不能であるように、前記カッターヘッド(5)に接続されており、前記スピンドルスリーブの軸方向の動きを前記カッターヘッド(2)に伝達する、ペレタイザー。
【請求項2】
前記チューブナット(8)は、筐体組立体および/またはシャーシ組立体(13)に回転可能だが軸方向に固定して取り付けられ、前記スピンドル要素(9)は、前記筐体組立体および/またはシャーシ組立体(13)に軸方向に調節可能だが回転不能に取り付けられ、前記駆動軸(4)は、前記スピンドル要素(9)に軸方向に固定されるが回転可能に保持されている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項3】
前記チューブナット(8)を回転可能に軸方向に固定して取り付けるための軸受組立体(16)は、前記駆動軸(4)に前記スピンドル要素(9)を軸方向に固定して回転可能に取り付けるための軸受組立体(15)から、および/または、前記スピンドル要素を回転不能に軸方向に調節可能に取り付けるための軸受組立体(17)から、前記カッターヘッドの回転軸(12)の方向に、軸方向に離間している、請求項1または2に記載のペレタイザー。
【請求項4】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)の回転の動きを前記スピンドル要素(9)の軸方向の動きに変換するために、遊星ねじロール(14)が前記チューブナット(8)と前記スピンドル要素(9)との間に設けられた、遊星ねじ駆動部として構成されている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項5】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)の回転の動きを前記スピンドル要素(9)の軸方向の動きに変換するために、ボールが前記チューブナット(8)と前記スピンドル要素(9)との間に設けられた、ボールねじ駆動部として構成されている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項6】
前記スピンドル駆動段(7)は、前記チューブナット(8)に設けられた内部ねじ部が前記スピンドル要素(9)の外部ねじ部と噛み合う、ねじ係合駆動部として構成されている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項7】
前記サーボモータ(10)と前記チューブナット(8)との間の前記ギア段(11)は、チェーン段またはベルト段(18)、特に歯付きベルト段を含む、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項8】
前記チェーン段またはベルト段(18)は、前記チューブナット(8)の端面において前記チューブナット(8)に回転不能に接続された駆動ピニオン(19)を有する、請求項7に記載のペレタイザー。
【請求項9】
さらなるギア段(20)は、前記チェーン段またはベルト段(18)と前記サーボモータ(10)との間に設けられており、好ましくは前記サーボモータ(10)に組み込まれている、請求項7または8に記載のペレタイザー。
【請求項10】
前記サーボモータ(10)と前記チューブナット(8)との間の前記ギア段(11)は、前記サーボモータ(10)から前記チューブナット(8)に回転トルクおよび駆動運動を伝達するための非接触動作磁気ギア段および/またはクラッチ段を含む、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項11】
前記磁気ギア段および/または前記クラッチ段は、電気力学的に渦電流で動作するように構成されている、請求項10に記載のペレタイザー。
【請求項12】
前記サーボモータ(10)は、前記駆動軸(4)から横方向にオフセットして配置されている、および/または、そのサーボモータの軸が前記駆動軸(4)と平行になるようにアライメントされている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項13】
固定ブレーキ(21)は、前記チューブナット(8)を回転方向にロックするため、および/または前記スピンドル要素(9)を軸方向にロックするために設けられている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項14】
前記固定ブレーキ(21)は、前記サーボモータ(10)をロックするように構成されている、請求項13に記載のペレタイザー。
【請求項15】
軸方向に調節可能で回転駆動可能な前記駆動軸(4)、および/またはそれに接続されたカッターヘッドレセプタクルは、前記カッターヘッド(2)を受け入れる切断室(23)を囲む切断室筐体(22)において、軸方向に変位可能で回転可能に取り付けられている、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項16】
一方では前記切断室筐体(22)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間の軸受組立体(24)は、前記切断室筐体(22)において前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)を径方向に支持している、請求項15に記載のペレタイザー。
【請求項17】
封止組立体(25)は、一方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)と他方では前記切断室筐体(22)との間の領域において前記切断室(23)を封止するために、一方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)と他方では前記切断室筐体(22)との間に設けられており、前記封止組立体(25)は、前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)の軸方向の動きおよび回転の動きを可能にするように構成されている、請求項15または16に記載のペレタイザー。
【請求項18】
ガイドブッシュ(26)は、一方では前記切断室筐体(22)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間に設けられており、その上において、前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)が、転がり軸受および/またはすべり軸受の形態の少なくとも1つのラジアル軸受(24)によって径方向に支持されており、前記ガイドブッシュ(26)は、前記切断室筐体(22)において軸方向に調節可能に導かれ、特にすべり軸受(28)によって軸方向に調節可能に取り付けられ、特に封止リングの形態の少なくとも1つの封止部(29)によって前記切断室筐体(22)に対して封止されている、請求項15に記載のペレタイザー。
【請求項19】
摺動リング封止部(30)は、一方では前記ガイドブッシュ(26)と他方では前記カッターヘッドレセプタクルおよび/または前記駆動軸(4)との間に設けられている、請求項18に記載のペレタイザー。
【請求項20】
前記摺動リング封止部(30)は、前記駆動軸(4)に回転不能に接続された前記カッターヘッドレセプタクルに取り付けられている、請求項19に記載のペレタイザー。
【請求項21】
前記送り装置(6)は、少なくとも1つの処理パラメータおよび/または1つのシステムパラメータに従って前記サーボモータ(10)を制御するための制御装置(40)を含む、請求項1に記載のペレタイザー。
【請求項22】
前記制御装置(40)は、前記ダイプレート(3)に対する前記カッターヘッド(2)の位置を前記少なくとも1つの処理パラメータおよび/または1つのシステムパラメータに従って自動的に調節する、特に、自動的に前記ダイプレート(3)上に移動させるか、または前記ダイプレート(3)から離れるように移動させる自動モードを有する、請求項21に記載のペレタイザー。
【請求項23】
検出装置は、前記カッターヘッド(2)および/または前記ダイプレート(3)における摩耗の兆候を検出するために設けられており、前記制御装置(40)は、摩耗の前記検出装置からの信号に従って、検出された前記摩耗の兆候に前記カッターヘッドの位置を適合させるために、特にカッターの摩耗の際に前記カッターヘッド(2)をさらに前進させるために、前記サーボモータ(10)を制御するように構成されている、請求項21または22に記載のペレタイザー。
【請求項24】
前記制御装置(40)は、前記ダイプレート(3)に対する前記カッターヘッド(2)の送り力を設定するための設定手段を有し、前記設定手段は、ペレット化される前記材料のレシピを特徴づける手動入力および/またはセンサ感知されたレシピ信号に従って、前記レシピに合致する前記送り力を設定するように前記サーボモータ(10)を制御する自動モードを有する、請求項21に記載のペレタイザー。
【請求項25】
前記制御装置(40)は、前記駆動モータ(5)の回転トルク、前記サーボモータ(10)の回転トルク、送込み速度および/または移動/時間における送込みであるパラメータの少なくとも1つに従って、前記サーボモータ(10)を駆動することによって、前記カッターヘッド(2)の送りを自動的に制御するように構成されている、請求項21に記載のペレタイザー。
【外国語明細書】